JP2002540259A - α−オレフィンの重合又は共重合用バイメタル触媒 - Google Patents

α−オレフィンの重合又は共重合用バイメタル触媒

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    • C08F210/16Copolymers of ethene with alpha-alkenes, e.g. EP rubbers

Abstract

(57)【要約】 本発明のα−オレフィンの重合又は共重合用バイメタル触媒は、周期表第1、2又は13グループの元素の水素化物又は有機金属化合物、及び少なくとも95重量%がチタン、マグネシウム、ハフニウム、アルミニウム、塩素及びカルボキシレート基R-COO(ここで、Rは、炭素原子1−30個を含有する脂肪族、環状脂肪族、又は芳香族炭化水素である)でなり、チタンの少なくとも80%が酸化状態+3であり、酸化状態+3のチタンの少なくとも1%が正四面体配位形状を有するものである固体成分からなる。この触媒は、200℃を越える温度での溶液重合法により、高分子量をもつオレフィンの重合体、特にポリエチレンの製造を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、バイメタル触媒、その製法及びα−オレフィンの重合又は共重合法
における使用に係る。
【0002】 さらに詳述すれば、本発明は、チタンを含有する固体成分、及び元素の周期表
(IUPACによって承認された形のものであり、1989年にCRC Press Inc.より発行
されているもの:本件明細書では「周期表」と表示する)第1、2又は13グル
ープの元素の水素化物又は有機金属化合物でなる助触媒からなるチグラー−ナッ
タタイプのα−オレフィンの重合又は共重合用触媒に係る。この触媒は、本出願
人によるオリジナルの方法によって得られる。
【0003】 エチレン、又は一般にα−オレフィンは、チグラー−ナッタタイプの触媒の存
在下、低圧、中圧又は高圧法によって重合されて、高い分子量を有する実質的に
直鎖状の重合体を生成することは知られている。これらの触媒は、一般に、周期
表第1、2又は13グループの元素の有機金属化合物又は水素化物と接触させた
周期表第4−6グループの元素の化合物からなる。
【0004】 遷移金属(一般にチタン)、2価金属(一般にマグネシウム)、ハロゲン(一
般に塩素)及び任意に電子供与体を含有するチグラー−ナッタ触媒の固体成分は
、当分野において知られている。これらの固体成分はアルミニウムの有機金属化
合物と組み合わせて使用され、低い温度及び圧力下において行われるエチレンの
重合又は共重合において活性な触媒を形成する。例えば、米国特許第3,642,746
号は、遷移金属の化合物を電子供与体で処理した2価金属のハロゲン化物と接触
させることによって得られた触媒固体成分を開示している。米国特許第4,421,67
4号によれば、遷移金属の化合物を、塩化マグネシウムのエタノール溶液のスプ
レー−乾燥生成物と接触させることにより、触媒固体成分が得られる。
【0005】 英国特許第1,401,708号によれば、マグネシウムハロゲン化物、遷移金属の非
ハロゲン化化合物及びアルミニウムハロゲン化物の相互反応によって触媒固体成
分が得られる。米国特許第3,901,863号及び同第4,292,200号は、マグネシウムの
非ハロゲン化化合物、遷移金属の非ハロゲン化化合物及びアルミニウムハロゲン
化物を相互に接触させることによって得られた触媒固体成分を開示している。
【0006】 米国特許第4,843,049号及びヨーロッパ特許出願 EP-A 243,327は、低い圧力及
び温度、及び高い圧力及び温度において、それぞれ、容器状反応器又は管状反応
器で行われるエチレンの重合又は共重合において高度に活性であるチタン、マグ
ネシウム、アルミニウム、塩素及びアルコキシ基を含有する触媒固体成分を開示
している。これらの固体成分は、一般に、活性なキャリヤーを得るために塩化マ
グネシウムのエタノール溶液をスプレー−乾燥し、得られたキャリヤーを、順次
、チタンテトラアルコキシド又はチタンテトラクロライドと、及びそれぞれ塩化
アルキルアルミニウムと反応させることによって得られる。
【0007】 上記の触媒はいずれも、上述の方法においては比較的活性であるが、得られる
重合体又は共重合体のいくつかの性質に関しては、完全には満足できるものでは
ない。例えば、平均分子量を参照すると、特に、高温法によって得られたポリオ
レフィンは、ある種の工業的用途には適していない。加えて、上記触媒の活性を
さらに改善する余地がある。
【0008】 遷移金属の混合物を基材とする触媒を使用することによって、オレフィンの重
合体又は共重合体の性質を改良する試みがなされている。例えば、ヨーロッパ特
許出願 EP-A 177,189 及び EP-A 146,507 はいずれも、拡大された(バイモダル
)分子量分布を有するポリエチレンを得るためのチタン及びハフニウムからなる
チグラー−ナッタタイプの触媒の調製及び使用を開示している。これら触媒の製
法は、2つの別個の工程におけるチタン及びハフニウムの導入によってなる。
【0009】 ヨーロッパ特許出願 EP-A 523,785 は、マグネシウム−カルボキシレート結合
及び遷移金属−カルボキシレート結合の導入によって、一般に、公知技術のもの
と比べて、低い圧力及び温度、高い圧力及び温度において溶液中で行われるエチ
レンの重合又は共重合法における活性に関して、及びこのようにして得られた重
合体の性質に関して改良された触媒固体成分が得られることを開示している。こ
れらの触媒の調製は、予め調製したマグネシウムカルボキシレート及び遷移金属
の有機炭化水素溶媒溶液を混合することからなる複雑な方法によって実施される
。しかしながら、この方法は、炭化水素溶媒における溶解度の差異に関連する理
由から、触媒中の金属間の原子比の選択に関して完全なる自由は許されないとの
欠点を有する。
【0010】 発明者らは、新たに、塩化マグネシウム上に担持されたチグラー−ナッタタイ
プの特殊なバイメタル触媒(その調製が特に簡単かつ便利であるとの更なる利点
を有する)を使用することにより、驚くべきことには、高温条件下で高い生産率
をもって、大きい分子量を有するα−オレフィンの重合体又は共重合体が得られ
ることを見出し、本発明に至った。
【0011】 かかる知見によれば、その第1の態様では、本発明は、少なくとも95重量%
、好ましくは98−100重量%が、次のモル割合(ここで、Rは、炭素原子1−
30個を含有する脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族炭化水素基であり、及びM
は、ハフニウム及びジルコニウムから選ばれる金属又はその混合物の1つであり
、好ましくはハフニウムである):M/Ti=0.1−10.0;Mg/Ti=1.0−
20.0;Al/Ti=0.01−6.0;Cl/Ti=2.0−70.0;R-COO/Ti=0.1
−10.0のチタン;マグネシウム;ハフニウム及びジルコニウムから選ばれる少な
くとも1の金属;アルミニウム;塩素;及びカルボキシレートR-COOでなるα−
オレフィンの重合又は共重合用触媒固体成分において、チタンの少なくとも80
%、好ましくは90重量%が+3の酸化状態を有するものであり、さらに、前記
+3の酸化状態のチタンの少なくとも1%、好ましくは2−10%が正四面体配
位形状を有するものであることを特徴とする触媒固体成分に係る。
【0012】 前記カルボキシレートの基Rの炭素原子の数は特に重要ではないが、好ましく
は6−15である。
【0013】 当明細書においてα−オレフィンに関して使用している用語「重合又は共重合
」は、α−オレフィンのホモ重合、例えば、エチレンからの高密度の結晶性ポリ
エチレンの生成、又はプロピレンからのポリプロピレンの生成、及びα−オレフ
ィンと、該オレフィンと共重合可能な少なくとも1の異なる不飽和化合物(明ら
かに、異なるα−オレフィンからなる)との共重合、例えば、エチレン及びエチ
リデン−ノルボルネンから架橋ポリエチレンを生成する共重合、又はエチレン及
び1−ブテンから直鎖状の低密度ポリエチレンを生成する共重合の両方を意味す
る。
【0014】 簡略化のため、分子からなる化合物について、及び原子又はイオンについても
、後者に関して、用語「グラム原子」又は「原子比」の使用を回避するため(こ
れらは科学的にはより正しいものではある)、当明細書では用語「モル」及び「
モル比」を使用する。
【0015】 本発明の他の態様によれば、本発明は、順に、下記工程: (i)好適な割合のマグネシウムの少なくとも1の化合物、チタン化合物及び上
述の金属Mの化合物でなる混合物を、前記化合物の少なくとも1が不溶性である
不活性有機液体でなる媒体中で調製し; (ii)工程(i)の混合物に、一般式(I) R−COOH (ここで、Rは、炭素原子1−30個を含有する脂肪族基、環状脂肪族基又は芳
香族炭素原子基である)で表される充分な量のカルボン酸を添加することにより
実質的に透明な溶液を調製し、該溶液を、すべての不溶性化合物が実質的に溶解
