JP2003008475A - Rach受信装置 - Google Patents

Rach受信装置

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JP2003008475A
JP2003008475A JP2001191287A JP2001191287A JP2003008475A JP 2003008475 A JP2003008475 A JP 2003008475A JP 2001191287 A JP2001191287 A JP 2001191287A JP 2001191287 A JP2001191287 A JP 2001191287A JP 2003008475 A JP2003008475 A JP 2003008475A
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Ichiro Imaizumi
市郎 今泉
Atsushi Watanabe
淳 渡邊
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲のセルに対応してRACHを検出で
き、回路規模を縮小できるRACH受信装置を提供す
る。 【解決手段】 複素変調されたRACHの受信データに
対して2段階に分けて復調処理を行う構成とし、第1の
復調処理において、複数のコードレジスタ13から、シ
ンボル時間単位で分割したロングコード及び位相回転情
報の拡散符号をコード乗算部14に出力し、コード乗算
部14において、時分割で受信データとの乗算を行うR
ACH受信装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
通信の受信機においてRACHを検出するRACH受信
装置に係り、特に基地局のセル半径が大きい場合にも対
応してRACHを検出できる、簡単且つ小規模な構成の
RACH受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に移動体通信又は無線LAN(Loca
l Area Network)等に用いられるスペクトラム拡散(Sp
read Spectrum :SS)通信システムでは、送信側で送
信データに対して狭帯域変調(1次変調)を行い、更に
拡散変調(2次変調)を行う、2段階の変調を行ってデ
ータを送信する。受信側では、受信データに対して逆拡
散を行って1次変調に戻してから、通常の検波回路でベ
ースバンド信号の再生を行うようになっている。
【0003】しかし、W−CDMAの3GPPで決まっ
たRACH(Random Access CHannel)に関するPreambl
e部分の変調方式では、データレートが常に一定である
送信データに対し、セクタ毎に決められた1種のロング
コードと、4種の位相回転(45度、135度、225
度、315度の様に)により変調を行い、さらに16種
類のシグネチュア(16種類の拡散コード)により変調
を行っている。シグネチュアは16チップ長であり、そ
れが単に256回繰り返される(参考文献:3GPP仕
様書:3GTS25.213等)。
【0004】RACHは、Preamble部と、Message部に
分かれており、移動機は基地局との登録が済んでいない
場合には最初に仕様で決められた手順で、Preamble部を
バースト的に基地局に対して送信する。基地局では、そ
れを検出し、見つかった場合には、返事をAICH(Ac
quisition Indication CHannel)にて送信する。移動機
はこれを受け、その後Message部を送信することにな
る。ここで基地局として重要なことは、バースト的に送
られてくるPreamble部を如何に検出するかにある。
【0005】バースト送信のため位相が確立されていな
いことから、RACHの受信には、図8に示すようなM
F(Matched Filter)が従来用いられている。図8は、
MFを用いた従来のRACHの復調部の構成ブロック図
である。MFはシグネチュアとロングコード、及び位相
回転設定を施した符号コードをもって、ある範囲の窓に
て入力信号を待ちかまえる。
【0006】通常、位相回転は複素であるので、MFは
入力信号の同相成分と直交成分(以下、I成分とQ成分
という)毎に2個用意された受信データレジスタ82、
I成分とQ成分毎に2個用意されたコードレジスタ8
3、4種の積和演算を行うコード積和演算器84と、4
種の積和演算の結果を加減算し、複素演算を完成させる
複素演算部89により構成されている。
【0007】なお、シグネチュアの種類は全部で16種
存在するが、一時に16種全部に対応する必要がなく、
そのうちの何種かを用意しておけばよい。その種類数だ
けコードレジスタ83、コード積和演算器84及び複素
演算部89が必要となる。
【0008】MFの窓の大きさは、基地局がら移動機ま
での往復に要する時間により決まり、いわゆる基地局が
カバーするセル半径によって決まる。たとえば、セル半
径を15kmとすると、その時間(基地局→移動機→基
地局に信号が行き来する時間)はおよそ100μsとな
る。これはチップ数でいうと約256チップとなり、M
Fとして必要な窓は256チップ以上となる。つまり、
16チップ長のシグネチュアを256チップ長分繰り返
し待ち受けることになる。図8のMFでは、窓の大きさ
は256チップとしてある。MFとしては、この窓時間
だけ経過すると、次に続くロングコードに換えて同じ動
作を256回繰り返すことにより、Preamble部分を検出
する。
【0009】尚、移動機がPreamble部を送信出来るタイ
ミングは決められており、基地局から常時送られている
P‐CCPCHを基準に作られる上りアクセススロット
に限定されている。これにより、基地局のセル半径に応
じてRACHを検出することができる。
【0010】上記従来のRACHの復調部について図を
用いて説明する。入力信号は、符号分割多重(Code Div
ision Multiple Access :CDMA)変調されて送信さ
れ、アンテナ(図示せず)で受信されたアナログ信号
(I成分とQ成分の2個の信号)を、A/D変換器(ア
ナログ/デジタル変換器)81でデジタル信号の受信デ
ータに変換している。
【0011】変換の際に、A/D変換器81はチップ時
間間隔に比べ高速のクロックを用いており、入力信号は
オーバーサンプルされる。サンプリングレートである
が、図8では4倍オーバーサンプルとしている。そのた
め256チップの信号は1024サンプルの信号になっ
ている。尚、A/D変換器81の出力ビット数は複数で
あり、4〜8ビットが用いられる。
【0012】コードレジスタ83は、送信側でCDMA
変調に用いられたのと同じ拡散符号である符号コードを
出力するレジスタを有しており、1個のレジスタは25
6タップのF/F(Flip Flop)で構成されている。コ
ードレジスタ83にはすでにロングコードとシグネチュ
アと位相回転を演算した符号コードが入っており、25
6チップ時間毎に、続くコードと入れ替えられる。コー
ドレジスタ83は、I成分とQ成分の符号コードをそれ
ぞれ出力する2個のレジスタを有する。またコードレジ
スタ83は、符号発生器そのものであってもよい。
【0013】受信データレジスタ82は、受信データを
入力し、サンプル時間毎に順次シフトするレジスタを有
している。1個のレジスタは1024タップのF/Fで
構成され、4タップ毎にコード積和演算器84に出力す
る出力端子を有している。入力信号にはI成分とQ成分
の2組があるので、受信データレジスタ82では、レジ
スタは2個必要である。
【0014】コード積和演算器84は、受信データレジ
スタ82の4タップ毎の値と、コードレジスタ(256
タップ)83の値を乗算し、その乗算結果をすべて加算
する。このためハード規模は大きくなる。尚、複素演算
のため、コード積和演算器84では4種類の積和演算を
行うための積和演算器が必要である。コード積和演算器
84では、入力信号のI成分とコードのI成分の積和演
算、入力信号のQ成分とコードのI成分の積和演算、入
力信号のQ成分とコードのQ成分の積和演算、入力信号
のI成分とコードのQ成分の積和演算がそれぞれ実行さ
れる。
【0015】複素演算部89は、コード積和演算器84
の4出力を加減算し、複素演算を完成させる。すなわ
ち、入力信号のI成分とコードのI成分の積和演算結果
と入力信号のQ成分とコードのQ成分の積和演算結果を
加算、入力信号のQ成分とコードのI成分の積和演算結
果と入力信号のI成分とコードのQ成分の積和演算結果
との減算を行う。
【0016】図に示したMFの構成では、1種のシグネ
チュアに対応して入力信号の相関出力を得ることが出来
る。従って、シグネチュアの数が増えれば、その数だけ
点線で囲まれた部分の構成を増やさねばならない。但
し、受信データレジスタ82は、シグネチュアの数によ
らず、共通に使用可能である。
【0017】尚、図8の従来の復調部の各部の動作速度
は、以下のようになっている。アンテナで受信された受
信データのアナログ信号は元々送信側でCDMA変調さ
れているが、そのチップレートは約4Mcps(正確に
は3.84Mcps)であり、通常A/D変換器でデジ
タル信号に変換される場合は、その4倍の約16MHz
(15.36MHz)のサンプルレートで変換される。
したがって、それ以後のコードレジスタ83、積和演算
器84などの演算速度はいずれも約16MHzである。
【0018】CDMA変調を施す符号のビット数は1で
あるので、図のMFのハード規模としては、コード積和
演算器84内の加算器が大半を占めている。乗算器は、
符号が1の場合には、そのまま入力信号を出力し、0の
場合は入力信号を符号反転して出すだけの論理回路で構
成可能である。これに対し、加算器は長ビット(6ビッ
トがら十数ビット)の加算を実行しなければならず、ハ
ード規模が大きくなる。レジスタすなわちF/Fは、入
力信号のビット数だけF/Fを並列にならべればよい。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のRACH受信装置では、基地局のカバーするセルが
広範囲になるにつれ、回路規模が増大するという問題点
があった。上述したRACH受信装置において、基地局
のセル半径が50kmに及ぶ場合には、MFの窓の大き
さは1284チップ以上必要となる。これは基地局から
みると、移動機がカバーする範囲のどこに存在するかは
分かっていないので、一番近くの移動機も、一番遠くの
移動機に対してもRACHを検出しなければならないか
らである。
【0020】以下、広範囲のセル半径に対応した従来の
RACHの検出方法について、図を用いて説明する。図
9は50kmのセル半径に対応してRACHを検出す
る、従来のRACH受信装置におけるMFと各MFで用
いられる拡散符号の関係を表した図である。従来の検出
方法では、256チップ長のMFを6個用いたRACH
受信装置の復調部によって、各々のMFに異なる種類の
符号コードを割り当てて相関処理を行うことで、窓の大
きさを拡大している。また復調部にはコードレジスタが
設けられており、図9の関係図に従って各MFに対応し
た符号コードを出力する。
【0021】図9で表される関係図によれば、コードレ
