JPH11277218A - アルミニウム合金製部材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製部材及びその製造方法

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JPH11277218A
JPH11277218A JP8064198A JP8064198A JPH11277218A JP H11277218 A JPH11277218 A JP H11277218A JP 8064198 A JP8064198 A JP 8064198A JP 8064198 A JP8064198 A JP 8064198A JP H11277218 A JPH11277218 A JP H11277218A
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2203/00Non-metallic inorganic materials
    • F05C2203/04Phosphor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な硬度及び密着性を有する発泡金属を鋳
込んだアルミニウム合金製部材及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 発泡樹脂6にめっき層4を形成し、該発
泡樹脂6を焼失させたのち、上記めっき層4にNi−P
めっき又はNi−Bめっきを施して発泡金属6を成形
し、該発泡金属6を金型内部13に収容し、該金型内部
13から空気を除去して減圧にした状態でアルミニウム
合金溶湯を注入することにより、上記発泡金属6をダイ
カスト法を用いて鋳込むアルミニウム合金製部材の製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、アルミニ
ウム系金属で構成されるエンジンのシリンダ本体をシリ
ンダライナの外周を取り囲む状態にダイカスト鋳造して
なる内燃機関のシリンダブロックなどのアルミニウム合
金製部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金製部材、例え
ば、内燃機関のシリンダブロックは軽量化を図るため、
その材質にアルミニウム合金が使用され、また、耐摩耗
性を向上させるためにライナを鋳ぐるんで製造される。
この製造方法として、代表的なものにダイカスト鋳造
法、高圧鋳造法及び低圧鋳造法がある。これら高圧鋳造
法とダイカスト鋳造法は、生産性及び寸法精度の高い鋳
造法であり、シリンダボアの壁面部をアルミナ繊維等の
セラミックス繊維や発泡金属などを複合して強化され
る。上記ダイカスト鋳造法によるシリンダブロックの製
造方法が、例えば特開昭63−55349号公報、特開
昭61−126357号公報及び特開昭62−4146
9号公報に開示されているが、鋳造条件については詳細
な説明が記載されていない。通常のダイカスト法で発泡
金属をシリンダブロックに鋳込む場合、発泡金属自体の
内部にある気孔が残ったり、アルミニウム合金との界面
で密着性が劣ることがある。また、発泡金属自体の硬さ
が低いものが多く、鋳込んだだけで使用することができ
ないため、鋳造後に熱処理を行って金属間化合物を形成
しなければならない。さらに、通常のダイカスト法で
は、溶湯に空気が巻き込まれることがあるため、シリン
ダブロック自体にブリスターが発生するという問題があ
った。
【0003】このため、高圧鋳造法として、特開昭59
−212159号公報及び住友電気第126号(昭和6
0年3月発行)の第77頁〜第81頁に示すように、金
型のキャビティ内の溶湯に高圧を加えながら成形凝固さ
せる溶湯鍛造法(高圧凝固鋳造法ともいう)がエンジン
のピストン等の製造に適用された。しかし、生産性や設
備費等の問題でシリンダブロックへ適用されていない。
さらに、低圧鋳造法による製造については、溶湯への空
気の巻き込みがないため、鋳造後の熱処理には問題な
い。しかし、アルミニウム合金の発泡金属への廻り込み
が非常に悪いため、鋳込みは不十分なものとなる。よっ
て、ブリスターの発生、不十分な金属化合物化、ピスト
ンの摺動時におけるシリンダブロックの燃焼室壁に鋳込
まれた発泡金属が脱落したりする。
【0004】なお、上記特開昭63−55349号公
報、特開昭61−126357号公報及び特開昭62−
41469号公報では発泡金属の成分を限定していな
い。この発泡金属として利用される金属成分はNiがほ
とんどで、その他にNi−Cr、Ni−Cr−Alが存
