JP2002542037A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 金属ストリップのための圧延方法およびこの方法に対応する圧延設備
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属ストリップ(1)が少なくとも1つのロールスタンド(2)内において圧延され、この金属ストリップ(1)の上に、この金属ストリップの幅(b)にわたって分散されて、ある量の潤滑剤(5)が塗布される様式の、金属ストリップ(1)のための圧延方法において、
ロールスタンド(2)の後方で、金属ストリップの幅(b)にわたっての、この金属ストリップ(1)の温度分布状態が検出され、
この温度が、赤外線カメラまたはCCDカメラ(6)によって測定され、
この測定された温度が、予め設定された温度と比較され、
この金属ストリップ(1)の、上記測定された温度が予め設定された温度以上である位置が、規定され、且つ、
潤滑剤(5)の量及び/または分散の調節のために援用されることを特徴とする圧延方法。
【請求項2】 温度分布状態に関する情報が、ロールスタンド(2)のための作業員(10)へと出力されること、および、この作業員(10)が、潤滑剤(5)の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータ(v)の調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧延方法。
【請求項3】 温度分布状態に関する情報が、調節器(7)に出力されること、および、この調節器(7)が、潤滑剤(5)の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータ(v)の調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧延方法。
【請求項4】 潤滑剤(5)の量及び/または分散及び/または少なくとも1つの圧延パラメータ(v)の調節が、調節器(7)の上位に設けられた圧延スケジュール計算機(8)へと伝達されること、および、この圧延スケジュール計算機(8)内において適応性のある圧延モデルが追補されていることを特徴とする請求項3に記載の圧延方法。
【請求項5】 金属ストリップ(1)を圧延するための少なくとも1つのロールスタンド(2)を有し、およびロールスタンド(2)に設けられた、金属ストリップ(1)上に、ある量の潤滑剤(5)をこの金属ストリップの幅(b)にわたって分散して塗布するための潤滑装置(4)を有する、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法を実施するための圧延設備において、
ロールスタンド(2)の後方で、金属ストリップ(1)内における温度分布状態を測定するための、赤外線カメラまたはCCDカメラ(6)が設けられており、
この赤外線カメラまたはCCDカメラが、調節器(7)を介して、潤滑剤(5)の量及び/または分散の調節のために、潤滑装置(4)と結合されていることを特徴とする圧延設備。
【請求項6】 潤滑装置(4)は、基本潤滑装置(4′)および付加潤滑装置(4″)を備えていること、および、
この基本潤滑装置(4′)から塗布されるべき潤滑剤(5)の量および分散が、1つのパスの間じゅう一定であり、且つ、この付加潤滑装置(4″)から塗布されるべき潤滑剤(5)の量及び/または分散が、調節可能であることを特徴とする請求項5に記載の圧延設備。
【請求項7】 赤外線カメラまたはCCDカメラ(6)は、ロールスタンド(2)のための作業員(10)へと検出された温度分布状態に関する情報を出力するための出力装置(9)と結合されていることを特徴とする請求項5または6に記載の圧延設備。
【請求項8】 赤外線カメラまたはCCDカメラ(6)は、調節器(7)の上位に設けられた圧延スケジュール計算機(8)と結合されていること、および、この圧延スケジュール計算機(8)内において、適応性のある圧延モデルが、追補されることを特徴とする請求項5に記載の圧延設備。

【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、金属ストリップが少なくとも1つのロールスタンド内において圧延され、この金属ストリップの上に、その金属ストリップの幅にわたって分散されて、ある量の潤滑剤が塗布される様式の、金属ストリップの幅を有する金属ストリップのための圧延方法、並びに、この方法に対応する圧延設備に関する。この様式の圧延方法および圧延設備は、例えばドイツ連邦共和国特許公開第2 927 769号明細書から公知である。
【0002】
圧延方法は、こうしている間にも著しく発展している。平坦な圧延ストリップを製造するために、例えば、バックアップロールが使用され、ワークロールが曲げ戻され、中間ロールが摺動され、セグメント状に冷却、等が行われる。全てのこれら構成にもかかわらず、この製造されたストリップは、それにも拘らず完全に平坦ではない。更に圧延の間じゅう、時折、ストリップ走行の際の安定性の問題が生じ、圧延ロール間隙における安定性の問題が生じ、及び/または極端な場合にはしかもその上にストリップの亀裂を誘起する滑り現象が生じることになる。
【0003】
そこで、本発明の根底をなす課題は、それら方法および設備を用いて、更により信頼性が高く、更により平坦なストリップが製造可能であるような、圧延方法およびこの方法に対応する圧延設備を提示することである。
【0004】
この課題は、圧延方法に関して、
