JP2002538780A - ヌクレオシド類似体の立体選択的合成 - Google Patents

ヌクレオシド類似体の立体選択的合成

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JP2002538780A JP2000598654A JP2000598654A JP2002538780A JP 2002538780 A JP2002538780 A JP 2002538780A JP 2000598654 A JP2000598654 A JP 2000598654A JP 2000598654 A JP2000598654 A JP 2000598654A JP 2002538780 A JP2002538780 A JP 2002538780A
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ジャネス,ラナ
カズラウスカス,ロマス
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    • C12P41/00Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture
    • C12P41/003Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions
    • C12P41/005Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions by esterification of carboxylic acid groups in the enantiomers or the inverse reaction

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体化学的に純粋なヌクレオシド類似体及びその前駆体の新規合成法を提供する。 【解決手段】 立体化学的に純粋なジオキソラン・ヌクレオシド類似体を製造する方法を提供する。本方法は、次式A又は次式B: 【化1】 〔式中、Wはベンジル基又はベンゾイル基を表し、R1 は炭素原子数1ないし6のアルキル基及び炭素原子数6ないし15のアリール基からなる群から選択される〕により表されるアノマー混合物からβ−アノマー及びα−アノマーを分離するために加水分解酵素を使用することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する分野 本発明は総合的にはヌクレオシド類似化合物及びそれ等の前駆体の合成法の新
規な方法、及びより特別には、立体選択的にジオキソラン・ヌクレオシド類似体
又はその前駆体を生成するのに特異的な酵素を使用して、ヌクレオシド類似体を
製造する方法に関する。
【0002】発明の背景 医薬品用化合物(薬剤)の薬理活性は主に生物学的基質(薬剤標的)、例えば
タンパク質(レセプター及び酵素類)、核酸類(DNA及びRNA)及び生体膜
(リン脂質及び糖脂質)との相互作用に依存する。これ等全ての薬剤標的は、三
次元空間での多種類の配列のただ一つの形態で薬剤に特異的に結合することが出
来る複雑な三次元構造を持っている。薬剤標的のこの三次元構造が、ある意味で
は可能性があるどんな薬剤が標的の空洞に、如何なる親和性で結合するかを決定
する。
【0003】 不斉分子の中での原子の空間配置をキラリティーと言う。キラリティーはその
結果立体異性体を創生する。立体異性体は全く同一の化学的組成及び分子結合性
(即ち同一構成)を持つが、しかし空間的に原子の配置が異なる(即ち異なった
立体配置)化合物である。立体異性体は各々の分子中でのキラル中心の数及びキ
ラル中心の空間的配置により分類されている。
【0004】 有機分子のキラル中心は、4個の異なった置換基を結合し、そして通常は四面
体型配置をしている炭素原子を含有している。キラル中心の他の型は、その配置
において残る4個の結合位置に連絡されている2個の異なった置換基を持つ硬性
なC=C結合に沿い配向しているキラル面である。
【0005】 本特許出願の目的である分子のキラルティーと言うのは、キラル結合では無く
て、キラル原子により創生されるキラルティーを指す。下記の記載は、炭素原子
の4個の異なった結合部位の各々に、4個の異なった置換基が結合している1個
以上のキラル炭素の所で創生されるキラルティーに限定する。
【0006】 1分子が1個のキラル炭素を持つ時、お互いに鏡像である2個の立体異性体が
ある。この一対の異性体を鏡像異性体又は鏡像異性体対と言う。2個のキラル炭
素原子が存在する時、4個の立体異性体及び2対の鏡像又は鏡像異性体が存在す
る。他の立体異性体の鏡像では無い立体異性体がジアステレオ異性体である。
【0007】 立体異性体識別の一つの型は、環式糖又は環式糖の類似化合物に関係する。環
式糖は、立体異性配置に依存して特定のアノマーと考える事が出来る。
【0008】 「アノマー」と言う用語は、環式糖又はその類似化合物又は誘導体が4又は5
環式化合物中に2個のキラル中心を持つ空間的配置を意味する。アノマー名称は
環により定義される理論的水平面に関して2個のキラル中心の相関的配置を定義
している。キラル中心は典型的に環の外側に2個の置換基を持っている。一つの
置換基は水素原子である。他の置換基は、例えばヒドロキシル基、メトキシル基
、プリン又はピリミジン塩基、カルボキシル基その他の大きな基である。
【0009】 各々のキラル中心上で2個の大きな成分が環の水平面の同じ側にある時、これ
等をβ―アノマー(シス異性体)と定義する。2個の大きな成分が、環の水平面
を境にして反対側にある時、これ等をα―アノマー(トランス異性体)と定義す
る。アノマーはジアステレオ異性体の一つの型である。
【0010】 キラリティーが生物学的活性又は毒性に影響を及ぼす可能性があるので、薬剤
開発の観点から、各異性体の生理学的作用を評価する事は重要である。片方の立
体異性体が、他方に比較してかなり高い活性を持つ場合が大変多い。他の状況で
は、非活性の異性体が、より高い活性を持つ形の活性を抑制する可能性がある。
ある場合には、より好ましく無い立体異性体も同じような活性を示すが、しかし
望ましい立体異性体に比較して毒性が高い場合がある。これ等の各々の場合にお
いて、単一の最も好ましい立体異性体が高い純度で投与されると、薬剤の治療効
果を増大する事が出来る。
【0011】 薬剤市場での現代の趨勢は、単一の立体異性体の薬剤の大きな使用を反映して
いる。単一立体異性体の薬剤の販売は随分増加している。1995年には、単一
立体異性体の薬剤の販売は、世界的にみて610億ドルに達している。2000
年には世界中の年間販売額が900億ドルに達すると予想されている。
【0012】 薬理学的作用物質の重要な一種は、3’−オキサ置換2’,3’−ジデオキシ
ヌクレオシド類似体(”ジオキソラン・ヌクレオシド類似体”)に関係する。こ
れ等の化合物は、ジオキソラン環の炭素2及び4(それぞれC2及びC4)に対
応する2個のキラル中心がある。それ故、各々の化合物はジオキソラン環に関し
て両方の置換基の位置に依存して4個の異なった立体異性体として存在する事が
出来る。
【0013】 ジオキソラン・ヌクレオシド類似化合物の立体異性体は、図上に定義されてい
るように文字Bがプリン又はピリミジン塩基、或いはプリン又はピリミジン塩基
の類似体又は誘導体である下記の次式により代表される。
【化4】
【0014】 整合性の目的で、メチルオキシル部分又は塩基部分が他の置換基により置き換
えられた時にも同じ立体化学名が使用されている。
【0015】 上記式での各々のC2炭素は、メチルオキシ基をジオキソラン環に結合する環
の中の炭素原子である。C4炭素は、塩基(B)置換基をジオキソラン環に結合
している上記式の各々の中での炭素原子である。
【0016】 上記式で代表される4個の立体異性体は、鏡像異性体2対に対応する。β―ア
ノマーは一対の鏡像異性体、即ちβ―L鏡像異性体及びβ―D鏡像異性体を表す
。α―アノマーは鏡像異性体の他の一対、即ちα―L鏡像異性体及びα―D鏡像
異性体を表す。
【0017】 上に図解したように、環が紙面の水平面に置かれた状態では、1位の酸素(O
3)が紙の最上部に位置し、2位の炭素(C2)が左側に位置する時に、D−体
の化合物は、メチルオキシ基が外側に向って付いている。これは又名称(2R)
で表される。L−体の形をしている化合物は、環が紙面の水平面に置かれた状態
では、1位の酸素(O3)が紙の最上部に位置し、2位の炭素(C2)が左側に
位置する時に、メチルオキシ基が内側に向って付いている。これは又名称(2S
)で表される。
【0018】 色々な種類のジオキソラン・ヌクレオシド類似化合物が、抗ウイルス及び抗癌
活性を持つ事が判明している。例えば、9−(β―D−2―ヒドロキシメチルー
1、3−ジオキソランー4―イル)−2−アミノプリン(β―D−DAPD)及
びその代謝物である9−(β―D―2−ヒドロキシメチルー1,3−ジオキソラ
ンー4−イル)−グアニン(β―D−DXG)が、ヒト免疫不全ウイルス(HI
V)及びB型肝炎ウイルス(HBV)に対して、強力で特異的な活性を持つ事が
報告されている(Rajagopalan他、Antiviral Chem.
