JP2002542821A - ツーハイブリッドシステムのための原核dnaコレクション、ヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タンパク質相互作用およびその用途 - Google Patents

ツーハイブリッドシステムのための原核dnaコレクション、ヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タンパク質相互作用およびその用途

Info

Publication number
JP2002542821A
JP2002542821A JP2000615746A JP2000615746A JP2002542821A JP 2002542821 A JP2002542821 A JP 2002542821A JP 2000615746 A JP2000615746 A JP 2000615746A JP 2000615746 A JP2000615746 A JP 2000615746A JP 2002542821 A JP2002542821 A JP 2002542821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
polynucleotide
recombinant cell
collection
prey
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000615746A
Other languages
English (en)
Inventor
ルグレン、ピエール
セリーグ、リュク
レン、ジャン−クリストフ
Original Assignee
ハイブリジェニックス・ソシエテ・アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ハイブリジェニックス・ソシエテ・アノニム filed Critical ハイブリジェニックス・ソシエテ・アノニム
Publication of JP2002542821A publication Critical patent/JP2002542821A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1055Protein x Protein interaction, e.g. two hybrid selection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/205Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Campylobacter (G)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ツーハイブリッドシステムに使用できる、原核ゲノム由来、より詳細にはヘリコバクター・ピロリゲノム由来の組換え細胞クローンのコレクション、およびこのコレクションの製造方法に関する。本発明はさらに、ヘリコバクター・ピロリタンパク質−タンパク質相互作用の同定、および前記組換え細胞クローンのコレクションおよびこの同定されたタンパク質相互作用の、医薬および診断分野への応用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、ツーハイブリッドシステムに使用できる、原核ゲノム由来、より詳
細にはヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori) ゲノム由来の組換え細胞
クローンの新規なコレクション、およびこのコレクションの製造方法に関する。
本発明はさらに、H.pyloriのタンパク質−タンパク質相互作用の同定、並びに該
組換え細胞クローンのコレクションおよび該同定されたタンパク質相互作用の、
医薬および診断分野への応用に関する。
【0002】
【発明の背景】
ほとんどの生物学的プロセスは、特異的なタンパク質−タンパク質相互作用を
含む。相互作用性タンパク質を同定するか、あるいはこれらの相互作用を研究す
るための一般的方法論がこれまでに開発されてきた。近年、医薬の発見における
遺伝的アプローチの利点が大きく注目されている。これらの利点には費用効果と
簡便さの両方がある。
【0003】 これらの方法の中で、現在、酵母ツーハイブリッドシステムは、ある標的タン
パク質に結合しうるポリペプチドをスクリーニングするための最も強力なin viv
o の方法を提示している。また、ホモおよびヘテロ二量体タンパク質相互作用の
両方の検出に等しく適している。これらの技術は最初に、Fields et al. (Field
s and Song, 1985, Nature, 340, p.245-246, 「タンパク質−タンパク質相互作
用を検出する新規な遺伝的システム」) により開発された。
【0004】 酵母ツーハイブリッドシステムは、レポーター遺伝子発現の直接的活性化によ
りタンパク質−タンパク質相互作用を検出するためにハイブリッドタンパク質を
利用している。本質的には、2つの推定タンパク質パートナーを、それぞれ転写
因子の DNA結合ドメイン、および転写活性化ドメインに遺伝的に融合させるもの
である。関心ある2つのタンパク質間の生産的相互作用により、隣接するレポー
ター遺伝子 (通常LacZまたは栄養マーカー) の転写活性化ドメインを連れてきて
、スクリーニング可能な表現型を生じさせる。転写は、転写因子の2つの機能的
ドメインを用いることにより活性化されうる:2つの機能的ドメインとは、 DNA
上の特異的部位を認識し結合するドメイン、および活性化に必要なドメイン (Ke
egan et al., 1986, Science, 231(4739): 699-704, 真核性の調節タンパク質の
転写活性化機能からの DNA結合の分離) 。
【0005】 しかしながら、多数の疾患が原核微生物によるものであるにもかかわらず、現
在まで、ツーハイブリッドシステムは原核性のタンパク質−タンパク質相互作用
の系統的研究には具体的に適用されていない。
【0006】 大きな有用を示す原核性微生物の1つは、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobac
ter pylori) である。ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)は微好気性、グラム陰
性、遅増殖性のらせん型で鞭毛を有する菌である。ヘリコバクター・ピロリは、
慢性胃炎の患者の胃生検材料から1983年に最初に単離された (Marshall et al.,
1984, Lancet, i: 1311-1341, 胃炎および消化性潰瘍患者の胃における未同定
の湾曲した桿菌) 。
【0007】 ヘリコバクター・ピロリは、ヒトにおける胃炎、消化不良および消化性潰瘍な
どの慢性胃十二指腸疾患の主要な原因として同定された。研究により、H.pylori
は2種の抗生物質とプロトンポンブインヒビターとを組合せた治療により除菌が
成功しうることが示された (Labigne et al.) 。しかしながら、H.pyloriに対し
て活性な抗生物質は少なく、抗生物質耐性菌が出現し始めている。
【0008】 H.pylori No.26695 のゲノムがTomb et al. により研究された (Tomb et al.,
1997, Nature, vol. 388, 539-547, 胃病原体ヘリコバクター・ピロリの全ゲノ
ム配列) 。この株のゲノムは、1,667,867bp のサイズ、平均G+C 含量39%、およ
び1590の推定コーディング配列 (オープンリーディングフレーム、即ち「ORF 」
) を有する環状染色体からなる。
【0009】 胃の環境での定着 (colonization) およびこの病原体の病原性に必要な細菌因
子はあまり解明されていない。既知の病原因子の例として以下のものがある: −胃の酸性pHの中和に関与する酵素類:複数ユニットのウレアーゼは、酸性pH
中での生存および胃環境 (他の微生物ではほとんど定着できない部位) でうまく
定着するのに重要である特徴的な酵素である (Labigne et al., WO 93/07273,
ウレアーゼの調節および成熟に必要なヘリコバクター・ピロリ遺伝子、およびそ
の用途) 。ウレアーゼをコードする遺伝子は34kb染色体断片上に位置決定され、
ureA, ureB, ureC, ureD, ureE, ureF, ureG, ureHおよびureIを含む。
【0010】 −粘膜における運動性を担う細菌鞭毛タンパク質 (Hazell et al., 1986, J.I
nf.Dis., 153, 658-663, カンピロバクター・ピロリディス (Campylobacter py
loridis):細胞内空間との関連および、胃上皮の定着における重要な因子として
の粘液環境への適応; Leying et al., 1992, Mol. Microbiol., 6, 2863-2874, ヘリコバクター・ピロリのフラジェリン遺伝子のクローニングおよび遺伝的特
性決定) : 鞭毛繊維の生合成はAおよびBのフラジェリンならびに繊維キャッ
プを含む。これらの2つの生合成は、fibA遺伝子 (Suerbaum et al.,仏国特許出
願, 1995, N 2 736 360, ヘリコバクター・ピロリのfibA遺伝子のクローニング
および特性決定、無鞭毛株産生) により調節されている。
【0011】 −病原性に必要な他の2つのトキシンは、VacAおよびCagAである: −VacAは宿主上皮細胞で酸性の大液胞の形成を誘導するH.pyloriのトキシンであ
る。これらの大液胞は、エンドサイトーシス経路の後期段階の膜分画の大量の膨
潤に由来する (de Bernad et al., 1997, Microbiology, 26(4), 665-674, ヘリ
コバクター・ピロリのトキシンVacAは細胞質ゾルにおける活動により液胞形成を
誘導する) 。VacAとの受容体媒介相互作用の証明はPagliaccia et al.,によりな
された; vacA 遺伝子のm2対立遺伝子は常にin vitro HeLa 細胞検定で不活性と
報告されてきたが、しかし、m2対立遺伝子は消化性潰瘍と関連し、消化性潰瘍お
よび胃がんの発生率が高い集団において優勢である (Pagliaccia et al., Pro.
Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1998, 95(17), 10212-110217, ヘリコバクター・ピ
ロリのm2型サイトトキシンは細胞型特異的な液胞化活性を有する) 。 −CagAは、消化性潰瘍疾患および腺がんの患者のほとんどから分離したH.pylori
の株に見出される「cag phathogenicity island 」(Spohn et al., 1997, Molec
ular Microbiology, 26(2), 361-372, ヘリコバクター・ピロリのphathogenici
ty island にコードされる異なるcagAB 遺伝子の転写解析) によりコードされる
タンパク質の1つである。CagAはH.pyloriの50〜60%の株により産生され;高分
子量 (120 〜140kDa) の表面タンパク質であり、未知の機能を有する免疫優性抗
原である。CagAタンパク質を産生するH.pyloriの株は、cagBとcagC (それぞれ、
36および101 kDa タンパク質) の2つの遺伝子を有する。これらの遺伝子は十二
指腸潰瘍と大きく関連している (Blaser et al., 1996, WO 96/12825, ヘリコバ
クター・ピロリのcagAおよびcagC遺伝子および関連する方法および組成物) 。
【0012】 −その他の病原因子:複数の胃組織特異的接着因子 (Boren et al., 1993, Sc
ience, 262, 1892-1895)。 現在、in vitroで H.pylori 感染を除去する治療剤が利用できる。しかしなが
ら、抗生物質を用いる方法は、これらの薬剤に耐性の細菌株を出現させる。
【0013】 多くの疾患が原核性微生物によるものであるので、これらの新たに特性決定さ
れた全ゲノムまたは部分的ゲノム、特に大腸菌 (Escherichia coli) ゲノム、さ
らにH.pylori、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus) およ
びストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)ゲノムなど
の病原性微生物の機能および全体的研究に関する新たな手段が大いに必要とされ
ている。
【0014】 これらの新しい手段の要望に加え、また、そして特に、より有効でより標的化
された治療の開発のための大腸菌、H.pylori、S.aureusおよびS.pneumoniaeの新
規なタンパク質−タンパク質相互作用を見出す必要がある。
【0015】
【発明の要旨】
本発明は、ツーハイブリッドシステムに使用できる、原核微生物由来、特に大
腸菌、H.pyloriS.aureusおよびS.pneumonia のゲノム DNA断片を含む、組換え
細胞クローンのコレクションの製造方法、およびこの方法により得られる組換え
細胞クローンのコレクション、およびこのコレクションを含むスクリーニング用
キットに関する。
【0016】 本発明はまた、bait (えさ) ポリペプチドと相互作用しうる原核微生物のprey (捕食するもの) ポリペプチドを発現する組換え細胞クローンを同定するための
酵母または細菌ツーハイブリッドシステム法、およびこのpreyポリペプチドを同
定するための方法に関する。
【0017】 本発明はさらに、baitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドに対応
するポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および本発明の酵母または細菌ツ
ーハイブリッドシステム法により同定されるタンパク質−タンパク質相互作用、
並びにこのポリヌクレオチドを含むベクターおよび宿主細胞、およびそれらを含
む薬剤組成物を含有する。
【0018】 本発明はまた、baitポリペプチドと相互作用しうる原核微生物由来の関心ある
preyポリペプチドの選択された相互作用ドメイン(SIDTM) をコードするポリヌク
レオチドを同定するための方法に関する。
【0019】 本発明の別の面は、本発明の酵母もしくは細菌ツーハイブリッドシステム法に
より同定されたタンパク質−タンパク質相互作用を変化 (modulate) させうる薬
剤を選択する方法に関する。
【0020】
【本発明の詳細な記載】
本発明は、以下の工程を含む、ツーハイブリッドシステムに使用できる組換え
細胞クローンのコレクションを作製する方法に関する: a) DNAを断片化し; b)宿主細胞中でのプラスミドの発現により、相補的ドメインと結合した場合にレ
ポーター遺伝子を活性化しうる特異的ドメインを含むハイブリッドポリペプチド
が生じるように、工程a)で得られたポリヌクレオチド断片をプラスミドに挿入し
; c)工程b)で得られたプラスミドで細胞クローンを形質転換し;そして d)場合により、工程c)で得られた形質転換された組換え細胞クローンを選択し;
ここで、工程a)の DNAは原核微生物から得られるゲノム DNAである。
【0021】 本発明方法の DNAを断片化する工程a)は、ゲノム DNAの供給源を酵素切断、超
音波処理、または噴霧化により行うことができ、超音波処理および噴霧化は、出
発 DNA材料のランダムな切断およびそれによって可能なすべての挿入断片の良好
な発現を確保する。
【0022】 好ましい態様において、本発明方法の DNAを断片化する工程a)は、例えば市販
の噴霧器(GATC)による、噴霧化工程により行われる。 好ましい態様では、本発明のツーハイブリッドシステムに使用できる組換え細
胞クローンのコレクションを産生する方法において使用されるプラスミドは、さ
らに、作動可能に連結されたプロモーターをコードする核酸配列、複クローニン
グ部位、ターミネーター部位および選択マーカーを含んでいてもよい。
【0023】 「プロモーター」は、遺伝子の特異的転写を開始するのに必要とされる細胞の
転写装置により認識される DNA配列を意味する。 プロモーターのような調節配列に「作動可能に連結」されている配列とは、こ
の調節エレメントが、この核酸に対し、RNA ポリメラーゼ開始および関心ある核
酸の発現を制御するのに正しい位置および方向にあることを意味する。本明細書
において、「作動可能に連結」とは機能的な関係におけるポリヌクレオチドエレ
メントの連結を指す。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、これがコー
ディング配列の転写に影響する場合はコーディング配列に作動可能に連結してい
る。より正確には、2つの DNA分子 (プロモーター領域を含むポリヌクレオチド
と、所望のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチ
ドなど) は、この2つののポリヌクレオチド間の連結の性質が、(1) フレームシ
フト突然変異の導入を生じたり、(2) コーディングポリヌクレオチドの転写を指
示するプロモーターを含むポリヌクレオチドの能力に干渉したりしない場合に、
「作動可能に連結」していると言える。
【0024】 プロモーターとしては、全長または先端切除 ADHプロモーターを使用できる。 特異的ドメインとは、相補的ドメインとの結合によりレポーター遺伝子の活性
化が生じるようなドメインを意味する。
【0025】 本発明の1つの具体的態様において、特異的ドメインは、転写活性化ドメイン
または DNA結合ドメインであってもよく、相補的ドメインはそれぞれ、 DNA結合
ドメインまたは転写活性化ドメインであってもよい。
【0026】 転写活性化ドメインおよび DNA結合ドメインはそれぞれGal4およびLexA由来で
あってもよい。 本発明の別の具体的態様では、活性化ドメインが酵素の一部であり、相補的ド
メインが同じ酵素の別の部分である。この酵素の2つの部分の接近により、酵素
活性を回復させ、レポーター遺伝子を活性化することができる。
【0027】 例えば、特異的および相補的ドメインは、ボルデテラ・ペルツシス (Bordetel la pertussis) のアデニル酸シクラーゼの触媒ドメインを構成するT25 およびT1
8 ポリペプチドであってもよい。
【0028】 レポーター遺伝子は、組換え細胞クローンのプラスミド中でもそのゲノム中に
あってもよい。 本発明の例示的態様としては、レポーター遺伝子が栄養遺伝子、あるいはまた
その発現が比色分析により視覚化されうるHis3、LacZもしくはLacZとHis3の両方
などの遺伝子からなる群の中から選択される。
【0029】 選択マーカーとしては、トキシンをコードする遺伝子、グリーン蛍光タンパク
質(GFP) 型の色マーカー、λファージ受容体lam B などのファージ受容体タンパ
ク質もしくはその断片をコードする遺伝子、および選択可能な表現型を与えるそ
の他の任意の遺伝子、アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリンなどの耐
性遺伝子、またはラクトースもしくはマルトース栄養遺伝子が使用できる。
【0030】 特に好ましい態様では、本発明は、工程a)の DNAが、ヘリコバクター・ピロリ (実施例1.A 参照) 、大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウスおよびストレプ
トコッカス・ニューモニアエより得られたゲノム DNAである、本発明の方法に関
する。
【0031】 本発明はまた、本発明の方法により得ることができるツーハイブリッドシステ
ムに使用しうる組換え細胞クローンのコレクションに関する。 本発明はさらに、各組換え細胞クローンが、その発現により特異的ドメインを
含有するハイブリッドポリペプチドを生じるプラスミドに挿入されたポリヌクレ
オチドを含有し、該ポリヌクレオチドが原核微生物から得られるゲノム DNA断片
である、ツーハイブリッドシステムに使用できる組換え細胞クローンのコレクシ
ョンに関する。
【0032】 好ましい態様において、前記ゲノム DNA断片は噴霧化による断片化工程により
得られる。 特に好ましい態様において、本発明は、原核微生物がヘリコバクター・ピロリ
、大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウス、およびストレプトコッカス・ニュ
ーモニアエである本発明の組換え細胞クローンのコレクションに関する。
【0033】 本発明はまた、組換え細胞クローンが、グラム陽性またはグラム陰性細菌、酵
母、菌類および哺乳動物細胞からなる群、特に大腸菌およびサッカロミセス・セ
レビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母からなる群より選択される、本発明
の組換え細胞クローンのコレクションを含有する。
【0034】 本発明はさらに、プラスミドが、少なくとも、プロモーターをコードする核酸
