JP2003008207A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP2003008207A
JP2003008207A JP2001194465A JP2001194465A JP2003008207A JP 2003008207 A JP2003008207 A JP 2003008207A JP 2001194465 A JP2001194465 A JP 2001194465A JP 2001194465 A JP2001194465 A JP 2001194465A JP 2003008207 A JP2003008207 A JP 2003008207A
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Sumio Ota
純雄 太田
Yukihiro Kimura
幸広 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コア基板の表面にのみビルドアップ層を有し且
つ反りを生じないか、あるいは反りにくい配線基板の製
造方法を提供する。 【解決手段】表面4および裏面5を有し且つ無機繊維を
含有するコア基板2において、その表面4および裏面5
にコア配線層8,9を形成する工程と、上記コア基板2
の表面4と裏面5との間を貫通し且つコア配線層8,9
と導通するスルーホール導体6を形成する工程と、上記
コア基板2の裏面5上に直接または上記コア配線層9を
介して無機繊維を含有する裏面側絶縁層11を形成する
工程と、上記コア基板2の表面4上方にビルドアップ絶
縁層10,16,22およびスルーホール導体6と導通
するビルドアップ配線層14,20を交互に形成する工
程と、を含む配線基板1の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア基板の片面
(表面)にのみビルドアップ層に有する配線基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低コスト化の要請に応じ、図8
(A)に示すように、コア基板31の表面(片面)32上方
にのみ複数の絶縁層35,37,44および複数の配線
層34,38,42を積層したビルドアップ層BUを形
成した配線基板30が提案されている。上記コア基板3
1は、厚み約800μmの絶縁板であり、その表面32
上方に厚み約20〜30μmの絶縁層35,37,44
と厚み約15μmの配線層34,38,42とを交互に
積層している。また、図8(A)に示すように、配線層3
4,38,42間を導通するため、ビア導体36,40
が絶縁層35,37に形成されている。更に、最上層の
配線層42上の所定の位置には、絶縁層44を貫通し且
つ第1主面46よりも高く突出するハンダバンプ48が
複数形成され、第1主面48上に実装する図示しないI
Cチップの端子と個別に接続される。
【0003】以上のような配線基板30おいては、コア
基板31の表面32側に絶縁層35,37,44と配線
層34,38,42とからなるビルドアップ層BUを形
成しているのに対し、コア基板31の裏面33側には何
も形成していない。このため、コア基板31と絶縁層3
5,37,44との熱膨張率の差により、図8(A)中の
一点鎖線で示すように、配線基板30が当該配線基板3
0の厚み方向と垂直方向の長さ330mmに対し、厚み
方向に約4〜5mm変形した反りを生じることがある。
かかる反りにより例えば配線層34,38,42、ビア
導体36,40、およびハンダバンプ48相互間の接続
が不十分になるため、これらの間において導通が取れな
くなる、という問題があった。
【0004】以上の問題点を解決するため、図8(B)に
示すような配線基板50も検討されている。即ち、配線
基板50は、厚み約800μmの絶縁板であるコア基板
51と、その表面52上方に厚み約20〜30μmの絶
縁層60,66,70および厚み約15μmの配線層5
8,64,72を交互に積層したビルドアップ層BU
と、コア基板51の裏面53に形成した厚み約15μm
の配線層57および厚み約40μmの絶縁層(ソルダー
レジスト層)59と、を備えている。コア基板51に
は、その表面52と裏面53との間を貫通する複数のス
ルーホール54が形成され、それらの内壁に沿ってスル
ーホール導体55および充填樹脂56が形成されてい
る。各スルーホール導体55は、その上端と下端で配線
層58,57と接続している。
【0005】図8(B)に示すように、上記配線層58,
