JP2002544139A - 水性二相抽出を用いるタンパク質を精製するための方法 - Google Patents

水性二相抽出を用いるタンパク質を精製するための方法

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Abstract

(57)【要約】 生物学的起源からヒト成長ホルモン、成長ホルモン・アンタゴニストあるいはいずれかのホモログを単離するための方法を本発明において提供する。本発明の方法は、多相抽出を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の分野 本発明は、二相液−液抽出法を用いるタンパク質の精製方法に関する。特に、
本発明の方法はヒト成長ホルモン、ヒト成長ホルモンアンタゴニストおよびそれ
らのホモログの精製に有用である。
【0002】 2.発明の背景 タンパク質は代謝、遺伝子発現、シグナル変換、細胞および細胞外構造等のよ
うな現象で非常に重要な役割を演じる生きた生物の成分である。多くのタンパク
質は治療または診断適用に有用である;しかしながら、それらを治療または診断
で利用するには、純粋な形態で、すなわち、治療または診断目的を害し、潜在的
に患者の健康を危険なものとし得る汚染物なくして注目するタンパク質を調製す
る必要がある。
【0003】 タンパク質の精製は、特に、典型的には、非常に多数の患者での治療または診
断に必要とされるように、大規模な精製が求められる場合に長い間試みられてき
た。しかしながら、小規模なまたは中程度の規模のタンパク質の精製が望まれる
場合でさえ、十分に純粋な形態でかつ高収率で注目するタンパク質を供給しつつ
、実行するのが速くて容易な手法が非常に望ましい。
【0004】 ヒト成長ホルモン(「hGH」)およびhGHに対するアンタゴニスト、すな
わち、成長ホルモンアンタゴニスト(「GHA」)は、種々の治療適用に有用な
タンパク質の例である。hGHは、疾患が遺伝的欠陥、損傷または下垂体切除に
よって引き起こされたかを問わず、下垂体機能低下小人症および低レベルのhG
H生産に由来する全ての疾患の治療に用いられてきた。また、hGHは火傷の犠
牲者および他の入院患者の回復を向上させることが示されている。GHAは、他
方、先端巨大症、すなわち、hGHの過剰生産によって引き起こされる巨人症の
形態を治療するのに用いられてきた。GHAの他の可能な医学的適応症は糖尿病
患者における網膜症の予防および成長ホルモンに結合する腫瘍過剰発現受容体を
持つ癌患者の治療である(Clarkら、1996,WO97/11178)。
【0005】 hGHのアミノ酸配列は高度に保存されているものの、通常の家畜動物からの
GH分子はヒトでは働かない。高等霊長類の腺から抽出されたタンパク質のみが
ヒトで機能する。その結果、hGHは、元来、死体から回収された下垂体から精
製されてきた。一般的な精製方法は、温和なアルカリ性条件下での(Jonesら,1
979,J.Endocrinology 82:77-86)または熱氷酢酸での組織からの抽出、続い
てのpHによる一連の分画、硫酸アンモニウム、エタノール沈殿またはポリエチ
レングリコール沈殿(Nordisk Insulinlab,1978,BE
857327)および少数のクロマトグラフィー工程を含むものであった。また
、それは免疫アフィニティークロマトグラフィーによる粗製下垂抽出物から精製
されてきた(Jonsdottirら,1986,Mol. Cell. En
docrinol. 46:131−135)。
【0006】 しかしながら、下垂体由来のhGHは、最近、ある数のクロイツフェルトヤコ
ープ病の症例と関連付けられており、市場から排除されてきた。この種の問題を
回避するために、hGHは異なる系で発現させなければならなかった。初期には
、それは、疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて、トランスフォームした
サル腎臓細胞培養の上清から単離された(Lefortら,1986,J. C
hromatogr. 361:209−216)。hGHはグリコシル化を受
けず、従って、有利には、細菌で組換え産物として発現させることができる。事
実、hGHはBacillus subtilis(Franchiら,199
1,J. Biotechnol. 18:41−54)およびEscheri
cia coliで発現されてきた。発現されたタンパク質の状態に応じて、い
くつかの抽出方法が用いられてきた。封入体の形態で生産されたhGHは、塩酸
グアニジン(Mukhijaら,1995,Gene 165:303−306
)または尿素のごとき高濃度のカオトロピック剤への可溶化によって抽出された
。再折畳に続き、次いで、タンパク質は選択的pH沈殿によって(Storrs
ら,1990,EP445099)、あるいはクロマトグラフィーカラムに直接
負荷することによって分離された。可溶性形態で発現されたhGHは、アニオン
交換によってE. coliのペリプラズム画分から(Beckerら,198
6,FEBS Lett. 204:145−150)、または免疫アフィニテ
ィークロマトグラフィー(Jonsdottirら,1986,前掲)およびイ
オン交換クロマトグラフィー(Ettoriら,1992,J. Biotec
hnol. 25:307−318)によって粗製細胞ライゼートから精製され
てきた。
【0007】 タンパク質を細胞夾雑物から分離するのにまたはタンパク質を相互に分離する
のに水性二相分配が使用されてきた。液−液抽出は、水溶液中の2のポリマーの
間、または1のポリマーおよび高濃度で存在する塩の間の非混和性に依拠する。
この非混和性の結果、非常に異なる組成の2つの別々の相が形成される。その特
徴に応じ、タンパク質分子は1の相または他の相に優先的に分配される(Dia
mondら,1992,Advances in Biochem. Eng.
