JP2002532558A - 粘膜線毛クリアランスの速度を促進する方法 - Google Patents

粘膜線毛クリアランスの速度を促進する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、膿胞性腺維症等の粘膜腺毛機能不全に罹った対象の気道中の粘液および痰の粘膜腺毛クリアランスの速度を刺激するために、Kunitz型(Kunitz−type)セリンプロテアーゼ阻害剤、例えば、アプロチニンまたはビクニンを使用する組成物および方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 相互参照 本出願は、1998年12月22日に提出された米国特許出願号第09/21
8,913号の一部継続である。
【0002】 発明の分野 本発明は、肺気道中の粘液および痰の粘液毛様体クリアランスの速度を促進す
るセリンプロテアーゼ阻害剤タンパク質を含む組成物に関する。本発明は、哺乳
類における粘膜線毛クリアランスの速度を刺激する方法にも関する。
【0003】 発明の背景 委ねられた問題 肺気道での粘液および痰を排除する線毛上皮の不能によって特徴づけられる粘
膜線毛機能不全は、慢性気管支炎(CB)、気管支拡張症(BE)、喘息および
特に膿胞性腺維症(CF)等の慢性の閉鎖性肺疾患の重大な合併症である。粘膜
線毛機能不全に罹っている患者は、二次的細菌感染に対して特に傷つきやすい。
粘膜線毛機能不全に関連したCFおよび呼吸器疾患についての治療および維持適
用様式および治療の必要が記載された。例えば、Braga「Drugs in
Bronchinal Mucology(気管支の粘液学における薬剤)」、
Raven Press、New York、1989;Lethermら、A
m Rev.Respir.Dis.142:1053−1058、1990;
米国特許第5,830,436号参照。
【0004】 膿胞性腺維症 膿胞性腺維症(CF)は、外分泌上皮中の流動体および電解質輸送での異常を
引き起こす常染色体劣性疾患である。膿胞性腺維症膜貫通コンダクタンスレギュ
レータ(CFTR)と称されるタンパク質をコードするDNA内での突然変異が
、事実上全てのCF患者で見られた。肺の細胞は、特に影響される。Di Sa
ntagreseら、Am J.Med.66:121−132(1979)。
【0005】 CFでは、気道粘膜細胞の層の境界は、膜の塩化物チャネルのcAMP依存性
タンパク質キナーゼ活性化に反応性でない。Cl−に対する細胞透過性は、損傷
を受け、そして細胞を超えたNa+吸収は促進される。これらの電解質不均衡の
両方は、気道粘膜の水和のレベルを減少させる傾向にあり、したがって、これに
よりCFの粘性肺分泌特性に貢献する。Knowles、Clin.Chest
.Med.11:75(1986)。外因性細菌およびマイコプラズマは、肺気
道に入り、そしてその粘膜内にコロニーを確立する。CFに関連した厚い粘膜は
、免疫系からこれらの病原体を単離する。粘膜毛様体クリアランスは、CF患者
で減じられるので、細菌クリアランスも減じられる。したがって、肺うっ血およ
び感染は共通する。これらの病原体の長期化した存在は、肺機能を危うくする炎
症反応を常に開始する。Bedrossianら、Human Pathol.
7:195−204、1976。
【0006】 CF肺での粘膜粘性は、一部には、気道粘膜毛様体クリアランス(MCC)の
速度を変化させる気道表面流動体(ASL)でのCl−チャネル機能不全および
ナトリウム(Na−)イオン濃度の修正に関連したときに粘膜の水和が減少され
ることによる。粘膜輸送に関与した機構は、インビトロおよびインビボで研究さ
れてきた。CB、CFおよびBE痰は、粘膜除去ウシ気管(MDET)の哺乳類
の線毛上皮によってゆっくりと輸送される(Willsら、J.Clin.In
vest.97(1):9−13、1995)。MDST上の減少した痰の輸送
能力がゆっくりなのは、その電解質/透過溶解物の含有量が低いことに関連し得
る(Willsら、J.Resp.Crit.Care Med.151(4)
:1255−1258、1997)。実際に、病気の痰は、血漿に対して低い電
解質含有量を示すことが知られている(Matthewsら、Am.Rev.R
esp.Dis.88:199−204、1963;Potterら、Am.R
ev.Resp.Dis.67(1):83−87、1967;Tomkiew
iczら、Am.Rev.Resp.Dis.148(4、Pt.1):100
2−1007、1993)。
【0007】 MDETにおけるさらなる研究は、病気の痰の輸送能力が、塩化ナトリウムを
用いた以下の治療を改善するということを示した(Willsら、1995)。
さらに、臨床研究は、高張性生理食塩水の、または上皮のナトリウムチャネル(
ENaC)ブロッカーアミロライドの吸入は、病気の患者におけるMCCを明ら
かに増大させ得ることを示した(Robinsonら、Thorax 52(1
0):900−903、1997;Appら、Am.Rev.Resp.Dis
.141、605−612、1990)。最近、気管の粘膜速度(TMV)のモ
ルモット・モデルでのインビボでの粘膜クリアランスとそのイオン性組成物との
関係が解明された。インビボでの研究は、高張性生理食塩水の5分間のエアロゾ
ルが、TMVを一過的に増大することを示した。TMVでの増大が、高張性生理
食塩水(14.4%)エアロゾルの1分後に観察された。TMVは、高張性生理
食塩水露出動物で5.1±1.0mm.min−1(n=9)であった(n=9
;p≦0.001)(Newton & Hall、1997)。吸入されたア
ミロライドも、TMVでの増大を引き起こした。TMVでの明らかな増大は、ア
ミロライド(10mM)の20分のエアロゾルの15分後に観察された。TMV
は、アミロライド露出動物(n=8;p≦0.05)で8.1±0.3mm.m
in−1に比較して3.2±2.5mm.min−1(n=9)であった(Ne
wtonら、Ped.Pulm.S17、Abs.364、1998)。これら
の剤は、気道表面流動体(ASL)のイオン性含有量を増大させることによって
作用するようである。
【0008】 全身性の偽性アルドステロン低下症(SPHA)を有する対象からの臨床上の
遺伝的証拠も、気道上皮のナトリウムチャネルの活性の下降調節が、肺での粘膜
毛様体クリアランスを増大するという見解を支持する。上皮のナトリウムチャネ
ル副単位についての遺伝子での機能突然変異の損失を示すSPHA患者は、気道
表面からのナトリウム吸収を示さず、それらは、正常な対象に比較して鼻内表面
流動体でのナトリウムイオン濃度を増大させ、そしてそれらは、4倍の増大した
肺粘膜毛様体クリアランス速度を示した(Keremら、New Englan
d J.Med.341、156−162、1999)。
【0009】 最近、チャネル活性化プロテアーゼ(CAP−1)と称されるセリンプロテア
ーゼは、両生類のツメガエルの腎臓上皮細胞(A6細胞)の先端膜で見出された
(Valletら、Nature 389(6651):607−610、19
97)。CAP−1は、これらの細胞でのNa+チャネル活性を調節するようで
ある。始原型ウシKunitz阻害剤であるアプロチニンに対する先端膜の露出
は、上皮間のNa+チャネルを減少させた(Valletら、1997;Chr
aibiら、J.Gen.Physio.111(1):127−138、19
98)。Bukinin(1−170)の効果、2つのKunitzドメインヒ
ト相同性のウシアプロチニン(Delariaら、J.Biol.Chem.2
72(18):12209−12214、1997;Marlorら、J.Bi
ol.Chem.272(18):12202−12208、1997)を、イ
ンビトロでの正常な培養ヒト気管支の上皮細胞(HBE)の短電流(Isc)を
用いて評価した(McAulayら、Ped.Pulm.S17、Abs.14
1、1998)。ビクニン(15ug.ml−1:70nM)は、正常なHBE
細胞(n=5−8;p≦0.05)で54%Na+Iscを明らかに阻害した。
全体的に、ビクニン(70nM)は、90分で基本線Iscの58%を阻害した
。別の研究では、ビクニン(5ug.ml−l)は、正常なHBE細胞(n=6
;p≦0.01)で84%Na+Iscを明らかに阻害した一方で、セルピンフ
ァミリーのセリンプロテアーゼ阻害剤アルファ(1)−プロテアーゼ阻害剤(α −PI)(50μg・ml−1)は、明白な効果がなかった。インビトロで培
養されたヒト膿胞性腺維症の気道上皮細胞で、Iscは、ビクニン(1−170
)(1μg/mL)によって阻害され、そしてアプロチニン(20μg/mL)
によって阻害された。
【0010】 単独の研究群による2つの最近の研究では、TMVにおけるプロテアーゼ阻害
剤で誘導される効果が示された。抗原感作の30分前、または感作の1時間後の
いずれかに示されるα−PI(10mg)は、感作の6時間後に、アレルギー
のヒツジでのTMVにおける抗原誘導還元の力を減じた(O’Riordanら
、Am.J.Resp.Crit.Care Med.97(5):1522−
1528、1997)。図1で、O’Riordanら、1997年の文献で、
著者らは、それ自体(非抗原感作)で、アレルギーのヤギの気道に投与されたα −PIは、6時間の期間中基本線TMVでの効果を示さなかった。第2の研究
で、α−PIは、抗原感作の6時間後に付与され、そして感作の24時間後に
、抗原誘導の明らかな逆行によってのみ引き起こされた(O’Riordanら
、App.Physio.85(3):1086−1091、1998)。著者
らは、α−PIの効果についての機構は、それの抗神経親和性エラスターゼ特
性に関連し、神経親和性エラスターゼは、それらのモデルでの粘膜毛様体クリア
ランスの速度を減少させる原因である酵素であると考えられる。それらは、α −PIは、喘息におけるアレルギー誘引神経親和性エラスターゼ放出によって引
き起こされる粘膜毛様体機能不全を治療するために使用され得ると結論づけた(
O’Riordanら、1988)。かれらは、他の呼吸器疾病で潜在的役割を
推測しなかった。
【0011】 発明の簡単な要約 本発明は、肺の気道中の粘液および痰の粘膜毛様体クリアランス(MCC)の
速度を刺激するKunitzファミリーのセリンプロテアーゼ阻害剤の使用に向
けられる。Kunitz型プロテアーゼ阻害剤は、粘膜の滞留および蓄積が、主
要な臨床問題である膿胞性腺維症(CF)、慢性気管支炎(CS)および気管支
拡張症(BE)等の肺疾病を治療するために使用され得る。現在まで、先行技術
は、基本線速度より上のMCCの速度を増大する能力を有するプロテアーゼ阻害
剤に関連しなかった。Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤は、粘液の滞留
および蓄積が臨床的問題である慢性副鼻腔炎および粘性耳を治療するためにも使
用できる。
【0012】 本発明は、MCCを刺激する方法に使用するためのKunitzドメインまた
はKunitz様ドメインを含むセリンプロテアーゼ阻害剤タンパク質の使用を
意図する。本発明の1つの実施形態では、アプロチニン等のウシセリンプロテア
ーゼ阻害剤タンパク質、および1998年1月28日に刊行されたEP8210
07号に記載されるもののような変異体およびその断片が、本発明を実施する上
で使用され得る。
【0013】 本発明の別の実施形態では、ヒトセリンプロテアーゼ阻害剤は、MCCの速度
を刺激する方法に使用することが意図される。ヒトのセリンプロテアーゼ阻害剤
の代表例としては、ビクニンおよび1997年9月18日に刊行されたWO97
/33996(Bayer Corp.)、および1995年4月18日に発行
された米国特許第5,407,915号(Bayer AG)に記載されるもの
のような変異体およびその断片が挙げられ、そしてそれは全体的にここに組み込
まれる。
【0014】 本発明は、図面と共に以下の詳細な説明および特許請求の重要性からよりよく
理解される。
【0015】 発明の詳細な説明 本発明は、肺気道中の粘液および痰の粘膜線毛クリアランスの速度を刺激する
Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤タンパク質およびそれの断片を含む組
成物に関する。組成物は、Kunitzクラスの2つのセリンプロテアーゼ阻害
ドメインを含むここでヒト胎盤ビクニンと称される、新たに同定されたヒトタン
パク質も含む。
【0016】 本発明はまた、生物学的に匹敵するビヒクルでの、有効量の本発明の開示セリ
ンプロテアーゼ阻害剤を、患者に投与することを特徴とする、粘膜線毛機能不全
を示す患者における粘膜線毛クリアランスの速度を刺激する方法を提供する。
【0017】 胎盤ビクニン、単離ドメイン、および他の異性体の好ましい使用は、疾病療法
および管理の一部としてCF患者での粘膜線毛クリアランスを刺激するためのも
のである。これらの方法および組成物は、慢性閉鎖性肺疾病を示す患者において
肺気道で粘液および痰連続発生を減少または排除し、それにより二次肺感染およ
び他の有害な副作用の危険を減少させ、同様に、CF患者における肺移植手術の
必要性を避けるか、または遅延させる。
【0018】 本発明の方法は、MCCを刺激するためのアプロチニンの使用を意図する。ア
プロチニンは、両生類ツメガエルの腎臓上皮細胞(A6細胞)の先端膜での上皮
内Na+輸送を減少させることが示された(Valletら、1997:Chr
aibiら、1998)。アプロチニン作用の機構は、A6細胞でのNa+チャ
ネル活性を調節することに関与されるプロテアーゼである、CAP−1の阻害に
関与することが提案された。ウシアプロチニンの2つのKunitzドメインヒ
ト相同体(Delariaら、1997:Marlorら、1997)であるビ
クニン(1−170)は、インビトロで正常の培養ヒト気管支上皮細胞(HBE
)短い電流(Isc)を明らかに阻害することも示された(McAulayら、
1998)。ビクニン(1.5ug.ml−1:70nM)が、正常なHBE細
胞での54%Na+Iscを明らかに阻害した(n=5−8;p≦0.05)。