64,72間を導通するため、ビア導体62,68が絶
縁層60,66に形成される。また、最上層の配線層7
2上の所定の位置には、絶縁層(ソルダーレジスト層)7
0を貫通し且つ第1主面74よりも高く突出するハンダ
バンプ76が複数形成され、第1主面74上に実装する
図示しないICチップの端子と個別に接続される。一
方、図8(B)に示すように、コア基板51の裏面53に
形成した配線層57から延び且つ絶縁層59の開口部6
1から第2主面63側に露出する配線65は、図示しな
いマザーボードなどのプリント基板との接続端子として
用いられる。以上のような配線基板50では、コア基板
51を挟んでビルドアップ層BUと厚めの絶縁層(ソル
ダーレジスト層)59とが配置されている。このため、
コア基板51と絶縁層60,66,70との熱膨張率の
差による反りは、図7(B)中の一点鎖線で示すように、
ビルドアップ層BU側にある程度の変形に抑制される。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、図8(B)に示
す反りによっても、配線層58,64,72、ビア導体
62,68、ハンダバンプ76、スルーホール導体5
5、および裏面53の配線層57の相互間の接続が不十
分になり得るため、これらの間において導通が取れなく
なる、という問題があった。本発明は、以上に説明した
従来の技術における問題点を解決し、コア基板の表面に
のみビルドアップ層を有し且つ反りを生じないか、ある
いは反りにくい配線基板の製造方法を提供する、ことを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、コア基板の表面側のビルドアップ層の熱膨
張(熱変形)とバランスする絶縁層を当該コア基板の裏面
側に形成する、ことに着想して成されたものである。即
ち、本発明の配線基板の製造方法(請求項1)は、表面お
よび裏面を有し且つ無機繊維を含有するコア基板におい
て、かかる表面および裏面にコア配線層を形成する工程
と、上記コア基板の表面と裏面との間を貫通し且つ上記
コア配線層と導通するスルーホール導体を形成する工程
と、上記コア基板の裏面上に直接または上記裏面側のコ
ア配線層を介して無機繊維を含有する裏面側絶縁層を形
成する工程と、上記コア基板の表面上方にビルドアップ
絶縁層および上記スルーホール導体と導通するビルドア
ップ配線層を交互にそれぞれ複数形成する工程と、を含
む、ことを特徴とする。
【0008】これによれば、コア基板の裏面に形成する
裏面側絶縁層は、コア基板と共に無機繊維を含有してい
るので、その熱膨張率が抑制される。このため、コア基
板を挟んで、その表面上方に積層した複数のビルドアッ
プ絶縁層を含むビルドアップ層の熱収縮と裏面側絶縁層
との熱膨張のバランスが保ち易くなるので、厚み方向に
反りを生じないか、極く僅かな反りに抑制可能とした配
線基板を確実に製造することができる。従って、コア配
線層、ビルドアップ配線層、およびスルーホール導体の
相互間における導通が確実に取れる配線基板を提供する
ことができる。上記コア基板には、単一の絶縁板の形態
に限らず、複数の絶縁層とこれらの間に配置した配線層
とからなる多層基板の形態も含まれる。
【0009】尚、裏面側絶縁層は、コア基板と同じかま
たは同様の樹脂に同じかまたは同様の無機繊維を含有し
た素材を用いることが望ましい。これにより、コア基板
と共にビルドアップ層のビルドアップ絶縁層による熱収
縮を一層確実に抑制し、配線基板全体の反りを防止する
ことができる。付言すれば、前記無機繊維は、ガラス繊
維または炭素繊維からなる、配線基板の製造方法を本発
明に含めることも可能である。これによる場合、裏面側
絶縁層とコア基板との熱膨張率を十分に抑制できるた
め、全体の反りを一層確実に防止できる配線基板を製造
することが可能となる。これらの無機繊維は、コア基板
や裏面側絶縁層において、40〜60wt%の割合で配
合されることにより、後述する低い熱膨張率を実現する
ことができる。尚また、上記ガラス繊維には、Eガラ
ス、Dガラス、Qガラス、Sガラスの何れか、またはこ
れらのうちの2種類以上を併用したものが含まれる。
【0010】また、本発明には、前記コア基板の表面上
方に前記ビルドアップ絶縁層および前記スルーホール導
体と導通する前記ビルドアップ配線層を交互にそれぞれ
複数形成する工程は、少なくとも前記コア配線層および
上記スルーホール導体を形成した一対のコア基板を、そ
れぞれの裏面に予め形成した裏面側絶縁層または同時に
形成する裏面側絶縁層を対向させ且つかかる裏面側絶縁