配列、特異的ドメイン、前記ポリペプチドがクローン化されるマルチクローニン
グ部位、および選択マーカーを含む、本発明の組換え細胞クローンのコレクショ
ンに関する。
【0035】 好ましい態様において、本発明はさらに、ポリヌクレオチドがプラスミドpACT
IIstまたはpP6 に挿入されている本発明の組換え細胞クローンのコレクションに
関する。
【0036】 より好ましい態様において、本発明はさらに、コレクションが106 〜107 また
は106 〜108 の組換え大腸菌クローンを含み、挿入断片を有する独立の細胞クロ
ーンの割合が少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または97%である、本発
明の組換え細胞クローンのコレクションに関する。
【0037】 本発明は特に、1999年4月13日に受託番号I-2181としておよび2000年3月23日
にI-2416、I-2414、I-2415およびI-2417としてCollection National de Culture de Microorganismes(CNCM)(フランス、パリ) に寄託された本発明の組換え細胞
クローンのコレクションを含有する。
【0038】 受託番号I-2181として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:HGXBHP 1) は、stop bis pACTII ベクター中にクローン化され、大腸菌
DH10B に導入された (形質転換) 、ヘリコバクター・ピロリ26695 株のゲノムラ
イブラリーに関する。このコレクションは、挿入率が約97%で挿入断片の平均サ
イズが1000bpである独立クローンを約107 個含有している。
【0039】 受託番号I-2416として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:HGXBSA 1) は、pP6 ベクター中にクローン化され、大腸菌DH10B に導入
された (形質転換) 、スタフィロコッカス・アウレウス col株のゲノムライブラ
リーに関する。このコレクションは、挿入率が約95%以上で挿入断片の平均サイ
ズが1100bpである独立クローンを約6.8 ×107 個含有している。
【0040】 受託番号I-2415として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:HGXBEC 1) は、pP6 ベクター中にクローン化され、大腸菌DH10B に導入
された (形質転換) 、大腸菌MG1655株のゲノムライブラリーに関する。このコレ
クションは、挿入率が約98%以上で挿入断片の平均サイズが853bp である独立ク
ローンを約3×107 個含有している。
【0041】 受託番号I-2417として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:HGXBHP 4) は、pP6 ベクター中にクローン化され、大腸菌DH10B に導入
された (形質転換) 、ヘリコバクター・ピロリ26695 株のゲノムライブラリーに
関する。このコレクションは、挿入率が約98%以上で挿入断片の平均サイズが10
09bpである独立クローンを約1.9 ×107 個含有している。
【0042】 別の面において、本発明は、コレクションが105 〜1.5 ×107 のハプロイド組
換えサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)クローンを含み
、挿入断片を有する独立の細胞クローンの割合が少なくとも60%、70%、80%、
90%、95%または97%である、本発明の組換え細胞クローンのコレクションに関
する。
【0043】 本発明は特に、1999年4月13日に受託番号I-2182として、および2000年3月23
日に受託番号I-2420、I-2419およびI-2418として、Collection National de Cul
tures de Microorganismes(CNCM)に寄託された本発明の組換え細胞クローンのコ
レクションを含有する。
【0044】 受託番号I-2182として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:HGXYHP 1) は、E.coli(HGXBHP 1 ライブラリー) において増幅され、st
op bis pACTII ベクター中にクローン化され、サッカロミセス・セレビシアエY1
87株に形質転換され、約2×106 個の独立のクローンを含有しているヘリコバク
ター・ピロリ26195 株のゲノムライブラリーに関する。
【0045】 受託番号I-2420として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:Lib Sa2)は、E.coli(HGXBSA 1 ライブラリー) において増幅され、pP6
ベクター中にクローン化され、サッカロミセス・セレビシアエY187株に形質転換
され、約2.2 ×106 個の独立のクローンを含有し、細胞濃度約5×108 細胞/ml
である、スタフィロコッカス・アウレウス col株のゲノムライブラリーに関する
【0046】 受託番号I-2419として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:Sp in Y187 pP6) は、E.coli(HGXBSP 1 ライブラリー) において増幅さ
れ、pP6 ベクター中にクローン化され、サッカロミセス・セレビシアエY187株に
形質転換され、約2.8 ×106 個の独立のクローンを含有し、細胞濃度約5×108 細胞/ml である、ストレプトコッカス・ニューモニアエ、タイプ4株のゲノムラ
イブラリーに関する。
【0047】 受託番号I-2418として寄託された組換え細胞クローニングのコレクション (同
定番号:E.coli in Y187 lib1)は、、E.coli(HGXBEC 1 ライブラリー) において
増幅され、pP6 ベクター中にクローン化され、サッカロミセス・セレビシアエY1
87株に形質転換され、約4×106 個の独立のクローンを含有し、細胞濃度約5×
108 細胞/ml である、大腸菌MG1655株のゲノムライブラリーに関する。
【0048】 別の面において、本発明は、ポリヌクレオチドがプラスミドpAS2ΔΔに挿入さ
れている、本発明の組換え細胞クローンのコレクションに関する。 さらに別の面において、本発明は、ポリヌクレオチドがpT25, pKT25, pUT18お
よびpUT18Cからなる群より選択されたプラスミドに挿入されている、本発明の組
換え細胞クローンのコレクションに関する。
【0049】 本発明はまた、本発明のツーハイブリッドシステムに使用できる組換え細胞ク
ローンのコレクションを含む、タンパク質−タンパク質相互作用をスクリーニン
グするためのキットに関する。
【0050】 本発明のコレクションの具体的態様において、 DNAライブラリーは、preyポリ
ヌクレオチド形態の DNAライブラリーの構築の間に作製される挿入断片として全
ゲノムを含有する組換えハプロイド酵母細胞のコレクションからなる、タンパク
質−タンパク質相互作用のスクリーニングのためのすぐに使用できるキットとし
て提供され、この酵母細胞のコレクションは同一の生物学的材料を含む複数のバ
イアルにおいて凍結されている。
【0051】 本発明はまた、関心あるbaitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチド
をコードする、本発明のコレクションのポリヌクレオチドを選択する一般的方法
を提供する。
【0052】 本明細書において交換可能に使用される、「ポリヌクレオチド」、「核酸」、
「オゴヌクレオチド」なる用語は、一本鎖形態でも二本鎖形態でもよい、1ヌク
レオチド以上のRNA 、DNA またはRNA/DNA ハイブリッド配列を含む。本発明のポ
リヌクレオチド配列は、合成、組換え、ex vivo 産生もしくはその組み合わせを
含む任意の既知の方法、および当分野で既知の任意の精製法を用いて製造するこ
とができる。
【0053】 「精製された」という用語は本明細書では、他の核酸、炭水化物、脂質および
タンパク質などの (これらに限定されないが) 、その他の化合物から分離された
本発明のポリヌクレオチドを記述するのに用いられる。ポリヌクレオチドは、少
なくとも約50%、好ましくは60〜90% (重量/重量) の試料が単一のポリヌクレ
オチド配列を示す (より普通には約95%、好ましくは約99%以上) 場合に実質的
に純粋である。
【0054】 本明細書で用いられるように、「単離された」という用語は、材料がそのもと
の環境 (例、それが天然物である場合は天然の環境) から回収されていることを
必要とする。例えば、生きている動物に存在する天然のポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドは単離されたものではないが、天然の系において共に存在する材料
の一部または全部から分離されている同じポリヌクレオチドまたは DNAまたはポ
リペプチドは単離されたものである。このようなポリヌクレオチドは、ベクター
部分でありうる、及び/又はこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチド
は組成物の部分でありうる、およびそのベクターもしくは組成物は天然の環境の
一部ではないという点で依然として単離されたものである。
【0055】 「ポリペプチド」なる用語は、ポリマーの長さに関係なくアミノ酸のポリマー
を意味し;従って、ポリペプチドの定義にはペプチド、オリゴペプチドおよびタ
ンパク質が含まれ、これらの用語は本明細書において交換可能に使用される。「
ポリペプチド」の用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾を特定あるいは排除し
ない、例えばグリコシル基、アセチル基、リン酸エステル基、脂質の基等の共有
結合を含むポリペプチドはこのポリペプチドの用語に含まれるのは明らかである
。また、この定義には、アミノ酸の1もしくはそれ以上の類似体を含む (例えば
、非天然アミノ酸、関連しない生物系においてのみ天然であるアミノ酸、哺乳動
物由来の修飾されたアミノ酸を含む) ポリペプチドが入る。
【0056】 「精製された」なる用語は、本明細書において、核酸、炭水化物、脂質および
その他のタンパク質などの (これらに限定されないが) その他の化合物から分離
された本発明のポリペプチドチドを記述するのに用いられる。精製されたポリペ
プチドは典型的には、約50%、好ましくは60〜90% (重量/重量) のタンパク質
試料を含み、より普通には約95%、好ましくは約99%以上純粋である。
【0057】 関心あるbaitポリペプチドは、本発明のコレクションのポリヌクレオチドによ
りコードされる原核ポリペプチドであっても、関心あるその他の任意のポリペプ
チドであってもよい。関心あるその他のポリペプチドは、原核微生物に感染して
いてもよい生物体、例えば哺乳動物、特にヒトのポリペプチドであってもよい。
【0058】 以下に記載の方法は、接合酵母ツーハイブリッドシステムおよび細菌ツーハイ
ブリッドシステムであるが、ツーハイブリッドシステムの変法もまた使用できる
【0059】 例えば、スリーハイブリッドシステム (Tirode et al., 1997, Journal of Bi
ological Chemistry, 272, 22995-22999, 条件発現される第3のパートナーはス
リーハイブリッドシステムにおける転写アクチベーターの形成を安定化するか防
止する) は、転写アクチベーターの形成を許すか防止する3つのポリペプチドを
含む。ツーハイブリッド融合タンパク質を除き、第3のパートナーはMet25 プロ
モーターの制御下にあり、これはメチオニンが欠如した培地において正に調節さ
れる。別の変法には逆ツーハイブリッドシステム (Vidal et al., 1996, Proc.
Natl. Sci., 93, 10315-10320, タンパク質−タンパク質および DNA−タンパク
質相互作用の解離を検出する逆ツーハイブリッドおよびワンハイブリッドシステ
ム) があり、この方法では特定のタンパク質−タンパク質相互作用を阻害しうる
分子のコレクションがスクリーニングできる。
【0060】 さらに別の面において、本発明は、以下の工程を含む、baitポリペプチドと相
互作用しうるpreyポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを含む組換え
細胞クローンを同定するための酵母ツーハイブリッドシステム法に関する: a)アッセイすべきpreyポリヌクレオチドを含むプラスミドで形質転換された本発
明の組換え細胞クローンのコレクション中の少なくとも1つの第1のハプロイド
組換え細胞クローンを、該baitポリペプチドをコードするbaitポリヌクレオチド
を含むプラスミドで形質転換された第2のハプロイド組換えエス・セレビシアエ
(S. cerevisiae) 細胞クローンと接合させ; b)工程a)で得られた2倍体細胞を選択培地上で培養し;そして、 c)選択培地上で増殖しうる組換え細胞クローンを選択する。
【0061】 具体的態様において、本発明は、以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互
作用しうるpreyポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを同定するため
の酵母ツーハイブリッドシステム法に関する: a)本発明のbaitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドをコードするpr
eyポリヌクレオチドを含む組換え細胞クローンを同定し;そして、 b)工程a)で選択された組換え細胞クローンのそれぞれに含まれるpreyポリヌクレ
オチドの特性決定を行う。
【0062】 酵母ツーハイブリッドシステムとは、通常少なくとも1つのレポーター遺伝子
を用いる方法をいい、このレポーター遺伝子は、組換え細胞によりpreyポリペプ
チドおよびbaitポリペプチドが産生された場合、1つのpreyポリペプチドに含ま
れる特異的ドメインとbaitポリペプチドに含まれる相補的ドメインが互いに接近
した場合に、この少なくとも1つのレポーター遺伝子の転写の引き金により、そ
の転写が活性化されるものである。酵母ツーハイブリッドシステムの有利な変法
では、preyポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドおよびbaitポリペプ
チドをコードするbaitポリヌクレオチドが組換えハプロイド酵母細胞に挿入され
、次いで接合の過程によりpreyポリペプチドとbaitポリペプチドを産生する二倍
体酵母細胞を生じる。
【0063】 本発明の少なくとも1つののレポーター遺伝子とは、その転写が、コードされ
るbaitおよびpreyポリペプチドが相互作用しうる場合に組換え二倍体酵母細胞内
で活性化される、1〜5の、好ましくは2〜3のレポーター遺伝子をいう。
【0064】 好ましくは、この少なくとも1つののレポーター遺伝子は、baitポリヌクレオ
チドを含む第1の組換えハプロイド酵母細胞に含まれる。 この少なくとも1つののレポーター遺伝子は、組換え二倍体酵母細胞のプラス
ミド中でも、またはそのゲノム中に含まれてもよい。
【0065】 例示的態様として、この少なくとも1つのレポーター遺伝子は、前述のツーハ
イブリッドシステムに用いられる1つの組換えハプロイド酵母細胞、好ましくは
baitポリヌクレオチドを含む酵母細胞の染色体に位置する。この少なくとも1つ
のレポーター遺伝子は、栄養遺伝子、あるいはその発現が比色分析により視覚化
されるHis3, LacZまたはLacZおよびHis3の両方などの遺伝子からなる群より選択
されることもできる。
【0066】 「preyポリヌクレオチド」とは、i)特異的ドメイン、およびii)bait ポリペプ
チドとの相互作用を試験すべきポリペプチド、を含むキメラポリペプチドをコー
ドするキメラポリヌクレオチドを意味する。特異的ドメインは好ましくは転写活
性化ドメインである。
【0067】 preyポリヌクレオチドは原核微生物のゲノムライブラリー、好ましくはヘリコ
バクター・ピロリのゲノム DNAから得てもよい。 「bait (えさ) ポリヌクレオチド」とは、i)相補的ドメイン、およびii) 少な
くとも1つのpreyポリペプチドとの相互作用を試験すべきポリペプチド、を含む
キメラポリペプチドをコードするキメラポリヌクレオチドを意味する。相補的ド
メインは好ましくは宿主生物に含まれる検出可能な遺伝子上の結合部位を認識す
る DNA結合ドメインである。
【0068】 baitポリヌクレオチドとして、制限エンドヌクレアーゼでの切断 (Sambrook e
t al., 1973, Biochemistry 12(16): 3055-63, 分析的アガロース−臭化エチジ
ウム電気泳動を用いるヘモフィラス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainf
luenza) における2つの制限エンドヌクレアーゼ活性の検出) 、またはBallなど
のエキソヌクレアーゼによる切断、あるいは DNA合成のいずれによっても得られ
る完全長オープン・リーディング・フレーム(ORF) が用いられる。完全長ORF は
また、ツーハイブリッドシステムによるある行程で選択されるあるpreyに対応す
ることもできる。本明細書においてORF とも称される「オープン・リーディング
・フレーム」は、ポリペプチドをコードする核酸の領域をいう。この領域はコー
ディング配列の一部または全配列を表してもよく、そして終結コドンから終結コ
ドン、または開始コドンから終結コドンまで決定されてもよい。
【0069】 「 DNA結合ドメイン」は、デオキシリボヌクレオチド鎖と特異的に相互作用す
るタンパク質を意味する。配列特異的 DNA結合タンパク質は、互いに高度の配列
同一性を示す、特異的配列または特異的配列のファミリーに結合する。
【0070】 baitポリペプチドの DNA結合ドメインおよびpreyポリペプチドの転写活性化ド
メインは異なる種類由来であってもよい。具体例として、これらはLexAまたはGa
l4由来のものでもよい。
【0071】 酵母ツーハイブリッドシステムの1具体的実施例において、preyポリペプチド
はロイシン栄養要求性を有するY187酵母細胞に導入されている (形質転換)Leu2
選択遺伝子を有するプラスミドpACTIIstにクローン化されたpreyポリヌクレオチ
ドによりコードされ、baitポリペプチドはトリプトファン栄養要求性を有するCG
1945酵母細胞に導入されている (形質転換)Trp1 選択遺伝子を有するプラスミド
pAS2ΔΔにクローン化されたbaitポリヌクレオチドによりコードされる。
【0072】 別の面において、本発明は、以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互作用
しうるpreyポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを含む組換え細胞ク
ローンを同定するための細菌ツーハイブリッドシステム法に関する: a)baitポリペプチドをコードするbaitポリヌクレオチドを含むプラスミドで細菌
細胞クローンを形質転換し、 b)本発明のコレクションからpreyポリヌクレオチドを含むpreyプラスミドを取り
出し、 c)工程a)で得られた組換え細菌細胞クローンを、工程b)で取り出されたプラスミ
ドで形質転換し; d)工程c)で得られた組換え細菌細胞を選択培地上で培養し; e)選択培地上で増殖しうる組換え細胞クローンを選択する。
【0073】 好ましい態様において、本発明の組換え細胞クローンを同定する細菌ツーハイ
ブリッドシステム法の工程c)で得られる組換え細菌細胞の調製は以下の工程を含
む: 1)まずE.coliをbaitプラスミドで形質転換する (化学的−またはエレクトロ−コ
ンピタント細胞を用いる標準プロトコル) ; 2)preyプラスミドを本発明のコレクションから取り出す (preyプラスミドはE.co
li菌株中にある。プロトコル1.B 参照[E.coli 中に含まれるプラスミドは分取し
たE.coli凍結細胞から抽出 (Quiagen)する]); 3)取り出したpreyプラスミドを次いで形質転換の標準プロトコル (例えば、エレ
クトロ−またはキミオ−コンピタント細胞を用いて) により工程1の組換えE.co
liを形質転換する。
【0074】 1つの具体的態様において、本発明は、以下の工程を含む、baitポリペプチド
と相互作用しうるpreyポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを同定す
るための細菌ツーハイブリッドシステム法に関する: a)本発明の、baitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドをコードする
preyポリヌクレオチドを含む組換え細胞クローンを同定し、そして、 b)工程a)で選択されたそれぞれの組換え細胞クローンに含まれるpreyポリヌクレ
オチドの特性決定を行う。
【0075】 「細菌ツーハイブリッドシステム」とは、通常少なくとも1つのレポーター遺
伝子を用いる方法をいい、このレポーター遺伝子は、組換え細胞によりpreyポリ
ペプチドおよびbaitポリペプチドが産生された場合、1つのpreyポリペプチドに
含まれる特異的ドメインとbaitポリペプチドに含まれる相補的ドメインが互いに
接近した場合に、この少なくとも1つのレポーター遺伝子の転写の引き金により
、その転写が活性化されるようなものである。
【0076】 細菌ツーハイブリッドシステムの1具体的態様では、preyポリペプチドの特異
的ドメインおよびbaitポリペプチドの相補的ドメインは、酵素の触媒ドメインの
一部である。preyポリペプチドとbaitポリペプチドの相互作用は、酵素触媒ドメ
インの回復を可能にし、その結果、酵素活性の回復を可能にする。
【0077】 細菌ツーハイブリッドシステムのより好ましい態様において、酵素はボルデテ
ラ・ペルツシスのアデニル酸シクラーゼであり、触媒ドメインのT25 およびT28
断片の接近によるこの酵素の活性化によりcAMP合成を生じ、次いでcAMPがラクト
ースやマルトースなどの代謝オペロンの転写活性化の引き金となる。
【0078】 さらに別の面において、本発明は、baitポリペプチドおよびpreyポリペプチド (本発明のコレクション由来の細胞クローンに挿入されたポリヌクレオチドによ
りコードされる) が同じ原核微生物、特にヘリコバクター・ピロリ、大腸菌、ス
タフィロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッカス・ニューモニアエであ
るか、またはbaitポリペプチドがヒトポリペプチド由来であり、preyポリペプチ
ドが原核微生物、特にヘリコバクター・ピロリ由来である、本発明の方法に関す
る。
【0079】 さらに別の面において、本発明は、上記の本発明の組換え細胞クローンを同定
する酵母ツーハイブリッドシステム法の工程a)により得られる組換え2倍体酵母
細胞に関する。
【0080】 本発明の組換え細胞クローンを同定する酵母ツーハイブリッドシステム法によ
り得られる組換え2倍体酵母細胞もまた、本発明の一部を形成する。 酵母または細菌ツーハイブリッドシステムを実施することにより、1つの特定
のbaitポリペプチド相互作用性preyポリペプチドを同定することができる。スク
リーニングツーハイブリッドシステム法においてコレクションを試験することに
より選択されたpreyポリヌクレオチドは、関心あるタンパク質と相互作用するポ
リペプチドをコードする。
【0081】 ツーハイブリッドシステム法の実施により、原核−原核ポリペプチド間の、特
にヘリコバクター・ピロリ、大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウスまたはス
トレプトコッカス・ニューモニアエポリペプチド間の、または真核−原核ポリペ
プチド間の相互作用の同定を行うことができ、これらの相互作用もまた本発明の
一部である。
【0082】 別の面において、本発明は、baitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドまたはその断片に関し、このポリヌクレオチ
ドは本発明方法により同定されるものである。
【0083】 好ましい態様において、本発明は、下記グループから選択される本発明のポリ
ヌクレオチドを含む: a) 表I の右欄「相互作用ORF 」に記載の参照番号により同定されるORF の核酸
配列を有するポリヌクレオチド、および少なくとも12の連続したヌクレオチドを
有するその断片; b) a)のポリヌクレオチドの核酸配列への整列化後に、少なくとも80%、好まし
くは少なくとも85%、90%、95%および99%のヌクレオチド同一度を有するポリ
ヌクレオチド、 c) a)もしくはb)のポリヌクレオチドの核酸配列を含むポリヌクレオチド。
【0084】 さらに別の面において、本発明は、preyポリペプチドと相互作用しうるbaitポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその断片に関し、このpreyポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドは本発明方法により同定されるものであ
る。
【0085】 好ましい態様において、本発明は、下記グループから選択される本発明のポリ
ヌクレオチドを含む: a) 表I の左欄「baitポリペプチド」に記載の参照番号により同定されるORF の
核酸配列を有するポリヌクレオチド、および少なくとも連続した12つのヌクレオ
チドを有するその断片;および b) a)のポリヌクレオチドの核酸配列への整列化後に、少なくとも80%、好まし
くは少なくとも85%、90%、95%および99%の同一度を有するポリヌクレオチド
、 c) a)もしくはb)のポリヌクレオチドの核酸配列を含むポリヌクレオチド。
【0086】 さらに別の面で、本発明は、本発明のbaitポリペプチドと相互作用しうるprey
ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドもしくはその断片、および該
baitポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドもしくは少なくとも12の
連続したヌクレオチドを有するその断片からなる、2つのポリヌクレオチドのセ
ットに関する。
【0087】 本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドおよび、本発明の
2つのポリヌクレオチドのセットによりコードされる2つのポリペプチドのセッ
トもまた、本発明の一部を構成する。
【0088】 好ましい態様において、本発明は、本発明の2つのポリヌクレオチドのセット
によりコードされる少なくとも2つのポリペプチドを含む単離された複合体に関
し、好ましくはこの2つのポリペプチドは親和性結合により複合体中で結合して
いる。
【0089】 好ましい態様において、本発明は、少なくとも、ORF HP1198によりコードされ
るポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TMドメインの1つ、また
は少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) およびORF HP1293に
よりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TMドメイ
ンの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) を含
む、単離された複合体に関する。
【0090】 好ましい態様において、本発明は、少なくとも、ORF HP1198によりコードされ
るポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TMドメインの1つ、また
は少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) およびORF HP0088に
よりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TMドメイ
ンの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) を含
む、単離された複合体に関する。
【0091】 好ましい態様において、本発明は、少なくとも、ORF HP1198によりコードされ
るポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TMドメインの1つ、また
は少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) およびORF HP1032に
よりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはその SIDTMドメイ
ンの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド) 含む
、単離された複合体に関する。
【0092】 別の面において、本発明は、2つの相互作用性タンパク質が、本発明の2つの
ポリペプチドのセットからなるものである、タンパク質−タンパク質相互作用に
関する。
【0093】 好ましい態様において、本発明は、2つのポリペプチドのセットがヘリコバク
ター・ピロリ、大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッ
カス・ニューモニアエの2つのポリペプチドからなる、本発明のタンパク質−タ
ンパク質相互作用に関する。
【0094】 ツーハイブリッドシステムを数回繰り返し、こうして共通のbaitおよびpreyポ
リペプチドを選択すると、各相互作用性ポリペプチドの既知及び/又は推測生物
学的機能を考慮に入れた、これらのポリペプチド間の全相互作用の地図が設計さ
れる。
【0095】 このようなタンパク質相互作用地図 (Protein Interaction Map, PIMTMは、当
分野の技術者にとって最初の DNAライブラリーが誘導される宿主生物内で機能的
に活性な全体の代謝及び/又は生理学的経路を解読する手助けとなりうる。タン
パク質相互作用地図とPIM TMのコンピューター版は本発明の一部である。
【0096】 従って、さらに別の面において、本発明は、本発明のタンパク質−タンパク質
相互作用がその上に保存された、好ましくは、例えば、Fromont-Racine et al., Nature Genetics, 1997, Letter, 277-281,3図、279 頁に示されるようなタン
パク質相互作用地図の形態で保存された、コンピューターで判読可能な媒体 (フ
ロッピー(R)ディスク、ディスケット、CDロムおよびコンピューターで判読でき
る電子的もしくは磁気的フォーマット) に関する。
【0097】 好ましい態様において、本発明は、その上に保存されたタンパク質−タンパク
質相互作用が、例えばインターネットを介して注釈付 (annotated)データベース
に連結されている、本発明のコンピューターで判読可能な媒体を含む。
【0098】 他の好ましい態様においては、本発明は、その上に保存されたタンパク質−タ
ンパク質相互作用を含むデータバンクを含み、このデータバンクはWorld-Wide W
ebサイト上で利用でき、このデータバンクはその他のデータバンクにより注釈が
付けられていてもよいものである。
【0099】 供給源のゲノム DNAは、組換えベクターに挿入される前にランダムに断片化さ
れているので、いくつかのpreyポリペプチドを1つのbaitポリペプチドに対して
選択できる。従って、preyポリペプチドとbaitポリペプチド間の相互作用に関与
する正確なポリペプチドドメインを含む選択相互作用ドメイン(Selected Intera
cting Domain,SIDTM) を定義することが可能である。
【0100】 従って、本発明は別の面において、以下の工程を含む、baitポリペプチドと相
互作用しうる原核微生物から、関心あるpreyポリペプチドの選択相互作用ドメイ
ン(SIDTM) をコードするポリヌクレオチドを同定する方法に関する: a)本発明の方法により同定されたpreyポリヌクレオチドから、該baitポリペプチ
ドと相互作用しうるポリペプチドをコードし、そして、関心あるpreyポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドの核酸断片と同じ核酸断片を含むすべてのprey
ポリヌクレオチドを選択し、 b)工程a)において選択されたすべてのpreyポリヌクレオチドに共通なポリヌクレ
オチドを決定し、そして、 c)工程b)で決定したポリヌクレオチドを、関心ある該preyポリペプチドの選択相
互作用ドメイン(SIDTM) をコードするポリヌクレオチドであるとして同定する。
【0101】 この方法により得ることができる、baitポリペプチドと相互作用しうる原核微
生物由来の関心あるpreyポリペプチドの選択相互作用ドメイン(SIDTM) をコード
するポリヌクレオチドもまた本発明を構成する。
【0102】 ある具体的態様において、関心あるpreyポリペプチドはヘリコバクター・ピロ
リ、大腸菌、スタフィロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッカス・ニュ
ーモニアエ由来である。
【0103】 好ましい態様において、本発明の関心あるpreyポリペプチドの選択相互作用ド
メイン(SIDTM) をコードするポリヌクレオチドは、下記グループから選択される
: a) 表IIの右欄「SID TM」に記載の参照番号により同定されるアミノ酸配列をコ
ードするポリヌクレオチド; b) 表III の右欄「SID TM」に記載の参照番号により同定される配列を有するポ
リヌクレオチド; c) a)もしくはb)のポリヌクレオチド、その相補物および該ポリヌクレオチドに
対応するRNA の少なくとも12、15、25または50の連続ヌクレオチドを有する断片
、 d) a)もしくはb)のポリヌクレオチドの核酸配列への整列化後に少なくとも80%
、好ましくは85%、90%、95%および99%の同一性を有するポリヌクレオチド。
【0104】 「その相補物」の用語は、本明細書において、相補性領域の全体にわたり、別
の特定のポリヌクレオチドとWatoson & Crick 塩基対を形成しうるポリヌクレオ
チドの配列について使用される。この用語は、その配列にのみ基づいてポリヌク
レオチドの対に適用され、2つのポリヌクレオチドが実際に結合するであろう特
定のセットの条件に基づいては適用されない。
【0105】 「配列同一度」なる用語は、本明細書において、ポリヌクレオチド間およびポ
リペプチド間の比較について用いられ、比較ウインドウ上で2つの最適に整列化
された配列を比較することにより決定され、ここで、比較ウインドウにおけるポ
リヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一部は、2つの配列の最適の整列化の
ための参照配列 (付加または欠失を含まない) に比べて付加または欠失 (すなわ
ち、空所) を含むかもしれない。割合は、両方の配列において同じ核酸塩基また
はアミノ酸残基が生じる位置の数を決定し、マッチした位置の数を得て、比較ウ
インドウ中の合計数でマッチした位置数を割り、その結果に100 をかけて配列同
一性の割合を出す。相同性は、当分野で既知の各種配列比較アルゴリズムおよび
プログラムのいずれかを用いて評価される。このようなアルゴリズムおよびプロ
グラムには、BLASTN、BLASTP (Altschul et al., 1990, J.Mol.Biol., 215(3):
403-410 /Altschul et al., 1993, Nature Genetics 3: 266-272 /Altschul e
t al., 1997, Nuc.Acids Res.25: 3389-3402) があるが、決してこれらに限定は
されない。
【0106】 上に示した配列同一性の定義は、当分野の技術者が用いるであろう定義である
。定義それ自体は何等のアルゴリズムの助けは必要とせず、このアルゴリズムは
、配列同一性の算出よりもむしろ配列の最適整列化を達成するためにのみ有用で
ある。
【0107】 上記定義から、2つの比較された配列間の配列同一性についてうまく定義され
た唯一の値が存在し、この値は最良または最適な整列化に対して得られる値に対
応することが分かる。
【0108】 ウエブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.html において利用でき
、2つの配列間の同一性比較および決定に、本発明者により習慣的におよび一般
に技術者により用いられるBLAST N またはBLAST P 「LAST 2配列」(Tatusova et
al., Blast 2 sequence、タンパク質およびヌクレオチド配列の比較のための新
しい手段、FEMS Microbiol. Lett. 174: 247-250) ソフトウェアにおいて、比較
されるべき配列の性質および長さに関して選択された置換マトリックスに依存し
た「open gap penaltie 」および「ectension gap penaltie」のパラメーターは
、ソフトウェアにより直接選択される (即ち、置換マトリックスBLOSUM-62 につ
いてそれぞれ「5 」および「2 」) 。比較すべき2つの配列間の同一性%はソフ
トウェアにより直接算出される。
【0109】 別の目的において、本発明は、下記グループから選択されるポリヌクレオチド
も含む: a)表IIの右欄「SID TM」に記載の参照により同定されるアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、および少なくとも連続した5つのアミノ酸を有するその断片;およ
び b)本発明の関心あるpreyポリペプチドの選択相互作用ドメイン(SIDTM) をコード
するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
【0110】 さらに別の面において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドの、本発明のba
itポリペプチドと相互作用しうる、関心あるpreyポリペプチド、またはそのSID TM をコードするポリヌクレオチドの増幅及び/又は検出のためのプライマーまた
はプローブとしての使用に関する。
【0111】 別の面において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むクローニングま
たは発現ベクターに関する。 本発明の特に好ましいベクターにはプラスミドpACTIIst、pAS2ΔΔもしくはpP
6 、またはpT25、pKT25 、pUT18 およびpUT18Cからなる群より選択されるプラス
ミドがある。
【0112】 さらに好ましいベクターはアデノウイルス、AAV 、レトロウイルス、ポックス
ウイルスまたはヘルペスウイルスなどの、自己複製性またはウイルスベクターで
ある。
【0113】 宿主細胞中での前記配列の発現及び/又は分泌を可能にするエレメントを含む
ことを特徴とする本発明のベクターもまた本発明の一部を構成する。 宿主細胞中で前記ポリヌクレオチドの発現及び/又は分泌を可能にするエレメ
ントを含む本発明のベクターもまた本発明の一部を構成する。
【0114】 プロモーター及び/又は調節配列、または本発明による細胞内アドレシング (
addressing) のための配列またはその断片を含むことを特徴とする本発明のベク
ターもまた本発明に含まれる。
【0115】 このベクターは、好ましくは、プロモーター、翻訳の開始および終結のための
シグナル、および転写の調節のための適宜領域を含む。これらはまた、細胞内で
安定に維持されることができてもよく、場合により翻訳タンパク質の分泌を指示
する特定のシグナルを含んでいてもよい。
【0116】 これらの異なる制御シグナルは、使用される細胞宿主に応じて選択される。こ
の目的には、本発明の核酸配列を、選択された宿主内の自律的に複製するベクタ
ー中に、または選択された宿主に組み込み性のベクター中に挿入されてもよい。
【0117】 自律的または自己複製系の中では、宿主細胞に応じて、プラスミドもしくは初
型の系が好ましく用いられ、ウイルスベクターが特にアデノウイルス (Perricau
det et al., 1992, La Recherche 23: 471-473, 1992) 、レトロウイルス、ポッ
クスウイルスまたはヘルペスウイルス (Epstein et al., 1992, Medecine/Scien
ces 8: 902-911, 1992) であってもよい。当分野の技術者はこれらの系のそれぞ
れについて使用できる技術を知っている。
【0118】 前記配列の宿主細胞染色体中への組み込みが望ましい場合には、例えば、プラ
スミドまたはウイルス型の系を使用することができ;そのようなウイルスには、
例えばレトロウイルス (Temin, 1986, In Kucherlapati R.,編、Gene Transfer,
ニューヨーク、Plenum Press, 149-187, 1986)、またはAAV (Carter, 1993, Cur
r, Op. Biotechnology 3: 533-539, 1993)がある。
【0119】 上記ベクターは当分野の技術者に通常用いられる方法により調製され、そして
それより得られるクローンは、リポフェクション、エレクトロポレーションもし
くは熱ショックなどの標準的方法により適宜宿主中に導入することができる。
【0120】 本発明は、さらに、本発明のベクターにより形質転換された宿主細胞、特に真
核および原核細胞も含む。 これらの目的に使用できる細胞には、当然、細菌細胞 (Olins et al., Curr.
