JP2002540768A - ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)ウイルス性調節タンパク質R(Vpr)の合成ペプチドおよびその適用 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)ウイルス性調節タンパク質R(Vpr)の合成ペプチドおよびその適用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のウイルス性調節タンパク質R(Vpr)に由来した(複数の)合成ペプチド、特に96アミノ酸の完全長Vprタンパク質(sVpr1-96)、47アミノ酸長のN末端(sVpr1-47)、49アミノ酸長のC末端断片(sVpr48-96)に加えて、これらの断片(sVpr1-20およびsVpr21-40)、並びに更にsVpr1-96の約15個アミノ酸長断片の化学合成に関する。HIV-1調節タンパク質の断片または完全長産物として、Vprおよびそのドメインの分子的および構造的な特徴付けのための、更にはVprペプチド配列に対する抗Vpr抗体の開発のための生物学的アッセイにおいて、これらの産物を使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 要約 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のウイルス調節タンパク質R(Vpr)
に由来する合成ペプチド(複数)、特に96アミノ酸完全長Vprタンパク質であるsVp
r1-96と、更にそれらのいくつかの断片の化学合成に関する。これらの合成HIV-1
Vprペプチドの、分子および構造の特徴決定に関する生物学的アッセイにおける
適用に加え、抗Vpr 抗体および血清診断試験システムの開発における適用が明ら
かにされている。
【0002】 今日までに唯一インビトロで特徴付けられたHV-1 Vprの生化学活性は、カチオ
ン-選択性イオンチャネルの活性である(Pillerら、1996、実施例の最後の参考文
献一覧)。これらの研究は、C末端αヘリックス(Vprにおけるアミノ酸46〜71位)
が、ミツバチ(honey bye)毒メリチンとある種の類似性を有し、これは膜細孔形
成を膜貫通アンカーとして起動する能力を有するという仮説を基にしている。実
際に、Escherichia(E.) coliにおいて発現された組換えVprは、人工の平面脂質
二重層において再構成された。膜電位によりゲート開閉されるこのシステムを用
いて、イオンチャネル活性が確定された。このチャネルのゲートの開閉は、細胞
膜の細胞質部分と相互作用すると考えられる正荷電したVprのC末端ドメインによ
って左右される。
【0003】 Vprはホモオリゴマーを形成する証拠がある:組換えVpr-融合タンパク質は、
分子量>100kDaのオリゴマー構造においてみつかった(Zhaoら、1994b)。今まで
には、この知見は、ウイルス性Vprに関する研究により確認はされていない。Vpr
の分子構造は、ふたつの研究所において、短いVpnペプチドの二次構造解析を用
いて研究されている:Vprの50-82位のα-ヘリックス領域は、水性トリフルオロ
エタノール(TFE)中と、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ミセル中での重複ペプチ
ドのNMR-試験により確定された(Yaoら、1998)。数名の執筆者が、VprのC末端に
加えN末端内の領域について、ヘリックス形成の傾向を推定している(Mahalingam
ら、1995a-d;Yaoら、1995;Wangら、1996b)。TFE水溶液中でCDスペクトルを用
いる25アミノ酸長のペプチドに関する最近の研究(Luoら、1998)は、Vprにおける
N-およびC末端ヘリックスの存在に関する最初の実験的証拠を提供した。突然変
異分析を基に、Vprについて報告された様々な生体活性をVprの特定の一次および
二次構造と関連づけようとした多くのおよび少なくとも部分的は矛盾する情報が
報告されている(Mahalingamら、1995a-d、1997;Wangら、1996a,b;Nieら、1998
;Di Marzioら、1995)。
【0004】 Vprペプチドの全体の化学合成は、Rocquignyとその同僚により1997年に初めて
説明された。これらの執筆者は、ウイルス単離体HIV-189.6由来の96アミノ酸長
のペプチドの合成について報告した(Collmanら、1992)。これらの執筆者が自身
の論文において報告したようにこの合成には欠点があるにも拘らず(更に本文参
照)、このタンパク質は、ウイルス単離体HIV-1NL4-3由来のVprタンパク質と比べ
て、9アミノ酸位置が異なり、その合成は、本明細書に初めて記されている。こ
のように、既報のもの(Rocquignyら、1997)と、本方法において詳細に説明され
たウイルス単離体HIV-1NL4-3(Adachiら、1986)由来のVprタンパク質の全体また
は一部配列を対象とする合成生成物の間には、アミノ酸配列に10%-ige多様性が
ある。