層の間に離型シートを介在させて固定すると共に、上記
一対のコア基板それぞれの表面上方に上記複数のビルド
アップ絶縁層と複数のビルドアップ配線層とを交互にそ
れぞれ形成するものである、配線基板の製造方法(請求
項2)も含まれる。
【0011】これによれば、少なくともコア配線層およ
びスルーホール導体を有する一対のコア基板を、両者の
裏面に予め形成または同時に形成する裏面側絶縁層の間
に離型シートを挟持した状態で、各コア基板の表面上方
に複数のビルドアップ絶縁層および複数のビルドアップ
配線層を交互にそれぞれ複数形成するため、かかるビル
ドアップ絶縁層とビルドアップ配線層とからなるビルド
アップ層を平坦にして形成できる。しかも、離型シート
を除去し且つビルドアップ層および裏面側絶縁層を有す
る個別のコア基板に分離しても、無機繊維を含む当該コ
ア基板と裏面側絶縁層とにより、厚み方向に変形する反
りを一層容易に防ぐことが可能となる。尚、前記裏面側
絶縁層は、一対のコア基板を離型シートを介在して固定
する際に、各コア基板の裏面に同時に形成しても良い。
【0012】更に、本発明には、前記コア基板および裏
面側絶縁層における配線基板の厚み方向と直交する方向
の熱膨張率が、30ppm/℃以下である、配線基板の
製造方法(請求項3)も含まれる。これによれば、裏面側
絶縁層とコア基板との熱膨張率を確実に抑制できるた
め、全体の反りを一層確実に防止し得る配線基板を製造
することが可能となる。尚、上記熱膨張率が30ppm
/℃を越えると、裏面側絶縁層の熱膨張を十分に抑制で
きず、ビルドアップ絶縁層の熱収縮による反りを防ぎき
れなくなるため、かかる範囲を除外したものである。望
ましい熱膨張率は25ppm/℃以下、より望ましい熱
膨張率は15ppm/℃、またはこれ未満である(但
し、これらは何れも0を含まず)。
【0013】付言すれば、前記コア基板の厚みが400
〜1000μm、前記ビルドアップ絶縁層の厚みが15
〜50μm、および前記裏面側絶縁層の厚みが20〜1
50μmである、配線基板の製造方法を本発明に含める
ことも可能である。これによる場合、コア基板および裏
面側絶縁層の前記無機繊維の含有や熱膨張率と相まっ
て、これらの熱膨張を十分に抑制できると共に、ビルド
アップ絶縁層の熱収縮とのバランスも一層容易に取れる
ため、全体の反りをなくか、極く僅かに抑制できる配線
基板を製造することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1は、本発明方法の対
象となる配線基板1の主要部を示す断面図である。配線
基板1は、図1に示すように、表面4および裏面5を有
するコア基板2と、かかるコア基板2の表面4と裏面5
との間を貫通する複数のスルーホール導体6と、コア基
板2の表面4および裏面5に形成したコア配線層8,9
と、を備えている。また、図1に示すように、コア基板
2の表面4上方には、複数のビルドアップ絶縁層10,
16および絶縁層(ソルダーレジスト層)22と複数のビ
ルドアップ配線層14,20とを、交互に積層したビル
ドアップ層BUが形成され、且つコア基板2の裏面5上
(図面下側)には裏面側絶縁層11が形成されている。
【0015】上記コア基板2は、例えばエポキシ系樹脂
にガラス繊維または炭素繊維(本実施形態ではガラス繊
維)を含有させた厚みが400〜1000μm(本実施形
態では800μm)で熱膨張率が30ppm/℃以下(本
実施形態では26ppm/℃)の絶縁板であって、平面
視でほぼ正方形を呈する。かかるコア基板2の表面4と
裏面5との間には、直径約200μmのスルーホール3
が複数貫通し、各スルーホール3の内壁に沿って厚みが
数10μmで銅メッキ製のスルーホール導体6が形成さ
れている。各スルーホール導体6の内側には、シリカフ
ィラなどの無機フィラを含む充填樹脂7が形成されてい
る。また、図1に示すように、コア基板2の表面4と裏
面5には、厚み約15μmの銅メッキ製で且つ所定パタ
ーンを有するコア配線層8,9が形成され、これらは各
スルーホール導体6の上端または下端とそれぞれ個別に
接続されている。
【0016】更に、図1に示すように、コア基板2の表
面4上方には、シリカフィラなどの無機フィラを含むエ
ポキシ樹脂からなり、厚み約30μmのビルドアップ絶
縁層10,16と、厚み約20μmの絶縁層(ソルダー
レジスト層)22と、かかるビルドアップ絶縁層10,
16および絶縁層22の間に形成した銅メッキからなる
厚み約15μmのビルドアップ配線層14,20が位置
する。上記コア配線層8、ビルドアップ配線層14,2
0の間を導通するため、ビルドアップ絶縁層10,16
