JP2002540434A5 - 不均一で繋がりのない複数のサンプル・セグメントの相関分析を用いる信号検出器 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は相関分析を用いた信号検出器に関する。より具体的には、時間的な隔たりがあり、場合によっては不均一な長さを有する複数のサンプル・セグメントを相関分析した結果を結合して、より大きな実効的信号対雑音比(SNR)を達成する相関分析に関する。
【0002】
(発明の背景)
グローバルポジショニングシステム(GPS)は、24基の軌道衛星の集まりである。各GPS衛星は、地球から約11,000マイル上空の軌道を周回する。正確な位置を決定するために、GPS受信器は、少なくとも3つの衛星を自動追跡する。各衛星は、独自の疑似雑音(PN)コードを用いて変調された信号を送信する。各PNコードは、1.023MHzのチップレートに合致する、ミリ秒ごとに繰り返される1023チップのシークエンスを備えている。各衛星は同じ周波数で送信する。民間用については、その周波数はL1として知られており、1575.42MHzである。GPS受信器は、受信器から見ることのできる衛星の送信信号の混合物である信号を受信する。受信器は、受信信号を特定の衛星のPNコードをシフトしたものと相関させることにより、その衛星の送信信号を検知する。
【0003】
特定のシフト及びPNコードについて達成された相関の水準が、ピークを有するほど十分に高い場合、受信器はその特定のPNコードに対応する衛星の送信信号を検知する。その後、受信器は、そのシフトされたPNコードを使用して、その衛星からのそれ以降の送信信号との同期を実現する。
【0004】
受信器は、衛星からの送信信号のコード位相を決定することにより、その衛星からの距離を決定する。コード位相(CP)は、衛星から受信器までのおよそ11,000マイルの距離を伝わる衛星の送信信号に生じる遅延であって、チップまたはチップの分数で表現される。ドップラーシフトの修正後、特定の衛星のPNコードをシフトしたものを受信信号と相関させることにより、受信器はその衛星のコード位相を決定する。衛星のコード位相は、受信信号との相関度合いを最大限にするシフトとして決定される。
【0005】
受信器は、衛星のコード位相を時間遅延に変換する。受信器は、その時間遅延に衛星からの送信信号の速度を掛けることにより、その衛星までの距離を決定する。受信器は、この情報を用いて、受信器が位置していなければならない衛星まわりの球面を規定する。その球面の半径は、受信器がコード位相から決定した距離に等しい。受信器は、少なくとも3つの衛星に対してこのプロセスを実行する。受信器は、規定された少なくとも3つの球面の交点から、自身の正確な位置を導き出す。
【0006】
ドップラーシフト(DS)は、見通線(LOS)に沿った衛星と受信器との間の相対的な移動によって引き起こされる衛星の送信信号における周波数のシフトである。VLOSをLOSに沿った衛星と受信器の間の相対的な移動速度とし、λを送信信号の波長とすると、その周波数のシフトはVLOS/λと等しいことを示すことができる。ドップラーシフトは、受信器と衛星がLOSに沿って互いに近づいている場合は正(Positive)となり、受信器と衛星がLOSに沿って互いに遠ざかっている場合は負(Negative)になる。
【0007】
ドップラーシフトは、認識される衛星の送信信号のコード位相を、その現実の値から改変している。従って、GPS受信器は、相関分析によって衛星のコード位相の決定を試みる前に、ドップラーシフトに対して衛星の送信信号を修正しなければならない。
【0008】
このような状況が図1で説明される。図1は、GPS受信器10と3つのGPS衛星12a、12bおよび12cを示している。各衛星12a、12b、12cはGPS受信器10に信号を送信している。衛星12aは速度Va +14でLOSに沿ってGPS受信器10に近づいている;衛星12bは速度Vb −16でLOSに沿ってGPS受信器10から遠ざかっている;そして、衛星12cは速度Vc −18でLOSに沿ってGPS受信器10から遠ざかっている。従って、キャリア波長をλと仮定すると、衛星12aからの送信信号には、Va +/λの正のドップラーシフトが生じ;衛星12bからの送信信号には、Vb −/λの負のドップラーシフトが生じ;衛星12cからの送信信号には、Vc −/λの負のドップラーシフトが生じる。
【0009】
GPS受信器は、受信信号20の限られた部分をサンプリングし、そのサンプルを処理することによって機能する。通常は、外的な制約によって、サンプリング期間のサイズと発生が制限される。例えば、GPS受信器と一体化した移動ワイヤレス電話の場合、サンプリング・ウィンドウは電話が発信していない期間に制限されるであろう。その目的は、衛星の送信器とGPS受信器10との間の干渉を回避することである。
【0010】
問題は、限られたサンプリング・ウィンドウを通しての受信信号20の信号対雑音比が、衛星送信器の存在及び距離を検知するためには十分ではない可能性があるということである。例えば、その信号は、特定の仮説の組についての相関値が、他の仮説を試験した結果である相関値より十分に大きい、ということが無いようなものなのかも知れない。
【0011】
さらに、異なる期間において取得された複数のサンプル・セグメントを結合することは困難である。なぜなら、それぞれのセグメントは互いに異なるコード位相となることを免れず、異なるコード位相はそれらのセグメントを結合する前に考慮されなければならないが、これらのコード位相は未知だからである。受信信号20についての信号対雑音比を向上する取り組みにおいて、先行技術の受信器では、受信信号20が弱い間は動作を見送るか、あるいは外的な制約によって課せられた制限を越えてサンプリング期間を拡張することが要求される。ある適用例、例えば移動ワイヤレス電話と一体化したGPS受信器10の場合には、受信信号20が電話の送信器からの受け入れがたい妨害(干渉)にさらされるため、サンプリング・ウィンドウの拡張は通常実現可能ではない。このような適用例では、受信信号20が弱い場合にはGPS受信器の動作を見送ることが、現実的な取り組みとなる。このような事態は、GPS衛星の送信信号が伝搬するおよそ11,000マイルの距離を理由として、および他の衛星の送信信号に代表される特定の衛星に対するノイズを理由として、頻繁に生じる。
【0012】
従って、先行技術の欠点を克服する信号検出器が必要とされている。同様に、先行技術の欠点を克服するGPS受信器10が必要とされている。
【0013】
(発明の要旨)
ここに広範に記述した本発明の目的に従って、不均一な長さを有しており、互いに相違しかつ重複しない期間に取得された、受信信号の複数のサンプル・セグメントについて、相関分析を行った結果を結合するように構成された信号検出器が提供される。実施の一形態では、それらのセグメントは、任意の時刻で、任意の長さのサンプリング・ウィンドウの中で取得され、信号対雑音比の閾値に達するまで、それらのセグメントを処理した結果が連続的に結合される。
【0014】
実施の一形態においては、信号検出器はGPS受信器の一部である。この実施の形態では、GPS受信器が無線周波数(RF)受信器、サンプリング回路、タイミング回路、オフセット測定回路、PNコード生成器、整合フィルタおよびGPS処理装置を含む。RF受信器は、ベースバンド信号を取得するため受信信号を復調する。サンプリング回路は、タイミング回路によって生産されたタイミング信号に応じて、規定されたサンプリング・ウィンドウを通した、ベースバンド信号のサンプル・セグメントを提供する。整合フィルタは、PNコード、ドップラーシフトおよびコード位相についての複数の仮説に従って、サンプル・セグメントを処理する。
【0015】
実施の一形態では、各サンプル・セグメントに対して、整合フィルタが、PNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説の様々な組合せを、そのサンプル・セグメントと相関させることにより導き出された相関データを出力する。この実施の形態によれば、相関データを、特定の仮説の様々な組合せおよび仮説の範囲に対応したグループにグループ分けすることができる。一実施例では、相関データが複数の配列を含んでおり、各配列がPNコード仮説に対応し、配列の各行がドップラーシフト仮説に対応し、配列の各列がコード位相仮説に対応し、配列中の各エントリーがそのエントリーに対応するPNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説の組合せとサンプルとの相関の度合いの測定値となる。
【0016】
PNコード生成器は、整合フィルタに入力として供給されるPNコード仮説を生成する。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説が、整合フィルタ内で内部的に生成される。GPS処理装置はサンプリング回路と整合フィルタにデータ取得コマンドを発行し、サンプリング回路にサンプル・セグメントを取得するように指示し、整合フィルタにそのサンプル・セグメントを処理するように指示する。GPS処理装置はさらに、GPS無線受信器によってローカルに生成されたタイミング信号に応答して、オフセット測定回路へ入力されるフレーム・マークを生成する。オフセット測定回路は、データ取得コマンドがGPS処理装置によって発行されたタイミングとその直後のフレーム・マークのタイミングとの間のオフセットを決定する。この情報はGPS処理装置に提供され、複数の異なるサンプル・セグメントを処理した結果を結合する際に使用される。
【0017】
実施の一形態では、累積的な相関データが保持される。新たなサンプル・セグメントに対する相関データが得られると、その新たな相関データは累積的な相関データに結合される。この実施の形態によれば、GPS処理装置は、信号対雑音比の閾値に達するまで、特定の衛星に対する相関データを累積する。実施の一形態では、衛星の存在および距離を決定することができるまで、特定の衛星に対する累積的な相関データが保持される。
【0018】
現実のコード位相が未知であっても、異なるサンプル・セグメントに対する相関データは、セグメント間で異なるコード位相を考慮することができるアルゴリズムを使用して、結合される。実施の一形態、すなわち所定のサンプル・セグメントに対する相関データが複数の配列を備えており、各配列が特定のPNコード仮説に対応しており、配列の各行が特定のドップラーシフト仮説に対応している実施の一形態では、累積的な相関配列は第1のセグメントに対する相関配列を用いて初期化される。その後、第2のセグメントに対する相関配列は、その累積的な相関配列と、一度に1つの配列ずつ結合される。この際に、配列の内部においては、一度に1つの行ずつ結合される。プロセスはその後も継続して、特定の衛星(PNコード)について、その衛星の存在および距離が正確に検知されると、停止する。
【0019】
ある行に対応するコード位相差は、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間の総合的な時間オフセットと、その行に対応するドップラーシフト仮説から導き出される。
【0020】
実施の一形態において、コード位相差は次の方程式から決定することができる。
【0021】
ΔCP=[(FPN+D)×ΔT] modulo 1mS
【0022】
ここで、ΔCPはコード位相差、FPNは1.023MHzの公称PNレート、Dはその配列に対応するドップラーシフト仮説、ΔTは第1セグメントのサンプリング期間の開始と第2セグメントのサンプリング期間の開始との間の時間オフセットである。1mSの値はPNコードの周期である。PNコードは周期的であるため、関心のあるコード位相差はコード周期の分数部分である。これは、1mSを法とする動作を通して、前述する方程式に反映される。
【0023】
この実施の形態において、第1および第2のセグメントは、それぞれ少なくともあるフレームに掛かっており、フレーム・マークからオフセットした時点で開始する。第1及び第2のセグメントについてのオフセットOS1及びOS2は、それぞれオフセット測定回路により決定される。実施の形態例によれば、それらのオフセットを使用して前述した方程式中のΔTが以下のように決定される。
【0024】
ΔT=(Tn−T2+OS1−OS2)×S
【0025】
この後者の方程式では、Tnは第2のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS2が規定される。同様に、T2は第1のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS1が規定される。変数Sは、GPS衛星で規定されている時刻基準に対する、GPS受信器のローカルな水晶発振器によって生成されたローカルな時刻基準の誤差である。GPS受信器は、この誤差を決定して上記の方程式の中で修正する。
【0026】
その後、このコード位相差は相関配列について行を結合するために使用される。実施の形態において、第2のセグメントに対する相関データの行が、このコード位相差の分だけ循環的にシフトさせられる。その後、そのシフトさせられた行は、累積的な相関データの対応する行に対して、一度に1つのデータ要素ごとに、加算される。その後、このプロセスは、第2のセグメントの各配列の各行について繰り返される。その結果として、第1と第2のセグメントの結果を結合した、複数の累積的な相関配列が得られる。
【0027】
上記の手法によって、追加的なセグメントに対する相関配列が、累積的な相関配列に結合される。所定の衛星に対して、信号対雑音比がその衛星の存在および距離を正確に決定するのに十分なものとなるまで、複数のセグメントを結合する上記のプロセスは継続する。
【0028】
関連する動作方法およびコンピュータ読取り可能な媒体についても提供される。
【0029】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
1.信号検出器の概観
本発明の実施の形態に係わる信号検出器の一例を示したブロック図を図2に示す。図示されるように、信号検出器は信号の複数のセグメントを受信するように構成された受信器30を備える。それらのセグメントは不均一な長さのものであってもよいし、バラバラに任意の期間だけ隔てられたものであってもよい。その信号は、雑音によって乱された関心のある信号を備えていてもよい。あるいは、スペクトル拡散環境によって、その信号は、それぞれが複数の疑似雑音(PN)コードの1つを用いてエンコードされた、多くの関心のある信号の組合せを備えていてもよい。この場合、特定の関心のある信号に対して、他の信号は雑音のように見える。
【0030】
仮説生成器32は、関心のある信号に関する複数の仮説を生成する。相関器34は、仮説生成器32から複数の仮説を受信し、および受信器30によって受信されたセグメントを受信し、それに応じて、受信セグメントと生成された複数の仮説との間の相関を表す相関データを生成する。
【0031】
相関データは結合器36に供給される。結合器36は、その相関データを、受信器30によって受信されたそれ以前のセグメントに対して累積された累積的な相関データに結合する。実施の一形態においては、結合器36はまず、相関データが累積的な相関データと結合可能となるように、その相関データについて調整を行う。それらのデータが結合されると、結合器36は、累積的な相関データが関心のある信号のパラメータを検出するのに十分なものであるか否かを決定する。もし、十分であるならば、関心のある信号のパラメータの検出を伝える出力が信号回線38に供給される。もし、十分でないならば、追加的なセグメントの要求を知らせる信号が信号回線40を介して受信器に供給される。随意的に、上述の処理は、関心のある信号のパラメータが検出されるまで(あるいは、タイム・アウトの条件が検出されるまで)、繰り返し行われる。
【0032】
図3に本発明に係わる信号検出器の動作方法の実施の形態の一例を示すフローチャートを示す。図に示すように、処理はステップ50から開始され、前述したタイプのセグメントが受信される。そして、ステップ52において、試験を行うために複数の仮説が生成される。ステップ54において、受信されたサンプルと生成された仮説との間の相関の水準を測定した相関データを導き出す。
【0033】
ステップ56において、ステップ54からの相関データは、それ以前のセグメントについて行われた相関分析から存在しているであろう累積的な相関データと結合される。実施の一形態においては、ステップ54からの相関データは、累積的な相関データと結合可能となるように、初めに調整や修正がなされる。もし、そのようなデータが存在していなければ、累積的相関データは、ステップ54において導き出された相関データを用いて初期化される。
【0034】
ステップ58において、累積的相関データが、関心のある信号の所望のパラメータについての正確で信頼性のある検出を可能にするものであるか否かについて決定が下される。もし、可能であるならば、処理を終了する。もし、可能でないならば、ステップ50へ戻り、新たなセグメントについて上述した処理を繰り返す。随意的に、上述の処理は、関心のある信号の所望のパラメータが検出されるまで(あるいはタイムアウト条件が発生するまで)、繰り返し行われる。
【0035】
