JP2002533573A - 亜鉛を含有する材料片の表面層の黒色化方法 - Google Patents

亜鉛を含有する材料片の表面層の黒色化方法

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JP2002533573A JP2000589764A JP2000589764A JP2002533573A JP 2002533573 A JP2002533573 A JP 2002533573A JP 2000589764 A JP2000589764 A JP 2000589764A JP 2000589764 A JP2000589764 A JP 2000589764A JP 2002533573 A JP2002533573 A JP 2002533573A
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トーマス クルーゼ
ペーター マイスターヤーン
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エーヴァルト デルケン アーゲー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化する方法を改善する。 【解決手段】 本発明は、水酸化物および硝酸塩の水溶液を含む浸漬浴中で材料片を酸化させて、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化させる方法である。付言すると、この陽極酸化は水溶液中で行なわれるが、pH値は9から14の範囲であり、NHNO又はNaNOの濃度は40〜50g/lであり、浸漬浴の温度は(T)は15から45℃であり、電流密度(i)は0.01〜0.1A/cmの範囲に調整されている。又、本発明はこの方法で処理された材料片、およびこの方法の実施に適した電解液並びに酸化に先立つ材料片の前処理の方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、水酸化物および硝酸塩の水溶液を含む浸漬浴中で材料片を酸化させ
て、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化させる方法、この方法で処理された
材料片、およびこの方法の実施のための電解液並びに材料片の前処理の方法に関
する。
【0002】 一般的に、亜鉛を含む材料表面の黒色化には、「クロム処理による黒色化」と
して知られている方法が、今まで用いられてきた。この方法は、非常に反応性の
高いCrを用いるものである。しかしながら、この化合物はごく最近の発見に
よれば、極めて健康に有害なものである。
【0003】 純粋な亜鉛表面の黒色化に対する毒性の弱い一つの方法が、「アルカリ溶液中
に於いて、50Hzの交流処理による亜鉛上への保護および装飾用被覆の形成」
との科学論文として、Mr.AI.EnchevaによりJ.Appl.Che
m of the USSR 45318(1972)に発表された。この論文
中に、亜鉛から出来た表面の黒色化のため、陽極酸化の電解液としてNaOHと
NaNOの水溶液を含む浸漬浴が発表されている。この論文は、亜鉛被覆表面
を有する材料片の腐食抵抗性および、表面処理材料片の外観との二つの改善につ
いて、特にそれらの形質転換に焦点を合わせている。
【0004】 引用文献は、ただ概略を述べており、黒色化した表面の均一性や均等性につい
て少しも詳細を示していない。良く知られている方法を、太陽熱収集器への応用
として発展させた「黒色亜鉛被覆アルミニウム太陽熱収集器被覆物の最適化と微
構造分析」が、S.N.Patei et al.により、「Shin Sol
id Film」の113(1984)、47頁に発表された。
【0005】 これ以降、発明の重点は、処理された表面層に更に高い均一性、接着性、およ
び均等性を与えるために、亜鉛含有材料片の表面層黒色化方法を発展させる事や
、前述の特性により特徴付けられた材料片および、この方法を実施するための電
解液を提供することに置かれている。
【0006】 これらの要求は、亜鉛を含有する材料片の表面層黒色化のための方法に於いて
、材料片が水酸化物、アルカリ塩または多価陰イオンを持つアンモニウム塩の水
溶液を含有する浸漬浴中で、材料片が陽極酸化を受ける際、次の特徴を有する事
で満足された。その特徴とは、 − 浸漬浴はpH値が8〜14の範囲内にあり、かつアルカリ塩またはアンモニ
ウム塩の濃度が10〜60g/lの範囲内にあり、 − 浸漬浴の温度(T)は15〜45℃であり、 − 陽極酸化での電流密度(i)は、3x10−4〜0.5A/cmの範囲に
あり、 − アルカリ塩またはアンモニウム塩は、アルカリ金属またはアンモニウムの燐
酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩およびホウ酸塩の群から選
ばれ、 − 電圧がすでに供給されている時に、材料片は陽極酸化の開始時に浸漬浴に浸
漬されることである。
【0007】 もし前記の処理パラメーターを維持するならば、亜鉛を含有する材料片表面の
表面層上に、優れた表面層の均一性に結びつく、濃い灰色から黒色の均一なる黒
色化が生じる。ここで、強調すべきことは、科学的な論文に記載された方法には
全く反し、比較的低電流密度が表面層に好ましい色相の変化をもたらすことであ
る。
【0008】 陽極酸化のために少なくとも二つの電極を備えた装置を有する浸漬浴中に、材
料片が浸漬される前に、交流または直流電圧が電極にかけられ、その後、材料片
が浸漬浴に浸漬される。電極間隔を3cmとし、交流電流の場合には最初に8ボ
ルト、直流電流の場合には、最初に20ボルトの電圧をかけ維持する。材料片が
浸漬されると、最初高い電流が電極間を流れる。材料片を浸漬し数秒の時間経過
後に、この方法で要求される電流密度になるように電圧を下げ調整する。このよ
うな方法が、本質的に表面層黒色化の均一性に貢献する。均一性を改善するため
には、材料片を浸漬中は最小の電流とすることが重要である。
【0009】 適切なる材料片とは、表面処理がなされた亜鉛層または純粋な亜鉛で被覆され
た全ての基板である。純粋な亜鉛の代りに、乾いた層については、重量で少なく
とも50%以上の高い亜鉛成分を示す亜鉛合金も、また使用することができる。
更に、純粋な亜鉛層または亜鉛合金層を他の色々な方式をもって基板に適用する
ことができる。すなわち、PVDやCVDのごとき蒸着法、加熱浴浸漬メッキ法
、その他そのような層へのすべての機械的表面処理法などである。いくつかのケ
ースに於いて、つや消しの亜鉛被覆または光沢亜鉛メッキ鋼板が用いられる。有
効な亜鉛合金としては、特にZn/Fe、Zn/Ni、Zn/Fe/Co、Zn
/Co、Zn/Al、Zn/Sn、Zn/Mnである。
【0010】 チタンは、処理される材料片に対向する電極として使用される。他の材料も、
