JP2003001237A - 有機系環境汚染物質の分解処理方法 - Google Patents

有機系環境汚染物質の分解処理方法

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JP2003001237A
JP2003001237A JP2001192845A JP2001192845A JP2003001237A JP 2003001237 A JP2003001237 A JP 2003001237A JP 2001192845 A JP2001192845 A JP 2001192845A JP 2001192845 A JP2001192845 A JP 2001192845A JP 2003001237 A JP2003001237 A JP 2003001237A
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Ikuo Kono
郁夫 河野
Hiroshi Uchida
弘 内田
Makoto Nogami
誠 野上
Naohiro Kamimura
直洋 上村
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Kansai Environmental Engineering Center Co Ltd
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Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類その他の有機系環境汚染物質
の分解処理効率を向上させ、短時間で効率よく有機系環
境汚染物質の分解処理を行なうことである。 【解決手段】 オゾンガスに霧状化した過酸化水素水を
混合し、この気液混合系に対し、紫外線もしくは超音波
または両者併用して照射することによってヒドロキシラ
ジカルを含有する酸化分解性ガスを調製し、この酸化分
解性ガスと有機系環境汚染物質を含有する水または土壌
とを容器内で超音波を照射しながら攪拌混合することか
らなる有機系環境汚染物質の分解処理方法とする。酸化
分解性ガスは、ダイオキシン類などの有機系環境汚染物
質またはこれを含有する土壌などの媒質が粒子状固形物
であってもよく混ざり合い、しかも酸化力が大きいHO
ラジカルを多量に含有しているので、効率よく有機系環
境汚染物質を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水系や土壌など
に含有されているダイオキシン類、PCB、テトラクロ
ロエチレン、その他の環境ホルモンなどの有機系環境汚
染物質の分解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオ
キシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCD
F)およびコプラナーPCBをまとめて「ダイオキシン
類」と称しており、これらはきわめて強い毒性を有し、
外因性内分泌攪乱物質でもあることが知られている。
【0003】そして、これらのダイオキシン類は、塩素
原子を含有するプラスチックの廃材を燃焼処理した際に
発生し、水に溶け難く熱に強い性質、および微生物にも
簡単に分解され難い性質を有するため、例えば焼却場周
辺の土壌、その他のヒトの生活環境周辺を汚染し、次第
にその量が蓄積されてきた。
【0004】近年、このように蓄積された環境中のダイ
オキシン類、PCB、テトラクロロエチレン、その他の
環境ホルモンなどの有機系環境汚染物質に対し、これを
分解して無害化する処理を速かに行なう必要性のあるこ
とが明らかになった。
【0005】ところで、工業技術会発行の刊行物である
「ダイオキシン汚染問題解決の展望」の第4章第6節
「紫外線、オゾン及び微生物などによるダイオキシンの
分解の現状」によると、2,3,7,8−テトラクロロ
ジベンゾジオキシンを水と四塩化炭素に懸濁させてオゾ
ンを注入する方法により、50時間後に97%のダイオ
キシンが分解されたという研究結果が報告されている。
【0006】オゾンは、分子式O3で表わされる酸素の
同素体であって、通常の空気にも希薄な濃度で混じって
おり、酸化還元電位(酸化条件下)が2.07eVという
酸化力があり、また標準生成自由エネルギーが高く、全
ての温度で酸素へ分解する物性を示すものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
にオゾンを利用した従来のダイオキシンの分解処理方法
では、50時間という長時間を要するという問題点があ
る。
【0008】また、上記した従来方法では、ダイオキシ
ンが比較的分解しやすい水溶液中でのダイオキシンの処
理方法が開示されているだけであり、塊状または粒状の
土壌などの粒子状固形物に混入したダイオキシン類を分