Chemother.、1996、7(2)、65−70頁参照)。同様に、1
−(β―L―2−ヒドロキシメチルー1,3−ジオキソランー4−イル)−チミ
ン(ジオキソラン−T)(Norbeck他、Tetrahedron Let
t. 、1989年、30、6263−66頁参照)は、抗―HIV及び抗―HB
V活性を持っている。1−(β―L―2−ヒドロキシメチルー1,3−ジオキソ
ランー4−イル)―シチジン(β―L―OddC)(Bednarski他、B
ioorg.Med. Chem. Lett.、1994年、4、2667−72
頁参照)は、ヒト前立腺並びに腎腫瘍に対する強力な抗癌活性を持っている事が
発見された(Kadhim他、Can. Cancer Res.、57(21)
、4803−10頁、1997年参照)。β―L―OddCは抗癌活性を持つ事
を示したL体の最初のヌクレオシド類似化合物である。ジオキソラン・ヌクレオ
シドの立体異性体は、通常は異なった生物学的活性及び毒性を示すので、純粋な
治療学的に活性のある異性体を得ることが非常に重要である。
【0019】 キラル合成法は単一の立体異性体化合物を得る合成技術に関しては、ここ数年
間に向上している。しかしながら、もっと高い効率と純度で特定の立体異性体を
合成するのに広く使用出来る新規な合成方法を発見する現実的な必要性がある。
【0020】 例証すれば、長年にわたって当業者はジオキソラン化合物の鏡像異性体を分離
するのに酵素を使用する事が可能であった。しかしながら、当業界においては、
高効率で純度の高い立体化学的に純粋な最終製品を作製する為に酵素を使用して
、ある種のジオキソラン前駆体のアノマー混合物を分離する段階を使って、如何
にしてジオキソラン・ヌクレオシド類似化合物を合成すれば良いのかは知らなか
った。
【0021】 立体化学的に純粋なジオキソラン・ヌクレオシドは、それ等の旧知の抗ウイル
ス及び抗癌活性の為に重要な種類の化合物であるので、それ等の製造の為に、他
の安価で効率的な立体選択的方法の必要性が存在する。本発明はそれ及び他の必
要性を満足させる。
【0022】発明の概要 本発明は、高度の立体純度、高効率及び高収率でジオキソラン・ヌクレオシド
類似化合物を製造する新規な方法を提供する。
【0023】 特に、本発明は、次式A又は次式B:
【化5】 で表されるアノマー混合物から、β−アノマー及びα−アノマーを分離する為に
ある種の加水分解酵素の使用をも含む高度の立体純度で、ジオキソラン・ヌクレ
オシド類似体を製造する方法を提供する。上記化学式で、Wはベンジル基又はベ
ンゾイル基を表し;R1 は炭素原子数1ないし6のアルキル基及び炭素原子数1
ないし15のアリール基からなる群から選択される。
【0024】 方法は式A及び式Bにより表される化合物の混合物を、コレステロール・エス
テラーゼ、加水分解酵素ESL−001−02、馬肝臓エステラーゼ、牛膵臓蛋
白分解酵素、α―キモトリプシン、ステレプトマイセス カエスピトーシス(S
treptomyces caespitosis)由来の蛋白分解酵素、バシ
ラス リッケンフォーミス(Bacillus licheniformis)
由来のサブスチリシン(substilisin)、アスパラギラス オリザエ
(Aspergillu oryzae)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッ
ケンフォーミス(Bacillus licheniformis)由来の蛋白
分解酵素、ステレプトマイセス グリセウス(Streptomyces gr
iseus)由来の蛋白分解酵素、アスパラギラス メレウス(Aspergi
llus melleus)由来のアシラーゼ、バシラス サブチリス(Bac
illus subtilis)由来の蛋白分解酵素、加水分解酵素ESL−0
01−05、ステレプトマイセス グリセウス(Streptomyces g
riseus)由来のプロナーゼ蛋白分解酵素、ライゾパス アライザス(Rh
izopus arrhizus)由来の脂肪分解酵素、シュードモナス(Ps
eudomonas)属のタイプB種由来のリポ蛋白脂肪分解酵素、シュードモ
ナス セパシア(Pseudomonas cepacia)由来の脂肪分解酵
素並びに細菌性蛋白分解酵素からなる群から選択される酵素による加水分解の段
階が関与する。この方法は立体選択的に主に一種類のアノマーを加水分解して、
上記式A及び式BのR1 が水素原子と置きかえられている生成物を形成する。他
のアノマーは殆ど加水分解を受けない。この方法は又加水分解を受けていない出
発物質から、加水分解された生成物を分離する事からなる。
【0025】 一つの態様の方法は、更にジオキソランのC4位の官能基(例えばCOOR1 )をプリニル基、ピリミジニル基、或いはその類似体又は誘導体で立体選択的に
置換して、高い立体純度を有するジオキソラン・ヌクレオシド類似化合物を製造
する段階を含んでいる。
【0026】 本発明の一つの態様によると、加水分解する段階は、アノマー純度が少なくと
も80%である出発物質を得る事になる。他の態様によると、加水分解する段階
は、アノマー純度が少なくとも90%である出発物質を得る事になる。更に他の
態様では、加水分解する段階は、アノマー純度が少なくとも95%である出発物
質を得る事になる。付加的な態様では、加水分解する段階は、アノマー純度が少
なくとも98%である出発物質を得る事になる。
【0027】 本発明の一つの態様によると、加水分解する段階は、アノマー純度が少なくと
も80%である生成物を得る事になる。他の態様によると、加水分解する段階は
、アノマー純度が少なくとも90%である生成物を得る事になる。更に他の態様
では、加水分解する段階は、アノマー純度が少なくとも95%である生成物を得
る事になる。付加的な態様では、加水分解する段階は、アノマー純度が少なくと
も98%である生成物を得る事になる。
【0028】 本発明の一つに態様によると、式Aおよび式BのWはベンジル基であり、そし
て酵素はコレステロール・エステラーゼ、加水分解酵素ESL−001−02、
馬肝臓エステラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α―キモトリプシン、ステレプトマ
イセス カエスピトーシス(Streptomyces caespitosi
s)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus
licheniformis)由来のサブスチリシン(substilisin
)からなる群から選択される。他の態様によると、酵素はα―キモトリプシンで
ある。更に他の態様によると、酵素は牛膵臓由来蛋白分解酵素である。
【0029】 本発明の一つの態様によると、式A及び式BのWはベンゾイル基であり、そし
て酵素はアスパラギラス オリザエ(Aspergillu oryzae)由
来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus lic
heniformis)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(
Bacillus licheniformis)由来のサブチリシン、ステレ
プトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来
の蛋白分解酵素、アスパラギラス メレウス(Aspergillus mel
leus)由来のアシラーゼ、バシラス サブチリス(Bacillus su
btilis)由来の蛋白分解酵素、加水分解酵素ESL−001−05、ステ
レプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由
来のプロナーゼ蛋白分解酵素、ライゾパス アライザス(Rhizopus a
rrhizus)由来の脂肪分解酵素、シュードモナス(Pseudomona
s)属のタイプB種由来のリポ蛋白脂肪分解酵素、細菌性蛋白分解酵素、シュー
ドモナス セパシア(Pseudomonas cepacia)由来の脂肪分
解酵素からなる群から選択される。他の態様においては、酵素はアスパラギラス
オリザエ(Aspergillu oryzae)蛋白分解酵素、バシラス
リッケンフォーミス(Bacillus licheniformis)由来の
蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus liche
niformis)由来のサブチリシン、ステレプトマイセス グリセウス(S
treptomyces griseus)由来の蛋白分解酵素、ステレプトマ
イセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来のプロ
ナーゼ蛋白分解酵素及びライゾパス アライザス(Rhizopus arrh
izus)由来の脂肪分解酵素からなる群から選択される。更に他の態様におい
ては、酵素はアスパラギラス オリザエ(Aspergillu oryzae
)及びバシラス リッケンフォーミス(Bacillus lichenifo
rmis)由来の蛋白分解酵素からなる群から選択される。
【0030】 一つの態様においては、β―アノマーは主生成物である。他の態様においては
、α―アノマーが主生成物である。更に他の態様においては、β―L―鏡像異性
体が主生成物である。付加的な態様においては、β―D―鏡像異性体が主生成物
である。更に他の態様においては、α―L―鏡像異性体が主生成物である。付加
的な態様においては、α―D―鏡像異性体が主生成物である。
【0031】 一つの態様においては、発明は上記態様の一つによる式A及び式Bで表される
アノマー混合物から、β―アノマー及びα―アノマーを分離する事によりジオキ
ソラン・ヌクレオシド類似体を立体選択的に製造する為の方法である。該方法は
更に、C4位の官能基(COOR1 )をプリニル基又はピリミジニル基、或いは
次式:
【化6】 からなる群から選択されるその類似体又は誘導体の基で立体選択的に置換する段
階を含んでいる。
【0032】 この態様においては、R2 、R9 及びR11は独立して、水素原子、炭素原子数
1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基
(式中R8 は水素原子又は炭素原子数1ないし6のアルキル基、を表す)からな
る群から選択される。付加的には、R3 、R4 及びR10は各々独立して水素原子
、炭素原子数1ないし6のアルキル基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原
子及びCF3 基からなる群から選択され;そしてR5 、R6 及びR7 は各々独立
して水素原子、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子、アミノ基、ヒドロキ
シル基及び炭素原子数3ないし6のシクロアルキルアミノ基からなる群から選択
される。この方法でジオキソラン・ヌクレオシド類似体の立体化学的異性体の製
造が出来る。
【0033】 一つの態様においては、該方法は更にC4位の官能基(COOR1 )をプリニ
ル基又はピリミジニル基又は次式:
【化7】 からなる群から選択されるその誘導体の基により立体選択的に置換する段階を含
んでいる。
【0034】 この態様においては、R2 は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、
炭素原子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基(式中R8 は水素原子又は
炭素原子数1ないし6のアルキル基を表す)からなる群から選択される。付加的
に、R3 及びR4 は、各々独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル
基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子及びCF3 基からなる群から選択
され;そしてR5 、R6 及びR7 は各々独立して水素原子、臭素原子、塩素原子
、弗素原子、沃素原子、アミノ基、ヒドロキシル基及び炭素原子数3ないし6の
シクロアルキルアミノ基からなる群から選択される。この方法でジオキソラン・
ヌクレオシド類似体の立体化学的異性体の製造が出来る。
【0035】 他の態様においては、該方法は更にC4位の官能基(COOR1 )をピリミジ
ニル基又は次式:
【化8】 からなる群から選択されるその類似体又は誘導体により立体選択的に置換する段
階を含んでいる。
【0036】 この態様においては、R9 及びR11は独立して、水素原子、炭素原子数1ない
し6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基から選
択される。付加的には、R10は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、
臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子及びCF3 基からなる群から選択され
る。この方法でジオキソラン・ヌクレオシド類似体の立体化学的異性体の製造が
出来る。
【0037】 他の態様においては、上記態様の一つによる式A及び式Bで表されるアノマー
混合物から、β―アノマー及びα―アノマーを分離する事によりジオキソラン・
ヌクレオシド類似体を立体選択的に製造することからなる方法であり、そして更
にC4位の官能基(COOR1 )を次式:
【化9】 からなる群から選択される化合物の基で立体選択的に置換する事からなる。
【0038】 本発明の他の態様においては、式A又は式Bによる化合物を分離する事による
ジオキソラン・ヌクレオシド類似体を作る事からなる方法である。この態様によ
ると、該方法は立体選択的にR基を,プリニル基、ピリミジニル基、或いはその
類似体又は誘導体で置換して、第二混合物をアシル化してアシル化第二混合物を
生成する事を含んでいる。この態様は、又アシル化第二混合物をプリン又はピリ
ミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体、及びルイス酸でグリコシル化して、
ジオキソラン・ヌクレオシド類似体を生成する段階も含んでいる。
【0039】 本発明は、高収率及び高効率をもたらすジオキソラン・ヌクレオシド類似体前
駆体のアノマー混合物からβ−及びα−アノマーを分離する高収率の方法が関与
している。一つの態様においては、この方法は廉価で高いアノマー純度を持つジ
オキソラン・ヌクレオシド類似体の製造に使用される。付加的に、本発明の他の
目的は、高いアノマー純度を持つ出発物質の合成に係る。
【0040】 本発明は、酵素、特に加水分解酵素の使用による主にβ―L―体であるジオキ
ソラン・ヌクレオシド類似体の製造の方法を付与する。本方法は全般的収率を改
善し、そして比較的に少ない段階を持つので、それ故に全般的な効率を改善する
。本方法は下記の段階が関与する。
