JP2000015948A - 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像露光し、現像処理したとき、階調コント
ラストの良い画像を得ることと同時に、非画像部での画
像残査が全く無く、印刷時の地汚れの問題や非画像部の
色残りを解消し、消去液によるリング状の消去跡汚れも
発生せず、さらに、印刷時において、耐刷性及び不感脂
性と保水性に優れ、酸化汚れ(印刷再開時の汚れ)も発
生しない平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平
版印刷版を提供する。 【解決手段】 粗面化処理及び陽極酸化処理されたアル
ミニウム支持体の表面に、平均粒径5μm以下の粒状の
生成物を設けた後、熱湯及び/又は熱風で処理する平版
印刷版用アルミニウム支持体を提供し、前記粒状の生成
物を設けるための処理液が金属フッ化物を含有した処理
液を用い、さらに、これら処理されたアルミニウム支持
体に感光層を塗設した感光性平版印刷版を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用アル
ミニウム支持体及び感光性平版印刷版に関するものであ
り、特にアルミニウム表面を改質し、耐刷性及び不感脂
性と保水性に優れ、地汚れや消去跡汚れや印刷再開時汚
れが発生せず、階調コントラストにも優れた平版印刷版
用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板上に感光性組成物を塗設
した感光性平版印刷版(以下、「PS版」と略す。)
は、アルミニウム板をブラシ研磨やボール研磨のような
機械的な方法や、電解エッチングのような電気化学的な
方法やこれら両者を組み合せた方法等の粗面化処理を行
って、表面を凹凸状の起伏状態を作り、その後、所望に
より酸又はアルカリの水溶液によりエッチングし、さら
に必要に応じて陽極酸化処理及び/又は親水化処理を施
し、その上に感光層を設けることにより製造される。こ
のPS版は、通常、像露光、現像、(修正)、ガム引き
工程を経て平版印刷版とされ、これを印刷機に取り付け
て印刷する。
【0003】上記の粗面化処理や陽極酸化処理は、耐刷
性や保水性の向上の目的として行われ、従来は、表面を
より以上にエッチングなどして深くあるいは粗くして砂
目を作っていた。
【0004】しかし、このままでは現像後の非画像部
(砂目中)に感光層の一部が残渣として残り、これが地
汚れの原因になったり、あるいは陽極酸化の孔の中に染
料などの着色剤がしみこみ、非画像部の色残りにもなっ
ていた。また、不要部分を消去液等で削除した時に、消
去液からにじみ出た溶剤等で上記残渣が浮き上がり、そ
こにインキが付着して、汚れ(消去跡汚れ)になる場合
が多かった。
【0005】これらを改善するため、従来は、陽極酸化
処理したアルミニウム支持体を米国特許第318146
1号明細書に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸
塩中に浸漬する方法、米国特許第3276868号及び
第4153461号明細書に記載されているような親水
性のポリビニルホスホン酸を下塗りする方法、特開昭4
9−12903号明細書に開示されているリン酸根で被
覆する方法、特開昭49−96803号明細書に開示さ
れている水溶性金属塩を含む親水性セルロースを下塗り
する方法、あるいは特開昭62−19494号明細書に
開示されているリン酸塩を含む親水層を設ける方法など
が提案されている。
【0006】しかしながらこれらの方法では、非画像部
の残渣を完全に取り除くことはできず、地汚れの原因に
なったり、上述の消去跡汚れを無くすことはできない。
また、上述のような親水層を設けたり、親水性のものを
下塗りする方法では、感光性組成物の密着性が悪くな
り、耐刷性が極端に低下するなどの問題があり、満足で
きるものではなかった。
【0007】特開平5−50779号明細書には、陽極
酸化皮膜の孔中に1000オングストローム(0.1μ
m)以下の水酸基を持つ無機粒子を含有させ、孔外(表
面)の無機粒子から形成される膜を溶解・除去する方法
が開示されている。しかし、この方法は、陽極酸化皮膜
の孔中だけに無機粒子が含有され、孔外(表面)の無機
粒子から形成される膜を溶解・除去するので、陽極酸化
皮膜表面に吸着した僅かな感光層を完全に取り除くこと
ができず、このために消去跡汚れや非画像部の色残りを
完全になくすことができない。
【0008】さらに、特開平4−43359号明細書に
は、有機官能基と、加水分解につづいて重縮合する基と
を有する有機金属化合物を液中で加水分解及び重縮合さ
せて得られる無機高分子を含む液状組成物を、金属表面
に塗布した後、その上に感光性樹脂層を設けた感光性平
版印刷版が開示されている。この方法は、前記無機高分
子を含む液状組成物を、金属表面に塗布し、前記無機高
分子がゲル化すると同時に金属表面と密着させる方法で
あるが、塗布量をコントロールするのが難しく、表面滑
り性や保水性等は改善されない。
【0009】そして、特開平2−13956号明細書に
は、アルミニウム板上に水性コロイダルシリカ層を塗布
する方法が開示されている。しかし、この方法は、水性
コロイダルシリカの粒子が5〜30μmであり、粒子径
が大きすぎて保水性の改善にならず、逆にこの粒子間
