JP2002540610A - セラミック箔にギザギザをつけたプレートとガスアシストとを有する複合型ヒータ - Google Patents

セラミック箔にギザギザをつけたプレートとガスアシストとを有する複合型ヒータ

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Abstract

(57)【要約】 チャンバ(34)と、チャンバにガスを加えるデバイスと、基板ヒータとを有する基板加熱装置が提供される。該基板ヒータはチャンバ内に配置されて、底面を有する第1プレート(54)を含む。第1プレートの該底面は少なくとも1つの溝を有する。少なくとも1つの溝は少なくとも2つの熱ゾーンを該第1プレート上に形成する。該基板ヒータはヒータ素子(66)と第2プレート(52)とをさらに含む。該ヒータ素子は第1プレートの底面と第2プレートとの間に配置され、放射とガス伝導とによる基板の加熱を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板加熱装置に関し、特に基板加熱装置において使用されるヒータに
関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4,903,754号は、螺旋状の加熱導線を有する加熱プレートを開示し
ている。米国特許第4,919,614号は、熱伝導部材内のヒータを開示している。米
国特許第5,588,827号は、加熱の間のガス分配のための溝を有するヒータプレー
トを開示している。特許協力条約特許公開番号WO 95/16800号は、ランプヒータ
を開示している。
【0003】
【発明の概要】
本発明の一実施例に従って、基板を加熱する基板加熱装置が提供され、該装置
はチャンバと、チャンバ内にガスを加えるデバイスと、基板ヒータと、からなる
。該基板ヒーターはチャンバ内に配置されて、底面を有する第1プレートを含む
。第1プレートの底面には少なくとも1つの溝がある。該少なくとも1つの溝は
、少なくとも2つの熱ゾーンを該第1プレートの上に形成する。一実施例におい
て、前記少なくとも1つの溝は、複数の熱ゾーンを前記第1プレート上に形成す
る複数の溝である。該基板ヒータは、ヒータ素子と第2プレートとを更に含む。
該ヒータ素子は、前記第1プレートの底面と第2プレートとの間に配置されて、
放射およびガス伝導によって基板の加熱を可能にする。
【0004】 本発明の別の実施例に従って、ヒータプレートとヒータ素子とを含む基板を加
熱する基板ヒータが提供される。該ヒータプレートは、少なくとも1つの溝のあ
る面を有する。該少なくとも1つの溝は、ヒータプレートを少なくとも2つの別
々の熱ゾーンに分割するため、最適に大きさを設定されて配置される。該ヒータ
素子は、複数の別個の異なる熱生成ゾーンを有する。複数の別個の異なる熱生成
ゾーンは、ヒータ素子全体に異なるレベルの熱生成を提供する。該ヒータプレー
トはヒータ素子に近接して配置され、ヒータプレートの分離した熱ゾーンとヒー
タ素子の複数の個別の異なる熱生成ゾーンとが協動して、該ヒータプレートと該
基板との間の熱輸送の割合が異なり得るゾーンを提供する。熱輸送の割合が異な
るため、基板は表面全体に亘って一様にセットポイント温度に達する。
【0005】 本発明の1つの方法に従って、基板加熱装置内において基板を加熱する方法が
提供される。該方法は、少なくとも2つの熱ゾーンを形成する少なくとも1つの
溝を有する底面を有するトッププレートを含むヒータの上方の基板加熱装置のチ
ャンバ内に基板を置くステップと、放射加熱のみによってトッププレートの少な
くとも2つの熱ゾーンから基板を加熱するステップと、基板が放射加熱によって
所定の温度を得た後に、熱がガス伝導によってトッププレートの少なくとも2つ
の熱ゾーンから基板まで伝えられるようにチャンバ内へガスを加えるステップと
、を含む。
【0006】 本発明の別の方法に従って、基板加熱装置内で基板を加熱する方法が提供され
る。該方法は、基板をヒータに近接した基板加熱装置のチャンバ内に置くステッ