ジスタは、シンボル単位、すなわち256チップずつ分
割された符号コードを格納しており、MF毎に分割した
符号コードを出力する。つまり、6*n+1番目(nは
正の整数)のシンボルに相等する符号コードは1番目の
MFであるMF1に、6*n+2番目のシンボルに相等
する符号コードはMF2に割り当てられ、このような割
り当て方法がMF6まで続く。またMF1には最初のシ
ンボル時間T1から、MF2には次のシンボル時間T2
から符号コードが入力され、以降のMFについてもシン
ボル時間ずつずれて符号コードの入力が始まる。
【0022】図9において、「T」はシンボル時間単位
を表しており、また「符号」は、ロングコードとシグネ
チュアと位相回転を演算した符号コードを表している。
まず最初のシンボル時間T1において、A/D変換器か
ら出力された受信データは1番目のMFであるMF1に
入力され、1番目の符号である符号1との相関演算が行
われる。次のシンボル時間T2では、受信データは1番
目及び2番目のMF、すなわちMF1及びMF2に入力
され、相関演算が行われる。MF1では符号1と、MF
2では符号2との相関演算が行われる。
【0023】以後、シンボル時間毎に受信データは他の
MFにも入力され、各MFでは対応した符号コードでの
相関演算が行われる。シンボル時間T6までには全ての
MFにおいて相関演算が行われる。シンボル時間T7の
とき、MF1には符号コードが符号7に切り替わって出
力され、以後符号7を用いて相関演算が行われる。次の
シンボル時間T8では、MF2において符号コードが符
号8に切り替わり、他のMFでも以後同様の切り替え処
理が行われる。図9の関係図によれば、各MFは同一の
符号コードで6シンボル時間相関演算を行い、その後新
たな符号コードに切り替えて同様に相関演算を行う。
【0024】また図10は、図9の関係図に従って相関
演算を行う場合の相関演算処理のタイムチャート図であ
る。図10のタイムチャート図によれば、各MFは同一
の符号コードで連続して6シンボル時間分相関演算を行
っている。まず受信機から最も近傍にいる移動機からの
受信データについては、MF1においてシンボル時間T
1からT6まで符号コード符号1が出力されて相関処理
が行われ、最も遠くにいる移動機からの受信データにつ
いては、MF6においてシンボル時間T6からT11ま
で符号コード符号6が出力されて相関処理が行われる。
以降の符号コードについても、同様の処理が行われる。
【0025】すなわち各MFは、同一の符号コードでセ
ル半径分の窓の大きさに相当する時間分の相関処理を行
うことができ、また符合コードはシンボル単位で分割さ
れて各MFに割り当てられているため、図9の関係図に
従って相関演算を行うことで、50kmのセル半径内の
受信データからもれなくRACHを検出できる。
【0026】また図11は、50kmのセル半径に対応
した従来のRACH受信装置におけるMFと各MFで用
いられる拡散符号の他の関係を表した図である。図11
の関係図によれば、シンボル単位で分割された全ての拡
散符号は、分割された順に各MFに出力される。また複
数あるMFのうち、MF1はシンボル時間T1から、M
F2はシンボル時間T2から符号コード符号1が入力さ
れ、以降のMFについてもシンボル時間ずつずれて符号
コードが順に入力される。
【0027】図11の関係図に従い各MFで相関演算を
行うようにしても、50kmのセル半径内の受信データ
からもれなくRACHを検出できる。図9の関係図によ
れば、同一符号による相関演算は同一のMFで行われて
いたが、図11では同一符号による相関演算はシンボル
時間毎にMFをずらして行われており、それぞれのMF
で行われた同一符号についての相関結果を追うことで、
RACHを検出することができる。
【0028】しかし、上述した従来の検出方法では、M
Fを複数設けた復調部が必要となるため、復調部及び受
信機の回路規模が増大するという問題点があった。例え
ば図8の復調部を用いて上述した検出方法を実現するに
は、点線で示す部分の構成が複数必要となる。
【0029】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、広範囲のセルに対応してRACHを検出でき、回路
構成を簡単且つ小規模にできるRACH受信装置を提供
することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための本発明は、ロングコード、位相回転情報及
びシグネチュアによりスペクトラム拡散された受信信号
を復調するRACH受信装置において、受信信号を格納
し、入力信号のサンプリング速度で出力する受信データ
レジスタと、スペクトラム拡散で用いられたロングコー
ド及び位相回転情報を特定時間単位で分割した第1の逆
拡散符号を制御信号に基づいて出力する複数の拡散符号
レジスタと、受信データレジスタから出力された受信信
号と、複数の拡散符号レジスタから出力された第1の逆
拡散符号とを制御信号に基づいて、入力信号のサンプリ
ング速度の整数倍の速度で時分割で乗算する第1の乗算
部と、拡散符号レジスタ及び第1の乗算部に制御信号を
出力し、拡散符号レジスタにおける第1の逆拡散符号の
出力タイミングと、第1の乗算部における乗算のタイミ
ングを制御する制御部と、第1の乗算部からの出力を、
第1の逆拡散符号毎に整数倍の速度で特定間隔で加算す
る第1の加算部と、スペクトラム拡散で用いられたシグ
ネチュアを第2の逆拡散符号として格納し、出力するシ
グネチュアレジスタと、第1の加算部からの出力と、第
2の逆拡散符号とを整数倍の速度で乗算する第2の乗算
部と、第2の乗算部から出力される乗算結果を前記整数
倍の速度で加算し、第1の逆拡散符号毎に相関出力を得
る第2の加算部とを有することを特徴とするものであ
り、広範囲のセルに対応してRACHを検出でき、回路
構成を簡単且つ小規模にすることができる。
【0031】また、本発明のRACH受信装置におい
て、第1の加算部と第2の乗算部との間に、受信信号に
対する複素演算を入力信号のサンプリング速度の整数倍
の速度で行う複素演算部を設け、受信データレジスタ
は、受信信号を入力信号のサンプリング速度で順に書き
込みながら第1の乗算部に出力し、拡散符号レジスタ
は、第1の逆拡散符号を巡回シフトさせつつ第1の乗算
部に出力し、第1の乗算部は、受信信号における同相成
分及び直交成分と第1の逆拡散符号との乗算を、入力信
号のサンプリング速度の整数倍の速度をさらに整数倍し
た速度でそれぞれ時分割に行い、第1の加算部は、さら
に整数倍した速度で加算を行うことを特徴とするもので
あり、広範囲のセルに対応してRACHを検出でき、一
層回路構成を簡単且つ小規模にすることができ、消費電
力を低減することができる。
【0032】また、ロングコード、位相回転情報及びシ
グネチュアによりスペクトラム拡散された受信信号を復
調するRACH受信装置において、受信信号に対して複
素演算処理を行う複素演算処理部と、複素演算処理にお
ける複素演算結果の同相成分及び直交成分を入力信号の
サンプリング速度で出力する受信データレジスタと、ス
ペクトラム拡散で用いられたロングコードを特定時間単
位で分割した第1の逆拡散符号を制御信号に基づいて出
力する複数の拡散符号レジスタと、受信データレジスタ
から出力された複素演算結果における同相成分及び直交
成分と、複数の拡散符号レジスタから出力された第1の
逆拡散符号との乗算を制御信号に基づいて、入力信号の
サンプリング速度の整数倍の速度で時分割で各々行う第
1の乗算部と、拡散符号レジスタ及び第1の乗算部に制
御信号を出力し、拡散符号レジスタにおける第1の逆拡
散符号の出力タイミングと、第1の乗算部における乗算
のタイミングを制御する制御部と、第1の乗算部から出
力される同相成分及び直交成分の各々に対して、第1の
逆拡散符号毎に整数倍の速度で特定間隔で加算する第1
の加算部と、スペクトラム拡散で用いられたシグネチュ
アを第2の逆拡散符号として格納し、出力するシグネチ
ュアレジスタと、第1の加算部からの出力と第2の逆拡
散符号とを整数倍の速度で乗算する第2の乗算部と、第
2の乗算部から出力される乗算結果を整数倍の速度で加
算して第1の逆拡散符号毎に相関出力を得る第2の加算
部とを有することを特徴とするものであり、広範囲のセ
ルに対応してRACHを検出でき、回路構成を簡単且つ
小規模にすることができる。
【0033】また、本発明のRACH受信装置におい
て、受信データレジスタは、複素演算結果における同相
成分及び直交成分を入力信号のサンプリング速度で順に
書き込みながら第1の乗算部に出力し、拡散符号レジス
タは、第1の逆拡散符号を巡回シフトさせつつ第1の乗
算部に出力し、第1の乗算部は、複素演算結果の同相成
分及び直交成分と第1の逆拡散符号との乗算を、入力信
号のサンプリング速度の整数倍の速度をさらに整数倍し
た速度でそれぞれ時分割に行い、第1の加算部は、さら
に整数倍した速度で加算を行うことを特徴とするもので
あり、広範囲のセルに対応してRACHを検出でき、一
層回路構成を簡単且つ小規模にすることができ、消費電
力を低減することができる。
【0034】また、本発明のRACH受信装置におい
て、第2の乗算部は、入力される演算結果と第2の逆拡
散符号との乗算を、入力信号のサンプリング速度の整数
倍の速度をさらに第2の逆拡散符号の種類数倍した速度
で行い、第2の加算部は第2の乗算部から出力される乗
算結果の加算を、さらに第2の逆拡散符号の種類数倍し
た速度で行うことを特徴とするものであり、広範囲のセ
ルに対応してRACHを検出でき、一層回路構成を簡単
且つ小規模にすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るR
ACH受信装置は、受信信号の復調処理を、ロングコー
ド及び位相回転処理の演算処理を施した符号コードによ
る第1の復調処理と、シグネチュアコードによる第2の
復調処理の2段階に分けて行い、且つ第1の復調処理に
おいて、符号コードをシンボル単位で分割して乗算部に
出力し、乗算部において時分割で受信データと符号コー
ドとの乗算処理を行うものであり、これにより広範囲の
セルに対応してRACHを検出することができ、回路規
模を簡単且つ小規模にすることができる。尚、請求項に
おける複素演算処理部は図3の複素乗算器311及び位
相回転器312に相当する。
【0036】まず、本発明のRACH受信装置で用いる
復調部の原理について説明する。従来の技術で既述した
ように、RACHで扱う無線送信信号のPreamble部は、
ロングコード及び位相回転により変調された後、さらに
シグネチュアによって変調されている。シグネチュアは
3GPP仕様書で規定されているように、16チップ長
の符号コードからなり、この符号コードが256回繰り
返して用いられる。またシグネチュアは全部で16種類
規定されている。
【0037】よってRACH受信機では最低限、16チ
ップ分の受信データに対して相関出力を行うMFを用い
て復調処理を行うことが可能であるといえるが、基地局
のセル内の通信を行うには不充分であること、雑音の影
響により確度の高い検出が行えない等の通信上の理由に
より、16チップ以上の受信データに対応したMFを用
意する必要がある。
