JP2002536997A - 新規なg蛋白質結合受容体の14273受容体 - Google Patents

新規なg蛋白質結合受容体の14273受容体

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JP2002536997A JP2000601160A JP2000601160A JP2002536997A JP 2002536997 A JP2002536997 A JP 2002536997A JP 2000601160 A JP2000601160 A JP 2000601160A JP 2000601160 A JP2000601160 A JP 2000601160A JP 2002536997 A JP2002536997 A JP 2002536997A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、G蛋白質結合受容体のスーパーファミリーに属する受容体に関する。また、本発明は、該受容体をコードするポリヌクレオチドに関する。また、本発明は、受容体を媒介とした疾患、特に、鬱血性心不全を含めた心臓血管疾患における診断および治療のための標的として該受容体のポリペプチドおよびポリヌクレオチド用いる方法に関する。また、本発明は、診断および治療用のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するための該受容体のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを用いる薬物スクリーニング方法に関する。本発明は、該受容体のポリペプチドおよびポリヌクレオチドに基づいたアゴニストおよびアンタゴニストをさらに含む。また、本発明は、該受容体のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを産生する手法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、G蛋白質結合受容体のスーパーファミリーに属する新しく同定され
た受容体に関する。また、本発明は、受容体をコードするポリヌクレオチドに関
する。さらに、本発明は、受容体を媒介とした疾患、詳細には、鬱血性心不全を
含めた心臓血管疾患における診断および治療のための標的として、受容体のポリ
ペプチドおよびポリヌクレオチドを用いる方法に関する。さらに、本発明は、受
容体ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを用いて、診断と治療のためのアゴニ
ストおよびアンタゴニストを同定する薬物スクリーニング方法に関する。本発明
は、受容体のポリペプチドおよびポリヌクレオチドに基づいたアゴニストおよび
アンタゴニストをさらに包含する。本発明は、さらに、受容体のポリペプチドお
よびポリヌクレオチドを生成する手順に関する。
【0002】 発明の背景G蛋白質結合受容体 G蛋白質結合受容体(GPCR)は、細胞内のシグナルを変換するのを担う主
要なクラスの蛋白質を構成する。GPCRは3つの構造ドメイン:アミノ末端の
細胞外ドメイン、7つの膜貫通セグメント、3つの細胞外ループおよび3つの細
胞内ループを含む膜貫通ドメイン、およびカルボキシ末端の細胞内ドメインを有
する。GPCRの細胞外部分に対するリガンドの結合に際して、シグナルは細胞
内で変換され、その結果、細胞の生物学的または生理学的な特性は変化する。G
蛋白質およびエフェクター(G蛋白質によって変調された細胞内の酵素およびチ
ャンネル)と共に、GPCRは、細胞外インプットに細胞内の第2メッセンジャ
ーの状態を接続するモジュラーシグナリング系の成分である。
【0003】 GPCR遺伝子および遺伝子産物は、疾患の潜在的な原因因子である(Spiege
lら, J. Clin. Invest. 92:1119〜1125(1993);McKusickら,
J. Med. Genet. 30:1〜26(1993))。ロドプシン遺伝子およびV2
バソプレッシン受容体遺伝子の具体的な欠損症は、様々な形態の色素性網膜炎(
Nathansら, Annu. Rev. Genet. 26:403〜424(1992))、および
腎性尿崩症(Holtzmanら, Hum. Mol. Genet. 2:1201〜1204(199
3))を引き起こすことが示されている。これらの受容体は、中枢神経系および
末梢の生理的なプロセスの両者に非常に重要である。進化分析は、これらの蛋白
質の祖先が複雑な体制および神経系と協力して発展したこと示唆する。
【0004】 GPCR蛋白質スーパーファミリーは、5つのファミリー:第Iファミリー、
ロドプシンおよびβ2−アドレナリン作動性受容体によって代表され、最近20
0種以上のメンバーによって表される受容体(Dohlmanら, Annu. Rev. Biochem.
60:653〜688(1991));第IIファミリー、副甲状腺ホルモン
/カルシトニン/セクレチン受容体ファミリー(Juppnerら, Science 254:
1024〜1026(1991);Linら, Science 254:1022〜 102
4(1991));第IIIファミリー、代謝回転性グルタミン酸受容体ファミ
リー(Nakanishi, Science 258 597:603(1992));第IVファ
ミリー、走化性およびD.discoideumの発達において重要なcAMP受容体ファミ
リー(Kleinら, Science 241:1467〜1472(1988));および
第Vファミリー、STE2のごとき真菌交配フェロモン受容体(Kurjan, Annu.
Rev. Biochem. 61:1097〜1129(1992))に分類できる。
【0005】 また、7つの推定上の疎水性セグメントを示し、GPCRと無関係のようであ
る少数の他の蛋白質もあり;それらは、G蛋白質に結合することは示されていな
い。ショウジョウバエ(Drosophila)は、7つ未満のブリード(boss)の光受容
体特異的蛋白質の7つの膜貫通セグメント蛋白質を発現し、それは広範囲に研究
されており、GPCRである証拠を示さない(Hartら, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 90 :5047〜5051(1993))。また、ショウジョウバエにお
いて縮れた(frizzled)遺伝子(fz)も7つの膜貫通セグメントを持つ蛋白質で
あると思われる。bossのように、fzは、G蛋白質に結合することは示されていな
い(Vinsonら, Nature 338:263〜264(1989))。
【0006】 G蛋白質は、α、βおよびγのサブユニットから構成されたヘテロ三量体の蛋
白質のファミリーを表わし、それはグアニンヌクレオチドを結合する。これらの
蛋白質は、細胞表面受容体、例えば、7つの膜貫通セグメントを含む受容体に通
常リンクしている。リガンドがGPCRに結合するのに続いて、立体配座の変化
はG蛋白質に伝えられ、それはα−サブユニットが、結合GDP分子をGTP分
子に交換され、βγ−サブユニットから解離する。α―サブユニットのこのGT
P結合形態は、エフェクター調節部位として典型的には機能し、(例えば、アデ
ニルシクラーゼの活性化による)cAMP、ジアシルグリセロールまたはイノシ
トールリン酸のごとき第2メッセンジャーの産生に導く。20を超える異なるタ
イプのα−サブユニットが、ヒトにおいて知られている。これらのサブユニット
は、βおよびγのサブユニットの小さな貯留と関連付けられる。哺乳類G蛋白質
の例には、Gi、Go、Gq、GおよびGtが含まれる。G蛋白質は、Lodishら, Molecul
ar Cell Biology,(Scientific American Books Inc., New York, N. Y,199
5)(その内容をここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に広範囲に記述
されている。GPCR、G蛋白質およびG蛋白質に結合したエフェクターおよび
第2メッセンジャー系は、The G-Protein Linked Receptor Fact Book, Watson
ら編, Academic Press(1994)に概説されている。
【0007】 GPCRは薬物作用および開発の主要な標的である。従って、従前に知られて
いないGPCRを同定し特徴付けすることは、医薬開発の分野で大切である。本
発明は以前に未確認のヒトのGPCRを提供することによって当該技術分野の状
態を発展させる。
【0008】 発明の概要 新規なGPCRを同定することは、本発明の目的である。 GPCRを媒介とした疾患の治療および診断に適用可能な受容体アッセイにお
ける試薬または標的として有用である新規なGPCRポリペプチドを提供するこ
とは、さらなる本発明の目的である。
【0009】 GPCRを媒介とした疾患の治療および診断に適用可能で、組換えの方法によ
って新規な受容体ポリペプチドを産生するのに有用である受容体アッセイにおけ
る標的および試薬として有用である新規なGPCR受容体ポリペプチドに対応す
るポリヌクレオチドを提供することは、さらなる本発明の目的である。
【0010】 本発明の具体的な目的は、アゴニストおよびアンタゴニストとして作用し、新
規な受容体の発現を変調する化合物を同定することである。 本発明のさらなる具体的な目的は、GPCRに関連する疾患の治療および診断
のための受容体の発現を変調する化合物を提供することである。
【0011】 かくして、本発明は、14273の受容体と命名された新規なGPCRの同定
に基づく。
【0012】 本発明は、配列番号1(ヒト)および配列番号4(ネズミ)に示されたアミノ
酸配列、または にATCC番号 として寄託されたcDNA(「
寄託cDNA」)によってコード化されたアミノ酸配列を有するポリペプチドを
含む単離された14273受容体ポリペプチドを提供する。
【0013】 また、本発明は、配列番号2(ヒト)および配列番号5(ネズミ)、または寄
託cDNAに示された単離された14273受容体核酸分子を提供する。 また、本発明は、配列番号1または配列番号4に示されるか、寄託cDNAに
よってコード化されるアミノ酸配列に実質的に相同性であるアミノ酸配列を有す
る変異体ポリペプチドを提供する。
【0014】 また、本発明は、配列番号2または配列番号5に、または寄託cDNAに示さ
れたヌクレオチド配列に実質的に相同性である変異体核酸配列を提供する。 また、本発明は、ポリペプチドまたは核酸の実質的に相同性の断片と同様に、
配列番号1または配列番号4に示されるポリペプチド、および配列番号2または
配列番号5に示されたヌクレオチドの断片を提供する。
【0015】 発明者らは、受容体ポリヌクレオチドの発現を、心臓血管疾患、特に、鬱血性
心不全に関連付けた。発明者らは、受容体mRNAが肥大性のヒト心筋細胞に誘
導され、発現が形態学的変化と関連することが判明した。この誘導は、虚血およ
び拡張した心臓に観察される。
【0016】 したがって、本発明は、心臓血管障害と関連する受容体変異体も提供する。 心臓肥大は、乏血/再灌流損傷、心筋梗塞、長期の心不全、脈管壁再形成、心
室の改築、拡張心筋症、迅速な心室ペーシング、冠ミクロ塞栓症、圧力過負荷、
大動脈バンディング(banding)、冠状動脈結紮、終末段階心不全、頻拍性不整
脈、徐脈型不整脈、弁心臓病および高血圧症を含めたいずれかの原因からの過負
荷に対する心臓の主要反応である。肥大は、心臓血管死の強力な独立した予測物
であり、心拡張期の機能不全に関連付けられる。成人の心筋細胞が最終分化細胞
であるので、心臓肥大で見られた筋肉量の増加は、筋細胞サイズの増加によって
主に生じる。細胞レベルでは、心臓肥大に導く事象は、(1)細胞外の肥大性の
刺激;(2)細胞内のシグナル伝達;および(3)肥大性の発現型を可能とする
核の事象の活性化に分類されている。
【0017】 発明者らによるさらなる実験は、新規な受容体が過剰発現されるトランスジェ
ニックマウスモデルにおいて、心臓肥大の誘導が観察されることを示した。これ
らのトランスジェニック・マウスに由来した心臓の組織学的検査は、心臓:体重
比のかなりの増大を示す。いくつかの独立したトランスジェニック・マウスにお
いて、心臓の拡張および心不全が大きな結果である。観察には、拡張した心筋細
胞、二心室の拡張、心房性血栓および間質性線維症が含まれる。
【0018】 さらなる実験は、ラット圧力過負荷モデルにおいて14273の受容体が上昇
調節されたことを示した。ラット圧力過負荷モデルは、大動脈の周りに収縮性の
バンドを配置することにより生成され、心臓肥大の状態を引き起こす(Kimuraら
, Am. J. Physiol.256:H1006〜H1011(1989))。14273
の受容体は、大動脈バンディングに続くmRNAレベルに誘導されることが示さ
れた。発現におけるこの増大は、肥大性の発現型と関連付けられた。結果は、in
situ ハイブリダイゼーションによって得られた。
【0019】 追加実験は、14273の受容体を過剰発現するトランスジェニック・マウス
において、その受容体のmRNAおよび蛋白質のレベルが発現型の厳格さと関連
付けられることを示した。14273のトランスジェニック動物で見られた表現
型は、3〜4週間までの死亡の重度から、野生型および小麦胚芽凝集素またはMa
ssonのTrichromeを持つトランスジェニック動物からの心筋細胞を染色すること
によって確かめられるような微妙な病理組織学的な所見のみを示す軽度までの範
囲であった。小麦胚芽凝集素は筋細胞の輪郭をはっきりさせ、それは今度は肥大
度の決定を可能とし、一方、Trichromeは組織切片中の膠原線維を同定する。膠
原線維は線維症の証明である。発現型の厳格さは、mRNAと蛋白質のレベルの
双方の導入遺伝子の増加と関連付けられた。発現型の厳格さは、観察された14
273の受容体発現のレベルに比例した。これらの実験において、肥大性の筋細
胞の核および細胞質の双方に肥大が観察された。加えて、これらの動物からの組
織学的な結果は、心房性および心室の損失と同様に筋細胞分裂を示した。次いで
、これは、死滅した筋細胞の結合組織への置換の結果としての続いての間質性線
維症に関連付けられた。また、線維弾性症(弾性線維の欠失)は観察された。こ
れは心臓組織からの一般的な弾性トーンの喪失の証拠である。最後に、心房性血
栓症は、前記の病理学的な一連の事象に起因することが観察された。さらに、そ
の14273受容体の発現の増加に加えて、発明者らは、同等物が心房性ナトリ
ウム利尿因子(ANF)の発現を増加させることを観察した。天然の利尿剤のこ
の因子は、心臓肥大の間に増加した量で生成され、従って、心臓肥大の標識とし
て機能する。
【0020】 また、本発明は、受容体核酸分子およびポリペプチド、特に組換えのベクター
および宿主細胞を発現するベクターおよび宿主細胞を提供する。本発明は、障害
と関連付けられる特定の変異体を含むことによって心臓血管疾患のモデルを供す
る宿主細胞を特に提供する。
【0021】 また、本発明は、ベクターおよび宿主細胞を作成する方法、およびそれらを用
いて受容体核酸分子およびポリペプチドを産生する方法を提供する。 また、本発明は、受容体ポリペプチドおよび断片に選択的に結合する抗体を提
供する。
【0022】 本発明は、受容体ポリペプチドの活性を変調する化合物のスクリーニング方法
を提供する。変調は、ポリペプチド受容体のレベル、または受容体ポリペプチド
を発現する核酸(RNAまたはDNA)の発現をコントロールするレベルであっ
てもよい。
【0023】 また、本発明は、受容体ポリペプチドの発現と関係する疾患を治療することを
含めて、特にスクリーニング化合物を用いる受容体ポリペプチド活性を変調する
工程を提供する。
【0024】 該受容体ポリヌクレオチドが心臓血管疾患に関連付けられたので、本発明は、
心臓血管疾患、これらの対象からの細胞および障害のためのモデル系を有する、
またはそれを有する素因のある対象における受容体ポリペプチドおよび核酸発現
を変調する方法を提供する。
【0025】 また、本発明は、生物学的試料中の受容体ポリペプチドまたは核酸分子の存在
およびレベルを決定するための診断アッセイ方法を提供する。
【0026】 また、本発明は、受容体ポリペプチドまたは核酸分子中の突然変異の存在を決
定するための診断アッセイ方法を提供する。
【0027】 該受容体ポリヌクレオチドが心臓血管疾患に関連付けられたので、本発明は、
好ましくは、心臓血管疾患、これらの対象からの細胞および障害のためのモデル
系を有する、またはそれを有する素因のある対象における受容体ポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドの存在、レベルまたは突然変異を決定するための診断アッ
セイ方法を提供する。
【0028】 発明の詳細な記載受容体機能/シグナル経路 該14273受容体蛋白質は、シグナリング経路に関係するGPCRである。
本明細書に用いる「シグナリング経路」とは、GPCR(14273蛋白質)へ
のリガンドの結合に際して細胞の機能/活性の変調(例えば、刺激または抑制)
をいう。かかる機能の例には、シグナル変換経路、例えば、ホスファチジルイノ
シトール、4,5−二燐酸(PIP)、イノシトール、4,5−三燐酸(IP )およびアデニル酸シクラーゼ;細胞膜の極性化;分子の産生または分泌;細胞
成分の構造変化;細胞増殖、例えば、DNAの合成;細胞移動;細胞分化;およ
び細胞生存に関係する細胞内分子の動員が含まれる。該14273受容体蛋白質
は、脳、心臓、骨格筋、胸腺、前立腺、子宮および胎盤中で発現されるので、1
4273受容体蛋白質のシグナリング経路に関与する細胞には、限定されるもの
ではないが、これらの組織に由来する細胞が含まれる。
【0029】 受容体蛋白質によって媒介された応答は、細胞のタイプに依存する。例えば、
いくつかの細胞では、受容体蛋白質へのリガンドの結合は、ホスファチジルイノ
シトールまたは環状AMP代謝および代謝回転を介して、化合物の遊離、チャン
ネルの開閉、細胞の接着、移動、分化等のごとき活性を刺激でき、一方、他の細
胞において、リガンドの結合は、異なる結果を生じるであろう。受容体蛋白質に
よって変調された細胞の活性/応答にかかわらず、該蛋白質はGPCRであり、
ある細胞内の様々な細胞内シグナル変換経路、例えば、ホスファチジルイノシト
ールまたは環状AMP代謝、および代謝回転を介して、G蛋白質と相互作用して
、1以上の第2シグナルを生成することは普遍的である。
【0030】 本明細書に用いられる「ホスファチジルイノシトール代謝回転および代謝」と
は、ホスファチジルイノシトール4,5−二燐酸(PIP)の代謝回転および
代謝関与する分子、ならびにこれらの分子の活性をいう。PIPは、原形質膜
の細胞質ゾルのリーフレット中で見出されたリン脂質である。受容体に対するリ
ガンドの結合は、いくつかの細胞において、今度はPIPを加水分解して、1
,2−ジアシルグリセロール(DAG)およびイノシトール1,4,5−三燐酸(IP )を産生できる細胞膜酵素ホスホリパーゼCを活性化する。一旦、形成された
IPが小胞体表面へ拡散すれば、それは、IP受容体、例えば、IP結合
部位を含むカルシウムチャネル蛋白質を結合できる。IP結合は、チャンネル
の開口を誘導でき、カルシウムイオンが細胞質に遊離されるのを可能とする。ま
た、特異的なキナーゼによって燐酸化して、細胞外媒体から細胞質へのカルシウ
ム流入を引き起こす分子であるイノシトール1,3,4,5−四燐酸(IP)を
形成できる。IPおよびIPは、引き続いて、各々、不活性な生成物イノシ
トール1,4−二燐酸(IP)およびイノシトール1,3,4−三燐酸塩に非常
に急速に加水分解され得る。これらの不活発な生成物は、PIPを合成するた
めに細胞によって再利用できる。PIP、すなわち、1,2−ジアシルグリセ
ロール(DAG)の加水分解によって生成した他の第2メッセンジャーは細胞膜
内にあり、それは酵素プロテインキナーゼCを活性化するように機能できる。プ
ロテインキナーゼCは、細胞の細胞質内で可溶であると判明しているが、細胞な
カルシウム濃度の増加に際しては、この酵素は原形質膜に移動でき、それはDA
Gによって活性化できる。異なる細胞におけるプロテインキナーゼCの活性化の
結果、グリコーゲン合成酵素の燐酸化、または様々な転写因子、例えば、NF−
κBの燐酸化のごとき様々な細胞応答を生じさせる。本明細書に用いられる用語
「ホスファチジルイノシトール活性」は、PIPの活性またはその代謝物質の
活性をいう。
【0031】 該受容体が関与できるもう一つのシグナリング経路は、cAMP代謝回転経路
である。本明細書に用いる「環状AMP代謝回転および代謝」とは、環状AMP
(cAMP)の代謝回転および代謝に関与する分子、ならびにこれらの分子の活
性をいう。環状AMPは、ある種のG蛋白質が結合した受容体のリガンド誘導刺
激に応じて生成された第2メッセンジャーである。cAMPシグナリング経路に
おいて、GPCRへのリガンドの結合は、cAMPの合成を触媒する酵素のアデ
ニルシクラーゼの活性化に導く。新しく合成されたcAMPは、今度は、cAM
P依存性キナーゼを活性化できる。この活性化されたキナーゼは、電位依存性カ
リウム・チャンネル蛋白質、または関連した蛋白質を燐酸化でき、カリウム・チ
ャンネルの無力に導いて、活性電位の間、開けることができる。開けるためのカ
リウム・チャンネルの無力の結果、カリウムの外部への流れを減少させ、ニュー
ロンの膜を通常再分極させ持続性の膜脱分極に導く。
【0032】ポリペプチド 本発明は、新規なG結合蛋白質受容体の発見に基づいている。詳細には、発現
配列タグ(EST)は、G蛋白質結合受容体配列に対する相同性に基づいて選択
された。このESTを用いて、それが含む配列に基づきプライマーを設計し、そ
れを用いて、ヒト胎児の脳cDNAライブラリーからcDNAを同定した。陽性
のクローンは配列決定され、重複する断片を組立てた。組立てられた配列の分析
は、クローニングされたcDNA分子がG蛋白質結合受容体をコードすることを
明らかにした。この受容体のアミノ酸配列は、ガラニン(galanin)受容体、ケ
モカイン受容体およびソマトスタチンと相同性を示す。
【0033】 ガラニンは29個のアミノ酸を持つ小さな神経内分泌ペプチドである。その主
な生物学的機能は、成長ホルモン遊離を促進し、グルコース誘導されたインシュ
リン遊離を阻害し、認識機能を障害し、摂食行動を刺激して、胃腸管の運動を変
調することである。ガラニンの背景および機能については、米国特許第5,75
6,460号を参照されたし。また、ガラニンおよびガラニン受容体機能に関す
る教示については、WO98/15570を参照されたし。これらの文書をこれ
らの教示のためにここに出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0034】 RH連鎖分析は、Map Manager QTb 23ソフトウエアパッケージを用いて行っ
た。14273受容体は、Whitehed Institute フレームワークマーカーD10S
583にテロメリックなヒト染色体10、10.0 cR3000、およびWhitehe
d Institute フレームワークマーカーD10S185にセントロメリックなヒト染
色体13.3 cR3000にマップされることが判明した。連鎖についての2点
LODスコアは、D10S583では15.5、D10S185では14.4で
あった。この領域は、10q23.1〜23.3の細胞遺伝学的位置に対応する
。この位置は、CMD1C、拡張心筋症、1Cとして定義された領域に近接して
位置する。Bowles, K. R.ら(J. Clin. Invest. 98:1344−1360(1
996))は、染色体10q21〜q23の純粋な常染色体優性の家族性拡張心
筋症についての第3座の発見を報告した。家族性拡張心筋症に加えて、この報告
で研究された家族は、僧帽弁脱出症および僧帽弁逆流を関連付けた。それは、患
者の背部乳頭筋または心室心筋の変性に起因し、僧帽弁装置および第二の脱出症
の不安定性を引き起こすことを示した(Sanyalら、Pedatrics 63:116〜1
22)。家族性拡張心筋症は、乳頭筋も関連するであろう(細胞骨格蛋白質のご
とき)遺伝学的に決定された蛋白質欠損症のために心室心筋の初期の障害である
ので、拡張心筋症を引き起こす蛋白質欠損は、関連する僧帽弁脱出症の根源的な
原因でもあり得る。
【0035】 拡張心筋症は、心筋症の最も共通の形態である。多くの原因が記載されてきた
が、最も共通するのは、その疾患が特発性であることである。患者は、通常、鬱
血性心不全の徴候および症状を示す。診断は、通常、心室の拡張および機能不全
を示す証拠に依存する。若死、特に、心室の不整脈または虚血からの心臓死は一
般的である。かなりの数のケースにおいて、家族性の遺伝パターンが伝達の最も
一般的な形態である常染色体の優性伝達で観察される。根本的な遺伝子欠損は、
知られていなかった。前記のごとく、家族性の拡張心筋症は、ある家族において
、染色体10の長腕(10q21〜10q23)にマッピングされ、ここに、その