【0005】 Rocquignyとその同僚は(1997)、これらの合成Vprペプチドの純度および分子特
徴についてはいかなる情報も明らかにしなかった。これらの執筆者は、SDS変性
したVprペプチドの同じHIV-1-単離体に由来したウイルスのヌクレオキャプシド
タンパク質p7NCとの結合を明らかにするfar-Westernブロット技法についてのみ
説明した。今までのところ、このp7NC-Vpr -相互作用に関する知見は、その他の
膨大なVpr研究に携わる世界中の研究室の作業では再現されていない。Rocquigny
とその同僚が説明したVpr合成(1997)の重大な欠点は、HIV-1 Vprの生物学的機能
で今までに十分特徴付けられたものが、これらの合成ペプチドに関して執筆者に
より明らかにされていないという事実である。特に、これらの執筆者は、この特
定のVprペプチドが、良く認識された特徴的天然ウイルス性Vpr(Paxtonら、1993
;Lavalleeら、1994;Kondoら、1995;Luら、1995;KondoおよびGottlinger、19
96) であるp6Gagに結合しないことを示している。加えてこれらの執筆者は、こ
のVpr プチドは、オリゴマー構造を形成せず、かつこの合成生成物が水溶液に不
溶性であることの何らかの指標があることを、報告している。同じ研究室で、Vp
r-p7NC- 相互作用モデルが、Vpr ペプチドの部分配列について行われた構造解析
を基にした追加試験において導入されたが、しかし、構造および実験データに関
する詳細な情報は、この中またはこれらの執筆者により公表された他の報告書に
おいて示されていない(Roquesら、1997)。
【0006】 合成Vprペプチドの部分配列(アミノ酸50〜75位、50〜82位、および59〜86位)
を、NMR試験に用いた(Yaoら、1998)。別のグループは、円偏光2色性スペクトル
を用い、Vprの推定されたαヘリックスドメイン由来の25 アミノ酸長のペプチド
を2種類調べた(Luoら、1998)。更に「HF/SRIG」モチーフを濃度範囲0.7〜3μMで
含むVprのC末端領域由来の短い約20アミノ酸長のペプチドは、様々な酵母種、例
えばSaccharomyces cerevisiae、Candida albicansおよびSchizosaccharomyces
pombeなどに対して細胞傷害性活性を有した(Macreadieら、1996、1997)。高濃度
の二価カチオン、特にマグネシウムおよびカルシウムは、取りこみを阻害し、そ
の結果Vpr-ペプチドの毒性作用を阻害する。これに続く研究は、C末端Vprペプチ
ド(アミノ酸71-82位)が、膜透過性、膜電位の低下、およびCD4+ T細胞における
実際の細胞死を誘導し得るこ証拠を提供した(Macreadieら、1997)。完全長につ
いても、毒性作用は同様である(Arunagiriら、1997)。これらの研究について、
先にVprのイオンチャネル研究(Pillerら、1996)においても使用された、同じ組
換えグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-Vpr-融合タンパク質が使用された
。それにもかかわらず、先行する研究同様、この執筆者達は、水性システム中の
組換え産物の溶解度に関する問題点を報告している。
【0007】 前述のウイルス単離体HIV-1NL4-3に由来した組換えVprは、組換えバキュロウ
イルスに感染した昆虫細胞において発現された(Levyら、1995)。これらの産物の
精製は、VprのN末端ドメインに対するポリクローナル抗体で固定したものに対す
るイムノアフィニティクロマトグラフィーによってのみ行った。この方法につい
ては、組換Vprが培養培地に分泌されるので、細胞培養物上清が適用された。
【0008】 組換えVprの大規模生成のストラテジーは、今のところ説明されていない。ほ
とんどの場合において、組換えVprを含有する細胞培養物上清を、生物学的アッ
セイのために使用した。このようなアッセイにおいて、組換えVprは、PBMC(末梢
血単核細胞)に加え、HIV-1に潜伏感染したいくつかの単球およびT細胞株におい
て、ウイルス複製を活性化することが示された。これらの既報の方法の重大な欠
点は以下のものである: 高度に精製されたVpr産物のmg量の生成を可能としないような低い収量; その後の透析および復元に必要なアフィニティ精製の過程において組換えVprに
界面活性剤が添加されること; 昆虫細胞におけるVprの翻訳後修飾の可能性に関する研究が報告されていないこ
と。
【0009】 組換えVprの発現、精製および生化学的特徴決定は、最初に1994年にZhaoとそ
の同僚により報告された。この方法に関して、ウイルス単離体HIV-189.6に由来
したVprタンパク質のコード配列は、E. coliにおいて融合タンパク質として発現
された。この組換え産物の精製を目的として、25アミノ酸FLAG -エピトープの25
番目のアミノ基がC末端に融合された。この組換え産物に関して、オリゴマー化
の他には、生体活性は報告されていない。この方法の重大な欠点は、Vprは、そ