【0038】上記従来のMFでは、コードレジスタにお
いて、ロングコード、位相回転及びシグネチュアコード
の演算処理を既に施した符号コードを記憶しており、こ
の符号コードを用いて受信データの復調処理を行ってい
た。本発明のRACH受信装置では、復調処理を2段階
に分けて行い、段階別に異なるMFを用いる。すなわち
第1の復調処理では、ロングコード及び位相回転分に対
する復調処理を行い、第2の復調処理でシグネチュアコ
ードに対する復調処理を行うMFを用いる。
【0039】具体的には、コードレジスタにはロングコ
ード及び位相回転の演算処理を施した符号コードを記憶
させておき、1チップ毎に受信データとの乗算処理、す
なわち第1の復調処理を行う。この復調処理で得られた
1チップ毎の乗算結果を16チップ置きに加算してい
き、それぞれの加算結果に対してシグネチュアコードを
乗算することで第2の復調処理を行い、第2の復調処理
の処理結果を加算し、相関出力を行う。
【0040】このような処理を行うことで、MF回路の
大半を占める加算器の数を低減することができるため、
結果的にRACH受信装置の回路規模を縮小することが
できる。
【0041】また、本発明のRACH受信装置では、ロ
ングコード及び位相回転の演算処理を施した符号コード
は、シンボル時間単位で分割され、複数のレジスタに格
納されている。これらのレジスタに格納されている符号
コードはMFに出力され、MFにおいて時分割で第1の
復調処理が行われる。これにより一つのMFによって第
1の復調処理を行うことができるため、広範囲のセルに
対応してRACHを検出でき、一層RACH受信装置の
回路規模を縮小することができる。
【0042】本発明の第1の実施の形態に係る復調部の
構成について、図1及び図6を用いて説明する。図1
は、本発明の第1の実施の形態(以下、実施の形態1と
いう)に係る復調部の構成ブロック図である。図1の復
調部は、4倍オーバーサンプリングで取得した256チ
ップ分のRACHの複素変調受信データに対して、相関
出力を行うものである。また、図1の復調部は、2種類
のシグネチュアコードを用いて相関出力を行うものであ
る。
【0043】本発明の実施の形態1に係る復調部は、A
/D変換器11と、受信データレジスタ12と、コード
レジスタ13−1〜13−nと、コード乗算部14と、
コード加算部15と、シグネチュアレジスタ16−1及
び16−2と、シグネチュア乗算部17−1及び17−
2と、シグネチュア加算部18−1及び18−2と、複
素演算部19−1及び19−2とから構成される。
【0044】A/D変換器11は、RACH受信機のア
ンテナ(図示せず)で受信したアナログ信号を、アナロ
グ信号の送信レートの4倍の速度でデジタル受信信号に
変換する。ここでアナログ信号の送信速度は4Mcps
であり、A/D変換器11は、同相成分(以下、I成分
という)及び直交成分(以下、Q成分という)の1ビッ
トのアナログ信号に対し、それぞれ4倍の速度の16M
bpsで多ビットのデジタル受信信号に変換する。
【0045】受信データレジスタ12は、直列に接続し
た1024タップのF/Fを有し、A/D変換器から受
信データが入力されると、各々のF/Fに格納されてい
る受信データを順次、次段のF/Fにシフトする。ま
た、受信データレジスタ12は、4タップ置きのF/F
に出力端子を有しており、サンプル時間毎に出力端子か
ら受信データをコード乗算部14にタップ出力する。受
信データレジスタ12は、I成分ならびにQ成分の受信
データを格納するため、上述した動作を行うF/F列が
2個設けられている。
【0046】すなわち、受信データレジスタ12は、4
倍オーバーサンプリングされた256チップ分の受信デ
ータを格納でき、サンプル時間毎に各チップにおける2
56個の受信データを出力する。実施の形態1の受信デ
ータレジスタ12は、F/Fを直列接続した構成である
が、上述した受信データの格納機能を有するものであれ
ば、他の構成、例えばメモリ等であってもよい。
【0047】コードレジスタ13−1〜13−nはそれ
ぞれ、256タップのF/Fを有しており、受信データ
の変調時に用いられた変調符号コードのうち、ロングコ
ード及び位相回転の演算処理を施したもの(以下、中途
復調符号コードという)を256タップ分記憶し、コー
ド乗算部14にタップ出力する。各コードレジスタ13
−1〜13−nも、I成分ならびにQ成分の中途復調符
号コードを記憶するため、上述した動作を行うF/F群
が2個設けられている。
【0048】また各コードレジスタ13−1〜13−n
には、シンボル単位で分割された中途復調符号コードが
記憶されている。例えば最初のシンボル時間に相当する
中途復調符号コードはコードレジスタ13−1に、次の
シンボル時間に相当する中途復調符号コードはコードレ
ジスタ13−2に記憶され、n番目のシンボル時間の中
途復調符号コードまでがこのような順序に従って記憶さ
れる。n+1番目以降の中途復調符号コードは、再びコ
ードレジスタ13−1に戻り、上述した順序で記憶され
る。
【0049】実施の形態1の受信コードレジスタ13
は、上述した中途復調符号コードを記憶できるものであ
れば、他の構成、例えばメモリ等であってもよい。ま
た、実施の形態1のコードレジスタ13は、中途復調符
号コードを生成する装置又は回路を用いてもよい。
【0050】コード乗算部14は、256個の乗算器群
を有し、受信データレジスタ12から出力された各成分
の受信データと、コードレジスタ13−1〜13−nか
ら出力された各成分の中途復調符号コードとの乗算を、
中途復調符号コードの種類毎に時分割で切り替えて25
6タップ分行い、乗算結果をコード加算部15に出力す
る。
【0051】コード乗算部14では、相関演算処理のた
めに各成分の受信データと各成分の中途復調符号コード
の乗算を全ての組み合わせにおいて行うので、4通りの
乗算を行う必要がある。このため、上述した乗算処理を
行う乗算器群が4組設けられている。したがってコード
乗算部14では、中途復調符号コードの種類毎に256
*4=1024の乗算結果が出力される。また各乗算は
256タップ分のデータについて行われるため、コード
乗算部14では全部で256*4=1024個の乗算器
が必要になる。
【0052】コード加算部15は、コード乗算部14か
ら出力された4種類の乗算結果に対して、それぞれの種
類について16タップ毎の乗算結果を加算し、加算結果
をシグネチュア乗算部17−1及び17−2に出力す
る。コード加算部15は、中途復調符号コードの種類毎
に加算を行う。
【0053】図6は、コード加算部15のブロック図で
ある。図6は1種類の乗算結果に対応して加算を行う構
成部分を示したものであり、実際はコード加算部15に
は図6で示す構成が4組設けられている。
【0054】図6に示すように、1種類の乗算結果に対
して加算を行うためコード加算部15は、15個の加算
器からなる回路群を16基設置した構成となっている。
各回路群は16タップ毎の乗算結果を加算し、出力す
る。図6において、実線の枠で囲まれている部分が回路
群である。
【0055】また、図6において、各回路群の左端に記
載されている数字は乗算結果のタップ番号を表してお
り、乗算結果のタップ番号には0〜255が割り振られ
ている。最上段の回路群は、0番目から16番置きのタ
ップ番号を有する16個の乗算結果の総和を出力する。
したがって16個の乗算結果に対する総和を求めるため
に、回路群は加算器を階層構造に配置したことで15個
の加算器を必要とする。また、各回路群において、加算
器は、階層が進むにつれ対応するビット数が大きいもの
となっている。
【0056】以下、次段以降の回路群では、1番目から
16番置きのタップ番号の乗算結果の総和、2番目から
16番目置きのタップ番号の乗算結果の総和、を求めて
いくことになり、最終的に16個の総和が各回路群から
出力されることになる。コード加算部15では、図6に
示した回路群の構成が全部で4組必要になるため、加算
器は15*16*4=960個必要となり、出力される
加算結果は全部で16*4=64個となる。実施の形態
1のコード加算部15では、各回路群における加算を加
算器の階層順に時分割で行うようにしてもよい。
【0057】複素演算部19は、コード加算部15から
出力された16*4の加算結果に対して加減算処理によ
る複素演算を行い、演算結果を相関出力として出力す
る。複素演算部29は、2*16の加算器によって実現
される。複素演算部19も、中途復調符号コードの種類
毎に複素演算を行う。
【0058】シグネチュアレジスタ16−1及び16−
2は、受信データの変調時に用いられたシグネチュアコ
ードを記憶する。各シグネチュアレジスタには異なるシ
グネチュアコードが記憶されており、シグネチュアレジ
スタ16−1はシグネチュア乗算器17−1に、シグネ
チュアレジスタ16−2はシグネチュア乗算器17−2
に、それぞれが記憶している16チップ長のシグネチュ
アコードを出力する。実施の形態1のシグネチュアレジ
スタ16−1及び16−2は、シグネチュアコードを生
成する装置又は回路を用いてもよい。
【0059】シグネチュア乗算部17−1及び17−2
は、複素演算部19から出力された16組のI成分及び
Q成分の演算結果及びシグネチュアレジスタ16−1及
び16−2から出力されたシグネチュアコードの乗算を
行い、乗算結果をシグネチュア加算部18−1及び18
−2に出力する。シグネチュア乗算部17−1及び17
−2も、中途復調符号コードの種類毎に乗算を行う。
【0060】具体的には、シグネチュア乗算部17−1
では、全てのI成分及びQ成分の演算結果とシグネチュ
アレジスタ16−1で記憶されているシグネチュアコー
ドとの乗算結果をシグネチュア加算部18−1に、シグ
ネチュア乗算器17−2では、全てのI成分及びQ成分
の演算結果とシグネチュアレジスタ16−2で記憶され
ているシグネチュアコードとの乗算結果をシグネチュア
加算部18−2にそれぞれ出力する。
【0061】シグネチュア乗算部17−1及び17−2
ではそれぞれ、全てのI成分及びQ成分の演算結果とシ
グネチュアコードとの乗算を行うため、乗算器が16*
2個必要となる。I成分及びQ成分の演算結果は、それ
ぞれの演算結果に対し対応するチップ位置のシグネチュ
アコードのビットデータと乗算されるため、シグネチュ
アコードによる復調処理は正確に行われる。
【0062】シグネチュア加算部18−1及び18−2
は、シグネチュア乗算部17−1及び17−2から出力
された16*2個のシグネチュアコードとの乗算結果に
対して、各成分毎の乗算結果の総和を求め、I成分及び
Q成分の相関出力として出力する。シグネチュア加算部
18−1及び18−2も、中途復調符号コードの種類毎
に加算を行う。具体的には、シグネチュア加算部18−
1は、シグネチュア乗算部17−1から、シグネチュア
加算部18−2は、シグネチュア乗算部17−2から出
力された16組のI成分及びQ成分の乗算結果に対する
総和を求め、相関結果として出力する。
【0063】シグネチュア加算部18−1及び18−2
はそれぞれ、図6で示されるコード加算部15における
各回路群の構成で加算器が配置されている。シグネチュ
ア加算部18−1及び18−2はそれぞれ、回路群を2
