JP2003002915A - 常温速硬化性2液型アクリル組成物 - Google Patents

常温速硬化性2液型アクリル組成物

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JP2003002915A
JP2003002915A JP2001228693A JP2001228693A JP2003002915A JP 2003002915 A JP2003002915 A JP 2003002915A JP 2001228693 A JP2001228693 A JP 2001228693A JP 2001228693 A JP2001228693 A JP 2001228693A JP 2003002915 A JP2003002915 A JP 2003002915A
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meth
mass
curing
mercaptobenzimidazole
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Genzo Mizutani
源三 水谷
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
Kenzou Ban
釼三 伴
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Matsumoto Seiyaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温速硬化性を有すると共に優れた保存安定
性も兼ね備えた2液型アクリル組成物を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリロイル化合物、ラジカル
重合開始剤及び重合促進剤としての2−メルカブトベン
ズイミダゾールと2価の銅化合物を含む常温速硬化性2
液型アクリル組成物であり、2価の銅が2−メルカプト
ベンズイミダゾールに対して、好ましくは0.040〜
0.70のモル比、より好ましくは0.060〜0.6
0であり、さらに2−メルカプトベンズイミダゾール
が、主成分として(メタ)アクリロイル基含む化合物合
計100質量部に対し、好ましくは0.02質量部〜
1.5質量部、より好ましくは0.1質量部〜1.0質
量部であることにより常温速硬化性と保存安定性を両立
させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は主成分として(メ
タ)アクリロイル基を含む化合物とラジカル重合開始剤
と重合促進剤よりなり、貯蔵条件の影響による硬化速度
の変化が少ない保存安定性に優れた常温速硬化性2液型
アクリル組成物に関するものであり、シーリング剤、注
入剤、接着剤などに利用した場合、工程短縮、生産管理
などに大きく寄与することができる。
【0002】
【従来の技術】 常温下で短時間に硬化する2液型アク
リル組成物の要求は、省力化、省資源化、省エネルギー
化などのため年々と大きくなる傾向にある。従来、室温
で短時間に硬化する硬化物はシーリング剤、注型剤や封
止剤などに用いる注入剤、接着剤などとして広く使用さ
れており、代表的なものとしては2液型エポキシ樹脂、
2液型ウレタン樹脂、2液型シリコーン樹脂、2液型ア
クリル組成物などがあげられる。従来の常温速硬化性2
液型エポキシ樹脂、2液型ウレタン樹脂、2液型シリコ
ーン樹脂では保存中は比較的安定であるが、常温での硬
化には数10分から数時間かかっておりさらに短時間化
を求める要請は強かった。そのため工場生産においては
樹脂の硬化が生産スピードのネックとなり、また加熱装
置を設置して硬化速めるようにようにする場合も多く、
加熱装置などの付帯設備にもコストがかってしまうとい
う問題があった。工場外の施工工事についても硬化が遅
いため次の工事にすぐかかれず遊びの時間が生じ、施工
開始後使用するまでに長時間がかかっていた。一方2液
型アクリル組成物は重合開始剤と重合促進剤の入った2
液を混ぜ硬化させ使用する。重合促進剤としては、3級
アミン、メルカプタン、β−ジケトンキレート、チオ尿
素化合物、有機酸の金属塩などが使用されてきた。硬化
は数分から数10分と比較的速いが、重合促進剤の入っ
た液を長期に保存したり夏場に高温にさらされると、硬
化性が損なわれて硬化時間が大幅に長くなったりゲル化
を起こし使用できなくなってしまい、保存安定性に大き
な問題があった。これを解消するため使用に必要な最小
必要量ずつを何回にも分け生産または受注したり、また
は2液型アクリル組成物を冷所に保存する必要があり、
作業性やコスト上大きな問題となっていた。
【0003】
【解決しようとする課題】 本発明はかかる状況に鑑み
常温速硬化性を有すると共に優れた保存安定性も兼ね備
えた2液型アクリル組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】 上記課題を解決する
ため、常温硬化性2液性アクリル組成物の硬化特性およ
び保存安定性に大きな影響をおよぼす重合促進剤につい
て詳細に検討した。本発明の常温速硬化性2液型アクリ
ル組成物は(メタ)アクリロイル基を含む化合物を主成
分とし、また必要に応じ他のビニルモノマーやエラスト
マーを加えてもよい。これらの混合物を2種類作り、一
