JP2003007654A - ダイシング用粘着シート - Google Patents
ダイシング用粘着シートInfo
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Abstract
しかもダイシング時の糸状屑の発生の少ないダイシング
用粘着シートを提供すること。 【解決手段】 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着
剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおい
て、前記基材フィルムが、プロピレン並びにエチレンお
よび/または炭素数4〜8のα−オレフィンを重合成分
として含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーを含
有してなり、かつ当該オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの融点ピーク温度が120℃以上であることを特徴と
するダイシング用粘着シート。
Description
シートに関する。さらには当該ダイシング用粘着シート
を用いてダイシングを行なう方法に関する。本発明のダ
イシング用粘着シートは、半導体ウエハ等の素子小片を
切断分離(ダイシング)する際に、当該半導体ウエハ等
の被切断物を固定するために用いる半導体ウエハダイシ
ング用粘着シートとして特に有用である。例えば、本発
明のダイシング用粘着シートは、シリコン半導体ダイシ
ング用粘着シート、化合物半導体ウエハダイシング用粘
着シート、半導体パッケージダイシング用粘着シート、
ガラスダイシング用粘着シートなどとして使用できる。
を材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された
後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、更にマウ
ント工程に移される。この際、半導体ウエハは粘着シー
トに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工
程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工
程の各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラ
スチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤が
1〜200μm程度が塗布されてなるものが一般的に用
いられている。
がら移動する丸刃によってウエハの切断が行なわれる
が、その際に半導体ウエハを保持するダイシング用粘着
シートの基材内部まで切り込みを行なうフルカットと呼
ばれる切断方式が主流となってきている。そして、フル
カットによる切断方法では、粘着シートの内部まで切り
込みが行なわれる結果、基材であるプラスチックフィル
ム自身が糸状となった切断屑が発生する。この糸状屑が
チップ(被切断体)側面などに付着すると、付着した糸
状屑は、そのまま、後工程においてマウント、封止され
てしまい、半導体素子の信頼性を著しく低下させる原因
になっているという問題があった。また、ピックアップ
工程においては個々のチップをCCDカメラで認識し位
置合わせしてた後にピックアップが行われるが、糸状屑
があると認識エラーを起こすという不具合もある。
えば特開平5−156214号公報には、基材としてエ
チレン−メタクリレート共重合体を用いた粘着シートが
提案されている。しかし、この粘着シートでは糸状屑の
発生は幾分かは少なくなるものの、今後、高信頼性半導
体の製造のダイシング工程に耐えうるレベルを満たし得
るものではない。
基材フィルムに1〜80MRadの電子線又はγ線等の
放射線を照射したフィルムを用いた粘着シートが提案さ
れている。しかし、この粘着シートでは放射線照射によ
るフィルムダメージが大きく、外観的に良好なフィルム
が得られ難いうえ、フィルム製造において多大なコスト
がかかり、品位面及び価格面で好ましくない。
従来技術に伴う問題を解決しようとするものであり、製
品品位の低下やコスト的な不利益が無く、しかもダイシ
ング時の糸状屑の発生の少ないダイシング用粘着シート
を提供することを目的とする。さらには、当該ダイシン
グ用粘着シートを用いたダイシング方法を提供すること
を目的とする。
を解決すべくダイシング用粘着シートを構成する基材フ
ィルムについて鋭意検討した結果、基材フィルムに、特
定のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いること
で、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
くとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘
着シートにおいて、前記基材フィルムが、プロピレン並
びにエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフ
ィンを重合成分として含有するオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーを含有してなり、かつ当該オレフィン系熱可
塑性エラストマーの融点ピーク温度が120℃以上であ
ることを特徴とするダイシング用粘着シート、に関す
る。
材フィルムを構成するオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、プロピレン並びにエチレンおよび/または炭素数
4〜8のα−オレフィンを重合成分として含有するもの
のなかでも、融点ピ−ク温度が120℃以上のものがダ
イシング時に基材フィルムの伸びが低下して、ダイシン
グ時の糸状屑の発生を抑えられることを見出したもので
ある。前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点ピ
−ク温度は好ましくは140℃以上、さらに好ましくは
160℃以上である。融点ピ−ク温度は一般的にはJI
S K7121に準拠して示差走査熱量計(DSC)で
測定される。
記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、o−ジクロロ
ベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温
度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対