Biotechn. 47:89−135)。
【0008】 水性二相抽出法はhGHの精製に適用されてきたが、そのような手法はhGH
を変性するカオトロピック剤を常に含むものであった(Builderら,米国
特許第5,407,810号;第5,695,958号;第5,723,310
号)。しかしながら、例えば、hGHタンパク質を変性させる尿素、グアニジン
塩またはチオシアン酸塩のようなカオトロピック剤の使用は、特に、大規模な精
製方法を用いる場合に重大な不利を有する。例えば、そのようなカオトロピック
剤は、特に、カオトロピック剤は純粋な形態で利用できなければならないのでh
GH精製のコストを上げる。また、一旦hGHタンパク質が変性されれば、それ
は、ほとんどの使用に先立って、特に治療的使用に先立って再び折畳まれなけれ
ばならず、それにより、必要な加工工程を増やし、潜在的に、生物学的に活性な
タンパク質の量を減少させてしまう。
【0009】 二相系でのhGHの分配係数を用い、その精製後であってその治療的使用に先
立ってhGH調製物の純度が分析されてきた。しかしながら、カオトロピック剤
を用いない二相抽出法を用いてhGHまたはGHAが精製されたことはない(H
einsohnら,米国特許第5,139,943号;第5,151,358号
;Lorchら,米国特許第5,328,841号)。 かくして、カオトロピック剤の必要性なくして二相抽出を用いてhGHおよび
GHAを単離する単純で迅速かつコスト的に有効な方法が非常に望まれる。
【0010】 3.発明の概要 本発明は、hGHおよびGHA、およびいずれかのホモログを精製するための
、カオトロピック剤が使用されない水性二相抽出法に関する。本発明の方法は、
いずれかの源からの組換えhGHおよびGHA、およびいずれかのホモログの精
製で有用である。
【0011】 本発明の第1の態様において、該方法は、hGH、rGHAまたはいずれかの
ホモログの単離のための多相抽出を提供する。本発明の好ましい具体例において
、該多相抽出法は、hGH、rGHAまたはいずれかのホモログの単離のための
二相抽出を提供する。本発明のもう1つの態様において、該抽出法は、hGH、
rGHAまたはいずれかのホモログの単離のための二段階抽出を提供する。その
ような抽出方法はポリエチレングリコール(「PEG」)、デキストラン、フィ
コール、ウコン(Ucon)またはポリ(ビニルメチルエチルエーテル)のごと
き相形成剤を使用し、ここに、該ポリマーの各々は、hGH、rGHAまたはい
ずれかのホモログの単離のために種々の分子量で用いることができる。好ましい
具体例において、分子量2000、4600または8000のPEGが相形成剤
として用いられる。もう1つの具体例において、本発明の実施に有用な相形成剤
は、hGH、rGHAまたはいずれかのホモログの単離のための、硫酸アンモニ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウ
ムである。本発明の1つの態様において、提供される該抽出方法は、hGH、r
GHAまたはいずれかのホモログの単離のためのトリス緩衝液、リン酸緩衝液、
MES緩衝液、HEPES緩衝液、クエン酸緩衝液を用いる。本発明の1の具体
例において、該抽出方法は、精製されるべきタンパク質の源として、いずれかの
細胞、組織または動物、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、グラム陰性菌
、グラム陽性菌、糸状菌、酵母またはトランスジェニック動物、または前記のい
ずれか1つからの抽出物または上清を用いる。好ましい具体例において、イー・
コリ(Eschericia coli)細胞が用いられる。本明細書中で開示される抽出方法
は、カオトロピック剤のごときタンパク質変性剤を用いない。
【0012】 例示的な特別の具体例において、本発明の抽出方法は、hGH、rGHAまた
はいずれかのホモログの単離のために、抽出混合物中容量当たり約6重量%ない
し約15重量%の濃度でPEGを用いる。加えて、該抽出方法は、hGH、rG
HAまたはいずれかのホモログの単離のために、抽出混合物中容量当たり約6重
量%ないし約15重量%の濃度で硫酸アンモニウムを用いる。該抽出方法は、h
GH、rGHAまたはいずれかのホモログの単離のために、約6ないし8のpH
で行われる。
【0013】 本明細書中で開示される抽出方法は、hGH、rGHAまたはいずれかのホモ
ログの単離のために、約10リットル未満の抽出混合物容量で出発して小規模で
行うことができる。また、該抽出方法は、hGH、rGHAまたはいずれかのホ
モログの単離のために、約10リットルを超え約100リットル未満の抽出混合
物容量の中程度の規模でも行うことができる。好ましい具体例において、本発明
の抽出方法は、hGH、rGHAまたはいずれかのホモログの単離のために、約
100リットルを超える抽出混合物容量の大規模で行われる。
【0014】 図1は本発明の抽出方法の概略を示す。示される抽出法はPEGおよび塩の細
胞ライゼートへの添加(上方左側コーナー)で始まり、その結果抽出混合物が得
られる。次いで、該混合物をよく混合し、その軽いトップ相が注目するタンパク
質で豊富な2の液体相が形成されるように遠心する。トップ相を取り出す(上方
右側コーナー)。次いで、所望により、まず40%PEG溶液を残りの重いボト
ム相に添加することによって再抽出工程を行うこともできる(下方右側コーナー
)。添加するPEG溶液の量は、第2の抽出混合物を混合し遠心した後に、第1
の抽出で形成された軽いトップ相に対して容量がほぼ等しい軽いトップ相が形成
されるようなものとする。次いで、第2の抽出混合物を混合し、遠心し、その結
果、重いボトム相と比較して注目するタンパク質が豊富な第2のトップ軽相が得
られる。
【0015】 図2はポリマーおよび塩の混合物についての相図を示す。曲線、実線および破
線は双節曲線である。双節曲線は、相分離が起こる相形成剤濃度のセットを示す
。双節曲線の左側の領域におけるいずれの点も単相系を表す。双節曲線の右側の
いずれの点も二相系を表す。点a、bおよびcを通る直線は連絡線(tie line)
であり、すなわち、タンパク質の分配係数は、混合物の組成が連絡線に沿って変
化するにつれ不変である。該連絡線上の全ての系は同一の二相を生じる(その組
成は連絡線と双節曲線との交点によって記載される)。該相図上方にa、bおよ
びc下で描かれた反応混合物は、系の組成が該連絡線に沿って変化するときの相
容量の例であり、これは相図における連絡線に沿った点a、bおよびcに対応す
る。抽出手法の収率は、回収された目的相の分配係数および容量に依存する。す
なわち、収率は連絡線およびその連絡線上の系の位置に依存する。図3Aは、双
節曲線の位置をどのようにシフトさせることができるかを示す。いくつかの要因
が双節曲線の位置に影響する。PEG−塩系の場合には、PEG鎖の分子量を増
加させると、双節曲線をより低塩濃度の方向に動かす。
【0016】 図3A−3Cは、細胞培養ホモジネート上清のC−4 RP HPLCクロマ
トグラム(図3A)およびpH8.0の8%PEGおよび10%硫酸アンモニウ
ムを用いる引き続いての二相抽出(図3Bおよび図3C)を示す。図3A−Cで
示されるクロマトグラムにおいて、約2分におけるボイドピークは積分しなかっ
た。該ボイドピークは恐らくは、非常に小さなタンパク質および着色物のごとき
発酵産物であるカラムに結合しない物質である。図3Aは、二相抽出のための出
発物質を表すC−4逆相クロマトグラムを示す。これは、固体が遠心除去された
後における発酵ブロス中のホモジナイズされた細胞を表す(ホモジネートからの
上清)。GHAは約15分において観察できる。残りのピークは夾雑タンパク質
