JP2003005095A - 内視鏡照明光学系 - Google Patents

内視鏡照明光学系

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球面状の観察対象に対して均一な照度分布が
得られる内視鏡照明光学系を提供すること。 【解決手段】 照明光学系は配光レンズ10aを備え
る。配光レンズ10aの第1面11aは、光軸Axに対
して回転対称な凸の非球面であり、第2面12aは平面
である。配光レンズ10aの配光特性は、以下の条件
(1)を満たす。 1.73×10-2・θ+1.21×10-6・θ3-1.61×10-10・θ5
h/|f|≦1.82×10-2・θ-3.53×10-8・θ3+8.79×10
-10・θ5…(1) ただし、hは面光源から光軸に平行に射出される光線が
配光レンズに入射する高さ、θは配光レンズから射出す
る光線の射出角(単位:度)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡の先端部
に組み込まれ、光ファイバー束等の面光源から発した照
明光を発散させて観察対象である物体面を照明するため
の内視鏡照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】食道や胃等の管状の対象を観察するため
の内視鏡の照明光学系は、対象物をできるだけ均一に照
明するため、球面状の物体面に対して均一な照度分布が
得られるよう設計される。この種の内視鏡照明光学系と
しては、従来、特許第3020074号に記載されたも
のが知られている。
【0003】この特許に開示される内視鏡照明光学系の
配光レンズは、面光源から光軸に平行に射出される光線
が配光レンズに入射する高さをh、配光レンズの焦点距
離をf、配光レンズから射出する光線の射出角(単位:
ラジアン)をθとして、h=fθとなるような配光特性
を有する。このような配光特性は、面光源の輝度分布が
均一である場合には、球面状の物体面に対して均一な照
度分布をもたらす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常は
面光源にも輝度分布の偏りがあり、中心から周辺部に向
けて徐々に輝度が低下する場合が多い。このような輝度
分布のある面光源を利用すると、上述した特許第302
0074号の照明光学系では、物体面上の照度分布にも
偏りが生じ、周辺部が中心部と比較して暗くなるという
問題がある。
【0005】この発明は、上述した従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、面光源に中心から周辺に向
けて光量が小さくなる輝度分布がある場合に、球面状の
物体面に対して均一な照度分布が得られる内視鏡照明光
学系を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる内視鏡
照明光学系は、上記の目的を達成させるため、面光源か
ら発した照明光を発散させて物体面を照明する構成にお
いて、少なくとも1枚の配光レンズを含み、この配光レ
ンズの配光特性が以下の条件(1)を満たすことを特徴と
する。 1.73×10-2・θ+1.21×10-6・θ3-1.61×10-10・θ5≦h/|f| ≦1.82×10-2・θ-3.53×10-8・θ3+8.79×10-10・θ5…(1) ただし、hは面光源から光軸に平行に射出される光線が
配光レンズに入射する高さ、fは配光レンズの焦点距
離、θは配光レンズから射出する光線の射出角(単位:
度)である。
【0007】上記の条件(1)を満たすことにより、面光
源に中心から周辺に向けて光量が小さくなる輝度分布が
ある場合に、球面状の物体上において均一な照度分布を
得ることができる。なお、配光レンズは、非球面正レン
ズ、あるいは、非球面負レンズとすることが望ましい。
また、負レンズとする場合には、レンズのコバ面を鏡面
にすることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる内視鏡照
明光学系の実施形態を6例説明する。いずれも、光源か
ら発して光ファイバー束により伝達された照明光を発散
させて物体面を照明する内視鏡照明光学系であり、単一
の配光レンズを備える。第1〜第5の実施形態の配光レ
ンズは、平凸の非球面正レンズであり、第6の実施形態
の配光レンズは、平凹の非球面負レンズである。
【0009】
【第1の実施形態】図1は、第1の実施形態にかかる照
明光学系の配光レンズ10aを示す側面図である。配光
レンズ10aの図1中左側となる第1面11aは光軸A
xに対して回転対称な凸の非球面であり、右側となる第
2面12aは平面である。図2は、図1に示す配光レン
ズ10aを含む内視鏡照明光学系の先端部を示す説明図
である。図示せぬ光源から発した照明光は、光ファイバ
ー束20により伝達されて面光源となるファイバー端面
21から射出され、配光レンズ10aを介して物体面3
0を照明する。