に、印刷中、インキが染み込んで汚れの原因にもなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、画像露光し、現像処理したとき、階調コントラスト
の良い画像を得ることと同時に、非画像部での画像残査
が全く無く、印刷時の地汚れの問題や非画像部の色残り
を解消し、消去液によるリング状の消去跡汚れも発生し
ない平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印
刷版を提供することである。さらに他の目的は、印刷時
において、耐刷性及び不感脂性と保水性に優れ、酸化汚
れ(印刷再開時の汚れ)も発生しない平版印刷版用アル
ミニウム支持体及び感光性平版印刷版を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意検討した結果、本発明をなすに至っ
たものである。本発明は、粗面化処理及び陽極酸化処理
されたアルミニウム支持体の表面に、平均粒径5μm以
下の粒状の生成物を設けた後、熱湯及び/又は熱風で処
理することを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体を提供するものであり、前記粒状の生成物を設けるた
めの処理液が金属フッ化物を含有した処理液を用い、さ
らに、これら処理されたアルミニウム支持体に感光層を
塗設した感光性平版印刷版を提供するものである。
【0012】アルミニウム支持体を熱湯等の手段で処理
する方法としては、特開昭51−34007号に陽極酸
化処理されたアルミニウムをエッチングしたのち、熱水
又は水蒸気で処理する方法あるいは特開平2−8919
号に陽極酸化処理されたアルミニウムを温度50〜30
0℃かつ水蒸気圧90Torr以上の雰囲気中に曝す方法な
どが開示されているが、いずれも本発明のような表面に
粒状の生成物を設けた表面を熱湯処理する方法とは異質
のものである。
【0013】また、本発明の表面処理は、従来より公知
の陽極酸化皮膜のエッチングや封孔処理あるいは化学薬
品や水溶性樹脂等の下塗り方法とは全く異質のものであ
り、ある特定の処理薬品により表面処理を行い、生成過
程は不明ではあるが、支持体表面のアルミニウムと処理
薬品との反応生成物を該アルミニウム表面に付着させる
方法である。この生成物の形状は、高倍率の光学顕微鏡
あるいは走査電子顕微鏡により観察することができ、5
000倍以下のような低倍率で観察すると、円形状及び
/又はウロコ状の粒子に見えるが、一万倍以上のような
高倍率で観察すると、円形状に見えるものもあるが、角
張った粒状に見えるものもあり、またその表面にひびが
入っているものもある。これらの粒子が砂目の凹凸の起
伏状に、あるいは電気化学的な研磨により生成した凹凸
の小さなピットの底から表面までランダム状にあるいは
全面的に均一に突起状に付着する。
【0014】この上に感光層を塗布すると、この粒子が
感光層中に食い込み、耐刷性を向上させ、現像時には、
この粒子間に現像液がよく浸透するためか、現像がスム
ースに行われ、感光層がきれいに現像されるので、画像
の階調コントラストが良くなり、非画像部においては、
現像残りによる地汚れもなく、消去液で非画像部をこす
っても、残渣が浮き上がらず、汚れるようなことはな
い。また、この粒子状物が陽極酸化皮膜及び陽極酸化の
孔の上を覆うために、陽極酸化皮膜に染料や感光層が吸
着されることなく、また、孔の中にも染料などが染み込
むのを防ぐので、非画像部の色残りが無い。印刷時にお
ける、この粒子物の効果は、粒子間に湿し水が浸透し
て、保水性が良くなり、少量の湿し水で印刷できるの
で、高品質の印刷物が得られる。
【0015】さらに別の効果として、粒子状物で表面が
覆われているので、滑りやすく、校正刷り等で行われる
水を含んだスポンジで表面をこすった場合にスポンジカ
スが付きずらく、また粒子があるために、表面の反射率
が下がり、ハレーション防止効果があるので、点減りす
ることなく、網点再現性に優れたものになる。
【0016】アルミニウム支持体をフッ化物系化合物で
処理する方法として、特開昭47−30405号明細書
には、金属の粗面化表面をフッ化物を主成分として含有
する水溶液を用いて処理する方法が開示されている。し
かし、この方法は、陽極酸化されていない金属の粗面化
表面を処理する方法であり、本発明のような陽極酸化皮
膜上に粒子物を生成付着させる方法とは異質のものであ
り、前記明細書に記載の方法では、粒子は生成されず、
本発明のような効果は期待できない。
【0017】次に、アルミニウム支持体上に粒子を付着
させる方法として、特開昭55−145193号明細書
には、フッ化水素アンモニウム及びフッ化水素ナトリウ
ムからなる群で金属べース支持体を処理し、粒子を作
り、その上にクロム層をメッキする方法が開示されてい
るが、この方法は、クロムメッキをより密接に金属べー
スに付着させるためのものであり、本発明のような粒子
状の表面を直接、印刷版の支持体表面に利用するもので
はない。
【0018】従来は、印刷時の保水性や耐刷性を向上さ
せるために、砂目をより以上に削ったり、エッチング等
して、深くあるいは粗くし、エッチング途中に出るカス
などはきれいに除いていたのが通例であった。これらの
方法によれば、ある程度の効果は期待できるが、砂目の
