JP2003001958A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

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JP2003001958A
JP2003001958A JP2001191349A JP2001191349A JP2003001958A JP 2003001958 A JP2003001958 A JP 2003001958A JP 2001191349 A JP2001191349 A JP 2001191349A JP 2001191349 A JP2001191349 A JP 2001191349A JP 2003001958 A JP2003001958 A JP 2003001958A
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aluminum
layer
undercoat layer
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JP2001191349A
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English (en)
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Yoshinori Hotta
吉則 堀田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム支持体への熱の拡散が抑制で
き、より低エネルギーのレーザー照射によって画像形成
が可能な平版印刷版用原版を提供することである。 【解決手段】 アルミニウム支持体上に、中空粒子を含
み且つアルミニウム支持体より硬度が高い下塗り層と、
光を熱に変換しその熱で現像液に対する溶解性が変化す
る画像形成層とを、順に有し、その下塗り層内における
アルミニウムの分布が支持体界面から感光層側へ行くに
従って傾斜的に減少していることを特徴とする平版印刷
版用原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原版、
特に加熱により画像形成を行う平版印刷版用原版に関す
る。具体的にはより低エネルギーあるいは短時間のレー
ザー照射により画像形成が可能な平版印刷版用原版に関
する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用原版はその感熱層中に近赤
外のレーザー光を吸収し熱に変換する光熱変換材料を含
有し、レーザー照射部分が加熱されることによってアル
カリに対する溶解性を高めたり、あるいは熱硬化させて
画像を形成し、現像処理することによって非画像部部分
を溶解除去することにより印刷画像を得るものである。
このような系において感度とはレーザー照射エネルギー
の絶対値とだけではなく1)いかに光エネルギーを効率
よく熱に変換するか、2)またその熱によりいかに効率
よく感熱層の温度を上げるかという二つの点も重要な因
子となる。前者については光熱変換材料の開発や反射層
や層構成の観点からの検討が種々なされている。後者は
金属支持体の場合、感熱層で発生した熱が拡散しやすく
温度上界につながらないことが問題であり、熱拡散を抑
制する観点から、以下に示す断熱層や低熱伝導率の支持
体といった技術が検討されている。
【0003】特開平11−65105号では陽極酸化皮
膜上に皮膜量として0.001以上10mg/m2以下
のポリビニルホスホン酸からなる断熱層が提案されてい
る。また特開平10−39496号では支持体の熱伝導
度を規定しより低い伝導性のポリエチレンテレフタレー
トや更に伝導性の低い発泡ポリエチレンテレフタレート
などを使う方法が提案されている。ポリエチレンテレフ
タレートを支持体として用いた平版印刷版用原版は既に
市販されている。さらにアルミニウム支持体上に断熱性
支持体層としてポリエチレンテレフタレートを貼り合わ
せた複合支持体も提案されやはり市販されている。しか
しながらこのような有機素材を用いる場合、従来のアル
ミニウム支持体を使ったPS版と同様の刷り易さを得る
