JP2002540258A - 低いカルシウム感度を有するペクチン - Google Patents

低いカルシウム感度を有するペクチン

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Abstract

(57)【要約】 少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%のエステル化度及び約100センチポアズ以下のΔCSを有するペクチン。少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%のエステル化度及び約0センチポアズより大きいΔCSを有する出発ペクチンを、該出発ペクチンのΔCSより低いΔCSを有する処理ペクチンを製造するのに充分な条件下でペクチンリアーゼで処理する工程を含む、ペクチンを製造するための方法。そのようなペクチンを含有する食用組成物、及びそのようなペクチンを伴う組成物を配合することにより食用組成物の貯蔵安定性を増加させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、望ましくない粘度の増加無しでタンパク質の安定化を供給するペク
チンに関する。より特定的には、本発明は、比較的低いカルシウム感度を有しな
がらタンパク質安定化を供給するペクチンを製造するため酵素によるか又は化学
的な手段により処理されたペクチンに関する。
【発明の背景】
ペクチンは、適する食用植物材料、通常は柑橘系の果実又はリンゴの水抽出に
より得られた精製炭水化物生成物である。例えば、ペクチンは、商業的には柑橘
系果実の皮又はリンゴのしぼりかすから弱酸性条件下で抽出することができる。
典型的なペクチン製造は、3〜4つの基本工程、すなわち、植物材料からの抽出
、抽出物の精製、精製された溶液からのペクチンの単離及び場合により脱エステ
ル化を含んでなる。
【0002】 商業的には、ペクチンはポリガラクツロン酸のメチル化エステルである。それ
は、主として、D−ガラクツロン酸単位がβ−1,4グリコシド結合により共に
結合した、直鎖多糖類を形成するD−ガラクツロン酸単位及びガラクツロン酸メ
チルエステル単位からなる。ラムノース及びアラビノースのような幾つかの中性
糖(neutral sugars)も存在する。ポリガラクツロン酸は部分的にメチル基でエ
ステル化されており、遊離酸基は部分的又は完全にナトリウム、カリウム、又は
アンモニウムイオンで中和され得る。エステル化されたガラクツロン酸基のガラ
クツロン酸基全体に対する比はエステル化度(DE)と呼ばれ、ペクチンの性質
、特にその溶解性及びゲル形成性特徴に影響を及ぼす。
【0003】 ペクチンは、通常、そのエステル化度によって分類され、これに関連して二つ
の主要なカテゴリー:高(メチル)エステル(HM)ペクチン及び低(メチル)
エステル(LM)ペクチンに分けることができる。(この検討の目的のため、低
エステル及び低メチルエステルは、高エステル及び高メチルエステルのように互
換性のある語と考えることができる。)LMペクチンは50%未満のカルボキシ
ル酸単位がメチルエステルとなったものであり、一方、HMペクチンは50%以
上のカルボキシル酸単位がメチルエステルになったものである。規制の目的のた
め、この用語はFCCの定義により強制され、その下では、50%DEか又はそ
れより大きいあらゆるペクチンはHMペクチンであり、一方、50%のDEであ
るものはいずれもLMペクチンである
【0004】 HMペクチンは高度に溶解性のある固体の存在下低いpHで極めて容易にゲル
を形成し、一方、LMペクチンは、特徴としてカルシウム及び/又はマグネシウ
ムのような二価の陽イオンの存在下でゲル化する。ゲル化はペクチンの第一の特
徴であるが、食品及び飲料製品の安定性を改善するためにも使用することができ
る。ペクチンは、特に低いpHにおいて、乳性タンパク質のようなタンパク質を
含有する飲料を安定化するのに特定的な有用性を有する。そのような飲料の一つ
のカテゴリーは酸性化された乳性飲料であり、醗酵によるか又は直接酸性化によ
って製造されてもよい。理論で括るものではないが、ペクチンは、そのようなタ
ンパク質の表面に見られるイオン性電荷と相互作用することによりカゼインのよ
うなタンパク質を安定化すると考えられる。安定化無しでは、飲料中のタンパク
質粒子は互いと相互作用して塊となり、曇り(cloudiness)及び/又は沈殿をも
たらし得る。ペクチンは、ペクチンバックボーンに沿った負に荷電した酸領域と
タンパク質の表面上のイオン性電荷との相互作用によりタンパク質を安定化する
ことができる。また、カゼインは両性であるので、ペクチンバックボーンに沿っ
た負に荷電した酸領域とカゼイン粒子の表面上の負に荷電した領域との間のカル
シウムブリッジング(bridging)を経て、安定化が起こり得る。しかし、pH約
4.4以下のような低いpHにおいてカゼインは大部分は正の電荷を有するので
、ペクチンとカゼインの静電的相互作用の結果、カルシウムブリッジングは最小
限となりペクチンを用いた安定化が第一にか又は排他的に起こる。
【0005】 食品及び飲料製造者は、それらの製品が製造される出発材料の有意な変化に対
面し得る。果実及び/又は牛乳を含有するヨーグルト及び飲料を含む製品の場合
には、これらの変化には、加工の変化、原材料の変化、又は両方に起因するpH
、タンパク質濃度、及びカルシウム濃度の有意な変化が含まれ得る。典型的な又
は標準化された製品組成物を安定化するのに充分な量のペクチンでそのような製
品を安定化することにより、特定的な製品組成物の構成が、使用された量のペク
チンの安定化力を超える場合には、粗悪な性質をもつか又は使用さえできない製
品をもたらし得る。この危険性は、ペクチンの‘過剰配合(overdosing)’、す
なわち、典型的又は標準化されたバッチを安定化するのに理論的に必要とされる
量より多い量のペクチンを添加することにより補償され得る。過剰配合の量は製
造者及び用途により変化するがかなり大きく、例えば、50%まで、100%ま
で、又はそれより多い。しかし、特定的な製品又は製品バッチのpH、固体含量
(solid content)、及びカルシウム含量のような因子に依存して、‘余分の(e
xtra)’ペクチンは、時には過剰配合粘度と呼ばれる粘度の有意な増加を引き起
こし得る。また、例えば、酸性化乳性飲料のような乳性固形物(milk solids)
を含むか又はそれに基づいている製品は、有意な濃度のカルシウムイオンを含有
し得る。この場合に、より良好な安定化力を供給するペクチンは有意な過剰配合
粘度の原因ともなり得ることから、食品製造者又は加工者はジレンマに直面し得
る。
【0006】 この問題を取り扱うために種々のアプローチが試され又は示唆されてきている
。Akahoshiら(米国特許第5,690,975号)は、カルシウム富化醗酵牛乳
又は醗酵乳性飲料を製造するための方法を説明している。かかる方法は、HMペ
クチン及び“個々にシロップと共にカルシウム”を乳酸醗酵乳性飲料中に添加し