表現型は、僧帽弁脱出症を持つ純粋な拡張心筋症であった(前記参照)。
【0036】 10q23.1〜23.3に対応する特定の遺伝位置へ14273受容体をマッ
ピングすることにおいて、本発明者らは、1C拡張した心筋症と定義された領域
に、本発明の対象である受容体を関連させた。これは、この座と特定の遺伝子の
最初の関連付けを供し、拡張心筋症と関連した遺伝障害に基礎を供した。
【0037】 該14273受容体の発現は、疾患しているヒトの心臓の肥大性の心筋細胞中
でそのRNAレベルにて誘導される。これには、限定されるものではないが、拡
張性および虚血性の心臓の双方が含まれる。加えて、14273受容体を過剰発
現するトランスジェニック・マウスは、心不全で死亡する多くのこれらのマウス
で、心筋細胞肥大を発生した。14273受容体が心筋中で特に過剰発現できる
いくつかの独立して構築された一連のトランスジェニック動物において、心臓組
織病理学は、二心室の拡張、心筋細胞肥大、心房性血栓および間質性線維症を示
す。かなりの数の冒されたマウスが、心臓:体重比がかなり増加したことを示す
。受容体が発現され、また、肥大性の発現型が発生しているトランスジェニック
・マウスでは、受容体のmRNAおよび蛋白質のレベルは、発現型の厳格さと関
連付けできる。ある系では、その比は、ほぼ1.5〜2.7である。心房拡張、心
房における心室血栓症、胸の浮腫および呼吸困難が観察された。圧力過負荷モデ
ル(ラット)において、心臓肥大は大動脈を紐で縛ることにより引き起こされた
。肥大性の発現型の発生は、紐で縛った後22週間後までにmRNAレベルにて
14273受容体の誘導と関連付けられた。従って、本発明者らは、心臓血管疾
患を生じかねなく、また治療および診断の標的として機能できる新規な遺伝子を
発見した。
【0038】 本発明は、図1に示された推定されたアミノ酸配列(配列番号1)を有し、ま
たは寄託cDNA、ATCC番号 によってコード化されたアミノ酸配列
を有する新規なGPCRに関する。また、本発明は、図7に示されたに推定され
たアミノ酸配列(配列番号4)を有し、または寄託cDNA、ATCC番号 によってコード化されたアミノ酸配列を有する新規なヒトGPCRに対応す
るマウスのオーソログに関する。
【0039】 寄託は、微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の合意の下で支持
されるだろう。該寄託は、当業者に便利なように供され、寄託は米国特許法第1
12条の下で要求される承認ではない。配列によってコード化されたポリペプチ
ドと同様に寄託された配列もここに出典明示して本明細書の一部とみなし、本出
願の記載を持って、配列誤りのごときいずれかの争議の事象においてコントロー
ルされている。
【0040】 詳細な説明の多くは、特に、ヒトの受容体ポリペプチドまたは核酸に指向され
る。しかしながら、この記載はマウスオーソログにも適用され、但し、セグメン
ト、領域、断片、抗原部位等のごとき特定の部位は、本明細書の図におけるネズ
ミのオーソログにつき供された配列の詳細およびドメイン分析により修飾される
であろうと理解される。従って、該記載が14273受容体に一般的に言及する
場合、この記載はネズミおよびヒトの受容体をいう。ネズミのオーソログに関係
する対応する詳細を確認するために、該記載が、ヒト受容体(例えば、特異的な
断片、セグメントまたはドメインを表す場合)に必然的に制限されるであろう場
合、図7〜12は調べられるべきである。
【0041】 「14273受容体ポリペプチド」または「14273受容体蛋白質」とは、
配列番号1もしくは配列番号4または寄託cDNAによってコード化されたポリ
ペプチドをいう。しかしながら、「受容体蛋白質」または「受容体ポリペプチド
」なる用語には、全長14273ポリペプチドおよび変異体に由来した断片と同
様に、本明細書に記載された多数の変異体がさらに含まれる。 かくして、本発明は、単離され精製された受容体ポリペプチドおよびその変異
体ならびにその断片を提供する。
【0042】 ヒトの14273ポリペプチドは、3つの主要な構造ドメインを示す361残
基の蛋白質である。アミノ末端細胞外ドメインは、配列番号1の残基1ないし約
45内にあることが同定されている。その膜貫通ドメインは、配列番号1の約4
6ないし約321までの残基内にあることが同定されている。カルボキシ末端細
胞内ドメインは、配列番号1の約322ないし361の残基内にあることが同定
されている。膜貫通セグメントは、約アミノ酸46から約アミノ酸66まで、約
アミノ酸75から約アミノ酸98まで、約アミノ酸113から約アミノ酸134
まで、約アミノ酸156から約アミノ酸177まで、約アミノ酸209から約ア
ミノ酸227まで、約アミノ酸266から約アミノ酸289まで、および約アミ
ノ酸297から約アミノ酸321までが判明している。全膜貫通ドメインにわた
る領域内には、3つの細胞内ループおよび3つの細胞外ループがある。3つの細
胞内ループでは、約アミノ酸67から約アミノ酸74まで、約アミノ酸135か
ら約アミノ酸155まで、および約アミノ酸228から約アミノ酸265までが
判明している。3つの細胞外ループでは、約アミノ酸99から約アミノ酸112
まで、約アミノ酸178から約アミノ酸208まで、および約アミノ酸290か
ら約アミノ酸296までが判明している。
【0043】 膜貫通ドメインには、残基135〜137のGPCRシグナル変換サインのE
RMが含まれる。該配列には、GPCR中の不変のアミノ酸の残基136のアル
ギニンが含まれる。
【0044】 BLAST検索に基づいて、最高の相同性はガラニン受容体で示された。ガラ
ニン受容体には、GAL I、GAL IIおよびGAL III受容体が含まれ
る。また、有意な相同性は、ケモカイン受容体およびソマトスタチン受容体で判
明した。
【0045】 本明細書に用いるポリペプチドは、それが組換えおよび組換えしていない細胞
から単離され、それが細胞物質が実質的にない場合、またはそれが化学的に合成
された化学的前駆体または他の化学薬品でない場合に「単離された」または「精
製された」という。しかしながら、ポリペプチドは、それが通常細胞に関連付け
られるもう一つのポリペプチドと結合でき、依然として「単離された」または「
精製された」と考えられ得る。
【0046】 受容体ポリペプチドは、均質に精製できる。しかしながら、該ポリペプチドが
均質に精製されない調製物は有用であり、また、該ポリペプチドの単離形態を含
むと考えられると理解される。非常に重要な特徴は、該調製物が、多量の他成分
の存在下でさえ、該ポリペプチドの所望の機能を可能とすることである。かくし
て、本発明は、様々な純度を含む。
【0047】 一つの具体例において、「細胞物質が実質的にない」なる用語は、約30%未
満(乾燥重量)の他の蛋白質(すなわち、汚染蛋白質)、約20%未満の他の蛋
白質、約10%未満の他の蛋白質または約5%未満の他の蛋白質を有する受容体
ポリペプチドの調製物が含まれる。該受容体ポリペプチドが組換え的に生成され
る場合、それは培養基も実質的になく、すなわち、培養基が、約20%未満、約
10%未満または約5%未満の蛋白質調製物の容積を表す。
【0048】 「化学的な前駆体または他の化学薬品が実質的にない」なる用語には、それが
その合成に関係する化学的前駆体または他の化学薬品から分離される受容体ペプ
チドの調製物が含まれる。一つの具体例において、「化学的な前駆体または他の
化学薬品が実質的にない」なる用語には、約30%(乾燥重量)未満の化学的な
前駆体または他の化学薬品、約20%未満の化学的な前駆体または他の化学薬品
、約10%未満の化学的な前駆体または他の化学薬品または約5%未満の化学的
な前駆体または他の化学薬品を有するポリペプチドの前駆体が含まれる。
【0049】 一つの具体例において、該受容体ポリペプチドは、配列番号1または配列番号
4に示されたアミノ酸配列を含む。また、しかしながら、本発明は配列変異体を
含む。変異体には、生物中の同一遺伝子座によってコード化された実質的に相同
性の蛋白質、すなわち、対立遺伝子変異体が含まれる。また、変異体は、生物中
の他の遺伝子座に由来した蛋白質を含むが、配列番号1または配列番号4の14
273受容体蛋白質に対して実質的な相同性を有する。また、変異体は、他の生
物に由来する以外は14273受容体蛋白質に実質的に相同性の蛋白質、すなわ
ち、オーソログを含む。また、変異体には、化学合成によって生成される142
73受容体蛋白質に実質的に相同性の蛋白質が含まれる。また、変異体には、組
換え方法によって産生される14273受容体蛋白質に実質的に相同性の蛋白質
が含まれる。しかしながら、変異体は本発明に先立って開示されたいずれのアミ
ノ酸配列も除外すると理解される。
【0050】 本明細書に用いる2つの蛋白質(あるいはその蛋白質のドメイン)は、アミノ
酸配列が、少なくとも約50〜55%、55〜60%、典型的には、少なくとも
約70〜75%、より典型的には、少なくとも約80〜85%、および最も典型
的には少なくとも約90〜95%またはそれ以上の相同性である場合に実質的に
相同性である。本発明による実質的に相同性のアミノ酸配列は、十分に後記され
るストリンジェントな条件下にて、配列番号2または配列番号5に示された配列
の核酸配列またはその一部分にハイブリダイズする核酸配列によってコード化さ
れるであろう。
【0051】 2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するため
に、配列は最適な比較目的(例えば、ギャップは、最適な整列のために、第1お
よび第2のアミノ酸または核酸配列のうちの1つまたは双方において導入され、
また、相同性でない配列は比較目的のために無視できる)のために整列される。
好ましい具体例において、比較目的のために整列された参照配列の長さは、(例
えば、100個のアミノ酸残基、少なくとも140個、好ましくは少なくとも1
80個、より好ましくは少なくとも250個、さらに好ましくは少なくとも29
0個、および、さらにより好ましくは、少なくとも320個のアミノ酸残基を有
する本明細書のアミノ酸配列に対して第2の配列を整列させる場合)参照配列の
長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なく
とも50%、さらに好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは
少なくとも70%、80%または90%である。次いで、対応するアミノ酸位置
またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1
配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置として同一のアミノ酸残基または
ヌクレオチドによって占有される場合、その分子は、その位置にて同一である(
本明細書に用いるアミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「
相同性」と同等である)。2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最
適の整列のためにそれは導入される必要があるギャップの数および各ギャップの
長さを考慮した配列によって共有された同一位置の数の関数である。
【0052】 また、本発明は、14273ポリペプチドによって行われた1以上の同一機能
を行うような十分な類似性を有する以外は低度の同一性を有するポリペプチドを
含む。類似性は保存的アミノ酸置換によって決定される。かかる置換は、類似の
特性のもう一つのアミノ酸によってポリペプチド中の所与のアミノ酸を置換する
ものである。保存的置換は発現型的にサイレントであろう。保存的置換が、脂肪
族のアミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの中の一方を他方に;ヒドロキシル残基Se
rおよびThrの内部交換、酸性の残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnとGlnと
の間の置換、塩基性の残基LysおよびArgの交換および芳香族の残基Phe、Tyr中の
置換の置換であると典型的には見られる。アミノ酸変化が発現型的にサイレント
であることに関係するガイダンスは、Bowieら、Science 247:1306〜1
310(1990)に見出される。
【0053】
【表1】 表1.保存的アミノ酸置換
【0054】 配列の比較ならびに2つの配列間のパーセント同一性および類似性の決定は、
数学的アルゴリズムを用いて達成できる。(Computational Molecular Biology,
Lesk, A. M.編, Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputin
g:Informatics and Genome Projects, Smith, D. W.編, Academic Press, New
York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A.
M .およびGriffin, H. G.編, Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence
Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987
;およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J.編, M Sto
ckton Press, New York, 1991)。好ましい具体例において、2つのアミノ
酸配列間のパーセント同一性は、Blossom 62マトリックスまたはPAM250マ
トリックスのいずれか、および16、14、12、10、8、6、または4のギ
ャップの重みおよび1、2、3、4、5または6の長さの重みを用いるGCGソフ
トウェア・パッケージ(http://www.gcg.comにて入手可能)中のGAPプログラ
ムに組み入れられたNeedlemanおよびWunsch(J. Mol. Biol.(48):444〜
453(1970))アルゴリズムを用いて決定される。さらに他の好ましい具
体例において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、NWSgapdna.CM
Pマトリックスおよび40、50、60、70、または80のギャップの重みお
よび1、2、3、4、5または6の長さの重みを用いるGCGソフトウェア・パッ
ケージ(Devereux、J.ら, Nucleic Acids Res. 12(1):387(1984
))(http://www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを用いて決定された
。もう一つの具体例において、2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列の間のパ
ーセント同一性は、PAM120重み残基表、12のギャップ長さペナルティーお
よび4のギャップペナルティーを用いるALIGNプログラム(バージョン2.0)に
組み入れられたE.MeyersおよびW.Miller(CABIOS、4:11〜17(1989)
)のアルゴリズムを用いて決定された。
【0055】 本発明の核酸および蛋白質配列は、さらに「質問配列」として用いて、例えば
、他の族メンバーまたは関連する配列を同定するために、公のデータ・ベースに
対する検索を行うことができる。かかる検索は、Altschulら(1990) J. Mo
l. Biol. 215:403〜10のNBLASTおよびXBLASTのプログラ
ム(バージョン2.0)を用いて行うことができる。BLASTヌクレオチド検
索は、NBLASTプログラム、評点=100、ワード長=12で行い、本発明の
核酸分子に相同性のヌクレオチド配列を得ることができる。BLAST蛋白質検
索は、XBLASTプログラム、評点=50、ワード長=3で行い、本発明の蛋白
質に相同性のアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためにギャップされ
た整列を得るために、ギャップされたBLASTは、Altschulら(1997)Nu
cleic Acids Res.25(17):3389〜3402に記載のごとく利用できる
。BLASTおよびギャップされたBLASTプログラムを利用する場合、各々
のプログラム(例えば、XBLASTとNBLAST)の不履行パラメーターを
用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたし。
【0056】 変異体ポリペプチドは、1つ以上の置換、欠失、停止、逆位、融合および切形
またはこれらのいずれかの組合せによって、アミノ酸配列において異なり得る。
【0057】 変異体ポリペプチドは、1つ以上の活性において十分に機能的であり得、また
は機能を喪失できる。かくして、現在の場合には、変異は、例えば、リガンド結
合、膜会合、G蛋白質結合およびシグナル変換に対応する1以上の領域の機能に
影響できる。
【0058】 十分に機能的な変異体は、保存的変異または非常に重要ではない残基または非
常に重要ではない領域における変異だけを含む。また、機能的な変異体は、同様
のアミノ酸の置換を含み、その結果、機能は変化しないかわずかに変化する。あ
るいは、かかる置換は、ある程度まで機能をポジティブにまたはネガティブに影
響できる。
【0059】 機能的でない変異体は、典型的には、1以上の保存的でないアミノ酸の置換、
欠失、停止、逆位または切形、あるいは非常に重要な残基または非常に重要な領
域中の置換、停止、逆位または欠失を含む。
【0060】 示されるような変異体は、天然に存在できるか、または受容体ポリペプチドに
有用でかつ新規な特徴を供するために組換えの手段または化学合成によって作成
できる。これには、蛋白質凝集を防止することによって医薬製剤からの免疫原性
を防止することが含まれる。
【0061】 有用な変異には、さらにリガンドを結合する特徴の改変が含まれる。例えば、
一つの具体例は、リガンドを結合するが、遊離しないか、またはゆっくり遊離す
ることを生じる結合部位の変異が含まれる。同一部位のさらなる有用な変異は、
リガンドにつき高親和性を生じさせることができる。また、有用な変異には、も
う一つのリガンドに高親和性を供する変化が含まれる。もう一つの有用な変異に
は、適当なG蛋白質による結合の低下または増大または受容体が通常関係してい
るものとは異なるG蛋白質による結合を供する膜貫通G蛋白質結合/シグナル変
換ドメインにおける変異が含まれる。もう一つの有用な変異は融合蛋白質を供し
、ここに、1以上のドメインまたはサブ領域はもう一つのG蛋白質結合受容体か
らの1以上のドメインまたはサブ領域に操作可能に融合される。
【0062】 機能にとって不可欠なアミノ酸は、部位指向性変異誘発またはアラニン走査突
然変異誘発(Cunninghamら, Science 244:1081〜1085(1989)
)のごとき当該技術分野において知られた方法によって同定できる。後者の手順
は、該分子中のすべての残基に単一のアラニン突然変異を導入する。次いで、得
られた突然変異体分子は、受容体結合またはin vitroまたはin viv
oの増殖活性のごとき生物学的活性につきテストされる。また、リガンド−受容
体結合に非常に重要である部位は、結晶化、核磁気共鳴またはフォトアフィニテ
ィーラベリング(Smithら, J. Mol. Biol. 224:899〜904(1992
);de Vosら Science 255:306〜312(1992))のごとき構造分
析によって決定できる。
【0063】 実質的な相同性は、全ての核酸またはアミノ酸配列、またはこれらの配列の断
片に存在できる。 また、かくして、本発明には、14273受容体蛋白質のポリペプチド断片が
含まれる。断片は、配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列に由来
できる。しかしながら、本発明には、本明細書に記載のごとき14273受容体
蛋白質の変異体の断片も含まれる。
【0064】 本明細書に用いる断片は、アミノ酸1〜127からの少なくとも6個の隣接す
るアミノ酸、アミノ酸1から約アミノ酸184までの少なくとも9個のアミノ酸
、アミノ酸1から約アミノ酸210までの10個を超えるアミノ酸、およびアミ
ノ酸1から約アミノ酸291までの32個のアミノ酸を超える断片を含む。また
、特定の断片には、アミノ酸123〜132、134〜141、162〜167
、177〜186、203〜237、238〜242、244〜259、261
〜292、295〜323、332〜337、339〜345および347〜3
51から判明したものより大きな断片が含まれる。
【0065】 断片は、蛋白質の1以上の生物活性、例えば、G蛋白質またはリガンドに結合
する能力を保持できる。また、断片は、受容体の抗体を生成するために免疫原と
して有用で有り得る。
【0066】 生物学的に活性な断片は、ある領域またはモチーフ、例えば、細胞外または細
胞内のドメインもしくはループ、1以上の膜貫通セグメントまたはその一部分、
、G蛋白質結合部位あるいはGPCRサイン、グリコシル化、ミリストイル化、
アミド化および燐酸化の部位を含むことができ、その部位は、ロイシン・ジッパ
ーパターンL[a−z]{6}L[a−z]{6}L[a−z]{6}L部位を
示す。かかるペプチドは、6、10、15、20、30、35、36、37、3
8、39、40、50、100以上の長さのアミノ酸であり得る。
【0067】 ヒト受容体の可能な断片には、限定されるものではないが:1)配列番号1の
約アミノ酸1ないし約アミノ酸45の全アミノ末端細胞外ドメインを含む可溶性
蛋白質、またはその一部分;2)配列番号1の約アミノ酸322ないしアミノ酸
361の全カルボキシ末端細胞内ドメインを含むペプチド、またはその一部分;
3)約アミノ酸46ないしアミノ酸321の全膜貫通ドメインにわたる領域を含
むペプチド、またはその一部分;4)約アミノ酸46から約アミノ酸66まで、
約アミノ酸75から約アミノ酸98まで、約アミノ酸113から約アミノ酸13
4まで、約アミノ酸156から約アミノ酸177まで、約アミノ酸209から約
アミノ酸227まで、約アミノ酸266から約アミノ酸289まで、および約ア
ミノ酸297から約アミノ酸321までの特定の膜貫通セグメントまたはその一
部分のいすれか;5)約アミノ酸67から約アミノ酸74まで、約アミノ酸13
5から約アミノ酸155まで、および約アミノ酸228から約アミノ酸265ま
でが判明している。3つの細胞外ループでは、約アミノ酸99から約アミノ酸1
12まで、約アミノ酸178から約アミノ酸208まで、および約アミノ酸29
0から約アミノ酸296までの3つの細胞内ループまたは3つの細胞外ループあ
るいはその一部分のいずれかが含まれる。断片には、さらに、1以上の膜貫通セ
グメントおよび付随する細胞外または細胞内のループと組み合せたアミノ末端ド
メイン、または1以上の膜貫通セグメントおよび付随する細胞外または細胞内の
ループ+カルボキシ末端ドメインのごとき上記断片の組合せが含まれる。かくし
て、いずれの前記の断片も組み合わせることができる。他の断片には、約アミノ
酸37ないし361の成熟した蛋白質が含まれる。他の断片は、本明細書に記載
された様々な機能部位およびおよびGPCRサイン配列を含む配列が含まれる。
断片は、例えば、機能部位から1方向または両方向に延び、5、10、15、2
0、30、40、50または100までのアミノ酸を含む。さらに、断片は、前
記の特定のドメインのサブ断片を含み、そのサブ断片は、それらが由来するドメ
インの機能を保持する。
【0068】 また、断片は、抗原性断片および図3および9に高抗原指標を有することが示
された特定のものが含まれる。
【0069】 従って、可能な断片には、リガンド結合部位を規定する断片、グリコシル化、
アミド化、燐酸化またはミリストイル化の部位を規定する断片、膜会合を規定す
る断片、G蛋白質およびシグナル変換との相互作用を規定する断片、およびロイ
シン・ジッパー部位を規定する断片が含まれる。これによって、適切な機能を提
供するか、適切な機能が同定されるのを可能とする離散性の断片は意図される。
好ましい具体例において、該断片はリガンド結合部位を含む。
【0070】 また、本発明は、免疫原性特性を持つ断片を提供する。これらには、1427
3受容体蛋白質および変異体のエピトープを持つ部分が含まれる。これらのエピ
トープを持つペプチドは、具体的には、受容体のポリペプチドまたは領域もしく
は断片に特異的に結合する抗体を生起するのに有用である。これらのペプチドは
、少なくとも6、12、少なくとも14、あるいは少なくとも約15ないし約3
0のアミノ酸の間に含むことができる。
【0071】 抗体を生成するために用いることができる抗原性ポリペプチドの非限定例は、
アミノ末端の細胞外ドメイン、あるいは細胞外ループに由来したペプチドを含む