して10〜60重量%であることが好ましい。
0℃での溶出分の全溶出量に対する割合は、ダイシング
時の糸状屑の発生を抑えられ、かつエキスパンド性や基
材フィルムの粘着剤層との接着性を満足しうる好ましい
範囲である。0℃での溶出分の割合が少なくなると、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーを成形して得られる基
材フィルムが硬く、エキスパンド時の伸び性が悪くなる
ほか、ピックアップもし辛くなる傾向があることから、
前記0℃での溶出分の割合は20重量%以上であるのが
好ましい。また、前記0℃での溶出分の割合が多くなる
と、オレフィン系熱可塑性エラストマーを成形して得ら
れる基材フィルムの粘着剤層との接着性が劣る傾向があ
ることから前記0℃での溶出分の割合は50重量%以下
であるのが好ましい。
re Rising Elution Fractionation;TREF)と
は、公知の分析法である。原理的には、高温でポリマー
を溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在
させておいた不活性坦体の表面に薄いポリマー層を形成
させる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶
化しにくい低結晶性または非晶性成分の順にポリマー層
が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、
前記と逆に、低結晶性または非晶性成分から溶出し、最
後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量と
溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組成
分布を分析するものである。
化学(株)製,CFC・T150A)を使用した。測定
すべきサンプル(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
を溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度30mg
/mlとなるように140℃で溶解し、これを測定装置
内のサンプルループ内に注入した。以下の測定は設定条
件に従って自動的に行われた。サンプルループ内に保持
された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するT
REFカラム(不活性体であるガラスビーズが充填され
た内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス
カラム)に0.4ml注入された。当該サンプルは、1
℃/分の速度で140℃から0°の温度まで冷却され、
上記不活性担体にコーティングされた。このとき高結晶
成分(結晶化しやすいもの)から低結晶成分(結晶化し
にくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー層が形成
される。TREFカラムは0℃でさらに30分間保持し
た後、以下のように段階的に昇温され、それぞれの温度
において30分間保持されながら、その温度における溶
出分が測定された。溶出温度(℃):0,5,10,1
5,20,25,30,35,40,45,49,5
2,55,58,61,64,67,70,73,7
6,79,82,85,88,91,94,97,10
0,102,120,140。
材フィルムが単層フィルムであり、前記オレフィン系熱
可塑性エラストマーを50重量%以上含有していること
が好ましい。
て、基材フィルムが多層フィルムであり、当該多層フィ
ルムの少なくとも1層が、前記オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーを50重量%以上含有していることが好まし
い。
可塑性エラストマーの含有量は、糸状屑発生防止効果か
ら、単層フィルムまたは多層フィルムの少なくとも1層
が、通常、50重量%以上、好ましくは80重量%以上
であるのがよい。基材フィルムを多層とした場合には、
例えば、前記オレフィン系系熱可塑性エラストマーを含
む伸び性の低い層をフルカットの際に丸刃の切り込みが
行なわれる深さまでの少なくとも一層に設けることでダ
イシング時の糸状屑の発生を防止することができ、他の
層にエキスパンド時に必要とされる伸び性に優れた層を
設けることにより、前記オレフィン系熱可塑性エラスト
マーの含む層の伸び性の低さを補うことができる。その
他、帯電防止性に優れる層などの機能層を設けて多層化
して帯電防止性能などの追加機能を付加することもでき
る。
着剤層の厚みは1〜200μmである場合に有効であ
る。
の半導体ウエハの振動などの原因によって、ダイシング
品位を著しく低下させ、コスト的にも不利益となるた
め、粘着剤層の厚みは1〜200μm、特に好ましくは
3〜50μmとされる。通常、ダイシング工程では、ダ
イシング用粘着シートに対して丸刃が5〜230μm程
度の切込み、切断を行なっているため、粘着剤層がその
切込深さより薄く、基材フィルムまで切り込みが行わ
れ、基材フィルムによる糸状屑が問題となる場合に本発
明のダイシング用粘着シートは有効に機能する。
着剤層は放射線硬化型粘着剤により形成されているもの
であることが好ましい。
を照射することにより粘着力を低下させることができ、
ウエハ等を切断分離した後に、ウエハ等からの粘着シー
トの除去を容易に行うことができる。
ートを、被切断物へ貼り付けた後に、前記粘着シートの
基材フィルムまで切り込みを行なうことにより被切断物
をダイシングすることを特徴とするダイシング方法、に
関する。
シートを、図1を参照しつつ詳細に説明する。図1に示
すように本発明のダイシング用粘着シート1は、基材フ
ィルム11と、該基材フィルム11の少なくとも一方の
面に設けられた粘着剤層12と、更に必要に応じて粘着
層と接し、基材フィルムとは反対側の面に貼り付けられ
たセパレータ13とで構成されている。図1では基材フ
ィルム11の片面に粘着剤層12を有するが、粘着剤層
は基材フィルムの両面に形成することもできる。ダイシ
ング用粘着シートはシートを巻いてテープ状とすること
もできる。
ンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンを重合
成分として含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー
を含有してなる。炭素数4〜8のα−オレフィンとして
は、ブテン−1 、3 −メチルペンテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等があげら
れる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プ
ロピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。
する各重合成分の割合は、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーが上記融点ピーク温度、温度上昇溶離分別に係わ
る要件を満足するものであれば特に制限されないが、プ
ロピレンの割合は、通常、50〜95重量%、さらに好
ましくは60〜92重量%である。エチレンおよび/ま
たは炭素数4〜8のα−オレフィンは、プロピレンの割
合を引いた残量である。
ーは、前記重合成分を含有するものであり、上記融点ピ
ーク温度、温度上昇溶離分別に係わる条件を満足するも
のであればその製造方法は制限されない。たとえば、一
段目でプロピレン単独重合体またはプロピレンと少量の
エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン
とのランダム共重合体を製造後、二段目以降でプロピレ
ンとエチレンおよび/または炭素数4〜8の他のα−オ
レフィンのランダム共重合体を製造する、少なくとも二
段以上の逐次重合方法;プロピレン単独重合体またはプ
ロピレンと少量のエチレンおよび/または炭素数4〜8
のα−オレフィンのランダム共重合体と、エチレンと炭
素数4〜8のα−オレフィンとのランダム共重合体、ま
たはエチレンおよび/または炭素数4〜8とプロピレン
とのランダム共重合体をそれぞれ別に重合したものをブ
レンドする製造する方法が挙げられる。これら方法とし
ては、少なくとも二段以上の逐次重合方法が好ましい。
る。逐次重合に用いられる触媒は、特に限定されるもの
ではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、
マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合
物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
は、この種の重合において公知の、一般式(R1 )m A
lX(3-m) (式中、R1 は炭素数1〜12の炭化水素残
基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の整数であ
る。)で表される化合物、例えば、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアル
ミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウジハライ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルア
ルミニウムハイドライド等があげられる。
ゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分
としては、やはりこの種の重合において公知のものを使
用できる。チタン原子の供給源となるチタン化合物とし
ては、一般式:Ti(OR2) 4-n)Xn (式中、R2
は炭素数1〜10の炭化水素残基Xはハロゲン原子を示
し、nは0〜4の整数である。)で表される化合物があ
げられ、なかでも、四塩化チタン、テトラエトキシチタ
ン、テトラブトキシチタン等が好ましい。マグネシウム
原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例え
ば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライ
ド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウ
ムハライド等があげられ、なかでもマグネシウムジハラ
イド等が好ましい。なお、ハロゲン原子としては、弗
素、塩素、臭素、沃素があげられ、なかでも塩素が好ま
しく、これらは、通常、前記チタン化合物から供給され
るが、アルミニウムのハロゲン化合物、珪素のハロゲン
化合物、タングステンのハロゲン化合物等の他のハロゲ
ン供給源から供給されてもよい。
類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン
酸類、有機酸または無機酸およびその誘導体等の含酸素
化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシア
ネート類等の含窒素化合物があげれる。なかでも無機酸
エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好まし
く、珪素エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸
ハライド等が更に好ましく、一般式:R3 R4 (3-P) S
i(OR5 )p (式中、R3 は炭素数3〜20、好まし
くは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基または炭素数
5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残
基を示し、R4 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10
の分岐または直鎖状脂族炭化水素残基を示し、pは1〜
3の整数である。)で表される有機珪素化合物、例え
ば、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘ
キシル−メチル−ジメシトキシシラン、シクロヘキシル
−メチル−ジエトキシシラン等が特に好ましい。
ピレンまたは、さらに少量のエチレンおよび/または炭
素数4〜8のα−オレフィンを供給して、前記触媒の存
在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100
℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましく
は1〜3.5MPaの条件でプロピレン単独重合体等を
重合し、引き続いて、第二段階でプロピレンとエチレン
および/または炭素数4〜8のα−オレフィンを供給し