ことは非常に困難である。上記のように、主に金属支持
体への熱拡散を抑制する断熱層や断熱材料の支持体とい
った技術は多く提案されてきたが、必要なレーザーエネ
ルギーが小さくて済み、書き込み時間の短縮を求める市
場の要請に未だ十分に応えていないのが、現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来における諸問題を解決することであり、す
なわち、アルミニウム支持体への熱の拡散が抑制でき、
より低エネルギーのレーザー照射によって画像形成が可
能な平版印刷版用原版を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記に鑑みて
如何に画像形成層内部での熱の拡散を抑制するかについ
て鋭意検討した結果、支持体上に設けた画像形成層の下
層に位置する下塗り層中に中空粒子を含有せしめること
により、熱の拡散を抑制し低いレーザー照射エネルギー
で画像を形成できることを見出し、更にこの下塗り層の
硬度を支持体の硬度より高くするとともに、下塗り層内
のアルミニウムの分布について支持体側のアルミニウム
濃度が高い場合に、下塗り層とアルミニウム基板の密着
性が著しく向上し、耐キズ性、耐刷性が向上することを
見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明は以下の
通りである。
【0006】〔1〕アルミニウム支持体上に、中空粒子
を含み且つアルミニウム支持体より硬度が高い下塗り層
と、光を熱に変換しその熱で現像液に対する溶解性が変
化する画像形成層とを、順に有し、その下塗り層内にお
けるアルミニウムの分布が支持体界面から感光層側へ行
くに従って傾斜的に減少していることを特徴とする平版
印刷版用原版。 〔2〕下塗り層がアルミニウム以外の金属元素を含むこ
とを特徴とする上記〔1〕に記載の平版印刷版用原版。 〔3〕下塗り層におけるアルミニウム以外の金属元素
が、Zr、Ti、又はSiのいずれかから選ばれること
を特微とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の平版印刷版
用原版。
【0007】更に好ましい態様として以下の態様を挙げ
ることができる。 〔4〕画像形成層のさらに上層に保護層を設けたことを
特徴とする上記〔1〕〜〔3〕に記載の平版印刷版用原
版。 〔5〕下塗り層が主としてアルミの酸化物及び/又は水
和物からなることを特徴とする〔1〕〜〔4〕に記載の
平版印刷版用原版。
【0008】本発明の平版印刷版用原版は支持体上に設
けた下塗り層中に、有機素材よりも断熱性を有する気相
(空気)を内包している中空粒子を含有させることによ
り、熱の拡散を抑制し、光熱変換により発生した熱が効
率的に画像形成に利用される。これにより必要なレーザ
ーエネルギーが小さくて済み、書き込み時間の短縮が可
能となる。同時に低出力の安価なレーザーが使えるよう
になりシステムのコストを低減できる。また、この下塗
り層が支持体のアルミニウムよりも硬いことにより印刷
時の摩耗及びキズが抑制され、耐刷性が向上する。更
に、この下塗り層中にはアルミニウムが含まれ、そのア
ルミニウム濃度が支持体に近いところで高くなっている
ことにより支持体アルミニウムとの親和性が向上し、層
全体の密着力が向上する。この結果として下塗り層の剥
離等が無くなり、耐刷性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を構成する要素につい
て詳述する。図1は、本発明の平版印刷版用基板とそれ
を用いた平版印刷版用原版の一例の層構成を示す断面図
であり、本発明の平版印刷版用基板5は支持体1の表面
に内部に空隙を有する中空粒子2を含むアルミニウムの
水和物又は酸化物の層3を有する。平版印刷版用基板5
上に示される層は平版印刷版用基板5上に形成された画
像形成層4である。
【0010】〔1〕下塗り層 まず、本発明の下塗り層について説明する。本発明にお
ける下塗り層は、中空粒子を含有し、支持体よりも硬度
が高く、層内でのアルミニウム分布が支持体界面から感
光層側に行くに従って傾斜的に減少していることを特徴
としている。
