JP3984076B2 - ダイシング用粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシング用粘着シートに関する。さらには当該ダイシング用粘着シートを用いてダイシングを行なう方法、当該ダイシング用粘着シートの製造方法に関する。本発明のダイシング用粘着シートは、半導体ウエハ等の素子小片を切断分離(ダイシング)する際に、当該半導体ウエハ等の被切断体を固定するために用いる半導体ウエハダイシング用粘着シートとして特に有用である。例えば、本発明のダイシング用粘着シートは、シリコン半導体ダイシング用粘着シート、化合物半導体ウエハダイシング用粘着シート、半導体パッケージダイシング用粘着シート、ガラスダイシング用粘着シートなどとして使用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来よりシリコン、ガリウム、砒素などを材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハは粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工程の各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤が1〜200μm程度が塗布されてなるものが一般的に用いられている。
【0003】
前記ダイシング工程においては、回転しながら移動する丸刃によってウエハの切断が行なわれるが、その際に半導体ウエハを保持するダイシング用粘着シートの基材内部まで切り込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式が主流となってきている。
【0004】
そして、フルカットによる切断方法では、粘着シートの内部まで切り込みが行なわれる結果、基材であるプラスチックフィルム自身が糸状となった切断屑が発生する。この糸状屑がチップ(被切断体)側面などに付着すると、付着した糸状屑は、そのまま、後工程においてマウント、封止されてしまい、半導体素子の信頼性を著しく低下させる原因になっているという問題があった。
【0005】
このような問題を解決する手段として、例えば特開平5−156214号公報には、基材としてエチレン−メタクリレート共重合体を用いた粘着シートが提案されている。しかし、この粘着シートでは糸状屑の発生は幾分かは少なくなるものの、今後、高信頼性半導体の製造のダイシング工程に耐えうるレベルを満たし得るものではない。
【0006】
また特開平5−211234号公報では、基材フィルムに1〜80MRadの電子線又はγ線等の放射線を照射したフィルムを用いた粘着シートが提案されている。しかし、この粘着シートでは放射線照射によるフィルムダメージが大きく、外観的に良好なフィルムが得られ難いうえ、フィルム製造において多大なコストがかかり、品位面及び価格面で好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであり、製品品位の低下やコスト的な不利益が無く、しかもダイシング時の糸状屑の発生の少ないダイシング用粘着シートを提供することを目的とする。また、当該ダイシング用粘着シートを用いたダイシング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべくダイシング用粘着シートを構成する基材フィルムについて鋭意検討した結果、基材フィルムに、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマーと結晶造核剤を用いることで、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおいて、
前記基材フィルムが、プロピレンエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーであって、
融点ピーク温度が120℃以上170℃以下であり、
o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出重量に対して10〜60重量%であるオレフィン系熱可塑性エラストマーと、
ポリプロピレンに対して結晶造核作用を有する結晶造核剤を、基材フィルム全体に対して0.0001〜1重量%含有することを特徴とするダイシング用粘着シート、に関する。
【0010】
上記本発明のダイシング用粘着シートは、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーのなかでも、融点ピ−ク温度が120℃以上170℃以下のものを含有する基材フィルムが、ダイシング時に糸状屑の発生を抑えられることを見出したものである。また本発明は結晶造核剤を含有させることに、さらに糸状屑の発生を抑えられることを見出したものである。前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点ピ−ク温度は好ましくは140℃以上、さらに好ましくは160℃以上である。融点ピ−ク温度は一般的にはJIS K7121に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定される。
【0011】
前記ダイシング用粘着シートにおいて、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出重量に対して10〜60重量%である。
【0012】
前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの0℃での溶出分の全溶出重量に対する割合は、ダイシング時の糸状屑の発生を抑えられ、かつエキスパンド性や基材フィルムの粘着剤層との接着性を満足しうる好ましい範囲である。0℃での溶出分の割合が少なくなると、オレフィン系熱可塑性エラストマーを成形して得られる基材フィルムが硬く、エキスパンド時の伸び性が悪くなるほか、ピックアップもし辛くなる傾向があることから、前記0℃での溶出分の割合は10重量%以上、さらには20重量%以上であるのが好ましい。また、前記0℃での溶出分の割合が多くなると、オレフィン系熱可塑性エラストマーを成形して得られる基材フィルムの粘着剤層との接着性が劣る傾向があることから前記0℃での溶出分の割合は60重量%以下、さらには50重量%以下であるのが好ましい。
【0013】
なお、前記温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation;TREF)とは、公知の分析法である。原理的には、高温でポリマーを溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在させておいた不活性坦体の表面に薄いポリマー層を形成させる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶化しにくい低結晶性または非晶性成分の順にポリマー層が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、前記と逆に、低結晶性または非晶性成分から溶出し、最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組成分布を分析するものである。
【0014】
測定装置としては、クロス分別装置(三菱化学(株)製,CFC・T150A)を使用した。測定すべきサンプル(オレフィン系熱可塑性エラストマー)を溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度30mg/mlとなるように140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入した。以下の測定は設定条件に従って自動的に行われた。サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレスカラム)に0.4ml注入された。当該サンプルは、1℃/分の速度で140℃から0°の温度まで冷却され、上記不活性担体にコーティングされた。このとき高結晶成分(結晶化しやすいもの)から低結晶成分(結晶化しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。TREFカラムは0℃でさらに30分間保持した後、以下のように段階的に昇温され、それぞれの温度において30分間保持されながら、その温度における溶出分が測定された。溶出温度(℃):0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,49,52,55,58,61,64,67,70,73,76,79,82,85,88,91,94,97,100,102,120,140。
