JP2003007477A - 薄膜発光素子 - Google Patents

薄膜発光素子

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JP2003007477A JP2001185401A JP2001185401A JP2003007477A JP 2003007477 A JP2003007477 A JP 2003007477A JP 2001185401 A JP2001185401 A JP 2001185401A JP 2001185401 A JP2001185401 A JP 2001185401A JP 2003007477 A JP2003007477 A JP 2003007477A
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Ryuta Iijima
竜太 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光層を表裏両側からそれぞれ少なくとも1
層からなる一対の絶縁層により挟持し、一対の電極間に
挟んでなる薄膜発光素子において、高誘電特性を有する
チタン酸ジルコン酸鉛膜を絶縁層に用いた際に、(1)
ヒステリシス特性による高誘電損失、(2)低絶縁耐
圧、(3)結晶異方性による低透過率、(4)鉛系酸化
物による低透過率、(5)発光層との反応が生じるとい
う課題があった。 【解決手段】 前記チタン酸ジルコン酸鉛の組成の最適
化、又はLaやAlを最適量添加することで、薄膜発光
素子に適したチタン酸ジルコン酸鉛膜を形成することに
より上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜発光素子に関
する。更に詳しくは、本発明は、電圧の印加に対応する
EL(Electro Luminescence)発
光を表示に用いる薄膜発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加に対応してEL発光する薄膜
発光素子においては、それを構成する発光層として通
常、硫化亜鉛(ZnS)や硫化ストロンチウム(Sr
S)等の硫化物が用いられる。表示パネルとして現在商
品化されている薄膜発光素子としては、発光層に、硫化
亜鉛にマンガンを微量添加した蛍光体(ZnS:Mn)
が用いられており、これにより黄橙色発光が得られてい
る。緑色発光薄膜発光素子ではテルビウム(Tb)を付
活した硫化亜鉛(ZnS:Tb)によって高輝度が得ら
れたことが報告されている。
【0003】発光層の表裏両側は一対の絶縁層で挟持さ
れ、その絶縁層としては、通常、五酸化タンタル(Ta
25)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si
3 4)等の誘電体が用いられている。しかし、それら
の比誘電率は低く、それぞれ20,4,7.5程度であ
る。このため、たとえば発光層に比誘電率8程度のZn
S:Mnを用いた場合、多くの電圧が絶縁層に掛かって
しまうこととなる。その結果、発光層のクランプ電界よ
りも、非常に高い閾値電圧が発光に必要となり、高価な
高耐圧ICドライバが必要となる。
【0004】また、発光開始後の無機ELの発光輝度L
は理論上、 L∝η・Ec・dz・Ci・φ・Vm −(1) で表される(ここでηは発光効率、Ecはクランプ電
界、dzは発光層の膜厚、Ciは絶縁層の容量、φは駆
動周波数、Vmは変調電圧である)。よって、絶縁層の
誘電率が低いとCiが低くなるため、高輝度が得られな
いという問題があった。そこで、上記問題を解決するた
めに高い誘電率と強誘電体性の両方を有するEL発光の
薄膜発光素子用の絶縁層に用いる試みが行われている。
【0005】また、絶縁層からなる誘電体キャパシタ中
で1秒間あたりに消費するエネルギーWは W=2π(φ・εr・tanδ・Vmc 2/2) −(2) で表される(ここで、tanδは誘電損失、Vmcはキャ
パシタに印加される交流電圧である)。そのため、誘電
率が増加してもVmcが反比例して減少するため、Wは比
誘電率の増加に反比例して減少することになり、低消費