には、銅メッキ製のフィルドビア導体12,18が形成
される。尚、ビルドアップ絶縁層10,16およびビル
ドアップ配線層14,20は、ビルドアップ層BUを形
成する。また、ビルドアップ絶縁層10,16,22の
熱膨張率は、約40〜70ppm/℃(本実施形態では
65ppm/℃)である。
【0017】最上層の配線層20上の所定の位置には、
ビルドアップ絶縁層22を貫通し且つ第1主面24より
も高く突出する複数のハンダバンプ26が形成される。
かかるバンプ26は、例えばSn−Ag系などの低融点
合金からなり、図1に示すように、第1主面24上に実
装するICチップ(半導体素子)28の図示しない端子と
個別に接続される。尚、かかる端子と各バンプ26と
は、図示しないアンダーフィル材により埋設され且つ保
護される。
【0018】また、図1に示すように、コア基板2の裏
面5上(図面下側)で且つコア配線層9上には、例えばエ
ポキシ系樹脂にガラス繊維または炭素繊維(本実施形態
ではガラス繊維)を含有させた厚みが20〜150μm
(本実施形態では40μm)で且つ熱膨張率が30ppm
/℃以下(本実施形態では26ppm/℃)の裏面側絶縁
層11が形成されている。かかる裏面側絶縁層11の所
定の位置には、その表面である第2主面13側に開口す
る複数の開口部15が形成され、その底部にはコア配線
層9から延びて第2主面13側に露出する配線17が位
置する。かかる配線17は、その表面にNiおよびAu
メッキが被覆され、当該配線基板1を搭載する図示しな
いマザーボードなどのプリント基板との接続端子とな
る。尚、配線17にハンダを介して銅系または鉄系合金
からなるピンを接続しても良い。
【0019】以上のような配線基板1では、裏面側絶縁
層11は、コア基板2と共に無機繊維を含有しているの
で、それらの熱膨張率が30ppm/℃以下に抑制され
る。このため、コア基板2を挟んで、その表面4上方に
積層したビルドアップ絶縁層10,16を含むビルドア
ップ層BUの熱収縮と裏面側絶縁層11との熱膨張のバ
ランスが保ち易くなる。この結果、かかる配線基板1に
よれば、厚み方向に反りを生じないか、極く僅かな反り
に抑制可能となる。従って、配線基板1では、コア配線
層8,9、ビルドアップ配線層14,20、ビア導体1
2,18、およびスルーホール導体6の相互間における
導通を、確実且つ安定して取ることが可能となる。尚、
裏面側絶縁層11は、コア基板2と同じ樹脂に同じ無機
繊維を含有したものとしたり、前記無機繊維を含む接着
性の樹脂としても良い。また、前記ガラス繊維には、線
径7〜9μmのガラス糸の多数本を格子状に編み込んだ
布状物や、比較的長さの短いガラス糸を不規則に積層し
て含有するガラス不織布を用いても良い。
【0020】ここで、前記配線基板1を得る本発明の製
造方法を図2〜図4にて説明する。図2(A)は、厚みが
約800μmのコア基板2の断面を示し、その表面4と
裏面5とには、厚みが約15μmの銅箔4a,5aが全
面に貼り付けてある。かかるコア基板2における所定の
位置に対し、その厚み方向に沿ってドリルの挿入または
レーザ(炭酸ガスレーザなど)の照射を行う。その結果、
図2(B)に示すように、コア基板2において、その表面
4と裏面5との間を貫通する直径約200μmのスルー
ホール3が複数穿孔される。次に、各スルーホール3の
内壁に予めPdなどを含むメッキ触媒を付着した後、コ
ア基板2の全面に対して無電解銅メッキおよび電解銅メ
ッキを施す。
【0021】その結果、図2(C)に示すように、各スル
ーホール3の内壁に沿ってスルーホール導体6が形成さ
れる。次に、各スルーホール導体6の内側に、シリカフ
ィラなどの無機フィラを含むエポキシ樹脂からなる充填
樹脂7を形成した後、かかる充填樹脂7を蓋メッキする
ため、コア基板2の表面4および裏面5の全面に図示し
ない銅メッキ層を形成する。この状態で、かかる銅メッ
キ層の上に所定のパターンを有する図示しないエッチン
グレジストを形成した後、かかるレジストの隙間から露
出する銅メッキ層および銅箔4a,5aをエッチングし
て除去する公知のサブトラクティブ法を施す。
【0022】その結果、図2(C)に示すように、コア基
板2の表面4および裏面5には、上記レジストのパター
ンに倣った所定パターンのコア配線層8,9が形成され
る。次いで、図2(D)に示すように、コア基板2の裏面
5上(図面下側)に、エポキシ系樹脂にガラス繊維を含有
させた厚みが40μmで且つ熱膨張率が30ppm/℃
以下の裏面側絶縁層11を形成する。絶縁層11は、ガ