解処理する場合には、さらに処理効率が低下するものと
考えられる。
【0009】そこで、本願の発明の課題は、上記した問
題点を解決して、ダイオキシン類その他の有機系環境汚
染物質の分解処理効率を向上させ、短時間で効率よく有
機系環境汚染物質の分解処理を行なうことである。
【0010】また、この発明の他の課題としては、土壌
などの粒子状固形物に混入しているダイオキシン類その
他の有機系環境汚染物質を分解処理する場合にも、短時
間で効率よく分解処理を行なえる方法とすることであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、オゾンガスに霧状化した過酸化水素水を混合し、こ
の気液混合系に対し、紫外線もしくは超音波または両者
併用して照射することによってヒドロキシラジカルを含
有する酸化分解性ガスを調製し、この酸化分解性ガスと
有機系環境汚染物質とを攪拌混合することからなる有機
系環境汚染物質の分解処理方法としたのである。
【0012】霧状化して微粒子の過酸化水素水に溶け込
んだオゾンに対して紫外線を照射すると、以下のような
水に係るオゾン酸化反応により、HOラジカル(・O
H)が生成する。
【0013】以下のは、オゾンから直接にHOラジ
カルが生成する反応を示し、、は、オゾンから過酸
化水素の生成を経由してHOラジカルが生成する反応を
示している。 O3→O2+O(1D) O(1D)+H2O→2・OH O3+H2O→O2+H22 22→2・OH
【0014】また、過酸化水素共存下でのオゾン酸化に
より、反応が起こり、・OH(ヒドロキシラジカル)
が生成される。この反応をより多段階に分けてみると、
第1段階としては、(a)式に示されるような過酸化水
素の解離が必要であり、次いでこの反応で生成したHO
2 -が(b)に示されるようにオゾンと反応し、・OHが
生成される。 O3+H22→・OH+HO2+O222=HO2 -+H+ (a) O3+HO2 -→・OH+O2−+O2 (b)
【0015】上記の製造方法は、オゾンガスと霧状の過
酸化水素水を混合した気液混合系であるから、両物質の
接触面積が広く、接触効率が高くなる。そのため、紫外
線もしくは超音波または両者併用したエネルギー波を吸
収したオゾンが分解し、このとき生成した酸素原子が、
効率よく過酸化水素水と反応し、多量のHOラジカルを
発生させる。
【0016】また、上記の方法において、紫外線に代え
てまたは紫外線と共に超音波を照射してもよい。超音波
を照射する場合は、水溶液中にキャビテーションが起こ
るように、または土壌などの水分を含んだ粒子状の媒質
からなる塊が超音波振動によってひび割れ(クラック)
が生じ、さらには破壊されてより細かな粒子になるよう
にする。
【0017】このように超音波を照射すると、水中に生
成した微小な空洞(キャビティ)が崩壊するときに、液
体分子が極めて大きな加速度で衝突して局所的に超高温
高圧の状態が衝撃的に発生する。このため、オゾンの自
己分解や水中遊離基の活性が増大し、HOラジカルや過
酸化水素が生成されやすくなる。
【0018】これらの方法を総合して、オゾンガスに霧
状化した過酸化水素水を混合し、この気液混合系に紫外
線および超音波を照射することによって、多量のHOラ
ジカルを発生させた酸化分解性ガス(活性オゾンとも称
される。)を調製することが好ましい。
【0019】そして、本願の発明では、上述のようにし
て得られた酸化分解性ガス(活性オゾン)とダイオキシ
ン類などの有機系環境汚染物質とを攪拌混合することに
より、所要時間の接触反応をさせて有機系環境汚染物質
を短時間で分解処理する。
【0020】酸化分解性ガスは、気体であるがゆえに、
有機系環境汚染物質またはこれを含有する土壌などの粒
子状固形物質が固体であってもよく混ざり合って接触
し、しかも酸化力が大きいHOラジカルを多量に含有し
ているので、ダイオキシン類などの有機系環境汚染物質
は脱塩素化され、または炭素同士の多重結合などの基本
分子構造が壊れるまで分解すると考えられる。
【0021】また、土壌などの水分を含んだ粒状の媒質
は、粒子同士が付着しあって塊を形成しやすいが、この
ような土塊内部に存するダイオキシン類は、酸化分解性
ガスと接触する機会が少なく、そのために酸化分解が起
こり難くなっている。
【0022】そこで、前記攪拌混合が、超音波を照射し
ながら行なう攪拌混合である手段を採用することによ
り、土壌などの水分を含んだ粒子状の媒質からなる塊が
超音波振動によって破壊されてより細かな粒子になり、
または照射された超音波の振動によって塊にひび割れが
生じて有機系環境汚染物質と酸化分解性ガスとの接触効
率が向上する。
【0023】また、有機系環境汚染物質の分解処理方法
において、酸化分解性ガスと、有機系環境汚染物質を含
有する粒子状固形物とを容器内で攪拌混合する際に、炭
酸水素ナトリウムを添加して攪拌混合する手段を採用す