。高抗原性指標を有する領域は、図3および9に示される。しかしながら、細胞
内で作成された抗体(「内部抗体(intrabody)」)も含まれ、それは細胞内の
受容体ペプチド領域を認識するであろう。
【0072】 しかしながら、本発明に属する断片は、本発明に先立って開示できた断片を含
むことを構成しない。
【0073】 (本発明に先立って開示できた変異体および断片を含めた)受容体ポリペプチ
ドは、GPCRと関係する生物学的検定に有用である。かかるアッセイ方法は、
GPCRに関連する疾患の診断および治療に有用な公知のGPCR機能または活
性もしくは特性のいずれもに関連付けられる。
【0074】 エピトープを持つ受容体およびポリペプチドは、いずれの従来の手段(Hought
en、R.A., Proc.Natl.Acad.Sci. USA 82:5131〜5135(1985))
によっても生成できる。同時の複数のペプチド合成は、米国特許第4,631,2
11号に記載されている。
【0075】 断片は、(他のアミノ酸またはポリペプチドに融合せず)離散性で存在でき、
またはより大きなポリペプチド内に存在できる。さらに、いくつかの断片は、単
一のより大きなポリペプチド内に含まれ得る。一つの具体例において、宿主にお
いて発現のために設計された断片は、受容体断片のアミノ末端に融合したヘテロ
ーガスなプレ−およびプロ−ポリペプチド領域、および断片のカルボキシル末端
に融合したさらなる領域を有し得る。
【0076】 かくして、本発明は、キメラまたは融合の蛋白質を提供する。これらは、受容
体蛋白質に実質的に相同性でないアミノ酸配列を有する異種構造の蛋白質に操作
可能に連結された受容体蛋白質を含む。「操作可能に連結された」とは、受容体
蛋白質および異種構造の蛋白質がイン−フレームで融合することを示す。異種構
造の蛋白質は、受容体蛋白質のN末端またはC末端に融合できる。
【0077】 一つの具体例において、融合蛋白質が、それ自体で受容体機能に影響しない。
例えば、融合蛋白質はGST配列のC末端に受容体配列が融合されるGST融合
蛋白質で有り得る。他のタイプの融合蛋白質には、限定されるものではないが、
酵素的融合蛋白質、例えばβ−ガラクトシダーゼ融合)、酵母の2−ハイブリッ
ドGAL融合、ポリ−His融合およびIg融合が含まれる。かかる融合蛋白質、特
に、ポリ−His融合は、組換え受容体蛋白質の精製を促すことができる。ある種
の宿主細胞(例えば、哺乳類の宿主細胞)において、蛋白質の発現および/また
は分泌は、異種構造のシグナル配列を用いることによって増加できる。したがっ
て、もう一つの具体例において、融合蛋白質はそのN末端にて異種構造のシグナ
ル配列を含む。
【0078】 EP−A−O 464 533は、免疫グロブリン定常領域の種々の部分を含む融合
蛋白質を開示する。Fcは治療および診断に有用であり、かくして、例えば、薬
物動態学の特性の改善を生じる(EP−A 0232 262)。薬物の発見におい
て、例えば、ヒト蛋白質は、高処理量のスクリーニングアッセイの目的のために
Fc部分と融合されて、アンタゴニストを同定した。Bennettら(J. Mol. Recog
. 8:52〜58(1995)) およびJohansonら(J. Biol. Chem. 270,
16:9459〜9471(1995))。また、かくして、本発明は、受容体
ポリペプチドおよび免疫グロブリンの様々なサブクラス(IgG、IgM、IgA
、IgE)の重鎖または軽鎖の定常領域の様々な部分を含む可溶性融合蛋白質を
含む。免疫グロブリンとして好ましいのは、ヒトIgG、特に、IgG1の重鎖の
定常部分であり、融合がヒンジ領域にて起こる。いくつかの用途では、例えば、
融合蛋白質が免疫の抗原として用いられる場合、融合蛋白質がその意図された目
的のために用いられた後、Fcを除去することが望ましい。特定の具体例におい
て、Fc部分は、組込まれ、Xa因子で切断できる切断配列によって単純な方法
で除去できる。
【0079】 キメラまたは融合蛋白質は、標準的な組換えDNA技術によって生成できる。
例えば、異なる蛋白質配列につきコード化されたDNA断片は、通常の技術に従
いインフレームで共に連結反応される。もう一つの具体例において、融合遺伝子
は、自動化DNAシンセサイザーを含めた通常の技術によって合成できる。ある
いは、遺伝子断片のPCR増幅は、アンカープライマーを用いて行い、それは2
つの連続的な遺伝子断片間の相補的な張出しを生起させ、続いてアニーリングで
き、再増幅して、キメラ遺伝子配列を生成する(Ausubelら, Current Protocols
in Molecular Biology, 1992参照)。さらに、多数の発現ベクターは、商
業的に入手可能であり、融合部位(例えば、GST蛋白質)を既にコードする。
受容体蛋白質をコードする核酸は、融合部位が受容体蛋白質にインフレームで結
合するようなかかる発現ベクター中でクローニングできる。
【0080】 融合蛋白質のもう一つの形態は、受容体機能に直接的に影響するものである。
従って、受容体ポリペプチドは、本発明に含まれ、ここに、1以上の受容体ドメ
イン(またはその一部分)は、もう一つのG蛋白質結合受容体または他のタイプ
の受容体からの相同性のドメイン(またはその一部分)によって置き換えられた
。従って、種々の変更が可能である。アミノ末端細胞外ドメインまたはそのサブ
領域(例えば、リガンド−結合)は、もう一つのリガンド結合受容体蛋白質から
のドメインまたはサブ領域で置き換えできる。あるいは、全ての膜貫通ドメイン
または7つのセグメントもしくはループのいずれも、あるいはその一部分、例え
ば、G蛋白質結合/シグナル変換は、置き換えできる。最後に、カルボキシ末端
細胞内ドメインまたはサブ領域は、置き換えできる。かくして、キメラ受容体を
形成でき、ここに、1以上の天然のドメインまたはサブ領域は置き換えられる。
【0081】 単離された受容体蛋白質は、受容体の発現が検出される胎児の脳、心臓、骨格
筋、胸腺、前立腺、胎盤および子宮から、特に、心臓および骨格筋中でのごとき
それを自然に発現する細胞から精製でき、それを発現するために変更された細胞
(組換え体)から精製できるか、あるいは公知の蛋白質合成方法を用いて合成で
きる。好ましい具体例には、通常の受容体遺伝子を過剰発現するか、または受容
体変異体を発現する組換え心筋細胞または罹患している心筋細胞からの単離が含
まれる。心臓血管疾患と関連付けられる変異体は、罹患している組織または危険
性のある個体から単離できる。あるいは、かかる変異体は、化学合成または部位
指令された突然変異によって生じ得る。
【0082】 一つの具体例において、該蛋白質は、組換えDNA技術によって産生できる。
例えば、受容体ポリペプチドをコードする核酸分子は、発現ベクター中でクロー
ニングさせ、ベクターは、宿主細胞に導入され、次いで、蛋白質は、宿主細胞中
で発現する。次いで、該蛋白質は、標準的な精製技術を用いて適当な精製スキー
ムによって細胞から単離できる。
【0083】 ポリペプチドは、一般的に20種の天然存在アミノ酸と呼ばれる20種のアミ
ノ酸以外のアミノ酸をしばしば含有する。さらに、末端アミノ酸を含めた多数の
アミノ酸は、プロセシングおよび他の翻訳後修飾のごとき天然のプロセスによっ
て、または当該技術分野においてよく知られた化学的修飾技術によって修飾でき
る。ポリペプチド中で天然に生じる共通の修飾は、基本的なテキスト、詳細なモ
ノグラフおよび研究文献に記載され、それらは当業者によく知られている。
【0084】 従って、ポリペプチドは、誘導体またはアナログも含み、ここに、置換された
アミノ酸配列は、遺伝子暗号によってコード化されたものではなく、置換基は含
まれ、成熟したポリペプチドは、ポリペプチドの半減期を増大させる化合物(例
えば、ポリエチレングリコール)のごときもう一つの化合物と融合され、あるい
は、さらなるアミノ酸は、リーダーまたは分泌性配列または成熟したポリペプチ
ドまたはプロ−蛋白質配列の精製のための配列のごとき成熟したポリペプチドに
融合される。
【0085】 公知の修飾には、限定されるものではないが、アセチル化、アシル化、ADPリ
ボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部位の共有結合、ヌクレオチド
またはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホス
ファチジルイノシトールの共有結合、架橋、閉環、ジスルフィド結合形成、脱メ
チル化、共有結合の架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、フ
ォルミル化、ガンマ・カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸
化、沃素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白質分解処理、燐酸化、プレ
ニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニン化のごとき蛋白質へのア
ミノ酸の転移RNA媒介付加、およびは、ユビキチン化が含まれる。
【0086】 かかる修飾は、当業者によく知られており、科学文献に非常に詳細に記載され
ている。いくつかの特定の共通した修飾のグリコシル化、脂質結合、硫酸化、グ
ルタミン酸残基のガンマカルボキシル化、水酸化およびADPリボシル化は、例え
ば、Proteins-Structure and Molecular Properties, 2nd Ed., T. E. Creight
on, W. H. Freeman and Company, New York(1993)のごとき最も基本的な
テキストに記載されている。多くの詳細な概説は、Wold, F., Posttranslationa
l Covalent Modification of Proteins, B. C. Johnson, Ed., Academic Press,
New York 1〜12(1983);Seifterら(Meth. Enzymol. 182:626
〜646(1990))および Rattanら(Ann. N. Y. Acad. Sci. 663 :4
8〜62(1992))によってのごとくこの対象に対して入手可能である。
【0087】 また、よく知られているように、ポリペプチドは必ずしも完全に直線であると
は限らない。例えば、ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として枝分れでき、
それらは、天然のプロセシング事象および天然に生じないヒトの操作によっても
たらされる事象を含めた、通常、翻訳後事象の結果として枝分れを有しまたはな
くして環状であってもよい。環状の枝分れしたおよび枝分れした環状のポリペプ
チドは、非翻訳の天然のプロセス阻害剤セスおよび合成方法によって合成できる
【0088】 修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシ末端を含
めたポリペプチドのいすれでも生じ得る。共有修飾によるポリペプチドのアミノ
またはカルボキシ基、あるいはその両者の妨害は、天然発生および合成のポリペ
プチドにおいて共通する。例えば、ポリペプチドのアミノ末端残基は、蛋白質分
解処理に先立って、E.coli中で作成され、ほとんど必ずN‐ホルミルメチオニ
ンになるであろう。
【0089】 その修飾は、蛋白質がどのように作成されるかの関数であり得る。組換え体ポ
リペプチドでは、例えば、修飾は、ポリペプチドアミノ酸配列中の宿主細胞翻訳
後の修飾能力および修飾シグナルによって決定されるだろう。従って、グリコシ
ル化が望まれる場合、ポリペプチドは、グリコシル化している宿主、一般的に真
核細胞中で発現されるべきである。昆虫細胞は、しばしば哺乳類細胞と同一の翻
訳後グリコシル化を行い、この理由のために、昆虫細胞発現系は、天然のパター
ンのグリコシル化を有する哺乳動物の蛋白質を効率的に発現するために開発され
た。同様の考察は他の修飾に適合する。
【0090】 同一タイプの修飾は、所与のポリペプチド中のいくつかの部位で同一または異
なる程度で存在できる。また、所与のポリペプチドは、1を超えるタイプの修飾
を含んでいてもよい。
【0091】ポリペプチドの使用 14273受容体の発現は、本発明者らによって心臓血管疾患に関連付けられ
た。正常および罹患したヒトの組織のmRNAスクリーニングは、肥大性の心筋
細胞中の受容体mRNAの誘導を示した。この誘導は形態学的変化と関連付けら
れる。受容体が心筋細胞中で特に過剰発現されるトランスジェニック・マウスモ
デルにおいて、過剰発現の結果、心筋細胞はにおいて、マウスは、心筋細胞肥大
を発生し、これらマウスの多数が心不全で死んだ。これらの動物からの心臓の組
織学的な分析は、二心室の拡張、心筋細胞肥大、間質性線維症および心房性血栓
を示した。心臓:体重比は増加した。ある系では、その比がほぼ1.5〜2.7の
範囲であった。心臓拡張、心房中の血栓症、胸部浮腫および呼吸困難が観察され
た。従って、本明細書に記載された特定の用途のいずれも、心臓血管疾患の意味
、または心臓血管疾患、例えば、受容体発現と関連した本明細書に言及された心
臓血管疾患を発生する素因が含まれる。
【0092】 受容体ポリペプチドは、14273受容体蛋白質、領域または断片に特異的な
抗体を産生するのに有用である。高い抗原性指標スコアを有する領域は、図3お
よび9に示される。例えば、疾患組織から単離された修飾された受容体ポリペプ
チドを用いて、抗体を調製し、次いで、in vitroまたはin vivoの
疾患組織中で遺伝子発現につきスクリーニングし、遺伝子発現を変調し、次いで
、該受容体ポリペプチドと関連する障害、具体的には心臓血管疾患を治療するの
に有用である。化学合成または部位指向性変異誘発のような手法によって調製さ
れた修飾された受容体ポリペプチドは、心臓血管疾患のごとき障害に関係がある
と判明したならば、それを用いて、スクリーニングおよび変調のための抗体も調
製できる。
【0093】 一つの具体例において、抗体は、C末端抗原セグメント(アミノ酸348〜3
61)、DTSVKRNDLSIISGに対して開発された。この抗体をうまく用いて、受容体
遺伝子を含むトランスジェニック・マウスおよび特に心筋細胞において受容体の
過剰発現を示した。その抗体は、該受容体の遺伝子を含まずおよび/または発現
しない対照試料には結合しなかった。
【0094】 (本発明に先立って開示されたかもしれない変異体および断片を含めた)受容
体ポリペプチドは、GPCRと関連した生物学的アッセイに有用である。かかる
アッセイは、GPCR関連疾患の診断および治療に有用な公知のGPCRの機能
または活性もしくは特性のいずれかを含む。心臓組織、骨格筋、子宮、胸腺およ
び前立腺のごとき罹患した組織を用いて、修飾された受容体ポリペプチドを同定
でき、次いで、診断および合理的なドラッグデザインの根拠として機能できる。
【0095】 また、該受容体ポリペプチドは薬物スクリーニングアッセイ、細胞ベースの系
または無細胞系において有用である。細胞ベースの系は、天然の、すなわち、生
検または細胞培養に拡張された受容体蛋白質を正常に発現する細胞であり得る。
しかしながら、一つの具体例において、細胞ベースのアッセイには、受容体蛋白
質を発現する組換え体の宿主細胞が含まれる。罹患した組織、特に、(疾患の心
臓のごとき)罹患した心臓組織、骨格筋、胸腺、子宮および前立腺は、罹患した
組織に影響するのに用いることができる薬物をスクリーニングするのに有用であ
る。好ましい細胞には、限定されるものではないが、心筋細胞、および特に肥大
性の心筋細胞が含まれる。薬物の効果は、とりわけ形態学的変化に基づいてスコ
アできる。
【0096】 スクリーニングアッセイのための心筋細胞は、正常であり得、心臓血管疾患を
有しているか、またはかかる疾患に対して素因を有している患者に由来できる。
従って、心筋細胞は、拡張した心筋細胞を生じる傾向を有する患者から拡大でき
るか、または由来できる。かくして、これらの心筋細胞は、受容体遺伝子または
遺伝子産物への影響により心筋細胞の生化学に影響する薬剤につきテストできる
。これらの心筋細胞は、組換DNA技術によって修飾して、受容体遺伝子配列の
コピーを付加するかまたは削除する、あるいは変更された配列を導入する。かく
して、それらは、遺伝子治療を行うための基礎として用いることができる。ある
いは、薬物スクリーニングは元来正常な心筋細胞で行うことができ、それを組換
DNA技術によって修飾して、受容体蛋白質またはRNAを過剰発現できるおよ
び/または変異体受容体蛋白質またはRNAを発現できる。
【0097】 また、薬物スクリーニングアッセイは、本明細書に記載のごときトランスジェ
ニック動物モデルにおいて行うこともできる。かくして、天然発生の突然変異体
または実験室内で作成された突然変異体を用いて、薬物スクリーニングの根拠と
して機能するトランスジェニック動物を創製できる。このモデルは、所与の薬物
の効果に対するin vivo環境の全体の効果を評価するのに特に有用である
。特定の突然変異体に対する効果の確認に加えて、効果を全体の系で確認できる
ように、これらの動物は、心臓血管疾患のごとき疾患のための動物モデルとして
機能できる。かくして、例えば、受容体蛋白質を過剰発現するか、または心筋細
胞肥大に導く変異体を発現するトランスジェニック動物が創製される。あるいは
、受容体を低発現するか、または「ノックアウト」マウスの場合には遺伝子の1
以上のコピーを欠くような動物を創製できる。変異体遺伝子には、停止、欠失お
よびヌクレオチド置換のごとき本明細書に記載された修飾のすべてが含まれる。
一つの具体例において、形質発現は、誘導可能なプロモーターの制御下にある。
したがって、遺伝子の変調および、かくして疾患状態の変調が提供される。かく
して、本発明には、トランスジェニック動物に由来した心筋細胞も含まれ、ここ
に、心臓血管疾患は、組換え体の宿主細胞における受容体の発現により生成され
るか天然発生する、あるいは他のプロトコールおよび/または薬剤の結果として
生じる。
【0098】 該ポリペプチドを用いて、受容体活性を変調する化合物を同定できる。142
73の蛋白質ならびに適当な変異体および断片を共に高処理量のスクリーニング
に用いて、受容体に結合する能力につき候補化合物をアッセイできる。これらの
化合物は、さらに、機能的な受容体に対してスクリーニングして、受容体活性に
対する化合物の効果を決定できる。所望の程度まで受容体を活性化するか(アゴ
ニスト)または不活性化する(アンタゴニスト)化合物を同定できる。
【0099】 「アゴニスト」および「アンタゴニスト」なる用語は、応答を高めるかまたは
低下させる化合物を表わす。アゴニストの一形態として、化合物は、内因性化合
物と同一部位に結合し、通常、内因性薬剤より通常等しいかまたは大きな同一タ
イプのシグナルを生成する。もう一つの形態のアゴニストは、第1のアゴニスト
とは異なる部位に結合し、それ自体はシグナルを生成せず;しかしながら、内因
性薬剤がその部位にも結合する場合、シグナルの増強は生成される。これはアロ
ステリック作用と呼ばれる。一の形態のアンタゴニストは、内因性薬剤によって
用いられた部位に結合し、内因性薬剤によって生成されたシグナルを減少または
遮断する。もう一つの形態のアンタゴニストは、第2の形態のアゴニストに類似
するアロステリック部位に結合するが、内因性薬剤によって生成された減少した
シグナルを生成する。第3の形態のアンタゴニストは、膜に溶けるか、または膜
を交差し、膜内または細胞内の部位の内因性薬剤によって生成されたシグナルを
遮断する。従って、アンタゴニストは、逆のアゴニストの不存在下にて測定され
たシグナリング活性に対し、ネガティブなアゴニストまたは「逆性アゴニスト」
を含む。かかるアンタゴニストは、固有活性および受容体の基底活性に対する効
果を有さないアンタゴニストとは区別される。かくして、例えば、逆性アゴニス
トは受容体の確認を変更でき、それによって、リガンドとの相互作用を低減する
かまたは消失させる。Milliganら, TIPS 16:10(1995)参照。
【0100】 受容体ポリペプチドを用いて、受容体蛋白質と、通常、該受容体蛋白質と相互
作用する標的分子との間の相互作用を刺激するかまたは阻害する能力につき化合
物をスクリーニングできる。該標的は、受容体蛋白質が通常相互作用するシグナ
ルの経路のリガンドまたは成分(例えば、cAMPまたはホスファチジルイノシ
トール代謝回転および/またはアデニル酸シクラーゼまたはホスホリパーゼC活
性化に関与するG蛋白質または他の相互作用物)で有り得る。該アッセイは、受
容体蛋白質または断片が標的分子と相互作用し、次いで、蛋白質と標的との間の
複合体の形成を検出するか、またはイオンの流れ、G蛋白質燐酸化、環状AMP
またはホスファチジルイノシトール代謝回転、およびアデニル酸シクラーゼまた
はホスホリパーゼC活性化のごとき、シグナル変換の関連効果のいずれかのごと
き、受容体蛋白質および該標的との相互作用の生化学的結果を検出することを可
能にする条件の下にて、受容体蛋白質と候補化合物とを組み合わせる工程が含ま
れる。
【0101】 受容体ポリペプチドは、それらが細胞に過剰発現される場合、細胞ベースのア
ッセイにおいて有用である。従って、受容体を過剰発現するかかる細胞は、過剰
発現を変調でき、補償できる化合物を同定するのに有用である。受容体を過剰発
現する細胞は、天然源由来であり得、またはルーチン的組換え方法によって創製
できる。
【0102】 また、受容体ポリペプチドは、細胞上で本質的に活性化された場合、細胞ベー
スのアッセイにおいて化合物をスクリーニングするのに有用である。本質的に活
性化された受容体を発現するかかる細胞は、受容体活性化を変調する化合物をス
クリーニングするのに有用である。かかる細胞は、天然源に由来できるか、また
は当該技術分野においてよく知られている組換え手段によって創製できる。例え
ば、Scheerら, J.Receptor Signal Transduction Res. 17:57〜73(19
97);米国特許第5,750,353号参照。
【0103】 候補化合物には、例えば、1)Ig−テールの融合蛋白質およびランダムペプ
チドライブラリー(例えば、Lamら、Nature 354:82〜84(1991);
Houghtenら、Nature 354:84〜86(1991))およびDまたはL−立体
配置アミノ酸から作成された組合せ化学由来の分子ライブラリーのメンバーを含
めた可溶性ペプチドのごときペプチド;2)ホスホペプチド(例えば、ランダム
かつ部分的に変性された指向的ホスホペプチドライブラリーに指向される、例え
ば、Songyangら、Cell 72:767〜778(1993)参照);3)抗体(
例えば、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗イディオタイプ、キメラ
、および単一鎖抗体ならびにFab、F(ab')、Fab発現ライブラリー断片および
抗体のエピトープ結合断片);および4)有機および無機の低分子(例えば、組
合せおよび天然産物のライブラリーから得られた分子)が含まれる。
【0104】 一つの候補化合物は、リガンド結合に競合する可溶性の全長の受容体または断
片である。他の候補化合物には、受容体機能に影響し、かくしてリガンドにつき
競合する突然変異を含めた突然変異体受容体または適当な断片が含まれる。従っ
て、リガンドにつき、例えば、高親和性で競合する断片、またはリガンドを結合
するが、遊離させない断片は、本発明によって含まれる。
【0105】 本発明は、受容体活性を変調する(刺激するかまたは阻害する)化合物を同定
するための他のエンドポイントを提供する。該アッセイには、典型的には、受容
体活性を示すシグナル変換経路の事象のアッセイが含まれる。かくして、受容体
蛋白質依存的シグナル・カスケードに応じて上昇または下降調節する遺伝子発現
が分析できる。一つの具体例において、かかる遺伝子の制御領域は、ルシフェラ
ーゼのごとき容易に検出できる標識に操作可能に連結できる。あるいは、また、
受容体蛋白質または受容体蛋白質標的の燐酸化を測定することができる。
【0106】 また、該蛋白質における異常型のレベルまたは突然変異によって引き起こされ
た障害は、エンドポイントの基礎として用いることができると理解される。従っ
て、受容体に作用する化合物に応じた障害の発生または経路における特定の偏り
は、エンドポイントとして機能できる。
【0107】 受容体によって媒介された生物学的または生化学的な機能のいずれもエンドポ
イントアッセイとして用いることができる。これらには、本明細書、これらのエ
ンドポイントアッセイ標的および当業者によく知られた他の機能につき出典明示
して本明細書の一部とみなした本明細書に引用された参考文献に記載された生化
学的または生化学的/生物学的な事象の全てが含まれる。これらのエンドポイン
トには、限定されるものではないが、心筋細胞拡張、心房の拡張、心房性の血栓
、胸浮腫、二心室の拡張および間質性線維症を含めた心臓の全体の拡張が含まれ
る。