の標準(authentic)配列においては発現されないが、融合タンパク質において発
現されるという事実である。
【0010】 別の方法において、ウイルス単離体HIV-1HXB2由来のVprタンパク質は、E. col
iにおいて、GST-融合タンパク質として発現された(Pillerら、1996)。グルタチ
オン-アガロース上でのアフィニティクロマトグラフィー後に、Vprがトロンビン
によるタンパク質分解的切断により融合タンパク質から放出された。この方法の
重大な欠点は、トロンビン切断後のVprは、凝集する傾向があり、かつ水溶液中
に維持されないという事実である。Arunagiriとその同僚(1997)は、この方法で
生成されたVprは、GST融合部分の切断後のタンパク質沈殿および凝集を伴わずに
、水溶液中に維持されることはない一方で、GST-Vpr融合タンパク質のみが水溶
液中の試験システムについて利用可能性があることを報告した。
【0011】 国際公開公報第95/26361号(Azad, A.A.、Macreadie, I.G.、Arunagiri, C.、1
995)は、HIV Vprタンパク質の生体活性ペプチド断片;これらのペプチドまたは
それらの生体活性アナログを含有する薬学的化合物;Vpr-ペプチドのアンタゴニ
ストに加え、このようなVpr-アンタゴニストを含有する薬学的化合物を開示して
いる。完全長Vprの化学合成は、この方法では説明されていない。
【0012】 国際公開公報第96/07741号(Cohen, E.;Bergeron, D.;Checroune, F.;Yao,
X.-J.;Pignac-Kobinger, G.、1996)は、HIV-1/HIV-2ウイルス粒子に特異的に組
入れられかつ出芽ビリオンの構造および機能を妨害するような、HIV-1由来のVpr
およびHIV-2 由来のVpx からなるキメラ分子を保護している。これらのキメラ分
子は、HIV-1/HIV-2感染の遺伝子治療における適用のために保護されている。
【0013】 国際公開公報第96/08970号(Weiner, D.B.;Levy, D N,;Refaeli, Y.、1996)
は、Vprタンパク質、Vpr断片またはVpr遺伝子配列を使用し、リンパ球活性化の
細胞分裂を阻害する方法を説明している。Vprタンパク質の化学合成は、この方
法においては記述されていない。
【0014】 抗HIV医薬品のスクリーニングアッセイにおけるVpr遺伝子の適用は、米国特許
第5,721,104号および第5,639,619号に開示されており、HIV-2感染の確定は、米
国特許第5,580,739号に、Vpr受容体 -タンパク質は、米国特許第5,780,238号に
開示されている。
【0015】 本発明は、mg量のVprタンパク質を高収量で合成し、これらのVprタンパク質を
精製するための、および最終産物である高度に精製されたVprタンパク質が一般
的適用に利用できるためのプロトコールを開発する際の問題点を基にしている。
【0016】 本発明に従い、この問題点は、タンパク質 sVpr1-96に加え以下のペプチドの
提供により解決された: 47アミノ酸長のN末端ペプチド(sVpr1-47); 49アミノ酸長のC末端ペプチド(sVpr48-96)およびそれらのペプチドの断片、例え
ば エピトープマッピングおよび等電点電気泳動に関する、重複した約15アミノ酸長
のペプチド; Vprの個々のドメインの構造的および機能的特徴付けのための、約20アミノ酸長
ペプチド、特にペプチドsVpr1-20およびペプチドsVpr21-40sVpr1-96 sVpr1-47 sVpr48-96 sVpr1-20(Asn5,10,14)変異体としてのsVpr1-20 sVpr21-40(Asn35)変異体としてのsVpr21-40 ; 約15アミノ酸長のペプチドを含む、これらのペプチドの断片:sVpr11-25 sVpr41-55 sVpr46-60 sVpr56-70 sVpr66-80 sVpr76-96
【0017】 C末端Vpr-ペプチドは、パーキンエルマーペプチド合成装置を用いて、セリン
樹脂上で合成された。N末端ペプチドは全て、ポリスチレンポリオキシエチレン
樹脂上で合成された。この鎖伸張は、特定の保護基を使用するFMOC(フルオロメ
チルオキシカルボニル)-ストラテジーを用いて行った。この合成の最後に、保護
基の切断が、95%トリフルオロ酢酸(TFA)、3%トリイソプロピルシラン、および
合成されたペプチド長さに応じて2〜5%のエタンジチオールを含有する切断溶液
を用いて行われた。樹脂を除去し、反応混合液を濃縮し、かつヘプタンを添加し
た。濃縮後、残余の油分をジエチルエーテルで消化(digest)した。この粗ペプチ
ドを除去し、かつ酢酸中で凍結乾燥した。粗ペプチドの精製のために、分取HPLC
-システム(高速液体クロマトグラフィー)を行った。全てのペプチドを、アセト
ニトリルを溶媒とするTFAおよび水の直線勾配を用いて、シリカゲルカラム上で
精製した。溶離したペプチドを濃縮して凍結乾燥した。
【0018】 驚くべきことに、先に説明された組換えおよび合成Vpr産物とは対照的に、 本