【0011】(i)下塗り層の形成方法 上記特徴を有する下塗り層の形成方法としては、例え
ば、支持体上に中空粒子を塗設した後、処理液で化成処
理を行うことにより形成する方法がある。まず、中空粒
子をアルコール、水などの適当な溶媒に分散し、支持体
上に、バーコーターなどを用いて塗布し、乾燥(例えば
100℃、1分)後、化成処理液で化成処理を行う。溶
媒については、例えば、メチルアルコール等のアルコー
ル、メチルエチルケトン、及びこれらと水との混合物を
使用することができる。
【0012】下塗り層を形成するための化成処理として
は、公知の化成処理を用いることが出来る。例えば、ク
ロメート処理、ジンケート処理などが知られている。ク
ロムフリーとしてリン酸塩被膜形成処理なども可能であ
る。
【0013】化成処理は中空粒子を塗設した支持体を化
成処理液中に浸漬し、通常30℃〜80℃で加熱しなが
ら5秒〜1時間処理を行う。この処理に働きとしては、
基板のアルミニウムと反応し反応生成物を生じ、その反
応生成物が予め塗設した中空粒子の間隙を充填すること
によって中空粒子そのものを基板へ硬く固着するもので
ある。よってその処理層が中空粒子層を覆う程度になる
ように最適な処理条件を選ぶ。
【0014】下塗り層はAl以外に他の金属元素を含む
ことが好ましい。このような金属元素として、例えば、
Zr、Ti、Mo、W及びSi等を挙げることができ
る。これにより耐刷性が向上する。また、下塗り層は、
Zr、Ti、又はSiから選ばれる原子の少なくともひ
とつを含有することが好ましく、これらの原子の添加
は、耐刷性に加えて、非画像部として利用するときの親
水性向上に寄与する。従って、化成処理液はこれらの原
子の少なくともひとつを含む処理液であることが好まし
い。化成処理液としては、例えば、Mo酸/W酸/フッ
酸混合溶液、金属フッ化物塩処理液(フッ化チタン酸カ
リウム溶液、フッ化ジルコン酸アンモニウム溶液)、珪
酸ソーダ溶液、硝酸リチウム溶液などを挙げることがで
きる。
【0015】(ii)中空粒子 中空粒子としては、例えば、シリカ系、酸化チタン系、
酸化アルミニウム系、酸化亜鉛系などの無機粒子、ポリ
スチレンポリマーなどの樹脂粒子を使用することができ
るが、これらに限るものではない。シリカ系中空粒子と
しては、例えばシラスバルーンと呼ばれるシリカ系無機
微粒子(九州工業試験所で開発)を挙げることができ
る。これはシラスなどのガラス質火山砕層物を焼成発泡
させたもので主成分はアルミノ珪酸塩ガラスからなり、
数十μmの中空粒子が得られているがさらに袖山らの研
究により平均粒径が10μm以下の中空粒子も製造可能
となっている。このような粒子はセメントの軽量骨材や
塗料のフィラー、軽量耐火建材として用いられており、
シラックスウ、三機化工建機、昭和鉱業、清新産業など
から市販されている。
【0016】また、特開平10−236818号公報に
記載されている珪素化合物及びアルミニウム化合物溶液
を急速混合し副生成した塩を除去後水熱合成して得られ
る1〜10nmの非常に微細な中空粒子、特開平7−3
28421号公報に開示の0.05〜0.1μm程度の
酸化亜鉛の中空状粒子なども使用できる。ポリマー中空
粒子を使用することも可能であり、添加することで層内
に均一に気孔を設けることが可能で断熱性の制御も容易
である。ポリマー中空粒子については材料技術Vol.
11,No.3、1993に詳細に記載されている。本
発明においては特定の製法に限定するものではなく、一
般的な製法としてエマルジョン重合、乳化重合、ガス発
泡タイプの懸濁重合などで製造されたポリマー中空粒子
を使用することができる。大日本インキ、三井東圧、日
本ゼオン、JSRなどから市販されているものを使用す
ることができる。ポリマー微粒子は表面の修飾により親
水性を付与することも可能であるために非画像部として
使用する場合も必要な親水性を損なうことがない。
【0017】本発明において使用される中空粒子の粒径
は、通常0.01〜50μm、好ましくは0.1〜5μ
m、より好ましくは0.1〜1μmである。中空粒子の
外径に対する内径の比率は50〜99%の範囲が好まし
い。50%未満では空隙として十分な断熱効果をあげる
ことができない場合があり、また99%を超えると粒子
