JP2002542035A - 部品を製造するためのダイおよび方法 - Google Patents

部品を製造するためのダイおよび方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インサートによって補強された軽金属の部品を製造するための多孔質セラミック・インサートを固定するためのダイに関する。この目的のために、インサートは、インサートを固定する目的のために発生するあらゆる力が共線力によって補償されて、インサートに行使される曲げモーメントを最小限に抑えるように、ダイの中に位置決めされる。さらにまた、ダイの中に流れる鋳込み金属からインサートを保護するために、遮蔽部材が使用される。さらにまた本発明は、ダイの中に鋳込み金属を移動させる鋳造プランジャの速度が、鋳込み金属の運動エネルギーによってインサートが損傷を受けないように調整される方法が述べられる。これは、金属がインサートの周りに流れてしまうまで低速度でダイを充填することによって達成される。次に鋳造プランジャを加速して、ダイの鋳込み金属による最適充填を保証する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、請求項1および10に記載の部品を製造するためのダイおよび方法
に関する。
【0002】 部品の質量を減らすために現在、例えばアルミニウムまたはマグネシウムとい
った軽金属から圧力型鋳造方法を用いて、比較的大型の個別部品を製造する努力
がなされている。これは、自動車のギヤ・ケーシングおよびエンジン・ブロック
を軽金属から製造することが増えている自動車産業に特に適用される。しかし軽
金属を使用すると、部品の機械的な負荷がかかる部域の強度、耐クリープ性、お
よび耐摩耗性は、比較的高い温度を受ける区域において特に不十分となる。した
がって、この形式の軽金属部品の機械的負荷容量は限定される。
【0003】 一般形式の方法がDE19710671C2によって知られている。この文書
は、セラミック材料で作られた多孔質の犠牲体(インサート)をダイ(die)
の所定の位置に配して、圧力をかけた状態で溶融金属(鋳込み金属)で溶浸する
方法を開示している。鋳込み金属によるインサートの溶浸は、インサート個所に
おける金属セラミック複合材料(補強部材)の形成をもたらす。次に鋳物部品を
、補強部材内においてセラミック材料と鋳込み金属との間に反応が起るように加
熱し、この結果、耐摩耗性と強度の点では補強部材よりもすぐれた、セラミック
相と金属間材料相とを含む複合材料となる。しかしながら、特に局部的補強の場
合には、部品の加熱は高い技術的支出と高い製造費を伴ってのみ達成することが
できる。さらにまた方法条件は、曲げ応力が溶浸中にインサートに対して損傷を
与える恐れがあることを意味する。
【0004】 したがって本発明の目的は、機械的負荷容量を向上させた、特に耐クリープ性
を向上させた軽金属部品を容易に低コストで製造することができるように、ダイ
およびさらに改善された上記形式の方法を提供することである。
【0005】 この目的の解決法は、請求項1に記載の特徴を有する装置(ダイ)と請求項1
0に記載の方法にある。
【0006】 請求項1に記載の本発明による装置は、所定の仕方でインサートを位置決めす
る固定部材がダイの中にあることで区別される。固定部材は、インサートに作用
する曲げモーメントが最小限に抑えられるように設計されている。本発明によれ
ば、これは、インサートに作用する力を固定部材によって共線力(collin
ear force)で補償することによって達成される。これは、対向する力
線が1本の直線の上にあることを意味する。本発明による固定部材の他に、イン
サートは、これが鋳込み金属の伝搬流の中に直接置かれないように、インプレッ
ションの中に位置決めされる。これを達成するために、遮蔽部材を使用する。理
想的には、これらの遮蔽部材は、部品の外形によって決定される例えば縁部また
は壁などの、インプレッション輪郭を有する部品である。しかしながら、追加の
固定部材を設計して、これらがインサートに対して鋳込み金属の流れを遮蔽する
ようにすることもできる。固定部材と遮蔽部材は共にセラミック製インサートに
対する損傷を防ぎ、これによって補強軽金属部品の一連の製造におけるスクラッ
プ発生率を減少する(請求項1)。
【0007】 インサートは鋳造機に対して固定されたダイの片側に位置決めされることが好
ましい。これは、インサ−トはダイが閉じているときにはその位置を動かす可能
性のある動きを全く受けないことを意味するからである。部品の外形および/ま
たはダイの外形が必要とする場合には、インサートをダイの可動側またはスライ
ドの上に位置決めすることが可能である。さらにまた、複数のインサートをダイ
の中に位置決めすることが可能で、これらのインサートを固定側および/または
可動側および/またはスライドの上に置くことができる(請求項2)。
【0008】 インサートに作用する曲げモーメントを最小限に抑えるために、インサートを
インプレッションの壁の上に位置決めすることは有用である。この場合には、正
確に固定する仕方でダイ壁の表面を満たすことはインサートのために重要である
。ダイ壁は平面状の表面であることが理想的である(請求項3)。
【0009】 インサートの決定的な固定はダイが閉じている間に行われる。この目的のため