て、得られる混合物を均質化すること;又は、乳酸醗酵酸性化物(lactic-acid
fermented acidified)を均質化して、それにシロップ及びHMペクチンを添加
して、混合して、カルシウムを添加して、そして再び混合することを企図してい
る。どちらの方法においても、“ブロック状タイプペクチン(block-wise type
pectin)”をHMペクチンとして使用してもよい。しかし、食品又は飲料製造者
の見地から、一般的には、方法の変化を最小にすることが好ましいであろう。従
って、比較的高い溶解性の固形含有物と低いpHとを有する食品又は飲料と共に
使用することができ、過剰配合条件下であっても望ましくない粘度の増加無しで
安定性を供給することができるペクチンを得ることが望ましいであろう。
【0007】
【本発明の要旨】
本発明は、少なくとも約10%のブロック状態度(degree of blockiness)、
少なくとも約55%のエステル化度、及び約100センチポアズ以下のΔCSを
有するペクチンに向けられている。 かかるペクチンのΔCSは、約30センチポアズ以下、又は約20センチポア
ズ以下、又は約10センチポアズ以下、又は約5センチポアズ以下であってもよ
く、最も好ましくは、約0センチポアズである。好ましくは、ΔCSの範囲は、
約0センチポアズ〜約20センチポアズであり、より好ましくは、約0センチポ
アズ〜約10センチポアズである。
【0008】 かかるペクチンは少なくとも約20%のブロック状態度を有し得る。好ましく
は、ブロック状態度は約30%以下である。より好ましくは、ブロック状態度は
約15%〜約25%である。 かかるペクチンのエステル化度は、少なくとも約60%、少なくとも約70%
、又は少なくとも約80%であってもよい。エステル化度の範囲は約55%〜約
80%であってもよく、好ましくは、約60%〜約72%である。 本発明のペクチンの分子量は、少なくとも約40,000、好ましくは、少な
くとも約50,000、及び最も好ましくは、少なくとも約70,000であり
、少なくとも約200,000であってもよい。好ましい分子量の範囲は約50
,000〜約200,000であり、約70,000〜約90,000の範囲が
特に好ましい。
【0009】 別の態様においては、かかるペクチンは、約10〜約15のブロック状態度、
約70〜約75のエステル化度、及び約18以下のΔCSを有してもよい。ΔC
Sは、代わりとして約14以下、又は約10以下、又は約6以下、又は約3以下
、又は約2以下、又は約1以下であってもよい。 更に別の態様においては、本発明は、少なくとも約10%のブロック状態度、
少なくとも約55%のエステル化度、及び約0センチポアズより大きいΔCSを
有する出発ペクチンを、その出発ペクチンのΔCSより低いΔCSを有する処理
ペクチンを製造するのに充分な条件下でペクチンリアーゼで処理する工程を含む
、ペクチンを製造するための方法に向けられる。かかる出発ペクチンは、少なく
とも約20%のブロック状態度を有してもよい;代わりとして、かかる出発ペク
チンは、約30%以下のブロック状態度を有してもよい。好ましくは、かかる出
発ペクチンのブロック状態度は約15%〜約25%である。
【0010】 かかる出発ペクチンのエステル化度は、少なくとも約55%、又は少なくとも
約70%、又は少なくとも約80%であってもよい。出発ペクチンのブロック状
態度について好ましい範囲は約55%〜約80%であり、より好ましい範囲は約
60%〜約72%である。 かかる出発ペクチンは、少なくとも約20、又は少なくとも約200、又は少
なくとも約300、又は少なくとも約500を有してもよい。
【0011】 本方法により製造された処理ペクチンは、約20センチポアズ以下、好ましく
は、約10センチポアズ以下、更により好ましくは、約5センチポアズ以下、及
び最も好ましくは、約0センチポアズのΔCSを有する。処理ペクチンについて
ΔCSの好ましい範囲は約0センチポアズ〜約20センチポアズであり、約0セ
ンチポアズ〜約10センチポアズの範囲が最も好ましい。 かかる出発ペクチンは、約240,000以下、及び好ましくは、約150,
000以下の分子量を有してもよく、少なくとも約100,000の分子量を有
するべきである。
【0012】 別の方法においては、少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約7
0%のエステル化度、及び約0センチポアズより大きいΔCSを有するペクチン
を、少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%のエステル化度
、及び約0より大きいΔCSを有する脱エステル化されたペクチンを製造するの
に充分な条件下で植物ペクチンメチルエステラーゼで処理してもよい;そして、
次いで脱エステル化されたペクチンを、少なくとも約10%のブロック状態度及
び約20センチポアズより大きいΔCSを有するペクチンを製造するのに充分な
条件下でペクチンリアーゼで処理してもよい。 本発明は、これまでに説明した方法により製造されるペクチンに及ぶ。
【0013】 更に別の態様においては、本発明は、これまでに説明したような本発明のペク
チン又は処理ペクチンのいずれかを含んでなる食用組成物に向けられる。一の態
様においては、このペクチンは、少なくとも約10%のブロック状態度、少なく
とも約55%のエステル化度、及び約100センチポアズ以下のΔCSを有する
。かかる食用組成物はカゼインを含有してもよく、好ましくは、飲料、特定的に
は、酸性化された乳性飲料である。 更なる態様においては、本発明は、かかる食用組成物をこれまでに説明したよ
うな本発明のペクチン又は処理ペクチンのいずれかと配合することを包含する、
食用組成物の貯蔵安定性を増加させる方法に向けられる。
【0014】
【本発明の具体的な説明】
本発明によれば、比較的高い濃度で使用したときでさえ、実質的かつ望ましく
ない粘度の増加無しで良好な安定化力を供給するペクチンを得ることができる。 これまで、タンパク質安定化の性質と最小限の粘度増加の性質とは、一般的に
はペクチンにおける相反する目的を表すものであった。理論で括るものではない
が、このことは、タンパク質安定化が、ゲル化に至るまでの及びゲル化を含む粘
度の増加をもたらす二価陽イオンのブリッジング又はクロスリンキング(cross-
linking)の原因ともなる主として酸基の形態のペクチン上の負の電荷の存在に
より供給されることに起因し得る。従って、改善された安定化を供給するであろ
う高い量の酸基は、カルシウムのような二価の陽イオンを含有する液体に粘度を
加えるというペクチンの傾向も増大させるであろう。逆に言えば、適する低い酸
含量を有するペクチンを選択することにより有意な粘度増加を避けることができ
るが、また比較的乏しい安定化力をもたらすであろう。理論上は、少なくとも、
これら2つの極端の中間の立場を示し実質的な粘度増加無しで幾らかの安定化力