前述の信号検出器は、GPS受信器70の中でのように、様々なアプリケーションにおいて有益に使用することができると考えられる。図4に、本発明に係わるGPS受信器70の実施の一形態を示す。図に示すように、受信器70は無線周波数(RF)受信器72、サンプリング回路74、タイミング回路76、オフセット測定回路78、PNコード生成器80、整合フィルタ82およびGPS処理装置84を有する。
【0036】
RF受信器セクション72は、受信信号を復調して、ベースバンド信号を取得する。ベースバンド信号は、信号回線86を介してサンプリング回路74に提供される。サンプリング回路74は、タイミング回路76によって生成されたタイミング信号に応答して、規定されたサンプリング・ウィンドウを通して得られたベースバンド信号のサンプル・セグメントを提供する。サンプル・セグメントは、信号回線88を介して整合フィルタ82に供給される。整合フィルタ82は、そのサンプル・セグメントを、複数のPNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説に基づいて処理する。
【0037】
図5に示すように、1つの実施例では、各サンプル・セグメントについて、整合フィルタが、そのサンプル・セグメントから導き出したデータについての複数の相関配列110、112、114を出力する。この実施例によれば、各配列110、112、114は、PNコード仮説PN1,PN2,・・・,PNrに対応する。配列110、112、114の各行は、ドップラーシフト仮説DS1,DS2,・・・,DSmに対応する。配列110、112、114の各列は、コード位相仮説CP1,CP2,・・・,CPnに対応する。配列110、112、114中の各エントリーは、そのエントリーに対応するPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説の組合せが、サンプルと相関する度合いの測定値である。従って、図5において、相関配列110はPNコード仮説PN1に対応し;相関配列112はPNコード仮説PN2に対応し;相関配列114はPNコード仮説PNrに対応する。
【0038】
図4に戻り、PNコード生成器80は、PNコード仮説を生成する。PNコード仮説は、信号回線90を介して整合フィルタ82に入力として供給される。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説は、整合フィルタ内で内部的に生成される。GPS処理装置84は、信号回線92を介してサンプリング回路74と整合フィルタ82にデータ取得コマンドを発行し、サンプリング回路74にサンプル・セグメントを取得するように指示し、整合フィルタ82にそのサンプル・セグメントを処理するように指示する。GPS処理装置84はさらに、GPS無線受信器72によってローカルに生成され、信号回線94を介して受信したタイミング信号に応答して、フレーム・マークを生成する。フレーム・マークは、信号回線96を介してオフセット測定回路78へ入力される。1つの実施形態として、RF受信器72によって生成されるタイミング信号は、RF受信器内の局部発振器によって生成される。また、1つの実施形態として、そのタイミング信号が、GPS衛星によって維持される時刻基準に対するローカルな時刻基準を規定する。
【0039】
2.相関処理
オフセット測定回路78は、データ取得コマンドがGPS処理装置によって発行される時刻と、その直後のフレーム・マークの時刻との間のオフセットを決定する。この情報は、GPS処理装置84に供給されて、以下に記述されるやり方で、複数の異なるサンプル・セグメントを処理した結果を結合する際に使用される。
【0040】
実施の一形態では、あるセグメントに対する相関配列はPNコード仮説に関してグループ分けされ、所定のPNコード仮説に対する相関配列はドップラーシフト仮説に関してグループ分けされる。その結果、それぞれのグループは、PNコード仮説とドップラーシフト仮説の特定の組合せに対応する。この実施の形態では、相関配列は一度に1つのグループずつ結合される。この実施の形態によれば、GPS処理装置303は信号回線98を介してこれらのグループを受け取り、追加的なセグメントが取得されるにつれて、累積的にこれらの相関配列を結合する。特定の衛星について、信号対雑音比の閾値に達するまで、その衛星に対する上記の結合処理は継続する。実施の一形態においては、ある衛星の存在及び距離を正確に決定することができるまで、その衛星に対応する相関配列が結合される。通常は、特定の仮説の組に対する相関データが、それ以外の仮説に対する相関データよりも十分に大きい場合に、このようなことが生じる。
【0041】
複数の異なるサンプル・セグメントから導き出した相関配列は、たとえ現実のコード位相が未知であっても、セグメント間でのコード位相の相違を考慮したアルゴリズムを用いて結合される。実施の一形態では、複数の累積的な相関配列が保持される。それらの累積的な相関配列は、最初に第1のサンプル・セグメントから導き出された相関配列に等しく設定される。その後、第2のサンプル・セグメントに対する相関配列が、その累積的な相関配列に、一度に1行ずつ結合される。この実施の形態によれば、ある行に対応するコード位相差は、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間の総合的な時間オフセットと、その行に対応するドップラーシフト仮説から、導き出される。その後、第2のセグメントについてその行の循環的なシフトが実行される。そのシフト量は、すでに特定されたコード位相差から導き出される。その後、シフトされた行のエントリーが、累積的な配列の対応する行の対応するエントリーに加算される。
【0042】
その後、前述した結合処理は、第2のセグメントの相関配列にある追加的なデータに対して繰り返される。1つの実施の形態では、上記の処理は、第2のセグメントに対する相関データの中に保持されている各配列の各行に対して繰り返される。さらに、第2のセグメントに対するデータを使い果たすと、上記の手法によって、追加的なセグメントに対するデータがその累積的な配列に結合される。これは、所定の衛星に対して、信号対雑音比がその衛星の存在と距離を正確に決定するのに十分なものとなるまで続く。
【0043】
この状況は図6に示される。参照符号120は、保持されている複数の累積的な相関配列のうちの1つの配列を識別している。識別されたその特定の配列は、PNコード仮説PNiに対応するものである。これらの配列は、最初に第1のサンプル・セグメントから導き出された相関配列に等しく設定されているものとする。参照符号122は、第2のサンプル・セグメントから導き出された複数の相関配列のうちの、対応する1つの配列を識別している。ここでも、この配列はPNコード仮説PNiに対応する。実施の一形態では、第1のサンプル・セグメントは第1の期間の間に取得されており、第2のサンプル・セグメントはその後の連続していない期間の間に取得されている。
【0044】
配列122からの行124は、図示された手法で、配列120からの行126に結合される。いずれの行も、同じドップラーシフト仮説DPiに対応するものとする。参照符号128による識別によって示されているように、行126が取得される。さらに、参照符号130による識別によって示されているように、行124が取得される。参照符号132による識別によって示されているように、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間のコード位相差を規定するコード位相差ΔCPが決定される。その後、配列122から取得された行124は、ΔCPから導き出される量だけ、循環的にシフトさせられる。このことは参照符号134による識別によって示されている。シフトされた行の中のエントリーは、行126の中の対応するエントリーへ加算される。このことは参照符号136による識別によって示されている。その後、その結果は、行126に代えて、配列120の中に格納される。これは参照符号138による識別によって示されている。
【0045】
3.コード位相差の決定
実施の一形態において、コード位相差は次の方程式から決定することができる。
【0046】
【数1】
【0047】
ここで、ΔCPはコード位相差、FPNは1.023MHzの公称PNレート、Dはその行に対応するドップラーシフト仮説、ΔTは第1セグメントのサンプリング期間の開始と第2セグメントのサンプリング期間の開始との間の時間オフセットである。1mSの値はPNコードの周期である。PNコードは周期的であるため、関心のあるコード位相差はコード周期の分数部分である。これは、1mSを法とする動作を通して、前述する方程式に反映される。
【0048】
この実施の形態において、第1および第2のセグメントは、それぞれ少なくともあるフレームに掛かっており、フレーム・マークからオフセットした時点で開始する。第1及び第2のセグメントについてのオフセットOS1及びOS2は、それぞれオフセット測定回路78(図4)により決定される。実施の形態例によれば、それらのオフセットを使用して前述した方程式中のΔTが以下のように決定される。
【0049】
【数2】
【0050】
この後者の方程式では、Tnは第2のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS2が規定される。同様に、T2は第1のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS1が規定される。変数Sは、GPS衛星で規定されている時刻基準に対する、RF受信器72のローカルな水晶発振器によって生成されたローカルな時刻基準の誤差である。GPS受信器は、この誤差を決定して上記の方程式の中で修正する。
【0051】
図7にこの状況が図示されている。ローカル時刻基準150は、フレーム・マークT1,T2,・・・,Tnによって、複数のフレームに分割されている。実施の一形態において、1つのフレームの継続時間は20mSである。図中に参照符号152で示すように、フレーム・マークT1の発生が検出されると、参照符号154で示すように、GPS処理装置84(図4)はコマンドを発行して、第1のサンプル・セグメントを取得する。第1のサンプル・セグメントの取得は時刻156から開始する。第1のサンプル・セグメントそのものは、図中で参照符号158で示されている。図に示すように、第1のサンプル・セグメントは、少なくとも1つのフレームに掛かっているものとされる。オフセット測定回路78(図4)は、図中で参照符号160で示されている、その直後のフレーム・マークT2の発生を検出し、それに応答して、そのセグメントの取得を開始した時刻156と、そのフレーム・マークT2の時刻160との間のオフセットOS1を決定する。
【0052】
サンプル・セグメント158は、通常はGPS衛星群の中の多くからの送信信号の組合せを表現しており、それらは受信器で測定されるように互いに異なるコード位相を有している。特定の関心のある衛星に関して、そのセグメント158は、図中に参照符号162で示す、特定のコード位相CP1を有しているであろう。
【0053】
多くの追加的なフレーム・マークT3,・・・,Tn−1が発生した後に、GPS処理装置84(図4)は、もう一度コマンドを発行して、サンプル・セグメントを取得する。この第2のコマンドは図7に参照符号164で示されており、GPS処理装置84によってフレーム・マークTn−1の発生が検出された後に生じるものとされる。第2のセグメントの取得は、参照符号166で示されているが、時刻168から開始される。ここでも、第2のセグメントは、少なくとも1つのフレームに掛かっているものとされる。その直後のフレーム・マークTnは、時刻170で生じる。オフセット測定回路78は、第2のセグメントの開始168と、その直後のフレーム・マークTnの発生170との間のオフセットOS2を測定する。この第2のフレームは、特定の衛星に関して規定された特定のコード位相CP2を有するものとする。前述した方程式における時間ΔTは、第2のセグメントの開始168と、第1のセグメントの開始156との間の時間差である。前述した方程式における値ΔCPは、第1のセグメントに対するコード位相CP1と、第2のセグメントに対するコード位相CP2との間のコード位相差である。意義深いことに、たとえ潜在的なコード位相CP1およびCP2が未知であっても、この値は前述した方程式から決定することができる。
【0054】
4.整合フィルタの実施の形態
図8は、図4の整合フィルタ82の1つの実施の形態を示す。図4との対比において、図8でも同様な構成要素については、同様の参照符号によって参照されている。図示されるように、整合フィルタのこの実施の形態は、信号回線88を介してサンプリング回路74(図4)からサンプルを受信するように構成されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)180を備えている。実施の一形態において、フレームの継続時間は20mSであり、RAM180は一度に1つの20mSサンプル・フレームを受信するように構成されている。この実施の形態例によれば、それぞれの20mSサンプル・フレームは、40920のサンプルを備えており、公称サンプリング・レート20.46MHzでベースバンド信号をサンプリングした後に、デシメーション・フィルタリングを行うことによって取得される。
【0055】
さらに、ドップラーシフト補正回路182及びドップラーシフト生成器184が設けられている。RAM180は、一度に、そこに格納されたサンプル・フレームの少なくとも一部を、信号回線186を介してドップラーシフト補正回路182に提供するように構成されている。実施の一形態では、RAM180に格納されたサンプル・フレームは複数のサブ・フレームに分割されて、一度に1つのサブ・フレームがドップラーシフト補正回路182に提供される。実施の一形態において、サブ・フレームの継続時間はPNコードの周期と等しいものであり、それは現在のところ1mSに設定されている。この実施の形態において、それぞれのサンプル・サブ・フレームは2046のサンプルを備えており、各サンプルは同相成分Iと直交成分Q(これらは通常I+jQといった組合せで表現される)を有する複素数として表現される。この実施の形態によれば、各成分であるIもQも、2ビットで表現されており、離散値−1,0,あるいは+1の何れかの値をとることができる。
【0056】
ドップラーシフト生成器184は、一度に1つの仮説ずつ信号回線188を介してドップラーシフト補正回路182に提供される複数のドップラーシフト仮説を生成する。実施の一形態において、ドップラーシフト生成器184は、入力サンプリング処理において補正されていないローカルな時刻基準の不正確さを許容するために、±62,000Hzの範囲でドップラーシフト仮説を生成する。
【0057】
さらに、サンプル・レジスタ190も設けられている。ドップラーシフト補正回路182は、信号回線を介してRAM180からサンプル・サブ・フレームを受信し、ドップラーシフト生成器184からドップラーシフト仮説を受信する。そして、それらに応答して、ドップラーシフト補正回路182は、サンプル・レジスタ190に格納される補正後のサンプル・サブ・フレームを生成する。この手順に関するさらなる詳細は、参照することによってその全体を説明したかのように本明細書に組み込まれている、1998年9月1日に出願された、「DOPPLER CORRECTED SPREAD SPECTRUM MATCHED FILTER」という名称の、米国特許出願番号09/145,055に記載されている。実施の一形態において、補正された各サンプル・サブ・フレームは依然として2046の複素サンプルを備えており、それらの複素サンプルはそれぞれI成分とQ成分を有している。この実施の形態における各サンプルは、I成分とQ成分のそれぞれについて、3ビットで表現される離散値−2,−1,0,+1,+2の何れかの値をとることができる。
【0058】
PNコード・レジスタ192は、信号回線90を介してPNコード生成器80(図4)によって提供される現在のPNコード仮説を格納するために設けられている。実施の一形態では、各PNコード仮説が、あるPNコードの1周期を表現する。実施の一形態において、そのPNコード周期は1mSであり、各PNコード仮説は、1ms毎に繰り返す1023のチップを表現しており、1.023MHzのチップレートを表現している。この実施の形態例において、PNコード・レジスタは一度に1023のチップを格納するように構成されている。
【0059】
信号回線193によって示されるように、PNコード・レジスタは、コード位相遅延仮説に相当する量だけ循環的にシフト可能となっている。PNコードの周期が1023チップである前述してきた実施の形態において、コード位相遅延の値は半チップ刻みで0から2045の範囲に及ぶ可能性がある。PNコード・レジスタはこの実施の形態において、考慮されるコード位相遅延仮説に対応する任意の整数または分数のチップ分だけ、循環的にシフト可能に構成されている。
【0060】
さらに、積和回路194も設けられている。この回路は、サンプル・レジスタ190に格納された補正後のサンプル・サブ・フレームと、PNコード・レジスタ192に格納されたPNコード仮説との積についての積分を形成するように構成される。
【0061】