するまで、好適な圧力及び温度条件下に維持し; (iii)工程(ii)で得られた溶液に、一般式(II) AlR'Cl(3−n) (ここで、R'は、炭素原子1−20個を含有する直鎖状又は分枝状アルキル基
であり、nは0.5−2.5、好ましくは0.9−2.1の数である)で表される塩
化アルキルアルミニウムを、前記工程(ii)の溶液中に存在するチタンの少なく
とも70%、好ましくは少なくとも80%を固体化合物の形で沈殿させるに少な
くとも充分な量で添加し、反応させ;及び (iv)工程(iii)で沈殿した固体を残りの液体から分離して、触媒の固体成分
を得る工程からなる上記触媒の固体成分の製法に係る。
【0016】 液体中における固体化合物の混合物に関連して当明細書で使用している用語「
不溶性」は、該固体化合物の90%以上が該液体中に溶解しないまま残ることを
意味する。
【0017】 製法の工程(i)の混合物を調製するために使用する液体は、混合物の他の構
成成分に対して不活性な(非反応性の)各種の有機液体である。特に、この不活
性な液体は、少なくとも非プロトン性、すなわち、アルコール、アミン及び酸基
のものの如き反応性酸プロトンをもたないものでなければならない。配位性有機
液体、すなわち、上記触媒の固体成分を形成する金属のイオンと付加物を形成し
得るものも反応性と見なされ、従って、本発明によれば適当なものではない。本
発明にとっては、極性又はわずかに極性の液体、特に、操作条件下で液状である
脂肪族、環状脂肪族又は芳香族炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン
、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンが好適である。
【0018】 本発明の触媒の固体成分におけるカルボキシレート基R-COOの例(これらに限
定されない)としては、下記のものがある: −基Rが、少なくとも炭素原子4個を含有する直鎖状アルキル基;例えば、n−
ブチレート基、n−オクトエート基、n−デカノエート基、n−ウンデカノエー
ト基及びn−ドデカノエート基である; −基Rが、カルボキシルの炭素に対してα位の第2級炭素原子上に分枝を有する
分枝状アルキル基:
【化1】 (ここで、R及びRにおける炭素原子の合計は少なくとも2に等しい);例
えば、イソブチレート基、2−メチルブチレート基及び2−エチルヘキサノエー
ト基である; −基Rが、カルボキシルの炭素に対してα位の第3級炭素原子上に2個の分枝を
有する分枝状アルキル基:
【化2】 (ここで、R、R及びRにおける炭素原子の合計は少なくとも3に等しい
);例えば、2,2−ジメチルプロパノエート基及び各種の基である; −基Rが、カルボキシルの炭素原子に対してβ位の第2級炭素原子上に分枝を有
するアルキル基:
【化3】 (ここで、R及びRにおける炭素原子の合計は少なくとも4に等しい);例
えば、3−エチルペンタノエート基及びシトロネレート基である; −基Rが、シクロアルキル、アリール、アルキルシクロアルキル又はアルキルア
リール: R−(CH)−COO (ここで、Rは、モノ環状又はいくつかの縮合又は非縮合環をもつシクロアル
キル又はアリール部を表し、及びsは0−10の整数を表す);例えば、ナフテ
ネート、ベンゾアート、p−エチルベンゾアート、ベンジルカルボキシレート、
シクロヘキサノアート基である; −基Rが、カルボキシルの炭素原子に対してα位においてアルキル基によって置
換されたアルキル基:
【化4】 (ここで、Rはアリール基、例えば、フェニル基を表し、及びR10は少なく
とも1個の炭素原子を含有するアルキル基、例えば、2−フェニルブチレート基
を表す)である。
【0019】 本発明によるカルボキシレートR-COOの定義の範囲には、上記のように定義さ
れた炭素原子1−30個を含有する異なる基Rを有するカルボキシレートの混合
物も含まれる。
【0020】 本発明による固体成分は、例えば、G. Natta,P. Corradini,G. Allegra,Jo urnal of Polymer Science ,Vol. 51 (1961), p.399の刊行物に記載の通常の技
術用語に従い「δ相」として定義される「回転並進無秩序性(rototranslatioal
disorder)」によって特徴付けられる構造の代表的なX線スペクトルにより特
徴付けられる。発明者らの知見によれば、しかしながら、この固体成分は、カル
ボキシル基を含有するチグラー−ナッタタイプの触媒において観察されたことが
ないような非常に特殊な電子的及び配位環境によって特徴付けられるものである
。これによれば、チタン原子(ここで触媒中心が形成されるものと考えられる)
は、主に(少なくとも80%)+3の酸化状態を有し、その内の少なくとも1%
が正四面体配位形状有するものである。触媒固体成分のこのような特性は、酸化
状態+3のチタン原子を検知する電子スピン共鳴分光分析(ESR)によって特徴
付けられる。このテスト法及び該方法のチグラー−ナッタタイプの系への適用に
関する詳細については、P. Brant,及びA. N. Speca, Macromolecules, Vol. 20
, No. 11 (1987), p. 2740-2744の刊行物を参照し、その内容は参考として当明
細書に含める。特に、本発明の各種触媒固体成分のテストにおいて、ESRスペク
トルにおいて、それぞれ、1.905、1.953及び1.968におけるファクター「g」に
よって識別される3つの吸収シグナル(その内の初めの2つのシグナルは八面配
位隣接によるものであり、第3のシグナルは正四面配位隣接によるものである)
の存在が観察され、これらのシグナルは、実験した1つの又は他の配位形状の+
3のチタンの相対量を充分正確に測定することを可能にする。特に、発明者らは
、本発明の固体成分が、上述の意味における正四面体配位をもつチタン少なくと
も1%、好ましくは2−10%を含有するとの知見を得た。これに対して、ヨー
ロッパ特許出願 EP-A 523,785に記載された方法に従って得られたTi及び第4
グループの第2の金属、すなわち、Zr、Hf又はこれらの混合物の1つを含有
する触媒固体成分は、ESR分析において、添付の図2(この図において、「g」
値1.968を有するシグナルは実質的に存在せず(わずかな目立たない程度のショ
ルダーを除く)、一方、「g」値1.905及び1.946を有する他の2つのシグナルは
非常に鮮明である)から観察されるように、本質的に完全に八面配位隣接をもつ
チタン+3の存在を示す。現時点では、これらの差異及び各触媒の挙動に対する
影響を説明する理論を特定することできないが、オレフィン重合の点及び、特に
高温法で生成された重合体の分子量の点の両方で、本発明の触媒に比べて、後者
の触媒はより不利益であることが明らかであるとの知見が得られている。
【0021】 通常、前駆体として使用された化合物の対イオン、例えば、アルコラート、臭
素、ホスフェート基、フッ素等に由来の他の構成成分又は不純物は5重量%以下
では、何ら特別な欠点を示すことなく存在できるため、上記触媒固体成分を、必
ずしも、全く上述のチタン、マグネシウム、ジルコニウム、ハフニウム、アルミ
ニウム、塩素及びカルボキシレートのみで構成する必要はない。触媒固体成分の
前駆体中に存在する他の金属の不純物は、触媒固体成分の有利な特性をあまり変
化させることなく存在できる(好ましくは1重量%以下)。しかしながら、でき
るだけ少ない量の不純物、好ましくは2重量%以下の触媒固体成分が好ましい。
【0022】 本発明の固体成分中に含有されるチタンの量は、好ましくは、10重量%を越
えない程度であり、より好ましくは、1−5重量%である。10重量%を越える
チタン含量は、恐らく、余分なチタンは被重合オレフィンとの相互反応に関して
不活性又は利用されない形で成分中に存在すると理由で、触媒の活性の点で更な
る利点を提供しない。
【0023】 本発明の好適な具体例において、各種の構成成分が、チタンに対する次の割合
:M/Ti=0.3−5.0;Mg/Ti=5.0−15.0;Al/Ti=0.1−3.0
;Cl/Ti=20.0−50.0;R-COO/Ti=0.5−5.0で触媒固体成分中に存在
し、その少なくとも99重合%を形成する。チタンに対するカルボキシレートの
割合は、好ましくは1.0−3.0である。
【0024】 既に述べたように、上記触媒固体成分の調製に関しては、実質的に4つの工程
からなる独創的かつ簡単な方法が見出された。
【0025】 工程(i)において、元素チタン、マグネシウム、ハフニウム及び/又はジル
コニウムの前駆体化合物からなる不活性液体の混合物を調製する。これらの化合
物は、予め選ばれた不活性液体(好ましくは、炭化水素である)に溶解性又は不
溶性であるこれら金属の公知の有機金属又は無機化合物の広い範囲から選択され
る。これら化合物の少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)、好ましくは、マグ
ネシウム、ハフニウム及び/又はジルコニウムの化合物は、前記不活性液体に不
活性であり、懸濁液を形成するものである。混合物を形成する前駆体化合物のす
べてが、選ばれた工程(i)用の不活性液体に不溶性であってもよい。特に好適
な具体例では、上記化合物の全体に対して少なくとも50重量%が、予め選ばれ