プと、該ヒータから放射された熱によって基板を加熱するステップと、熱がガス
伝導によってヒータから基板まで伝えられるようにチャンバ内へガスを加えるス
テップと、基板加熱の所定の時点でチャンバからガスを除去するステップと、該
ヒータから放射された放射加熱のみによって所定の温度に基板を維持するステッ
プと、を含む。一実施例において、基板の加熱における該所定時点は、所定の温
度がチャンバ内で測定される時点である。また、別の実施例では、基板の加熱に
おける該所定時点は、加熱過程開始から測定される所定時間が経過する時点であ
る。
【0007】 本発明の別の方法に従って、基板加熱装置内で基板を加熱する方法が提供され
る。該方法は、基板をヒータに近接した基板加熱装置のチャンバ内に配置するス
テップと、ヒータから放射された熱によって基板を加熱するステップと、ガス伝
導によって該基板と該ヒータとの間に熱を輸送するチャンバへのガスの追加を制
御する制御ステップと、を含み、ここにおいて該制御ステップはガスをチャンバ
内へ段階的に加えて、より多くのガスがチャンバ内へ加えられるのに従い、基板
とヒータとの間の熱輸送率が段階的に増大される。
【0008】 上述の及びその他の本発明の特徴は、添付の図面と共に以下の記述において説
明される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面において同様に付番された素子は同様の素子を参照するものとするが、全
ての図の記載において必ずしも参照されているわけでない。 図1は、本発明の特徴を取り入れた基板加熱装置10を含む基板処理装置12の全
体平面図である。本発明は図面に示される実施例に関して記載されているが、本
発明が多くの別の実施例において実施されることを理解しなければならない。加
えて、種々の大きさ、形状、タイプの材料及び素子が使用されるであろう。
【0010】 基板加熱装置10は処理装置12の一部である。基板処理装置12はまた、基板輸送
装置14、マルチ処理チャンバ16、基板カセットロードロック18、及び中央輸送チ
ャンバ20も含む。基板処理装置の実施例は、米国特許第4,715,921号に開示され
ており、全体として本願明細書に組み入れられている。基板輸送装置14は輸送平
面基板に適応されており、平面基板とは、例えば処理チャンバ16、ロードロック
18、基板加熱装置10の間の半導体ウェーハ若しくはフラットパネルのディスプレ
イ基板である。特許協力条約特許公開番号WO 94/23911号は、類似した基板輸送
装置を開示しており、全体として本願明細書に組み入れられている。
【0011】 図1および2に関して、基板輸送装置14は全体として、駆動セクション(図示
せず)と可動アームセクション24とを有する基板輸送ロボット22を含む。可動ア
ームセクション24は、処理チャンバ16の中へ及び外への輸送の間、基板を支える
最適な大きさに設定されるエンドエフェクタ26と、ロードロック18と基板加熱装
置10とを有する。別の実施例において、任意の適切な種類の基板輸送装置が使わ
れ得る。輸送装置14と、処理チャンバ16と、ロードロック18とは、公知技術であ
り更に詳細には記載しない。
【0012】 好ましくは、基板加熱装置10は基板加熱アセンブリ30及び筐体32を含む。基板
加熱アセンブリ30及び筐体32は、中央の輸送チャンバ20に連結されている。好ま
しくは、基板加熱アセンブリ30は、筐体32内に配置される。筐体32は、基板処理
装置12を囲む環境条件から基板加熱アセンブリ30を隔離する。別の実施例におい
ては、筐体32は含まれる必要はない。好ましくは、スロットバルブ若しくは輸送
インタフェース28は、基板加熱装置10と中央の輸送チャンバ20との間に配置され
る。インタフェース28は、中央の輸送チャンバ20から基板加熱装置10を封止する
。動作モードにおいて、基板輸送ロボット22の可動アームセクション24は、基板
をインタフェース28を介して基板加熱アセンブリ30へ輸送する。基板加熱装置10
は、好ましくは基板処理装置12を予熱し及びガスを除去するモジュールとして使