【0015】
前記ダイシング用粘着シートにおいて、前記結晶造核剤の含有量が、基材フィルム全体に対して0.0001〜1重量%である。結晶造核剤の含有量は特に制限されないが、前記範囲内に調整した場合に特に本発明の効果を有効に奏する。結晶造核剤の前記含有量が少なくなると結晶造核作用が乏しく、本発明の効果が得られ難くなるため、結晶造核剤の前記含有量は0.0001重量%以上、好ましくは0.0005重量%以上である。一方、結晶造核剤の前記含有量が多くなると基材フィルムとしての柔軟性が乏しくなり、エキスパンド時の伸び性が悪化する傾向となるほか、ピックアップもし辛くなる傾向となるため、結晶造核剤の前記含有量は1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である。前記ダイシング用粘着シートにおいて、結晶造核剤としては、ポリ3−メチル−1−ブテンを好ましく使用できる。
【0016】
前記ダイシング用粘着シートにおいて、基材フィルムが単層フィルムであり、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを50重量%以上含有していることが好ましい。
【0017】
また前記ダイシング用粘着シートにおいて、基材フィルムが多層フィルムであり、当該多層フィルムの少なくとも1層が、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを50重量%以上含有していることが好ましい。
【0018】
基材フィルム中の前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量は、糸状屑発生防止効果から、単層フィルムまたは多層フィルムの少なくとも1層が、通常、50重量%以上、好ましくは80重量%以上であるのがよい。基材フィルムを多層とした場合には、例えば、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを含む伸び性の低い層をフルカットの際に丸刃の切り込みが行なわれる深さまでの少なくとも一層に設けることでダイシング時の糸状屑の発生を防止することができ、他の層にエキスパンド時に必要とされる伸び性に優れた層を設けることにより、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの含む層の伸び性の低さを補うことができる。その他、帯電防止性に優れる層などの機能層を設けて多層化して帯電防止性能などの追加機能を付加することもできる。
【0019】
前記ダイシング用粘着シートにおいて、粘着剤層の厚みは1〜200μmである場合に有効である。
【0020】
粘着剤層を厚くすることは、ダイシング中の半導体ウエハの振動などの原因によって、ダイシング品位を著しく低下させ、コスト的にも不利益となるため、粘着剤層の厚みは1〜200μm、特に好ましくは3〜50μmとされる。通常、ダイシング工程では、ダイシング用粘着シートに対して丸刃が5〜230μm程度の切込み、切断を行なっているため、粘着剤層がその切込深さより薄く、基材フィルムまで切り込みが行われ、基材フィルムによる糸状屑が問題となる場合に本発明のダイシング用粘着シートは有効に機能する。
【0021】
前記ダイシング用粘着シートにおいて、粘着剤層は放射線硬化型粘着剤により形成されているものであることが好ましい。
【0022】
放射線硬化型粘着剤層を用いれば、放射線を照射することにより粘着力を低下させることができ、ウエハ等を切断分離した後に、ウエハ等からの粘着シートの除去を容易に行うことができる。
【0023】
さらに本発明は基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートの製造方法において、
プロピレン、又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とを、触媒存在下で温度50〜150℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPaの条件で第一段階の重合をすることにより、プロピレン単独重合体、又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体を製造した後、
プロピレンとエチレン又は炭素数4〜8の他のα−オレフィンの少なくとも何れか一方を更に加えて、触媒存在下で温度50〜150℃、プロピレン、エチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方の各分圧0.3〜4.5MPaの条件で第二段階の重合をする、少なくとも二段以上の逐次重合法により、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなり、融点ピーク温度が120℃以上170℃以下であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造し、
その一方、予備重合により結晶造核剤を製造した後、プロピレンの単独重合若しくはプロピレンと、エチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方との共重合を行うことにより、当該結晶造核剤を所定量で含有するプロピレン重合体を製造して、当該プロピレン重合体を前記オレフィン系熱可塑性エラストマーに添加し、
前記結晶造核剤を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーと、エチレンを重合成分の主成分とするエチレン系重合体とを混合してフィルム状とすることを特徴とするダイシング用粘着シートの製造方法、に関する。
【0024】
前記触媒は、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固形成分とからなることが好ましい。
【0025】
前記第一段階の重合後、第二段階の重合開始前または重合途中に、活性水素含有化合物を、前記触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、且つ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイシング用粘着シートを、図1を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように本発明のダイシング用粘着シート1は、基材フィルム11と、該基材フィルム11の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層12と、更に必要に応じて粘着層と接し、基材フィルムとは反対側の面に貼り付けられたセパレータ13とで構成されている。図1では基材フィルム11の片面に粘着剤層12を有するが、粘着剤層は基材フィルムの両面に形成することもできる。ダイシング用粘着シートはシートを巻いてテープ状とすることもできる。
【0027】
基材フィルムは、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有してなる。炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、ブテン−1 、3 −メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等があげられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プロピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。