である。図3Bは、二相抽出後に得られた5倍希釈のトップ相を表わすクロマト
グラムを示す。313μg/mlの収率は現実には5×313μg/mlまたは
1.565mg GHA/mlである。GHAは約15分において溶出する。純
度はクロマトグラムによって表される。図3Cは、希釈されてないボトム相を表
すクロマトグラムである。濃度は58.8μg/mlである。
【0017】 5.発明の詳細な説明 本発明は、hGHおよび関連する分子を単離する方法に関する。本発明を実施
するための詳細を以下のサブセクションに記載する。
【0018】 5.1 hGHおよびGHAタンパク質 本発明の方法は、hGH、rGHAまたはいずれかのホモログ(特記しない限
り、以下、集合的に「タンパク質」という)の単離に有用である。 hGHタンパク質配列およびその変異型は、米国特許第5,849,535;5
,834,598;5,597,709;4,898,830;4,658,021号に
開示され、それら全ては、出典明示してそれら全体として本明細書の一部とみな
される。rGHAタンパク質配列およびその変異型は、米国特許第5,681,8
09;5,350,836号に開示され、それらの全ては、出典明示してそれら全
体として本明細書の一部とみなされる。
【0019】 「ホモログ」なる語は、本明細書で用いられるとき、hGHまたはrGHAと
同等なポリペプチドをいう。そのような同等ポリペプチドは、例えば、サイレン
ト変化をもたらすhGHまたはrGHAのアミノ酸配列内の付加、欠失または置
換により特徴付けられる。そのようなサイレント変化は、同様の分配特性をおそ
らく有し、したがって、本発明の方法を用いて等しく精製され易いポリペプチド
を生じるであろう。サイレント変化は該ポリペプチドの生物学的活性になんら影
響しないことが好ましい。アミノ酸置換は、関与する残基の極性、荷電、溶解性
、疎水性、親水性、および/または両親媒性における類似性に基づいて作製し得
る。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸は、アラニン、ロイシン、イソロイシン
、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンを含
み;極性中性アミノ酸はグリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン
、アスパラギンおよびグルタミンを含み;正荷電(塩基性)アミノ酸はアルギニ
ン、リシンおよびヒスチジンを含み;および、負荷電(酸性)アミノ酸はアスパ
ラギン酸およびグルタミン酸を含む。
【0020】 本発明の方法を用いるその精製に関して、hGHまたはrGHAと同等である
とポリペプチドを規定する他のパラメータは、該ポリペプチドの総合的疎水性ま
たは親水性、該ポリペプチドのpKa値、そのサイズ、該ポリペプチド中のアミ
ノ酸ドメインの配置、特定アミノ酸のドメイン中へのクラスター形成、hGHま
たはrGHAのいずれかと反応し得る抗体と反応し得るその能力により特徴付け
られるポリペプチドの構造等である。
【0021】 例えば、成熟ヒト成長ホルモンは、適切に折りたたまれたとき2つのジスルフ
ィド結合を有する191個のアミノ酸の単一ポリペプチド鎖である。それは約2
2キロダルトンの分子量および5.3付近の等電点(それは、また、該ポリペプ
チドが最も溶解しなくなるpH値)を有する。
【0022】 5.1.1 hGHおよびGHAタンパク質の起源 hGHおよびGHAは化学合成し得る比較的小さなタンパク質であるが(例え
ば、[Creighton, 1983, Proteins: Structures and Molecular Principles, W.
H. Freeman & Co., N.Y.]を参照せよ)、それらは、遺伝子を発現させるための
当該分野でよく知られた技術を用いる組換えDNA技術により有利に生成するこ
とができる。これらの方法は、例えば、イン・ビトロ組換えDNA技術、合成技
術およびイン・ビボ遺伝子組換えを含む。例えば、[Sambrookら., Molecular C
loning, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yor
k, Vols, 1-3:(1989)]およびその定期的改訂版、および[Ausubelら., eds., 1
989, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates
, Inc., and John Wiley & Sons, Inc., New York]に記載された技術を参照せ
よ。上記ヌクレオチド配列のいずれかをコードするDNAおよびRNAは、例え
ば、合成器を用いて化学合成することができる。例えば、出典明示してその全体
として本明細書の一部とみなされる["Oligonucleotide Synthesis", 1984, Gai
t, M.J. ed., IRL Press, Oxford]に記載された技術を参照せよ。
【0023】 様々な宿主発現ベクター系を使用して、hGHおよびGHAを発現させること
ができる。本発明の目的に用いることができる発現系は、限定されないが、hG
HまたはGHAをコードするヌクレオチド配列を含有する組換えバクテリオファ
ージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換さ
れた細菌(例えば、イー・コリ(E.coli)、バチルス・ズブチリス(B. subtilis
)のごとき微生物;hGHまたはGHAをコードするヌクレオチド配列を含有す
る組換え酵母発現ベクターでトランスフェクトされた酵母(例えば、サッカロミ
セス(Saccharomyces)、ピチア(Pichia));hGHまたはGHAをコードす
るヌクレオチド配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロ
ウイルス)を感染させた昆虫細胞系;hGHおよびGHAをコードするヌクレオ
チド配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイ
クウイルス,CaMV;タバコモザイクウイルス,TMV)を感染させたか、あ
るいは組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)をトランスフ
ェクトさせた植物細胞系;または、哺乳動物細胞のゲノム(例えば、メタロチオ
ネインプロモータ)もしくは哺乳動物ウイルス(例えば、アデノウイルス遅延プ
ロモータ;ワクシニアウイルス7.5Kプロモータ)由来のプロモータを含有す
る組換え発現構築体を含む哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、
293、3T3、U937)を含む。
【0024】 真核生物系において、多数の選択系を用いることができ、それらは、限定され
ないが、ヘルペスシンプレックスウイルス=チミジンキナーゼ[Wiglerら., 1977
, Cell 11:223]、ヒポキサンチン−グアニン=ホスホリボシルトランスフェラー
ゼ[Szybalska & Szybalski, 1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:2026]お
よびアデニン=ホスホリボシルトランスフェラーゼ[Lowyら., 1980, Cell 22:81
7]を含み、遺伝子はそれぞれtk、hprtまたはaprt細胞中で用
い得る。また、抗代謝抵抗性を以下の遺伝子の選択の基礎として用い得る:dh
fr、それはメトトレキセートに対する耐性を与える[Wiglerら., 1980, Natl.