自体の強度が十分でなく壊れやすく空隙を維持できい場
合がある。
【0018】本発明の平版印刷版用原版においては、露
光時にはレーザー照射により部分的に加熱される。その
際この中空粒子が溶解してしまっては断熱への寄与は得
られない。よって耐熱性が高いことが望ましい。中空粒
子のシェル(膜)部の熱分解温度が300℃以上であれ
ばこの要求をほぼ満たすと考えられる。中空粒子の種
類、径などの特性に応じて、粒子添加量を変えて中空粒
子塗布液を調製し、この塗布液を支持体上に塗布、乾燥
後、塗布された中空粒子を電子顕微鏡により観察し、中
空粒子が1〜5層となるような塗布条件を選定すること
が好ましい。下塗り層中での中空粒子は、1〜3層の層
を構成していることが特に好ましい。空隙率(中空粒子
内の空隙の全容積/下塗り層の容積×100%)として
は、5〜60%程度が好ましい。中空粒子塗設の時点で
の中空粒子の層数は、その後の化成処理により変化する
ことはほとんどないので、中空粒子塗設の時点で中空粒
子が所望の層数となっていればよい。
【0019】(iii)表面硬度 更に、下塗り層は、硬度が金属支持体よりも高く、望ま
しくはダイナミック硬度で30以上である。更に望まし
くは現状のPS版と同じダイナミック硬度で40以上を
有していることが望ましい。このような硬度を有する下
塗り層は、上記中空粒子を使用した下記の化成処理によ
る下塗り層の塗設方法により得ることができる。尚、化
成処理後に加熱することで更に硬度を高めることができ
る。
【0020】下塗り層の硬度が金属支持体よりも硬度が
低いと力を加えた場合、印刷時に画像特に網部がつぶれ
てしまい、調子再現性が変わってしまう。例えば、積載
した際に積載の下部の印刷版はこの問題が発生する。ま
た、印刷機上におけるインク付けローラあるいはブラン
ケットによる摩耗に対する耐久性、非画像部における耐
キズ性の向上、非画像部の汚れを機上で取り除くためヒ
ッキービッカー装置使用時のアルミニウム地肌の露出防
止などの点からも、下塗り層の硬度が金属支持体よりも
高いことが必要である。
【0021】硬度は下記の方法で測定及び規定される。
島津製作所製DUH−201(ダイナミック硬度計)に
より、差動トランスを用いて圧子の押し込み深さを測定
し、試料にどれだけ深く侵入したかを測定してその侵入
量から下記式を用いて得られる硬さを指標として用いて
いる。
【0022】
【数1】
【0023】α;圧子形状による定数(ビッカース圧子
を用いた場合3.8584) 尚、この指標で示される硬さは圧子を押し込んでいく過
程の荷重(P)と押し込み深さ(D)から得られる硬さ
(DH)であり、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形
をも含んだ状態での材料特性を示すものと考えられる。
本発明で測定すべき対象となる下塗り層の厚みは約1ミ
クロン程度であり、負荷速度0.236994mN/s
ec、最大荷重(試験荷重)10mNで実際に測定を行
ったところ、10mNで押し込み深さはちょうど1μm
程度になった。
【0024】(iv) 傾斜分布 更に、下塗り層は、層内でのアルミニウム分布が支持体
界面から感光層側に行くに従って傾斜的に減少している
ことを特徴としている。中空粒子含有下塗り層の塗設方
法を種々検討した結果、従来広く金属表面の改質(例え
ば、金属表面と処理液の反応性を利用して表面を硬質化
または潤滑性付与)に用いられている化成処理を用いる
ことが好ましいことを見いだした。この方法により粒子
間の空隙に処理液が浸透し、反応が生じるために充填効
果が高い。上述した化成処理によって得られる中空粒子
含有下塗り層は、層内のアルミニウムの分布が内部から
表層に行くに従い連続的に変化している。支持体表面で
はアルミニウム濃度は高くほぼアルミニウムと連続的な
界面を形成する。この結果下塗り層とアルミニウム支持
体表面の密着力は著しく向上し、中空粒子を含有する本
発明の下塗り層に適用した場合、高い耐刷性が得られ
る。
【0025】下塗り層内でのアルミニウム分布が支持体
界面から画像形成層側に行くに従って傾斜的に減少して
いるとは、例えばより定量的な表現では、下塗り層にお
ける支持体界面でのアルミニウム濃度、下塗り層の厚さ