エッヂが鋭利になり、このためにインキ粒子がひっかか
り、薄汚れになったり、感光層の現像時の抜け性が悪
く、現像残りによる汚れとなる場合が多かった。しか
し、本発明は、今まで全く見られなかった方法であり、
ある特定の表面処理により生成された生成物をそのまま
砂目上に残し、さらにその上から熱湯及び/又は熱風を
かける方法である。その結果、この粒子生成物により、
感光層との密着性が上がり、現像時には、感光層の抜け
が良くなり、印刷時には、粒子により表面積が増加し、
粒子間に湿し水が良く浸透して保水性が良くなる等の効
果があることを見い出し、本発明に結び付いたものであ
る。従って、この生成物の被覆付着量を、表面の30%
以下になるように減らした場合には、本発明の効果は薄
くなり、良好なる平版印刷版用アルミニウム支持体を得
ることは難しい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
順を追って詳しく説明する。本発明において用いられる
アルミニウム板は、アルミニウム主成分とする純アルミ
ニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金等の板状
体である。このような異原子には、珪素、鉄、銅、マン
ガン、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、チタンなどがあ
る。本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が
特定されるものでなく、従来公知、公用の素材のものを
適宜利用することができる。本発明に用いられるアルミ
ニウム板の厚さは、およそ0.1mm〜0.4mm程度
が好適である。
【0020】アルミニウム板を粗面化処理するに先立
ち、圧延時に表面に付着した油分を除去するため、例え
ば、界面活性剤又はアルカリ水溶液により脱脂処理が行
われる。
【0021】本発明における粗面化には、機械的に表面
を粗面化する方法、電気化学的に表面を粗面化する方法
及びこの両者を組み合わせた方法がある。機械的に表面
を粗面化する方法としては、ブラシ研磨法、ボール研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称される公知の方
法を用いることができる。また、電気化学的に表面を粗
面化する方法としては、塩酸又は硝酸電解液中で交流又
は直流により行う方法がある。
【0022】このように粗面化されたアルミニウム板
は、陽極酸化処理する前に、必要に応じてアルカリエッ
チングされることが望ましい。アルカリエッチングに使
用するアルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、第三燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウム、アルミン
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、オルトケイ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムな
どが挙げられ、これらの単独液あるいは二種以上の混合
液を用いることができる。アルカリエッチング液の濃度
は、1〜60重量%が好ましく、30〜100℃の液温
において、2〜60秒間処理し、0.1〜13g/m2
エッチングする。エッチングを行う方法としては、アル
ミニウム板をエッチング液浴に浸漬する方法、スプレー
やノズルでエッチング液をかける方法などがある。
【0023】上記アルカリエッチングを施したのち、必
要に応じて、硝酸、燐酸、硫酸又はこれらの二種以上の
酸を含む混酸でデスマットするか、あるいは単なる水
洗、場合によっては高圧力水洗を行ってスマット除去を
行う。
【0024】次いで、アルミニウム板は陽極酸化処理さ
れるが、使用される電解質としては、一般に硫酸、燐
酸、シュウ酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々か
わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃
度が1〜50重量%、液温は5〜45℃、電流密度が1
〜40A/dm2 、電圧5〜50V及び処理時間5秒〜
10分の範囲ならば好適である。陽極酸化皮膜の量は
0.5g/m2 以上が好適であるが、より好ましくは
1.0〜4.0g/m2 の範囲である。陽極酸化皮膜が
0.5g/m2 以下の場合には表面に傷がつき易くな
り、印刷時に、傷の部分にインキが付着して、汚れにな
り易くなる。また逆に陽極酸化皮膜が4.0g/m2
上の場合には、現像速度が遅くなり、感度の低下が生じ
るので好ましくない。
【0025】引き続き、水洗した後、本発明に適う表面
処理が行われる。本発明は、主として1.0重量%以上
の金属フッ化物を含有する処理液で、陽極酸化皮膜をエ
ッチング(腐食)させない程度の濃度液で成し遂げるこ
とができる。さらに、陽極酸化皮膜をエッチング(腐
食)させない程度の酸性物質を加えると、金属フッ化物
の濃度を下限として0.5重量%程度まで下げることが
できる。この処理は、陽極酸化処理し、水洗の後、陽極
酸化皮膜を軽度のエッチングや種々の方法により封孔処
理を行った後、あるいは、リン酸又はリン酸塩処理やケ