組有しており、加算器は15*2=30個必要となる。
【0064】RACHで用いるシグネチュアコードは複
素数ではないため、シグネチュアコードによる復調処理
前に複素演算を行っても受信データの復調結果に影響は
ない。図1の復調部はこの性質を利用し、複素演算部を
シグネチュア乗算部の前に設け、シグネチュアコードに
よる復調処理前に複素演算処理を行うようにしている。
【0065】また、本発明の実施の形態1の復調部に
は、コードレジスタ13における中途復調符号コードの
出力タイミング及びコード乗算部14における受信デー
タと中途復調符号コードとの乗算の切り替えの制御を行
うものとして、制御部が設けられている(図示せず)。
制御部からは制御信号が各コードレジスタ13−1〜1
3−n及びコード乗算部14に出力されている。制御信
号に基づいて各コードレジスタ13−1〜13−nは記
憶されている中途復調符号コードの出力切り替えを、コ
ード乗算部14は中途復調符号コードの種類を変えて乗
算を行う。
【0066】本発明の実施の形態1の復調部において扱
うデジタル受信信号は、復調処理を行うために通常8ビ
ットのデータとして処理を行う必要があるが、RACH
のPreamble部の検出では4ビットデータとして扱えば十
分である。よって受信データレジスタ12において4ビ
ットの受信データを格納する場合、F/Fは全部で10
24*4=4096個必要となる。すなわち1タップ=
4ビットとなる。
【0067】同様にコードレジスタ13においても1種
類の中途復調符号コードを記憶するためには、256*
4=1024ビットの容量が必要である。さらに実施の
形態1のMFを構成する各装置で用いる加算器及び乗算
器は、4ビット以上の演算に対応していなければならな
いことはいうまでもない。
【0068】上述した本発明の実施の形態1の復調部を
構成する各装置のうち、A/D変換器11及び受信デー
タレジスタ12は16MHzの速度で、それ以外の装置
は、それぞれ16MHzのn倍の速度で動作する。ま
た、本発明の実施の形態1の復調部において、シグネチ
ュアレジスタ16、シグネチュア乗算器17、シグネチ
ュア加算器18及び複素演算部19は、変調の際に用い
られたシグネチュアコードの種類数分設置する必要があ
る。
【0069】次に、本発明の実施の形態1に係る復調部
の動作について図1及び図6を用いて説明する。RAC
H受信機のアンテナ(図示せず)において受信された複
素変調アナログ信号は、A/D変換器11においてI成
分ならびにQ成分のデジタル受信信号に変換される。A
/D変換器11は、4Mcpsの速度で送信されるアナ
ログ信号に対して、4倍の速度の16Mbpsでデジタ
ル受信信号に変換する。
【0070】A/D変換器11で変換された各成分のデ
ジタル受信信号は、受信データレジスタ12に入力され
る。デジタル受信信号が入力されると受信データレジス
タ12では、各F/Fに格納されている受信データが次
段にシフトされ、4タップ毎に設けられている出力端子
から受信データが出力される。すなわちサンプル時間毎
に、受信データレジスタ12は各成分について256チ
ップの受信データを出力している。
【0071】また、各コードレジスタ13−1〜13−
nは、自身が記憶している中途復調符号コードを256
チップ分出力する。各コードレジスタ13−1〜13−
nは、制御部から出力される制御信号に基づいて、中途
復調符号コードを切り替えて出力する。図1の復調部が
50kmのセル半径に対応してRACHを検出するため
には、従来の技術で述べた理由からコードレジスタ13
は最低6個必要となる。コードレジスタ13がn=6個
ある場合には、図9又は図11で示された関係図に基づ
いて中途復調符号コードを出力することで、50kmの
セル半径に対応してRACHを検出することができる。
【0072】図9に基づいた中途復調符号コードの出力
方法について説明する。図1の復調部においては、図9
に示されている拡散符号は中途復調符号コードとして、
図9に示されている拡散符号の出力順序に従って、各コ
ードレジスタから所望の中途復調符号コードをコード乗
算部14に出力させる。すなわち最初のシンボル時間T
1では、コードレジスタ13−1のみから1シンボル目
の中途復調符号コードを出力させる。次のシンボル時間
T2では、1シンボル目の中途復調符号コードを継続し
て出力させ、コードレジスタ13−2から2シンボル目
の中途復調符号コードを出力させる。以後、シンボル時
間毎に他のコードレジスタにも中途復調符号コードを出
力させていき、シンボル時間T6までには全てのコード
レジスタにおいて中途復調符号コードが出力される。
【0073】また、各コードレジスタには同一の中途復
調符号コードを6シンボル時間連続して出力させた後、
制御部から制御信号を出力することにより他に記憶され
ている中途復調符号コードに切り替えて出力させる。コ
ードレジスタ13−1では、1シンボル目の中途復調符
号コードをシンボル時間T6まで出力させた後、制御信
号が入力され、シンボル時間T7から7シンボル目の中
途復調符号コードが出力される。他のコードレジスタに
対しても同様にして、中途復調符号コードの出力切り替
えが行われる。以上が図9に基づいた中途復調符号コー
ドの出力方法である。また、図11の関係図について
も、同様にして中途復調符号コードの出力方法に適用で
きる。図9又は図11に従って中途復調符号コードの出
力制御を行うことによって、図1の復調部は、50km
のセル半径内のRACHを検出することができる。
【0074】受信データレジスタ12から出力された各
成分の受信データ及び各コードレジスタ13から出力さ
れた各成分の中途復調符号コードは、コード乗算部14
に出力される。コード乗算部14は制御信号に基づい
て、中途復調符号コードを時分割で切り替え、16MH
zのn倍の速度で受信データとの乗算を行う。
【0075】コードレジスタ13を6個備え、且つ図9
又は図11に基づいて中途復調符号コードの出力制御が
行われる場合には、コード乗算部14は96MHzの速
度で乗算を行う。よって特定のシンボル時間において出
力されている中途復調符号コードは全て、当該シンボル
時間内でコード乗算部14において受信データとの乗算
が行われる。
【0076】I成分、Q成分の受信データをそれぞれR
、R、I成分,Q成分の拡散符号をそれぞれC
とすると、複素変調方式で変調された受信データを
復調するためには、R*C、R*C、R*C
、R*Cの乗算結果が必要となる。各々の乗算結
果を得るためにコード乗算部14では、各々の乗算を2
56チップ分行える乗算器群が4組設けられている。コ
ード乗算部14の各乗算器群で乗算が行われると、各乗
算器群の乗算結果である256チップ分の4種類の乗算
結果が、コード加算部15に出力される。乗算結果の出
力は、中途復調符号コードの種類毎に行われる。以上で
第1の復調処理が完了する。
【0077】コード加算部15では上述した通り、個々
が15個の加算器からなる16基の回路群によって、1
種類の乗算結果を16タップ置きに加算していき、各回
路群から16個の総和が出力される。すなわち各回路群
では、加算の開始チップ位置が異なる16個置きのチッ
プ別の乗算結果の総和が16個算出されることになる。
これらの動作を4種類の乗算結果全てに対して行うた
め、全体として16*4=64の加算結果が複素演算部
19に出力される。コード加算部15の加算及び加算結
果の出力も、中途復調符号コードの種類毎に行われる。
【0078】コード加算部15の加算結果は、複素演算
部19に出力される。複素演算部19では、種類毎の加
算結果に基づいて複素演算を行い、各成分の演算結果を
シグネチュア乗算部17−1及び17−2に出力する。
複素演算部19の演算及び演算結果の出力も、中途復調
符号コードの種類毎に行われる。I成分とQ成分の復調
受信データT、Tは、先に定義した記号を用いる
と、下式の通りに表される。T=R*C−R
…(1)T=R*C+R*C
…(2)(1)(2)式で表される演算式を実現する
ため、複素演算部19は2*16個の加算器を用いて構
成される。
【0079】それぞれが16個ある各成分の演算結果
は、シグネチュア乗算部17−1、17−2において、
シグネチュアレジスタ16−1、16−2に記憶されて
いるシグネチュアコードとの乗算がそれぞれ行われる。
シグネチュアコードはチップ長16の1ビットのデータ
であり、各シグネチュア乗算部において、各種類の加算
結果との乗算が行われる。シグネチュア乗算部17−
1、17−2では16*2=32個の乗算結果がシグネ
チュア加算部18−1、18−2にそれぞれ出力され
る。シグネチュア乗算部17における乗算及び乗算結果
の出力も、中途復調符号コードの種類毎に行われる。シ
グネチュア乗算部17−1及び17−2における乗算処
理によって、第2の復調処理が行われたことになる。
【0080】コード加算部15から出力された加算結果
はそれぞれ、受信データと中途復調符号コードとの乗算
結果を16チップ毎に加算したものである。また1種類
中の16個の加算結果は、それぞれ加算の開始チップ位
置が異なるものであるため、それぞれの加算結果に対し
対応するチップ位置のシグネチュアコードのビットデー
タと乗算を行うことで、最終的には受信データをロング
コード、位相回転、シグネチュアコードにより復調し、
16チップ毎に加算することと同様の結果が得られる。
【0081】シグネチュア乗算部17−1、17−2に
おける各種類の乗算結果は、シグネチュア加算部18−
1及び18−2において、乗算結果の総和が種類毎に求
められる。上述したようにシグネチュア加算部18−1
及び18−2は、図6のコード加算部で示されるように
加算器が配置された回路群が2個設けられており、それ
ぞれの回路群で成分別の乗算結果の総和を算出してい
る。シグネチュア加算部18−1及び18−2における
加算処理によって、256チップ分の受信データ復調処
理結果の総和が、成分毎に得られることになる。
【0082】シグネチュア加算部18−1及び18−2
における加算処理によって、各シグネチュアコードで変
調されたI成分及びQ成分の受信データの256チップ
分の相関出力を得ることができる。相関出力は中途復調
符号コード毎に出力されているため、相関出力に基づい
て最適なタイミングを検出でき、さらにRACHのPrea
mble部を検出することができる。
【0083】図1の復調部において、コードレジスタ1
3を6個備えており、且つ図9に基づいて中途復調符号
コードの出力制御を行う場合、各シンボル時間で出力さ
れる相関演算結果は、図10のタイムチャート図に示す
通りになる。符合コードはシンボル単位で分割されてお
り、また同一の符号コードでセル半径分の窓の大きさに
相当する時間分の相関処理を行うことができるため、図
1の復調部は50kmのセル半径内の受信データからも
れなくRACHを検出できる。また、図9の代わりに図
11に基づいて中途復調符号コードの出力制御を行った
場合でも、図1の復調部は同様に50kmのセル半径内
の受信データからもれなくRACHを検出できる。
【0084】また、図1の復調部では、複素変調された
RACHの受信データに対して、ロングコード及び位相
回転の演算処理を施した符号コードを乗算する第1の復