に、ラグ、ピン、エッジ、および/または遮蔽部材(固定部材)を、インサート
と反対側にあるツール側(インサートが固定側に位置決めされている場合には可
動側)またはスライド上に挿入することができる(請求項4)。
【0010】 インサートが正確に固定する仕方でインプレッションの壁に対して位置決めさ
れた場合には、鋳込み金属がインサートとインプレッションとの間を決して貫通
しないことが重要である。これはインサートの持上げ離間をもたらし、固定部材
の力の作用とともに、インサートを壊すこともある曲げモーメントを引き起こす
。これは、例えばインサートとインプレッションの間の接触表面が反対側の型側
面の縁部によって密封される場合には、防止することができる(請求項5)。
【0011】 さまざまな部品において、インサートはインプレッションのチャンバの中に自
由に位置決めされることが重要である。この場合には、固定は同様に固定部材に
よって準備される。インプレッションが完全に満たされた後、インサートの溶浸
が全ての側から均一に、すなわち均衡を保って行われる。均衡な溶浸は、インサ
ートに作用する曲げモーメントが最小限に抑えられるという利点を有する(請求
項6)。
【0012】 代替案として、および/または外部から作用する固定部材を支援するために、
インサートに孔を設けて、これを固定側または可動側またはスライドの上に置か
れたピンに正確に位置決めすることが可能である。これは、製造すべき部品の設
計が、部品の中で空洞として反映する固定部材がインプレッションの中にあるこ
とを位置的に容認しない場合には、有利である(請求項7)。
【0013】 鋳込み金属を送り出す鋳造プランジャの断面は、インプレッションの開口部(
ゲート)の断面よりも一般に大きい。この結果、鋳込み金属は、これが一定の鋳
造プランジャの速度でインプレッションに入ると加速されることになる。インサ
ートを鋳込み金属から防護するためには、遮蔽部材に加えて、鋳込み金属の速度
を低く維持することが得策である。実際には、インサートの領域における鋳込み
金属の速度が最高鋳造プランジャ速度の8倍を越えてはならないことが明らかに
なった。したがって、ゲートの断面は鋳造プランジャの断面の約8分の1以下で
あってはならない(請求項8)。
【0014】 内燃機関および変速機の部品は、本発明による装置を使用する軽金属部品の局
部的補強に特に適している。これらの部品では、使用される材料の特性に対して
非常に高い要求が課される。言及すべき特性は、曲げ強度、弾性率、膨張率、お
よび耐摩耗性である。局部的補強は、シリンダ・クランクケースの中で使用され
るシリンダ・ライナで特に採用される。シリンダ・ライナでは、先ず耐摩耗性、
次にライナの剛性が重要である。これは小さなシリンダ間隔すなわち狭いウェブ
幅とともに重要である。それは、この場合には補強がなければライナの望ましく
ない隆起が発生し、これがシリンダとライナの間に形成するギャップをもたらし
、このギャップを通って未燃の燃料が逸出する(吹抜け効果)可能性があるから
である。クランクシャフトの(例えばシリンダ・クランクケースにおける、およ
び/またはクランクケースの下半分における、および/またはベアリング・キャ
ップにおける)基底ベアリング領域、およびギヤ・ケーシングにおけるベアリン
グ領域は、局部補強のさらに別の適用分野である。この場合には、補強されてい
ない軽金属と比較して補強部材の高い剛性と、低い膨張率と、高い耐クリープ性
を利用することができる。補強部材の摩耗に対するすぐれた耐性のため、これら
がベアリング・ブロックにおけるベアリング・シェルに取って代わることも考え
られる。
【0015】 補強部材によって補強できるさらに機械的に負荷を受ける部品または機能要素
は、例えば集合ロッド、排気タービン過給機ブレード、または変速機シフティン
グ・フォーク上のスライディング・ブロックである。さらにまた、ブレーキ・デ
ィスクを摩擦リングの領域で補強して、軽金属の耐摩耗性よりも高い補強部材の
耐摩耗性を利用することができる。
【0016】 さらにまた、インサートの出発組成を選択制御することによって、本発明によ
る装置を使用して、高い熱伝導率と同時に組み合わせた低い膨張率を有するヒー
ト・シンクの形で部品を製造することが可能である(請求項9)。
【0017】 鋳造作業を3段階、すなわち予備区間、充填移動、および標準的な圧力型鋳造
において通例である再圧縮成形に分割することが、請求項10に記載の、本発明
による方法において変更された形で採用される。これらの3段階は、ダイが鋳込
み金属によって充填される程度の関数としての鋳造プランジャの速度によって定
義される。標準的圧力型鋳造の特徴は、鋳込み金属がインプレッションに達する
まで(予備区間)、それから鋳造プランジャを加速するために(充填移動)、鋳
造プランジャがゆるやかに動かされる。しかしながら、インプレッションの中に
多孔質のインサートがある場合には、インサートがすでに鋳込み金属によって取
り囲まれているときに鋳造プランジャを加速するだけであることは有利である。
これはインサートに対する損傷を防止し、スクラップ発生率を減少する。充填が
始まったときのインプレッションの充填程度は、部品におけるインサートの位置
に依存し、実際には10%〜90%であり、これはインプレッションについては
、充填移動の開始時において充満状態の50%〜80%であることが特に好都合