イ酸塩処理等の後処理を行った後、実施することも可能
である。
【0026】本発明では、陽極酸化処理されたアルミニ
ウム表面に、まず始めに、金属フッ化物あるいは金属フ
ッ化物と酸性物質を含む水溶液で処理し、陽極酸化皮膜
はほとんどエッチングせず、また、陽極酸化皮膜のセル
の形状も変えずに、アルミニウム表面の砂目の凹凸の起
伏状あるいは電解研磨により生成された孔の底から表面
まで、平均粒径5μm以下の粒状物、たとえば、円形状
及び/又はウロコ状と表現できる反応生成物を、ランダ
ム状にあるいは全面的に突起状で生成させる。次いで、
熱湯及び/又は熱風の組み合せによる処理を行う。
【0027】このときの生成物は、大部分が円形状及び
/又はウロコ状を呈しているが、中には、円形がくずれ
て角張った結晶状に見える場合もある。生成物は、処理
条件によっても異なるが、陽極酸化表面上を少なくとも
30%以上被覆状に設けられるのが好ましく、より好ま
しい範囲としては、40〜100%の範囲である。生成
物の被覆率が30%以下の場合には、保水性、耐刷性な
どの効果が得られないので好ましくない。また、粒子径
は5μm以下が好ましく、より好ましくは0.01〜2
μmである。0.01μm未満であると、保水性、耐刷
性及び表面のスベリ性が悪くなり、逆に5μmをこえる
と、保水性が悪くなり、印刷中、インキがこの粒子間に
染み込んで汚れになるので好ましくない。
【0028】生成物の付着量を重量的に見ると、およそ
0.005〜2.0g/m2 の範囲で設けられるのが好
適であり、より好ましくは、0.01〜1.5g/m2
である。生成物が0.005g/m2 未満の場合には、
やはり耐刷性や地汚れや消去跡の汚れの改善にならず、
また逆に2.0g/m2 をこえると、現像性が悪くな
り、疲労した現像液では現像しずらくなるので好ましく
ない。この重量変化はアルミ板を処理する前と後でアル
ミ板の重量を計り、その差から求めることができる。
【0029】上記のような粒状の生成物を設けた表面の
反射率は、粒状の生成物を設ける前の表面の反射率よ
り、最大で、反射率にして約25%下がる。その結果、
表面のハレーションが少なくなり、感光性印刷版での露
光時の光散乱が抑えられ、点減りが少なく、網点再現性
が良くなる。
【0030】これら表面の様相は高倍率の光学顕微鏡あ
るいは走査電子顕微鏡により観察することができる。図
1は、本発明の表面処理を施す前の陽極酸化皮膜を有す
るアルミニウム支持体の表面であり、図2は本発明の表
面処理を施した後のアルミニウム支持体の表面である。
【0031】本発明の表面処理に好ましく使用され、あ
る濃度範囲では、陽極酸化皮膜をエッチングさせない金
属フッ化物の具体例としては、フッ化ナトリウム、フッ
化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カリウム、フ
ッ化クロム、フッ化リチウム、フッ化マンガンなどが挙
げられ、これらの単独あるいは二種以上を混合して用い
る。これらの中でフッ化ナトリウム、フッ化カリウムが
特に好ましい。陽極酸化皮膜をエッチングさせない金属
フッ化物濃度は、0.5〜40重量%の範囲が適当であ
り、好ましくは1.0〜30重量%である。0.5重量
%未満では、粒子が生成しずらくなり、本発明の目的効
果が得られず、40重量%をこえると、粒子径が小さく
なりすぎたり、陽極酸化皮膜をエッチングし易くなった
り、金属フッ化物が溶解しずらくなるので好ましくな
い。
【0032】上記金属フッ化物を含有する処理液に、粒
子の生成を妨げず、陽極酸化皮膜をエッチングさせない
他の化合物を含ますこともできる。例えば、硫酸、硝
酸、塩酸、リン酸、酢酸及びこれらのアルミニウム塩、
アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウ
ム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、リチウム塩などが挙げ
られる。さらに、シュウ酸、タンニン酸、ミョウバン、
クロムミョウバン、ホウ酸、無水クロム酸あるいはクロ
ム酸塩類等が挙げられる。これらの単独に、あるいは二
種以上を加えても良い。また、従来より平版印刷版用の
エッチ液あるいはカウンターエッチ液として知られてい
る組成物を用いても良い。
【0033】上記物質の添加される濃度としては、硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸、酢酸のような強酸の場合に
は、0.1〜1.0重量%の範囲が適当であり、好まし
くは0.2〜0.6重量%である。0.1重量%未満で
は、保水性の向上が見込めず、1.0重量%をこえる
と、陽極酸化皮膜をエッチングするので好ましくない。
それ以外の上記化合物の場合には、0.2〜50重量%
の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜40重量%で
ある。0.2重量%未満では、やはり保水性の向上が見
込めず、50重量%以上では、現像速度が遅くなるので
好ましくない。これらの成分を主とし、さらに、表面に
付着した生成物を溶解(エッチング)あるいは除去させ
ない程度のケイ酸金属塩、スケール防止剤、界面活性
剤、有機溶剤、水溶性樹脂、水不溶性物質でエマルジョ
ン化された物質、ハレーション防止用の染料又は顔料等