用される。
【0013】 図3には、基板加熱アセンブリ30が示されている。基板加熱アセンブリ30は、
全体として、チャンバ34と、ガス供給器36と、真空源38とを含む。基板加熱アセ
ンブリの1つの例は、本出願人と同出願人に譲渡された米国特許第5,588,827号
に開示されており、当該特許の開示全体が、本願明細書に組み入れられる。チャ
ンバ34は、基板輸送ロボット22によってインタフェース28を介して基板加熱アセ
ンブリ30内へと輸送される基板を受け取るのに適した基板受け入れエリア35を含
む。基板加熱アセンブリ30は、2本の柱44及び46によって底プレート42に接続さ
れたトッププレート40を更に含む。トッププレート40は、基板輸送ロボット22に
よって、基板受け入れエリア35内へ搬入され、且つ基板受け入れエリア35から搬
出される基板Sを保持するサポート48を含む。該サポート48は、トッププレート4
0から下方へ伸張している。
【0014】 熱アセンブリ50は、チャンバ34の底部を形成する。熱アセンブリ50は、ベース
プレート52と、ヒータ素子66と、ヒータプレート54とを通常含む。ヒータプレー
ト54は、ベースプレート52の一番上に接続されてヒータ素子66はそれらの間に配
置される。熱アセンブリ50の構成は、以下により詳細に説明される。ベースプレ
ート52は、2つの穴56及び58と、その中に配置されている柱44及び46とを有して
いる。垂直駆動メカニズム60は、底部プレート42に接続されている。駆動メカニ
ズム60は、チャンバ34とヒータプレート54とに関連して、上下に底部プレート42
を動かすのに適している。柱44及び46が底部プレート42に接続されて、トッププ
レート40が柱44及び46に接続されているので、トッププレート40は底部プレート
42と共に上下に移動する。
【0015】 基板加熱アセンブリ30の閉位置を得るために、駆動メカニズム60は、トッププ
レート40をヒータプレート54の頂面62へ向けて下降せしめる。開位置における基
板加熱アセンブリ30を示す図3において、閉位置に向けての動きは、矢印Aによ
って示される方向である。ヒータプレート54の頂面62の周辺部にはシール64があ
る。トッププレート40とヒータープレート54の頂面62との間にシールを形成する
べく閉位置へと移動するにつれて、シール64はトッププレート40に結合する。シ
ールされた閉配置において、トッププレート40とヒータプレート54とは、基板受
け入れエリア35の範囲内で副エンクロージャを画定する。基板は、副エンクロー
ジャ内に配置されている。該副エンクロージャは、基板加熱処理を行うエリアを
形成する。該基板加熱処理は、以下でより詳細に議論される。好ましくは、副エ
ンクロージャは反射熱シールド(図示せず)によって囲まれている。
【0016】 図4には、熱アセンブリ50の分解図が示されている。上述の如く、熱アセンブ
リ50はベースプレート52と、ヒータ素子66と、ヒータプレート54とを含む。一実
施例において、ベースプレート52は熱的且つ電気的に絶縁体である材料から成る
。好適な実施例において、ヒータ素子66は、ヒータプレート54の底面68とベース
プレート52との間に挟持されている。一実施例において、熱アセンブリ50のこの
挟持構造は、保持リングによって保持される。絶縁素子67もまた提供され得る。
ヒータ素子66によって生成される熱は、ヒータプレート54へと直接導かれる。処
理モードにおいて、熱アセンブリ50は、密封され閉じられた位置にある。密封さ
れた閉位置において、副エンクロージャーに置かれた基板はヒータプレート54へ
近接している。従って、処理モードの間、ヒータプレート54は熱を基板へ移動せ
しめる。上述の如く、該基板加熱動作は、以下により詳細に説明される。ヒータ
プレート54は、高い透過率を有するセラミック材料からなり、加熱素子の可変電
力密度に合わせて、可能な限り直接基板上へ作用する。ヒータプレート54はまた
、複合階層化された材料を含む。例えば、プレート54は安定した制御を提供する