全般に、ビクニン(70nM)は、90分間で基本線Iscの58%を阻害した
。別の研究では、ビクニン(50ug.ml−l)は、正常なHBE細胞での8
4%Na+Iscを明らかに阻害した(n=6;p≦0.01)一方で、セルピ
ンファミリーのセリンプロテアーゼ阻害剤アルファ(1)−プロテアーゼ阻害剤
(α−PI)(50ug.ml−l)は、有為な効果がなかった。インビトロ
での培養ヒト膿胞性腺維症気道上皮細胞で、Iscは、ビクニン(1−170)
(1ug/mL)によって阻害され、そしてアプロチニン(20ug/mL)に
よって阻害された。
【0019】 これらの観察の観点で、アプロチニン、胎盤ビクニンおよびその断片等のKu
nitz型セリン阻害剤は、膿胞性腺維症を含めた粘膜線毛の機能不全を治療す
るための治療薬として意図される。
【0020】 「Kunitz阻害剤」によって、プロテアーゼの阻害剤が意図される;構造
的に、「Kunitz阻害剤」または「Kunitzドメイン」は、特徴的には
、長さ約60個のアミノ酸で、そして3個のジスルフィド結合を含むタンパク質
、またはタンパク質ドメインである。(LaskowskeおよびKato、A
nn.Rev.Biochem.49、593−626、1980参照)。
【0021】 本発明のセリンプロテアーゼ阻害剤ビクニンおよび断片およびその類似体のK
unitzドメインの明らかな利点は、それらが、ヒトタンパク質であり、そし
てTrasylol(商標)(実施例1)より正に負荷されことが少なく、それ
により大用量のタンパク質の投与で腎臓損傷の危険を減少させることである。ヒ
ト起源のものであるので、したがって、本発明のタンパク質は、Trasylo
l(商標)の同様の用量の投与と比較して、望まれていない免疫学的反応の危険
を著しく減少させながら、ヒト患者に投与される。さらに、ビクニン(102−
159)、ビクニン(7−64)、およびビクニン(1−170)が、インビト
ロでTrasylol(商標)より血漿カリクレインの著しく、いっそう強力な
阻害剤であることが分かった(実施例3、4および10)。したがって、ビクニ
ンおよびその断片は、アプロチニンに対応してインビボでいっそう有効であるこ
とが予測される。使用されるべき医薬阻害剤の量は、治療されるべき享受者およ
び症状に依存する。必要量は、当業者に知られるプロトコルによる不都合な経験
なしに決定され得る。代替的に、必要量は、症状を治療するために阻害されるべ
きプラスミン、カリクレイン、またはプロスタシンのような標的プロテアーゼの
量の測定に基づいて計算され得る。本発明で意図される活性材料として、活性剤
の任意に必要とされる量の過剰を投与することに好ましく関与する毒性のない治
療と考えられる。
【0022】 慢性の閉鎖性肺疾患を示す患者における粘膜線毛クリアランスの速度を刺激す
るために、本発明のタンパク質は、アプロチニンTrasylol(商標)のよ
うに使用できる一方で、大量に取った場合、効力が異なる。Trasylol(
商標)の使用は、Trasylol(商標)補足Aについて列記しているPhy
sicians Desk Reference(医師の机上参照)、1995
年で概説される。簡便には、スピン位置にある患者で、胎盤ビクニン、単離ドメ
インまたは他の変異体の負荷用量は、約20から30分かけてゆっくりと流入す
ることによって付与される。一般に、約2×106KIU(カリクレイン阻害単
位)および約8×106KIUの間の総用量が、患者の体重および症状のような
因子によって、使用される。好ましい負荷用量は、100から200カリクレイ
ン阻害単位(KIU)の総量を含むものである。
【0023】 本発明のタンパク質は、当業者に知られる方法で処方された医薬組成物で使用
される。このような組成物は、意図される投与態様および投薬によって、活性成
分(類)に加えて1つまたはそれ以上の医薬上許容し得る担体、希釈剤、充填剤
、結合剤、および他の賦形剤を含有する。当業者に知られる治療上不活性な無機
または有機担体の例は、それに限定されないが、ラクトース、コーンスターチ、
またはその誘導体、タルク、植物性油、蝋、脂肪、ポリエチレングリコール等の
ポリオール、水、サッカロース、アルコール、グリセリン等が挙げられる。種々
の防腐剤、乳化剤、分散剤、香料、湿潤剤、抗酸化剤、甘味料、着色剤、安定剤
、塩、緩衝剤等も、処方の安定性で補助すること、または活性成分(類)の生物
利用性を増大する上で補助すること、または経口、鼻内または肺投与の場合に許
容し得る風味および臭いの処方を生じるが必要とされる場合、添加され得る。こ
のような組成物で使用される阻害剤は、元来の化合物それ自体の形態であるか、
または任意に、医薬上許容し得る塩の形態であり得る。そのように処方された組
成物は、当業者に知られる任意の適切な態様によって、阻害剤の投与のために必
要とされる場合に選択される。
【0024】 非経口投与態様としては、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(
i. p.)、および筋肉内(i.m.)経路が挙げられる。静脈内投与は、必要とさ
れ得る場合に、薬剤の頂上の血漿中濃度の急性調節を得るために使用され得る。
代替的には、薬剤は、静脈内(i.v.)カテーテルによって連続して所望の速
度で投与され得る。適切なビヒクルとしては、注射用の滅菌水、滅菌緩衝溶液ま
たは滅菌生理食塩水のような無菌で、非発熱物質性水性希釈剤が挙げられる。得
られる組成物は、静脈内注射または注入によって、実験の前におよび/または間
に患者に投与される。
【0025】 炎症に関与した好中球およびマクロファージのような食胞に対する薬剤の半減
期および標的を改善して、リポソーム中の薬剤の捕捉によって援助され得る。胃
腸管および肺のような標的器官/組織に特異的な巨大分子に結合するリポソーム
リガンドの外側に組み込むことによって、リポソームのターゲティングの選択性
を改善することは可能であるにちがいない。代替的に、薬剤の分解性ミクロスフ
ェア(例えば、ポリ−DL−ラクチド−コ−クリコライドを含むもの)への封入
を有するかまたは有しないimまたはsc沈降注射またはコラーゲンを含有する
保護処方は、長期化した持続薬剤放出を得るために使用され得る。投薬の便宜が
改善されるために、腹腔内移殖されたリザーバおよび打診システムのような中隔
を使用することが可能である。便宜および患者の苦情が改善されるのも、注射ペ
ン(例えば、Novo pinまたはQ−pen)または針のないジェット注入
(例えば、Bioject、MedijectまたはBecton Dicki
nsonから得られる)のいずれかの使用によって達成され得る。正確に制御さ
れた放出も、カニューレを介して所望の部位への送出を伴う移殖可能なポンプを
用いて達成され得た。実施例としては、ALZET浸透ポンプのようなALZA
から入手可能な皮下で移殖された浸透ポンプが挙げられる。
【0026】 経口送出は、薬剤を、消化性プロテアーゼ活性が低い回腸に薬剤を放出するよ
うに設計された錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、硬質および軟質ゼラチンカプセル、溶
液、乳液、懸濁液または腸溶カプセルに組み込むことによって達成され得た。後
者の例としては、ALZAのOROS−CT/Osmet(商標)システム、お
よびScherer Drug Delivery SystemsのPULS
INCAP(商標)システムが挙げられる。他のシステムは、コロニー特異的ア
ゾレダクターゼによって分解されるアゾ架橋高分子、または回腸でのpHでの上
昇によって達成されるpH感受性ポリアクリル酸高分子を使用する。上のシステ
ムは、広汎な利用可能な吸収増強剤と接合して使用され得る。直腸送出は、薬剤
を、坐剤に組み込むことによって達成され得る。
【0027】 鼻内送出は、薬剤を、リン脂質またはアシルカルニチンのような適切な吸収強
化剤と接合して、セルロース、ポリアクリレートまたはポリカルボフィルを含む
もののような生物的粘着性粒子担体(<200mm)に組み込むことによって達
成され得た。市販で入手可能なシステムとしては、Dan Biosys an
d Scios Novaによって開発されたものが挙げられる。
【0028】 粘膜線毛クリアランスの速度を刺激するために、本発明の胎盤ビクニン変異体
の投与の好ましい態様は、肺送出である。ここに開示されるKunitz型セリ
ンプロテアーゼ阻害剤は、任意の適切な手段によって対象の肺に投与され得るが
、しかし好ましくは、対象が吸い込む、活性化合物からなる吸引可能な粒子のエ
アロゾル懸濁液を投与することによって投与され得る。吸引可能な粒子は、液体
または固体であり得る。マンニトール、ショ糖またはラクトース等の適切な担体
中に医薬品を含有する微細サイズの乾燥粉末は、Inhale(商標)、Dur
a(商標)、Fisons(Spinhaler(商標))、およびGlaxo
(Rotahaler(商標))またはAstra(Turbohaler(商
標))噴射剤基本のメータ測定用量吸入器等の乾燥粉末吸入器を用いて肺気道表
面に送出され得る。リポソームを有するか、または有しない溶液処方は、ネブラ
イザを使用して送出され得る。
【0029】 タンパク質を含む液体粒子のエアロゾルは、圧力起動エアロゾルネブライザま
たは超音波ネブライザを用いるような任意の適切な手段によって生成され得る。
例えば、米国特許第4,501,729号参照。ネブライザは、狭い換気口を介
して圧縮気体、主に空気または酸素を促進する手段によるか、また超音波曝気の
手段によるかのいずれかによって、活性成分の溶液または懸濁液を、治療用エア
ロゾルミストに変換する市販で入手可能なデバイスである。ネブライザに使用す
るための適切な処方は、液体担体中の活性成分からなる。担体は、主に水(およ
び最も好ましくは滅菌した発熱物質不含の水)または希釈水性アルコール溶液で
あり、好ましくは、例えば、塩化ナトリウムを添加することによって、体液と等
張で作られる。任意の添加剤としては、処方が、無菌にならない場合、ヒドロキ
シ安息香酸メチル等の防腐剤、抗酸化剤、風味剤、揮発性油、緩衝剤および界面
活性剤が挙げられる。
【0030】 そのタンパク質を含む固形粒子のエアロゾルは、同様に、任意の固形粒子医薬
品エアロゾル発生装置で製造され得る。固形粒子医薬品を対象に投与するための
エアロゾル発生装置は、上に例示されるとおり、吸入可能であり、そしてヒト投
与に適切な速度で、予め決められた計測用量の医薬品を含む多量のエアロゾルを
発生する粒子を生成する。1つの例示型の固形粒子エアロゾル発生装置は、注入
器である。注入器による投与のために適切な処方は、注入器の手段によって送出
されるか、またはスナッフの手段で鼻内空洞に取り込まれ得る微細に粉砕した粉
末が挙げられる。注入器で、粉末(例えば、ここに記載される治療を行うのに有
効なその測定した用量)は、カプセルまたはカートリッジに含有され、主に、そ
の場所に貫入されるか、または開放されるかのいずれかであるゼラチンまたはプ
ラスチック、そして吸入によりデバイスを通して、または手動で操作されるポン
プの手段によって引き込まれる空気によって送出される粉末から作られる。注入
器に使用される粉末は、タンパク質唯一、またはタンパク質、ラクトース等の適
切な粉末希釈剤、および任意の界面活性剤を含む粉末ブレンドからなる。第2の
型の例示エアロゾル発生装置は、計測した用量吸入器を含む。計測した用量吸入
器は、エアロゾル分散剤、主に液体噴射剤中の活性成分の懸濁物または溶液処方
を含む加圧エアロゾル投薬器である。これらのデバイスを使用する間に、特に1
0から200uLまでの計測した量を送出して、タンパク質を含有する微細な粒
子スプレーを生じるのに適合した値を通して処方を放出する。適切な噴射剤とし
ては、特定のクロロフルオロカーボン化合物、例えばジクロロジフルオロメタン
、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンおよびその混合物
が挙げられる。処方は、さらに、エタノール等の1つまたはそれ以上の共溶媒、
オレイン酸またはトリオレイン酸ソルビタン等の界面活性剤、抗酸化剤および適
切な風味剤を含み得る。
【0031】 計測用量注入器または乾燥粉末注入器デバイスとして、エアロゾルは、固形ま
たは液体粒子から形成されるかにかかわらず、分当たり約5から150リットル
、さらに好ましくは分当たり約10から100リットルまで、そして最も好まし
くは、計測用量吸入器については、分当たり約10から50リットル、そして最
も好ましくは、乾燥粉末吸入器については、分当たり約60リットルの速度で、
エアロゾル発生装置によって生成され得る。ネブライザ、ジェットまたは超音波
によって発生されたエアロゾルは、分当たり約1から約100リットル、さらに
好ましくは分当たり約4から10リットルまでの速度でエアロゾル発生装置によ
って生成され得る。多量のタンパク質を含有するエアロゾルは、いっそう迅速に
投与され得る。
【0032】 プロテアーゼ阻害剤の投与量は、治療されるべき症状、および対象の状態によ
って変化する。毎日用量は、1または数単位用量投与の中で分割され得る。重量
による毎日用量は、対象の年齢および症状によって、ヒト対象に対して約0.0
1から20ミリグラムまでの吸入可能な粒子の範囲にあり得る。
【0033】 本発明のプロテアーゼ阻害剤を含有する固体または液体粒子の医薬処方は、吸
入可能なサイズの粒子、すなわち、吸入による口および喉頭を通して、そして肺
の気管支および肺胞まで通過するのに十分に小さなサイズの粒子を包含すべきで
ある。一般に、サイズで約1から8ミクロンまで(さらに詳細には、サイズで約
6ミクロンより低い)の範囲にある粒子は、吸入し得る。エアロゾル中に含まれ
る非吸入可能なサイズの粒子は、喉に沈着され、そして飲み込まれる傾向にあり
、そしてエアロゾル中の非吸入可能な粒子の量は、好ましくは最小限である。鼻
内投与については、10−500ミクロンの範囲内の粒子サイズは、鼻内空洞中
の滞留を確保することが好ましい。
【0034】 本発明による処方の製造で、プロテアーゼ阻害剤は、典型的に、とりわけ許容
し得る担体と混和される。もちろん、担体は、処方中の任意の他の成分に匹敵す
るという点で許容し得るべきであり、そして患者に有毒であってはならない。担