Acad. Sci. USA 77:3567; O'Hareら., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:
1527];gpt、それはミコフェノール酸に対する耐性を与える[Mulligan & B
erg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072];neo、それはアミノグ
リコシドG−418に対する耐性を与える[Colberre-Garapinら., 1981, J. Mo
l. Biol. 150:1];およびhygro、それはハイグロマイシンに対する耐性を
与える[Santerreら., 1984, Gene 30:147]。
【0025】 細菌系において、多数の発現ベクターをhGHおよびGHAタンパク質を意図
した使用に依存して選択することができる。本発明の実施に適する細菌はグラム
陽性およびグラム陰性菌である。好ましい具体例において、該タンパク質はイー
・コリ(E.coli)細菌中で発現され、引続き、本発明の方法を用いて該細胞から
単離される。該タンパク質は、バイオテクノロジーの当業者に知られている発現
系を用いて原核生物細胞中で発現させ得る。本発明の実施に有用な発現系は、米
国特許第5,7957,745;5,714,346;5,637,495;5,49
6,713;5,334,531;4,634,677;4,604,359;4,60
1,980号に記載され、それらの全ては出典明示してそれら全体として本明細
書の一部とみなされる。
【0026】 原核生物細胞は、当業者に知られている様々な条件下で増殖させ得る。本発明
の1の態様において、該細胞は、そのような細胞の増殖に適した培地、例えば、
最少培地または完全(すなわち、富化)培地中で増殖させる。該細胞を増殖させ
るのに用いる培地は、該タンパク質もしくはポリペプチドの分配、または本発明
の抽出方法の間の相形成を妨害するほど高い濃度の塩または他の化学物質、例え
ば、尿素を含有してはならない。
【0027】 hGHまたはGHAはトランスジェニック動物中でも発現させることができる
。限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、マイクロピッ
グ、ヤギ、非ヒト霊長類、例えば、ヒヒ、サル、およびチンパンジーを含む動物
のいずれの種を用いても、hGH、GHAまたはホモログをコードするトランス
遺伝子を発現するトランスジェニック動物を生成することができる。
【0028】 5.2 水性二相抽出精製 本発明の方法は、例えば、細胞抽出物のような、不純物に富んでいるであろう
粗混合物からのhGH、GHAまたはホモログの精製に有用である。該タンパク
質を発現する細胞は、種々の方法により精製手法前に調製し得る。例えば、凍結
死滅細胞のペーストを調製するか、あるいは、凍結される生存細胞を用いること
ができる。あるいは、生きた細胞を抽出手法に直接使用し得る。
【0029】 本発明の方法は、hGHおよびGHAの精製のための水性多相抽出に関する。
本発明の好ましい具体例において、水性二相抽出が行われる。hGHまたはGH
Aが細胞から精製されるならば、該タンパク質の抽出前に、該細胞を破砕するか
またはホモジナイズする。該細胞を破砕するまたはホモジナイズする目的は、該
細胞からhGHまたはGHAを放出することにある。多様な起源から細胞を破砕
またはホモジナイズする様々な方法、例えば、ビーズミル、浸透ショック、凍結
割断が当該分野でよく知られている。本発明の好ましい局面において、該起源は
、マイクロフリュイダイザ(microfluidizer)の使用により破砕またはホモジナイ
ズする。もう一つの好ましい態様において、高圧ホモジナイザー(例えば、Ni
ro)を用いる。該タンパク質またはポリペプチドをそれが合成された細胞から
分泌させる場合、該細胞を溶解する必要はないが、該タンパク質またはポリペプ
チドは該細胞外流体または培養培地から抽出し得る。例えば、相形成剤を直接発
酵槽に添加する。
【0030】 本発明によれば、該タンパク質は、細胞、細胞ホモジネート、破砕細胞、該タ
ンパク質の化学合成により得られた粗混合物、または関心のあるタンパク質およ
び不純物を含有し、該タンパク質の精製が所望されるいかなる種の混合物から精
製し得る。本発明の1の態様において、該タンパク質は、例えば、二相系のよう
な水性多相系を形成することができる試薬を添加することによって、粗混合物か
ら精製する。好ましい具体例において、該抽出混合物を攪拌して、該相形成剤を
溶解し、完全に系を混合する。得られた抽出混合物をプロセシングして、明確な
相を形成させる。そのうちの一つは豊富な該タンパク質を含有する。そのような
プロセシングは、例えば、該抽出混合物を遠心するか、あるいは、該混合物を数
時間かく乱しないようにするか(静置もしくは1×重力にての合体(coalesce))
、あるいは、例えば、温度誘発相分離([Perssonら., 1998, J. of Chromatogr
aphy 711:97-109]、それは出典明示してその全体として本明細書の一部とみな
される)により達成し得る。さらなる態様において、明確な相が形成されれば、
豊富なタンパク質を含有する相、すなわち、典型的には、軽いトップ相を取り出
すことができる。
【0031】 本発明のもう1の具体例において、該タンパク質を含有する相を取り出した後
、富化された形態のタンパク質を含有しない相を再抽出(「二段抽出」)する。
再抽出は、第二の軽い相を形成して、該再抽出において該タンパク質が豊富な相
を形成するようにできる相形成剤を含有する溶液を添加することによって行い得
る。もう1の態様において、二段抽出の間、該抽出混合物を攪拌して、該相形成
剤を溶解し、該系を完全に混合する。得られた再抽出混合物をプロセシングして
、そのうちの一つが豊富なタンパク質を含有する明確な相を形成させる。そのよ
うなプロセシングは、例えば、該再抽出混合物を遠心するか、または、例えば、
温度誘発相分離[Perssonら., 前掲]によるか、または、1×重力下で該相を合
体させることによって達成し得る。
【0032】 好ましい具体例において、該相形成剤は、該タンパク質を含有する粗混合物に
直接添加する。該相形成剤は多相系を形成でき、それは、該多相系の1の相に該
タンパク質が富む一方で、該粗混合物の残りの成分のほとんどがその1の相に蓄
積されないという結果で特徴付けられる。より好ましくは、該多相系は、該タン
パク質が該多相系の1の相に富む一方で、該粗混合物の残りの成分の実質的に全
てが他の相に存在することにより特徴付けられる。
【0033】 5.2.1 水性二相抽出精製に有用な相形成剤 多相系および好ましくは二相系を形成することができる種々の試薬を用い得る
。本発明の好ましい具体例において、2のポリマーを二相を創製するための相形
成剤として用い得る。より好ましくは、該2のポリマーは水溶液中で互いに不混