電力化にも寄与できることになる。
【0006】また、特開平8−83686号公報では、
チタン酸ジルコン酸鉛からなる強誘電体の薄膜を硫化亜
鉛系発光素子に用いた例において、強誘電体の自発分極
反転を利用して、高い移動電荷密度を得る方法が紹介さ
れている。従来のチタン酸ジルコン酸鉛は、ジルコニウ
ム:チタン=0.52:0.48(モル比)の組成にお
いて、比誘電率、残留分極量がそれぞれεr=300〜
1000、Pr=20〜30μC/cm2の良好な高誘
電性と強誘電性を示す材料である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高誘電性を示す強誘電体をEL発光する薄膜発光素子に
用いた場合、次に述べるような多くの問題が発生する。 (1)強誘電体は外部電界の印加により、図3に示すよ
うな、分極−電界ヒステリシス曲線を描く。外部電界に
より、強誘電体の自発分極は電界方向に向きを揃え始
め、分極値は急激に増加する(0→A)。全ての自発分
極の向きが揃うと、それ以上の電界の増加に対しては誘
起分極のみが増加する(A→B)。電界を減少させてい
くと、分極は減少し(A→C)、電界0のとき、有限の
分極0Cが残る。これを残留分極Prという。直線部分
ABを外挿して得られる0Dが自発分極である。電界の
向きを逆にしていくとある大きさの電界0Eで分極値が
0となる。この電界を抗電界と言う。更にその方向に電
界を増せば今度は逆方向に自発分極が揃い(E→F)、
再び電界の向きを逆にしていくともとに戻る(F→G→
A)。
【0008】このヒステリシス曲線の囲む面積は、1サ
イクルごとに強誘電体の単位体積に流入するエネルギー
を表す。このエネルギーは強誘電体中で熱エネルギーと
して消費され、誘電損失となる。つまり、一般に強誘電
体の良好な特性の基準となる残留分極の増加は、エネル
ギー効率の低下を招くことになる。特にチタン酸ジルコ
ン酸鉛は強誘電体の中でも高い残留分極値、抗電界を示
すため、そのエネルギー損失分は大きくなる。
【0009】(2)また、一般に強誘電性を示すペロブ
スカイト構造の結晶質膜は絶縁耐圧が低い。このため、
100〜250Vの高電圧が素子全体に掛かるEL素子
においては積層されている他の膜にピンホール欠陥等の
弱点があると容易に絶縁破壊を起こす。更に、ペロブス
カイト構造の結晶質膜は、その破壊形態が一般には伝搬
性を示すことが多く、そのため素子全体が破壊されやす
い。絶縁性を向上させるために厚膜化しても、EL素子
で好適に用いられているITO(IndiumTin
Oxide)電極/ガラス基板上では容易にクラックが
発生する。
【0010】(3)更に、光学的(結晶)異方性が強い
ため透過率が低いことが多い。また、チタン酸ジルコン
酸鉛は一般に形成温度が高いため、ガラス基板等の低融
点基板上での作製が困難である。
【0011】(4)また、鉛を含んだ強誘電体は膜中に
鉛系酸化物を含みやすいため黄色に着色しやすく、高誘
電体絶縁層による輝度上昇効果が低減してしまう。 (5)更に、発光層に好適に用いられる硫化物系材料と
反応しやすく、そのようなEL素子は容易に絶縁破壊す
る。
【0012】上記強誘電体をEL素子に用いた場合の問
題点をまとめると、 (1)ヒステリシス特性による高誘電損失 (2)低絶縁耐圧 (3)結晶異方性による低透過率 (4)鉛系酸化物による低透過率 (5)発光層との反応 となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、鋭意
検討した結果、特定の組成の高誘電体薄膜を絶縁層に使
用することによって、上記問題点を解決するとともに、
輝度、寿命等の点に関し所望の特性の薄膜発光素子が得
られることを意外にも見出し本発明にいたった。かくし
て本発明によれば、発光層を表裏両側からそれぞれ少な
くとも1層からなる一対の絶縁層により挟持し、更に一
対の絶縁層を一対の電極間に挟持してなり、前記一対の
絶縁層のうち前記表裏両側又はそのいずれか一方側の少
なくとも1層が、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とした