ラス繊維を含む溶けたエポキシ系樹脂を塗布して乾燥す
るか、ガラス繊維を含むエポキシ系樹脂のフィルムを貼
り付けることにより形成され、その表面は第2主面13
となる。
【0023】図3(A)に示すように、スルーホール導体
6、コア配線層8,9、および裏面側絶縁層11を有す
る一対のコア基板2,2を、それぞれの裏面側絶縁層1
1で対向させると共に、これらの間に離型シート27を
挿入した状態で、図3(A)中の矢印で示すように、一対
のコア基板2,2を互いに接近させる。尚、離型シート
27は、例えば2枚のポリエチレンフイルムの間に熱可
塑性樹脂を介在させた樹脂モディファイドポリエチレン
3層構造フィルム(商品名:パコタンプラス)のようなシ
ートが用いられる。また、一対のコア基板2,2を離型
シート27を挟んで積層し固定する際に、同時に裏面側
絶縁層11,11をそれぞれのコア基板2の裏面5に形
成しても良い。そして、図3(B)に示すように、一対の
コア基板2,2を、それぞれの裏面側絶縁層11が離型
シート27を挟んで隣接した状態で拘束(固定)する。
【0024】次いで、図4(A)に示すように、一対のコ
ア基板2におけるそれぞれのコア配線層8を含む表面4
に、シリカフィラなどの無機フィラを含むエポキシ樹脂
からなり厚みが約30μmのビルドアップ絶縁層10を
形成する。次に、一対のコア基板2における各ビルドア
ップ絶縁層10の所定の位置に対しフォトリソグラフィ
技術により、図示しない円錐形状のビアホールを形成す
ると共に、その底面にコア配線層10を露出させる。か
かるビアホールを含むそれぞれのビルドアップ絶縁層1
0の上に、図示しない銅メッキ層を形成した後、所定の
パターンを有する図示しないエッチングレジストを形成
する。次いで、当該レジストの隙間から露出する上記銅
メッキ層をエッチングして除去する公知のサブトラクテ
ィブ法を施す。
【0025】その結果、図4(B)に示すように、一対の
コア基板2におけるそれぞれのビルドアップ絶縁層10
中にフィルドビア導体12が、且つそれぞれのビルドア
ップ絶縁層10の上に所定パターンのビルドアップ配線
層14が形成される。これ以降は、ビルドアップ配線層
14やビルドアップ絶縁層10と共にビルドアップ層B
Uを形成する前記ビルドアップ絶縁層16、絶縁層2
2、ビルドアップ配線層20、およびフィルドビア導体
18を、公知のビルトアップ技術(セミアディティブ
法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法、フィル
ム状樹脂材料のラミネートによる絶縁層の形成、フォト
リソグラフィ技術)により形成する。最後に前記ハンダ
バンプ(IC接続端子)26を第1主面24側に形成す
る。
【0026】また、ビルドアップ層BUを有する一対の
コア基板2,2から離型シート27を除去して分離し、
露出した裏面側絶縁層11にフォトリソグラフィ技術に
より開口部15を形成した後、その底部に露出する前記
配線17にNiおよびAuメッキを施すことにより、前
記図1に示した配線基板1を得ることができる。以上の
ような本発明による配線基板1の製造方法によれば、コ
ア基板2の裏面5に形成した裏面側絶縁層11は、コア
基板2と共に無機繊維を含有しているので、その熱膨張
率が抑制される。この結果、コア基板2を挟んで、その
表面4上方に積層したビルドアップ絶縁層10,16を
含むビルドアップ層BUの熱収縮と裏面側絶縁層11と
の熱膨張のバランスが保ち易くなる。従って、厚み方向
に反りを生じないか、極く僅かな反りに抑制可能とした
配線基板1を確実に製造することができる。尚、以上の
ような図2(A)〜図4(B)に示した製造工程は、複数の
コア基板2(製品単位)を平面方向に併有する多数個取り
の基板(パネル)にて行っても良い。
【0027】図5は、配線基板1の応用形態の配線基板
1aにおける主要部の断面を示す。配線基板1aは、図
5に示すように、多層基板(構造)のコア基板2と、その
表面4と裏面5との間を貫通する複数のスルーホール導
体6と、コア基板2の表面4および裏面5に形成した前
記同様のコア配線層8,9と、を備えている。また、図
5に示すように、コア基板2の表面4上方には、前記同
様の複数のビルドアップ絶縁層10,16および絶縁層
22と複数のビルドアップ配線層14,20とを、交互
に積層したビルドアップ層BUが形成されている。前記
同様に、コア配線層8や、ビルドアップ配線層14,2
0間を導通するフィルドビア導体12,18が形成さ
れ、且つ最上層の上記配線層20の上にはハンダバンプ
26が形成されている。