た不活性液体に不溶性である。これらの化合物は、好ましくは、金属の全体濃度
0.05−2.0モル/l、より好ましくは0.1−1.0モル/lで、不活性液体を混
合される。
【0026】 チタン、マグネシウム、ハフニウム及びジルコニウムの化合物は、既に現存す
るもの中から、好ましくは、次の工程(ii)においてカルボン酸の添加によって
溶解性とされるにより適した化合物から当業者によって選択される。目的に最適
な化合物は、公知であれば各化合物の溶解度に基づいて、又は選ばれた液体の存
在下における簡単な溶解度テストを行って選択される。溶解性又は不溶性のチタ
ン、ハフニウム、ジルコニウム及びマグネシウムの好適な化合物の例(これらに
限定されない)は、塩化物、臭化物、アルコラート、水素化物、β−ジケトネー
ト、β−アシルエステル、アミド、カーボネート、ホスフェート、前記対イオン
と混合した化合物、及びこれらグループの化合物の混合物である。ハロゲン化物
、特に塩化物、及びアルコラートが特に好適である。
【0027】 本発明の好適な具体例では、マグネシウム、ハフニウム及び/又はジルコニウ
ムは、粒状固体の形で又は粉末状の塩化物として、工程(i)の混合物に導入さ
れる。
【0028】 工程(i)の混合物は、好ましくは粒状又は粉末状の金属化合物を、各種の順
序で、不活性液体に単に添加又は混合することによって調製される。この場合の
温度及び圧力は、液体がそのまま維持されるものであれば、重要なファクターで
はない。操作を簡単なものとするには、通常の温度及び圧力条件が明らかに有利
である。工程(i)の各種の金属化合物を、方法の終了時点で得られる固体成分
における相当する元素間の所望の原子比に関して選ばれるモル比で混合物に導入
する。これらの原子比は、本発明によれば、方法で使用する特殊な条件に関連し
て、特に、工程(iii)で沈殿されるものの溶解度が異なる(特別の触媒固体成
分の予測される特性をあまり損なうことなくシフトすることが可能である(普通
、30%以上又は以下))ため、工程(i)における対応する化合物のモル比と
必ずしも同一である必要はない。当業者であれば、方法の通常の操作において、
これらのシフトの実体をチェックし、最終生成物における元素間の所望のモル比
に関連して試薬の割合を最適なものとすることができるであろう。
【0029】 本発明による方法の工程(ii)では、一般式(I)で表されるカルボン酸を工
程(i)の不均質混合物に添加して、存在するすべての固体をほぼ完全に溶解さ
せる。この溶解について使用する用語「ほぼ完全」とは、工程(ii)の終了時点
で得られる溶液が透明又はわずかに濁った程度でなければならず、いかなる場合
でも固体の粒状析出物を有していてはならないことを意味する。
【0030】 選択される一般式(I)で表されるカルボン酸は、明らかに、調製されるべき
触媒成分中に存在するカーボネートR-COOと同じ基Rを有する。基R及び対応す
るカルボン酸の例(これらに限定されない)は上記のとおりである。しかしなが
ら、当該固体成分の製法及び用途と適合する、すなわち、不活性な又はマイナス
の影響を及ぼさない置換基(例えば、フッ素又は塩素の如きハロゲン)によって
官能化された基Rも、本発明の一般的範囲から除外されない。
【0031】 工程(ii)において添加されるカルボン酸は、炭化水素タイプの液体媒体中へ
の溶解に適するように、好ましくは、鎖に比較的多量の、通常6−15個の炭素
原子を含有する。炭素原子31個以上のカルボン酸は、市場で見つけることが困
難であり、鎖中に20−31個の原子を含有するものと比べて格別の利点を提供
するものでもない。
【0032】 本発明の方法の工程(ii)は、好ましくは、混合物中に存在する固体を迅速に
溶解させるように、室温よりも高い温度で行われる。一旦溶解された後では、混
合物を室温に再冷却する際にも、沈殿は生じない。溶解温度は、好ましくは20
−150℃、より好ましくは70−120℃である。
【0033】 工程(i)の不均質混合物に、固体が消失し、透明な溶液が得られるまで、カ
ルボン酸を添加するか、又は、カルボン酸を予め決められた量で添加し、続く工
程において溶解を完了させることもできる。カルボン酸の量は、各ケースにおい
て、工程(i)の混合物中に存在する不溶性化合物の性質及び量に左右される。
最少量は、通常、混合物中に存在する不溶性金属化合物の当量(当量=モル/金
属の価数)にほぼ等しい。しかしながら、不溶性化合物のモル数と当量との間の
比の値が0.5−2.0、さらに好ましくは、1.0−1.5となるような過剰量の
カルボン酸を使用することが好ましい。例えば、工程(i)の混合物において、
デカン中に、いずれも不溶性のMgCl10モル及びHfCl4モル、及び溶解性の
チタンテトラブチレート2モルが存在する場合には、カルボン酸(例えば、2−
エチルヘキサン酸)の量は、より好ましくは、36−54モルから選択される。
【0034】 上記カルボン酸は、純粋なものとして、又は、例えば、酸が固体である場合の
混合を容易にするため、又は少量で使用される場合の用量をより正確なものとす
るために、不活性溶媒(好ましくは、工程(i)の混合物のものと同じ液体)で
希釈して使用される。
【0035】 本発明の特殊な具体例では、初めに、工程(i)の混合物に、室温で操作して
、所望の量で添加し、続いて、このようにして得られた混合物を、存在する固体
が溶解するまで、好適な温度及び圧力条件下で反応させる。
【0036】 工程(ii)は、好ましくは、外部との顕著な物質交換が生じないように、例え
ば、閉じられた容器内で又は溶媒の還流条件下で行われる。反応中に、上記金属
の塩化物の存在によって塩酸が発生する場合には、好ましくは、塩化物を反応混
合物中に溶解したままに維持する。
【0037】 本発明の触媒固体成分の調製法における工程(iii)では、一般式(II)で表
される塩化アルキルアルミニウムを、上記工程(ii)の溶液と反応させて、所望
の触媒固体成分を生成し、該成分を粒状沈殿として自然に液体媒体から分離させ
る。溶液中に存在するチタンの80−100%が沈殿する際、本発明の方法の条件
下において、チタンの有利な活性型でかつ広い温度範囲で安定なマグネシウム及
びハフニウムの共沈殿物が得られる。一般式(II)で表される塩化アルキルアル
ミニウムを沈殿剤として使用することにより、元素を、混合した塩化物、又は混
合した塩化物−カルボキシレートの形で一時的に沈殿させること、及びチタンを
還元して、主に+3の酸化状態でチタンを固体成分中に存在させるようにするこ
とが可能になる。
【0038】 一般式(II)で表される塩化アルキルアルミニウムは、オレフィンの重合にお
いて広く使用されている。好適な塩化アルキルアルミニウムは、一般式(II)(
式中、R'は、炭素原子2−8個を含有する直鎖状又は分枝状の脂肪族基である
)で表される化合物である。式(II)におけるnは、好ましくは0.9−2.1で
ある。これらの化合物の代表的な例は、エチルアルミニウムジクロライド、ジエ
チルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソブチ
ルアルミニウムジクロライド、ジオクチルアルミニウムクロライドである。nが
整数でない値である塩化アルキルアルミニウムは、公知の方法に従い、好適な割
合の塩化アルミニウム及びアルミニウムトリアルキル及び/又はnが1又は2で
ある各混合した塩化アルキルを混合することによって得られる。
【0039】 一般式(II)で表される塩化アルキルアルミニウムは、そのままで、又は 不活性有機溶媒(工程(i)の混合物の調製に使用されるものの中から選ばれる
)の溶液の形で添加される。塩化アルキルアルミニウムの添加は、反応混合物を
好適な条件下に維持し、公知技術の1つに従って、例えば、サンプルを採取し、
分析することにより、又は比色法又は目的に適する他の種類の方法によって、所
望の沈殿レベルに達するまで溶液中のチタンの濃度をチェックすることによって
行われる。好適な具体例によれば、ある種の反応系については、通常、沈殿に充
分な塩化アルキルアルミニウムの量を決定し、ついで、予め決められた量の試薬
を添加し、又は、さらに好適には過剰量で添加し、その後、所望の沈殿が形成さ
れるまで反応させることによって粒状固体の迅速な生成を促進することができる
。一般に、目的に適した塩化アルキルアルミニウムの最少量は、次の等式による
実質的に計算法によって決定されることが見出された。
【0040】
【数1】 一般式(II)で表される塩化アルキルアルミニウムの量は、好ましくは、上記
最少量の10−100%過剰の量である。可能ではあるが、それ以上の過剰量は、
望ましくない副反応を活性化するため賢明ではない。
【0041】 工程(iii)では、20−120℃において、予め選択された温度に応じて0.5
−8時間の期間操作することが好適である。好適な具体例では、室温(20−2
5℃)−約60℃の温度において操作して、塩化アルキルアルミニウムを工程(
ii)の溶液に添加し、得られた混合物を50−100℃に加熱し、この温度に45
−180分間維持する。
【0042】 これらの条件下で操作することにより、触媒固体成分が、好ましくは1−20