発明に従い作製された説明された精製プロトコールに従ったsVpr-ペプチドは、m
M濃度であってさえも、非常に良好に水中に溶解し、かつ何らタンパク質凝集お
よびタンパク質沈殿の徴候を示すことなく安定しつづけた。
【0019】 ペプチドsVpr1-96は、折りたたみ構造をとり、免疫学的に反応性でありまた天
然のウイルス性Vprと同等の生体活性を有することが示された。
【0020】 最初に、ウイルス単離体 HIV-1NL4-3のアミノ酸配列を有する、Vpr-タンパク
質およびその断片の化学合成が説明される。本明細書の範囲内の用語「合成(複
数)Vpr-ペプチド」は、分子ウイルス単離体HIV-1NL4-3に由来したVpr遺伝子によ
りコードされた天然のVpr-タンパク質の標準アミノ酸配列を含む固相ペプチド合
成により合成されたペプチドを意味している。
【0021】 本発明の本質は、既に公知の特徴(出発材料、合成樹脂、ペプチド合成装置)と
、新規の解決法、これらの化合物の最初の化学合成、合成ストラテジー、特定の
保護基、本発明のトリフルオロ酢酸-トリイソプロピルシラン-エタンジチオール
の樹脂切断、ペプチド精製目的の溶媒の特定の勾配(TFA-水-:TFA-アセトニトリ
ル)の適用との組合せの範疇中にあり、これらは相互に影響し、かつ使用および
望ましい成功において有利にそれら全体の作用を生じ、このことが合成sVpr-ペ
プチドが現在利用できることをもたらしている。
【0022】 本発明に従い合成されたペプチドは、以下の独自性により特徴付けられる。
【0023】 これらは、mM濃度範囲程高い初回ペプチド濃縮を可能にする水性システム中に
極めて易溶性である。これは次に、NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよびX線結晶回
析を用いるその後の構造解析のために必ず前もって必要なものである。
【0024】 本ペプチドは、経済的に妥当な条件下で、mg量で生成することができ、かつ最
高水準で精製することができる。該ペプチドの生物学的特徴および免疫学的反応
性は、天然のウイルス性Vprタンパク質のものと同じである。このペプチドは、
基本的研究の様々な適用に加え、HIVウイルス学分野の応用研究に使用すること
ができる。
【0025】 本発明のペプチドは、生物学的アッセイにおいて、Vprおよびそのドメインの
構造解析において、HIVペプチド配列に対する抗体産生のため、抗ウイルス試薬
において、可能性のあるVpr阻害剤のスクリーニングの試験システムの形成のた
め、細胞培養物および動物モデルの確立のため、HIV病理学におけるVprの機序の
研究のため、HIVのインビトロ集合のため、遺伝子治療における新規ベクターの
作出のため、および血清学的アッセイの開発のため、特にVpr捕獲ELISA(酵素結
合免疫吸着アッセイ)において使用される。
【0026】 本発明に従い生成された産物は、NMRスペクトルおよびCDスペクトルに加え、X
線結晶回析を用いる、Vprの分子構造の決定に使用することができる。これらの
構造情報は次に、HIV複製サイクルにおけるVprタンパク質の分子機序およびAIDS
関連疾患の病理学的機序におけるそれらの役割を理解する上で不可欠である。更
に、これらの生成物は、可能性のあるVpr阻害剤に加え、Vpr特異抗体の生成およ
び特徴決定を研究するための高処理の量インビトロ試験システム、ならびに血清
学的試験システムの開発および設計に使用することができる。
【0027】 本発明は、ペプチド化学、ウイルス学の基本的研究、構造解析、および医学的
診断の領域において使用されるであろう。本発明は、Vprに特異的なポリおよび
モノクローナル抗体の作製、特にエピトープの異なるVpr特異抗体の作製に使用
することができる。適用の別の領域は以下のものである:血清学的試験システム
、特にVpr-Ag ELISA -技法の検量のための標準抗原としてのVpr抗原(Ag)ELSA、H
IV感染した個体の血液検体中のウイルス性Vprの検出および定量のため、Vpr阻害
剤を特徴づける試験システムのため、Vpr-欠損HIV変異体により感染した培養細
胞中の内因性ウイルス性Vprの機能の補完のため、ヒトリンパ球培養物中のウイ
ルス性Vprの機能の補完のため、およびVpr-欠損HIV変異体により感染した分化さ
れたヒト単球/マクロファージ培養物中のウイルス性Vprの機能の補完のため。
【0028】 本発明は、以下の試薬を特徴付けるために使用することができる: a)Vprと、細胞因子、例えば糖質コルチコイド受容体、転写因子並びに他のDNAと
相互作用する酵素および因子との相互作用を阻害する試薬; b)Vprの転写活性化機能、およびステロイドホルモンに対するVprの活性を調節ま
たは阻害する試薬; c)単独で、またはHIV前融合複合体の成分と一緒のVprの輸送、およびHIV集合時
のビリオンの出芽へのVpr組込みを調節または阻害する試薬; d)Vprが誘導した細胞周期停止、ならびに細胞分化および細胞増殖に対するVprの
作用を調節または阻害する試薬; e)Vprの細胞傷害性作用を調節または阻害する試薬 f)Vprイオンチャネル活性を調節または阻害する試薬。 更に、本発明は、Vpr阻害剤の特徴付けのためのインビボ試験システムおよび動