方にはラジカル重合開始剤を加えA液とし、他方には重
合促進剤として2−メルカプトベンズイミダゾールと2
価の銅化合物を配合しB液とする。重合促進剤としては
銅ジ−2−メルカプトベンズイミザゾレートを用いるこ
ともできる。さらに必要に応じ重合禁止剤、空気に触れ
ている部分の硬化を迅速にするためパラフィン類を両液
に配合して調整される。これらの2液は使用直前に混合
する。混合はAまたはB液の中にもう一方の液を加え直
ちに撹拌混合するか、スタチックミキサーを用いて混合
してもよい。或いはA液、B液をおのおの被着体に塗り
両者を張り合わせるだけでも硬化する。硬化までの時間
は重合開始剤、重合促進剤の量により調整することがで
きる。以下本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明では2価の銅の2−メルカプトベン
ズイミダゾールに対するモル比が、反応性及び溶解性に
関係あることを初めて見出し、速硬化性と保存安定性の
両者を満足できる特定な配合条件を見出した。すなわ
ち、本発明は、(1)(メタ)アクリロイル化合物を主
成分とし、(2)ラジカル重合開始剤、及び重合促進剤
としての(3)2−メルカプトベンズイミダゾールと
(4)2価の銅化合物を含む常温速硬化性2液型アクリ
ル組成物に関するものである。重合促進剤には2−メル
カプトベンズイミダゾールと2価の銅化合物を併用する
ことが必要であり、2価の銅化合物または2−メルカプ
トベンズイミダゾールだけでは、硬化は非常に遅い。B
液中の2価の銅と2−メルカプトベンズイミダゾールは
塩を作ると推察される。実際に2価の銅1原子に対し2
分子の2−メルカプトベンズイミダゾールが反応した化
1の銅ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレートは、ラ
ジカル反応の重合促進剤としての効果が高いことを確認
した。かつこの銅ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレ
ートはモノマー類に対しての溶解性がよく、さらにこの
B液は保存安定性に著しく優れている。一方、2価の銅
1原子に対し1分子の2−メルカプトベンズイミダゾー
ルが反応した銅モノ−2−メルカプトベンズイミダゾレ
ートは、重合促進剤としての効果が低く、かつ溶解性が
悪いためB液中に不溶物が生じやすい。
【0006】本発明では、2価の銅が2−メルカプトベ
ンズイミダゾールに対して好ましくは0.040〜0.
70のモル比であり、より好ましくは0.060〜0.
60にすることにより速硬化かつ保存安定性の優れた常
温速硬化性2液型アクリル組成物を提供することとなっ
た。モル比が0.040〜0.70の範囲では銅ジ−2
−メルカプトベンズイミダゾレートと未反応の2−メル
カブトベンズイミダゾールが主体となって共存すると考
えられる。硬化時間は銅ジ−2−メルカプトベンズイミ
ダゾレートの量が支配的影響をおよぼし、過剰な2−メ
ルカプトベンズイミダゾールは硬化時間に大きな影響を
およぼさない。モル比が0.70より大きい場合では銅
ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレートを作るのに充
分な2−メルカプトベンズイミダゾールが不足し、銅モ
ノ−2−メルカプトベンズイミダゾレートが一部生成し
ていると考えられ、速硬化性が損なわれかつB液中に不
溶物が生じやすくなる。モル比が0.040未満では硬
化時間がばらつきやすく不安定となる。
【0007】また2−メルカプトベンズイミダゾールの
量は、(メタ)アクリロイル化合物合計100質量部に
対し好ましくは0.02質量部〜1.5質量部、より好
ましくは0.1質量部〜1.0質量部である。0.02
質量部未満ではでは速硬化性が失われ、また1.5質量
部より大きい場合では硬化物の強度が落ちる。
【0008】さらに重合促進剤が、2−メルカプトベン
ズイミダゾール2モルと2価の銅1モルから合成される
(5)銅ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレートを用
いることもできる。
【0009】(1)の主成分として(メタ)アクリロイ
ル基を含む化合物とは、分子中に(メタ)アクリロイル
基を1つ含むものを30〜100質量部と、必要に応じ
て2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むものを70
質量部まで添加しても良い。さらに(メタ)アクリロイ
ル基以外の重合性ビニルモノマーやエラストマーを含む
こともできる。
【0010】分子中に(メタ)アクリロイル基を1つ含
むものとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、アルキルオキシ(ポリ)エチレンゴリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、アルキルオキシ(ポリ)
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェ
ノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、フェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、グリシジル(メタ)
アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸、などがある。
【0011】これらは(1)の成分100質量部のう
ち、30〜100質量部が好ましく、1種または2種以
上を使用でき、臭気の点より沸点が100℃より高いモ
ノマーがよい。
【0012】分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以
上含むものとしてはポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、各種の
ウレタン変性ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサ
イド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
とイソシアネート化合物との反応物であるウレタンポリ
(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0013】分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以
上含むものを加えることにより、硬化物の硬度が増しま
た耐溶剤性も増すが柔軟性は少なくなる。
【0014】さらに(メタ)アクリロイル基以外の重合
性ビニルモノマーとしては、酢酸ビニル,スチレン、ビ
ニルトルエン、ジアリルフタレート、ビニルピロリド
ン、イタコン酸などがある。
【0015】さらにエラストマーを加えることもでき
る。エラストマーとしてブタジエンゴム、アクリロニト
リルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリ
ルゴム、エピクドリンゴムなどがある。
【0016】このエラストマーを加えることにより硬化
物の強度を向上できる.添加量は(1)の成分100質
量部のうち20質量部以下が好ましくそれ以上では液の
粘度が高くなり作業が困難になる。溶解性、強度からア
クリロニトリルブタジエンゴムが好ましい。
【0017】(2)のラジカル重合開始剤とは有機過酸
化物が好ましい。有機過酸化物としては、クメンハイド
ロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイ
ド、メチルアセトアセテイトパーオキサイド,メチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパ
ーオキシカボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ター
シャリーブチルパーオキシネオデカノエートなどが挙げ
られる。
【0018】有機過酸化物以外のラジカル重合開始剤と
してはアゾ系の化合物があり、アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)などがある。
【0019】これらのラジカル重合開始剤は1種または
2種以上を組み合わせて使用することができるが、安定
性、硬化性の見地からクメンハイドロパーオキサイドが
最適であり、主成分として(メタ)アクリロイル基を含
む化合物100質量部に対し安定性と速硬化性の点から
0.2〜5.0質量部が好ましい。
【0020】(3)の2−メルカプトベンズイミダゾー
ル類としては、2−メルカプトベンズイミダゾールのベ
ンゼン核にアルキル基を導入した2−メルカプトメチル
ベンズイミダゾールや2−メルカプトブチルベンズイミ
ダゾールなども使用することができる。
【0021】(4)の2価の銅化合物では、カルボン酸
銅として酢酸銅、酒石酸銅、オレイン酸銅、オクチル酸
銅、ナフテン酸銅などがあり、銅のβ−ジケトン化合物
としては、アセチルアセトン銅、ベンゾイルアセトン銅
などがあり、銅のβ−ケトエステル化合物としては、ア
セト酢酸エチル銅、銅のアルコキシド化合物としては、
銅2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシド、銅2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシドなどがある。また
銅と無機酸の塩である硝酸銅、塩化銅なども使用でき
る。特にナフテン酸銅、オレイン酸銅、オクテン酸銅な
どのカルボン酸銅、アセチルアセトン銅、アセト酢酸エ
チル銅が分散性に優れている。
【0022】(5)の銅ジ−2−メルカプトベンズイミ
ダゾレートの合成は2−メルカプトベンズイミダゾール
のアルカリ金属塩2モルと水溶性の2価の銅塩1モルと
を反応させて得られる。
【0023】さらに液が増粘したりゲル化するのをふせ
ぐことを目的として、重合禁止剤を添加することができ
る。ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,
5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、ナ
フトキノン、パラ−トルキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテルなどがある。
【1024】重合禁止剤の添加量は主成分としての(メ
タ)アクリロイル基含む化合物合計100質量部に対
し、0.001〜1質量部である。0.001質量部以