体は、固体または液体、またはその両方でありえ、そして好ましくは、単位用量
処方、例えばカプセルとして化合物で処方され、そしてそれは、0.5重量%か
ら99重量%の活性化合物を含み得る。1つまたはそれ以上の活性化合物は、そ
の処方が、基本的に、成分を混和することからなる薬学のよく知られた技術のう
ちのいずれかによって製造され得る本発明の処方に組み込まれ得る。
【0035】 プロテアーゼ阻害剤の吸入可能な乾燥粒子を含む組成物は、乳鉢と乳棒で阻害
剤を粉砕し、そしてその後、微細化組成物に400メッシュのスクリーンを通過
させて、大きな凝塊を破壊または分離することによって製造され得る。 医薬組
成物は、任意に、エアロゾルの形成を促進するために働く分散剤を含有し得る。
適切な分散剤は、ラクトースであり、そしてそれは、任意の適切な速度(例えば
、重量で1対1の比)で活性剤とブレンドされ得る。
【0036】 所望の場合、一般のエクスビボおよびインビボでの遺伝子療法攻略法は、WO
97/33996(Bayer Corp.)および米国特許第5,407,9
15号(Bayer AG)に記載されるもののような、ビクニン、アプロチニ
ンまたはその断片および変異体のようなKunitz型セリンプロテアーゼ阻害
剤タンパク質をコードする核酸構築物を送出するために使用され得る。初発的に
ウイルス基本である遺伝子療法技術は、肺中のCFの徴候を治療するための手段
として、そして外部肺組織に関連した肺細胞を形質転換するために使用された。
1993年3月3日に刊行された、CF患者でのCFTR遺伝子の適切な発現に
ついて、レトロウイルスおよび非レトロウイルス性ベクター(例えば、アデノウ
イルスおよびアデノ関連ウイルス)の使用を記載するWO98/03709参照
。代替的には、外因性核酸の送出するための非細菌性方法も、知られており、そ
して本発明に使用することが意図される。哺乳類で機能する配列を調節するため
に操作的に連結されるCFTR分子についてのコーディング配列を含む転写また
は発現カセットを記載する、1993年6月24日に刊行されたWO93/12
240、そしてそこに引用される文献参照。その後、核酸構築物は、エアロゾル
化送出単独、または液体基本の複合体、例えばLipofectin(商標)と
組合せて含む多数の方法で、気道および肺の肺胞に供給される。1995年10
月5日に刊行されたWO95/26356では、形質移入に有用な液体の個々の
例が記載される。したがって、本発明で、ビクニン、アプロチニンまたはその変
異体および断片のようなKunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤をコードする
核酸分子が、このような治療の必要である対象で、粘膜および痰の粘膜線毛クリ
アランスの速度を刺激する手段のような任意の適切な遺伝子療法によって肺気道
に同様に投与され得ることが意図される。
【0037】 ヒト配列データの検索 アプロチニンに対する機能で相同な区別できるヒトタンパク質の存在は、NC
B1(National Center for Biological In
formation(生物学情報のための国立センター)、Maryland)
で発現配列タグのデータベース(以降、dbESTと称される)への配列進入の
特徴的な分析に従って推定された。TBlastNアルゴリズム(BLAST、
または、Basic Local Alignment Search Too
l)を使用するのは、Altschulら、(1990)の、J.Mol Bi
ol 215、00 403−410の方法を使用して、任意の組合せで、デー
タベースのタンパク質または核酸中の照会配列と全ての配列との間の類似性につ
いて調べる)を使用して、データベースを、ウシの前−後アプロチニンTras
ylol(商標)の配列に相同性を持っているヌクレオチド配列について試験し
た。膨大なクローンのこの調査は、アプロチニンに対する機能で類似性のあるヒ
トタンパク質に対応する推定アミノ酸配列をおそらくコードし得る2つの特定の
クローンに選択的に範囲を限定した。選択された核酸配列は、ヒト胎盤核酸ライ
ブラリーから発生されたR35464(配列番号:12)およびR74593(
配列番号:14)であった。R35464についての最長のオープンリーディン
グフレームでの翻訳タンパク質配列(配列番号:13)は、クリッツドメイン共
有結合構造の形成に重要である6つのシステインのうちの1つを欠失しており、
そしてそれは、R35464の核酸配列が、機能性阻害剤を生じ得ないことを意
味した。同様に、クローンR74593(配列番号:15)から得られる最長翻
訳オープンリーディングフレームは、Kunitz様タンパク質をコードする領
域に対する終止コドン5’を含み、それによりこの配列が翻訳されて、機能性分
泌クリッツドメインを生じえないことが意味された。これらの配列単独の有為性
は、不明瞭であった。それらが、a)偽遺伝子の産物、b)未翻訳mRNAの領
域、またはc)不正確に配列決定された信頼性のあるmRNAの産物を表すこと
が可能であった。
【0038】 ヒトビクニンの知見 実際のヒト配列を特異的に単離および測定するために、cDNAプライマーは
、R35464およびR74593内に見られる我々の提案したクリッツ様配列
をコードするcDNAのセグメントに対して5’および3’に配置される配列に
ハイブリッド形成する能力があるように設計された。R74593のクリッツ様
配列をコードする断片を増幅するために使用されるプライマーは、
【0039】
【化16】 CGAAGCTTCATCTCCGAAGCTCCAGACG
【0040】 (HindIII部位を有する3’プライマー;配列番号33)および
【0041】
【化17】 AGGATCTAGACAATAATTACCTGACCAAGGA
【0042】 (XbaI部位を有する5’プライマー;配列番号:34)であった。
【0043】 これらのプライマーは、PCR(30サイクル)によって、Clontech
からヒト胎盤cDNAライブラリー(MATCHMAKER、カタログ番号HL
4003AB、Clontech Laboratories、Palo Al
to、CA)から得た500塩基対産物を増幅するために使用され、そしてそれ
は、ブルースクリプト−SK+にサブクローニングされ、そしてSequena
se(商標)キット、バージョン2.0を有するT3プライマーで配列決定した
。驚くべきことに、我々のプライマーを用いて得られた断片の配列は、クローン
R74593についてのdbESTデータベースに列記される配列と異なった。
特に、我々の新たな配列は、推定終止コドンに3’で挿入されるが。Kunit
z様配列をコードするセグメントに5’で挿入される追加のグアノシン塩基を含
有した(図3)。追加のGの挿入は、Kunitz様ドメインについてのリーデ
ィングフレームの外に終止コドンを移行させた(R74593についての訂正配
列の塩基対114でG;図3)。
【0044】 R74593のクリッツ様ペプチド配列に相同な配列についてのdbESTの
連続照会は、ヒト網膜ライブラリーから誘導されるH94519およびN397
98を生じた。これらの配列は、特徴的システインのうちの全ての6つを含有す
ること以外は、R35464でコードされるKunitz様ドメインにほとんど
一致するKunitz様配列を含んだ。R74593(塩基対114でGの挿入
により訂正された)およびR35464のものとの各々のヌクレオチド配列の重
複は、部分的ヒト胎盤ビクニン(配列番号:9;図3)についての共通ヌクレオ
チド配列を生じるために使用した。翻訳共通配列は、それぞれ、アミノ酸残渣1
7−64および102−159の領域内に、2つの完全なKunitz様ドメイ
ン配列を含有した残渣―18と+179からから拡張するオープンリーディング
フレームを生じた(図3;全翻訳配列番号:10)。
【0045】 さらなる努力は、dbESTをR35464の配列と照合することによって別
の5’配列を得るために試みられた。その後、別の5’配列を保持する各調査か
ら可能なマッチは、dbESTを再照会するために順次使用された。このような
反復の形態では、H16866、T66058、R34808、R87894、
N40851およびN39876を含めた一連の重複5’配列が同定された(図
4)。これらの配列のうちのいくつかの配列は、共通翻訳タンパク質配列の合成
のための出発部位として働き得る5’ATGの存在が示唆された。この選択され
た情報から、ここで選択的にスクリーニングし、そしてアプロチニンと相同なヒ
トタンパク質の核酸およびポリペプチド配列を決定することが可能であった。
【0046】 dbESTの再取り調べは図4Bに模式図で示される、多くの新たなESTを
表した。これらの追加のESTとの重複は、我々に、図3で描かれる元来のオリ
ゴヌクレオチド配列に属す5’および3’の両方を延長するより大きな共通オリ
ゴヌクレオチド配列(図4C)を構築させた。実際に、総長さ1.6キロ塩基の
新たな配列は、3’ポリ−A尾部まで全ての方法を拡張した。各塩基対位置で、
ESTを重複する増大した数は、EST R74593の3’末端と重複する配
列のような特定の領域での信頼のレベルを改善した(図3)。この領域でのいく
つかの重複ESTは、R74593に対する2つの重要な塩基欠失を確証した(
図4Cで下線付の太字として配置され、地図の位置994および1005)。枠
をコードするビクニンでの新たな共通配列(図4D)の翻訳は、生来の共通(配
列番号:1)からコードされる成熟配列(179アミノ酸)より大きい(248
アミノ酸)である胎盤ビクニンの形態を生じ、そしてオリゴヌクレオチド共通内
の枠内終止コドンによって終了された。サイズ増大は、EST R74593に
特徴的な2つの塩基挿入を取除くことから生じる3’コーディング領域での枠シ
フトによった。枠シフトは、別のアミノ酸配列をコードする新規の枠に読み取る
ことができる枠の外に生来の共通の終止コドン(図3)を移動した。新たな翻訳
産物(図4D)は、(Kunitzドメインをコードする)残渣+1から+17
5までの間の生来のタンパク質共通配列(配列番号:1)に一致したが、推定2
4の残渣の長い粘膜貫通ドメイン(図4Dに下線付き)、続いて短い31残渣の
細胞質ドメインを示す新たなC末端延長を含んだ。開始メチオニンおよびシグナ
ルペプチドの回りの精密な配列は、この領域での重複ESTはもとより、相当の
異質性によりある程度一次的であった。
【0047】 Geneworks(商標)によるタンパク質配列の分析は、推定N−結合グ
リコシル化についての共通部位として位置30および67でアスパラギン残渣を
目立たせた。アスパラギン30は、グリコシル化されるべきものと一致して、ヒ
ト胎盤から単離される全長のタンパク質のN−末端配列決定の間には観察されな
かった。
【0048】 ヒトビクニンのクローニング 図3の分析から結論される推定ヒトビクニンヌクレオチド配列に対応するヒト
mRNAの存在は、以下のとおり確認された。図3の胎盤ビクニン配列をコード
するcDNA共通ヌクレオチド配列から予測されるサイズ(約670塩基対)の
断片である、Clontechのヒト胎盤ライブラリーから得られる、R354
64のcDNA配列(図3中で共通ヌクレオチド配列の塩基対3−27)をコー
ドするKunitzに5’をハイブリッド形成する核酸プライマー:
【0049】
【化18】 GGTCTAGAGGCCGGGTCGTTTCTCGCCTGGCT GGGA
【0050】 (Xbal部位を有するR35464配列から誘導される5’プライマー;配列
番号:35)、およびR35464のcDNA配列(図3中で共通ヌクレオチド
配列の塩基対680−700)をコードするKunitzに3’をハイブリッド
形成する核酸プライマーが、PCR増幅に使用された(図4Aで概略的に示され
た)。上に使用されるとおり、R74593に同じ3’プライマーに加えて、上
に開示される推定ATG出発部位に対する5’で126塩基対であるR3546
4での配列にハイブリッド形成する5’プライマーを使用して、EST重複によ
って推定される予測サイズ(およそ872塩基対)のClontechのヒト胎
盤ライブラリーから得られる断片を増幅することが可能である(図4で概略的に
示された)。
【0051】 872塩基対の断片の配列決定は、それの5’末端でEST R87894の
塩基対110から218まで、そしてその3’末端で(図3の)EST重複分析
から結論づけられる胎盤ビクニンについての共通配列の310から542塩基対
に対応するヌクレオチドセグメントを含有することを示した。この3’ヌクレオ
チド配列は、胎盤ビクニン(102−159)によってKunitz様ドメイン
の全てを含んだ。
【0052】 タンパク質の全体の細胞外領域をコードするcDNAを得るために、EST
R34808内の配列にハイブリッド形成するように設計された以下の5’PC
Rプライマー:
【0053】
【化19】 CACCTGATCGCGAGACCCC
【0054】 (配列番号:36)は、ヒト胎盤cDNAライブラリーから得られるおよそ7
80塩基対のcDNA産物を増幅(30サイクル)するEST74593と同じ
3’プライマーと共に使用した。この産物は、ゲル精製され、そしてジデオキシ
法(Sanger F.ら、(1977)Proc.Natl.Acad.Sc
i(USA)、74、5463−5467頁)によって、以下のプライマー:
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】 を用いてDNA配列決定のためのTAベクター(インビトロゲン)にクローン
化した。
【0058】 生じるcDNA配列は、その翻訳産物と共に図4Eに描かれる。ヌクレオチド
濃度で、配列は、共通EST配列(図4D)からわずかな差異のみを示した。そ
の配列の翻訳は、枠内開始剤ATG部位、シグナルペプチドおよび成熟した胎盤
ビクニン配列および膜貫通ドメインを含むコーディング配列を生じた。PCR産
物の翻訳配列は、PCR増幅についての3’プライマーの選択の選択の結果とし
て細胞質ドメインから最後の12のアミノ酸残渣を欠失していた。3’PCRプ
ライマー(R74593の配列に基づいて設計された)のこの選択は、翻訳PC