高誘電体薄膜からなり、前記高誘電体薄膜が、(Zr+
Ti)を1としたときに、0.05〜0.15(モル
比)の範囲でLa、Sr又はBaを含むことを特徴とす
る薄膜発光素子が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。本発明は、膜の垂直方向の強誘電性成分が低減され
た高誘電体薄膜を薄膜発光(EL発光)素子の絶縁層
(少なくとも一部の絶縁層)に用いて発光を得ることを
特徴としている。本発明による薄膜発光素子を構成する
絶縁層は、ガラス基板上に形成されたITO電極の上に
成膜される。成膜法としては、化学溶液堆積法や、スパ
ッタ法やMOCVD法等の気相成長法でもよい。また、
ガラス基板に限られず、シリコン基板のような半導体基
板であってもよい。
【0015】更に、薄膜発光素子は、発光層を挟持する
どちらか一方に、絶縁層として高誘電体薄膜を備えてい
る。従って、高誘電体薄膜以外の絶縁層は、特に限定さ
れず、公知の絶縁層をいずれも使用することができる。
また、絶縁層は、高誘電体薄膜と公知の絶縁層との積層
体であってもよい。また、一対の電極は、特に限定され
ず、公知の材料(例えば、ITOのような透明電極、A
lのような金属電極)及び構成をいずれも採用すること
ができる。以下では、化学溶液堆積法で成膜したチタン
酸ジルコン酸鉛からなる一対の高誘電体薄膜(絶縁層)
で、発光層を挟持した場合を例にとって、本発明を説明
する。
【0016】化学溶液堆積法の溶液には鉛、ジルコニウ
ム、チタンのアルコキシドもしくは有機金属塩を主成分
とし、その中にランタンのアルコキシドもしくは有機金
属塩を添加したものを溶媒に溶かし、反応させたものを
用いた。夫々の構成比(モル比)は、鉛:ランタン:ジ
ルコニウム:チタン=1.2:x:0.4:0.6であ
る(x=0,0.05,0.1,0.15,0.2)。
この溶液を前記基板上に塗布後、乾燥、結晶化焼
成を施し、所望の膜厚までこれらの工程を繰り返した。
終了後の1工程あたりの膜厚は250nmであり、こ
れを4回繰り返した。膜形成後、上部電極としてアルミ
ニウムを500nm成膜した。これらの膜のX線回折に
よる結晶構造の判別、走査型電子顕微鏡によるモフォロ
ジーの観察、透過率(%)、電気特性の評価した結果を
表1に示す。電気特性は残留分極Pr(μC/cm2)、
比誘電率εr、誘電損失tanδ、耐圧(MV/cm)
を示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、ランタンの添加と共に残留分極
値、比誘電損失が低下し、比誘電率、耐圧、透過率が上
昇していることがわかる。しかしながら、xが0.2以
上では膜表面がザラザラして粗なのが、目視からもわか
る程であり、そのため透過率、耐圧は低下、更に誘電損
失は上昇している。これは、ランタン含有量の増加によ
り、薄膜化が困難になっているのとキュリー温度が下が
りすぎたためであると考えられる。よって、良好な特性
(低い強誘電性、高い透明性、高い耐圧、容易な膜形成
等)を示すxは、0.05〜0.15の範囲であること
がわかった。そのうち特に、0.05〜0.10の範囲
では再現性良く成膜されることがわかった。また、これ
らの現象はランタンの代わりにバリウムやストロンチウ
ムを添加した場合でも同様であった。
【0019】次に、溶液の夫々の構成比(モル比)を
鉛:ランタン:ジルコニウム:チタン=y:0.1:
0.4:0.6(y=1.0,1.1,1.2,1.
3,1.4)にしたときの評価結果を、表2を用いて説
明する。
【0020】
【表2】
【0021】表2より、鉛含有量の増加と共に残留分極
値、比誘電損失が増加しているのがわかる。しかしなが
ら、yが1.4以上では誘電損失が上昇し、耐圧、透過
率が減少している。これは過剰な鉛成分が粒界に多量に
存在し、導電性を示したり、鉛系酸化物となって、着色
したりしていることによるものと考えられる。また、逆
にyが1.0以下でのパイロクロアの発生は成膜中の鉛
の揮発による鉛欠損によるものと考えられる。よって、
良好な特性(ガラス等の低融点基板上での低温形成が可
能、高い透明性、発光層との低反応性)を示すyは1.