【0010】配光レンズ10aの配光特性は、以下の条
件(1)を満たす。 1.73×10-2・θ+1.21×10-6・θ3-1.61×10-10・θ5≦h/|f| ≦1.82×10-2・θ-3.53×10-8・θ3+8.79×10-10・θ5…(1) ただし、hは面光源から光軸に平行に射出される光線が
配光レンズ10aに入射する高さ、θは配光レンズ10
aから射出する光線の射出角(単位:度)である。条件
(1)の下限はh=fθに近い配光特性、上限はh=fta
nθに近い配光特性を、それぞれ最小二乗法で多項式近
似したものである。このような配光特性を有することに
より、中心から周辺に向けて輝度が低下する面光源を用
いた場合に、図2に示すような球面状の物体面30にお
いて均一な照度分布を得ることができる。
【0011】条件(1)の下限を下回る場合には、配光特
性がh=fθに近くなり、中心から周辺に向けて輝度が
低下する面光源を用いると物体面上で周辺部が中心部よ
り暗くなる。また、条件(1)の上限を越える場合には、
中心から周辺に向けて輝度が低下する面光源を用いても
物体面上で中心部が周辺部より暗くなる。
【0012】焦点距離を約1mmに正規化した場合の第1
の実施形態の配光レンズ10aの具体的な構成を表1に
示す。表中の記号fは焦点距離(単位:mm)、FnoはFナン
バー、rは曲率半径(単位:mm)、dは光軸上の面間隔(単
位:mm)、nは屈折率、νdはアッベ数である。また、第
1面11aの形状は、光軸Axからの高さがhとなる非
球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離
(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、
円錐係数をκ、4次、6次、8次の非球面係数をA4,A6,
A8として、以下の式で表される。 X(h)=Ch2/(1+√(1-(1+κ)C2h2))+A4h4+A6h6+A8h8 これらの円錐係数、非球面係数は表1の下段に示されて
いる。
【0013】
【表1】
【0014】上記の構成により、以下の表2に示す配光
特性を得ることができる。表中の「下限」、「上限」は
それぞれ該当する射出角θにおける条件(1)の下限、上
限の値であり、条件式の欄の「○」は、h/|f|の値が
上限と下限との間にあること、すなわち条件(1)を満た
すことを意味する。
【0015】
【表2】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.254 0.267 0.278 ○ 0.538 0.537 29.205 0.531 0.549 ○ 0.807 0.806 41.418 0.781 0.858 ○ 1.076 1.075 52.216 1.011 1.286 ○ 1.345 1.344 62.330 1.218 1.952 ○
【0016】表2からわかるように、第1の実施形態の
配光レンズ10aは、条件(1)の中間項h/|f|の値が
上限値、下限値のほぼ中間となるような特性を有する。
図3は、配光レンズ10a自体の配光特性、すなわち、
輝度分布が均一な面光源から発した光を配光レンズ10
aを用いて球面状の物体面に照射した場合の射出角θと
物体面30上での相対照度との関係を示すグラフであ
る。評価対象の物体面30は、図2に示すように、配光
レンズ10aの第2面12aと光軸Axとの交点を中心
とする半径100mmの球面である。第1の実施形態に
よれば、図3に示すように、射出角度40度以上でやや
照度が高くなる配光特性が得られ、中心から周辺に向け
て輝度が低下する面光源を用いた場合に、均一な照度分
布を得ることができる。
【0017】図4は、光源の輝度分布、配光レンズの配
光特性、およびこれらをトータルした球面状の物体面上
での照度分布を示すグラフであり、(A)は条件(1)を満
たす第1の実施形態の配光レンズ10aを利用した照明
光学系、(B)は条件(1)の下限を下回って配光特性がh
=fθを満たすようになった照明光学系、(C)は条件
(1)の上限を越える照明光学系を用いた場合をそれぞれ
示す。各グラフで一点鎖線は配光レンズの配光特性、点
線は面光源の輝度分布、実線は配光レンズの特性と光源
の特性とをトータルした物体面上での照度分布をそれぞ
れ示している。なお、光源の輝度分布はhに対応するθ
を横軸としてプロットしている。
【0018】図4(A)に示すように、第1の実施形態で
は、中心から周辺に向けて輝度が低下する面光源を用い
た場合に、このような面光源の輝度分布を配光レンズ1
0aの特性により補正することができ、トータルの照度
分布は射出角45度程度まで均一となり、広い視野範囲
にわたり球面状の物体面をむらなく照明することができ
る。これに対して配光特性がh=fθを満たす場合に
は、図4(B)に示すように、配光レンズ自体の配光特性
はほぼフラットになるため、面光源の持つ輝度のムラが
補正されず、トータルでは物体面の周辺部が中心部より
暗くなるような分布を持つ。他方、配光特性が条件(1)