R誘導配列のアミノ酸位置211で人工的SからFまでの突然変異の導入に起因
もした。PCR断片の翻訳から推定されるシグナルペプチドは、EST共通のも
のにある程度異なった。
【0059】 全長の胎盤ビクニンcDNAを得るために、PCR由来産物(図4E)を、ゲ
ル精製し、そしてビクニン配列を表す非PCR基本の全長クローンを単離するの
に使用した。PCR誘導cDNA配列を、ハイプライム(Boehringer
Mannheim)によって32P−CTPで標識し、そしてコロニーハイブリ
ッド形成技術を使用して、胎盤cDNAライブラリー(Stratagene、
Unizap(商標)λライブラリー)をプローブするために使用した。およそ
2×106ファージプラークは、3回のスクリーニングおよびプラーク精製を受
けた。2つのクローンは、制限酵素分析によって測定され、そしてEST共通配
列(上記参照)のサイズでの比較に基づいて、全長(−1.5キロベース)と思
われた。ジデオキシ方法によるこれらのクローンのうちの1つの配列決定は、図
4Fで描かれるオリゴヌクレオチド配列を生じた。この配列から得られる翻訳産
物は、枠内開始剤メチオニン、シグナルペプチドおよび成熟胎盤ビクニン配列を
伴うタンパク質を生じた。シグナルペプチド配列長および配列が異なるが、成熟
骨盤ビクニン配列は、EST共通の翻訳によって誘導される成熟タンパク質の配
列に一致した。PCR誘導産物と異なり、コロニーハイブリッド形成によって誘
導されるcDNAは、全体の外側ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞質ドメインお
よび枠内終止コドンを含んだ。実際に、クローンは、ポリ−A尾部に全ての方法
で伸びた。開始剤メチオニンは、PCR誘導クローンでコードされたシグナルペ
プチドに一致する疎水性シグナルペプチドに続いた。続いて、我々は、Sf9細
胞(実施例9)およびCHO細胞(実施例17)から得られる、胎盤ビクニン、
ビクニン(1−170)の可溶性断片を発現および精製し、そしてそれらは、機
能性プロテアーゼ阻害剤(実施例10および18)であることが分かった。さら
に、我々は、活性プロテアーゼ阻害剤(実施例7)としても胎盤ビクニンの可溶
性断片であるヒト胎盤から単離した。上の観察に基づいて、可溶性タンパク質と
同様に細胞の表面に膜貫通タンパク質として存在する能力を有する。Kunit
zドメインを含む他の膜貫通タンパク質は、蛋白分解性プロセシングを受けて、
可溶性で膜関連形態の混合物を得ることが知られている。これらは、APP75
1(Esch F.ら、(1990)Science、248、1122−11
24頁)およびAPP770(Wang R.ら(1991)、J.Biol
Chem、266、16960−16964頁)と称されるアミロイド前駆体タ
ンパク質の2つの形態を含む。
【0060】 接触活性化は、凝固カスケードの成分に、損傷を受けた血管表面の露出によっ
て達成されるプロセスである。脈管形成は、内皮表面でプラスミンの局所活性化
に関与するプロセスである。細胞表面に固定する胎盤ビクニンの特異性およびそ
の推定許容量は、膜貫通胎盤ビクニンの生理学的機能が、接触活性化および脈管
形成の調節を含み得ることを示唆する。
【0061】 胎盤ビクニン(7−64)、ビクニン(102−159)、および全長胎盤ビ
クニン(図4F)についてのアミノ酸配列を、PIR(バージョン46.0)お
よびPatchX(バージョン46.0)タンパク質データベース、並びにGe
netics Computer Groupプログラム FastAを用いて
特許を受けたデータベースのGeneSuq(バージョン20.0)タンパク質
データベースについて調べた。Genetics Computer Grou
pプログラム TFastA(PearsonおよびLipman、1988、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:2444−2448)
を使用して、これらの同じタンパク質配列を、GenBank(96年1月26
日までの最新版バージョン92.0)およびEMBL(修正されたバージョン4
5.0)ヌクレオチドデータベース、並びに特許を受けた配列のGeneSuq
(バージョン20.0)ヌクレオチドデータベースの6つの枠の翻訳に対して調
べた。GenBankおよびEMBLのESTおよびSTS副組は、この組の調
査に含まれなかった。これらの調査から得られる最高のマッチは、クローンR7
4593およびR35464の我々の分析から誘導される58のアミノ酸タンパ
ク質配列までそれらの全長より約50%の同一性のみがある配列を含んだ。
【0062】 ヒトビクニンの単離 上述されたように、ビクニン(図3)について翻訳された共通配列から測定さ
れるとおり、ビクニン(7−64)およびビクニン(102−159)に対応す
る合成ペプチドは、再び畳み込んで(それぞれ、実施例2および1)、活性なカ
リクレイン阻害剤タンパク質(それぞれ、実施例4および3)を生じえた。我々
は、精製模式図を工夫して、ヒト組織からの生来の胎盤ビクニンを単離するこの
予測されない特性を利用した。
【0063】 最初の工程として、カリクレイン−セファロース親和性クロマトグラフィを使
用する精製模式図を用いて、非常に精製された生来の強力なカリクレイン阻害剤
を単離した。単離した生来のヒトビクニンは、共通核酸配列(図3)アミノ酸残
渣+1から+50(実施例7)の翻訳によって推定される配列と同一のN末端を
有した。これは、ヒト胎盤から単離される新規の生来のカリクレイン阻害剤の存
在を最初に確認した。
【0064】 公知であるKunitz様ドメインは、以下に挙げられる。標的プロテアーゼ
と接触させるべきであると信じられる残渣は、特別の興味のもの(太字/下線付
)として目立たせる。これらの特定の残渣は、標識Xaaによって示されるとお
り特定の文献について位置Xaa1−16と名付けられる。
【0065】 ビクニン(7−64)(配列番号:4)
【0066】
【化22】
【0067】 ビクニン(102−159)(配列番号:6)
【0068】
【化23】
【0069】 組織因子経路阻害剤前駆体1(配列番号:18)
【0070】
【化24】
【0071】 組織因子経路阻害剤前駆体1(配列番号:19)
【0072】
【化25】
【0073】 組織因子経路阻害剤前駆体(配列番号:20)
【0074】
【化26】
【0075】 組織因子経路阻害剤前駆体2(配列番号:21)
【0076】
【化27】
【0077】 組織因子経路阻害剤前駆体2(配列番号:22)
【0078】
【化28】
【0079】 アミロイド前駆体タンパク質相同体(配列番号:23)
【0080】
【化29】
【0081】 アプロチニン(配列番号:24)
【0082】
【化30】
【0083】 内部−α−トリプシン阻害剤前駆体(配列番号:25)
【0084】
【化31】
【0085】 内部−α−トリプシン阻害剤前駆体(配列番号:26)
【0086】
【化32】
【0087】 アミロイド前駆体タンパク質(配列番号:27)
【0088】
【化33】
【0089】 コラーゲンα−3(VI)前駆体(配列番号:28)
【0090】
【化34】
【0091】 HKI−B9(配列番号:29)
【0092】
【化35】
【0093】 本発明の単離ドメインまたは他の変異体である胎盤ビクニンは、The pe
ptides,Analysis,synthesis,Biology,2(
ペプチド、分析、合成、生物学、2)における、Merrifield R.B
.およびBarany G、Gross E.ら編、Academic Pre
ss(1980)第1章によって記載されるとおりt−Boc化学を使用するか
、またはCarpino L.A.およびHan G.Y.、(1970)J.
Amer Chem Soc、92、5748−5749によって記載され、そ
して実施例2に例示されるF−moc化学を使用するかのいずれかで標準固相ペ
プチド合成によって産生され得る。代替的に、胎盤ビクニン変異体をコードする
DNAの発現は、組換え胎盤ビクニン変異体を産生するために使用され得る。
【0094】 本発明は、カリクレインを特異的に阻害できる精製ヒトセリンプロテアーゼ阻
害剤の使用を提供し、そしてそれは、親和性クロマトグラフィを介してヒト胎盤
組織から単離された。ここで、ヒト胎盤ビクニンと称されるヒトセリンタンパク
質阻害剤は、Kunitzクラスの2つのセリンプロテアーゼ阻害剤ドメインを
含む。1つの特定の実施形態では、本発明は、アミノ酸配列を有するタンパク質
を具体化する:
【0095】
【化36】
【0096】 (配列番号:1)。
【0097】 特に好ましい実施形態では、本発明は、アミノ酸配列を有するビクニンタンパ
ク質(ビクニン(1−170))を提供する。
【0098】
【化37】
【0099】 (配列番号:52)。
【0100】 1つの態様では、本発明を行う上で有用なタンパク質の生物学的活性は、それ
が、トリプシン、ヒト血漿および組織カリクレイン、ヒトプラスミンおよびファ
クターXIIaの生物学的活性に結合でき、そして実質的に阻害できることであ
る。好ましい実施形態では、本発明は、グリコシル化形態で生来のヒト胎盤ビク
ニンタンパク質を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、それが少なくと
も1つのシステイン−システインジスルフィド結合を含有するように形成された
生来のヒトビクニンタンパク質を含む。好ましい実施形態では、タンパク質は、
CYS11−CYS61、CYS20−CYS44、CYS36−CYS57、
CYS106−CYS156、CYS115−CYS139、およびCYS13
1−CYS152からなる群から選択される1対のシステインの間に形成される
少なくとも1つの鎖内システイン−システインジスルフィド結合を含み、システ
インは、生来のヒト胎盤ビクニンのアミノ酸配列によって数字をつけられる。通
常の技術を有する者は、本発明のタンパク質が、生来のヒトビクニンの生物学的
活性が、維持され、生来の鎖内システイン−システインジスルフィド結合のいず
れもが存在しないか、1つまたはそれ以上または全てが存在する適切な三次元コ
ンフォメーションに折り畳まれ得ることを認識する。最も好ましい実施形態では
、本発明のタンパク質は、適切に折り畳まれ、そして適切な生来のシステイン−
システインジスルフィド結合の全てと形成される。
【0101】 本発明に使用するための活性なタンパク質は、胎盤のようなヒト組織から、ま
たは以下の実施例によって例示されるとおり、合成タンパク質化学技術を介して
精製することによって得られる。本発明に使用するためのタンパク質が、分子生
物学技術を用いて得られ、自己複製ベクターが、本発明のタンパク質を、形質転
換細胞から発現させる能力のあることも分かる。このようなタンパク質は、形質
転換細胞から非分泌または分泌形態として作成され得る。形質転換細胞からの分
泌を促進するか、翻訳タンパク質の機能的安定性を増強するか、またはビクニン
タンパク質の畳込みを助けるために、特定のシグナルペプチド配列を、生来のヒ
トビクニンタンパク質のNH2−末端部分に添加し得る。
【0102】 1つの実施形態において、本発明は、したがって無傷の生来のシグナルペプチ
ド配列の少なくとも一部と共に生来のヒトビクニンタンパク質を供給する。この
ように、本発明の1つの実施形態は、アミノ酸配列:
【0103】
【化38】
【0104】 (配列番号:2)を有するシグナルペプチドの少なくとも一部と共に生来のヒ
トビクニンを提供する。
【0105】 好ましい実施形態では、本発明は、アミノ酸配列:
【0106】
【化39】
【0107】 (配列番号:53)を有する無傷の先導セグメントと共に、配列番号:52のア
ミノ酸配列を有する無傷の先導配列の一部と共に、生来のヒトビクニンの使用を
提供する。
【0108】 好ましい実施形態では、本発明は、アミノ酸配列:
【0109】
【化40】
【0110】 (配列番号:54)を有する無傷の先導セグメントと共に、配列番号:52のア
ミノ酸配列を有する無傷の先導配列の一部と共に、ビクニンタンパク質の使用を
提供する。
【0111】 ここに使用される好ましい番号付けシステムでは、+1と番号付けされたアミ
ノ酸は、生来のヒト胎盤ビクニンについてのアミノ酸配列のNH2末端に付与さ
れる。誰もが、機能性タンパク質断片が、生来のヒト胎盤ビクニンから誘導され
得ることを十分に認識し、そして生来のヒト胎盤ビクニンの少なくとも生物学的
活性の一部を維持し、そしてセリンプロテアーゼ阻害剤として作用する。
【0112】 1つの実施形態では、本発明の方法に使用するためのタンパク質は、以下「ビ
クニン(7−159)」と称される、生来のヒト胎盤ビクニンアミノ酸7−15
9のアミノ酸配列を有する、少なくとも1つの機能性Kunitz様ドメインを
含有する生来のヒト胎盤ビクニンの断片を含む。したがって、本発明は、アミノ
酸配列:
【0113】
【化41】
【0114】 (配列番号:3)を有するタンパク質を使用する方法を具体化する。式中、ア
ミノ酸番号付けは、生来のヒト胎盤ビクニンのアミノ酸配列のものに対応する。
この実施形態の別の機能性異性体は、生来のヒト胎盤ビクニンの断片であり得て
、そしてそれは、生来のヒト胎盤ビクニンアミノ酸11−156のアミノ酸配列
、ビクニン(11−156)
【0115】
【化42】
【0116】 (配列番号:50)を有する少なくとも1つの機能性Kunitz様ドメイン
を含む。
【0117】 個々のKunitz様ドメインが生来の胎盤ビクニンの断片でもあることを、
誰もが認識できる。特に、本発明は、以下「ビクニン(7−64)」と称される
、生来のヒト胎盤ビクニンアミノ酸7−64のアミノ酸配列からなる最初のKu
nitz様ドメインのアミノ酸配列を有するタンパク質の使用を意図する。した
がって、1つの実施形態では、本発明は、アミノ酸配列:
【0118】
【化43】
【0119】 (配列番号:4)を有する少なくとも1つのKunitz様ドメインを含有す
るタンパク質を含む。式中、アミノ酸番号付けは、生来のヒト胎盤ビクニンのア
ミノ酸配列のものに対応する。この実施形態の別の形態のタンパク質は、生来の
ヒト胎盤ビクニンアミノ酸11−61のアミノ酸配列からなる最初のKunit