和性であり、したがって、二相系の形成に通じる。本発明のもう1の好ましい具
体例において、ポリマーおよび塩を二相形成剤として用いる。より好ましくは、
ポリマーおよび塩は、二相系が創製されるようなかかる条件下およびかかる濃度
にて用いる。
【0034】 相形成剤、相形成剤の組合せおよび好適な相形成剤を選択する際に考慮するパ
ラメーターの例は、Diamondら, 1992, 前掲およびAbbottら, 1990. Bioseparati
on 1: 191-225で論じられている。双方、出典明示して本明細書の一部とみなす
【0035】 本発明の好ましい具体例において、本発明を実施するのに有用な相形成ポリマ
ーには、限定されるものではないが、PEG、デキストラン、化工デンプン、フ
ィコール、ウコン(Ucon)またはポリ(ビニルメチルエチルエーテル)が含
まれる。ここで、該各ポリマーは種々の分子量で使用し得る。例えば、2000
、4600または8000の分子量のPEGを相形成剤として使用し得る。さら
に、本発明を実施するのに有用な相形成塩には、限定されるものではないが、硫
酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウムまたは硫
酸ナトリウムが含まれる。
【0036】 本発明の実施につき、該相形成剤の濃度は変化させ得る。剤の濃度は、別段指
摘しない限り、合計多相(または二相)溶液の体積当りの剤の重量で本明細書全
体を通して記載する。1の態様において、相形成ポリマーの濃度は約4%ないし
約18%、より好ましくは約6%ないし約15%、なおより好ましくは約8%な
いし約13%、最も好ましくは約10%ないし約12%である。もう1の態様に
おいて、相形成塩の濃度は約4%ないし約18%、より好ましくは約6%ないし
約15%、なおより好ましくは約8%ないし約13%、最も好ましくは約10%
ないし約12%である。
【0037】 本発明のなおもう1の具体例において、緩衝剤は、例えば、細胞ライゼートお
よび相形成剤を含有する抽出混合物に添加され、例えば、トリス緩衝液、リン酸
緩衝液、MES緩衝液、HEPES緩衝液またはクエン酸緩衝液が含まれる。好
ましい具体例において、トリス緩衝液が用いられる。緩衝液溶液のpHは、一般
的に約5ないし約9、より好ましくは約6ないし約8、なおより好ましくは約6
.5ないし約7.5、最も好ましくは約7である。
【0038】 もう一つの具体例において、例えば、一価のカチオン、例えば、ナトリウム、
カリウム、リチウムまたはセシウム、あるいは二価のカチオン、例えば、マグネ
シウム、カルシウムの塩を抽出混合物に添加できる。該塩のアニオンは、一価の
、例えば、塩化物、硝酸塩、ヨウ化物、チオシアネートであり得る。好ましい態
様において、該塩は、塩化ナトリウムである。抽出混合物中の塩濃度は、約10
mMないし約1000mM、好ましくは約30mMないし約700mM、なお好
ましくは約50mMないし約400mM、さらに好ましくは約70mMないし約
200mM、および最も好ましくは約100mMである。塩は、例えば、相形成
剤の添加前、1以上の相形成剤の添加後の手順の間のいずれの時点にても、ある
いは緩衝液の一部分として、抽出混合物に添加できる。二相抽出精製における塩
付加物の使用における背景については、例えば、Boris Y. Zaslavsky,Aqueous
Two-Phase Partitioning:Physical Chemistry and Bioanalytical Application
s (Marcel Dekker,Inc.,New York 1995)を参照されたし。
【0039】 相形成のための遠心は、一般的に、約10摂氏温度(「℃」)ないし約40℃
、より好ましくは約15℃ないし約35℃、なおより好ましくは約20℃ないし
約30℃、および最も好ましくは約25℃の温度にて行われる。
【0040】 本発明の抽出方法は、約10リットル未満の出発抽出混合物の体積で行われる
。もう一つの具体例において、抽出混合物体積は、約10リットルを超え、約1
00リットル未満である。なおもう1の具体例において、抽出混合物体積は、約
100リットルを超える。
【0041】 本発明の方法を用いてタンパク質またはポリペプチドを精製する場合、二相抽
出後に得られる収量は、千リットルの細胞培養物当りのグラムで表わすことがで
きる。例えば、本発明の方法を用いてイー・コリの培養物からタンパク質を精製
する場合、千リットルの細胞培養物当りの収量は、少なくとも約100g、好ま
しくは少なくとも約200g、より好ましくは少なくとも約300g、なおより
好ましくは少なくとも400g、さらにより好ましくは少なくとも約500g、
なおさらにより好ましくは少なくとも約600g、および最も好ましくは少なく
とも約700gである。
【0042】 5.3. 水性二相抽出精製後のタンパク質の検出および純度 抽出精製後、タンパク質を抽出系から取り出した相中に検出できる。例えば、
タンパク質は、限定されるものではないが、バイオアッセイ、HPLC、アミノ
酸決定法または免疫学的アッセイ、例えば、抗体結合を用いるラジオイムノアッ
セイ、ELISA、ウェスタンブロット、SDS−PAGEを含む種々の方法に
よって検出できる。かかる抗体には、限定されるものではないが、ポリクローナ
ル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖抗体、
Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、Fab発現ライブラリーに
よって生成されたフラグメント、ならびに前記のいずれのエピトープ結合フラグ
メントも含まれる。
【0043】 精製タンパク質の量および純度のそのレベルは、当該技術分野においてよく知
られた方法によって決定できる。例えば、限定されるものではないが、本発明の
方法を用いて調製したタンパク質処方を、ポリアクリルゲル電気泳動に続いて、
ゲルを染色し、ゲル中の総タンパク質を視覚化して調べ得る。好ましい具体例に
おいて、二相抽出後のタンパク質の収量および純度は、逆相HPLCを用いて決
定される。
【0044】 本発明の方法を用いるタンパク質またはポリペプチドの処方の純度は、出発物
質に依存して変化し得る。例えば、イー・コリ中で発現されたタンパク質を精製
する場合、得られた調製物は、少なくとも約40重量%、より好ましくは少なく
とも約50重量%、より好ましくは少なくとも約60重量%、より好ましくは少
なくとも約70重量%、および最も好ましくは少なくとも約80重量%の関心の
あるタンパク質またはポリペプチドを含有する。
【0045】 5.4. 水性二相抽出精製後のタンパク質のプロセシング 本発明の方法を用いて得られたタンパク質またはポリペプチド調製物は、例え
ば、高レベルの純度にてタンパク質またはポリペプチドを得るためにさらにプロ