高い熱キャパシタンスの材料からなる本体を有し、且つ、プレートは熱輸送の放
射モードを最大にする高い放射率の材料からなる表面を有し得る。ヒータプレー
ト表面は、実効表面積を最大にする浅くて薄い溝をビードブラストされるか若し
くは刻み込まれ、その結果、熱輸送の放射モードを強化して、ガスがチャンバに
導入される時にガス伝導熱輸送係数を増大する。
【0017】 好ましくは、ヒータ素子66は薄膜の平坦なリボンヒータである。薄膜のリボン
ヒータ素子の例は、同時係属中の米国特許出願第08/882367号において見ること
ができ、これは全体として本願明細書に組み入れられている。図8に示されるリ
ボンヒータ66は、およそ0.102‐0.127mm(0.004‐0.005イ
ンチ)の厚さの電気的に伝導性を有する金属から成る。蛇行する閉回路断面の不
均一なパターンは、図8に示される如く、複数の別個の異なる熱生成ゾーンを与
えるように設計されてきた。この複数の別個の異なる熱生成ゾーンは、図8のゾ
ーンB‐Eで分類され、各々、異なるレベルの熱生成を与える。すなわち、蛇行
した閉回路を形成する短冊状の金属板の幅と、隣接した短冊状の金属板間の間隔
とが、熱生成の異なる電力密度ゾーンを与えるべく選択されてきた。
【0018】 実施例によると、中央ゾーンBは比較的広い短冊板および隣接する短冊板間に
比較的広い間隔を有する。中央ゾーンBを囲む中間ゾーンCにおいては、短冊板
の幅及び間隔が変化する。設計によって、短冊幅が薄いほど電気抵抗がより大き
くなる。従って、より薄い短冊幅は、より広い短冊幅よりも多くの熱を生成する
。外側の回路はサイドゾーンDとコーナーゾーンEとを有する。コーナーゾーン
Eは、熱損失がヒータの角において最大である為、最も小さい幅の短冊板を有す
る。リボンヒータ66の構成は、通常最も外側のゾーンでより多くの熱を生成し、
内側のゾーンでより少ない熱を生成する。熱パターンの他のバリエーションが提
供されるが、複数の別個の異なる熱生成ゾーンの目的は、基板を加熱して、基板
表面全体を実質的に一様に温度上昇させることができるようにすることである。
すなわち、ヒータパターンの目的は、基板の内側領域と外側領域とにおいて様々
な温度を提供することであり、実質的に均一な方法で基板全体の温度上昇を可能
にする。従って、別の実施例が基板を加熱する為の様々な加熱パターンを有する
ヒータ素子66を含むことが理解される。しかしながら、多様な加熱パターンは、
実質的に均一な方法で基板を加熱するという目的を達成するために構成される。
【0019】 図4に示す如く、ヒータプレート54はまた、基板の加熱が基板の表面全体が実
質的に一様に温度上昇するのを促進するべく構成される。特に、ヒータプレート
54の底面68には少なくとも1つの溝70がある。少なくとも1つの溝70は、別々の
熱ゾーンをヒータプレート54上に形成する。好ましくは、溝70は複数の溝からな
る。一実施例において、図6に示される如く、複数の溝70は複数の同心円リング
である。別の実施例では、図7a及び図7bに示される如く、複数の溝70は複数
の長手溝70’である。
【0020】 図5を参照すると、少なくとも1つの溝70は、好ましくはヒータプレート54の
厚みの約3分の2(2/3)の深さに構成される。これはヒータプレート54が例
えば厚み「x」である時、第1の溝70aの深さはおよそ「(2/3)x」である
ということである。一実施例において、ヒータプレート54は約1.27cm(約0
.500インチ)の厚みであり、一方複数の溝の各々の深さは約0.953cm(
約0.375インチ)である。従って、第1の溝70aは、底面68の図示された部
分を第1および第2の熱ゾーンに分け、それぞれをゾーン1及びゾーン2とする
。第1の溝70aより上のヒータプレート54の残りの厚みは、閉塞部72を定義する
。閉塞部72は実質的にゾーン1とゾーン2との間の熱の輸送を妨げる。別の実施
例において、少なくとも1つの溝70の深さは、ヒータプレート54の厚みの約3分
の2(2/3)の深さを越えても、若しくはそれ未満でもよい。本発明によれば