調処理、乗算結果を16チップ毎に加算し、加算結果に
対してシグネチュアコードを乗算する第2の復調処理の
二段階に分けて復調処理を行う構成としたことにより、
従来の復調部と比較して必要な加算器の総数を低減する
ことができる。
【0085】図1の復調部で用いる加算器の数は、レジ
スタコード加算部15において15*16*4=960
個、複素演算部19において2個、シグネチュア加算部
18において15*2=30個である。変調の際に用い
られたシグネチュアコードの種類数がmであるとすれ
ば、加算器の総数は962+30*mで表される。また
加算器の総数は、コードレジスタ13の数には影響され
ない。これに対し従来の復調部では、積和演算器84に
おいて255*4=1020個、加算器89において2
個の加算器を要するため、加算器の総数は1022*m
となる。また、広範囲のセル半径に対応してRACHを
受信するためには、積和演算器84が複数必要となるた
め、さらに上記の数の倍以上の加算器を用いることにな
る。
【0086】単純に加算器の総数で比較すれば、コード
レジスタ13の数又はシグネチュアコードの種類が増え
るにつれ、加算器の総数の差は顕著となる。例えば図1
の復調部に6個のコードレジスタ13が設けられてお
り、2種類のシグネチュアコードによってアナログ信号
が変調されていた場合、図1の復調部で必要な加算器の
総数は従来の約8%ですむ。
【0087】従来の復調部では、コードレジスタにはロ
ングコード、位相回転及びシグネチュアコードの演算処
理を施した符号コードをあらかじめ記憶しておき、この
符号コードを用いて積和演算部で積和演算を行ってい
た。このため用いるシグネチュアの種類数が増える毎
に、個別にコードレジスタ及び積和演算部を設けなけれ
ばならなかった。また従来の復調部では、広範囲のセル
に対応してRACHを検出するために、複数のコードレ
ジスタ及び積和演算部を設け、同一の符号コードでセル
半径分の窓の大きさに相当する時間分の相関処理を行っ
ていた。
【0088】図1の復調部では、シグネチュアによる復
調処理を個別に第2の復調処理として行うこととしたの
で、シグネチュアの種類数によらず、コードレジスタ1
3及びコード乗算部14、最も加算器を使用するコード
加算部15は1個ずつで済み、シグネチュアの種類毎に
シグネチュアレジスタ16、シグネチュア乗算部17、
シグネチュア加算部18を設けるだけでよい。また図1
の復調部では、コード乗算部14において複数のコード
レジスタ13から出力された中途復調符号コードを、時
分割で受信データと乗算させることにより、コードレジ
スタ13の数によらずコード乗算部14を1個設けるだ
けで広範囲のセルに対応してRACHを検出できる。
【0089】図1の復調部において、コード乗算部14
の処理速度を倍速又は4倍速にして、コード乗算部14
の乗算器群の個数を低減するような構成にしてもよい。
例えばコード乗算部14において、乗算速度を4倍とす
ることで、復調に必要な乗算結果を得るための乗算器群
を1組に低減することができる。演算処理速度である
が、今後のLSI製造プロセス(CMOS0.18μ
m)でのクロック周波数は、500MHzから2GHz
に及ぶため、50kmのセル半径に対応してRACHを
検出するRACH受信装置でこのような構成を適用する
場合でも十分に対応できる。
【0090】本発明の実施の形態1に係る復調部によれ
ば、RACHの受信データに対する復調処理を、ロング
コード及び位相回転に関する第1の復調処理、シグネチ
ュアコードに関する第2の復調処理の二段階に分けて行
うような構成としたことにより、回路規模を縮小できる
効果がある。とりわけ復調回路の大半を占める加算器の
数を低減することができるため、復調回路の回路規模を
大幅に縮小でき、RACH受信装置の回路規模を縮小で
きる効果がある。
【0091】また、広範囲のセルに対応してRACHを
検出するために、ロングコード及び位相回転処理を施し
た複数種の符号コードを、時分割で受信データとの乗算
処理を行うような構成としたことにより、コード乗算器
を1個設けるだけで済むため、一層回路規模を縮小でき
る効果がある。よって復調回路の回路規模及びRACH
受信装置の回路規模をさらに縮小できる効果がある。
【0092】図2は、本発明の第2の実施の形態に係る
復調部の構成ブロック図である。以下、本発明の第2の
実施の形態(以下、実施の形態2という)に係る復調部
の構成及び動作について、図1の復調部との相違点を中
心に図2を用いて説明する。
【0093】図2の復調部では、A/D変換器21にお
いて16Mbpsの速度でそれぞれ変換されたI成分と
Q成分のデジタル受信データを、セレクタ210で32
MHzの速度で交互に切り替えて受信データレジスタ2
2に出力する。
【0094】受信データレジスタ22は、直列に接続し
た2048タップのF/Fからなり、セレクタ210か
ら受信データが入力されると、各々のF/Fに格納され
ている受信データを順次、次段のF/Fにシフトする。
また受信データレジスタ22は、8タップ置きのF/F
に出力端子を有しており、サンプル時間の半分、つまり
32MHzの速度で出力端子から受信データをコード乗
算部24にタップ出力する。
【0095】すなわち、受信データレジスタ22には、
セレクタ210から32MHzの速度で出力されるI成
分及びQ成分の受信データが交互にF/Fに入力、シフ
トされる。また受信データレジスタ22は、4倍オーバ
ーサンプリングされた256チップ分のI成分及びQ成
分の受信データを格納でき、32MHzの速度で各チッ
プにおける256個の受信データを成分別に交互に出力
する。
【0096】コードレジスタ23−1〜23−nは、図
1のコードレジスタと同様、シンボル単位でのI成分と
Q成分の中途復調符号コードを記憶している256タッ
プのF/Fをそれぞれ有しており、それぞれのF/Fは
記憶している中途復調符号コードをレジスタ乗算部24
に出力する。各コードレジスタ23−1〜23−nで記
憶される中途復調符号コードの順序については、図1の
場合と同様である。また図2の復調部にも、制御部(図
示せず)が設けられている。制御部から出力される制御
信号に基づいて、各コードレジスタ23−1〜23−n
は記憶されている中途復調符号コードを切り替えて出力
する。
【0097】コード乗算部24は、256個の乗算器か
らなる乗算器群を2組有した構成となっている。コード
乗算部24は制御部から出力される制御信号に基づい
て、コードレジスタ23−1〜23−nから出力された
各成分の中途復調コードを時分割で切り替え、受信デー
タレジスタ22から出力された各成分の受信データとの
乗算を32MHzのn倍の速度で256タップ分行い、
乗算結果をコード加算部25に出力する。コードレジス
タ23を6個備え、且つ図9又は図11に基づいて中途
復調符号コードの出力制御が行われる場合には、コード
乗算部24は192MHzの速度で乗算を行う。
【0098】上述した通り、コード乗算部24には、受
信データレジスタ22から32MHzの速度で各成分の
受信データが交互に入力される。例えば、あるタイミン
グで受信データレジスタ22からI成分の受信データR
が入力されると、コード乗算部24ではR*C
*Cの乗算が行われ、1/2サンプル時間後にQ
成分の受信データRが入力されるので、さらにR
、R*Cの乗算が行われる。
【0099】これらの乗算は1サンプル時間内に完了
し、しかも復調の際に必要な受信データ及び拡散符号の
積の全ての組み合わせが得られるため、乗算器群は各成
分のコードに対応して2組設けるだけでよい。よって特
定のシンボル時間において出力されている中途復調符号
コードは全て、当該シンボル時間内でコード乗算部24
において受信データとの乗算が行われる。乗算及び乗算
結果の出力は、中途復調コードの種類毎に行われる。
【0100】コード乗算部24から出力された、それぞ
れが256タップ分を有する4種類の乗算結果は、コー
ド加算部25に入力される。コード加算部25は図6の
コード加算部で示されるように加算器が配置された回路
群が2個設けられており、32MHzの速度で16*2
=32個の加算結果を出力する。
【0101】上述したように、コード乗算部34は4種
類の乗算結果のうち、2種類ずつを32MHzの速度で
交互に出力するので、複素演算に必要な4種類の加算結
果が揃うまでには、1サンプル時間を要する。コード加
算部25の加算処理については、図1の復調部における
コード加算部15と同様である。コード加算部25の加
算及び加算結果の出力も、中途復調符号コードの種類毎
に行われる。
【0102】コード加算部25から出力された、それぞ
れが16個ある4種類の加算結果は、複素演算部29に
入力され複素演算が行われる。複素演算を行うには4種
類の受信データ及び拡散符号の積の組み合わせが必要で
あるが、既述したように全ての組み合わせが揃うには1
サンプル時間が経過しなければならないため、複素演算
部29は16MHzの速度で16組のI成分及びQ成分
の複素演算結果を出力することになる。
【0103】このため複素演算部29は、例えばメモリ
などを用いてコード加算部25から出力された加算結果
を一時的に記憶し、複素演算に必要な加算結果が揃った
時点で演算を行うような構成にすることが必要である。
また、複素演算部29が上述した動作を行うためには、
加算結果の記憶及び演算を32MHzのn倍の速度で行
わなければならない。また、複素演算部29の演算及び
演算結果の出力も、中途復調符号コードの種類毎に行わ
れる。複素演算部29からは、16Mbpsのn倍の速
度で16組のI成分及びQ成分の複素演算結果が出力さ
れる。
【0104】複素演算部29から出力された16組のI
成分及びQ成分の複素演算結果は、シグネチュア乗算部
27に入力される。シグネチュア乗算部27の構成及び
動作は図1のシグネチュア乗算部17と同一であるが、
処理速度は4倍となる。
【0105】またシグネチュアレジスタ26−1〜26
−4は各々が記憶しているシグネチュアコードを64M
Hzのn倍の速度でシグネチュア乗算部27に時分割で
切り換えて出力している。シグネチュアレジスタ46−
1〜46−4は、このような動作を循環して行ってい
る。したがってシグネチュア乗算部27は、同一の複素
演算結果に対し、64MHzのn倍の速度でそれぞれ異
なるシグネチュアコードとの乗算を行うことで、一つの
乗算部によって複数のシグネチュアによる復調処理を行
っている。
【0106】シグネチュア乗算部27から出力される1
6組のI成分及びQ成分の乗算結果は、シグネチュア加
算部28において各成分の総和が算出され、相関出力と
して出力される。シグネチュア加算部28の構成及び動
作は図1のシグネチュア加算部18と同一であるが、処
理速度は64MHzのn倍の速度であるため、中途復調
符号コード及びシグネチュアの種類別に相関出力を出力
することができる。
【0107】図2の復調部では、シグネチュアによる復
調処理を行う装置において処理速度をシグネチュアの種
類数倍上げたことにより、シグネチュア乗算部27及び
シグネチュア加算部28の設置数を低減できる。図2の
復調部では、4種類のシグネチュアによる復調処理を1
組のシグネチュア乗算部27及びシグネチュア加算部2