を処理液の中に含ませることもできる。
【0034】処理方法としては、浸漬方法、噴霧方法、
スプレー方法、塗布方法などが利用できる。処理温度は
10〜80℃、処理時間は1〜60秒間の範囲が適当で
あり、pHは1.0〜6.5であることが望ましい。こ
のような処理している時に、直流あるいは交流の電流を
流し、陽極酸化と同様な方法でアルミニウム板を処理す
ることもでき、この場合には処理時間を短縮させること
ができる。また、処理液濃度を濃くしたり、処理時間を
長くすると、円形状あるいはウロコ状の生成物が、びっ
しり平面状に変化していく場合もあるが、ある程度、円
形状あるいはウロコ状で生成物が付着していた方が、本
発明の効果をより一層発揮できる。
【0035】本発明においては、上記金属フッ化物を含
有する処理液で処理した後、陽極酸化皮膜表面上に生成
された粒状物をより強固に陽極酸化皮膜表面上に密着さ
せ、保水性や耐刷性のさらなる向上目的のために、水洗
の後あるいは水洗なしで熱湯処理して乾燥するか、熱風
のみで乾燥するか、あるいは熱湯処理後熱風にて乾燥す
る処理を行う。
【0036】熱湯の温度は少なくとも50℃以上必要で
あり、熱風は50〜180℃の範囲がより効果的であ
る。熱湯あるいは熱風の温度が50℃未満の場合には、
印刷部数が大量な場合、陽極酸化皮膜表面上の粒状物
が、印刷途中で取れ易くなり、その結果、不感脂性や保
水性が悪くなるおそれがある。また、画像部の下にある
粒状物も衝撃に対して弱くなり、剥がれやすくなって画
像の剥離につながり、耐刷性の欠如になるおそれがある
ので好ましくない。一方、熱風の温度が180℃をこえ
る場合には、アルミニウム支持体にゆがみや延びが生
じ、全体的な平面性が悪くなるので好ましくない。
【0037】熱湯処理の方法としては、浸漬方法、かけ
流し、ノズル滴下方法、スプレー方法などが適当であ
り、熱風処理は、温めたエアーをブロアーから板面に吹
き付けるなどして行う。
【0038】このように処理されたアルミニウム支持体
は、このまま平版印刷版用支持体として使用することが
できるが、必要によりさらに、熱湯及び/又は熱風処理
の前後に表面処理を施すことができる。
【0039】好適な表面処理として、硫酸、燐酸、硝
酸、ホウ酸、クロム酸、ケイ酸及びこれらのアンモニウ
ム塩あるいはアルカリ金属塩の水溶液による処理、界面
活性剤や水滴防止剤による処理、さらに、例えばポリア
クリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルホスホン
酸、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン等の水溶性化合物からなる下塗り層を
設ける処理、ハレーション防止用の染料又は顔料を下塗
りする処理などが挙げられるが、やはりこの場合にも表
面に付着した生成物を溶解あるいは除去させるような処
理方法、処理条件は適当ではない。また、上記の各薬品
あるいは化合物類を熱湯中に加えることも可能である。
【0040】以上のように処理されたアルミニウム支持
体は、常法に従って感光層を設けて感光性平版印刷版
(PS版)を得ることができる。ここで適用される感光
層の感光性組成物は特に限定されるものでなく、一般的
に周知のものが適用でき、例えば、o−キノンジアジド
化合物を主成分とするポジ型のもの、ジアゾ樹脂を主成
分とするネガ型のもの、不飽和二重結合含有モノマーを
主成分とする光重合性化合物、桂皮酸やジメチルマレイ
ミド基を含む光架橋性化合物よりなるネガ型のもの、あ
るいはヒートモード書き込み型化合物などを感光物とす
るネガ又はポジ型のものが用いられる。また、特開昭5
5−161250号、特開平4−100052号明細書
等に記載の電子写真感光層や物理現像核層とハロゲン化
銀乳剤層を設けた銀錯塩拡散転写法を利用した感光層も
使用することができる。さらに、上記PS版用以外の用
途として、インキジェットや紫外線硬化インキで直接ア
ルミニウム板上に画像を設けるための支持体としても使
用できる。
【0041】上記感光物のうち不飽和二重結合含有モノ
マーを主成分とする光重合性化合物としては、例えば米
国特許第2,760,863号明細書及び特開平5−2
62811号公報に記載の末端エチレン基を有する付加
重合性不飽和化合物と光重合開始剤よりなる組成物が使
用できる。また、ジメチルマレイミド基を含む光架橋性
化合物を含むネガ型感光物としては、例えば特開昭52
−988号及び特開昭62−78544号公報に記載の
感光性組成物を挙げることができる。
【0042】ポジ型の感光性組成物として用いられるo
−キノンジアジド化合物としては、米国特許第3,04
6,120号に記載されているナフトキノン−1,2−
ジアジド−5(又は4)−スルホニルクロライドとフェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂とのエステル化合物、特
開昭43−28403号に記載されているナフトキノン
−1,2−ジアジド−5(又は4)−スルホニルクロラ
イドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合
物、あるいは2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン又は分子量1000以下のポリヒドロキシ化合物とナ