もし要求される電流密度に適合し得るならば電極として使用できる。対向電極と
して可能なる他の材料としては、貴金属、ステンレス鋼、タンタルおよび黒鉛で
ある。
【0011】 pH値は、NaOHまたはKOHの個々の濃度で、調整するのが好ましい。p
H値は最終的に決る事項であるが、一方OH基を与えるためには、アミンまたは
他の有機塩基、可溶性カリウム(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ポリケイ
酸リチウム)、アミノヒドロシリコン、塩基性チタン酸エステル(シリカエステ
ル)を単独でまたは組み合わせて用いることが出来る。場合によってはOHと似
たような類似基を有しており、利用可能なジルコニウム化合物を用いることもで
きる。
【0012】 処理工程を加速するためには、pH値は13以上にすべきである。これは後ほ
ど記載するこの発明に関する方法の全てに適用できるものである。この場合陽極
酸化は、1秒から10分の処理時間で進行し表面層が黒色化する。
【0013】 この方法では、自由に直流または交流電圧を用いて実施することができる。一
般的には表面層の黒色化の達成には、直流電圧で、低い電流密度での操作が要求
される。
【0014】 直流電圧を用いて工程を操作する場合、浴の温度は15〜45℃の範囲で、一
方電流密度は0.003〜0.15A/cmの範囲である。直流電圧を使用し
ての操作の場合には、室温で、かつ非常に低い電流密度を用いた表面層の黒色化
でも、良い結果が得られる利点がある。
【0015】 かわりに、交流電圧を用いて工程を操作する場合には、浴の温度は35〜45
℃の範囲で、一方電流密度は0.1〜0.15A/cmの範囲である。
【0016】 直流または交流電流を用いての陽極酸化浸漬浴の推奨すべき温度と組成につい
ては、特許請求の範囲のところに示した。
【0017】 前述した工程もまた、前処理工程をもって補足されるもので、材料片のどのよ
うな構造的不均一性や、高い有機部分もこの前処理工程によって対処がつけられ
る。両方の場合とも、材料片は陽極酸化前にある種の酸中への浸漬処理(活性化
/誘引化)を受ける。
【0018】 酸としてHSOを少なくとも0.5モル用い且つ少なくとも10秒間以上
の時間の浸漬処理を行なえば、目で見えるどのような構造的不均一性も取り除く
ことが出来る。この処理時間は表面層の目視検査による判定によって決められる
【0019】 特に有機部分が高い割合で表面層に含まれた場合には、酸として硫酸2モルを
前処理段階で用いるのがよい。その後、材料片を約200℃以上で焼き入れるが
、この前処理時間は1時間以内である。
【0020】 前述した前処理段階のすべては、光沢亜鉛からなる表面層を持つ材料片に特に
適している。光沢亜鉛製造のために用いられる光沢剤は、表面に高い有機部分を
持つ要因となり、従ってこのままでは満足すべき表面の黒色化外観は達成されな
い。
【0021】 表面層の外観品質は、陽極酸化後、材料片を浸漬法で酸に曝す後処理工程で改
善できる。しかしこのような二次的処理は、例えば黒色化表面層上に虹色フイル
ムを生じさせることに結びつき、表面層の視覚的印象を悪くさせる。
【0022】 このような虹色フイルムを防止させるには材料片を、10%のCHCOOH
中にすくなくとも30秒以上の間浸漬させることである。1分間の浸漬で良好な
結果が得られている。
【0023】 二極方式もまた可能である。陽極酸化のための両方の電極は、表面が亜鉛を含
有している材料片により形成される。すなわち対向電極も同様に材料片として有
在し、この表面もまた同様な処理を受けるものである。この方法により、材料片
の表面黒色化に、約2倍の生産速度が達成される。
【0024】 純粋な亜鉛で鍍金されている材料片が表面処理される場合、接触表面層は最小
8μmの平均厚を有することが有利である。これはフレーム部材を構成する材料
片に対し特に関連するものである。このようなフレーム部材は表面処理が難しい
端面を有する。前述した平均接触表面厚は、腐食抵抗性を維持するのに特に役立
つものである。
【0025】 材料片の表面層の黒色化には、表面層が重量で少なくとも50%の亜鉛を含ん
でいるならば、特に良好なる結果が得られる。
【0026】 この発明の他の目的として、前述した工程で製造並びに表面処理された材料片
自体が含まれる。陽極酸化による組成的変換で特徴付けられた亜鉛含有表面は、
結果として非常に高い光吸収能力を持つので、例えば可視スペクトル領域では、
表面を黒く見せるものである。材料片の表面層の形質転換した部分の厚さは、数
μmから数百μmの範囲、好ましくは5から500μmである。特に赤外線照射
に対しては、非常にわずかな反射度合であった。更に形質転換した表面層は密着
性に優れ、それ自体並びに隣接させる他の材料との間に優れた堅牢性を付与する
特徴がある。
【0027】 この発明の目的に含まれているものとし、この他に陽極酸化を実施するための
電解液があり、この液のpHの値は8〜14にあり、またNHNOまたはN
aNOの濃度は40〜50g/lである。
【0028】 前述の如く、この発明の他の目的として含まれているものに、陽極酸化を実行
するための電解液があり、これはpHの値が8〜14の範囲にあり、またアルカ
リ塩の濃度が40〜50g/lの範囲あって、かつ前記のアルカリ塩はアルカリ
金属の燐酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩およびホウ酸塩か
らなる群から選ばれたものである。
【0029】 OH基の供給は、NaOHまたはKOHそれぞれの溶液の濃度によって、望み
どおりに調整できる。また、電解液は表面のぬれ性改善のために消泡用添加剤ま
たは腐食抑制剤を、固体または粘ちゅう液体として0.01〜100g/l含有
するものである。適切なる添加用有機溶剤は、色々な種類の、グリコール、グリ
コールエーテル、グリコールエーテルエステルおよびアルコールであり、これら
はその用途により単独でまたは混合して用いられる。
【0030】 この発明の他の目的として含まれているものに、亜鉛を含有する材料片の表面
層の黒色化方法があり、電気分解の効果を用いず、材料を単に浸漬処理する方法
である。その浸漬浴は水酸化物、硝酸塩の水溶液で、pHの値が8〜14の範囲
にあり、かつNHNOまたはNaNOの濃度が40〜50g/l、pHの
値が8〜14の範囲にあり、浸漬は15〜45℃の範囲の温度で行なわれるもの
である。
【0031】 最後に述べた方法を実行する場合、表面層はZnFeから成ることが好ましく
、浸漬浴のpHは13以上、浴の温度は15から25℃の範囲、処理時間は10
秒を下回らないことである。例えばNaOHを30g/lの濃度で、またはNa
NOを40g/lの濃度で含む電解液を用いて室温で実施した場合、ZnFe
表面層の黒色化は20〜30秒程度で早く達成される。ZnFe中の鉄分は例え
ば0.3〜1.5重量%の範囲である。
【0032】 詳細に前述した作業は、亜鉛を含有する材料片の表面黒色化に対する処理を実