z様ドメインである、アミノ酸配列:
【0120】
【化44】
【0121】 (配列番号:5)を有する「ビクニン(11−61)」であり得る。
【0122】 本発明は、以後「ビクニン(102−159)」と称される、生来のヒト胎盤
ビクニンアミノ酸102−159のアミノ酸配列からなるKunitz様ドメイ
ンのアミノ酸配列を有するタンパク質をも提供する。したがって、1つの実施形
態では、本発明は、アミノ酸配列:
【0123】
【化45】
【0124】 (配列番号:6)を有する少なくとも1つのKunitz様ドメインを含有す
るタンパク質を含む。式中、アミノ酸番号付けは、生来のヒト胎盤ビクニンのア
ミノ酸配列のものに対応する。このドメインの別の形態は、アミノ酸配列:
【0125】
【化46】
【0126】 (配列番号:7)を有する「ビクニン(106−156)」である、生来のヒ
ト胎盤ビクニンアミノ酸106−156のアミノ酸配列からなるKunitz様
ドメインであり得る。
【0127】 したがって、通常の技術の者は、生来のヒトビクニンタンパク質の断片が、少
なくともある程度の生来のタンパク質生物学的活性を保持するように作り得るこ
とを認識する。このような断片は、異なる配向で組合せて、または複数組合せて
、生来のヒトビクニンタンパク質の同じ、またはそれ以上の生物学的活性のいく
らかを保持する代替のタンパク質を提供し得る。
【0128】 本発明の方法で使用される生物学的に活性なタンパク質が、他の源から別のK
unitz様ドメインと組合せて1つまたはそれ以上の本発明のKunitz様
ドメインを包含し得ることを、誰もが容易に認識し得る。本発明の方法の生物学
的に活性なタンパク質は、多様な生物学的活性を示す他の源から別のKunit
z様ドメインと組合せて1つまたはそれ以上の本発明のKunitz様ドメイン
を包含し得る。本発明を行う上で有用な本発明の生物学的活性は、検出可能な生
物学的活性を示す多機能融合タンパク質を準備するために、公知である他のタン
パク質またはタンパク質類のものと組合せ得る。したがって、1つの実施形態で
は、本発明の方法は、配列番号:5または配列番号:7のいずれかのアミノ酸配
列と同じか、または機能的に等価である少なくとも1つのアミノ酸配列セグメン
トを含むタンパク質の使用を含む。
【0129】 早期の終止コドンで終了するオープンリーディングフレームは、さらに、機能
性タンパク質をコードし得る。本発明は、このような代替終止を包含し、そして
1つの実施形態では、アミノ酸配列:
【0130】
【化47】
【0131】 (配列番号:8)のタンパク質の使用のために提供する。
【0132】 1つの実施形態では、本発明は、先導配列の無傷のセグメント、および少なく
とも無傷の生来の膜貫通領域の一部と共に、実質的に精製されるか、または組換
えて産生される生来のヒトビクニンタンパク質の使用のために提供する。したが
って、本発明の1つの実施形態は、
【0133】
【化48】
【0134】 から選択されるアミノ酸配列を示す、無傷の先導配列と共に、そして膜貫通ド
メインの少なくとも一部(下線付き)と共に、生来のヒトビクニンの使用のため
に提供する。式中、ESTは、共通の配列番号:45から誘導されるESTであ
り、PCRは、PCRクローン配列番号:47であり、そしてλcDNAは、ラ
ムダcDNAクローン配列番号:49である。好ましい実施形態では、本発明の
方法のタンパク質は、タンパク質が、最後のKunitzドメインおよび膜貫通
領域(下線付き)の末端の間の領域に切断された配列番号45、47または49
のアミノ酸配列のうちの1つを含む。
【0135】 本発明は、シグナルペプチドが欠失されたタンパク質の使用を具体化もする。
したがって、本発明の方法は、膜貫通アミノ酸配列:
【0136】
【化49】
【0137】 (配列番号:69) 膜貫通アミノ酸配列:
【0138】
【化50】
【0139】 (配列番号:68)または膜貫通アミノ酸配列:
【0140】
【化51】
【0141】 (配列番号:67)に継続する配列番号:52のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質を提供する。
【0142】 本発明に使用するためのタンパク質アミノ酸配列は、本発明に使用するための
タンパク質を産生するための分子生物学技術に使用できる適切な核酸配列を、当
業者に明確に教示する。したがって、本発明の1つの実施形態は、図3の生来の
ヒト胎盤ビクニン配列(配列番号:10)についてのアミノ酸配列に翻訳する図
3の共通DNA配列(配列番号:9)を示すヒトビクニンをコードする核酸配列
の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、図4Dのアミノ酸配列(配列
番号:45)をコードする図4Cの共通核酸配列(配列番号:51)を提供する
【0143】 好ましい実施形態では、本発明は、配列番号:49のタンパク質配列をコード
する図4FのDNA配列(配列番号:48)を有する生来のヒト胎盤ビクニンを
コードする核酸配列の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、配列番号
:47のタンパク質配列をコードする図4Eの核酸配列(配列番号:46)を提
供する。
【0144】 核酸配列でなされる特定の対立遺伝子突然変異、および保存的置換が、行われ
得て、そしてそれは本発明の方法によって包含されるさらにタンパク質アミノ酸
配列を生じることを、誰もが容易に認識できる。当業者は、本発明のタンパク質
の特定の自然の対立遺伝子の突然変異、および本発明のタンパク質中のアミノ酸
の保存的置換が、そのタンパク質の生物学的活性を明らかに修正させず、そして
本発明によって包含されないことを認識できる。
【0145】 本発明は、粘膜腺毛機能不全によって損傷を受けた患者でMCCを刺激するた
めに有用であるヒト胎盤ビクニンおよびその断片を含む医薬組成物をも提供する
【0146】 本発明は、生理学的に適合するビヒクル中の本発明の有効量の開示されたヒト
セリンプロテアーゼ阻害剤が、患者に投与されることを特徴とする、粘膜腺毛機
能不全に罹っている患者でのMCCを刺激する方法をも提供する。
【0147】 本発明は、プロテアーゼ特異性を修正するアミノ酸置換を含む胎盤ビクニンの
変異体、および上に記載される特異的Kunitzドメインを使用するMCCを
刺激する方法をも提供する。置換の好ましい部位は、生来の胎盤ビクニンについ
てのアミノ酸配列でのXaa1からXaa32までの位置として以下に示され。
Xaa1からXaa16まででの置換はまた、Xaa17からXaa32までで
の置換がビクニン(102−159)の変異体にとって好ましい一方で、ビクニ
ン(7−64)の変異体にとって好ましい。
【0148】 したがって、本発明の方法は、アミノ酸配列:
【0149】
【化52】
【0150】 を有するタンパク質の使用を具体化する。式中、Xaa1−Xaa32は、各
々、独立に、Cys以外の自然に発生するアミノ酸残渣を表すが、ただし、アミ
ノ酸残渣Xaa1−Xaa32の少なくとも1つが、生来の配列の対応するアミ
ノ酸残渣と異なる。
【0151】 本発明の内容で、語句「自然に発生するアミノ酸残渣」は、20の一般的に生
じるアミノ酸、すなわち、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、
Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、
Ser、Thr、Trp、TyrおよびValのうちのいずれか1つを示すこと
が意図される。
【0152】 上に示される1つまたはそれ以上の位置で1つまたはそれ以上のアミノ酸を置
換することによって、生来の胎盤ビクニンの阻害剤特異性プロファイル、または
個々のKunitz様ドメイン、ビクニン(7−64)またはビクニン(102
−159)のものを変化して、その結果それに限定されないが、補体カスケード
の酵素、TF/FVIIa、FXa、プロスタシン、トロンビン、好中球エラス
ターゼ、カテプシンGまたはプロテイナーゼ−3のような他のセリンプロテアー
ゼを優先的に阻害することが可能であり得る。
【0153】 胎盤ビクニンの好ましい変異体の例は、Xaa1が、His、Glu、Pro
、Ala、ValまたはLysからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるも
の、特に、Xaa1が、HisまたはProであるもの;またはXaa2が、V
al、Thr、Asp、Pro、Arg、Tyr、Glu、Ala、Lysから
なる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa2が、Valまた
はThrであるもの;またはXaa3が、Arg、Pro、Ile、Leu、T
hrからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa3が、A
rgまたはProであるもの;またはXaa4が、Arg、LysおよびSer
、Glnからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa4が
、ArgまたはLysであるもの;Xaa5が、Ala、Gly、Asp、Th
rからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa5が、Al
aであるもの;またはXaa6が、Ser、Ile、Tyr、Asn、Leu、
Val、Arg、Pheからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特
に、Xaa6が、SerまたはArgであるもの;またはXaa7が、Met、
Phe、Ile、Glu、Leu、ThrおよびValからなる群から選択され
るアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa7が、MetまたはIleであるもの
;またはXaa8が、Pro、Lys、Thr、Gln、Asn、Leu、Se
r、またはIleからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、X
aa8が、ProまたはIleであるもの;またはXaa9が、Arg、Lys
またはLeuからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa
9が、Argであるもの;またはXaa10が、Vla、Ile、Lys、Al
a、Pro、Phe、Trp、Gln、LeuおよびThrからなる群から選択
されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa10が、Valであるもの;また
はXaa11が、Gly、SerおよびThrからなる群から選択されるアミノ
酸残渣であるもの、特に、Xaa11が、Glyであるもの;またはXaa12
が、Asp、Arg、Glu、Leu、Glnからなる群から選択されるアミノ
酸残渣であるもの、特に、Xaa12が、AspまたはArgであるもの;また
はXaa13が、GlyおよびAlaからなる群から選択されるアミノ酸残渣で
あるもの;Xaa14が、AsnまたはLysからなる群から選択されるアミノ
酸残渣であるもの;またはXaa15が、Gly、Asp、Leu、Arg、G
lu、Thr、Tyr、ValおよびLysからなる群から選択されるアミノ酸
残渣であるもの、特に、Xaa15が、LeuまたはLysであるもの;または
Xaa16が、Val、Gln、Asp、Gly、Ile、Ala、Met、お
よびValからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa1
6が、ValまたはAlaであるもの;またはXaa17が、His、Glu、
Pro、Ala、LysまたはValからなる群から選択されるアミノ酸残渣で
あるもの、特に、Xaa17が、GluまたはProであるもの;またはXaa
18が、Val、Thr、Asp、Pro、Arg、Tyr、Glu、Alaま
たはLysからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa1
8が、Thrであるもの;またはXaa19が、Arg、Pro、Ile、Le
uまたはThrからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xa
a19が、Proであるもの;またはXaa20が、Arg、Lys、Glnお
よびSerからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa2
0が、ArgまたはLysであるもの;またはXaa21が、Ala、Asp、
ThrまたはGlyからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、
Xaa21が、Alaであるもの;またはXaa22が、Ser、Ile、Ty
r、Asn、Leu、Val、ArgまたはPheからなる群から選択されるア
ミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa22が、SerまたはArgであるもの;
またはXaa23が、Met、Phe、Ile、Glu、Leu、Thrまたは
Valからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa23が
、PheまたはIleであるもの;またはXaa24が、Pro、Lys、Th
r、Asn、Leu、SerまたはIleからなる群から選択されるアミノ酸残
渣であるもの、特に、Xaa24が、ProまたはIleであるもの;またはX
aa25が、Arg、LysまたはLeuからなる群から選択されるアミノ酸残
渣であるもの、特に、Xaa25が、Argであるもの;またはXaa26が、
Val、Ile、Lys,Leu、Ala、Pro、Phe、Gln,Trpお
よびThrからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa2