て、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましく
は50〜100℃、プロピレンとエチレンおよび/また
は炭素数4〜8のα−オレフィンの分圧各0.3〜4.
5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8のα
−オレフィン共重合体の重合を実施することによりなさ
れる。
分式のいずれによってもよく、第一段階の重合は気相ま
たは液相中で実施し、第二段階の重合も気相または液相
中で実施するが、特に気相中で実施するのが好ましい。
各段階の滞留時間は各々0.5〜10時間、好ましくは
1〜5時間である。
系熱可塑性エラストマーの粉体粒子にベタツキ等の問題
が生じる際は、粉体粒子の流動性を付与する目的で、第
一段階での重合後、第二段階での重合開始前または重合
途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチ
タン原子に対して100〜1000倍モルで、且つ、触
媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範
囲で添加することが好ましい。活性水素含有化合物とし
ては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アル
デヒド類、カルボン酸類、酸アミド類アンモニア、アミ
ン類等があげられる。
ン系熱可塑性エラストマーは、JIS K7210に準
拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したメル
トフロレート(MFR)は 0.1〜50g/10分、
JIS K7112に準拠して水中置換法にて測定した
密度は0.87〜0.89g/cm3 程度であって、J
IS K7203に準拠して温度23℃で測定した曲げ
弾性率が600MPa以下のものとなる。
知の有機パーオキサイドまたはさらに二重結合を分子内
に1個以上、好ましくは2個以上を有する架橋剤の存在
下に動的に熱処理してMFRを調整することもできる。
熱可塑性エラストマーを含有していればよく、当該オレ
フィン系熱可塑性エラストマー単独で基材フィルムを構
成することができる他、必要に応じて他のプラスチック
樹脂またはエラストマーとの混合体から基材フィルムを
構成することもできる。このようなプラスチック樹脂ま
たはエラストマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリブテン等の公知のポリオレフィン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
ポリスチレン、スチレン系エラストマー、エチレンとプ
ロピレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン
からなるエチレンープロピレンゴムやエチレンーαオレ
フィン共重合体(ゴム)等の慣用のプラスチックまたは
エラストマーシート用樹脂が好適に用いることができ
る。なお、前述の通り、基材フィルム中のオレフィン系
熱可塑性エラストマーの含有量は、糸状屑発生防止効果
から、通常、50重量%以上、好ましくは80重量%以
上がよい。
剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレー
等の充鎮材、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑
剤、分散剤、中和剤、α晶核剤、β晶核剤等の各種添加
剤が必要に応じて配合されてもよい。
従って作製することができ、その厚さは、通常10〜3
00μm、好ましくは30〜200μm程度である。基
材フィルムは単層フィルムまたは多層フィルムの何れで
あってもよいが、粘着剤層が接する表面から150μm
程度までの、ダイシング時に丸刃が達すると想定される
層は前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有して
いる層とするのが好ましい。多層フィルムは、たとえ
ば、前記ポリオレフィン等を他の層の材料に用いて、共
押出法、ドライラミネート法等の慣用のフィルム積層法
により製造できる。
じて一軸または二軸の延伸処理を施してもよい。延伸処
理を施す場合には、60〜100℃程度で行なうのが好
ましい。このようにして製膜された基材フィルムは、必
要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処
理等の慣用の物理的または化学的処理を施すことができ
る。
できる。このような粘着剤は、何ら制限されるものでは
ないが、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポ
リビニルエーテル系等の各種粘着剤が用いられる。
ましい。アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアク
リル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキル
の重合体または共重合性モノマーとの共重合体が用いら
れる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、その
ホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下の(メタ)
アクリル酸アルキルが好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、2
−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基等があ
げられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例え
ば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエス
テル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アク
リル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、
(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メ
タ)アクリル酸アルキルアミノアルキル、(例えば、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、t −ブチルアミノ
エチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、ア
クリロニトリル等があげられる。
より硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を
用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボン
ド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明において
は、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用
いることが好ましい。なお、粘着剤として放射線硬化型
粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に
粘着剤に放射線が照射されるため前記基材フィルムは十
分な放射線透過性を有しているもの好ましい。
スポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分
を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭
素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノ
マー、オリゴマー又はポリマーを特に制限無く使用でき
る。放射線硬化成分としては、例えば、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1 ,6 −へキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価ア
ルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリ
ゴマー;2 −プロぺニルージ−3 −ブテニルシアヌレー
ト、2 −ヒドロキシエチルビス(2 −アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエ
チル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイ
ソシアヌレート化合物などがあげられる。
ー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素
−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用す
ることもでき、この場合においては特に上記放射線硬化
成分を加える必要は無い。
せる場合には、光重合開始剤が必要である。重合開始剤
としては、たとえば、べンゾイルメチルエーテル、ベン
ゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル等のペンゾインアルキルエーテル類;べンジル、ベン
ゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等の芳香族ケトン類;べンジルジメチ
ルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフ
ェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサント
ン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
等のチオキサントン類等があげられる。
剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用
の添加剤を含有させることができる。架橋剤としては、
例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿
素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化物、
ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどがあげら
れる。
えば、基材フィルム11の表面に、粘着剤を塗布して乾
燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層12
を形成し、必要に応じてこの粘着剤層12の表面にセパ
レータ13を貼り合わせることにより製造できる。ま
た、別途、セパレータ13に粘着剤層12を形成した
後、それらを基材フィルム11に貼り合せる方法等を採
用できる。
はダイシング切込深さにより適宜決定することができる
が、通常は1〜200μm、好ましくは3〜50μm程
度である。
粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設け
られる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等
の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面
には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じ
てシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の
剥離処理が施されていてもよい。また、剛性を高める等
の目的に応じて、一軸または二軸の延伸処理や他のプラ
スチックフィルム等で積層を行ってもよい。セパレータ
の厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは25〜
100μm程度である。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
ゼラス5053」を(株)プラコー社製Tダイ成形機
(設定温度230℃)に供給し製膜し、厚み100μ
m、幅29cmの基材フィルムを作製した。三菱化学
(株)製の「商品名:ゼラス5053」は、プロピレン
成分79重量%およびエチレン成分21重量%のオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーであり、o−ジクロロベン
ゼンを溶媒として用いた、温度0〜140℃の間の温度
上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対し
て41.7重量%であり、融点ピーク温度が164℃、
密度0.88g/cm3 、MFR(230℃、21.1
8N)6.8g/10分である。
量部及びアクリル酸5重量部をトルエン中で常法により
共重合させて得られた重量平均分子量50万のアクリル