セシングできる。かかる高純度は、タンパク質またはポリペプチドが意図される
使用に依存して必要となり得る。例えば、タンパク質の治療上の使用は、典型的
には、本発明の抽出方法に続くさらなる精製を必要とするであろう。
【0046】 当業者に知られた全てのタンパク質精製方法を、さらなる精製のために用いる
ことができる。かかる技術は、Berger およびKimmel,Guide to Molecular Clon
ing Techniques. Methods in Enzymology,第152巻,Academic Press,San D
iego,CA (1987); Molecular Cloning:A Laboratory Manual. 第2版,Sam
brook,J.,Fritsch. E. F.,およびManiatis,T. (1989); Current Protoc
ols in Molecular Biology,John Wiley & Sons. all Viols.. 1989,および
その定期的アップデート) ; New Protein Techniques:Methods in Molecular
Biology,Walker. J. M.編,Humana Press,Clifton,N. J.,1988;およびP
rotein Purification:Principles and Practice,第3版,Scopes,R. K.,Spr
inger-Verlag,New York,N. Y.,1987によく記載されている。一般的に、
限定されるものではないが、硫安沈殿、遠心分離、イオン交換、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー(およびそれらのHPLCまたはFPLC形態)および疎水
性相互作用クロマトグラフィーを含めた技術を用いて、タンパク質をさらに精製
できる。
【0047】 以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供し、いかなる場合におい
ても本発明の範囲を限定するために提供されるものではない。
【0048】 6.実施例:水性二相抽出による組換え成長ホルモンおよび 成長ホルモン・アンタゴニストの精製 6.1. 材料および方法 相形成剤には、ポリエチレングリコール(「PEG」)、塩および緩衝剤が含
まれた。剤の濃度は、特記しない限りは、合計多相(または二相)溶液の重量当
りの剤の重量で本明細書全体を通して記載する。PEGは、Aldrich(P
EG2000およびPEG8000)またはUnion Carbide(PE
G4600.Sentriグレード)から入手した。トリス緩衝液および硫酸ア
ンモニウムは、J.T.Baker(Phillipsburg,N. J.)から入手した。H
PLCは、Hewlett Packard 1090クロマトグラフィーシステムで行った。細
胞培養物のホモジナイゼーションは、Microfluidics M110Y または M−21
0EH マイクフリュイダイザまたはAlfa-Laval Niroホモジナイザーで行った。
【0049】 6.1.1. 一般的抽出法 以下の実施例において別段指摘しない限りは、イー・コリ(E.coli)細胞は、
(EDTAを含有した)培養ブロスからの直接的なまたは遠心後の細胞の高圧力
ホモジナイゼーションを用いて溶解した。遠心後、細胞を−20℃または−70
℃にて凍結し、貯蔵した。凍結細胞ペレットは再懸濁し、ホモジナイズした。細
胞ライゼートを攪拌タンクに入れ、相形成剤を添加して所望の最終系を得た(図
1)。
【0050】 上記手順の例のごとく、10%硫酸アンモニウムおよび10%PEG4600
系は、任意の順序にて、1リットルのpH7.4の1Mトリス緩衝液、1kgの
硫酸アンモニウムおよび1kgのPEGを7リットルのライゼートに添加するこ
とによって得られる。混合物を全ての剤が溶解するまで撹拌し、続いて遠心して
相を分離させた。得られた相のGHAおよび夾雑物プロフィールをSDS−PA
GE分析および逆相HPLCによって決定した。重く塩リッチな相は、PEG溶
液の添加ならびに攪拌および遠心の工程の繰り返しによって再抽出できる。再抽
出のために添加されたPEG溶液は、30%ないし40%の濃度のPEGを有し
得る(図1参照)。
【0051】 異なるパラメーターは、抽出法の操作性および収量に影響することが判明した
。これらのパラメーターは、PEGのタイプおよび濃度、塩のタイプおよび濃度
、系のpH、培養基成分および細菌残渣の存在である。
【0052】 該手順の収量は、多数の前記のパラメーターを調整することによって最大化で
きる。第一には、相体積比、すなわち、相互に対する相の体積は、タンパク質の
分配係数を変化させることなく変化し得る。図2に示すごとく、PEGおよび塩
の濃度は、塩豊富な相またはPEG豊富な相のいずれにおいてもタンパク質の分
配係数を変化させることなく連絡線に沿って調整できる。かくして、系を点a(
図2参照)により近くに持ってくることによって、タンパク質の収量を増加でき
る。第二には、PEGおよび塩の濃度を調節して、タンパク質が相に対して異な
る分配係数を有するもう一つの連絡線に移動できる。第三には、初期の抽出後お
よびPEGリッチな相を取出した後に、第一抽出において行ったごとく、水また
は緩衝液中に30〜40%の濃度にてPEG溶液を添加し、続いて攪拌、遠心お
よびPEG豊富な相を取出すことによって細胞夾雑物に富む相を再抽出できる。
【0053】 PEGおよび硫酸アンモニウムを含む二相系における相分離は、相が形成され
ることが期待される遠心工程中の温度に敏感であることが判明した。4℃付近の
遠心によって相はめったに形成されないが、約20℃ないし約30℃の範囲の温
度にて相の分離は容易に生じた。
【0054】 記載された抽出手順を用いてrGHAを単離する場合、rGHAは、PEGリ
ッチな相中に維持される場合に沈殿することが判明した。この問題は、抽出系の
残りからのそれを取り出した後に該相を水で希釈することによって避けることが
できた。5倍までの希釈倍率は、rGHA沈殿を防止するのに有用でかつ効果的
であることが判明した。
【0055】 rGHAまたはhGHを単離する場合、気−液界面に敏感であるらしい両タン
パク質として泡沫することを避けることが重要であった。
【0056】 6.2. 異なる条件を用いるrGHAの抽出 精製したヒト組換えGHAは、異なるpH値の異なる剤での二相抽出法を用い
て単離した。用いた相形成剤は、PEG、硫酸アンモニウムおよびトリス緩衝液
であった。PEGは、3つの異なる分子量、すなわち、2000、4600およ
び8000ダルトンで用いた。これらの各分子量バージョンでは、抽出混合物中
のPEGの濃度は15%であった。硫酸アンモニウムは、抽出混合物中で15%
の濃度で用いた。トリス緩衝液は、1M溶液として調製し、抽出混合物中で10