在する。また、特開平1−268827号公報では、N
i−Cr多孔質体表面にNi−Bめっきを施し、ボロン
(B)の延性によりアルミニウム合金を鋳造した後の熱
処理によって生成するNi−Al化合物でのクラック発
生及び伝播を抑えている。また、特開昭59−2121
59号公報では、一部でニッケル(Ni)発泡体にCu
めっきを施し、高温硬度を向上させている。しかし、前
記二者、即ち特開平1−268827号公報及び特開昭
59−212159号公報では、主に硬さを向上する目
的で鋳造後に熱処理を行い、化合物層を生成させている
ため、非常に生産性が低い。また、熱処理を行わなけれ
ば、発泡金属の硬度が低すぎて使用できないため、溶湯
鍛造法を適用しなければならなかったが、該溶湯鍛造法
は生産性が低く、製造物が制限されるという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充分な硬度
及び密着性を有する発泡金属を鋳込んだアルミニウム合
金製部材、例えばアルミニウム合金製シリンダブロック
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るアルミニウム合金製部材及びその製
造方法では、次のような技術を採用している。 (1) 発泡金属を収容した金型内部にアルミニウム合金溶
湯を注入して凝固させることにより、上記発泡金属をシ
リンダブロックに鋳込むアルミニウム合金製部材の製造
方法において、上記金型内部から空気を除去して減圧に
した状態で溶湯を注入する。「減圧にした状態」とは、
具体的には、金型内部の真空度を200mmHg以下
に、好ましくは50mmHg以下にした状態をいう。ま
た、上記製造方法は、アルミニウム合金製シリンダブロ
ックなどに適用することができる。 (2) また、本発明の別の態様として、発泡樹脂にめっき
層を形成し、該発泡樹脂を焼失させたのち、上記めっき
層にNi−Pめっき又はNi−Bめっきを施して発泡金
属を成形し、該発泡金属をダイカスト法を用いてアルミ
ニウム合金で鋳込むことにより作製することができる。
「発泡樹脂」には、連通気孔を有する三次元網状構造を
もつ、例えばウレタン系樹脂やポリスチレン系樹脂など
が好ましい。「発泡金属」とは、Ni,Cr,Al,F
e等の金属又は金属合金中に多数の気孔を有する多孔金
属の一種であり、本発明のシリンダブロックに限らず、
触媒の担体やミスト分離フィルター等にまで広く用いる
ことができる。 (3) さらに、発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹脂
を焼失させたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又は
Ni−Bめっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金属
を金型内部に収容し、該金型内部から空気を除去して減
圧にした状態でアルミニウム合金溶湯を注入することに
より、上記発泡金属をダイカスト法を用いて鋳込むこと
により作製することもできる。 (4) また、本発明は別の側面として、発泡樹脂にめっき
層を形成し、該発泡樹脂を焼失させたのち、上記めっき
層にNi−Pめっき又はNi−Bめっきを施して発泡金
属を成形し、該発泡金属をダイカスト法を用いてアルミ
ニウム合金で鋳込んだアルミニウム合金製部材である。
この部材として、例えばアルミニウム合金製シリンダブ
ロックが好ましい。
【0007】本発明の一つの態様に用いるダイカスト法
は、金型内部の空気を強制的に除去して減圧した状態
で、該金型内部にアルミニウム合金溶湯を大気圧以上の
圧力で高圧注入する鋳造法であり、これによって、本発
明に係るアルミニウム合金製部材を作製する。ここで、
該部材の一例としてのシリンダブロックは、例えば、底
面にクランクケース、頂面にシリンダヘッドが取り付け
られる内燃機関用Al合金製シリンダブロックであり、
その燃焼室壁の内面側に発泡金属が鋳込まれるように、
上記ダイカスト鋳造を施す。本発明において採用できる
アルミニウム合金製部材、例えば、アルミニウム合金製
シリンダブロックを製造する工程では、まず、発泡金属
を固定側金型のキャビティ内に収納し、可動側金型を水
平方向に移動させて金型を閉じる。次に、上記真空ポン
プを稼動させて金型のキャビティ内の空気を除去するこ
とにより、金型内の圧力を減圧する。この状態で溶湯金
属を上記注入口からスリーブ内に入れ、プランジャで金
型内に加圧注湯する。溶融金属が凝固したら、可動側金
型を開いて発泡金属が鋳込まれたアルミ合金製シリンダ