サンプル・レジスタ190に格納されたサンプル・サブ・フレームが2046のサンプルを備えており、それぞれがI成分およびQ成分を有しており、PNコード・レジスタ190に格納されたPNコード仮説が1023のチップを備えている上述の実施の形態において、サンプル・レジスタ190の中の2つのサンプルとPNコード・レジスタ192の中の1つのチップとの間に対応関係が存在する。2つのサンプルの其々のI成分とQ成分は、対応するPNチップと掛け合わされる。そして、I成分についての積の和が求められ、それとは別個にQ成分についての積の和が求められる。I成分についての積の和は信号回線195の出力であり、Q成分についての積の和は信号回線196の出力である。
【0062】
方程式の形式では、この実施の形態における積和回路194の機能は以下のように表わすことができる。
【0063】
【数3】
【0064】
【数4】
【0065】
ここで CHIPi はPNコード仮説中のi番目のチップであり、Ii 1は CHIPi に対応した2つのサンプルの1番目の方のI成分であり、Ii 2は CHIPi に対応した2つのサンプルの2番目の方のI成分であり、Qi 1は CHIPi に対応した2つのサンプルの1番目の方のQ成分であり、Qi 2は CHIPi に対応した2つのサンプルの2番目の方のQ成分である。
【0066】
さらに、二乗和平方根回路198、加算器202、及びRAM200が設けられている。二乗和平方根回路198は、I成分についての積の和(SI)及びQ成分についての積の和(SQ)を、それぞれ信号回線195及び196を介して受信し、これら2つの値の二乗和の平方根を求めるように構成されている。方程式の形式では、この回路は以下の値を計算する。
【0067】
【数5】
【0068】
考慮の対象であるサンプル・レジスタ190に格納されたサブ・フレームが、関心のあるフレームの最初のサブ・フレームである場合、前述した値は、考慮の対象となっているPNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応したRAM200の配列エントリーに格納される。図5に示すようにこれらの配列は同じ形式をしており、これらの配列は最終的に現在のPN仮説に対する相関配列になる。
【0069】
考慮の対象であるサンプル・レジスタ190に格納されたサブ・フレームが、関心のあるフレームの最初のサブ・フレームではない場合、考慮の対象となっているPNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応したエントリーには、RAM200に格納された以前のサブ・フレームから導き出された値が既に存在しているであろう。この場合、上記で求められたSSの値は、加算器202によって、それまでに格納された値と加算される。それまでに格納された値は、信号回線204を介して加算器202に提供される。そして、その結果は、それまでに格納された値に代わって、PNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応した配列エントリーに格納される。
【0070】
その後、次のコード位相仮説が選択されて、PNコード・レジスタ194は選択されたコード位相仮説に従って循環的にシフトする。そして、上記のプロセスが繰り返される。このプロセスは、テストしたいコード位相仮説のそれぞれに対して継続する。実施の一形態では、PNコードの繰り返し周期に対応して、1msサブ・フレームのそれぞれに対して2046のコード位相がテストされる。この実施の形態において、コード位相仮説は半チップ刻みで0から2045までの範囲にわたってテストされており、次のコード位相仮説は単にPNコード・レジスタ192を2分の1チップだけ循環的にシフトすることによって選択される。
【0071】
図8に示す整合フィルタは、RAM180に格納されたフレームの各サブ・フレームに対して、上述したタスクを実行するように構成されている。このプロセスが完了すると、RAM200には図5に示す形式の相関配列が存在することになる。これらの相関配列は信号回線98を介してGPS処理装置84(図4)に提供される。GPS処理装置84は、これらの相関配列と、上述のやり方で以前のセグメントから導き出された相関配列とを結合する。
【0072】
5.第1の実施の形態の動作
図9に本発明の全体的な動作の方法の第1の実施の形態を示す。図に示すように、プロセス220は反復するものであり、プロセス220の各サイクルはステップ222から始まる。ステップ222において、サンプル・セグメントが受信される。実施の一形態では、セグメントのサイズはサイクルごとに可変である。別の実施の形態では、セグメントのサイズは固定されている。実施の一形態において、セグメントのサイズは20mSである。
【0073】
ステップ224において、テストされるべきPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説が決定される。実施の一形態では、これらの仮説はサイクルごとに可変である。別の実施の形態では、これらの仮説は固定されている。実施の一形態では、既に検出に成功している衛星に対応して、テストされるべきPNコード仮説が決定される。ある衛星について以前に検出に成功している場合は、その衛星のPNコードは、テストされるべきPNコード仮説のセットから取り除かれる。同様に、テストされるべきドップラーシフト仮説のセットは、以前に検出された衛星のドップラーシフト値に基いて削減されるであろう。
【0074】
ステップ226において、ステップ224で決定されたテストされるべき仮説のセットに従って、サンプル・セグメントについての相関分析が実行される。その結果、サンプル・セグメントと、テストされた仮説の様々な組合せの間の相関の水準を測る相関データが得られる。実施の一形態において、相関データは方程式(3),(4)及び(5)を使用して計算される。
【0075】
ステップ228において、このデータは以前のセグメントから累積されている相関データと選択的に結合される。実施の一形態では、このステップが、現在のセグメントと以前のセグメントの間のコード位相差に対して調節することを含む。実施の一形態では、このステップが、決定されたコード位相差だけ少なくとも1つの行をシフトした後に、1行ずつ相関配列を結合することを含む。実施の一形態において、コード位相差は、上述した方程式(1)および(2)に従って計算される。
【0076】
ステップ230において、累積的なデータが衛星の存在および距離の検出を可能にするかどうか判断される。もし可能にするならば、ステップ232が実行されて、衛星の距離が決定される。実施の一形態では、このステップが、サンプルとの累積的な相関が最も高いコード位相仮説から距離を決定することを含む。もし可能にしないならば、ステップ222に戻り、新たなサンプル・セグメントを用いてプロセス220の処理を繰り返す。
【0077】
6.第2の実施の形態の動作
図10A〜図10Cに、本発明の全体的な動作の方法の第2の実施の形態を示す。ここでも、プロセス220’は反復するものであり、プロセス220’の各サイクルはステップ240から始まる。このプロセスによれば、エポックとして知られている、複数の一連の期間に分割された時刻基準が存在するものとされる。
【0078】
ステップ240において、エポックの開始が検出されるまで、プロセスはループする。実施の一形態では、ある1つのエポックはある1つのフレーム周期である。実施の一形態において、ある1つのエポックはある1つの20mSフレーム周期である。図7のタイミング図が対象とする実施の形態では、エポックはT0,T1,T2,・・・,Tn,Tn+1等によってマークされた期間である。図7で描かれたシナリオでは、参照符号152が、T1によって表わされる新たなエポックの開始を識別している。
【0079】
あるエポックの開始が検出されると、ステップ242が実行される。ステップ242において、受信器サンプルの格納は、その後のエポックが開始する前に始められる。図7で描かれたシナリオでは、T1での新たなエポックの開始によって、GPS処理装置84(図4)にデータ取得を開始するコマンドを発行させる割り込み処理が生成される。図7ではこのコマンドを参照符号154で識別している。そのコマンドは、その後のエポックが開始する前にデータの取得を始めるためのものである。図7では、その後のエポックは参照符号160で識別されており、T2によって表されている。図10A〜図10Bの方法に従って、受信器からのデータ・サンプルの取得は、その後のエポックが開始するよりも前である、参照符号156で識別された時点から開始される。
【0080】
データ・サンプルの取得が開始されると、カウンタがカウントを開始する。これは図10Aにおいて、ステップ242の後に実行されるステップ244によって表される。実施の一形態において、そのカウンタは図4のオフセット測定回路78の一部である。
【0081】
その後、ステップ246が実行される。ステップ246において、その後のエポックが検出されるまで、システムはループする。図7で描かれたシナリオでは、その後のエポックはT2であり、参照符号160で識別されている。その後のエポックが検出されると、ステップ248が実行される。
【0082】
ステップ248において、カウンタが停止し、カウンタの内容を用いて、データ取得の開始とその後のエポックの開始の間の時間オフセットOS1が導き出される。図7で描かれたシナリオでは、この値はCP1で表わされ、参照符号156で識別された時点でのデータ・セグメント158の取得の開始と、エポックT2の開始時点である参照符号160(図7)で識別された時点との間の時間的なオフセットである。
【0083】
その後、ステップ250が実行される。ステップ250において、データの取得が完了するまで、システムはループする。実施の一形態において、このデータ取得の完了は、割り込み処理の生成か、あるいはポーリング法によって、GPS処理装置84(図4)により検出される。図7で描かれたシナリオでは、データ・サンプル158(図7)の取得の完了は、識別符号172(図7)で識別されている。
【0084】
データ取得の完了に際して、ステップ252(図10B)が実行される。ステップ252において、OS1を規定する、カウンタの内容が保存され、取得されたデータ・サンプルと関連付けられる。実施の一形態において、GPS処理装置84(図4)は、オフセット測定回路78内に保持されたカウンタの内容を読み取り、この値をCP1として規定する。その後、GPS処理装置84はこの値を保存し、データ・サンプル158(図7)と関連付ける。
【0085】
その後、システムは、テストされるべきPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説との間の相関の度合いを記述する相関データを生成する。ステップ254において、テストされるべきPNコード仮説が選択され、ステップ256において、テストされるべきドップラーシフト仮説が選択される。実施の一形態では、選択されたPNコード仮説は、PNコード生成器80(図4)によって生成され、その後にPNコード・レジスタ192(図8)に格納される。加えて、ドップラーシフト仮説は、ドップラーシフト生成器184(図8)によって生成される。
【0086】
その後、ステップ258が実行される。ステップ258において、取得された受信器サンプルが、選択されたドップラーシフト仮説に対して補正される。実施の一形態では、受信器サンプルはRAM180(図8)に格納され、ドップラーシフト補正回路182は、一度に1つのサブ・フレームずつ、これらのサンプルを選択されたドップラーシフト仮説に対して補正する。尚、この実施形態に関する更なる説明は、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に開示されている。
【0087】
その後、ステップ260が実行される。ステップ260において、ステップ258からの調整されたデータと、選択されているPNコード仮説との間で、相互相関分析が実行される。このステップによれば、複数のコード位相仮説のそれぞれに対して、調整された受信器サンプルとPNコード仮説(選択されたコード位相仮説に従いシフトしている)との間の乗算結果の積分値が求められる。実施の一形態では、2046のコード位相仮説がテストされる。これらのコード位相仮説は、選択されたPNコード仮説を、半チップ刻みで0から2045の範囲に及ぶシフト値だけ循環的にシフトすることによって生成される。実施の一形態において、このステップは、一度に1つのサブ・フレームについて実行される。この実施の形態では、所定のPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説に対する様々なサブ・フレームについての積分値を加算して、そのフレームについての積分値を取得する。実施の一形態では、このステップは整合フィルタ82(図4及び図8)によって実行される。実施の一形態において、このステップは、上述の方程式(3),(4)及び(5)に従って実行される。
【0088】
ステップ260が完了すると、ステップ262が実行される。ステップ262において、ステップ260で得られた相関データが、後述される手法によって、同一のPNコード仮説/ドップラーシフト仮説に対する以前の相関データと結合される。もちろん、これが所定のPNコード仮説/ドップラーシフト仮説に対して得られた最初の相関データのセットである場合には、これらの値は単に格納される。実施の一形態では、ステップ260の相互相関分析の完了は、割り込み処理か、あるいはポーリング法によって、GPS処理装置84(図4)により検出される。実施の一形態において、あるセグメントに対する相関データは、それ以前の相関データと、上述した方程式(1)および(2)を使用して結合される。
【0089】
ステップ264において、テストされるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ256に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ266が実行される。
【0090】
ステップ266において、テストされるべきPNコード仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ254に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ268(図10C)が実行される。
【0091】
ステップ268において、累積された結果と結合するために取得されるべきデータ・セグメントがこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ240(図10A)に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、プロセスは終了する。
【0092】
通常は、プロセスが反復するにつれて、各パスについてテストするPNコード仮説及びドップラーシフト仮説は減少するであろう。この削減は、いくつかのPNコード(衛星)が検出されたため、及び以前に検出された衛星のドップラーシフト値の観測結果に基いて、テストされなければならないドップラーシフトの不正確さの範囲が縮小されるために生じる。
【0093】
さらに、データ・サンプルの各セットに対して収集されたパラメータは変化することを認識すべきである。例えば、図7に関して、第1のパスはパラメータOS1、T2およびCP1に関係している。しかしながら、第2のパスはパラメータTn、OS2およびCP2に関係している。
【0094】
また、上記のデータ取得プロセスは固定された20mSのエポック又はセグメント長に限定されないことを認識すべきである。一般に、それは各パスにおいて可変長に調節することができる。実施の一形態では、それは各パスにおいて1mS刻みで1〜20mSの可変長に調節することができる。他の実施の形態において、単にRAM400のメモリ容量を増加させることにより、より長い期間を扱うことができる。
【0095】
図10A〜図10Cのプロセス220’の完了に際して、実施の一形態では、GPS処理装置84(図4)は、そのメモリ内に複数の相関配列を格納しており、ここで各配列は特定のPNコード仮説に対応しており、配列の各行は特定のドップラーシフト仮説に対応している。各配列は、サンプルの多数のセットから導き出された結合結果を表わしている。
【0096】
7.整合フィルタの動作
図11A〜図11Cに、本発明に係る整合フィルタの動作の方法300を示す。ステップ302において、サンプル・フレームが格納される。図8の整合フィルタでは、そのサンプル・フレームはRAM180に格納される。
【0097】
ステップ304において、テストするPNコード仮説が選ばれ、循環シフト・レジスタに格納される。図8の整合フィルタでは、そのPNコード仮説はPNコード・レジスタ192に格納される。
【0098】
ステップ306において、ステップ302で格納されたサンプル・フレームのサブ・フレームが選択される。
【0099】
ステップ308において、テストするドップラーシフト仮説が選択される。図8の整合フィルタでは、このステップは、ユーザーによって課された制約あるいは限界に応じてドップラーシフト仮説を連続的に生成するドップラーシフト生成器184によって、暗黙のうちに実行される。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説は±62,000Hzの範囲に及ぶ。