、少なくとも1つの溝70の深さは、閉塞部72が実質的に、ヒータプレート54の別
々の熱ゾーン間の熱の輸送を妨げる限り変化する。
【0021】 したがって、熱の第1の温度が、複数の別個の異なる熱生成ゾーンのうちの1
つからヒータプレート54の底面68のゾーン1へ、リボンヒータ66によって提供さ
れる一方で、熱の第2の温度がゾーン2に与えられ、従って、本発明によれば、
第1の溝70aと閉塞部72とは協動して、ヒータプレート54が熱をその底面68から
基板まで移動させるとき、第1の温度が第2の温度を実質的に変化させるのを妨
ぐ。
【0022】 上述のヒータプレート54と、リボンヒータ66と、ベースプレート52とが、挟持
構造に配置されているとき、ヒータプレート54の別々の熱ゾーンとリボンヒータ
66の複数の個別の異なる熱生成ゾーンとが協動してヒータプレート54と基板との
間の熱輸送の割合が異なるゾーンを提供する。図6及び図8を簡単に参照すると
、挟持構造において、ヒータプレート54の熱ゾーン1、2、及び3と、リボンヒ
ータ66の熱生成ゾーンB、C、D及びEとが、整列配置されて、例えば、ヒータ
プレート54と基板との間の3つの異なる熱輸送の割合を生成することが認識され
る。すなわち、熱ゾーン1と、熱生成ゾーンD及びEとが整列配置されて第1の
熱輸送率を生成し、熱ゾーン2と熱生成ゾーンCとが整列配置されて、第2の熱
輸送率を生成し、さらに、熱ゾーン3と熱生成ゾーンBとが整列配置されて、第
3の熱輸送の割合を生成する。上述の如く、第1、第2及び第3の熱輸送率は、
ヒータプレート54から基板まで伝えられる。別の実施例においてヒータプレート
54の別々の熱ゾーンと、リボンヒータ66の複数の別個の異なる熱生成ゾーンとの
配置が協動して、ヒータプレート54と基板との間の少なくとも2つの異なる熱輸
送率を有するゾーンを提供する。
【0023】 本発明の一実施例に従って、ヒータプレート54は、高い放射率と、高い熱伝導
率と、高い熱量と、非導電性とを有する材料からなる。好ましくは、ヒータプレ
ート54は、窒化アルミニウムからなる。別の実施例において、ヒータプレート54
は、他の材料からなる。 一実施例において、再び図5を参照すると、ヒータプレート54は頂面74を更に
含む。頂面74は複数の溝76を有する。複数の溝76が与えられて、基板受け入れエ
リア35の範囲内で副エンクロージャの全体にわたってガスを分配する。別の実施
例においては、複数の溝76が含まれる必要はない。ガスは基板のガス伝導加熱の
間、副エンクロージャの中に与えられる。該ガス伝導加熱過程は以下で詳細に検
討される。副エンクロージャの全体にわたってガスを計量分配するための複数の
溝の実施例は、上述で取りこまれた米国特許第5,588,827号において見ることが
できる。例えば丸い半導体ウェーハ若しくは正方形の/矩形のフラットパネルの
基板の如き任意の形の平坦な基板を加熱する若しくは冷却する任意の形の熱輸送
プレートにおいて、本発明の特徴が使われ得ることは理解されるであろう。
【0024】 上述の如く、基板加熱アセンブリ30がシールされた閉位置にある時、基板加熱
処理が実行される。閉じる前に、基板は基板輸送装置14によって基板加熱アセン
ブリ30内に配置される。好適な実施例において、基板輸送ロボット22の可動アー
ムセクション24が操作されて、基板加熱装置10と中央の輸送チャンバ20との間の
インタフェース28を介して基板を輸送する。基板輸送ロボット22は、基板加熱ア
センブリ30の基板受け入れエリア35へ基板を載せる。従って、基板加熱アセンブ
リ30は、アセンブリ30のシールされた閉配置へと操作される。上述の如く、シー
ルされた閉位置において、副エンクロージャは基板受け入れエリア35の内部に形
成される。
【0025】 基板加熱装置10の基板を加熱する第1の方法において、以下の工程が実行され
る。上述の如く、基板は基板加熱装置10のチャンバ内に置かれる。好適な実施例
において、チャンバは基板受け入れエリア35の副エンクロージャの一部分である