Op. Biotechnology 4: 520-525, 1993) 、さらに、酵母細胞 (Buckholz, Curr.
Op. Biotechnology 4: 538-542, 1993) および動物細胞、特に、哺乳動物細胞 (
Edwards and Aruffo, Curr. Op. Biotechnology 4: 558-563, 1993) 、そして特
に、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO) 、また、例えばバキュロウイルス (
Luckow et al., Curr. Op. Biotechnology 4: 564-572, 1993)を用いる方法が可
能な昆虫細胞が挙げられる。本発明のタンパク質の発現のための好ましい細胞宿
主はCHO 細胞からなる。
【0121】 本発明の細胞は、以下に記載するように、本発明のポリペプチドの産生のため
の方法において使用することができ、また分析およびスクリーニングのモデルと
しても働く。
【0122】 従って、本発明は、下記工程を含む、本発明のポリペプチドを製造する方法を
含む: a)本発明の宿主細胞を、該宿主細胞の増殖および該ポリペプチドの発現を可能に
する条件および培地において培養し;そして、 b)工程a)で得られた培地または培養細胞から直接該ポリペプチドを回収する。
【0123】 上記方法により得られた組換えポリペプチドもまた本発明を構成する。 本明細書において、「組換えポリペプチド」なる用語は、人工的に設計され、
その最初の天然の環境においては隣接するポリペプチド配列としては見出せない
少なくとも2つのポリペプチド配列を含むポリペプチドを意味するか、あるいは
組換えポリヌクレオチドから発現されたポリペプチドを意味するものとして使用
される。
【0124】 組換え形態の本発明のポリペプチドを製造する方法はそれ自身本発明に含まれ
、そしてこの方法は、形質転換細胞を、本発明のポリヌクレオチドによりコード
される組換えポリペプチドの発現を可能にする条件で培養し、そして、この組換
えポリペプチドを回収することを特徴とする。
【0125】 本発明のベクターまたは宿主細胞を使用することを特徴とする、異種ポリペプ
チドの製造のための方法もまた、本発明の一部を構成する。 この製造方法により得ることができることを特徴とする組換えポリペプチドも
また、本発明の一部を構成する。
【0126】 上記のようにして得られた組換えポリペプチドは、グリコシル化および非グリ
コシル化形態のいずれでもよく、天然の三次構造をもっていても、もたなくても
よい。
【0127】 これらのポリペプチドは、当分野の技術者に既知の組換えポリペプチド生産の
ための技術により、ポリヌクレオチドから生産してもよい。この場合、使用され
るポリヌクレオチドは、細胞宿主中でその発現を可能にするシグナルの調節下に
置かれる。
【0128】 組換えポリペプチドの産生のための有効な系は、本発明のベクターおよび宿主
細胞を有することが必要である。 これらの細胞は、上で定義したベクター中に挿入されたヌクレオチド配列を宿
主中に導入し、このトランスフェクトされたヌクレオチド配列の複製及び/又は
発現を可能にする条件下で該細胞を培養することにより得てもよい。
【0129】 使用される組換えポリペプチドの精製法は、当分野の技術者に知られている。
組換えポリペプチドは、細胞溶解液および抽出液から、または培養液上清から、
分画、クロマトグラフィー法、モノもしくはポリクローナル抗体を用いる免疫親
和性技術等の方法を個別にまたは組み合わせて、精製することができる。
【0130】 好ましい変法は、「担体」タンパク質と融合した組換えポリペプチド (キメラ
タンパク質) を製造することからなる。この系の利点は、融合パートナーが特異
的リガンドに親和性を有する場合には、組換え産物の安定化およびタンパク質分
解の減少、in vitro変性中の溶解性の増加及び/又は精製の簡素化を可能にする
【0131】 本発明のポリペプチドは、多数の既知のペプチド合成の任意の方法を用いる化
学合成、例えば、固体相を用いる技術または部分的固体相を用いる技術により、
断片の縮合や溶液中での慣用の合成法により得ることができる。
【0132】 本発明のポリヌクレオチドまたは抗体を用いることを特徴とする、本発明のタ
ンパク質−タンパク質相互作用に関与する、ポリヌクレオチドまたはコードされ
るポリペプチドの存在を決定するための方法もまた、本発明を構成する。
【0133】 これらの方法は、例えば、そのポリペプチドの起源である原核微生物の生物学
的試料中での存在をin vitroで診断する方法に関する。分析されるポリペプチド
はゲノム DNA、cDNA、mRNAのいずれでもよい。
【0134】 これらの方法は本発明のプローブおよびプライマーを用いることができる。 「プライマー」の用語は、標的ヌクレオチド配列に相補性であり、標的ヌクレ
オチド配列にハイブリッド形成するのに用いられる特異的オリゴヌクレオチド配
列を意味する。プライマーは、 DNAポリメラーゼ、RNA ポリメラーゼまたは逆転
写酵素のいずれかにより触媒されるヌクレオチド重合にとっての開始点として働
く。
【0135】 「プローブ」の用語は、試料中に存在する特定のポリヌクレオチド配列を同定
するのに使用できる規定の核酸セグメント (またはヌクレオチド類似セグメント
、例えば、以下に規定するポリヌクレオチド) を意味し、ここで、この核酸セグ
メントは同定すべき特定のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を
含む。
【0136】 それらは、一般的に、本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に関与する関
心あるタンパク質をコードする選択されたポリヌクレオチドと特異的にハイブリ
ッド形成しうることを特徴とする、少なくとも12のヌクレオチド、好ましくは少
なくとも15、20および25のヌクレオチドを含む、ハイブリダイゼーション用の精
製された核酸配列である。
【0137】 本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に関与する関心あるポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドの存在を決定するための方法の中で、本発明のヌク
レオチド配列のプライマー対を補助に用いた、本発明の標的ポリヌクレオチドの
、いわゆるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応) またはPCR 類似の増幅の少なくとも1段
階を含む方法が好ましい。
【0138】 PCR 類似法とは、核酸配列の直接または間接の再生産を用いる、あるいは標識
系が増幅されるすべての方法を意味し、これらの技術はもちろん既知であり、一
般的にそれらはポリメラーゼにより DNAを増幅することを含む;もとの試料がRN
A である場合には、予め逆転写を行っておくのがよい。現在、このような増幅を
可能にする多数の方法があり、例えば、当分野の技術者に周知の、いわゆるNASB
A 「核酸配列に基づく増幅、Nucleic Acid Sequence Based Amplification 」 (
Compton J., 1991, Nature. 350(6313) 91-92)、TAS 「転写に基づく増幅系、Tr
anscription based AmplificationSystem 」(Guatelli et al., 1990, Pro. Nat
l. Acad. Sci. USA. 35: 273-286) 、LCR 「リガーゼ連鎖反応、Ligase Chain R
eaction 」 (Lanegren et al., 1998, Gemone Research, 8 769-776)、「エンド
・ラン増幅 (ERA)、Endo Run Amplification」、「サイクリング・プローブ反応
」(CPR) および SDA「鎖置換増幅、Strand Displacement Amplification 」(Wal
ker et al., Nucleic Acids Res. 20: 1691-1696, 1992) がある。
【0139】 本発明はさらに、本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に関与する、関心
あるポリペプチドの存在を決定する方法を含み、この方法は、本発明の抗体を、
該ポリペプチドと該抗体間の特異的免疫学的複合体の形成を可能にする条件の存
在下で、試験すべき生物学的材料に接触させ、形成する可能性のある免疫学的複
合体を、例えばRIA やELIZA を用いた方法により検出することを特徴とする。
【0140】 前記の形質転換細胞はまた、本発明のポリペプチドとその相互作用パートナー
ポリペプチド間、または本発明のポリペプチドと、本発明のポリペプチドを含む
本発明のタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる化学化合物もしくはタ
ンパク質化合物間の相互作用を検討するためのモデルとして使用できる。
【0141】 具体的には、それらは、補因子、阻害剤、特に競合阻害剤としての、あるいは
本発明のポリペプチドを含む、タンパク質−タンパク質相互作用に対するアゴニ
ストまたはアンタゴニスト作用を有する、本発明のポリペプチドまたはそのSID TM ドメインの1つと相互相互作用する産物を選択するのに使用してもよい。好ま
しくは、この形質転換細胞は、特に、原核微生物により誘導される疾患の予防及
び/又は治療を可能にする産物の選択を可能にするモデルとして用いられよう。
【0142】 本発明のさらに別の面は、下記工程を含む、本発明の2つのポリペプチドのセ
ットのタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる薬剤または化合物を選択
する方法に関する: a)その発現が組換え細胞クローンに有毒であるレポーター遺伝子を含み、2つの
プラスミドで形質転換された組換え細胞クローンを、試験すべき薬剤を含み、こ
の有毒レポーター遺伝子が活性化されない場合には前記組換え細胞クローンの増
殖を可能にする選択培地において培養し、ここで、 i)第1のプラスミドは該2つのポリペプチドの一方および DNA結合ドメインを
含む第1のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物を
含み; ii) 第2のプラスミドは該2つのポリペプチドの他方および、第1および第2
のハイブリッドポリペプチドが相互作用する場合に該有毒レポーター遺伝子を活
性化しうる活性化ドメインを含む、第2のハイブリッドポリペプチドをコードす
る核酸配列を含む核酸構築物を含み; b)工程a)で培養された組換え細胞クローンの増殖を阻害しうる薬剤を選択する。
【0143】 本発明はまた、下記工程を含む、本発明の2つのポリペプチドのセットのタン
パク質−タンパク質相互作用を変化させうる薬剤を選択する方法を含む: a)その発現が組換え細胞クローンに対して有毒であるレポーター遺伝子を含み、
2つのプラスミドで形質転換された、好ましくは透過性の組換え細胞クローンを
、試験すべき薬剤を含み、この有毒レポーター遺伝子が活性化されない場合には
前記組換え細胞クローンの増殖を可能にする選択培地において培養し、ここで、
i)第1のプラスミドは該2つのポリペプチドの一方および酵素の第1ドメインを
含む第1のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物を
含み; ii) 第2のプラスミドは該2つのポリペプチドの他方および、第1および第2の
ハイブリッドポリペプチドが相互作用する (ここで該相互作用は該酵素の活性を
回復させる) 場合に該有毒レポーター遺伝子を活性化しうる前記酵素の第2の部
分を含む第2のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築
物を含み; b)工程a)で培養された組換え細胞クローンの増殖を阻害しうる薬剤を選択する。
【0144】 好ましい態様において、負の選択に使用できる前記有毒レポーター遺伝子がUR
A3、CHY1またはCHY2遺伝子である。 本発明のさらに別の面は、下記工程を含む、本発明の2つのポリペプチドのセ
ットのタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる薬剤または化合物を選択
する方法に関する: a)その発現が組換え細胞クローンの増殖を刺激するレポーター遺伝子を含み、2
つのプラスミドで形質転換された組換え細胞クローンを、試験すべき薬剤を含み
、この刺激作用性レポーター遺伝子が活性化されない場合には前記組換え細胞ク
ローンの正常な増殖を可能にする選択培地において培養し、ここで、 i)第1のプラスミドは該2つのポリペプチドの一方および DNA結合ドメインを含
む第1のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物を含
み; ii) 第2のプラスミドは該2つのポリペプチドの他方および、第1および第2の
ハイブリッドポリペプチドが相互作用する場合に該刺激作用性レポーター遺伝子
を活性化しうる活性化ドメインを含む、第2のハイブリッドポリペプチドをコー
ドする核酸配列を含む核酸構築物を含み; b)工程a)で培養された組換え細胞クローンの増殖を刺激しうる薬剤を選択する。
【0145】 好ましい態様において、2つのポリペプチドのセットのタンパク質−タンパク
質相互作用を変化させうる薬剤または化合物を選択する本発明の方法は、ORF HP
1198によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TM ドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド
) と、ORF HP1293によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましく
はそのSID TMドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的
ポリペプチド) との間の相互作用を変化させうる薬剤を選択するための方法であ
る。
【0146】 好ましい態様において、2つのポリペプチドのセットのタンパク質−タンパク
質相互作用を変化させうる薬剤または化合物を選択する本発明の方法は、ORF HP
1198によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TM ドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド
) と、ORF HP0088によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましく
はそのSID TMドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的
ポリペプチド) との間の相互作用を変化させうる薬剤を選択するための方法であ
る。
【0147】 好ましい態様において、2つのポリペプチドのセットのタンパク質−タンパク
質相互作用を変化させうる薬剤または化合物を選択する本発明の方法は、ORF HP
1198によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましくはそのSID TM ドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的ポリペプチド
) と、ORF HP1032によりコードされるポリペプチド (またはその断片、好ましく
はそのSID TMドメインの1つ、または少なくとも80%の同一度を示すその相同的
ポリペプチド) との間の相互作用を変化させうる薬剤を選択するための方法であ
る。
【0148】 本発明の別の態様では、本発明者等は、少なくとも1つの組換え二倍体クロー
ンもしくは、baitポリペプチドをコードする配列を含むプラスミドおよびpACTII
stおよびpAS2ΔΔから選択されてもよい、SID TMもしくはSID TMの相同ポリペプ
チドのヌクレオチド配列を含むプラスミドで形質転換したハブロイドもしくは二
倍体の細胞クローン、を含むモジュレーター剤 (modulator agent)検出のための
キットを提供する。
【0149】 相互作用性タンパク質の同じ対に作用するSID TMまたはSID TMの相同配列は、
モジュレーター剤であってもよい。 本発明の酵母または細菌ツーハイブリッドシステムのいずれかによって選択さ
れるモジュレーター剤もまた、本発明の一部を構成する。
【0150】 本発明のタンパク質−タンパク質相互作用のこれらのモジュレーター剤は、例
えば化合物のライブラリーから得ることができる。 従って、本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に干渉しうる前記本発明方
法により選択されるモジュレーター剤もまた本発明である。この薬剤は、2つの
原核ポリペプチド間の、特に2つのヘリコバクター・ピロリ、大腸菌、スタフィ
ロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッカス・ニューモニアエポリペプチ
ドの間の、またはヘリコバクター・ピロリ、スタフィロコッカス・アウレウスま
たはストレプトコッカス・ニューモニアエポリペプチドのような原核ポリペプチ
ドと、哺乳動物 (特にヒト) などの前記原核微生物の宿主生物由来のポリペプチ
ドとの間の、本発明の相互作用を変化させることができる。
【0151】 これらの方法は、直接もしくは間接に、本発明のポリヌクレオチドもしくはそ
れによりコードされるポリペプチドと相互作用しうる、特に本発明のポリペプチ
ドが関与するタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる、化学的もしくは
生化学的化合物の選択を可能にする。
【0152】 より具体的には、本発明は、タンパク質−タンパク質相互作用により、原核微
生物、好ましくはヘリコバクター・ピロリ、スタフィロコッカス・アウレウスま
たはストレプトコッカス・ニューモニアエの生存及び/又は増殖を変化させうる
、より好ましくは阻害するモジュレーターに関する。
【0153】 本発明のポリペプチドが関与するンパク質−タンパク質相互作用を変化させう
る化合物のスクリーニングについては、好ましい主な効果は、タンパク質−タン
パク質相互作用により、原核微生物、好ましくはヘリコバクター・ピロリ、スタ
フィロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッカス・ニューモニアエの生存
及び/又は増殖を阻害する効果である。
【0154】 原核微生物の生存及び/又は増殖を変化させるこれらの効果は、当業者に既知
の任意の方法により分析することができる。 例えば、モジュレーター剤のスクリーニング法は以下の工程を含んでいてもよ
い: −1つの特異的相互作用を選択する、 −特異的相互作用のbaitポリペプチドおよびpreyポリペプチドを含むプラスミド
で透過性酵母細胞を形質転換する、 −四角の箱 (予めアガロースゲルを含む) に形質転換された透過性酵母細胞を含
む上部寒天を入れる、 −寒天が固まり次第、上部寒天上に試験すべき化合物を点状に配置する、 −例えば、30℃で一晩培養し、そして −結果を分析する:形質転換された透過性酵母細胞の増殖を防止する模範的化合
物を選択する。
【0155】 本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に関与する本発明のポリヌクレオチ
ドまたはそれにコードされるポリペプチドの発現のレベル及び/又は特異性を変
化させうる化合物を試験するためにスクリーニングを用いてもよい。
【0156】 本発明のタンパク質−タンパク質相互作用に関与する本発明のポリペプチドを
コードする遺伝子の発現の定量的または定性的分析は、 DNA鋳型として本発明の
プライマーまたはプローブを用いて実施でき、ここで DNA鋳型なる用語は、それ
にハイブリッド形成しうるmRNAの発現の特異的検出を可能にするのに十分な長さ
を有する核酸を指す。例えば、 DNA鋳型はこの遺伝子由来の核酸またはその相補
性配列を含み、発現のレベルまたは特異性を評価するのが望ましく、少なくとも
15、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100 または少なくとも500 の連続
ヌクレオチドを含む。
【0157】 本発明の別の面は、タンパク質−タンパク質相互作用に関与する本発明の2つ