物試験の開発および設計に適用することができる。別の利点は、最初に本発明に
よりVpr濃縮液を、Vpr特異的阻害剤の設計において必要な分子、構造および機能
の分析のために作製する。別の本発明の適用は、Vprに結合するDNA修復酵素HHR2
3AのUBA2ドメイン、Vpr特異的免疫グロブリンのFab断片、ウイルス因子、特にウ
イルス集合時にVprと相互作用するHIV-1 Gag ポリタンパク質前駆体Pr55Gagの成
分、またはヒト糖質コルチコイド受容体またはその成分のような構造安定化因子
を用いる、VprのN末端の柔軟性の低下である。本発明は、レトロウイルス前融合
複合体のインビトロ集合、遺伝子導入のインビトロおよび/またはインビボ適用
法の開発、DNAトランスフェクション、染色体性またはエピソーム性宿主DNAへの
組込み、または遺伝子治療での適用を目的とした細胞、組織または完全な生物へ
の遺伝子導入の他の方法に関する研究を支えている。
【0029】 以下実施例は、本発明の説明のために利用し、これを限定するものではない。
【0030】 実施例実施例1 Vpr-ペプチドの合成-一般的プロトコール C末端Vpr-ペプチドの合成を、ABI 433A合成装置(Perkin Elmer社)において、F
a. Rapp Polymere社(チュービンゲン、独国)から提供されたセリン-樹脂を用い
て行った。全てのN末端Vprペプチドは、Fa. Rapp Polymere社(チュービンゲン、
独国)から提供された「TentaGel R-RAM-樹脂」である、ポリスチレン-ポリオキ
シエチレン-樹脂上で合成した。ペプチド合成は、以下の保護基を用い、FMOC(フ
ルオロメチルオキシカルボニル)法を用いて行った;グルタミン酸およびアスパ
ラギン酸についてO-tブチルエステル、セリン、チロシンおよびトレオニンにつ
いてOtBu-エーテル、リシンおよびトリプトファンについてBoc (tert-ブトキシ
カルボニル-)、ヒスチジン、グルタミンおよびアスパラギンについてTrt(トリチ
ル-トリフェニルメチル-)、ならびにアルギニンについてPbf (2,2,4,6,7-ペンタ
メチル-ジヒドロベンゾフラン-S-スルホニル-)。合成終了後、保護基の切断を、
95%トリフルオロ酢酸、3%トリイソプロピルシラン、および具体的なペプチド
配列に依存する2%〜5%のエタンジチオールからなる混合物を用いて行った。こ
の樹脂を取り除き、反応混合物を濃縮し、かつヘプタンを添加した。濃縮後、残
りの油分を、ジエチルエーテルで消化した。この粗ペプチドを回収し、10%酢酸
中で凍結乾燥した。
【0031】実施例2 ペプチド精製-一般的プロトコール 粗ペプチド100mgを、分取HPLCで、島津社LC-8システムを用いて行った。全て
のペプチドを、シリカゲルのカラムを含むカラム(300×400 mm Vydac-RP18 Saul
e、粒度15μM〜20μM)上で精製した。水中の1%TFA(トリフルオロ酢酸)、80%ア
セトニトリル中の0.1%TFA中の直線勾配を、流量100 ml/分で流した。溶離した
ペプチドを濃縮し、かつ凍結乾燥した。
【0032】実施例3 sVpr1-96 本ペプチドは、TentaGel S-AC-樹脂(0.20 mmol/g)において、ABI 433合成装置
を用いて合成した。合成過程終了後、FMOC-保護基を切断し、樹脂を最初にジメ
チルホルムアミドおよび塩化メチレンで洗浄し、その後乾燥した。このペプチド
を樹脂から取り除き、前述のように精製した。
【0033】実施例4 : sVpr1-47 実施例1〜実施例3に類似。
【0034】実施例5: sVpr48-96 実施例1〜実施例3に類似。
【0035】実施例6: sVpr1-20 実施例1〜実施例3に類似。
【0036】実施例7: sVpr1-20 (Asn5,10,14) 実施例1〜実施例3に類似。
【0037】実施例8: sVpr21-40 実施例1〜実施例3に類似。 野生型配列:
【0038】実施例9: sVpr21-40 (Asn35) 実施例1〜実施例3に類似。
【0039】実施例10: sVpr11-25 実施例1〜実施例3に類似。
【0040】実施例11: sVpr41-55 実施例1〜実施例3に類似。
【0041】実施例12: sVpr46-60 実施例1〜実施例3に類似。
【0042】実施例13: sVpr56-70 実施例1〜実施例3に類似。
【0043】実施例14: sVpr66-80 実施例1〜実施例3に類似。
【0044】実施例15: sVpr76-96 実施例1〜実施例3に類似。
【0045】 文献:
【図面の簡単な説明】
【図1】 Vprの構造とドメイン 以下の一次構造と二次構造のモチーフを、単離株HIV-1NL4-3から得られたVprタ
ンパク質のアミノ酸配列に対応するよう並べた。負電荷を帯びたN末(標識(1)、
1〜17番目);へリックスα-1(標識(2)、8〜37番目);未定領域(標識(3)、38
〜51番目);へリックスα-2(標識(4)、51〜76番目);正電荷を帯びたC末(標
識(8)、77〜96番目)。標識(1)〜標識(5)および標識(8)と重複するが、以下のド