。基板加熱アセンブリ30のシールされた閉位置において、基板は熱アセンブリ50
よりも上方に位置する。従って、該基板は熱生成源(すなわちヒータ)よりも上
方に配置される。ヒータは、底面を有するトッププレートを含む。ヒータの底面
には、トッププレートを少なくとも2つの熱ゾーンに分割する少なくとも1つの
溝がある。好ましくは、トッププレートは熱アセンブリ50のヒータプレート54で
ある。
【0026】 次に、基板はトッププレートの少なくとも2つの熱ゾーンによって加熱される
。第1の基板加熱方法によれば、基板は最初にトッププレートの別々の熱ゾーン
からの放射加熱だけによって加熱される。しかし、基板が放射加熱から所定の温
度を得た後は、ガスがチャンバに加えられる。ガスがチャンバの全体にわたって
分配され、熱はガス伝導によってトッププレートの少なくとも2つの熱ゾーンか
ら基板へと伝えられる。
【0027】 第1の基板加熱方法の好適な実施例では、ガスがトッププレートの頂面の溝に
よって分配される。すなわち、ガスは熱アセンブリ50のヒータプレート54の頂面
74の溝76によって分配される。好ましくは、ガスはアルゴンの如き不活性ガスで
ある。不活性ガスは、ガス供給器36によって基板受け入れエリア35の副エンクロ
ージャへ供給される。
【0028】 基板加熱装置10の基板を加熱する第2の方法では、以下の工程が実行される。
基板はヒータに近接した基板加熱装置10のチャンバ内に置かれる。次に、ガスが
チャンバに加えられ、ガス伝導によって熱がヒータから基板まで移される。好ま
しくは、不活性ガスはガス供給器36によって基板受け入れエリア35の副エンクロ
ージャに供給される。基板の加熱における所定の時点で、ガスがチャンバから除
去される。好ましくは、真空源38は、基板受け入れエリア35の副エンクロージャ
からガスを取り除く。従って、基板はヒータから放射される熱のみによって、所
定の温度で維持される。一実施例において、基板加熱の第2の方法における所定
時点は、チャンバにおいて所定の温度が測定される時点である。あるいは、基板
加熱における所定時点は、第2の加熱方法の開始から測定される所定の時間が経
過する時点である。
【0029】 基板加熱装置10の基板を加熱する第3の方法では、次の工程が実行される。基
板はヒータに近接した基板加熱装置10のチャンバ内に配置される。ガスはガス伝
導によって基板とヒータとの間に熱を伝えるためにチャンバに加えられる。第3
の加熱方法では、ガスがチャンバに加えられる割合が制御される。すなわち、ガ
スは制御された方法でチャンバに段階的に加えられる。制御された方法でチャン
バへ段階的にガスを加えることによって、基板とヒータとの間の熱伝導率は段階
的に増大せしめられる。換言すれば、チャンバに加えられるガスがより多くなる
に従い、基板とヒータとの間のガス伝導によって伝えられる熱の割合は段階的に
増大せしめられる。
【0030】 好適な実施例においても記載した如く、これらの教示に対する多くの変形例が
当業者に見出され得ると理解されなければならない。実施例及び上述の検討によ
って、本発明の教示は、いかなる特定の基板加熱過程にも限定されるものではな
い。 本発明は好適な実施例に関して特に図示、記載されているが、形式及び詳細の
変更が本発明の範囲内でなされ得ることは、当業者によって理解されるであろう
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の特徴を取り入れた基板加熱装置を有する基板処理装置の頂面
図である。
【図2】 中央の輸送チャンバに結合された図1に示される基板加熱装置の部分
断面図である。
【図3】 図2に示される基板加熱装置の部分断面図である。
【図4】 図3に示される基板加熱アセンブリの部分断面分解図である。
【図5】 図4に示される基板加熱アセンブリの部分拡大断面図である。
【図6】 図4及び5に示されるヒータプレートの底面図である。
【図7a】 ヒータプレートの第2の実施例の断面図である。
【図7b】 図7aに示されるヒータプレートの底面図である。