【0041】 式A又は式Bで表されるアノマーの混合物はここにスキーム1記載のようにし
て得られる。
【化10】
【0042】 上記式で、Wはベンジル基又はベンゾイル基を表し、そしてR1 は水素原子、
炭素原子数1ないし6のアルキル基及び炭素原子数6ないし15のアリール基か
らなる群から選択される。混合物はコレステロール・エステラーゼ、加水分解酵
素ESL−001−02、馬肝臓エステラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α―キモ
トリプシン、ステレプトマイセス カエスピトーシス(Streptomyce
s caespitosis)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォー
ミス(Bacillus licheniformis)由来のサブスチリシン
(substilisin)、アスパラギラス オリザエ(Aspergill
u oryzae)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Ba
cillus licheniformis)由来の蛋白分解酵素、ステレプト
マイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来の蛋
白分解酵素、アスパラギラス メレウス(Aspergillus melle
us)由来のアシラーゼ、バシラス サブチリス(Bacillus subt
ilis)由来の蛋白分解酵素、加水分解酵素ESL−001−05、ステレプ
トマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来の
プロナーゼ蛋白分解酵素、ライゾパス アライザス(Rhizopus arr
hizus)由来の脂肪分解酵素、シュードモナス(Pseudomonas)
属のタイプB種由来のリポ蛋白脂肪分解酵素、シュードモナス セパシア(Ps
eudomonas cepacia)由来の脂肪分解酵素並びに細菌性蛋白分
解酵素からなる群から選択される酵素により加水分解される。加水分解段階は、
式A又は式Bのどちらかの混合物のα−アノマーを立体選択的に加水分解する。
結果は加水分解を受けなかったβ―アノマーが残る。α―アノマーはβ―アノマ
ーから容易に分離する事が出来る。もし式Aの化合物のアノマー混合物が選択さ
れた場合は、結果は式C及び式Dの化合物の製造である。
【化11】
【0043】 もし式Bの化合物のアノマー混合物が選択された場合は、結果は式E及び式F
の化合物の製造である。
【化12】
【0044】 混合物(C)/(D)又は(E)/(F)はその後、R1 基をアシル基と置換
する酸化的脱炭酸反応を受ける。そしてそれはルイス酸存在の下で、プリン又は
ピリミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体でグリコシル化される。最終段階
は、混合物(C)/(D)ではβ―L体のジオキソラン・ヌクレオシド類似体、
及び混合物(E)/(F)ではβ―D体のジオキソラン・ヌクレオシド類似体を
製造する。
【0045】 最初に、以下の様な定義を参照として与える。特記しない限り、下記の定義は
本明細書全体に渡る意味を決めるであろう。
【0046】 「ヌクレオシド」と言うのは、五炭糖(ペントース)に連絡したプリン又はピ
リミジン塩基からなる如何なる化合物だと定義される。
【0047】 「ジオキソラン・ヌクレオシド類似体」と言うのは、プリン又はピリミジン塩
基、或いはその類似体又は誘導体に結合しているとここに定義されているジオキ
ソラン環を含む何れかの化合物だと定義される。「ジオキソラン環」は、下記に
示したように環の1及び3位に酸素原子を持つ如何なる置換された又は置換され
ていない五単環である。
【化13】 「プリン又はピリミジン塩基」と言うのは、自然にあるプリン又はピリミジン
塩基のアデニン、グアニン、シトシン、チミン及ウラシルを定義する。プリン又
はピリミジンが基であるのが、各々プリン基又はピリミジン基である。
【0048】 「アルキル基」と言うのは、置換された又は置換されていない、飽和した又は
不飽和の、直鎖状の、分岐鎖状の又は炭素環基だと定義され、直鎖状の、分岐鎖
状の又は炭素環基は、任意に1個以上のヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子
又は硫黄原子)により中断される事が出来る。置換されたアルキル基は、ハロゲ
ン原子(弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシル基、アミノ
基または炭素原子数6ないし20のアリール基により置換される。
【0049】 「アリール基」と言うのは、任意に置換されるか又は1個のヘテロ原子(例え
ば酸素原子、窒素原子又は硫黄原子)により中断される事が出来て、及び少なく
とも1個のベンゼノイド型環(例えばフェニル基及びナフチル基)を含有してい
る炭素環基だと定義される。
【0050】 「炭素環基」と言うのは、置換された又は置換されていない、飽和した又は不
飽和の、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基だと定義されていて、置換さ
れたシクロアルキル基は炭素原子数1ないし6のアルキル基、ハロゲン原子(例
えば弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アミノ基、カルボニル基(例
えばCOOH)、又は二酸化窒素により置換されている。
【0051】 プリン又はピリミジン塩基の「誘導体」と言うのは、下記の構造の一つで:
【化14】 式中、1個以上のピリミジンのHは、当業者には旧知の置換基により置換されて
いる。上記式で、破線で示されている結合は任意でありそして環原子の原子価を
完成するのに該結合が必要な時にのみ存在する。単結合により環に結合している
置喚基には、これ等に制限されないけれど、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃
素原子のようなハロゲン原子;低級アルキルのようなアルキル基;アリール基;
シアノカルバモイル基;第一級、第二級及び第三級アミノ基を含むアミノ基;及
びヒドロキシル基を含む。二重結合により炭素環原子に結合している置換基は、
これ等に制限されないけれど、環の中でカルボニル基を形成する=Oを含む。環
が芳香族の場合には、置換基の幾つかは互変異性体を形成するかも知れないと思
われている。ここでの定義はこのような互変異性体を含むべきである。
【0052】 プリン又はピリミジン塩基の「類似体」と言うのは、環構造の1個以上の炭素
原子を窒素原子で置換することにより更に変性されているプリン又はピリミジン
塩基の何れかの誘導体を意味する。
【0053】 「立体選択的酵素」と言うのは、一方の特異な立体異性体を他方の立体異性体
に比較して立体選択的に作る反応において触媒として関与する酵素であると定義
する。
【0054】 「アノマー純度」と言うのは、混合物中に存在する化合物の全てのアノマーの
総合量で、化合物の特別なアノマーの量を割り100%により掛けた数字である
と定義する。
【0055】 「アルコキシ基」は、アルキル基が酸素原子を通して隣接する原子に共有的に
結合(例えばメトキシ基及びエトキシ基)しているアルキル基であると定義する
【0056】 「アルコキシカルボニル基」と言うのは、カルボニル基の隣接する基に結合し
ているアルコキシ基であると定義する。
【0057】 「アシル基」と言うのは、カルボン酸から誘導され、置換され(ハロゲン原子
、炭素原子数6ないし20のアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基
により)又は−OH基の代替により置換されていない基であると定義する。関係
する酸の様に、アシル基は置換され(ハロゲン原子、炭素原子数1ないし6のア
ルコキシアルキル基、ニトロ基又はO2 により)又は置換されていない脂肪族又
は芳香族基で、そして分子の他の構造が如何であれ、官能基の特性は原則的に同
一である(即ちアセチル基、プロピオニル基、イソブタノイル基、ピバロイル基
、ヘキサノイル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基及びシクロヘキ
サノイル基)基である。
【0058】 「アルコキシアルキル基」と言うのは、アルキル基により隣接する基に結合し
ているアルコキシ基(例えばメトキシメチル基)であると定義する。
【0059】 「アシルオキシ基」と言うのは、酸素原子により隣接する基に結合しているア
シル基であると定義する。
【0060】 「オキソ基」と言うのは、炭素原子に結合された=O置換基であると定義する
【0061】 上記した様に、本発明の一つの態様は、次式A又はB:
【化15】 (式中、Wはベンジル基又はベンゾイル基を表し、そしてR1 は炭素原子数1な
いし6のアルキル基及び炭素原子数6ないし15のアリール基からなる群から選
択される)で表されるアノマー混合物からβ−アノマーとα−アノマーとを分離
する方法である。
【0062】 一つの態様においては、該方法は立体選択的に、式A及び式BのR1 が水素原
子により置換されている生成物を形成するα―アノマーを主に加水分解する。該
方法は又加水分解を受けなかった出発物質から加水分解された生成物を分離する
事をも含む。
【0063】 β―Lジオキソラン・ヌクレオシド類似体の合成方法は、出発物質の製造から
始まる。スキーム1は式A又はBを含む混合物の製造を記載している。
【化16】
【0064】 式1Aで表されるオキシアセトアルデヒド基(式中ベンジル基又はベンゾイル
基を表す)は大体同一モルの比率で、1、3−ジオキソランー4―(4R)カル
ボン酸―2,2−ジメチルーメチルエステル(式1B)と反応させる。式1Bの
ジオキソランはC4炭素にキラル中心を持っている。反応はトルエン溶媒中で起
る。混合物を58℃まで加熱する。触媒、PTSA、を添加する。混合物を64
ないし67℃の温度まで加熱する。70kPaに減圧され、そして反応を40分
間継続する。その後僅少の溶媒を高減圧により除去する。触媒を溶離液としてへ
キサン:エチルアセテートを1:1の比率で使用して濾過除去する。一つの態様
においては、好ましいフィルターはシリカゲルのパッドである。
【0065】 得られた生成物は、式1C及び1Dの化合物の比が各々2:1(1C:1D)
である混合物を含む粗製油である。
【0066】 反応条件は立体異性体の純度を最大限にする為に調節する事が出来る事は、当
業者が高く評価する所である。本発明の一つに態様においては、式1Aの化合物
と式1Bの化合物との反応は、出発物質の約1.0重量%ないし10.0重量%
の間の量での触媒の存在下で行われる。他の態様においては、触媒の量は出発物
質の約2.5重量%と約5.5重量%の間である。更に他の態様においては、触
媒の量は約3.0重量%と約5.0重量%の間である。更に他の態様においては
、触媒の量は約3.5重量%と約5.5重量%の間である。他の態様においては
、触媒の量は約2.5重量%と約7.5重量%の間である。他の態様においては
、触媒の量は約5.0重量%である。
【0067】 本発明の態様においては、式1Aの化合物と式1Bの化合物との反応は、約4
0℃から約80℃の温度範囲で実施される。本発明の他の態様においては、温度
は約50℃から約75℃の範囲である。更に他の態様においては、温度は約60
℃から約70℃の範囲である。付加的な態様においては、温度は約65℃から7
9℃の範囲である。
【0068】 本発明の態様においては、式1Aの化合物と式1Bの化合物の間の反応時間は
、約30分間から約2時間の範囲の期間に対応する。更に他の態様においては、
期間は約30分間から約1時間の範囲である。更に他の態様においては、期間は
約30分間から約50分間の範囲である。
【0069】 C4炭素がキラルである事は、当業者が高く評価する所である。この炭素は反
応に関与していないので、キラルティーはこの炭素では保存される。出発物質に
は(4S)又は(4R)立体化学を持つ物を選択出来る。
【0070】 一つの態様においては、結果的に出来あがった生成物は、α―L体よりもβ―
L体が優先されるアノマー混合物が好ましい。この様な結果を得る為には、式1
B(4S)で表される出発物質が選択されそして下記に提示される。
【化17】
【0071】 反応は上記に記載した原理により進行する。一つの態様においては、結果的に
得られた生成物は、55%よりも高く、好ましくは60%及び更に好ましくは6
5%でα―Lアノマーに比してβ―Lアノマーのアノマー純度を持っているであ
ろう。
【0072】 一つの態様において、本発明は下記スキーム2に従ってα−アノマーからβ−
アノマーを分離する方法である:
【化18】
【0073】 一つの態様において、式2A又は式2Bにより表されるように、アノマー混合
物が得られる。式2A又は式2Bにより表される混合物は、上記又は従来技術で
既知の何れかの方法に基づく反応に従って得ることができる。
【0074】 前記反応は、下記のように行われる:式2A及び式2Bにより表される物質の
一部を反応容器内に秤量して入れる。小規模な反応のためには、式2A及び式2
Bの前記混合物約0.001mmolを、BES緩衝剤の5mmol溶液約46
mLに添加する(基質中で約2mMの最終濃度とするため)。予備的な規模の反
応のためには、前記混合物約0.8mmolを、緩衝剤約10mLに添カロする( 基質中で約80mMの最終濃度とするため)。前記緩衝剤のpHは、一つの態様
において、7.0ないし7.5、好ましくは7.2であるべきである。
【0075】 前記酵素は、コレステロール・エステラーゼ、加水分解酵素ESL−001−
02、馬肝臓エステラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α−キモトリプシン、ステレ
プトマイセス カエスピトーシス(Streptomyces caespit
osis)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacill
us licheniformis)由来のサブスチリシン(substili
sin)、アスパラギラス オリザエ(Aspergillu oryzae)
由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus li
cheniformis)由来の蛋白分解酵素、ステレプトマイセス グリセウ
ス(Streptomyces griseus)由来の蛋白分解酵素、アスパ
ラギラス メレウス(Aspergillus melleus)由来のアシラ
ーゼ、バシラス サブチリス(Bacillus subtilis)由来の蛋
白分解酵素、加水分解酵素ESL−001−05、ステレプトマイセス グリセ
ウス(Streptomyces griseus)由来のプロナーゼ蛋白分解