6が、ValまたはIleであるもの;またはXaa27が、Gly、Ser、
およびThrからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa
27が、Glyであるもの;またはXaa28が、Asp、Arg、Glu、L
eu、GlyまたはGlnからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、
特に、Xaa28が、Argであるもの;またはXaa29が、GlyおよびA
laからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの;またはXaa30が、
AsnまたはLysからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの;または
Xaa31が、Gly、Asp、Leu、Arg、Glu、Thr、Tyr、V
alおよびLysからなる群から選択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、X
aa31が、ArgまたはLysであるもの;またはXaa32が、Val、G
ln、Asp、Gly、Ile、Ala、MetおよびThrからなる群から選
択されるアミノ酸残渣であるもの、特に、Xaa32が、GlnまたはAlaで
あるものが挙げられる。
【0154】 本発明は、本発明の胎盤ビクニンタンパク質変異体をコードするDNA構築物
にも関する。これらの構築物は、Beaucage S.L.およびCarut
hers M.H.(1981)Tetrahedron Lett.、22、
1859−1862頁;Matteucci M.DおよびCaruthers
M.H.(1981)、J.Am.Chem.Soc.103、3185頁で記
載されるもののような合成法によって;またはDNA配列をコードする胎盤ビク
ニンとハイブリッド形成するように設計されたcDNAプローブでゲノムまたは
cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって得られたゲノムまたは
cDNAから製造され得る。ゲノムまたはcDNA配列は、1つまたはそれ以上
の部位で修正して、この開示で記載されるアミノ酸置換または欠失のいずれかを
コードするcDNAを得ることができる。
【0155】 本発明は、組換え胎盤ビクニン変異体の産生に使用され得る本発明の胎盤ビク
ニンをコードするDNA構築物、単離ドメインまたは他の変異体を含む発現ベク
ターにも関する。cDNAは、選択の宿主での転写活性を示し、適切なターミネ
ータおよびポリアデニル化シグナルを保有する適切なプロモータ配列に接触させ
るべきである。胎盤ビクニン変異体をコードするcDNAは、cDNAによって
コードされるタンパク質を生じて、分泌を受ける5’シグナルペプチドに融合さ
れ得る。シグナルペプチドは、宿主生物によって認識されるものであり得る。哺
乳類宿主の場合には、シグナルペプチドは、全長の胎盤ビクニンに存在する天然
のシグナルペプチドでもあり得る。胎盤ビクニン変異体の発現のためにこのよう
なベクターを製造するために使用される手段は、当業界においてよく知られ、そ
して例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A
laboratory Manual(分子クローニング;実験室マニュアル)
、Cold Spring Harbor、New York(1989)に記
載される。
【0156】 本発明は、組換え胎盤ビクニン異性体の産生のために使用できる胎盤ビクニン
、単離ドメインまたは本発明の他の変異体をコードするDNA構築物を含む形質
転換細胞にも関する。胎盤ビクニン異性体の産生のために使用され得た発現ベク
ターおよび宿主生物の多様な組合せが存在する。適切な宿主細胞としては、バキ
ュロウイルス感染Sf9昆虫細胞、BHK、CHO、HelaおよびC−127
のような哺乳類細胞、大腸菌等の細菌、Saccharomyces cerv
isiae等の酵母が挙げられる。胎盤ビクニンの発現を達成するために必要と
される哺乳類、昆虫および微生物発現系を使用する方法は、当業界においてよく
知られ、そして例えば、Ausubel F.M.ら、Current Pro
tocols in Molecular Biology(分子生物学におけ
る最近のプロトコル)、John Wiley & Sons(1995)第1
6章に記載される。ビクニン(7−64)および(102−159)、酵母およ
び大腸菌発現系等の単独のKunitz阻害剤ドメインを含有する胎盤ビクニン
の断片については、好ましく、そして酵母系は、最も好ましい。典型的には、酵
母発現は、アプロチニン変異体については米国特許第5,164,482号に、
記載されるとおり行われ、そして胎盤ビクニン(102−159)について本明
細書の実施例5で適合した。大腸菌発現は、米国特許第5,032,573号に
記載される方法を用いて行い得る。哺乳類および酵母系の使用が、変異体ビクニ
ン(7−159)等の両方の阻害剤ドメインを含む大きな胎盤ビクニン変異体の
発現のために最も好ましい。
【0157】 天然のアミノ酸配列のアミノ酸置換を保有する胎盤ビクニンのDNAコード変
異体は、Kunkel T.A.、(1985)、Proc.Natl.Aca
d.Sci USA、82、488−492頁の方法を用いた組換えタンパク質
の発現のために製造され得る。簡便には、突然変異誘発されるべきDNAを、M
13等の一本鎖バクテリオファージベクターにクローニングする。変化されるべ
きその領域を貫通し、置換をコードするオリゴヌクレオチドを、一本鎖DNAに
ハイブリッド形成され、そして標準的な分子生物学技術によって二重鎖にする。
その後、このDNAは、適切な細菌性宿主に形質転換させ、そしてジデオキシヌ
クレオチド配列決定によって確認する。その後、正しいDNAを、発現プラスミ
ドにクローニングする。代替的に、標的DNAは、標準PCR技術によって突然
変異誘発でき、配列決定し、そして適切な発現プラスミドに挿入し得る。
【0158】 以下の特定の実施例は、本発明の特定の態様および好ましい実施形態を示す例
示の方法によって提供され、そして限定されない。この出願に引用された全ての
特許、特許出願および学術文献は、それらの全体で参照して組み込まれる。
【0159】 実施例1 合成胎盤ビクニン(102−159)の製造 使用した材料および方法/試薬。蛍光作用性基質Tos−Gly−Pro−L
ys−AMCは、Bachem BioScience Inc(King o
f Prussia、PA)から購入した。PNGB、Pro−Phe−Arg
−AMC、Ala−Ala−Pro−Met−AMC、ウシトリプシン(III
型)、ヒト血漿カリクレイン、およびヒトプラスミンは、Sigma(St.L
ouis,MO)から得た。
【0160】 組換えアプロチニン(Trasylol(商標))は、Bayer AG(W
uppertal,Germany)から得た。予備負荷したGlnワン樹脂は
、Novabiochem(La Jolla,CA)から得た。チオアニソー
ル、エタンジチオールおよびt−ブチルメチルエーテルは、Aldrich(M
ilwaukee,WI)から得た。
【0161】 機能性胎盤ビクニン(7−64)(配列番号:4)および(102−159)
の定量精製の種々の段階にある再折り畳み試料に存在するトリプシン阻害活性の
量は、基質としてGPK−AMCを用いて測定した。ウシトリプシン(200ピ
コモル)を、緩衝液A(50mM Hepes、pH7.5、0.1MのNaC
l、2mMのCaCl2および0.01%tritonX−100)中の種々の
段階の精製からビクニン(7−64)または(102−159)を用いて、37
%Cで、5分間インキュベートした。GPK−AMCを、添加(最終20μM)
し、そして産生されたクマリンの量は、2分間かけて、Perkin−Elme
r LS−50B蛍光測定装置で蛍光物質(ex=370nm、em=432n
m)を測定することによって測定される。試験されるべき試料については、各々
についての阻害率(%)は、方程式1(式中、R0は、阻害剤の存在下での蛍光
物質増大の速度であり、そしてR1は、添加した試料の不在下で測定された速度
である)によって計算された。阻害剤についての活性の1単位は、記載されたと
おりの条件を用いて、アッセイで50%阻害を達成するために必要とされる量と
して定義される。
【0162】
【数1】 阻害率(%)=100×[1−R/R] (1)
【0163】 合成。胎盤ビクニン(102−159)(配列番号:6)を、NMP−HBT
UFmoc化学を用いたApplied Biosystemsのモデル420
Aペプチド合成装置で合成した。ペプチドを、各結合のために8倍過剰のアミノ
酸を用いて、予備負荷Gln樹脂で合成した。切断および脱保護を、室温で、2
時間、84.6%トリフルオロ酢酸(TFA)、4.4%トリアニソール、2.
2%エタンジチオール、4.4%液化フェノール、および4.4%HOで行っ
た。粗ペプチドを沈殿させ、遠心分離し、そして2回t−ブチルメチルエーテル
で洗浄した。ペプチドを、TFA/アセトニトリル勾配を用いて、Dynama
x 60A C18逆相HPLCカラムで精製した。最終製品(61.0mg)
は、正しいアミノ酸組成物を生じ、そして推定配列:
【0164】
【化53】
【0165】 (配列番号:6)について分子量を、エレクトロスプレー質量分子学(MH+
=6836.1;測定値=6835.5)によって得た。
【0166】 精製。胎盤ビクニン(102−159)の再折り畳みを、Tamら、(J.A
m.Chem.Soc.、1991、113:6657−62)の方法によって
行った。精製ペプチドの一部(15.2mg)を、4.0mlの0.1M Tr
is(pH6.0)および8M尿素に溶解させた。ジスルフィドの酸化は、23
%DMSO、および0.1M Tris(pH6.0)を含有する溶液の滴下の
添加によって達成して、20%DMSO、0.1M Tris(pH6.0)お
よび1M尿素中の0.5mg/mlペプチドの最終濃度を得た。それを、50m
M Tris(pH8.0)および0.1MのNaClを含む緩衝液中で1:1
0に希釈した後に、溶液を、25℃で24時間攪拌させた。材料を、製造業者の
指示によって、3.5mlのCNBr活性化セファロース(Pharmacia
)に30mgのウシ脾臓カリクレイン(Bayer AG)に共有結合で付着さ
せることによって、カリクレイン親和性カラムを用いて精製した。再折り畳み材
料を、1ml/分の流速で、親和性カラムに負荷し、そして洗浄の280nmで
の吸光度が、もはや検出されなくなるまで、50mM Tris(pH8.0)
および0.1MのNaClで洗浄した。カラムは、3倍量の各々の0.2M酢酸
(pH4.0および1.7)で溶出させた。活性画分を、貯蔵し(以下参照)、
そして溶液のpHを、2.5に調節した。材料を、Vydac C18逆相カラ
ム(5ミクロン、0.46×25cm)に直接使用し、そして、0.1%TFA
中の22.5%アセトニトリルで平衡にした。分離は、40分かけて、1.0m
l/分で0.1%TFA中の22.5から40%のアセトニトリルの線状勾配を
用いて達成した。活性画分を、貯蔵し、凍結乾燥し、0.1%TFAで再溶解し
、そして必要とされるまで−20℃で保存した。
【0167】 結果。合成胎盤ビクニン(102−159)を、上記のように酸化剤として2
0%DMSOを用いて、再折り畳みし、そして下に示される2段階の精製プロト
コルによって精製して、活性トリプシン阻害剤を得た(下の表1)。
【0168】
【表1】
【0169】 免疫化ウシ脾臓カリクレインカラム上の粗再折り畳み材料のクロマトグラフィ
は、存在する6.0%のタンパク質および97%のトリプシン阻害活性を選択的
に分離した。C18逆相を用いた連続クロマトグラフィは、74%の全体の回収
率で2倍の別の精製を生じた。RPHPLCで、還元および再折り畳み胎盤ビク
ニン(102−159)は、それぞれ26.3および20.1分の溶出時間を表
した。精製した材料の質量分子学分析は、6829.8の分子量を表した。出発
材料から6質量単位の損失。これは、ペプチド配列から推定された3つのジフス
ルフィドの完全な形成を示す。
【0170】 精製され、再折り畳みされた合成胎盤ビクニン(102−159)の等電点は
、プレキャストAmpholine(商標)PAGプレート(pH3.5から9
.5)を用いて、pI標準と共に、製造業者の示唆によって起動されるMult
iphor II Electrophoresis System(電気泳動
システム)(Pharmacia)を用いて測定し、そして1.5時間焦点を合
わせた。染色後、ゲルの陽極から異なるタンパク質バンドまでの移動距離を、測
定した。各未知のpIを、標準対対応のpIの移動距離のプロットによって生じ
た標準曲線を用いて測定した。この技術で、胎盤ビクニン(102−159)の
pIを、アミノ酸配列から推定される値と一致して、8.3と測定した。これは
、アプロチニンのpIについて樹立された10.5の値より低い(Tensta
dら、1994、Acta Physiol.Scand.152:33−50
)。
【0171】 実施例2 合成胎盤ビクニン(7−64)の製造 胎盤ビクニン(7−64)(配列番号:4)を合成し、再折り畳み、そして以
下の修正を示す以外は、実施例1で胎盤ビクニン(102−159)(配列番号
:6)について基本的に記載されるとおり精製した:再折り畳みの間中、合成ペ
プチドを、25℃で、20%DMSO中の溶液として30時間攪拌した;C18
PR−HPLCによる精製は、40分間かけて0.1%TFA中の25から45
%までのアセトニトリルの線状勾配(1ml/分)で達成された。最初のC18
操作から得た活性画分は、カラムに再度入れられ、そして0.1%TFA中の2
0から40%アセトニトリルの線状勾配(60分、1ml/分)で分画した。結
果。最終精製還元ペプチドは、配列:
【0172】
【化54】
【0173】 (配列番号:4)に一致するMH+=6563を示した。
【0174】 再折り畳みおよび精製は、トリプシンの阻害剤として活性である機能性Kun
itzドメインを生じた(以下の表2)。