8で対応しているため、図1の復調部で4種類のシグネ
チュアを扱う場合と比較して乗算器を16*2*3=9
6個、加算器を15*2*3=90個低減できる。
【0108】また、図2の復調部において、コードレジ
スタ23を6個備えており、且つ図9又は図11に基づ
いて中途復調符号コードの出力制御を行う場合には、図
1の復調部と同様に50kmのセル半径内の受信データ
からもれなくRACHを検出できる。
【0109】図2の復調部において、シグネチュアの種
類数に応じて、シグネチュアレジスタ、シグネチュア乗
算部及びシグネチュア加算部の組を並列的に設置しても
よい。これらの組の装置の処理速度は、この装置の組に
含まれるシグネチュアの種類数に合わせることが好適で
ある。また、図2の復調部において、コード乗算部24
の処理速度を倍速にして、コード乗算部24の乗算器群
の個数を低減するような構成にしてもよい。
【0110】本発明の実施の形態2に係る復調部によれ
ば、シグネチュアによる復調処理を行う装置の処理速度
をシグネチュアの種類数倍に上げ、時分割によって複数
種のシグネチュアによる復調処理を行う構成にしたこと
により、シグネチュアによる復調処理を行う装置におけ
る乗算器及び加算器の数を低減でき、更に復調回路の回
路規模を一層縮小でき、RACH受信装置の回路規模を
縮小できる効果がある。
【0111】また、広範囲のセルに対応してRACHを
検出するために、ロングコード及び位相回転処理を施し
た複数種の符号コードを、時分割で受信データとの乗算
処理を行うような構成としたことにより、コード乗算器
を1個設けるだけで済むため、一層回路規模を縮小でき
る効果がある。よって復調回路の回路規模及びRACH
受信装置の回路規模をさらに縮小できる効果がある。
【0112】図3は、本発明の第3の実施の形態に係る
復調部の構成ブロック図である。以下、本発明の第3の
実施の形態(以下、実施の形態3という)に係る復調部
の構成及び動作について、図1及び図2の復調部との相
違点を中心に図3を用いて説明する。
【0113】図3の復調部は、受信データに対し、まず
位相回転及び複素演算処理を行い、複素演算結果に対し
てロングコードによる復調処理及びシグネチュアによる
復調処理を行い、相関出力を行うものである。また、図
3のMFは、1種類のシグネチュアコードを用いて相関
出力を行うものである。
【0114】図3のMFにおいて、A/D変換器31で
変換されたI成分及びQ成分の受信データは、まず複素
乗算器311に入力される。A/D変換器31は、16
Mbpsの速度で受信データをデジタル変換する。複素
乗算器311には位相回転レジスタ312で記憶されて
いるI成分及びQ成分の位相回転符号が入力されてお
り、複素乗算器311はこれらの入力データに基づいて
複素演算を行い、各成分の複素演算結果を出力する。
【0115】図7は、複素乗算器311のブロック図で
ある。図7のブロック図において、I、QはI成分とQ
成分の受信データを、i、qは、I成分とQ成分の位相回
転符号をそれぞれ示している。また図7に示す複素乗算
器311の回路構成は、複素演算式(1)(2)を実現
するものであることに他ならない。よって複素乗算器3
11は位相回転処理を行うと同時に、受信データの複素
演算処理も行っている。
【0116】複素乗算器311から出力された各成分の
複素演算結果のうち、I成分の複素演算結果は受信デー
タレジスタ32−1に、Q成分の複素演算結果は受信デ
ータレジスタ32−2にそれぞれ出力される。各受信デ
ータレジスタ32は、順次入力される受信データをコー
ド乗算部34へタップ出力する。
【0117】図3の復調部では、受信データとロングコ
ードとの乗算を成分別に行うため、受信データレジスタ
32、コード乗算部34及び複数のコードレジスタ33
を成分毎に設けている。また各コードレジスタ33に
は、シンボル単位で分割された各成分のロングコードが
記憶されている。各コードレジスタ33で記憶されるロ
ングコードの順序は、図1の場合と同様である。また、
図3の復調部には制御部(図示せず)が設けられてお
り、コード乗算部34及び各コードレジスタ33に制御
信号を出力して、乗算及びロングコードの出力の制御を
行う。
【0118】上記構成に従って、I成分の複素演算結果
はコードレジスタ乗算器34−1において、コードレジ
スタ33−1a〜33−1nに記憶されているI成分の
ロングコードとのタップ乗算が行われ、16個の加算結
果が出力される。同様にQ成分の複素演算結果は、コー
ドレジスタ乗算器34−2において、コードレジスタ3
3−2a〜33−2nに記憶されているQ成分のロング
コードとのタップ乗算が行われ、16個の加算結果が出
力される。
【0119】コード乗算部34−1、34−2はそれぞ
れ、制御部から出力される制御信号に基づいて、コード
レジスタ23−1〜23−nから出力された各成分のロ
ングコードを時分割で切り替え、受信データレジスタ2
2から出力された各成分の受信データとの乗算を16M
Hzのn倍の速度で256タップ分行い、乗算結果を出
力する。成分毎にコードレジスタ23を6個備え、且つ
図9又は図11に基づいてロングコードの出力制御が行
われる場合には、コード乗算部34−1、34−2は9
6MHzの速度で乗算を行う。
【0120】コード乗算部34−1、34−2における
各成分の乗算結果はそれぞれ、コード加算部65−1、
65−2に入力され、16チップ毎の加算が行われるこ
とによりロングコードによる復調処理が完了する。コー
ド加算部65−1、65−2の加算及び加算結果の出力
もは、ロングコードの種類毎に行われる。
【0121】図3の復調部において、受信データレジス
タ32−1及び32−2、コードレジスタ33−1a〜
33−1n及び33−2a〜33−2n、コード乗算部
34−1及び34−2、コード加算部35−1及び35
−2はそれぞれ、図1の復調部の対応する各装置のうち
の1組の回路群、すなわちF/F列、乗算器群又は加算
器群を有する構成となっている。受信データは既に複素
演算処理が成されており、各成分の複素演算結果に対し
てロングコードによる復調処理を行えばよいため、各装
置は1組の回路群で足りる。
【0122】コード加算部35−1、35−2から出力
された16個の各成分の加算結果は、シグネチュア乗算
部37−1、37−2にそれぞれ出力される。I成分の
複素演算結果の加算結果は、シグネチュア乗算部37−
1でシグネチュアレジスタ36に記憶されているシグネ
チュアコードとの乗算が行われ、さらに乗算結果はシグ
ネチュア加算部38−1において総和が求められ、結果
をI成分の相関出力として出力する。Q成分の複素演算
結果の加算結果も、対応する装置において同様の方法に
より処理され、シグネチュア加算部38−2からQ成分
の相関出力として出力される。シグネチュア乗算部37
における乗算及び乗算結果の出力、シグネチュア加算部
38における加算及び加算結果の出力は、ロングコード
の種類毎に16MHzのn倍の速度で行われる。
【0123】図3の復調部において、シグネチュア乗算
部37、シグネチュア加算部38は、図1の復調部の対
応する各装置のうちの1組の回路群、すなわち乗算器群
又は加算器群を有する構成となっている。
【0124】図3の復調部は1種類のシグネチュアで変
調された受信データを対象とするものである。受信デー
タが複数種のシグネチュアで変調された場合には、シグ
ネチュアレジスタ36、シグネチュア乗算部37−1及
び37−2、シグネチュア加算部38−1及び38−2
はそれぞれ、変調の際に用いられたシグネチュアコード
の種類数分設置する必要がある。また、図2の復調部に
示したように、シグネチュアコードを時分割で切り替え
てシグネチュア乗算部に出力させるようにしてもよい。
このとき、シグネチュア乗算部及びシグネチュア加算部
の演算速度は、さらにシグネチュアの種類数倍にする必
要がある。
【0125】図3の復調部では、I成分及びQ成分の受
信データに対し、まず複素乗算器311において位相回
転処理及び複素演算処理を行ったのち、得られた各成分
の複素演算結果に対してロングコードによる復調処理及
びシグネチュアによる復調処理を行うことにより、図1
の復調部と比較して、コード乗算部34において乗算器
群を4組から2組、乗算器の数で512個、コード加算
部35において加算器を15*16*2=480個、シ
グネチュア乗算部37において乗算器を16*2=32
個、シグネチュア加算部38において加算器を15*2
=30個低減できる。またシグネチュアの種類数がm個
である場合、図3の復調部で用いられる加算器の総数は
482+30*mで表される。
【0126】また、図3の復調部において、成分毎にコ
ードレジスタ33−1、33−2を6個備えており、且
つ図9又は図11に基づいてロングコードの出力制御を
行う場合には、図1の復調部と同様に50kmのセル半
径内の受信データからもれなくRACHを検出できる。
【0127】また、図3の復調部において、コード乗算
部34の処理速度を倍速にして、コード乗算部34の乗
算器群の個数を低減するような構成にしてもよい。
【0128】本発明の実施の形態3に係る復調部によれ
ば、受信データに対して位相回転処理及び複素演算処理
を行った後に、ロングコードによる復調処理及びシグネ
チュアによる復調処理を行う構成にしたことにより、復
調部全体で用いる乗算器及び加算器の数を低減できるた
め、復調回路の回路規模を縮小でき、RACH受信装置
の回路規模を縮小できる効果がある。
【0129】また、広範囲のセルに対応してRACHを
検出するために、ロングコードを、時分割で受信データ
との乗算処理を行うような構成としたことにより、コー
ド乗算器を1個設けるだけで済むため、一層回路規模を
縮小できる効果がある。よって復調回路の回路規模及び
RACH受信装置の回路規模をさらに縮小できる効果が
ある。
【0130】次に、本発明の実施の形態1に係る復調部
の実施例について、図を使って説明する。図4は、本発
明の実施の形態1に係る復調部のうち、中途復調符号コ
ードによる第1の復調処理を行う回路の構成ブロック図
である。
【0131】本発明の実施例の復調部における第1の復
調処理を行う回路は、図4に示すように、A/D変換器
41と、メモリ部413と、受信データレジスタ42
と、コード乗算部44と、拡散符号発生器415−1〜
415−nと、拡散符号レジスタ416−0〜416−
nと、制御部414とから構成されている。なお、図4
では簡略化のため、受信データレジスタ42におけるサ
ンプルホールド回路(図ではS/H)列、コード乗算部
44における乗算器群はそれぞれ1組ずつしか示されて
いないが、実際にはS/H回路列は2組、乗算器群は4
組備えられている。
【0132】A/D変換器41は、従来と同様にアンテ
ナ(図示せず)で受信したアナログ信号を、アナログ信
号の送信レートの4倍の速度でデジタル受信信号に変換
する。ここでアナログ信号の送信速度は4Mcpsであ
り、A/D変換器41は、同相成分及び直交成分の1ビ
ットのアナログ信号に対し、それぞれ4倍の速度の16
Mbpsで多ビットのデジタル受信信号に変換する。メ
モリ部413は、制御部414からの指示に従いA/D
変換器41で変換されたデジタル受信信号を少なくとも