下では効果が充分でなく、1質量部以上では硬化が遅く
なり、硬化した硬化物の強度が低下する恐れがある。
【0025】空気に触れている部分の硬化を迅速にする
ために添加するパラフィン類としては、パラフィン、蜜
ろう、カルナバワックスなどがある。
【0026】パラフィン類の添加量は主成分としての
(メタ)アクリロイル基含む化合物合計100質量部に
対し0.01〜4質量部が好ましく、0.01質量部以
下では添加の効果が少なく、4質量部以上では添加した
液が白濁し硬化した固着剤の強度が低下する恐れがあ
る。以上本発明で使用する成分につき説明したがそのほ
かに可塑剤、着色剤、充填剤、シランカップリング剤、
難燃剤及び補強剤なども使用してよい。
【0027】以下に本発明を実施例によりさらに詳しく
説明する。アクリル組成物は、ラジカル重合開始剤が入
ったA液と、重合促進剤が入ったB液を作り等量混ぜ合
わせて次の方法で試験した。
【0028】硬化時間は23℃、50%RHの恒温恒湿
室で、A液とB液をおのおの5g等量混合し、ゲル化す
るまでの時間を測定した。
【0029】保存安定性は促進試験として50℃の孵卵
器でA液およびB液を1ヶ月保存し硬化時間の変化を測
定した。
【0030】物性値は、硬度はショアーA硬度またはシ
ョアーD硬度、引張強度と伸び率はJIS K6301
に準拠し1号ダンベルを作り、引張剪断強度はSPCC
のサンドブラスト鋼鈑を用いJIS K6850に準拠
し、おのおの23℃、50%RHの恒温恒湿室で測定し
た。
【0031】
【実施例1】2−ヒドロキシエチルメタクリレート20
質量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート60質量部、パラクミルフェノールエチレンオ
キサイド変性アクリレート(東亞合成(株)製 M−1
10)13質量部、エチレンオキサイド変性ビスフェノ
ールAジアクリレート(日本油脂(株)製 ADBE−
150)5質量部、アクリル酸2質量部、クメンハイド
ロパーオキサイド3質量部を混合しA液とし、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート20質量部、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピルアクリレート60質量部、
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレ
ート15質量部、エチレンオキサイド変性ビスフェノー
ルAジアクリレート5質量部、ナフテン酸銅ミネラルス
ピリット溶液(銅成分5.25%)0.5質量部、2−
メルカプトベンズイミダゾール0.5質量部を混合しB
液とした。このとき2価の銅の2−メルカプトベンズイ
ミダゾールに対するモル比は0.12である。B液は透
明であり、A液、B液を質量比で1:1に混合したとき
の硬化時間は18秒、ショアーA硬度57、引張強度は
0.77MPa、伸び率は38%、50℃1ヶ月保存後
の硬化時間は20秒であった。
【0032】
【実施例2〜3、参考例1〜3】実施例1と同様に実施
例2〜3、参考例1〜3を表1に示す。実施例2のナフ
テン酸銅の量は実施例3の1/2であり、したがって硬
化時間も実施例2が実施例3より長くなっている。かつ
両者とも50℃1ヶ月保存の前後の硬化時間は、ほとん
ど変わらず保存安定性に優れている。参考例1のナフテ
ン酸銅の量は実施例3と同じであるが、銅の2−メルカ
プトベンズイミダゾールに対するモル比は、1.0であ
り速硬化性が失われている。参考例2は重合促進剤がバ
ナジルアセチルアセテネートとエチレンチオ尿素であり
50℃で1ヶ月保存するとB液がゲル化してしまう。参
考例3は重合促進剤がナフテン酸銅とエチレンチオ尿素
であり、50℃で1ヶ月保存すると硬化時間が大幅に伸
び速硬化性がなくなる。
【表1】
【0033】
【実施例4〜5、参考例4〜5】実施例1と同様に実施
例4〜5、参考例4〜5を表2に示す。実施例4と実施
例5はナフテン酸銅の量が同じであり、2−メルカプト
ベンズイミダゾールの量は異なっていても硬化時間はほ
ぼ同じとなる。参考例4は重合促進剤がバナジルアセチ
ルアセテネートとエチレンチオ尿素であり50℃で1ヶ
月保存するとB液がゲル化してしまう。参考例5は重合
促進剤がナフテン酸銅とエチレンチオ尿素であり、50
℃で1ヶ月保存すると硬化時間が大幅に伸び速硬化性が
失われる。
【表2】
【0034】
【実施例6】2−メルカプトベンズイミダゾール3.0
0g(0.02モル)を1Nの水酸化ナトリュウム水溶
液21mlに溶解した。これに水20mlに溶かした第
2塩化銅1.34g(0.01モル)を加え、生じた沈
澱を水20mlで洗浄して、わずかに青みをおびた白色
の銅ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレート3.20
gを得た(収率87.9%)。
【0035】実施例1と同様2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート20質量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート60質量部、パラクミルフェノ
ールエチレンオキサイド変性アクリレート13質量部、
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレー
ト5質量部、アクリル酸2質量部、クメンハイドロパー
オキサイド3質量部を混合しA液とし、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート20質量部、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート60質量部、パラク
ミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート1
5質量部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ
アクリレート5質量部、銅ジ−2−メルカプトベンズイ
ミダゾレート0.15質量部を混合しB液とした。この
ときの2価の銅の2−メルカプトベンズイミダゾールに
対するモル比は0.5である。B液は透明であり、A
液、B液を質量比で1:1に混合したときの硬化時間は
17秒、ショアーA硬度45、引っ張り強度は0.59
MPa、伸び率55%、50℃1ヶ月保存後の硬化時間
は19秒であり保存安定性に優れている。
【0036】
【実施例7】2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
アクリレート65質量部、パラクミルフェノールエチレ
ンオキサイド変性アクリレート30質量部、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノールAジアクリレート3質量
部、アクリル酸2質量部、クメンハイドロパーオキサイ
ド3質量部を混合しA液とし、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピルアクリレート65質量部、パラクミル
フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート32質
量部、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアク
リレート3質量部、アセチルアセトン銅0.16質量
部、2−メルカプトベンズイミダゾール0.6質量部を
混合しB液とした。このとき2価の銅の2−メルカプト
ベンズイミダゾールに対するモル比は0.15である。
B液は透明であり、A液、B液を質量比で1:1に混合
したときの硬化時間は25秒、ショアーA硬度37、引
張強度は0.69MPa、伸び率は88%、50℃1ヶ
月保存後の硬化時間は26秒であった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、速硬化でありかつ保存安
定性が顕著に改良された常温速硬化性2液型アクリル組
成物が得られた。従来の常温速硬化性2液型アクリル組
成物は保存中に硬化時間が長くなり、ときにはゲル化を
引き起こしていたが、本発明により生産管理、在庫管
理、品質管理上に大きな問題であった保存安定性が改良
され、常温速硬化性2液型アクリル組成物の注入剤、接
着剤などへの工業的利用価値が大幅に高くなった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 BA04 BA05 BA06 BA14 4J040 FA131 FA132 GA05 GA07 GA14 GA17 HB18 HB41 HC14 HC23 HD01 HD43 JA13 KA11 KA17 LA05 PA44

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として(メタ)アクリロイル基を
    含む化合物、ラジカル重合開始剤及び重合促進剤よりな
    る2液型アクリル組成物において、重合促進剤が2−メ
    ルカプトベンズイミダゾール類と2価の銅化合物よりな
    る常温速硬化性2液型アクリル組成物。
  2. 【請求項2】重合促進剤の構成成分である2−メルカプ
    トベンズイミダゾールが、(メタ)アクリロイル基を含
    む化合物合計100質量部に対し、0.02質量部〜
    1.5質量部であり、もう一つの構成成分である2価の
    銅が2−メルカプトベンズイミダゾールに対して0.0
    4〜0.70のモル比である請求項1記載の常温速硬化
    性2液型アクリル組成物。
  3. 【請求項3】 2価の銅化合物が、カルボン酸銅、銅の
    β−ジケトン化合物及び銅のβ−ケトエステル化合物よ
    りなる族の一種以上より選ばれる請求項1記載の常温速
    硬化性2液型アクリル組成物。
  4. 【請求項4】 重合促進剤が、銅ジ−2−メルカプトベ
    ンズイミダゾレート、化1を含む常温速硬化性2液型ア
    クリル組成物。 【化1】
  5. 【請求項5】 銅ジ−2−メルカプトベンズイミダゾレ
    ートからなるラジラル重合の重合促進剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載の常温
    速硬化性2液型アクリル組成物を含有してなる注入剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載の常温
    速硬化性2液型アクリル組成物を含有してなる接着剤。
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