【図8】 図3および4に示される基板加熱アセンブリのヒータ素子の頂面図で
ある。
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Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバと、前記チャンバ内に配置された基板ヒータと、を含
    んで基板を加熱する基板加熱装置であって、 前記基板ヒータは、 底面に沿って少なくとも1つの溝のある前記底面を有し、前記少なくとも1
    つの溝によって少なくとも部分的に互いに隔離された少なくとも2つの個別の熱
    ゾーンを形成する第1プレートと、 ヒータ素子と、 第2プレートと、 を含み、前記少なくとも1つの溝は、前記底面から前記第1のプレートに達して
    いる前記少なくとも2つの熱ゾーン間を絶縁する境界を形成し、前記ヒータ素子
    は、前記第1プレートの前記底面と前記基板を加熱する前記第2プレートとの間
    に配置されていることを特徴とする基板加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記第1プレートは、高い放射率、高い熱伝導率、高い熱容量
    、及び、非導電率を有する材料からなることを特徴とする請求項1記載の基板加
    熱装置。
  3. 【請求項3】 前記材料は窒化アルミニウムからなることを特徴とする請求項
    2記載の基板加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記第1プレートは厚さ約1.27cm(約0.500インチ
    )であり、前記少なくとも1つの溝は深さ約0.953cm(約0.375イン
    チ)であることを特徴とする請求項1記載の基板加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも1つの溝は、複数の熱ゾーンを前記第1プレー
    ト上に形成する複数の溝からなることを特徴とする請求項1記載の基板加熱装置
  6. 【請求項6】 前記複数の溝は複数の同心のリングからなることを特徴とする
    請求項5記載の基板加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の溝は複数の長手溝からなることを特徴とする請求項
    5記載の基板加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記第1プレートは頂面を更に含み、前記頂面は溝を有し、ガ
    ス伝導加熱の間、前記溝に沿ってガスを分配することを特徴とする請求項1記載
    の基板加熱装置。
  9. 【請求項9】 前記ヒータ素子は、複数の別個の異なる熱生成ゾーンを有する
    薄膜リボンヒータ素子からなり、前記複数の別個の異なる熱生成ゾーンは、単位
    領域あたりの電力密度が異なるレベルであり従って異なるレベルの熱生成を提供
    することを特徴とする請求項1記載の基板加熱装置。
  10. 【請求項10】 前記第2プレートは、熱的且つ電気的に絶縁体である材料か
    らなることを特徴とする請求項1記載の基板加熱装置。
  11. 【請求項11】 前記ヒータ素子は、前記第1プレートの前記底面と前記第2
    プレートとに直接挟持されていることを特徴とする請求項1記載の基板加熱装置
  12. 【請求項12】 前記挟持構造は、保持リングによって保持されていることを
    特徴とする請求項11記載の基板加熱装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも1つの溝を有する後部面を有するヒータプレート
    であって、前記少なくとも1つの溝が前記ヒータプレートを少なくとも2つの別
    々の熱ゾーンに分割するように構成されているヒータプレートと、複数の別個の
    異なる熱生成ゾーンを有し、前記複数の別個の異なる熱生成ゾーンが異なるレベ