の上限を越える場合には、図4(C)に示すように、配光
レンズの配光特性が射出角20度以上の領域で高くなる
ため、面光源の持つ輝度のムラに対して、トータルでは
物体面の中心部が周辺部より暗くなりはじめる。
【0019】
【第2の実施形態】図5は、第2の実施形態にかかる照
明光学系の配光レンズ10bを示す側面図である。配光
レンズ10bの図5中左側となる第1面11bは光軸A
xに対して回転対称な凸の非球面であり、右側となる第
2面12bは平面である。第2の実施形態の配光レンズ
10bは、第1の実施形態と比較して屈折率の低い材料
を用いているため第1面の曲率が大きくなっている。図
6は、輝度分布が均一な面光源から発した光を配光レン
ズ10bを用いて球面状の物体面に照射した場合の射出
角θと物体面30上での相対照度との関係を示すグラフ
である。
【0020】焦点距離を約1mmに正規化した場合の第2
の実施形態の配光レンズ10bの具体的な構成を表3、
表3の構成による配光特性を表4に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.209 0.267 0.277 ○ 0.538 0.539 29.112 0.529 0.547 ○ 0.807 0.808 41.294 0.779 0.854 ○ 1.076 1.077 52.041 1.008 1.277 ○ 1.345 1.346 61.965 1.211 1.922 ○
【0023】表4からわかるように、第2の実施形態の
配光レンズ10bは、条件(1)の中間項h/|f|の値が
上限値、下限値のほぼ中間となるような特性を有する。
このため、図6に示すように、射出角度30度以上で照
度が高くなる配光特性が得られ、中心から周辺に向けて
輝度が低下する面光源を用いた場合に、均一な照度分布
を得ることができる。
【0024】
【第3の実施形態】図7は、第3の実施形態にかかる照
明光学系の配光レンズ10cを示す側面図である。配光
レンズ10cの図7中左側となる第1面11cは光軸A
xに対して回転対称な凸の非球面であり、右側となる第
2面12cは平面である。第3の実施形態の配光レンズ
10cは、第1の実施形態と比較して屈折率の高い材料
を用いているため第1面の曲率が小さくなっている。図
8は、輝度分布が均一な面光源から発した光を配光レン
ズ10cを用いて球面状の物体面に照射した場合の射出
角θと物体面30上での相対照度との関係を示すグラフ
である。
【0025】焦点距離を約1mmに正規化した場合の第3
の実施形態の配光レンズ10cの具体的な構成を表5、
表5の構成による配光特性を表6に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.253 0.267 0.278 ○ 0.538 0.538 29.271 0.532 0.550 ○ 0.807 0.807 41.550 0.784 0.862 ○ 1.076 1.076 52.287 1.013 1.289 ○ 1.345 1.345 62.067 1.213 1.930 ○
【0028】表6からわかるように、第3の実施形態の
配光レンズ10cは、条件(1)の中間項h/|f|の値が
上限値、下限値のほぼ中間となるような特性を有する。
このため、図8に示すように、射出角度30度以上でや
や照度が高くなる配光特性が得られ、中心から周辺に向
けて輝度が低下する面光源を用いた場合に、均一な照度
分布を得ることができる。
【0029】
【第4の実施形態】図9は、第4の実施形態にかかる照
明光学系の配光レンズ10dを示す側面図である。配光
レンズ10dの図9中左側となる第1面11dは光軸A
xに対して回転対称な凸の非球面であり、右側となる第
2面12dは平面である。図10は、輝度分布が均一な
面光源から発した光を配光レンズ10dを用いて球面状
の物体面に照射した場合の射出角θと物体面30上での
相対照度との関係を示すグラフである。
【0030】焦点距離を約1mmに正規化した場合の第4
の実施形態の配光レンズ10dの具体的な構成を表7、
表7の構成による配光特性を表8に示す。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.309 0.268 0.279 ○ 0.538 0.537 29.384 0.534 0.553 ○ 0.807 0.806 40.922 0.771 0.843 ○ 1.076 1.075 48.474 0.932 1.113 ○ 1.345 1.344 54.312 1.055 1.398 ○
【0033】表8からわかるように、第4の実施形態の
配光レンズ10dは、条件(1)の中間項h/|f|の値が
上限値、下限値の中間より特にhが大きい領域で上限側
に近くなるような特性を有する。このため、図10に示
すように、射出角度30度以上で照度が高くなる配光特
性が得られ、中心から周辺に向けて輝度が低下する面光
源を用いた場合に、ほぼ均一ではあるものの、やや周辺