のポリペプチドのセットの一方に結合しうる分子を同定する方法からなる。この
分子は、タンパク質−タンパク質相互作用による、原核微生物、好ましくはヘリ
コバクター・ピロリの生存及び/又は増殖を変化させるのに使用できる。例えば
、このような分子は、原核微生物の生存及び/又は増殖に関与する生物学的反応
を刺激または阻害するのに使用できる。
【0158】 規定ポリペプチドに対するリガンドを同定するための当業者に周知の多くの方
法が存在する。 例えば、タンパク質−タンパク質相互作用に関与する本発明の2つのポリペプ
チドのセットの一方のポリペプチドに結合しうる分子、そのサブユニット、また
は少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30もしくは30以上の連続アミノ酸の
断片を、結合化学により生じるものなどの小分子を用いて同定するには、HPLC結
合マイクロ透析またはアフィニティ・キャピラリー電気泳動を用いることができ
る。
【0159】 その他の方法では、前記本発明の2つのポリペプチドのセットの一方と相互作
用しうるペプチドもしくは小分子、そのサブユニットまたはその断片を、放射性
、蛍光または酵素マーカーなどの検出可能なマーカーに結合してもよい。これら
の標識された分子を、特異的相互作用を可能にする条件下で、固定化した本発明
の2つのポリペプチドのセットの一方に接触させる。特異的に結合しない分子を
除いた後、結合した分子を適宜手段により検出する。
【0160】 さらに、本発明の2つのポリペプチドのセットの一方、好ましくはそのSID TM 結合部位、に結合するペプチドまたは小分子は、競合実験により同定できる。こ
の実験において、本発明の2つのポリペプチドのセットの一方は表面に固定化す
る。増加量のペプチドまたは小分子を、固定化した本発明の2つのポリペプチド
のセットの一方と、本発明の2つのポリペプチドの別の標識ポリペプチド (標識
リガンドと称する) の存在下で接触させる。標識リガンドは放射性、蛍光または
酵素マーカーで標識してもよい。試験すべき分子の、本発明の2つのポリペプチ
ドのセットの一方と相互作用する能力は、試験される分子の存在下で結合する標
識リガンドの量を測定することにより決定される。試験される分子が存在する場
合に結合するリガンドの量が減少することは、試験される分子が、本発明の2つ
のポリペプチドのセットの一方と相互作用しうることを示す。
【0161】 Biocore TM技術もまた、本発明の2つのポリペプチドのセットの一方と相互作
用しうる化合物をスクリーニングを行うのに使用できる。この技術はSzabo et a
l.,(1995) およびEdwards and Leartherbarrow (Analytical Biochemstry, 246,
1-6, 1997)(参照として援用される) に記載されており、標識を使用せずにリア
ルタイムで分子間の相互作用を検出可能にする。
【0162】 この方法の主要な利点の1つは、本発明の2つのポリペプチドのセットの一方
と相互作用性分子との間の会合定数を決定できることである。従って、高いまた
は低い会合定数で相互作用する分子を特異的に選択することが可能である。
【0163】 本発明の2つのポリペプチドのセットの一方と相互作用するタンパク質または
その他の分子は、本発明の2つのポリペプチドのセットの一方を含むアフィニテ
ィーカラムを用いて同定することができる。本発明の2つのポリペプチドのセッ
トの一方をアガロース、Affi Gel、または当業者に既知のその他のマトリックス
などの適宜カラムマトリックスへの化学結合を含む、慣用技術を用いてカラムに
結合してもよい。本発明の別の面では、本発明の2つのポリペプチドのセットの
一方が、例えばグルタチオンS-トランスフェラーゼと融合されたキメラタンパク
質を含んでいてもよい。上記の試験すべき分子を次いでカラムにおく。本発明の
2つのポリペプチドのセットの一方と相互作用する分子はカラムに保持され、溶
離により分離される。
【0164】 本発明のタンパク質−タンパク質相互作用を直接または間接に変化させうるこ
とを特徴とし、上記方法により選択される化学的または生化学的化合物もまた本
発明の一部を構成する。
【0165】 ヘリコバクター・ピロリのタンパク質の相互作用を変化させるための、本発明
のポリペプチドの使用もまた、本発明の一部を構成する。 さらに別の面において、本発明は、動物またはヒトの生体に、本発明のポリペ
プチド、ベクターまたは宿主細胞を含む免疫原性薬剤で免疫する工程を含む、モ
ノクローナルまたはポリクローナル抗体の製造方法に関し、またこの方法で得ら
れる抗体にも関する。
【0166】 本発明のポリペプチドを特異的に認識しうることを特徴とする、モノクローナ
ルもしくはポリクローナル抗体、またはその断片、キメラまたは免疫複合抗体も
また、本発明の一部を構成する。
【0167】 本明細書において使用する「抗体」の用語は、少なくとも1つの結合ドメイン
を含むポリペプチドもしくはポリペプチド群を意味し、ここで抗体結合ドメイン
は、抗体分子の可変性ドメインの折り畳みにより形成され、内部の表面形状と、
抗原の抗原決定基の状態に相補的な電荷分布を有する三次元結合空間を形成し、
それによって抗原との免疫学的反応を可能にするものである。抗体には、結合ド
メイン、およびFab, Fab', F(ab)2 およびF(ab')2 断片などの断片を含む組換え
タンパク質がある。
【0168】 特異的ポリクローナル抗体は、本発明ポリペプチドの、特に、本発明のポリヌ
クレオチドから慣用の操作により遺伝子組換えまたはペプチド合成により得られ
たポリペプチドで免疫された動物の血清から得てもよい。
【0169】 特異的モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein (Kohler,G. and Milstre
in,C., Nature 256: 495, 1975) に記載の慣用のハイブリドーマ培養方法により
得てもよい。
【0170】 本発明の抗体は、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、Fab またはF(ab')2 断片
である。それらはまた、検出可能及び/又は定量可能なシグナルを得るために免
疫複合体の形態または標識化抗体の形態であってもよい (Harlow,E. and D.Lane
, 1988, Antibodies A Laboratory Mannual, Cold Spring Harbor Laboratory,
pp.53-254)。
【0171】 本発明はまた、本発明の抗体を使用することを特徴とする、本発明のポリペプ
チドの検出及び/又は精製の方法に関する。 本発明はさらに、本発明の方法によって得られる精製ポリペプチドも含む。
【0172】 さらに、ポリペプチドの精製のための使用に加え、本発明の抗体、特にモノク
ローナル抗体は生物学的試料中のこれらのポリペプチドの検出に使用してもよい
【0173】 従って、それらは、例えば免疫蛍光、金標識、酵素免疫複合体などによる、特
定の組織切片上で産生されるポリペプチドの発現の免疫細胞化学または免疫組織
化学的解析の手段を構成する。
【0174】 それらは特に、予防または治療方法の進展を監視するのに有用となる、生物学
的組織または試料中のこれらのポリペプチドの発現を検出することを可能にする
【0175】 より一般的には、本発明の抗体は、それに対して抗体が産生される本発明のポ
リペプチドの発現を観察することが必要な任意の状況において有利に使用できる
【0176】 最後に本発明は、医薬の製造のための化合物としての、本発明のポリヌクレオ
チド、ポリペプチド、ベクター、宿主細胞、モジュレーター剤または抗体に関す
る。
【0177】 従って、本発明はまた、以下の群より選択される化合物を含む薬剤組成物を含
む: a)本発明のポリヌクレオチド、 b)本発明のポリペプチド、 c)本発明のベクター、 d)本発明の宿主細胞、 e)本発明のモジュレーター剤、 f)本発明の抗体。
【0178】 本発明の薬剤組成物もまた本発明の一部を構成し、この組成物は、生理学的に
許容しうる担体及び/又はアジュバントと共に、静脈内経路、筋肉内経路、経口
経路または粘膜経路により投与される。
【0179】 原核微生物により引き起こされる感染症の病因を予防及び/又は治療するため
の医薬としての本発明の化合物が特に好ましい。 最も好ましいのは、ヘリコバクター・ピロリ、スタフィロコッカス・アウレウ
スまたはストレプトコッカス・ニューモニアエにより引き起こされる感染症を予
防及び/又は治療するための医薬としての本発明の化合物である。
【0180】 医薬の有効成分としての本発明の化合物は、薬剤的に許容されるビヒクルと混
合した溶液形態が好ましい。 医薬として使用できるこれらの化合物は、ヘリコバクター・ピロリ、スタフィ
ロコッカス・アウレウスまたはストレプトコッカス・ニューモニアエなどの原核
微生物による感染に関連した病因の予防及び/又は治療の新規なアプローチを提
供する。好ましくは、これらの化合物は、全身経路、特に静脈内経路、筋肉内経
路、皮内経路または経口経路により投与されるであろう。
【0181】 その投与方法、最適投与量および剤型は、患者に適した治療を確立する際に考
慮する一般的範疇、例えば、患者の年齢や体重、その全体の症状の重篤度、治療
に対する耐性および観察される副作用などにより決定できる。
【0182】 同定された化合物は、ヒト患者を含む哺乳動物に、原核微生物感染と関連する
疾患を治療するための治療に有効な量で、単独であるいは適宜担体または賦型剤
と混合した薬剤組成物として投与することができる。本発明の化合物の製剤化お
よび投与の技術は、「Remington's Pharmaceuticla Science」Mack Publishing
Co., Easton, PA,最新版に見られる。
【0183】 適した投与経路には、経口、直腸、経粘膜または小腸投与、筋肉内、皮下、注
射、さらに静脈、腹腔内、鼻腔内注射などの非経口投与がある。 本発明による使用のための薬剤組成物および医薬は、賦型剤および補助剤を含
む1または2以上の生理学的に許容しうる担体を用いる通常の方法により製剤化
することができる。適切な製剤化は選択される投与経路に依存する。
【0184】 注射の場合は、本発明の薬剤は水溶液、好ましくは、Hanks 溶液、リンゲル溶
液などの生理学的に相溶可能な緩衝液、またはリン酸塩や重炭酸塩緩衝液などの
生理的塩緩衝液中に製剤化してもよい。経粘膜投与の場合は、透過されるバリア
に適した浸透剤が処方中使用される。この種の浸透剤は当分野で一般に既知であ
る。
【0185】 経口的に使用でれる薬剤調製物には、ゼラチン製の押込嵌めカプセル、さらに
ゼラチンおよび可塑剤 (グリセロールやソルビトールなど) からなるシールされ
た軟カプセルがある。押込嵌めカプセルは、有効成分を、ラクトースなどの充填
剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルクやステアリン酸マグネシウムなど
の滑沢剤、および場合により安定化剤と混合して含有することができる。軟カプ
セルでは、有効成分は、脂肪油、液体パラフィン、または液状ポリエチレングリ
コールなどの適宜液体に溶解または懸濁してもよい。さらに、安定化剤を添加し
てもよい。経口製剤はすべて、その投与に適した剤型とすべきである。
【0186】 バッカル剤の場合は、組成物は慣用の方法により製剤化された錠剤またはトロ
ーチ剤の形態であってもよい。 吸入により投与する場合は、本発明による使用のための化合物は、適宜ガス状
プロペラント (噴射剤) 、例えば二酸化炭素、を用いて、加圧パックまたはネブ
ライザーからのエアゾル噴霧投与の形態で供給するのが便利である。加圧エアゾ
ルの場合は、用量単位は計量した量を供給するためにバルブを提供することより
決定してもよい。吸入器またはインサフレーターに用いるためのカプセルやカー
トリッジ (例、ゼラチン製) は化合物および適宜粉末基剤 (例、ラクトースやデ
ンプン) との粉末混合物を含むものとして製剤化してもよい。
【0187】 化合物は大量の注射や連続的注入などの注射による非経口投与用に製剤化して
もよい。注射用の製剤は、保存剤を添加して、アンプル中や多数回投与容器中な
どの単位剤型として供給してもよい。組成物は、水性ビヒクル中の懸濁液、溶液
またはエマルジョンなどの形態としてもよく、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散
剤などの製剤化用添加剤を含んでもよい。
【0188】 非経口投与用の製剤には、水溶性形態の有効化合物の水溶液がある。水性懸濁
液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストラ
ンなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでいてもよい。場合により、懸
濁液はまた、適宜安定化剤や、化合物の溶解度を向上させ、高濃度の溶液の調製
を可能にするための薬剤を含んでもよい。
【0189】 あるいは有効成分を、使用前に、発熱物質を含まない滅菌水などの適宜ビヒク
ルと混合するために、粉末あるいは凍結乾燥形態としてもよい。 さらに、治療剤を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの、持続
放出系を用いて化合物を供給してもよい。各種の持続放出材料が確立されており
、当業者には周知である。持続放出カプセルは、その化学的性質によって、数週
間から100 日以上まで化合物を放出することができる。
【0190】 治療剤の化学的性質および生物学的安定性に応じ、タンパク質安定化のための
方法をさらに使用してもよい。 薬剤組成物はまた、適宜固体もしくはゲル相担体もしくは賦型剤を含んでもよ
い。これらの担体もしくは賦型剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム
、各種糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリエチレングリコ
ールなどのポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0191】 本発明で使用するのに適した薬剤組成物には、有効成分がその意図する目的を
達成するのに有効な量で含む組成物がある。より具体的には、治療的に有効な量
とは、治療される患者の現在の症状の進行を防ぐか緩和するのに有効な量を意味
する。有効量の決定は、当業者の能力の範囲であり、特に本明細書の詳細な開示
を参照すればよい。
【0192】 本発明方法で使用されるいずれの化合物についても、治療に有効な量は最初、
細胞培養アッセイから評価することができる。例えば、in vitro系において所望
の効果を示す点または範囲の濃度を含む、血中(circulating) 濃度範囲を達成す
る投与量を動物モデルに処方する。このような情報は、ヒトにおいて有用な投与
量をより正確に決定するのに用いることができる。
【0193】 治療に有効な量とは、患者において症状を改善する化合物の量をいう。このよ
うな化合物の毒性および治療有効性は、細胞培養および実験動物における標準的
薬剤操作により、例えば、LD50 (試験集団の50%の致死量) の決定およびED50 (
集団の50%において治療に有効な量) の決定により、決定することができる。毒
性と治療効果の間の投与量比は治療係数であり、LD50とED50間の比で表されるこ
とができる。高い治療係数を示す化合物が好ましい。
【0194】 これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおけ
る使用のための投与量範囲を設定するのに使用できる。これらの化合物の投与量
は、ED50を含み、毒性がないかほとんどない血中濃度の範囲内にあるのが好まし
い。投与量は、使用される剤型および投与経路によってこの範囲内で変化しても
よい。正確な処方、投与経路および投与量は患者の状態を考慮して個々の医師に
よって選択することができる (Fingl et al., 1975, 「治療剤の薬理学的基礎」
第1章参照) 。
【0195】 投与量および間隔は、変化の効果を維持するのに十分な有効化合物の血漿濃度
を与えるように個人的に調節することができる。変化の効果を達成するのに必要
な投与量は個人の性質および投与経路により異なるであろう。
【0196】 投与される組成物の量は、当然、治療される患者、患者の体重、病気の重篤度
、投与方法および処方する医師の判断により異なるであろう。 本発明のその他の特徴および利点は、以下に説明される実施例を含む本明細書
の残りおよび図面において明らかとなる。
【0197】
【実施例】
培地組成および標準的プロトコルは、Sambrook及びManiatis (Sambrook, J.,
Fritsch, E.F., and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory M
anual,第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New Yor
k)から入手できる。
【0198】 実施例1:ヘリコバクター・ピロリ(Helicobactor pylori) のゲノムコレクシ
ョンの調製1.A. コレクションの調製と大腸菌(Escherichia coli)中での形質転換 1.A.1. ゲノムDNA 調製物の断片化 ヘリコバクター・ピロリのゲノムDNA を噴霧器 (GATC) で1分間断片化し、沈
殿させ、水に再懸濁させる。
【0199】 得られたネブライザー処理したゲノムDNA を、順に緑豆(Mung Bean) ヌクレア
ーゼ (Biolabs) (30℃で30分間) 、T4 DNAポリメラーゼ (Biolabs) (37℃で10分
間) およびクレノウ酵素 (Pharmacia) (室温で10分間および16℃で1時間) で処
理する。
【0200】 DNA を次いで抽出し、沈殿させ、水に再懸濁させる。 1.A.2. 平滑末端ゲノムDNA へのリンカーの連結 オリゴヌクレオチドPL160 (5 末端リン酸化) 1μg/μl およびPL159 2μg/μl オリゴPL160 の配列:5'-ATCCCGGACGAAGGCC-3' オリゴPL159 の配列:5'-GGCCTTCGTCCGG-3' リンカーを前保温 (95℃で5分間、68℃で10分間、42℃で15分間) した後、室
温に放冷し、ゲノムDNA 挿入断片と4℃で一晩連結させる。
【0201】 リンカーを、分離カラム (Chromaspin TE 400, Clontech)により、製造業者の
プロトコルに従ってさらに除去する。 1.A.3. ベクター調製 pACTIIstを、順に、BamHI 制限酵素 (Biolabs)により37℃で1時間切断し、仔
ウシ腸ホスファターゼ(CIP)(Biolabs)で脱リン酸し、Vent DNAポリメラーゼ (ex
o-)(Biolabs)を用いてdGTPで充填し、抽出し、沈降させ、水に再懸濁させる。
【0202】 1.A.4. ベクターとゲノムDNA の挿入断片との連結 調製したベクターを、T4 DNAリガーゼ (Biolabs)を用いて、第2節で述べたゲ
ノム平滑末端DNA と15℃で一晩連結させる。DNA を次いで沈降させ、水に再懸濁
させる。
【0203】 1.A.5. 大腸菌中でのライブラリー形質転換 1.A.4 節で得たDNA を、Cell Porator装置 (Gibco BRL)を用いて、Electromax
DH10Bエレクトロコンピテント細胞 (Gibco BRL)中に形質転換する。1mlのSOC
培地を添加し、形質転換した細胞を37℃で1時間保温する。1試験管当たり9ml
量のSOC 培地を添加し、LB+アンピシリン培地上にプレーティングする。コロニ
ーを液体LB培地で擦過する。分取し、−80℃で凍結する。
【0204】 得られた組換え細胞クローンのコレクションを、HGXBHP1 (CNCM 番号I-2181,
1999年4月13日寄託) と命名する。1.B. サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)中でのコレク
ション形質転換 サッカロミセス・セレビシアエ株 (Y187 (MATα Gal4Δ Gal80Δ ade2-101 Hi
s3 Leu2-3, -112 Trp1-901 Ura3-52 URA3::UASGAL1-LacZ Met)) を、HGXBHP1 ヘ
リコバクター・ピロリゲノムDNA ライブラリーで形質転換する。
【0205】 大腸菌に含まれているプラスミドDNA を、分取した大腸菌凍結細胞 (1.A.5.)