を供給するペクチンを選択することは可能であろう。しかし、実際には、過剰配
合条件下においては性質におけるこの妥協は失敗に終わり望ましくない粘度増加
が起こることから、そのようなペクチンの有用性はこれまでに説明した過剰配合
についての必要性により打ち消されるであろう。
【0015】 本発明者らは、驚くべきことに、過剰配合の条件下であっても望ましくない又
は許容することができない粘度の増加を引き起こすこと無く良好な安定性を供給
するペクチンを発見した。本発明のペクチンは、エステル化度、又は%DE;ブ
ロック状態度、又はDB;カルシウム感度、又はΔCS;分子量;タンパク質安
定化力、又はYOG;粘性化力(viscosifying power)、又はVIS;及び粘性
化力の安定化力に対する比、又はVIS/YOGを含む種々の特性により特徴付
けることができる。これらのパラメータ、及びそれらの測定についての方法を更
に検討し、以下に説明する。
【0016】 エステル化度(%DE):これまでに説明したように、ペクチンのエステル化
度は、ペクチン分子中にメチルエステルとして存在する酸基のパーセントの尺度
である。HMペクチンについて、カルボキシル酸単位の少なくとも50%がメチ
ルエステルとして存在する。%DEが増加するにつれてカルシウム感度は減少し
、予想によれば安定化力も減少するであろう。本発明のペクチンは%DEが少な
くとも約55%であることを特徴とし、約60又は70〜約72の範囲が好まし
く、%DEは約80まで高くてもよい。特にこれらの高い範囲においては安定化
力が乏しいことが予想され、この予想についての一つの理論的な根拠は、タンパ
ク質を効果的に安定化するには不充分な、残っている比較的少ない酸基からの負
の電荷が存在することである。ペクチン出発材料を酵素で処理することにより本
発明のペクチンを製造する場合、その出発材料の%DEは本質的には変化しない
ことに銘記すべきである。
【0017】 試料の調製 ペクチン2.0000gを250mlガラスビーカーに秤量し;酸アルコール
(5mlの37%発煙HClを加えた100mlの60%イソプロピルアルコー
ル)100mlを加えて、マグネチックスターラーで10分間かき混ぜる。得ら
れる溶液を乾燥し秤量したガラス製フィルターるつぼを通してろ過する。6×1
5mlの酸アルコールでビーカーを完全にすすぎ洗い、すすぎ水を同様にろ過す
る。およそ10mlのろ液を試験管に移しおよそ3mlの3N HNO3を加え、
AgNO3を数滴(例えば、2、3滴)添加することにより測定してろ液が塩素
がなくなったことが分かるまで、そのろ液を60%イソプロピルアルコール(I
PA)で洗浄する。塩化銀の沈殿が観察されるのと対照的に溶液が澄んでいれば
、このろ液は塩素がなくなったものと考えられる。典型的には、約500mlの
IPA洗浄で充分であろう。ろ液が塩素がなくなったことが分かれば、追加の1
00%IPA20mlでそれを洗浄し105℃で2.5時間乾燥する。乾燥後、
るつぼを秤量する。
【0018】 測定 各々0.4000gの2つのろ液試料を別々の250mlガラスビーカーに測
りとり;第2の試料を第1のものに対する照合であり、次いで、同じ手順を各々
の試料について続ける。およそ2mlの100%IPAでペクチンを湿らし、マ
グネチックミキサーで攪拌しながらおよそ100mlの脱イオン水を添加する。
試料はこれで滴定の準備ができる。第2の試料について同様の手順を行い、第2
の滴定量をB1と記録する。
【0019】 滴定 1.0.1N NaOHでpH8.5まで滴定し;滴定量をV1滴定濃度と記録
する。 2.0.5N NaOH20.00mlを添加して、ホイルで覆い15分間そ
のままにしておく。 3.0.5N HCl20.00mlを添加して、pHが一定になるまでマグ
ネチックスターラーで攪拌する。 4.0.1N NaOHでpH8.5まで滴定し;結果をV2滴定濃度と記録す
る。 ブラインド試験について: 1.脱イオン化された、二酸化炭素を含まない水100mlを0.1N Na
OHでpH8.5まで滴定する。 2.0.5N NaOH20.00mlを添加して、ホイルで覆い正確に15
分間そのままにしておく。 3.0.5N HCl20.00mlを添加して、pHが一定になるまでマグ
ネチックスターラーで攪拌する。 4.0.1N NaOHでpH8.5まで滴定し;結果をB1滴定濃度と記録す
る。
【0020】 前述の工程4における滴定を可能とする最大量は、0.1N NaOH1ml
である。0.1N NaOH1mlより多くを必要とする場合は、工程3からの
0.5N HClを少量の脱イオン水で希釈してかかる手順を繰り返し;同様に
、上述の工程3において0.5N HClを添加しても試料のpHが8.5以下
にならない場合は、工程2の0.5N NaOHを少量の脱イオン水で希釈する
。希釈が必要な際、最大限許容される希釈は得られる溶液が0.52〜0.48
Nであるものである。
【0021】 計算 エステル化度を次式に従って計算する:
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】 ブロック状態度(DB):ブロック状態度は、ペクチン分子に沿った酸基の分
布の尺度である。ブロック状態(blockiness)は、ポリマーに沿って比較的ラン
ダムに分布していることとは全く異なり、共にブロックに集束している酸基の性
質を言う。酸基がランダムに分布している場合、それらの個々の負の電荷は比較
的弱いので、タンパク質を安定化させるか又は粘度を増加させるかということへ
の効果は殆ど期待されないであろう。しかし、酸基がブロック状の様式にある場
合は、ブロックに付随する負の電荷は比較的大きく、ペクチンの安定化及び粘性
化力を増加させる。この説明の目的のために、%DBは、エンドポリガラクツロ
ナーゼ(PG,EC3.2.1.15)での処理により遊離された非メチル化ガ
ラクツロン酸分子(モノ、ジ、及びトリマー)の量として、ペクチン1グラム当
たりの非エステル化ガラクツロン酸分子の全数のパーセントで表される。本発明
のペクチンは約10〜約30の範囲の%DBを有する。%DBに関して、ペクチ
ン出発材料を酵素で処理することにより本発明のペクチンを製造する場合、出発
材料の%DBは実質的には生成物において維持される。
【0025】 原理及び計算 ポリガラクツロナーゼは、ガラクツロン鎖の加水分解による開裂によってペク
チンポリマーを分裂させることが知られている。それは非メチル化ガラクツロン
酸残基を攻撃するだけであり、このことはペクチンポリマーからのモノ−ガラク
ツロン酸、ジ−ガラクツロン酸及びトリ−ガラクツロン酸の放出が、(a)存在
する非メチル化ガラクツロン酸残基の量と(b)非メチル化ガラクツロン酸残基
の分子内分布とに依存するということを意味する。非メチル化ガラクツロン酸残
基の分子内分布が一定に保持されれば、ペクチン中に存在する非メチル化ガラク
ツロン酸残基の量が多いほど多くの量のモノ−、ジ−及びトリマーがPGでのイ
ンキュベーションによりペクチンポリマーから放出されるだろう。非メチル化ガ