【0108】 また、化合物の結合または活性化は、キメラ受容体蛋白質を用いることによっ
てスクリーニングでき、ここに、そのアミノ末端細胞外ドメイン、またはその一
部分、いずれかの7つの膜貫通セグメントまたはいずれかの細胞内もしくは細胞
外ループのごとき全膜貫通ドメインまたはその一部分、およびカルボキシ末端細
胞内ドメインまたはその一部分は、異種構造の領域またはサブ領域によって置き
換えることができる。例えば、G蛋白質を相互作用し、次いで、天然の受容体に
よって認識されるG蛋白質結合領域を用いることができる。従って、異なるセッ
トのシグナル変換成分は、活性化のためのエンドポイントアッセイとして利用可
能である。あるいは、(膜貫通セグメントまたは細胞内または細胞外ループのご
とき)全ての膜貫通の部分またはサブ領域は、アミノ末端細胞外ドメインおよび
/またはG蛋白質結合領域が由来する宿主細胞とは異なる宿主細胞に特有の膜貫
通の部分またはサブ領域全体と取り替えることができる。これは、受容体が由来
する特定の宿主細胞以外のものにアッセイが行われることを可能とする。あるい
は、アミノ酸細胞外ドメイン(および/または他のリガンド結合領域)は、異な
るリガンドを結合するドメイン(および/または他の結合領域)によって置き換
えることができ、かくして、異種構造のアミノ末端細胞外ドメイン(あるいは領
域)と相互作用するが、依然としてシグナル変換を生じる試験化合物につきアッ
セイを提供できる。最後に、活性化は、天然のシグナル変換経路の一部である、
転写調節配列に操作可能に連結した容易に検出可能なコード領域を含むリポータ
ー遺伝子によって検出できる。
【0109】 また、該受容体ポリペプチドは、受容体と相互作用する化合物を発見するよう
に設計された方法の競合的結合アッセイに有用である。かくして、化合物は、化
合物が結合するか、またはポリペプチドと相互作用することを可能にする条件下
にて受容体ポリペプチドに曝露される。また、可溶性受容体ポリペプチドは、混
合物に添加される。試験化合物が可溶性受容体ポリペプチドと相互作用するなら
ば、それは受容体標的からの形成された複合体または活性の量を減少させる。こ
のタイプのアッセイは、受容体の特定の領域と相互作用する化合物が求められる
場合に特に有用である。かくして、標的受容体領域と競合する可溶性ポリペプチ
ドは、注目する領域に対応するペプチド配列を含むように設計される。
【0110】 無細胞薬物スクリーニングアッセイを行うために、受容体蛋白質、断片、また
はその標的分子のいずれかを固定して、一方または双方の蛋白質の複合していな
い形態から複合体の分離を促し、また、アッセイの自動化を提供する。
【0111】 マトリックス上の蛋白質を固定する技術は、薬物アッセイスクリーニングに用
いることができる。一つの具体例において、蛋白質がマトリックスに結合するの
を可能とする領域を加える融合蛋白質は提供され得る。例えば、グルタチオンー
S−トランスフェラーゼ/14273融合蛋白質は、グルタチオンセファロース
ビーズ(Sigma Chemical, St. Louis, MO)またはグルタチオン誘導化ミクロタ
イタープレートに吸着させ、次いで、それらは(例えば、35S標識された)細
胞溶解液と候補化合物とを合わせ、混合物は、複合体形成の助けとなる条件(例
えば、塩およびpHにつき生理学的条件)下にてインキュベートできる。インキ
ュベーションの後、ビーズを洗浄して、いずれの標識も除去し、次いで、固定化
されたマトリックスおよび放射性標識を、複合体が分離した後に直接的に、また
は上清中で決定される。あるいは、複合体は、SDS−PAGEによって分離されたマ
トリックスから分離でき、次いで、ビーズ画分に見られた受容体結合蛋白質のレ
ベルを標準的な電気泳動手法を用いてゲルから定量できる。例えば、ポリペプチ
ドまたはその標的分子のいずれも、当該技術分野においてよく知られた技術を用
いてビオチンおよびストレプトアビジンのコンジュゲ−ジョンを利用して固定化
できる。あるいは、蛋白質と反応するが、蛋白質とその標的分子との結合に干渉
しない抗体は、そのプレートのウェルに誘導化でき、蛋白質は抗体コンジュゲー
トによってウェル中で捕捉される。受容体結合蛋白質および候補化合物の調製は
、受容体蛋白質を提示するウェル中でインキュベートされ、ウェル中に捕捉され
た複合体量を定量できる。GST固定化複合体についての前記の方法に加えて、
かかる複合体を検出する方法には、受容体蛋白質標的分子と反応する抗体、また
は受容体蛋白質と反応し標的分子と競合する抗体を用いる複合体の免疫検出;な
らびに標的分子と関連した酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが含まれ
る。
【0112】 薬物スクリーニングアッセイにより同定された受容体蛋白質活性のモジュレー
ターを用いて、心臓、骨格筋、胸腺、前立腺および子宮におけるごとき1427
3蛋白質を発現する細胞を処理することによって、受容体経路により媒介された
疾患を持つ対照を治療できる。これらの方法の治療には、かかる治療を必要とす
る対照に、本明細書に記載された医薬組成物中の蛋白質活性のモジュレーターを
投与する工程が含まれる。好ましい細胞には、限定されるものではないが、心筋
細胞、および特に拡張した心筋細胞が含まれる。
【0113】 また、受容体ポリペプチドは、特に心臓、骨格筋、胸腺、子宮および前立腺の
中の、疾患または受容体蛋白質によって媒介された疾患の素因を診断する標的を
提供するのに有用である。心臓は特に好ましい標的であり、特に、心筋細胞が受
容体蛋白質の過剰発現の結果としての肥大に従うものとして、それらは発明者に
よって示された。従って、細胞、組織または生物の受容体蛋白質の存在またはレ
ベルを検出するための方法が提供される。該方法には、生物学的試料と、相互作
用が検出できるような受容体蛋白質と相互作用することができる化合物とを接触
させることが含まれる。
【0114】 受容体蛋白質を検出するための1つの薬剤は、受容体蛋白質に選択的に結合で
きる抗体である。生物学的試料には、対象から単離された組織、細胞および生物
学的流体、ならびに、対象内に存在する組織、細胞および流体が含まれる。
【0115】 また、受容体蛋白質は、変異体受容体蛋白質を有している患者における活性な
疾患または疾患に対する素因を診断するための標的を提供する。かくして、受容
体蛋白質は、生物学的試料から単離でき、異常型の受容体蛋白質を生じる遺伝子
突然変異の存在につきアッセイできる。これは、(異常型のスプライシング事象
の結果として)アミノ酸の置換、欠失、停止、再配列、および不適当な翻訳後修
飾が含まれる。分析的な方法には、変更された電気泳動度、変更されたトリプシ
ンペプチド消化、細胞ベースまたは無細胞アッセイにおける変更された受容体活
性、リガンドまたは抗体結合パターンにおける変更、変更された等電点、直接的
なアミノ酸配列決定、および蛋白質の突然変異を検出するのに有用な公知のアッ
セイ方法の他のものが含まれる。
【0116】 受容体蛋白質の検出のためのin vitro手法は、酵素結合抗体免疫吸着
アッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光法が含まれ
る。あるいは、該蛋白質は、標識された抗受容体抗体を対象に導入することによ
り、対象においてin vivoにて検出できる。例えば、抗体は放射性標識で
標識でき、対象におけるその存在および位置が標準的画像手法によって検出でき
る。特に有用なのは、対象において発現された受容体蛋白質の対立遺伝子変異体
を検出する方法、および試料中の受容体蛋白質の断片を発見する方法である。
【0117】 また、該受容体ポリペプチドは、ファルマコゲノミック分析に有用である。フ
ァルマコゲノミックスは、冒された人の薬物素因および異常な作用を変更するた
めの薬物に応じた臨床的に有意な遺伝的な変異を扱う。例えば、Eichelbaum, M.
, Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23(10〜11):983985(19
96),および Linder, M. W., Clin. Chem. 43(2):254〜266(1
997)参照。これらの変異の臨床的な結果は、代謝における個体の変動の結果
として、ある種の個体における治療薬物の重篤な毒性またはある種の個体におけ
る治療の失敗を生じさせる。かくして、個体の遺伝子型は、治療化合物が体内で
作用する方法、または身体が化合物を代謝する方法を決定できる。さらに、薬物
代謝酵素の活性が、薬物作用の強度および期間の双方に影響する。かくして、個
体のファルマコゲノミックスは、個体の遺伝子型に基づく予防的または治療的処
置についての有効な化合物およびかかる化合物の有効な投与の選択を可能とする
。いくらかの薬物代謝酵素における遺伝子多形性の発見は、なぜいくらかの患者
は期待された薬物効果を得られず、過剰薬物効果を示し、または標準的な薬物投
与から重篤な毒性を経験するのかを説明した。多形性は、拡張性の代謝する人の
表現型および貧しく代謝する人の表現型において発現できる。従って、遺伝子多
形性は、受容体蛋白質の対立遺伝子蛋白質変異体に導き、ここに、1つの集団の
1以上の受容体機能は、他の集団のものとは異なる。かくして、多形性は、標的
が、治療の様相に影響できる遺伝学的な素因を生起できる。かくして、リガンド
ベースの治療において、多形性は、リガンド結合および受容体活性化においてよ
り活性であるか、または活性がないアミノ末端細胞外ドメインおよび/または他
のリガンド結合領域を生起させることができる。従って、リガンド用量を修飾し
て、所与の集団が含む多形性内で必ず治療効果を最大化するであろう。ゲノタイ
ピングに代えて特定の多形性のポリペプチドを同定できる。
【0118】 また、該受容体ポリペプチドは、臨床試験および他の治療の間に治療効果をモ
ニタリングするのに有用である。かくして、遺伝子発現、蛋白質レベルまたは受
容体活性を増加させるかまたは減少させるように設計されている薬剤の治療上の
有効性は、エンドポイント標的として受容体ポリペプチドを用いて、治療経過の
間にモニターできる。
【0119】 また、受容体ポリペプチドは、受容体に関連する疾患を治療するのに有用であ
る。従って、治療方法には、リガンド結合に競合する受容体蛋白質の可溶性受容
体または断片の使用が含まれる。これらの受容体または断片は、リガンドが有効
な競合を提供するように高親和性を有することができる。
【0120】抗体 また、本発明は、14273受容体蛋白質およびその変異体および断片に選択
的に結合する抗体を提供する。それが、受容体蛋白質と実質的に相同性でない他
の蛋白質に結合した場合でさえ、抗体は選択的に結合すると考えられる。これら
の他の蛋白質は、受容体蛋白質の断片または領域と相同性を共有する。特定の領
域でのこの保存性は、相同性の配列による双方の蛋白質に結合する抗体を生起す
る。この場合、受容体蛋白質に結合する抗体は、依然として選択的であると理解
されるであろう。好ましい抗体は、筋細胞における肥大と関連し、心臓血管疾患
と関連した受容体突然変異体に結合する。
【0121】 抗体を生成するために、ポリクローナルおよび単一クローン性抗体調製のため
の標準的手法を用いて、抗体を生成するための免疫原として、単離された受容体
ポリペプチドが用いられる。全長の蛋白質または抗原ペプチド断片のいずれかを
用いることができる。高い抗原性指標を有する領域は、図3および9に示される
【0122】 抗体は、これらの領域から、またはこれらの領域内の別々の断片から好ましく
は調製される。しかしながら、抗体は、本明細書に記載されるごときペプチドの
いずれの領域からも調製できる。好ましい断片は、リガンド結合を減少させるか
または完全に防止する抗体を生成する。抗体は、全受容体または受容体の一部分
、例えば、細胞内カルボキシ末端領域、アミノ末端細胞外ドメイン、全ての膜貫
通ドメインまたは特定のセグメント、細胞内または細胞外ループ、または前記の
いずれかの部分に対して開発できる。また、抗体は、リガンド結合部位、G蛋白
質結合部位、またはグリコル化、リン酸化、ミリストイル化またはアミド化され
た部位のごとき特定の機能部位に対して開発できる。
【0123】 抗原断片は、典型的には、少なくとも6つの隣接するアミノ酸残基を含むであ
ろう。しかしながら、抗原ペプチドは、少なくとも12個、少なくとも14個の
アミノ酸残基、少なくとも15個のアミノ酸残基、少なくとも20個のアミノ酸
残基または少なくとも30個のアミノ酸残基を含むことができる。一つの具体例
において、断片は、蛋白質の表面、例えば、親水性の領域に位置する領域に対応
する。しかしながら、本発明に先立って開示され得るいずれの断片も含むように
、これらの断片は解釈されるべきではない。
【0124】 抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。完全な抗体、また
はその断片(例えば、FabまたはF(ab'))を用いることができる。
【0125】 検出は、検出可能な物質に抗体を結合すること(すなわち、物理的結合)によ
って促進できる。検出可能な物質の例には、様々な酵素、補欠分子団、蛍光性物
質、発光性物質、生物発光性物質および放射性物質が含まれる。適当な酵素の例
には、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、
β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが含まれ;適当な補欠
分子団複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチ
ンが含まれ;適当な蛍光性物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、
フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン
フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが含まれ;発光性物
質の例にはルミノールが含まれ;生物発光性物質の例には、ルシフェラーゼ、ル
シフェリンおよびエクオリンが含まれ、および適当な放射性物質の例には、12 I、131I、35SまたはHが含まれる。
【0126】 適当な免疫原の調製は、天然の、組合せ発現された蛋白質または化学合成された
ペプチドから誘導される。
【0127】抗体の用途 14273受容体の発現が心臓血管疾患と関連させらたので、後記の抗体の用
途は、疾患によって冒された細胞に由来した変調された受容体蛋白質から作成さ
れた抗体に適用し、それを特に用いて、受容体蛋白質に結合し、それの過剰に発
現されたコピーを不活性化することによって該受容体が過剰発現する疾患を治療
できる。これは、抗体を細胞外にまたは「内部抗体」によって導入することによ
り行うことができる。好ましい細胞には、限定されるものではないが、筋細胞、
特に肥大性の心筋細胞が含まれる。かくして、好ましい具体例において、後記の
抗体の用途は、心臓疾患に関与する組織に適用する。
【0128】 該抗体を用いて、親和性クロマトグラフィーまたは免疫沈降法のごとき標準的
手法によって受容体蛋白質を単離できる。一つの具体例において、抗体が、C末
端の抗原配列、DTSVKRNDLSIISG(アミノ酸348〜361)に対して調製されて
いる。従って、抗体は、これらの特定のアミノ酸またはこの付近の領域に由来で
きる。該抗体は、細胞からの天然の受容体蛋白質、および宿主細胞に発現された
組換え的に生成された受容体蛋白質の精製を促すことができる。
【0129】 該抗体は、細胞または組織中で受容体蛋白質の存在を検出して、生物中の様々
な組織中でおよび標準的発生の進行にわたって受容体の発現のパターンを決定す
るのに有用である。 抗体を用いて、発現の豊富さおよびパターンを評価するために、in sit
u、in vitroまたは細胞溶解物または上清中のおよび受容体蛋白質を検
出できる。
【0130】 該抗体を用いて、発達の間の異常な組織分布または異常な発現を評価できる。 全長の受容体蛋白質の断片の循環の抗体検出を用いて、受容体代謝回転を同定
できる。
【0131】 さらに、該抗体を用いて、疾患の活性な段階のごとき疾患状態おいて、または
心臓血管疾患のごとき受容体機能と関係する疾患に素因を持つ個体において受容
体の発現を評価できる。障害が不適当な組織分布、発展的な発現または受容体蛋
白質の発現のレベルによって引き起こされる場合、抗体は標準の受容体蛋白質に
対して調製できる。障害が受容体蛋白質の特定の突然変異によって特徴付けられ
るならば、この突然変異蛋白質に特異的な抗体を用いて、特定の突然変異体受容
体蛋白質の存在につきアッセイできる。しかしながら、細胞内で調製された抗体
(「内部抗体」)も含まれ、それは細胞内の受容体ペプチド領域を認識するであ
ろう。
【0132】 また、抗体を用いて、生物の様々な組織中の細胞の正常または異常型のサブ細
胞の局在を評価できる。抗体は、全体の受容体または受容体の一部分、例えば、
アミノ末端の一部分、細胞外ドメインまたは細胞外ループの一部分に対して開発
できる。
【0133】 診断的用途は、遺伝子試験だけでなく治療様相をモニターする際にも適用でき
る。従って、異常型の受容体および異常型の組織分布、または発展的な発現の発
現レベルまたは存在の修正を目的とする場合、該受容体または適当な断片に対し
て向けられた抗体を用いて、治療効果をモニターできる。
【0134】 加えて、抗体は、ファルマコゲノミックス的な分析に有用である。かくして、
多形性の受容体蛋白質に対して調製された抗体を用いて、治療様相の変調を必要
とする個体を同定できる。 また、抗体は、電気泳動度、等電点、トリプシンペプチド消化、および当業者
に知られた他の物理的アッセイ方法によって分析された異常型の受容体蛋白質の
免疫学的標識としての診断ツールとして有用である。
【0135】 また、該抗体は組織タイピングに有用である。かくして、特定の受容体蛋白質
が特定の組織中の発現と関連する場合、この受容体蛋白質に特異的な抗体を用い
て、組織タイプを同定できる。
【0136】 また、該抗体は法廷上の同定において有用である。従って、ある個体が特定の
多形性の蛋白質に起因する特定の遺伝的多型と関連する場合、多形性の蛋白質に
特異的な抗体は同定における援助として用いることができる。
【0137】 また、該抗体は、受容体機能、例えば、リガンド結合の遮断を阻害するのに有
用である。 また、これらの用途は、治療が受容体機能を阻害ことを含む治療的な意味にお
いて適用できる。抗体を用いて、例えば、リガンド結合を遮断できる。抗体は、
機能につき必要な部位を含む特定の断片または細胞と関連した完全な受容体に対
して調製できる。
【0138】 また、本発明は、標識されたか標識できる抗体のごとき抗体および生物学的試
料中の受容体蛋白質を検出するための化合物または薬剤;該試料中の受容体蛋白
質の量を測定する手段;および該試料中の受容体蛋白質の量と標準とを比較する
手段を含み得る。化合物または薬剤は、適当な容器で包むことができる。該キッ
トは、受容体蛋白質を検出するためにキットを使用するための説明書をさらに含
むことができる。
【0139】ポリヌクレオチド 配列番号2および配列番号5のヌクレオチド配列は、寄託した全長のcDNA
を配列決定することにより得られた。従って、寄託したクローンの配列は、その
2つの間のいずれかの不一致に関してコントロールし、配列番号2および配列番
号5に対する引用に、寄託cDNAの配列に対する引用が含まれる。特に開示さ
れたcDNAは、コード領域および5'および3'非翻訳配列を含む。
【0140】 ヒトの14273受容体cDNAは、長さが約1743個のヌクレオチドであ
り、長さが約361個のアミノ酸残基である全長の蛋白質をコードする。該核酸
は、胎児の脳、心臓、骨格筋、胸腺、前立腺、胎盤および子宮中で発現される。
配列番号1および配列番号4のアミノ酸配列の構造分析は、図3および9(ヒド
ロパシー・プロット)に提供される。その図は、7つの膜貫通セグメント、アミ
ノ末端細胞外ドメインおよびカルボキシ末端細胞内ドメインの推定上の構造を示
す。
【0141】 本明細書に用いる「膜貫通セグメント」なる用語とは、原形質膜にわたる疎水
性のらせんを含む構造上のアミノ酸モチーフをいう。膜貫通ドメインは、約アミ
ノ酸46から約アミノ酸321までにわたる。7つのセグメントは膜にわたり、
この領域には3つの細胞内ループおよび3つの細胞外ループがある。
【0142】 本発明は、14273受容体蛋白質をコードする単離されたポリヌクレオチド
を提供する。「14273ポリヌクレオチド」または「14273の核酸」なる
用語とは、配列番号2および配列番号5に、または寄託cDNAに示される配列
をいう。「受容体ポリヌクレオチド」または「受容体核酸」なる用語には、さら
に、14273ポリヌクレオチドの変異体および断片が含まれる。
【0143】 「単離された」受容体の核酸は、受容体の核酸の天然源中に存在する他の核酸
から単離されるものである。好ましくは、「単離された」核酸は、核酸が由来す
る生物のゲノムDNA中の核酸(すなわち、核酸の5'および3'末端にて位置す
る配列)に天然に近接して側面に位置する配列ではない。しかしながら、いくつ
かの近接して側面に位置するヌクレオチド配列、例えば、約5KBまでが存在で
きる。重要な点は、核酸が、組換え体発現、プローブおよびプライマーの調製、
および受容体核酸配列に特有の他の使用のごとき本明細書に記載された特定の操
作に付され得るように近接して側面に位置する配列から単離されることである。
【0144】 さらに、組換え技術、または化学的に合成された化学的前駆体もしくは他の化
学薬品によって生成される場合、cDNA分子のごとき「単離された」核酸分子
は、他の細胞物質、または培養基が実質的になくてもよい。しかしながら、該核
酸分子は、他のコード化または調節配列に融合し、依然として単離が考えられる
【0145】 例えば、ベクター中に含まれた組換DNA分子の単離が考えられる。単離され
たDNA分子のさらなる例には、異種構造の宿主細胞に維持された組換DNA分
子または溶液中で(部分的にまたは実質的に)精製されたDNA分子が含まれる
。単離されたRNA分子には、本発明の単離されたDNA分子のin vivo
またはin vitroのRNA転写体が含まれる。単離核酸分子は、本発明に
より合成的に生成されたかかる分子をさらに含む。
【0146】 受容体ポリヌクレオチドは、(例えば、成熟形態が1を超えるポリペプチド鎖
を有する場合)成熟した蛋白質+付加的アミノまたはカルボキシ末端アミノ酸、
または成熟したポリペプチドの内部のアミノ酸をコード化できる。かかる配列は
、とりわけ、前駆体から成熟形態への蛋白質のプロセシング、蛋白質のトラッキ
ング、蛋白質の半減期を延長または短くする、またはアッセイまたは産生のため
の蛋白質の操作を促すのに役割を果たすことができる。一般的に、in sit
uの場合には、付加的アミノ酸は、細胞の酵素によって成熟蛋白質から離れて処
理できる。
【0147】 受容体ポリヌクレオチドには、限定されるものではないが、成熟したポリペプ
チドを単独でコードする配列、成熟したポリペプチドおよびコードする配列リー
ダーまたは分泌の配列(例えば、プレ−プロまたはプロ−蛋白質配列)のごとき
付加的なコード配列、付加的なコード配列を有するか有しない成熟したポリペプ
チドをコードする配列+さらなる非コード配列、例えば、転写、(スプライシン
グおよびポリアデニル化シグナルを含めた)mRNAプロセシング、リボソーム
結合およびmRNAの安定性において役割を演じる転写されるが翻訳されない配
列のごときイントロンおよび非コード化5'および3'配列が含まれる。さらに、
ポリヌクレオチドは、コード配列マーカー、例えば精製を促進するペプチドに融
合できる。
【0148】 受容体ポリヌクレオチドは、mRNAのごときRNAの形態、または、クロー
ニングにより得られたか、化学的な合成手法によって、またはそれの組合せによ
って得られたcDNAおよびゲノムDNAを含めたDNA形態に存在できる。核
酸、特に、DNAは二本鎖または一本鎖で有り得る。一本鎖の核酸は、コード化
された鎖(センス鎖)またはコード化されていない(アンチセンス鎖)で有り得
る。
【0149】 1つの受容体核酸は、ヒトの脳cDNAまたは配列番号5に示されたネズミの
オーソログに対応する配列番号2に示されたヌクレオチド配列を有する。
【0150】 一つの具体例において、受容体核酸がコード領域だけを含む。 本発明は、さらに変異体受容体ポリヌクレオチド、およびその断片を提供し、
それは遺伝暗号の縮重により配列番号2または配列番号5に示されたヌクレオチ
ド配列と異なり、かくして、配列番号2または配列番号5に示されたヌクレオチ
ド配列によってコード化されたものと同一の蛋白質をコードする。
【0151】 また、本発明は、本明細書に記載された変異体ポリペプチドをコードする受容
体核酸分子を提供する。かかるポリヌクレオチドは、対立遺伝子変異体(同一座
)、相同体(異なる座)およびオーソログ(異なる生物)のごとく天然に存在で
きるか、または組換えDNA方法によって、または化学合成によって構築できる