の中心部でのアルミニウム濃度、下塗り層最表面でのア
ルミニウム濃度がこの順で小さくなっているということ
を意味する。好ましくは、下塗り層における支持体界面
でのアルミニウム濃度は、下塗り層最表面でのアルミニ
ウム濃度の5倍以上である。下塗り層内のアルミニウム
の分布は、後述の実施例におけるようにAuger分析法を
用いて調べることができる。尚、この測定の際、中空粒
子を構成する成分(樹脂の場合、炭素原子、シラスバル
ーンの場合、珪素原子)も同時に測定し、デプスプロフ
ァイルを得ることができる。
【0026】〔2〕画像形成層 次に本発明の平版印刷版用原版の画像形成層について述
べる。本発明により特に顕著な効果が得られるのは熱に
より画像形成される感熱性組成物である。感熱性組成物
は従来公知の組成物を適宜用いることができる。例えば
特開平9−222737号公報、特開平9−90610
号公報、特開平9−87245号公報、特開平9−43
845号公報、特開平7−306528号公報等に開示
の組成物を挙げることができる。代表的な具体例として
ポジ型の感熱性組成物としては、ノボラック樹脂等のフ
ェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂を
用いることができる。例えば、特開平7−285275
号公報において、ノボラック樹脂等のフェノール性水酸
基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂に、光を吸収し熱
を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジアジド
化合物類等を添加した画像形成材料が提案されている。
これらの画像形成材料では、画像部ではオニウム塩、キ
ノンジアジド化合物類等が、アルカリ水溶液可溶性樹脂
の溶解阻止剤として働き、非画像部では熱により分解し
て溶解阻止能を発現しなくなり、現像により除去され得
るようになって、画像を形成する。
【0027】尚、画像形成層として、特に感光性組成物
を使用してもよい。例えば、アクリル樹脂又はウレタン
樹脂とジアゾ樹脂とからなるネガ型感光性平版印刷版の
画像形成層としては特開平10−20506号公報、特
開平6−5984号公報、特開平8−254825号公
報、特開平7−281425号公報、特開平7−295
212号公報、特開平5−197137号公報等が挙げ
られる。またクレゾールノボラック樹脂又はフェノール
樹脂とジアゾ化合物からなるポジ型感光性平版印刷版用
の画像形成層としては特開平7−120039号公報、
特開平7−120040号公報、特開平7−12004
1号公報、特開平11−65109号公報、特開平11
−84674号公報、特開平10−282645号公
報、特開平8−146596号公報等が挙げられる。ま
たフォトポリマータイプのネガ型光重合性画像形成層と
しては特開平8−320551号公報、特開平10−2
37118号公報、特開平10−161317号公報、
特開平10−282679号公報、特開平11−651
09号公報、特開平10−282682号公報、特開平
10−161317号公報等が挙げられる。
【0028】画像形成層は微粒子状ポリマーを含有する
ことができる。例えば、グリシジルメタクリレートとメ
チルメタクリレートの重合微粒子、アリルメタクリレー
トとスチレンとの重合粒子などを挙げることができる。
平均粒径としては、好ましくは0.1〜0.7μm、特
に好ましくは0.3〜0.5μmである。上記のような
感光性組成物の画像形成層が画像部になる場合には支持
体表面が非画像部になることが望ましく、その場合には
下塗り層を形成するバインダー(化成処理による生成
物)は、水溶性あるいは親水性であることが望ましい。
画像形成層の厚みは、通常0.5〜5μm、好ましくは
1.0〜2.0μmである。尚、画像形成層は親油性で
あることが好ましい。
【0029】〔3〕保護層 本発明の平版印刷版用原版においては、必要に応じて画
像形成層の上に保護層を設けてもよい。保護層成分とし
ては、ポリビニルアルコールや通常の感光性画像形成材
料に用いられるマット材料等が挙げられる。保護層の厚
みは、通常0.5〜10μm、好ましくは1.0〜5.