ラクツロン酸残基の量が一定に保持されれば、非メチル化ガラクツロン酸残基が
より集束しているか又はブロック状である(blocky)ほど多くの量のモノ−、ジ
−及びトリマーがPGでのインキュベーションによりペクチンポリマーから放出
されるだろう。
【0026】 所与の%DEを有するペクチンについて、PGでの処理後に放出されたガラク
ツロン酸の非エステル化モノ−、ジ−及びトリマーの定量化によりブロック状態
(%DE)を測定した。定量化は、Daas, P. J. H.ら, Anal. Biochem., 257(2)
pp. 195-202(1988)により説明される高性能陰イオン交換クロマトグラフィー(
HPAEC)により行い、それは参照することにより本明細書中に組み込まれる
ポリガラクツロナーゼ調製物 本明細書中で使用されるポリガラクツロナーゼ調製物、PG−1は、A. niger
から誘導される。本明細書中で使用されるPG−1はEU出資のプロジェクト“
AIR2-CT941345”に関連してクローニングにより製造されたが、その酵素は天然
にはA. nigerから発生し、先に参照したような慣用的な酵素単離及び精製手法を
用いてA. nigerから単離されてもよい
【0027】 ポリガラクツロナーゼ活性 PG活性を以下のようにアッセイした:ガラクツロン溶液(ポリ−D−ガラク
ツロン酸(C686n ca 150USB)260:l(本明細書中で使用するよ
うに符号“:l”はマイクロリットルを意味する)を、50mM酢酸ナトリウム
210:lに加え、得られる溶液の温度を30℃に調整した。次に、分析する酵
素50:lを加えた。その溶液を注意深く混ぜた。それぞれ、0,1,2,3,
4及び5分後に50:lの試料を採取した。その試料をすぐに1mlのNa2
3(26.5g/l)中にピペットで移すことにより反応を停止した。試料を
注意深く振とう後、ノイコプロイン溶液(neucoproin solution)(イオン交換
水1リットル中ノイコプロイン−塩酸CR400mg,C1413ClN2I 40
0mg+CuSO4.5H2O 0.5ml)0.5mlを加えた。試料を65℃
で15分間インキュベートし、15分間室温で放置した。次いで、調製物をキュ
ベットに適用し、0分に採取した試料に対する吸光度を460nmで測定した。
還元性末端基の量(μmol)を測定するため、D−ガラクツロン酸の溶液(8
.57mg/ml)から標準曲線を調製した。ガラクツロン酸溶液のアリコート
、0,15,30,45及び60:lを50mM酢酸ナトリウムで1mlまで希
釈した。次いで、各々の試料50:lを、“反応を停止した...”から始まる
これまでに説明しように処理した。460nmで測定した吸光度に対してガラク
ツロン酸のμmolをプロットすることにより標準曲線を作成した。活性を 1U(ユニット)=μmolのもたらされる還元性末端基×min-1/ml と表す。
【0028】 クロマトグラフ分析前のPGでの処理 250mgの量の分析するペクチンを40μlのエタノールで湿らせ、70℃
でマグネチックスターラーで攪拌することにより50mlのイオン交換水に溶解
した。ペクチン試料を40℃に冷やし、pHを4.2に調整した。次に、ペクチ
ン調製物1.5mlを3.5ユニットのPG−1に加えた。その試料を40℃で
30分間絶えず攪拌しながらインキュベートした。70μlのHNO3を加えて
80℃に10分間熱することにより反応を停止した。
【0029】 クロマトグラフ分析 PG処理後に得られたペクチン分解物を、以下に説明するように少々の変更を
施しDaas, P. J. H.らにより説明されるように分析した。 GP404つ一組の勾配ポンプ、AS3500オートサンプラー及び溶離剤脱ガス(He
)モジュールを備えたDionex(サニーヴェイル,カリフォルニア,USA)DX-5
00高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを使用した。検出は、水
酸化ナトリウムポストカラム配送システムと電流測定セルを有するDionex ED40
電気化学検出器とを用いて行った。検出器はパルス化電流検出(pulsed amperom
etric detection)(PAD)モードで作動し、金の作動電極とAG/AgCl
参照電極を備えていた。ポストカラム配送システムは、DQP-1ポンプ、パルスダ
ンパーシステム及びガードカラム(GM-3)から構成された。その出口をクロマト
グラフカラム出口にTジャンクションを用いて接続し、1500μl混合コイル
へと混ぜた。水酸化ナトリウム(2.5M)での溶出液を混合後、その試料はP
AD検出器へと入った。クロマトグラムはDionex Peak Netソフトウェアバージ
ョン4.11を用いて記録した。オリゴマーをCarboPac PA-1ガードカラムを付けたD
ionex CarboPac PA1カラムで分離した。0.05−0.7M酢酸ナトリウム(p
H5.0)からの一次勾配を用いて0.5ml/minで65分間溶離を行い、
続いて、1M酢酸ナトリウムの一次勾配を10分、0.5mlの洗浄工程を行っ
た。0.05M酢酸ナトリウム(pH5.0)を用いた15分の平衡工程の後、
80μlの試料を注入した。PADセルへの最終流速が1.0ml/minとな
るようにポストカラムポンプを調整した。
【0030】 水中に酢酸を希釈することにより酢酸緩衝液を調製し、水酸化ナトリウムの5
0%溶液でpH5.0まで滴定し、水で体積を調整して1.0M酢酸塩の最終濃
度を供給した。酢酸希釈液とMillipore系水を混ぜることにより勾配を達成した
。 電流検出のために使用した3重パルスシーケンスには、次のポテンシャルと持
続時間が含まれていた:E1=0.05V(t1=0.4s),E2=0.75V
(t2=0.2s)及びE3=−0.15V(t3=0.4s)。
【0031】 検出された非エステル化モノ−、ジ−及びトリガラクツロン酸量を定量するた
め、これらの成分のPAD応答因子を測定すべきであった(Hotchkiss A. T.ら,
Anal. Biochem., 184, 200-206(1990)を参照のこと)。まず、種々の量のジ−
及びトリマー(0.05〜2.5μモル)のピーク面積を得て、同一の量のモノ
ガラクツロン酸ものと比較した。相対的な応答因子を計算した。各々のシリーズ
の間に、標準量のモノガラクツロン酸(0.051μm)のPAD応答面積を測
定して、そのシリーズにおけるモノ−、ジ−及びトリガラクツロン酸濃度の正確
な計算を可能とした。モノ−、ジ−及びトリガラクツロン酸の量から、前述の%
DBについての式を用いてブロック状態度を計算した。
【0032】 分子量(MW):ペクチンの(重量平均)分子量は、抽出に使用する供給源と
方法に依存して広い範囲であることができる。本発明の目的のため、出発材料と
して使用されるペクチンは、一般的には約240,000未満、及び好ましくは
、約100,000〜約150,000のおよその範囲の分子量を有するだろう
。(他に明白に述べない限り、本明細書中に供給される分子量はダルトンである