系共重合体を含有する溶液に、ジぺンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」,
日本化薬(株)製)60重量部、光重合開始剤(商品名
「イルガキュア184」,チバ・スペシャリティー・ケ
ミカルズ社製)3重量部、ポリイソシアネート化合物
(商品名「コロネートL」,日本ポリウレタン(株)
製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤
溶液を調製した。
調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムの
コロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋し
て、厚さ20μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。
次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外
線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
(株)製の「商品名ゼラス5053」と日本ポリケム
(株)製の「商品名:カーネルKF261」を前者:後
者(重量比)=80:20の割合で、二軸混練機(シリ
ンダー径45mm,L/D=34,池貝社製「PCM−
45」 ,設定温度200℃)に供給して溶融混練する
ことによりぺレット化したものを実施例1と同様に製膜
し、基材フィルムを得た。
ルKF261」は、密度0.898g/cm3 、MFR
(190℃,21.18N)2.2g/10分のメタロ
セン系低密度ポリエチレンである。
1で調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィル
ムのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架
橋して、厚さ50μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成し
た。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて
紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
材フィルムとして、低密度ポリエチレンをTダイ押出し
法により厚さ100μmとなるように製膜しフィルムを
用いたこと以外は実施例1と同様にしてダイシング用粘
着シートを作製した。なお、低密度ポリエチレンは、融
点ピーク温度が110℃、密度0.923g/cm3 、
MFR(190℃、21.18N)1.5g/10分で
ある。
材フィルムとして、エチレン−メタクリル酸共重合体を
Tダイ押出し法により厚さ100μmとなるように製膜
しフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にしてダ
イシング用粘着シートを作製した。なお、エチレン−メ
タクリル酸共重合体は、融点ピーク温度が100℃、密
度0.930g/cm3 、MFR(190℃、21.1
8N)3g/10分である。
ダイシング用粘着シートを下記の方法により評価した。
結果を表1に示す。
ウエハをマウントし、以下の条件でダイシングした。
7HEDD ブレード回転数:45000rpm ダイシング速度:100mm/秒 ダイシング深さ:基材フィルムに対して30μm ダイシングサイズ:2.5mm×2.5mm カットモード:ダウンカット ダイシング後、切断されたチップ表面の糸状屑の発生状
況を光学顕微鏡(200)で観察し、糸状屑の大きさ毎
に個数をカウントした。
の発生が少ないことが認められる。しかも、100μm
以上の糸状屑は発生していない。なお、実施例、比較例
のウエハは、製品品位が低下することはなかった。
断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着
剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおい
て、前記基材フィルムが、プロピレン並びにエチレンお
よび/または炭素数4〜8のα−オレフィンを重合成分
として含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーを含
有してなり、かつ当該オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの融点ピーク温度が120℃以上であることを特徴と
するダイシング用粘着シート。 - 【請求項2】 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー
は、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜
140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出
分が全溶出量に対して10〜60重量%であることを特
徴とする請求項1記載のダイシング用粘着シート。 - 【請求項3】 基材フィルムが単層フィルムであり、前
記オレフィン系熱可塑性エラストマーを50重量%以上
含有していることを特徴とする請求項1または2記載の
ダイシング用粘着シート。 - 【請求項4】 基材フィルムが多層フィルムであり、当
該多層フィルムの少なくとも1層が、前記オレフィン系
熱可塑性エラストマーを50重量%以上含有しているこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイシ
ング用粘着シート。 - 【請求項5】 粘着剤層の厚みが1〜200μmである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイ
シング用粘着シート。 - 【請求項6】 粘着剤層が放射線硬化型粘着剤により形
成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載のダイシング用粘着シート。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のダイシ
ング用粘着シートを、被切断物へ貼り付けた後に、前記
粘着シートの基材フィルムまで切り込みを行なうことに
より被切断物をダイシングすることを特徴とするダイシ
ング方法。
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