0μmである。
【0030】〔4〕支持体 次に本発明の平版印刷版用原版の支持体について述べ
る。 <素材>アルミニウム板には純アルミニウム板及びアル
ミニウム合金板が含まれる。アルミニウムを用いた基板
は画像形成装置や印刷機にセットする際にそれらの円筒
面上に忠実にフィットするたわみ性を有し、且つ取扱時
に折れや曲げが入りにくい程度の剛性を有している。ま
た寸法安定性がよく、比較的安価である。このアルミニ
ウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成
分とし、微量の異元素を含む合金板である。アルミニウ
ム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。
【0031】<粗面化>アルミニウム板を粗面化するに
先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例
えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液など
による脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗
面化処理は、特開昭56−28893号公報に開示され
ているような種々の方法により行うことが可能である
が、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表
面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解
させる方法により行われる。機械的方法としては、ボー
ル研磨法、ブラシ研磨法、プラスト研磨法、バフ研磨法
などの公知の方法を用いることができる。また、電気化
学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流
または直流により行う方法がある。また、特開昭54−
63902号公報に開示されているように両者を組み合
わせた方法も利用することができる。
【0032】<陽極酸化>この様に粗面化されたアルミ
ニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理およ
び中和処理された後、陽極酸化処理を施しても構わな
い。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質
としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使
用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸
あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の
濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化
の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に
特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量
%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm
2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲で
あれば適当である。陽極酸化皮膜の量は10g/m2
り少ないと耐刷性が不十分であったり、画像形成材料の
非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にイ
ンキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0033】<親水化処理>陽極酸化処理を施された
後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施され
る。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許
第2,714,066号、同第3,181,461号、
第3,280,734号および第3,902,734号
に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例え
ばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法におい
ては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理され
るかまたは電解処理される。他に特公昭36−2206
3号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムお
よび米国特許第3,276,868号、同第4,15
3,461号、同第4,689,272号に開示されて
いるようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが
用いられる。
【0034】<裏面処理>また、支持体の裏面には、必
要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコ
ートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高
分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有
機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて
得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられ
る。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(O
25)4、Si(OC37)4、Si(OC49)4などの珪
素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得
られる金属酸化物の被覆層が親水性に優れており特に好
ましい。
【0035】〔5〕画像形成 上記のような下塗り層、画像形成層、支持体、必要に応
じて保護層の各要素を組み合わせることにより作製され
た本発明の平版印刷版用原版は、熱記録ヘッド等により
直接画像様に感熱記録を施されたり、あるいは、波長7
60nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザ
ーまたは半導体レーザーにより画像露光される。機上現
像が必要な場合には、印刷機上で湿し水で現像した後、
刷り出すことが出来る。即ち、光を熱に変換しその熱で
現像液に対する溶解性が変化する画像形成層における現
像液とは、後述するアルカリ水溶液に加えて、機上現像
における水、湿し水を包含するものである。
【0036】画像形成層が現像を必要とする場合は、感
熱記録後またはレーザー照射後に水現像される。本発明
の平版印刷版用原版の現像液および補充液としては従来
より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例え
ば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩
が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組
み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中で特に
好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム
等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分
である酸化珪素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比
率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであ
り、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭5
7−7427号公報に記載されているようなアルカリ金
属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0037】更に自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理できるこ
とが知られている。本発明においてもこの補充方式が好
ましく適用される。現像液および補充液には現像性の促
進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部の親イン
キ性を高める目的で必要に応じて種々の界活性剤や有機
溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニ
オン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤
があげられる。更に現像液および補充液には必要に応じ
て、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素
酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元
剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加える
こともできる。
【0038】上記現像液および補充液を用いて現像処理
された印刷版は水洗水、界面活性剤等を合有するリンス
液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処
理される。本発明の平版印刷版用原版を使用する場合の
後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用い
ることができる。近年、製版、印刷業界では製版作業の
合理化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広
く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と
後処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽
およびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ
ーノズルから吹き付けて現像処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方
法も知られている。このような自動処理においては、各
処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しな
がら処理することができる。また、実質的に未使用の処
理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用でき
る。
【0039】
【実施例】《基板の作製》 (アルミニウム基板:S−1)厚み0.24mmのアル
ミニウム板(材質1050)の表面をナイロンブラシと
400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いて砂目立
てした後、よく水で洗浄した。10重量%水酸化ナトリ
ウム溶液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後
流水で水洗後、20重量%HNO3水溶液で中和洗浄
し、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦
波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で20
0C/dm2の陽極時電気量で電解粗面化を行った。そ
の表面粗さを測定したところ0.55μm(Ra表示)
であった。引き続いて30重量%H2SO4水溶液中に浸
漬し、55℃で2分間デスマットして基板S−1を作成
した。
【0040】(アルミニウム基板:S−2)アルミニウ
ム基板S−1と同じ条件で電解粗面化まで行った後、引
き続いて30重量%H2SO4水溶液中に浸漬し、55℃
で2分間デスマットした後、20重量%H2SO4水溶液
中で電流密度14A/dm2、陽極酸化皮膜量が2.5
g/m2相当になるよう陽極酸化し水洗して基板S−2
を作成した。
【0041】《下塗り層の塗設方法》中空粒子としては
シラスバルーン及びJSR社製ポリマー微粒子SX86
6を用いた。シラスバルーンは平均粒径が約10μmで
外壁の厚みが0.5〜1μm、中空率は60〜98%で
ある。ポリマー微粒子SX866は架橋スチレンアクリ
ルポリマーからなり、白色の微粉末で一次粒子系が0.