1シンボル分以上であってシンボル単位で取り込んで保
持し、それを順次シンボル単位で一斉に高速で読み出す
ものである。
【0133】受信データレジスタ42は、直列に接続さ
れた1024個のS/H回路で構成され、メモリ部41
3から出力されたデジタル受信信号を順次取り込んで保
持し出力する回路である。受信データレジスタ42のS
/H回路は、4タップ置きのサンプルホールド回路に出
力端子を有しており、サンプル時間毎に出力端子から受
信データをコード乗算部44にタップ出力する。
【0134】拡散符号発生器415−1〜415−n
は、制御部414からの指示により、指定された中途復
調符号コードを指定された位相で送出するものである。
【0135】拡散符号レジスタ416−1〜416−n
は、複数の拡散符号発生器415−1〜415−nと対
になるよう設けられている。各拡散符号発生器415−
1〜415−nから出力された中途復調符号コードは、
各拡散符号レジスタ416−1〜416−nに入力され
て保持され、各拡散符号レジスタ416−1〜416−
nから出力される拡散符号を入れ替えて拡散符号レジス
タ416−0に保持するようにして、拡散符号レジスタ
416−0からの拡散符号と入力信号とを乗算部44で
乗算するようになっている。また拡散符号レジスタ51
6−0〜516−nは、直列に接続された256個のサ
ンプルホールド回路で構成されており、入力された中途
復調符号コードを1ビットずつ順次シフトして保持す
る。なお、図4の各拡散符号発生器と対応する拡散符号
レジスタは、図1〜3の各コードレジスタに相当する。
【0136】コード乗算部44は、1組が256個の乗
算器で構成され、受信データレジスタ42の各サンプル
ホールド回路で保持された受信データに対して拡散符号
レジスタ516から出力された中途復調符号コードを乗
算するものである。乗算器は、制御部414からの指示
に従い上記乗算を行うが、制御部414からの指示が無
ければ乗算は行わない。コード乗算部44は、各乗算器
における乗算結果をコード加算部(図示せず)に出力す
る。
【0137】制御部414は、図1〜3の制御部と同
様、各拡散符号発生器415における中途復調符号コー
ドの出力タイミング及びコード乗算部44における受信
データと中途復調符号コードとの乗算の切り替えの制御
を行う。制御部414は、各拡散符号発生器415とコ
ード乗算部44に対して制御信号を出力することで指示
を出している。
【0138】本発明の実施例の復調部における第1の復
調処理を行う回路の動作について、図4を用いて説明す
る。ここで、複素変調アナログ信号は4Mcpsとし、
4倍オーバーサンプリングされるため16Mbpsでデ
ジタル変換されメモリ部413に入力されるものとす
る。また、コード乗算部44は16MHzのn倍で動作
し、拡散符号発生器415及び拡散符号レジスタ416
はn組配置されている。図4の回路では、具体的には、
複素拡散変調された4Mcpsのアナログ信号がA/D
変換器41で4倍オーバーサンプリングされて16Mb
psで出力され、メモリ部413に格納されていく。
【0139】図4の回路において、受信データは16M
Hzの速度でメモリ部413から読み出され、メモリ部
413に記憶されている受信データが受信データレジス
タ42に1シンボル分取り込まれる。そして、制御部4
14の制御に基づいて、任意の拡散符号発生器415で
発生された中途復調符号コードが対応する拡散符号レジ
スタ416から拡散符号レジスタ416−0に設定さ
れ、さらにコード乗算部44で16MHzのn倍の速度
で乗算が行われる。この動作は制御信号が入力された全
ての拡散各符号発生器415において行われる。
【0140】中途復調符号コードとの乗算を完了する
と、受信データレジスタ42は受信データをメモリ部4
13から1サンプル取り込みシフト、保持する。その結
果、16MHzで動作する受信データレジスタ42にお
ける1回のシフト、保持の間に、複数の中途復調符号コ
ードによる乗算が16MHzのn倍の速度で行われ、第
1の復調処理が行われる。
【0141】次に、本発明の実施の形態1に係る復調部
の第2の実施例について、図5を用いて説明する。図5
は、本発明の実施の形態1に係る復調部のうち、中途復
調符号コードによる第1の復調処理を行う第2の回路の
構成ブロック図である。本発明の実施の形態1に係る復
調部の第2の実施例は、受信データレジスタ52へのデ
ータ格納をシフトレジスタではなく、各サンプルクロッ
ク毎に順に新しいデータでS/H回路の内容を更新し、
その都度シンボルの開始位置を巡回符号レジスタにより
拡散符号をシフトさせて合わせてから、コード乗算部5
4の高速動作によって、複数の中途復調符号コードにつ
いて乗算を行うもので、消費電力を大幅に低減しなが
ら、効率よく第1の復調処理を得ることができるもので
ある。
【0142】図5の回路は、A/D変換器51と、メモ
リ部513と、受信データレジスタ52と、コード乗算
部54と、拡散符号発生器515−1〜515−nと、
拡散符号レジスタ516と、巡回符号レジスタ517−
1〜517−nと、制御部514とから構成されてい
る。以下、図5の回路の各部のうち、構成が図4と相違
するものについて説明する。他の部分については図4の
回路と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0143】図5の受信データレジスタ52は、102
4個のS/H回路130で構成され、メモリ部513か
ら1データずつがS/H回路130−1から順にS/H
回路130−2、…S/H回路130−mまで格納し、
次は、S/H回路130−1に戻ってサイクリックに格
納していくものである。受信データレジスタ52は、1
サンプリングクロック毎にデータを更新する。
【0144】巡回符号レジスタ517は、中途復調符号
コードを受信データレジスタ52におけるシンボル開始
位置に合わせて拡散符号レジスタ516に出力するため
のレジスタで、演算用巡回符号レジスタ518とロード
待ち符号シフトレジスタ519とから構成されている。
ロード待ち符号シフトレジスタ519は、対応する拡散
符号発生器515から出力される中途復調符号コードを
シフトしながら保持し、1つの符号コードについて指示
したなら、演算用巡回符号レジスタ518に出力(ロー
ド)されるのを待っている。演算用巡回符号レジスタ5
18は、ロード待ち符号シフトレジスタ519からロー
ドされた中途復調符号コードを制御部514からの制御
に従って巡回させて、受信データレジスタ52における
シンボルの開始位置に合わせ、拡散符号レジスタ516
に各々出力するものである。
【0145】そして、制御部514は、図4の制御部の
機能の他に、1サンプルクロック毎にメモリ部513に
記憶された受信データを受信データレジスタ52のS/
H回路130に順に格納するよう制御し、シンボル開始
位置に合わせて巡回符号レジスタ517の演算用巡回符
号レジスタ518を巡回させ、拡散符号レジスタ516
を介してコード乗算部54で乗算を実行させる。
【0146】図5の回路の動作では、メモリ部513に
格納された受信データは、16MHzでメモリ部513
から読み出されて、受信データレジスタ52のS/H回
路130−1から順に格納されていき、S/H回路13
0―mに格納された時点で、拡散符号発生器515から
の中途復調符号コードもロード待ち符号シフトレジスタ
519に順にシフトしながら格納され、演算用巡回符号
レジスタ518にロードされる。そして、その時点で
は、受信データレジスタ52に保持されているデータと
演算用巡回符号レジスタ518から拡散符号レジスタ5
16を介して出力される中途復調符号コードとがコード
乗算部54で乗算が為され、コード加算部(図示せず)
に出力される。そして次のサンプルタイミングでは、新
しい受信データがメモリ部513から読み出されて、受
信データレジスタ52のS/H回路130−1に格納さ
れ、シンボルは、S/H回路130−2〜S/H回路1
30―m、S/H回路130−1となり、別の巡回符号
レジスタ517の演算用巡回符号レジスタ518で拡散
符号が1つ巡回シフトされ、拡散符号レジスタ516を
介して出力される中途復調符号コードと受信データレジ
スタ52に保持されている受信データとがコード乗算部
54で乗算が為されて、第1の復調処理が行われる。
【0147】図5の回路は、実施の形態1に係る復調部
における部分回路であるが、実施の形態2又は3におい
ても適用できるものである、すなわち図2又は図3の受
信データレジスタをサイクリックに受信データを格納で
きる構成にし、コードレジスタを拡散符号発生器及び巡
回符号レジスタに置き換えても、同様の結果を得ること
ができる。
【0148】また、図4又は図5の回路を含む復調部に
おいても、拡散符号発生器と拡散符号レジスタを6組備
え、且つ図9又は図11に基づいて中途復調符号コード
の出力制御を行う場合には、図1〜3の復調部と同様に
50kmのセル半径内の受信データからもれなくRAC
Hを検出できる。
【0149】本発明の実施の形態1に係る復調部の実施
例によれば、受信データレジスタ52におけるデータ書
き換えは、1つのS/H回路ずつにしてシンボル開始位
置をずらし、このずれを巡回符号レジスタ517内で拡
散符号を巡回シフトすることによって合わせて、乗算を
行うことによって、消費電力を大幅に低減しながら、効
率よく第1の復調処理を得ることができる効果がある。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、ロングコード、位相回
転情報及びシグネチュアによりスペクトラム拡散された
受信信号を復調するRACH受信装置において、受信信
号を格納し、入力信号のサンプリング速度で出力する受
信データレジスタと、スペクトラム拡散で用いられたロ
ングコード及び位相回転情報を特定時間単位で分割した
第1の逆拡散符号を制御信号に基づいて出力する複数の
拡散符号レジスタと、受信データレジスタから出力され
た受信信号と、複数の拡散符号レジスタから出力された
第1の逆拡散符号とを制御信号に基づいて、入力信号の
サンプリング速度の整数倍の速度で時分割で乗算する第
1の乗算部と、拡散符号レジスタ及び第1の乗算部に制
御信号を出力し、拡散符号レジスタにおける第1の逆拡
散符号の出力タイミングと、第1の乗算部における乗算
のタイミングを制御する制御部と、第1の乗算部からの
出力を、第1の逆拡散符号毎に整数倍の速度で特定間隔
で加算する第1の加算部と、スペクトラム拡散で用いら
れたシグネチュアを第2の逆拡散符号として格納し、出
力するシグネチュアレジスタと、第1の加算部からの出
力と、第2の逆拡散符号とを整数倍の速度で乗算する第
2の乗算部と、第2の乗算部から出力される乗算結果を
前記整数倍の速度で加算し、第1の逆拡散符号毎に相関
出力を得る第2の加算部とを有するRACH受信装置と
したことにより、広範囲のセルに対応してRACHを検
出でき、回路構成を簡単且つ小規模に効果がある。
【0151】また、本発明によれば、第1の加算部と第
2の乗算部との間に、受信信号に対する複素演算を入力
信号のサンプリング速度の整数倍の速度で行う複素演算
部を設け、受信データレジスタは、受信信号を入力信号