【0175】
【表2】
【0176】 精製された再折り畳みタンパク質は、MH+=6558、すなわち、還元ペプ
チドについてより少ない5±1質量単位を示した。これは、再畳込みが、少なく
とも1つの適切なジスルフィド結合の形成を引き起こすことを示す。胎盤ビクニ
ン(7−64)のpIは、胎盤ビクニン(102−159)のpIを測定するた
めに使用された方法を使用して測定された。胎盤ビクニン(7−64)は、予測
値(pI=7.9)よりいっそう高いpIを示した。再度折り畳んだ胎盤ビクニ
ン(7−64)は、ゲル(pH9.5)の陽性末端まで移動し、そして正確なp
Iは、これらの条件下で測定できなかった。
【0177】 合成胎盤ビクニン(7−64)の連続製造法 合成胎盤ビクニン(7−64)が、精製および再折り畳みの前に、完全な脱保
護を受けてはいけないので、再折り畳みは、完全に脱保護されたことが確かであ
るタンパク質を用いて繰り返された。胎盤ビクニン(7−64)は、合成され、
再畳込みされ、そして、以下の修正を伴い以外は、胎盤ビクニン(102−15
9)について基本的に記載されるとおりに精製された:再折り畳みの間中、合成
ペプチド(0.27mg/ml)を、25℃で、20%DMSO中の溶液として
30時間攪拌した;C18PR−HPLCによる精製は、40分間かけて0.1
%TFA中の22.5から50%までのアセトニトリルの線状勾配(1ml/分
)で達成された。
【0178】 結果。最終精製還元ペプチドは、配列:
【0179】
【化55】
【0180】 (配列番号:4)に一致するMH+=6567.5を示した。
【0181】 再折り畳みおよび精製は、トリプシンの阻害剤として活性である機能性Kun
itzドメインを生じた(以下の表2B)。
【0182】
【表3】
【0183】 精製した再折り畳みタンパク質は、MH+=6561.2、すなわち、還元ペ
プチドについてより少ない6.3質量単位を示した。これは、再折り畳みが、予
測される3つのジスルフィド結合の形成を引き起こすことを示す。
【0184】 再折り畳み胎盤ビクニン(7−64)のpIは、胎盤ビクニン(102−15
9)のpIを測定するために使用された方法を用いて測定された。再折り畳み胎
盤ビクニン(7−64)は、検出値(pI=7.9)よりわずかに高い8.85
のpIを示した。
【0185】 実施例3 機能的胎盤ビクニン断片(102−159)のインビトロ特異性 プロテアーゼ。ウシトリプシン、ヒトプラスミンおよびウシ膵臓カリクレイン
定量を、既に記載したように(Chase,T.,and Shaw,E.,(
1970)Methods Enzymol.19,20−27)、P−ニトロ
フェニルp’−グアニジノベンゾエートHClを用いて活性部位滴定によって行
った。ヒトカリクレインを、標準としてウシアプロチニン、および1:1複合体
形成を呈する基質としてPFR−AMCを使用して活性部位滴定によって定量し
た。それぞれの酵素に関して使用した条件下でのトリプシンおよびプラスミンで
のGPK−AMCに対するKmはそれぞれ29μMおよび726μMであり、ヒ
ト血漿カリクレインおよびウシ脾臓カリクレインでのPFR−AMCに対するK
mはそれぞれ457μMおよび81.5μMであり、エラスターゼによるAAP
R−AMCに対するKmは1600μMであった。ヒト組織カリクレイン(Ba
yer,Germany)定量を、既に記載したように(Chase,T.,a
nd Shaw,E.,(1970)Methods Enzymol.19,
20−27)、p’ニトロフェニル p’−グアニジノベンゾエートHClを用
いて活性部位滴定によって行った。
【0186】 阻害速度論。(実施例1で記載した)胎盤ビクニン(102−159)または
アプロチニンによるトリプシンの阻害を、総容量1.0mlでの緩衝液A中の胎
盤ビクニン(102−159)(0−2nM)またはアプロチニン(0−3nM
)との50pMトリプシンのインキュベーションで測定した。37℃にて5分後
、15μlの2mM GPK−AMCを添加し、(上記のような)蛍光の変化を
モニターした。胎盤ビクニン(102−159)およびアプロチニンによるヒト
プラスミンの阻害を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1M
NaClおよび0.02% TritonX−100を含む緩衝液中のプラスミ
ン(50pM)と胎盤ビクニン(102−159)(0−10nM)またはアプ
ロチニン(0−4nM)で測定した。37℃でのインキュベーションの5分後、
25μlの20mM GPK−AMCを添加し、蛍光の変化をモニターした。胎
盤ビクニン(102−159)またはアプロチニンによるヒト血漿カリクレイン
の阻害を、50mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM NaClお
よび0.02%TritonX−100中のカリクレイン(2.5nM)および
胎盤ビクニン(102−159)(0−3nM)またはアプロチニン(0−45
nM)を用いて測定した。37℃で5分後、15μlの20mM PFR−AM
Cを添加し、蛍光の変化をモニターした。胎盤ビクニン(102−159)およ
びアプロチニンによるウシ脾臓カリクレインの阻害を、カリクレイン(92pM
)、胎盤ビクニン(102−159)(0−1.6nM)およびアプロチニン(
0−14pM)および100μMの最終基質濃度で、同様の様式で測定した。み
かけの阻害定数K を、非線形回帰データ解析プログラムEnzfitter
ソフトウェア(Biosoft,Cambridge,UK)を用いて決定した
。それぞれの実験からの速度論データを、強い結合阻害剤に関する方程式によっ
て解析した。
【0187】
【数2】 V/V=1−(E+I+K −[(E+I+K −4E1/2)/2E (2)
【0188】 式中V/Vは分数酵素活性(阻害対非阻害比)であり、EおよびI
それぞれ酵素および阻害剤の総濃度であり、K値は方程式
【0189】
【数3】 K=K /(1+[S]/K) (3)
【0190】 による基質の効果に関する補正によって得た。(Boudier,C.,an
d Bieth,J.G.,(1989)Biochem Biophys A
cta.995:36−41)。
【0191】 胎盤ビクニン(102−159)およびアプロチニンによるヒト好中球エラス
ターゼの阻害に関して、エラスターゼ(19nM)を、0.1M Tris−H
Cl(pH8.0)および0.05% TritonX−100を含む緩衝液中
の胎盤ビクニン(102−159)(150nM)またはアプロチニン(0−7
.5μM)と共にインキュベートした。37℃での5分後、AAPM−AMC(
500μMまたは1000μM)を添加し、2分間にわたって蛍光を測定した。
値を2つの異なる基質濃度で行った形式1/V対[I]のDixonプロッ
トより決定した(Dixonら,1979)。
【0192】 アプロチニン、胎盤ビクニン断片(7−64)または胎盤ビクニン断片(10
2−159)によるヒト組織カリクレインの阻害を、50mM Tris−HC
l緩衝液pH9.0、50mM NaClおよび0.1% TritonX−1
00を含む1mlの反応容量中で、胎盤ビクニン(7−64)(0−40nM)
または胎盤ビクニン(102−159)(0−2.5nM)、またはアプロチニ
ン(0−0.5nM)とともに0.35nMのヒト組織カリクレインをインキュ
ベーションすることで測定した。37℃にて5分後、5μlの2mM PFR−
AMCを最終濃度10uMになるように添加し、蛍光の変化をモニターした。使
用した条件下でのヒト組織カリクレインでのPFR−AMCに対するKmは5.
7uMであった。合成胎盤ビクニン(102−159)、組換え体胎盤ビクニン
およびアプロチニンによるヒト第Xa因子(American Dianost
ica,Inc,Greenwich,CT)の阻害を、20mM Tris(
pH7.5)、0.1M NaClおよび0.1%BSAを含む緩衝液中で、阻
害剤の量を増加させて、0.87nMのヒト第Xa因子をインキュベートするこ
とで測定した。37℃での5分後、30ulの20mM LGR−AMC(Si
gma)を添加し、蛍光の変化をモニターした。Kunitz阻害剤によるヒト
ウロキナーゼ(Sigma)の阻害を、50mM Tris−HCl(pH8.
0)、50mM NaClおよび0.1% Triton−X100を含む、総
量量1mlの緩衝液中でのウロキナーゼ(2.7ng)の阻害剤とのインキュベ
ーションによって測定した。37℃での5分後、35μlの20mMのGGR−
AMC(Sigma)を添加し、蛍光の変化をモニターした。第XIa因子(E
nzyme Research Labs,Southbend,INから)の
阻害を、FXIa(0.1nM)を、総容量1ml中での50mM Hepes
pH7.5、100mM NaCl、2mM CaCl2、0.01% Tr
itonX−100および1%BSAを含む緩衝液中で、0−800nM胎盤ビ
クニン(7−64)、0−140nM胎盤ビクニン(102−159)または0
−40uMアプロチニンいずれかと共にインキュベートすることで測定した。3
7℃での5分後、10ulの40mM Boc−Glu(OBzl)−Ala−
Arg−AMC(Bachem Biosciences,King of P
russia,PA)を添加し、蛍光の変化をモニターした。
【0193】 結果:胎盤ビクニン(102−159)およびアプロチニンの阻害特性の直接
比較を、同一の条件下での様々なプロテアーゼによるそれらの阻害定数の測定に
よって行った。K値を以下表3に挙げる。
【0194】
【表4】
【0195】 胎盤ビクニン(102−159)およびアプロチニンは、実施した条件下で比
較可能な程度までウシトリプシンおよびヒトプラスミンを阻害した。アプロチニ
ンは、8.5μMのKiでエラスターゼを阻害した。胎盤ビクニン(102−1
59)は323nMのKiでエラスターゼを阻害した。ウシ膵臓カリクレインの
胎盤ビクニン(102−159)阻害に対するK値はアプロチニン阻害のもの
よりも20倍高かった。一方で胎盤ビクニン(102−159)はアプロチニン
よりもより強力なヒト血漿カリクレインの阻害剤であり、56倍高い親和性で結
合する。
【0196】 胎盤ビクニン(102−159)は、カリクレインの阻害剤としてTrasy
lol(商標)よりも50倍強力であるので、KIUにおいて阻害剤の効果的患
者用量を保持するためには、ヒト胎盤ビクニンまたはその断片(すなわち、胎盤
ビクニン(102−159))の必要な量は、Traylol(商標)よりもよ
り少量である。このことは、薬物の用量あたりの経費を削減し、患者への薬物へ
の再暴露における腎毒性副作用の可能性を減少させる。さらに、このタンパク質
はヒト由来であり、したがって、ウシ由来のアプロチニンよりもヒトにおいて免
疫源が少ない。このことは結果として、患者への薬の再暴露における免疫学的副
作用を招くリスクを減少させることになる。
【0197】 実施例4 機能的胎盤ビクニン断片(7−64)のインビトロ特異性 実施例2で記載した機能的ヒト胎盤ビクニン(7−64)のインビトロ特異性
を、以上の実施例で記載したような物質および方法を用いて決定した。
【0198】 結果:以下の表は、インビトロでの様々なセリンプロテアーゼの阻害剤として
の胎盤ビクニン(7−64)の効力を示している。データは、胎盤ビクニン(1
02−159)またはアプロチニン(Trasylol(商標))どちらかを使
用した阻害のスクリーニングのために得たデータに対して比較して示している。
【0199】
【表5】
【0200】 結果は、胎盤ビクニン(7−64)をコードしているアミノ酸配列は、少なく
とも4つのトリプシン様セリンプロテアーゼに対して効果的である活性セリンプ
ロテアーゼ阻害剤を得るために再折り畳みできることを示している。
【0201】 以下の表4Bはまた、インビトロでの様々なセリンプロテアーゼの阻害剤とし
ての再折り畳み胎盤ビクニン(7−64)の効力を示している。再折り畳みした
胎盤ビクニン(7−64)は、精製および再折り畳みの前に完全に脱保護される
ことが確かなタンパク質から調製した。データは、胎盤ビクニン(102−15
9)またはアプロチニン(Trasylol(商標))のいずれかを用いた阻害
のスクリーニングのために得たデータに対する比較を示している。
【0202】
【表6】
【0203】 驚くべきことに、胎盤ビクニン(7−64)は、ヒト血漿カリクレインを阻害
することにおいてアプロチニンよりも強力であり、プラスミン阻害剤としての効
力は少なくとも同様である。これらのデータは、胎盤ビクニン(7−64)は、
インビトロアッセイで使用する、アプロチニンと同程度の効果であり、インビボ
ではよりよいか、または同様の効力が予想されたことを示している。
【0204】 実施例5 酵母での胎盤ビクニン変異体(102−159)の発現 胎盤ビクニン102−159(配列番号:6)をコードしているDNAを、合
成オリゴヌクレオチドを用いて作製した。最終DNA産物は、インフレーム終止
コドンが続く、インフレームで胎盤ビクニン(102−159)をコードしてい
るcDNA配列に融合した酵母α−交配因子プロペプチドからの15ヌクレオチ
ドの(5’から3’)からなる。酵母発現ベクターpS604内へのクローニン
グに際し、cDNAは、胎盤ビクニン(102−159)の58アミノ酸配列に
融合したN−末端α−交配因子プロペプチドを含む融合タンパク質の発現を指向
する。この融合タンパク質のα−交配因子とKunitzドメインの間でのKE
X−2開裂部位での処理は、その天然のN−末端でのKunitzドメインを遊
離させるように消化した。
【0205】 以下の配列であり、クローニングのためのHindIII部位を含む5’セン
スオリゴヌクレオチドを合成した。
【0206】
【化56】
【0207】 (配列番号:42)
【0208】 以下の配列であり、クローニングのためのBamHI部位および終止コドン両
方を含む3’アンチセンスオリゴヌクレオチドを合成した。
【0209】
【化57】
【0210】 (配列番号:43)
【0211】 オリゴヌクレオチドを1mM EDTAを含む10mM Tris緩衝液pH