ロールスタンドの後方で、金属ストリップのこの金属ストリップの幅bにわたっての温度分布状態が検出され、
この温度が、赤外線カメラまたはCCDカメラによって測定され、
この測定された温度が、予め設定された温度と比較され、
この金属ストリップの、上記測定された温度が予め設定された温度以上である位置が、規定され、且つ、
潤滑剤の量及び/または分散の調節のために援用されることによって解決される。
【0005】
この方法に対応して、この圧延設備の場合ロールスタンドに、潤滑分布状態検出装置が、金属ストリップの幅にわたる潤滑分布状態の検出のために、後続して設けられている。
【0006】
潤滑分布状態の検出は、直接的にまたは間接的に行われる。
【0007】
例えば、金属ストリップは、ロールスタンドの後方で、金属ストリップの幅にわたってある温度分布状態を有している。この温度分布状態は、−例えば赤外線カメラまたはCCDカメラによって−検出され、且つ、この温度分布状態からその場合に(間接的に)、潤滑分布状態が算出(ermittelt)される。
【0008】
直接的に、潤滑分布状態は、例えばロールスタンドの後方で、金属ストリップの表面性状に基づいて算出(ermittelt)され得る。この金属ストリップの表面性状は、例えば、光学的に、一方または両方のストリップ側面上で検出され得る。
【0009】
潤滑分布状態に関する情報が、ロールスタンドのための作業員へと出力されること、および、この作業員が、潤滑剤の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータの調節を行うことは可能である。
【0010】
しかしながら、この圧延方法は、潤滑分布状態に関する情報が、調節器に出力され、且つこの調節器が、潤滑剤の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータの調節を行う場合、快適に作動する。
【0011】
算出(ermittelt)された潤滑分布状態に基づいて、潤滑がただ局部的にだけ不十分であることが認められる場合、有利には、同様にただ局部的に潤滑状況を調整するだけである。このことは、通常は、潤滑剤の不足及び/または分散が変更されることによって行なわれる。これとは反対に、システム的な潤滑不足、例えば金属ストリップの幅をにわたって横方向に両方のストリップ端部における不正潤滑現象が現れる場合、例えば、ワークロールのロール曲げ戻しが調整される。もちろん、しかし他の圧延パラメータも調整可能である。
【0012】
潤滑剤の量および分散の変更は、例えば、潤滑装置が基本潤滑装置および付加潤滑装置を有し、且つこの基本潤滑装置から塗布されるべき潤滑剤の量および分散は一定であり、およびこの付加潤滑装置から塗布されるべき潤滑剤の量及び/または分散が調節可能であるように行なわれる。
【0013】
しかし、ただ基本潤滑装置だけを設けること、およびこの基本潤滑装置から塗布されるべき潤滑剤の量および分散を調節することも可能である。
【0014】
潤滑剤の量及び/または分散及び/または少なくとも1つの圧延パラメータの調節が、調節器の上位に設けられた圧延スケジュール計算機へと伝達され、およびこの圧延スケジュール計算機内において適応性のある圧延モデルが追補されている場合、この所定の金属ストリップまたはパススケジュールにとって、どのような潤滑剤量および分散を必要とするか、徐々に圧延スケジュール計算機は習得する。
【0015】
金属ストリップは、種々の金属、例えば、鋼、銅、アルミニウムまたは黄銅から成ることも可能である。
【0016】
他の利点および詳細は、以下の実施例の説明から与えられる。図1によれば、圧延速度vでもって、金属ストリップ1は、ワークロール3を有するロールスタンド2内において圧延される。このロールスタンド2は、図1によれば、2ロール式ロールスタンドとして形成されている。従って、この2段ロール式ロールスタンド(Zweirollen-Walzgerust)は、単にワークロール3を備えている。同様に、このロールスタンド2は、しかもまたバックアップロールを、場合によっては同様に中間ロールを、および一つまたは多数の圧延面における摺動システム等々を備えることができ、または例えば、いわゆる20段ロール式ロールスタンド(Zwanzigrollen-Walzgerust)として形成することができる。この金属ストリップ1は、金属ストリップの幅bを有している。実施例によれば、この金属ストリップ1は、鋼から成っている。この金属ストリップは、しかもまた、他の金属、例えば銅、アルミニウムまたは黄銅から成ることも可能である。
【0017】
ロールスタンド2に、潤滑装置4が設けられている。図1によれば、この潤滑装置は、ロールスタンド2の手前に設けられている。この潤滑装置4によって、ある量の潤滑剤5(例えば油−水混合物)が、金属ストリップの幅bにわたって分散されて、上方および下方から金属ストリップ1へと塗布される。この潤滑装置4は、基本潤滑装置4′および付加潤滑装置4″を備えている。この基本潤滑装置4′から塗布されるべき潤滑剤5の量および分散は、−少なくとも1つのパスの間じゅう−、一定である。この付加潤滑装置4″から塗布されるべき潤滑剤5の量及び/または分散は、これとは反対に調節可能である。
【0018】
それぞれのストリップ側面のために、単にただ1つの基本潤滑ビーム4′だけを設けることも可能であり、この基本潤滑ビームの場合、塗布されるべき潤滑剤5の量及び/または分散は、調節可能である。
【0019】