のサンプリング速度で順に書き込みながら第1の乗算部
に出力し、拡散符号レジスタは、第1の逆拡散符号を巡
回シフトさせつつ第1の乗算部に出力し、第1の乗算部
は、受信信号における同相成分及び直交成分と第1の逆
拡散符号との乗算を、入力信号のサンプリング速度の整
数倍の速度をさらに整数倍した速度でそれぞれ時分割に
行い、第1の加算部は、さらに整数倍した速度で加算を
行うことにより、範囲のセルに対応してRACHを検出
でき、一層回路構成を簡単且つ小規模にすることがで
き、消費電力を低減できる効果がある。
【0152】また、本発明によれば、ロングコード、位
相回転情報及びシグネチュアによりスペクトラム拡散さ
れた受信信号を復調するRACH受信装置において、受
信信号に対して複素演算処理を行う複素演算処理部と、
複素演算処理における複素演算結果の同相成分及び直交
成分を入力信号のサンプリング速度で出力する受信デー
タレジスタと、スペクトラム拡散で用いられたロングコ
ードを特定時間単位で分割した第1の逆拡散符号を制御
信号に基づいて出力する複数の拡散符号レジスタと、受
信データレジスタから出力された複素演算結果における
同相成分及び直交成分と、複数の拡散符号レジスタから
出力された第1の逆拡散符号との乗算を制御信号に基づ
いて、入力信号のサンプリング速度の整数倍の速度で時
分割で各々行う第1の乗算部と、拡散符号レジスタ及び
第1の乗算部に制御信号を出力し、拡散符号レジスタに
おける第1の逆拡散符号の出力タイミングと、第1の乗
算部における乗算のタイミングを制御する制御部と、第
1の乗算部から出力される同相成分及び直交成分の各々
に対して、第1の逆拡散符号毎に整数倍の速度で特定間
隔で加算する第1の加算部と、スペクトラム拡散で用い
られたシグネチュアを第2の逆拡散符号として格納し、
出力するシグネチュアレジスタと、第1の加算部からの
出力と第2の逆拡散符号とを整数倍の速度で乗算する第
2の乗算部と、第2の乗算部から出力される乗算結果を
整数倍の速度で加算して第1の逆拡散符号毎に相関出力
を得る第2の加算部とを有するRACH受信装置とした
ことにより、広範囲のセルに対応してRACHを検出で
き、回路構成を簡単且つ小規模にできる効果がある。
【0153】また、本発明によれば、受信データレジス
タは、複素演算結果における同相成分及び直交成分を入
力信号のサンプリング速度で順に書き込みながら第1の
乗算部に出力し、拡散符号レジスタは、第1の逆拡散符
号を巡回シフトさせつつ第1の乗算部に出力し、第1の
乗算部は、複素演算結果の同相成分及び直交成分と第1
の逆拡散符号との乗算を、入力信号のサンプリング速度
の整数倍の速度をさらに整数倍した速度でそれぞれ時分
割に行い、第1の加算部は、さらに整数倍した速度で加
算を行うことにより、広範囲のセルに対応してRACH
を検出でき、一層回路構成を簡単且つ小規模にすること
ができ、消費電力を低減できる効果がある。
【0154】また、本発明によれば、第2の乗算部は、
入力される演算結果と第2の逆拡散符号との乗算を、入
力信号のサンプリング速度の整数倍の速度をさらに第2
の逆拡散符号の種類数倍した速度で行い、第2の加算部
は第2の乗算部から出力される乗算結果の加算を、さら
に第2の逆拡散符号の種類数倍した速度で行うことによ
り、広範囲のセルに対応してRACHを検出でき、一層
回路構成を簡単且つ小規模にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る復調部の構成
ブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る復調部の構成
ブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る復調部の構成
ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る復調部のう
ち、中途復調符号コードによる復調処理を行う回路の構
成ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る復調部のう
ち、中途復調符号コードによる復調処理を行う第2の回
路の構成ブロック図である。
【図6】コード加算部15の構成ブロック図である。
【図7】複素乗算器311の構成ブロック図である。
【図8】従来のRACHの復調部の構成ブロック図であ
る。
【図9】50kmのセル半径に対応した従来のRACH
受信装置におけるMFと各MFで用いられる拡散符号の
関係を表した図である。
【図10】図9の関係図に従って相関演算を行う場合の
相関演算処理のタイムチャート図である。
【図11】50kmのセル半径に対応した従来のRAC
H受信装置におけるMFと各MFで用いられる拡散符号
の他の関係を表した図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,81…A/D変換器、
12,22,32,42,52,82…受信データレ
ジスタ、 13,23,33,83…コードレジスタ、
14,24,34,44,54…コード乗算部、 1
5,25,35…コード加算部、 16,26,36…
シグネチュアレジスタ、 17,27,37…シグネチ
ュア乗算部、 18,28,38…シグネチュア加算
部、 19,29…複素演算部、 210…セレクタ、
311…複素乗算器、 312…位相回転器、 41
3,513…メモリ部、 414,514…制御部、
415,515…拡散符号発生器、 416,516,
518,519…拡散符号レジスタ、 517…巡回符
号レジスタ、 84…コード積和演算器、 89…複素
演算部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロングコード、位相回転情報及びシグネ
    チュアによりスペクトラム拡散された受信信号を復調す
    るRACH受信装置において、 受信信号を格納し、入力信号のサンプリング速度で出力
    する受信データレジスタと、 スペクトラム拡散で用いられたロングコード及び位相回
    転情報を特定時間単位で分割した第1の逆拡散符号を制
    御信号に基づいて出力する複数の拡散符号レジスタと、 前記受信データレジスタから出力された受信信号と、前
    記複数の拡散符号レジスタから出力された第1の逆拡散
    符号とを制御信号に基づいて、入力信号のサンプリング
    速度の整数倍の速度で時分割で乗算する第1の乗算部
    と、 前記拡散符号レジスタ及び前記第1の乗算部に制御信号
    を出力し、前記拡散符号レジスタにおける第1の逆拡散
    符号の出力タイミングと、前記第1の乗算部における乗
    算のタイミングを制御する制御部と、 前記第1の乗算部からの出力を、前記第1の逆拡散符号
    毎に前記整数倍の速度で特定間隔で加算する第1の加算
    部と、 スペクトラム拡散で用いられたシグネチュアを第2の逆
    拡散符号として格納し、出力するシグネチュアレジスタ
    と、 前記第1の加算部からの出力と、前記第2の逆拡散符号
    とを前記整数倍の速度で乗算する第2の乗算部と、 前記第2の乗算部から出力される乗算結果を前記整数倍
    の速度で加算し、第1の逆拡散符号毎に相関出力を得る
    第2の加算部とを有することを特徴とするRACH受信
    装置。
  2. 【請求項2】 第1の加算部と第2の乗算部との間に、
    受信信号に対する複素演算を入力信号のサンプリング速
    度の整数倍の速度で行う複素演算部を設け、 受信データレジスタは、受信信号を入力信号のサンプリ
    ング速度で順に書き込みながら第1の乗算部に出力し、 拡散符号レジスタは、第1の逆拡散符号を巡回シフトさ
    せつつ前記第1の乗算部に出力し、 前記第1の乗算部は、受信信号における同相成分及び直
    交成分と第1の逆拡散符号との乗算を、入力信号のサン
    プリング速度の整数倍の速度をさらに整数倍した速度で
    それぞれ時分割に行い、前記第1の加算部は、前記さら
    に整数倍した速度で加算を行うことを特徴とする請求項
    1記載のRACH受信装置。
  3. 【請求項3】 ロングコード、位相回転情報及びシグネ
    チュアによりスペクトラム拡散された受信信号を復調す
    るRACH受信装置において、 受信信号に対して複素演算処理を行う複素演算処理部
    と、 前記複素演算処理における複素演算結果の同相成分及び
    直交成分を入力信号のサンプリング速度で出力する受信
    データレジスタと、 スペクトラム拡散で用いられたロングコードを特定時間
    単位で分割した第1の逆拡散符号を制御信号に基づいて
    出力する複数の拡散符号レジスタと、 前記受信データレジスタから出力された前記複素演算結
    果における同相成分及び直交成分と、前記複数の拡散符
    号レジスタから出力された第1の逆拡散符号との乗算を
    制御信号に基づいて、入力信号のサンプリング速度の整
    数倍の速度で時分割で各々行う第1の乗算部と、 前記拡散符号レジスタ及び前記第1の乗算部に制御信号
    を出力し、前記拡散符号レジスタにおける第1の逆拡散
    符号の出力タイミングと、前記第1の乗算部における乗
    算のタイミングを制御する制御部と、 前記第1の乗算部から出力される同相成分及び直交成分
    の各々に対して、前記第1の逆拡散符号毎に前記整数倍
    の速度で特定間隔で加算する第1の加算部と、 スペクトラム拡散で用いられたシグネチュアを第2の逆
    拡散符号として格納し、出力するシグネチュアレジスタ
    と、 前記第1の加算部からの出力と前記第2の逆拡散符号と
    を前記整数倍の速度で乗算する第2の乗算部と、 前記第2の乗算部から出力される乗算結果を前記整数倍
    の速度で加算して第1の逆拡散符号毎に相関出力を得る
    第2の加算部とを有することを特徴とするRACH受信
    装置。
  4. 【請求項4】 受信データレジスタは、複素演算結果に
    おける同相成分及び直交成分を入力信号のサンプリング
    速度で順に書き込みながら第1の乗算部に出力し、 拡散符号レジスタは、第1の逆拡散符号を巡回シフトさ
    せつつ前記第1の乗算部に出力し、 第1の乗算部は、複素演算結果の同相成分及び直交成分
    と第1の逆拡散符号との乗算を、入力信号のサンプリン
    グ速度の整数倍の速度をさらに整数倍した速度でそれぞ
    れ時分割に行い、第1の加算部は、前記さらに整数倍し
    た速度で加算を行うことを特徴とする請求項3記載のR
    ACH受信装置。
  5. 【請求項5】 第2の乗算部は、入力される演算結果と
    第2の逆拡散符号との乗算を、入力信号のサンプリング
    速度の整数倍の速度をさらに前記第2の逆拡散符号の種
    類数倍した速度で行い、第2の加算部は前記第2の乗算
    部から出力される乗算結果の加算を、前記さらに前記第
    2の逆拡散符号の種類数倍した速度で行うことを特徴と
    する請求項1乃至4記載のRACH受信装置。
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