1〜1.3の範囲であることがわかった。そのうち特
に、1.2〜1.3の範囲では電気的特性の再現性が良
く、緻密な膜が形成されることがわかった。次に、溶液
の夫々の構成比(モル比)を鉛:ランタン:ジルコニウ
ム:チタン=1.2:0.1:z:1−z(z=0.
2,0.3,0.4,0.5,0.6)にしたときの評
価結果を、表3を用いて説明する。
【0022】
【表3】
【0023】表3より、ジルコニウム組成比が0.3〜
0.5の範囲で良好な誘電損失、耐圧、透過率を示し、
絶縁破壊したときに自己修復型破壊となりやすいことを
示していることがわかる。また、目視によりその範囲外
の組成では膜が白濁やクラックを発生していることがわ
かった。更に、0.3〜0.4の範囲では電気的特性の
再現性が良く、更に低誘電損失の膜が形成されることが
わかった。以上の結果により、鉛:ランタン:ジルコニ
ウム:チタン=y:x:z:1−zを、1.1≦y≦
1.3、0.05≦x≦0.15、0.3≦z≦0.5
としたときに、ガラス基板上のITO電極上に、ランタ
ンを添加した特に好適なチタン酸ジルコン酸鉛(ジルコ
ン酸チタン酸ランタン鉛)膜が形成できることがわかっ
た。
【0024】次に、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛膜に
アルミニウムを添加したときの結果を説明する。添加量
(モル比)wは酸素を3としたときに0.01〜0.1
5とした。その評価結果を、表4を用いて説明する。
【0025】
【表4】
【0026】表4より、アルミニウム無添加のときにI
TO電極/ガラス基板上で発生していたクラックが、添
加により抑制され、耐圧・透過率も向上していることが
わかる。しかし、添加量0.15では膜は白濁して耐圧
も低下することがわかった。よって、アルミニウム添加
量は0.01以上、0.10以下が最適範囲であると言
える。更に、0.01〜0.05の範囲では電気的特性
の再現性が良く、均一な成膜がなされることがわかっ
た。また、これらの結果はアルミニウムの代わりにニオ
ブを用いた場合でも同様であった。
【0027】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されない。 実施例1 次に、各元素の組成比を鉛:ランタン:ジルコニウム:
チタン=1.2:0.1:0.4:0.6としたチタン
酸ジルコン酸ランタン鉛を絶縁層に用いたEL素子の作
製例を説明する。図1は、高誘電体薄膜を絶縁層(誘電
体層)に用いた無機EL素子の断面図である。ガラス基
板1上に帯状に互いに平行に配線された下部電極2、第
一の誘電体層3、発光層4、第二の誘電体層5と帯状に
互いに平行に且つ下部電極と交差するように配線された
上部電極6を順次積層した。
【0028】上記素子の形成方法はまず、ガラス基板1
上に下部電極2としてITO電極が、スパッタ法により
厚さ200nm程度形成される。ITO電極はフォトリ
ソグラフィ法とドライエッチング法により、帯状に互い
に平行に配線加工した。次に、第一の誘電体層3として
チタン酸ジルコン酸ランタン鉛をゾルゲル法によりそれ
ぞれ厚さ1000nm程度成膜した。次に、発光層4と
して、マンガンを付活した硫化亜鉛を700nm、第二
の誘電体層5として窒化シリコン膜を140nm、上部
電極6としてアルミニウムを5000nm、順次真空蒸
着法、スパッタ法、真空蒸着法により形成した。
【0029】上部電極6はフォトリソグラフィ法とドラ
イエッチング法により、帯状に上下互いに平行に配線加
工した。チタン酸ジルコン酸ランタン鉛からなる第一の
誘電体層の結晶化熱処理は、酸素中で630℃程度で1
0分程度おこなった。更に、発光層4形成後、不活性ガ
ス中で600℃程度で60分程度おこない、発光層4の
結晶性を向上した。このとき鉛の組成比(y)が1.4
以上とした場合、発光層中の硫黄と鉛の反応が顕著にな
り、黒色化することがわかった。図2に作製したEL素
子の電圧−輝度グラフを示す。参考として、低誘電体で
ある窒化シリコン膜のみを誘電体層に用いた従来のEL
素子の結果も示す。図2より、本発明の素子は、従来素