金属ストリップ1は、ロールスタンド2の後方で、金属ストリップの幅bにわたって、ある温度分布状態を有している。従ってこのロールスタンド2に、温度分布状態検出装置6が、後続して設けられている。この温度分布状態検出装置6は、例えば赤外線カメラとして形成されている。この温度分布状態検出装置6によって、金属ストリップ1の温度分布状態は、ロールスタンド2の後方で金属ストリップの幅bにわたって、周期的に検出される。その場合に、この温度分布状態から潤滑分布状態が算出(ermittelt)され、またはこの温度分布状態から、起こり得る圧延ロール間隙における安定性の問題が、帰納的推理される。従って、この温度分布状態検出装置6は、潤滑分布状態検出装置6としての役目を果たす。

【0020】
温度分布状態検出装置6は、種々の様式で形成され得る。赤外線カメラの代わりに、例えばCCDカメラまたはセンサーアレイも該当する。いかなる場合にも、しかしながら、温度分布状態検出装置6が可能な限りロールスタンド2の近傍に設けられているべきである。この間隔は、最大5mから10mに至るまでの値であるべきである。
【0021】
図1によれば、潤滑分布状態検出装置6は、調節器7と結合されている。この調節器7は、他方また、潤滑装置4及び/またはロールスタンド2と制御技術的に結合されている。従って、検出された温度分布状態または潤滑分布状態に基づいて、調節器7は、潤滑剤5の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータ、例えば圧延速度vの調節を行うことができる。
【0022】
更に、潤滑分布状態検出装置6は、調節器7を介して圧延スケジュール計算機8と結合されている。この圧延スケジュール計算機8は、この調節器7の上位に設けられている。この圧延スケジュール計算機内において、適応性のある圧延モデルが、追補される。従って、潤滑剤5の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータ、例えば圧延速度vの調節は、同様に圧延スケジュール計算機8に伝達される。これによって、この圧延スケジュール計算機8は、この圧延スケジュール計算機内において追補される圧延モデルを適合させることが可能な状態にあり、従って、新しい圧延すべき金属ストリップ1の場合に、比較的に良好な予調節が行われ得る。
【0023】
図1によれば、潤滑分布状態検出装置6は、同様に出力装置9と結合されている。この出力装置9は、例えばモニターであり、このモニターによって、ロールスタンド2のための作業員10に、潤滑分布状態に関する情報が出力される。
【0024】
図2において、最低の温度に、金属ストリップの幅bにわたって横方向に規格化された3つの異なる温度分布状態A、B、Cが図示されている。更に、破線で書かれた1つのラインが描かれており、このラインは、所定のパーセンテージだけ、最低の温度の上方にある1つの温度に相当する。このパーセンテージは、典型的に5%と10%との間にある。
【0025】
温度分布状態Aの場合、この温度分布状態は、金属ストリップの幅bにわたって、破線で書かれたラインを、どの位置においても上まわることは無い。従って、この金属ストリップ1は、金属ストリップの幅bにわたって、それぞれの位置において十分に潤滑されている。制御技術的な関与は、必要でない。
【0026】
温度分布状態Bの場合、1つの位置において破線で書かれたラインは、乗り越えられている。この位置において、不正潤滑が存在する。この不正潤滑の除去のために、特にこの領域内における分散されるべき潤滑剤5の量を増大するために、付加潤滑装置4″が、局部的に制御される。
【0027】
温度分布状態Cの場合、システム的な圧延欠陥が存在する。何故ならば、金属ストリップ1が、この金属ストリップの両方の外側エッジ部において、不十分に潤滑されているからである。この場合には、−もちろんストリップ平坦度を考慮に入れて−、圧延パラメータが変更され、例えば多重式ロールスタンドの場合に、ロール曲げ戻しが変更される。付加潤滑装置4″の制御は、しかし同様に可能である。
【0028】
図3は、基本的に図1に相応する。特に明確に図3から、潤滑剤5は、上からおよび下から金属ストリップ1に塗布されることが見て取れる。しかしながら、図1による実施例とは異なって、調節器7が設けられていない。従って、潤滑剤の量及び/または分散の調節、及び/または少なくとも1つの圧延パラメータの調節は、図3によれば、作業員10によって行われる。
【0029】
本発明による圧延方法またはこの方法に対応する圧延設備によって、初めて、制御された潤滑が、ロール間隔において達成され得る。このことは、比較的に高い安定性、最適な状態にされた潤滑剤量および潤滑剤分布、比較的に平坦な金属ストリップ1、および低減された滑りを誘起する。
【0030】
この圧延方法は、全ての圧延工程において使用され得る。特に有利には、しかし金属ストリップ1が冷間圧延される場合に使用され、従ってこの圧延設備は冷間圧延設備として形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
上からの圧延設備の図である。
【図2】
温度分布状態の図である。
【図3】
側面からの圧延設備の図である。
【符号の説明】
1 金属ストリップ
2 ロールスタンド
3 ワークロール
4、4′、4″ 潤滑装置
5 潤滑剤
6 温度分布状態検出装置
7 調節器
8 圧延スケジュール計算機
9 出力装置/モニター
10 作業員
A、B、C 温度分布状態
金属ストリップの幅
v 圧延速度/圧延パラメータ
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