行したものであり、材料片は水酸化物の水溶液を含む浸漬浴中で陽極酸化を受け
るものであり、ここでの条件は下記の通りである。 − 浸漬浴のpHの値は8〜14の範囲内にあり、 − 処理は2〜30mA/cmの範囲の直流電流密度で実施され、かつ − 材料片は、陽極酸化開始時先に電圧をかけた浸漬浴に浸漬される。
【0033】 尚、この際、電流密度が2mA/cm以下の場合には黒色化は生じない、一
方30A/cmを超える場合には最初黒色化は起こるが、生成したこの適切な
る層は数秒中に再び溶解してしまうことが観察された。尚、この工程は、水酸化
アルカリを用いpH値を13以上とするのが好ましい。
【0034】 この提供された方法並びにこれら工程により製造された材料片は、次に記載し
たごとき利点を有する。すなわち、有害なるCrの使用が回避できたこと。商
業用の鍍金技術との適合性が確かめられたこと(例えば、アルミニウム陽極酸化
法)。従って良く知られた装置技術(枠型または樽型法)をそれに関連したノウ
ハウも含めて広範囲に使用できることである。また、例えば、透明、灰色または
黒色の有機または無機バインダを基にしたペイントを材料片に上塗りするシステ
ムの場合、ペイント層と材料片の形質転換表面とのコントラスト差が少ないので
、材料片の表面を隠蔽するのに必要なペイントの材料費用は少なくてすむ。
【0035】 本発明の理解を深めるために、この発明に含まれるいくつかの工程設計例とこ
れらにより処理された材料片例を以下に説明する。
【0036】 以下に説明する設計例に於いて、使用された材料片は光沢鍍金鋼板である。特
に述べられていない場合は、鋼板は、すでに電圧がかけられている浸漬浴に浸漬
されたものである。
【0037】 実施例1) 材料片の表面処理の第1工程ステップは0.5MのHSO中に約1分間浸
漬することである。工程のこのステップは、この後の陽極酸化工程での処理が行
なえるように、表面の均一性を改善するために行なわれるもので、これは取り扱
われる材料の表面が異常な不均一性を示したときのみ必要とされるものである。
【0038】 第2工程ステップでは、材料片の陽極酸化が実施され(電極間は3cm:交流
での数ボルト)、向い合う電極は全てチタンのシートで形成されている。陽極酸
化のために、電解液としてNaOHおよびNaNOの水溶液を特徴とする浸漬
浴が使用され、選定濃度はNaOHが30g/l、NaNOが40g/lであ
る。浴の温度Tは40℃、一方電流密度は0.1A/cmに等しい。処理時間
は2から10分の範囲内にある。
【0039】 この実施例に於ける陽極酸化では、材料片が50Hzの交流で作動する交流サ
ーキットのコレクター電極となり、一方チタンシートが対向電極として作動する
ものである。
【0040】 第3工程ステップは、陽極酸化用浸漬浴からの材料片の取出し、何段階もの流
水工程での洗浄、そして最後に乾燥である。
【0041】 陽極酸化工程は、材料片の表面層の均一なる構造化と一様な黒色化が起こるよ
うに、材料片の表面層を形質転換させるものである。表面層の形質転換部分の厚
さは、第一に処理時間tに依存するものであるが、10〜100nmの範囲内で
ある。形質転換された表面層はそれ自体との自己接着性および、形質転換されて
いない亜鉛表面に対してもしっかりとした接着性を与えるものである。
【0042】 実施例2) 第2工程ステップは、次のパラメーターのごとく実施された。すなわち処理時
間t、チタンシートの対向電極、および浴温度は前述の条件と同一とした上で、
電解液はNaOHの13g/lおよびNaNOの50g/lを含む水溶液、電
流密度iは0.05A/cmである。その結果、実施例1で第2工程ステップ
向けに説明されたと同様な特性を有する形質転換表面をもつ材料片が得られた。
【0043】 第2工程ステップのために実施された前記記載の両方の例とも、NaOHとN
aNOの濃度および電流密度のプロセスパラメーターは制限範囲内に含まれて
いるものである。従ってこれらパラメーターが前述した制限内で変動する場合に
は、表面層の特性は有効な範囲内に維持される。
【0044】 尚、浴の温度Tと処理時間tはそれぞれの適用例により変化するものである。
【0045】 実施例3) 実施例1)および2)で述べたと同様な第2工程ステップが用いられたが、第
1工程ステップは光沢鍍金鋼板から邪魔な高い有機部分を取り除くために修正さ
れた。
【0046】 この目的のために、第1工程ステップは2MのHSO中へ10秒間以上、
例えば2分間まで浸漬する工程が取り入れられた。第1工程ステップは、また2
00℃での材料片の焼き入れ工程も同様に組み込まれ、この焼き入れは約1時間
にわたり続けられた。
【0047】 実施例4) この例は次の事実を説明するためのものである。すなわち、実施例1)から3
)によって説明されたごとく各工程ステップは実施されても、陽極酸化の後で材
料表面に、特に光沢鍍金鋼板の場合、虹色のフイルムが発生することがある。
【0048】 このような虹色のフイルムを除くために、10%のCHCOOH中に、材料
片を3秒間以上浸漬させた。
【0049】 実施例5) 実施例1)とは反対に、この例は直流電圧を用いて行なった工程を示している
。材料片には光沢鍍金鋼板を再び用いた。
【0050】 プロセスパラメーターは次の通りである。すなわち電解液は、NaOHの30
g/lとNaNOの40g/lを含む水溶液、直流の電流密度は0.017A
/cmで、処理時間は5分間である。
【0051】 尚、浴の温度は室温である。
【0052】 この実施例は、格別の利点を有する。すなわち交流電圧に比べて低い電流密度
をこの工程で用いることができる。更に、直流電圧を用いた処理の場合に陰極半
波で作られる水素の形成は、直流電圧をその工程に用いることにより完全に除く
ことができる。水素は材料片の表面層の脆化に結びつく。
【0053】 次の例は、電解効果なしに、材料片の表面層の黒色化をいかに達成するかを明
らかにしている。
【0054】 実施例6) この実施例は、鉄分を重量で0.5〜1.5%の範囲で含むZnFeから作ら
れた表面層をもつ材料片を用いて行なわれた。
【0055】 この工程は電流を流さずに室温で行なわれた。電解液は、30g/lのNaO
Hおよび40g/lのNaNOを含む水溶液である。
【0056】 20秒から30秒間の浸漬後に、材料片の表面層に黒色化が起こった。
【0057】 実施例7) 前述した実施例とは異なり、この工程では二番目の材料片が対向電極として使
用された。この極は実質的には、もう一方の処理される材料片と同じ構造を持つ
故に、両極操作を容易にするものである。前述したように交流電圧がかけられた
場合に、両方の材料片が同時に処理されて表面層に黒色化を生じた。
【0058】 実施例8) メッキにより被覆された亜鉛層は、pH値が13.4〜13.6の範囲で、0
.1〜0.15A/cmの範囲の交流電流を適用して、陽極処理される。次の
ナトリウム塩すなわち、燐酸ナトリウム(10−40g/l)、酢酸ナトリウム