【0028】更に、コア基板2の裏面5上(図面下側)に
は前記同様の裏面側絶縁層11が形成され、その開口部
15の底部には前記同様の配線17が位置している。コ
ア基板2は、エポキシ系樹脂にガラス繊維などを含有さ
せた厚みが約400μmで熱膨張率が30ppm/℃以
下の絶縁層2aと、同じ素材からなり厚みが約200μ
mで熱膨張率が30ppm/℃以下の絶縁層2b,2c
と、これらの間に位置し銅メッキからなる厚み約15μ
mの配線層25,27とからなる。
【0029】かかる多層基板のコア基板2の表面4と裏
面5との間に直径約200μmの複数のスルーホール3
が貫通し、各スルーホール3の内壁に沿って厚みが数1
0μmで銅メッキ製のスルーホール導体6が形成され
る。各スルーホール導体6の内側には、シリカフィラな
どの無機フィラを含む充填樹脂7が形成され、且つ各ス
ルーホール導体6は、その中間で前記配線層25,27
と接続されている。以上のような配線基板1aでは、裏
面側絶縁層11によりビルドアップ層BU側への反りが
防げると共に、コア基板2中の配線層25,27も、ス
ルーホール導体6を介してコア配線層8,9やビルドア
ップ配線層14,20と確実に導通する。このため、多
くの配線層を高密度で有し且つかかる配線層の相互間で
安定した導通を得ることが可能となる。
【0030】ここで、前記配線基板1aの製造方法につ
いて、図6,7により説明する。図6(A)は、エポキシ
系樹脂にガラス繊維を含有させた厚みが約400μmで
熱膨張率が30ppm/℃以下の絶縁層2aの断面を示
し、その表面21と裏面23には、厚みが約15μmの
銅箔21a,23aが全面に貼り付けてある。上記銅箔
21a,23aの上に、所定のパターンを有する図示し
ないエッチングレジストを形成した後、かかるレジスト
の隙間から露出する銅箔21a,23aをエッチングし
て除去する公知のサブトラクティブ法を施す。その結
果、図6(B)に示すように、絶縁層2aの表面21と裏
面23には、上記レジストのパターンに倣った配線層2
5,27が形成される。
【0031】次に、図6(C)に示すように、配線層2
5,27を含む絶縁層2aの表面21および裏面23の
上に、エポキシ系樹脂にガラス繊維などを含有させた厚
みが約200μmで熱膨張率が30ppm/℃以下の絶
縁層2b,2cを形成する。これにより、絶縁層2a,
2b,2c、これらの間に位置する配線層25,27、
および表面4および裏面5を有する多層基板(構造)のコ
ア基板2が形成される。次いで、図6(D)に示すよう
に、上記コア基板2の表面4と裏面5との間を貫通する
直径が約200μmで複数のスルーホール3を前記同様
にして穿孔する。この際、各スルーホール3は、配線層
25,27をも貫通する。更に、各スルーホール3の内
壁に予めPdなどを含むメッキ触媒を付着した後、コア
基板2の全面に対し無電解銅メッキおよび電解銅メッキ
を施す。
【0032】その結果、図7(A)に示すように、各スル
ーホール3の内壁に沿ってスルーホール導体6が形成さ
れる。この際、各スルーホール導体6は、その中間にお
いて配線層25,27と接続される。同時に、コア基板
2の表面4および裏面5には、銅メッキ層4a,5aが
形成される。次に、図7(B)に示すように、各スルーホ
ール導体6の内側に、シリカフィラなどの無機フィラを
含むエポキシ樹脂からなる充填樹脂7を形成した後、か
かる充填樹脂7を蓋メッキするため、コア基板2の表面
4および裏面5の全面に銅メッキ層4b,5bを形成す
る。この状態で、かかる銅メッキ層4b,5bの上に所
定のパターンを有する図示しないエッチングレジストを
形成した後、かかるレジストの隙間から露出する銅メッ
キ層4a,5a,4b,5bをエッチングして除去する
公知のサブトラクティブ法を施す。
【0033】その結果、図7(C)に示すように、コア基
板2の表面4および裏面5には、上記レジストのパター
ンに倣った所定パターンのコア配線層8,9が形成され
る。次に、図7(C)に示すように、コア基板2の裏面5
上(図面下側)に、エポキシ系樹脂にガラス繊維を含有さ
せた厚みが40μmで且つ熱膨張率が30ppm/℃以
下の裏面側絶縁層11を形成する。かかる絶縁層11
は、ガラス繊維を含む溶けたエポキシ系樹脂を塗布して
乾燥するか、ガラス繊維を含むエポキシ系樹脂のフィル
ムを貼り付けることにより形成され、その表面は第2主
面13となる。これ以降は、前記図3(A),(B)で示し
たと同様に、スルーホール導体6、コア配線層8,9、
および裏面側絶縁層11を有する一対のコア基板2,2
を、それぞれの裏面側絶縁層11で対向させ、これらの