メインを表示した:ロイシンおよびイソロイシンに富む領域で「ロイシンジッパ
ー様」または「LRドメイン」と呼ばれる領域(標識(5)、60〜80番目);繰り返
しモチーフ「HF/SRIG」を含む領域(標識(6)、71〜82番目);Vprのイオンチャ
ンネル活性に必要とされるVpr膜貫通アンカーと推定される領域(標識(7)、52〜
79番目)。
【図2】 ウエスタンブロットおよび免疫沈降による、sVpr1-96に特異的な
ポリクローナル抗体の免疫学的特徴づけ ウサギをsVpr1-96で免疫化し、その結果得られた血清R-96をウエスタンブロット
(A)および免疫沈降(B)で調べた。sVpr1-96を0.01 ngから10 ngまで連続希釈
して、別々にSDS-PAGE(12.5%アクリルアミドゲル)を行なった(A)。sVpr1-9 6 を同じように連続稀釈したものをヒト血清に加え、血清R-96を用いて、この混
合物からsVpr1-96を免疫沈降によって回収し、その後、この免疫沈降物をSDS-PA
GEで分離した(B)。sVpr1-96をPVDF膜に電気的に移行させてから、R-96を用い
、その後125I標識プロテインGを用いてペプチドを検出した。2日間感光させたオ
ートラジオグラムを(A)および(B)に示す。分子量標準タンパク質の位置を左
側に示し、免疫沈降に使用した免疫グロブリンの軽鎖(lc)および重鎖(hc)の
位置を右側に示す。
【図3】 ヒトPBMC培養では、sVpr1-96はウイルス複製を活発にして、生細
胞の数を低下させる。PHAおよびIL-2で活性化させたPBMCに、以下のウイルス貯
蔵液を感染量が等しくなるように感染させた。HIV-1NL4-3(A、B、C)、NL4-3(A
D8)(D)、およびvpu欠損変異株NL(AD8)-UDEL1(E)、およびvpr-欠損変異株NL(
AD8)-deltaR(E)。実験を行なっている間、培養は、10 nMのsVpr1-96または10
nMの対照用ペプチドVpr32-81とともにインキュベートした。ウイルス放出は、細
胞培養上清中に遊離されたウイルスに付随するRT活性のプロフィールとして示さ
れている(A、C、D、E、F)。(B)は、実験(A)の培養液中で検出された生細
胞数を示している。
【図4】 sVpr1-96は、異なったドナーから単離されたヒト単球/マクロフ
ァージの初代培養において、vpr欠損HIV-1変異株ウイルスの複製を活性化させる
。3人のドナーから単離した分化MDMを平行培養したものに、マクロファージ指向
性ウイルスNL4-3(AD8)およびvpr欠損変異株NL(AD8)-デルタRの精製ウイルス保存
液を等感染量感染させた。ウイルス産生量を、2ヶ月間という時間枠で追跡し、
ウイルスに付随するRT活性の放出を経過時間に対してブロットした。
【図5】 2D1H TOCSYスペクトル 混合時間110分間で、300°Kで1:1(v/v)TFE-d2/H2におけるsVpr1-96の2 mM溶液
のスペクトルを記録した。x軸およびy軸は、それぞれの1D1Hスペクトルを示して
いる。図6に、領域A、BおよびCを拡大した図を示す。
【図6】 図5に示した2D TOCSYスペクトルの領域の拡大図であり、プロリ
ンH-7とトリプトファン残基のH-2との間のプロトン相互作用(A);ヒスチジン
残基のH-2とH-4の間のプロトン相互作用(B);およびアルギニン残基のイプシ
ロン-Hとアルファ-Hの間のプロトン相互作用(C)に対応する。
【図7】 sVpr1-96-HPLCクロマトグラムおよび質量スペクトル
【図8】 sVpr1-47-質量スペクトル
【図9】 sVpr1-20-質量スペクトル
【図10】 sVpr20-40-質量スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 31/18 4C087 48/00 C07K 1/04 4H045 A61P 31/18 1/06 C07K 1/04 14/16 1/06 16/08 14/16 G01N 30/34 E 16/08 30/88 J G01N 30/34 33/15 Z 30/88 33/50 Z 33/15 33/53 D 33/50 33/569 H 33/53 C12P 21/08 33/569 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 ヘンクライン ペーター ドイツ国 ベルリン シュルゼ−ボイセン −ストラッセ 25 (72)発明者 レイ ビクトル ドイツ国 ウォルフェンビュッテル エル ビンガー ストラッセ 6 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 CA25 CA26 DA36 FB03 FB05 4B024 AA01 AA14 BA32 BA51 CA04 DA02 GA11 HA01 HA17 4B064 AG27 AG31 DA01 DA15 4C084 AA02 AA07 AA13 DC50 NA14 ZB332 ZC552 4C085 AA12 AA13 AA14 BA69 DD62 4C087 BC83 CA12 NA14 ZB33 ZC55 4H045 AA10 AA11 AA30 BA17 BA19 BA21 CA05 DA76 DA86 EA53 FA33 FA58 FA60 FA61 GA21