μmの平均粒径をもつ粒状沈殿物の形又は粉末状で得られる。
【0043】 このようにして得られた触媒固体成分は、工程(iv)において、通常、例えば
、溶媒の蒸発、デカンテーション、瀘過又は遠心を含む普通の液体/固体分離法
によって液体から分離され、好ましくは、炭化水素溶媒で洗浄され、任意に乾燥
される。
【0044】 上記の操作はすべて、アルミニウムアルキル及び触媒固体成分の空気及び湿度
に対する感受性のため、制御された不活性雰囲気、窒素又はアルゴン雰囲気中に
おいて好適に行われる。
【0045】 本発明の特殊な態様によれば、前記触媒固体成分は、好ましくは、制御された
及び狭い粒子サイズを有する不活性固体上に担持された形でもよい。好適な不活
性溶媒は、上述の触媒部分の特性、特に、Ti(+3)の量、各種の元素とカルボ
キシレートとの間の比、及びチタンの特殊な配位特性を変質させないものである
。これらの固体の例は、例えば、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、混合ケイ
素−アルミニウム酸化物、チタン酸化物、シリケート、シリカ−アルミネート、
ゼオライト、及び他の同様の生成物の如き無機固体である。キャリヤーとして、
ある種の官能化ポリスチレンの如き高分子有機固体も使用される。好適な固体は
、シリカ、アルミナ(各種の形状のもの)、無定形又は結晶性のシリカ−アルミ
ネート(ゼオライト)である。不活性キャリヤーの量は、通常、得られる担持固
体成分の50−90重量%を形成するように選択される。これらの担持された固
体成分は、特に、気相における重合法に適している。
【0046】 本発明によれば、不活性の固体キャリヤーは、所望の量で、工程(i)又はさ
らに良好には工程(ii)において、不活性液体中の懸濁液として導入される。こ
のようにして、ついで、固体成分は、その均質な分布を促進する工程(iii)の
間に、不活性キャリヤーの表面上に沈殿される。別法によれば、工程(ii)にお
いて、前記キャリヤーに前記溶液を含浸させ、続いて工程(iii)の塩化アルキ
ルアルミニウムで処理して、より均質な分布状態で前記成分を不活性キャリヤー
上へ沈殿させる。
【0047】 さらに他の態様によれば、本発明は、周期表第1、2又は13グループの金属
の水素化物又は有機金属化合物と組み合わせた上述の触媒固体成分からなるα−
オレフィン、特に、エチレンの重合又は共重合用の触媒にも係る。助触媒として
、好ましくは、アルキル部に炭素原子1−10個、好ましくは2−6個を含有す
るアルミニウムトリアルキル及びアルキルアルミニウムハロゲン化物(特に、塩
化物)が使用される。これらの中でも、アルミニウムトリエチル、アルミニウム
トリ−n−ブチル、アルミニウムトリイソブチル及びアルミニウムトリヘキシル
が好適である。本発明の触媒において、アルミニウム(助触媒中)とチタン(触
媒固体成分中)との原子比は、採用する特殊な重合系及びその純度に応じて、一
般に、2:1−500:1、好ましくは、5:1−200:1である。
【0048】 前記触媒は、公知技術に従い、好ましくは、1又はそれ以上の被重合オレフィ
ンでなる又は含有する好適な液体媒体(通常、炭化水素)中において、固体成分
及び助触媒を接触させることによって形成される。本発明の触媒が使用される重
合法の特性に応じて、触媒は外部で調製され、続いて、重合反応器に導入される
か、又は構成成分を別々に反応器に供給することによって「その場で」生成され
る。触媒を調製する際の温度は特に重要ではなく、広い範囲から選ばれ、好まし
くは、0℃−重合の際の触媒の作動温度の範囲から選ばれる。触媒の形成は、通
常、室温においてほぼ瞬時であるが、あるケースでは、重合開始前に、温度に応
じて、成分を10秒−30分間接触させることができる。
【0049】 特殊な要求を満足させるに好適な触媒系を得るため、本発明による上記触媒に
、任意に、1又はそれ以上の添加剤又は付加成分を添加できる。このようにして
得られた触媒系も、本発明の範囲内に包含されるものである。本発明の触媒の調
製及び/又は処方に含まれる添加剤又は成分は、例えば、脂肪族及び/又は芳香
族炭化水素、脂肪族及び芳香族エーテルの如き不活性溶媒、例えば、非重合性の
オレフィン、エーテル、第3級アミン及びアルコールから選ばれる弱い配位性の
添加剤(ルイス塩基)、例えば、ケイ素ハロゲン化物、ハロゲン化炭化水素(好
ましくは、塩化物)の如きハロゲン化剤等、及びエチレン及び他のα−オレフィ
ンの重合又は共重合に関する分野において通常使用される他の可能なすべての成
分である。
【0050】 本発明は、上述の触媒を使用するα−オレフィンの重合又は共重合法にも係る
。本発明による触媒は、連続式又はバッチ式、1工程又は多工程式の公知のα−
オレフィンの重合又は共重合法の実質的にすべてにおいて、例えば、低圧(0.
1−1.0MPa)、中圧(1.0−10MPa)又は高圧(10−150 MPa)、20−3
00℃の温度、任意に不活性希釈剤の存在下での方法において使用され、優秀な結
果をもたらす。分子量調節剤として、水素が有利に使用される。
【0051】 これらの方法は、通常、3−12個、好ましくは6−10個の炭素原子を含有
する脂肪族又は環状脂肪族飽和炭化水素でなる液状希釈剤(例えば、液状プロピ
レン中でのエチレン及びプロピレンの公知の共重合法におけるように、単量体で
構成されていてもよい)の溶液又は懸濁液中で行われる。重合混合物に導入され
る触媒の量は、好ましくは、チタンの濃度が10−4−10−8モル/lとなる
ように選択される。
【0052】 別法によれば、重合は、例えば、流動床反応器中、通常、0.5−5MPaの圧力
及び50−150℃の温度において気相で行われ、この場合、本発明の固体成分が
上述のごとく不活性キャリヤー上に担持されたタイプのものであることが好まし
い。
【0053】 上記方法において使用されるα−オレフィンは、好ましくは2−20個、さら
に好ましくは2−8個の炭素原子を含有する脂肪族、環状脂肪族又は芳香族のも
の、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1、
1−ヘキセン及び1−オクテン、エチレン−ノルボルネン、スチレンである。ホ
モ−重合及び共重合に関しては、エチレンが特に好適であり、ただし、共重合の
場合、エチレンが主の単量体である。
【0054】 特に、本発明のバイメタル触媒は、バイメタル触媒を使用する重合法において
通常得られるものと比べて、驚くほど狭い分子量分布をもつエチレンの重合体及
び共重合体の調製に使用される。
【0055】 本発明による触媒は、直鎖状ポリエチレンを生成するエチレンの重合において
、及び特殊な重合条件及びα−オレフィン自体の量及び構造に応じて異なった特
性を有する共重合体を生成するエチレンとプロピレン又はより高級な、好ましく
は炭素原子4−10個を含有するα−オレフィンとの共重合において使用され、
優秀な結果が得られる。例えば、0.880−0.940の密度、及び好ましくは100,000
−2,000,000の平均分子量をもつ直鎖状ポリエチレンが得られる。直鎖状の低密
度又は中密度ポリエチレン(密度に応じて、ULDPE、VLDPE、及びLLDPREの略称で
示されることが知られている)の調製においてエチレンの共単量体として好適に
使用されるα−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンであ
る。
【0056】 本発明の触媒は、過酸化物によって硬化可能であり、老化及び劣化に対して極
めて抵抗性である飽和弾性共重合体を生成するエチレン及びプロピレンの共重合
において、又はEPDMタイプの硬化可能なゴムを得るためのエチレン、プロピレン
及び炭素原子5−20個を含有する非共役ジエンの三元重合においても有利に使
用される。
【0057】 これらの共重合体の調製用に使用される代表的な非共役ジエンの例は、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン及び1,6−オクタ
ジエンである。
【0058】 本発明による触媒は、溶液中、高温でのα−オレフィン、特にエチレンの重合
又は共重合において特に有利に使用される。これらの方法は、通常、130−300℃
の温度及び1−25MPa、好ましくは5−20MPaの圧力において、形成された重
合体を操作温度において溶液中に維持し得る不活性液体の存在下で行われる。こ
のようにして、容易に制御可能であり、短い滞留時間及び高い生産率を可能にす
る柔軟な方法と共に、均質な反応混合物が得られる(ただし、触媒に関しては除
く)。ポリオレフィンの溶解特性及び比較的低い毒性の両方に関して好適な液体
は、例えば、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン及びデカリンの如き炭素原子6
−10個を含有する脂肪族又は環状脂肪族炭化水素である。ついで、重合体を、
沈殿又は溶媒の揮発によって分離する。この種の公知の方法についての一般的情
報に関しては、利用できる多くの文献の中でも、Encyclopedia of Polymer Scie nce and Engineering ,2版 (1986),Vol. 6, p. 471−472,John Wiley & Son