から抽出 (Qiagen) する。 サッカロミセス・セレビシアエ酵母Y187をYPGlu 中で増殖させる。
【0206】 酵母形質転換は、酵母キャリアーDNA (Clontech)を用いて、標準的プロトコル
(Giest et al., Yeast, 11, 355-360, 1995) に従って行う。この実験は 104
5×104 細胞/μg DNA を生ずる。プレート当たり推定2×104 形質転換体をDO
-Leu (Drop-out、脱落) 培地上に塗抹する。分取し、−80℃で凍結する。1.C. bait(えさ) プラスミドの作製 Pfu プルーフリーディングTaq ポリメラーゼ (Stratagene) および鋳型として
ゲノムDNA 200 ngを用いたPCR によりORF のゲノム増幅を得る。PCR プライマー
はORF の両末端にある領域中で選択する。
【0207】 PCR プログラムを下記のように設定する: 94°45秒 94°45秒─┐ 48°45秒 │×30回 72°6分─┘ 72°10分 15°∞ アガロースゲルで増幅をチェックする。
【0208】 PCR 断片をQiaquickカラム (Qiagen) を用いて製造業者のプロトコルに従って
精製する。 精製したPCR 断片を十分な制限酵素により切断する。
【0209】 PCR 断片をQiaquickカラム (Qiagen) を用いて製造業者のプロトコルに従って
精製する。 切断したPCR 断片を、適切に切断及び脱リン酸されたbaitベクター (pAS2ΔΔ
) に、標準的なプロトコル (Maniatis et al) に従って連結する。
【0210】 コンピテント細菌細胞中に形質転換する。細胞を増殖させ、DNA を抽出し、プ
ラスミドを配列決定する。 このプロトコルを大腸菌、黄色ブドウ球菌(S. aureus) および肺炎双球菌(S.
pneumoniae) ゲノムDNA に適用することもできる。
【0211】 実施例2: 酵母系でのツーハイブリッドによるコレクションのスクリーニング 2.A. 接合プロトコル 我々は酵母系での接合ツーハイブリッド (最初の報告者はFromont Racine et
al., Nature Genetics, 1997, vol. 16, 277-282, 徹底的ツーハイブリッドスク
リーンによる酵母ゲノムの機能解析に向けて) をその利点のために選択したが、
Fields et al. に記載の古典的なツーハイブリッド系または酵母逆ツーハイブリ
ッド系でヘリコバクター・ピロリコレクションをスクリーニングすることもでき
よう。
【0212】 2種類の融合タンパク質が親細胞中に既に産生しているため、接合処理により
、選択プレート上での直接選択が可能となる。レプリカプレート法を行う必要は
ない。
【0213】 このプロトコルをY187株中に形質転換されたライブラリーの使用について説明
する。 接合前に、サッカロミセス・セレビシエ (CG 1945 株 (MATa Gal4-542 Gal180
-538 ade2-101 His3*200 Leu2-3,-112 Trp1-901 Ura3-52 Lys2-801 URA3::GAL4
17マー (X3)-CyC1TATA-LacZ LYS2::GAL1UAS-GAL1TATA-HIS3 CYHR))を、工程1.B.
に準じて形質転換し、DO-Trp培地に塗抹する。
【0214】 1日目、午前中: 予備培養 20 ml のDO-Trp培地中で工程1.C.で得られたbaitプラスミドを保有するY187を
予備培養する。激しく攪拌しながら30℃で増殖させる。
【0215】 1日目、午後遅く: 培養 baitプラスミド予備培養物を保有するY187細胞のDO-Trp予備培養物のOD600nm を測定する。
【0216】 OD600nm 0.006/mlで150 mlのDO-Trpを接種し、激しく攪拌しながら30℃で一晩
増殖させる。 2日目: 接合 培地とプレート 5個のYPGlu プレート (グルコースを含むリッチ培地) DO-Leu-Trp-His 30 mlを入れた50 ml の試験管 YPGlu 20 ml を入れた100 mlのフラスコ 75個のDO-Leu-Trp-Hisプレート 2個のDO-Leuプレート 2個のDO-Trpプレート 2個のDO-Leu-Trpプレート DO-Trp培養物のOD600nm を測定する。測定値は1前後である筈である。
【0217】 接合のために、ライブラリー細胞の2倍の数のbait細胞を使用しなければなら
ない。良好な接合効率を得るために、cm2 当たり108 個で細胞を集めなければな
らない。
【0218】 原核細胞ライブラリーとの接合に対して、80 OD600nm単位となるbait培養物の
量 (ml) を推定する。 HGXYHP1 ライブラリーを含有するバイアルを氷上でゆっくり解凍する。バイア
ルの中身を20 ml のYPGlu に加える。これらの細胞を30℃で穏やかに攪拌しなが
ら10分間回復させる。
【0219】 接合 80 OD600nm単位のbait培養物を250 mlのフラスコに入れる。 このbait培養物にHGXYHP1 ライブラリー培養物を加える。この二倍体混合物を
50 ml の滅菌試験管に移す。遠心分離し、上清を捨て、YPGlu 培地中に再懸濁さ
せる。
【0220】 細胞をYPGlu プレート (グルコースを含むリッチ培地) 上に分配する。 細胞が乗った(cells-up)プレートを30℃で4時間30分保温する。 接合細胞の回収 プレートを洗浄して、すすぎ、回収した細胞をDO-Leu-Trp-Hisプレート上に塗
抹する。
【0221】 4日目 DO-Leu-Trp-His上で増殖可能なクローンの選択:この培地は、相互作用を示す
二倍体クローンを単離することを可能にする。
【0222】 対照プレート上でHis+ コロニーを数える。 His+ 細胞クローンの数により、どのプロトコルで処理すべきかが決まる: 20×106 His+ コロニー上: −His+ 細胞クローンの数>285 の場合:オーバーレイプロトコルと、次に青色
コロニー上での発光計測 (ルミノメトリー) プロトコルとで処理する (2.B およ
び2.C); −His+ 細胞クローンの数<285 の場合:発光計測プロトコル (2.C)で処理する
【0223】 下記工程は、最強の相互作用の選択を生ずる。 2.B. X-Galオーバーレイ・アッセイ His+ コロニーの数を記録した後、選択性培地プレート上でX-Gal オーバーレ
イアッセイを直接行う。
【0224】 材料:水浴を作製する。水温は50℃とすべきである。 ・0.5 M Na2HPO4 pH 7.5 ・1.2 % バクトアガー(Bacto-agar) ・DMF ( ジメチルホルムアミド) 中の2% X-Gal ・オーバーレイ混合物:0.25 M Na2HPO4 pH 7.5, 0.5% 寒天、0.1% SDS (ドデ
シル硫酸ナトリウム), 7% DMF (LABOSI), 0.04% X-Gal )ICN) 。各プレートに対
して、10 ml のオーバーレイ混合物が必要である。
【0225】 ・DO-leu-trp-hisプレート ・滅菌つま楊枝 実験 オーバーレイ混合物の温度は45〜50℃の範囲内とすべきである。
【0226】 オーバーレイ混合物を10 ml ずつプレート上に注ぐ。 上層が固まったら、プレートを回収する。 オーバーレイが乗ったプレートを30℃で保温する。時間を記録する。
【0227】 一定時間ごとに青色コロニーをチェックする。青色コロニーが現れない場合に
は、保温を一晩して待つ。ペンでマークし、陽性の数を数える。 陽性コロニーを滅菌つま楊枝を用いて、新しいDO-Leu-Trp-Hisプレート上に画
線する。
【0228】 2.C. 発光計測アッセイ DO-Leu-Trp-His+テトラサイクリン培地を入れた微量定量プレート中で、His+
コロニーを30℃で振盪しながら一晩増殖させる。翌日、一晩培養した培養液を、
同じ培地を入れた新たな微量定量プレート中に加えて、15倍に希釈する。振盪し
ながら30℃で5時間保温する。サンプルを5倍に希釈し、OD600nm を測定する。
100 μl の最終容積で10,000〜75,000酵母細胞/ウェルとなるように再び希釈す
る。
【0229】 ウェル当たり、76μl のワンステップ酵母溶解緩衝液(One Step Yeast Lysis
Buffer) (Tropix)、20μl のSapphireIIエンハンサー (Tropix) 、4μl のGala
cton Star (Tropix)を加え、30℃で40分間保温する。
【0230】 ルミノメーター(Trilux, Wallach) を用いて、β-Galの読みを測定する。 OD600nm/Lの値を算出し、最高値を有する相互作用性のprey (捕食するもの)
を選択する。
【0231】 プロトコルのこの工程で、我々は相互作用を示す二倍体細胞クローンを単離し
た。次工程は、今度は選択した相互作用に関与するポリペプチドを同定すること
である。
【0232】 実施例3:陽性クローンの同定 3.A. 酵母クローン上でのPCR はじめに 酵母コロニー上で直接行うプラスミドDNA の断片のPCR 増幅は、このプラスミ
ド中にクローニングされた配列を同定するための迅速かつ効率的な方法である。
これは、発表されたプロトコル (Wang et al., Analytical Biochemistry, 237,
145-146, 1996) から直接派生した方法である。但し、それは標準化されたプロ
トコルではない: 我々の手法では菌株ごとに変動し、実験条件 (細胞の数、Taq
ポリメラーゼ供給源等) に依存する。このプロトコルは具体的なローカル条件に
対して最適化すべきである。
【0233】 材料 −1ウェルにつき、PCR 混合物の組成は次の通りである: 32.5μl の水 5μl の10×PCR 緩衝液 (Pharmacia) 1μl のdNTP (各10 mM) 0.5 μl のTaq ポリメラーゼ(5μ/μl) (Pharmacia) 0.5 μl のオリゴヌクレオチドABS1 10 pmole/μl: 5'-GCGTTTGGAATCACTACAGG
-3' 0.5 μl のオリゴヌクレオチドABS2 10 pmole/μl: 5'-CACGATGCACGTTGAAGTG-
3' −1N NaOH 実験 陽性コロニーを、150 μl のDO-Leu-Trp-His+テトラサイクリン培地を入れた9
6ウェル細胞培養クラスター (Costar) 上で、振盪しながら30℃で一晩増殖させ
る。培養物を再懸濁させ、直ちに100 μl をThermowell 96 (Costar)上に移す。
【0234】 室温で4000 rpmにて5分間遠心分離する。 上清を除去する。 Termowell を99.9℃のサーモサイクラー (GeneAmp 9700, Perkin Elmer) に5
分間、次に4℃に10分間置く。
【0235】 細胞溶解緩衝液を加え、保温する。 遠心分離し、各ウェルの上清の一部を移し、PCR 混合物を加え、十分に振盪す
る。
【0236】 PCR プログラムを下記のように設定する: 94℃ 3分 94℃ 30秒 ──┐ 53℃ 1分30秒 │×35回 72℃ 3分 ──┘ 72℃ 5分 15℃ ∞ PCR 断片の品質、量および長さをアガロースゲル上でチェックする。
【0237】 クローニングした断片の長さは、PCR 断片の推定長さ−300 塩基対 (増幅され
た両末端プラスミド配列に相当) である。 3.B. 電気穿孔による酵母からのプラスミド取り出し はじめに 酵母細胞上での従来のPCR プロトコルはうまくいかないことがある。そのよう
な場合、我々は電気穿孔 (エレクトロポレーション) によって酵母からプラスミ
ドを取り出す。この実験は、酵母細胞抽出物による大腸菌の形質転換によって酵
母細胞からpreyプラスミドのを収することを可能にする。その後、preyプラスミ
ドを増幅し、クローニングした断片を配列決定することができる。
【0238】 材料 プラスミド取り出し ガラスビーズ 425〜600 μm (Sigma) フェノール/クロロホルム (1/1)、イソアミルアルコール (Amresco)を予め混
合したもの 抽出緩衝液:2% Triton X100, 1% SDS, 100 mM NaCl, 10 mM TrisHCl pH 8.0,
1 mM EDTA pH 8.0 。
【0239】 エタノール/NH4Ac 混合物:7.5 M酢酸アンモニウムに対し6倍量のエタノール
、70% エタノールおよび酵母細胞、プレート上にパッチ状で 電気穿孔 SOC 培地 M9培地 選択性プレート: M9-Leu+アンピシリン 2 mm電気穿孔キュベット (Eurogentech) 実験 プラスミド取り出し 2.C.節の細胞培養物を用いてDO-Leu-Trp-His上に細胞パッチを調製する。
【0240】 エッペンドルフ(Eppendorf) 管内の各ッチの細胞を擦過し、各管に300 μl の
ガラスビーズを加え、次いでに200 μl の抽出緩衝液と、200 μl のフェノール
:クロロホルム:イソアミルアルコール (25:24:1)を加える。
【0241】 管を15000 rpm で10分間遠心分離する。 180 μl の上清を滅菌エッペンドルフ管に移し、それぞれに500 μl のエタノ
ール/NH4Ac を加え、渦攪拌する(vortex)。
【0242】 管を4℃で15000 rpm にて15分間遠心分離する。 ペレットを200 μl の70%エタノールで洗浄し、エタノールを除去し、ペレッ
トを乾燥する。
【0243】 ペレットを10μl の水に再懸濁させる。抽出物を−20℃で保存する。 電気穿孔 材料:標準的プロトコル (Maniatis) に従って調製したエレクトロコンピテン
トMC1066細胞。
【0244】 予冷したエッペンドルフ管に1μl の酵母プラスミドDNA 抽出物を加え、氷上
に保持する。 1μl のプラスミド酵母DNA 抽出物サンプルを混合し、20μl のエレクトロコ
ンピテント細胞を加え、冷たい電気穿孔キュベットに移す。
【0245】 Biorad電気穿孔器を抵抗200 オーム、容量25μF 、2.5 キロボルトに設定する
。 キュベットをキュベットホルダーに乗せ、電気穿孔する。
【0246】 キュベットに1mlのSOC を加え、細胞混合物を滅菌エッペンドルフ管に移す。 細胞を37℃で30分間回復させ、細胞を4000×g で1分間回転させ、上清を流出
させる。約100 μl の培地を残し、これを用いて細胞を再懸濁させ、これらを選
択性プレート上に塗抹する (例、M9-Leuプレート) 。
【0247】 プレートは37℃で36時間保温する。 1コロニーを増殖させ、プラスミドを抽出する。酵素切断およびアガロースゲ
ルにより挿入断片の存在とサイズをチェックする。挿入断片を配列決定する。
【0248】 実施例4:タンパク質−タンパク質相互作用 この実施例の目的のために、我々はヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タ
ンパク質相互作用を選択した。
【0249】 各baitについて、従来のプロトコルによりpreyポリヌクレオチド配列を同定す
る。タンパク質−タンパク質相互作用を同定するには、得られたpreyポリペプチ
ド配列を、ヘリコバクター・ピロリゲノムに関して特性決定する必要がある。
【0250】 これは、ソフトウェアプログラム名blastwun (ワシントン大学のインターネッ
トサイト:http://bioweb.pasteur.fr/seqanal/interfaces/blastwu.htmlで利用
できる、これはタンパク質およびヌクレオチド配列データベースの類似性サーチ
による遺伝子およびタンパク質同定用ソフトウェアの発展版である) によって行
うことができる。
【0251】 Blastwunプログラムは、preyポリペプチド挿入断片配列 (preyプラスミドから
回収) を、全長ヘリコバクター・ピロリゲノム (N.C.B.I.ウェブサイト:http:/
/www.ncbi.nlm.nih.gov 上で、GenBank 受託番号AE000511として入手できる) と
比較する。この比較によって、ヘリコバクター・ピロリゲノム中でのpreyポリヌ
クレオチドの位置決定が可能となり、各位置決定は配列の相同性に依存する評点
(スコア) を有する。各preyポリヌクレオチドについて、我々は最高評点の位置
決定を考慮することにし、挿入断片配列がオープンリーディングフレーム中に含
まれていて、かつそれとフェーズが同じであれば、あるpreyポリペプチドがある
baitポリペプチドと相互作用すると同定することができる。
【0252】 ヘリコバクター・ピロリのORF 配列は、The Institute for Genomic Research (TIGR) のWorld-Wide Webサイト上で、http://www.tigr.org/tdb/mbd/hpdb/hpd
b.htmlにて入手できる。
【0253】 このウェブページは、ヘリコバクター・ピロリゲノム、特にそのORF 配列に関
するいくつかの要件がいる。特定のORF の配列を得るには、"HP#" なる名称のウ
ィンドウ上でクリックし、サーチをクリックする。この操作により、その特定の
ORF の核酸およびペプチド配列を示す新たなウェブページが出てくる。
【0254】 表1:ヘリコバクター・ピロリにおけるタンパク質相互作用 (後記参照) 実施例5:SIDTMの同定 工程4の実験結果、相互作用するpreyポリペプチドをコードする各prey断片を
配列決定。
【0255】 同じポリペプチド中に含まれるすべての単離された断片の共通分(intersectio
ns) を比較および選択することにより、我々は選択相互作用ドメイン(Selected
Interacting Domain, SIDTM) を規定する。図7を参照。
【0256】 表2および3の結果を参照。
【0257】
【表1−1】
【0258】
【表1−2】
【0259】
【表1−3】
【0260】
【表1−4】
【0261】
【表1−5】
【0262】 Tomb et al. の論文の547 頁に示されているように、注釈のヘリコバクター・
ピロリゲノム配列と遺伝子ファミリーアライメントは、http://www.tigr.org/td
b/mbd/hpdb/hpdb.htmlのWorld-Wide Webサイト上で入手できる。参照番号HPXXXX
と記した各ORF についての詳細な核酸配列と、それによりコードされるアミノ酸
配列は、http://www.tigr.org/tdb/mbd/hpdb/hpdb.htmlのWorld-Wide Webサイト
上で該参照番号HPXXXXを入力する (実施例4を参照) ことにより得ることができ
る。
【0263】
【表2−1】
【0264】
【表2−2】
【0265】
【表2−3】
【0266】
【表2−4】
【0267】
【表2−5】
【0268】
【表3−1】
【0269】
【表3−2】
【0270】
【表3−3】
【0271】
【表3−4】
【0272】
【表3−5】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 酵母ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpAS2ΔΔの制限地図。
【図2】 酵母ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpASCTIIst の制限地図。
【図3】 細菌ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpUT18 の制限地図。本図では
、各マルチクローニング部位(MCS) を詳細に示す。
【図4】 細菌ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpUT18Cの制限地図。本図では
、各マルチクローニング部位(MCS) を詳細に示す。
【図5】 細菌ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpT25の制限地図。本図では、
各マルチクローニング部位(MCS) を詳細に示す。
【図6】 細菌ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpKT25 の制限地図。本図では
、各マルチクローニング部位(MCS) を詳細に示す。
【図7】 SIDTM同定法の説明図。本図では、「全長preyタンパク質」は同定されたprey
ポリペプチドが含まれるオープンリーディングフレームであり、選択相互作用ド
メイン SIDTMは、すべてのpreyポリペプチド断片の比較により決定される。