間に前記離型シート27を挟持した状態で、一対のコア
基板2,2を拘束する。尚、裏面側絶縁層11は、一対
のコア基板2,2を拘束する際にそれぞれの裏面5に同
時に形成しても良い。
【0034】次いで、前記図4(A),(B)に示した同様
に、一対のコア基板2におけるコア配線層8を含むそれ
ぞれの表面4に、前記ビルドアップ絶縁層10を形成
し、且つフィルドビア導体12やそれぞれのビルドアッ
プ絶縁層10の上に所定パターンのビルドアップ配線層
14を形成する。更に、前記ビルドアップ絶縁層16、
ビルドアップ配線層20、およびビア導体18を、公知
のビルトアップ技術により形成して前記ビルドアップ層
BUを形成する。そして、前記絶縁層22およびハンダ
バンプ(IC接続端子)26を第1主面24側に形成す
る。また、離型シート27を除去して、ビルドアップ層
BUを有する一対のコア基板2,2を分離し、露出した
裏面側絶縁層11にフォトリソグラフィ技術により開口
部15を形成した後、その底部に露出する前記配線17
にNiおよびAuメッキすることにより、前記図5に示
した配線基板1aを得ることができる。
【0035】以上のような配線基板1aの製造方法によ
っても、多層基板のコア基板2の裏面5に形成した裏面
側絶縁層11は、コア基板2と共に無機繊維を含有し、
その熱膨張率が抑制される。このため、コア基板2を挟
んで、その表面4上方に積層したビルドアップ絶縁層1
0,16を含むビルドアップ層BUの熱収縮と裏面側絶
縁層11との熱膨張のバランスが保ち易くなる。この結
果、厚み方向に反りを生じないか、極く僅かな反りに抑
制可能とした配線基板1aを確実に提供することができ
る。尚、以上の図6(A)〜図7(C)や前記図3,4の製
造工程も、複数のコア基板2(製品単位)を平面方向に併
有する多数個取りの基板(パネル)で行っても良い。
【0036】本発明は、以上において説明した各形態に
限定されるものではない。前記裏面側絶縁層11を形成
する工程は、前記ビルドアップ絶縁層10などおよびビ
ルドアップ配線層14などを形成する工程の後で行うこ
とも可能である。また、前記ビルドアップ絶縁層10な
どおよびビルドアップ配線層14などを形成する工程
は、1枚のコア基板2の状態で行うことも可能である。
【0037】更に、前記コア基板2の材質は、前記ガラ
ス繊維または炭素繊維を含むものであれば、エポキシ系
樹脂の他、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを用いても良い。ある
いは、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造の
フッ素系樹脂にガラス繊維などを含有させた複合材料な
どを用いることも可能である。前記スルーホール導体
6、コア配線層8、ビルドアップ配線層14などの材質
は、前記Cuの他、Ag、Ni、Ni−Au系などにし
ても良く、あるいは金属のメッキ層を用いず、導電性樹
脂を塗布するなどの方法により形成しても良い。
【0038】更に、前記ビルドアップ絶縁層10などの
材質は、前記エポキシ樹脂を主成分とするもののほか、
同様の耐熱性、パターン成形性などを有するポリイミド
樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、あるいは、連続気孔を有
するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポ
キシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材
料などを用いることもできる。尚、絶縁層の形成には、
絶縁性の樹脂フィルムを熱圧着する方法のほか、液状の
樹脂をロールコータにより塗布する方法を用いることも
できる。尚また、かかる絶縁層に混入するガラス繊維ま
たはガラスフィラの組成は、Eガラス、Dガラス、Qガ
ラス、Sガラスの何れか、またはこれらのうちの2種類
以上を併用したものとしても良い。また、ビア導体は、
前記フィルドビア導体12などでなく、内部が完全に導
体で埋まってない逆円錐形状のコンフォーマルビア導体
とすることもできる。あるいは、各ビア導体の軸心をず
らしつつ積み重ねるスタッガードの形態でも良いし、途
中で平面方向に延びる配線層が介在する形態としても良
い。
【0039】
【発明の効果】以上に説明した本発明の配線基板の製造
方法(請求項1)によれば、コア基板の裏面に形成する裏
面側絶縁層は、コア基板と共に無機繊維を含有している
ため、その熱膨張率が抑制される。この結果、コア基板