ることにより、脱塩素化の反応が促進されるため、その
分だけ有機系環境汚染物質の分解効率が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に用いる有機物
の酸化分解性ガスの製造装置を添付図面に基づいて説明
する。
【0025】図1に示す装置は、オゾンガスに霧状化し
た過酸化水素水を混合し、この気液混合系に紫外線を照
射してガス中にヒドロキシラジカルを生成する有機物の
酸化分解性ガスの製造方法に用いる装置である。
【0026】すなわち、この装置は、酸素ボンベ1から
原料の酸素を減圧弁2を介してオゾナイザー3に供給
し、このオゾナイザー3で生成したオゾンガスが、管4
を介して噴霧器5に送られるようにしている。噴霧器5
の容器6には所定濃度の過酸化水素水7を入れ、これを
噴霧器5の管で吸い上げると共にその先端のノズルから
噴霧して過酸化水素水の微粒子含有のオゾンガス(気液
混合系ガス)をガラス管製の反応容器8内に導入する。
そして、気液混合系ガスを導入した反応容器8に接近さ
せて紫外線電球9を設けて紫外線を照射し、紫外線照射
後の気液混合系ガスを分解処理容器10に導入し、分解
処理容器10には被処理用物質を導入する管11を逆止
弁12を介して接合すると共に、処理後に残留するオゾ
ンを除去するためのオゾン分解器13(活性炭やマンガ
ン系の触媒を充填したもの)を経由したガスを大気に放
出するようにした有機物の酸化分解性ガスの製造および
処理装置である。
【0027】この発明で処理の対象とする有機系環境汚
染物質は、水、空気、または土壌を汚染する環境汚染物
質のうち、無機物を除く全てのものをいい、例えば水系
や土壌などに含有されているダイオキシン類、PCB、
テトラクロロエチレン、その他の環境ホルモンなどの有
機系環境汚染物質である。有機系環境汚染物質は、分子
構造に塩素を有し、炭素の多重(2重または3重)結合
を含む場合が多い。
【0028】この発明に用いる過酸化水素水は、特にそ
の濃度を限定して使用するものではないが、HOラジカ
ルの生成反応経路からみて所定濃度の水溶液であること
が好ましい。高濃度な過酸化水素水は、HOラジカルを
消滅させる反応を起こす場合がある。実施形態では、1
0重量%濃度の過酸化水素水溶液を用いて好ましい結果
を得ており、好ましい過酸化水素水の濃度範囲を例示す
れば1〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重
量%である。
【0029】過酸化水素水を噴霧するには、周知の噴霧
装置を用いて過酸化水素水をオゾン含有の気流中に吸い
上げ、ノズルから微細粒として噴霧分散させる方式と、
超音波振動を利用して過酸化水素水を微細粒とし、これ
をオゾン含有の雰囲気中に分散させる方式などがあり、
いずれの方式でも採用することができる。
【0030】この発明に用いる紫外線は、オゾンが吸収
する波長の光のうち、通常、紫外域とされる波長220
〜300nmの波長域の紫外線を含むものであれば良
い。因みに、オゾンの紫外吸収スペクトルからみて、吸
収ピークは255nm付近である。また、真空紫外線と
呼ばれる波長200nm以下の紫外線は、直接水分子を
分解してHOラジカルを生成する性質を有する。そのた
め、このような真空紫外線を含む紫外線を採用すること
も好ましいことである。低圧水銀ランプ(VUVラン
プ)は、主波長に185nm(真空紫外線)と254n
m(近紫外線)をもち、この発明に好適な紫外線が得ら
れる。
【0031】このようにして得られた酸化分解性ガスを
用いてダイオキシン類などの有機系環境汚染物質を分解
するには、適当な容器に入れて攪拌混合することによ
り、接触反応させて有機系環境汚染物質を分解処理す
る。
【0032】有機系環境汚染物質と酸化分解性ガスを超
音波を照射しながら攪拌混合する場合には、前述のよう
にキャビテーションの発生もしくは土壌などの塊にひび
割れを起こさせ、または粒子にまで破壊するために、超
音波の振動数を20〜100kHz程度とすることが好
ましく、または20〜40kHzの超音波を採用するこ
とがより好ましい。
【0033】
【実施例】〔実施例1〕図1に示した製造装置を用い
て、以下の条件で有機物の酸化分解性ガスを製造した。
【0034】すなわち、オゾナイザー(スイス国オゾニ
ア社製)3で生成したオゾン濃度141g/m3 のオゾ
ンガスを噴霧器5に供給し、容器6には10重量%濃度
の過酸化水素水を100ミリリットル収容し、この過酸
化水素水を15リットル/分のオゾンガスで噴霧しなが
らガラス管(長さ30cm)からなる反応容器8に一端
から導入すると共に、この気液混合系に対して紫外線電
球9(波長254nm、15ワット、東芝社製ブラック
ライト)で紫外線を照射し、HOラジカルを生成するこ
とによって有機物の酸化分解性ガスを製造した。
【0035】得られた酸化分解性ガスのダイオキシンの