【図8】 酵母ツーハイブリッド系に使用できるプラスミドpP6 の制限地図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 C07K 14/195 4C085 48/00 14/245 4C087 C07K 14/195 14/315 4H045 14/245 16/12 14/315 19/00 16/12 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z 21/08 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (72)発明者 レン、ジャン−クリストフ フランス国、92800ピュト、ジャルダン・ ブワデュー、32 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA36 FB02 4B024 AA01 AA11 BA41 BA80 CA01 CA04 DA06 DA12 EA04 GA11 HA15 HA20 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA01Y AA26X AA26Y AA49X AA49Y AA53X AA53Y AA80X AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA03 AA07 AA13 AA17 BA35 BA44 CA62 MA13 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA52 MA56 MA59 MA60 MA66 ZA682 ZB352 ZC412 4C085 AA14 AA16 BA09 BB41 BB43 CC13 DD62 DD88 EE01 GG02 GG03 GG04 GG05 GG06 GG08 4C087 AA01 AA02 BC83 CA09 CA12 CA20 MA13 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA52 MA56 MA57 MA59 MA60 MA66 NA14 ZA68 ZB35 ZC41 4H045 AA10 AA11 AA30 BA40 CA11 DA76 EA20 EA50 FA74

Claims (87)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含む、ツーハイブリッドシステムに使用できる
    組換え細胞クローンのコレクションを作製する方法: a) DNAを断片化し; b)宿主細胞中でのプラスミドの発現により、相補的ドメインと結合した場合にレ
    ポーター遺伝子を活性化しうる特異的ドメインを含むハイブリッドポリペプチド
    が生じるように、工程a)で得られたポリヌクレオチド断片をプラスミドに挿入し
    ; c)工程b)で得られたプラスミドで細胞クローンを形質転換し;そして d)場合により、工程c)で得られた形質転換された組換え細胞クローンを選択する
    ;ただし、工程a)の DNAは原核微生物から得られるゲノム DNAである。
  2. 【請求項2】 DNAを断片化する工程a)が噴霧化工程により行われる請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 原核微生物がヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori ) である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 原核微生物がスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococ cus aureus) である請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 原核微生物がストレプトコッカス・ニューモニアエ(Strepto coccus pneumoniae)である請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 原核微生物が大腸菌(Escherichia coli)である請求項1また
    は2記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により得ることができ
    るツーハイブリッドシステムに使用しうる組換え細胞クローンのコレクション。
  8. 【請求項8】 各組換え細胞クローンが、その発現により特異的ドメインを
    含有するハイブリッドポリペプチドを生じるプラスミドに挿入されたポリヌクレ
    オチドを含有し、該ポリヌクレオチドが原核微生物から得られたゲノム DNA断片
    である、ツーハイブリッドシステムに使用できる組換え細胞クローンのコレクシ
    ョン。
  9. 【請求項9】 前記ゲノム DNA断片が噴霧化による断片化工程により得られ
    る、請求項8記載のツーハイブリッドシステムに使用できる組換え細胞クローン
    のコレクション。
  10. 【請求項10】 原核微生物がヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori ) である請求項7〜9のいずれかに記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  11. 【請求項11】 原核微生物がスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococ cus aureus) である請求項7〜9のいずれかに記載の組換え細胞クローンのコレ
    クション。
  12. 【請求項12】 原核微生物がストレプトコッカス・ニューモニアエ(Strepto coccus pneumoniae)である請求項7〜9のいずれかに記載の組換え細胞クローン
    のコレクション。
  13. 【請求項13】 原核微生物が大腸菌(Escherichia coli)である請求項7〜9
    のいずれかに記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  14. 【請求項14】 組換え細胞クローンが、グラム陽性またはグラム陰性細菌、
    酵母、菌類および哺乳動物細胞からなる群より選択される、請求項7〜13のいず
    れかに記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  15. 【請求項15】 組換え細胞クローンが、大腸菌(Escherichia coli)およびサ
    ッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母からなる群より選
    択される、請求項14記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  16. 【請求項16】 組換え細胞クローンが大腸菌(E. coli) である請求項15記載
    の組換え細胞クローンのコレクション。
  17. 【請求項17】 プラスミドが、少なくとも、プロモーターをコードする核酸
    配列、特異的ドメイン、前記ポリペプチドがクローン化されるマルチクローニン
    グ部位、および選択マーカーを含む、請求項7〜16のいずれかに記載の組換え細
    胞クローンのコレクション。
  18. 【請求項18】 ポリヌクレオチドがプラスミドpACTIIstまたはpP6 に挿入さ
    れている、請求項7〜17のいずれかに記載の組換え細胞クローンのコレクション
  19. 【請求項19】 コレクションが106 〜107 の組換え大腸菌クローンを含み、
    挿入断片を有する異なる細胞クローンの割合が少なくとも60%である、請求項18
    記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  20. 【請求項20】 1999年4月13日にI-2181としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは19記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  21. 【請求項21】 2000年3月23日にI-2416としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは19記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  22. 【請求項22】 2000年3月23日にI-2414としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは19記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  23. 【請求項23】 2000年3月23日にI-2415としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは19記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  24. 【請求項24】 2000年3月23日にI-2417としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは19記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  25. 【請求項25】 コレクションが105 〜1.5 ×106 のハプロイド組換えサッカ
    ロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)クローンを含み、挿入断片
    を有する異なる細胞クローンの割合が少なくとも60%である、請求項18記載の組
    換え細胞クローンのコレクション。
  26. 【請求項26】 1999年4月13日にI-2182としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは25記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  27. 【請求項27】 2000年3月23日にI-2420としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは25記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  28. 【請求項28】 2000年3月23日にI-2419としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは25記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  29. 【請求項29】 2000年3月23日にI-2418としてCNCMに寄託された請求項18ま
    たは25記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  30. 【請求項30】 ポリヌクレオチドがプラスミドpAS2ΔΔに挿入されている、
    請求項7〜17のいずれかに記載の組換え細胞クローンのコレクション。
  31. 【請求項31】 ポリヌクレオチドがpT25, pKT25, pUT18およびpUT18Cからな
    る群より選択されたプラスミドに挿入されている、請求項7〜17のいずれかに記
    載の組換え細胞クローンのコレクション。
  32. 【請求項32】 請求項7〜31のいずれかに記載のツーハイブリッドシステム
    に使用できる組換え細胞クローンのコレクションを含む、タンパク質−タンパク
    質相互作用をスクリーニングするためのキット。
  33. 【請求項33】 以下の工程を含む、bait (えさ) ポリペプチドと相互作用し
    うるprey (捕食するもの) ポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを含
    む組換え細胞クローンを同定するための酵母ツーハイブリッドシステム法: a)アッセイすべきpreyポリヌクレオチドを含むプラスミドで形質転換された請求
    項25または26記載の組換え細胞クローンのコレクション中の少なくとも1つの第
    1のハプロイド組換え細胞クローンを、該baitポリペプチドをコードするbaitポ
    リヌクレオチドを含むプラスミドで形質転換された第2のハプロイド組換えエス
    ・セレビシアエ(S. cerevisiae) 細胞クローンと接合させ; b)工程a)で得られた2倍体細胞を選択培地上で培養し;そして、 c)選択培地上で増殖しうる組換え細胞クローンを選択する。
  34. 【請求項34】 以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互作用しうるprey
    ポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを同定するための酵母ツーハイ
    ブリッドシステム法: a)請求項33記載のbaitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドをコード
    するpreyポリヌクレオチドを含む組換え細胞クローンを同定し;そして、 b)工程a)で選択された各組換え細胞クローンに含まれるpreyポリヌクレオチドの
    特性決定を行う。
  35. 【請求項35】 以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互作用しうるprey
    ポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを含む組換え細胞クローンを同
    定するための細菌ツーハイブリッドシステム法: a)baitポリペプチドをコードするbaitポリヌクレオチドを含むプラスミドで細菌
    細胞クローンを形質転換し、 b)請求項7〜31記載のコレクションからpreyポリヌクレオチドを含むpreyプラス
    ミドを取り出し、 c)工程a)で得られた組換え細菌細胞クローンを、工程b)で取り出されたプラスミ
    ドで形質転換し; d)工程c)で得られた組換え細菌細胞を選択培地上で培養し; e)選択培地上で増殖しうる組換え細胞クローンを選択する。
  36. 【請求項36】 以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互作用しうるprey
    ポリペプチドをコードするpreyポリヌクレオチドを同定するための細菌ツーハイ
    ブリッドシステム法: a)請求項35記載のbaitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドをコード
    するpreyポリヌクレオチドを含む組換え細菌細胞クローンを同定し、 b)工程a)で選択されたそれぞれの組換え細胞クローンに含まれるpreyポリヌクレ
    オチドの特性決定を行う。
  37. 【請求項37】 baitポリペプチドがヒトポリペプチドである、請求項33〜36
    のいずれかに記載の方法。
  38. 【請求項38】 baitポリペプチドがヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
    pylori) ポリペプチドである、請求項33〜36のいずれかに記載の方法。
  39. 【請求項39】 baitポリペプチドがスタフィロコッカス・アウレウス(Staph ylococcus aureus) のポリペプチドである、請求項33〜36のいずれかに記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 baitポリペプチドがストレプトコッカス・ニューモニアエ(S treptococcus pneumoniae)のポリペプチドである、請求項33〜36のいずれかに記
    載の方法。
  41. 【請求項41】 baitポリペプチドが大腸菌(Escherichia coli)のポリペプチ
    ドである、請求項33〜36のいずれかに記載の方法。
  42. 【請求項42】 請求項33記載の方法の工程a)により得られた組換え2倍体酵
    母細胞。
  43. 【請求項43】 請求項33記載の方法により得られた組換え2倍体酵母細胞。
  44. 【請求項44】 baitポリペプチドと相互作用しうるpreyポリペプチドをコー
    ドする第1のポリヌクレオチドもしくはその断片、および該baitポリペプチドを
    コードする第2のポリヌクレオチドもしくは少なくとも12の連続したヌクレオチ
    ドを有するその断片からなる、2つの精製もしくは単離されたポリヌクレオチド
    のセットであり、preyポリヌクレオチドは請求項34および36のいずれか記載の方
    法により同定される、前記セット。
  45. 【請求項45】 請求項44記載の2つのポリヌクレオチドのセットによりコー
    ドされる2つの精製もしくは単離されたポリペプチドのセット。
  46. 【請求項46】 2つの相互作用性タンパク質が、請求項45記載の2つのポリ
    ペプチドのセットからなるものである、タンパク質−タンパク質相互作用。
  47. 【請求項47】 2つのポリペプチドのセットがヘリコバクター・ピロリ(Hel icobacter pylori )の2つのポリペプチドからなる、請求項46記載のタンパク質
    −タンパク質相互作用。
  48. 【請求項48】 2つのポリペプチドのセットがスタフィロコッカス・アウレ
    ウス(Staphylococcus aureus) の2つのポリペプチドからなる、請求項46記載の
    タンパク質−タンパク質相互作用。
  49. 【請求項49】 2つのポリペプチドのセットがストレプトコッカス・ニュー
    モニアエ(Streptococcus pneumoniae)の2つのポリペプチドからなる、請求項46
    記載のタンパク質−タンパク質相互作用。
  50. 【請求項50】 2つのポリペプチドのセットが大腸菌(Escherichia coli)の
    2つのポリペプチドからなる、請求項46記載のタンパク質−タンパク質相互作用
  51. 【請求項51】 請求項44記載の2つのポリヌクレオチドのセットによりコー
    ドされる少なくとも2つのポリペプチドを含む単離された複合体。
  52. 【請求項52】 前記複合体が少なくとも、ORF HP1198によりコードされるポ
    リペプチド、およびORF HP1293によりコードされるポリペプチドを含む、請求項
    51記載の単離された複合体。
  53. 【請求項53】 前記複合体が少なくとも、ORF HP1198によりコードされるポ
    リペプチド、およびORF HP0088によりコードされるポリペプチドを含む、請求項
    51記載の単離された複合体。
  54. 【請求項54】 前記複合体が少なくとも、ORF HP1198によりコードされるポ
    リペプチド、およびORF HP1032によりコードされるポリペプチドを含む、請求項
    51記載の単離された複合体。
  55. 【請求項55】 請求項46〜50のいずれかに記載のタンパク質−タンパク質相
    互作用がその上に保存されたコンピューターで判読可能な媒体。
  56. 【請求項56】 保存されたタンパク質−タンパク質相互作用が地図の形態で
    保存されている、請求項55記載のコンピューターで判読可能な媒体。
  57. 【請求項57】 保存されたタンパク質−タンパク質相互作用が、インターネ
    ットを介して注釈付データベースに連結されている、請求項55または56記載の演
    算可能で判読可能な媒体。
  58. 【請求項58】 以下の工程を含む、baitポリペプチドと相互作用しうる原核
    微生物から、関心あるpreyポリペプチドの選択相互作用ドメイン(SIDTM) をコー
    ドするポリヌクレオチドを同定する方法: a)請求項34または36記載の方法により同定されたpreyポリヌクレオチドから、該
    baitポリペプチドと相互作用しうるポリペプチドをコードし、関心あるpreyポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチドの核酸断片と同じ核酸断片を含むすべて
    のpreyポリヌクレオチドを選択し、 b)工程a)において選択されたすべてのpreyポリヌクレオチドに共通なポリヌクレ
    オチドを決定し、そして、 c)工程b)で決定したポリヌクレオチドを、関心ある該preyポリペプチドの選択相
    互作用ドメイン(SIDTM) をコードするポリヌクレオチドであると同定する。
  59. 【請求項59】 請求項58記載の方法により得ることができるbaitポリペプチ
    ドと相互作用しうる原核微生物由来の、関心あるpreyポリペプチドの選択相互作
    用ドメイン(SIDTM) をコードする精製または単離されたポリヌクレオチド。
  60. 【請求項60】 下記グループから選択される請求項59記載の精製または単離
    されたポリヌクレオチド: a) 表IIの右欄「SID TM」に記載の参照番号により同定されるアミノ酸配列をコ
    ードするポリヌクレオチド; b) 表III の右欄「SID TM」に記載の参照番号により同定される配列を有するポ
    リヌクレオチド; c) a)もしくはb)のポリヌクレオチド、その相補物および該ポリヌクレオチドに
    対応するRNA の少なくとも12の連続ヌクレオチドを有する断片、 d) a)もしくはb)のポリヌクレオチドの核酸配列への整列化後に少なくとも80%
    の同一度を有するポリヌクレオチド、 但し、EMBLデータベースドキュメント受入番号025045に開示の配列を有するポ
    リペプチドをコードするポリヌクレオチドを除く。
  61. 【請求項61】 下記グループから選択される精製または単離されたポリペプ
