JP2002537270A - 止血及び免疫機能における使用のためのインヒビター - Google Patents

止血及び免疫機能における使用のためのインヒビター

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、止血及び免疫機能におけるインヒビターとして使用するためのポリヌクレオチド及びポリペプチド分子に関する。そのようなインヒビターは、コラーゲン様ドメイン及び球状ドメインを担持するタンパク質ファミリーのメンバーである。インヒビターは、トロンボゲン形成及び補体活性を低めることにより血管系における血流を促進するために有用である。インヒビターはまた、コラーゲン表面を静め、そして創傷治癒を改善するためにも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景: 血管に対する損傷は、その損傷を修復し、そして血管からの血液の放出を調節
するために一連の現象を推進する。この工程は、止血として知られている。血小
板は、血管損傷を一時的に修復するために血栓又は栓を形成することによって止
血において初期役割を演じる。血小板は通常、血管壁内の内皮と相互作用しない
が、しかし偶発的な出来事を通して又は手術工程の間、血管に対する損傷が、内
皮細胞を破壊する。損傷の程度に依存して、種々の内皮下要素、例えばコラーゲ
ン、弾性板(elastic lamina)、又は結合される筋原線維コラーゲンを有する平
滑筋細胞が血流に暴露されるであろう。
【0002】 内皮下層が血管損傷に続いて暴露される場合、局部血流中で移動する血小板は
、コラーゲンを含む、暴露された内皮下層(subendothelium)マトリックスと相
互反応し、そして減速される。血小板表面上の受容体と暴露されたコラーゲン層
との間のさらなる相互作用が、血小板結合及び活性化を導き、局部血流の阻止を
もたらす。結合された血小板が活性化され、そしてフィブリノーゲン−血小板間
架橋の形成を通して通過する血流における血小板と凝集体を形成する。(Mori a
nd Jung, Frontiers in Bioscience 3: 719-28, 1998; Barnes など., Atherosc
lerosis XI, Jacotot など., eds., Elsevier Science, p.299-306, 1998, 及び
Barnes など., Curr. Opin. Hematol. 5:314-20, 1998)。
【0003】 止血応答は、等級付けされ、そして血管に対する損傷の程度、暴露される特定
の血管構成成分及び損傷部分における血流状態に依存する(Rand など., Thromb
osis and Haemostasis 78: 445-50, 1997)。内皮下マトリックス(タイプVIコ
ラーゲン及びvon Willebrand 因子)の軽い血管損傷の間での暴露は、低血流状
態の領域において低い程度の付着及び凝集を促進する。高い程度の血管外傷及び
追加の血管構成成分、例えば内部弾性板及びエラスチン結合細線維の暴露をもた
らす損傷は、より強い血小板凝集体の形成を刺激するであろう。フィブリノーゲ
ンを暴露する重度の血管外傷は、血液の過度の損失から犠牲者を保護する血栓性
血小板応答を刺激する(Randなど., 前記)。
【0004】 止血のインヒビターは、血管損傷に続いて血流を高め、そしてコラーゲン表面
を静めるために有用である。 補体因子Clqは、3個の関連するポリペプチド(A, B及びC鎖)の6つのコピー
から成り、個々のポリペプチドは約225個の長さのアミノ酸であり、近くにアミ
ノ末端コラーゲンドメイン及びカルボキシ−末端球状領域を有する。6個の3本
鎖ヘリックス領域が、6本のA、6本のB及び6本のC鎖(中央領域を形成する)
及び6本の茎のコラーゲンドメインにより形成される。球状ヘッド部分は、A, B
及びC鎖の球状カルボキシ末端ドメインの会合により形成される。従って、Clqは
、中央原線維領域に6個のコラーゲン様茎を通して結合される6個の球状ヘッド
から構成される(Sellar など., Biochem. J. 274:581-90, 1991)。この配置は
しばしば、花のブーケットとして言及される。Acrp30は、単一型のポリペプチド
鎖から形成される類似するブーケット構造を有する。
【0005】 Clqは、防御機構を刺激し、そして組織損傷を引き起こすことができる毒性酸
素種の生成を誘発することが見出されている(Tenner, Behring Inst. Mitt. 93
: 241-53, 1993)。Clq結合部位は、血小板上に見出される。さらに、補体及びC
lqは炎症において役割を演じる。補体活性化は、免疫グロブリンへのClqの結合
により開始される。 Clq及び補体経路のインヒビターは、抗−炎症適用、すなわち補体活性化及び
血栓活性の阻害のために有用である。 本発明は、当業者に明らかであるそれらの及び他の使用のためのそのようなポ
リペプチドを提供する。
【0006】 発明の要約: 1つの観点においては、本発明は、医薬的に許容できるビークルにおける治療
的有効量の脂肪細胞補体関連タンパク質(adipocyte complement related prote
in)を哺乳類に投与することを含んで成り、それにより、前記脂肪細胞補体関連
タンパク質が前記血管系内のトロンボゲン形成及び補体活性を低めることを特徴
とする、前記哺乳類の血管系内の血流を促進するための方法を提供する。
【0007】 1つの態様においては、前記脂肪細胞補体関連タンパク質は、配列番号2の残
基26-281に対して、アミノ酸配列において少なくとも75%同一である、アミノ酸
残基の配列(ここで、前記配列は、コラーゲンドメインを形成するGly-Xaa-Xaa
又はGly-Xaa-Pro反復を含んで成り;前記Xaaはいずれかのアミノ酸である)、及
びカルボキシ−末端球状部分を含んで成るポリペプチドを含んで成る。関連する
態様においては、前記ポリペプチドは、配列番号2の残基22-281に対して、アミ
ノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸残基の配列を含んで成る
【0008】 もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、配列番号2の残基26-281に
対して、アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸配列を含ん
で成る。さらにもう1つの態様においては、前記ポリペプチドと配列番号2との
間のいずれかの差異は、保存的アミノ酸置換によるものである。もう1つの態様
においては、前記コラーゲンドメインは、13個のGly-Xaa-Xaa反復及び1つのGly
-Xaa-Pro反復から成る。さらに、もう1つの態様においては、前記球状ドメイン
は10個のβ−シートから成る。関連する態様においては、前記βシート、配列番
号2の147-151, 170-172, 178-181, 191-203, 207-214, 219-225, 227-239, 244
-250及び269-274に対応するアミノ酸残基に関連する。さらにもう1つの態様に
おいては、前記ポリペプチドは、配列番号2の残基1-281, 又は配列番号44の残
基1-281を含んで成る。
【0009】 本発明はまた、オリゴマーを形成するために第2ポリペプチドに複合体化され
る(completed)前記ポリペプチドも提供する。1つの態様においては、前記ポ
リペプチドは、分子間ジスルフィド結合により複合体化される。もう1つの態様
においては、前記オリゴマーは、トリマーである。さらにもう1つの態様におい
ては、前記オリゴマーは、ヘキサマーである。さらにもう1つの態様においては
、前記マルチマーは、18マーである。
【0010】 もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、前記補体経路(complement
pathway)及び阻害コラーゲン−介在性血小板付着(inhibition collagen-medi
ated platelet adhesion)、活性化又は凝集の阻害によりトロンボゲン形成及び
補体活性を低める。もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、前記哺乳
類における急性血管損傷の前、その間又はそれに続いて投与される。さらにもう
1つの態様においては、前記損傷は、血管再構成によるものである。関連する態
様においては、前記血管再構成は、血管形成、冠動脈バイパス移植、動脈内膜切
除、毛細血管修復又は血管移植片の吻合を包含する。もう1つの関連する態様に
おいては、前記損傷は、外傷、発作又は動脈瘤によるものである。
【0011】 もう1つの観点においては、本発明は、治療的有効量の脂肪細胞補体関連タン
パク質を哺乳類に投与することを含んで成り、それにより、前記タンパク質が、
前記損傷されたコラーゲン性組織を、補体活性化、血栓活性又は免疫活性に対し
て不活性にすることを特徴とする、前記哺乳類内の損傷されたコラーゲン性組織
を回復するための方法提供する。
【0012】 1つの態様においては、損傷されたコラーゲン性組織は、虚血及び再灌流に関
連する損傷によるものである。さらにもう1つの態様においては、前記損傷は、
外傷性損傷虚血、腸絞扼、又は血流の前−及び後−確立に関連する損傷を包含す
る。さらにもう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、心肺バイパス虚血
及び退縮、心筋梗塞、又は後−外傷性血管痙攣を有する哺乳類に投与される。関
連する態様においては、前記後−外傷性血管痙攣は、発作、経皮性管腔間血管形
成、動脈内膜切除、偶発性血管外傷又は手術誘発性血管外傷を包含する。
【0013】 さらにもう1つの態様においては、本発明は、哺乳類に関連して使用するため
の補綴生物材料の表面を静めるための方法を提供し、ここで治療的有効量の脂肪
細胞補体関連タンパク質を前記哺乳類に投与することを含んで成り、それにより
、前記ポリペプチドが、前記補綴生物材料の表面を、補体活性化、血栓活性又は
免疫活性に対して不活性にすることを特徴とする。1つの態様においては、前記
補綴生物材料の表面は、コラーゲン又はコラーゲンフラグメント、ゼラチン、フ
ィブリン又はフィブロネクチンにより被覆される。
【0014】 もう1つの観点においては、本発明は、哺乳類内の創傷修復を仲介するための
方法を提供し、ここで有効量の脂肪細胞補体関連タンパク質を前記哺乳類に投与
することを含んで成り、それにより、前記ポリペプチドが創傷治癒の進行を早め
ることを特徴とする。
【0015】 発明の特定の記載: 本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することで本発明の理解を助ける
ことができる: “親和性標識”とは、ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質へのポ
リペプチドの結合のための部位を供給するために、ポリペプチドに結合され得る
ペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主に、抗体又は
、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタンパク質が親和性標
識として使用され得る。
【0016】 親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など.,
EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991)
, グルタチオンSトランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988
), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1
210, 1988; Eastman Kodak Co., New Haven, CTから入手できる)、ストレプタ
ビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含する。
一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1
991を参照のこと。DNAコードの親和性標識は、商品供給者(例えばPharmacia Bi
otech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs
, Beverly, MA)から入手できる。
【0017】 用語“ポリヌクレオチド分子の相補体”とは、相補的塩基配列、及び対照配列
に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子である。例えば、配列5’ ATGCAC
GGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。 用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオ
チドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示
す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じ
アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAsp
をコードする)。
【0018】 用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオ
チドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は所
望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成シス
テム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された
分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノム クローンを
含む分子である。本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を
含まないが、しかし天然において存在する5’及び3’ 未翻訳領域、例えばプロ
モーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業
者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を
参照のこと)。
【0019】 “単離された”ポリペプチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条件、
例えば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリペプチド又はタンパク
質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチ
ド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高く精製された形、
すなわち95%異状の純度、より好ましくは99%以上の純度でポリペプチドを供給
することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単離された”とは、
他の物理的形、例えばダイマー形又は他のグリコシル化された又は誘導体化され
た形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0020】 用語“オルト体(ortholog)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタン
パク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパク
質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。 “ポリヌクレオチド”は、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌ
クレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーである。ポリ
ヌクレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロ
で合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。
【0021】 ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)
、又はキロ塩基(“kb”)として表される。ここで、後者の2つの用語は、一本
鎖又は二本鎖であるポリヌクレオチドを記載する。この用語が二本鎖分子に適用
される場合、それは全体の長さを示すために使用され、そして用語、“塩基対”
に等しいことが理解されるであろう。二本鎖ポリヌクレオチドの二本の鎖は長さ
においてわずかに異なり、そしてその末端が酵素分解の結果として異なることは
、当業者により理解されており;従って、二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべ
てのヌクレオチドは一対に成り得ない。そのような対になっていない末端は、長
さ20ntを超えない。
【0022】 “ポリペプチド”は、天然において生成されても又は合成的に生成されてもい
ずれにせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約
10個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及
される。
【0023】 “プローブ及び/又はプライマー”とは、本明細書において使用される場合、R
NA又はDNAであり得る。DNAはcDNA又はゲノムDNAのいずれかであり得る。ポリヌ
クレオチドプローブ及びプライマーは、一本鎖又は二本鎖DNA又はRNA、一般的に
は合成オリゴヌクレオチドであるが、しかしクローン化されたcDNA又はゲノム配
列、又はその相補体から生成され得る。分析用プローブは一般的に、少なくとも
20個の長さのヌクレオチドであるが、但し幾分短いプローブ(14〜17個のヌクレ
オチド)が使用され得る。
【0024】 PCRプライマーは、少なくとも5個、好ましくは15個又はそれ以上、より好ま
しくは20〜30個の長さのヌクレオチドである。短いポリヌクレオチドが、遺伝子
の小さな領域が分析のために標的化される場合、使用され得る。遺伝子の全体的
な分析のためには、ポリヌクレオチドは、完全な又はそれ以上のエキソンを含む
ことができる。プローブは、検出できるシグナルを提供するために、例えば酵素
、ビオチン、放射性核種、蛍光団、化学発光体、常磁性粒子、及び多くの源、例
えばMolecular Probes, Inc., Eugene, OR及びAmersham Corp., Arlington Heig
hts, IL, から入手できる同様のものにより、当業界において良く知られている
技法を用いてラベルされ得る。
【0025】 不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの分子
量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような値が
“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、正確
には±10%であることが理解されるであろう。 本発明は、新規脂肪細胞補体関連タンパク質相同体がコラーゲン介在性血小板
活性化及びClqを包含する補体経路を阻害する発見に、一部、基づかれた。この
タンパク質は、zsig37と命名され、そして公開されたPCT特許出願WO99/04000号
に十分に記載されている。
【0026】 zsig37ヌクレオチド配列(配列番号1)は、アミノ末端シグナル配列、非−相
同の隣接するN−末端領域、Gly−Xaa−Xaa又はGly−Xaa−Pro反復から構成され
る切断されたコラーゲンドメイン及びカルボキシ−末端球状部分を有するポリペ
プチド(配列番号2)をコードする。新規ポリヌクレオチド配列はまた、長い3
’末翻訳領域を含む。上記に示される一般的なポリペプチド構造体は、Acrp30及
びHUMUPST2_1により共有されるが、但しそれらのタンパク質の個々のコラーゲン
様ドメインはzsig37ポリペプチドのそのドメインよりも長い。
【0027】 また、HUMUPST2_1 DNA配列は、長い3’末翻訳領域により特徴づけられる。さ
らに、Acrp30及び図1に列挙されるすべての配列(CERL_RATを除く)は、図1及
び配列番号2に示されるように、zsig37ポリペプチドの位置187で、保存された
しスティン残基を共有する。また、本発明のzsig37ポリペプチドは、配列番号2
のアミノ酸93(Asn)で推定上のN−結合されたグリコシル化部位を含む。
【0028】 zsig37に対応するmRNAの組織分布の分析は、発現が心臓及び胎盤において最高
であり、腎臓、卵巣、副腎及び骨格筋において比較的弱いシグナルが存在し、そ
してノザンブロット上に存在する広範囲の種類の他の組織においては低いシグナ
ルが存在したことを示した。 脂肪細胞補体関連タンパク質Acrp30(配列番号3)及び脂肪細胞分泌性タンパ
ク質apM1(図1及び2におけるHUMUPST2_1)に関する相同性関係は、zsig37につ
いて確立された。多少より弱い相同性がまた、図1及び2に示されるように、補
体成分Clq A鎖、冬眠するシベリアンウッドチャックの活動状態に観察される2
種の因子(HP25_TAMAS及びHP27_TAMAS)、及びラット脳タンパク質(CERL_RAT)
に対して同定された。
【0029】 zsig37のヌクレオチド配列は、配列番号1に記載され、そしてその推定される
アミノ酸配列が配列番号2に記載されている。配列番号2のポリペプチドをコー
ドする縮重ヌクレオチド配列が、配列番号23に提供される。上記に一般に記載さ
れるように、zsig37ポリペプチドは、アミノ酸1(Met)〜アミノ酸残基21(Gly
)の範囲のシグナル配列を包含する。他のシグナル配列は、アミノ酸1(Met)
〜アミノ酸25(Ser)の範囲である。従って、成熟ポリペプチドは、アミノ酸22
(Leu)又は26(Arg)〜アミノ酸281(Pro)の範囲である。成熟ポリペプチド内
に、アミノ酸残基22(Leu)〜98(Lys)の範囲の既知相同性のN−末端領域は見
出されない。
【0030】 さらに、切断されたコラーゲンドメインは、アミノ酸99(Gly)〜140(Arg)
に見出される。この切断されたコラーゲンドメインにおいては、1つの完全なGl
y−Xaa−Pro及び13個の不完全Gly−Xaa−Xaa反復が観察される。対照的に、Acrp
30は22個の完全な又は不完全反復を含む。zsig37ポリペプチドはまた、ほぼアミ
ノ酸141(Cys)〜281(Pro)の範囲であるカルボキシ末端球状ドメインを含む。
zsig37ポリペプチド、HUMUPST2_1 及びAcrp30は、コラーゲンドメイン内で及び
球状ドメインにおいて相同であるように見えるが、しかし成熟ポリペプチドのN
−末端部分においてはそうではない。
【0031】 ACRP30の球状Clqドメインは、TNFファミリーに対する有意な構造相同性を示す
、10個のβ鎖“ジェリーロール(Jelly roll)”トポロジー(Shapiro and Sche
rer, Curr. Biol. 8: 335-8, 1998)を有することが、決定されており、そして