。かかる天然発生しない変異体は、ポリヌクレオチド、細胞または生物に適用さ
れたものを含めた突然変異誘発手法によって作成できる。従って、前記のごとき
変異体は、ヌクレオチドの置換、欠失、逆位および停止を含むことができる。
【0152】 変異が、コード化および非コード化の領域の一方または双方で生じ得る。その
変異は、保存的および保存的でないアミノ酸置換を生じ得る。
【0153】 オーソログ、相同体および対立遺伝子変異体は当該技術分野においてよく知ら
れた方法を用いて同定できる。これらの変異体は、配列番号2または配列番号5
に示されるヌクレオチド配列またはこの配列の断片に、50%、少なくとも約5
5%、典型的には少なくとも約70〜75%、より典型的には少なくとも約80
〜85%、および最も典型的には少なくとも約90〜95%以上の相同性がある
受容体をコードするヌクレオチド配列を含む。かかる核酸分子は、配列番号2ま
たは配列番号5に示されるヌクレオチド配列またはその配列の断片に、ストリン
ジェントな条件下にてハイブリダイズできるので容易に同定できる。ストリンジ
ェントなハイブリダイゼーションは、実質的な相同性を示さず、それは、ポリA
配列、あるいは全てまたは大部分の蛋白質、全てのGPCR、または全てのファ
ミリーI GPCRに共通する配列、あるいはいずれかの遺伝子、例えば、ホモ
ポリマーストレッチに特異的ではないゲノム全体にわたって分散したと判明した
配列のごとき一般的な相同性のためであると理解される。さらに、変異体が本発
明に先立って開示できた核酸配列のいずれも含まないと理解される。好ましい変
異体には、心筋細胞の肥大および鬱血性心不全と関連付けられるものが含まれる
【0154】 本明細書に用いる「ストリンジェントな条件下にてハイブリダイズする」なる
用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄についての条件を記載することを意
図し、その下では、相互に少なくとも50%、55%の相同性の受容体をコード
するヌクレオチド配列が、典型的には、相互にハイブリダイズしたままである。
その条件は、相互に少なくとも約65%、少なくとも約70%または少なくとも
約75以上の相同性の配列が、典型的には、相互にハイブリダイズしたままであ
るようにできる。かかるストリンジェントな条件は当業者に知られており、Curr
ent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N. Y.(1989)
, 6.3.1〜6.3.6に見出される。ストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件の1つの例は、約45℃の6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SS
C)中のハイブリダイゼーション、続いて50〜65℃の0.2XSSC、0.1%S
DSでの1以上の洗浄である。一つの具体例において、ストリンジェントな条件
下にて配列番号2の配列にハイブリダイズする単離された受容体核酸分子は、天
然発生の核酸分子に対応する。本明細書に用いる「天然に発生する」核酸分子と
は、自然界に生じる(例えば、天然の蛋白質をコードする)ヌクレオチド配列を
有するRNAまたはDNA分子をいう。
【0155】 さらに、本発明は、全長の受容体ポリヌクレオチドの断片を含むポリヌクレオ
チドを提供する。該断片は、一本鎖または二本鎖であってもよく、DNAまたは
RNAを含み得る。該断片は、コード化またはコード化されていない配列のいず
れにも由来できる。
【0156】 一つの具体例において、単離された受容体の核酸断片は、ヌクレオチドの長さ
が少なくとも5であり、ヌクレオチドの長さが1〜410、118〜1295ま
たは1630〜1743からの配列から由来し、ストリンジェントな条件下にて
配列番号2または配列番号5のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド分子にハイ
ブリダイズされる。他の具体例では、核酸は、長さが10、15、20、30、
40、50、100、250または500個以上のヌクレオチドである。
【0157】 もう一つの具体例において、該断片は、約410から約442までの隣接する
ヌクレオチドの13個を超え、442〜442のヌクレオチドの26個を超え、
605〜745のヌクレオチドの44個を超え、745〜857のヌクレオチド
の17個を超え、925〜1118のヌクレオチドの23個を超え、および12
95〜1630のヌクレオチドの25個を超えるヌクレオチドを含む。
【0158】 もう一つの具体例において、単離された受容体の核酸は、アミノ酸1からアミ
ノ酸321までの全コード領域をコードする。もう一つの具体例において、単離
された受容体の核酸は、約アミノ酸36からアミノ酸321までの成熟した蛋白
質に対応する配列をコードする。他の断片には、コード領域の一部または全てが
含まれ、5'または3'のコード化されない領域のいずれかまたはこれらの領域の
双方に延びるヌクレオチド配列が含まれる。他の断片には、本明細書に記載され
たアミノ酸断片をコードするヌクレオチド配列が含まれる。さらなる断片には、
本明細書に記載された特定のドメインまたは部位のサブ断片を含み得る。また、
断片は、前記の特定のアミノ酸配列またはその断片に対応する核酸配列を含む。
本発明による核酸断片は、本発明に先立って開示できたそれらの断片を含むよう
に解釈しない。
【0159】 受容体核酸断片は、さらに本明細書に記載されたドメイン、また記載されたサ
ブ領域および特定の機能的な部位に対応する配列が含まれる。また、受容体核酸
断片は、ドメイン、セグメント、ループ、および前記の他の機能的な部位の組合
せが含まれる。かくして、例えば、ある受容体の核酸は、アミノ末端細胞外ドメ
インおよび1つの膜貫通断片に対応する配列を含むことができた。当業者ならば
、可能である多数の多くの変更を承知しているであろう。
【0160】 しかしながら、受容体断片は、全遺伝子を含まないいずれかの核酸配列を含む
とは理解される。
【0161】 受容体核酸断片には、ポリペプチドをコードする核酸分子が含まれ、それは、
1から約45までのアミノ酸残基を含むアミノ末端細胞外ドメイン、膜貫通ドメ
イン(約46から約321までのアミノ酸残基)にわたる領域を含むポリペプチ
ド、カルボキシ末端細胞内ドメイン(約322から約361までのアミノ酸残基
)を含むポリペプチド、およびG蛋白質受容体サイン(135〜136または約
125から約145までの周囲のアミノ酸残基)をコードするポリペプチド、7
つの膜貫通セグメント、細胞外細胞内ループ、グリコシル化、燐酸化、ミリスト
イル化およびアミド化の部位のうちのいずれかをコードする核酸分子が含まれる
。ドメインの位置が、コンピューター分析によって予測された場合、当業者は、
これらの領域を構成するアミノ酸残基がドメインを規定するのに用いた判定規準
に依存して変わることができることを認識するであろう。
【0162】 また、本発明は、本明細書に記載された受容体蛋白質のエピトープを含む領域
をコードする受容体核酸断片を提供する。 単離された受容体ポリヌクレオチド配列、特に、フラグメントは、DNAプロ
ーブおよびプライマーとして有用である。
【0163】 例えば、受容体遺伝子のコード領域は、オリゴヌクレオチドプローブを合成す
るために公知のヌクレオチド配列を用いて単離できる。次いで、標識されたプロ
ーブを用いて、コード領域に対応する核酸を単離するためのcDNAライブラリ
ー、ゲノムDNAライブラリーまたはmRNAをスクリーニングできる。さらに
、プライマーをPCR反応において用いて、受容体遺伝子の特定の領域をクロー
ニングできる。
【0164】 プローブ/プライマーは、典型的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチ
ドを含む。オリゴヌクレオチドは、典型的には、ストリンジェントな条件下にて
、配列番号2または配列番号5のセンスまたはアンチセンス鎖または他の受容体
ポリヌクレオチドの少なくとも約10、典型的には、約25、より典型的には役
40、50、または70個の隣接するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレ
オチド配列の領域を含む。プローブには、さらに、標識、例えば、放射性同位元
素、蛍光性の化合物、酵素または酵素補助因子が含まれる。
【0165】ポリヌクレオチドの用途 14273受容体の発現が、心臓血管疾患に関係していたので、本明細書に記
載されたポリヌクレオチドは、限定されるものではないが、鬱血性心不全を含め
た心臓血管疾患を有している患者、またはその素因を有する患者の治療および診
断のために用いることができる。受容体mRNAの誘導は、本発明者らによって
肥大性のヒトの心筋細胞において生じ、その誘導は形態学的変化に関連すること
が実証された。従って、ポリペプチドの好ましい用途は、心筋細胞肥大に関連付
けられる臓血管疾患の治療および診断にある。かかる心臓血管疾患/障害には、
限定されるものではないが、拡張、虚血、心臓線維症、繊維弾性症、心筋張力の
一般的な喪失、および血栓症が含まれる。
【0166】 受容体ポリヌクレオチドは、プローブ、プライマー、そして生物学的アッセイ
に有用である。ポリヌクレオチドを用いて、本明細書に記載されたアッセイにお
いてのごとく、GPCR特性または機能を評価する場合、すべてまたはすべてよ
り少ない全cDNAが有用であり得る。この場合、本発明に先立って知り得た断
片さえ、含まれる。かくして、例えば、アゴニストまたはアンタゴニスの活性の
評価のごときGPCR機能に特に向けられたアッセイは、公知の断片の使用を含
む。さらに、受容体機能を評価するための診断方法も、本発明に先立って知り得
たそれらの断片を含めたいずれの断片を用いても実施できる。同様に、受容体の
機能不全の治療に関する方法において、当該技術分野において知り得たものを含
めて、全ての断片が含まれる。
【0167】 受容体ポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号4に示されたポリペプ
チドをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する、および配列番
号1または配列番号4に示された同一ポリペプチドを産生する変異体または本明
細書に記載された他の変異体に対応するcDNAまたはゲノムクローンを単離す
るためのcDNAおよびゲノムDNAのためのハイブリダイゼーションプローブ
として有用である。変異体は、配列番号1または配列番号4に示されたポリペプ
チドが単離された同一組織および生物から、同一生物または異なる生物からの異
なる組織から単離できる。この方法は、発達上でコントロールされ、したがって
、生物の発達での異なる時点で同一組織または異なる組織中で発現できる遺伝子
およびcDNAを単離するのに有用である。
【0168】 該プローブは、該受容体をコードする全長遺伝子に沿ういずれかの配列に対応
できる。従って、それは、5'非コーディング領域、そのコード領域および3'非
コーディング領域から由来できる。しかしながら、プローブが本発明に先立って
既に記載された断片を包含しないであろうと理解される。
【0169】 該核酸プローブは、例えば、配列番号1または配列番号4の全長のcDNA、
またはヌクレオチドの長さが少なくとも10、12、15、30、50、100
、250または500であり、ストリンジェントな条件下にてmRNAまたはD
NAに特にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドのごとき断片で有
り得る。
【0170】 また、本明細書に記載されたポリヌクレオチドの断片は、本明細書に記載され
たより大きな断片または全長のポリヌクレオチドを合成するのに有用である。例
えば、断片は、mRNAのいずれかの部分にハイブリダイズでき、大きなまたは
全長のcDNAを生成できる。
【0171】 また、断片は、所望の長さおよび配列のアンチセンスの分子を合成するのに有
用である。 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体ポリヌクレオチドのいずれかの所定
の領域を増幅するためのPCR用のプライマーとして有用である。
【0172】 また、該受容体ポリヌクレオチドは、組換えのベクターを構築するのに有用で
ある。かかるベクターには、受容体ポリペプチドの一部分または全てを発現する
発現ベクトルが含まれる。また、ベクターには、受容体遺伝子および遺伝子産物
の発現をin situにて変更するために細胞のゲノムへのようにもう一つの
ポリヌクレオチド配列へ統合するために用いられる挿入ベクターが含まれる。例
えば、内因性受容体コード配列は、相同性の組換えによって、1以上の特定の導
入された突然変異をコード領域のすべてまたは一部分と取り替えることができる
【0173】 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体蛋白質の抗原部分を発現するのに有
用である。 また、受容体ポリヌクレオチドは、in situハイブリダイゼーション法
による受容体ポリヌクレオチドの染色体の位置を決定するためのプローブとして
有用である。 また、受容体ポリヌクレオチドプローブは、組織分布、例えば、遺伝子複製が
生じるか、および重複が組織の全てまたはサブセットのみに生じるかに関して、
受容体をコードする遺伝子およびそれらの変異体の位置のパターンを決定するの
に有用である。該遺伝子は、天然発生できるか、または細胞、組織または生物へ
外来性に導入できる。
【0174】 また、該受容体ポリヌクレオチドは、本明細書に記載されたポリヌクレオチド
をコードする遺伝子から生成されたmRNAの全てまたは一部分に対応するリボ
ザイムを設計するのに有用である。
【0175】 また、該受容体ポリヌクレオチドは、受容体のポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドの一部分または全てを発現する宿主細胞を構築するのに有用である。
【0176】 また、該受容体ポリヌクレオチドは、受容体のポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドのすべてまたは一部分を発現するトランスジェニック動物を構築するのに
有用である。これらの動物は、鬱血性心不全のごときGPCRに関連する障害の
ためのモデル系として有用である。次いで、心臓血管疾患のかかる動物モデルを
用いて、受容体遺伝子または遺伝子産物を介して、疾患の発生または進行に関す
るそれらの結果につき、化合物をテストできる。
【0177】 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体ポリペプチドの一部分または全てを
発現するベクターを作成するのに有用である。
【0178】 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体核酸発現のレベルを決定するための
ハイブリダイゼーション・プローブとして有用である。従って、プローブを用い
て、細胞、組織、および生物中の受容体核酸の存在を検出するか、またはそのレ
ベルを決定できる。そのレベルが決定される核酸は、DNAまたはRNAで有り
得る。従って、本明細書に記載されたポリペプチドに対応するプローブを用いて
、所与の細胞、組織または生物中の遺伝子・コピー数を評価できる。これは、受
容体遺伝子の増幅があった場合に特に意味がある。
【0179】 あるいは、該プローブをin situハイブリダイゼーション状況において
用いて、染色体外のエレメント上または受容体遺伝子が通常見つからない染色体
へ統合されるような、例えば、均質的染色領域に関して、受容体遺伝子の余分の
コピーの位置を評価できる。
【0180】 これらの用途は、標準的な結果に関連する受容体発現の増加または減少に関与
する障害の診断に重要である。 mRNAの検出のためのin vitro手法には、ノーザン・ハイブリダイ
ゼーションおよびin situハイブリダイゼーションが含まれる。DNAを
検出するin vitro手法には、サザーン・ハイブリダイゼーションおよび
in situハイブリダイゼーションが含まれる。
【0181】 プローブは、対象からの細胞試料中の受容体をコードする核酸、例えば、mR
NAまたはゲノムDNAのレベルを測定するか、または受容体遺伝子が突然変異
したたを決定することによってのような受容体蛋白質を発現する細胞または組織
を同定するための診断テストキットの一部として用いることができる。
【0182】 核酸発現アッセイは、受容体核酸発現を変調する化合物を同定するための薬物
スクリーニングにつき有用である。
【0183】 かくして、本発明は、受容体遺伝子の核酸発現と関連する疾患を治療するのに
用いることができる化合物を同定する方法を提供する。典型的には、該方法には
、受容体核酸の発現を変調するための化合物の能力をアッセイし、かくして、望
ましくない受容体核酸発現によって特徴付けられた疾患を治療するために用いる
ことができる化合物を同定することが含まれる。
【0184】 該アッセイは、細胞ベースの系および無細胞系で行うことができる。細胞ベー
スのアッセイには、受容体核酸を天然に発現する細胞または特定の核酸配列を発
現するように遺伝的に操作された組換え細胞が含まれる。
【0185】 あるいは、候補化合物は、患者またはトランスジェニック動物においてin
vivoにてアッセイできる。かくして、ヌクレオチド配列のレベルの増大また
は変化を生じる変異体受容体核酸をトランスジェニック動物に導入して、候補化
合物の標的として機能できる。突然変異は天然に発生できるか、または実験室で
創製できる。
【0186】 受容体核酸発現のアッセイは、mRNAレベルのごとき核酸レベルの、または
(環状AMPまたはホスファチジルイノシトール代謝回転のごとき)シグナルの
経路に関与する対応する化合物上の直接のアッセイを含み得る。さらに、受容体
蛋白質シグナル経路に応じて上昇または下降調節される遺伝子発現もアッセイで
きる。この具体例において、これらの遺伝子の制御領域は、ルシフェラーゼのご
ときリポーター遺伝子に操作可能に連結できる。
【0187】 かくして、受容体形質発現のモジュレーターは、細胞が候補化合物と接触し、
次いで、mRNAの発現が決定される方法において同定できる。候補化合物の存
在下の受容体mRNAの発現レベルは、候補化合物の不存在下の受容体mRNA
の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、この比較に基づいた核酸発
現のモジュレーターと同定でき、それを用いて、例えば、異常型の核酸発現によ
って特徴付けられた疾患を治療できる。mRNAの発現が、候補化合物の存在下
にてその不存在下よりも統計学的に有意に大きい場合、候補化合物は、核酸発現
の刺激因子であると同定される。核酸発現が、候補化合物の存在下にてその不存
在下よりも統計学的に有意に小さい場合、候補化合物は、核酸発現の阻害剤であ
ると同定される。
【0188】 従って、本発明は、薬物スクリーニングによって、受容体核酸発現を変調する
遺伝子モジュレーターと同定された化合物を用いて、標的としての核酸を用いる
治療の方法を供給する。変調には、上昇調節(すなわち、活性化または苦闘)ま
たは下降調節(抑制または対抗)または核酸発現のいずれかが含まれる。
【0189】 あるいは、受容体核酸発現のためのモジュレーターは、薬物または小さな分子
が受容体核酸発現を阻害する限り本明細書に記載されたスクリーニングアッセイ
方法を用いて同定された小さな分子または薬物で有り得る。
【0190】 また、受容体ポリヌクレオチドは、臨床試験中または治療中の受容体遺伝子の
発現または活性に関して化合物を変調する有効性をモニターするのに有用である
。かくして、遺伝子発現パターンは、該化合物、特に患者が抵抗性を発生できる
化合物で、治療の持続的な有効性のバロメーターとして機能できる。また、遺伝
子発現パターンは、化合物に対する影響を受けた細胞の生理的な応答を示す標識
として機能できる。従って、かかるモニタリングは、該化合物の投与の増加また
は患者が抵抗するようになっていない代替化合物の投与のいずれかを可能とする
であろう。同様に、核酸発現のレベルが望ましいレベルより下降するならば、化
合物の投与は等しく減少できる。
【0191】 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体核酸の定性的な変化につき、および
特に病理に導く定性的な変化における診断アッセイ方法において有用である。ポ
リヌクレオチドを用いて、mRNAのごとき受容体遺伝子および遺伝子発現産物
の突然変異を検出できる。該ポリヌクレオチドをハイブリダイゼーションプロー
ブとして用いて、該受容体遺伝子の天然発生する遺伝子突然変異を検出でき、そ
れによって、突然変異を持つ対象が、突然変異によって生じる障害の危険性があ
るかを決定できる。突然変異には、該遺伝子中の1以上のヌクレオチドの欠失、
付加または置換、逆位または転位のごとき染色体の再配列、異常型のメチル化パ
ターンのごときゲノムDNAの修飾または増幅のごとき遺伝子コピー数の変化が
含まれる。疾患が受容体蛋白質の過剰発現、低発現または発現の変更に起因する
場合、機能不全と関連した受容体遺伝子の突然変異した形態の検出は、活性な疾
患のためのまたは疾患に感受性の診断ツールを提供する。
【0192】 該受容体遺伝子中の突然変異を運ぶ個体は、様々な手法によって核酸レベルに
て検出可能である。ゲノムDNAは直接的に分析できるか、または分析に先立っ
てPCRを用いて増幅できる。RNAまたはcDNAは同一方法で使用できる。
【0193】 ある種の具体例において、突然変異の検出は、アンカーPCRまたはRACE P
CRのごときポリメラーゼ鎖反応(PCR)(例えば、米国特許番号第4,68
3,195号および第4,683,202号参照)または別法として連結反応鎖反
応(LCR)(例えば、Landegranら, Science 241:1077〜1080(
1988);およびNakazawaら, PNAS 91:360〜364(1994)))
におけるにプローブ/プライマーの使用が含まれ、その後者は、遺伝子の点突然
変異に特に有用である。この方法は、患者から細胞試料を集め、該試料の細胞か
ら核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたは双方)を単離し、核酸試料と、(もし
存在するならば)遺伝子のハイブリダイゼーションおよび増幅を生じるような条
件下にて遺伝子と特異的にハイブリダイズする1以上のプライマーとを接触させ
、次いで、増幅産物の存在または不存在を検出するか、あるいは対照試料に対し
て長さを比較することを含む。欠失および挿入は、標準の遺伝子型と比較した増
幅産物のサイズの変化によって検出できる。点突然変異は、標準的RNAまたは
アンチセンスのDNA配列に増幅されたDNAをハイブリダイズすることによっ
て同定できる。
【0194】 あるいは、受容体遺伝子中の突然変異は、例えば、ゲル電気泳動法によって決
定された制限酵素消化パターンの変調によって直接的に同定できる。
【0195】 さらに、配列特異的なリボザイム(米国特許第5,498,531号)を用いて
、リボザイム切断部位の発生または喪失による特定の突然変異の存在につきスコ
アできる。
【0196】 完全に対合した配列は、核酸分解酵素卵割消化アッセイ、または融解温度の差
によるミスマッチ配列とは区別できる。 また、特定の位置での配列変化は、RNaseおよびS1保護のごとき核酸分解酵素
保護アッセイまたは化学的切断法によって評価できる。
【0197】 さらに、突然変異体受容体遺伝子および野生型遺伝子の間の配列差は、直接的
DNA塩基配列決定により決定できる。様々な自動配列決定手順は、質量分析法
による配列決定を含めた診断的アッセイ方法((1995)Biotechniques 19
:448)を行う場合に利用できる(PCT国際公番号WO94/16101;
Cohenら, Adv. Chromatogr. 36:127〜162(1996);および Griff
inら, Appl. Biochem. Biotechnol. 38:147〜159(1993)参照)
【0198】 遺伝子の突然変異を発見する他の方法には、切断剤からの保護を用いて、RN
A/RNAまたはRNA/DNAデュプレックス中のミスマッチ塩基を検出する
方法(Myersら, Science 230:1242(1985));Cottonら、PNAS 8
5:4397(1988);Saleebaら、Meth. Enzymol. 217:286〜29
5(1992)、突然変異体および野生型核酸の電気泳動度が比較される方法(
Oritaら, PNAS 86:2766(1989);Cottonら, Mutat. Res. 285:
125〜144(1993);および Hayashiら, Genet. Anal. Tech. Appl.