0mMの濃度で用いた。用いたトリス緩衝液についてのpH値は、6.0または
8.0であった。
【0057】 相形成剤を精製したGHA溶液に添加した後、得られた混合物を攪拌し、次い
で、14000rpmの速度で室温にて5分間卓上遠心機で遠心した。遠心工程
後、該PEGリッチなトップ相を取り出し、該相を逆相HPLCによって分析し
た。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】 表1中に示された結果は、該抽出がpH6および8にてほぼ等しい効力である
ことを示す。評価した種々のPEG形態の最良の結果は、分子量4600ダルト
ンのPEGで得られた。
【0060】 6.3 hGHの分配特性 PEGおよび硫酸アンモニウムを用いた二相系におけるhGHの分配係数を決
定した。混合物の組成は10%のPEG 4600、10%の硫酸アンモニウム
および100mMのトリス緩衝液、pH7.2であった。幾つかのアッセイにお
いては、系に100mMのNaClも含ませた。凍結乾燥hGHは5mg/ml
の濃度で水に溶解した。
【0061】 抽出実験は、エッペンドルフ・チューブ中で、20μLのhGHストック溶液
、380μLの水、100μLの1Mトリス緩衝液、pH7.2、250μLの
40%PEG 4600溶液および250μLの40%硫酸アンモニウム溶液を
混合することによって行った。混合を行った後に、その溶液を14000rpm
または13000×gにて卓上遠心機で遠心した。ついで、トップ相およびボト
ム相中のhGHの濃度を逆相HPLCによって決定した。
【0062】
【表2】
【0063】 表2に掲載した結果は、hGHが抽出系のPEGリッチな相に優先的に分配さ
れたことを示す。
【0064】 6.4 加熱死滅凍結細胞ペーストからのrGHAの抽出 加熱死滅凍結イー・コリ(E.coli)細胞ペーストは、5mMのEDTAを含有
する10倍体積のpH7.65の0.02Mトリス緩衝液、例えば10mLの緩衝
液を用いて1gの凍結細胞ペーストを懸濁した。その細胞を13,000ないし
15,000psiの単一パス・ホモジナイズによって溶解すると、ライゼート
を顕微鏡で検鏡によって決定して、95%を超える細胞の破砕に通じた。分子量
4600のPEGおよび硫酸アンモニウムを各々最終濃度15%で添加し、つづ
いて混合し、最後に5000rpmまたは7280×g、25℃にて30分間の
遠心を行った。分子量2000または8000のPEGを用いた場合よりも前記
の手法は良好に行われたが、細胞残渣が効率的に沈澱せず、相がよく分離しない
ことが判明した。
【0065】 タンパク質の精製を改善するために、低濃度のPEGまたは硫酸アンモニウム
またはその両方を前記のプロトコールにおいて置換えた。rGHAの抽出に最も
有用であった濃度は6−10%のPEGおよび10−12%の硫酸アンモニウム
であった。
【0066】 前記抽出手法における遠心の後に、2の液相および2の固相が現れ、その透明
なトップ相には多量のrGHAが含まれていた。SDS−PAGE分析は、ボト
ム相に著量のrGHAが細胞残渣と一緒に沈澱したことを示した。
【0067】 6.5 生存凍結細胞からのrGHAの抽出 生存凍結イー・コリ(E.coli)は、5000rpm、7280×g、4℃にて
30分間培養細胞を遠心し、ついで、その細胞ペレットを−70℃にて凍結する
ための密閉可能な袋に移すことによって調製した。抽出手法は前掲のセクション
6.4に記載したのと同様に行った。その結果を表3および4に要約する。表3
および4に示される全てのデータは、単一抽出で、すなわち重い細胞残渣リッチ
な相の第2のまたはさらなる抽出を行わずに得た。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】 前記手法の収量は、細胞残渣リッチである重い相の第2の抽出を介して上昇し
た。二段階抽出は、8%のPEG 4600および10%の硫酸アンモニウムで
の第1の抽出を達成することによって行った。実験を行ったスケール、すなわち
、系の合計重量は第1の抽出については30gおよび第2の抽出については15
gであった。再抽出は、第1の抽出の軽い相を除去した後に水中の40%のPE
G溶液を重い相に添加することによって行った。ついで、その混合物を攪拌し、
5000rpm、7280×g、25℃にて30分間遠心した。表5は前記した
二段階抽出法の結果を掲載する。該手法はホモジネーションの後に粗製ホモジネ
ートを直接用いて、および遠心後にホモジネートの上清を用いて行った。
【0071】
【表5】
【0072】 二段階二相抽出法を用いた組換えGHAの収量は、生存凍結細胞ペースト1g
当り約4.6mgのrGHAにのぼった。二段階二相抽出法を用いて得た組換え
GHA調製物を、rGHAリッチな軽い相および細胞残渣リッチな重い相のHP
LC逆相分析を介して純度について調べた。かかる抽出の典型的な結果を図3A
−Cに掲載する。
【0073】 6.6 生存細胞からのrGHAの抽出 培養イー・コリ(E.coli)細胞を採取し、保存し、14,000psiの単一パ
ス・マイクロフルイダイゼーション(microfluidization)によって溶解した。得
られた細胞ライゼートは、21リットルのライゼートに3リットルの1Mトリス
緩衝液、pH7.2、3kgの硫酸アンモニウムおよび3kgのPEG 460
0を添加することによって抽出法において用いた。得られた混合物をよく混合し
、ついで5000rpm、25℃にて30分間遠心した。そのトップ相を回収し
、ボトム相を水中の40%のPEG 4600溶液6リットルで再抽出した。第
1の抽出と同様に混合および遠心した後に、第2のトップ相を取り出し、第1の
トップ相と一緒に保存した。rGHAタンパク質の収量は22.3gまたは出発
細胞培養物1リットル当り1.06gのrGHAであった。
【0074】 6.7. 培地スケールの連続遠心を用いた抽出精製 Alfa Laval LAPX 202連続ディスクスタック遠心機を用いて、培地スケールの
二相抽出に適用した。遠心機は1の供給、2の液体溶出液および軸方向の固体放
出を有する精製装置として修飾した。遠心機には速度変化可能なペリスタ・ポン
プで送給した。最適送給速度は、52mm重力リング(gravity ring)を用いた
場合には450ml/分付近であった。15ないし20分の排出間隔が十分であ
ると判定した。10000rpmまたは8200×gにて遠心した後に、LAPX 2
02を用いて回収したトップ相は5%未満のボトム相夾雑物を含んでいた。二段階
抽出は、ボトム相をPEG 4600の33%溶液を用いてボトム相の半分の体
積でボトム相を再抽出することによって行った。
【0075】 20リットルの培養物からの収量は25.2gのrGHAまたは培養物1L当
り1.26gであった。21.7gまたは86.3%のタンパク質を第1の抽出の
間に回収し、残りの3.4gまたは13.7%は第2の抽出の間に得た。