【0100】
ステップ310において、ステップ306で選択されたサブ・フレームが、ステップ308で選択されたドップラーシフト仮説に対して補正される。図8の整合フィルタでは、このステップはドップラーシフト補正回路182によって実行される。実施の一形態において、このステップは、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に記載されているように実行される。
【0101】
ステップ312において、ステップ310からの補正されたデータが格納される。図8の整合フィルタでは、補正されたデータはサンプル・レジスタ190に格納される。
【0102】
ステップ314において、テストするコード位相仮説が選ばれる。図8の整合フィルタでは、このステップは、あるPNコードの繰り返し周期において、可能性のあるコード位相仮説のそれぞれを通して連続的かつ循環的にシフトするPNコード・レジスタ192の動作において暗黙的に行われる。実施の一形態において、それは2046の半チップ刻みの増分を備えている。
【0103】
ステップ318(図11B)において、ステップ304で選択され格納されたPNコード仮説が、ステップ314で選択されたコード位相仮説から導き出される量だけ、循環的にシフトする。図8の整合フィルタでは、選択されたコード位相仮説は半チップ刻みで0〜2045の範囲に及んでおり、ステップ318は、選択されたコード位相仮説から成る半チップ刻みの数だけ、PNコード仮説を循環的にシフトすることによって実装される。
【0104】
ステップ320において、ステップ318からのシフトされたPNコードと、ステップ310からの補正されたサンプル・サブ・フレームとの積が取得される。実施の一形態では、このステップは、I成分についての積の和であるSIと、Q成分についての積の和であるSQを形成することを含む。実施の一形態では、SIおよびSQは、前述した方程式(3)及び(4)に従って導き出される。図8の整合フィルタでは、このステップは積和回路194によって実行される。
【0105】
ステップ322において、ステップ320からのSI及びSQの二乗和の平方根が、前述した方程式(5)に従って決定される。図8の整合フィルタでは、このステップは二乗和平方根回路198によって実行される。
【0106】
ステップ324において、ステップ322で決定された値が、ステップ302の対象であるフレームの以前のサブ・フレームに対して同一の仮説から導き出された同様な値に加算され、その結合結果が格納される。図8の整合フィルタでは、このステップはRAM200と組合された加算器202によって実行され、結合された値はRAM200に保持される。
【0107】
ステップ326において、選択されたPNコード仮説及びドップラーシフト仮説に対してテストされるべきコード位相仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ314に戻り、ここから新たなコード位相仮説に対してプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ328(図11C)が実行される。図8の整合フィルタにおいて、このステップはPNコード・レジスタ192の動作において暗黙的に行われる。PNコード・レジスタ192は、所定のPNコード仮説及びドップラーシフト仮説に対してテストされるべき2046のコード位相仮説を通して連続的にシフトする。
【0108】
ステップ328(図11C)において、選択されたPNコード仮説に対してテストされるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ308に戻り、ここから新たなドップラーシフト仮説に対してプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ330が実行される。図8の整合フィルタにおいて、このステップはドップラーシフト生成器184の動作において暗黙的に行われる。ドップラーシフト生成器184は、所定のPNコード仮説に対して複数のドップラーシフト仮説を循環する。実施の一形態では、所定のPNコード仮説に対してテストされるドップラーシフト仮説は±62,000Hzの範囲に及ぶ。
【0109】
ステップ330において、ステップ302の対象であるフレームについて、更に分析すべきサブ・フレームがこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ306に戻り、ここから新たなサブ・フレームを用いてプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、プロセスは終了する。実施の一形態において、図11A〜図11Cに示される方法は、その後もテストされるべきPNコード仮説のそれぞれに対して繰り返される。実施の一形態において、このタスクの協調はGPS処理装置84(図4)によって実行される。
【0110】
8.累積的な相関データを更新する方法に係る第1の実施の形態
次に、データを結合するための適切な方法に議論を進める。図12に、本発明による、新たなセグメントから導き出された相関データを用いて、累積的な相関データを更新する方法の実施の形態を示す。ステップ350において、累積的な相関データのうち、更新されるべき部分が取得される。実施の一形態では、この部分は、特定のPNコード仮説およびドップラーシフト仮説の組合せに対応する累積的な相関データである。
【0111】
ステップ352において、追加的な相関データ、即ち、新たなセグメントから導き出された相関データの対応する部分が取得される。実施の一形態では、この追加的な相関データのこの部分は、特定のPNコード仮説およびドップラーシフト仮説の組合せに対応している。
【0112】
ステップ354において、上記の2つの部分の間のコード位相差ΔCPが決定される。実施の一形態において、この値は、2つの部分に対応するドップラーシフト仮説と、第1のサンプル・セグメントの開始と第2のサンプル・セグメントの開始との間の時間差から導き出される。実施の一形態において、ΔCPは前述した方程式(1)及び(2)に従って決定される。
【0113】
ステップ356において、ステップ352で取得された追加的な相関データの部分が、ステップ354で決定された2つの部分の間のコード位相差に応じて調整される。実施の一形態において、このステップは、ステップ354で決定されたコード位相差から導き出される量だけ、追加的な相関データの行を循環的にシフトすることを含む。実施の一形態において、ΔCPの値は前述した方程式(1)及び(2)を用いて算出され、シフト量 SHIFT は、次の方程式から導き出される。
【0114】
【数6】
【0115】
ステップ358において、ステップ350で取得された累積的な相関データの部分は、ステップ358で決定された調整されたデータを用いて更新される。実施の一形態において、このステップは、循環的にシフトされた追加的な相関データの行を、データ要素ごとに、累積的な相関データの対応する行に加算することを含む。
【0116】
ステップ360において、更新すべき累積的な相関データの他の部分があるか否かが判断される。もしあるならば、更新されるべき累積的な相関データの他の部分に対して、ステップ350からプロセスが繰り返される。もしなければ、参照符号362で識別するように、プロセスは終了する。
【0117】
9.累積的な相関データを更新する方法に係る第2の実施の形態
図13A〜図13Bに、追加的な相関データを用いて累積的な相関データを更新する方法の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、累積的な相関データおよび追加的な相関データは、各々が図5に示す形式とされている。
【0118】
ここでも、このプロセスは反復するものであり、このプロセスの各サイクルはステップ370から始まり、PNコード仮説が選択される。そして、ステップ372において、選択されたPNコード仮説に対する累積的な相関配列が取得され、ステップ374において、選択されたPNコード仮説に対する追加的な相関配列が取得される。
【0119】
ステップ376において、ドップラーシフト仮説が選択され、ステップ378(図13A)において、選択されたドップラーシフト仮説に対するコード位相差ΔCPが決定される。実施の一形態において、この値は前述した方程式(1)及び(2)に従って決定される。
【0120】
ステップ380において、ステップ374で取得された追加的な配列の対応する行が、ステップ378で決定されたコード位相差から導き出される量だけ循環的にシフトさせられる。実施の一形態において、この量は、前述した方程式(6)に従って決定される。
【0121】
そして、ステップ382において、ステップ380からのシフトした行は、データ要素ごとに、累積的な相関配列の対応する行に加算される。
【0122】
ステップ384(図13B)において、更新されるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしあるならば、ステップ376に戻り、ここからその更新されるべきドップラーシフト仮説のうちの1つに対して、プロセスが繰り返される。もしなければ、ステップ386が実行される。ステップ386において、更新されるべきPNコード仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしあるならば、ステップ370に戻り、ここからその更新されるべきPNコード仮説のうちの1つに対して、プロセスが繰り返される。もしなければ、参照符号388で識別されるように、プロセスは終了する。
【0123】
10.実装例
図4のサンプリング回路74、タイミング回路76、オフセット測定回路78および整合フィルタ82の機能を組み合わせた「マグナ(Magna)」というコードネームの整合フィルタ・チップは、本願の出願人(カルフォルニア州ニューポートビーチのコネクサント・システムズ社)により開発されている。図4のGPS処理装置84の機能を具現化した「スコーピオ(Scorpio)」(Part No.11577−11)というコードネームのプロセッサ・チップは、本願の出願人から入手することができる。実施の一形態において、その処理装置は、例えば連続的に多くのGPS衛星信号20(図1)を追跡するための追跡チャネルといった、GPSに特有の回路をさらに有している。通常、その処理装置は、外部バスを備えた少なくとも1つの内蔵マイクロプロセッサを含んでいる。1つの構成としては、その処理装置は、整合フィルタ・チップをメモリ・マップ方式の周辺装置として認識する。それは、整合フィルタ・チップへ命令を発行し、所定のコマンド・セットについての処理を完了した後に、その結果を読み出す。図4のGPS無線受信器72の機能を具現化した「ジェミニ/パイシーズ モノパック(Gemini/Pices Monopack)」(Part No.R6732−13)というコードネームのRF受信器チップは、本願の出願人から入手することができる。この実施形態に関する更なる説明は、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に開示されている。
【0124】
上記の具体例、実装例及び実施例は、整合フィルタの動作の適用を繰り返すことによって、相関配列の信号対雑音比(SNR)を改善する。上述したアプローチは以下のような多くの長所を有する。
【0125】
1.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、任意の時刻基準に順応することができる。これは、それらがGPSチップセット、セルラー及びPCSチップセット、及び標準的なマイクロプロセッサに適用可能であることを意味する。
【0126】
2.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、複数の不均一な受信器サンプルの取得長さを結合することが可能となる。これは、セルラーやPCSといった一体型のアプリケーションにおいて、極めて重要な意味を持つ。これらのアプリケーションでは、電話が送信していないときにGPSを受信することが望ましい。様々な電話標準規格においては、利用可能なアイドル・スロットの継続時間が互いに異なるため、時間間隔に対する順応性は重要である。
【0127】
3.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、複数のデータ取得期間の開始において任意のオフセットを許容することができる。この事も電話アプリケーションに対して最重要な事であるが、更に、この事は基礎的なGPSアプリケーションに対しても重要である。GPSアプリケーションにおいて、データ取得の開始時刻についての柔軟性は、受信されたサンプルにおいて、どの衛星に対しても、それらの相対的なコード位相に関わらず、同じデータ取得を行うことを可能にする。
【0128】
4.多数のデータ取得の結合は、SNRを徐々に増大させることができる。それぞれの追加分が加算された後に、相関配列を信号検出についてテストすることで、捕捉が成功するまでのプロセスを短縮することができる。
【0129】
5.プロセッサのRAM及び処理量が最小化される。これは、電話アプリケーションに対して重要な事である。電話アプリケーションでは、ベースバンド・デバイスのデジタル信号プロセッサ(DSP)およびプロトコル・スタック・プロセッサの稼動頻度が高く、RAMも制限されている。SNRが高い場合には、所定のPNコードに対して必要とされるRAMの全体が、整合フィルタ上に、あるいは整合フィルタ内に配置される。SNRを改善するためにデータの結合が必要とされる場合、検出されていない衛星のみについて、処理が必要とされる。さらに、電話システムにおいては、移動電話ネットワーク動作に本来的に備わっている情報を利用することによって、相関配列のサイズを、PNコード仮説及びドップラーシフト仮説毎に2046よりも少ないデータ要素にまで、削減することができる。
【0130】
6.ここでの議論はGPSに焦点を合わせたものだが、本発明は信号の検出のために相関法を利用する任意のシステムに適用することができる。これには、ほとんどのスペクトル拡散システムおよび一般的な信号検出器を含む。
【0131】
7.上記の実施例及び実装例は、様々な機能を実行するGPS処理装置を利用することについて説明しているが、上記の実施例は、一般的な処理装置を用いてこれらの機能を実行する場合についても適用可能であることを理解しなければならない。この事の開示を目的として、一般的な処理装置とは、その処理装置によってアクセス可能なメモリに格納された個別の命令の順列を実行することができるコンピュータ、DSP、ベースバンド・プロセッサ、マイクロプロセッサあるいはマイクロコンピュータを含む、任意のデバイスを意味するよう定義される。また、これらの機能を実行するためにアナログ回路が使用される場合についても、上記の実施例が適用可能であることも理解されなければならない。
【0132】
アプリケーションの様々な実施例が説明されているが、当業者には、本発明の範囲内において、更に多くの実施例及び実装例が可能であることが明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等の範囲に照らす以外には、その範囲を制限されない。
【0001】
(技術分野)
本発明は相関分析を用いた信号検出器に関する。より具体的には、時間的な隔たりがあり、場合によっては不均一な長さを有する複数のサンプル・セグメントを相関分析した結果を結合して、より大きな実効的信号対雑音比(SNR)を達成する相関分析に関する。
【0002】
(発明の背景)
グローバルポジショニングシステム(GPS)は、24基の軌道衛星の集まりである。各GPS衛星は、地球から約11,000マイル上空の軌道を周回する。正確な位置を決定するために、GPS受信器は、少なくとも3つの衛星を自動追跡する。各衛星は、独自の疑似雑音(PN)コードを用いて変調された信号を送信する。各PNコードは、1.023MHzのチップレートに合致する、ミリ秒ごとに繰り返される1023チップのシークエンスを備えている。各衛星は同じ周波数で送信する。民間用については、その周波数はL1として知られており、1575.42MHzである。GPS受信器は、受信器から見ることのできる衛星の送信信号の混合物である信号を受信する。受信器は、受信信号を特定の衛星のPNコードをシフトしたものと相関させることにより、その衛星の送信信号を検知する。
【0003】
特定のシフト及びPNコードについて達成された相関の水準が、ピークを有するほど十分に高い場合、受信器はその特定のPNコードに対応する衛星の送信信号を検知する。その後、受信器は、そのシフトされたPNコードを使用して、その衛星からのそれ以降の送信信号との同期を実現する。
【0004】
受信器は、衛星からの送信信号のコード位相を決定することにより、その衛星からの距離を決定する。コード位相(CP)は、衛星から受信器までのおよそ11,000マイルの距離を伝わる衛星の送信信号に生じる遅延であって、チップまたはチップの分数で表現される。ドップラーシフトの修正後、特定の衛星のPNコードをシフトしたものを受信信号と相関させることにより、受信器はその衛星のコード位相を決定する。衛星のコード位相は、受信信号との相関度合いを最大限にするシフトとして決定される。