9:73〜79(1992))および変性剤の勾配を含むポリアクリルアミドゲ
ル中の変異体または野生型断片の移動を変性勾配ゲル電気泳動を用いてアッセイ
する方法((Myersら, Nature 313:495(1985))が含まれる。点突
然変異を検出するための他の手法の例には、選択的なオリゴヌクレオチドハイブ
リダイゼーション、選択的な増幅および選択的なプライマー伸長が含まれる。
【0199】 また、受容体ポリヌクレオチドは、必ずしも疾患を引き起こさないが、しかし
ながら治療様相に影響する遺伝子型に関して個体をテストするのに有用である。
かくして、ポリヌクレオチドを用いて、個体の遺伝子型と、治療のために用いら
れた化合物に対する個体の応答との関係(ファルマコゲノミックな関係)を研究
できる。現在の場合では、例えば、リガンドへの変更された親和性に起因する受
容体遺伝子中の突然変異の結果、受容体を活性化するリガンドの標準的な濃度で
薬物効果を過度とするか減少させる。従って、本明細書に記載された受容体ポリ
ヌクレオチドを用いて、治療に適当な化合物または投与法を選択するために個体
の受容体遺伝子の突然変異容量を評価できる。
【0200】 かくして、治療に影響する遺伝変異を示すポリヌクレオチドは、個体に治療を
調整するために使用できる診断的な標的を提供する。従って、これらの多型性を
含む組換え細胞および動物の産生は、治療化合物および投与法の有効な臨床的な
設計を可能とする。
【0201】 また、該配列が、個々の染色体で、および染色体上の特定の位置に同定される
場合、該受容体ポリヌクレオチドは染色体の同定に有用である。第一に、DNA
配列は、in situまたは他の染色体特異的ハイブリダイゼーションによっ
て染色体に適合する。また、配列は、所望の種からの個々の染色体が含まれる体
細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに用いることができるPCRプライマ
ーを調製することによって、特定の染色体に関連付けできる。そのプライマーに
相同性のある遺伝子を含む染色体が含まれるハイブリッドだけが、増幅された断
片を与えるであろう。サブ局在化は、染色体の断片を用いて達成できる。他の戦
略には、標識されたフローに選別された染色体での前スクリーニングおよび染色
体に特異的なライブラリーへのハイブリダイゼーションによる事前選択が含まれ
る。さらなるマッピング戦略は、伝統的に用いられたものより短いプローブとの
ハイブリダイゼーションを可能とする螢光in situハイブリダイゼーショ
ンが含まれる。染色体マッピング用試薬を個々に用いて、単一染色体または染色
体上の単一部位をマークでき、または複数の部位および/または複数の染色体を
マークするために試薬のパネルを用いることができる。遺伝子のコード化しない
領域に対応する試薬は、マッピング目的のために実際に好まれる。コード配列は
、遺伝子族内で保存されているようであり、かくして、染色体のマッピング中の
クロスハイブリダイゼーションの機会が増加する。
【0202】 また、該受容体ポリヌクレオチドを用いて、小さな生物学的試料から個体を同
定できる。これは、例えば、個体を同定するために制限断片長多型性(RFLP)を
用いて行われ得る。かくして、本明細書に記載されたポリヌクレオチドは、RFLP
のためのDNA標識として有用である(米国特許第5,272,057号参照)。
【0203】 さらに、受容体配列を用いて、個体のゲノム中の選択された断片の実際のDN
A配列を決定する代替法を提供できる。かくして、本明細書に記載された受容体
配列を用いて、5'および3'末端配列からの2つのPCRプライマーを調製でき
る。次いで、これらのプライマーを用いて、順次配列決定のための個体からDN
Aを増幅できる。
【0204】 この方法で調製された個体からの対応するDNA配列のパネルは、各個体がか
かるDNA配列のユニークなセットを有するように、ユニークな個体同定を提供
できる。ヒトにおける対立遺伝子の変異は、各500塩基当り約1の頻度で発生
する。対立遺伝子の変異は、これらの配列のコード領域中である程度で、および
コード化しない領域ではより大きな程度で発生する。受容体配列を用いて、個体
および組織からかかる同定配列を得ることができる。該配列は、ヒトゲノムのユ
ニークな断片を表わす。本明細書に記載された各配列は、ある程度まで、個体か
らのDNAが同定目的のために比較できる標準として用いることができる。
【0205】 配列からの試薬のパネルを用いて、個体につきユニークな同定データ・ベース
を生成できるならば、それらの同一試薬をその後に用いて、その個体からの組織
を同定できる。ユニークな同定データ・ベースを用いると、生きているか死亡し
た個体のポジティブな同定は、非常に小さな組織試料でなすことができる。
【0206】 また、受容体ポリヌクレオチドは、法廷上の同定手順に用いることもできる。
PCR技術を用いて、単一の毛嚢、体液(例えば、血液、だ液または精液)のご
とき非常に小さな生物学的試料から得られたDNA配列を増幅できる。次いで、
増幅された配列は、試料の起源の同定を可能とする標準と比較できる。
【0207】 かくして、受容体ポリヌクレオチドを用いて、ポリヌクレオチド試薬、例えば
、ヒトゲノム中の特定の座を標的とされたPCR プライマーを提供でき、それ
は、例えば、もう一つの「同定標識」(すなわち、特定の個体にユニークである
もう一つのDNA配列)を提供してDNAベースの法廷上の同定の信頼性を高め
ることができる。前記の実際の塩基配列情報は、制限酵素によって形成されたパ
ターンの正確な代替物として同定に用いることができる。より大きな多型性がコ
ード化しない領域内で生じるので、非コーディング領域を標的とした配列は特に
有用であり、この手法を用いて、個体を識別することをより容易にする。断片は
少なくとも10個の塩基である。
【0208】 受容体ポリヌクレオチドは、さらに、ポリヌクレオチド試薬、例えば、特定の
組織を同定するためのin situハイブリダイゼーション手法に用いること
ができる標識されたまたは標識可能なプローブを提供できる。これは、未知の起
源の組織を持って法廷上の病理学者が出席する場合に有用である。受容体プロー
ブのパネルを用いて、種によって、および/または臓器タイプによって組織を同
定できる。
【0209】 同様に、これらのプライマーおよびプローブを用いて、汚染につき組織培養物
をスクリーニングできる(すなわち、培養中の異なるタイプの細胞の混合物の存
在のためのスクリーニング)。
【0210】 あるいは、受容体ポリヌクレオチドを直接的に用いて、アンチセンスまたはリ
ボザイム構築体により受容体遺伝子配列の転写または翻訳をブロックできる。か
くして、心筋細胞肥大に関連した心臓血管疾患の場合のように、異常に高いかま
たは不適当な受容体遺伝子発現によって特徴付けられた疾患において、核酸は直
接的に治療のために使用できる。
【0211】 かくして、受容体ポリヌクレオチドは、細胞、組織および生物の受容体遺伝子
発現をコントロールするためにアンチセンス構築体として有用である。DNAの
アンチセンスのポリヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に相補的であ
るように設計され、転写、かくして、受容体例えばの産生を防止する。アンチセ
ンスRNAまたはDNAのポリヌクレオチドは、mRNAにハイブリダイズさせ
、かくして、mRNAの受容体蛋白質への翻訳をブロックするであろう。
【0212】 核酸発現を阻害するのに有用なアンチセンスの分子の例は、開始コドンが含ま
れる配列番号2または配列番号5の5'非翻訳領域の断片に相補的なアンチセン
ス分子、および配列番号2または配列番号5の3'非翻訳領域領域の断片に相補
的なアンチセンスの分子が含まれる。
【0213】 あるいは、アンチセンスの分子のクラスを用いて、受容体核酸の発現を減少さ
せるためにmRNAを不活性化できる。従って、これらの分子は、異常かまたは
望ましくない受容体核酸発現によって特徴付けられた疾患を治療できる。この手
法は、翻訳されるべきmRNAの能力を減少させるmRNA中の1以上の領域に
相補的なヌクレオチド配列を含むリボザイムによる切断が含まれる。可能な領域
は、リガンド結合のごとき受容体蛋白質の触媒的および他の機能的な活性に対応
するコード領域および特定のコード領域が含まれる。
【0214】 また、受容体ポリヌクレオチドは、受容体遺伝子発現において異常型である細
胞を含む患者の遺伝子治療用のベクターを供給する。かくして、組換え細胞は、
ex vivoにて作成され、患者に戻された患者の細胞を含むが、それを細胞
が所望の受容体蛋白質を産生して、個体を治療する場合の個体に導入される。
【0215】 また、本発明は、生物学的試料の受容体核酸の存在を検出するためのキットを
含む。例えば、キットは、生物学的試料中の受容体蛋白質を検出できる標識され
たか標識できる核酸または薬剤のごとき試薬;該試料中の受容体蛋白質の量を測
定する手段;および該試料中の受容体蛋白質の量と標準を比較する手段を含み得
る。化合物または薬剤は、適当な容器で包むことができる。該キットは、受容体
mRNAまたはDNAを検出するためのキットを使用するための説明書をさらに
含むことができる。
【0216】ベクター/宿主細胞 また、本発明は、受容体ポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。「ベク
ター」なる用語は、受容体ポリヌクレオチドを輸送できるビヒクル、特に核酸分
子をいう。ベクターが核酸分子である場合、受容体ポリヌクレオチドは、ベクタ
ーの核酸に共有結合する。本発明のこの態様において、ベクターには、プラズミ
ッド、一本鎖または二本鎖のファージ、一本鎖または二本鎖のRNAまたはDN
AウイルスベクターまたはBAC、PAC、YAC、またはMACのごとき人工染色が含まれ
る。
【0217】 ベクターは、それが受容体ポリヌクレオチドの付加的コピーを転写し、生成す
る場合、ベクターは、染色体外エレメントとして宿主細胞中に維持できる。ある
いは、ベクターは、宿主細胞ゲノムへ統合でき、宿主細胞が複製される場合、受
容体ポリヌクレオチドの付加的コピーを生じ得る。
【0218】 本発明は、受容体ポリヌクレオチドの維持のためのベクター(クローニングベ
クター)または発現のためのベクター(発現ベクター)を提供する。ベクターは
、原核生物または真核細胞中、または双方(シャトルベクター)において機能で
きる。
【0219】 発現ベクターは、ポリヌクレオチドの転写が宿主細胞において可能となるよう
に、ベクターにおいて受容体ポリヌクレオチドに操作可能に連結するシス作用の
制御領域が含まれる。ポリヌクレオチドは、転写に影響できる別々のポリヌクレ
オチドと共に宿主細胞に導入できる。かくして、第2のポリヌクレオチドは、ベ
クターからの受容体ポリヌクレオチドの転写を可能とするシス調節制御領域と相
互作用するトランス作用因子を提供できる。あるいは、トランス作用因子は宿主
細胞によって供給されてもよい。最後に、トランス作用因子は、ベクター自体か
ら生じ得る。
【0220】 しかしながら、いくつかの具体例において、受容体ポリヌクレオチドの転写お
よび/または翻訳は無細胞系に生じ得ると理解される。
【0221】 本明細書に記載されたポリヌクレオチドが操作可能に連結できる調節配列には
、mRNA転写を指令するためのプロモーターが含まれる。これらには、限定さ
れるものではないが、E. coliからのバクテリオファージλ、lac、TRPおよびTAC
プロモーターからの左側プロモーター、SV40からの初期および後期のプロモ
ーター、CMV即時型プロモーター、アデノウイルスの初期および後期のプロモ
ーター、およびレトロウィルスの長い末端反復配列が含まれる。
【0222】 転写を促進する制御領域に加えて、発現ベクターは、リプレッサー結合部位お
よびエンハンサーのごとき転写を変調する領域を含み得る。例には、SV40エ
ンハンサー、サイトメガロウイルス即時型初期エンハンサー、ポリオーマウイル
ス・エンハンサー、アデノウイルス・エンハンサーおよびレトロウィルスLTR・
エンハンサーが含まれる。
【0223】 また、転写開始および制御のための部位を含むのに加えて、発現ベクターは、
転写終了に必要な配列および転写された領域において、翻訳用のリボソーム結合
部位を含むことができる。発現のための他の調節制御エレメントは、開始および
終止コードンならびにポリアデニル化シグナルを含む。当業者ならば、発現ベク
ターに有用な多数の調節配列を承知しているであろう。かかる調節配列は、例え
ば、Sambrookら, Molecular Cloning:A Laboratory Manual. 第2版, Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY,(1989)に記載さ