フトキノン−1,2−ジアジド−5(又は4)−スルホ
ニルクロライドとのエステル化合物等が挙げられる。
【0043】該o−キノンジアジド化合物は、単独でも
感光層を構成することができるが、アルカリ可溶性樹脂
をバインダー樹脂として併用することが好ましい。この
ようなバインダー樹脂としては、ノボラック型の樹脂が
あり、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、o
−、m−及びp−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、
m/p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、フェ
ノール/クレゾール(m−、p−、又はm−/p−混合
のいずれでもよい)混合・ホルムアルデヒド樹脂、t−
ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げら
れる。また、ポリビニルフェノール樹脂、t−ブチル置
換ポリビニルフェノール樹脂、p−イソプロペニルフェ
ノールの単独重合体あるいは他のモノマーとの共重合
体、水酸基又はカルボキシル基を有するフェニルマレイ
ミドの単独重合体あるいは他のモノマーとの共重合体、
アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ス
チレン−無水マレイン酸樹脂等も用いることができる。
【0044】ポジ型の感光性組成物には、上記のo−キ
ノンジアジド化合物とバインダー樹脂の他に、必要に応
じて更に、染料、光酸発生剤、可塑剤、界面活性剤、環
状酸無水物、有機酸類、感脂化剤等の添加剤を加えるこ
とができる。
【0045】次に、ネガ型のPS版の感光性組成物とし
ては、ジアゾ樹脂を含む感光性組成物、光重合性組成
物、あるいは光架橋性感光性組成物等があるが、このう
ちジアゾ樹脂を含む感光性組成物について例を挙げて詳
しく説明する。該ジアゾ樹脂としては、例えばp−ジア
ゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドもしくはアセト
アルデヒドとの縮合物と、ヘキサフルオロリン酸塩、テ
トラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可
溶性ジアゾ樹脂無機塩、又は前記縮合物とスルホン酸
類、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシル基含有化合物、
例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−メ
トキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスル
ホン酸又はその塩の反応生成物である有機溶媒可溶性ジ
アゾ樹脂有機塩等が挙げられる。その他のジアゾ樹脂と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸
基及びヒドロキシル基のうち少なくとも一つの有機基を
有する芳香族化合物と芳香族ジアゾニウム化合物とを構
造単位として含む共縮合物と、上記無機あるいは有機化
合物との塩類が挙げられる。
【0046】これらのジアゾ樹脂塩は、アルカリ可溶性
樹脂をバインダー樹脂として併用することが好ましい。
このようなバインダー樹脂として、例えば、特開昭50
−118802号あるいは特開昭54−88403号に
記載されているような脂肪族性水酸基を有する単量体と
他の単量体との共重合体、特開昭54−98614号に
記載されているような芳香族水酸基を有する単量体と他
の単量体との共重合体、p−イソプロペニルフェノール
と他の単量体との共重合体、N−(p−ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド共重合体、あるいはカルボキシル基及
び/又はヒドロキシル基を有するポリウレタン樹脂等を
挙げることができる。
【0047】また、ジアゾ樹脂塩を含む感光性組成物に
は、上記の素材の他、必要に応じて更に染料、光酸発生
剤、可塑剤、界面活性剤、環状酸無水物、有機酸類、感
脂化剤、保存安定剤、マット剤等の添加剤を加えること
ができる。
【0048】かくして得られたPS版は、透明原画を通
して、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ケミカルランプ、アルゴンレーザ
ー、ヘリウム・カドミウムレーザー、赤外レーザー、半
導体レーザーなどを光源とする活性光線により露光され
た後、現像処理される。かかるPS版の現像液及び補充
液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使
用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アルカリ金属ケイ酸塩、オクタン酸ナトリウム、ア
ルキルアミン類及びテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイドなどが使用できる。これらのアルカリ剤は単
独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0049】現像液及び補充液には、現像性の促進や抑