【0028】
オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成する各重合成分の割合は、オレフィン系熱可塑性エラストマーが上記融点ピーク温度、温度上昇溶離分別に係わる要件を満足するものであれば特に制限されないが、プロピレンの割合は、通常、50〜95重量%、さらに好ましくは60〜92重量%である。エチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方は、プロピレンの割合を引いた残量である。
【0029】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、前記重合成分を含有し、かつ上記融点ピーク温度、温度上昇溶離分別に係わる条件を満足するものである。前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法としては、例えば、一段目でプロピレン単独重合体またはプロピレンと少量のエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体を製造後、二段目以降でプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8の他のα−オレフィンの少なくとも何れか一方のランダム共重合体を製造する、少なくとも二段以上の逐次重合方法;プロピレン単独重合体またはプロピレンと少量のエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方のランダム共重合体と、エチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンまたは炭素数4〜8とプロピレンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体をそれぞれ別に重合したものをブレンドする製造する方法が挙げられる。これら方法としては、少なくとも二段以上の逐次重合方法が好ましい。
【0030】
以下、この逐次重合方法について詳述する。逐次重合に用いられる触媒は、特に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0031】
ここで、有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式(R1m AlX(3-m) (式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の整数である。)で表される化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等があげられる。
【0032】
またチタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、やはりこの種の重合において公知のものを使用できる。チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式:Ti(OR24-n)n (式中、R2は炭素数1〜10の炭化水素残基Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の整数である。)で表される化合物があげられ、なかでも、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が好ましい。マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等があげられ、なかでもマグネシウムジハライド等が好ましい。なお、ハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素があげられ、なかでも塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化合物、珪素のハロゲン化合物、タングステンのハロゲン化合物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
【0033】
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸およびその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物があげれる。なかでも無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、珪素エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましく、一般式:R34 (3-P) Si(OR5p (式中、R3 は炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基または炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、R4は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐または直鎖状脂族炭化水素残基を示し、pは1〜3の整数である。)で表される有機珪素化合物、例えば、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメシトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が特に好ましい。
【0034】
逐次重合法において、第一段階では、プロピレンまたは、さらに少量のエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方を供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1〜3.5MPaの条件でプロピレン単独重合体等を重合し、引き続いて、第二段階でプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方を供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方の分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方の共重合体の重合を実施することによりなされる。
【0035】
なお、その際の重合は回分式、連続、半回分式のいずれによってもよく、第一段階の重合は気相または液相中で実施し、第二段階の重合も気相または液相中で実施するが、特に気相中で実施するのが好ましい。各段階の滞留時間は各々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
【0036】
また前記方法により製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマーの粉体粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子の流動性を付与する目的で、第一段階での重合後、第二段階での重合開始前または重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、且つ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類アンモニア、アミン類等があげられる。
【0037】
なお、前記方法により製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフロレート(MFR)は 0.1〜50g/10分、JIS K7112に準拠して水中置換法にて測定した密度は0.87〜0.89g/cm3 程度であって、JIS K7203に準拠して温度23℃で測定した曲げ弾性率が600MPa以下のものとなる。