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のウイルス性調節タンパク
    質R(Vpr)を含む合成ペプチド。
  2. 【請求項2】 ペプチドが以下のように特徴付けられる、請求項1記載の方
    法: 2.1. 96アミノ酸長のVprタンパク質(sVpr1-96); 2.2. 47アミノ酸長のN末端ペプチド(sVpr1-47); 2.3. 49アミノ酸長のC末端ペプチド(sVpr48-96);さらに、 2.4. これらのペプチドの断片、例えば 2.4.1. エピトープの特徴付けおよび等電点電気泳動に関する、重複する約15ア
    ミノ酸長のペプチド; 2.4.2. Vprの個々のドメインの構造的および機能的特徴付けのための、約20ア
    ミノ酸長ペプチド、特に 2.4.2.1. ペプチドsVpr1-20;および 2.4.2.2. ペプチドsVpr21-40
  3. 【請求項3】 ペプチドが以下のように特徴付けられる、請求項1および請
    求項2のいずれか一項記載のペプチド: 3.1. 以下の配列を含む、96アミノ酸の完全長Vpr-タンパク質sVpr1-96 ; 3.2. 47アミノ酸長のN末端ペプチドsVpr1-47 ; 3.3. 49アミノ酸長のC末端ペプチドsVpr48-96 ; 3.4. 15アミノ酸長ペプチドからなるこれらのペプチドの断片: 3.4.1. sVpr11-25 ; 3.4.2. sVpr41-55 ; 3.4.3. sVpr46-60 ; 3.4.4. sVpr56-70 ; 3.5. 約20アミノ酸長のペプチドとして、 3.5.1. sVpr1-20(Asn5,10,14)の形式のペプチドsVpr1-20 ; 3.5.2. sVpr21-40(Asn35)の形式のペプチドsVpr21-40
  4. 【請求項4】 C末端Vprペプチドの合成がパーキンエルマー(Perkin Elmer )合成装置を用いてセリン樹脂上で行われ、全てのN末端ペプチドがポリスチレ
    ンポリオキシエチレン樹脂上で合成され、かつ全てのペプチドがFMOC保護基スト
    ラテジーを用いて合成される、請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の、ヒト免
    疫不全ウイルス1型(HIV-1)のウイルス性調節タンパク質R(Vpr)由来の合成ペプチ
    ドを作製する方法。
  5. 【請求項5】 合成保護基の末端が、合成終了時に、95%トリフルオロ酢酸
    、3%トリイソプロピルシラン、およびペプチド配列に依存した2%〜5%エタン
    ジチオールからなる切断混合物を用いて切断され、樹脂が分離される、請求項4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 粗ペプチドが、アセトニトリル中のTFAおよび水の直線勾配
    を用いた、シリカゲルカラム上のHPLCクロマトグラフィーによって精製される、
    請求項4および請求項5のいずれか一項記載の方法。
  7. 【請求項7】 治療および診断の用途のための、ヒト免疫不全ウイルス1型(
    HIV-1)のウイルス性調節タンパク質R(Vpr)由来の合成ペプチドの適用。
  8. 【請求項8】 以下のような、請求項7記載の適用: 8.1. 生物学的アッセイにおける: 8.1.1. 血清学的試験システムの開発のための適用; 8.1.2. Vpr抗原捕獲ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)の開発のための適用; 8.2. HIVペプチド配列に対する抗体作製のための適用; 8.3. 抗ウイルス試薬の作製のための適用; 8.4. 潜在的なVpr阻害剤のスクリーニングのための試験システムの開発のため
    の適用; 8.5. Vprの病理学的機構を調べるための、細胞培養物および動物モデルの開発
    のための適用; 8.6. Vprおよびそのドメインの構造解析のための適用; 8.7.遺伝子治療における適用に関する、ウイルスのインビトロでの集合およびベ
    クターの開発における適用のための適用。
  9. 【請求項9】 タンパク質が、N末端ドメインが4個のプロリン残基のうち1
    個、数個または全てのいずれかが突然変異されているsVprに由来する、請求項7
    および請求項8のいずれか一項記載の適用。
  10. 【請求項10】 Vprに特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル
    抗体または抗血清を作製するための、請求項7〜請求項9のいずれか一項記載の適
    用。
  11. 【請求項11】 エピトープの異なるVpr特異的抗体作製のための、請求項7
    〜請求項10のいずれか一項記載の適用。
  12. 【請求項12】 血清学的試験システムにおける、請求項7〜請求項11のい