部側が明るい照度分布が得られる。
【0034】なお、第4の実施形態では、焦点距離を1
mmに正規化しているため、高さ1.345mmからの光線の
射出角度が50度程度になる。射出角度の範囲を第1〜
3の実施形態と同様の範囲まで拡大するためには、焦点
距離を短くするか、面光源の大きさを大きくすればよ
い。
【0035】
【第5の実施形態】図11は、第5の実施形態にかかる
照明光学系の配光レンズ10eを示す側面図である。配
光レンズ10eの図11中左側となる第1面11eは光
軸Axに対して回転対称な凸の非球面であり、右側とな
る第2面12eは平面である。図12は、輝度分布が均
一な面光源から発した光を配光レンズ10eを用いて球
面状の物体面に照射した場合の射出角θと物体面30上
での相対照度との関係を示すグラフである。
【0036】焦点距離を約1mmに正規化した場合の第5
の実施形態の配光レンズ10eの具体的な構成を表9、
表9の構成による配光特性を表10に示す。
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.272 0.268 0.278 ○ 0.538 0.537 29.307 0.533 0.551 ○ 0.807 0.806 41.706 0.787 0.867 ○ 1.076 1.075 53.344 1.035 1.345 ○ 1.345 1.344 67.791 1.317 2.481 ○
【0039】表10からわかるように、第5の実施形態
の配光レンズ10eは、条件(1)の中間項h/|f|の値
が上限値、下限値の中間より下限側に近くなるような特
性、すなわちh=fθに近づくような特性を有する。こ
のため、図12に示すように、射出角度30度以上でや
や照度が高くなる配光特性が得られ、中心から周辺に向
けて輝度が低下する面光源を用いた場合に、ほぼ均一で
はあるものの、やや中心部側が明るい照度分布が得られ
る。
【0040】なお、第5の実施形態では、焦点距離を1
mmに正規化しているため、高さ1.345mmからの光線の
射出角度が70度近くなる。射出角度の範囲を第1の実
施形態と同様の範囲まで縮小するためには、焦点距離を
長くするか、面光源の大きさを小さくすればよい。
【0041】
【第6の実施形態】図13は、第6の実施形態にかかる
照明光学系の配光レンズ10fを示す側面図である。配
光レンズ10fの図13中左側となる第1面11fは光
軸Axに対して回転対称な凹の非球面であり、右側とな
る第2面12fは平面である。また、周囲のコバ面13
fは内側から入射する光が反射するように鏡面加工され
ている。図14は、輝度分布が均一な面光源から発した
光を配光レンズ10fを用いて球面状の物体面に照射し
た場合の射出角θと物体面30上での相対照度との関係
を示すグラフである。
【0042】焦点距離を約−1mmに正規化した場合の第
6の実施形態の配光レンズ10fの具体的な構成を表1
1、表11の構成による配光特性を表12に示す。
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】 h(mm) h/|f| θ(°) 下限 上限 条件式 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 ○ 0.269 0.269 15.254 0.267 0.278 ○ 0.538 0.537 29.205 0.531 0.549 ○ 0.807 0.806 41.418 0.781 0.858 ○ 1.076 1.075 52.216 1.011 1.286 ○ 1.345 1.344 62.330 1.218 1.952 ○
【0045】表12からわかるように、第6の実施形態
の配光レンズ10fは、条件(1)の中間項h/|f|の値
が上限値、下限値のほぼ中間となるような特性を有す
る。このため、図14に示されるように、射出角度40
度以上でやや照度が高くなる配光特性が得られ、中心か
ら周辺に向けて輝度が低下する面光源を用いた場合に、
ほぼ均一な照度分布を得ることができる。
【0046】第6の実施形態の平凹の配光レンズ10f
は、第1の実施形態の平凸の配光レンズ10aと同一の
屈折率を有し、第1面は凹凸の違いはあるものの、形状
自体は共通である。このような共通形状の平凹レンズと
平凸レンズとでは、配光レンズとしての配光特性はほぼ
同一となる。
【0047】すなわち、図15(A)に示すように平凸の
配光レンズ10aを用いた場合、面光源21上で高さh
1の点から光軸Axに対して平行に発した光線L1が、配
光レンズ10aにより屈折されて射出角αで射出し、高
さh2の点から発した光線L2が同じく射出角βで射出す
るものとする。これを図15(B)に示す平凹の配光レン
ズ10fについて見ると、光線L1は屈折されて射出角
αで射出し、光線L2はコバ面13fで反射され、射出
角βで射出する。したがって、物体面がレンズから10
0mm程度離れている場合には、平凸レンズを用いても