分解性能を以下の実験で確認した。
【0036】すなわち、5リットル容のポリエチレン製
袋にダイオキシンに汚染された土壌サンプル(ダイオキ
シン濃度97pg−TeQ/g)30gを入れ、同袋内
に前記方法で得られた酸化分解性ガス3.5リットルを
入れて常温で1時間振とう攪拌し、処理の前後でダイオ
キシン濃度を計測した。この結果を表1に示した。
【0037】〔比較例1〕実施例1において、酸化分解
性ガスに代えてオゾン141gを含む空気(オゾンガ
ス)を用いたこと以外は全く同様にして、同じ汚染土壌
のサンプルを処理した。処理の前後でサンプルのダイオ
キシン濃度を計測し、結果を表1中に併記した。
【0038】〔実施例2、比較例2〕実施例1または比
較例1において、それぞれ実験時の振とう攪拌を、炭酸
水素ナトリウム(NaHCO3)5gを添加して行なっ
たこと以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプルをそ
れぞれ処理した。処理の前後でサンプルのダイオキシン
濃度を計測し、実施例2または比較例2の結果を表1中
に併記した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果からも明らかなように、通常の
オゾンガス(比較例1)では、充分に分解できない有機
物の有害汚染物質であるダイオキシン類に対して、酸化
分解性ガスを用いた実施例1の処理では、1時間という
短時間で分解率が約20%高く、効率よく酸化分解して
いると認められた。
【0041】また、実施例2のように炭酸水素ナトリウ
ムを添加して振とう攪拌することにより、これを添加し
なかった実施例1の処理方法に比べて、ダイオキシン類
の分解率が14%高く、添加の有用性が認められる。さ
らにまた、実施例2と比較例2とを比較すると、通常の
オゾンガスを添加した比較例2の処理方法に比べて、活
性オゾンを使用した実施例2の処理ではダイオキシン類
の分解率が36%高く、活性オゾン添加の有用性も認め
られた。
【0042】次に、所定の酸化分解性ガスの存在下で超
音波を照射しながら攪拌混合した実施例およびその他の
条件で攪拌混合する比較例について説明する。
【0043】〔実施例3〕実施例1に用いた酸化分解性
ガスを用い、5リットル容のポリエチレン製袋にダイオ
キシンに汚染された土壌サンプル(ダイオキシン濃度9
7pg−TeQ/g)30gを入れ、同袋内に前記得ら
れた酸化分解性ガス3.5リットルを入れて常温で30
分、28KHzの超音波照射の下に振とう攪拌し、処理
の前後でダイオキシン濃度を調べた。
【0044】〔実施例4〕実施例3において、振とう攪
拌を、炭酸水素ナトリウム5gを添加して行なったこと
以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプルをそれぞれ
処理した。処理の前後でサンプルのダイオキシン濃度を
調べた。
【0045】〔比較例3〕実施例4において、酸化分解
性ガスに代えてオゾン濃度141g/m3のオゾンガス
を用いたこと以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプ
ルを処理した。処理の前後でサンプルのダイオキシン濃
度を調べた。
【0046】〔比較例4〕実施例3において、酸化分解
性ガスに代えてオゾン濃度141g/m3のオゾンガス
を用いたこと以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプ
ルを処理した。処理の前後でサンプルのダイオキシン濃
度を調べた。
【0047】〔実施例5〕実施例4において、炭酸水素
ナトリウムに代えて酸化カルシウム(CaO)5gを用
いたこと以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプルを
処理した。処理の前後でサンプルのダイオキシン濃度を
調べた。
【0048】以上のようにして実施例と比較例のダイオ
キシン濃度を比較してみたところ、所定の酸化分解性ガ
ス(活性オゾン)の存在下で超音波を照射しながら攪拌
混合した実施例3、4は、超音波を使用せずに分解処理
した実施例1に比べて分解率が高かった。
【0049】また、攪拌混合時に炭酸水素ナトリウムを
添加した実施例4および炭酸水素ナトリウムに代えて酸
化カルシウムを添加した実施例5は、実施例3に比べて
さらに分解率が改善された。
【0050】〔実施例6〕実施例1に用いた酸化分解性
ガスを用い、5リットル容のポリエチレン製袋にテトラ
クロロエチレンに汚染された土壌サンプル30gを入
れ、同袋内に前記得られた酸化分解性ガス3.5リット
ルを入れて常温で30分、28KHzの超音波照射の下
に振とう攪拌し、処理の前後におけるテトラクロロエチ
レン濃度を調べた。
【0051】〔比較例5〕実施例5において、酸化分解