配列番号2により表されるようなzsig37配列はこの構造体のすべての10個のβ鎖
(配列番号2のアミノ酸残基147-151, 170-172, 178-181, 185-188, 191-203, 2
07-214, 219-225, 227-238, 244-250及び169-274)を含む。それらの鎖は、それ
ぞれ”A”, “A’”, “B”, “B’”, “C”, “D”, “E”, “F”, “G”及
び”H”と命名された。
【0032】 zsig37は、アミノ酸残基152-180及び213-226で2種の受容体結合ループを有す
る。アミノ酸残基191 (Gly), 193 (Tyr), 238 (Leu) 及び272 (Gly)は、CD40, T
NFα、TNFβ、ACRP30及びzsig37を包含するスーパーファミリーを通して保存さ
れるように思える。
【0033】 本発明のもう1つの観点は、止血及び免疫機能のインヒビターとしてのzsig37
ポリペプチドフラグメントの使用を包含する。好ましいフラグメントは、配列番
号2のアミノ酸99(Gly)〜アミノ酸140(Arg)の範囲のzsig37ポリペプチドの
コラーゲン様ドメイン、コラーゲン様ドメインを含むzsig37ポリペプチドの部分
、又はニ量体化又はオリゴマー化できるコラーゲン様ドメインの部分を含む。他
の好ましいフラグメントは、配列番号2のアミノ酸140(Arg)又は141(Cys)〜
281(Pro)の範囲のzsig37ポリペプチドの球状ドメイン、球状様ドメインを含む
zsig37ポリペプチドの部分、又は球状様ドメインの活性部分を含む。本発明のも
う1つのzsig37ポリペプチドフラグメントは、コラーゲン様ドメイン及びアミノ
酸残基99(Gly)〜281(Pro)の範囲の球状ドメインを含む。それらのフラグメ
ントは、コラーゲン介在性血小板活性化の阻害及び補体及びClqの阻害において
特に有用である。
【0034】 本発明はまた、zsig37融合タンパク質の使用も提供する。例えば、本発明の融
合タンパク質は、 (1)(a)アミノ酸残基1(Met)、22(Leu)又は26(Arg)〜アミノ酸残
基281(Pro)の配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成るポ
リペプチド分子; (b)配列番号2のアミノ酸99(Gly)〜アミノ酸140(Arg)の範囲のポリペ
プチド分子、コラーゲン様ドメインを含むzsig37ポリペプチドの部分、又は二重
体化又はオリゴマー化できるコラーゲン様ドメインの部分; (c)配列番号2のアミノ酸140(Arg)又は141(Cys)〜281(Pro)の範囲の
ポリペプチド分子、球状様ドメインを含むzsig37ポリペプチドの部分、又は球様
ドメインの活性化部分;又は (d)アミノ酸99(Gly)〜281(Pro)の範囲のポリペプチド分子、コラーゲ
ン様ドメイン及び球状ドメインを含むzsig37ポリペプチドの部分を含んで成る群
から選択されたポリペプチド;及び
【0035】 (2)もう1つのポリペプチドを包含する。他のポリペプチドは、他の又は追
加の球状ドメイン、他の又は追加のコラーゲン様ドメイン、融合タンパク質の分
泌を促進するシグナルペプチド又は同様のものであり得る。
【0036】 zsig37アゴニスト及びアンタゴニストはまた、本発明の方法において有用であ
る。アンタゴニストを同定する方法は、当業界において知られている。例えば、
zsig37ポリペプチドのアンタゴニストは、zsig37ポリペプチドに対して反応性の
細胞を供給し、zsig37ポリペプチドの存在下で前記細胞の第1部分を培養し、zs
ig37ポリペプチド及び試験化合物の存在下で前記細胞の第2部分を培養し、そし
て前記細胞の第1部分に比較して、前記細胞の第2部分の細胞応答の低下を検出
することによって同定される。本明細書に開示されるそれらのアッセイの他に、
サンプルが、受容体結合又はzsig37−依存性細胞応答の刺激/阻害を測定するよ
う企画された種々のアッセイにより、zsig37活性の阻害について試験され得る。
【0037】 例えばzsig37−応答性細胞系は、zsig37−刺激された細胞経路に応答するレポ
ーター遺伝子構造体によりトランスフェクトされ得る。このタイプのレポーター
遺伝子構造体は、当業界において知られており、そして一般的に、アッセイでき
るタンパク質、例えばルシフェラーゼをコードする遺伝子に操作可能的に連結さ
れるzsig37−DNA応答要素を含むであろう。DNA応答要素は、サイクリックAMP応
答要素(CRE)、ホルモン応答要素(HRE)、インスリン応答要素(IRE)(Nasri
n など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 5273−7, 1990)及び血清応答要素
(SRE)(Shaw など., Cell 56: 563−72, 1989)を包含するが、但しそれらだ
けには限定されない。
【0038】 サイクリックAMP応答要素は、Roestler など., J. Biol. Chem. 263 (19): 90
63−6, 1988及びHabener, Molec. Endocrinol. 4 (8): 1087−94, 1990に再考さ
れる。ホルモン応答要素は、Beato, Cell 56: 335−44l, 1989に再考される。候
補体化合物、溶液、混合物又は抽出物は、レポーター遺伝子発現のzsig57刺激の
低下により明らかなように、標的細胞に対するzsig37の活性を阻害する能力につ
いて試験される。このタイプのアッセイは、細胞表面受容体に結合するzsig37を
直接的にブロックする化合物、及びレポーターリガンド結合に続く細胞経路にお
ける工程をブロックする化合物を検出するであろう。
【0039】 他方では、化合物又は他のサンプルが、検出できるラベル(例えば125I、 ビ
オチン、ホースラディシュ ペルオキシダーゼ、FITC、及び同様のもの)により
標識されるzsig37を用いて、受容体へのzsig37結合の直接的なブロッキングにつ
いて試験され得る。このタイプのアッセイにおいては、受容体へのラベルされた
zsig37の結合を阻害する試験サンプルの能力は、二次アッセイを通して確かめら
れ得る阻害活性の表示である。結合アッセイ内に使用される受容体は、細胞受容
体、又は単離され、固定された受容体であり得る。
【0040】 また、zsig37ポリペプチドエピトープ、ペプチド又はポリペプチドに対して特
異的に結合する抗体もまた、本発明の方法において有用である。ポリクローナル
及びモノクローナル抗体を調製するための方法は、当業界において良く知られて
いる(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Se
cond Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Mo
noclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, I
nc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと)。
【0041】 当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば馬
、牛、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、ハムスター、テンジクネズミ及びラ
ット、並びにトランスジェニック動物、例えばトランスジェニック羊、牛、ヤギ
又はブタを接種することから生成され得る。抗体はまた、修飾された形で酵母及
び菌類において、及び哺乳類及び昆虫細胞においても発現され得る。zsig37ポリ
ペプチド又はそのフラグメントは、動物を接種し、又は免疫応答を誘発するため
に抗原(免疫原)として作用する。
【0042】 適切な抗原は、配列番号2のアミノ酸残基22-281、配列番号2のアミノ酸残基
26-281, 又はその連続した9〜281個のアミノ酸残基フラグメントからの、配列
番号2によりコードされるzsig37ポリペプチドを包含する。zsig37ポリペプチド
の免疫性は、アジュバント、例えばミヨウバン(水酸化アルミニュウム)又はフ
ロイント完全又は不完全アジュバントの使用により高められ得る。免疫化のため
に有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリン ポリペプチド又は親和性標識と
の融合体ポリペプチド、例えばzsig37又はその一部の融合体を包含する。
【0043】 ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であり得る。ポリペプ
チド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は、免疫化のために、
高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミ
ン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又は結合され得る。
【0044】 本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性
精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント
、例えばF(ab’)2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的
に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフ
ラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリ
ペプチドもまた包含される。
【0045】 非ヒト抗体は、ヒトフレームワーク及び不変領域上に非ヒトCDRのみを移植す
ることによって、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むことによって(任意
には、暴露された残基の置換によってヒト−様表面によりそれらのドメインを“
おおう(cloaking)”ことによって;ここで結果物は“張り合わされた”(vene
ered)抗体である)、ヒト型化され得る。多くの場合、ヒト型化された抗体は、
正しい結合特性を増強するために、ヒト可変領域フレームワークドメイン内に非
ヒト残基を保持することができる。
【0046】 ヒト型化化抗体を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に
基づく有害な免疫反応の可能性が低められる。本明細書において有用な抗体を生
成し又は選択するための他の技法は、zsig37 タンパク質又はペプチドへのリン
パ球インビトロ暴露、及びファージ又は類似するベクターにおける抗原表示ライ
ブラリーの選択(例えば、固定された又はラベルされたzsig37タンパク質又はペ
プチドの作用を通して)を包含する。
【0047】 抗体は、1)それらが限界レベルの結合活性を示す場合、及び2)それらが関
連するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結合することが
決定された。第1に、本明細書に置ける抗体は、それらが106M-1又はそれ以上、
好ましくは107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も
好ましくは109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を有するzsig37ポリペプチド
、ペプチド又はエピトープに結合する場合、特異的に結合する。抗体の結合親和
性は、例えばScatchard 分析(Scatchard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51: 660-67
2, 1949)を用いて、当業者によって容易に決定され得る。
【0048】 第2に、抗体は、それらが関連するポリペプチドと有意に交差−反応しない場
合、特異的にに結合する。抗体は、それらが、標準のウェスターンブロット分析
を用いて、zsig37ポリペプチドを検出するが、しかし既知の関連するポリペプチ
ドでない場合、関連するポリペプチド分子と有意に交差反応しない(Ausubel な
ど., 前記)。既知の関連するポリペプチドの例は、タンパク質ファミリーの他
のメンバー、例えば、Acrp30(配列番号3)、図1に示されるポリペプチド及び
同様のものを包含する。それらは、所望には、オルト体及び変異体ヒトzsig37ポ
リペプチドを包含する。さらに、抗体は、本発明のポリペプチドに対して特異的
に結合する集団を単離するために、既知の関連するポリペプチドに“対してスク
リーンされ得る”。
【0049】 例えば、ヒトzsig37ポリペプチドに対して生ぜしめられた抗体は、不溶性マト
リックスに付着される関連するポリペプチドに吸着され;ヒトzsig37 ポリペプ
チドに対して特異的な抗体は、適切な緩衝液条件下で前記マトリックスを通して
流れるであろう。そのようなスクリーニングは、既知の密接に関連するポリペプ
チドに対して交差反応しないポリクローナル及びモノクローナル抗体の単離を可
能にする(Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Lane (eds.), Cold
Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Current Protocols in Immunology, C
ooligan, など. (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Son
s, Inc., 1995)。
【0050】 特異的抗体のスクリーニング及び単離は当業界において当業界においてよく知
られている。Fundamental Immunology, Paul (eds.), Raven Press, 1993; Getz
offなど., Adv.in Immunol. 43: 1-98, 1988; Monoclonal Antibodies: Princip
les and Practice, Goding, J.W. (eds.), Academic Press Ltd., 1996; Benjam
in など., Ann. Rev. Immunol. 2: 67-101, 1984を参照のこと。そのようなアッ
セイの代表的な例は次のものを包含する:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッ
セイ、ラジオイムノ沈殿、酵素結合の免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロ
ット又はウェスターンブロットアッセイ、阻害又は競争アッセイ。及びサンドイ
ッチアッセイ。さらに、野生型対変異体のzsig37タンパク質又はペプチドに結合
する抗体がスクリーンされ得る。
【0051】 止血、特に血小板凝集を導く血小板付着及び活性化に対するzsig37ポリペプチ
ド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの効果は、本明細書
に提供される方法及びアッセイ、及び当業者において知られているそれらの方法
、及びアッセイを用いることによって、決定され得る。コラーゲンは、血小板凝
集の可能性あるインデューサーである。これは、血管損傷から回復する患者に危
険性を付与する。コラーゲン−誘発された血小板凝集のインヒビターが、そのよ
うな目的のために有用である。zsig37は、フィブロネクチン、及びタイプ1、II
、III、V、及びVIコラーゲンに結合することが見出されている。特に、zsig37は
、濃度依存性態様でコラーゲンVI上の特異的ドメインに結合する。
【0052】 zsig37はまた、コラーゲン介在性血小板活性化を阻害することが見出された。
zsig37−誘発された阻害はコラーゲン活性化のために選択的であり、zsig37は既
知の血小板活性化因子ADP又はトロンビンにより活性化される血小板に対して効
果を有さなかった。それらの結果は、下記例セクションにより詳しく記載されて
いる。zsig37 ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴ
ニストは、コラーゲン被覆された表面への血小板の結合を阻止し、そして関連す
るコラーゲン誘発された血小板凝集を低めるために有用であることが予想される
【0053】 Clqは、補体経路の成分であり、そして防御機構を刺激し、そして組織損傷を
引き起こすことができる毒性酸素種の生成を誘発することが見出された(Tenner
, Behring Inst. Mitt. 93: 241-53, 1993)。Clq結合部位は、血小板上い見出
されている。Clqは、免疫結合パートナーとは無関係に、血小板凝集を阻害する
が、しかし血小板付着又は形状変化を阻害しないことが見出された。Clqのアミ
ノ末端領域は、コラーゲンと相同性を共有する(Peerschke and Ghebrehiwet, J
. Immunol. 145: 2984-88, 1990)。zsig37は、濃度依存性態様で、補体Clqに結
合する。zsig37は、感作された及び感作されていない羊赤血球により、Clqを包
含する補体経路を阻害することにおいて効果的であることが見出された。
【0054】 本発明のzsig37ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニ
スト又はアンタゴニストは、付着し、そして活性化される血小板の数及び血小板
凝集体のサイズを低めることによって、哺乳類の血管内の血流を促進するための
方法に使用され得る。そのような方法は、治療的有効量のzsig37ポリペプチド、
フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストを、そのような処
理の必要な哺乳類に投与することを含んでなり、それにより、zsig37が哺乳類の
血管内のトロンボン結成及び補体活性を低める。
【0055】 下記に記載されるように、zsig37ポリペプチドは、コラーゲン介在性血小板活
性化を阻害し、そして結合を通してフィブロネクチン及びタイプI, II, III, V
及びVIコラーゲンを不活性化する。zsig37 投与は、血小板付着、活性化及び凝
集のための態様を低めることによって、血管損傷の部位でトロンボン形成を低め
る。zsig37はまた、下記に記載されるように、補体経路及びClqを阻害し、従っ
て、血管内の補体活性を低める。そのような方法に使用されるzsig37ポリペプチ
ド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、哺乳類に
おける急性血管損傷の前、その間、又はそれに続いて投与され得る。
【0056】 好ましい方法においては、血管損傷は、血管再構成、例えば、血管形成、動脈
内膜切除、冠動脈バイパス移植、毛管修復又は血管移植片の吻合(但し、それら
だけには限定されない)によるものである。また、血管損傷は、外傷、発作又は
動脈瘤によるものである。他の好ましい方法においては、血管損傷は、プラーク
破壊、血管系の変性、糖尿病に関連する合併症及びアテローム硬化症による。冠
動脈におけるプラーク破壊は、心臓発作を誘発し、そして大脳動脈においては、
発作を誘発する。そのような方法へのzsig37ポリペプチド、フラグメント、融合
タンパク質、抗体、アゴニストはアンタゴニストの使用はまた、免疫系に関連す
る血管系の全システムの疾病、例えば散在性血管内凝集(DIC)及びSIDを改善す
るためにも有用である。さらに、補体阻害活性は、非血管系免疫疾患、例えば、
アテローム硬化症を処理するために有用である。
【0057】 局在化された虚血性心筋におけるClqの存在と、冠動脈閉塞に続く白血球の蓄
積との間に相互関係が見出された。組織損傷に続く細胞成分の放出は、心筋損傷
の主要原因である毒性酸素生成をもたらす補体活性化を誘発する(Rossenなど.,
Circ. Res. 62: 572-84, 1998及びTenner, 前記)。補体経路の阻止は、再灌流
損傷から虚血性心筋を保護することが見出された(Buerkeなど., J. Pharm. Exp
. Therp. 288:429-38, 1998)。zsig37ポリペプチドの補体阻害及びClq結合活性
は、そのような目的のために有用である。
【0058】 zsig37のコラーゲン及びClq結合能力は、血小板付着、活性化又は凝集、及び
毒性酸素生成物の放出を導く炎症過程の活性化を妨げる、損傷されたコラーゲン
性組織を静めるために有用である。暴露された組織を、補体活性、血栓活性及び
免疫活性化のような工程に対して不活性にすることによって、zsig37ポリペプチ
ド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、虚血症及
び再灌流の損傷効果を低めることにおいて有用である。特に、そのような損傷は
、外傷性虚血症、腸絞扼及び血流の前−及び後−確立に関連する損傷を包含する
。zsig37は、心肺バイパス虚血症及び退縮、心筋梗塞及び後外傷性血管痙攣、例
えば発作又は経皮性管腔血管形成、及び偶発的又は手術誘発性血管外傷の処理に
おいて有用である。
【0059】 zsig37ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴ
ニストはまた、補体活性化、血栓活性又は免疫活性化に対して補綴生物材料の表
面を不活性化するために補綴生物材料及び手術用具を静めるためにも有用である
。そのような材料は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:
コラーゲン又はコラーゲンフラグメント−被覆の生物材料、ゼラチン−被覆され
た生物材料、フィブリン−被覆された生物材料、フィブロネクチン−被覆された
生物材料、ヘパリン−被覆された生物材料、コラーゲン及びゲル−被覆されたス
テント、人工移植片、合成心臓弁、人工器官又は1×108以上でzsig37を結合す
るであろう血液に暴露されるいずれかの補綴適用物。そのような材料の被覆は、
当業界において知られている方法を用いて行われ得る。(例えば、Rubensによる
アメリカ特許第5,272,074号を参照のこと)。
【0060】 補体及びClqは、炎症において役割を演じる。補体活性化は、免疫グロブリン
へのClqの結合により開示される(Johnston, Pediatr. Infect. Dis. J. 12: 93
3-41, 1993; Ward and Gretie, Therap. Immunol. 2: 77-94, 1995)。Clq及び
補体のインヒビターは、抗−炎症剤として有用である。そのような適用は、感染
を妨げるために行われ得る。さらに、そのようなインヒビターは、補体活性化及
びClqへの免疫複合体の結合により介在される炎症を有する個人に投与され得る
。zsig37ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又は
アンタゴニストは、傷つけられた創傷治癒を克服することによって創傷治癒の進
行を増強する、創傷修復を介在する方法において有用である。創傷治癒の進行は
、例えば炎症の低下、線維芽細胞の補充、創傷収縮及び感染の低下のような要素
を包含する。
【0061】 コラーゲンに結合する腫瘍細胞の能力は、腫瘍の転移に寄与することができる
。コラーゲン結合のインヒビターはまた、腫瘍の付着相互作用及び転移性拡張を
介在するためにも有用である(Noeske−Jungbulなど., アメリカ特許第5,723,31
2号)。 zsig37は、下記により詳細に記載されるように、Daintyなど., J. Pharmacol.