であると証明されている。
【0018】 多孔質セラミック・インサートを鋳込み金属で溶浸すると、貫入構造が形成さ
れる。これは、インサートの互いに通路を通じて連結された開細孔が鋳込み金属
によって充填されていることを意味する。したがって、各材料相はそれ自体の三
次元枠組を形成し、2つの枠組は、緻密な物体すなわち補強部材が形成されるよ
うに互いに織り合わされる。この形式の補強部材が例えばねずみ鋳鉄によって作
られたモノリシック補強部材に対して勝る1つの利点は、重量が減ることに加え
て、部品と補強部材材料との間に規定の境界がないことである。むしろ、部品の
金属は補強部材の金属と同じものであり、これは連続的に接合している(請求項
11)。
【0019】 補強部材の特性にはさまざまな要求が課されており、したがって、さまざまな
適用のための先駆物質としてさまざまな原セラミック粉を使用することが、本発
明に関連して得策である。例えば、高い硬度または耐摩耗性を必要とする場合に
は、原粉として炭化珪素または炭化チタンを使用することが有利である。熱伝導
率が高いことを必要とする部品の場合には、炭化珪素または窒化アルミニウムが
適当な原セラミック粉となる。多くの場合に、強度、弾性率、対クリープ性、ま
たは耐摩耗性などの機械的特性は、原料コストを考慮して補強部材の作用方式に
関して重要である。これらの基準に応じて、酸化チタン、スピネル、ムライト、
珪酸アルミニウム、または粘度鉱物などの原粉が使用される(請求項12)。
【0020】 複合材料におけるファイバの使用は一般に、複合材料の延性を向上させる。こ
れは、ファイバが亀裂のエネルギーを吸収し、したがって複合材料が高い耐破壊
性を有することに由来する。この場合、ファイバと基質との間の接合が特に重要
である。本発明による方法では特に高い耐破壊性が金属繊維によって、特に鉄、
クロム、アルミニウム、およびイットリウムに基づく金属繊維によって達成され
ることが明らかになっている。ファイバの有利な厚さは20μm〜200μm、
特に35μm〜50μmの範囲にある(請求項13)。
【0021】 ダイの充填度合に応じて、鋳造プランジャの速度は本発明による方法のための
重要なパラメータである。予備区間中の鋳造プランジャの速度は0.1m/秒〜
2m/秒が有利であることがわかっている。この速度範囲が充填作業のために適
切である場合には、鋳造プランジャの速度は予備区間中にこの範囲内で増加する
。充填移動中の鋳造プランジャの速度は、本発明によれば1m/秒〜5m/秒の
間にあるので、予備区間における低速度は充填移動中の低速度に連係する。最適
速度は各場合においてインプレッションの外形に依存し、したがってダイに特有
のものである。一般に、部品が欠陥なしに製造されることを保証する指定された
範囲内でのできるだけ低い鋳造プランジャ速度が、予備区間中に選択されること
を保証すべきである。充填移動は、指定された範囲内のできるだけ高い速度で実
施されるべきである。記載した範囲内での最適速度は各部品の外形について個別
に決定すべきである(請求項14)。
【0022】 再圧縮成形の圧力は、充填移動中の鋳造プランジャの速度から、および充填移
動中の鋳造プランジャの押しのけ容積から得られる。本発明による方法を使用す
ると、充填移動は従来のダイ鋳造方法におけるよりも遅く始まり、したがって再
圧縮成形中に達成される最高圧力は従来のダイ鋳造方法におけるよりも低い。こ
れは一般に600バール〜1200バールで、ほとんどの場合には700バール
〜900バールであり、すぐれた溶浸を達成するためには、できるだけ高い圧力
を目指すべきである(請求項15)。
【0023】 本発明による方法では、アルミニウム合金またはマグネシウム合金を使用する
ときには特に、鋳込み金属の温度は680℃〜780℃である。インプレッショ
ンの充填中と特にインサートの溶浸中に鋳込み金属が十分に熱くて液相温度以上
のままであるように、すなわち液体の形のままであって、インサートの細孔を塞
ぐことになる凝固が始まらないように、温度をできるだけ高く選択しなければな
らない。鋳込み金属がアルムニウム合金から成る場合には、740℃以上の温度
において金属は空気から水素を取り込み、これはこの合金から鋳造されるべき部
品の品質に対して悪い影響を与える。この理由で、鋳込み金属の最適温度は70
0℃〜740℃である(請求項16)。
【0024】 また溶浸の前に鋳込み金属が凝固することを防ぐためにも、インサートを50
0℃〜800℃間にある温度に予備加熱することは有利である。600℃〜70
0℃間にある予備加熱温度は、鋳込み金属とインサートとの間に化学反応が起る
可能性を防ぎ、同時に鋳込み金属の凝固を遅らせるので、特に有利である(請求
項17)。
【0025】 インサートの予備加熱は、少数の部品を製造するときには得策である電熱室炉
で行うことができる。しかし、連続製造方法を使用するときには、連続炉が特に
適している。これは、製造に必要とされるインサートの連続的な供給を確実にし
、さらにまたインサートの一定温度が確立できるようにする(請求項18)。方
法順序を続けながら、インサートを鋳造ロボットで取り出して、ダイの中に置く
ことができる。これは手動による挿入よりも時間短縮になり、インサートがダイ
の中で正確に位置決めされることを保証する(請求項19)。