(10−40g/l)、炭酸ナトリウム(10g/l)、硫酸ナトリウム(10
−40g/l)、蓚酸ナトリウム(10−40g/l)、クエン酸ナトリウム(
10−40g/l)、ホウ酸ナトリウム(10−40g/l)を用いた場合、良
好な均一性を与える表面の黒色化が観察された。
【0059】 塩の濃度は、少なくとも60g/lまでは使用できると完全に考えられる。
【0060】 ホウ酸ナトリウムの場合には、0.05A/cm程度の最小電流密度でも、
表面の黒色化には十分である。
【0061】 実施例9) pH値を13.4〜13.95の範囲とし、電流並びに塩濃度を前述の実施例
と同様の値にするならば、亜鉛を含有する表面の黒色化は可能である。硝酸ナト
リウムとホウ酸ナトリウムの両方に於いて、表面の黒色化が観察された。前述の
実施例で述べた他の全てのアルカリ塩も、濃い灰色へとの変化をもたらした。
【0062】 交流電圧を用いた陽極酸化の実施に関して、最後に述べた二つの実施例は、黒
色化の満足度合に差を示した。その差はNaOHの濃度に関連するものである。
もし、NaOHの濃度が、10〜15g/lの範囲にあるならば、硝酸ナトリウ
ムやホウ酸ナトリウムの他に、アルカリ金属やアンモニウムの燐酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩およびクエン酸塩の如き他の塩も良好な黒色化の結果を
生むものとして使用できる。これに対し、NaOHの濃度が30g/lを超えた
場合では、硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウムを用いた時に、黒色化の最も良い
結果が達成された。
【0063】 浸漬浴は、例えば硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウムの混合物のごとく、黒色
化効果を低下させることなく、いくつかの塩を混合して含有することが出来る。
【0064】 実施例10) pH値が13.4〜13.6の範囲の時、亜鉛含有表面が直流電流で陽極酸化
された。そのときに使われた塩に依存するが、電流密度が3x10−4〜20x
10−3A/cmの範囲内の直流電流である場合に、良好な表面の均一性を有
する黒色化または暗黒色化が達成されることがすでに観察されている。特に、ホ
ウ酸ナトリウムと硝酸ナトリウムを用いた場合には、良好な均一性を持つ黒色の
表面が得られている。
【0065】 直流電流を用いて陽極酸酸化を行なう時、硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウム
を用いた場合は、他のアルカリまたはアンモニウム塩を用いた場合に比べて、良
好な結果が得られている。
【0066】 実施例11) 純粋なNaOHを用いた場合、最小50%の亜鉛を含む表面の黒色化が完全に
可能である。30g/lのNaOH水溶液および15mA/cmの電流密度の
直流電流を用いての陽極酸化により、表面は黒色化された。
【0067】 従って、前の実施例で研究された塩は、亜鉛を含む表面の黒色化に対して、第
一に電流密度のインターバルを上げるように思われる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月15日(2000.11.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 亜鉛を含有する材料片の表面層の黒色化方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、水酸化物および硝酸塩の水溶液を含む浸漬浴中で材料片を酸化させ
て、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化させる方法、この方法で処理された
材料片、およびこの方法の実施のための電解液並びに材料片の前処理の方法に関
する。
【0002】 一般的に、亜鉛を含む材料表面の黒色化には、「クロム処理による黒色化」と
して知られている方法が、今まで用いられてきた。この方法は、非常に反応性の
高いCrを用いるものである。しかしながら、この化合物はごく最近の発見に
よれば、極めて健康に有害なものである。
【0003】 純粋な亜鉛表面の黒色化に対する毒性の弱い一つの方法が、「アルカリ溶液中
に於いて、50Hzの交流処理による亜鉛上への保護および装飾用被覆の形成」
との科学論文として、Mr.AI.EnchevaによりJ.Appl.Che
m of the USSR 45318(1972)に発表された。この論文
中に、亜鉛から出来た表面の黒色化のため、陽極酸化の電解液としてNaOHと
NaNOの水溶液を含む浸漬浴が発表されている。この論文は、亜鉛被覆表面
を有する材料片の腐食抵抗性および、表面処理材料片の外観との二つの改善につ
いて、特にそれらの形質転換に焦点を合わせている。
【0004】 引用文献は、ただ概略を述べており、黒色化した表面の均一性や均等性につい
て少しも詳細を示していない。良く知られている方法を、太陽熱収集器への応用
として発展させた「黒色亜鉛被覆アルミニウム太陽熱収集器被覆物の最適化と微
構造分析」が、S.N.Patei et al.により、「Shin Sol
id Film」の113(1984)、47頁に発表された。 EP0339578A1に黒色被覆鋼鉄片の製造工程が記載されている。この
工程は水酸化物、硫化物、およびナトリウム、カリウムまたはニッケルの塩化物
からなる群の中から選ばれた化合物を75〜200g/l含有する浸漬浴中での
電解液処理から成っている。好ましくは、浸漬浴は2〜100g/lの硝酸塩イ
オンを含むものである。この工程で使用された陽極酸化には、30〜200A/
cm2の範囲の電流密度が用いられている。この工程は交流電流での操作が好ま
しいとしている。浸漬浴は抑制物質と複合体生成物質の両方を絶対含まなくては
ならないとしている。 FR2758339Aは金属製の加工品、特に鉄質のものの腐食防止処理法に
ついて記載している。電気分解に用いられる浸漬浴は、300〜700g/lの
水酸化アルカリ、20〜50g/lの硝酸アルカリ、40〜100g/lのホウ
砂および、10〜40g/lの界面活性剤を含有しており、また浸漬浴の温度は
110〜130℃に維持されている。 Fry.H.E.Aが、「亜鉛の陽極酸化および陽極フイルムの特性の改質方
法」とのタイトルのもとに科学論文を、「Journal of the El
ectrochemical Society、106巻、7号、1959年7
月、606頁〜611頁」に発表しており、ここで亜鉛の陽極酸化の方法につい
て同様に述べている。約200mA/cm2の電流密度を用い、水酸化ナトリウ
ム溶液中で亜鉛を陽極酸化して黒色被覆が得られている。炭酸ナトリウムおよび
水酸化ナトリウムを含有する浸漬浴液で、低い陽極電圧を使用した場合には、明
らかに灰色の層が得られている。ここでは全てのサンプルは、電圧を供給する前