性ガスに代えてオゾン濃度141g/m3のオゾンガス
を用いたこと以外は、全く同様にしてテトラクロロエチ
レンに汚染された土壌のサンプルを処理した。この処理
の前後でサンプルのテトラクロロエチレン濃度を調べ
た。
【0052】〔実施例7〕実施例6において、炭酸水素
ナトリウム5gを用いたこと以外は、全く同様にして汚
染土壌のサンプルを処理した。処理の前後でサンプルの
テトラクロロエチレン濃度を調べた。
【0053】〔実施例8〕実施例7において、炭酸水素
ナトリウムに代えて酸化カルシウム(CaO)5gを用
いたこと以外は、全く同様にして汚染土壌のサンプルを
処理した。処理の前後でサンプルのテトラクロロエチレ
ン濃度を調べた。
【0054】その結果、所定の酸化分解性ガスの存在下
で超音波を照射しながら攪拌混合した実施例6は、比較
例5に比べて分解率が高かった。また、攪拌混合時に炭
酸水素ナトリウムを添加した実施例7および炭酸水素ナ
トリウムに代えて酸化カルシウムを添加した実施例8
は、比較例5に比べてさらに分解率が改善された。
【0055】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、オゾ
ンガスに霧状化した過酸化水素水を混合し、この気液混
合系に紫外線を照射して有機物の酸化分解性ガスを得
て、これをダイオキシン類などの有機系環境汚染物質と
攪拌混合する有機系環境汚染物質の分解処理方法とした
ので、有機系環境汚染物質の分解処理効率を向上させ、
短時間で効率よく有機系環境汚染物質の分解処理を行な
えるという利点がある。
【0056】また、前記攪拌混合が、超音波を照射しな
がら行なう攪拌混合である有機系環境汚染物質の分解処
理方法とした発明では、塊状または粒状の土壌に混入し
ているダイオキシン類などの有機系環境汚染物質を分解
処理する場合にも、短時間で効率よく分解処理を行なえ
るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の処理方法に用いる酸化分解性ガスの
製造装置の説明図
【符号の説明】
1 酸素ボンベ 2 減圧弁 3 オゾナイザー 4、11 管 5 噴霧器 6 容器 7 過酸化水素水 8 反応容器 9 紫外線電球 10 分解処理容器 12 逆止弁 13 オゾン分解器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/08 C07B 37/06 C02F 1/72 C07D 319/24 C07B 35/06 B09B 3/00 304K 37/06 ZAB C07D 319/24 (72)発明者 内田 弘 大阪市中央区安土町1丁目3番5号 株式 会社関西総合環境センター内 (72)発明者 野上 誠 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内 (72)発明者 上村 直洋 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BB01 BD11 4D004 AA41 AB07 CA15 CA36 CA43 CC11 4D050 AA01 AB12 AB19 BB09 BB20 BC09 BC10 BD03 BD04 4G075 AA02 AA05 BA01 BA04 BA05 CA23 CA33 DA01 EB21 4H006 AA05 AC13 AC26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンガスに霧状化した過酸化水素水を
    混合し、この気液混合系に対し、紫外線もしくは超音波
    または両者併用して照射することによってヒドロキシラ
    ジカルを含有する酸化分解性ガスを調製し、この酸化分
    解性ガスと有機系環境汚染物質とを攪拌混合することか
    らなる有機系環境汚染物質の分解処理方法。
  2. 【請求項2】 前記攪拌混合が、超音波を照射しながら
    行なう攪拌混合である請求項1記載の有機系環境汚染物
    質の分解処理方法。
  3. 【請求項3】 オゾンガスに霧状化した過酸化水素水を
    混合し、この気液混合系に対し、紫外線もしくは超音波
    または両者併用して照射することによってヒドロキシラ
    ジカルを含有する酸化分解性ガスを調製し、この酸化分
    解性ガスと、有機系環境汚染物質を含有する水または粒
    子状固形物とを容器内で攪拌混合することからなる有機
    系環境汚染物質の分解処理方法。
  4. 【請求項4】 酸化分解性ガスと、有機系環境汚染物質
    を含有する粒子状固形物とを容器内で攪拌混合する際
    に、炭酸水素ナトリウムを添加して攪拌混合する請求項
    3記載の有機系環境汚染物質の分解処理方法。
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