【0038】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、公知の有機パーオキサイドまたはさらに二重結合を分子内に1個以上、好ましくは2個以上を有する架橋剤の存在下に動的に熱処理してMFRを調整することもできる。
【0039】
本発明の基材フィルムは構成樹脂として前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有していればよく、当該オレフィン系熱可塑性エラストマー単独で基材フィルムを構成することができる他、必要に応じて他のプラスチック樹脂またはエラストマーとの混合体から基材フィルムを構成することもできる。このようなプラスチック樹脂またはエラストマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の公知のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレン系エラストマー、エチレンとプロピレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方からなるエチレン−プロピレンゴムやエチレンーαオレフィン共重合体(ゴム)等の慣用のプラスチックまたはエラストマーシート用樹脂が好適に用いることができる。なお、前述の通り、基材フィルム中のオレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量は、糸状屑発生防止効果から、通常、50重量%以上、好ましくは80重量%以上がよい。
【0040】
また、本発明の基材フィルムは、添加成分としてポリプロピレンに対して結晶造核作用を有する結晶造核剤を含有する。前述の通り、基材フィルム中の結晶造核剤の含有量は、0.0001〜1重量%であるのが好ましい。
【0041】
結晶造核剤は、特に限定されず、各種無機化合物、各種カルボン酸またはその金属塩、ジベンジリデンソルビトール系化合物、アリールフォスフェート系化合物、環状多価金属アリールフォスフェート系化合物と脂肪族モノカルボン酸アルカリ金属塩または塩基性アルミニウム・リチウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレートとの混合物、各種高分子化合物等のα晶造核剤等があげられる。これら結晶造核剤は単独使用でき、また2 種以上を併用することもできる。
【0042】
無機化合物の例としては、タルク、ミョウバン、シリカ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、カーボンブラック、粘土鉱物等があげられる。
【0043】
カルボン酸の例としては、脂肪族モノカルボン酸を除くカルボン酸があげられる。例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1 −メチルシクロペンタンカルボン酸、2 −メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1 −メチルシクロヘキサンカルボン酸、4 −メチルシクロヘキサンカルボン酸、3 ,5 −ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4 −ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4 −オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4 −シクロヘキセン−1 ,2 −ジカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等酸があげられる。これらカルボン酸の金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛またはアルミニウムの正塩もしくは塩基性塩等があげられる。
【0044】
ジベンジリデンソルビトール系化合物の例としては、1・3,2 ・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2 ・4−ベンジリデンソルビトール、1 ・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2 ・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2 ・4−ビス(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4−ビス(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4 −ビス(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4−ビス(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−(2 ′,4′−ジメチルベンジリデン)−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−(2 ′,4 ′−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4 −ビス(2 ′,4 ′−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4 −ビス(3 ′,4 ′−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4 −ビス(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3 ,2 ・4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3,2 ・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトールなどがあげられる。
【0045】
アリールフォスフェート系化合物の例としては、リチウム−ビス(4 −t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−ビス(4−キュミルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−キュミルフェニル)フォスフェート、カリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−モノ(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム−モノ(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ジンク−モノ(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ジンクービス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムジヒドロオキシ−(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムヒドロオキシ−ビス(4 −t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム−トリス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 −キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 −i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 −メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−ブチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−ブチリデン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−t−オクチルメチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−メチル−6 −t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4′−ジメチル−6 ,6 ′−ジ−t−ブチル−2 ,2 ′−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 −s−ブチル−6 −t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−エチルフェニル)フォスフェート、カリウム−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウムービス[2,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ジンク−ビス[2 ,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−メチル−6 −t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス「2 ,2 ′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2 ,2 ′−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2 ,2 ′−チオビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2 ′−チオビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2 ,2 ′−チオビス(4−t−オクチルフェニル)フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[(4,4 ′−ジメチル−6 ,6 ′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウムジヒドロオキシ−2,2′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムジヒドロオキシ−2,2 ′−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムヒドロオキシ−ビス[2,2 ′−メチレン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウムヒドロオキシービス[2,2 ′−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、チタンジヒドロオキシ−ビス[2,2 ′−メチレン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、チンジヒドロオキシ−ビス[2,2 ′−メチレン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ジルコニウムオキシ−ビス[2,2 ′−メチレン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウムジヒドロオキシ−2 ,2 ′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムヒドロオキシ−ビス[2,2 ′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウムジヒドロオキシ−2 ,2 ′−エチリデン−ビス(4,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウムヒドロオキシ−ビス[2,2 ′−エチリデン−ビス(4 ,6 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]などがあげられる。
【0046】
前記アリールフォスフェート系化合物のなかの環状多価金属アリールフォスフェート系化合物と混合使用される脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩の例としては、酢酸、乳酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、べへン酸、エルカ酸、モンタン酸、メリシン酸、ステアロイル乳酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−N−ラウロイルアミノプロピオン酸などのリチウム、ナトリウムまたはカリウム塩があげられる。
【0047】
高分子化合物の例としては、ポリエチレン、ポリ3−メチル−1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−エチル−1−ペンテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ4−メチル−1−へキセン、ポリ4,4−ジメチル−1−ペンテン、ポリ4,4−ジメチル−1−へキセン、ポリ4−エチル−1−へキセン、ポリ3−エチル−1−へキセン、ポリアリルナフタレン、ポリアリルノルボルナン、アタクテイックポリスチレン、シンジオタクテイックポリスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリアリルベンゼン,ポリアリルトルエン、ポリビニルシクロペンタン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロヘプタン、ポリビニルトリメチルシラン、ポリアリルトリメチルシランなどがあげられる。
【0048】
なお、これらの高分子化合物は、好ましくは、特開平2−43204号公報等に見られるように、固体触媒成分1gあたり上記高分子化合物を構成するモノマーを0.01〜100g重合させる予備重合を経た後、プロピレンの単独重合もしくはプロピレンと少量のエチレンまたはα−オレフィンの少なくとも何れか一方との共重合を行う方法により、上記高分子化合物を0.01〜0.15重量%程度の濃度で含有するプロピレン重合体として得ることができる。これをオレフィン系熱可塑性エラストマーに添加する方法により、結晶造核剤としての高分子化合物をオレフィン系熱可塑性エラストマーに均一に効率良く混合することができ、極微量で優れた結晶造核作用を得ることが可能である。
【0049】
本発明における結晶造核剤としては、低分子化合物の場合には基材と粘着剤層との接着性低下、および金属イオンによる半導体汚染の観点から高分子化合物が好ましく用いられる。高分子化合物のなかでも、ポリ3−メチル−1−ブテンが好ましい。
【0050】
また、基材フィルム中には、鉱油等の軟化剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレー等の充填材、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、中和剤等の各種添加剤が必要に応じて配合されてもよい。
【0051】
本発明の基材フィルムは押出法等の常法に従って作製することができる。その厚さは、通常10〜300μm、好ましくは30〜200μm程度である。基材フィルムは単層フィルムまたは多層フィルムの何れであってもよいが、粘着剤層が接する表面から150μm程度までの、ダイシング時に丸刃が達すると想定される層は前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有している層とするのが好ましい。多層フィルムは、例えば、前記ポリオレフィン等を他の層の材料に用いて、共押出法、ドライラミネート法等の慣用のフィルム積層法により製造できる。
【0052】
また、得られた基材フィルムは、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施してもよい。延伸処理を施す場合には、60〜100℃程度で行なうのが好ましい。このようにして製膜された基材フィルムは、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理等の慣用の物理的または化学的処理を施すことができる。