ブロックを取り出す。ここで、より優れた摺動特性を必
要とする場合、SiC,BN等の粒子分散めっきを施す
ことが好ましい。なお、必要に応じて発泡金属を予備加
熱してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。まず、発泡金属を図1
に示す製造工程に従って、以下の要領で作製する。発泡金属の作製方法 最初に、図2に示すような連通気孔を有する三次元網状
構造をもつウレタン系発泡樹脂1の骨格2表面に、Ni
などを無電解めっきしたり、カーボン等からなる導電性
塗料を塗布して導電性皮膜3を形成し、上記樹脂1に導
電処理を行う。この導電処理を施した樹脂1に、電気め
っきによってめっき層4を形成する。次いで、熱処理を
して上記樹脂1を焼失させたのち、Ni−Pめっき又は
Ni−Bめっきを施してNi−Pめっき層又はNi−B
めっき層5を形成することにより発泡金属6を作製す
る。なお、予め、導電性物質を含有し、溶融除去可能な
三次元網状構造をもつ樹脂を使用すれば、上記導電処理
を省略することができる。これによって得られた発泡金
属6を、次に示すダイカスト装置7に装着する。
【0009】ダイカスト装置 一般に、ダイカスト装置には、溶湯の注入方法によっ
て、ホットチャンバ式とコールドチャンバ式の二通りに
分類されるが、溶湯にアルミニウム合金を用いる場合
は、グーズネックが高温にさらされて合金化するため、
コールドチャンバ式の方が好ましい。本発明に用いる真
空ダイカスト装置7の要部断面図を図3に示す。この装
置7は、コールドチャンバ式横形ダイカスト装置であ
り、金型取付盤8に固定側金型ホルダ9が取り付けら
れ、該固定側金型ホルダ9に設けられた凹部に固定側金
型10が嵌合されている。この固定側金型10に対向し
て、可動側金型ホルダ11に可動側金型12が固定され
ている。これらの固定側金型10と可動側金型12の対
向する面に凹部が設けられ、金型のキャビティ13を形
成している。固定側金型10上部から固定側金型ホルダ
9を貫通して真空パイプ14が上方に延設され、真空タ
ンク15を介して真空ポンプ16に連結されている。こ
の真空タンク15と固定側金型ホルダ9との間に真空シ
ャットオフ弁17が配設されている。また、上記固定側
金型10の下部から金型取付盤8を貫通して、窒化鋼等
の特殊鋼で作られた円筒形のスリーブ18が配設されて
おり、該スリーブ18の上面には、溶湯を入れる注入口
19が開口している。また、スリーブ18の内部には、
溶湯金属を金型内に射出するためのプランジャ20が配
設されている。上記構成を有する真空ダイカスト装置7
の動きを説明する。発泡金属6を金型のキャビティ13
内部に装着したのち、可動側金型12と可動側金型ホル
ダ11を移動させて金型を閉じる。次に、真空ポンプ1
6によって真空パイプ14を介してキャビティ13内部
から空気を吸引してキャビティ13内を減圧する。この
状態でスリーブ18の注入口19から溶湯を注入したの
ち、プランジャ20を移動させると溶湯がスリーブ18
内部を通って金型のキャビティ13内部に高圧注入され
る。この鋳造時の製造条件として主なものを説明する。
【0010】ダイカスト法を用いた場合の製造条件 本発明の一例として、ダイカスト法を用いた場合の製造
条件を以下に示す。 (1) 金型内の真空度 本発明に用いるダイカストにおいて、金型内の真空度
は、200mmHg以下が好ましい。200mmHg以
上では、発泡金属自体の内部にある気孔が残ったり、ア
ルミニウム合金との界面で密着性が劣ることがあるから
である。 (2) 溶湯の材質としては、ADC材が好ましい。 (3) 溶湯の加圧圧力は、500Kg/cm2 以上が好ま
しい。 (4) 鋳造温度は、670℃〜730℃が好ましい。 (5) 溶湯の射出速度は、1.0m/sec以上が好まし
い。 上記製造条件で鋳造されたアルミニウム合金製部材の一
例であるアルミニウム合金製シリンダブロックの構造に
ついて説明する。
【0011】アルミニウム合金製シリンダブロック 本発明の一態様に係るアルミニウム合金製シリンダブロ
ックの一例を示す斜視図と断面図を図4,図5に示す。
このアルミニウム合金製シリンダブロック21は、オー
プンデッキタイプのものであり、上部のシリンダ部22
と下部のスカート部23とから構成されている。該シリ
ンダ部22の内部には、略円柱状の空間である燃焼室2
4が上下方向に形成され、その内面は燃焼室壁25とな
っており、この燃焼室壁25に上記発泡金属6が鋳込ま
れる。また、スカート部23内部の中央部には、クラン
ク軸支承部26が形成されている。
【0012】本発明に係るアルミニウム合金製部材、例