s 編を参照できる。
【0059】 特に半結晶性である場合、ポリオレフィンは溶媒中にあまり溶解しないため、
これらの方法の実施には、比較的高い温度、好ましくは150−230℃を使用するこ
とが重要である。該方法は、採用する技術に応じて、断熱又は恒温反応器におい
て行われる。しかしながら、このような高温における重合法では、得られる重合
体の平均分子量が明らかに低下し、通常の変換法には許されないほど高いメルト
フローインデックス(MFI)レベルを生ずる。溶液法で通常使用される触媒はバ
ナジウムを基材とするものであるが、これらは、広範な用途にとって満足できる
分子量をもつポリオレフィンを生成できず、上記利点にもかかわらず、該方法自
体の普及を制限している。加えて、これら触媒の活性度に関しても、さらに改善
する余地がある。一方、懸濁法において普通に使用されるチグラー−ナッタタイ
プの公知の触媒は、高温で使用される際のものよりもさらに適したものではなく
、特に、通常の用途の多くに関して適さない低い分子量をもつポリエチレンを生
成する。
【0060】 本発明による触媒は、意外にも、高い平均分子量をもつエチレンの重合体及び
共重合体を得ることを可能にし、上述の高温で操作して、同じ操作条件下で使用
される従来の触媒を比べて、かなり低いMFI値を得ることも可能にする。
【0061】 本発明を、その多くの態様において、添付図面及び下記実施例によって、さら
に詳細に説明する。しかしながら、これらは単に説明のために例示したものであ
り、いずれにしても本発明の精神を制限するものではない。
【0062】 特に、図1は、後述の実施例1に従って得られた触媒固体成分に関するESRス
ペクトルを表すチャートであり;図2は、後述の実施例5(比較例)に従って得
られた触媒固体成分に関するESRスペクトルを表すチャートである。これらのチ
ャートにおいて、吸収スペクトルの導関数(任意の単位)を縦軸に示し、「g」
ファクター値(下記に定義する)を横軸に示す。
【0063】 両ケースとも、ESRスペクトルは、マイクロ波の周波数を1Hz以下の精度で測
定できる周波数メーターHP 5350Bを備え、磁気成分のエネルギー分離に関して測
定された電子スピンの「g」ファクターの第3の10進数の評価が可能なESR Br
uker ESP 300E 分光計によって得られたものである。
【0064】 E.S.R.磁気共鳴分光分析では、周波数νをもつ磁界を、磁界Ηの方向に対して
90°の角度で与えて、共鳴遷移を生じさせる。
【0065】 遷移の共鳴エネルギーは、 g = hν/βΗ (ここで、
【0066】
【数2】 及びΗ=された磁気誘導ベクトル(ガウスとして表示))によって与えられ、こ
のようにして、例えば、F.E. Mabbs,及びD. Collison,Electron Paramagnetic Resonance of transition metal compounds ,Elsevier,Amsterdam,(1992)の
刊行物に記載された技術に従って「g」ファクターの測定が可能である。
【0067】 Ti+3の定量は、触媒サンプルのESRシグナルの相対強さを、スピンの濃度
(Cu2+の原子数=1.19×1020スピン/g)をもつCaSO中におけるCuSO の機械的混合物とを比較することによって行われる。
【0068】 実施例 下記の分析法及び特定法を使用した。
【0069】 元素分析 粉末状の触媒を湿式処理した後、ICP II Perkin Elmer 1000装置(発光分光器
)を使用するプラズマ分光測光によって、触媒固体成分の金属成分(Ti、Zr
、Hf、Mg、Al)の定量分析を行った。
【0070】 同じサンプル中の塩素含量を、粉末状触媒の湿式処理後に、Ag/AgCl電極(
滴定溶液:0.01M AgNO)をDOSIMAT 655 METROHM 装置と共に使用して、電気
化学分析によって測定した。672 METROHM 滴定プロセッサーによって相対滴定曲
線を記録した。
【0071】 X線回折 触媒(粉末状)サンプルのXRDスペクトルを、銅のKα線(λ=0.15418 nm)
を使用して、Siemens D500TT 回折計によって記録した。Package Siemens DIFFR
AC-ATを使用してスペクトルを処理した。
【0072】 メルトフローインデックス 重合体の重量平均分子量に相関するメルトフローインデックス(MFI)を、標
準法ASTM-D 1238 Eによって測定した。190℃において荷重2.16 kgで測定したMFI
(10分当たりの溶融重合体のグラム数:g/10分で表される)が得られた。
【0073】 せん断感度(S.S.)を、共に上記ASTM標準法に従って測定した2.16 kgにおけ
るMFI及び21.6 kgにおけるMFIの間の比として算定した。このパラメーターは、
通常、分子量分布に相関する。
【0074】 試薬及び材料 下記の試薬及び材料を、下記実施例において使用した。特に記載しない限り、
生成物は入手したままで使用した。
【0075】 塩化マグネシウム(MgCl、粉末状、純度 >99.4%):PECHINEY ITALIA社製
;チタンテトラブチレート(Ti(n-OBu)、純度 >99.90%):Du Pont社製、商
品名 TYZOR BTM;四塩化ハフニウム(HfCl、純度 <95.5%(Zr <4.5%)):Pec
hiney Italia社製;2−エチルヘキサン酸(純度99.00%):BASF社製;イソブ
チルアルミニウムジクロライド(純度99.90%):WITCO社製;n−デカン:Synt
hesis-(PR)社製、商品名 SYNTSOL LP 10、モレキュラーシーブを通過させること
により精製したもの。
【0076】
【実施例1】 下記の生成物を順に反応器(500 ml)に装入した: n−デカン70ml;MgCl2.1g(22.3ミリモル);チタンテトラブチレー
ト0.7g(2.07ミリモル、0.7ml);及び四塩化ハフニウム HfCl 0.95g(
2.96ミリモル)。
【0077】 続いて、2−エチルヘキサン酸13.3g(75ミリモル、12ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。このようにして得られた懸濁液を90℃に
加熱し、閉じた反応器中で、この温度に30分間維持した。このようにして、明
るい黄色のわずかに不透明な溶液が得られた。
【0078】 上述のごとくして得られた溶液を室温に冷却した後、n−デカン40mlに希釈
したイソブチルアルミニウムジクロライド19.3g(124.5ミリモル、17.2 ml)を
滴下した。このようにして得られた反応混合物を、撹拌下、80℃に加熱し、こ
の温度に2時間維持した。得られた暗褐色の固体をデカンテーションによって母
液から分離し、続いて、各400mlずつのn−デカンによって2回洗浄した。
【0079】 チタン2.7重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
90%)、次の成分間のモル比:Hf/Ti=1.6;Mg/Ti=8.5;Al/
Ti=1.2;Cl/Ti=30.9;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=0.8によ
って特徴付けられる所望の触媒固体成分3.3gが得られた。
【0080】 X線スペクトルは、「δ」タイプの無秩序構造を代表する典型的な非常に広い
シグナルを示した。酸化状態+3のチタンの量は総チタンの97%である。
【0081】 このようにして得られた固体成分のESRスペクトルを図1に示す。1.968におけ
る「g」を有するシグナルにより、1.905及び1.953に「g」を有する他の2つの
シグナルとの関係に当てはめると、Ti+3の4%がテトラ配位隣接をなすもの
と決定される。
【0082】
【実施例2】 下記の生成物を順に反応器(5000 ml)に装入した: n−デカン1000 ml;MgCl 16g(168ミリモル);Ti(n-OBu)4.8g(1
4.1ミリモル、4.8ml);及びHfCl2.3g(7.2ミリモル)。
【0083】 続いて、2−エチルヘキサン酸76.6g(531ミリモル、84.8 ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。このようにして得られた懸濁液を90℃に
加熱し、閉じた反応器中で、この温度に30分間維持した。このようにして、明
るい黄色のわずかに不透明な溶液が得られた。溶液を室温に冷却した後、n−デ
カン320 mlに希釈したイソブチルアルミニウムジクロライド136.7g(882ミリモ
ル、122 ml)を滴下した。このようにして得られた反応混合物を、撹拌下、80
℃に加熱し、閉じた反応器中で、この温度に2時間維持した。得られた紫−ピン
ク色の固体をデカンテーションによって母液から分離し、続いて、各1000 mlず
つのn−デカンによって2回洗浄した。
【0084】 チタン2.5重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
90%)、次の成分間のモル比:Hf/Ti=0.5;Mg/Ti=15.2;Al/T