【0005】
受信器は、衛星のコード位相を時間遅延に変換する。受信器は、その時間遅延に衛星からの送信信号の速度を掛けることにより、その衛星までの距離を決定する。受信器は、この情報を用いて、受信器が位置していなければならない衛星まわりの球面を規定する。その球面の半径は、受信器がコード位相から決定した距離に等しい。受信器は、少なくとも3つの衛星に対してこのプロセスを実行する。受信器は、規定された少なくとも3つの球面の交点から、自身の正確な位置を導き出す。
【0006】
ドップラーシフト(DS)は、見通線(LOS)に沿った衛星と受信器との間の相対的な移動によって引き起こされる衛星の送信信号における周波数のシフトである。VLOSをLOSに沿った衛星と受信器の間の相対的な移動速度とし、λを送信信号の波長とすると、その周波数のシフトはVLOS/λと等しいことを示すことができる。ドップラーシフトは、受信器と衛星がLOSに沿って互いに近づいている場合は正(Positive)となり、受信器と衛星がLOSに沿って互いに遠ざかっている場合は負(Negative)になる。
【0007】
ドップラーシフトは、認識される衛星の送信信号のコード位相を、その現実の値から改変している。従って、GPS受信器は、相関分析によって衛星のコード位相の決定を試みる前に、ドップラーシフトに対して衛星の送信信号を修正しなければならない。
【0008】
このような状況が図1で説明される。図1は、GPS受信器10と3つのGPS衛星12a、12bおよび12cを示している。各衛星12a、12b、12cはGPS受信器10に信号を送信している。衛星12aは速度Va +14でLOSに沿ってGPS受信器10に近づいている;衛星12bは速度Vb −16でLOSに沿ってGPS受信器10から遠ざかっている;そして、衛星12cは速度Vc −18でLOSに沿ってGPS受信器10から遠ざかっている。従って、キャリア波長をλと仮定すると、衛星12aからの送信信号には、Va +/λの正のドップラーシフトが生じ;衛星12bからの送信信号には、Vb −/λの負のドップラーシフトが生じ;衛星12cからの送信信号には、Vc −/λの負のドップラーシフトが生じる。
【0009】
GPS受信器は、受信信号20の限られた部分をサンプリングし、そのサンプルを処理することによって機能する。通常は、外的な制約によって、サンプリング期間のサイズと発生が制限される。例えば、GPS受信器と一体化した移動ワイヤレス電話の場合、サンプリング・ウィンドウは電話が発信していない期間に制限されるであろう。その目的は、衛星の送信器とGPS受信器10との間の干渉を回避することである。
【0010】
問題は、限られたサンプリング・ウィンドウを通しての受信信号20の信号対雑音比が、衛星送信器の存在及び距離を検知するためには十分ではない可能性があるということである。例えば、その信号は、特定の仮説の組についての相関値が、他の仮説を試験した結果である相関値より十分に大きい、ということが無いようなものなのかも知れない。
【0011】
さらに、異なる期間において取得された複数のサンプル・セグメントを結合することは困難である。なぜなら、それぞれのセグメントは互いに異なるコード位相となることを免れず、異なるコード位相はそれらのセグメントを結合する前に考慮されなければならないが、これらのコード位相は未知だからである。受信信号20についての信号対雑音比を向上する取り組みにおいて、先行技術の受信器では、受信信号20が弱い間は動作を見送るか、あるいは外的な制約によって課せられた制限を越えてサンプリング期間を拡張することが要求される。ある適用例、例えば移動ワイヤレス電話と一体化したGPS受信器10の場合には、受信信号20が電話の送信器からの受け入れがたい妨害(干渉)にさらされるため、サンプリング・ウィンドウの拡張は通常実現可能ではない。このような適用例では、受信信号20が弱い場合にはGPS受信器の動作を見送ることが、現実的な取り組みとなる。このような事態は、GPS衛星の送信信号が伝搬するおよそ11,000マイルの距離を理由として、および他の衛星の送信信号に代表される特定の衛星に対するノイズを理由として、頻繁に生じる。
【0012】
従って、先行技術の欠点を克服する信号検出器が必要とされている。同様に、先行技術の欠点を克服するGPS受信器10が必要とされている。
【0013】
(発明の要旨)
ここに広範に記述した本発明の目的に従って、不均一な長さを有しており、互いに相違しかつ重複しない期間に取得された、受信信号の複数のサンプル・セグメントについて、相関分析を行った結果を結合するように構成された信号検出器が提供される。実施の一形態では、それらのセグメントは、任意の時刻で、任意の長さのサンプリング・ウィンドウの中で取得され、信号対雑音比の閾値に達するまで、それらのセグメントを処理した結果が連続的に結合される。
【0014】
実施の一形態においては、信号検出器はGPS受信器の一部である。この実施の形態では、GPS受信器が無線周波数(RF)受信器、サンプリング回路、タイミング回路、オフセット測定回路、PNコード生成器、整合フィルタおよびGPS処理装置を含む。RF受信器は、ベースバンド信号を取得するため受信信号を復調する。サンプリング回路は、タイミング回路によって生産されたタイミング信号に応じて、規定されたサンプリング・ウィンドウを通した、ベースバンド信号のサンプル・セグメントを提供する。整合フィルタは、PNコード、ドップラーシフトおよびコード位相についての複数の仮説に従って、サンプル・セグメントを処理する。
【0015】
実施の一形態では、各サンプル・セグメントに対して、整合フィルタが、PNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説の様々な組合せを、そのサンプル・セグメントと相関させることにより導き出された相関データを出力する。この実施の形態によれば、相関データを、特定の仮説の様々な組合せおよび仮説の範囲に対応したグループにグループ分けすることができる。一実施例では、相関データが複数の配列を含んでおり、各配列がPNコード仮説に対応し、配列の各行がドップラーシフト仮説に対応し、配列の各列がコード位相仮説に対応し、配列中の各エントリーがそのエントリーに対応するPNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説の組合せとサンプルとの相関の度合いの測定値となる。
【0016】
PNコード生成器は、整合フィルタに入力として供給されるPNコード仮説を生成する。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説が、整合フィルタ内で内部的に生成される。GPS処理装置はサンプリング回路と整合フィルタにデータ取得コマンドを発行し、サンプリング回路にサンプル・セグメントを取得するように指示し、整合フィルタにそのサンプル・セグメントを処理するように指示する。GPS処理装置はさらに、GPS無線受信器によってローカルに生成されたタイミング信号に応答して、オフセット測定回路へ入力されるフレーム・マークを生成する。オフセット測定回路は、データ取得コマンドがGPS処理装置によって発行されたタイミングとその直後のフレーム・マークのタイミングとの間のオフセットを決定する。この情報はGPS処理装置に提供され、複数の異なるサンプル・セグメントを処理した結果を結合する際に使用される。
【0017】
実施の一形態では、累積的な相関データが保持される。新たなサンプル・セグメントに対する相関データが得られると、その新たな相関データは累積的な相関データに結合される。この実施の形態によれば、GPS処理装置は、信号対雑音比の閾値に達するまで、特定の衛星に対する相関データを累積する。実施の一形態では、衛星の存在および距離を決定することができるまで、特定の衛星に対する累積的な相関データが保持される。
【0018】
現実のコード位相が未知であっても、異なるサンプル・セグメントに対する相関データは、セグメント間で異なるコード位相を考慮することができるアルゴリズムを使用して、結合される。実施の一形態、すなわち所定のサンプル・セグメントに対する相関データが複数の配列を備えており、各配列が特定のPNコード仮説に対応しており、配列の各行が特定のドップラーシフト仮説に対応している実施の一形態では、累積的な相関配列は第1のセグメントに対する相関配列を用いて初期化される。その後、第2のセグメントに対する相関配列は、その累積的な相関配列と、一度に1つの配列ずつ結合される。この際に、配列の内部においては、一度に1つの行ずつ結合される。プロセスはその後も継続して、特定の衛星(PNコード)について、その衛星の存在および距離が正確に検知されると、停止する。
【0019】
ある行に対応するコード位相差は、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間の総合的な時間オフセットと、その行に対応するドップラーシフト仮説から導き出される。
【0020】
実施の一形態において、コード位相差は次の方程式から決定することができる。
【0021】
ΔCP=[(FPN+D)×ΔT] modulo 1mS
【0022】
ここで、ΔCPはコード位相差、FPNは1.023MHzの公称PNレート、Dはその配列に対応するドップラーシフト仮説、ΔTは第1セグメントのサンプリング期間の開始と第2セグメントのサンプリング期間の開始との間の時間オフセットである。1mSの値はPNコードの周期である。PNコードは周期的であるため、関心のあるコード位相差はコード周期の分数部分である。これは、1mSを法とする動作を通して、前述する方程式に反映される。
【0023】
この実施の形態において、第1および第2のセグメントは、それぞれ少なくともあるフレームに掛かっており、フレーム・マークからオフセットした時点で開始する。第1及び第2のセグメントについてのオフセットOS1及びOS2は、それぞれオフセット測定回路により決定される。実施の形態例によれば、それらのオフセットを使用して前述した方程式中のΔTが以下のように決定される。
【0024】
ΔT=(Tn−T2+OS1−OS2)×S
【0025】
この後者の方程式では、Tnは第2のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS2が規定される。同様に、T2は第1のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS1が規定される。変数Sは、GPS衛星で規定されている時刻基準に対する、GPS受信器のローカルな水晶発振器によって生成されたローカルな時刻基準の誤差である。GPS受信器は、この誤差を決定して上記の方程式の中で修正する。
【0026】
その後、このコード位相差は相関配列について行を結合するために使用される。実施の形態において、第2のセグメントに対する相関データの行が、このコード位相差の分だけ循環的にシフトさせられる。その後、そのシフトさせられた行は、累積的な相関データの対応する行に対して、一度に1つのデータ要素ごとに、加算される。その後、このプロセスは、第2のセグメントの各配列の各行について繰り返される。その結果として、第1と第2のセグメントの結果を結合した、複数の累積的な相関配列が得られる。
【0027】
上記の手法によって、追加的なセグメントに対する相関配列が、累積的な相関配列に結合される。所定の衛星に対して、信号対雑音比がその衛星の存在および距離を正確に決定するのに十分なものとなるまで、複数のセグメントを結合する上記のプロセスは継続する。
【0028】
関連する動作方法およびコンピュータ読取り可能な媒体についても提供される。
【0029】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
1.信号検出器の概観
本発明の実施の形態に係わる信号検出器の一例を示したブロック図を図2に示す。図示されるように、信号検出器は信号の複数のセグメントを受信するように構成された受信器30を備える。それらのセグメントは不均一な長さのものであってもよいし、バラバラに任意の期間だけ隔てられたものであってもよい。その信号は、雑音によって乱された関心のある信号を備えていてもよい。あるいは、スペクトル拡散環境によって、その信号は、それぞれが複数の疑似雑音(PN)コードの1つを用いてエンコードされた、多くの関心のある信号の組合せを備えていてもよい。この場合、特定の関心のある信号に対して、他の信号は雑音のように見える。
【0030】
仮説生成器32は、関心のある信号に関する複数の仮説を生成する。相関器34は、仮説生成器32から複数の仮説を受信し、および受信器30によって受信されたセグメントを受信し、それに応じて、受信セグメントと生成された複数の仮説との間の相関を表す相関データを生成する。
【0031】
相関データは結合器36に供給される。結合器36は、その相関データを、受信器30によって受信されたそれ以前のセグメントに対して累積された累積的な相関データに結合する。実施の一形態においては、結合器36はまず、相関データが累積的な相関データと結合可能となるように、その相関データについて調整を行う。それらのデータが結合されると、結合器36は、累積的な相関データが関心のある信号のパラメータを検出するのに十分なものであるか否かを決定する。もし、十分であるならば、関心のある信号のパラメータの検出を伝える出力が信号回線38に供給される。もし、十分でないならば、追加的なセグメントの要求を知らせる信号が信号回線40を介して受信器に供給される。随意的に、上述の処理は、関心のある信号のパラメータが検出されるまで(あるいは、タイム・アウトの条件が検出されるまで)、繰り返し行われる。
【0032】
図3に本発明に係わる信号検出器の動作方法の実施の形態の一例を示すフローチャートを示す。図に示すように、処理はステップ50から開始され、前述したタイプのセグメントが受信される。そして、ステップ52において、試験を行うために複数の仮説が生成される。ステップ54において、受信されたサンプルと生成された仮説との間の相関の水準を測定した相関データを導き出す。
【0033】
ステップ56において、ステップ54からの相関データは、それ以前のセグメントについて行われた相関分析から存在しているであろう累積的な相関データと結合される。実施の一形態においては、ステップ54からの相関データは、累積的な相関データと結合可能となるように、初めに調整や修正がなされる。もし、そのようなデータが存在していなければ、累積的相関データは、ステップ54において導き出された相関データを用いて初期化される。
【0034】
ステップ58において、累積的相関データが、関心のある信号の所望のパラメータについての正確で信頼性のある検出を可能にするものであるか否かについて決定が下される。もし、可能であるならば、処理を終了する。もし、可能でないならば、ステップ50へ戻り、新たなセグメントについて上述した処理を繰り返す。随意的に、上述の処理は、関心のある信号の所望のパラメータが検出されるまで(あるいはタイムアウト条件が発生するまで)、繰り返し行われる。
【0035】
前述の信号検出器は、GPS受信器70の中でのように、様々なアプリケーションにおいて有益に使用することができると考えられる。図4に、本発明に係わるGPS受信器70の実施の一形態を示す。図に示すように、受信器70は無線周波数(RF)受信器72、サンプリング回路74、タイミング回路76、オフセット測定回路78、PNコード生成器80、整合フィルタ82およびGPS処理装置84を有する。
【0036】
RF受信器セクション72は、受信信号を復調して、ベースバンド信号を取得する。ベースバンド信号は、信号回線86を介してサンプリング回路74に提供される。サンプリング回路74は、タイミング回路76によって生成されたタイミング信号に応答して、規定されたサンプリング・ウィンドウを通して得られたベースバンド信号のサンプル・セグメントを提供する。サンプル・セグメントは、信号回線88を介して整合フィルタ82に供給される。整合フィルタ82は、そのサンプル・セグメントを、複数のPNコード、ドップラーシフトおよびコード位相の仮説に基づいて処理する。
【0037】
図5に示すように、1つの実施例では、各サンプル・セグメントについて、整合フィルタが、そのサンプル・セグメントから導き出したデータについての複数の相関配列110、112、114を出力する。この実施例によれば、各配列110、112、114は、PNコード仮説PN1,PN2,・・・,PNrに対応する。配列110、112、114の各行は、ドップラーシフト仮説DS1,DS2,・・・,DSmに対応する。配列110、112、114の各列は、コード位相仮説CP1,CP2,・・・,CPnに対応する。配列110、112、114中の各エントリーは、そのエントリーに対応するPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説の組合せが、サンプルと相関する度合いの測定値である。従って、図5において、相関配列110はPNコード仮説PN1に対応し;相関配列112はPNコード仮説PN2に対応し;相関配列114はPNコード仮説PNrに対応する。
【0038】