100: 767, 1990 and Rhee など., Neurotox. 16: 179, 1995 の方法を用いて、
ノルエピネフリン−収縮された大動脈輪の血管拡張を高めることが見出された。
【0062】 血小板付着、活性化及び凝集は、本明細書に記載されるか又は当業界において
知られている方法、例えば血小板凝集アッセイ(Chiangなど., Thrambosis Res.
37: 605-12, 1985)及び血小板付着アッセイ(Peerschke and Ghebrehiwet, J.
Immunol. 144: 221-25, 1990)を用いて評価され得る。Clq及び補体経路の阻害
は、本明細書に記載されるか又は当業界において知られている方法、例えばsuba
and Csako, J. Immunol. 117-304-9, 1976 に記載される方法を用いて決定され
得る。コラーゲンへの血小板付着及びコラーゲン誘発性血小板凝集の阻害は、Ke
llerなど., J. Biol. Chem. 268: 5450-6, 1993; Waxman and Connolly, J. Bio
l. Chem. 268: 5445-9, 1993; Noeske−Jungblutなど., J. Biol. Chem. 269: 5
050-3, 1994; 又はDeckmynなど., Blood 85: 712-9, 1995 に記載される方法を
用いて測定され得る。
【0063】 種々のインビトロ及びインビボ方法は、虚血及び再灌流損傷に対するzsig37ポ
リペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト及びアンタゴニ
ストの効果を評価するために利用できる。例えば、Shandelyaなど., Circulatio
n 88: 2812-26, 1993; Weismanなど., Science 249; 146-151, 1991; Buerke な
ど., Circulation 91:393-402, 1995; Horstick など., Circulation 95: 701-
8, 1997, 及びBurkeなど., J. Phar. Exp. Therp. 286: 429-38, 1998を参照の
こと。エスクビボ ハムスター血小板凝集アッセイは、Deckmynなど., 前記によ
り記載されている。
【0064】 ハムスター及びヒヒにおける放血時間が、Deckmynなど., 前記により記載され
るモデルを用いて、zsig37ポリペプチドの注入に続いて測定され得る。本発明の
タンパク質の投与に応答しての血栓の形成は、Deckmynなど., 前記により提供さ
れるハムスター大腿静脈血栓症モデルを用いて測定され得る。zsig37の投与に続
いての流動条件下での血小板付着の変化は、Harsfalviなど., Blood 85: 705-11
, 1995に記載される方法を用いて測定され得る。
【0065】 補体阻害及び創傷治癒は、単独で、又はコラーゲン−誘発された血小板活性化
及び凝集の他の既知のインヒビター、例えばパルジピン(palldipin)、モウバ
チン(moubatin)又はカリン(calin)と組合してアッセイされる、zsig37ポリ
ペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニス
トであり得る。
【0066】 zsig37ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又は
アンタゴニストは、本明細書に記載されるか又は当業界において知られている方
法、例えばブタにおける皮膚層の治療(Lynchなど., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 84: 7696-700, 1987)、及び遺伝的に糖尿病のマウスにおける十分な厚さの
皮膚創傷(Greenhalgh など., Am. J. Pathol. 136: 1235-46, 1990)を用いて
評価され得る。本発明のポリペプチドは、単独で、又は上記に記載されるような
他の既知の補体インヒビターと組合して、アッセイされ得る。
【0067】 さらに、zsig37ポリペプチド、そのフラグメント、融合体、アゴニスト又はア
ンタゴニストは、抗微生物用途のために治療的に有用である。例えば、補体成分
Clqは、感染剤、例えば細菌及びウィルスに対する宿主防御において役割を演じ
る。Clqは、いくつかの特殊化された機能を示すことが知られている。例えば、C
lqは、結合された抗体又はC−反応性タンパク質(CRP)との相互作用を通しての
補体カスケードを誘発する。
【0068】 また、Clqは、特定の細菌、RNAウィルス、マイコプラズマ、尿酸結晶、細菌内
毒素の脂質A成分、及び一定の細胞内オルガネラの膜と直接的に相互作用する。C
lq受容体へのClq結合は、食作用を促進すると思われる。Clqはまた、宿主防御シ
ステムの抗体形成観点を増強すると思われる。例えば、Johnston, Pediatr. Inf
ect. Dis. J. に(11):933−41、1993を参照のこと。従って、可溶性Clq−様
分子は、感染性剤の溶解又は食作用を促進する抗微生物剤として有用であり得る
【0069】 Clq及びマクロファージ スカベンジャー受容体の正に荷電された細胞外3本
鎖ヘリックスのコラーゲン性ドメインは、リガンド結合において役割を演じるこ
とが決定され、そしてポリアニオンのための広い特異性を有することが示された
(Acton, など., J. Biol. Chem. 268: 3530-37, 1993)。リゾリン脂質増殖因
子(リゾホスファチジン酸、LPA)及び他のマイトジェンアニオンは、損傷され
た組織の部位に位置し、そして創傷修復を助ける。LPAは、血小板の活性化及び
マトリックスアセンブリーのアップ−レギュレーションを包含する多くの生物学
的効果を付与する。LPAは、他の血液凝集因子の作用を補強し、そして創傷治療
を介在すると思われた。
【0070】 タンパク質、例えばClq及びマクロファージスキャベンジャー受容体のコラー
ゲン性ドメインは、酸性リン脂質、例えばLPAを結合することが知られている。z
sig37のコラーゲンドメインの9マー領域、すなわち配列番号2のアミノ酸残基1
27−137は、Clq及びマクロファージスキャベンジャー受容体上に見出されるコラ
ーゲンドメインと配列相同性を共有する。マイトジェンアニオン、例えばLPAと
、zsig37ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニスト
との相互作用は、当業界において知られているアッセイを用いて、決定され得る
(例えば、Actonなど., 前記を参照のこと)。本発明のポリペプチド及び抗体に
よる炎症過程の阻害はまた、創傷部位での感染の阻害において有用である。
【0071】 医薬使用のためには、本発明のタンパク質は、従来の方法に従って、非経口、
経口、鼻腔、直腸、局部、経皮投与のための医薬的に許容できるキャリヤーと共
に配合され得る。好ましくは、投与は、血管損傷の部位で又はその近くで行われ
る。一般的に、医薬製剤は、zsig37タンパク質を、医薬的に許容できるビークル
、例えば塩溶液、緩衝溶液、水中、5%デキストロース、又は同様のものと共に
含むであろう。
【0072】 製剤はさらに、1又は複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、バイアル表面
上のタンパク質損失を妨げるためのアルブミン、等を含むことができる。配合方
法は、当業界において良く知られており、そして例えば、Remington: The Scien
ce and Practice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton,
PA, 19th ed., 1995に開示される。治療的用量は一般的に、処理されるべき病状
の性質及び重症度、患者の特性、等を考慮して、許容できる標準に従って、臨床
医により決定される。用量の決定は、当業者のレベル内である。
【0073】 本明細書において使用される場合、zsig37ポリペプチド、フラグメント、融合
タンパク質、アゴニスト又はアンタゴニストの“医薬的有効量”とは、所望する
生物学的結果を誘発するのに十分な量である。その結果は、疾病の前兆、徴候又
は原因の緩和、又は生物学的システムのいずれか他の所望する変更であり得る。
例えば、有効量のzsig37ポリペプチドは、臨床医又は他の資格を与えられている
観察者により示されるように、徴候の主観的な軽減又は客観的に同定できる改良
点を提供するポリペプチドである。そのような有効量のzsig37ポリペプチドは、
コラーゲン−活性化された血小板活性化、及びClqを包含する補体経路の阻害、
患者の血管系内の局在化された血流の上昇、及び/又は虚血及び再灌流の有害な
効果の低下を提供する。
【0074】 有効量のzsig37ポリペプチドは、処理されるべき疾病又は徴候に依存して、広
く変化することができる。製剤における投与されるべきポリペプチドの量及びそ
の濃度は、選択されるビークル、投与の経路、特定のポリペプチドの効能、患者
の臨床学的状態、副作用及び製剤における化合物の安定性に依存する。従って、
臨床医は、製剤における適切な濃度及び投与される製剤の量を、問題の患者又は
類似する患者に関する臨床的な経験に依存して、使用するであろう。
【0075】 そのような量は、処理されるべき特定の条件、すなわち患者の年齢、体重及び
一般的な健康性、及び当業者において明らかな他の要因に、一部依存するであろ
う。典型的には、用量は、0.01−100mg/kg体重の範囲であろう。バルーンカテー
テルへの適用においては、典型的な用量範囲は、0.05−mg/kg患者である。特定
の化合物についての用量は、実験動物に対する研究と組合して、インビトロ又は
エクスビボ研究から決定され得る。インビトロ又はエクスビボで効果的であるこ
とが見出された化合物の濃度は、動物研究のための指図を提供し、ここで用量は
作用の部位での類似する濃度を提供するために計算される。
【0076】 本発明は、次の非限定的な例により、さらに例示される。 実施例 例1EST配列の延長 本発明の新規zsig37ポリペプチド−コードのポリヌクレオチドを、ESTデータ
ベースからESTを選択し、それらに基づいてタンパク質配列を予測し、そしてEST
に基づいての予測されたタンパク質に対して最も相同である分泌されたタンパク
質について既知の配列データベースを調べることによって初めに同定した。既知
の分泌されたタンパク質に対して生物学的に興味ある相同性を有するタンパク質
を潜在的にコードするESTを、追加の研究のために同定した。単一のEST配列を発
現し、そして脂肪細胞特異的タンパク質に対して相同であることが予測された(
例えば、Schererなど., J. Biol. Chem. 270 (45): 26746-9, 1995を参照のこと
)。
【0077】 その対応するcDNAを同定するために、完全なコード配列を含むと思われるクロ
ーンを、配列決定のために使用した。Invitrogen S. N. A. P.TM Miniprepキッ
ト(Invitrogen, Corp., San Diego, CA)を、製造業者の説明書に従って用いて
、LB+50μg/mlのアンピシリン中、5mlの一晩の培養物を調製した。鋳型を、ABI
PRISMTM モデル377DNA配列決定機(Perkin−Elmer Cetus, Norwalk, Ct)上で、
ABI PRISMTM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (Perkin-E
lmer Corp.) を用いて、製造業者の説明書に従って配列決定した。クローン含有
ベクター上のSP6及びT7プロモーターに対するオリゴヌクレオチドZC695(配列番
号5)、ZC694(配列番号6)を、配列決定プライマーとして使用した。
【0078】 オリゴヌクレオチドZC13210 (配列番号7)、ZC13588(配列番号8)、ZC13532
(配列番号9)、ZC13641(配列番号10)、ZC13586(配列番号11)、ZC13651(
配列番号12)、ZC13622(配列番号13)、ZC13625(配列番号14)、ZC13650(配
列番号15)、ZC13589(配列番号16)、ZC13624(配列番号17)、ZC13531(配列
番号18)、ZC13587(配列番号19)及びZC13623(配列番号20)を用いて、クロー
ンからの配列を完結した。
【0079】 配列決定反応を、Hybaid OmniGene Temperature Cycling system (National L
abnet Co., Woodbridge, NY) において行った。SEQUENCHERTM 3.0配列分析ソフ
トウェア(Gene Codes Corporation, Ann Arbor, MI)を、データ分析のために
使用した。得られる2769bpの配列を、配列番号1として開示する。配列番号1に
示される配列と初めに誘導されたEST配列との比較は、1つの塩基対の不明瞭性
(未知の“N”残基)が存在し、そして不明瞭性の解明においてロイシンの同定
、及び推定されるアミノ酸配列間のゼロフレームシフトをもたらす塩基対挿入は
存在しないことを示した。
【0080】 例2組織分布 ノザン分析を、Clontech(Palo Alto, (A) からのHuman Multiple Tissue Blo
ts を用いて行った。配列番号1に示される成熟タンパク質のヌクレオチド配列
の5’末端側の30個の塩基のDNAプローブ(ZC12447; 配列番号4)を、T4ポリヌ
クレオチドキナーゼ及び前方向反応緩衝液(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)を
用いて、製造業者の規定に従って、32Pにより放射性ラベルした。プローブを、N
UCTRAPプッシュカラム(Stratagene Cloning Systems, La Jolla, CA)を用いて
精製した。EXPRESSHYB (Clontech, Palo Alto, CA) 溶液を、プレハイブリダイ
ゼーションのために、及びノザンブロットのためのハイブリダイジング溶液とし
て使用した。
【0081】 ハイブリダイゼーションを50℃で一晩、行い、そして次に、ブロットを、2×
SSC及び0.1%のSDSにおいてRTで洗浄し、続いて1×SSC及び0.1%のSDSにおいて
68℃(融点よりも約5℃低い)で洗浄した。1つの転写体サイズを、約2.8kbで観
察した。シグナル強度は、心臓及び胎盤に関して最高であり、腎臓、卵巣、副腎
及び骨格筋において比較的低い強さのシグナルが存在し、そしてノザンブロット
上に存在する広範囲の種類の他の組織においてより低いシグナルが存在した。
【0082】 追加のノザンブロット分析を、Gut Northern Tissue Blotを用いて行った。ブ
ロットを、次のものからのmRNAを用いて調製した:ヒト直腸腺癌細胞系SW480(C
lontech, Palo Alto, CA)、ヒト小腸組織(Clontech)、ヒト胃組織(Clontech
)、ヒト小腸平滑筋細胞系(Hism; ATCC No. CRL-1692; American Type Culture
Collection, 12301 Parklawn Drive, Rockville, MD)、正常ヒト結腸細胞系(
FHC;ATCC No. CRL-1831; American Type Culture Collection)及び正常ヒト胎
児小腸細胞系(FHS74 Int.; ATCC No. CCL241; American Type Culture Collect
ion)。
【0083】 全RNAを、酸グアニジウム方法(Cheomczynskiなど., Anal. Biochem. 162:156
-9, 1987)により、Hism, PHC及びFHS74 Int. から単離した。ポリA+ RNAを、ポ
リA+ RNAを保持するカラムを通して全RNAを溶出することによって選択した(Avi
vなど., Proc. Nat. Acad. Sci. 69: 1406−12, 1972)。個々のサンプルからの
2μgのポリA+ RNAを、2.2Mのホルムアルデヒド及びリン酸緩衝液中、1.5%アガ
ロースゲルにおいて分離した。RNAを、20×SSC中、Nytran膜(Schleicher and S
chuell, Kenne, NH)上に、一晩、移行した。ブロットを、UV Stratalinker 240
0 (Stratagene, La Jolla, CA) において、0.12ジュールで処理した。次にブロ
ットを80℃で1時間、焼き付けた。
【0084】 十分な長さのcDNA(配列番号1で示される)を、PCRにより増幅し、そしてRed
iprimeペレットキット(Amersham, Arlington Heights, IL)を用いて、製造業
者の規定に従って、32P dCTPにより放射性ラベルした。ブロットを、EXPRESSHYB
(Clontech)において56℃で一晩、ハイブリダイズした。ブロットを、室温で2