平凹レンズを用いても同一の照度分布が得られる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、所定の配光特性を満たすよう配光レンズを設計する
ことにより、中心から周辺に向けて輝度が低下する面光
源を用いた場合に、球面状の物体面上でほぼ均一な照度
分布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の照明光学系の配光レンズを
示す側面図である。
【図2】 図1に示す配光レンズを含む内視鏡照明光学
系の先端部を示す説明図である。
【図3】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図1
の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場合の
照度分布を示すグラフである。
【図4】 (A)は図1の配光レンズを利用した照明光学
系、(B)はh=fθを満たす照明光学系、(C)は条件
(1)の上限を越える照明光学系を用いた場合の照度分布
をそれぞれ示すグラフである。
【図5】 第2の実施形態の照明光学系の配光レンズを
示す側面図である。
【図6】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図5
の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場合の
照度分布を示すグラフである。
【図7】 第3の実施形態の照明光学系の配光レンズを
示す側面図である。
【図8】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図7
の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場合の
照度分布を示すグラフである。
【図9】 第4の実施形態の照明光学系の配光レンズを
示す側面図である。
【図10】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図
9の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場合
の照度分布を示すグラフである。
【図11】 第5の実施形態の照明光学系の配光レンズ
を示す側面図である。
【図12】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図
11の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場
合の照度分布を示すグラフである。
【図13】 第6の実施形態の照明光学系の配光レンズ
を示す側面図である。
【図14】 輝度分布が均一な面光源から発した光を図
13の配光レンズを用いて球面状の物体面に照射した場
合の照度分布を示すグラフである。
【図15】 (A)は図1に示す配光レンズを用いた場合
の光線の進み方、(B)は図13に示す配光レンズを用い
た場合の光線の進み方をそれぞれ示す説明図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c,10d,10e,10f 配
光レンズ 11a,11b,11c,11d,11e,11f 第
1面 12a,12b,12c,12d,12e,12f 第
2面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面光源から発した照明光を発散させて物
    体面を照明する内視鏡照明光学系において、 少なくとも1枚の配光レンズを含み、該配光レンズの配
    光特性が以下の条件(1)を満たすことを特徴とする内視
    鏡照明光学系。 1.73×10-2・θ+1.21×10-6・θ3-1.61×10-10・θ5≦h/|f| ≦1.82×10-2・θ-3.53×10-8・θ3+8.79×10-10・θ5…(1) ただし、hは面光源から光軸に平行に射出される光線が
    配光レンズに入射する高さ、fは配光レンズの焦点距
    離、θは配光レンズから射出する光線の射出角(単位:
    度)である。
  2. 【請求項2】 前記配光レンズは、非球面正レンズであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学
    系。
  3. 【請求項3】 前記配光レンズは、非球面負レンズであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学
    系。
  4. 【請求項4】 前記配光レンズのコバ面は、該コバ面に
    達した光線が裏面反射されるよう鏡面加工されているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の内視鏡照明光学系。
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