【0026】 本発明による方法を適用するために、使用される鋳込み金属のためには、アル
ミニウムまたはマグネシウムまたはこれらの金属の合金であることが特に有利で
ある。これらの金属は低い密度を有し、圧力ダイ鋳造方法を使用する鋳造には特
に適している(請求項20)。
【0027】 インサートが30%〜80%の孔隙率を有する場合には、このインサートは鋳
込み金属によって特にうまく溶浸され、非常に良好な溶浸は特に50%の孔隙率
において達成でき、インサートは比較的高い強度を有する。インサートの最適細
孔径は1μm〜100μmの間にあり、好ましくは20μmである(請求項21
)。
【0028】 次の本文において、添付の図面に図解された6つの例示的な実施形態を参照し
て本発明をさらに詳しく説明する。
【0029】 図1は、ランナ2と、断面が規定のゲート3と、インプレッション4とを包含
するダイ1を有し、固定部材7によってインサート5を位置決めするための装置
を有する鋳造機12の概略図を示す。さらにまた、ダイ1は、鋳造の準備ができ
ているときには型割面15において互いに接触する2つの部分を包含する。これ
らの部分の1つは、ダイ1が開かれると鋳造機12に対して静止位置に残る固定
側16であり、別の1つは、ダイ1が開かれると鋳造機12に対して矢印の方向
に移動する可動側17を含む。
【0030】 ダイは鋳造機12に取り付けられており、この鋳造機12は断面が規定の鋳造
プランジャ11を具備し、鋳造プランジャ11は、鋳込み金属13を規定の速度
でランナ2の中に押し込め、ゲート3を通じてこれを続けながらダイ1のインプ
レッション4の中に押し込める。
【0031】 鋳込み金属13によってダイ1を最適に充填するために、妨げられることなく
インプレッション4のすべての領域に到達できることが、鋳込み金属13にとっ
て必要である。この運動エネルギーは、鋳込み金属13がインサート5に力を行
使することを意味し、この力はインサート5の強度を越えることもある曲げモー
メントを発生させることがある。この理由で、本発明によれば、遮蔽部材6によ
ってインサート5は鋳込み金属13から保護され、こうして鋳込み金属13はイ
ンサート5の周りを横方向に流れる。この仕方で、インサート5に対する力の作
用は軽減される。
【0032】 図1は、遮蔽部材6をインプレッション6の壁の形で示す。インサート5に対
して作用する力をさらに減らすために、固定の結果として作用する力ができるだ
け低い曲げモーメントを生じさせるように固定されることが、インサート5にと
って必要であり、本発明によれば、これは、共線力が実質的に固定部材によって
インサート5に発生する力を打ち消すこと、すなわち2つの力が1本の直線上に
あることによって達成される。
【0033】 図1では、インサート5は、ラグ8と、遮蔽部材6として同時に機能するイン
プレッション6の下壁とによって一方向に固定される。これに直角に、インサー
ト5がピン9とインプレッション4の横壁18とによって固定される。前記両方
向に、インサートに作用する力の力線は1本の直線上にある。共線力の力線があ
る直線は、互いに対して任意の望みの空間角度を呈することができる。
【0034】 ダイ1の中にインサート5を位置決めするとき、設計は、図1に示すように遮
蔽部材として部品の外形を形成するために役立つインプレッションの輪郭の使用
を確かめなければならない。このオプションが設計上の理由で存在しない場合に
は、図2および図3に示すような遮蔽部材が使用される。
【0035】 図2に示すような別の例では、矩形のインサート5が遮蔽部材6によって下か
ら固定され、遮蔽部材6はこの例ではエッジ10の形に設計されている。反対側
には、同様にエッジ10によって力の共線性を考慮して固定が行われる。インサ
ートの水平固定はピン9によって行われる。
【0036】 図3は、環状インサート5を図示するさらに別の例を示しており、このインサ
ート5はダイ1の固定側16でピン9の上に押されており、固定側16における
インプレッション4の壁18に対して、可動側17に配置されたさらに別のピン
9によって圧されている。ランナ2がインサートの直下に位置し、鋳込み金属1
3がインプレッション4に入ると、これは遮蔽部材6によってインサート5を通
り過ぎて導かれる。
【0037】 図4は、本発明によるさらに別の例示的実施形態を示し、ここでは固定側16
の型割面が示されている。円筒状インサート5が2個の円錐状スライド14の上
にはめられている。これらのスライドは固定側16に取り付けられるか、または
可動側17に取り付けられ、インプレッション4から十分に引っ込められて、こ
れから離れ、部品をダイから除去することが可能になる。可動側と固定側を、型
割面15において明確にロックする方式で互いに接触状態とし、部品をダイから
除去するために分離することができる。遮蔽部材6はインサート5の下に置かれ
、この例では2部分設計となっており、一方の部分は固定側16の中に位置し、
他方の部分は可動側17の中に位置する。図4に示す例示的実施形態の原理は、
補強部材としてシリンダ・クランクケースの中にライナを形成するために適する
。スライドを1つだけ使用して、これにインサートをその全長にわたってはめ込
むことが可能である。
【0038】 図5は、固定側16の中に位置決めされた環状インサート5を示す。固定側1