れている。
【0224】 様々な発現ベクターを用いて、受容体ポリヌクレオチドを発現できる。かかる
ベクターには、染色体の、エピソームのおよびウイルス由来のベクター、例えば
、細菌性プラスミドから、バクテリオファージから、酵母エピソームから、酵母
人工染色体を含めた酵母染色体エレメントから、バキュロウイルス、SV40の
ごときパポバウィルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、ポックスウィル
ス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウィルスのごときウイルスから由来するベ
クターが含まれる。また、ベクターは、プラスミドおよびバクテリオファージ遺
伝子エレメントから由来するもの、例えば、コスミドおよびファージミドの組合
せから由来できる。原核生物および真核生物の宿主のための適当なクローニング
および発現ベクターは、Sambrookら, Molecular Cloning:A Laboratory Manual
. 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY,(
1989)に記載されている。
【0225】 調節配列は、1以上の宿主細胞(すなわち、組織特異的)中の構成的発現を提
供でき、温度、栄養素添加物またはホルモンもしくは他のリガンドのごとき外来
性栄養素によってのごとき、1以上の細胞タイプ中の誘導的発現につき提供でき
る。原核生物および真核生物の宿主における構成的および誘導的な発現につき提
供する様々なベクターは、当業者にはよく知られている。
【0226】 一つの特に開示された具体例において、受容体遺伝子の発現は、心筋細胞に特
定の発現を可能とするアルファ−MHCプロモーターにコントロールされる。こ
のプロモーターは、それがこれらの細胞に特に発現される間に心筋細胞において
特に誘導可能なように、さらに修飾できる。
【0227】 受容体ポリヌクレオチドは、よく知られた方法によってベクター核酸に挿入で
きる。通常、最終的に発現されるDNA配列は、1以上の制限酵素で、DNA配
列および発現ベクターを切断し、次に、断片を一緒に連結反応させることによっ
て発現ベクターに結合する。制限酵素の消化および連結反応のための手順は、当
業者によく知られている。
【0228】 適当なポリヌクレオチドを含むベクターは、よく知られた手法を用いて増殖ま
たは発現のための適当な宿主細胞に導入できる。細菌細胞には、限定されるもの
ではないが、E. coli、StreptomycesおよびSalmonella typhimuriumが含まれる
。真核細胞には、限定されるものではないが、酵母、Drosophilaのごとき昆虫細
胞、COS、HEK 293およびCHO細胞のごとき動物細胞および植物細胞が含まれる
。確立された細胞系のいずれかまたは確立できるいずれかは、受容体ポリヌクレ
オチドの長期の組換え発現を生成するのに有用であると理解される。しかしなが
ら、いくつかの具体例において、非株化細胞中の組換えの発現を同様に得ること
は有用である。
【0229】 本明細書に記載されるごとく、融合蛋白質としてポリペプチドを発現させるこ
とは望ましいであろう。従って、本発明は、受容体ポリペプチドの産生を可能と
する融合ベクターを提供する。融合ベクターは、例えば、組換えの蛋白質の発現
を増加させ、組換えの蛋白質の溶解度を増加させ、また、アフィニティー精製用
のリガンドとして作用させることによる蛋白質の精製を援助できる。所望のポリ
ペプチドが融合部位から最終的に単離できるように、蛋白質分解の切断部位は融
合部位の連結部にて導入できる。蛋白分解酵素には、限定されるものではないが
、因子Xa、トロンビンおよびエンテロキナーゼが含まれる。典型的な融合発現ベ
クターには、標的組換え蛋白質に、各々、グルタチオンS−トランスフェラーゼ
(GST)、マルトースE結合蛋白質、またはプロテインAを融合させるpGEX(
smithら、Gene 67:31−34(1988))、pMAL(New England Biolabs
, Beverly, MA)およびpRIT5(Pharmacia, Piscataway, NJ)が含まれる。適当
な誘導的非融合E. coli発現ベクターの例には、pTrc(Amannら, Gene 69:3
01〜305(1988))およびpET 11d(Studierら, Gene Epression Te
chnology:Methods in Enzymology 185:60〜89(1990))が含まれ
る。
【0230】 組換え蛋白質発現は、宿主細胞は組換え蛋白質を酵素的に切断する能力の障害
を有する遺伝的背景を供給することによって宿主細菌において最大化できる、(
Gottesman, S., Gene Expression Technology;Methods in Enzymology 185,
Academic Press, San Diego, California(1990)119〜128)。ある
いは、注目するポリヌクレオチドの配列を変更して、特定の宿主細胞、例えば、
E. coli. に優先的なコドン使用を提供できる(Wadaraら, Nucleic Acids Res.
20:2111〜2118(1992))。
【0231】 また、受容体ポリヌクレオチドは、酵母において操作可能である発現ベクター
によって発現できる。酵母、例えば、S.cerevisiae中の発現用ベクターの例には
、pYepSecl(Baldariら, EMBO J. 6:229〜234(1987))、pMFa(K
urjanら, Cell 30:933〜943(1982))、pJRY88(Schultzら, G
ene 54:113〜123(1987))およびpYES2(Invitrogen Corpratio
n, San Diego, CA)が含まれる。
【0232】 また、受容体ポリヌクレオチドは、例えば、酵母においてバキュロウイルス発
現ベクターを用いて昆虫細胞中で発現できる。培養された昆虫細胞(例えば、Sf
9細胞)の蛋白質発現に入手可能なバキュロウイルス発現ベクターには、pAc系
(SmithらMol. Cell Biol.3:2156〜2165(1983))およびpVL系
(Lucklowら, Virology 170:31〜39(1989))が含まれる。
【0233】 本発明のある具体例において、本明細書に記載されたポリヌクレオチドは、哺
乳類発現ベクターを用いて、哺乳類細胞中で発現される。哺乳類発現ベクターの
例には、pCDM8(Seed, B., Nature 329:840(1987))およびpMT2
PC(Kaufinanら, EMBO J. 6:187〜195(1987))が含まれる。
【0234】 本明細書にリストされた発現ベクターは、受容体ポリヌクレオチドを発現する
のに有用であろう当業者に入手可能なよく知られたベクターだけの例として提供
される。当業者ならば、本明細書に記載されたポリヌクレオチドの維持増殖また
は発現に適当な他のベクターを承知しているであろう。これらは、例えば、Samb
rook, J., Fritsh, E. F., およびManiatis, T. Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual. 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor La
boratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に見出される。
【0235】 また、本発明には、本明細書に記載された核酸配列が逆配向のベクターにクロ
ーニングされるが、アンチセンスRNAの転写を可能とする調節配列に操作可能
に結合するベクターも含まれる。かくして、アンチセンス転写は、コード配列お
よび非コード配列領域の両者を含めた本明細書に記載されたポリヌクレオチド配
列の全てまたは一部分に生じ得る。このアンチセンスRNAの発現は、センスRN
Aの発現に関係する前記の各パラメーター(調節配列、構成的または誘導的発現
、組織特異的発現)に付される。
【0236】 また、本発明は、本明細書に記載されたベクターを含む組換え宿主細胞に関す
る。したがって、宿主細胞には、原核細胞、酵母のごとき下等真核細胞、昆虫細
胞のごとき他の真核細胞、および哺乳類細胞のごときより高等真核細胞が含まれ
る。
【0237】 好ましい具体例において、組換え細胞は心筋細胞である。これらは、心筋細胞
の肥大を含む心臓血管疾患を有しているが、あるいはその素因があるヒトまたは
他の動物に由来できる。かくして、心筋細胞は、肥大の様々な段階を含めた発現
型的に正常かまたは病的であり得る。かかる組換え細胞は、トランスジェニック
動物に由来できるか、またはin vitroの細胞培養から作成でき、使用で
きおよび由来できる。さらに、心筋細胞は、正常であるが、受容体RNAまたは
蛋白質を過剰発現するか、あるいは変異体受容体のRNAまたは蛋白質を発現す
るベクターを含むように構築できる。
【0238】 哺乳類細胞には、細胞機能上の所与の突然変異の効果を確認するための細胞テ
スト系、所与の突然変異の機能、トランスジェニック動物または冒された患者の
ごとき対象への導入用のex vivoの組換え細胞を作成する所与の突然変異
を含む細胞に対する効果につき化合物を試験することが含まれる。一つの具体例
において、細胞が、心臓血管疾患または心臓血管疾患の発生に関係することが知
られている対象または組織に由来する。細胞は、限定されるものではないが、心
筋細胞および特に肥大性の心筋細胞、心臓の他の細胞、骨格筋、胸腺、子宮およ
び前立腺からの細胞が含まれる。さらに、テスト系に適当な細胞は、胎児の脳お
よび胎盤ならびにCOS、HEK−293およびCHO細胞のごとき樹立細胞系を含み得
る。
【0239】 組換え宿主細胞は、当業者に容易に利用可能な技術によって、本明細書に記載
されたベクター構築体を細胞に導入することにより調製される。これらには、限
定されるものではないが、リン酸カルシウム・トランスフェクション、DEAEデキ
ストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション
、電気穿孔、導入、感染、リポフェクション、およびSambrookら(Molecular Cl
oning:A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Co
ld Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989)に
見出されるごときものが含まれる。
【0240】 宿主細胞は1を超えるベクターを含むことができる。かくして、異なるヌクレ
オチド配列は、同一細胞の異なるベクターに導入できる。同様に、受容体ポリヌ
クレオチドは、単独で、または発現ベクターにトランス作用因子を提供するもの
のごとき受容体ポリヌクレオチドと関連しない他のポリヌクレオチドと共にのい
ずれでも導入できる。1を超えるベクターは細胞に導入される場合、ベクターは
独立して導入できるか、共同導入できるか、まるいは受容体ポリヌクレオチド・
ベクターに結合できる。
【0241】 バクテリオファージおよびウイルスのベクターの場合には、これらは、感染お
よび導入のための標準的手順によってパッケージされるかまたは封入されたウイ
ルスとして細胞内に導入できる。ウイルス・ベクターは、複製コンピテントまた
は複製欠損性で有り得る。ウイルスの複製が不完全な場合において、複製が、欠
損症を補足する機能を提供する宿主細胞において生じるだろう。
【0242】 ベクターは、通常、組換えベクター構築体を含む細胞のサブ集団の選択を可能
とする選択可能なマーカーを含む。該マーカーは、本明細書に記載されたポリヌ
クレオチドを含むか、または別々のベクター上に存在できる同一ベクター中に含
まれ得る。マーカーには、原核生物の宿主細胞用のテトラサイクリンまたはアン
ピシリン耐性遺伝子および真核生物の宿主細胞用のジヒドロ葉還元酵素またはネ
オマイシン耐性が含まれる。しかしながら、発現型特性に選択を供給するいずれ
のマーカーも有効であろう。
【0243】 適当な調節配列の制御下にて、細菌、酵母、哺乳類の細胞および他の細胞にお
いて成熟した蛋白質をできるが、無細胞転写および翻訳系は、本明細書に記載さ
れたDNA構築体に由来したRNAを用いるこれらの蛋白質を産生ために用いる
こともできる。
【0244】 ポリペプチドの分泌が望ましい場合、適当な分泌シグナルがベクターに組込ま
れる。シグナル配列は、受容体ポリペプチドに内因性であるか、またはこれらの
ポリペプチドにヘテロローガスであり得る。
【0245】 該ポリペプチドが媒体に分泌されない場合、蛋白質は、凍結解凍、音波処理、
機械的粉砕、溶解剤の使用等を含めた標準的な粉砕手順によって宿主細胞から単
離できる。次いで、ポリペプチドは、硫安沈澱、酸抽出、アニオン性またはカチ
オン性の交換クロマトグラフィー、ホスホセルロース・クロマトグラフィー、疎
水的相互作用クロマトグラフィー、アフィニティー・クロマトグラフィー、ヒド
ロキシルアパタイト・クロマトグラフィー、レクチン・クロマトグラフィーまた
は高速液体クロマトグラフィーを含めたよく知られた精製法によって回収および
精製できる。
【0246】 本明細書に記載されたポリペプチドの組換え産生における宿主細胞に依存して
、ポリペプチドは、細胞に依存して、様々なグリコシル化パターンを有すること
ができるか、あるいは細菌中で産生された場合は非グリコシル化であろうと理解
される。加えて、該ポリペプチドは、宿主媒介プロセスの結果としていくらかの
場合に初期の修飾されたメチオニンが含まれ得る。
【0247】ベクターおよび宿主細胞の使用 心臓血管疾患における特定の用途 本明細書に記載された核酸およびポリペプチドを発現する宿主細胞、特に組換
えの宿主細胞は、心臓血管疾患の状況下様々な用途を有する。ベクターおよび宿
主細胞は、細胞の発現型に対する所与の突然変異の効果を確認するための細胞テ
スト系を提供する。所望の突然変異体は、所与の宿主細胞へ導入され、次いで、
アッセイは、生化学的、形態学的、機能的な変化を含めた細胞の変化、遺伝子発
現等つき行われる。もう一つの具体例において、所望の突然変異体は、所与の宿
主細胞に導入され、次いで、突然変異の機能をアッセイできる。もう一つの具体
例において、所望の突然変異体が所望の宿主細胞へ導入され、次いで化合物は、
遺伝子発現、細胞の変化等に対するその効果につきテストされる。さらなる具体
例において、細胞がトランスジェニック動物または罹患している個体のごときそ
の宿主に戻し導入できるように、所望の突然変異体はex vivoにて細胞へ
導入される。さらなる具体例において、所望の突然変異体を宿主細胞へ導入して
、トランスジェニック宿主を調製する。従って、好ましい細胞は、鬱血性心不全
の対象または該疾患を発生する危険性のある対象、または心臓血管疾患に関与す
ることが知られている組織に由来する。細胞には、限定されるものではないが、
心筋細胞、特に肥大性の心筋細胞、ならびに心臓および関連する血管の他細胞が
含まれる。後記のベクターおよび宿主細胞の一般的な使用も、心臓血管疾患の状
況内にて、このタイプの障害に適当な細胞タイプに適用するとさらに理解される
【0248】ベクターおよび宿主細胞の一般的な用途 本明細書に記載さらたポリペプチドを発現する宿主細胞、特に、組換え宿主細
胞は、様々な用途を有する。第一に、細胞は、さらに精製して所望の量の受容体
蛋白質または断片を生成できる受容体蛋白質またはポリペプチドを生成するのに
有用である。かくして、発現ベクターを含む宿主細胞は、ポリペプチド産生に有
用である。
【0249】 また、宿主細胞は、受容体または受容体の断片を含む細胞ベースのアッセイを
行うのに有用である。かくして、天然の受容体を発現する組換え宿主細胞は、受
容体機能を刺激するか阻害する化合物のアッセイに有用である。これには、リガ
ンド結合、転写または翻訳のレベルの遺伝子発現、G蛋白質相互作用およびシグ
ナル変換経路の成分が含まれる。
【0250】 また、宿主細胞は、これらの機能が影響される受容体突然変異体を同定するの
に有用である。突然変異体が天然に生じて、病理を生じさせるならば、突然変異
を含む宿主細胞は、天然の受容体に対するそれらの効果によって示され得ない突
然変異体受容体に対する所望の効果(例えば、機能を刺激するか阻害する)を有
する化合物をアッセイするのに有用である。
【0251】 また、組換え宿主細胞は、本明細書に記載されたキメラのポリペプチドを発現
させて、異種構造のアミノ末端細胞外ドメイン(あるいは他の結合領域)により
活性化を活性とするかまたは抑制する化合物を評価するのに有用である。あるい
は、全膜貫通ドメイン(あるいはそれの一部分)にわたる異種構造の領域を用い
て、所定の宿主細胞上の所望のアミノ末端細胞外ドメイン(あるいは他の結合領
域)の効果を評価できる。この具体例において、特定の宿主細胞と互換性をもつ
全膜貫通ドメイン(あるいはそれの一部分)にわたる領域を用いて、キメラベク
ターが作成される。あるいは、細胞内の異種構造のカルボキシ末端、例えば、シ
グナル変換、領域は、宿主細胞に導入できる。
【0252】 さらに、突然変異体受容体は、1以上の様々な機能が増加または減少するよう
に作成され(例えば、リガンド結合またはG蛋白質結合)、個体の受容体蛋白質
を増大させるか、または交換するために用いられる。かくして、宿主細胞は、異
常型の受容体を交換し、または治療の結果を提供する異常型の受容体を提供する
ことによって治療的利益を提供できる。一つの具体例において、細胞は、異常に
活性である受容体を提供する。
【0253】 もう一つの具体例において、細胞は、異常に不活性な受容体を提供する。これ
らの受容体は、個体における内因性の受容体と競合できる。
【0254】 もう一つの具体例において、活性化できない受容体を発現する細胞は、リガン
ドにつき内因性の受容体と競合するために個体に導入される。例えば、過度のリ
ガンドが治療様相の一部である場合に、治療の特定の時点にてこのリガンドを不
活性化することが必要であり得る。リガンドにつき競合するが、受容体活性化に
よって影響できない細胞を提供することは有益だろう。
【0255】 また、相同組換体宿主細胞を生成でき、それは、宿主細胞ゲノム中の内因性の
受容体ポリヌクレオチド配列のin situの変更を可能とする。この技術は
、WO93/09222、WO91/12650およびU.S.5,641,670に
、より十分に記載されている。略言すると、受容体ポリヌクレオチドに対応する
特定のポリヌクレオチド配列または受容体遺伝子に近位または遠位の配列は、遺
伝子の発現に影響できる相同性の組換えによって宿主細胞ゲノムに統合すること
を可能とする。一つの具体例において、内因性の配列の発現を増加または減少さ
せるかのいずれかの発現調節配列を導入する。従って、受容体蛋白質は、それを
通常生成しない細胞において生成できるか、あるいは、受容体蛋白質の発現の増
加の結果、細胞は特定のレベルにて通常蛋白質を産生する。あるいは、全遺伝子
を欠失できる。さらにまた、特定の突然変異を遺伝子のいずれの所望の領域に導
入して、突然変異体受容体蛋白質を産生できる。かかる突然変異は、例えば、リ
ガンド結合部位またはG蛋白質結合部位のごとき特定の機能的な領域に導入でき
る。
【0256】 一つの具体例において、宿主細胞は、変更された受容体遺伝子を含むトランス
ジェニック動物を作成するために用いることができる受精させた卵母細胞または
胚幹細胞で有り得る。あるいは、宿主細胞は、細胞の特定のサブセットを生起す
る幹細胞または他の初期の組織前駆体で有り得、動物中のトランスジェニック組
織を生成するのに用いることができる。また、相同性組換ベクターの記載につい
てはThomasら, Cell 51:503(1987)参照。該ベクターは、(例えば
、電気穿孔によって)胚幹細胞系および細胞に導入され、ここに、導入された遺
伝子は相同性的に組換えられ、内因性の受容体遺伝子が選択される(例えば、Li
、E.ら、Cell 69:915(1992)参照)。次いで、選択された細胞は、
動物(例えば、マウス)の芽細胞に注入されて、集合キメラを形成する(例えば
、Bradley, A. の Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical
Approach, E. J. Robertson編,(IRL, Oxford, 1987)113〜152頁参
照)。次いで、キメラの胚は適当な偽妊娠雌養動物に移植し、胚を分娩させる。
それらの胚細胞中の相同性に組換えられたDNAが潜む子孫を用いて、動物を飼
育し、ここに、該動物の全細胞は、導入遺伝子の生殖系伝達によって動物の細胞
がすべて相同性に組換えされたDNAを含む。相同組換えベクターおよび相同組
換えの動物を構築する方法は、さらに、Bradley, A .(1991) Current Opi
nion in Biotechnology 2:823〜829 およびPCT国際公開番号WO9
0/11354;WO91/01140;およびWO93/04169に記載さ
れている。
【0257】 遺伝子的に作成された宿主細胞を用いて、非ヒト・トランスジェニック動物を
生成できる。トランスジェニック動物は、好ましくは、哺乳類、例えばラットま
たはマウスのごときげっ歯類であり、ここに、該動物の1以上の細胞は導入遺伝
子を含む。導入遺伝子は、トランスジェニック動物が発生し、トランスジェニッ
ク動物の1以上の細胞タイプまたは組織中で成熟した動物のゲノムを存続する細
胞のゲノムに統合される外来性DNAである。これらの動物は、受容体蛋白質の
機能を研究し、受容体蛋白質活性のモジュレーターを同定および評価するのに有
用である。
【0258】 トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類のヒツジ、イヌ、ウシ、
ヤギ、トリおよび両生動物が含まれる。
【0259】 一つの具体例において、宿主細胞は、受容体ポリヌクレオチド配列が導入され
た受精した卵母細胞または胚幹細胞である。
【0260】 トランスジェニック動物は、例えば、マイクロインジェクション、レトロウイ
ルス感染によって受精した卵母細胞のオスの前核に核酸を導入することにより生
成でき、次いで、卵母細胞が偽妊娠の雌に養育した動物を発生するのを可能とす
る。いずれの受容体ヌクレオチド配列も、マウスのごとき非ヒト動物のゲノムに
導入遺伝子として導入できる。
【0261】 発現ベクターにおいて有用な他の配列のいずれの調節配列または他の配列も、
トランスジェニック配列の一部分を形成できる。これには、既に含まれていない
ならば、イントロン配列およびポリアデニル化シグナルが含まれる。組織に特異
的な(複数の)調節配列は、特別の細胞に受容体蛋白質の発現を指令するために
導入遺伝子に操作可能に連結できる。
【0262】 例えば、胚操作およびマイクロインジェクションを介するトランスジェニック
動物、特に、マウスのごとき動物を生成する方法は、当該技術分野において通常
になっており、例えば、Lederらの米国特許第4,736,866号および第4,8
70,009号、Wagnerらによる米国特許第4,873,191号およびHogan, B
., Manipulating the Mouse Embryo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, N. Y. , 1986に記載されている。同様の方法は他のト
ランスジェニック動物の産生のために使用される。トランスジェニック確立動物
は、そのゲノム中の導入遺伝子の存在および/または動物の組織または細胞中の
トランスジェニックのmRNAの発現に基づいて同定できる。次いで、トランス
ジェニック確立動物は、導入遺伝子を運ぶさらなる動物を飼育するために使用で
きる。また、導入遺伝子を運ぶトランスジェニック動物は、さらに、他の導入遺
伝子を運ぶ他のトランスジェニック動物に生じるさせることができる。また、ト
ランスジェニック動物は、全動物または動物中の組織が本明細書に記載されたオ
ートローガスな組換え宿主細胞を用いて作成された動物が含まれる。
【0263】 もう一つの具体例において、導入遺伝子の変調された発現を可能とする選択さ
れた系が含まれるトランスジェニック非ヒト動物を作成できる。かかる系の一例
は、バクテリオファージPIのcre/loxPレコンビナーゼ系である。cre/loxPレコ
ンビナーゼ系の記載については、LaksoらPNAS 89:6232〜6236(19
92)参照。レコンビナーゼ系のもう一つの例は、S. cerevisiae FLPレコンビ
ナーゼ系である(O'Gormanら、Science 251:1351〜 1355(199
1))。cre/loxPレコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を変調するために用い
られるならば、Creレコンビナーゼおよび選択された蛋白質の双方をコードする
、導入遺伝子を含む動物が必要とされる。かかる動物は、「倍」トランスジェニ
ック動物の構築体、例えば、一方が選択された蛋白質をコードする導入遺伝子が
含まれ、他方がレコンビナーゼをコードする導入遺伝子が含まれる2つのトラン
スジェニック動物によってを通じて提供できる。
【0264】 また、本明細書に記載されたヒトでないトランスジェニック動物のクローンは
、Wilmut, I.らNature 385:810〜813(1997)およびPCT国際
公開番号WO97/07668および WO97/07669に記載された方法
により生成できる。略言すると、トランスジェニック動物からの細胞、例えば、
体細胞は単離でき、成長サイクルを出て、Go相に入るように誘導できる。次いで
、静止細胞は、例えば、電気的パルスを介して、静止性の細胞が単離されるのと
同一種の動物からの摘出された卵母細胞に融合できる。次いで、再構築された卵
母細胞は、桑実胚または胚盤胞に発展するように培養され、次いで、それを偽妊
娠の雌の養育した動物に移す。雌の養育した動物から生じた子は動物のクローン
であり、それから、細胞、例えば、体細胞が単離される。
【0265】 本明細書に記載されたポリペプチドを発現する組換え細胞を含むトランスジェ
ニック動物を用いて、in vivoの状況において本明細書に記載されたアッ
セイを行う。従って、in vivoにて存在し、リガンド結合、受容体活性化
およびシグナル変換を達成できた様々な生理的な因子は、in vitroの無
細胞または細胞ベースのアッセイからは明らかでないかもしれない。従って、リ
ガンド相互作用、受容体機能およびリガンド相互作用に対する特定の突然変異体
受容体の効果およびキメラの受容体の効果を含めたin vivoの受容体機能
をアッセイするために非ヒト・トランスジェニック動物を提供することは有用で
ある。また、実質的にまたは完全に1以上の受容体機能を欠失する突然変異であ
るヌル突然変異の効果を評価することは可能である。
【0266】医薬組成物 受容体核酸分子、蛋白質(特に、アミノ末端細胞外ドメインのごとき断片)、
蛋白質のモジュレーターおよび抗体(本明細書中で「活性な化合物」ともいう)
を対象、例えば、ヒトに投与するのに適当な医薬組成物に混合できる。かかる組
成は、典型的には、核酸分子、蛋白質、モジュレーターまたは抗体、および医薬
上許容できる担体を含む。
【0267】 本明細書に用いる「医薬上許容できる担体」なる用語とは、医薬投与に適合す
る全ての溶剤、分散媒体、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張性薬剤および吸
収遅延薬剤等を含むことを意図する。医薬上活性な物質についてのかかる媒体お
よび薬剤の使用は、当該技術分野においてよく知られている。あらゆる従来の媒
体または薬剤が活性化合物と適合する限りは、かかる媒体は本発明の組成に使用
できる。また、補足的な活性化合物を該組成物に混合できる。本発明の医薬組成
物は、その意図した投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例には
、非経口投与、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮的(
局所的)、口腔粘膜的、直腸の投与が含まれる。非経口、皮内、皮下の適用のた
めに用いられる溶液または懸濁液には、以下の成分を含むことができる: 注射用蒸留水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン
、プロピレングリコールまたは他の合成溶剤のごとき無菌の希釈剤;ベンジルア
ルコールまたはメチルパラベンのごとき抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水
素ナトリウムのごとき抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のごときキレート剤;
酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のごとき緩衝剤、および塩化ナトリウムまた
はデキストロースのごとき張性の調整剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウム
のごとき酸または塩基で調整できる。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック
で作成されたアンプル、使い捨ての注射器または複数用量バイアル中に入れるこ
とができる。
【0268】 注射可能な使用に適当な医薬組成物は、無菌の注射可能な溶液または分散剤の用
時調製のための無菌水溶液(水溶性の場合)、分散剤および無菌粉末が含まれる
。静脈内投与では、適当な担体には、生理食塩水、静菌性の水、Cremophor EL (BASF、Parsippany、NJ)あるいは燐酸塩緩衝生理食塩水(PBS)が含まれる
。全ての場合において、組成物は無菌でなくてはならず、容易な注射可能性が存
在する程度まで流動性であるべきである。それは製造および貯蔵の条件下にて安
定でなくてはならず、また細菌および真菌のごとき微生物の汚染作用に対して保
護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例え
ば、グリセロール、プロピレングリコール、流動性ポリエチレングリコール等)
および適当なその混合物を含めた溶媒または分散溶媒であり得る。適当な流動性
は、例えば、レシチンのごときコーティングを用いることによって、分散剤の場
合の必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持できる。
微生物作用の防止は、様々な抗菌性および抗真菌性の薬剤、例えば、パラベン、
クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成
できる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトールのごとき多
価アルコール、ソルビトール、塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。
注射可能な組成物の吸収の延長は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、
モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンを含ませることにより引き起こすこと
ができる。