に電圧無しで15秒間浴に浸漬されている。
【0005】 この点から見れば、この発明で処理された全ての表面は均一性、接着性および
均等性の向上を示しており、この発明は、亜鉛含有材料片の表面層を黒色化する
工程の開発を目的としたものであり、また同時に前述した如き良い特性をもつ材
料片および、同工程を実施するための電解液を提供すことを目的としたものであ
る。
【0006】 上記要件は請求項1の方法によって満足されている。上記浸漬浴液は、アルカ
リ金属またはアンモニウムの燐酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン
酸塩およびホウ酸塩からなる群のアルカリ塩またはアンモニウム塩を含んでいる
ことが好ましい。
【0007】 もし前記の処理パラメーターを維持するならば、亜鉛を含有する材料片表面の
表面層上に、優れた表面層の均一性に結びつく、濃い灰色から黒色の均一なる黒
色化が生じる。ここで、強調すべきことは、科学的な論文に記載された方法には
全く反し、比較的低電流密度が表面層に好ましい色相の変化をもたらすことであ
る。
【0008】 陽極酸化のために少なくとも二つの電極を備えた装置を有する浸漬浴中に、材
料片が浸漬される前に、交流または直流電圧が電極にかけられ、その後、材料片
が浸漬浴に浸漬される。電極間隔を3cmとし、交流電流の場合には最初に8ボ
ルト、直流電流の場合には、最初に20ボルトの電圧をかけ維持する。材料片が
浸漬されると、最初高い電流が電極間を流れる。材料片を浸漬し数秒の時間経過
後に、この方法で要求される電流密度になるように電圧を下げ調整する。このよ
うな方法が、本質的に表面層黒色化の均一性に貢献する。均一性を改善するため
には、材料片を浸漬中は最小の電流とすることが重要である。
【0009】 適切なる材料片とは、表面処理がなされた亜鉛層または純粋な亜鉛で被覆され
た全ての基板である。純粋な亜鉛の代りに、乾いた層については、重量で少なく
とも50%以上の高い亜鉛成分を示す亜鉛合金も、また使用することができる。
更に、純粋な亜鉛層または亜鉛合金層を他の色々な方式をもって基板に適用する
ことができる。すなわち、PVDやCVDのごとき蒸着法、加熱浴浸漬メッキ法
、その他そのような層へのすべての機械的表面処理法などである。いくつかのケ
ースに於いて、つや消しの亜鉛被覆または光沢亜鉛メッキ鋼板が用いられる。有
効な亜鉛合金としては、特にZn/Fe、Zn/Ni、Zn/Fe/Co、Zn
/Co、Zn/Al、Zn/Sn、Zn/Mnである。
【0010】 チタンは、処理される材料片に対向する電極として使用される。他の材料も、
もし要求される電流密度に適合し得るならば電極として使用できる。対向電極と
して可能なる他の材料としては、貴金属、ステンレス鋼、タンタルおよび黒鉛で
ある。
【0011】 pH値は、NaOHまたはKOHの個々の濃度で、調整するのが好ましい。p
H値は最終的に決る事項であるが、一方OH基を与えるためには、アミンまたは
他の有機塩基、可溶性カリウム(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ポリケイ
酸リチウム)、アミノヒドロシリコン、塩基性チタン酸エステル(シリカエステ
ル)を単独でまたは組み合わせて用いることが出来る。場合によってはOHと似
たような類似基を有しており、利用可能なジルコニウム化合物を用いることもで
きる。
【0012】 処理工程を加速するためには、pH値は13以上にすべきである。これは後ほ
ど記載するこの発明に関する方法の全てに適用できるものである。この場合陽極
酸化は、1秒から10分の処理時間で進行し表面層が黒色化する。
【0013】 この方法では、自由に直流または交流電圧を用いて実施することができる。一
般的には表面層の黒色化の達成には、直流電圧で、低い電流密度での操作が要求
される。
【0014】 直流電圧を用いて工程を操作する場合、浴の温度は15〜45℃の範囲で、一
方電流密度は0.003〜0.15A/cmの範囲である。直流電圧を使用し
ての操作の場合には、室温で、かつ非常に低い電流密度を用いた表面層の黒色化
でも、良い結果が得られる利点がある。
【0015】 かわりに、交流電圧を用いて工程を操作する場合には、浴の温度は35〜45
℃の範囲で、一方電流密度は0.1〜0.15A/cmの範囲である。
【0016】 直流または交流電流を用いての陽極酸化浸漬浴の推奨すべき温度と組成につい
ては、特許請求の範囲のところに示した。
【0017】 前述した工程もまた、前処理工程をもって補足されるもので、材料片のどのよ
うな構造的不均一性や、高い有機部分もこの前処理工程によって対処がつけられ
る。両方の場合とも、材料片は陽極酸化前にある種の酸中への浸漬処理(活性化
/誘引化)を受ける。
【0018】 酸としてHSOを少なくとも0.5モル用い且つ少なくとも10秒間以上
の時間の浸漬処理を行なえば、目で見えるどのような構造的不均一性も取り除く
ことが出来る。この処理時間は表面層の目視検査による判定によって決められる
【0019】 特に有機部分が高い割合で表面層に含まれた場合には、酸として硫酸2モルを
前処理段階で用いるのがよい。その後、材料片を約200℃以上で焼き入れるが
、この前処理時間は1時間以内である。
【0020】 前述した前処理段階のすべては、光沢亜鉛からなる表面層を持つ材料片に特に
適している。光沢亜鉛製造のために用いられる光沢剤は、表面に高い有機部分を
持つ要因となり、従ってこのままでは満足すべき表面の黒色化外観は達成されな
い。
【0021】 表面層の外観品質は、陽極酸化後、材料片を浸漬法で酸に曝す後処理工程で改
善できる。しかしこのような二次的処理は、例えば黒色化表面層上に虹色フイル
ムを生じさせることに結びつき、表面層の視覚的印象を悪くさせる。
【0022】 このような虹色フイルムを防止させるには材料片を、10%のCHCOOH
中にすくなくとも30秒以上の間浸漬させることである。1分間の浸漬で良好な
結果が得られている。
【0023】 二極方式もまた可能である。陽極酸化のための両方の電極は、表面が亜鉛を含
有している材料片により形成される。すなわち対向電極も同様に材料片として有
在し、この表面もまた同様な処理を受けるものである。この方法により、材料片
の表面黒色化に、約2倍の生産速度が達成される。
【0024】 純粋な亜鉛で鍍金されている材料片が表面処理される場合、接触表面層は最小
8μmの平均厚を有することが有利である。これはフレーム部材を構成する材料
片に対し特に関連するものである。このようなフレーム部材は表面処理が難しい
端面を有する。前述した平均接触表面厚は、腐食抵抗性を維持するのに特に役立
つものである。
【0025】 材料片の表面層の黒色化には、表面層が重量で少なくとも50%の亜鉛を含ん
でいるならば、特に良好なる結果が得られる。
【0026】 この発明の他の目的として、前述した工程で製造並びに表面処理された材料片