。)酵素処理の後、処理ペクチンの分子量は、もちろん選択された出発ペクチン
のものより低くなるであろうし、漠然と、約40,000〜約200,000ダ
ルトンの範囲であろう。処理ペクチンの効力は、実質的には、約40−50,0
00の分子量以下では減少され、約40−50,000〜約70,000の範囲
においてはやや低いがまだ有用であると思われる。本発明のペクチンについて好
ましい分子量の範囲は、約70,000〜約90,000である。
【0033】 ペクチン試料の調製 ペクチンの分子量を、ヘキサメタリン酸ナトリウムを用いて0.1%ペクチン
溶液の相対粘度を測定することにより見積もる。まず、%DEの測定に関する節
で説明したように試料を調製する。ヘキサメタリン酸ナトリウム20.0gを1
800mlのイオン交換脱気(煮沸)水に溶解し、1M HClを用いてpHを
4.50±0.05に調整し、イオン交換脱気(煮沸)水で2000mlに希釈
することにより、ヘキサメタリン酸ナトリウムの溶液を調製する。測定のすぐ前
に、必要な量のヘキサメタリン酸溶液をガラスフィルター#3を通してろ過する
。次いで、およそ90gのヘキサメタリン酸溶液をマグネットを加え、風袋を測
ったビーカーに秤量する。
【0034】 次に、酸洗浄したペクチンをかき混ぜながら徐々にビーカーに加える。その溶
液をかき混ぜながら70℃に熱し、ペクチンが完全に溶解するまで攪拌を継続す
る。次いで、溶液を25℃に冷やし、ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液を用いて
100.0gの重量にし、ガラスフィルター#3を通して濾過する。
【0035】 分子量測定 各々の分子量測定について、以下の手順を使用して2つの異なる粘度計でペク
チン/ヘキサメタリン酸溶液について出口時間を測定する。ヘキサメタリン酸溶
液について該当する粘度計で測定された出口時間を用いて、各々の粘度計につい
て別々に分子量を計算する。2つの計算された分子量間の差が3500未満であ
る場合は、平均値を計算し、最も近い1000の倍数にまるめる。2つの計算さ
れた分子量間の差が3500か又はそれより大きい場合は、粘度計の掃除をすべ
きであり、ヘキサメタリン酸溶液についての出口時間の新たな測定を行うべきで
ある。
【0036】 出口時間を測定するため、粘度計を試料で2回すすぐ。次いで、試料5.00
mlを粘度計に注ぎ、測定の前に少なくとも15分間、25.0℃±0.3℃の
サーモスタットを備えた水浴に入れる。2つの出口で出口時間を測定する。それ
ら時間の差が0.2秒より大きい(ヘキサメタリン酸溶液を測定するとき)か又
は0.4秒より大きい(試料を測定するとき)場合は、差が適する値未満になる
まで測定を繰り返す。分子量測定に使用する出口時間はこれまでに説明した同一
又は実質的に同一の測定結果の平均値である。 相対粘度を次のように計算する:
【0037】
【数3】
【0038】 (式中、to及びthは、それぞれペクチン溶液とヘキサメタリン酸溶液について
の出口時間である)。 パラメータKは、Witeg-Ostwald粘度計を用いて充分正確に107s2に定める
ことができる。さもなければ、Kは次のように計算することができる:
【0039】
【数4】
【0040】 (式中、Q=粘度計バルブの体積(cm3),L=キャピラリチューブの長さ(
cm),及びtv=水についての出口時間(秒))。 ペクチンの分子量は次のように計算する:
【0041】
【数5】
【0042】 (式中、Pは6に定め、kは4.7×10-5mol・g-1に定める;Cは試料系
におけるペクチンの重量パーセントである)。数値を代入すると:
【0043】
【数6】
【0044】 となる。 カルシウム感度(ΔCS):処理ペクチンのカルシウム感度は本発明によって
実質的に減少され、これは、DBが本質的に一定のままであるという特に驚くべ
き事実である。以下に更に説明するように、カルシウム感度はカルシウム無しで
ペクチンを含有する参照溶液とカルシウムを伴いペクチンを含有する溶液との間
の粘度の差を表し、この理由でΔCSと表すことができる。本発明のペクチンは
、約100未満、好ましくは、約20未満、例えば、約5〜約10の範囲、及び
好ましくは、約0のΔCSを有するだろう。出発材料のΔCSは約20を超える
いずれかの値であることができ、例えば、約300より大きいか又は更に約50
0より大きい非常に高い値であることができる。
【0045】 ペクチンのカルシウム感度を、0.5%ペクチン、好ましくは、純粋なペクチ
ンを伴う溶液中で測定する。カルシウムイオンとペクチンとの強い硬化(settin
g)を避けるため、カルシウム塩及びペクチンを低いpHで混ぜる。次いで、酢
酸ナトリウム/酢酸緩衝液の添加によりペクチンとカルシウムイオンの反応を開
始する。カルシウムを含有するペクチン溶液の粘度をカルシウム無しの同様の溶
液の粘度と比較し、粘度の差がカルシウム感度又はΔCSであり、センチポアズ
で測定される。 より具体的には、2.4gのペクチンを伴う400gの溶液(0.6%溶液)
を調製する。純粋なペクチンを使用しない場合は、次式
【0046】
【数7】
【0047】 (式中、Aは試料のペクチンパーセントである)に従って計算されるペクチン量
を用いることにより、溶液を校正すべきである。 使用する量のペクチン(純粋であれば2.4g、さもなければ上述のように計
算する)を小数点以下3桁まで正確に測り取る。そのペクチンを、高せん断ミキ
サー(Waring Blender Model 34BL99, Waring Product Division Dynamic Corpo
ration of America, ニューハートフォード, コネチカット州)中高速でおよそ
4分間沸騰脱イオン水250ml中に分散させる(本明細書中で使用する全ての
脱イオン水は1.0μS/cm以下の導電率のイオン交換水である)。せん断さ
れたペクチン溶液を風袋を測ったビーカーに注ぎ、JK IKA-Combimag REOマグネ
チックスターラー(Janke & Kunkel(IKA),シュタウフェン, ドイツ)での混合の
ためマグネットを加えた。高せん断ミキサーを追加の100mlの脱イオン水で
すすぎ落とし、それをビーカー中のペクチン溶液に加える。その溶液を25℃±
1℃に冷やしてから、かき混ぜながら1M塩酸を用いてpHを1.5に調整する
。追加のDI水を添加して溶液の重量を400gまで増やし、ペクチン溶液14
5g±1gを2つの50×100mm粘度グラス(viscosity glasses)の各々
に測り取る。各々の粘度グラスにマグネットを加える。次いで、ともにIKA MAG
EOA 9マグネチックプレートスターラーでステップ1で攪拌しながら、粘度グラ
スの一方に脱イオン水5mlを入れ、もう一方の粘度グラスに250mMCa2+ 溶液(CaCl2,H2O36.7550g/l)5mlを入れる。次に、1M酢
酸緩衝液(68.04g/lの500mMCH3COONa,3H2O及び28.