【0269】 無菌の注射可能な溶液は、1または前記に列挙された成分の組合せで適当な溶
剤中の必要量の活性化合物(例えば、受容体蛋白質または抗受容体抗体)を混合
し、必要ならば濾過滅菌することにより調製できる、通常、分散剤は、基本的な
分散溶媒および前記に列挙されたものからの必要な他の成分が含まれる無菌賦形
剤に活性化合物を混合することにより調製される。無菌の注射可能の溶液の調製
のための無菌粉末の場合には、調製の好ましい方法は、真空乾燥し、凍結乾燥し
、その従前の滅菌濾過溶液から活性成分+いずれかの付加的に所望された成分の
粉末を得る。
【0270】 経口組成物には、通常、不活性の希釈剤または食用の担体が含まれる。それら
は、ゼラチン・カプセルに入れるか、または錠剤に圧縮されできる。経口投与で
は、薬剤は、胃から残存するために腸形態中に含有でき、または公知の方法によ
って、胃腸管の特定の領域で作動されるためにさらにコーティングでき混合でき
る。治療的な経口投与の目的では、活性化合物は賦形剤と混合し、錠剤、トロー
チまたはカプセルの形態にて用いることができる。また、経口組成物は、マウス
ウォシュとして用いるために流体担体を用いて調製でき、ここに、流動性の担体
中の化合物は経口的に適用され、ヒューと音を立て、吐き出すか、嚥下される。
医薬上適合可能な結合剤および/または補助物質は、組成物の一部として含むこ
とができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等は、以下の成分のいずれかまた
は同様の性質の化合物:微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン
のごとき結合剤;デンプンまたは乳糖のごとき賦形剤、アルギン酸、Primogelま
たはコーンスターチのごとき崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotes
のごとき滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のごとき滑剤(glidant);蔗糖また
はサッカリンのごとき甘味剤;あるいはハッカ、サリチル酸メチルまたはオレン
ジの調味料のごとき香料を含むことができる。
【0271】 吸入投与では、化合物は、適当な推進剤、例えば、二酸化炭素の気体、または
ネブライザーが含まれる加圧された容器またはディスペンサーまたは噴霧器から
エアゾルスプレーの形態で導出される。
【0272】 また、全身性の投与はさらに口腔粘膜的または経皮的な手段によることができ
る。口腔粘膜的または経皮的な投与では、浸透すべき障壁に適当な浸透剤が製剤
中に用いられる。かかる浸透剤は、当該技術分野において通常知られており、例
えば、口腔粘膜的投与では、洗浄剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が含まれ
る。口腔粘膜的投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用を通じて行うことができる
。経皮投与では、活性化合物は、当該技術分野において通常知られている軟膏剤
、膏薬 、ゲルまたはクリーム剤へ製剤化される。
【0273】 また、化合物は、坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのごとき
従来の坐剤基剤と共に)または直腸送達のための保持軟膏の形態にて調製できる
【0274】 一つの具体例において、活性化合物は、埋込剤およびマイクロカプセル化送達
システムを含めた放出制御製剤のごとき身体からの急速な消失に対して化合物を
保護する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリ
グリコール酸、コーラゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸のごとき生物分
解性の生物学的適合性ポリマーが使用できる。かかる製剤の調製方法は当業者に
は明らかである。また、物質は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals
, Incから商業上得ることができる。(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗
体を持つ感染細胞を標的としたリポソームを含めた)リポソーム懸濁液は、医薬
上許容される担体として用いることができる。これらは、例えば、米国特許第4
,522,811号にに記載されるごとき当業者に知られた方法により調製できる
【0275】 投与の容易さおよび用量の均一性のために投薬単位形態の経口または非経口的
な組成物を製剤化するのは特に有利である。本明細書に用いる「投薬単位形態」
とは、治療されるべき対象につき単一の用量として適当な物理的に別個の単位;
必要とされる医薬担体と組み合わせて所望の治療効果を生じるように計算された
活性化合物の予め決定された量を含有する各単位をいう。本発明の投薬単位形態
についての詳細は、活性化合物のユニークな特性および達成されるべき特定の治
療効果および個体の治療についての活性化合物のごとき混合の技術に備わった限
界によって影響され、また直接的に依存する。
【0276】 本発明の核酸分子は、ベクターに挿入でき、遺伝子治療ベクターとして用いる
ことができる。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特
許第5,328,470号)によって、またはstereotactic注射(例えば、Chenら
, PNAS 91:3054〜3057(1994))によって対象に送達できる。
遺伝子治療ベクターの医薬調製物には、許容される希釈剤中の遺伝子治療ベクタ
ーを含むことができ、スローリリースマトリックスを含むことができ、ここに、
遺伝子送達ビヒクルは埋め込まれる。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターは、
組換え細胞から完全に生じる、例えば、レトロウィルスベクターである場合、そ
の医薬調製物には、遺伝子送達システムを生じる1以上の細胞を含み得る。
【0277】 該医薬組成物には、投与のための説明書と一緒に、容器、包装またはディスペ
ンサーを含み得る。
【0278】 本発明は、多数の異なる形態において具体化され、本明細書に記載された具体
例の限定と解釈されるべきではなく;むしろ、これらの具体例はこの開示が当業
者ならば完全に本発明を伝達するであろうように提供される。本発明の多くの修
飾および他の具体例は、当業者の心に浮かび、それは本発明が先の記載における
教示の利益を有して関係すであろう。特定の用語が用いられるが、特記しない限
りはそれらは当該技術分野において使用されている。
【0279】 実施例1 さらに心臓肥大における新規なG蛋白質受容体の機能を調べるために、いくつ
かの独立したセットのトランスジェニック・マウスを作成し、ここに、該受容体
は、心筋細胞において特に過剰発現できた。発現構築体には、受容体コード配列
に操作可能に連結したアルファ−MHCプロモーターが含まれた。この心筋細胞
特異的なプロモーターは、当該技術分野においてよく特徴付けられている。また
、構築物が設計され、ここに、CMVプロモーターは、操作可能に連結された。
これらの実験結果は、新規な受容体遺伝子を特に過剰発現するトランスジェニッ
ク・マウスが心筋細胞肥大を発生することを示す。これらのうちの多数は心不全
で死亡した。
【0280】 C末端ペプチド(アミノ酸348〜361)、DTSVKRNDLSIISGに対して指向さ
れた抗体を用いて、野生型およびトランスジェニック(F1)マウスの受容体発
現を検出した。蛋白質は、対照およびトランスジェニック動物の心臓から抽出さ
れた。その結果は、C末端抗体が、トランスジェニック・マウスからの心臓蛋白
質抽出物中の蛋白質を同定でき、ここに、該受容体遺伝子は、アルファ−MHC
プロモーターから発現することを示した。対照的に、トランスジェニックでない
対照動物にはシグナルは検出されなかった。
【0281】 心臓−体重比は、受容体遺伝子産物の過剰発現によって影響を受けた動物にお
いて評価された。該比は、かなりの数の冒されたマウスにおいて著しく高かった
。該比は約1.5〜約2.7の範囲であった。また、冒されたマウスにおいて、遺
伝子の過剰発現が機敏さに有害に影響したことは注目された。さらに、病理学的
結果は、心房中の心室血栓症と同様に心房の拡張を示した。加えて、胸の浮腫お
よび呼吸困難が観察された。
【0282】 冒された動物からの心臓の組織病理学は、二心室の拡張、心筋細胞肥大、心房
性の血栓および間質性線維症を示した。
【0283】 実施例II 14273受容体は、in situハイブリダイゼーションによって理解さ
れるようにラット圧力過負荷モデルにおいて上昇調節されることが示された。該
モデルは、心臓肥大の状態を引き起こすために大動脈周囲に収縮性のバンドを配
置することにより作成された。受容体は、大動脈バンディングに続いて、22週
までにRNAレベルに引き起こされることが示された。発現におけるこの増大は
、肥大性の発現型と関連した。独立した結果は、2つの独立したマウスプローブ
で得られた。従って、受容体の発現は、比較としてバンドのなかった対照心臓を
用いて、大動脈バンディングの22週間後に集められた欠陥のある心臓に誘導さ
れる。
【0284】 切片(胎児では10μmおよび器官切片では8μm)は、DEPC処理された1X
リン酸緩衝生理食塩水中で2回、次いで0.1Mトリエタノールアミン−HCl
(pH8.0)中で1回濯いだ後、DEPCで処理された1X燐酸塩緩衝生理食塩水中
の4%のホルムアルデヒドで室温にて10分間固定した。10分間の0.25%
無水酢酸−0.1Mトリエタノールアミン−HCl中でインキュベーションに続い
て、切片は、DEPC処理された2X SSC(1X SSCは0.015Mクエン酸ナトリウム
+0.15M NaClである)で濯がれたにすすがれた。組織は一連のエタノー
ル洗浄によって脱水し、5分間100%のクロロホルム中でインキュベートされ
、次いで、100%のエタノールで1分間、次に95%のエタノールで1分間す
すぎ、空気乾燥させた。
【0285】 ハイブリダイゼーションは、35S放射性標識のcRNAプローブを用いて行
った。該配列は、14273のin situハイブリダイゼーションのために
使用された2つのマウス・プローブの配列: TGTGGAGTCCCATCATCATCACCATCCTCCTCATCTTGATCCAAAACTTCCGGCAGGACC TGGTCATCTGG
CCATCCCTTTTCTTCTGGGTGGTGGCCTTCACGTTTGCCAACTCTGCCC TAAACCCCATACTGTACAACAT
GTCGCTGTTCAGGAACGAATGGAGGAAGATTTTTTGCT G AAGAGGCTTACGCTGAGCTTGGCATACTCTGAGAGCCACCAGATCCGAGTGT CCCAACAAGACTACCGACT
CTTCCGCACGCTCTTCCTGCTCATGGTTTCCTTCTTCATCA TGTGGAGTCCCATCATCATCACCATC を用いた。
【0286】 実施例III 14273受容体を発現するトランスジェニック・マウスは、心不全を発生す
ることが示された。受容体mRNAおよび蛋白質レベルは、発現型の厳格さと関
連した。事象の配列は:心筋細胞の肥大(核および細胞質の両者)、好酸性核の
発達(肥大の証明)、筋細胞分裂、筋細胞の心房性および心室の損失、間質性線
維症、線維弾性症および血栓症であった。4つのトランスジェニック系は、重篤
な症状を示し、通常、数週間で、研究されたすべてのメンバーに、病理学または
死亡を示した。この群では、比較的高いRNAおよび蛋白質発現が観察された。
【0287】 第2群において、数週間から3か月付近の間に病理学または死亡が観察された
が、すべての動物にではなかった。この群において、受容体の発現レベルは、第
1の群よりも低く、それらは最も重篤な症状を有した。
【0288】 第3の群において、トランスジェニック・マウスは、検出可能な症状を示さな
かった。しかしながら、組織学的結果は、2ないし4か月齢にて種々の程度の心
臓肥大を示した。この群における受容体発現レベルは、3群のトランスジェニッ
ク・マウス中で最低であった。
【0289】 これらの群の各々からの組織に対して展開されたノーザン・ブロットにおいて
、該受容体の高発現は野生型の対照と比較して観察された。また、これらの各試
料において、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)の発現は、野生型の対照にお
ける発現に比べて増加することが示された。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトの14273ヌクレオチド配列(配列番号2)および推定された
14273のアミノ酸配列(配列番号1)を示す。アミノ酸1〜45は、アミノ
末端細胞外ドメインを構成し、アミノ酸46〜321は、膜貫通ドメインにわた
る領域を構成して、アミノ酸322〜361は、カルボキシ末端細胞内ドメイン
を構成すると予測される。膜貫通ドメインには、7つの膜貫通セグメント、3つ
の細胞外ループおよび3つの細胞内ループが含まれる。膜貫通セグメントは、約
アミノ酸46から約アミノ酸66まで、約アミノ酸75から約アミノ酸98まで
、約アミノ酸113から約アミノ酸134まで、約アミノ酸156から約アミノ
酸177まで、約アミノ酸209から約アミノ酸227まで、約アミノ酸266
から約アミノ酸289まで、および約アミノ酸297から約アミノ酸321まで
が判明している。全膜貫通ドメインにわたる領域内には、3つの細胞内ループお
よび3つの細胞外ループがある。3つの細胞内ループでは、約アミノ酸67から
約アミノ酸74まで、約アミノ酸135から約アミノ酸155まで、および約ア
ミノ酸228から約アミノ酸265までが判明している。 3つの細胞外ループでは、約アミノ酸99から約アミノ酸112まで、約アミノ
酸178から約アミノ酸208まで、および約アミノ酸290から約アミノ酸2
96までが判明している。 膜貫通ドメインには、残基135〜137のGPCRシグナル変換サインのD
RYに対応する、配列ERMが含まれる。該配列には、GPCR中の不変のアミ
ノ酸の残基136のアルギニンが含まれる。
【図2】 図2は、蛋白質パターンのPrositeデータ・ベースに対するヒトの14273
受容体の比較を示し、特に、7つの膜貫通セグメントのロドプシン・スーパーフ
ァミリー(配列番号3)に対する高得点を示す。下線領域はGPCRサインに対
応する配列、特に、GPCRに保存されたアルギニン残基の配向を示す。最も一
般に保存された配列は、アスパラギン酸、アルギニン、チロシン(DRY)三連
である。DRYはシグナル変換に関連付けられる。アルギニンは不変である。ア
スパラギン酸は、いくつかのGPCRに保存的に配置される。現在の場合では、
アルギニンが配列ERMに見出され、それは、受容体のロドプシン・スーパーフ
ァミリーのGPCRにおけるDRYまたは不変のアルギニンの配向と適合する。
【図3】 図3は、ヒトの14273アミノ酸配列の分析を示す:αβターンおよびコイ
ルの領域;親水性;両親媒性領域;柔軟な領域;抗原指標;および表面確率プロ
ット。
【図4】 図4は、ヒトの14273受容体疎水性プロットを示し、7つの膜貫通セグメ
ントを示している。
【図5】 図5は、特異的機能部位に対応するアミノ酸についてのヒトの14273のオ
ープン・リーディング・フレームの分析を示す。グリコシル化部位は、約アミノ
酸21〜24および322〜325に見られる。環状AMPおよび環状GMPの
依存性プロテインキナーゼ燐酸化部位は、約アミノ酸239〜242にて見られ
る。プロテインキナーゼC燐酸化部位は、約アミノ酸237〜239およびおよ
そ350〜352にて見出される。カゼインキナーゼII燐酸化部位は、約アミ
ノ酸256〜259にて見出される。N−ミリストイル化部位は、約アミノ酸5
7〜62、72〜77および343〜348にて見出される。アミド化部位は、
約アミノ酸150〜153にて見出される。ロイシン・ジッパーパターンは、約
アミノ酸106〜127にて示される。加えて、GPCRサインに対する位置に
対応し、不変のアルギニンを含むアミノ酸は、アミノ酸135〜137の配列E
RMに見出される。
【図6】 図6は、Memsatによって予測されたヒト14273受容体膜貫通セグメントを
示す。(A)推定された加工されていないペプチドについての予測セグメント、
(B)推定された成熟ペプチドについての膜貫通セグメント。
【図7】 図7は、14273ヌクレオチド配列(配列番号5)のネズミのオーソログお
よび推定された14273のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。アミノ酸1〜
45は、アミノ末端細胞外ドメインを構成し、アミノ酸46〜321は、膜貫通
ドメインにわたる領域を構成して、アミノ酸322〜361は、カルボキシ末端
細胞内ドメインを構成すると予測される。膜貫通ドメインには、7つの膜貫通セ
グメント、3つの細胞外ループおよび3つの細胞内ループが含まれる。膜貫通セ
グメントは、約アミノ酸96から約アミノ酸66まで、約アミノ酸77から約ア
ミノ酸98まで、約アミノ酸113から約アミノ酸134まで、約アミノ酸15
6から約アミノ酸177まで、約アミノ酸209から約アミノ酸227まで、約
アミノ酸266から約アミノ酸289まで、および約アミノ酸297から約アミ
ノ酸321までが判明している。全膜貫通ドメインにわたる領域内には、3つの
細胞内ループおよび3つの細胞外ループがある。3つの細胞内ループでは、約ア
ミノ酸67から約アミノ酸74まで、約アミノ酸135から約アミノ酸155ま
で、および約アミノ酸228から約アミノ酸265までが判明している。3つの
細胞外ループでは、約アミノ酸99から約アミノ酸112まで、約アミノ酸17
8から約アミノ酸208まで、および約アミノ酸290から約アミノ酸296ま
でが判明している。 膜貫通ドメインには、残基135〜137のGPCRシグナル変換サインのD
RYに対応する、配列ERMが含まれる。該配列には、GPCR中の不変のアミ
ノ酸の残基136のアルギニンが含まれる。
【図8】 図8は、蛋白質パターンのPrositeデータ・ベースに対するネズミの1427
3受容体の比較を示し、特に、7つの膜貫通セグメントのロドプシン・スーパー
ファミリー(配列番号3)に対する高得点を示す。下線領域はGPCRサインに
対応する配列、特に、GPCRに保存されたアルギニン残基の配向を示す。最も
一般に保存された配列は、アスパラギン酸、アルギニン、チロシン(DRY)三
連である。DRYはシグナル変換に関連付けられる。アルギニンは不変である。
アスパラギン酸は、いくつかのGPCRに保存的に配置される。現在の場合では
、アルギニンが配列ERMに見出され、それは、受容体のロドプシン・スーパー
ファミリーのGPCRにおけるDRYまたは不変のアルギニンの配向と適合する
【図9】 図9は、ネズミの14273のアミノ酸配列の分析を示す:αβターンおよび
コイルの領域;親水性;両親媒性領域;柔軟な領域;抗原指標;および表面確率
プロット。
【図10】 図10は、ネズミの14273受容体疎水性プロットを示し、7つの膜貫通セ
グメントを示している。
【図11】 図11は、特異的機能部位に対応するアミノ酸についてのネズミの14273
のオープン・リーディング・フレームの分析を示す。グリコシル化部位は、約ア
ミノ酸21〜24および322〜325に見られる。環状AMPおよび環状GM
Pの依存性プロテインキナーゼ燐酸化部位は、約アミノ酸239〜242にて見
られる。プロテインキナーゼC燐酸化部位は、約アミノ酸237〜239および
およそ350〜352にて見出される。カゼインキナーゼII燐酸化部位は、約
アミノ酸40〜43および256〜259にて見出される。N−ミリストイル化
部位は、約アミノ酸57〜62、72〜77および343〜348にて見出され
る。アミド化部位は、約アミノ酸150〜153にて見出される。ロイシン・ジ
ッパーパターンは、約アミノ酸106〜127にて示される。加えて、GPCR
サインに対する位置に対応し、不変のアルギニンを含むアミノ酸は、アミノ酸1
35〜137の配列ERMに見出される。グリコサミノグリカン結合部位は、約
アミノ酸148〜151に見出される。
【図12】 図12は、Memsatによって予測されたヒト14273受容体膜貫通セグメント
を示す。(A)推定された加工されていないペプチドについての予測セグメント
、(b)推定された成熟ペプチドについての膜貫通セグメント。推定された成熟
ペプチドの番号付けは、最初の36個のアミノ酸の除去につき調整された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 4H045 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 4B024 AA01 AA15 BA63 CA04 CA12 DA02 HA11 HA17 4B063 QA01 QA13 QQ43 QQ53 QR32 QR36 QR55 QR62 QR77 QS25 QS34 4B064 AG20 CA10 CA19 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 EA23 EA54 FA74

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸配列が、 (a) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列; (b) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列; (c) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列の対立遺伝子の
    変異体のアミノ酸配列; (d) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列の対立遺伝子変異体のアミノ酸配列; (e) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列の配列変異体の
    アミノ酸配列、ここに、該配列変異体は、ストリンジェントな条件の下にて、配
    列番号2または配列番号5に示された核酸分子にハイブリダイズする核酸分子に
    よってコード化され; (f) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAクローンによってコー
    ド化されたアミノ酸配列の配列変異体のアミノ酸配列、ここに、該配列変異体は
    、ストリンジェントな条件の下にて、ATCC寄託番号 に含まれたcD
    NAにハイブリダイズする核酸分子によってコード化され; (g) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列の断片、ここに
    該断片は少なくとも33個の隣接するアミノ酸を含み; (h) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列の断片、ここに、該断片は少なくとも33個の隣接するアミノ酸
    を含み; (i) 配列番号1または配列番号4に示された約アミノ酸36から約アミノ
    酸361の成熟した受容体ポリペプチドのアミノ酸配列; (j)ATCC寄託番号 に含まれたcDNAクローンによってコード
    化された約アミノ酸36から約アミノ酸361の成熟したポリペプチドのアミノ
    酸配列; (k) 約アミノ酸1から約アミノ酸45の配列番号1または配列番号4に示
    されたポリペプチドのアミノ酸配列; (l)ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化された
    ポリペプチド中の約アミノ酸1から約アミノ酸45のアミノ酸配列; (m) (a)〜(l)のポリペプチドのいずれか1つのエピトープを持つ領
    域のアミノ酸配列よりなる群から選択される単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1の(a)〜(m)記載のポリペプチドに選択的に結
    合する単離された抗体。
  3. 【請求項3】 (a) 配列番号2または配列番号5に示されたヌクレオチ
    ド配列; (b) ATCC寄託番号 に含まれたcDNA中のヌクレオチド配列
    ; (c) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配列をコードするヌ
    クレオチド配列; (d) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および (e) (a)、(b)、(c)または(d)のヌクレオチド配列のいずれか
    に相補的なヌクレオチド配列よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有す
    る単離核酸分子。
  4. 【請求項4】 (a) ストリンジェントな条件の下にて、配列番号2また
    は配列番号5に示されたヌクレオチド配列にハイブリダイズする配列番号1また
    は配列番号4に示されたアミノ酸配列の配列変異体のアミノ酸配列をコードする
    ヌクレオチド配列; (b) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列の配列変異体のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、こ
    こに、該配列変異体の核酸配列は、ストリンジェントな条件の下にてATCC寄
    託番号 に含まれたcDNAにハイブリダイズし;および (c)(a)または(b)中のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレ
    オチド配列よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する単離核酸分子。
  5. 【請求項5】 (a) 配列番号1または配列番号4に示されたアミノ酸配
    列の断片をコードするヌクレオチド配列、ここに、該断片は少なくとも33個の
    隣接するアミノ酸を含み; (b) ATCC寄託番号 に含まれたcDNAによってコード化され
    たアミノ酸配列の断片をコードするヌクレオチド配列、ここに、該断片は少なく
    とも33個の隣接するアミノ酸を含み; (c) (a)または(b)中のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌク
    レオチド配列よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する単離核酸分子
    のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかの核酸配列を含む核酸ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のベクターを含む宿主細胞。
  8. 【請求項8】 (a)〜(m)のポリペプチド配列のいずれかをコードする
    ヌクレオチド配列を宿主細胞に導入し、次いで、該蛋白質が核酸から発現される
    条件下にて宿主細胞を培養することを特徴とする請求項1記載のいずれかのポリ
    ペプチドを産生する方法。
  9. 【請求項9】 試料中の請求項1記載のいずれかのポリペプチドの存在を検
    出する方法であって、該試料と、該試料中のポリペプチドの存在の検出を特異的
    に可能とする薬剤とを接触させ、次いで、該ポリペプチドの存在を検出すること
    を特徴とする該方法。
  10. 【請求項10】 該試料が、鬱血性心不全であるまたは鬱血性心不全の発生
    の危険性がある対象に由来することを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 該薬剤が、該ポリペプチドとの選択的な物理的会合を可能
    とすることを特徴とする請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 該薬剤が、該ポリペプチドに結合することを特徴とする請
    求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該薬剤が、抗体であることを特徴とする請求項12記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 該薬剤が、リガンドであることを特徴とする請求項12記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 当該試薬が、該ポリペプチドに特異的に結合する薬剤を含
    むことを特徴とする請求項9記載の方法に用いられる試薬を含むキット。
  16. 【請求項16】 試料中の請求項3〜5記載のいずれかの核酸配列の存在を
    検出する方法であって、ストリンジェントな条件下にて、該試料と、該核酸配列
    にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドとを接触させ、次いで、該オリゴヌク
    レオチドが試料中の該核酸配列に結合するかを決定することを含むことを特徴と
    する該方法。
  17. 【請求項17】 該試料が、鬱血性心不全であるか、または鬱血性心不全を
    発生する危険性のある患者に由来することを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 その存在が検出される核酸が、mRNAであることを特徴
    とする請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 該試薬が、ストリンジェントな条件下にて、いずれかの核
    酸分子にハイブリダイズする化合物を含むことを特徴とする請求項16記載の方
    法に用いられる試薬を含むキット。
  20. 【請求項20】 該ポリペプチドの断片が接触される請求項19記載の方法
  21. 【請求項21】 請求項1記載のいずれかのポリペプチドに結合する薬剤を
    同定する方法であって、該ポリペプチドと、該ポリペプチドに結合する薬剤とを
    接触させ、次いで、該ポリペプチドに結合した薬剤と形成された複合体をアッセ
    イすることを特徴とする該方法。
  22. 【請求項22】 請求項1記載のいずれかのポリペプチドの活性を変調する
    方法であって、当該薬剤が該ポリペプチドの活性を変調するのを可能とする条件
    下にて、請求項1記載のいずれかのポリペプチドと、薬剤を接触させることを特
    徴とする該方法。
  23. 【請求項23】 該ポリペプチドが、鬱血性心不全であるか、または鬱血性
    心不全を発生する危険性を有する対象の細胞中に存在することを特徴とする請求
    項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 該鬱血性心不全が、心臓の筋細胞肥大に起因する請求項1
    0、17または23のいずれか1記載の方法。
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