    チド: a)表IIの右欄「SID TM」に記載の参照番号により同定されるアミノ酸配列を有す
    るポリペプチド、および少なくとも連続した5つのアミノ酸を有するその断片;
    および b)請求項59または60記載のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
  62. 【請求項62】 請求項60記載のポリヌクレオチドの、増幅用プライマーとし
    ての使用。
  63. 【請求項63】 請求項60記載のポリヌクレオチドの、検出用の特異的プロー
    ブとしての使用。
  64. 【請求項64】 請求項59または60記載のポリヌクレオチドを含むクローニン
    グまたは発現ベクター。
  65. 【請求項65】 ベクターがプラスミドpACTIIst、pAS2ΔΔまたはpP6 である
    請求項64記載のベクター。
  66. 【請求項66】 ベクターがpT25、pKT25 、pUT18 およびpUT18Cからなる群よ
    り選択されるプラスミドである請求項64記載のベクター。
  67. 【請求項67】 ベクターが自己複製される請求項64記載のベクター。
  68. 【請求項68】 ベクターがウイルスベクターである請求項64または67記載の
    ベクター。
  69. 【請求項69】 ベクターがアデノウイルス、AAV 、レトロウイルス、プロキ
    シウイルス(proxivirus)またはヘルペスウイルスの中から選択される請求項68記
    載のベクター。
  70. 【請求項70】 前記ポリヌクレオチドの宿主細胞中での発現及び/又は分泌
    を可能にするエレメントを含む請求項64〜69のいずれかに記載のベクター。
  71. 【請求項71】 請求項64〜70のいずれかに記載のベクターで形質転換された
    宿主細胞。
  72. 【請求項72】 宿主細胞が原核細胞である請求項71記載の宿主細胞。
  73. 【請求項73】 宿主細胞が真核細胞である請求項71記載の宿主細胞。
  74. 【請求項74】 下記工程を含む、請求項45および61のいずれかに記載のポリ
    ペプチドを製造する方法; a)請求項71〜73のいずれかに記載の宿主細胞を、該宿主細胞の増殖および該ポリ
    ペプチドの発現を可能にする条件および培地において培養し;そして、 b)工程a)で得られた培地または培養細胞から直接該ポリペプチドを回収する。
  75. 【請求項75】 請求項74記載の方法により得られる精製または単離ポリペプ
    チド。
  76. 【請求項76】 下記工程を含む、請求項45記載の2つのポリペプチドのセッ
    トのタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる薬剤を選択する方法; a)その発現が組換え細胞クローンに対して有毒であるレポーター遺伝子を含み、
    2つのプラスミドで形質転換された組換え細胞クローンを、試験すべき薬剤を含
    み、この有毒レポーター遺伝子が活性化されない場合には前記組換え細胞クロー
    ンの増殖を可能にする選択培地において培養し、ここで、 i)第1のプラスミドは、該2つのポリペプチドの一方および DNA結合ドメイン
    を含む第1のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物
    を含み; ii) 第2のプラスミドは、該2つのポリペプチドの他方および、第1および第
    2のハイブリッドポリペプチドが相互作用する場合に該有毒レポーター遺伝子を
    活性化しうる活性化ドメインを含む、第2のハイブリッドポリペプチドをコード
    する核酸配列を含む核酸構築物を含み; b)工程a)で培養された組換え細胞クローンの増殖を阻害しうる薬剤を選択する。
  77. 【請求項77】 下記工程を含む、請求項45記載の2つのポリペプチドのセッ
    トのタンパク質−タンパク質相互作用を変化させうる薬剤を選択する方法; a)その発現が組換え細胞クローンに対して有毒であるレポーター遺伝子を含み、
    2つのプラスミドで形質転換された透過性組換え細胞クローンを、試験すべき薬
    剤を含み、この有毒レポーター遺伝子が活性化されない場合には前記組換え細胞
    クローンの増殖を可能にする選択培地において培養し、ここで、 i)第1のプラスミドは、該2つのポリペプチドの一方および酵素の第1ドメイン
    を含む第1のハイブリッドポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物
    を含み; ii) 第2のプラスミドは、該2つのポリペプチドの他方および、第1および第2
    のハイブリッドポリペプチドが相互作用する場合に該有毒レポーター遺伝子を活
    性化しうる前記酵素の第2の部分を含む第2のハイブリッドポリペプチドをコー
    ドする核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで該相互作用は該酵素の活性を回
    復させ; b)工程a)で培養された組換え細胞クローンの増殖を阻害しうる薬剤を選択する。
  78. 【請求項78】 ORF HP1198によりコードされるポリペプチドまたはその断片
    もしくは相同的ポリペプチドと、ORF HP1293によりコードされるポリペプチドま
    たはその断片もしくは相同的ポリペプチドとの間の相互作用を変化させうる薬剤
    を選択するための請求項77記載の方法。
  79. 【請求項79】 ORF HP1198によりコードされるポリペプチドまたはその断片
    もしくは相同的ポリペプチドと、ORF HP0088によりコードされるポリペプチドま
    たはその断片もしくは相同的ポリペプチドとの間の相互作用を変化させうる薬剤
    を選択するための請求項77記載の方法。
  80. 【請求項80】 ORF HP1198によりコードされるポリペプチドまたはその断片
    もしくは相同的ポリペプチドと、ORF HP1032によりコードされるポリペプチドま
    たはその断片もしくは相同的ポリペプチドとの間の相互作用を変化させうる薬剤
    を選択するための請求項77記載の方法。
  81. 【請求項81】 請求項76または77記載の方法により選択されるモジュレータ
    ー剤。
  82. 【請求項82】 請求項76または77の工程a)に記載の少なくとも1つの組換え
    形質転換細胞クローンを含むモジュレーター剤をスクリーニングするためのキッ
    ト。
  83. 【請求項83】 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori) のタンパク
    質相互作用の変化のための、請求項45および61のいずれかに記載のポリペプチド
    の使用。
  84. 【請求項84】 請求項45または61に記載のポリペプチド、請求項65〜70のい
    ずれかに記載のベクター、または請求項71〜73のいずれかに記載の宿主細胞を含
    む免疫原性剤で動物またはヒト生体を免疫する工程を含む、モノクローナルまた
    はポリクローナル抗体の製造方法。
  85. 【請求項85】 請求項84記載の方法により得られる抗体。
  86. 【請求項86】 以下の群から選択される化合物を含む薬剤組成物: a)請求項59または60記載のポリヌクレオチド、 b)請求項45または61記載のポリペプチド、 c)請求項62〜70のいずれかに記載のベクター、 d)請求項71〜73のいずれかに記載の宿主細胞、 e)請求項80記載のモジュレーター剤、および f)請求項85記載の抗体。
  87. 【請求項87】 前記組成物が、生理学的に許容しうる担体及び/又はアジュ
    バントと共に、静脈内経路、筋肉内経路、経口経路または粘膜経路などの任意の
    経路で投与される請求項86記載の薬剤組成物。
JP2000615746A 1999-04-30 2000-04-14 ツーハイブリッドシステムのための原核dnaコレクション、ヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タンパク質相互作用およびその用途 Withdrawn JP2002542821A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99401066 1999-04-30
EP99401066.8 1999-04-30
PCT/IB2000/000603 WO2000066722A1 (en) 1999-04-30 2000-04-14 Collection of prokaryotic dna for two hybrid systems helicobacter pylori protein-protein interactions and application thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002542821A true JP2002542821A (ja) 2002-12-17

Family

ID=8241962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000615746A Withdrawn JP2002542821A (ja) 1999-04-30 2000-04-14 ツーハイブリッドシステムのための原核dnaコレクション、ヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タンパク質相互作用およびその用途

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6916615B2 (ja)
EP (1) EP1173560A1 (ja)
JP (1) JP2002542821A (ja)
CA (1) CA2371596A1 (ja)
WO (1) WO2000066722A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPQ347199A0 (en) * 1999-10-15 1999-11-11 Csl Limited Novel polypeptide fragments
EP1178318A1 (en) * 2000-08-03 2002-02-06 Hybrigenics S.A. A novel class of compounds for the specific detection of polypeptides of interest and their use in detection methods
US7198924B2 (en) 2000-12-11 2007-04-03 Invitrogen Corporation Methods and compositions for synthesis of nucleic acid molecules using multiple recognition sites
WO2002066501A2 (en) * 2001-01-02 2002-08-29 Hybrigenics PROTEIN-PROTEIN INTERACTIONS IN $i(HELICOBACTER PYLORI)
WO2002057303A2 (en) * 2001-01-12 2002-07-25 Hybrigenics Protein-protein interactions between shigella flexneri polypeptides and mammalian polypeptides
AU2002251058A1 (en) * 2001-02-16 2002-09-04 Hybrigenics Protein-protein interactions in saccharomyces cerevisiae
EP1451214A2 (en) 2001-11-26 2004-09-01 Hybrigenics Protein-protein interactions in human immunodeficiency virus
US20060193866A1 (en) * 2003-04-22 2006-08-31 Intercell Ag H pylori antigens
CA2525250A1 (en) * 2003-05-09 2004-11-25 Health Research Inc. Improved methods for protein interaction determination
EP1697534B1 (en) 2003-12-01 2010-06-02 Life Technologies Corporation Nucleic acid molecules containing recombination sites and methods of using the same
EP2034020A1 (en) * 2007-08-30 2009-03-11 Procomcure Biotech GmbH Method for manufacturing a modified peptide

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5506100A (en) * 1990-10-11 1996-04-09 Indiana University Foundation Process and apparatus for fragmenting biomaterials
FR2682122B1 (fr) 1991-10-03 1995-06-09 Pasteur Institut Nouveaux genes d'helicobacter pylori. leur utilisation pour la preparation de souches recombinantes de h. pylori.
US5527678A (en) 1994-10-21 1996-06-18 Vanderbilt University CagB and CagC genes of helicobacter pylori and related compositions
NZ306767A (en) * 1995-04-11 2000-03-27 Univ Johns Hopkins Method of identifying molecular interactions employing counterselection and at least two hybrid molecules or two hybrid systems
FR2736360B1 (fr) 1995-07-04 1997-09-05 Pasteur Institut Clonage et caracterisation du gene fiba de h.pylori, production de souches aflagellees
US6737248B2 (en) * 1996-01-05 2004-05-18 Human Genome Sciences, Inc. Staphylococcus aureus polynucleotides and sequences
US6403337B1 (en) * 1996-01-05 2002-06-11 Human Genome Sciences, Inc. Staphylococcus aureus genes and polypeptides
CZ297698A3 (cs) * 1996-03-29 1999-02-17 Astra Aktiebolag Sekvence nukleové kyseliny a aminokyselinové sekvence vztahující se k Helicobacter pylori a její vakcinační kompozice
AU2304097A (en) * 1996-04-05 1997-10-29 Kieta Holding S.A. Compositions and methods relating to drug discovery and detection and treatment of gastrointestinal diseases
US6051381A (en) * 1996-12-11 2000-04-18 Kornacker; Michael G. Prokaryotic two-hybrid system
US6074847A (en) * 1996-12-13 2000-06-13 Eli Lilly And Company Streptococcus pneumoniae gene sequence HI1146
US20030138771A1 (en) * 1999-09-30 2003-07-24 Jerry Pelletier DNA sequences from S. pneumoniae bacteriophage DP1 that encode anti-microbal polypeptides

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000066722A1 (en) 2000-11-09
CA2371596A1 (en) 2000-11-09
WO2000066722B1 (en) 2001-02-01
US20030017478A1 (en) 2003-01-23
EP1173560A1 (en) 2002-01-23
US6916615B2 (en) 2005-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001527382A (ja) スタフィロコッカス・アウレウス由来のフェニルアラニル−tRNAシンセターゼ
US20220127628A1 (en) A genetically modified lactobacillus and uses thereof
TWI328035B (en) Anti-bacterial vaccine compositions
US20070009547A1 (en) Modified ESAT-6 molecules and improved vaccine strains of Mycobacterium bovis BCG
KR20070102447A (ko) 독성 유전자, 단백질, 및 그 용도
JP2002542821A (ja) ツーハイブリッドシステムのための原核dnaコレクション、ヘリコバクター・ピロリのタンパク質−タンパク質相互作用およびその用途
KR102224897B1 (ko) 신규한 폴리펩타이드 및 이를 포함하는 그람음성균에 대한 항생제
KR101037566B1 (ko) 감쇠된 그람 음성 박테리아
JP2001504329A (ja) ヘリコバクター・ピロリに関連する核酸およびアミノ酸配列ならびにそのワクチン組成物
JP2004514451A (ja) マイコバクテリア感染に対する防御
JP2002516868A (ja) nrdE
Burucoa et al. Nucleotide sequence and characterization of peb4A encoding an antigenic protein in Campylobacter jejuni
JP2001522605A (ja) 病原菌のtir遺伝子によってコードされる、病原菌の宿主の膜受容体、hp90
JP2002503106A (ja) 細菌フェロモンおよびその使用
PL199497B1 (pl) Wyizolowany polipeptyd, jego immunogenny fragment, wyizolowany polinukleotyd, wektor ekspresyjny, komórka gospodarza, błona komórki gospodarza, sposób wytwarzania polipeptydu lub immunogennego fragmentu, sposób wyrażania polinukleotydu, kompozycja szczepionki, przeciwciało, zastosowanie kompozycji zawierającej polipeptyd, zastosowanie kompozycji zawierającej polinukleotyd, kompozycja terapeutyczna oraz sposób diagnozowania zakażenia Moraxella catarrhalis
JP2002534960A (ja) ワクチン
JPH11253171A (ja) dexB
JPH10327882A (ja) 新規LicB
JP2002300888A (ja) MurC
JP2000210093A (ja) GidA1
JP2001507945A (ja) スタフィロコッカス・アウレウスのリボソームリサイクリングファクター(frr)
JP2002540758A (ja) Ama
JPH11137248A (ja) MurA
CA2510654A1 (en) Antigens for actinobacillus pleuropneumoniae and methods thereof
JP2002522010A (ja) nrdF

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703