    ずれか一項記載の適用。
  13. 【請求項13】 Vpr抗原(Ag)ELISAにおける、請求項7〜請求項12のいずれ
    か一項記載の適用。
  14. 【請求項14】 Vpr-Ag-ELISA技法の較正のための標準抗原としての、請求
    項7〜請求項13のいずれか一項記載の適用。
  15. 【請求項15】 HIV感染した個体の末梢血中のウイルス性VprのVpr濃度の
    検出および推定のための、請求項7〜請求項8のいずれか一項記載の適用。
  16. 【請求項16】 Vpr阻害剤の特徴付けのためのインビトロ試験システムの
    ための、請求項7および請求項8のいずれか一項記載のsVprタンパク質の適用。
  17. 【請求項17】 Vpr欠損HIV変異体に感染した細胞培養物中の内因性ウイル
    ス性Vprの機能を補完するための、請求項7および請求項8のいずれか一項記載の
    適用。
  18. 【請求項18】 Vpr欠損HIV変異体に感染した初代ヒトリンパ球培養物中の
    内因性ウイルス性Vprの機能を補完するための、請求項7、請求項8および請求項1
    7のいずれか一項記載の適用。
  19. 【請求項19】 Vpr欠損HIV変異体に感染した初代ヒト単球/マクロファー
    ジ培養物中の内因性ウイルス性Vprの機能を補完するための、請求項7、請求項8
    、請求項17および請求項18のいずれか一項記載の適用。
  20. 【請求項20】 以下のような試薬を特徴付けるための、請求項7〜請求項1
    9のいずれか一項記載の適用: a)Vprと、例えば糖質コルチコイド受容体のような細胞因子、転写因子、並びにD
    NAと相互作用する他の酵素および因子との相互作用を阻害する試薬; b)Vprの転写活性化活性を阻害し、ステロイドホルモンに対するVpr活性を調節、
    妨害または阻害する試薬; c)それ自身におけるまたはHIV前融合複合体(preintegration complexe)の他の成
    分との複合体におけるVprの輸送を調節、妨害、または阻害し、さらにHIV集合(a
    ssembly)時のウイルス粒子の出芽(budding)におけるVprのキャプシド形成を調節
    、妨害または阻害する試薬; d)Vprに誘導された細胞周期停止を調節、妨害または阻害し、さらに細胞分化お
    よび細胞増殖に対するVprの作用を調節、妨害または阻害する試薬; e)Vprの細胞傷害性作用を調節、妨害または阻害する試薬; f)イオンチャネル活性を調節、妨害または阻害する試薬。
  21. 【請求項21】 Vpr阻害剤を特徴付けるインビボ試験システムのための、
    請求項7および請求項8記載のsVprタンパク質の適用。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の機能の特徴付けのための動物モデル試験に
    おける、請求項7および請求項8記載のsVprタンパク質の適用。
  23. 【請求項23】 濃縮ペプチド溶液の作製のための、請求項7および請求項8
    記載のsVprタンパク質の適用。
  24. 【請求項24】 Vpr特異的阻害剤の作製のための、請求項7、請求項8およ
    び請求項23のいずれか一項記載のsVprタンパク質の適用。
  25. 【請求項25】 VprのN末端ドメインの柔軟性を低下させる構造安定化因子
    の適用のための、請求項7、請求項8、請求項21および請求項24のいずれか一項記
    載のsVprタンパク質の適用。
  26. 【請求項26】 構造安定化因子が以下のものである、請求項25記載の適用
    : a)Vprに結合するDNA修復酵素HHR23AのUBA2ドメイン; b)Vpr特異的免疫グロブリンのFab断片; c)ウイルス因子、特に、ウイルス集合過程においてVprと相互作用するHIV-1 Gag
    ポリタンパク質前駆体Pr55Gagの成分;または d)ヒト糖質コルチコイド受容体またはその成分。
  27. 【請求項27】 レトロウイルス前融合複合体のインビトロでの集合のため
    の、請求項7記載のsVprタンパク質の適用。
  28. 【請求項28】 遺伝子導入法のインビトロまたはインビボでの適用におけ
    る、請求項7、請求項8および請求項27のいずれか一項記載のsVprタンパク質の適
    用。
  29. 【請求項29】 真核細胞における、トランスフェクション、染色体性また
    はエピソーム性の宿主DNAへの組込み、もしくは任意の他の遺伝子導入法のため
    の、請求項7、請求項8および請求項27のいずれか一項記載のsVprタンパク質の適
    用。
  30. 【請求項30】 細胞、組織、および生物への導入のためにインビトロ合成
    および/または操作された遺伝子ならびにその断片を用いた、遺伝子導入のため
    の、また遺伝子治療を目的とした任意の適用のための、請求項7、請求項8および
    請求項28記載のsVprタンパク質の適用。
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