×SSC及び0.1%のSDS、次に65℃で2×SSC及び0.1%のSDS、及び最後に、65℃で
0.1×SSC及び0.1%のSDSにおいて洗浄した。結果は、zsig37が、ヒト腸平滑筋細
胞系HISMを除くすべての組織にハイブリダイズしたことを示した。
【0085】 例3zsig37遺伝子の染色体マッピング zsig37遺伝子を、NIGMS Human/Rodent Somatic Cell Hybrid Mapping Panel N
umber 2 (National Institute of General Medisal Sciences, Coriell Institu
te of Medical Research) を用いて、PCRにより、ヒト染色体17の領域17q25.2
に対してマッピングした。パネルは、1つの特定のヒト染色体をそれぞれ保持す
る24個のヒト/囓歯動物体細胞ハイブリッドから単離されたDNA及び親DNAから成
る。zsig37遺伝子のマッピングのために、20μlの反応体を、96−ウェルマイク
ロタイタープレート(Stratagene, La Jolla, CA)において調製し、そして“Ro
boCycler Gradient 96”熱サイクラー(Stratagene)において使用した。
【0086】 27個のPCR反応体の個々は、2μlの10×KlenTag PCR反応緩衝液(Clontech La
boratories, Inc., Palo Alto, CA)、1.6μlのdNTPミックス(それぞれ2.5mM,
PERKIN-ELMER, Foster City, CA)、1μlのセンスプライマー(配列番号21)、
1μlのアンチセンスプライマー(配列番号22)、2μlのRediload (Research Ge
netics, Inc.), 0.4μlの50×Adrantage KlenTaq Polymerase Mix (Clontech La
boratories, Inc.)、 個々のハイブリッドクローン又は対照からの25ngのDNA、
及び合計20μlにするための蒸留水から成った。
【0087】 反応体を、等量の鉱油により被覆し、そして密封した。PCRサイクラー条件は
次の通りであった:95℃で5分間の変性(1サイクル)、95℃で1分間の変性、
60℃で1分間のアニーリング及び72℃で1.5分間の延長(35サイクル)、及び72
℃で7分間の延長(1サイクル)。反応体を、3%Nusieve GTGアガロースゲル
(FMC Bioproducts、Rockland, ME) 上で電気泳動により分離した。
【0088】 例4哺乳類発現ベクターzsig37NEE/pZP9及びzsig37CEE/pZP9の作製 2種の発現ベクターを、zsig37ポリペプチド、zSIG37NEE/pZP9及びzSIG37CEE/
pZP9のために調製し、ここで前記構造体は、C−又はN−末端Glu−Glu標識を有す
るzsig37ポリペプチドを発現するよう企画された。
【0089】 zsig37NEE/pZP9: PCRにより生成された800bpのzsig37 DNAフラグメントを、上記例1に記載され
るPCRプライマー及び鋳型としてZC15040(配列番号24)及びZC15033(配列番号2
5)を用いて創造した。PCR反応体を94℃で3分間インキュベートし、そして次に
、94℃で30秒、30℃で20秒及び72℃で1分間(5サイクル)、及び94℃で30秒、
64℃で20秒及び72℃で1分間(25サイクル)、PCRサイクルを行った。次いで、7
2℃で5分間の延長を行った。次に、その得られたPCR生成物を、1×TBE緩衝液
を伴なって、0.9%のTBEアガロースゲル上で実験した。予測されるサイズのバン
ドを切除し、そしてDNAを、前記ゲルから、Qiaex II 樹脂(Qiagen)を用いて、
製造業者の説明書に従って精製した。DNAを、制限酵素BamHI及びXbaIにより消化
し、続いて抽出及び沈殿を伴なった。
【0090】 制限消化され、切除されたzsig37 DNAフラグメントを、制限酵素BamHI及びXba
Iにより切断されたプラスミドNEE/pZP9中にサブクローン化した。zsig37NEE/pZP
9発現ベクターは、TPAリーダーを組み込み、そしてzsig37ポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド配列のN−末端にGlu−Glu標識(配列番号26)を結合する
【0091】 プラスミドNEE/pZP9 (ATCC No. 98668号として、American Type Culture Coll
ection, 12301 Parklawn Drive, Rockville, MDに寄託される)は、マウスメタロ
チオネイン−1プロモーター、TPAリーダーペプチド、続いてGlu−Glu標識(配
列番号26)をコードする配列を有する発現カセット、コード配列の挿入のための
制限部位、及びヒト成長ホルモンターミネーターを含む哺乳類発現ベクターであ
る。プラスミドはまた、複製のE.コリ起点、SV40プロモーター、エンハンサー及
び複製の起点を有する哺乳類選択マーカー発現単位、DHFR遺伝子及びSV40ターミ
ネーターを含む。
【0092】 zsig37CEE/pZP9: 866bpのPCR生成されたzsig37 DNAフラグメントを、PCRプライマーとしてZC157
21(配列番号27)及びZC15035(配列番号28)を用いて、上記に示される方法に
従って創造した。精製されたPCRフラグメントを、制限酵素EcoRI及びBamHIによ
り消化し、Qiaex II樹脂を用いて、上記のようにしてゲル精製した。
【0093】 切除され、そして制限消化されたzsig37 DNAを、EcoRI及びBamHIにより切断さ
れたプラスミドCEE/pZP9中にサグクローン化した。そのzsig37CEE/pZP9発現ベク
ターは、生来のzsig37シグナルペプチドを使用し、そしてGlu−Gluエピトープ(
配列番頭26)は、精製を助けるためにC−末端に結合される。プラスミドCEE/pZP
9(ATCC No.98668号として、American Type Culture Collection, 12301 Parkla
wn Drive, Rockville, MDに寄託される)は、マウスメタロチオネイン−1プロ
モーター、コード配列の挿入のための複製の制限部位、Glu−Glu標識(配列番号
26)をコードする配列、停止コドン及びヒト成長ホルモンターミネーターを有す
る発現カセットを含む哺乳類発現ベクターである。プラスミドはまた、複製のE.
コリ起点、SV40プロモーター、エンハンサー及び複製の起点を有する哺乳類選択
マーカー発現単位、DHFR遺伝子及びSV40ターミネーターを有する。
【0094】 N−及びC−標識された構造体に関して、約30ngの制限消化された挿入体及び50
ngのその対応するベクターを、室温で4時間、連結した。1μlの個々の結合反
応体を、DH10Bコンピテント細胞(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)中に、製造業
者の説明書に従って、個々にエレクトロポレートし、そして50mg/mlのアンピシ
リンを含むLBプレート上にプレートし、そして一晩インキュベートした。
【0095】 コロニーを、上記のようにして、PCRによりスクリーンした。zsig37 NEE/pZP9
及びzsig37CEE/pZP9スクリーンに関しては、プライマーはZC13006(配列番号29
)及びZC13007(配列番号20)であった。PCR反応体を、94℃で2.5分間インキュ
ベートし、そして次に、94℃で10分間、58℃で20秒間及び72℃で1分間、実施し
た(25サイクル)。72℃で5分間の延長が続いた。陽性クローンの挿入体配列、
すなわちzsig37NEEについて1013bpのフラグメント及びzsig37CEEについて950bp
のフラグメントを、配列分析により確かめた。大規模プラスミド調製を、QIAGEN
(商標)Maxi準備キット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って行った
【0096】 例5zsig37NEE及びCEEポリペプチドのトランスフェクション及び発現 BHK570細胞(ATCC No. CRL-10314)を、10cmの組織培養皿にプレートし、そし
てDMEM/FBS培地(DMEM, Giko/BRL High Glucose (Gibco BRL, Gaithersburg, MD
)、5%ウシ胎児血清(Hyclone, Logan, UT)、2μMのL−グルタミン(JRH Bio
sciences, LeneXa, KS)、1μMのピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)において
、37℃で5%CO2下で一晩、約50%〜70%の集密性まで増殖した。
【0097】 次に、細胞を、血清フリー(SF)培地配合物(DMEM, Gibco/BRL High GluCose
(Gibco BRL, Gaithersburg, Md)、 2mMのL−グルタミン、2mMのピルビン酸ナト
リウム、10μg/mlのトランスフェリン、5μg/mlのインスリン、10μg/mlのフェ
チュイン及び2ng/ml のセレニウム)において、LipofectamineTM (Gibco BRL)
を用いて、プラスミドzsig37NEE/pZP9 (N−末端Glu−Glu標識) 又はzsig37CEE/p
ZP9 (C−末端Glu−Glu標識) によりトランスフェクトした。16μgのzsig37NEE/p
ZP9及び16μgのzsig37CEE/pZP9を別々に、15mlの管において、合計640μlのSF培
地に希釈した。
【0098】 別々の管において、35μlのLipofectamineTM (Gibco BRL) を、605μlのSF培
地と共に混合した。前記LipofectamineTM 混合物を、DNA混合物に添加し、そし
て室温で約30分間インキュベートした。5mlのSF培地を、前記DNA:Lipofectamin
eTM 混合物に添加した。細胞を、5mlのSF培地により1度すすぎ、吸引し、そし
て前記DNA:LipofectamineTM 混合物を添加した。
【0099】 細胞を37℃で5時間インキュベートし、次に6.4mlのDMEM/10%FBS、1%PSN培
地をプレートに添加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、そして前記
DNA:LipofectemineTM 混合物を、新しいFBS/DMEM培地により次の日に交換した
。トランスフェクションの後、2日目、細胞を、1:50、1:100及び1:200で
、150mmプレートにおける選択培地(1μMのMTXを有するESTEP #1)中に分配し
た。プレートを、トランスフェクションの5日後、新鮮な選択培地により再び提
供した。
【0100】 クローンのスクリーニング: トランスフェクションの約10〜12日後、メトトレキセート耐性コロニーの1つ
の150mm培養皿を、個々のトランスフェクションから選択し、培地を吸引し、プ
レートを、10mlの血清フリーESTEP 2培地(668.7g/50LのDMEM(Gibco)、5.5g/5
0Lのピルビン酸、ナトリウム塩96%(Mallinckrodt)、185.0g/50LのNaHCO3(Ma
llinkrodt)、5.0mg/ml及び25ml/50Lのインスリン、10.0mg/ml 及び25ml/50Lの
トランスフェリン)により洗浄した。洗浄培地を吸引し、そして5mlの血清フリ
ーESTEP2により交換した。血清フリーESTEP2によりプレソークされた無菌テフロ
ンメッシュ(Spectrum Medical Industries, Los Angeles, CA)を、細胞上に配
置した。血清フリーESTEP2によりプレソークされた無菌ニトロセルロースフィ
ルターを、前記メッシュ上に配置した。
【0101】 ニトロセルロース上の配向印を、培養物皿に移した。次に、プレートを37℃で
、5%のCO2インキュベーターにおいて、5−6時間インキュベートした。イン
キュベーションに続いて、フィルターを除去し、そして培地を吸引し、そしてDM
EM/5%FBS、1×PSN(Gibco BRL)培地により交換した。次に、フィルターを、5
0mlの緩衝液(25mMのトリス、25mMのグリシン、5mMのβ−メルカプトエタノール
)を含む密封できるバッグ中に入れ、そして65℃の水浴において10分間インキュ
ベートした。フィルターを、10%脱脂紛乳/Western A緩衝液(Western A: 50mM
のトリス、pH7.4、5mMのEDTA、0.05%のNP−40、150mMのNaCl及び0.25%のゼラ
チン)において、回転振盪機上で室温で15分間、ブロックした。
【0102】 次に、フィルターを、2.5%の脱脂紛乳/Western A緩衝液(Western A: 50mMの
トリス、pH7.4、5mMのEDTA、0.05%のNP−40、150mMのNaCl及び0.25%のゼラチ
ン)において1:1000に希釈された抗−Glu−Glu抗体−HRP接合体と共に、回転
振盪機上で4℃で一晩インキュベートした。次に、フィルターを、PBS+0.1% T
ween20において室温3度、それぞれの洗浄当たり5−15分、洗浄した。フィルタ
ーを、ECL試薬(Amersham Corp., Ar lington Heights, IL)により、製造業者
の説明書に従って展開し、そしてフィルム(Hyperfilm ECL, Amersham)に、約
5分間、露光した。
【0103】 フィルムを、コロニーを含むプレートと共に並べた。前記フィルムをガイドと
して用いて、適切なコロニーを選択した。無菌の3mmのコロニーディスク(PGC S
cientific Corp., Frederick, MD)を、トリプシンによりソークし、そしてコロ
ニー上に配置した。個々の構造体当たり12個のコロニーを、96ウェルプレート中
の選択培地200μl中にトランスファーした。一連の7個の2倍希釈を、個々のコ
ロニーに対して行った。細胞を37℃で1週間、増殖し、この時点で、最適密度で
現在、存在する細胞の最低希釈を受けたウィルスを選択し、トリプシン処理し、
そして選択培地を含むウェルプレートにトランスファーした。150mmの培養皿を
また、トリプシン処理し、そして細胞の残りをプールし、そしてウェスターン分
析及びマイコプラズマ試験にゆだねた。プールを貯蔵のために凍結した。
【0104】 クローンを、12ウェルプレートから直接的に、2つのT−75フラスコ中に拡張
した。1つのフラスコを細胞増殖し続け、第2のフラスコを血清フリーのESTEP2
において増殖し、これをウェスターンブロット分析のために収穫した。ウェスタ
ーンブロット分析に基づいて、個々の発現構造体のクローンを選択し、プールし
、そして大規模培養にトランスファーした。
【0105】 例7zsig37CEEの大規模哺乳類発現 zsig37CEEを発現する集密性細胞を含む1つのT−162フラスコ、及び上記の発
現方法から得られたzsig37NEEを含む1つのフラスコを、それぞれ4個のT−162フ
ラスコに拡張した。得られる4個のフラスコの1つを用いて、4個の低温バイア
ルを凍結し、そして他の3個のフラスコを用いて、Nunc細胞工場を製造した。
【0106】 zsig37CEE及びzsig37NEEの3個のT−162フラスコからの細胞を用いて、2つの
Nunc細胞工場(10層、VWRから市販されている)を独立して接種した。手短には
、上記T−162フラスコからの細胞を、トリプシンを用いて分離し、プールし、そ
して37℃に前もって暖められた1.5LのESTEP1培地(668.7g/50LのDMEM(Gibco)
、5.5g/50Lのピルビン酸、ナトリウム塩96%(Mallinckrodt)、185.0g/50LのNa
HCO3(Mallinkrodt)、5.0mg/ml及び25ml/50Lのインスリン(JRH Biosciences)
、10.0mg/ml 及び25ml/50Lのトランスフェリン(JRH Biosciences)、2.5L/50L
のウシ胎児血清(特徴づけられた)(Hyclone)、1μMのMTX;pHは、7.05±0.0
5に調節されている)に添加した。次に、細胞を含む培地を、漏斗を通してNunc
細胞工場中に注いだ。細胞工場を、37℃/5.0%CO2のインキュベーターに配置し
た。
【0107】 80〜100%の集密性(confluence)で、可視汚染試験(フェノール赤色変化)
を、Nunc細胞工場の内容物に対して行った。汚染は観察されないので、その集密
性工場からの上清液を、小さな収穫容器に注ぎ、サンプリングし、そして廃棄し
た。次に、付着細胞を、400mlのPBSにより1度洗浄した。前記工場から細胞を分
離するために、100mlのトリプシンを個々に添加し、そして除去し、そして次に
、細胞を残留トリプシンにおいて5〜10分間インキュベートした。細胞を、ESTE
P1培地による2回の200ml洗浄に続いて集めた。10のESTEP1培地含有ボトル(
それぞれ1.5L、37℃)の個々に、集められた細胞40mlを添加した。次に、1つの1
.5Lのボトルを用いて、1つのNunc工場を満たした。個々の細胞工場を、37℃/5.