3μm、内径が0.2μmのサイズを有しその空隙率は
20%である。
【0042】これらの中空粒子を下記に示す処方で含有
させた液を調液し基板上にホイラー塗布し、100℃で
1分乾燥した。乾燥後の塗布量は、シラスバルーンにつ
いては5層程度、ポリマー中空粒子については3層程度
である。 (中空粒子含有下塗り液) 中空微粒子 1.0g (シラスバルーン、又はポリマー中空粒子SX866) PVA(ポリビニルアルコール) 0.5g 水 4g メタノール 45g 塗布した基板を下記表1に示す処理液、処理条件で処理
し、下塗り層を形成した。
【0043】
【表1】
【0044】表1における各処理液は、処理後、中空粒
子を覆う程度の量で塗布し、表1における処理条件で処
理した。表2におけるB−5、7、8については各金属
を含むゾルを用意し、上記で示した中空粒子含有した下
塗り液と固形分濃度として10重量%となるように混合
し、塗布、乾燥し下塗り層を形成した。中空粒子及び各
金属の塗設量は対応する実施例におけるものに相当する
量である。B−9については、下塗り層の材質としてポ
リビニルアルコール樹脂(PVA)を使用した。中空粒
子の塗設量は対応する実施例におけるものと同量であ
る。
【0045】《下塗り層内のアルミ分布の評価》下塗り
層内のアルミニウムの分布はAuger分析法を用いて調べ
た。日本アルパックファイ製オージェ分析装置(SAM
−Model 680)を用いて下塗り層表面からAr
+を用いて加速電圧3kV、エッチングレート30nm
/min(SiO2換算)でエッチングし、30秒おき
に測定を行った。得られたデプスプロファイルを用いて
評価した。測定サンプルについては表面にAu蒸着を施
しこの信号を目安に表面を特定した。また、基板界面は
エッチングレートとは別に走査型電子顕微鏡を用いて破
断面観察をした結果と対応させて特定した。下塗層最表
面と支持体界面のアルミニウム強度の比が5倍以上あっ
た場合を傾斜して存在していると判断した。
【0046】《感熱性画像形成層の作製》 (微粒子状ポリマー(1)の合成)グリシジルメタクリ
レート2.0g、メチルメタクリレート130g、ポリ
オキシエチレンフェノール水溶液(濃度9.8×10-3
mol/リットル)200mlを加え、250rpmで
かき混ぜながら、系内を窒素ガスで置換する。この液を
25℃にした後、セリウム(IV)アンモニウム塩水溶液
(濃度0.984×10-3mol/リットル)10ml
添加する。この際硝酸アンモニウム水溶液(濃度58.
8×10-3mol/リットル)を加え、pH1.3〜
1.4に調整する。その後8時間これを撹拌した。この
ようにして得られた液の固形分濃度は9.5%であり、
平均粒径は0.4μmであった。
【0047】(画像形成層の塗布)以上のように作成し
た支持体S−1、S−2上に、合成例(1)の熱融着性
の微粒子状ポリマーを含有する以下の組成よりなる塗布
液を作成し、画像形成層の塗布を行った. 画像形成層塗布液組成 水 100g 合成した微粒子状ポリマー(1) 5g (固形分換算で) ポリヒドロキシエチルアクリレート 0.5g (重量平均分子量25000) 赤外線吸収染料(I−32) 0.3g 以上の液をバー塗布した後、オーブンで80度120秒
の条件で乾燥した。塗布量は、乾燥後で0.5g/m2
であった。
【0048】このようにして得られた機上現像可能な平
版印刷版用原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを
搭載したCreo社製Trendsetter 3244VFSにて、出力
9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー
100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露
光した後、現像処理することなく、印刷機ハイデルSO
R−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給したのち、
インキを供給し、さらに紙を供給し印刷を行った。すべ
てのプレートについて問題なく機上現像することができ
印刷可能であった。
【0049】《平版印刷版用原版の性能評価》上記に記
載した支持体、下塗り層、及び画像形成層を表1に示す
ように組み合わせて作成した平版印刷版用原版につい
て、下記の基準により性能評価を行った。評価結果を表
1に示す。
【0050】(汚れ性)水冷式40W赤外線半導体レー
ザを搭載したCreo社製Trendsetter 3244VFSにて、
外面ドラム回転数、及び出力を変えることで版面エネル
ギーを100、150、200mJ/cm2と変えて、
解像度2400dpiの条件で露光した後、印刷機ハイ