6のインプレッション4とインサート5とは合致する設計であるから、製造許容
誤差内で遊びはない。しかし、液状の鋳込み金属は小さな隙間(>0.1mm)
を貫通することができる。多孔質のセラミック・インサートを使用すると、高い
支出レベルを伴って>0.1mmの許容誤差を保証することが可能であるのみで
、これは、インプレッションがダイから型割面に面する表面29において部品を
除去するために傾斜を有することを考慮する場合には、特に真実である。したが
って原則として、前記の条件の下で表面29と(曲げモーメントを引き起こすは
ずである)インサート5との間に到達することは、鋳込み金属にとっては可能で
ある。これは、可動側17の固定部材として同時に機能するエッジ10によって
防止される。図5では、型割面に面するインプレッション4の表面29が遮蔽部
材6として役立つように、インサートが位置決めされている。
【0039】 図6はインプレッション4の断面図を示し、この図では孔を備えたインサート
5が、ダイの固定側16に確保されたピン9の上にはめ込まれている。さらに別
のピン9が可動側17に確保されてインサート5を固定し、インサート5に作用
する力の共線性を保証する。図6に示すようなインサート5の固定は、部品の条
件が、外部固定部材が一定の個所で受け入れ不能であることを意味する場合には
、得策である。図5に示す可動側17上のピン9も、本発明によればエッジまた
はラグによって形成することができる。さらにまた、可動側17のインプレッシ
ョンの壁18が直接インサート5を圧迫してインサートを固定するように、イン
プレッション4を設計することは可能である。この例では、遮蔽部材6は、イン
サート5に触れないようにインサート5の下に配置されている。
【0040】 次の本文において、図7a〜7cに図示する本発明による方法を説明する。時
間的に、従来の圧力ダイ鋳造作業は3つの段階に分けられる。第1段階では、鋳
造プランジャ11(図1を参照)は、ダイ1のランナ2が鋳込み金属13で充填
されるまで、一定の速度で移動する(予備区間)。第2段階すなわち充填移動で
は、鋳造プランジャ11は加速され、インプレッション4は鋳込み金属13で充
填される。第3段階では、ダイ1の全体が鋳込み金属13で充填されるので鋳造
プランジャ11は突然減速され、同時に、1200バールにまで達することもあ
る圧力がダイ1における鋳込み金属13に発生する(再圧縮成形)。再圧縮成形
は鋳込み金属13の固化を通じて部品の収縮を防止し、同時に、本発明によれば
、鋳込み金属13の圧力はインサート5の溶浸のために使用される。
【0041】 ダイ1の設計に応じて、充填移動中の鋳込み金属13の速度は、予備区間にお
ける速度の10倍にもなることがある。ゲート3における充填移動速度は通常3
0m/秒〜50m/秒の間にある。ゲートvにおける鋳込み金属の速度は、一
般に次の式を使用して計算される。
【0042】
【数1】
【0043】 ただし、S=鋳造プランジャの断面積[m] v=鋳造プランジャの速度[m/秒] S=ゲートの断面積[m] v=ゲートにおける鋳込み金属の速度[m/秒]
【0044】 方法中に鋳込み金属13が所有する運動エネルギーは、インサート5に損傷を
与えることがある。これを防ぐために本発明によれば、予備区間は、インサート
5が鋳込み金属で取り囲まれてしまうまで鋳造プランジャの低速v(0.1m
/秒〜1.5m/秒)によって充填することを含む。インプレッション4の充填
レベル26は、例えば約80%である(図7a)。次に、鋳造プランジャ11は
充填移動中に加速され、インプレッションは鋳造プランジャのより高い速度v (1m/秒〜5m/秒)で鋳込み金属によって100%まで充填される(図7b
)。図7cは、鋳造プランジャ11の速度vを鋳造プランジャによって覆われ
る距離Sの関数として示す。予備区間の第1行程Sは、図7aに示すインプ
レッション26の充填レベルまで低速vで起る。次に、鋳造プランジャ11は
速度vに加速され、この速度はインプレッションが完全に充填されるまで充填
移動の距離Sにわたって維持される(図7b)。次に、鋳造プランジャ11は
突然減速され(再圧縮成形)、速度はvにまで低下し、鋳造プランジャ11は
鋳込み金属を再圧縮成形Sするために、さらにわずかに移動する。この再圧縮
成形段階に、インサートは鋳込み金属によって溶浸され、これは鋳造プランジャ
11の移動Sを起させる。充填移動の開始時における充填レベル26は、イン
プレッション4におけるインサート5の位置と部品の外形に依存し、10%〜9
0%の間にある。インサート5は、充填移動中に加速がないとすれば、最低可能
な負荷を経験することになろう。しかしこれは、鋳込み金属13によるインプレ
ッション4の最適充填を保証することはできないはずである。インプレッション
4の最適充填とインサート5の機械的負荷容量は、充填移動中において鋳込み金
属13の速度によって直接であるが反対方向に影響される2つの基準である。こ
の両基準を満たすことができるためには、実際には50%〜80%の充填レベル
が適切であることがわかっている。
【0045】 図8は、補強部材25の貫入構造を拡大して示す線図である。補強部材25の
セラミック材料相27は三次元的につながれて、溶浸された鋳込み金属すなわち
金属材料相28によって完全に充填された開細孔組織を有する。貫入構造の中に