【0053】
粘着剤層は、公知乃至慣用の粘着剤を使用できる。このような粘着剤は、何ら制限されるものではないが、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種粘着剤が用いられる。
【0054】
前記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルの重合体または共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルが好ましい。
【0055】
(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、2 −エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基等があげられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル、(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t −ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等があげられる。
【0056】
また、粘着剤としては紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボンド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明においては、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に粘着剤に放射線が照射されるため前記基材フィルムは十分な放射線透過性を有しているもの好ましい。
【0057】
放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベースポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマー又はポリマーを特に制限無く使用できる。放射線硬化成分としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,6 −へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2 −プロぺニルージ−3 −ブテニルシアヌレート、2 −ヒドロキシエチルビス(2 −アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0058】
また、放射線硬化型粘着剤はベースポリマー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用することもでき、この場合においては特に上記放射線硬化成分を加える必要は無い。
【0059】
放射線硬化型粘着剤を紫外線により硬化させる場合には、光重合開始剤が必要である。重合開始剤としては、例えば、べンゾイルメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;べンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の芳香族ケトン類;べンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等があげられる。
【0060】
前記粘着剤には、更に必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化物、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどがあげられる。
【0061】
本発明のダイシング用粘着シート1は、例えば、基材フィルム11の表面に、粘着剤を塗布して乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層12を形成し、必要に応じてこの粘着剤層12の表面にセパレータ13を貼り合わせることにより製造できる。また、別途、セパレータ13に粘着剤層12を形成した後、それらを基材フィルム11に貼り合せる方法等を採用できる。
【0062】
粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類、あるいはダイシング切込深さにより適宜決定することができるが、通常は1〜200μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0063】
セパレータは、ラベル加工のため、または粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていてもよい。また、剛性を高める等の目的に応じて、一軸または二軸の延伸処理や他のプラスチックフィルム等で積層を行ってもよい。セパレータの厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0065】
実施例1
(基材フィルムの作製)
三菱化学(株)製の「商品名:ゼラス5053」と、予備重合でポリ3−メチル−1−ブテンを0.08重量%導入したMFR(230℃、21.18N)4.8g/10分のプロピレン単独重合体を前者:後者(重量比)=100:1の割合で、二軸混練機(シリンダー径45mm,L/D=34,池貝社製「PCM−4 5 」,設定温度200℃)に供給して溶融混練することによりペレット化した。次いで、このペレットを、(株)プラコー社製Tダイ成形機(設定温度230℃)に供給し製膜し、厚み100μm、幅29cmの基材フィルムを作製した。作製した基材フィルム中の結晶造核剤(ポリ3−メチル−1−ブテン)の含有量は0.00079重量%である。
【0066】
三菱化学(株)製の「商品名:ゼラス5053」は、プロピレン成分79重量%およびエチレン成分21重量%のオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた、温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対して41.7重量%であり、融点ピーク温度が164℃、密度0.88g/cm3 、MFR(230℃、21.18N)6.8g/10分である。
【0067】
(粘着剤の調製)
アクリル酸ブチル90重量部及びアクリル酸10重量部をトルエン中で常法により共重合させて得られた重量平均分子量50万のアクリル系共重合体を含有する溶液に、ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」,日本化薬(株)製)60重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」,日本ポリウレタン(株)製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。
【0068】
(ダイシング用粘着シートの作製)
上記で調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ20μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0069】
実施例2
(基材フィルムの作製)
(1)実施例1で用いた三菱化学(株)製の「商品名ゼラス5053」、(2)日本ポリケム(株)製の「商品名:ノバテックHD HB330」および(3)予備重合でポリ3−メチル−1−ブテンを0.08重量%導入したMFR(230℃、21.18N)4.8g/10分のプロピレン単独重合体を(1):(2):(3)(重量比)=80:20:1の割合で、二軸混練機(シリンダー径45mm,L/D=34,池貝社製「PCM−45」 ,設定温度200℃)に供給して溶融混練することによりぺレット化したものを実施例1と同様に製膜し、基材フィルムを得た。作製した基材フィルム中の結晶造核剤(ポリ3−メチル−1−ブテン)の含有量は0.00079重量%である。
【0070】