0%CO2インキュベーターに配置した。
【0108】 80〜90%の集密性で、可視汚染試験(フェノール赤色変化)を、Nunc細胞工場
に対して行った。汚染は観察されなかったので、集密工場からの上清液を、小さ
な収穫容器中に注ぎ、サンプリングし、そして廃棄した。次に、細胞を400mlのP
BSにより1度洗浄した。1.5LのESTEP2培地(668.7g/50LのDMEM(Gibco)、5.5g/5
0LのNaHCO3(Mallinkrodt)、5.0mg/ml及び25ml/50Lのインスリン、10.0mg/ml及
び25ml/50Lのトランスフェリン)を、個々のNunc細胞工場に添加した。細胞工場
を、37℃/5.0%CO2下でインキュベートした。
【0109】 約48時間で、可視汚染試験(フェノール赤色変化)を、Nunc細胞工場に対して
行った。個々の工場からの上清液を、小さな収穫容器中に注いだ。新鮮な血清フ
リー培地(1.5L)を、個々のNunc細胞工場中に注ぎ、そしてそれらの工場を37℃
/5.0%CO2下でインキュベートした。個々の構造体についての1mlの上清液収穫物
を顕微鏡スライドに移し、そして汚染についての顕微鏡分析にゆだねた。個々の
構造体についての小さな収穫容器の内容物をプールし、そしてすぐに濾過した。
【0110】 次に、第2の収穫を、48時間で実質的に上記のようにして行い、そして細胞工
場を、その後、廃棄した。無菌的に集成されるフィルタートレイン装置を、収穫
物(ならし培地)の無菌濾過のために使用した。集成は次の通りであった:管を
Opti−Capフィルター(Millipore Corp., Bedford, MA)及びGelman Supercap 5
0 フィルター(Gelman Sciences, Ann Arbor, MI)に、針金で結びつけた。
【0111】 Suppercop 50フィルターをまた、フードに位置する無菌キャップされた容器に
結合し;Millipore Opti−capフィルターの上流に位置する管を、蠕動ポンプ中
に挿入し;そして管の自由端を大きな収穫容器に配置した。蠕動ポンプを、なら
し培地のすべてが、0.22μmの最終フィルターを通して無菌収集容器に通過する
まで、200〜300rpmで作動した。濾液を、精製の間、4℃の部屋に置いた。培地
を、Milliporeの5kDaカットオフ濃縮機(Millipore Corp., Bedford, MA)によ
り、製造業者の説明書に従って、10倍に濃縮し、そして抗−FLAG標識抗体(Koda
k)を用いてウェスターンブロット分析にゆだねた。
【0112】 zsig37CEE: 5個のT−162フラスコ=0.12mg/L, 38kDa; 1個の工場、FBS=0.12mg/L, 38kDa; 10個の工場、FBS=0.12mg/L, 38kDa; 10個の工場(#1)、SF=0.12mg/L, 38kDa; 及び 10個の工場(#2)、SF=3.56mg/L, 38kDa。
【0113】 zsig37NEE: 5個のT−162フラスコ=0.137mg/L、35kDa; 1個の工場、FBS=0.137mg/L、35kDa; 10個の工場、FBS=0.137mg/L、35kDa; 10個の工場(#1)、SF=0.137mg/L、35kDa;及び 10個の工場(#2)、SF=4.11mg/L、35kDa。
【0114】 例7zsig37NEE及びzsig37CEEの精製 特にことわらない限り、すべての操作を、4℃で行った。次の方法を、N−末
端又はC−末端Glu−Glu(EE)標識を含むzsig37を精製するために使用した。子
供ハムスター腎臓(BHK)細胞からの合計25Lのならし培地を、4インチの0.2mM
のMillipore(Bedford, MA)Opticapカプセルフィルター及び0.2mMのGelman (An
n Arbor, MI) Supercap50 を通して連続的に濾過した。次に、前記材料を、3000
kDaカットオフAmicon(Bedford, MA)S10Y3膜を備えたMillipore Pro Flux A30
接線流濃縮機を用いて、約1.3Lに濃縮した。
【0115】 濃縮された材料を再び、上記のようにGelmanフィルターにより無菌濾過した。
プロテアーゼインヒビターの混合物を、濃縮されたならし培地に添加し、2.5mM
のエチレンジアミン四酢酸(EDTA, Sigma Chemical Co. St. Louis, MO)、0.00
1mMのロイペクチン(Boehringer−Mannheim, Indianapolis, IN)、0.001mMのペ
プスタチン(Boehringer−Mannheim)及び0.4mMのPefabloc (Boehringer-Mannhe
im)の最終濃度にした。下記のようにして調製された抗−EE Sepharoseのサンプ
ル25.0mlを、バッチ吸着のためにサンプルに添加し、そしてその混合物を、Whea
ton (Millville, NJ)ローラー培養装置上で18時間、4℃で軽く撹拌した。
【0116】 次に、前記混合物を、5.0×20.0cmのEcono−Cloumm(Bio−Rad, Laboratories
, Hercules, CA)中に注ぎ、そしてゲルを、30カラム体積のリン酸緩衝溶液(PB
S)により洗浄した。保持されなかった流れ出た画分を廃棄した。280nMでの流出
液の吸光度が0.05以下になると、カラムを通しての流れを、ゼロに減じ、そして
抗−EE Sepharose ゲルを、0.4mmg/mlのEEペプチド(AnaSpec, San Jose, CA)
を含むPBS2.0体重カラムによりバッチ様態様で洗浄した。使用されるペプチドは
、配列Glu−Tyr−Met−Pro−Val−Asp(配列番号31)を有する。4℃での1時間
後、流れを再開し、そして溶出されたタンパク質を集めた。この画分を、ペプチ
ド溶出液として言及した。次に、抗−EE Sepharoseゲルを、2.0カラム体積の0.1
Mのグリシン(pH2.5)により洗浄し、そしてグリシン洗浄液を別々に集めた。グ
リシン−溶出された画分のpHを、少量の10倍PBSの添加により7.0に調節し、そし
て必要なら、さらなる分析のために4℃で貯蔵した。
【0117】 ペプチド溶出液を、15,000分子量カットオフ膜濃縮機(Millipore, Bedford,
MA)を用いて、製造業者の説明者に従って、5.0mlに濃縮した。その濃縮された
ペプチド溶出液を、BioCad Sprint HPLC(PerSeptive BioSystems, Framingham,
MA) を用いて1.0ml/分の流速で、PBSにより平衡化された1.5×50cmのSephadex
G−50(Pharmacia, Piscataway, NJ)上でのクロマトグラフィー処理により遊
離ペプチドから分離した。
【0118】 2mlの画分を集め、そして280nMでの吸光度をモニターした。280nMで吸収し、
そしてカラムの空隙率近くで溶出する第1ピークの材料を集めた。この画分は、
純粋なzsig37NEE又はzsig37CEEであった。この純粋な材料を上記のようにして濃
縮し、SDS−PAGE及び抗−EE抗体によるウェスターンブロットにより分析し、そ
してサンプルをアミノ酸分析及びN−末端配列決定のために採取する。サンプル
の残りをアリコートし、そして本発明者の標準方法に従って、−80℃で貯蔵した
【0119】 還元剤の不在下でのSDS−PAGEゲル上でのzsig37NEEの電気泳動は、見掛け分子
量39,000の1つのクーマシーブルー染色される主要バンド及び60,000〜116,000
間の分子量のいくつかのマイナー成分を示した。すべてのバンドは、ウェスター
ンブロット上で抗−EE抗体との交差反応性を示した。還元剤の存在下で、観察さ
れる唯一のバンドは39,000 kDaのタンパク質であり、そのクーマシーブルー染色
強度を高めた。このバンドはまた、ウェスターンブロット上で抗−EE抗体との交
差反応性を示した。
【0120】 zsig37CEEに関しては、還元剤の不在下でのSDS−PAGEゲル上での電気泳動は、
見掛け分子量39,000の1つのクーマシーブルー染色された主要バンド及び60,000
〜116,000の間の分子量のいくつかのマイナーな成分を示した。ウェスターンブ
ロット上では、見掛け分子量150,000、116,000及び60,000バンドのみが、抗−EE
抗体との交差反応性を示した。還元剤の存在下で、39,000kDaでのクーマシーブ
ル染色されたバンドのみが観察され、そしてこの材料は、ウェスターンブロット
上での抗−EE抗体との交差反応性を示した。それらの条件下で、少量の交差反応
性がまた、150,000kDaで見られた。
【0121】 抗−EEセファロースの調製: 100mlの体積のタンパク質G−セファロース(Pharmacia, Piscataway, NJ)を
、0.02%のアジ化ナトリウムを含むPBS100mlにより3度、500mlのNalgene0.45ミ
クロンフィルターユニットを用いて洗浄した。ゲルを、6.0体積の200mMのトリエ
タノールアミン、pH8.2(TEA, Sigma, St.Louis, MO)により洗浄し、そして抗
体900mgを含む、等体積のEE抗体溶液を添加した。4℃での一晩のインキュベー
ションの後、結合されなかった抗体を、上記のようにして、200mMのTEA5体積に
より樹脂を洗浄することによって除去した。
【0122】 樹脂を2体積のTEAに再懸濁し、適切な容器に移し、そしてTEAに溶解されたジ
メチルピミルイミデート−2HCl (Pierce, Rockford, IL) を添加し、ゲル中、36
mg/ml の最終濃度にした。ゲルを室温で45分間、揺り動かし、そして液体を上記
のようにして、フィルターユニットを用いて除去した。次に、ゲル上の非特異的
部位を、200mMのTEA中、20mMのエタノールアミン5体積と共に室温で10分間イン
キュベートすることによってブロックした。ゲルを、0.02%のアジ化ナトリウム
を含むPBS5体積により洗浄し、そしてこの溶液において4℃で貯蔵した。
【0123】 例8付着及び増殖アッセイ TF−1細胞の付着及び拡張を刺激するzsig37の能力を、次の通りにアッセイし
た。一連の希釈溶液を、PBS又はELISA被覆緩衝液(0.1MのNaCO3)において、10
〜0.0625μg/mlのC−末端Glu−Glu−標識されたzsig37から調製し、そして個々
を、100μl/ウェルで96ウェルプレート(Costar, Pleasanton, CA)中にプレー
トした。プレートを、37℃及び5%CO2下で2時間インキュベートした。次に、プ
レートを、RPMI/10%FBS(RPMI1640、2mMのL−グルタミン、110μg/mlのピルビ
ン酸ナトリウム、PSN及び10%の熱不活性化されたウシ胎児血清)により3度、
洗浄し、そして15分間ブロックした。
【0124】 TF−1細胞(急性骨髄性白血病細胞に由来する)を、RPMI/10%FBSに再検濁し
、そして120μ/ウェルの最終体積で、zsig37CEE−被覆された96ウェルプレート
中に10,000個の細胞/ウェルでプレートした。次に、プレートをPBSにより3度、
洗浄し、そして200μl/ウェルの増殖培地(RPM2/10%FBS, 5ng/ml のGM−CSF)を
添加した。細胞を、洗浄の前及び後、顕微鏡により調べた。
【0125】 色素組み込みアッセイをまた用いて、比色変化及び蛍光シグナルの上昇に基づ
いての付着細胞の数を定量的に測定した。Alamar BlueTM (AccuMed, Chicago, I
L) を、96ウェルプラーとに添加し、そして細胞を5%CO2下で37℃で一晩インキ
ュベートした。次に、プレートを、544nmの励起波長及び590nmの発光波長を伴な
って、蛍光計を用いて走査した。zsig37CEE−0.1MのNaCO3により被覆されたプレ
ート上でよりもzsig37CEE−PBSにより被覆されたプレート上でより付着細胞が存
在した。可溶性zsig37の添加は、結合されたzsig37への細胞の付着を阻止しなか
った。
【0126】 第2のアッセイを、5,000個の細胞/ウェルで上記のように、TF−1、DA−1(
IL−3培地における増殖によりB−細胞リンパ腫を有するマウスのリンパ節に由
来するIL−3依存性細胞系(Dr. Kenneth Kaushansky, University of Washingt
on, Seattle, WAにより提供される))、pre-B(p53−/−マウス骨髄細胞、IL−
7依存性、B220+、Thyl低、Sca−1+)及びA7BaF−3細胞系を用いて行った。zs
ig37は、A7-BaF-3細胞の増殖を増強し、そしてDA−1細胞の増殖をわずかに阻害
した。
【0127】 例9マウスオルト体配列 本発明の新規ヒトzsig37ポリペプチド−コードポリヌクレオチドは、相同マウ
ス配列のためのマウスESTデータベースをスクリーンするために使用される。単
一のEST配列を発見し、そしてヒトzsig37配列であることを予測した。その対応
するcDNAを同定するために、完全なコード配列を含むと思われるクローンを、配
列決定のために使用した。Invitrogen S. N. A. P.TM Miniprepキット(Invitro
gen, Corp., San Diego, CA)を、製造業者の説明書に従って用いて、LB+50μg
/mlのアンピシリン中、5mlの一晩の培養物を調製した。
【0128】 鋳型を、ABIPRISMTM モデル377DNA配列決定機(Perkin−Elmer Cetus, Norwal
k, Ct)上で、ABI PRISMTM Dye Terminater Cycle Sequencing Ready Reaction
Kit (Perkin-Elmer Corp.) を用いて、製造業者の説明書に従って配列決定した
。オリゴヌクレオチドZC694(配列番号6)、ZC6768(配列番号32)、ZC16297(
配列番号33)、ZC18298(配列番号34)、ZC18402(配列番号35)、ZC18403(配
列番号36)、ZC18456(配列番号37)、ZC18457(配列番号38)、ZC18560(配列
番号39)、ZC18561(配列番号40)、ZC18687(配列番号41)及びZC18688(配列
番号42)を用いて、クローンからの配列を完結した。
【0129】 配列決定反応を、Hybaid OmniGene Temperature Cycling system (National L
abnet Co., Woodbridge, NY) において行った。SEQUENCHERTM 3.1配列分析ソフ
トウェア(Gene Codes Corporation, Ann Arbor, MI)を、データ分析のために
使用した。得られる2559bpの配列を、配列番号43で開示し、そして推定されるア
ミノ酸配列を、配列番号44で開示する。ヒトzsig37ヌクレオチド配列(配列番号
1)との整列は、ヌクレオチドレベルで77%の同一性を示す。推定上のアミノ酸
配列(配列番号44)は、ヒトポリペプチド配列(配列番号2)と77%の同一性を
有する。
【0130】 例10細胞に基づくアッセイ zsig37ポリペプチドを、固定された骨芽細胞系における細胞応答を選択的に活
性化する物質を同定するために、高処理量インビトロアッセイでアッセイした。
ルシフェラーゼの発現を駆動する誘発性血清応答要素(SRE)を含む血漿により
トランスフェクトされる,p53−1−(欠損)マウスに由来する成熟骨芽細胞系、
すなわちCCCRを、このアッセイに使用した。それらの細胞はまた、内因性PTH, P
DGF及びbFGF受容体を発現する。SREの刺激及び従って、CCC4細胞におけるルシフ
ェラーゼの発現は、化学的存在物が骨芽細胞において有糸分裂誘発をたぶん刺激
することを示す。
【0131】 CCC4系を、トリプシン処理し、そしてプレート培地(α−MEM、1%の熟不活性
化されたウシ胎児血清、1mMのピルビン酸ナトリウム及び2mMのL−グルタメート
)おいて5×104個の細胞/mlに調節し、そしてDynatech Microlite 乳白色マイ
クロタイタープレート(Dynatech, Chantilly, VA)中にプレートし(200μl/ウ
ェル)、そして37℃で、5%CO2下で一晩インキュベートした。次に増殖培地を吸
引し、そして50μl/ウェルのアッセイ培地(F−12 HAM, 0.5%ウシ血清アルブミ
ン、20mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム及び2mMのL−グルタメート)によ
り交換した。zsig37の一連の希釈を、アッセイ培地において行い(0.29−1000ng
/mlの最終アッセイ濃度)、そしてウェルに添加した。zsig37サンプルを、三重
反復してアッセイした。
【0132】 血清(負)及びbFGF(正)の対照をまた使用した。BFGFの最終濃度は3ng/ml
であった。対照を、四重反復してアッセイした。プレートを37℃で、5%CO2下で
4時間インキュベートした。次に、アッセイ培地を吸引し、そしてPBSにより1
度すすいだ。25μlの溶解緩衝液(Luciferase Assay Reagent, E1501, Promega
Corp., Madison, WI)を、個々のウェルに添加した。プレートを、室温で15分間
インキュベートした。50μl/ウェルのルシフェラーゼ基質(Luciferase Assay R
eagent, E1501, Promega Corp.)を添加し、そしてルシフェラーゼ活性を、Labs
ystems LUMINOSKAN(商標)を用いて、1秒の遅延に続いて、2秒/ウェルで検出
した。平均の基本的(誘発されていない)シグナルを、3ng/mlのbFGFにより生成
される最大誘発の%として、表5に表されるすべての読み取りから引き算した。
【0133】 zsig37は、それらが骨芽細胞を刺激することを示すこのアッセイにおいて、ル
シフェラーゼの発現を刺激する。zsig37は、1000ng/mlで最大の73〜75%で刺激
する。
【0134】 相対部分の増殖因子擬似アッセイを、zsig37が増殖因子擬似体、特にチロシン
キナーゼ受容体リガンドPDGF, bFGF及びEGF(インスリン−R陰性)として作用す
るかどうかを決定するために行った。ルシフェラーゼの発現を駆動する誘発性血
清応答要素(SRE)を含むプラスミドによりトランスフェクトされる、Swiss 3T3