存在する金属は、部品が形成された固化した鋳込み金属と同一であり、遷移層に
おいて部品と連続的に接合している。2つの材料層は共に、密で細孔のない貫入
構造を形成する。
【0046】 次の本文において、本方法に関する例示的実施形態を参照して本発明をさらに
詳しく説明する。
【0047】 実施例1 1.インサートの製造 粉体を準備するために、セラミック粉として95重量%のTiOおよび5重
量%のカーボン粉を、レベルIIにおいて15秒間およびレベルIにおいて1分
間、星形ロータ・ミキサの中でバインダとして(セラミックカーボン混合物を基
にして)15重量%のPEG粉と混合した。結果的に得られた混合物の嵩密度は
0.750g/cmであった。(この混合物を基にして)水を3重量%だけ加
え、レベルIIにおいて15秒間およびレベルIにおいて1分間、星形ロータ・
ミキサの中で混合を続けた。 すると結果的に得られた粉体の嵩密度は0.942g/cmであった。 粉体を再循環するために、上記組成の粉体をレベルIIにおいて5分間混合し
た。すると粉体の嵩密度は1.315g/cmになった。
【0048】 嵩密度が0.942g/cmまたは1.315g/cmのこの粉体を、7
5℃に加熱されたプレスダイに常温で加えた。エア・ポケットは除去された。プ
レスを真空下で閉じ、300KNと600KNで5分間応力除去処理を行った。
次に、真空下の一軸圧縮を1500KNの圧縮力の下で2分間実施した。プレス
をゆっくり開いた。結果は、ほぼ正味形状に圧縮された粉体プリフォームであり
、これを乾燥炉において60℃で乾燥し、それからその最終寸法に再切削した。
これは任意に、乾燥の後および最終機械切削の前に冷間均衡圧縮にかけることも
できる。
【0049】 有機成分を排除するために(「切離し」)、乾燥した粉体プリフォームをトン
ネル炉の中で加熱し、空気は60分間にわたって100℃まで許され、この温度
で90分間加熱し、次いでさらなる温度上昇が続き、300分間で400℃にな
り、さらに60分間で550℃になる。この点で、1150℃までの粉体プリフ
ォームのさらなる加熱が可能であり、これは粉体プリフォームの強度向上に貢献
する。それから550℃の温度で処理された常温の粉体プリフォームは、約15
MPaの圧縮強度、3MPaの曲げ強度、および約45%の孔隙率を有した。1
150℃で1時間焼きなましされた粉体プリフォームは、30MPaの曲げ強度
および約35%の孔隙率を有した。記載した方法によって製造され機械切削され
た粉体プリフォームを、以下の本文ではインサートと呼ぶ。
【0050】 2.圧力溶浸 鋳込み金属の早期冷却をインサートによって防止するために、多孔質セラミッ
ク・インサート5を500℃の温度に予備加熱した。それから、これをダイ内の
所定の位置に置き、本発明に従って固定した。次にダイを閉じて、部品全体を形
成するためにインプレッションをアルミニウムまたはアルミニウム合金によって
充填した。例として、圧力ダイ鋳造(例えばGD226またはGD231)に適
する99.9%純度のアルミニウムまたはアルミニウム合金をこの目的のために
使用することができる。詳しくは、鋳造方法中にダイの温度は300℃に設定さ
れた。鋳込み金属の比圧力は600〜800バールの間にあり、温度は約680
〜750℃の間であった。充填移動中の圧力形成は、ダイが60%満たされた後
に起った。ダイの充填継続時間は、約0.2m/秒(予備区間)〜1.8m/秒
(充填移動)のプランジャ速度について、100ミリ秒であった。ダイが閉じた
状態に保持された時間は約10秒〜40秒であった。この例示的な実施形態では
、400MPaの曲げ強度、約60W/mKの熱伝導率、および約3.1g/c
の密度を有する、酸化チタンおよびアルミニウムで作られた補強部材を有す
るダイカスト・アルミニウム部品が得られた。
【0051】 ダイの充填中に、インサートはアルミニウム合金AlSiCu(GD22
6)によって溶浸され、同時に、インサートを持たないダイ中の残りの介在領域
は金属によって充填された。この方法では、製造しようとする部品はこの意図さ
れる目的に適切に適合可能である。例えば、シリンダ・ライナ間に補強ウェブを
有するシリンダ・クランクケースを製造することが可能であり、この場合、正味
形状に近く適当に形成されたインサートは本発明によってダイの中に位置決めさ
れ、続いてこの領域でウェブを形成する。ダイの残りの空き領域は次のクランク
ケースを囲み、それから介在領域を形成する。
【0052】 ダイの充填またはインサートの溶浸は、鋳込み金属の液状温度以上であるがセ
ラミック・インサートと反応がないように十分に低い充填温度で行われる。充填
金属としてアルミニウムを使用するときには特に、充填温度は750℃以下であ
る。ブレーキ・ディスクを製造するときには、充填の後に結果的に得られるブレ
ーキ・ディスクを、それ自体知られた仕方で、金属間セラミック複合材料が形成
される反応温度またはそれ以上の温度で、次の摩擦リングの摩擦表面領域で加熱
することができる。したがってブレーキ・ディスクに関しては、加熱は選択的に
行われる。それは誘導加熱またはレーザ加熱により行うことができる。補強部材
のセラミック金属複合材料が金属間セラミック複合材料の中に継目なく合流する
グラディエントが結果的に得られるように、エネルギーの導入を制御することが
できる。
【0053】 実施例2 実施例1と同様な仕方で、セラミック粉体としてAINを使用して多孔質セラ