子と比較して、発光開始電圧が30V低下し、変調電圧
40Vでの発光輝度は3倍以上に増加していることがわ
かった。
【0030】実施例2 アルミニウムを、(Zr+Ti)を1としたときに、
0.01〜0.10(モル比)の範囲で添加したチタン
酸ジルコン酸ランタン鉛膜を用いること以外は、実施例
1と同様にしてEL素子に用いたところ、耐圧の向上に
より、素子の絶縁破壊が大きく減少することがわかっ
た。以上、本発明によるチタン酸ジルコン酸鉛は、組成
の最適化により、ITO電極/ガラス基板上において、
高耐圧で、クラックや白濁が無く、透明性の高い特性を
持ち、それを用いたEL素子は高い輝度と高信頼性を示
すことがわかった。
【0031】なお、EL素子に用いる高誘電体膜の残留
分極値は低い値であることが好ましい。なぜなら、分極
−電界ヒステリシス曲線が囲む面積は誘電体内で消費さ
れる熱エネルギーに比例するため、残留分極の増加は発
光効率を低下させることになるからである。上記の検討
結果から、本発明による薄膜発光素子を構成する誘電体
膜はそれらの範疇にあると言える。本発明における残留
分極の低減はランタン等添加物により可能となるわけで
あるが、これまでのバルクのデータからはランタンの添
加により、室温付近の誘電損失が増加することが示唆さ
れる。しかし、本実施例における薄膜からはそのような
結果は得られなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜発光素子を構成す
る絶縁層に強誘電体チタン酸ジルコン酸鉛を用いた際に
生ずる以下の問題点、 (1)ヒステリシス特性による高誘電損失 (2)低絶縁耐圧 (3)結晶異方性による低透過率 (4)鉛系酸化物による低透過率 (5)発光層との反応 を克服することが可能であり、高輝度、低電圧駆動が可
能な薄膜発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のEL素子の概略断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例1のEL素子の電圧−輝度特性
グラフである。
【図3】強誘電体のヒステリシス曲線の説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 下部電極 3 第一の誘電体層 4 発光層 5 第二の誘電体層 6 上部電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光層を表裏両側からそれぞれ少なくと
    も1層からなる一対の絶縁層により挟持し、更に一対の
    絶縁層を一対の電極間に挟持してなり、 前記一対の絶縁層のうち前記表裏両側又はそのいずれか
    一方側の少なくとも1層が、チタン酸ジルコン酸鉛を主
    成分とした高誘電体薄膜からなり、前記高誘電体薄膜
    が、(Zr+Ti)を1としたときに、0.05〜0.
    15(モル比)の範囲でLa、Sr又はBaを含むこと
    を特徴とする薄膜発光素子。
  2. 【請求項2】 高誘電体薄膜が、(Zr+Ti)を1と
    したときに、0.01〜0.10(モル比)の範囲でA
    l又はNbを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄
    膜発光素子。
  3. 【請求項3】 高誘電体薄膜が、(Zr+Ti)を1と
    したときに、1.1〜1.3(モル比)の範囲で鉛を含
    むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜発光素子。
  4. 【請求項4】 高誘電体薄膜中のジルコニウムとチタン
    のモル比が、ジルコニウム:チタン=x:1−x(xは
    0.3〜0.5の範囲)であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の薄膜発光素子。
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