6ml/lの500mMCH3COOH,100%)25mlを、IKA MAG RETマ
グネチックスターラーで勢いよく攪拌しながら各々の粘度グラスに加える。攪拌
をステップ1で2分間継続してから、マグネットを取り出し溶液をパラフィルム
(登録商標)で覆って、25℃で一晩そのままにしておく。次いで、サーモスタ
ットで制御された水浴中25℃でBrookfield LVT粘度計を用いて60RPMで測
定する。2つの溶液の粘度の差(センチポアズ)は、かかるペクチンのカルシウ
ム感度又はΔCSである。
【0048】 本発明のペクチンは、本明細書中に更に説明するように、出発ペクチンを、望
ましい性質を有するペクチンを得るのに充分な条件下でペクチンリアーゼで処理
することにより製造してもよい。本発明のペクチンを製造するための方法は、出
発材料のブロック状態度又はエステル化度に有意に影響を及ぼすことはない。D
Bは酸基がペクチンバックボーンに沿ってどれだけ集中しているかに関係し、酸
基の濃度は、一般的にはカルシウム感度に関係するので、カルシウム感度をDB
の変化無しで減少することができることはかなり驚くべきことである。
【0049】 処理に使用される特定的なペクチンリアーゼも、出発材料として使用されるペ
クチンの供給源も臨界的ではなくと考えられ、方法最適化の慣例事項として選択
するか又は調整してもよい。ペクチンリアーゼは既知であり、他の供給源も入手
可能であるが、それらは、通例、幾つかの変異体が発生するAspergillus niger
から得られる;例えば、Van Houdenhoven, F. E. A., "Studies on Pectin Lyas
e", Ph. D. Thesis, Wageningen Agricultural University, The Netherlands,
17(1975);及びKusters-Van Someren, M. A., "Characterization of an Asperg
illus niger Pectin Lyase Gene Family", Ph. D. Thesis, State University U
trecht, The Netherlands(1991)参照のこと。これらの開示は参照により本明細
書中に援用される。リアーゼ調製物中の汚染物質、特に生物活性のある汚染物質
の存在は、本発明の方法を実施し本発明のペクチンを得る能力を損なうので、実
質的に純粋な形態で得られたか又は実質的な均一性に精製されたリアーゼ調製物
のみが使用されるべきである。
【0050】 これまでに示したように、ペクチンは広い範囲の植物供給源中に存在しそれら
から抽出することができる。限定するものではないがこれらには、レモン、ライ
ム、オレンジ、グレープ、リンゴ、及びテンサイのような比較的よくある商業的
供給源が含まれる。
【0051】
【実施例】
酵素:ペクチンリアーゼ(PL,E.C.4.2.2.10)を含有する4つ
の異なるペクチン調製物を使用した。調製物AはAspergillus nigerから誘導さ
れたペクチンリアーゼA(PL A)であり、調製物Bは、またA. nigerから誘
導されたペクチンリアーゼD(PL D)であった。以下の実施例に使用される
PL A及びPL Dの試料は、EU出資のプロジェクト“AIR2−CT941
345”に関連してクローニングにより製造されたが、これらの酵素は、A. nig
erにおいて天然に発生し、Van Houdenhovenにより説明されるもののような慣用
的な酵素単離及び精製手法を用いてA. nigerから単離してもよい。活性を最大限
にし、汚染物質及び/又は不純な調製物を原因とし得る望ましくない副反応を避
けるため、酵素は実質的に均質に精製すべきである。 調製物Cは、Biocatalysts, United Kingdomから“ペクチナーゼ444L”と
して入手可能な商業的な菌性酵素調製物であり、一方、調製物Dは、Rohm Germa
nyにより遺伝子的に修飾された微生物(Aspergillus species)から調製された
“Rohapect PTE”として入手可能な商業的な酵素調製物である。
【0052】 酵素活性:酵素調製物A〜DをPL活性について全て試験した。PLは、C−
4でのポリマーバックボーンのトランス脱離開裂(trans-eliminative split)
によるペクチンの非加水分解的分解に触媒作用を及ぼすと同時にC−5からのH
を脱離し、235nmにおける吸光度の増加を引き起こす。従って、ペクチンリ
アーゼ活性を、235nmにおける光学濃度の増加を測定することにより30℃
で質量分析的に分析した。分析混合物は、1.4mlのMcIlvaine緩衝液(36
.85mMクエン酸、126.3mMNaH2PO4、0.5N NaOHでpH
5.5に調整)、0.4mlの0.0625%ペクチン(72%のDEを有する
B−ラピッドセット(B-rapid set),Copenhagen Pectin A/S,デンマーク)、
及び0.2mlの酵素を含有した。モル吸光度係数Σ2355500を用いて活性
を計算した。活性1ユニット(1U)を、1分当たり1μmolの不飽和の生成
物をつくる酵素の量として決めた。
【0053】 本明細書中に説明する手順が“適する量”のペクチンリアーゼ(又はその趣旨
の言葉)と言う場合、これは、リアーゼ処理されるペクチンの目標分子量と使用
されるリアーゼの具体的な活性とに基づいて計算された量である。使用される酵
素の量は式e(y-a/b)=x(式中、yは分子量の減少(従ってΔMW)であり、
xはペクチン500g当たりの酵素の量(ユニット)である)により与えられる
。この式を用いる際には、酵素処理についての処理時間は1時間であり;a及び
bは、問題となる酵素で幾つかの試験を行った後に決められる酵素特異的な定数
である。
【0054】 酵素による処理:3つの異なる出発材料を、PL;HM抽出により乾燥させた
果皮から得たジュース、植物メチルエステラーゼ(PME)で処理されたジュー
ス、及び乾燥させたペクチン粉末を含有する調製物を用いるペクチンの酵素処理
にかけた。 乾燥させた果皮からHM抽出により得たジュース 600kgの量の乾燥レモン果皮を1700リットルのイオン交換水に加えた
。調製物を70℃に熱し2時間攪拌した;次いで、62%HNO398リットル
を加え、抽出を1時間行った。次に、ろ過を促進するため抽出された物質に製紙
用パルプ100kgを加えた。調製物を真空引きし珪藻土を用いてろ過した(ブ
ランクろ過)。ろ過したジュースを強い陽イオン交換体(IRC 120, Bayer Corpo
ration)でイオン交換し;最初の体積の約50%まで蒸発し、重量/重量の乾燥
重量基準で約3〜約5%のペクチン濃度を得て;そして、室温に冷やした。NH 3 (2%溶液,25%NH3からDI水で希釈)の添加によりpHを5.5に調整
し、適する量のPLを加えた。
【0055】 望ましい分子量が得られるまで酵素反応を行った。反応を停止するため、希釈
した(10%v/v)HNO3の添加によりpHを2.5に下げ、加熱ジャケッ
トを用いて温度を室温から80℃に10分間上昇させた。ペクチンは、80%2
−プロパノール中1:3の比で沈殿した。沈殿したペクチンをプレスし、60%
2−プロパノール中で洗浄した。プレス後、ペクチンを70℃で16〜20時間
乾燥した。乾燥した試料をすりつぶし、0.25mm試験篩いを通してふるいに
かけた。
【0056】 PMEで処理したジュース 1300kgの量の乾燥したレモン果皮を25,500リットルのイオン交換
水及び126リットルの62%HNO3に加えた。抽出を7時間行った。ろ過を
促進するため抽出した物質に製紙用パルプ(100kg)を加えた。調製物を吸
引ろ過し、続いてブランクろ過した。ろ過したジュースを強い陽イオン交換体(
IRC 120)でイオン交換し;最初の体積の約50%まで蒸発し、重量/重量の乾
燥重量基準で約3〜約5%のペクチン濃度を得て;45℃に冷やし;そして、2
%NH3の添加によりpHを5.5に調整した。
【0057】 適する量の植物PMEを加え、望ましいエステル化度が得られるまで反応を行