マウス由来のクローン細胞系、すなわちSwiss 3T3を、このアッセイに使用した
。それらの細胞はまた、内因性PMA、EGF及びbFGF受容体を発現する。SREの刺激
及び従って、Swiss 3T3細胞におけるルシフェラーゼの発現は、化学的存在物が
たぶん、PDGF, bGFG及びEGF増殖因子活性を模倣することを示す。
【0135】 Swiss 3T3細胞を、トリプシン処理し、そしてプレート培地おいて5×104個の
細胞/mlに調節し、そしてプレートし、そして上記のようにしてインキュベート
した。次に増殖培地を吸引し、そして50μl/ウェルのアッセイ培地(F−12 HAM,
0.5%ウシ血清アルブミン、20mMのHEPES)により交換した。zsig37の一連の希釈
を、アッセイ培地において行い(0.29−1000ng/mlの最後アッセイ濃度)、そし
てウェルに添加した。zsig37サンプルを、三重反復してアッセイした。細胞増殖
を促進するために、血清(負)及びbFGF(正)の対照をまた、使用した。bFGFの
最終濃度は3ng/mlであった。対照を、四重反復してアッセイした。プレートを3
7℃で、5%CO2下で5時間インキュベートした。
【0136】 次に、アッセイ培地を吸引し、そしてPBSにより1度すすいだ。25μlの溶解緩
衝液(Luciferase Assay Reagent, E1501, Promega Corp., Madison, WI)を、
個々のウェルに添加した。プレートを、室温で15分間インキュベートした。40μ
l/ウェルのルシフェラーゼ基質(Luciferase Assay Reagent, E1501, Promega C
orp.)を添加し、そしてルシフェラーゼ活性を、Labsystems LUMINOSKAN(商標
)を用いて、1秒の遅延に続いて、2秒/ウェルで検出した。平均の基本的(誘
発されていない)シグナルを、3ng/mlのbFGFにより生成される最大誘発の%とし
て表されるすべての読み取りから引き算した。bFGF, DDGF, EGF又はPMAによるこ
の細胞系の5時間の処理は、SRE−ルシフェラーゼ発現の25〜50倍の誘発を導く
【0137】 zsig37は、このアッセイにおいてルシフェラーゼの発現を刺激するようには思
えない。zsig37は、1000gn/mlで最大の0.2〜0.1%で刺激する。
【0138】 例10アデノウィルス供給を通してのzsig37インビボ投与 生後、約12週の24匹の雄及び24匹の雌C57B16/Jマウス(Jackson Labs, Bar Ha
rbor, ME)を計量し、体温を計測し、そして植物摂取を、注入の前、4日間、毎
日モニターした(−4〜−1日目)。ゼロ日目、マウスを3種のグループに分け
、そして尾の静脈内注射により0.1mlのウィルス(AdV−エンプティの1.8×1011
個のウィルス粒子/0.1ml、又はAdV−zsig37−CEEの5×1011のウィルス粒子/0.1
ml)を受けるか、又は注射をまったく受けなかった。
【0139】 注射は宿主の肝臓の感染をもたらすべきであり、そしてウィルス的に供給され
た遺伝子の発現は24時間以内に開始し、そして1〜4週間、続くべきである。マ
ウスの3種のグループを試験した。グループ1:未処理、n=8の個々の雄及び
雌。グループ2:AdV−エンプティ(エンプティウィルス)、n=8の個々の雄
及び雌。グループ3:AdV−zsig37CEE, n=8の個々の雄及び雌。
【0140】 動物の体温、体重及び摂取された植物の重量を、3週間の研究の間モニターし
た。グループ間には差異は見出さなかった。 21日目、雌のマウスを、頸部脱臼により殺害し、そして22日目、雄を同じよう
にして殺害した。動物を放血し、そして組織を検死のために収穫した。
【0141】 標準の血清化学パネルを、殺害の時点で行った。肝臓、腎臓及び代謝パラメー
ターはすべて、正常な範囲内であった。しかしながら、zsig37処理グループとエ
ンプティウィルス処理されたグループとの間に差異が存在した。zsig37動物は、
エレプティウィルス対照よりも高い平均脂肪血症指数を有した。しかしながら、
その差異は有意ではなく、さらなる調査が認可された。合計の遊離脂肪酸を、個
々の動物からの残る血清に対してアッセイした。
【0142】 血清遊離脂肪酸レベルにおける十分に有意な差異は、エンプティウィルスを受
ける雄のマウス(p=0.0379)とzsig37をコードするウィルスを受けるそれらの
マウスとの間で見られ;zsig37マウスは高いレベルを有した。十分には有意でな
いが、差異がまた、雄(p=0.3357)においても見られた。肝臓、脾臓、腎臓、
胸腺、心臓及び脳を、除去の後、計算した。差異は、処理グループ間で見出され
なかった。それらの組織及び骨髄の組織病理学的分析は、処理グループ間で差異
を示さなかった。
【0143】 上記結果を確認するために、第2スクリーンを、次の改良を伴なって、上記の
ようにして行った。3種のグループ:a)末処理及び断食された、b)AdV−ヌ
ル及び断食された、c)AdV−zsig37−CEE及び断食された(20 C57B16/Jを含み
、それぞれ10匹の雄及び雌)を試験した。マウスを一晩、断食し、そして100μl
の血清を集め、次のパラメーターについて基本レベルを確立した:
【0144】 断食グルコース、TP、アルカリホスファターゼ、コレステロール、トリグリセ
リド、遊離脂肪酸及びインスリン。体重を、週当たり3度、計量した。ゼロ日目
、マウスの尾の側部静脈中に、適切なウィルス溶液0.1mlを注射した。血液を、
一晩の断食の後、17日目で集めた。3週間後、マウスを殺害し、そしてすべての
血液を集めた。血液の一部を、CBCを調べるためにEDTAと共に混合し、そして残
りを再びアッセイし、そして上記のようにしてスクリーンした。器官を集め、そ
して死体を組織病理学のために保存した。
【0145】 例11大動脈輪の血管拡張 大動脈輪の血管拡張に対するzsig37の効果を、Daintyなど., J. Pharmacol. 1
00: 767, 1990及びRheeなど., Neurotox. 16: 179, 1995の方法に従って測定し
た。手短には、長さ4mmの大動脈輪を、生後4ヶ月のSprague Dawleyラットから
取り、そして変性されたクレブス溶液(118.5mMのNaCl、4.6mMのKCl, 1.2mMのM
gSO4・7H2O, 1.2mMのKH2PO4, 2.5mMのCaCl2・2H2O, 24.8mMのNaHCO3 及び10mMの
グルコース)に配置した。
【0146】 次に、前記輪を、アイソメトリック力変換器(Radnoti Inc., Monrovia, CA)
に結合し、そしてデータを、Ponemah生理学プラットフォーム(Gould Instrumen
to Systems, Inc., Velley View, OH)により記録し、そして酸素化され(95%O 2 , 5%CO2)、変性されたクレブス溶液の組織槽10mlに配置した。組織、1gの残存
張力に調節し、そして試験の前、1時間、安定化した。
【0147】 輪を、1×10-7Mのノルエピネフリン(Sigma CO., St. Louis, MO)5μlの添
加により約1×10-9Mの最終濃度にすることにより試験し、そして輪の完全性を
試験するために、Carbachol, すなわちムスカリン様アセチルコリンアゴニスト
(Sigma Co.)を2×10-7Mの最終濃度で添加した。個々の試験の後、輪を、新鮮
な緩衝液により3度、洗浄し(洗浄間の時間は5分である)、そして1時間、放
置した。血管拡張について試験するために、輪を2gに収縮し、そして15分間、
安定化せしめた。
【0148】 次に、zsig37を、フラッシングしないで、4個の槽の1,2又は3に添加し、
そして輪に対する張力を記録し、そして対照の輪と比較した。次の輪を、上記の
ようにして、ノルエピネフリンによる収縮について試験した。輪を、323, 162及
び81ng/mlのzsig37で試験したが、しかし用量応用性は決定されなかった。デー
タの統計学的有意性を評価するために、偶発性試験を、決定因子としての拡張を
用いて、すべてのzsig37及び対照輪に対して行った。zsig37により試験された12
個の輪のうち10個が拡張し、そして7個の対照のうち2個がそうであった。Fishe
rの正確なP値は0.045であった。zsig37ノルエピネフリンにより収縮された大動
脈輪において血管拡張を誘発することが結論づけられた。
【0149】 例12マトリックスタンパク質へのzsig37の結合 ELISA(酵素結合されたイムノソルベントアッセイ)を用いて、種々のマトリ
ックスタンパク質及び補体Clqへのzsig37の結合を測定した。使用されるマトリ
ックスタンパク質は、ウシコラーゲンタイプI(Becton Dickinson, Lincoln Par
k, NJ)、ラミニン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ヒトコラーゲンタイ
プII, III, IV, V, VI(Chemicon International, Temecula, CA)であった。BS
A V (Sigma CO.) を、負の対照として使用した。使用の直前、タンパク質を、2
×PBS(リン酸緩衝溶液、Sigma Co.)に希釈し、100μg/mlにし、そして0.1NのN
aOHによりpH7.2に調節した。
【0150】 個々のタンパク質サンプルを、96ウェルプレート中に、四重反復してプレート
した(100μl/ウェル)。プレートを、層流フードにおいて一晩、乾燥せしめ、
そして1×PBS中、5mg/mlのBSA溶液400μlにより3度、洗浄し、そしてブロッ
トした。zsig37を、製造業者の説明書(Pierce, Rockford, IL)に従って、FIRC
ラベルした。個々のウェル中に、5%BSA、PBS中1.8μg/mlのzsig37−FITC溶液1
00μlを添加した。プレートを室温で1.5時間インキュベートし、次に5%BSA、P
BSにより3度、洗浄した。次に個々のウェルに、1:400のマウス抗−PIIC/Biot
ion(Sigma Co.)100μlを添加した。
【0151】 プレートを室温で1.5時間インキュベートし、そして5%BSA、PBSにより3度、
洗浄した。次に、プレートを、1:1000のストレプタビジン/HRP(Amersham, Pi
scataway, NJ)100μlと共に1時間インキュベートし、そして5%BSA、PBSによ
り3度、洗浄した。次に、プレートを、Supersignal(商標)Ultra (Pierce, Ro
ckford, IL) を用いて、製造業者の説明書に従って、展開した。1分間の反応後
、過剰の液体を、プレートから、プレートを逆にすることにより除去し、そして
軽くたたいて、乾燥せしめた。プレートを、X−線フィルム(Kodak, Rochester,
New York)に露光した。
【0152】 このスクリーンの結果は、フィブロネクチン及びコラーゲンI, II, III, V及
びVIのみがzsig37−FITCに有意に結合することを示す。そのような結合は、ラミ
ニン、ビトロネクチン、コラーゲンIV又はBSA対照に関しては見出されなかった
【0153】 例13コラーゲンタイプVIへのzsig37結合の特異性 例12に記載されるような結合についてのELISAアッセイを、結合定量的に評価
するために改良した。0.4〜4μg/mlの範囲でのzsig37−FITCを、上記に記載され
るように、10μgのコラーゲンタイプVI(Chemicon International)に結合した
。Supersignal(商標)試薬からの蛍光を、Wallac1420プレートリーダー(Walla
c, Gaithersburg MD)上で読み取り、そしてその強度を、ELISAプレートに結合
されるzsig37−FITCの定量的尺度として使用した。
【0154】 コラーゲンタイプVIへのzsig37の結合は、典型的な結合双曲線(図3a)に適
合する。0.4μg/mlでプレートされた、結合されたzsig37−FITCを、0.8〜8μg/m
lの範囲で、ラベルされていないzsig37の添加によりコラーゲンと競争せしめる
ことができる(図3b)。それらのデータは、結合がコラーゲンタイプVI上のド
メインに対して特異的であり、そして濃度依存性であることを示す。
【0155】 例14補体Clqへのzsig37結合 0.2μg/mlでのzsig37−FITCは、上記例13に記載される方法により、0.1〜10μ
g/mlで補体Clq(Sigma Co.)に結合することが示された(図4)。結合の量は、
濃度依存性であり、そして飽和できる。
【0156】 例15zsig37による補体阻害 補体アッセイを、96ウェル丸底プレートにおいて行った。マグネシウム及びカ
ルシウムを含むGelatin Veronal緩衝液(141mMのNaCl、1.8mMのナトリウムバル
ビトール、3.1mMのバルビツール酸、0.1%ウシゼラチン、0.5mMのMgCl2及び0.15
mMのCaCl2)を、すべての血清及びインヒビター希釈溶液、及び赤血球細胞懸濁
液のために使用した。1/37.5に希釈された(1/150の最終希釈のために)、標準
化されたヒト補体血清(Sigma Co.)の50μlを、個々のウェルに添加した。イン
ヒビターを、50μl/ウェルで、三重反復して添加した。
【0157】 血清及びインヒビターを、室温で30分間インキュベートした。アッセイを、2
×108個/mlの感作されていない羊赤血球細胞 (Colorado Serum Co. Denver, CO)
、Hemolysin製造業者のプロトコール(Biowhittaker Inc., Walkersville, MD
)を用いて感作された羊赤血球細胞、及び16mMのEGTA及び4mMのMg2+を含むウサ
ギ赤血球細胞の溶液100μlの添加により開始した。1/50〜1/400の一連のヒト血
清希釈溶液を、活性対照としてプレートした。蒸留水により溶解され、そして10
0, 75, 50, 25及び12.5%溶解性に希釈された赤血球細胞を用いて、補体%溶解
性を定量化した。
【0158】 プレートを密封し、そして15分ごとに、混合しながら、37℃で1時間インキュ
ベートした。反応を、220mMのEDTAを、20μl/ウェルでの添加により停止し、そ
してプレートを、1500×gで10分間、遠心分離した。上清液100μlを、個々のウ
ェルから除去し、そして分析のために、96ウェル平底プレートに移した。プレー
トを、415nmで読み取り、そして%溶解性を計算した。
【0159】 zsig37は、感作された及び感作されていない羊赤血球細胞による従来の経路の
阻害において効果的であった(図5)。ウサギ赤血球細胞及びEGTAにより試験さ
れた他の経路の明らかな阻害は存在しなかった。阻害の機構は決定されていない
が、しかしClqはzsig37を結合するので、Clは最も有望な標的物である。
【0160】 例16血小板コラーゲン活性化のzsig37による阻害 健康な志願者から、クエン酸ナトリウムを含む管に採血し、室温で維持し、そ
して採血の4時間以内に使用した。全血液を、Chrono−Log 560A Whole Blood L
umi−Aggregometer (Chrono-Log Corp., Haverton, PA) 用いて、製造業者の説
明書に従って、血小板活性化について分析した。個々の試験点に関して、500μl
の血液を、撹拌棒及び0〜20μg/mlの濃度でzsig37を含む等張塩溶液500μlを含
む応答管に添加した。その混合物を4分間インキュベートし、続いて、血小板活
性化を、血液/zsig37の混合物への1mg/mlの架橋されたコラーゲン(Chrono−Log
Corp.)5μlの添加により開始した。ADP(最終濃度10μM)及びトロンビン(
最終濃度1U/ml)による活性化の阻害を、類似する手段で試験した。
【0161】 zsig37によるコラーゲン−介在性血小板活性化の阻害は、5〜20μg/mlの用量
依存性関係を示す(図6a)。阻害は、コラーゲン活性化のために選択性であり
、そしてADP又はトロンビンにより刺激された活性化に対して効果を有さなかっ
た。(図6b)。コラーゲン活性化は、もう1つの補体CLq関連タンパク質zsig3
9により阻害されなかった(同時係属特許出願09/140,804号)。
【0162】 例17zsig37によるSK5線維芽細胞増殖の刺激 ヒトフィブロネクチン(25μg/ml、GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)を、96ウ
ェルプレート(Costar, Pleasanton, CA)中に、100μl/ウェルでプレートし、
そして層流フードにおいて一晩、乾燥せしめた。10%ウシ胎児血清−低い内毒素
(Hyclone, Logan, UT)を含むDMEM(Gibco)におけるヒトSK5線維芽細胞を、フ
ィブロネクチンにより被覆されたプレート中に、5000個の細胞/ウェルでプレー
トし、そして37℃で、5%CO2下で、2〜3日間インキュベートした。プレート当
たりの細胞の数を、非毒密性を達成するよう調節した。
【0163】 次に、細胞を、血清フリーのDMEM hi グルコース(Gibco)により2度、洗浄
し、そして血清フリーのDMEM hi グルコースにおいて2時間、増殖することによ
って、血清を消耗した。zsig37を、100μlのDMEM中、312.2ng/ml〜10,000ng/ml
の濃度で、ウェルに三重反復して添加した。次に、細胞を37℃で、5%CO2下で4
8時間インキュベートした。細胞増殖を、個々のウェルに15μlのMTT色素溶液(C
ellTiter96TM キット、Promega)を添加することによって試験した。
【0164】 プレートを、37℃で5%CO2下で4時間インキュベートし、そして反応を、溶
解/停止溶液(CellTiter96TM キット、Promega)により、製造業者の説明書に従
って、停止した。プレートを、1時間インキュベートし、ホルマザン結晶を溶解
し、そして吸光度を、ELISAプレートリーダーを用いて、650nmでの対照と共に、
570nmで測定した。
【0165】 結果(図7)は、試験されるzsig37濃度の範囲にわたってSK線維芽細胞の数の
用量依存性上昇を示す。それらの濃度は、フィブリノーゲンb鎖の有糸分裂効果
(Gray、など., Am. J. Respir. Cell Mol. 12, 684, 1995及びGray, など., J.