酵素、ライゾパス アライザス(Rhizopus arrhizus)由来の
脂肪分解酵素、シュードモナス(Pseudomonas)属のタイプB種由来
のリポ蛋白脂肪分解酵素、シュードモナス セパシア(Pseudomonas
cepacia)由来の脂肪分解酵素並びに細菌性蛋白分解酵素からなる群か
ら選択される。
【0076】 前記酵素の市販の供給源は、当業者に容易に利用可能である。特に、前記物質
の幾つかは、下記の供給源から得ることかできる:牛コレステロール・エステラ
ーゼは、ゲンザイム(Genzyme)社(ケンブリッジ,マサチューセッツ)
から購入した;加水分解酵素ESL−001−02は、ディヴァーサ(Dive
rsa)社(サンジエゴ,カリホルニア)から購入した;馬肝臓エステラーゼ及
びバシラス リッケンフォーミス由来のサブスチリシンは、フルカ・ヒェミー(
Fluka Chemie)社(オークヴィル,オンタリオ)から購入した;牛
膵臓蛋白分解酵素タイプ1、α−キモトリプシン、ステレプトマイセス カエス
ピトーシスは、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社(オー
クヴィル,オンタリオ)から購入した。
【0077】 別の態様において、前記酵素は、アスパラギラス オリザエ(Aspergi
llu oryzae)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(
Bacillus licheniformis)由来の蛋白分解酵素、バシラ
ス リッケンフォーミス(Bacillus licheniformis)由
来のサブチリシン、ステレブトマイセス グリセウス(Streptomyce
s griseus)由来の蛋白分解酵素、アスパラギラス メレウス(Asp
ergillus melleus)由来のアシラーゼ、バシラス サブチリス
(Bacillus subtilis)由来の蛋白分解酵素、加水分解酵素E
SL−001−05、ステしプトマイセス グリセウス(Streptomyc
es griseus)由来のプロナーゼ蛋白分解酵素、ライゾパス アライザ
ス(Rhizopus arrhizus)由来の脂肪分解酵素、シュードモナ
ス(Pseudomonas)属のタイプB種由来のリボ蛋白脂肪分解酵素、細
菌性蛋白分解酵素、シュードモナス セパシア(Pseudomonas ce
pacia)由来の脂肪分解酵素からなる群から選択される。スキームlの式1
Aで表される化合物により表されるオキシアセトアルデヒドがベンゾイルオキシ
アセトアルデヒドであるべく選択される場合には、前記態様に従って、前記酵素
の一つを選択することか好ましい。
【0078】 本発明の別の態様に従って、式1Aで表される化合物により表されるオキシア
セトアルデヒドはベンゾイルオキシアセトアルデヒドである。前記態様に従って
、前記酵素は、アスパラギラス オリザエ(Aspergillu oryza
e)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus
licheniformis)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォー
ミス(Bacillus licheniformis)由来のサブチリシン、
ステレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus
)由来の蛋白分解酵素、及ひライゾパス アライザス(Rhizopus ar
rhizus)由来の脂肪分解酵素からなる群から選択される。また別の態様に
おいて、前記酵素は、アスパラギラス オリザエ(Aspergillu or
yzae)由来の蛋白分解酵素及びバシラス リッケンフォーミス(Bacil
lus licheniformis)由来の蛋白分解酵素からなる群から選択
される。
【0079】 また別の態様において、前記酵素は、コレステロール・エステラーセ、加水分
解酵素ESL−001−02,馬肝臓エステラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α−
キモトリプシン、ステレプトマイセス カエスピトーシス(Streptomy
ces caespitosis)由来の蛋白分解酵素及びバシラス リッケン
フォーミス(Bacillus licheniformis)由来のサブスチ
リシン(substilisin)からなる群から選択される。式1Aで表され
る化合物により表されるオキシアセトアルデヒドがベンゾイルオキシアセトアル
デヒドである場合には、前記態様に従って、前記酵素の一つを選択することが好
ましい。
【0080】 選択された立体特異性酵素は、次いで、加水分解反応を開始するために添加さ
れる。酵素反応は、式2Bで表される化合物のα−アノマーのR1 基をHで置換
して式2Cで表される化合物を形成することにより、α−アノマーを優先的に加
水分解する。添加される酵素の量は、当業者に既知の原理に従って決定され得る
。別の態様に従って、前記反応を開始させるために、約500μLが添加された
。加水分解の速度及び程度は、従来技術で既知の原理に従ってpH−スタットに
より監視された。式2Bで表される化合物が加水分解されるとき、前記混合物の
pHは低下する。それ故、pH−スタットにより監視されるpH変化は、前記反
応の完結に対応する。
【0081】 反応時間が最適な反応時間よりも長くなる場合には、β−アノマーは、最終生
成物のより低いアノマー純度を生ぜしめるように転換され得る。前記反応時間が
短すぎる場合には、残りの加水分解を受けない反応物のより低いアノマー純度を
生せしめるように、α−アノマーは最適量よりも少なく転換される。一つの態様
に従って、前記反応は43%完結するまで進み得る。正確な完結の程度は、使用
される反応物、使用される酵素及び当業者に既知の別の原理に応じて変化し得る
ことが、当業者により認識されるであろう。
【0082】 記載の如く、エステル出発物質は、望ましい終点に達した場合、加水分解され
た酸生成物から分離される。エステル出発物質及び加水分解された生成物は、炭
酸水素ナトリウム溶液を用いて溶液のpHをpH7.0よりも高めることにより
分離され、次いで酢酸エチルを用いて抽出される(例えば、3×20mL)。加
水分解を受けない出発物質は酢酸エチル中に抽出され、そして加水分解された生
成物は水溶液中に塩の形態で残る。前記溶液のpHは、次いで、pH2に調整さ
れる。加水分解された生成物は酢酸エチルを用いて更に抽出される(例えば、3
×20mL)。反応物及び生成物はMgSO4 を用いて乾燥され、濾過され、そ
して真空中で濃縮される。
【0083】 或いは又、加水分解を受けない反応物は、LiOHと反応させ、次いで酸性に
するというような、従来技術で既知の手順により加水分解され得る。
【0084】 酵素の選択性により、加水分解され且つ分離されたβ−アノマーのアノマー純
度はかなり高い。更に、加水分解を受けず且つ分離されたα−アノマーのアノマ
ー純度も又高い。一つの態様において、個々に分離されたα−アノマー及び/又
はβ−アノマーのアノマー純度は80%よりも高い。別の態様において、個々に
分離されたα−アノマー及び/又はβ−アノマーのアノマー純度は90%よりも
高い。別の態様において、個々に分離されたα−アノマー及び/又はβ−アノマ
ーのアノマー純度は95%よりも高い。別の態様において、個々に分離されたα
−アノマー及び/又はβ−アノマーのアノマー純度は98%よりも高い。
【0085】 別の態様において、式2A又は2Bにより表されるアノマーの混合物の各々の
アノマーを置き換えて、式2D及び2Eにより表されるアノマー混合物とするこ
と以外は、スキーム2の手順が実施される。
【化19】
【0086】 前記態様に従って、式2Eにより表されるα−アノマーが加水分解される。こ
の結果、式2Dにより表される加水分解を受けないβ−アノマーから、式2Fに
より表される加水分解されたα−アノマーが分離される。
【化20】
【0087】 別の態様において、式2A及び2Bにより表されるアノマー混合物を式2Gに
より表される四つの立体異性体の混合物と置き換えること以外は、スキーム2の
手順が実施される。
【化21】
【0088】 前記態様に従って、Dエナンチオマー及びEエナンチオマーの両方を含むα−
アノマーが加水分解される。この結果、Dエナンチオマー及びEエナンチオマー
の両方を含む加水分解を受けないβ−アノマーから、Dエナンチオマー及びEエ
ナンチオマーの両方を含む加水分解されたα−アノマーが分離される。
【0089】 加水分解、精製及び酸化的脱カルボキシル化の後、得られたシオキソラン環は
プリン又はピリミシン塩基、或いはその類似体又は誘導体に結合され得る。ジオ
キソラン環に対してプリン又はピリミシン塩基、或いはその類似体又は誘導体が
どのように結合するかに関する当業者に既知の幾つかの例がある。例えば、マン
サー(Mansour)等によるPCT公報No.WO/97/21706には
、ジオキソラン環に対してプリン又はピリミシン塩基、或いはその類似体又は誘
導体を立体選択的に結合させる一つの方法が記載されている。WO/97/21
706は、参照として充分に本文中に取り込まれている。
【0090】 WO/97/21706に開示された方法に従うと、出発物質はアシル化され
たジオキソラン環である。WO/97/21706に開示された手順の出発物質
は、上記において議論されたスキーム2の生成物の酸化的脱カルボキシル化によ
り得ることができる。酸化的脱カルボキシル化は、C4炭素原子の立体化学を壊
し、他方、C2炭素原子の立体化学を保持する。
【0091】 記載の如く、酸化的脱カルボキシル化段階は、スキーム2の加水分解段階の後
に起こる。C2炭素原子に関して望ましい立体化学を有する化合物が選択される
。処理される化合物の各mmolは、約2.5mLないし約4.0mLのアセト
ニトリルに溶解される。別の態様において、約3.0mLないし約3.5mのア
セトニトリルが、化合物の各mmolに添加された。また別の態様において、約
3.3mLないし約3.4mLのアセトニトリルが、化合物の各mmolに添加
された。
【0092】 化合物の各mmolに、約0.08mLないし約0.12mLのピリジンが添
加された。別の態様において、約0.09mLないし約0.11mLのアセトニ
トリルが、化合物の各mmolに添加された。また別の態様において、約0.1
mLのピリジンが、化合物の各mmolに添加された。
【0093】 前記混合物に、1.1mmolないし1.5mmolのPb(OAc)4 が、
化合物の各mmolに添加された。別の態様において、約1.2mmolないし
約1.4mmolのPb(OAc)4 が、化合物の各mmolに添加される。ま
た別の態様において、約1.3mmolのPb(OAc)4 が、化合物の各mm
olに添加される。
【0094】 その後、前記混合物を室温で18時間撹伴した。次いで、前記混合物をNaH
CO3 の飽和溶液に注いだ。約2.0mLないし約3.0mLのNaHCO3
液が、化合物の各mmolに対して使用された。一つの態様において、約2.5
mLないし約2.7mL、より好ましくは約2.6mLのNaHCO3 溶液が、
化合物の各mmolに対して使用された。前記溶液を次いで、更に30分間撹伴
した。酢酸エチルで4回抽出することにより、水相から有機相が分離された。抽
出物は混合され、無水NaSO4 上で乾燥され、そして真空下で蒸発された。所
望により、粗生成物は、ヘキサン中の0〜15%酢酸エチル勾配を使用するシリ
カゲル上のクロマトクラフィーにより、更に精製され得る。
【0095】 本発明の一つの態様において、酸化的脱炭酸工程はグリコシル化に続く。該グ
リコシル化は以下のスキーム3により表される。
【化22】 該グリコシル化手順における第一工程は、C2炭素原子で所望の立体特異性を
有する化合物を得ることである。ある態様によると、式3Aで表される化合物に
より表されるように、C2炭素原子でSの立体化学を有する化合物が好ましい。
その結果、生成物3Cにおいてβ−Lアノマーの比率がより高くなる。他の態様
によると、C2炭素原子でRの立体化学を有する化合物が好ましい。その結果は
、最終生成物においてβ−Dアノマーのより高い比率を有する生成物である。
【0096】 式3Aで表される化合物はヨードシランと反応させて式3Bで表される化合物
を生成する。ある態様において、該ヨードシランはヨードトリメチルシランであ
る。 他の態様において、該ヨードシランはジヨードシランである。反応について重
要なのは、それが低い温度で起こることである。ある態様によると、該温度は、
シリレート化ピリミジン又はプリン塩基、或いはその類似体又は誘導体でのグリ
コシル化以前には、好ましくは0℃ないし−78℃である。
【0097】 式3Bにより表されるヨード中間体はその後ジクロロメタン中に溶解され、そ
して0℃と−78℃との間まで冷却される。プリン又はピリミジン塩基、或いは
その類似体又は誘導体がその後選択される。ある態様によると、プリン又はピリ
ミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体は、以下の群:
【化23】 〔式中、 R2 、R9 及びR11は各々独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキ
ル基、炭素原子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基(式中、R8 は、水
素原子又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表す)を表わし、 R3 、R4 及びR10は各々独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキ
ル基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子及びCF3 基からなる群から選
択され、そして R5 、R6 及びR7 はおのおの独立して水素原子、臭素原子、塩素原子、弗素
原子、沃素原子、アミノ基、ヒドロキシル基及び炭素原子数3ないし6のシクロ
アルキルアミノ基からなる群から選択される〕から選択される。
【0098】 ある態様によると、プリン若しくはピリミジン塩基又は誘導体は、次式:
【化24】 からなる群より選択される。この態様において、R2 は、水素原子、炭素原子数
1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基
からなる群より選択され、ここでR8 は、水素原子又は炭素原子数1ないし6の
アルキル基を表す。加えて、R3 及びR4 は、各々独立して、水素原子、炭素原
子数1ないし6のアルキル基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子及びC
3 基からなる群より選択され、そしてR5 、R6 及びR7 は、各々独立して、