ミック・インサートを製造し、同じ条件下でアルミニウムによって溶浸した。ダ
イは、電力電子機器のためのヒート・シンクを製造した。セラミック母材はヒー
ト・シンクの上部領域を補強し、この結果、電子基板とヒート・シンクとの間の
膨張率は合致し、同時に高い熱伝導率を達成した。
【0054】 実施例3 実施例2と同様な仕方で、原料粉体としてSiCを使用して多孔質セラミック
・インサートを製造し、同じ条件でアルミニウムによって溶浸した。
【0055】 実施例4 実施例1と同様な仕方で、セラミック粉体としてTiOを使用して多孔質セ
ラミック・インサートを製造し、同じ条件下でマグネシウム合金(AZ91)に
よって溶浸した。
【0056】 実施例5 実施例1と同様な仕方で、セラミック粉体としてTiOを使用して多孔質セ
ラミック・インサートを製造した。この場合、長さ3〜15mmの短繊維形状の
補強カーボン・ファイバを30容積%(粉体全体の容積に基づく)だけ混合物に
加えた。この多孔質セラミック・インサートを同じ条件下でアルミニウムによっ
て溶浸した。
【0057】 実施例6 実施例1と同様な仕方で、セラミック粉体としてTiOを使用して多孔質セ
ラミック・インサートを製造した。インサートをシリンダの形で冷間均衡圧縮に
かけ、同じ条件下でアルミニウムによって溶浸した。結果的に得られた部品は、
補強部材によって形成されたシリンダ・ライナを有するシリンダ・クランクケー
スである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイを断面で示した、インサートと鋳造プランジャを有する圧力ダイ鋳造機の
第1実施例を示す概略図である。
【図2】 インサート、固定部材、および遮蔽部材が中に配置されている、ダイの第2実
施例を示す拡大断面図である。
【図3】 インサート、固定部材、および遮蔽部材を有するダイの第3実施例を示す拡大
断面図である。
【図4】 遮蔽部材と、ダイのスライドの上に位置決めされたインサートとが示されてい
る、ダイの第4例として示す拡大断面図である。
【図5】 環状インサートと固定部材とを有する、ダイの第5実施例を示す拡大断面図で
ある。
【図6】 孔のあるインサートを有し、インサートはダイの固定部材の上にはめ込まれて
いる、ダイの第6実施例を示す拡大断面図である。
【図7】 a〜cはインプレッションが鋳込み金属によって充填されている方式を示す概
略線図である。
【図8】 金属材料相とセラミック材料相とを有する貫入構造を示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月12日(2001.4.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 17/32 B22D 17/32 B 19/14 19/14 B 21/04 21/04 A B (72)発明者 レープシュトック,コルヤ ドイツ国 D−89073 ウルム レフラー シュトラーセ 16 (72)発明者 シェイデッカー,ミカエル ドイツ国 D−89278 ネルジンゲン マ イセンヴェーク 1 (72)発明者 ヴァルタース,マルクス ドイツ国 D−89233 ブルラフィンゲン タルフィンガー シュトラーセ 26

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質セラミック・インサート(5)によって局部的に補強
    された部品を製造するための、インサート(5)を固定するための手段を有する
    ダイ(1)であって、 ダイが、インサート(5)を位置決めするための固定部材(7、8、9、10
    )を有し、インサート(5)に作用する力を、対応する共線力によって補償する
    ことを可能にすること、および ダイ(1)が遮蔽部材(6)を有し、遮蔽部材(6)によって、インサートが
    鋳造作業中に鋳込み金属(13)の主要な伝搬流から遮蔽されること を特徴とするダイ(1)。
  2. 【請求項2】 インサートを、ダイの固定側(16)、および/またはダイ
    の可動側(17)、および/またはダイのスライド(14)の中に位置決めする
    ことができることを特徴とする請求項1に記載のダイ(1)。
  3. 【請求項3】 インサート(5)が、密接に嵌合する方式で、インプレッシ
    ョン(4)の壁(18)を圧迫することを特徴とする請求項1または2に記載の
    ダイ(1)。
  4. 【請求項4】 ダイ(1)におけるインサート(5)の最終位置付けと固定
    が、ダイ(1)が閉じているときに行われることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか一項に記載のダイ(1)。
  5. 【請求項5】 インサート(5)とこれに隣接するインプレッション(4)
    の壁(18)との間における遷移部を、ダイの対応する部分のエッジによって、
    および/またはスライド(14)によって、鋳込み金属に対して密封できること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のダイ(1)。
  6. 【請求項6】 インサート(5)がダイ(1)のチャンバ内に自在に位置決