日本ポリケム(株)製の「商品名:ノバティックHD HB330」は、密度0.953g/cm3 、MFR(190℃、21.18N)0.35g/10分の高密度ポリエチレンである。
【0071】
(ダイシング用粘着シートの作製)
実施例1で調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ50μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0072】
比較例1
実施例1のダイシング用粘着シートの作製において、基材フィルムとして、低密度ポリエチレン(MFR=1.5)をTダイ押出し法により厚さ100μmとなるように製膜し、片面にコロナ処理を施して得られた基材フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0073】
比較例2
実施例1のダイシング用粘着シートの作製において、基材フィルムとして、エチレン−メタクリル酸共重合物(MFR=2.0)をTダイ押出し法により厚さ100μmとなるように製膜し、片面にコロナ処理を施して得られた基材フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0074】
(評価試験)
実施例及び比較例で得られたダイシング用粘着シートを下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
【0075】
(1)ダイシング性評価
ダイシング用粘着シートに、厚さ350μmの6インチウエハをマウントし、以下の条件でダイシングした。
【0076】
(ダイシング条件)
ダイサー:DISCO社製、DFD−651
ブレード:DISCO社製、NBC−ZH205O 27HEDD
ブレード回転数:45000rpm
ダイシング速度:100mm/秒
ダイシング深さ:基材フィルムに対して30μm
ダイシングサイズ:2.5mm×2.5mm
カットモード:ダウンカット
ダイシング後、切断されたチップ表面の糸状屑の発生状況を光学顕微鏡(200)で観察し、糸状屑の大きさ毎に個数をカウントした。
【0077】
【表1】
Figure 0003984076
表1から、実施例のダイシング用粘着シートでは糸状屑の発生が少ないことが認められる。しかも、100μm以上の糸状屑は発生していない。なお、実施例、比較例のウエハは、製品品位が低下することはなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイシング用粘着シートの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ダイシング用粘着シート
11 基材フィルム
12 粘着剤層
13 セパレータ

Claims (11)

  1. 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおいて、
    前記基材フィルムが、プロピレンエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーであって、
    融点ピーク温度が120℃以上170℃以下であり、
    o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出重量に対して10〜60重量%であるオレフィン系熱可塑性エラストマーと、
    ポリプロピレンに対して結晶造核作用を有する結晶造核剤を、基材フィルム全体に対して0.0001〜1重量%含有することを特徴とするダイシング用粘着シート。
  2. 前記結晶造核剤がポリ3−メチル−1−ブテンであることを特徴とする請求項1記載のダイシング用粘着シート。
  3. 基材フィルムが単層フィルムであり、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを50重量%以上含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイシング用粘着シート。
  4. 基材フィルムが多層フィルムであり、当該多層フィルムの少なくとも1層が、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを50重量%以上含有していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のダイシング用粘着シート。
  5. 粘着剤層の厚みが1〜200μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のダイシング用粘着シート。
  6. 粘着剤層が放射線硬化型粘着剤により形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のダイシング用粘着シート。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のダイシング用粘着シートを、被切断体へ貼り付けた後に、前記粘着シートの基材フィルムまで切り込みを行なうことにより被切断体をダイシングすることを特徴とするダイシング方法。
  8. 被切断体が半導体素子であることを特徴とする請求項7記載のダイシング方法。
  9. 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートの製造方法において、
    プロピレン、又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とを、触媒存在下で温度50〜150℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPaの条件で第一段階の重合をすることにより、プロピレン単独重合体、又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体を製造した後、
    プロピレンとエチレン又は炭素数4〜8の他のα−オレフィンの少なくとも何れか一方を更に加えて、触媒存在下で温度50〜150℃、プロピレン、エチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方の各分圧0.3〜4.5MPaの条件で第二段階の重合をする、少なくとも二段以上の逐次重合法により、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方とのランダム共重合体からなり、融点ピーク温度が120℃以上170℃以下であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造し、
    その一方、予備重合により結晶造核剤を製造した後、プロピレンの単独重合若しくはプロピレンと、エチレン若しくは炭素数4〜8のα−オレフィンの少なくとも何れか一方との共重合を行うことにより、当該結晶造核剤を所定量で含有するプロピレン重合体を製造して、当該プロピレン重合体を前記オレフィン系熱可塑性エラストマーに添加し、
    前記結晶造核剤を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーと、エチレンを重合成分の主成分とするエチレン系重合体とを混合してフィルム状とすることを特徴とするダイシング用粘着シートの製造方法。
  10. 前記触媒は、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固形成分とからなることを特徴とする請求項9に記載のダイシング用粘着シートの製造方法。
  11. 前記第一段階の重合後、第二段階の重合開始前または重合途中に、活性水素含有化合物を、前記触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、且つ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することを特徴とする請求項10に記載のダイシング用粘着シートの製造方法。
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