水素原子、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子、アミノ基、ヒドロキシル
基及び炭素原子数3ないし6のシクロアルキルアミノ基からなる群より選択され
る。
【0099】 他の態様において、プリン又はピリミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体
は、次式:
【化25】 からなる群より選択される。この態様において、R9 及びR11は、各々独立して
、水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアシ
ル基及びR8 C(O)基からなる群より選択される。加えて、R10は、水素原子
、炭素原子数1ないし6のアルキル基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原
子及びCF3 基からなる群より選択される。
【0100】 プリン又はピリミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体は、シレート化剤(
sylating agent)及び硫酸アンモニウムによりペルシレート化(persylate )さ
れ、続いてHMDSの蒸発が行われて、本明細書中でペルシレート化塩基として
参照されまたスキーム3においてPとして記される、ペルシレート化プリン又は
ピリミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体を形成する。ある態様によると、
該シレート化剤は、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシリルトリフレート、第三ブチルジメチルシリルトリフレート又はトリメチ
ルシリルクロリドからなる群より選択される。ある態様において、該シレート化
剤は、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンである。
【0101】 ペルシレート化塩基Pはジクロロメタン30mL中に溶解され、そして式3B
により表されるヨード中間体に添加される。反応混合物は0ないし78℃で1.
5時間維持され、その後炭酸水素ナトリウム水溶液に注がれ、そしてジクロロメ
タン(2×25mL)で抽出される。有機相が硫酸ナトリウム上で乾燥されて、
式3Cで表される化合物を得る。スキーム3において使用されるように、Bは、
上記の工程においてペルシレート化されてPを形成したプリン又はピリミジン塩
基、或いはその類似体又は誘導体の部分を表す。式3Cで表される化合物は濾過
により除去され、そして溶媒は減圧下で蒸発させられて粗混合物を生成する。式
C3により表される生成物は主に、C4炭素原子での4S配置を80%のアノマ
ー純度で有する。出発物質が式3Aにより表される化合物であるとき、生成物は
主に、80%のアノマー純度を有するβ−L鏡像異性体を形成する。
【0102】 次に、式C3で表される化合物が脱保護されて、式3Dで表される化合物を生
成する。これは、式3Cにより表される化合物をエタノール中に溶解し、そして
その後シクロヘキサン及び酸化パラジウムを添加することによって達成され得る
。脱保護工程はまた、当業者に良く知られている他の方法によって為されること
もできる。該反応混合物は7時間還流される。それはその後冷却され、そして濾
過されて固形分を除去する。溶媒は、濾液から減圧蒸留により除去される。式3
Dにより表される生成物は、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(
酢酸エチル中での5%MEOH)により精製される。脱保護工程はまた、当業者
に良く知られている他の方法によって為されることもできる。
【0103】 他の態様において、スキーム1で表される化合物は、スキーム4において以下
に示されるもう一つの方法によって生成され得る。
【化26】 約1.0〜1.4当量の間の硫酸が、0〜5℃の間の温度で撹拌しながら、大
過剰の水に一部づつ添加される。例であって限定するものではないが、D−セリ
ン9.06molが反応物の1当量を表す場合、約9.5〜13.3molの間
の硫酸が水7.3Lに添加される。他の態様において、約1.1〜1.3当量の
間の硫酸が過剰の水に添加される。更なる態様において、硫酸1.2当量が過剰
の水に添加される。
【0104】 D−セリン約1当量が、激しい撹拌下で一部づつ添加される。その後、約1.
0ないし1.4当量の亜硝酸ナトリウム水溶液が滴下添加される。温度は、添加
時間(約7時間)の間、0〜5℃の間に保たれる。反応容器は室温で一晩撹拌さ
れる。水が減圧により除去され、そして残渣(D−グリセリン酸)がトルエン(
3×1L)と共に共蒸発(coevaporate )させられる。残渣はその後アルコール
溶媒約6Lと共に約30分間撹拌される。ある態様によると、該アルコールは式
1 OH(式中、R1 は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表す)で表される
。他の態様によると、該アルコールはメタノール又はエタノールである。生じた
固形分は濾過により除去される。透明溶液が室温で30〜40時間撹拌され、ア
ルコールが減圧により除去されて黄色い粘稠のシロップの形態でD−グリセレー
トを生じる。該D−グリセレートはその後、約0.9〜1.1当量の間のジアル
キルアセタールと約85〜95℃の温度で反応させられる。適したジアルキルア
セタールの例は、ベンゾイルオキシアセトアルデヒドジアルキルアセタール及び
ベンジルオキシアセトアルデヒドジアルキルアセタールを包含する。ジアルキル
アセタールについて適したアルキル基の例は、メチル基及びエチル基である。
【0105】 その後、約1重量%ないし約10重量%のPTSAが添加される。他の態様に
よると、約5重量%のPTSAが添加される。他の態様においては、固形PTS
A約0.02当量が添加される。反応混合物は減圧下、85〜95℃の間の温度
で2〜3時間保たれる。該混合物はその後室温に冷却され、酢酸エチル(250
mL)で希釈され、そして撹拌下で飽和炭酸水素ナトリウム溶液(250mL)
に注がれる。有機相が分離され、そして水相が濃縮され、5〜10%の酢酸エチ
ル/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムで精製されて、淡黄色油(約59%)
として所望のジオキソランが2:1又はそれより高いβ/α比で生じる。
【0106】 さもなくば、スキーム4の工程3の反応物は、スキーム1の対応する反応物に
より置換されることができる。例えば、式4Cにより表されるD−グリセレート
は、ある態様による式1Bにより表される1,3ジオキソラン−4−(4R)カ
ルボン酸−2,2−ジメチルアルキルエステルで代替される。更に又はさもなく
ば、式4Dにより表されるジアルキルアセタールは、式1Aにより表されオキシ
アルデヒドで代替される。これらの置換は、スキーム4の第三工程について上記
で実質的に開示された反応条件の変更を必要としない。
【0107】 本発明の更なる態様において、スキーム4の出発物質は、ジオキソラン環のC
4炭素原子でS−配置を有する最終生成物を生成するL−セリンである。さもな
くば、工程3のL−グリセレートは1,3ジオキソラン−4−(4S)カルボン
酸−2,2−ジメチルアルキルエステルで代替されて、生じるジオキソラン環の
C4炭素原子でS−配置を主に有する最終生成物を生成することができる。
【0108】実施例1.ジオキソランメチルエステルの酵素触媒加水分解分割 (2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキソ
ランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混合物(136.5mg、0
.541mmol)を反応容器に量り入れ、そしてBES緩衝剤(5mM溶液6
263mL、pH7.2)を添加した。物質は不溶な小滴として残存した。α−
キモトリプシン(5mg/mL・BESバッファ500μL、pH7.2溶液、
4−ニトロフェニルアセテートアッセイによる0.019単位)を添加して反応
を開始し、そして加水分解の速度及び程度を、0.0981mmol・NaOH
での自動滴定によりpHを7で維持したpH−スタットにより観察した。反応を
、循環についてのシーの等式(Chen. C.S.; Fujimoto, Y.; Girdaukas, G.; Sih
, C.J., J. Am. Chem. Soc. 1982, 104, 7294-99)により決定される高いアノマ
ー純度のために43%の転換で、残存する出発物質エステルを酢酸エチル(3×
20mL)で抽出することにより停止した。水相をpH2に調節し、そして生成
酸を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。 双方の抽出物をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。この
方法により、(2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−(S)−カルボン酸
−1,3−ジオキソランメチルエステル)を得た。
【0109】実施例2.NMRによるβ−アノマーの純度 分析を、バリアン・ジェミニ・200MHz・NMR分光計でCDCl3 中で
行った。α−エステルはδ5.33(3 J=4.6Hz)で三重線を表し、また
β−エステルはδ5.23(3 J=4.6Hz)でアップフィールドに三重線を
表す。α−酸はδ5.33(3 J=3.6Hz)で三重線を表し、一方、β−酸
はδ5.19でアップフィールドに広幅一重線を表す。生成中には、物質又は生
成酸のエピマー化は全く観察されなかった。NMR分析により、β−アノマーの
純度は、約95%の高いアノマー純度又はそれ以上を有することを決定した。
【0110】実施例3:α−アノマーの純度 生成酸を、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した後に、実施
例1から得た。純度についてNMRにより分析した。α−アノマーを高いアノマ
ー純度で単離した。
【0111】実施例4:アスペルギルス オリザエからの蛋白分解酵素によるβ−アノマーの 酵素分割 実施例1〜2の手順に従い、酵素としてアスペルギルス オリザエからの蛋白
分解酵素を使用し、(2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸
−1,3−ジオキソランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混合物を
分離した。結果は、高いアノマー純度を有するβ−アノマーであった。
【0112】実施例5:アスペルギルス・オリザエからの蛋白分解酵素によるα−アノマーの 酵素分割 生成酸を、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した後に、実施
例4から得た。α−アノマーを高いアノマー純度で単離した。
【0113】実施例6:バシラス リッケンフォーミスからの蛋白分解酵素によるβ−アノマ ーの酵素分割 実施例1〜2の手順に従い、酵素としてバシラス リッケンフォーミスからの
蛋白分解酵素を使用し、(2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボ
ン酸−1,3−ジオキソランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混合
物を分離した。結果は、高いアノマー純度を有するβ−アノマーであった。
【0114】実施例7:バシラス リッケンフォーミスからの蛋白分解酵素によるα−アノマ ーの酵素分割 生成酸を、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した後に、実施
例6から得た。α−アノマーを高いアノマー純度で単離した。
【0115】実施例8:バシラス リッケンフォーミスからのサブチリシンによるβ−アノマ ーの酵素分割 実施例1〜2の手順に従い、酵素としてバシラス リッケンフォーミスからの
サブチリシンを使用し、(2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボ
ン酸−1,3−ジオキソランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混合
物を分離した。結果は、高いアノマー純度を有するβ−アノマーであった。
【0116】実施例9:バシラス リッケンフォーミスからのサブチリシンによるα−アノマ ーの酵素分割 生成酸を、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した後に、実施
例8から得た。α−アノマーを高いアノマー純度で単離した。
【0117】実施例10:ストレプトマイセス グリセウスからの蛋白分解酵素によるβ−ア ノマーの酵素分割 実施例1〜2の手順に従い、酵素としてストレプトマイセス グリセウスから
の蛋白分解酵素を使用し、(2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カル
ボン酸−1,3−ジオキソランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混
合物を分離した。結果は、高いアノマー純度を有するβ−アノマーであった。
【0118】実施例11:ストレプトマイセス グリセウスからの蛋白分解酵素によるα−ア ノマーの酵素分割 生成酸を、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した後に、実施
例10から得た。α−アノマーを高いアノマー純度で単離した。
【0119】実施例12:アスパラギルス メレウスからのアシラーゼによるβ−アノマーの 酵素分割 実施例1〜2の手順に従い、酵素としてアスパラギルス メレウスからのアシ
ラーゼを使用し、(2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−
1,3−ジオキソランメチルエステル)の2:1(β:α)アノマー混合物を分
離した。結果は、高いアノマー純度を有するβ−アノマーであった。
【0120】実施例13:アスパラギルス メレウス(Aspergillus melleus) からのアシラー ゼによるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例12から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0121】実施例14:バシラス サブチルス(Bacillus subtilis) からの蛋白分解酵素に よるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてバシラス サブチルスからの蛋白分解酵素を使用して、実施例1ないし