【0076】 6.8 大スケール連続遠心を用いた抽出精製 精製装置変換キットを備えたAlfa Laval BPTX 205ディスク・スタック遠心機
を用いて、大スケールで、すなわち培地スケール工程と比較して約10倍のスケ
ール・アップ、で二相抽出を行った。適当な送給速度は約3−5L/分であると
決定した。大スケール抽出は13,000ないし15,000psiのNiroホモジ
ナイザーを用いて醗酵ブロスまたは懸濁細胞をホモジナイズし、つづいて700
リットルのライゼート、掲載する順番で、100リットルの1Mトリス緩衝液、
pH7.2、100kgの硫酸アンモニウムおよび100kgのPEG 460
0を添加することによって行った。その溶液をよく混合し、9600rpmまた
は12700×gにて遠心した。タンパク質はPEGリッチな相から回収した。 単一段階抽出の、すなわち再抽出を行わない場合の収量は、醗酵ブロス150
0Lあたり約700gないし約1000gのrGHAであった。
【0077】 本発明は、本発明の単一の態様を説明する意図である例示した具体例によって
趣旨が限定されるものではなく、機能的に等価ないずれの配列も本発明の趣旨内
である。実際に、本明細書中に示しおよび記載したものに加えて、本発明の種々
の変形が前記した記載および添付図面から当業者に明らかとなるであろう。かか
る修飾は添付する請求の範囲の趣旨内に入ることが意図される。 本明細書中に引用した全ての刊行物は出典明示して本明細書の一部とみなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の抽出方法の概略を示す。
【図2】 図2Aはポリマーおよび塩の混合物についての相図を示す。図2B
は、双節曲線の位置をどのようにシフトさせることができるかを示す。
【図3A−C】 図3A−Cは、細胞培養ホモジネート上清のC−4 RP
HPLCクロマトグラム(図3A)およびpH8.0の8%PEGおよび10%
硫酸アンモニウムを用いる引き続いての二相抽出(図3Bおよび3C)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 パスカル・ピー・バレックス アメリカ合衆国27560ノースカロライナ州 モリスビル、ダック・ポンド・サークル 2207−エフ番 Fターム(参考) 4B064 AG01 AG13 CA02 CA19 CC24 CE08 DA01 4H045 AA20 CA40 DA31 FA74 GA01

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)hGH、GHA、hGHのホモログおよびGHAのホ
    モログよりなる群から選択されるポリペプチドを含有する試料に第1の相形成剤
    および第2の相形成剤を添加し、ここに該第1のおよび第2の相形成剤はいずれ
    の順序で添加してもよく; (b)工程(a)の試料を混合し; (c)工程(b)の試料を二相に分離させることからなり、 ここに、いずれのカオトロピック剤も試料に添加しないことを特徴とするポリペ
    プチドを精製するための方法。
  2. 【請求項2】 該第1の相形成剤が塩である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該塩が硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム
    、硫酸マグネシウムおよび硫酸ナトリウムよりなる群から選択される請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 該第2の相形成剤がポリマーである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該ポリマーがPEG、デキストラン、化工デンプン、フィコ
    ール、ウコン(Ucon)およびポリ(ビニルメチルエチルエーテル)よりなる群か
    ら選択される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該第1の相形成剤および第2の相形成剤がポリマーである請
    求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該第1の相形成剤および第2の相形成剤の各々が、PEG、
    デキストラン、化工デンプン、フィコール、ウコンおよびポリ(ビニルメチルエ
    チルエーテル)よりなる群から選択され;かつ、該第1の相形成剤および第2の
    相形成剤が二相系を形成することができる請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 該第1の相形成剤が硫酸アンモニウムであって、該第2の相
    形成剤がPEGである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 約4%ないし約18%の該硫酸アンモニウムを用い、かつ、
    約4%ないし約18%の該PEGを用いる請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 緩衝液を用いる請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 (a)hGH、GHA、hGHのホモログおよびGHAの
    ホモログよりなる群から選択されるポリペプチドを含有する細胞を破砕し; (b)第1の相形成剤および第2の相形成剤を破砕した細胞に添加し、ここに
    、該第1の相形成剤および第2の相形成剤はいずれの順序で添加してもよく; (c)工程(b)の破砕した細胞を混合し;ついで (d)工程(c)の破砕した細胞を分離して二相を形成させることからなり、
    ここに、いずれのカオトロピック剤も破砕した細胞に添加しないことを特徴とす
    るポリペプチドを精製するための方法。
  12. 【請求項12】 該第1の相形成剤が塩である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該第2の相形成剤がポリマーである請求項11記載の方法
  14. 【請求項14】 該第1の相形成剤および該第2の相形成剤がポリマーであ
    る請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 該第1の相形成剤が硫酸アンモニウムであって、該第2の
    相形成剤がPEGである請求項11記載の方法。
  16. 【請求項16】 約4%ないし約18%の該硫酸アンモニウムを用い、かつ
    、約4%ないし約18%の該PEGを用いる請求項15載の方法。
  17. 【請求項17】 緩衝液を用いる請求項16記載の方法。
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