図4に戻り、PNコード生成器80は、PNコード仮説を生成する。PNコード仮説は、信号回線90を介して整合フィルタ82に入力として供給される。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説は、整合フィルタ内で内部的に生成される。GPS処理装置84は、信号回線92を介してサンプリング回路74と整合フィルタ82にデータ取得コマンドを発行し、サンプリング回路74にサンプル・セグメントを取得するように指示し、整合フィルタ82にそのサンプル・セグメントを処理するように指示する。GPS処理装置84はさらに、GPS無線受信器72によってローカルに生成され、信号回線94を介して受信したタイミング信号に応答して、フレーム・マークを生成する。フレーム・マークは、信号回線96を介してオフセット測定回路78へ入力される。1つの実施形態として、RF受信器72によって生成されるタイミング信号は、RF受信器内の局部発振器によって生成される。また、1つの実施形態として、そのタイミング信号が、GPS衛星によって維持される時刻基準に対するローカルな時刻基準を規定する。
【0039】
2.相関処理
オフセット測定回路78は、データ取得コマンドがGPS処理装置によって発行される時刻と、その直後のフレーム・マークの時刻との間のオフセットを決定する。この情報は、GPS処理装置84に供給されて、以下に記述されるやり方で、複数の異なるサンプル・セグメントを処理した結果を結合する際に使用される。
【0040】
実施の一形態では、あるセグメントに対する相関配列はPNコード仮説に関してグループ分けされ、所定のPNコード仮説に対する相関配列はドップラーシフト仮説に関してグループ分けされる。その結果、それぞれのグループは、PNコード仮説とドップラーシフト仮説の特定の組合せに対応する。この実施の形態では、相関配列は一度に1つのグループずつ結合される。この実施の形態によれば、GPS処理装置303は信号回線98を介してこれらのグループを受け取り、追加的なセグメントが取得されるにつれて、累積的にこれらの相関配列を結合する。特定の衛星について、信号対雑音比の閾値に達するまで、その衛星に対する上記の結合処理は継続する。実施の一形態においては、ある衛星の存在及び距離を正確に決定することができるまで、その衛星に対応する相関配列が結合される。通常は、特定の仮説の組に対する相関データが、それ以外の仮説に対する相関データよりも十分に大きい場合に、このようなことが生じる。
【0041】
複数の異なるサンプル・セグメントから導き出した相関配列は、たとえ現実のコード位相が未知であっても、セグメント間でのコード位相の相違を考慮したアルゴリズムを用いて結合される。実施の一形態では、複数の累積的な相関配列が保持される。それらの累積的な相関配列は、最初に第1のサンプル・セグメントから導き出された相関配列に等しく設定される。その後、第2のサンプル・セグメントに対する相関配列が、その累積的な相関配列に、一度に1行ずつ結合される。この実施の形態によれば、ある行に対応するコード位相差は、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間の総合的な時間オフセットと、その行に対応するドップラーシフト仮説から、導き出される。その後、第2のセグメントについてその行の循環的なシフトが実行される。そのシフト量は、すでに特定されたコード位相差から導き出される。その後、シフトされた行のエントリーが、累積的な配列の対応する行の対応するエントリーに加算される。
【0042】
その後、前述した結合処理は、第2のセグメントの相関配列にある追加的なデータに対して繰り返される。1つの実施の形態では、上記の処理は、第2のセグメントに対する相関データの中に保持されている各配列の各行に対して繰り返される。さらに、第2のセグメントに対するデータを使い果たすと、上記の手法によって、追加的なセグメントに対するデータがその累積的な配列に結合される。これは、所定の衛星に対して、信号対雑音比がその衛星の存在と距離を正確に決定するのに十分なものとなるまで続く。
【0043】
この状況は図6に示される。参照符号120は、保持されている複数の累積的な相関配列のうちの1つの配列を識別している。識別されたその特定の配列は、PNコード仮説PNiに対応するものである。これらの配列は、最初に第1のサンプル・セグメントから導き出された相関配列に等しく設定されているものとする。参照符号122は、第2のサンプル・セグメントから導き出された複数の相関配列のうちの、対応する1つの配列を識別している。ここでも、この配列はPNコード仮説PNiに対応する。実施の一形態では、第1のサンプル・セグメントは第1の期間の間に取得されており、第2のサンプル・セグメントはその後の連続していない期間の間に取得されている。
【0044】
配列122からの行124は、図示された手法で、配列120からの行126に結合される。いずれの行も、同じドップラーシフト仮説DPiに対応するものとする。参照符号128による識別によって示されているように、行126が取得される。さらに、参照符号130による識別によって示されているように、行124が取得される。参照符号132による識別によって示されているように、第1のセグメントの開始と第2のセグメントの開始との間のコード位相差を規定するコード位相差ΔCPが決定される。その後、配列122から取得された行124は、ΔCPから導き出される量だけ、循環的にシフトさせられる。このことは参照符号134による識別によって示されている。シフトされた行の中のエントリーは、行126の中の対応するエントリーへ加算される。このことは参照符号136による識別によって示されている。その後、その結果は、行126に代えて、配列120の中に格納される。これは参照符号138による識別によって示されている。
【0045】
3.コード位相差の決定
実施の一形態において、コード位相差は次の方程式から決定することができる。
【0046】
【数1】
【0047】
ここで、ΔCPはコード位相差、FPNは1.023MHzの公称PNレート、Dはその行に対応するドップラーシフト仮説、ΔTは第1セグメントのサンプリング期間の開始と第2セグメントのサンプリング期間の開始との間の時間オフセットである。1mSの値はPNコードの周期である。PNコードは周期的であるため、関心のあるコード位相差はコード周期の分数部分である。これは、1mSを法とする動作を通して、前述する方程式に反映される。
【0048】
この実施の形態において、第1および第2のセグメントは、それぞれ少なくともあるフレームに掛かっており、フレーム・マークからオフセットした時点で開始する。第1及び第2のセグメントについてのオフセットOS1及びOS2は、それぞれオフセット測定回路78(図4)により決定される。実施の形態例によれば、それらのオフセットを使用して前述した方程式中のΔTが以下のように決定される。
【0049】
【数2】
【0050】
この後者の方程式では、Tnは第2のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS2が規定される。同様に、T2は第1のセグメントの開始時に生じたフレーム・マークのタイミングであり、そのタイミングからOS1が規定される。変数Sは、GPS衛星で規定されている時刻基準に対する、RF受信器72のローカルな水晶発振器によって生成されたローカルな時刻基準の誤差である。GPS受信器は、この誤差を決定して上記の方程式の中で修正する。
【0051】
図7にこの状況が図示されている。ローカル時刻基準150は、フレーム・マークT1,T2,・・・,Tnによって、複数のフレームに分割されている。実施の一形態において、1つのフレームの継続時間は20mSである。図中に参照符号152で示すように、フレーム・マークT1の発生が検出されると、参照符号154で示すように、GPS処理装置84(図4)はコマンドを発行して、第1のサンプル・セグメントを取得する。第1のサンプル・セグメントの取得は時刻156から開始する。第1のサンプル・セグメントそのものは、図中で参照符号158で示されている。図に示すように、第1のサンプル・セグメントは、少なくとも1つのフレームに掛かっているものとされる。オフセット測定回路78(図4)は、図中で参照符号160で示されている、その直後のフレーム・マークT2の発生を検出し、それに応答して、そのセグメントの取得を開始した時刻156と、そのフレーム・マークT2の時刻160との間のオフセットOS1を決定する。
【0052】
サンプル・セグメント158は、通常はGPS衛星群の中の多くからの送信信号の組合せを表現しており、それらは受信器で測定されるように互いに異なるコード位相を有している。特定の関心のある衛星に関して、そのセグメント158は、図中に参照符号162で示す、特定のコード位相CP1を有しているであろう。
【0053】
多くの追加的なフレーム・マークT3,・・・,Tn−1が発生した後に、GPS処理装置84(図4)は、もう一度コマンドを発行して、サンプル・セグメントを取得する。この第2のコマンドは図7に参照符号164で示されており、GPS処理装置84によってフレーム・マークTn−1の発生が検出された後に生じるものとされる。第2のセグメントの取得は、参照符号166で示されているが、時刻168から開始される。ここでも、第2のセグメントは、少なくとも1つのフレームに掛かっているものとされる。その直後のフレーム・マークTnは、時刻170で生じる。オフセット測定回路78は、第2のセグメントの開始168と、その直後のフレーム・マークTnの発生170との間のオフセットOS2を測定する。この第2のフレームは、特定の衛星に関して規定された特定のコード位相CP2を有するものとする。前述した方程式における時間ΔTは、第2のセグメントの開始168と、第1のセグメントの開始156との間の時間差である。前述した方程式における値ΔCPは、第1のセグメントに対するコード位相CP1と、第2のセグメントに対するコード位相CP2との間のコード位相差である。意義深いことに、たとえ潜在的なコード位相CP1およびCP2が未知であっても、この値は前述した方程式から決定することができる。
【0054】
4.整合フィルタの実施の形態
図8は、図4の整合フィルタ82の1つの実施の形態を示す。図4との対比において、図8でも同様な構成要素については、同様の参照符号によって参照されている。図示されるように、整合フィルタのこの実施の形態は、信号回線88を介してサンプリング回路74(図4)からサンプルを受信するように構成されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)180を備えている。実施の一形態において、フレームの継続時間は20mSであり、RAM180は一度に1つの20mSサンプル・フレームを受信するように構成されている。この実施の形態例によれば、それぞれの20mSサンプル・フレームは、40920のサンプルを備えており、公称サンプリング・レート20.46MHzでベースバンド信号をサンプリングした後に、デシメーション・フィルタリングを行うことによって取得される。
【0055】
さらに、ドップラーシフト補正回路182及びドップラーシフト生成器184が設けられている。RAM180は、一度に、そこに格納されたサンプル・フレームの少なくとも一部を、信号回線186を介してドップラーシフト補正回路182に提供するように構成されている。実施の一形態では、RAM180に格納されたサンプル・フレームは複数のサブ・フレームに分割されて、一度に1つのサブ・フレームがドップラーシフト補正回路182に提供される。実施の一形態において、サブ・フレームの継続時間はPNコードの周期と等しいものであり、それは現在のところ1mSに設定されている。この実施の形態において、それぞれのサンプル・サブ・フレームは2046のサンプルを備えており、各サンプルは同相成分Iと直交成分Q(これらは通常I+jQといった組合せで表現される)を有する複素数として表現される。この実施の形態によれば、各成分であるIもQも、2ビットで表現されており、離散値−1,0,あるいは+1の何れかの値をとることができる。
【0056】
ドップラーシフト生成器184は、一度に1つの仮説ずつ信号回線188を介してドップラーシフト補正回路182に提供される複数のドップラーシフト仮説を生成する。実施の一形態において、ドップラーシフト生成器184は、入力サンプリング処理において補正されていないローカルな時刻基準の不正確さを許容するために、±62,000Hzの範囲でドップラーシフト仮説を生成する。
【0057】
さらに、サンプル・レジスタ190も設けられている。ドップラーシフト補正回路182は、信号回線を介してRAM180からサンプル・サブ・フレームを受信し、ドップラーシフト生成器184からドップラーシフト仮説を受信する。そして、それらに応答して、ドップラーシフト補正回路182は、サンプル・レジスタ190に格納される補正後のサンプル・サブ・フレームを生成する。この手順に関するさらなる詳細は、参照することによってその全体を説明したかのように本明細書に組み込まれている、1998年9月1日に出願された、「DOPPLER CORRECTED SPREAD SPECTRUM MATCHED FILTER」という名称の、米国特許出願番号09/145,055に記載されている。実施の一形態において、補正された各サンプル・サブ・フレームは依然として2046の複素サンプルを備えており、それらの複素サンプルはそれぞれI成分とQ成分を有している。この実施の形態における各サンプルは、I成分とQ成分のそれぞれについて、3ビットで表現される離散値−2,−1,0,+1,+2の何れかの値をとることができる。
【0058】
PNコード・レジスタ192は、信号回線90を介してPNコード生成器80(図4)によって提供される現在のPNコード仮説を格納するために設けられている。実施の一形態では、各PNコード仮説が、あるPNコードの1周期を表現する。実施の一形態において、そのPNコード周期は1mSであり、各PNコード仮説は、1ms毎に繰り返す1023のチップを表現しており、1.023MHzのチップレートを表現している。この実施の形態例において、PNコード・レジスタは一度に1023のチップを格納するように構成されている。
【0059】
信号回線193によって示されるように、PNコード・レジスタは、コード位相遅延仮説に相当する量だけ循環的にシフト可能となっている。PNコードの周期が1023チップである前述してきた実施の形態において、コード位相遅延の値は半チップ刻みで0から2045の範囲に及ぶ可能性がある。PNコード・レジスタはこの実施の形態において、考慮されるコード位相遅延仮説に対応する任意の整数または分数のチップ分だけ、循環的にシフト可能に構成されている。
【0060】
さらに、積和回路194も設けられている。この回路は、サンプル・レジスタ190に格納された補正後のサンプル・サブ・フレームと、PNコード・レジスタ192に格納されたPNコード仮説との積についての積分を形成するように構成される。
【0061】
サンプル・レジスタ190に格納されたサンプル・サブ・フレームが2046のサンプルを備えており、それぞれがI成分およびQ成分を有しており、PNコード・レジスタ190に格納されたPNコード仮説が1023のチップを備えている上述の実施の形態において、サンプル・レジスタ190の中の2つのサンプルとPNコード・レジスタ192の中の1つのチップとの間に対応関係が存在する。2つのサンプルの其々のI成分とQ成分は、対応するPNチップと掛け合わされる。そして、I成分についての積の和が求められ、それとは別個にQ成分についての積の和が求められる。I成分についての積の和は信号回線195の出力であり、Q成分についての積の和は信号回線196の出力である。
【0062】
方程式の形式では、この実施の形態における積和回路194の機能は以下のように表わすことができる。
【0063】
【数3】
【0064】
【数4】
【0065】
ここで CHIPi はPNコード仮説中のi番目のチップであり、Ii 1は CHIPi に対応した2つのサンプルの1番目の方のI成分であり、Ii 2は CHIPi に対応した2つのサンプルの2番目の方のI成分であり、Qi 1は CHIPi に対応した2つのサンプルの1番目の方のQ成分であり、Qi 2は CHIPi に対応した2つのサンプルの2番目の方のQ成分である。
【0066】
さらに、二乗和平方根回路198、加算器202、及びRAM200が設けられている。二乗和平方根回路198は、I成分についての積の和(SI)及びQ成分についての積の和(SQ)を、それぞれ信号回線195及び196を介して受信し、これら2つの値の二乗和の平方根を求めるように構成されている。方程式の形式では、この回路は以下の値を計算する。
【0067】
【数5】
【0068】
考慮の対象であるサンプル・レジスタ190に格納されたサブ・フレームが、関心のあるフレームの最初のサブ・フレームである場合、前述した値は、考慮の対象となっているPNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応したRAM200の配列エントリーに格納される。図5に示すようにこれらの配列は同じ形式をしており、これらの配列は最終的に現在のPN仮説に対する相関配列になる。
【0069】