デルSOR−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給し
て機上現像を行ったのち、インキを供給し、さらに紙を
供給し500枚印刷を行った。その際の非画像部のイン
キが払われる程度を比較して汚れを評価した。
【0051】(感度)汚れを評価した後、更に同じ版で
同じ印刷機を用いて5000枚印刷を行った。そして5
000枚目の印刷物上で0.2%網点の再現の程度を目
視評価し、100mJ/cm2で画像が出来ているもの
を◎、150mJ/cm2で出来ているものを○、20
0mJ/cm2で出来ているものを×と評価した。
【0052】(耐刷性)ハイデルベルク社製のハイデル
KOR−D機で上質紙に印刷した。5000枚印刷毎に
クリーナー液(富士写真フイルム(株)製:「プレート
クリーナーCL2」)で版面を拭きながら印刷した。こ
こで、最終印刷枚数は、ベタ画像部が膜減りを起こし部
分的にインキがつかなくなる、いわゆる版飛びを起こす
までの枚数として評価した。いずれの画像形成層の場合
も支持体(S−2)に塗布したものの耐刷枚数を100
%として相対指数で耐刷性を評価した。
【0053】(傷つきにくさ)HEIDON製引っ掻き
試験器にて荷重10、20、30、40、50、60g
をくわえたサファイヤ針をもちいて非画像部(下塗り
層)に直線上のキズをつけた。この印刷版を印刷機ハイ
デルSOR−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給し
たのち、インキを供給し、さらに紙を供給し5000枚
印刷を行い、汚れとなったキズの荷重をもって傷つきに
くさの指標とした。即ち数字が大きい方が傷つきにくさ
に優れるプレートを示すことになる。上記に示した評価
の結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明による平版印刷版用原版は熱の拡
散を抑制し、光熱変換により発生した熱が効率的に画像
形成に利用される。これにより必要なレーザーエネルギ
ーが小さくて済み、書き込み時間の短縮が可能となる。
同時に低出力の安価なレーザーが使えるようになりシス
テムのコストを低減できる。また下塗り層の硬度は高
く、しかも基板との高い密着性を有するので従来のPS
版と同じ使い勝手を有し、高い耐刷性を得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の層構成を示す図である。 1 支持体 2 中空粒子 3 下塗り層 4 画像形成層 5 基板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB03 AC08 AD01 AD03 CB14 CC20 DA18 DA40 FA03 FA17 2H096 AA07 AA08 BA01 BA09 BA16 CA05 CA20 EA04 GA08 LA16 2H114 AA04 AA14 AA24 AA28 BA01 DA04 DA25 DA52 DA59 DA73 DA78 EA01 EA03 GA03 GA05 GA06 GA08 GA09 GA34 GA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体上に、中空粒子を含
    み且つアルミニウム支持体より硬度が高い下塗り層と、
    光を熱に変換しその熱で現像液に対する溶解性が変化す
    る画像形成層とを、順に有し、その下塗り層内における
    アルミニウムの分布が支持体界面から感光層側へ行くに
    従って傾斜的に減少していることを特徴とする平版印刷
    版用原版。
  2. 【請求項2】 下塗り層が更にアルミニウム以外の金属
    元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の平版印刷
    版用原版。
  3. 【請求項3】 下塗り層におけるアルミニウム以外の金
    属元素が、Zr、Ti、及びSiのいずれかから選ばれ
    ることを特微とする請求項1又は2に記載の平版印刷版
    用原版。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7518393B2 (en) 2004-03-30 2009-04-14 Casio Computer Co., Ltd. Pixel circuit board, pixel circuit board test method, pixel circuit, pixel circuit test method, and test apparatus

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