自体が含まれる。陽極酸化による組成的変換で特徴付けられた亜鉛含有表面は、
結果として非常に高い光吸収能力を持つので、例えば可視スペクトル領域では、
表面を黒く見せるものである。材料片の表面層の形質転換した部分の厚さは、数
μmから数百μmの範囲、好ましくは5から500μmである。特に赤外線照射
に対しては、非常にわずかな反射度合であった。更に形質転換した表面層は密着
性に優れ、それ自体並びに隣接させる他の材料との間に優れた堅牢性を付与する
特徴がある。
【0027】
【0028】
【0029】 OH基の供給は、NaOHまたはKOHそれぞれの溶液の濃度によって、望み
どおりに調整できる。また、電解液は表面のぬれ性改善のために消泡用添加剤ま
たは腐食抑制剤を、固体または粘ちゅう液体として0.01〜100g/l含有
するものである。適切なる添加用有機溶剤は、色々な種類の、グリコール、グリ
コールエーテル、グリコールエーテルエステルおよびアルコールであり、これら
はその用途により単独でまたは混合して用いられる。
【0030】 この発明の他の目的として含まれているものに、亜鉛を含有する材料片の表面
層の黒色化方法があり、電気分解の効果を用いず、材料を単に浸漬処理する方法
である。その浸漬浴は水酸化物、硝酸塩の水溶液で、pHの値が8〜14の範囲
にあり、かつNHNOまたはNaNOの濃度が40〜50g/l、pHの
値が8〜14の範囲にあり、浸漬は15〜45℃の範囲の温度で行なわれるもの
である。
【0031】 最後に述べた工程を実施する時、浴のpH値は13以上、浸漬浴の温度は、1
5〜25℃の範囲、そして処理時間は10秒を下回らないことである。例えば、
濃度30g/lのNaOHと濃度40g/lのNaNO3を用いて、室温で行な
った場合には、20〜30秒後には、早くもZnFe表面層が暗色化した。Zn
Feに於ける鉄部分の割合は、0.3〜1.5重量%の範囲である。
【0032】 詳細に前述した作業は、亜鉛を含有する材料片の表面黒色化に対する処理を実
行したものであり、材料片は水酸化物の水溶液を含む浸漬浴中で陽極酸化を受け
るものであり、ここでの条件は下記の通りである。 − 浸漬浴のpHの値は8〜14の範囲内にあり、 − 処理は2〜30mA/cmの範囲の直流電流密度で実施され、かつ − 材料片は、陽極酸化開始時先に電圧をかけた浸漬浴に浸漬される。
【0033】 尚、この際、電流密度が2mA/cm以下の場合には黒色化は生じない、一
方30A/cmを超える場合には最初黒色化は起こるが、生成したこの適切な
る層は数秒中に再び溶解してしまうことが観察された。尚、この工程は、水酸化
アルカリを用いpH値を13以上とするのが好ましい。
【0034】 この提供された方法並びにこれら工程により製造された材料片は、次に記載し
たごとき利点を有する。すなわち、有害なるCrの使用が回避できたこと。商
業用の鍍金技術との適合性が確かめられたこと(例えば、アルミニウム陽極酸化
法)。従って良く知られた装置技術(枠型または樽型法)をそれに関連したノウ
ハウも含めて広範囲に使用できることである。また、例えば、透明、灰色または
黒色の有機または無機バインダを基にしたペイントを材料片に上塗りするシステ
ムの場合、ペイント層と材料片の形質転換表面とのコントラスト差が少ないので
、材料片の表面を隠蔽するのに必要なペイントの材料費用は少なくてすむ。
【0035】 本発明の理解を深めるために、この発明に含まれるいくつかの工程設計例とこ
れらにより処理された材料片例を以下に説明する。
【0036】 以下に説明する設計例に於いて、使用された材料片は光沢鍍金鋼板である。特
に述べられていない場合は、鋼板は、すでに電圧がかけられている浸漬浴に浸漬
されたものである。
【0037】 実施例1) 材料片の表面処理の第1工程ステップは0.5MのHSO中に約1分間浸
漬することである。工程のこのステップは、この後の陽極酸化工程での処理が行
なえるように、表面の均一性を改善するために行なわれるもので、これは取り扱
われる材料の表面が異常な不均一性を示したときのみ必要とされるものである。
【0038】 第2工程ステップでは、材料片の陽極酸化が実施され(電極間は3cm:交流
での数ボルト)、向い合う電極は全てチタンのシートで形成されている。陽極酸
化のために、電解液としてNaOHおよびNaNOの水溶液を特徴とする浸漬
浴が使用され、選定濃度はNaOHが30g/l、NaNOが40g/lであ
る。浴の温度Tは40℃、一方電流密度は0.1A/cmに等しい。処理時間
は2から10分の範囲内にある。
【0039】 この実施例に於ける陽極酸化では、材料片が50Hzの交流で作動する交流サ
ーキットのコレクター電極となり、一方チタンシートが対向電極として作動する
ものである。
【0040】 第3工程ステップは、陽極酸化用浸漬浴からの材料片の取出し、何段階もの流
水工程での洗浄、そして最後に乾燥である。
【0041】 陽極酸化工程は、材料片の表面層の均一なる構造化と一様な黒色化が起こるよ
うに、材料片の表面層を形質転換させるものである。表面層の形質転換部分の厚
さは、第一に処理時間tに依存するものであるが、10〜100nmの範囲内で
ある。形質転換された表面層はそれ自体との自己接着性および、形質転換されて
いない亜鉛表面に対してもしっかりとした接着性を与えるものである。
【0042】 実施例2) 第2工程ステップは、次のパラメーターのごとく実施された。すなわち処理時
間t、チタンシートの対向電極、および浴温度は前述の条件と同一とした上で、
電解液はNaOHの13g/lおよびNaNOの50g/lを含む水溶液、電
流密度iは0.05A/cmである。その結果、実施例1で第2工程ステップ
向けに説明されたと同様な特性を有する形質転換表面をもつ材料片が得られた。
【0043】 第2工程ステップのために実施された前記記載の両方の例とも、NaOHとN
aNOの濃度および電流密度のプロセスパラメーターは制限範囲内に含まれて
いるものである。従ってこれらパラメーターが前述した制限内で変動する場合に
は、表面層の特性は有効な範囲内に維持される。
【0044】 尚、浴の温度Tと処理時間tはそれぞれの適用例により変化するものである。
【0045】 実施例3) 実施例1)および2)で述べたと同様な第2工程ステップが用いられたが、第
1工程ステップは光沢鍍金鋼板から邪魔な高い有機部分を取り除くために修正さ
れた。
【0046】 この目的のために、第1工程ステップは2MのHSO中へ10秒間以上、
例えば2分間まで浸漬する工程が取り入れられた。第1工程ステップは、また2
00℃での材料片の焼き入れ工程も同様に組み込まれ、この焼き入れは約1時間
にわたり続けられた。
【0047】 実施例4) この例は次の事実を説明するためのものである。すなわち、実施例1)から3
)によって説明されたごとく各工程ステップは実施されても、陽極酸化の後で材
料表面に、特に光沢鍍金鋼板の場合、虹色のフイルムが発生することがある。