2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例15:バシラス サブチルスからの蛋白分解酵素によるα−アノマーの酵 素分割 生成酸は実施例14から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0122】実施例16:加水分解酵素ESL−001−05によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素として多様性クローン酵素(diversa clonenzyme)#5を使用して、実施例1な
いし2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。 実施例17:加水分解酵素ESL−001−05によるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例16から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0123】実施例18:ストレプトマイセスグリセウス(Streptomyces griseus)からのプロ ナーゼ蛋白分解酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてストレプトマイセスからのプロナーゼを使用して、実施例1ないし2の
手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例19:ストレプトマイセスグリセウスからのプロナーゼ蛋白分解酵素によ るα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例18から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0124】実施例20:ライゾパス アライサス(Rhizopus arrhizus) からの脂肪分解酵素 によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてライゾパス アライサスからの脂肪分解酵素を使用して、実施例1ない
し2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例21:ライゾパス アライサスからの脂肪分解酵素によるα−アノマーの 酵素分割 生成酸は実施例20から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0125】実施例22:シュードモナス属タイプB種からのリポタンパク質脂肪分解酵素に よるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてシュードモナス属タイプB種からのリポタンパク質脂肪分解酵素を使用
して、実施例1ないし2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−
アノマーである。実施例23:シュードモナス属タイプB種からのリポタンパク質脂肪分解酵素に よるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例22から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0126】実施例24:細菌性蛋白分解酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素として細菌性蛋白分解酵素を使用して、実施例1ないし2の手順に従った。結
果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例25:細菌性蛋白分解酵素によるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例24から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0127】実施例26:シュードモナス セパシア(Pseudomonas Cepacia) からの脂肪分解 酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてシュードモナス セパシアからの脂肪分解酵素を使用して、実施例1な
いし2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。 実施例27:シュードモナス セパシアからの脂肪分解酵素によるα−アノマー の酵素分割 生成酸は実施例26から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0128】実施例28:コレステロール エステラーゼによるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素としてコレステロール エステラーゼを使用して、実施例1ないし2の手順に
従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例29:コレステロールエステラーゼによるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例28から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0129】実施例30:加水分解酵素ESL−001−02によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキソ
ランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵素
として加水分解酵素ESL−001−02を使用して、実施例1ないし2の手順
に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例31:加水分解酵素ESL−001−02によるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例30から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0130】実施例32:馬肝臓エステラーゼによるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキソ
ランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵素
として馬肝臓エステラーゼを使用して、実施例1ないし2の手順に従った。結果
は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例33:馬肝臓エステラーゼによるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例32から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0131】実施例34:牛膵臓蛋白分解酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンゾイルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキ
ソランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵
素として牛膵臓蛋白分解酵素を使用して、実施例1ないし2の手順に従った。結
果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである。実施例35:牛膵臓蛋白分解酵素によるα−アノマーの酵素分割 生成酸は実施例34から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0132】実施例36:ストレプトマイセス カエスピトサス(Streptomyces caespitosus) からの蛋白分解酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキソ
ランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵素
としてストレプトマイセス カエスピトサスからの蛋白分解酵素を使用して、実
施例1ないし2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマー
である。実施例37:ストレプトマイセス カエスピトサスからの蛋白分解酵素によるα −アノマーの酵素分割 生成酸は実施例36から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0133】実施例38:バチラス リッケンフォーミス(Bacillus licheniformis)からの蛋 白分解酵素によるβ−アノマーの酵素分割 (2−(S)−ベンジルオキシメチル)−4−カルボン酸−1,3−ジオキソ
ランメチルエステルの2:1(β:α)アノマー混合物を分離するために、酵素
としてバチラス リッケンフォーミスからの蛋白分解酵素を使用して、実施例1
ないし2の手順に従った。結果は、高アノマー純度を有するβ−アノマーである
実施例39:バチラス リッケンフォーミスからの蛋白分解酵素によるα−アノ マーの酵素分割 生成酸は実施例38から、それがMgSO4 で乾燥され、濾過され、そして真
空下で濃縮された後に得られる。α−アノマーは高アノマー純度で単離される。
【0134】実施例40:2−(S)−ベンジルオキシメチル−4−(R)−ヨード−1,3 −ジオキソラン及び2−(S)−ベンジルオキシメチル−4−(S)−ヨード− 1,3−ジオキソラン(化合物40)の製造
【化27】 1:2の比率で2S−ベンジルオキシメチル−4S アセトキシ−1,3−ジ
オキソラン及び2S−ベンジルオキシメチル−4R−アセトキシ−1,3−ジオ
キソランからなる混合物(6g;23.8mmol)を真空下で、トルエンとの
共沸蒸留により乾燥した。トルエンの除去後、残渣油を乾燥ジクロロメタン(6
0mL)に溶解し、そしてヨードトリメチルシラン(3.55mL)は、強力な
撹拌下、−78℃で添加された。添加後、ドライアイス/アセトン浴を取り外し
、そして混合物は室温まで暖められた(15分)。生成物は、2S−ベンジルオ
キシメチル−4R−ヨード−1,3−ジオキソラン及び2S−ベンジルオキシメ
チル−4S−ヨード−1,3−ジオキソランであった。 2R−ベンジルオキシメチル−4S アセトキシ−1,3−ジオキソラン及び
2R−ベンジルオキシメチル−4R−アセトキシ−1,3−ジオキソランからな
る出発混合物が選択された場合は、当該分野で通常の技術を有する者により理解
されるであろう。得られる生成物は、2R−ベンジルオキシメチル−4R−ヨー
ド−1,3−ジオキソラン及び2R−ベンジルオキシメチル−4S−ヨード−1
,3−ジオキソランである。更に、ベンジル基の代わりにベンゾイル置換基を有
する出発物質は、ベンジル基ではなくベンゾイル置換基を有する生成物をもたら
すであろう。
【0135】実施例41:2−(S)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4− (S)−イル)−2−オキソ−4−アミノアセチル−ピリミジン(化合物41) の合成
【化28】 以前に製造された、ジクロロメタン中のヨード中間体(化合物40)は、−7
8℃まで冷却された。1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HM
DS)及び硫酸アンモニウムにおける還流により形成されたパーシレーテッド(p
ersylated)N−アセチルシトシン(1.1当量)は、HMDSのエバポレーショ
ンに続いて、ジクロロメタン30mL中に溶解され、そして上記ヨード中間体に
添加された。反応混合物は1.5時間、−78℃に保たれ、次いで二炭酸ナトリ
ウム水溶液中に注がれ、そしてジクロロメタン(2×25mL)により抽出され
た。 有機層は硫酸ナトリウム上で乾燥され、濾過により固体を除去し、そして溶媒
は真空下でエバポレーションされ、粗製混合物8.1gが製造された。β−L−
4’−ベンジル−2’−デオキシ−3’−オキサシチジン及びそのα−L異性体
は、それぞれ5:1の比率で形成された。この粗製混合物は、シリカゲル上でク
ロマトフラフィー(酢酸エチル中メタノール5%)により分離され、純粋なβ−
L(β)異性体(4.48g)を生じさせた。或いは、上記混合物のエタノール
からの再結晶化は純粋なβ異性体4.92g並びにβ及びα−異性体の1:1の
比率の混合物3.18gを生じさせる。
【0136】実施例42:2−(S)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4− (S)−イル)−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジン(化合物42)
【化29】 保護されたβ−L異性体(4.4g)(化合物41)は、閉じた容器中で飽和
メタノール性アンモニア(250mL)中に分散され、そして室温で18時間、
強力に撹拌された。次いで溶媒が真空下で除去され、純粋な形態の脱アセチル化
ヌクレオシドを得た。
【0137】実施例43:2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(S )−イル)−2−オキソ−4−アミノ−ピリミジン(化合物43)
【化30】 β−L−4’−ベンジル−2’−デオキシ−3’−オキサシチジン(化合物4
2)をエタノール(200mL)中に溶解し、次いでシクロヘキセン(6mL)
及び酸化パラジウム(0.8g)を添加した。反応混合物は7時間還流され、次
いでそれは冷却され、そして固体を除去するために濾過された。真空蒸留により
、濾液から溶媒を除去した。粗製生成物はシリカゲル上でフラッシュクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル中メタノール5%)により精製され、白色固体(2.33
g;全体的収率86%)が得られた。αD 22=−46.7°(c=0.285;
メタノール)、融点192ないし194℃。
【0138】 以下の実施例44ないし46は、実施例1の出発物質(2−(S)−ベンジル
オキシメチル−4−カルボン酸−1,3−ジオキソランメチルエステル)を製造
する方法を説明する。実施例44:D−グリセリン酸の製造
【化31】 硫酸(297mL;11.14mol;1.23当量)を数部に分けて、撹拌
及び冷却(0ないし5℃)下、過剰量の水(7300mL)に添加した。D−セ
リン(952g;9.06mol;1当量)は強力な撹拌下、一部で添加され、
次いで硝酸ナトリウム水溶液(水3060mL中769g;11.14mol;
1.23当量)が滴下された。 添加時間(7時間)の間、温度は0ないし5℃に保たれた。反応容器は一晩室
温で撹拌され、そして反応はTLC(ニンヒドリン)により監視された。反応を