    めされ、ピン(9)および/またはラグ(8)および/またはエッジ(10)に
    よって保持され、すべての側から均衡溶浸を行うことができることを特徴とする
    請求項1または2に記載のダイ(1)。
  7. 【請求項7】 インサート(5)が孔(19)を備えており、ダイ(1)の
    ピン(9)の上にはまることができることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か一項に記載のダイ(1)。
  8. 【請求項8】 ダイ(1)が、インプレッション(4)を充填するための確
    定された断面積を有するゲート(3)を含むこと、およびこの断面積が、鋳込み
    金属(13)の速度がインプレッション(4)内への流入に基づく鋳造プランジ
    ャ(11)の速度の8倍以下になるような大きさに選択されることを特徴とする
    請求項1から7のいずれか一項に記載のダイ(1)。
  9. 【請求項9】 部品が、内燃機関、自動車のギアボックスまたはブレーキ・
    ディスク、またはヒート・シンクの機能部品であることを特徴とする請求項1か
    ら8のいずれか一項に記載のダイ(1)。
  10. 【請求項10】 金属セラミック複合材料から作られた局部的補強部材(2
    5)を有する部品を製造するための方法において、 セラミック先駆物質から多孔質セラミック・インサート(5)を製造するステ
    ップ、 ランナ(2)、ゲート(3)、およびインプレッション(4)を有するダイ(
    1)の中にインサート(5)を局部的に位置決めするステップ、 ダイ(1)を鋳造プランジャ(11)によって鋳込み金属(13)で充填し、
    同時に、局部補強部材を形成するために高い圧力でインサート(5)を溶浸する
    ステップ を含む方法であって、 予備区間が、鋳込み金属(13)によるランナ(2)の充填、およびインプレ
    ッション(4)の少なくとも10%の充填を含むこと、および 予備区間中の鋳造プランジャ(11)の速度が充填移動中より低いことを特徴
    とする方法。
  11. 【請求項11】 部品の局部補強部材(25)がセラミック材料相(27)
    と金属材料相(28)とを含み、各材料相はそれ自体の三次元枠組みを有し、2
    つの材料相は共に貫入構造の形をなすことを特徴とする請求項10に記載の方法
  12. 【請求項12】 セラミック先駆物質の原料粉体が次の成分、すなわちTi
    、SiO、TiC、SiC、スピネル、ムライト、珪酸アルミニウム、ま
    たは粘度鉱物のいずれか単体、またはこれらの混合物から成ることを特徴とする
    請求項10または11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 長繊維または短繊維の形でインサート(5)のセラミック
    ・ファイバ、金属ファイバ、鉱物ファイバ、またはカーボン・ファイバを製造す
    るために、フェルトまたは織物をセラミック先駆物質に加えることを特徴とする
    請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 予備区間中の鋳造プランジャ(11)の速度が0.1m/
    秒〜2m/秒であり、充填移動中は1m/秒〜5m/秒であることを特徴とする
    請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 鋳込み金属にかかる最大圧力が600バール〜1200バ
    ール、特に700バール〜900バールであることを特徴とする請求項10から
    14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 アルミニウム合金またはマグネシウム合金用の鋳込み金属
    (13)の温度が680℃〜780℃、好ましくは700℃〜740℃であるこ
    とを特徴とする請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 インサート(5)が500℃〜800℃の温度、特に60
    0℃〜700℃の温度に予備加熱されることを特徴とする請求項10から16の
    いずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 インサートの予備加熱が室炉の中または連続炉の中で行わ
    れることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 インサート(5)が鋳造ロボットの助けによってダイ(1
    )の中に置かれることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 鋳込み金属(13)がアルミニウム、またはマグネシウム
    、またはアルミニウム合金、またはマグネシウム合金から成ることを特徴とする
    請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 インサートが30%〜80%の孔隙率を有し、細孔の直径
    は1μm〜100μmの間にあることを特徴とする請求項1から20のいずれか
    一項に記載の方法。
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