えばアルミニウム合金製シリンダブロックの製造方法に
よれば、発泡金属6の製造上から生ずる骨格2内のパイ
プ状の空洞にまで溶湯を充填することができるため、通
常のダイカスト法に対して以下の効果が得られる。 1)溶湯であるアルミニウム合金と発泡金属6との密着性
及び結合性が向上する。 2)アリミニウム合金製シリンダブロック21及び発泡金
属6内の空気の取り込みを防止することにより、硬さ向
上のための熱処理を行うことができる。 3)新たな設備を用いることなく、既存の設備を使用で
き、ダイカスト法の長所である高い生産性を維持でき
る。 4)空気の巻き込みによる巣が低減されるため、ダイカス
ト製品の歩留まりが向上する。 5)セラミックス繊維強化合金に比べ、スリーブ18の破
損防止のための鋳造圧力を低くする必要がない。 6)セラミックス繊維強化合金のようにアルミニウム合金
とセラミックスとの境界に熱的不連続が発生せず、熱間
時のスリーブ内径が歪むことがない。
【0013】また、本発明に係るアルミニウム合金製部
材、例えばアルミニウム合金製シリンダブロックの製造
方法によれば、低圧鋳造法に比較して以下の効果が得ら
れる。 1)溶湯であるアルミニウム合金との密着性及び結合性が
向上する。 2)発泡金属内の空気の取り込みを防止でき、通常の熱処
理でアルミニウム合金製シリンダブロック21自身と金
属間化合物の形成を同時にできる。 3)セラミックス繊維強化合金のようにアルミニウム合金
とセラミックスの境界に熱的不連続が発生せず、熱間時
のスリーブ内径が歪むことがない。
【0014】
【実施例】次に、本発明の一態様に係るアルミニウム合
金製シリンダブロック21についての実施例を示す。実施例1 (1) まず、図1に示す製造工程で、鋳込み可能な形状に
ニッケル(Ni)系金属で発泡金属6を成形し、シリン
ダブロック内部の燃焼室壁25に鋳込まれるように金型
のキャビティ13に装着した。この発泡金属6のセル数
は37〜43個/インチ、孔径は0.6mmであった。 (2) 次いで、図3に示した可動側金型12を移動させて
2250tonの型締め圧力で閉成したのち、該金型の
キャビティ13内から真空ポンプ16と真空タンク15
を用いて空気を除去し、キャビティ13内を減圧状態に
した。このときの真空度は、50〜200mmHgであ
った。 (3) 図3に示したスリーブ18の注入口19から溶湯を
入れ、プランジャ20を作動させて金型のキャビティ1
3内に溶湯を加圧注湯してダイカスト法による鋳造を施
した。この鋳造条件は、以下に示すとおりである。 溶湯の材質:ADC12(ダイカスト用アルミニウム合
金の一種) 鋳造圧力(溶湯の加圧圧力):800〜900kgf/
cm2 鋳造温度:670〜700℃ 溶湯の射出速度:1.0〜2.5m/s その結果、溶湯は発泡金属6の骨格2内のパイプ状の空
洞にまで充填されて密着性と結合性が向上したアルミニ
ウム合金製シリンダブロック21を作製することができ
た。さらに、鋳ぐるみ後の加熱により金属間化合物層が
形成され、発泡金属6の硬さが向上した。
【0015】実施例2 (1) 予め、図1に示す製造工程により、発泡金属6を作
成した。まず、連通気孔を有する三次元網状構造をもつ
ウレタン系発泡樹脂1に、カーボン塗料を塗布し、上記
ウレタン系発泡樹脂に導電処理を行って導電性皮膜3を
形成した。この導電性皮膜3を形成したウレタン系発泡
樹脂1に、電気めっきによってニッケル(Ni)のめっ
き層4を形成した。次いで、熱処理をして上記ウレタン
系発泡樹脂1を焼失させたのち、リン(P)含有量が2
wt%の条件で、各セル表面に50〜100μmの厚さ
となるようにNi−Pめっきを施してNi−Pめっき層
5を形成した発泡金属6を作成した。また、比較例とし
て、Ni−Pめっきを施さない発泡金属も作成した。こ
れらの発泡金属6単体を各5個用意して測定したビッカ
ース硬さ(単位:HV )を表1の左半分に示す。 (2) 上記発泡金属6を鋳込み可能な形状に成形し、図5
に示すアルミニウム合金製シリンダブロック21の燃焼
室壁25に鋳込まれるように、金型のキャビティ13内
に装着した。 (3) 図3に示すように、金型を閉成したのち、該金型の
キャビティ13内にアルミニウム合金溶湯を加圧注入し
てダイカスト鋳造を施した。このときの鋳造条件は、以
下のとおりであった。 溶湯の材質:ADC12 鋳造圧力(溶湯の加圧圧力):800kgf/cm2 鋳造温度:700℃ 溶湯の射出速度:1.9m/s このダイカストによってアルミニウム合金製シリンダブ
ロック21の燃焼室壁25に鋳込まれた発泡金属6のビ
ッカース硬さを表1の右半分に示す。