った。望ましいエステル化度は、y=1.6x(式中、yは%DEの差であり(
従ってΔ%DE)、xはNH3のグラム/ペクチンのキログラム(gNH3/kg
ペクチン)である)の関係から決めた。反応の間、2%NH3を用いた自動滴定
によりpHを一定に保持した。pH2.5までHNO3を添加し10分間80℃
に熱することによりPMEを不活性化した。室温に冷やした後、NH3の2%v
/v溶液を用いてpHを5.5に調整し、適する量のPLを加えた。望ましい分
子量が得られるまで酵素反応を進行させた。反応を停止するため、希釈したHN
3の添加によりpHを2.5に下げ、温度を10分間80℃に上昇させた。ペ
クチンは、80%2−プロパノール中ペクチンのプロパノールに対する1:3の
比で沈殿した。次いで、沈殿したペクチンをプレスし、60%2−プロパノール
中で洗浄した。プレス後、ペクチンを70℃で16〜20時間乾燥した。乾燥し
た試料をすりつぶし、0.25mm試験篩いを通してふるいにかけた。
【0058】 乾燥ペクチン粉末 500gの量のペクチンを激しくかき混ぜながら70℃のイオン交換水10リ
ットルに溶解した。ペクチン溶液を室温まで冷やし、2%NH3の添加によりp
Hを5.5に調整した。適する量のPLを加え、望ましい分子量が得られるまで
酵素反応を進行させた。反応を停止するため、希釈したHNO3の添加によりp
Hを2.5に下げ、温度を10分間80℃に上昇させた。ペクチンは、80%2
−プロパノール中で沈殿させた(1:3)。沈殿したペクチンをプレスし、60
%2−プロパノール中で洗浄した。プレス後、ペクチンを70℃で16〜20時
間乾燥した。乾燥した試料をすりつぶし、0.25mm試験篩いを通してふるい
にかけた。
【0059】 結果を以下に示す。 実施例1−PL D ────────────────────────────── 物質 DB DE ΔCS MW YOG C VIS C YOG/VIS ────────────────────────────── 出発ペクチン 13 72 298 144 169 148 88 PL D-1A 13 72 1 81 101 66 65 PL D-2A 13 72 1 67 94 0 0 PL D-3A 13 72 2 42 48 0 0 PL D-4A 13 72 1 34 SEP SEP SEP PL D-5A 13 72 2 25 SEP SEP SEP ──────────────────────────────
【0060】 実施例2−PL A ────────────────────────────── 物質 DB DE ΔCS MW YOG C VIS C YOG/VIS ────────────────────────────── 出発ペクチン 13 72 298 144 169 148 88 PL A-1A 13 71 90 108.5 142 70 49 PL A-2A 13 71 30 95 88 63 72 PL A-3A 13 72 6 94.5 84 42 50 PL A-4A 13 72 1 71.5 37 0 0 PL A-5A 13 72 0 41.5 SEP SEP SEP ──────────────────────────────
【0061】 実施例3−444L ────────────────────────────── 物質 DB DE ΔCS MW YOG C VIS C YOG/VIS ────────────────────────────── 出発ペクチン 13 72 298 144 169 148 88 444L-1A 13 71 14 106 126 104 82 444L-2A 13 72 3 96 112 94 83 444L-3A 13 71 1 83 96 52 54 444L-4A 13 72 2 70 75 39 52 444L-5A 13 72 3 70 72 35 49P ──────────────────────────────
【0062】 実施例4−PTE ────────────────────────────── 物質 DB DE ΔCS MW YOG C VIS C YOG/VIS ────────────────────────────── 出発ペクチン 13 72 298 144 169 148 88 PTE-1A 13 71 18 102 117 91 78 PTE-2A 13 72 18 99 109 78 72 PTE-3A 13 72 10 71 75 52 69 PTE-4A 13 70 3 66 49 55 112 PTE-5A 13 72 1 48 SEP SEP SEP PTE-6A 13 71 1 37 SEP SEP SEP ──────────────────────────────
【0063】 これらの結果は酵素処理を用いて得られたが、その処理により出発ペクチンの
%DE及び%DBを変えることはないという条件で、化学的処理を用いて比較で
きる結果を得ることができる。特に、β脱離を経て1,4グリコシド結合の開裂
を引き起こすいずれかの化学的処理を使用して、これまでに特性を表した酵素処
理により製造されたペクチンと比較できる性質を有するペクチンを製造すること
ができる。例えば、溶液のpHを7以上にあげながらNaOHのようなペクチン
溶液をアルカリ性試薬で処理することにより同様の結果をもたらすであろう。
【0064】 本発明は、当然に、一定の具体的な方法及び材料を参照することにより本明細
書中に説明する。これらの方法及び材料の列挙は単に例示的なものであり、決し
て本発明の範囲にいかなる限定を構成するものではない。当業者であれば、本発
明の範囲から逸脱することなく、本明細書中に供給される具体的な教示の変法又
はそれに代わるものを認識し実施することができると予期される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B001 AC03 AC07 AC44 BC01 DC01 EC53 4B064 AF17 BA15 BA17 BE01 CA03 CA21 CC30 CD19 DA10 4C090 AA01 AA04 AA10 BA50 BB02 BB09 BB13 BB33 BB36 BC10 BD08 BD37 CA38 DA27

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%の
    エステル化度、及び約100センチポアズ以下のΔCSを有するペクチン。
  2. 【請求項2】 約30センチポアズ以下のΔCSを有する、請求項1記載のペ
    クチン。
  3. 【請求項3】 約20センチポアズ以下のΔCSを有する、請求項2記載のペ
    クチン。
  4. 【請求項4】 約10センチポアズ以下のΔCSを有する、請求項3記載のペ
    クチン。
  5. 【請求項5】 約5センチポアズ以下のΔCSを有する、請求項4記載のペク
    チン。
  6. 【請求項6】 約0センチポアズのΔCSを有する、請求項5記載のペクチン
  7. 【請求項7】 約0センチポアズ〜約20センチポアズのΔCSを有する、請
    求項3記載のペクチン。
  8. 【請求項8】 約0センチポアズ〜約10センチポアズのΔCSを有する、請
    求項7記載のペクチン。
  9. 【請求項9】 少なくとも約20%のブロック状態度を有する、請求項1記載
    のペクチン。
  10. 【請求項10】 約30%以下のブロック状態度を有する、請求項1記載のペ
    クチン。
  11. 【請求項11】 約15%〜約25%のブロック状態度を有する、請求項10
    記載のペクチン。
  12. 【請求項12】 少なくとも約60%のエステル化度を有する、請求項1記載
    のペクチン。
  13. 【請求項13】 少なくとも約70%のエステル化度を有する、請求項12記
    載のペクチン。
  14. 【請求項14】 少なくとも約80%のエステル化度を有する、請求項13記
    載のペクチン。