i=0.6;Cl/Ti=36;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=1.0によっ
て特徴付けられる所望の触媒固体成分23.1gが得られた。
【0085】 X線スペクトルは、「δ」タイプの無秩序構造を代表する典型的な非常に広い
シグナルを示した。酸化状態+3のチタンの量は総チタンの98%である。
【0086】
【実施例3】 下記の生成物を順に反応器(5000ml)に装入した: n−デカン800ml;MgCl19g(200ミリモル);Ti(n-OBu)5.7g(16.7
ミリモル、5.7ml);及びHfCl 13.5g(42.1ミリモル)。
【0087】 続いて、2−エチルヘキサン酸105.6g(732ミリモル、117 ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。実施例1と同じ操作法を採用して操作を行
い、明るい黄色のわずかに不透明な溶液を得た。溶液を室温に冷却した後、n−
デカン433 mlに希釈したイソブチルアルミニウムジクロライド185.8g(1199ミ
リモル、165.9 ml)を滴下した。このようにして得られた反応混合物を、撹拌下
、80℃に加熱し、閉じた反応器中で、この温度に2時間維持した。
【0088】 ついで、冷却した後、紫−ピンク色の固体が得られ、この固体をデカンテーシ
ョンによって母液から分離し、続いて、各1000 mlずつのn−デカンによって2
回洗浄した。
【0089】 チタン1.7重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
85%)、次の成分間のモル比:Hf/Ti=3.0;Mg/Ti=13.1;Al/T
i=0.9;Cl/Ti=42;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=2.6によっ
て特徴付けられる所望の触媒固体成分40.2gが得られた。
【0090】 X線スペクトルは、「δ」タイプの無秩序構造を代表する典型的な非常に広い
シグナルを示した。酸化状態+3のチタンの量は総チタンの98%である。
【0091】
【実施例4】 下記の生成物を順に反応器(500 ml)に装入した。
【0092】 n−デカン100ml;MgCl 3.05g(32ミリモル);Ti(n-OBu) 0.95g(2
.8ミリモル、0.95 ml);及びHfCl4.5g(14ミリモル)。
【0093】 続いて、2−エチルヘキサン酸19.9g(138ミリモル、22ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。実施例1と同じ操作法を採用して操作を行
い、蜂蜜イエローの溶液を得た。溶液を室温に冷却した後、n−デカン81mlに
希釈したイソブチルアルミニウムジクロライド34.7g(224ミリモル、31ml)
を滴下した。このようにして得られた反応混合物を、撹拌下、80℃に加熱し、
この温度に2時間維持した。得られた暗褐色の固体をデカンテーションによって
母液から分離し、続いて、各400 mlずつのn−デカンによって2回洗浄した。
【0094】 チタン1.6重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
85%)、次の成分間のモル比:Hf/Ti=4.3;Mg/Ti=9.0;Al/
Ti=2.1;Cl/Ti=39.4;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=5.1によ
って特徴付けられる所望の触媒固体成分7.1gが得られた。
【0095】 X線スペクトルは、「δ」タイプの無秩序構造を代表する典型的な非常に広い
シグナルを示した。
【0096】
【実施例5】 下記の生成物を順に反応器(5000 ml)に装入した。
【0097】 n−デカン1000ml;MgCl17g(181ミリモル);Ti(n-OBu)5.1g(1
5ミリモル、5.1ml);及びZrCl 5.24g(22.5ミリモル)。
【0098】 続いて、2−エチルヘキサン酸88.2g(613ミリモル、97.7 ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。このようにして得られた混合物を90℃に
加熱し、この温度に30分間維持した。このようにして、明るい黄色のわずかに
不透明な溶液が得られた。
【0099】 溶液を室温に冷却した後、n−ヘプタン363 mlに希釈したイソブチルアルミニ
ウムジクロライド155.6g(1004ミリモル、139 ml)を滴下した。このようにし
て得られた反応混合物を98℃に加熱し、この温度に2時間維持した。
【0100】 得られた紫色の固体をデカンテーションによって母液から分離し、続いて、各
1000 mlずつのn−ヘプタンによって2回洗浄した。
【0101】 チタン2.4重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
90%)、次の成分間のモル比:Zr/Ti=2.1;Mg/Ti=9.3;Al/
Ti=1.1;Cl/Ti=30.5;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=2.8によ
って特徴付けられる所望の触媒固体成分26.9gが得られた。
【0102】 X線スペクトルは、「δ」タイプの無秩序構造を代表する典型的な非常に広い
シグナルを示した。
【0103】
【実施例6(比較例)】 比較のため、上述の特許EP-A 523,785に記載のごとく、予め調製した金属カル
ボキシレートの使用に基づく方法に従って触媒固体成分を調製した。
【0104】 1)MgCl(2−エチルヘキサノエート)溶液の調製 n−デカン100 ml中に懸濁させたMgCl 11.4g(107.7ミリモル)を反応器(
500 ml)に装入した。ついで、室温において撹拌しながら、2−エチルヘキサン
酸46.6g(323ミリモル、51.6 ml)をゆっくりと添加した。反応混合物を温度10
0℃とし、懸濁液中に窒素を5時間発泡させることによって、存在する塩素を部
分的に除去した。
【0105】 終了時、次の濃度の溶解物質:Mg=1034ミリモル/l;Cl=786ミリモル/
l;2−エチルヘキサン酸=3102ミリモル/lを含有する透明な明るい黄色の溶
液104 mlが得られた。
【0106】 2)HfCl(2−エチルヘキサノエート)溶液の調製 n−デカン150 ml中に懸濁させたHfCl20g(62.4ミリモル)を反応器(50
0 ml)に装入した。ついで、室温において撹拌しながら、2−エチルヘキサン酸
18g(124.8ミリモル、19.9 ml)をゆっくりと添加した。
【0107】 反応混合物を温度100℃とし、懸濁液中に窒素を5時間発泡させることによっ
て、存在する塩素を部分的に除去した。終了時、次の濃度の溶解物質:Hf=95
.4ミリモル/l;Cl=174.8ミリモル/l;2−エチルヘキサン酸=191ミリモル
/lを含有する透明な明るい黄色の溶液131 mlが得られた。
【0108】 3)TiCl(2−エチルヘキサノエート)溶液の調製 n−デカン100 ml中に溶解させたTiCl4.3g(22.7ミリモル、2.5ml)を
反応器(500 ml)に装入した。ついで、室温において撹拌しながら、2−エチル
ヘキサン酸6.5g(45.1ミリモル、7.2ml)をゆっくりと添加した。反応混合
物を温度100℃とし、懸濁液中に窒素を5時間発泡させることによって、存在す
る塩素を部分的に除去した。次の濃度の溶解物質:Ti=330ミリモル/l;Cl
=650ミリモル/l;2−エチルヘキサン酸=660ミリモル/lを含有する透明な暗
緑色の溶液69mlが得られた。
【0109】 4)触媒固体成分の調製 下記の生成物を順に反応器(500ml)に装入した: −n−デカン150ml; −上述の如く調製したMg6.5g(20.7ミリモル)、2−エチルヘキサン酸8.9
5g(62ミリモル)及び塩素0.56g(15.8ミリモル)を含有するMgCl(2−エチ
ルヘキサノエート)の溶液20ml −上述の如く調製したHf0.44g(2.5ミリモル)、塩素0.16g(4.5ミリモ
ル)及び2−エチルヘキサン酸0.72g(5ミリモル)を含有するHfCl(2−エ
チルヘキサノエート)の溶液25.2 ml; −上述の如く調製したTi0.44g(2.5ミリモル)、塩素0.13g(3.7ミリモ
ル)及び2−エチルヘキサン酸0.54g(3.76ミリモル)を含有するTiCl(2−
エチルヘキサノエート)の溶液5.7ml。
【0110】 透明な溶液が形成され、該溶液に、n−デカン42mlで希釈したイソブチルア
ルミニウムジクロライド17.5g(113ミリモル)を、温度約30℃においてゆっ
くりと滴下した。添加終了後、温度を約80℃とし、混合物を撹拌下に2時間維
持した。微細に懸濁した赤がかった褐色の固体が形成され、これをデカンテーシ
ョンによって母液から分離し、続いて、400 mlずつのn−ヘプタンで2回洗浄し
た。
【0111】 チタン2.8重量%を含有し(初期チタンテトラブチレートに関する合成収率
85%)、次の成分間のモル比:Hf/Ti=1.3;Mg/Ti=9.2;Al/