Biol. Chem. 270, 26602, 1995)、及びプレートされたClqへの線維芽細胞付着
(Bordin, and Ghebrehiwet, J. Immun. 145: 2520, 1990)について見られる値
の範囲内であった(それらの両者は、細胞表面カルレチキュリンと相互作用する
と思われる)。
【0166】 例18zsig37抗−血清生成 ウサギポリクローナル抗−血清を、BHK細胞から精製されたzsig37−CEEにより
2匹の雌のNew Zealand白毛ウサギを免疫化することにより調製した。タンパク
質を、キャリヤータンパク質キーホールリペット(カサガイ)ヘモシアニン(KL
H)にグルタルアルデヒドにより接合した。ウサギに、完全フロイントアジュバ
ント中、200μgのペプチドの初期腹腔内(i.p.)注入、続いて、不完全フロイン
トアジュバント中、100μgのペプチドの3週間ごとの追加免疫i.P. 注入を、そ
れぞれ与えた。第2の追加免疫注入の投与の7〜10日後、動物を放血し、そして
血清を集めた、次に、動物を追加免疫化し、そして3週ごとに放血した。
【0167】 例19組織におけるFITC標的化されたzsig37タンパク質結合の検出 組織におけるFITC標的化されたzsig37タンパク質を、次の通りにして検出した
: スライド上、パラフィン埋封され、そして断片化されたヒト組織又はマウス胚
を、市販源(すなわち、DAKO Corporation, Carpinteria, CA; BioGenex, San R
amo, CA; Novagen, Madison, WI; 及びBiomeda, Foster City, CA)から得、又
は実験室において調製した。ヒト組織断片は、副腎、脳、心臓、小腸、大腸、腎
臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、前立腺、脾臓、胃、精巣、甲状腺及び子宮を包含す
る。マウス肺断片は、16日段階からであった。
【0168】 組織断片を、キシレンにおける3×5分、100%エタノール(EtOH)における
4分、100%EtOHにおける3分及び95%EtOHにおける2分の標準条件を用いて脱
蝋化した。次に、組織断片を、製造業者の説明書(DAKO Corporation)に従って
、94℃で20分間の抗原回収工程、続いて、20分間の0.01%のペプシン/0.2NのHCl
消化にゆだねた。組織断片を、dH2Oにより2度、及びPBS/0.05% Tween20 (Sigm
a, St. Louis, MO) 緩衝液により1度すすぎ、そして次に、1×PBS/5% BSA/5%
脱脂粉乳(Carnation, Los Angeles, CA)により45分間ブロックした。これに続
いて、アビジン/ビオチンブロッキング段階を、製造業者の説明書(Vector Labo
ratories, Inc., Burlingame, CA)に従って行った。組織断片を、1×PBS/0.05
%Tween20緩衝液により3度、洗浄し、そして次に、PBS/5%BSA中、適切な濃度
のFITC標準化されたzsig37タンパク質と共に45〜60分間インキュベートした。
【0169】 1×PBS/0.05%Tween20により3度、組織断片を洗浄した後、それらを、抗−F
ITC(mo) Mabビオチン接合体(Sigma)の1:400希釈溶液と共に30〜60分間イ
ンキュベートし、PBS/0.05%Tween20により3度洗浄し、そして次に、ストレプ
タビジン−FITC(NEW Life Science Products, Boston, MA)の1:500希釈溶液
と共に30〜60分間インキュベートし、続いて、1×PBS/0.05% Tween20緩衝液に
より2度、及び1×PBS(Tween 20 を有さない)により1度、洗浄した。次に、
組織断片を、対比染色として0.5μg/mlのヨウ化プロピジウムを含む抗退色媒体
により固定した。 有意な結合が、研究されたヒト組織及び胚断片の主要部分における血管壁、及
び線維性結合型組織、例えばコラーゲン性マトリックスに見られた。
【0170】 例20ウサギ頸動脈損傷モデルにおけるzsig37 圧縮性損傷に続いての血管閉塞を妨げることにおいて提供される保護の程度を
決定するために、zsig37を、変性されたウサギ頸動脈損傷モデル(Foltsなど.,
Circulation 79: 116-24, 1989及びGolinoなど., Thrombosis and Haemostasis
67: 302-5, 1992)に投与した。
【0171】 生後、約3〜6ヶ月の34匹の雄のNew Zealand 白毛ウサギ(R&R Rabbitry, St
anwood, WA)を2つのグループに分けた。15匹のウサギは、2〜13.5μg/kgの範
囲の用量のzsig37を受け、そして19匹の対照のウサギは、PBS又は等量のPBS又は
zsig39、すなわち脂肪細胞補体関連タンパク質(WO99/10492号)を注射された。
ウサギを、ケタミン(50mg/kg, IM)により麻酔し、そして研究の間、ハロタン
吸入麻酔状態で維持した。毛を耳及び首からそり落とし、そして血管カテーテル
を、IV支持のために耳周辺の静脈に配置した。
【0172】 中心部の切開を、首において行い、そして頸動脈に接近した。内部/外部分岐
に近い約5cmの通常の頸動脈を、周囲の組織から離れて、切開により露出し、そ
していずれかの見える側枝を焼灼した。流動プローブ(Transonic Systems, Inc
., Ithaca NY)を、予測される損傷部位から離れて配置し、そして基線血流を確
立した。次に、血管の2.5−3.0cm断片を、血管クランプを用いて循環から単離し
た。
【0173】 血管断片からの血液の除去に続いて、0.9%塩化ナトリウム中、zsig37の溶液0
.4ml又は0.9%塩化ナトリウム中、zsig37の溶液0.04ml(対照として)を、30Gの
針を用いて、空の血管断片中に注入した。血管を、5分間の予備−損傷処理のた
めに妨げないで放置した。次に、1.0cmの圧縮性損傷を、保護された止血鉗子を
用いて血管セグメントの中心に負わせ、そして10分間、妨げないで放置した。次
に血管クランプを除去し、そして血流を再確立した。血流を60分間、連続してモ
ニターし、ウサギを安楽死し、そして血管を組織学的分析のために摘出した。
【0174】 用量依存性は、それらの濃度で見られなかった。すべてのzsig37用量の変化分
析は、不対t−テスト(p=0.019)で、対照に比較される場合、時間開存性の
有意な上昇をもたらした。 血流追跡から決定される場合、負の対照動物の組合されたグループに関する平
均%時間開存性は、±1.7%の標準誤差を伴なって、13.5%であった。血流追跡
から決定される場合、動物の組合されたzsig37処理されたグループに関する平均
%時間開存性は、±10.3%の標準誤差を伴なって、37.2%であった。
【0175】 第2の一連の実験においては、蛍光化されたzsig37を、損傷された頸動脈モデ
ルに使用した。雄のNew Zealand白毛ウサギを、上記のようにして麻酔した。首
の切開を通して、頸動脈を露出し、そして約5cmの血管を、周囲の結合組織から
単離した。血液をその単離された断片から抜き、そして血管用クリップを適用し
た。約0.05mlの蛍光化されたzsig37(濃度100μg/ml)を、30Gの針を用いて、前
記単離された断片中に注入し、血管を完全に満たした。5分間の露出期間の後、
血管を損傷し、そして露出をさらに110分間、そしてその後、クリップを除去し
、そして血流を再確立した。動物を、血流の再確立後、1,10及び60分で、上記
のようにして安楽死し、そして血管を集め、そして組織学的評価のために、ホル
マリン固定した。
【0176】 ラベルされたzsig37は、損傷された血管の媒体における受容体に選択的に結合
した。ラベルされたzsig37は、損傷されていない血管の領域には結合しない。血
管収集の前、血流の時間は、組織に結合されたまま存在するzsig37の量に影響す
ると思われず、すなわち1分−対−60分の収集時点における組織に結合されるラ
ベルされたzsig37の量における差異は存在しなかった。これは、zsig37が損傷さ
れた血管に強く結合し、そして再確立された血流により洗い流されないことを示
す。
【0177】 ウサギ腸骨動脈の圧縮性損傷/狭窄モデルにおける血管損傷に続く血流力学に
対するzsig37の効果をまた評価した。若い成熟した雄のNew Zealand白毛ウサギ
を、上記のようにして麻酔した。腹部切開を通して、大動脈−腸骨分岐を露出し
、そして個々の腸骨は、周囲の組織及び連結される主要技を分離された。個々の
腸骨は、血管を通しての血流をモニターするために、超音波流動プローブを備え
付けられた。血流データに基づいて、1つの腸骨が、損傷のために使用されるよ
う選択され、そして他の腸骨は試験サンプルの供給のためにカテーテルを入れら
れた。
【0178】 ウサギを、6匹の動物/グループの用量グループに分割した。zsig37を含む試
験サンプル用量は、選択された注入期間にわたって3〜1000μg/kgの半分の長さ
の増分づつ上昇した。試験サンプル注入が開始され、続いて約50%、血管を通し
ての血流を低める決定的な狭窄が創造された。狭窄の創造及び血流安定化の期間
の後、血管を、滑らかな針ホルダーのかみ合い部分間で血管を圧縮することによ
って損傷した。注入を、損傷の後、一定の時間、すなわち10−20分間、続けた。
損傷された血管を通しての血流を、損傷の後、60分間モニターした。動物は、研
究期間の終わりで安楽死された。腹部大動脈の下方部分及び個々の腸骨を集め、
そして組織学的評価のためにホルマリン固定した。
【0179】 流れ追跡から決定された血流パラメーターは、狭窄後の平均流れ、損傷後の平
均流れ、及び血管に存続する開存性の時間を包含する。このデータは、60分間に
わたって、300μg/kgの高められた用量を伴なって、高められた開存性時間を促
進するzsig37の傾向が存在することを示唆する。
【0180】 例21セロトニン誘発されたラット大動脈輪収縮の弛緩 生後、約3ヶ月の雄のSprague−Dawleyラットを、軽くCO2により麻酔し、そし
て次に断頭した。次に、胸部大動脈をすぐに除去し、そして変性されたKreb’s
−Henseleit緩衝液(118.2mMのNacl;4.6mMのKCl;2.5mMのCaCl2;1.2mMのMgSO4 ;24.8mMのNaHCO3;1.2mMのKH2PO4;及び10.0mMのグルコース)に配置した。個
々のラットから、2〜3mmの4個の大動脈輪断片を、大動脈の粗末端を廃棄した
後、切断した。いくつかの実験においては、輪断片を切断する前、内皮を、21ゲ
ージの針により大動脈の管腔をこすることによって露出した。内皮の露出を、zs
ig37濃度依存性応答を決定する前、アセチルコリン類似体、すなわちカルバコー
ルの添加により確かめた。内皮の不在下でカルバコールは収縮された血管輪断片
を血管緊張低下しなかった。
【0181】 前記輪を固定し、そして変性されたKreb’s−Henseleit緩衝液(pH7.4)にお
いて30℃に維持された、酸素付加された(95%O2, 5%CO2)、ジャケット付のガ
ラス管槽における置換変換器に強制するために連結した。静止張力を1gmで設定
し、そして1時間のインキュベーション期間にわたって1gmに連続して再調節した
。新鮮な酸素付加された、変性されたKreb’s−Henseleit緩衝液を、静止インキ
ュベーション期間の間、15分ごとに槽に添加した。
【0182】 1時間のインキュベーションの最後で、輪断片を、10μMのセロトニンの添加
により収縮した。最大の収縮に達成した後、セロトニンの添加の約15〜20分後、
zsig37についての累計濃度応答曲線を構成した。zsig37を、5〜150μlの体積で
5mlの槽に添加し、その最終濃度は、1ng/ml〜40μg/mlの範囲になる。輪断片
の生存性を、ホルスコリン(2.5μM又は25μM)又はニトログリセリン(22μM)
の添加によりその濃度応答の最終で確かめた。
【0183】 zsig37の添加は、損なわれていない内皮を有し、そしてそれを有さないセロト
ニン−収縮されたラット大動脈断片の濃度−依存性血管緊張低下を誘発した。zs
ig37の応答の弛緩がまず、100ng/ml以上の濃度で観察された。弛緩が、個々のzs
ig37濃縮物の槽への添加の後、約30−60秒で観察され、そして弛緩応答が、zsig
37の添加の3−5分以内に安定期に達した。zsig37に対する弛緩応答の特徴は、
血管緊張低下が受容体−第2メッセンジャー介在性現象であることを示す。さら
に、内皮−露出された大動脈断片を血管緊張低下するzsig37の能力は、zsig37が
、血管緊張低下応答を誘発するために、平滑筋細胞に対して直接的に作用するこ
とを示す。
【0184】 例22現場ハイブリダイゼーションを用いてのzsig37受容体を発現する細胞の 同定 特定のヒト組織を単離し、そして現場ハイブリダイゼーションによりzsig37発
現についてスクリーンした。調製され、断片化され、そして現場ハイブリダイゼ
ーションにゆだねられる種々のヒト組織は、大動脈、心臓、リンパ節、胎盤、前
立腺、唾液腺、皮膚及び精巣を包含する。組織を、10%緩衝ホルマリン(Surgip
ath, Richmond, IL)において固定し、そしてParapalst X-tra (Oxford Scienti
fic, St. Louis, MO) に埋封し、そしてReichart-Jung 2050マイクロトーム(Le
ica Instruments GmbH, Nussloch, Germany)により5μmで断片化した。組織を
、4〜8ミクロンで断片化した。
【0185】 組織を、標準のプロトコールを用いて調製した(“Develogment of nono-isop
otic in sutu hybridization”, Laboratory of Experimental Pathology, Nati
onal Institute of Environmental Health Sciences, Research Park Triangle,
NC)。手短には、組織断片を、HistoClear(National Diagnostics, Atlanta,
GA)により脱パラフィン化し、そして次に、エタノールにより脱水した。次に、
断片を、37℃で2〜20分間、プロテイナーゼK(50μg/ml)(Boehringer Mannh
eim, Indianapolis, IN)により消化した。この段階に続いて、組織をアセチル
化し、そして再水和化した。
【0186】 PCRにより生成される3種の現場プローブを、ヒトzsig37に対して企画した。
2組のオリゴヌクレオチドプライマーを企画し、zsig37 cDNA の別々の領域のた
めのプローブを生成した:(1)オリゴヌクレオチドZC23,689(配列番号45)及
びZC23,694(配列番号46)を用いて、zsig37のための414bpのプローブを生成し
;(2)ZC23,703(配列番号47)及びZC23,697(配列番号48)を用いて、zsig37
のための896bpのプローブを生成し;(3)ZC24,441(配列番号49)及びZC24,44
2(配列番号50)を用いて、zsig37のための290bpのプローブを生成した。
【0187】 個々の組みからアンチセンスオリゴはまた、それらの生成物からのアンチセン
スRNAプローブの容易な転写を可能にするために、T7 RNAポリメラーゼのための
作用配列を含んだ。PCR生成物を、Qiagen回転カラム(Qiagen, Inc., Chatswort
h, CA)、続いてフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿化により精製
した。続いて、プローブを、インビトロ転写システム(Promega Corp., Madison
, WI)を用いて、製造業者の説明者に従って、ジゴキシゲニン(Boehringer)又
はビオチン(Boehringer)によりラベルした。
【0188】 現場ハイブリダイゼーションを、上記のようにして、ジコキシゲニン−又はビ
オチン−ラベルされたzsig37プローブにより行った。プローブを、50−60℃で、
12〜16時間、1〜5pモル/mlの濃度でスライドに添加した。スライドを、2×S
SC及び0.1×SSCにより50−55℃で連続して洗浄した。シグナルを、チラミドシグ
ナル増幅(TSA in situ indirect kit, NEN, Boston, MA)を用いて、増幅し、
そしてVector Red Substrate Kit (Vector Laboratories, Burlingame, CA) に
より、製造業者の説明書に従って、可視化した。次に、スライドを、ヘマトキシ
リン(vector Laboratories)により対比染色した。
【0189】 陽性シグナルを、ヒト大動脈、心臓、前立腺、唾液腺及び精巣に見出した。陽
性染色細胞は、大動脈を取り囲む外膜における小さな直径の血管の内皮細胞、心
外膜を被覆する中皮細胞、唾液腺の腺房細胞及び分散された単核細胞、胎盤の栄
養膜、前立腺の上皮細胞及び精巣の輪精管の層化された上皮細胞であると思われ
る。
【0190】 例23zsig37のSEC−MALLS分析 zsig37は、N−末端コラーゲン様ドメイン、及び腫瘍壊死因子ファミリーに対
して相同性を有するC−末端球状領域並びに同様の他のそのようなタンパク質を
含み、すなわちzsig37は多量体化することが予測される。ESI−イオントラップ
質量分光計(Finnigan Matt, San Jose, CA)を用いて分析された、精製されたz
sig37は、他の相同タンパク質に比較される場合、予測されない結果であった、
トリマー及び9マーに近づく種の存在を示した。ESI−イオントラップ質量分光
計(Finnigan Matt)に基づいてLC−MS/MSを用いてのzsig37のペプチドマッピン
グは、いくつかのシステイン残基がS−システイニル基により修飾されたことを
示した。発酵の間、培地における遊離システインによるzsig37タンパク質におけ
るキーシステイン残基の修飾は、この分子の正しいオリゴマー結合を妨げる。
【0191】 より一層研究するために、還元された及び還元されていないzsig37の比較を、
HP 1050 HPLC (Hewlett Packard, Heidleberg, Germany) に基づいて、1.0ml/分
でBiosep S-300 サイズ排除カラム(7.8×3000mm; Phenomenex, Torrance, CA)
を用いて行った。HP1050を、オンラインSEC−MALLSのために、光散乱及び屈折立
率検出器、すなわちmini DAWN及びOptilab DSP (Waytt Technology, Santa Barb
ara, CA) に結合した。
【0192】 1mgの組換えzsig37(1.0mg/ml)を、TCEP:zsig37の10:1(モル/モル)比で
TCEPに添加し、そして室温で70分間、維持した。60μlの還元されたzsig37を、S
EC−MALLS分析のために注入し、そして還元されたzsig37の残りを、次の通りに
3種の緩衝液変化を伴なって、PBS(pH7.4)に対して撹拌しながら、0.5〜3.0ml
のSlide−A−Lyzerカセット、10K MWCO (Pierce, Rockford, IL) において透析
した:室温で4時間の1LのPBS,4℃で一晩の1LのPBS及び室温で4時間の1Lの
PBS。
【0193】 透析に続いて、酸化を4℃で続けた。酸化を、3つの時点、すなわちT=0、T
=24及びT=96(時間)で取られるアリコートのSEC−MALLS分析によりモニター
した。分子量値を、LS−RT、2−検出器方法を用いて決定した。 還元され、透析された組換えzsig37の分析は、相同体において観察されるオリ
ゴマー状態とより一致するSEC−MALLSにより検出されるように、ヘキサマー及び
18マーの形成を最初に示すように見える。それらの形はまた、インビトロアッセ
イにおいて活性的であった。
【0194】 例24単球へのzsig37結合 CD14陽性単球を、Miltenyiビース(Miltenyi Biotec Auburn, CA)により、陽
性選択方法を用いて、凍結された末梢血液アフェレーシス生成物から単離した。
精製された細胞は、FACS染色を通して陽性のCD14よりも80%高められた。細胞を
、RPMI+10%ウシ胎児血清(FBS)において1×106個の細胞/mlで再懸濁し、そ
して100mmの組織培養皿に5ml/プレートでプレートした。組換えヒトγインター
フェロンを、100ng/mlで添加し、そして細胞を、5%CO2下で、37℃で48時間イン
キュベートした。
【0195】 細胞を、EDTA及び削り取りの両者を用いて非酵素方法によりプレートから除去
し、遠心分離により濃縮し、FACS染色緩衝液に再懸濁し、そして染色のために50
0,000個の細胞/管でアリコートした。活性化されていない細胞を、γインターフ
ェロンにおける48時間後の同じアファレーシス生成物によりもう1つのCD14選択
を行うことにより得た。細胞を、種々の濃度のビオチニル化されたzsig37におい
て、続いてストレプタビジンPEにおいてインキュベートした。“低温(Cold)”
zsig37によるすべての阻止を、氷上で30分間、行なった。結合されなかったタン
パク質を、FACS緩衝液により1度洗浄することにより除去した。結合を、FACS Ca
libur 装置(Becton Dickinson, Park, NJ)を用いて定量化し、そして二次抗体
上のシグナルとして表した。単球活性化を、γインターフェロンにより処理され
た細胞におけるICAM−1発現におけるおよそ1対数の上昇により確証した。