【0016】
【表1】
【0017】この表1から判るように、ダイカストの過
程に加えられる熱のため、発泡金属6の硬さがNi−P
めっき処理されたときよりも、更に向上する場合もあ
り、溶湯鍛造後の加熱処理によって生成するNi−Al
化合物の硬さHv380〜530に相当するか、若しく
は高くなった。また、Ni−Pめっきされた発泡金属6
自身の強度、つまり抗折強度はNi−Pめっきを施す前
のNiのみの発泡金属に比べて5.5〜7.6倍程高か
った。
【0018】実施例3 実施例3は、Ni−Pめっきの代わりにNi−Bめっき
を施した他は、実施例2と同様の内容である。 (1) 予め、Ni−Bめっきを施した発泡金属6を作成し
た。まず、ウレタン系発泡樹脂1に、カーボン塗料を塗
布し、電気めっきによってニッケル(Ni)のめっき層
4を形成した。次いで、熱処理をして上記ウレタン系発
泡樹脂1を焼失させたのち、ホウ素(B)含有量が1w
t%の条件で、各セル表面に50〜100μmの厚さと
なるようにNi−Bめっきを施して発泡金属6を作成し
た。また、比較例として、Ni−Bめっきを施さない発
泡金属も作成した。これらの発泡金属6単体(各5個)
のビッカース硬さを測定した結果を表2の左半分に示
す。 (2) 上記発泡金属6を鋳込み可能な形状に成形し、図5
に示すアルミニウム合金製シリンダブロック21の燃焼
室壁25に鋳込まれるように、金型のキャビティ13内
に装着した。 (3) 金型を閉成したのち、該金型内にアルミニウム合金
溶湯を加圧注入してダイカスト鋳造を施した。このとき
の鋳造条件は、以下のとおりであった。 溶湯の材質:ADC12 鋳造圧力(溶湯の加圧圧力):820kgf/cm2 鋳造温度:710℃ 溶湯の射出速度:2.0m/s このダイカストによってアルミニウム合金製シリンダブ
ロック21の燃焼室壁25の内面に鋳込まれた発泡金属
6のビッカース硬さを表2の右半分に示す。
【0019】
【表2】
【0020】この表2から判るように、実施例2と同様
に、溶湯鍛造後の加熱処理によって生成するNi−Al
化合物の硬さ380〜530HV よりも、Ni−Bめっ
きを施した発泡金属6の方が硬くもなった。また、Ni
−Bめっきされた発泡金属6自身の強度、つまり抗折強
度はNi−Bめっきを施す前のNiのみの発泡金属に比
べて5.2〜7.0倍程高かった。
【0021】
【発明の効果】上述したように、本発明に係るアルミニ
ウム合金製部材及びその製造方法によれば、以下の効果
を奏する。 (1) 発泡金属を収容した金型内部にアルミニウム合金溶
湯を注入して凝固させることにより、上記発泡金属を鋳
込むアルミニウム合金製部材の製造方法において、上記
金型内部から空気を除去して減圧にした状態で溶湯を注
入するので、発泡金属の気孔及び空洞にアルミ合金溶湯
が充填され、発泡金属中の気孔、空洞が極めて少ない。
また、鋳造後に溶体化処理等の熱処理が行え、発泡金属
とアルミニウム合金との密着性や結合性が向上し、さら
に製品の歩留まりが向上する。 (2) 発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹脂を焼失さ
せたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又はNi−B
めっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金属をダイカ
スト法を用いてアルミニウム合金で鋳込むことにより作
製するので、熱処理によるNi−Al化合物を生成せず
ともダイカストで鋳込まれた後、高い硬さを維持でき
る。また、Ni−PめっきやNi−Bめっきは強度が高
いため、薄いものでも容易にかつ精度良く鋳込むことが
できるため、鋳込み前の金型への装着が容易に行え、か
つ、薄いものでも精度よく鋳込むことができる。よっ
て、発泡金属の製造にかかるコストを大幅に抑えること
ができる。なお、SiC,BN等のセラミックス粒子を
めっき皮膜中に分散することにより、さらなる摺動特性
の向上を図ることができる。 (3) 発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹脂を焼失さ
せたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又はNi−B
めっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金属を金型内
部に収容し、該金型内部から空気を除去して減圧にした
状態でアルミニウム合金溶湯を注入することにより、上