考慮の対象であるサンプル・レジスタ190に格納されたサブ・フレームが、関心のあるフレームの最初のサブ・フレームではない場合、考慮の対象となっているPNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応したエントリーには、RAM200に格納された以前のサブ・フレームから導き出された値が既に存在しているであろう。この場合、上記で求められたSSの値は、加算器202によって、それまでに格納された値と加算される。それまでに格納された値は、信号回線204を介して加算器202に提供される。そして、その結果は、それまでに格納された値に代わって、PNコード仮説、ドップラーシフト仮説、及びコード位相仮説の組合せに対応した配列エントリーに格納される。
【0070】
その後、次のコード位相仮説が選択されて、PNコード・レジスタ194は選択されたコード位相仮説に従って循環的にシフトする。そして、上記のプロセスが繰り返される。このプロセスは、テストしたいコード位相仮説のそれぞれに対して継続する。実施の一形態では、PNコードの繰り返し周期に対応して、1msサブ・フレームのそれぞれに対して2046のコード位相がテストされる。この実施の形態において、コード位相仮説は半チップ刻みで0から2045までの範囲にわたってテストされており、次のコード位相仮説は単にPNコード・レジスタ192を2分の1チップだけ循環的にシフトすることによって選択される。
【0071】
図8に示す整合フィルタは、RAM180に格納されたフレームの各サブ・フレームに対して、上述したタスクを実行するように構成されている。このプロセスが完了すると、RAM200には図5に示す形式の相関配列が存在することになる。これらの相関配列は信号回線98を介してGPS処理装置84(図4)に提供される。GPS処理装置84は、これらの相関配列と、上述のやり方で以前のセグメントから導き出された相関配列とを結合する。
【0072】
5.第1の実施の形態の動作
図9に本発明の全体的な動作の方法の第1の実施の形態を示す。図に示すように、プロセス220は反復するものであり、プロセス220の各サイクルはステップ222から始まる。ステップ222において、サンプル・セグメントが受信される。実施の一形態では、セグメントのサイズはサイクルごとに可変である。別の実施の形態では、セグメントのサイズは固定されている。実施の一形態において、セグメントのサイズは20mSである。
【0073】
ステップ224において、テストされるべきPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説が決定される。実施の一形態では、これらの仮説はサイクルごとに可変である。別の実施の形態では、これらの仮説は固定されている。実施の一形態では、既に検出に成功している衛星に対応して、テストされるべきPNコード仮説が決定される。ある衛星について以前に検出に成功している場合は、その衛星のPNコードは、テストされるべきPNコード仮説のセットから取り除かれる。同様に、テストされるべきドップラーシフト仮説のセットは、以前に検出された衛星のドップラーシフト値に基いて削減されるであろう。
【0074】
ステップ226において、ステップ224で決定されたテストされるべき仮説のセットに従って、サンプル・セグメントについての相関分析が実行される。その結果、サンプル・セグメントと、テストされた仮説の様々な組合せの間の相関の水準を測る相関データが得られる。実施の一形態において、相関データは方程式(3),(4)及び(5)を使用して計算される。
【0075】
ステップ228において、このデータは以前のセグメントから累積されている相関データと選択的に結合される。実施の一形態では、このステップが、現在のセグメントと以前のセグメントの間のコード位相差に対して調節することを含む。実施の一形態では、このステップが、決定されたコード位相差だけ少なくとも1つの行をシフトした後に、1行ずつ相関配列を結合することを含む。実施の一形態において、コード位相差は、上述した方程式(1)および(2)に従って計算される。
【0076】
ステップ230において、累積的なデータが衛星の存在および距離の検出を可能にするかどうか判断される。もし可能にするならば、ステップ232が実行されて、衛星の距離が決定される。実施の一形態では、このステップが、サンプルとの累積的な相関が最も高いコード位相仮説から距離を決定することを含む。もし可能にしないならば、ステップ222に戻り、新たなサンプル・セグメントを用いてプロセス220の処理を繰り返す。
【0077】
6.第2の実施の形態の動作
図10A〜図10Cに、本発明の全体的な動作の方法の第2の実施の形態を示す。ここでも、プロセス220’は反復するものであり、プロセス220’の各サイクルはステップ240から始まる。このプロセスによれば、エポックとして知られている、複数の一連の期間に分割された時刻基準が存在するものとされる。
【0078】
ステップ240において、エポックの開始が検出されるまで、プロセスはループする。実施の一形態では、ある1つのエポックはある1つのフレーム周期である。実施の一形態において、ある1つのエポックはある1つの20mSフレーム周期である。図7のタイミング図が対象とする実施の形態では、エポックはT0,T1,T2,・・・,Tn,Tn+1等によってマークされた期間である。図7で描かれたシナリオでは、参照符号152が、T1によって表わされる新たなエポックの開始を識別している。
【0079】
あるエポックの開始が検出されると、ステップ242が実行される。ステップ242において、受信器サンプルの格納は、その後のエポックが開始する前に始められる。図7で描かれたシナリオでは、T1での新たなエポックの開始によって、GPS処理装置84(図4)にデータ取得を開始するコマンドを発行させる割り込み処理が生成される。図7ではこのコマンドを参照符号154で識別している。そのコマンドは、その後のエポックが開始する前にデータの取得を始めるためのものである。図7では、その後のエポックは参照符号160で識別されており、T2によって表されている。図10A〜図10Bの方法に従って、受信器からのデータ・サンプルの取得は、その後のエポックが開始するよりも前である、参照符号156で識別された時点から開始される。
【0080】
データ・サンプルの取得が開始されると、カウンタがカウントを開始する。これは図10Aにおいて、ステップ242の後に実行されるステップ244によって表される。実施の一形態において、そのカウンタは図4のオフセット測定回路78の一部である。
【0081】
その後、ステップ246が実行される。ステップ246において、その後のエポックが検出されるまで、システムはループする。図7で描かれたシナリオでは、その後のエポックはT2であり、参照符号160で識別されている。その後のエポックが検出されると、ステップ248が実行される。
【0082】
ステップ248において、カウンタが停止し、カウンタの内容を用いて、データ取得の開始とその後のエポックの開始の間の時間オフセットOS1が導き出される。図7で描かれたシナリオでは、この値はCP1で表わされ、参照符号156で識別された時点でのデータ・セグメント158の取得の開始と、エポックT2の開始時点である参照符号160(図7)で識別された時点との間の時間的なオフセットである。
【0083】
その後、ステップ250が実行される。ステップ250において、データの取得が完了するまで、システムはループする。実施の一形態において、このデータ取得の完了は、割り込み処理の生成か、あるいはポーリング法によって、GPS処理装置84(図4)により検出される。図7で描かれたシナリオでは、データ・サンプル158(図7)の取得の完了は、識別符号172(図7)で識別されている。
【0084】
データ取得の完了に際して、ステップ252(図10B)が実行される。ステップ252において、OS1を規定する、カウンタの内容が保存され、取得されたデータ・サンプルと関連付けられる。実施の一形態において、GPS処理装置84(図4)は、オフセット測定回路78内に保持されたカウンタの内容を読み取り、この値をCP1として規定する。その後、GPS処理装置84はこの値を保存し、データ・サンプル158(図7)と関連付ける。
【0085】
その後、システムは、テストされるべきPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説との間の相関の度合いを記述する相関データを生成する。ステップ254において、テストされるべきPNコード仮説が選択され、ステップ256において、テストされるべきドップラーシフト仮説が選択される。実施の一形態では、選択されたPNコード仮説は、PNコード生成器80(図4)によって生成され、その後にPNコード・レジスタ192(図8)に格納される。加えて、ドップラーシフト仮説は、ドップラーシフト生成器184(図8)によって生成される。
【0086】
その後、ステップ258が実行される。ステップ258において、取得された受信器サンプルが、選択されたドップラーシフト仮説に対して補正される。実施の一形態では、受信器サンプルはRAM180(図8)に格納され、ドップラーシフト補正回路182は、一度に1つのサブ・フレームずつ、これらのサンプルを選択されたドップラーシフト仮説に対して補正する。尚、この実施形態に関する更なる説明は、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に開示されている。
【0087】
その後、ステップ260が実行される。ステップ260において、ステップ258からの調整されたデータと、選択されているPNコード仮説との間で、相互相関分析が実行される。このステップによれば、複数のコード位相仮説のそれぞれに対して、調整された受信器サンプルとPNコード仮説(選択されたコード位相仮説に従いシフトしている)との間の乗算結果の積分値が求められる。実施の一形態では、2046のコード位相仮説がテストされる。これらのコード位相仮説は、選択されたPNコード仮説を、半チップ刻みで0から2045の範囲に及ぶシフト値だけ循環的にシフトすることによって生成される。実施の一形態において、このステップは、一度に1つのサブ・フレームについて実行される。この実施の形態では、所定のPNコード仮説、ドップラーシフト仮説およびコード位相仮説に対する様々なサブ・フレームについての積分値を加算して、そのフレームについての積分値を取得する。実施の一形態では、このステップは整合フィルタ82(図4及び図8)によって実行される。実施の一形態において、このステップは、上述の方程式(3),(4)及び(5)に従って実行される。
【0088】
ステップ260が完了すると、ステップ262が実行される。ステップ262において、ステップ260で得られた相関データが、後述される手法によって、同一のPNコード仮説/ドップラーシフト仮説に対する以前の相関データと結合される。もちろん、これが所定のPNコード仮説/ドップラーシフト仮説に対して得られた最初の相関データのセットである場合には、これらの値は単に格納される。実施の一形態では、ステップ260の相互相関分析の完了は、割り込み処理か、あるいはポーリング法によって、GPS処理装置84(図4)により検出される。実施の一形態において、あるセグメントに対する相関データは、それ以前の相関データと、上述した方程式(1)および(2)を使用して結合される。
【0089】
ステップ264において、テストされるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ256に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ266が実行される。
【0090】
ステップ266において、テストされるべきPNコード仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ254に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ268(図10C)が実行される。
【0091】
ステップ268において、累積された結果と結合するために取得されるべきデータ・セグメントがこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ240(図10A)に戻り、ここからプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、プロセスは終了する。
【0092】
通常は、プロセスが反復するにつれて、各パスについてテストするPNコード仮説及びドップラーシフト仮説は減少するであろう。この削減は、いくつかのPNコード(衛星)が検出されたため、及び以前に検出された衛星のドップラーシフト値の観測結果に基いて、テストされなければならないドップラーシフトの不正確さの範囲が縮小されるために生じる。
【0093】
さらに、データ・サンプルの各セットに対して収集されたパラメータは変化することを認識すべきである。例えば、図7に関して、第1のパスはパラメータOS1、T2およびCP1に関係している。しかしながら、第2のパスはパラメータTn、OS2およびCP2に関係している。
【0094】
また、上記のデータ取得プロセスは固定された20mSのエポック又はセグメント長に限定されないことを認識すべきである。一般に、それは各パスにおいて可変長に調節することができる。実施の一形態では、それは各パスにおいて1mS刻みで1〜20mSの可変長に調節することができる。他の実施の形態において、単にRAM400のメモリ容量を増加させることにより、より長い期間を扱うことができる。
【0095】
図10A〜図10Cのプロセス220’の完了に際して、実施の一形態では、GPS処理装置84(図4)は、そのメモリ内に複数の相関配列を格納しており、ここで各配列は特定のPNコード仮説に対応しており、配列の各行は特定のドップラーシフト仮説に対応している。各配列は、サンプルの多数のセットから導き出された結合結果を表わしている。
【0096】
7.整合フィルタの動作
図11A〜図11Cに、本発明に係る整合フィルタの動作の方法300を示す。ステップ302において、サンプル・フレームが格納される。図8の整合フィルタでは、そのサンプル・フレームはRAM180に格納される。
【0097】
ステップ304において、テストするPNコード仮説が選ばれ、循環シフト・レジスタに格納される。図8の整合フィルタでは、そのPNコード仮説はPNコード・レジスタ192に格納される。
【0098】
ステップ306において、ステップ302で格納されたサンプル・フレームのサブ・フレームが選択される。
【0099】
ステップ308において、テストするドップラーシフト仮説が選択される。図8の整合フィルタでは、このステップは、ユーザーによって課された制約あるいは限界に応じてドップラーシフト仮説を連続的に生成するドップラーシフト生成器184によって、暗黙のうちに実行される。実施の一形態では、ドップラーシフト仮説は±62,000Hzの範囲に及ぶ。
【0100】
ステップ310において、ステップ306で選択されたサブ・フレームが、ステップ308で選択されたドップラーシフト仮説に対して補正される。図8の整合フィルタでは、このステップはドップラーシフト補正回路182によって実行される。実施の一形態において、このステップは、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に記載されているように実行される。
【0101】
ステップ312において、ステップ310からの補正されたデータが格納される。図8の整合フィルタでは、補正されたデータはサンプル・レジスタ190に格納される。
【0102】
ステップ314において、テストするコード位相仮説が選ばれる。図8の整合フィルタでは、このステップは、あるPNコードの繰り返し周期において、可能性のあるコード位相仮説のそれぞれを通して連続的かつ循環的にシフトするPNコード・レジスタ192の動作において暗黙的に行われる。実施の一形態において、それは2046の半チップ刻みの増分を備えている。
【0103】
ステップ318(図11B)において、ステップ304で選択され格納されたPNコード仮説が、ステップ314で選択されたコード位相仮説から導き出される量だけ、循環的にシフトする。図8の整合フィルタでは、選択されたコード位相仮説は半チップ刻みで0〜2045の範囲に及んでおり、ステップ318は、選択されたコード位相仮説から成る半チップ刻みの数だけ、PNコード仮説を循環的にシフトすることによって実装される。
【0104】
ステップ320において、ステップ318からのシフトされたPNコードと、ステップ310からの補正されたサンプル・サブ・フレームとの積が取得される。実施の一形態では、このステップは、I成分についての積の和であるSIと、Q成分についての積の和であるSQを形成することを含む。実施の一形態では、SIおよびSQは、前述した方程式(3)及び(4)に従って導き出される。図8の整合フィルタでは、このステップは積和回路194によって実行される。
【0105】
ステップ322において、ステップ320からのSI及びSQの二乗和の平方根が、前述した方程式(5)に従って決定される。図8の整合フィルタでは、このステップは二乗和平方根回路198によって実行される。
【0106】