【0196】 zsig37結合を、活性化された及び活性化されていない単球の両者において検出
し、そしてzsig37結合における上昇がγインターフェロンにより処理された細胞
において観察された。結合を、1.5μg/ml以上で検出し、最低濃度を試験した。1
5μg/mlで、結合は、活性化された細胞において約4倍、高められた。結合のわ
ずかな(約10%)低下が、70倍過剰の“低温”zsig37により予備処理された、活
性化された細胞においてのみ見出される。活性化された単球における上昇するzs
ig37結合は、炎症性サイトカインによるzsig37のための単球結合タンパク質/受
容体のアップ−レギュレーションを示す。
【0197】 これは、単球ファゴサイトーシス、微生物殺害及び細胞毒性におけるzsig37の
関連性を潜在的にもたらす。培養での2日後、培養物に存在するマクロファージ
が存在し、そしてzsig37は、この細胞のサブセットに選択的に結合することがで
きる。これが存在するかどうかを決定するために利用できる良好なマクロファー
ジマーカーは存在しない。zsig37はまた、マウス単球/マクロファージ系RAW264.
7(ATCC No. CRL-2278)に結合し、個のことは、マクロファージ特異性を示す。 前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために記載されて来たが、種々の
修飾が本発明の範囲内で行われ得る。従って、本発明は、特許請求の範囲を除い
て、限定的ではない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のzsig37ポリペプチド、及びHUMUPST2_1(Maedaなど., Bioche
m. Biophys. Res. Comm. 221 (2): 296-9); C1QA_HUMAN (Sellar など., Bioch
em. J. 274: 481-90, 1991; Reid Biochem. J. 179: 367-71, 1979; 及びReidな
ど., Biochem. J. 203: 559-69, 1982); HP25_TAMAS (Takamatsuなど., Mol. Ce
ll. Biol. 13: 1516-21, 1993及びKondo & Kondo, J. Biol. Chem. 267: 473-8,
1992); HP27_TAMAS (上記に引用されるTakamatsuなど., Kondo & Kondo); 及び
CERL_RAT (Wada & Ohtani, Brain Res. Mol. Brain Res. 9: 71-7, 1991) の複
数の一列整列を示す。
【図2】 図2は、図1の複数の一列整列に示される6種のタンパク質の比較における%
アミノ酸同一性を示すマトリックスである。
【図3a】 図3aは、タイプVIコラーゲンに結合するzsig37−FITCを示す。
【図3b】 図3bは、タイプVIコラーゲンに結合されるFITCラベルされたzsig37とラベル
されていないzsig37との競争を示す。
【図4】 図4は、zsig37への補体Clq−FITCの結合を示す。
【図5】 図5は、zsig37によるヒト補体活性の阻害を示す。
【図6】 図6は、zsig37の存在下でのコラーゲンによる血小板の%凝集率を示す。
【図7】 図7は、zsig37の存在下でのSK5線維芽細胞の増殖を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 107 A61K 39/395 D // A61K 39/395 N 45/00 45/00 C07K 14/47 C07K 14/47 A61K 37/02 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レイザー,ゲラルド ダブリュ. アメリカ合衆国,ワシントン 98037,リ ンウッド,サウス レイク スティックニ ー ドライブ 1611 (72)発明者 ビショップ,ポール ディー. アメリカ合衆国,ワシントン 98024,フ ォール シティ,サウスイースト エイス ストリート 28425 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA04 GA14 GA18 HA01 4C084 AA02 AA06 AA07 AA17 BA01 BA08 BA13 BA22 BA23 MA01 NA14 ZA392 ZA402 ZA532 ZA892 ZB222 4C085 AA13 AA14 CC32 EE01 GG01 4H045 AA10 AA20 AA30 CA40 EA22 EA23 EA24 FA74

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳類の血管系内の血流を促進するための方法であって、医
    薬的に許容できるビークル中の治療的有効量の脂肪細胞補体関連タンパク質を前
    記哺乳類に投与することを含んで成り、それにより、前記脂肪細胞補体関連タン
    パク質が前記血管系内のトロンボゲン形成及び補体活性を低めることを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪細胞補体関連タンパク質が、配列番号2の残基26-2
    81に対して、アミノ酸配列において少なくとも75%同一である、アミノ酸残基の
    配列(ここで、前記配列は、コラーゲンドメインを形成するGly-Xaa-Xaa又はGly
    -Xaa-Pro反復を含んで成り;前記Xaaはいずれかのアミノ酸である)、及びカル
    ボキシ−末端球状部分を含んで成るポリペプチドを含んで成る請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基22-281に対して、ア
    ミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸残基の配列を含んで成
    る請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基26-281に対して、ア
    ミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸配列を含んで成る請求
    項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドと配列番号2との間のいずれかの差異が、
    保存的アミノ酸置換によるものである請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記コラーゲンドメインが、13個のGly-Xaa-Xaa反復及び1
    つのGly-Xaa-Pro反復から成る請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記球状ドメインが10個のβ−シートから成る請求項3記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記βシートが、配列番号2の147-151, 170-172, 178-181, 191-203, 207-214, 219-225, 227-239, 244-250及び269-274に対応するアミノ
    酸残基に関連する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基1-281, 又は配列番
    号44の残基1-281を含んで成る請求項2記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドが、オリゴマーを形成するために第2ポ
    リペプチドに複合体化される請求項2記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドが、分子間ジスルフィド結合により複合
    体化される請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記オリゴマーが、トリマーである請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記オリゴマーが、ヘキサマーである請求項11記載の方法
  14. 【請求項14】 前記マルチマーが、18マーである請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ポリペプチドが、前記補体経路及び阻害コラーゲン−
    介在性血小板付着、活性化又は凝集の阻害によりトロンボゲン形成及び補体活性
    を低める請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ポリペプチドが、前記哺乳類における急性血管損傷の
    前、その間又はそれに続いて投与される請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記損傷が、血管再構成によるものである請求項16記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 前記血管再構成が、血管形成、冠動脈バイパス移植、動脈
    内膜切除、毛細血管修復又は血管移植片の吻合を包含する請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記損傷が、外傷、発作又は動脈瘤によるものである請求
    項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 哺乳類内の損傷されたコラーゲン性組織を回復するための
    方法であって、治療的有効量の脂肪細胞補体関連タンパク質を前記哺乳類に投与
    することを含んで成り、それにより、前記タンパク質が、前記損傷されたコラー
    ゲン性組織を、補体活性化、血栓活性又は免疫活性に対して不活性にすることを
    特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 前記脂肪細胞補体関連タンパク質が、配列番号2の残基26
    -281に対して、アミノ酸配列において少なくとも75%同一である、アミノ酸残基
    の配列(ここで、前記配列は、コラーゲンドメインを形成するGly-Xaa-Xaa又はG
    ly-Xaa-Pro反復を含んで成り;前記Xaaはいずれかのアミノ酸である)、及びカ
    ルボキシ−末端球状部分を含んで成るポリペプチドを含んで成る請求項21記載の
    方法。
  22. 【請求項22】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基22-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸残基の配列を含んで
    成る請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基26-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸配列を含んで成る請
    求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ポリペプチドと配列番号2との間のいずれかの差異が
    、保存的アミノ酸置換によるものである請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記コラーゲンドメインが、13個のGly-Xaa-Xaa反復及び
    1つのGly-Xaa-Pro反復から成る請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記球状ドメインが10個のβ−シートから成る請求項22記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 前記βシートが、配列番号2の147-151, 170-172, 178-18
    1, 191-203, 207-214, 219-225, 227-239, 244-250及び269-274に対応するアミ
    ノ酸残基に関連する請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基1-281, 又は配列
    番号44の残基1-281を含んで成る請求項22記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記ポリペプチドが、オリゴマーを形成するために第ポリ
    ペプチドに複合体化される請求項22記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ポリペプチドが、分子間ジスルフィド結合により複合
    体化される請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記オリゴマーが、トリマーである請求項29記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記オリゴマーが、ヘキサマーである請求項29記載の方法
  33. 【請求項33】 前記マルチマーが、18マーである請求項29記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記損傷されたコラーゲン性組織が、虚血及び再灌流に関
    連する損傷によるものである請求項20記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記損傷が、外傷性損傷虚血、腸絞扼、又は血流の前−及
    び後−確立に関連する損傷を包含する請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記ポリペプチドが、心肺バイパス虚血及び退縮、心筋梗
    塞、又は後−外傷性血管痙攣を有する哺乳類に投与される請求項20記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記後−外傷性血管痙攣が、発作、経皮性管腔間血管形成
    、動脈内膜切除、偶発性血管外傷又は手術誘発性血管外傷を包含する請求項36記
    載の方法。
  38. 【請求項38】 哺乳類に関連して使用するための補綴生物材料の表面を静
    めるための方法であって、治療的有効量の脂肪細胞補体関連タンパク質を前記哺
    乳類に投与することを含んで成り、それにより、前記ポリペプチドが、前記補綴
    生物材料の表面を、補体活性化、血栓活性又は免疫活性に対して不活性にするこ
    とを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 前記脂肪細胞補体関連タンパク質が、配列番号2の残基26
    -281に対して、アミノ酸配列において少なくとも75%同一である、アミノ酸残基
    の配列(ここで、前記配列は、コラーゲンドメインを形成するGly-Xaa-Xaa又はG
    ly-Xaa-Pro反復を含んで成り;前記Xaaはいずれかのアミノ酸である)、及びカ
    ルボキシ−末端球状部分を含んで成るポリペプチドを含んで成る請求項38記載の
    方法。
  40. 【請求項40】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基22-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸残基の配列を含んで
    成る請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基26-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸配列を含んで成る請
    求項39記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記ポリペプチドと配列番号2との間のいずれかの差異が
    、保存的アミノ酸置換によるものである請求項40記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記コラーゲンドメインが、13個のGly-Xaa-Xaa反復及び
    1つのGly-Xaa-Pro反復から成る請求項40記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記球状ドメインが10個のβ−シートから成る請求項40記
    載の方法。
  45. 【請求項45】 前記βシートが、配列番号2の147-151, 170-172, 178-18
    1, 191-203, 207-214, 219-225, 227-239, 244-250及び269-274に対応するアミ
    ノ酸残基に関連する請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基1-281, 又は配列
    番号44の残基1-281を含んで成る請求項40記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記ポリペプチドが、オリゴマーを形成するために第ポリ
    ペプチドに複合体化される請求項39記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記ポリペプチドが、分子間ジスルフィド結合により複合
    体化される請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記オリゴマーが、トリマーである請求項47記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記オリゴマーが、ヘキサマーである請求項47記載の方法
  51. 【請求項51】 前記マルチマーが、18マーである請求項47記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記補綴生物材料の表面が、コラーゲン又はコラーゲンフ
    ラグメント、ゼラチン、フィブリン又はフィブロネクチンにより被覆される請求
    項38記載の方法。
  53. 【請求項53】 哺乳類内の創傷修復を仲介するための方法であって、有効
    量の脂肪細胞補体関連タンパク質を前記哺乳類に投与することを含んで成り、そ
    れにより、前記ポリペプチドが創傷治癒の進行を早めることを特徴とする方法。
  54. 【請求項54】 前記脂肪細胞補体関連タンパク質が、配列番号2の残基26
    -281に対して、アミノ酸配列において少なくとも75%同一である、アミノ酸残基
    の配列(ここで、前記配列は、コラーゲンドメインを形成するGly-Xaa-Xaa又はG
    ly-Xaa-Pro反復を含んで成り;前記Xaaはいずれかのアミノ酸である)、及びカ
    ルボキシ−末端球状部分を含んで成るポリペプチドを含んで成る請求項53記載の
    方法。
  55. 【請求項55】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基22-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸残基の配列を含んで
    成る請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基26-281に対して、
    アミノ酸配列において少なくとも90%同一である、アミノ酸配列を含んで成る請
    求項54記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記ポリペプチドと配列番号2との間のいずれかの差異が
    、保存的アミノ酸置換によるものである請求項55記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記コラーゲンドメインが、13個のGly-Xaa-Xaa反復及び
    1つのGly-Xaa-Pro反復から成る請求項55記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記球状ドメインが10個のβ−シートから成る請求項55記
    載の方法。
  60. 【請求項60】 前記βシートが、配列番号2の147-151, 170-172, 178-18
    1, 191-203, 207-214, 219-225, 227-239, 244-250及び269-274に対応するアミ
    ノ酸残基に関連する請求項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基1-281, 又は配列
    番号44の残基1-281を含んで成る請求項55記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記ポリペプチドが、オリゴマーを形成するために第ポリ
    ペプチドに複合体化される請求項55記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記ポリペプチドが、分子間ジスルフィド結合により複合
    体化される請求項62記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記オリゴマーが、トリマーである請求項62記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記オリゴマーが、ヘキサマーである請求項62記載の方法
  66. 【請求項66】 前記マルチマーが、18マーである請求項62記載の方法。
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