Ti=1.7;Cl/Ti=31.1;(2−エチルヘキサノエート)/Ti=0.6によ
って特徴付けられる所望の触媒固体成分2.8gが得られた。
【0112】 X線スペクトルによって、かかる固体が「δ」タイプの無秩序構造を有するこ
とが証明された。酸化状態+3のチタンの量は97%であった。
【0113】 このようにして得られた固体成分のESRスペクトルを図2に示す。本発明によ
る固体成分に係る図1に示したスペクトルにおいては存在している「g」=1.96
8におけるシグナルが存在していないことが認められる。
【0114】
【実施例7(比較例)】 比較のため、チタン及びハフニウムの代わりに、チタンのみを基材とする触媒
固体成分を調製した。使用した方法は、本発明の方法と同様である。
【0115】 下記の生成物を順に反応器(500 ml)に装入した: n−デカン100 ml;MgCl5.6g(58.8ミリモル);及びTi(n-OBu)1.3
g(3.8ミリモル、1.3ml)。
【0116】 続いて、2−エチルヘキサン酸25.4g(176ミリモル、28.1 ml)を、室温にお
いて、撹拌下でゆっくりと添加した。
【0117】 このようにして得られた懸濁液を90℃に加熱し、閉じた反応器中で、この温
度に30分間維持した。終了後、初期MgClの約15重量%が懸濁液中の微細粒
子として不溶のままで残っていた。室温に冷却した後、このようにして得られた
混合物を、前の工程において不溶のままで残った固体を分離することなく、イソ
ブチルアルミニウムジクロライドと反応させた。詳述すれば、n−デカン104 ml
に希釈したイソブチルアルミニウムジクロライド44.6g(288ミリモル、39.8 ml
)を混合物に添加し、ついで、80℃に加熱し、この温度に2時間維持した。
【0118】 得られた淡いピンク色の固体をデカンテーションによって母液から分離し、続
いて、各400 mlずつのn−デカンによって2回洗浄した。チタン2.6重量%を
含有し(初期チタンに関する合成収率85%)、次の成分間のモル比:Mg/T
i=12.6;Al/Ti=2.7;Cl/Ti=34.4;(2−エチルヘキサノエート)/
Ti=1.9によって特徴付けられる所望の触媒固体成分6.1gが得られた。
【0119】 酸化状態+3のチタンの量は98%であった。
【0120】
【実施例8−16(溶液中でのエチレンの共重合)】 上述のごとくして得られた触媒成分を使用して、それぞれ相対的に均一な条件
下で各種の重合テストを実施した。
【0121】 一般的操作法 撹拌機、マノメーター及びガス状試薬を供給するための好適な接続部を具備す
る高圧反応器(5l)に、次の生成物:無水のn−デカン2.0l(溶媒として
)、アルミニウムトリエチル(助触媒及び不純物スカベンジャーとして作用する
)、1−ヘキセン74ml(共単量体として)及び触媒固体成分を装入した。温度
を所望レベル、通常、210−220℃とし、液体を撹拌下に維持しながら、所望圧力
に達するまで、エチレンを急速に導入した。
【0122】 共重合反応を5分間続け、ついで、二酸化炭素で飽和したエタノール(二酸化
炭素(ドライアイス)10g(230ml)を含有するエタノール20ml)16g(3
50ミリモル)を添加することによって停止させた。
【0123】 形成された重合体をメタノールの添加によって沈殿させ、再度、メタノールに
よって洗浄した。ついで、空気流中で乾燥させ、秤量し、上述した方法に従って
密度、メルトフローインデックス(MFI)及びせん断感度を測定することによっ
て特徴付した。
【0124】 重合テストの詳細、条件及び結果を表1に概略して示す。この表の欄は、各実
施例に関して、順に、実施例番号、使用した触媒固体成分の調製例、その量(mg
)及びチタンの相当量(μモル)、重合温度及び圧力、得られた重合体の量及び
その密度、MFI及びせん断感度、及び最後にチタンに関する触媒活性度を示す。
【0125】 実施例15及び16は比較例である。
【0126】
【表1】
【0127】
【実施例17】 反応器(5l)に、順に、無水のn−デカン2000 ml、アルミニウムトリエチ
ル57mg(0.5ミリモル、0.07 ml)、1−ヘキサン45g(536ミリモル、6
6ml)及び実施例1の触媒固体成分12.2 mg(チタン0.33 mg(6.9μモル)に
相当)を装入した。
【0128】 重合温度を183℃とし、圧力をエチレンで1.3MPaとした。反応を5分間続け
、ついで、エタノール20ml、二酸化炭素(ドライアイス)10gを含有する混
合物の添加によって停止させた。
【0129】 終了後、188 kg(ポリエチレン)/モル(成分中のチタン)の活性度で、ポリ
エチレン63gが得られた。このようにして得られたポリエチレンは、次の特性
を有する:MFI(2.16 kg)=0.02 dg/10分、せん断感度43.4、密度=0.9244g
/ml。
【0130】
【実施例18】 反応器(5l)に、順に、無水のn−デカン2000 ml、アルミニウムトリエチ
ル57mg(0.5ミリモル、0.07 ml)、1−ヘキサン35g(417ミリモル、5
2ml)及び実施例1の触媒固体成分29.6 mg(チタン0.8mg(16.7μモル)に相
当)を装入した。
【0131】 重合温度を218℃とし、圧力をエチレンで1.3MPaとした。ついで、上記実施
例17と同じ操作法を採用した。終了後、59kg(ポリエチレン)/モル(成分
中のチタン)の活性度で、ポリエチレン48gが得られた。このようにして得ら
れたポリエチレンは、次の特性を有する:MFI(2.16 kg)=0.3dg/10分、せ
ん断感度=34.5、密度=0.9312g/ml。
【0132】
【実施例19】 反応器(5l)に、順に、無水のn−デカン2000 ml、アルミニウムトリエチ
ル57mg(0.5ミリモル、0.07 ml)、1−オクテン67g(598ミリモル、9
4ml)及び実施例1の触媒固体成分44.4 mg(チタン1.2mg(25.0μモル)に相
当)を装入した。
【0133】 重合温度を220℃とし、圧力をエチレンで1.45 MPaとした。ついで、上記実施
例17と同じ操作法を採用した。終了後、45.8kg(ポリエチレン)/モル(成分
中のチタン)の活性度で、ポリエチレン55gが得られた。このようにして得ら
れたポリエチレンは、次の特性を有する:MFI(2.16 kg)=0.76 dg/10分、せ
ん断感度=37.4、密度=0.9275g/ml。
【0134】
【実施例20】 反応器(5l)に、順に、無水のシクロヘキサン2000 ml、アルミニウムトリ
イソブチル99mg(0.5ミリモル、0.07 ml)、1−ヘキサン50g(595ミリ
モル、75ml)及び実施例1の触媒固体成分37mg(チタン1.0mg(20.9μモ
ル)に相当)を装入した。
【0135】 重合温度を173℃とし、圧力をエチレンで1.4MPaとした。ついで、上記実施
例17と同じ操作法を採用した。終了後、86kg(ポリエチレン)/モル(成分
中のチタン)の活性度で、ポリエチレン85gが得られた。このようにして得ら
れたポリエチレンは、次の特性を有する:MFI(2.16 kg)=0.1dg/10分、せ
ん断感度=30.4、密度=0.9087g/ml。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に従って得られた触媒固体成分に関するESRスペクトルを表すチャー
トである。
【図2】 実施例5(比較例)に従って得られた触媒固体成分に関するESRスペクトルを
表すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 コンティ ジュセッペ イタリア国 サン・ドナト・ミラネーゼ イ−20097 ビア・ケネディ 36 (72)発明者 ザネルラート アルベルト イタリア国 サン・ジュリアーノ・ミラネ ーゼ イ−20098 ビア・フラテッリバン ディエーラ 4/6 (72)発明者 モアッリ アンジェロ イタリア国 カステルレット・ティチーノ イ−28053 ビア・デル・カンティエー レ 3 Fターム(参考) 4J028 AA02A AB01A AC13A AC23A BA02B BB01B BC18B CA16C EB02 EB04 EB05 EB09 EB10 EB18 EB21 EC01 EC02 FA02 GA01 GA07

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも95重量%が、次のモル割合(ここで、Rは、炭素原子1−30個
    を含有する脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族炭化水素基であり、及びMは、ハ
    フニウム及びジルコニウムから選ばれる金属又はその混合物の1つである):M
    /Ti=0.1−10.0;Mg/Ti=1.0−20.0;Al/Ti=0.01−6.0;Cl
    /Ti=2.0−70.0;R-COO/Ti=0.1−10.0のチタン;マグネシウム;ハフ
    ニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1の金属;アルミニウム;塩素