記発泡金属をダイカスト法を用いて鋳込むことにより作
製するので、発泡金属中の気孔、空洞が極めて少なく、
発泡金属とアルミニウム合金との密着性や結合性が更に
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発泡金属の製造工程を示すフロー
チャートである。
【図2】本図のうち、(a) はウレタン系発泡樹脂を示す
概略図、(b) はウレタン系樹脂の骨格を示す断面図、
(c) は導電処理を施したウレタン系樹脂の骨格を示す断
面図、(d) は電気めっきを施したウレタン系樹脂の骨格
を示す断面図、(e) はウレタン系樹脂を焼失させた中間
体を示す断面図、(f) は(e) の中間体にNi−Pめっき
又はNi−Bめっきを施した発泡金属を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に用いる真空ダイカスト装置を示す断面
図である。
【図4】本発明に係るアルミニウム合金製部材の一例で
あるシリンダブロックを示す斜視図である。
【図5】図4のA−A線による断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂 2 骨格 3 導電性皮膜 4 めっき層 5 Ni−Pめっき,Ni−Bめっき層 6 発泡金属 7 真空ダイカスト装置 8 金型取付盤 9 固定側金型ホルダ 10 固定側金型 11 可動側金型ホルダ 12 可動側金型 13 キャビティ 14 真空パイプ 15 真空タンク 16 真空ポンプ 17 真空シャットオフ弁 18 スリーブ 19 注入口 20 プランジャ 21 アルミニウム合金製シリンダブロック 22 シリンダ部 23 スカート部 24 燃焼室 25 燃焼室壁 26 クランク軸支承部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡金属を収容した金型内部にアルミニ
    ウム合金溶湯を注入して凝固させることにより、上記発
    泡金属をシリンダブロックに鋳込むアルミニウム合金製
    部材の製造方法において、上記金型内部から空気を除去
    して減圧にした状態で溶湯を注入することを特徴とする
    アルミニウム合金製部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記アルミニウム合金製部材が、アルミ
    ニウム合金製シリンダブロックであることを特徴とする
    請求項1に記載のアルミニウム合金製部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹
    脂を焼失させたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又
    はNi−Bめっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金
    属をダイカスト法を用いてアルミニウム合金で鋳込むこ
    とにより作製することを特徴とする請求項1又は2に記
    載のアルミニウム合金製部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹
    脂を焼失させたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又
    はNi−Bめっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金
    属を金型内部に収容し、該金型内部から空気を除去して
    減圧にした状態でアルミニウム合金溶湯を注入すること
    により、上記発泡金属をダイカスト法を用いて鋳込むこ
    とにより作製することを特徴とする請求項1又は2に記
    載のアルミニウム合金製部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 発泡樹脂にめっき層を形成し、該発泡樹
    脂を焼失させたのち、上記めっき層にNi−Pめっき又
    はNi−Bめっきを施して発泡金属を成形し、該発泡金
    属をダイカスト法を用いてアルミニウム合金で鋳込むこ
    とにより作製したことを特徴とするアルミニウム合金製
    部材。
  6. 【請求項6】 上記アルミニウム合金製部材が、アルミ
    ニウム合金製シリンダブロックであることを特徴とする
    アルミニウム合金製部材。
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