  15. 【請求項15】 約55%〜約80%のエステル化度を有する、請求項1記載
    のペクチン。
  16. 【請求項16】 約60%〜約72%のエステル化度を有する、請求項15記
    載のペクチン。
  17. 【請求項17】 少なくとも約40,000の分子量を有する、請求項1記載
    のペクチン。
  18. 【請求項18】 少なくとも約50,000の分子量を有する、請求項17記
    載のペクチン。
  19. 【請求項19】 少なくとも約70,000の分子量を有する、請求項18記
    載のペクチン。
  20. 【請求項20】 少なくとも約200,000の分子量を有する、請求項19
    記載のペクチン。
  21. 【請求項21】 約50,000〜約200,000の分子量を有する、請求
    項17記載のペクチン。
  22. 【請求項22】 約70,000〜約90,000の分子量を有する、請求項
    21記載のペクチン。
  23. 【請求項23】 約10〜約15のブロック状態度、約70〜約75のエステ
    ル化度、及び約18以下のΔCSを有する、請求項1記載のペクチン。
  24. 【請求項24】 約14以下のΔCSを有する、請求項23記載のペクチン。
  25. 【請求項25】 約10以下のΔCSを有する、請求項24記載のペクチン。
  26. 【請求項26】 約6以下のΔCSを有する、請求項25記載のペクチン。
  27. 【請求項27】 約3以下のΔCSを有する、請求項26記載のペクチン。
  28. 【請求項28】 約2以下のΔCSを有する、請求項27記載のペクチン。
  29. 【請求項29】 約1以下のΔCSを有する、請求項28記載のペクチン。
  30. 【請求項30】 ペクチンを製造するための方法であって、少なくとも約10
    %のブロック状態度、少なくとも約55%のエステル化度、及び約0センチポア
    ズより大きいΔCSを有する出発ペクチンを、前記出発ペクチンのΔCSより低
    いΔCSを有する処理ペクチンを製造するのに充分な条件下でペクチンリアーゼ
    で処理する工程を含んでなる前記方法。
  31. 【請求項31】 出発ペクチンが少なくとも約20%のブロック状態度を有す
    る、請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 出発ペクチンが少なくとも約30%以下のブロック状態度を
    有する、請求項30記載の方法。
  33. 【請求項33】 出発ペクチンが約15%〜約25%のブロック状態度を有す
    る、請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 出発ペクチンが少なくとも約55%のエステル化度を有する
    、請求項30記載の方法。
  35. 【請求項35】 出発ペクチンが少なくとも約70%のエステル化度を有する
    、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 出発ペクチンが少なくとも約80%のエステル化度を有する
    、請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 出発ペクチンが約55%〜約80%のエステル化度を有する
    、請求項30記載の方法。
  38. 【請求項38】 出発ペクチンが約60%〜約72%のエステル化度を有する
    、請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 出発ペクチンが少なくとも約20のΔCSを有する、請求項
    30記載の方法。
  40. 【請求項40】 出発ペクチンが少なくとも約200のΔCSを有する、請求
    項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 出発ペクチンが少なくとも約300のΔCSを有する、請求
    項40記載の方法。
  42. 【請求項42】 出発ペクチンが少なくとも約500のΔCSを有する、請求
    項42記載の方法。
  43. 【請求項43】 処理ペクチンが約20センチポアズ以下のΔCSを有する、
    請求項30記載の方法。
  44. 【請求項44】 処理ペクチンが約10センチポアズ以下のΔCSを有する、
    請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 処理ペクチンが約5センチポアズ以下のΔCSを有する、請
    求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 処理ペクチンが約0センチポアズのΔCSを有する、請求項
    45記載の方法。
  47. 【請求項47】 処理ペクチンが約0センチポアズ〜約20センチポアズのΔ
    CSを有する、請求項30記載の方法。
  48. 【請求項48】 処理ペクチンが約0センチポアズ〜約10センチポアズのΔ
    CSを有する、請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 出発ペクチンが約240,000以下の分子量を有する、請
    求項30記載の方法。
  50. 【請求項50】 出発ペクチンが約150,000以下の分子量を有する、請
    求項49記載の方法。
  51. 【請求項51】 出発ペクチンが少なくとも約100,000の分子量を有す
    る、請求項49記載の方法。
  52. 【請求項52】 請求項30記載の方法により製造されたペクチン。
  53. 【請求項53】 ペクチンを製造するための方法であって、 (a)少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約70%のエステル
    化度、及び約0センチポアズより大きいΔCSを有するペクチンを、少なくとも
    約10%のブロック状態度、少なくとも約55%のエステル化度、及び約0より
    大きいΔCSを有する脱エステル化されたペクチンを製造するのに充分な条件下
    で植物ペクチンメチルエステラーゼで処理する工程;及び (b)前記脱エステル化ペクチンを、少なくとも約10%のブロック状態度、
    及び約20センチポアズ以下のΔCSを有するペクチンを製造するのに充分な条
    件下でペクチンリアーゼで処理する工程 を含んでなる前記方法。
  54. 【請求項54】 請求項53記載の方法により製造されたペクチン。
  55. 【請求項55】 少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%
    のエステル化度、及び約100センチポアズ以下のΔCSを有するペクチンを含
    んでなる食用組成物。
  56. 【請求項56】 更にカゼインを含んでなる、請求項55記載の食用組成物。
  57. 【請求項57】 食用組成物が飲料である、請求項56記載の食用組成物。
  58. 【請求項58】 飲料が酸性化乳性飲料である、請求項57記載の食用組成物
  59. 【請求項59】 ペクチンが約20センチポアズ以下のΔCSを有する、請求
    項55記載の食用組成物。
  60. 【請求項60】 ペクチンが約15%〜約25%のブロック状態度を有する、
    請求項55記載の食用組成物。
  61. 【請求項61】 ペクチンが約60%〜約72%のエステル化度を有する、請
    求項55記載の食用組成物。
  62. 【請求項62】 ペクチンが約70,000〜約90,000の分子量を有す
    る、請求項55記載の食用組成物。
  63. 【請求項63】 食用組成物の貯蔵安定性を増加させる方法であって、前記食
    用組成物を、少なくとも約10%のブロック状態度、少なくとも約55%のエス
    テル化度、及び約100センチポアズ以下のΔCSを有するペクチンと配合する
    ことを含んでなる前記方法。
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