ステップ324において、ステップ322で決定された値が、ステップ302の対象であるフレームの以前のサブ・フレームに対して同一の仮説から導き出された同様な値に加算され、その結合結果が格納される。図8の整合フィルタでは、このステップはRAM200と組合された加算器202によって実行され、結合された値はRAM200に保持される。
【0107】
ステップ326において、選択されたPNコード仮説及びドップラーシフト仮説に対してテストされるべきコード位相仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ314に戻り、ここから新たなコード位相仮説に対してプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ328(図11C)が実行される。図8の整合フィルタにおいて、このステップはPNコード・レジスタ192の動作において暗黙的に行われる。PNコード・レジスタ192は、所定のPNコード仮説及びドップラーシフト仮説に対してテストされるべき2046のコード位相仮説を通して連続的にシフトする。
【0108】
ステップ328(図11C)において、選択されたPNコード仮説に対してテストされるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ308に戻り、ここから新たなドップラーシフト仮説に対してプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、ステップ330が実行される。図8の整合フィルタにおいて、このステップはドップラーシフト生成器184の動作において暗黙的に行われる。ドップラーシフト生成器184は、所定のPNコード仮説に対して複数のドップラーシフト仮説を循環する。実施の一形態では、所定のPNコード仮説に対してテストされるドップラーシフト仮説は±62,000Hzの範囲に及ぶ。
【0109】
ステップ330において、ステップ302の対象であるフレームについて、更に分析すべきサブ・フレームがこれ以上あるか否かが判断される。もしそうであれば、ステップ306に戻り、ここから新たなサブ・フレームを用いてプロセスが繰り返される。もしそうでなければ、プロセスは終了する。実施の一形態において、図11A〜図11Cに示される方法は、その後もテストされるべきPNコード仮説のそれぞれに対して繰り返される。実施の一形態において、このタスクの協調はGPS処理装置84(図4)によって実行される。
【0110】
8.累積的な相関データを更新する方法に係る第1の実施の形態
次に、データを結合するための適切な方法に議論を進める。図12に、本発明による、新たなセグメントから導き出された相関データを用いて、累積的な相関データを更新する方法の実施の形態を示す。ステップ350において、累積的な相関データのうち、更新されるべき部分が取得される。実施の一形態では、この部分は、特定のPNコード仮説およびドップラーシフト仮説の組合せに対応する累積的な相関データである。
【0111】
ステップ352において、追加的な相関データ、即ち、新たなセグメントから導き出された相関データの対応する部分が取得される。実施の一形態では、この追加的な相関データのこの部分は、特定のPNコード仮説およびドップラーシフト仮説の組合せに対応している。
【0112】
ステップ354において、上記の2つの部分の間のコード位相差ΔCPが決定される。実施の一形態において、この値は、2つの部分に対応するドップラーシフト仮説と、第1のサンプル・セグメントの開始と第2のサンプル・セグメントの開始との間の時間差から導き出される。実施の一形態において、ΔCPは前述した方程式(1)及び(2)に従って決定される。
【0113】
ステップ356において、ステップ352で取得された追加的な相関データの部分が、ステップ354で決定された2つの部分の間のコード位相差に応じて調整される。実施の一形態において、このステップは、ステップ354で決定されたコード位相差から導き出される量だけ、追加的な相関データの行を循環的にシフトすることを含む。実施の一形態において、ΔCPの値は前述した方程式(1)及び(2)を用いて算出され、シフト量 SHIFT は、次の方程式から導き出される。
【0114】
【数6】
【0115】
ステップ358において、ステップ350で取得された累積的な相関データの部分は、ステップ358で決定された調整されたデータを用いて更新される。実施の一形態において、このステップは、循環的にシフトされた追加的な相関データの行を、データ要素ごとに、累積的な相関データの対応する行に加算することを含む。
【0116】
ステップ360において、更新すべき累積的な相関データの他の部分があるか否かが判断される。もしあるならば、更新されるべき累積的な相関データの他の部分に対して、ステップ350からプロセスが繰り返される。もしなければ、参照符号362で識別するように、プロセスは終了する。
【0117】
9.累積的な相関データを更新する方法に係る第2の実施の形態
図13A〜図13Bに、追加的な相関データを用いて累積的な相関データを更新する方法の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、累積的な相関データおよび追加的な相関データは、各々が図5に示す形式とされている。
【0118】
ここでも、このプロセスは反復するものであり、このプロセスの各サイクルはステップ370から始まり、PNコード仮説が選択される。そして、ステップ372において、選択されたPNコード仮説に対する累積的な相関配列が取得され、ステップ374において、選択されたPNコード仮説に対する追加的な相関配列が取得される。
【0119】
ステップ376において、ドップラーシフト仮説が選択され、ステップ378(図13A)において、選択されたドップラーシフト仮説に対するコード位相差ΔCPが決定される。実施の一形態において、この値は前述した方程式(1)及び(2)に従って決定される。
【0120】
ステップ380において、ステップ374で取得された追加的な配列の対応する行が、ステップ378で決定されたコード位相差から導き出される量だけ循環的にシフトさせられる。実施の一形態において、この量は、前述した方程式(6)に従って決定される。
【0121】
そして、ステップ382において、ステップ380からのシフトした行は、データ要素ごとに、累積的な相関配列の対応する行に加算される。
【0122】
ステップ384(図13B)において、更新されるべきドップラーシフト仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしあるならば、ステップ376に戻り、ここからその更新されるべきドップラーシフト仮説のうちの1つに対して、プロセスが繰り返される。もしなければ、ステップ386が実行される。ステップ386において、更新されるべきPNコード仮説がこれ以上あるか否かが判断される。もしあるならば、ステップ370に戻り、ここからその更新されるべきPNコード仮説のうちの1つに対して、プロセスが繰り返される。もしなければ、参照符号388で識別されるように、プロセスは終了する。
【0123】
10.実装例
図4のサンプリング回路74、タイミング回路76、オフセット測定回路78および整合フィルタ82の機能を組み合わせた「マグナ(Magna)」というコードネームの整合フィルタ・チップは、本願の出願人(カルフォルニア州ニューポートビーチのコネクサント・システムズ社)により開発されている。図4のGPS処理装置84の機能を具現化した「スコーピオ(Scorpio)」(Part No.11577−11)というコードネームのプロセッサ・チップは、本願の出願人から入手することができる。実施の一形態において、その処理装置は、例えば連続的に多くのGPS衛星信号20(図1)を追跡するための追跡チャネルといった、GPSに特有の回路をさらに有している。通常、その処理装置は、外部バスを備えた少なくとも1つの内蔵マイクロプロセッサを含んでいる。1つの構成としては、その処理装置は、整合フィルタ・チップをメモリ・マップ方式の周辺装置として認識する。それは、整合フィルタ・チップへ命令を発行し、所定のコマンド・セットについての処理を完了した後に、その結果を読み出す。図4のGPS無線受信器72の機能を具現化した「ジェミニ/パイシーズ モノパック(Gemini/Pices Monopack)」(Part No.R6732−13)というコードネームのRF受信器チップは、本願の出願人から入手することができる。この実施形態に関する更なる説明は、参照することによって本明細書に組み込まれている、前述した米国特許出願番号09/145,055に開示されている。
【0124】
上記の具体例、実装例及び実施例は、整合フィルタの動作の適用を繰り返すことによって、相関配列の信号対雑音比(SNR)を改善する。上述したアプローチは以下のような多くの長所を有する。
【0125】
1.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、任意の時刻基準に順応することができる。これは、それらがGPSチップセット、セルラー及びPCSチップセット、及び標準的なマイクロプロセッサに適用可能であることを意味する。
【0126】
2.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、複数の不均一な受信器サンプルの取得長さを結合することが可能となる。これは、セルラーやPCSといった一体型のアプリケーションにおいて、極めて重要な意味を持つ。これらのアプリケーションでは、電話が送信していないときにGPSを受信することが望ましい。様々な電話標準規格においては、利用可能なアイドル・スロットの継続時間が互いに異なるため、時間間隔に対する順応性は重要である。
【0127】
3.上記の具体例、実装例及び実施例によれば、複数のデータ取得期間の開始において任意のオフセットを許容することができる。この事も電話アプリケーションに対して最重要な事であるが、更に、この事は基礎的なGPSアプリケーションに対しても重要である。GPSアプリケーションにおいて、データ取得の開始時刻についての柔軟性は、受信されたサンプルにおいて、どの衛星に対しても、それらの相対的なコード位相に関わらず、同じデータ取得を行うことを可能にする。
【0128】
4.多数のデータ取得の結合は、SNRを徐々に増大させることができる。それぞれの追加分が加算された後に、相関配列を信号検出についてテストすることで、捕捉が成功するまでのプロセスを短縮することができる。
【0129】
5.プロセッサのRAM及び処理量が最小化される。これは、電話アプリケーションに対して重要な事である。電話アプリケーションでは、ベースバンド・デバイスのデジタル信号プロセッサ(DSP)およびプロトコル・スタック・プロセッサの稼動頻度が高く、RAMも制限されている。SNRが高い場合には、所定のPNコードに対して必要とされるRAMの全体が、整合フィルタ上に、あるいは整合フィルタ内に配置される。SNRを改善するためにデータの結合が必要とされる場合、検出されていない衛星のみについて、処理が必要とされる。さらに、電話システムにおいては、移動電話ネットワーク動作に本来的に備わっている情報を利用することによって、相関配列のサイズを、PNコード仮説及びドップラーシフト仮説毎に2046よりも少ないデータ要素にまで、削減することができる。
【0130】
6.ここでの議論はGPSに焦点を合わせたものだが、本発明は信号の検出のために相関法を利用する任意のシステムに適用することができる。これには、ほとんどのスペクトル拡散システムおよび一般的な信号検出器を含む。
【0131】
7.上記の実施例及び実装例は、様々な機能を実行するGPS処理装置を利用することについて説明しているが、上記の実施例は、一般的な処理装置を用いてこれらの機能を実行する場合についても適用可能であることを理解しなければならない。この事の開示を目的として、一般的な処理装置とは、その処理装置によってアクセス可能なメモリに格納された個別の命令の順列を実行することができるコンピュータ、DSP、ベースバンド・プロセッサ、マイクロプロセッサあるいはマイクロコンピュータを含む、任意のデバイスを意味するよう定義される。また、これらの機能を実行するためにアナログ回路が使用される場合についても、上記の実施例が適用可能であることも理解されなければならない。
【0132】
アプリケーションの様々な実施例が説明されているが、当業者には、本発明の範囲内において、更に多くの実施例及び実装例が可能であることが明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等の範囲に照らす以外には、その範囲を制限されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GPS受信器の動作環境を例示したものである。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る信号検出器のブロック図である。
【図3】図3は、図2の信号検出器の動作方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明に係るGPS受信器の実施の形態を示したものである。
【図5】図5は、本発明に係る整合フィルタの実施の一形態により出力されるデータ構造を示したものである。
【図6】図6は、本発明に係るGPS受信器の実施の一形態におけるデータフローを示したものである。
【図7】図7は、本発明の実施の一形態に係る多数の相関配列の結合についてのタイミング図である。
【図8】図8は、本発明に係る整合フィルタの実施の形態を示したものである。
【図9】図9は、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10A】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10B】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10C】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11A】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11B】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11C】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図12】図12は、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図13A】図13Aから図13Bは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図13B】図13Aから図13Bは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図1】図1は、GPS受信器の動作環境を例示したものである。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る信号検出器のブロック図である。
【図3】図3は、図2の信号検出器の動作方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明に係るGPS受信器の実施の形態を示したものである。
【図5】図5は、本発明に係る整合フィルタの実施の一形態により出力されるデータ構造を示したものである。
【図6】図6は、本発明に係るGPS受信器の実施の一形態におけるデータフローを示したものである。
【図7】図7は、本発明の実施の一形態に係る多数の相関配列の結合についてのタイミング図である。
【図8】図8は、本発明に係る整合フィルタの実施の形態を示したものである。
【図9】図9は、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10A】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10B】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図10C】図10Aから図10Cは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11A】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11B】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図11C】図11Aから図11Cは、本発明に係る整合フィルタの動作方法の実施の形態を示したものである。
【図12】図12は、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図13A】図13Aから図13Bは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
【図13B】図13Aから図13Bは、本発明に係るGPS受信器の動作方法の実施の形態を示したものである。
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