【0048】 このような虹色のフイルムを除くために、10%のCHCOOH中に、材料
片を3秒間以上浸漬させた。
【0049】 実施例5) 実施例1)とは反対に、この例は直流電圧を用いて行なった工程を示している
。材料片には光沢鍍金鋼板を再び用いた。
【0050】 プロセスパラメーターは次の通りである。すなわち電解液は、NaOHの30
g/lとNaNOの40g/lを含む水溶液、直流の電流密度は0.017A
/cmで、処理時間は5分間である。
【0051】 尚、浴の温度は室温である。
【0052】 この実施例は、格別の利点を有する。すなわち交流電圧に比べて低い電流密度
をこの工程で用いることができる。更に、直流電圧を用いた処理の場合に陰極半
波で作られる水素の形成は、直流電圧をその工程に用いることにより完全に除く
ことができる。水素は材料片の表面層の脆化に結びつく。
【0053】 次の例は、電解効果なしに、材料片の表面層の黒色化をいかに達成するかを明
らかにしている。
【0054】 実施例6) この実施例は、鉄分を重量で0.5〜1.5%の範囲で含むZnFeから作ら
れた表面層をもつ材料片を用いて行なわれた。
【0055】 この工程は電流を流さずに室温で行なわれた。電解液は、30g/lのNaO
Hおよび40g/lのNaNOを含む水溶液である。
【0056】 20秒から30秒間の浸漬後に、材料片の表面層に黒色化が起こった。
【0057】 実施例7) 前述した実施例とは異なり、この工程では二番目の材料片が対向電極として使
用された。この極は実質的には、もう一方の処理される材料片と同じ構造を持つ
故に、両極操作を容易にするものである。前述したように交流電圧がかけられた
場合に、両方の材料片が同時に処理されて表面層に黒色化を生じた。
【0058】 実施例8) メッキにより被覆された亜鉛層は、pH値が13.4〜13.6の範囲で、0
.1〜0.15A/cmの範囲の交流電流を適用して、陽極処理される。次の
ナトリウム塩すなわち、燐酸ナトリウム(10−40g/l)、酢酸ナトリウム
(10−40g/l)、炭酸ナトリウム(10g/l)、硫酸ナトリウム(10
−40g/l)、蓚酸ナトリウム(10−40g/l)、クエン酸ナトリウム(
10−40g/l)、ホウ酸ナトリウム(10−40g/l)を用いた場合、良
好な均一性を与える表面の黒色化が観察された。
【0059】 塩の濃度は、少なくとも60g/lまでは使用できると完全に考えられる。
【0060】 ホウ酸ナトリウムの場合には、0.05A/cm程度の最小電流密度でも、
表面の黒色化には十分である。
【0061】 実施例9) pH値を13.4〜13.95の範囲とし、電流並びに塩濃度を前述の実施例
と同様の値にするならば、亜鉛を含有する表面の黒色化は可能である。硝酸ナト
リウムとホウ酸ナトリウムの両方に於いて、表面の黒色化が観察された。前述の
実施例で述べた他の全てのアルカリ塩も、濃い灰色へとの変化をもたらした。
【0062】 交流電圧を用いた陽極酸化の実施に関して、最後に述べた二つの実施例は、黒
色化の満足度合に差を示した。その差はNaOHの濃度に関連するものである。
もし、NaOHの濃度が、10〜15g/lの範囲にあるならば、硝酸ナトリウ
ムやホウ酸ナトリウムの他に、アルカリ金属やアンモニウムの燐酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩およびクエン酸塩の如き他の塩も良好な黒色化の結果を
生むものとして使用できる。これに対し、NaOHの濃度が30g/lを超えた
場合では、硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウムを用いた時に、黒色化の最も良い
結果が達成された。
【0063】 浸漬浴は、例えば硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウムの混合物のごとく、黒色
化効果を低下させることなく、いくつかの塩を混合して含有することが出来る。
【0064】 実施例10) pH値が13.4〜13.6の範囲の時、亜鉛含有表面が直流電流で陽極酸化
された。そのときに使われた塩に依存するが、電流密度が3x10−4〜20x
10−3A/cmの範囲内の直流電流である場合に、良好な表面の均一性を有
する黒色化または暗黒色化が達成されることがすでに観察されている。特に、ホ
ウ酸ナトリウムと硝酸ナトリウムを用いた場合には、良好な均一性を持つ黒色の
表面が得られている。
【0065】 直流電流を用いて陽極酸酸化を行なう時、硝酸ナトリウムとホウ酸ナトリウム
を用いた場合は、他のアルカリまたはアンモニウム塩を用いた場合に比べて、良
好な結果が得られている。
【0066】 実施例11) 純粋なNaOHを用いた場合、最小50%の亜鉛を含む表面の黒色化が完全に
可能である。30g/lのNaOH水溶液および15mA/cmの電流密度の
直流電流を用いての陽極酸化により、表面は黒色化された。
【0067】 従って、前の実施例で研究された塩は、亜鉛を含む表面の黒色化に対して、第
一に電流密度のインターバルを上げるように思われる。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化物およびアルカリまたはアンモニウムと多価アニオンと
    の塩の水溶液を含有する浸漬浴中で材料片の陽極酸化を行なう目的のために、亜
    鉛を含有する材料片の表面層を黒色化する方法であって、 − 浸漬浴は8〜14の範囲内のpH値を有し、かつアルカリ塩またはアンモニ
    ウム塩の濃度は10〜60g/lの範囲内にあり、 − 浸漬浴の温度(T)は15〜45℃の範囲内にあり、 − 陽極酸化用の電流密度(i)は3x10−4〜0.5A/cmの範囲にあ
    り、 − アルカリ塩またはアンモニウム塩は、アルカリ金属またはアンモニウムの燐
    酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩およびホウ酸塩からなる群
    から選ばれ、 − 電圧がすでに供給されている時、材料片は陽極酸化の開始時に浸漬浴中に浸
    漬されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 NaOHまたはKOHの適切な濃度によってpH値が設定され
    ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 pH値が13を超える範囲で実施されることを特徴とする、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 陽極酸化は1秒〜10分間の処理時間(t)中に実施されるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 陽極酸化は30秒〜3分間の処理時間(t)に渡って実施され
    ることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 直流電圧で実施されることを特徴とする、請求項1〜5の1つ
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 浸漬浴温度は15〜30℃の範囲内にあり、かつ電流密度(i
    )は3x10−4〜0.15A/cmの範囲内にあることを特徴とする、請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 電流密度(i)は0.3〜20A/cmの範囲内にあること
    を特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 浸漬浴は25〜35g/lのNaOHおよび30〜50g/l
    のNaNOまたはNaを含有することを特徴とする、請求項6〜8
    の1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 浸漬浴は30g/lのNaOHおよび40g/lのNaNO またはNaを含有することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 交流電圧で実施されることを特徴とする、請求項1〜5の1
    つに記載の方法。
  12. 【請求項12】 浸漬浴温度は35〜45℃の範囲内にあり、かつ電流密度(
    i)は、0.1〜0.15A/cmの範囲内にあることを特徴とする、請求項
    11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 浸漬浴は10〜35g/lのNaOHおよび30〜60g/
    lのNaNOまたはNaを含有することを特徴とする、請求項11
    または12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 浸漬浴は25〜35g/lのNaOHおよび40〜50g/
    lのNaNOまたはNaを含有することを特徴とする、請求項13
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 浸漬浴は、NaOHの10〜15g/lと、アルカリ金属の
    燐酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩およびホウ酸塩からなる
    群から選ばれるアルカリ塩の10〜60g/lとを含有することを特徴とする、
    請求項11〜14の1つに記載の方法。
  16. 【請求項16】 水酸化物の水溶液を含有する浸漬浴中における材料片の陽極
    酸化の目的のために、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化する方法であって
    、 − 浸漬浴は8〜14の範囲内のpH値を有し、 − 浸漬浴の温度(T)は15〜45℃の範囲内にあり、 − 陽極酸化用の電流密度(i)は3x10−4〜0.5A/cmの範囲内に
    あり、 − 電圧がすでに供給されている時、材料片は陽極酸化の開始時に浸漬浴中に浸
    漬されることを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 材料片は、陽極酸化前に酸による浸漬処理に付されることを
    特徴とする、請求項1〜16の1つに記載の方法。
  18. 【請求項18】 酸として最小0.5MのHSOを用い、かつ少なくとも
    10秒の時間に渡って浸漬処理を行なうことを特徴とする、請求項17に記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 酸として2MのHSOを用い、かつ浸漬処理後、材料片
    を約200℃で約1時間に渡って加熱することを特徴とする、請求項17に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 材料片は、陽極酸化後に酸における浸漬処理に付されること
    を特徴とする、請求項1〜19の1つに記載の方法。
  21. 【請求項21】 10%のCHCOOHを酸として用い、かつ最小30秒間
    浸漬処理を行うことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 表面層は最小8μmの被覆厚とすることを特徴とする、請求
    項1〜20の1つに記載の方法。
  23. 【請求項23】 表面層が少なくとも50重量%の亜鉛を含んでいることを特
    徴とする、請求項1〜14の1つに記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項1〜23の1つに記載の方法に従って製造された亜鉛
    を含有する表面層を備えた材料片。
  25. 【請求項25】 pH値が8〜14の範囲内にあり、かつNHNOまたは
    NaNOの濃度が40〜50g/lの範囲内にある水溶液を含んでなる酸化処
    理用の電解液。
  26. 【請求項26】 pH値が8〜14の範囲内にあり、かつアルカリ金属または
    アンモニウムの燐酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩およびホ
    ウ酸塩の群から選ばれた塩の濃度が10〜60g/lの範囲内にある水溶液を含
    んでなる酸化処理用の電解液。
  27. 【請求項27】 水酸化物および硝酸塩の水溶液を含む浸漬浴中で材料片を処
    理する目的のために、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化する方法であって
    、上記水溶液が9〜14の範囲内のpH値および40〜50g/lの範囲内のN
    NOまたはNaNOの濃度を有し、かつ浸漬浴処理が15〜45℃の範
    囲内の温度(T)で行われる方法。
  28. 【請求項28】 上記表面がZnFeで形成され、浸漬浴pH値が13を超え
    、浴温度が15〜25℃の範囲内にあり、かつ処理時間がすくなくとも10秒で
    あることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 陽極酸化用の両電極が、亜鉛を表面層に含む材料片より形成
    されることを特徴とする、請求項1〜24の1つに記載の方法。
  30. 【請求項30】 水酸化物の水溶液を含有する浸漬浴中で材料片に陽極酸化を
    行う間に、亜鉛を含有する材料片の表面層を黒色化する方法であって、 − 浸漬浴は8〜14の範囲内のpH値を有し、 − 上記方法は2〜30A/cmの範囲内の電流密度で行われ、 − 電圧がすでに供給されている時、材料片は陽極酸化の開始時に浸漬浴中に浸
    漬されることを特徴とする方法。
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