制、現像カスの分散の目的で、必要に応じて種々の界面
活性剤や有機溶剤、さらに還元剤等を添加することがで
きる。このように現像処理されたPS版は、水洗水、界
面活性剤、酸類などを含むリンス液、アラビアガムや澱
粉誘導体あるいはデキストリンを含む不感脂化液等で後
処理される。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定するものではない。 実施例1〜3、比較例1〜3 厚さ0.24mmのアルミニウム板の両面をよく脱脂し
たのち、ナイロンブラシとパーミストンの水懸濁液を用
いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。1
5重量%水酸化ナトリウムに80℃で10秒間浸漬して
エッチングした後、流水で水洗後、1N塩酸浴中で20
0クーロン/dm2 で電解粗面化処理を行った。ひきつ
づいて水洗した後、15重量%水酸化ナトリウム水溶液
で表面を再度エッチングし、水洗を行った後、20重量
%の硫酸水溶液に浸漬して、デスマットした。次いで、
15%硫酸水溶液中で表面に2.0g/m2 の陽極酸化
皮膜を設ける処理を行い、水洗の後、以下の各処理を行
った。 実施例1:50℃の2重量%フッ化ナトリウム溶液中に
15秒間浸漬し、次いで90℃の熱湯中10秒間浸漬し
た後、40℃の温風で乾燥した。 実施例2:50℃の2重量%フッ化ナトリウム溶液中に
15秒間浸漬し、次いで水洗した後、100℃の熱風を
10秒間かけて乾燥した。 実施例3:50℃の2重量%フッ化ナトリウム溶液中に
15秒間浸漬し、次いで90℃の熱湯中10秒間浸漬し
た後、100℃の熱風を10秒間かけて乾燥した。 比較例1:50℃の2重量%フッ化ナトリウム溶液中に
15秒間浸漬し、次いで水洗した後、40℃の温風で乾
燥した。 比較例2:水洗後、100℃の熱風で乾燥した。 比較例3:水洗後、40℃の温風で乾燥した。 なお、実施例1〜3におけるアルミ表面上の粒状物の形
状は、平均粒径0.12μmで、生成量は0.18g/
2 であった。
【0051】このように処理した各例のアルミニウム板
に下記組成の感光液(1)を乾燥後の塗布重量が2.0
g/m2 となるように塗布して感光層を設けた。 感光液(1) ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライトと2,3,4− トリヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化物 2.5g m−クレゾール・ホルムアルデヒドノボラック樹脂 6.0g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロライド 0.1g オイルブルー613 0.2g メチルセロソルブ 50g プロピレングリコールモノメチルエーテル 50g このようにして得られた各6種の感光性平版印刷版(P
S版)に、原稿フイルム及びステップタブレットを真空
密着した後、3KWのメタルハライドランプを用いて距
離1mより50秒露光した。
【0052】次に、下記組成を有する25℃の現像液に
20秒間浸漬して画像を形成した。 組成 JIS3号ケイ酸ナトリウム 25g 水酸化カリウム 15g 両性界面活性剤 1g 水 1kg
【0053】このように現像した後、ステップタブレッ
トのクリヤー段数及びベタ段数より階調コントラストを
評価し、水洗の後、ガム引きして不感脂化処理を行い、
次いで、常法の手段で印刷した。このときの印刷中の非
画像部の地汚れや印刷再開時汚れ(一時停止した印刷を
再開させた時に発生する微点状の汚れ。酸化汚れとも言
う。)及び印刷版としての耐刷力の評価を行った。さら
に各基板の感光性平版印刷版を上記現像液にて5m2
リットル現像した疲労現像液にて現像した版での消去跡汚れ
を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】上記評価の基準は、以下の方法により評価
した。階調コントラストの評価 各印刷版での現像されたステップタブレットのクリヤー
段数及びベタ段数を読み取る。このベタ段数値とクリヤ
ー段数値の差(階調差)が狭いほど階調コントラストが
良いことを示す。
【0056】地汚れの評価 各印刷版を使用して、約2万部刷った後、ブランケット
上の非画像部に当たる部分の汚れ具合及び印刷紙面上の
汚れについて目視で観察する。 O:ブランケット及び印刷紙面上に汚れが全く見られな
い。 △:ブランケット面はうす黒く汚れるが、印刷紙面上に
は汚れが目立たない。 ×:ブランケット面が黒く汚れ、印刷紙面上にも微点状
の汚れが見られる。
【0057】酸化汚れ(印刷再開時の汚れ) 各印刷版を使用して、約15,000部刷った後、いっ
たん印刷機を停止し、1時間放置した後、印刷を再開し
た時に、印刷物に生じた微点状の汚れを観察し、その汚
れの個数で酸化汚れを評価する。
【0058】消去跡汚れ 疲労現像液にて現像された各基板よりなる印刷版の画像
部及び非画像部に市販のPS消去液(RP−1S:富士
写真フイルム社製)を筆で塗り付け、水洗後、インキン
グして消去によるフリンジ汚れや消去部の汚れを確認し
た。 ○:消去跡も見えず、汚れもない。 △:消去跡は確認できるが、インキは着肉しない。 ×:消去跡が確認でき、インキが着肉して汚れになる。