完了させるために、反応容器温度を0ないし5℃に保ちながら、追加の硫酸(1
15mL;4.31mol;0.47当量)及び硝酸ナトリウム水溶液(水11
00mL中255g;3.69mol;0.4当量)が添加された。次いで反応
容器は撹拌下、室温で18時間保たれた。溶液中に窒素が1時間バブリングされ
、そして反応容器温度を28ないし30℃に保ちながら、水が真空により除去さ
れた。残渣(D−グリセリン酸)はトルエン(3×3L)と共エバポレーション
された。
【0139】実施例45:D−メチルグリセレートの製造
【化32】 D−グリセリン酸はメタノール(6L)で30分間撹拌され、そして固体は濾
過により除去された。透明な溶液は室温で35ないし38時間撹拌され、そして
反応はTLC(DCM/メタノール8:2 Rf=0.63)により監視された
。メタノールは真空により除去され、黄色粘性シロップ(1100g)を得た。
【0140】実施例46:2−(R,S)−ベンゾイルオキシメチル−4−R−メチルカルボ キシレート−1,3−ジオキソランの製造
【化33】 ベンゾイルオキシアセトアルデヒドジメチルアセタール(146g、95%、
0.66モル、1当量)及びD−メチルグリセレート(99g、0.82モル、
1.25当量)の混合物は90℃まで加熱され、次いで固体PTSA(2.75
g、0.145モル、0.022当量)が添加された。反応混合物は真空下(水
アスピレーター)、90ないし95℃で2.5時間保たれた(TLC、ヘキサン
/酢酸エチル 1:1、Rf−0.47)。反応混合物は室温まで冷却され、酢
酸エチル(250mL)により稀釈され、そして撹拌下で飽和NaHCO3 溶液
(250mL)に注がれた。有機層は分離され、そして水層は酢酸エチル(15
0mL)により一回抽出された。集められた有機層は濃縮され、そして5ないし
10%の酢酸エチル/ヘキサンで展開しているシリカゲルカラム上で精製され、
淡黄色油(59%)として、2.1:1のβ/α比で所望の生成物112.4g
を得た。
【0141】 以下の実施例47は、実施例1の酵素分離の大規模版を説明する。実施例47:β−2−(R)−ベンゾイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン −4−(R)−メチルカルボキシレートの大規模製造
【化34】 β/α−2−ベンゾイルオキシメチル−4−メチルカルボキシレート−1,3
−ジオキソラン(20g;75.12mmol)の混合物は、30℃でアセトニ
トリル(40mL)及びリン酸緩衝液(160mL)に分散された。α−キモト
リプシンが一部で添加され(7.5mL)、次いで、α異性体を加水分解するた
めに、NaOHの1N溶液(全量46mL)が6時間以上かけて滴下された。p
Hは定期的に監視され、そして温度が30℃に保たれつつ、7.1ないし7.2
に保たれた。6時間後、混合物は酢酸エチル(1×80mL)で抽出された。次
いで、有機層は分離され、そして水層は酢酸エチル(2×50mL)で抽出され
た。集められた有機層は飽和NaHCO3 (20mL)により洗浄され、無水N
2SO4上で乾燥され、そして溶媒は真空下で除去され、透明油(85.6%;
HPLCによると、2.24%より少ないα−異性体を有するβ−異性体)12
.63gが残った。 この実施例は、2−ベンゾイルオキシメチル−4−メチルカルボキシレート−
1,3−ジオキソランのβ−異性体の大規模製造をもたらすために、キモトリプ
シンを実施例4ないし39で使用されている酵素のいずれとも置き換えて従われ
得ることは、当該分野で通常の技術を有する者により理解される。
【0142】実施例48:β 2−(R)−ベンゾイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン −4−(R)−カルボン酸の製造
【化35】 β 2−(R)−ベンゾイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R
)−メチルカルボキシレート−1,3−ジオキソラン(15.327g;57.
57mmol)をTHF(60mL)に溶解し、次いで水(15mL)が撹拌下
添加された。内部温度は20℃に設定された。次いで、水(15mL)中LiO
H(2.41g;57.57mmol)の溶液を7分以上かけて滴下した。反応
混合物を22℃で、追加の40分間撹拌した。THFを真空下で除去し、そして
残渣を水(70mL)で稀釈した。得られた溶液をジクロロメタン(2×35m
L)で抽出した。厳密なpH−メーター制御下で(初期pH:8.36ないし3
.02)、水層を30%H2 SO4 (9.5mL)により酸性化し、次いでDC
M(4×60mL)で抽出した。有機層を集め、そして溶媒を真空下で除去し、
薄緑色シロップ(14.26g)が得られ、それは一晩真空下に保たれた。
【0143】実施例49:β−2−(R)−ベンゾイルオキシメチル−4−(R,S)−メチ ルカルボキシレート−1,3−ジオキソランの製造
【化36】 四酢酸鉛(944.8g;2.024モル;1.2当量)を、氷浴中の酸(4
25.5g;1.687モル;1.0当量)及びピリジン(193mL)のアセ
トニトリル(6.8L)溶液に部分で(portion-wise)添加した。反応容器を室
温まで温まらせておき、そして撹拌した。反応をTLC(ヘキサン:酢酸エチル
6:4)により確認した。それをセライトの小パッド(約1インチ)で濾過した
。次いで、濾液を5Lの飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液上に注ぎ(反応混合物
は褐色に変わる)、そして固体炭酸水素ナトリウムを添加することによりpHを
8になるように調節した。濾液を再度、セライトの小パッド(約1インチ)で濾
過し、黒い鉛塩を除き淡黄色の混合物を得た。有機相を分離し、そして水相を酢
酸エチル(4×2L)で抽出した。集めた有機相を濃縮し、そして得られた油を
トルエン(3×2L)により共蒸発させて(co-evaporated )褐色のシロップ状
物を得た。 このシロップ状物(374g)を更にシリカゲルの小パッド(1g粗製物;2
gシリカ)で濾過により精製し、3.5Lの溶媒混合物(酢酸エチル:ヘキサン
8:2)で溶離して純粋な生成物332.3g(74%)を得た。この最終的な
濾過段階は任意である。
【0144】実施例50:9−(2−(R)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン −4−イル)−6−クロロ−2−アミノプリン(化合物50a)及び、9−(2 −(R)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−6−ヨ ード−2−アミノプリン(化合物50b)の製造
【化37】 TMSI(28.2mL;198.12モル 当量)を、−15℃で糖(2−
(R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソラン)(
52.75g;198.12ミリモル;1当量)のジクロロメタン(750mL
)溶液に添加した。−15℃にて2.5時間後、シリル化2−アミノ−6−クロ
ロプリン(62g;198ミリモル;1当量)を固体としての反応混合物に添加
した。撹拌を同じ温度で更に2.5時間続けた。反応混合物を室温までゆっくり
温まらせておき、次いで室温で40時間撹拌を続けた。次に、混合物を水性Na
HCO3 溶液(1L)上に注いだ。それをNa2 2 3 と共に20分間撹拌し
、そして小パッドセライトで濾過する。次いで、有機相を分離し、そして水相を
ジクロロメタン(1×200mL)で抽出した。集めた有機相を濃縮し、粗製物
87gを得た。酢酸エチル/ヘキサン(6:4)で溶出する、シリカゲル(45
0g)を用いた粗製物のカラム精製によりβ/α比2.3:1をもつ共役生成物
(coupled product )67.7g(81%;1:1クロロ/ヨード混合物)を得
た。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(opposi
te stereochemistry)(即ち、L−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物
)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、糖2−(R)−ベンジルオキシメチル−
4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(S)ベンジルオキシメチル−
4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換えられる。
【0145】実施例51:9−(2−(R)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン −4−イル)−6−(N−シクロプロピル)アミノ−2−アミノプリン(化合物 51)の製造
【化38】 エタノール(100mL)中の出発物質(6.3g;14.95ミリモル;1
当量;平均f.w.=421.52;Cl:I/1:1)の溶液をシクロプロピ
ルアミン(3.1mL;44.84ミリモル;3当量)と共に75−80℃で2
0時間還流し、そして室温まで冷却する。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタン
(25mL)に溶解し及び飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液上に注いだ。10分
間の撹拌の後、有機相を分離し、そして水相をジクロロメタン(2×15mL)
で抽出した。次いで、集めた有機相を濃縮して粗製物の量的収量を得、それを次
いでカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:MeOH 98.5
:2.5及び95.5:5で精製して、β/α混合物としての生成物5.3g(
89%)を得た。
【0146】実施例52:9−(2−(R)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−6−(N−シクロプロピル)アミノ−2−アミノプリン(化合物52 )の製造
【化39】 出発物質(3.3g)をMeOH(80mL;2M)中のアンモニアと共に2
0時間撹拌した。窒素を反応混合物に通気させて過剰なアンモニアを除去した。
次いで溶液を濃縮して、β/α混合物(β/α=2.3:1)としての粗製物を
得た。β/α異性体を、溶離液としてDCM/MeOHを使用するシリカゲルを
用いるクロマトグラフィーによって分離し、1.18gを得た(70%β異性体
)。
【0147】実施例53:9−(2−(R)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−6−(N−2−シクロプロピル−2−アミノメトキシル)−2−アミ ノプリン(化合物53)の製造
【化40】 飽和メタノール性アンモニア30ml中の(2R)−2−ベンゾイルオキシメ
チル−4−(2’−アミノ−6’−シクロプロピルアミノ−プリン−9’−イル
)−1,3−ジオキソラン(480mg)溶液を室温で18時間撹拌した。混合
物を真空中で蒸発乾固した。残渣を水20mlに溶解し、塩化メチレン10mL
で2回洗浄し、そして凍結乾燥させて、80%の収率で白色の固体283mgを
得た。得られた生成物は約2:1の比をもつβ:α−アノマーの混合物を有して
いた。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
L−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(R
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
S)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0148】実施例54:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−2−アミノプリン(化合物54)の製造
【化41】 実施例50の手順が行われた。その後、6.3gの化合物50を、トリエチル
アミン100mLを含むエタノール300mL中の10%Pd/Cを覆う50p
siの水素に基づく水素化条件にした。3時間の振とう後、触媒を濾過により除
去した。次いで溶媒を蒸発させて、固体を得て、それはエタノール−エーテルか
ら再結晶化されて、L−体におけるβ:α立体異性体の約2:1の混合物をもつ
化合物54約4gを得た。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体配置(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の約2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0149】実施例55:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−6−アミノプリン(化合物55)の製造
【化42】 実施例50及び実施例51で明らかにされた手順が行われた。しかし実施例5
0の手段に従う際、1当量のシリル化2−アミノ−6−クロロプリンは1当量の
シリル化6−アミノプリンに置換えられる。その結果約2:1のβ:α比をもつ
9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−6
−アミノプリンが得られる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0150】実施例56:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−6,2−ジアミノプリン(化合物56)の製造
【化43】 実施例50の手順が行われた。その後、6gの化合物50を0℃で乾燥アンモ
ニアにより飽和化されたメタノール0.9Lに溶解し、そしてこの溶液を105
℃ないし110℃で16時間スチールボンベ内で加熱した。溶液を蒸発乾固し、
そして残渣を溶離液としてクロロホルム−メタノール(4:1)を使用する、シ
リカゲルを用いたクロマトグラフィにより精製し、約3gの粗製化合物56を得
た。この生成物はメタノール−エーテルからの再結晶化により、約2:1のβ:
α比をもつ精製された化合物56を得ることができる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0151】実施例57:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−6−オキソ−6−アミノプリン(化合物57)の製造
【化44】 実施例50の手順が行われた。その後、約6gの化合物50をメタノール20
0mL、水50mL及びNaOH10gの混合物に溶解した。溶液を還流下で5