    ルの熱生成を提供するヒータ素子と、を含む基板を加熱する基板ヒータであって
    、 前記ヒータプレートは前記ヒータ素子に近接して配置され、前記ヒータプレー
    トの少なくとも2つの別々の熱ゾーンと前記ヒータ素子の複数の別個の異なる熱
    生成ゾーンとが協動して前記ヒータプレートと前記基板との間を異なる割合で熱
    が移動するゾーンを提供し、前記基板は基板の全面に亘り実質的に一様にその温
    度を上げることを特徴とする基板ヒータ。
  14. 【請求項14】 前記ヒータプレートは、高い放射率、高い熱伝導率、高い熱
    量及び非導電率を有する材料からなることを特徴とする請求項13記載の基板ヒ
    ータ。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも1つの溝の深さは、前記ヒータプレートの厚
    みの約3分の2であることを特徴とする請求項13記載の基板ヒータ。
  16. 【請求項16】 前記ヒータプレートは、前記少なくとも2つの別々の熱ゾー
    ンを形成するために構成される前記少なくとも1つの溝を伴う前記後部面に対向
    した前面をさらに含み、前記対向する前面は溝を有し、ガス伝導加熱の間、前記
    溝に沿ってガスを分配することを特徴とする請求項13記載の基板ヒータ。
  17. 【請求項17】 少なくとも2つの熱ゾーンを形成する少なくとも1つの溝を
    有する底面を有するトッププレートを含むヒータの上方の基板加熱装置のチャン
    バ内に基板を配置するステップと、 放射加熱だけによって前記トッププレートの前記少なくとも2つの熱ゾーンに
    よって前記基板を加熱するステップと、 前記放射加熱によって基板が所定の温度を得た後に、ガス伝導によって前記ト
    ッププレートの前記少なくとも2つの熱ゾーンから前記基板に熱が移動されるよ
    うに前記チャンバ内へガスを加えるステップと、 を含むことを特徴とする基板加熱装置において基板を加熱する方法。
  18. 【請求項18】 ヒータに近接している基板加熱装置のチャンバ内に基板を配
    置するステップと、 ヒータから放射された熱によって基板を加熱するステップと、 基板が放射熱によって所定の状態へ加熱された後に、熱がガス伝導によりヒー
    タから基板へと伝えられるようにチャンバ内へガスを加えるステップと、 基板加熱の所定の時点で、チャンバからガスを除去するステップと、 前記ヒータから放射された放射加熱だけによって所定の温度に前記基板を維持
    するステップと、 を含むことを特徴とする基板加熱装置において基板を加熱する方法。
  19. 【請求項19】 基板加熱における前記所定の時点は、チャンバ内で所定の温
    度が測定される時点であることを特徴とする請求項18記載の基板加熱方法。
  20. 【請求項20】 基板加熱における前記所定の時点は、加熱開始時から測定さ
    れて所定の時間が経過する時点であることを特徴とする請求項18記載の基板加
    熱方法。
  21. 【請求項21】 基板加熱装置において基板を加熱する方法であって、前記方
    法は、 ヒータに近接した基板加熱装置のチャンバ内に基板を配置するステップと、 前記ヒータから放射された熱によって前記基板を加熱するステップと、 ガス伝導によって前記基板と前記ヒータとの間の熱を伝えるために前記チャン
    バ内へガスを加えるステップと、 前記チャンバ内へのガスを加える割合を制御することによって前記チャンバ内
    へガスを加えるステップの間に、ヒータから基板への熱のガス伝導によって熱輸
    送の割合を制御するステップと、 を含み、前記ガスを加える割合を制御するステップは、前記チャンバ内へ段階的
    に前記ガスを加えて、より多くの前記ガスがチャンバ内へ加えられるに従って、
    前記基板および前記ヒータ間の熱輸送率は段階的に増加することを特徴とする方
    法。
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