を挟んで、その表面上方に積層した複数のビルドアップ
絶縁層を含むビルドアップ層の熱収縮と裏面側絶縁層と
の熱膨張のバランスが保ち易くなるため、厚み方向に反
りを生じないか、極く僅かな反りに抑制可能とした配線
基板を確実に製造することができる。
【0040】また、請求項2の配線基板の製造方法によ
れば、裏面側絶縁層を有する一対のコア基板を、両者の
裏面側絶縁層の間に離型シートを挟持した状態で、各コ
ア基板の表面上方にビルドアップ絶縁層およびビルドア
ップ配線層を交互にそれぞれ複数形成する。この結果、
かかるビルドアップ絶縁層とビルドアップ配線層とから
なるビルドアップ層を平坦に形成できる。しかも、離型
シートを除去し且つビルドアップ層などを有する個別の
コア基板に分離しても、無機繊維を含む当該コア基板お
よび裏面側絶縁層により、厚み方向の反りを一層容易に
防止できる。更に、請求項3の配線基板の製造方法によ
れば、裏面側絶縁層とコア基板との熱膨張率を確実に抑
制できるため、全体の反りを一層確実に防止し得る配線
基板を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の対象となる配線基板におけ
る主要部を示す断面図。
【図2】(A)〜(D)は図1の配線基板を得るため本発明
の主な製造工程を示す概略図。
【図3】(A),(B)は図2(D)に続く主な製造工程を示
す概略図。
【図4】(A),(B)は図3(B)に続く主な製造工程を示
す概略図。
【図5】図1の配線基板の応用形態における主要部を示
す断面図。
【図6】(A)〜(D)は図5の配線基板を得るため本発明
の主な製造工程を示す概略図。
【図7】(A)〜(C)は図6(D)に続く主な製造工程を示
す概略図。
【図8】(A),(B)は従来の配線基板における主要部を
示す断面図。
【符号の説明】
1,1a……………配線基板 2……………………コア基板 4……………………表面 5……………………裏面 6……………………スルーホール導体 8,9………………コア配線層 10,16…………ビルドアップ絶縁層 11…………………裏面側絶縁層 14,20…………ビルドアップ配線層 27…………………離型シート BU…………………ビルドアップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA06 AA12 AA15 AA17 AA43 CC04 CC09 CC32 CC46 DD22 DD32 EE33 FF04 FF07 GG15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面および裏面を有し且つ無機繊維を含有
    するコア基板において、かかる表面および裏面にコア配
    線層を形成する工程と、 上記コア基板の表面と裏面との間を貫通し且つ上記コア
    配線層と導通するスルーホール導体を形成する工程と、 上記コア基板の裏面上に直接または上記裏面側のコア配
    線層を介して無機繊維を含有する裏面側絶縁層を形成す
    る工程と、 上記コア基板の表面上方にビルドアップ絶縁層および上
    記スルーホール導体と導通するビルドアップ配線層を交
    互にそれぞれ複数形成する工程と、を含む、 ことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記コア基板の表面上方に前記ビルドアッ
    プ絶縁層および前記スルーホール導体と導通する前記ビ
    ルドアップ配線層を交互にそれぞれ複数形成する工程
    は、 少なくとも前記コア配線層および上記スルーホール導体
    を形成した一対のコア基板を、それぞれの裏面に予め形
    成した裏面側絶縁層または同時に形成する裏面側絶縁層
    を対向させ且つかかる裏面側絶縁層の間に離型シートを
    介在させて固定すると共に、 上記一対のコア基板それぞれの表面上方に上記複数のビ
    ルドアップ絶縁層と複数のビルドアップ配線層とを交互
    にそれぞれ形成するものである、 ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記コア基板および裏面側絶縁層における
    配線基板の厚み方向と直交する方向の熱膨張率が、30
    ppm/℃以下である、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の
    製造方法。
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