    ;及びR-COOカルボキシレートでなるα−オレフィンの重合又は共重合用触媒固
    体成分において、チタンの少なくとも80%が+3の酸化状態を有するものであ
    り、さらに、前記+3の酸化状態のチタンの少なくとも1%が正四面体配位形状
    を有するものであることを特徴とする、触媒固体成分。
  2. 【請求項2】 次のモル割合:M/Ti=0.3−5.0;Mg/Ti=5.0−15.0;Al/Ti
    =0.1−3.0;Cl/Ti=20.0−50.0;R-COO/Ti=0.5−5.0であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の触媒固体成分。
  3. 【請求項3】 Mがハフニウムである、請求項1又は2記載の触媒固体成分。
  4. 【請求項4】 チタンの少なくとも90%が+3の酸化状態を有するものであり、前記チタン
    の少なくとも2−10%が正四面体配位形状を有するものである、請求項1−3
    のいずれか1項記載の触媒固体成分。
  5. 【請求項5】 カルボキシレートの基Rの炭素原子数が6−15である、請求項1−4のいず
    れか1項記載の触媒固体成分。
  6. 【請求項6】 チタン含量が10重量%以下である、請求項1−5のいずれか1項記載の触媒
    固体成分。
  7. 【請求項7】 少なくとも95重量%、好ましくは98−100%が、次のモル割合(ここで、
    Rは、炭素原子1−30個を含有する脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族炭化水
    素基であり、及びMは、ハフニウム及びジルコニウムから選ばれる金属又はその
    混合物の1つである):M/Ti=0.1−10.0;Mg/Ti=1.0−20.0;Al
    /Ti=0.01−6.0;Cl/Ti=2.0−70.0;R-COO/Ti=0.1−10.0のチ
    タン;マグネシウム;ハフニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1の
    金属;アルミニウム;塩素;及びR-COOカルボキシレートでなるα−オレフィン
    の重合又は共重合用触媒固体成分を製造する方法において、該方法は、順に、 (i)好適な割合のマグネシウムの少なくとも1の化合物、チタン化合物及びジ
    ルコニウム及びハフニウムから選ばれる金属Mの化合物でなる混合物を、前記化
    合物の少なくとも1が不溶性である不活性有機液体でなる媒体中で調製し; (ii)工程(i)の混合物に、一般式(I) R−COOH (ここで、Rは、炭素原子1−30個を含有する脂肪族基、環状脂肪族基又は芳
    香族炭素原子基である)で表される充分な量のカルボン酸を添加することにより
    実質的に透明な溶液を調製し、該溶液を、すべての不溶性化合物が実質的に溶解
    するまで、好適な圧力及び温度条件下に維持し; (iii)工程(ii)で得られた溶液に、一般式(II) AlR'Cl(3−n) (ここで、R'は、炭素原子1−20個を含有する直鎖状又は分枝状アルキル基
    であり、nは0.5−2.5の数である)で表される塩化アルキルアルミニウムを
    、前記工程(ii)の溶液中に存在するチタンの少なくとも70%、好ましくは8
    0−100%を固体化合物の形で沈殿させるに少なくとも充分な量で添加し、反応
    させ;及び (iv)工程(iii)で沈殿した固体を残りの液体から分離して、触媒固体成分を
    得る工程からなることを特徴とする、触媒固体成分の製法。
  8. 【請求項8】 Mがハフニウムであり、カルボン酸R-COOHの基Rが炭素原子6−15個でなる
    ものである、請求項7記載の製法。
  9. 【請求項9】 工程(i)の混合物の調製において使用する液体が、脂肪族、環状脂肪族又は
    芳香族炭化水素から選ばれるものである、請求項7又は8記載の製法。
  10. 【請求項10】 工程(i)のマグネシウム、ハフニウム及び/又はジルコニウムのものから選
    ばれる少なくとも2の化合物が不活性液体に不溶性であり、懸濁液を形成する、
    請求項7−9のいずれか1項記載の製法。
  11. 【請求項11】 工程(i)の化合物の少なくとも50重量%が、選ばれた不活性液体に溶解し
    ない、請求項7−10のいずれか1項記載の製法。
  12. 【請求項12】 工程(i)の化合物を、金属(溶解性及び不溶性の両方)の全体濃度0.05−2
    .0モル/lで不活性液体と混合する、請求項7−11のいずれか1項記載の製法
  13. 【請求項13】 マグネシウム及びハフニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1の金
    属を、粒状固体の形又は粉末の形の塩化物として、工程(i)の混合物に導入す
    る、請求項7−12のいずれか1項記載の製法。
  14. 【請求項14】 工程(ii)における溶解温度が70−120℃である、請求項7−13のいずれ
    か1項記載の製法。
  15. 【請求項15】 工程(ii)を、外部との間であまり物質交換することなく実施する、請求項7
    −14のいずれか1項記載の製法。
  16. 【請求項16】 工程(iii)の一般式(II)で表される塩化アルキルアルミニウムのnが0.9
    −2.1である、請求項7−15のいずれか1項記載の製法。
  17. 【請求項17】 工程(iii)で使用する塩化アルキルアルミニウムの量が、等式: 【数1】 によって予め決定された最少量の1.1−2.0倍の量である、請求項7−16の
    いずれか1項記載の製法。
  18. 【請求項18】 工程(iii)において、室温(20−25℃)−約60℃の温度で操作して、
    塩化アルキルアルミニウムを工程(ii)の溶液に添加し、得られた混合物を温度
    50−100℃に加熱し、この温度に45−180分間維持する、請求項7−17のい
    ずれか1項記載の製法。
  19. 【請求項19】 請求項7−18のいずれか1項記載の製法によって得られたものである、請求
    項1−6に記載の触媒固体成分。
  20. 【請求項20】 98−100%が、チタン、マグネシウム、ハフニウム及びジルコニウムから選
    ばれる少なくとも1の金属、アルミニウム、塩素及びカルボキシレートR-COOか
    らなる、請求項1−6及び19のいずれか1項記載の触媒固体成分。
  21. 【請求項21】 相互に接触させた、周期表第1、2又は13グループの金属の水素化物又は有
    機金属化合物でなる助触媒及び固体成分からなるα−オレフィンの重合又は共重
    合用触媒において、前記固体成分が、請求項1−6及び19−20のいずれか1
    項記載の触媒固体成分からなるものであることを特徴とする、α−オレフィンの
    重合又は共重合用触媒。
  22. 【請求項22】 助触媒が、アルキル部に炭素原子1−10個、好ましくは、2−6個を含有す
    るアルミニウムトリアルキルから選ばれるものである、請求項21記載の触媒。
  23. 【請求項23】 アルミニウム(助触媒中)とチタン(触媒の固体成分中)との間の原子比が、
    2:1−500:1、好ましくは、5:1−200:1である、請求項22記載の触媒
  24. 【請求項24】 少なくとも1のα−オレフィンを、連続式又はバッチ式、1又はそれ以上の工
    程において、低圧(0.1−1.0MPa)、中圧(1.0−10MPa)又は高圧(1
    0−150 MPa)、温度20−300℃、任意に不活性希釈剤の存在下、好適な触媒の
    存在下で重合させることからなるα−オレフィンの重合又は共重合法において、
    触媒が、請求項21−23のいずれか1項記載の触媒であることを特徴とする、
    α−オレフィンの重合又は共重合法。
  25. 【請求項25】 少なくとも1のα−オレフィンがエチレンである、請求項24記載の重合又は
    共重合法。
  26. 【請求項26】 エチレンを重合させて直鎖状ポリエチレンを生成するか、又は炭素原子3−1
    0個を含有するα−オレフィンと共重合させる、請求項24又は25記載の重合
    又は共重合法。
  27. 【請求項27】 重合又は共重合を、不活性溶媒の溶液中、温度130-300℃、圧力1−25MPaで
    行なう、請求項24−26のいずれか1項記載の重合又は共重合法。
  28. 【請求項28】 不活性溶媒が、炭素原子6−10個を含有する脂肪族又は環状脂肪族炭化水素
    から選ばれるものである、請求項24−27のいずれか1項記載の重合又は共重
    合法。
  29. 【請求項29】 重合温度が150−230℃である、請求項24−28のいずれか1項記載の重合又
    は共重合法。
JP2000608660A 1999-03-25 2000-03-20 α−オレフィンの重合又は共重合用バイメタル触媒 Expired - Lifetime JP4813662B2 (ja)

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