【0059】耐刷力の評価 画像ベタ部がかすれてきて、インキ着肉が悪くなり、印
刷物上の濃度に異常が現れるまでの刷り枚数を調べた。
【0060】実施例4、比較例4〜5 実施例1と同様にアルミニウム板を粗面化処理した後、
陽極酸化処理を行い、水洗の後、以下の処理をおこなっ
た。 実施例4:60℃の2重量%フッ化カリウムと15重量
%燐酸二水素ナトリウムの混合溶液中に10秒間浸漬
し、次いで80℃の熱湯中5秒間浸漬した後、水洗し、
次いで、10重量%ケイ酸ナトリウム溶液を用いて、7
0℃、20秒間浸漬処理を行い、水洗した後、40℃の
温風で乾燥した。 比較例4:60℃の2重量%フッ化カリウムと15重量
%燐酸二水素ナトリウムの混合溶液中に10秒間浸漬
し、水洗の後、10重量%ケイ酸ナトリウム溶液を用い
て、70℃、20秒間浸漬処理を行い、水洗した後、4
0℃の温風で乾燥した。 比較例5:10重量%ケイ酸ナトリウム溶液を用いて、
70℃、20秒間浸漬処理を行い、水洗した後、40℃
の温風で乾燥した。 なお、実施例4におけるアルミニウム表面上の粒状物の
形状は、平均粒径0.20μmで、生成量は0.28g
/m2 であった。
【0061】このように処理したアルミニウム板に下記
組成の感光液(2)を乾燥後の塗布重量が1.8g/m
2 となるように塗布して感光層を設けた。 感光液(2) 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート /2−ヒドロキシ エチルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート/アクリロニトリ ル=30/20/ 5/20/25重量比の共重合体: 30g 4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物の2−メトキシ−4 −ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸塩: 3g ビクトリアピュアーブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製) 1g シュウ酸 0.3g メチルセロソルブ 100g N,N’−ジメチルホルムアミド 10g
【0062】このようにして作られた感光性平版印刷版
を、ネガフィルム及びステップタブレットの下で3KW
のメタルハライドランプを用いて距離1mより50秒露
光した。
【0063】次に、下記組成を有する25℃の現像液に
20秒間浸漬して画像を形成した。 組成 ケイ酸カリウム 10g フェニルグリコール 40g イソプロピルナフタレンスルホン酸カリウム 5g 亜硫酸カリウム 2g 水 900g
【0064】このように現像した後、ステップタブレッ
トのベタ段数及びクリヤー段数より階調コントラストを
評価し、水洗の後、ガム引きして不感脂化処理を行い、
次いで、常法の手段で印刷した。このときの非画像部の
地汚れや酸化汚れ及び耐刷力の評価を行った。その結果
を表2に示す。なお、評価基準は表1と同じである。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持
体を用いた感光性印刷版は、印刷部数が増加した場合に
おいても、画像の階調コントラストが良く、印刷中にお
いては非画像部の地汚れや印刷再開時汚れ(酸化汚れ)
もなく、耐刷力に優れ、また消去跡も認められず、その
周辺部も汚れない等の優れた版となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理を施す前の陽極酸化皮膜を有
するアルミニウム支持体の表面を示す電子顕微鏡写真で
ある。
【図2】本発明の表面処理を施した後のアルミニウム支
持体の表面を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江坂 照男 埼玉県蕨市中央2丁目6番4号 岡本化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA04 AA12 AB03 DA20 DA36 2H096 CA03 2H114 AA04 AA14 DA04 DA06 GA03 GA04 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理及び陽極酸化処理されたアル
    ミニウム支持体の表面に、平均粒径5μm以下の粒状の
    生成物を設けた後、熱湯及び/又は熱風で処理すること
    を特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 粗面化処理及び陽極酸化処理されたアル
    ミニウム支持体の表面に、平均粒径5μm以下の粒状の
    生成物を設けるための処理液が金属フッ化物を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用アルミ
    ニウム支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の製造方法
    によって得られた平版印刷版用アルミニウム支持体に感
    光層を塗設することを特徴とする感光性平版印刷版の製
    造方法。
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