時間加熱し、その時間後、300mLの水と過剰量のピリジニウムスルホネート
樹脂で希釈する。スラリーを濾過し、樹脂を水で洗浄し、そして集めた水性濾液
を真空下で、蒸発乾固して残渣とし、それを50%の水性メタノール中に溶解す
る。溶液を活性炭で処理し、濾過し、そして濾液を真空下で蒸発乾固させて、固
体の残渣を得、それをエタノール−水から再結晶化して、約2:1のβ:α比を
もつ純粋な化合物57を得た。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0152】実施例58:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−2−オキソ−4−アミノ−5−メチルピリミジン(化合物58)の製
【化45】 実施例50の手順が行われ、次いで実施例52の手順が続けられた。しかし、
実施例50の手段に従う際、1当量のシリル化2−アミノ−6−クロロプリンは
1当量のシリル化2−オキソ−4−アミノ−5−メチル−ピリミジンで置換えら
れる。その結果、約2:1のβ:α比をもつ9−(2−(S)−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−オキソ−4−アミノ−5−メチル
ピリミジンが得られる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0153】実施例59:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロピリミジン(化合物59)の 製造
【化46】 実施例50の手順が行われ、次いで実施例52の手順が続けられた。しかし、
実施例50の手段に従う際、1当量のシリル化2−アミノ−6−クロロプリンは
1当量のシリル化2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジンで置換え
られる。その結果、約2:1のβ:α比をもつ9−(2−(S)−ヒドロキシメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−オキソ−4−アミノ−5−フル
オロピリミジンが得られる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0154】実施例60:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−2,4−ジオキソピリミジン(化合物60)の製造
【化47】 実施例50の手順が行われ、次いで実施例52の手順が続けられた。しかし、
実施例50の手段に従う際、1当量のシリル化2−アミノ−6−クロロプリンは
1当量のシリル化2,4−ジオキソ−ピリミジンで置換えられる。その結果、約
2:1のβ:α比をもつ9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル)−2,4−ジオキソピリミジンが得られる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上の製法に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S)−ベンジ
ルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(R)−ベン
ジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換えられる。
【0155】実施例61:9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4 −イル)−2,4−ジオキソ−5−メチルピリミジン(化合物61)の製造
【化48】 実施例50の手順が行われ、次いで実施例52の手順が続けられた。しかし、
実施例50の手段に従う際、1当量のシリル化2−アミノ−6−クロロプリンは
1当量のシリル化2,4−ジオキソ−5−メチルピリミジンで置換えられる。そ
の結果、約2:1のβ:α比をもつ9−(2−(S)−ヒドロキシメチル−1,
3−ジオキソラン−4−イル)−2,4−ジオキソ−5−メチルピリミジンが得
られる。 代わりに、所望の最終生成物が同じ化合物であるが、反対の立体化学(即ち、
D−体におけるβ:α立体異性体の2:1混合物)のものであってもよい。 上で議論された手順に従う。しかし、実施例50の手段に従う際、糖2−(S
)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランは2−(
R)−ベンジルオキシメチル−4−カルボキシル−1,3−ジオキソランに置換
えられる。
【0156】 高い程度の配列相同性をもつ酵素及び反応条件の最適化の選択を限定すること
なしに含む本発明の幾つかの変更及び変形は、本発明の上述の詳細な記載から当
業者にとって明らかであろう。このような変更及び変形は上記特許請求の範囲に
定義されたように、本発明の1又はそれ以上の具体的態様の範囲内にあることを
意図するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 41/00 C12R 1:66 C12R 1:69) 1:125 (C12P 41/00 C12R 1:845 C12R 1:545) 1:38 (C12P 41/00 C12R 1:66) (C12P 41/00 C12R 1:125) (C12P 41/00 C12R 1:845) (C12P 41/00 C12R 1:38) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シンポイア,アレックス カナダ国,ケベック エイチ3ヴイ 1シ −2,モントリオール,リッジウッド ア ヴェニュー 3550 アバートメント 22 (72)発明者 ジャネス,ラナ カナダ国,オンタリオ エム4ピー lエ ス2,トロント,ローハンプトン アヴェ ニュー 299 アパートメント 1122 (72)発明者 カズラウスカス,ロマス カナダ国,ケベック エイチ4エイ 2ケ イ2,モントリオール,ヒングストン ア ヴェニュー 4625 Fターム(参考) 4B064 AE45 AE58 CA21 CB06 CD27

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式A又は次式B; 【化1】 〔式中、 Wはベンジル基又はベンゾイル基を表し、そしてR1 は炭素原子数1ないし6
    のアルキル基及び炭素原子数6ないし15のアリール基からなる群から選択され
    る〕で表されるβ−アノマーとα−アノマーとのアノマー混合物から立体選択的
    にジオキソラン・ヌクレオシド類似体を製造する方法であって、 優先的に一方のアノマーを立体選択的に加水分解するために、前記混合物を、
    コレステロール・エステラーゼ、加水分解酵素ESL−001−02、馬肝臓エ
    ステラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α―キモトリプシン、ステレプトマイセス
    カエスピトーシス(Streptomyces caespitosis)由来
    の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus lich
    eniformis)由来のサブスチリシン(substilisin)、アス
    パラギラス オリザエ(Aspergillu oryzae)由来の蛋白分解
    酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus lichenifo
    rmis)由来の蛋白分解酵素、ステレプトマイセス グリセウス(Strep
    tomyces griseus)由来の蛋白分解酵素、アスパラギラス メレ
    ウス(Aspergillus melleus)由来のアシラーゼ、バシラス サブチリス(Bacillus subtilis)由来の蛋白分解酵素、加
    水分解酵素ESL−001−05、ステレプトマイセス グリセウス(Stre
    ptomyces griseus)由来のプロナーゼ蛋白分解酵素、ライゾパ
    ス アライザス(Rhizopus arrhizus)由来の脂肪分解酵素、
    シュードモナス(Pseudomonas)属のタイプB種由来のリポ蛋白脂肪
    分解酵素、シュードモナス セパシア(Pseudomonas cepaci
    a)由来の脂肪分解酵素並びに細菌性蛋白分解酵素からなる群から選択される酵
    素により立体選択的に加水分解して、前記式中のR1 がHで置換された生成物を
    形成させ、 加水分解を受けていない出発物質から前記生成物を分離し、 C4位の官能基(COOR1 )をプリニル基又はピリミジニル基、或いはその
    類似体又は誘導体で立体選択的に置換することからなる方法。
  2. 【請求項2】 前記加水分解段階が、少なくとも80%のアノマー純度を有
    する出発物質を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記加水分解段階が、少なくとも90%のアノマー純度を有
    する出発物質を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記加水分解段階が、少なくとも95%のアノマー純度を有
    する出発物質を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記加水分解段階が、少なくとも98%のアノマー純度を有
    する出発物質を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記加水分解段階が、少なくとも80%のアノマー純度を有
    する生成物を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記加水分解段階が、少なくとも90%のアノマー純度を有
    する生成物を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記加水分解段階が、少なくとも95%のアノマー純度を有
    する生成物を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記加水分解段階が、少なくとも98%のアノマー純度を有
    する生成物を生ぜしめる請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記式中のWがベンジル基を表し、そして前記酵素がコレ
    ステロール・エステラーゼ、加水分解酵素ESL−001−02、馬肝臓エステ
    ラーゼ、牛膵臓蛋白分解酵素、α―キモトリプシン、ステレプトマイセス カエ
    スピトーシス(Streptomyces caespitosis)由来の蛋
    白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus lichen
    iformis)由来のサブスチリシン(substilisin)からなる群
    から選択される請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記酵素がα―キモトリプシンである請求項10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 前記酵素が牛膵臓由来の蛋白分解酵素である請求項10記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記式中のWがベンゾイル基を表し、そして前記酵素がア
    スパラギラス オリザエ(Aspergillu oryzae)由来の蛋白分
    解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacillus lichenif
    ormis)由来の蛋白分解酵素、バシラス リッケンフォーミス(Bacil
    lus licheniformis)由来のサブチリシン、ステレプトマイセ
    ス グリセウス(Streptomyces griseus)由来の蛋白分解酵
    素、アスパラギラス メレウス(Aspergillus melleus)由
    来のアシラーゼ、バシラス サブチリス(Bacillus subtilis
    )由来の蛋白分解酵素、加水分解酵素ESL−001−05、ステレプトマイセ
    ス グリセウス(Streptomyces griseus)由来のプロナー
    ゼ蛋白分解酵素、ライゾパス アライザス(Rhizopus arrhizu
    s)由来の脂肪分解酵素、シュードモナス(Pseudomonas)属のタイ
    プB種由来のリポ蛋白脂肪分解酵素、細菌性蛋白分解酵素、シュードモナス セ
    パシア(Pseudomonas cepacia)由来の脂肪分解酵素からな
    る群から選択される請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記プリニル基又はピリミジニル基、或いはその類似体又
    は誘導体が次式: 【化2】 〔式中、 R2 、R9 及びR11は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原
    子数1ないし6のアシル基及びR8 C(O)基(式中、R8 は、水素原子又は炭
    素原子数1ないし6のアルキル基を表す)を表わし、 R3 、R4 及びR10は各々独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキ
    ル基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、沃素原子及びCF3 基からなる群から選
    択され、そして R5 、R6 及びR7 は各々独立して水素原子、臭素原子、塩素原子、弗素原子
    、沃素原子、アミノ基、ヒドロキシル基及び炭素原子数3ないし6のシクロアル
    キルアミノ基から選択される〕で表される群から選択される請求項1記載の方法
  15. 【請求項15】 プリン又はピリミジン塩基、或いはその類似体又は誘導体
    が、次式: 【化3】 で表される群から選択される請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記置換段階が、更に、 第二混合物をアシル化してアシル化第二混合物を生成させ、そして 前記アシル化第二混合物をプリン又はピリミジン塩基、或いはその類似体又は
    誘導体、及びルイス酸でグリコシル化して、ジオキソラン・ヌクレオシド類似体
    を生成させることからなる請求項1記載の方法。
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