8.0中に溶解し、12ugのそれぞれのオリゴを加えて混合し、0.25M
NaClを加えた。ハイブリッド形成するために、オリゴヌクレオチドを5分間
沸騰させて変性させ、65℃から室温まで2時間かけて冷却した。重複をKle
now断片を用いて伸張させ、HindIIIおよびBamHIで消化した。得
られた消化した二本鎖断片をpUC19内にクローン化し、配列を確認した。正
確な配列の断片を含むクローンをBamHI/HindIIIで消化して、以下
の+鎖配列を持つ断片を含むビクニンを遊離させ、
【0212】
【化58】
【0213】 (配列番号:44)
【0214】 次いでゲル精製し、BamHI/HindIII切断pS604内にライゲー
ションした。ライゲーション混合液をフェノール/クロロホルム内に抽出し、S
−200ミニスピンカラム上で精製した。ライゲーション産物を酵母株SC10
1およびWHL341内にトランスフォームし、ura選別プレート上にプレー
トした。それぞれの株からの12コロニーをuraドロップアウトプレート上で
再画線培養した。単一コロニーを2mlのuraDO培地内に植え付け、30℃
にて一晩増殖させた。細胞を2分間、14000×gで沈殿させ、上清をその胎
盤ビクニン(102−159)の含量に関して評価した。
【0215】 形質転換した酵母内での胎盤ビクニン(102−159)の発現の検出 まず、上清(アッセイあたり50ul)を、実施例1で記載したようなアッセ
イ方法(1mlアッセイ容量)を使用してトリプシンのインビトロ活性を阻害す
るその能力に関して評価した。未使用の培地のみの試料、およびアプロチニンの
不活性変異体を発現している酵母クローンを陰性対照として使用した。天然のア
プロチニンを発現している酵母クローンを陽性対照として使用し、比較を示した
【0216】 胎盤ビクニン(102−159)発現の定量の第2の方法は、ウエスタンブロ
ットを使用した組換え体ペプチドの蓄積をモニターするために、合成ペプチドに
対するポリクローナル抗体(pAbs)を使用することで行った。これらの研究
は、株WHL341に由来する組換え体よりもより大きい阻害活性を産出したの
で、株SC101に由来した組み換え体でのみ行った。
【0217】 pAbを産出するために、2匹の6−8週齢ニュージーランドホワイト(Ne
w Zealand White)メスウサギ(Hazelton Resea
rch Labs,Denver,Pa)を、フロイント完全アジュバント中の
250ugの精製した還元合成胎盤ビクニン(102−159)で第0日に免役
し、続いて第14,35、56および77日に、フロイント不完全アジュバント
中の125ugの同様の抗原でブーストした。本研究で使用した抗血清は、確立
された手順によって第3ブースト後に回収した。ポリクローナル抗体はプロテイ
ンA上で抗血清より精製した。
【0218】 酵母SC101の形質転換からのコロニー2.4および2.5(図8)および
アプロチニン対照を、30℃にて50mlのura DO培地内で一晩培養した
。細胞をペレット化し、上清をCentriprep 3(Amicon,Be
verly,MA)濃縮器を使用して100倍濃縮した。それぞれの試料(30
μl)を、取扱手順を使用して10−20%トリシン緩衝ゲル(Novex,S
an Diego,CA)上でSDS−PAGEにかけた。二重ゲルを、銀染色
キット(Intergrated Separation Systems,N
antick,MA)で染色するか、またはニトロセルロースに写し、合成ビク
ニン(102−159)を顕在化させる精製ポリクローナル抗体で染色した。ア
ルカリホスファターゼ共役ヤギ抗ウサギ抗体を取り扱い指示にしたがって第2抗
体として使用した(Kirkegaard and Perry,Gaithe
rsburg,MD)。
【0219】 SC101の形質導入株からの胎盤ビクニン(102−159)の精製 SC101株2.4の1L培養液からの発酵液を遠心(4,000g×30分
間)にて回収し、次いで先に0.1M NaCl、2mM CaCl2および0
.01%(v/v)triton X−100を含む50mM Hepes緩衝
液pH7.5で平衡化したアンヒドロキモトリプシン−セファロース(Taka
ra Biochemical Inc.,CA)の1.0mlカラムにのせた
。カラムをA280nmがゼロに下がるまで、1.0M NaClを含む同様の
緩衝液で洗浄し、その上でカラムを0.1M ギ酸pH2.5で溶出した。溶出
した画分をため、先に0.1%TFAで平衡化したC18カラム(Vydac、
5um、4.6×250mm)にのせ、0.1% TFA中の20−80%アセ
トニトリル50分間直線勾配で溶出した。胎盤ビクニン(102−159)を含
む画分をため、0.1%TFA中の直線22.5−50%アセトニトリル勾配で
の溶出を用いてC18で再クロマトグラムした。
【0220】 結果。図8は、SC101およびWHL341それぞれの株の形質導入に由来
する12のコロニーによって阻害されたパーセントトリプシン活性を示している
。この結果は、トリプシン阻害剤胎盤ビクニン(102−159)で形質導入し
た酵母株SC101の12のすべてのコロニーが、トリプシンを阻害する能力を
示さない両方の陰性対照と比較して、統計学的量のトリプシン阻害活性を産出す
る能力を持っていたことを示している。したがってこの活性は、胎盤ビクニン変
異体(102−159)形質導入細胞での特異的阻害剤の発現に関係する。酵母
WHL341試料が、最小のトリプシン阻害活性を含んだ。このことは、使用し
た条件下でのこの株で観察された低増殖に関連する可能性がある。
【0221】 図9は、酵母SC101上清のSDS−PAGEおよびウエスタン解析を示し
ている。胎盤ビクニン(102−159)を発現している組換え体酵母2.4お
よび2.5から、およびアプロチニンを発現している酵母からの上清の銀染色し
たSDS−PAGEにより、およそ6kDaのタンパク質バンドが得られ、これ
はそれぞれの組換え体Kunitz阻害剤領域に対して予想された大きさに相当
する。ウエスタン解析は、株2.4および2.5によって発現した6kDaバン
ドが、胎盤ビクニン(102−159)に結合するpAbと反応したことを示し
た。アプロチニン対照での同様の6kDaのバンドは、この抗体に反応はせず、
このことは胎盤ビクニン変異体(102−159)に対する抗体の特異性を示唆
している。胎盤ビクニンC−末端領域の最終調製品は、銀染色したSDS−PA
GEによって、非常に純粋であった(図10)。最終調製品での培養液由来トリ
プシン阻害活性の全回収は31%であった。精製した阻害剤のN−末端配列は、
40%のタンパク質が正確に処理されて、正確な胎盤ビクニン(102−159
)に対するN−末端を生成し、一方約60%の物質は、酵母α−交配因子を含ん
でいたことを示唆した。精製した物質は、血漿カリクレインのインビトロ阻害に
関して0.35nMの明らかなKiを示している活性セリンプロテアーゼ阻害剤
を含んだ。
【0222】 結論として、発酵培地中のプロテアーゼ阻害剤活性および合成ビクニン(10
2−159)に免疫化学的に関連したタンパク質両方の蓄積と、形質転換した株
の1つからの胎盤ビクニン(102−159)の単離により、本明細書で記載し
た組換え体酵母株での胎盤ビクニンの発現の証拠が得られ、このことは、胎盤ビ
クニン断片の産出に対する酵母の有用性をはじめて示している。
【0223】 さらなる構造物を、胎盤ビクニン102−159内に含まれるKunitzド
メインの発現レベルを増加させ、正確なN−末端を持つタンパク質の産出を増加
させるために調製した。本発明者らは、胎盤ビクニン102−159のN−末端
残基(YEEY−−)が、酵素的に酵母a−因子プロ領域を取り除く酵母KEX
−2プロテアーゼによってほんのわずかしか認識される開裂部位を表している可
能性があると仮定した。したがって、本発明者らは、KEX−2開裂部位の周り
のP’サブ部位を修正するために、胎盤ビクニン103−159(EEY…のN
−末端)、101−159(NYEEY…のN−末端)および98−159(D
MFNYEEY…)の産出に対する酵母発現構造物を調製した。組換え体タンパ
ク質発現のレベルを増加させることを試みるために、本発明者らはまた、以下で
記載した構造物のいくつかを調製するときに、哺乳動物が好むコドンではなく、
酵母が好むコドンを使用した。構造物は、本質的には胎盤ビクニン102−15
9(構造番号1として定義した)に関して以上で記載したように調製したが、以
下の修正にしたがった。
【0224】 構造番号2 胎盤ビクニン103−159、酵母コドン使用5’センスオリゴ
ヌクレオチド
【0225】
【化59】
【0226】 (配列番号:55)
【0227】 および3’アンチセンスオリゴヌクレオチド
【0228】
【化60】
【0229】 (配列番号:56)
【0230】 を、胎盤ビクニン102−159の発現のための発現構造物(上記構造番号1
)の産出に関して記載したように処理した。
【0231】 構造番号3 胎盤ビクニン101−159、酵母コドン使用5’センスオリゴ
ヌクレオチド
【0232】
【化61】
【0233】 (配列番号:57)
【0234】 および構造物番号2のために使用したような3’アンチセンスオリゴヌクレオ
チドを、胎盤ビクニン102−159の発現のための発現構造物(上記構造番号
1)の産出に関して記載したように処理した。
【0235】 構造物番号4 胎盤ビクニン98−159、酵母コドン使用5’センスオリゴ
ヌクレオチド
【0236】
【化62】
【0237】 (配列番号:58)
【0238】 および構造物番号2のために使用したような3’アンチセンスオリゴヌクレオ
チドを、発現構造物(上記構造番号1)の産出に関して記載したように処理した
【0239】 酵母株SC101(MATα、ura3−52、suc2)に、以上のcDN
Aそれぞれを含むプラスミドを形質導入し、タンパク質を、ヒトコドン使用での
胎盤ビクニン102−159の産出に関して以上で記載した方法を使用して発現
させた。およそ250mlのそれぞれの酵母培養液を回収し、遠心(15分間×
3000RPM)からの上清を、上記のようにカリクレイン−セファロースの1
mlカラムでの精製に別々にかけた。適用物のトリプシン阻害活性の相対量、再
生した精製したタンパク質の量および精製したタンパク質のN−末端配列を決定
し、表7にて以下に挙げる。
【0240】
【表7】
【0241】 結果は、C−末端Kunitzドメインを含む異なる長さの胎盤ビクニン断片
が、機能的な分泌したタンパク質を発現する能力において広い変動を示すことを
示している。断片101−159および103−159を発現している構造物は
精製前上清中に待った少しの、または小さな酵素活性を産出し、それぞれの精製
した画分の0.05mlの部分のN−末端配列決定によっては、阻害剤の検出可
能な量は産出されなかった。一方、胎盤ビクニン102−159および98−1
59のどちらかの発現によって、精製前に明らかな量のプロテアーゼ活性が産出
された。しかしながら、N−末端配列決定は、102−159の発現より回収し
た精製タンパク質は、ほとんど不正確に処理され、酵母α−交配因子プロ配列内
の部位におけるプレタンパク質の大部分の処理と一致したN−末端を示している
ことが示された。しかしながら、胎盤ビクニン98−159の発現から回収した
精製タンパク質は、全体として正しい部位で処理され、正しいN−末端を産出し
た。さらに、胎盤ビクニン102−159の回収と比較してほぼ2倍のタンパク
質が回収された。したがって胎盤ビクニン98−159は、S.cervisi
aeのα−交配因子プレ−プロ配列/KEX−2処理系による胎盤ビクニンのC
−末端Kunitzドメインの産出に関する好ましい断片長を表している。
【0242】 実施例6 酵母発現の他の手順 R74593翻訳産物由来の58アミノ酸ペプチドをまた、DNA配列決定の
後にTA vector(商標)(Invitrogen,San Diego
,CA)内にクローン化したR87894−R74593 PCR産物から、ま
たはヒト胎盤cDNAからどちらかよりPCR増幅することができる。増幅した
DNA産物は、インフレームで翻訳産物を作製しするようにYEEY−−CFR
Q(58残基)についてコードしているR74593配列に相当した酵母α−交
配因子リーダー配列からの19ヌクレオチドからなる可能性があり、α−交配因
子/Kunitzドメイン融合タンパク質を構築している。タンパク質配列はま
た、その天然のN−末端においてKunitzドメインを遊離させる可能性のあ
るkex2開裂も含む。
【0243】 クローニングのためのHindIIIを含む5’センスオリゴヌクレオチドは
以下の配列を含む可能性がある。
【0244】
【化63】
【0245】 (配列番号:30)
【0246】 3’アンチセンスオリゴヌクレオチドはクローニングのためのBamHIおよ
び終止コドンを含み、以下の配列である。
【0247】
【化64】
【0248】 (配列番号:31)
【0249】 酵母発現ベクター内にクローン化すべき全206ヌクレオチドcDNA配列は
以下の配列である。
【0250】
【化65】
【0251】 (配列番号:32)
【0252】 PCR増幅の後、このDNAをHindIII、BamHIで消化し、これも
またHindIIIおよびBamHIで消化した酵母発現ベクターpMT15(
参照して全体に組み込まれた、米国特許第5,164,482号を参照)内にク
ローン化した。得られたプラスミドベクターを、米国特許第5,164,482
号で記載した方法を用いて酵母株SC106に形質導入するのに使用した。UR
A3+酵母形質導入体を単離し、誘導条件下で培養した。組換え体胎盤ビクニン
変異体の産出を、上述したインビトロアッセイ方法を用いて時間を追って培養液
上清で蓄積したトリプシン阻害活性の量にしたがって測定した。発酵液を900
0rpmにて30分間遠心した。次いで上清を0.4、次いで0.2μmフィル
タを通して濾過し、7.5msの伝導率まで希釈し、クエン酸にてpH3にあわ
せた。次いで試料を50mMクエン酸ナトリウムpH3中のS−sepharo
seファーストフロー(Pharmacia)200ml上にバッチ吸収させ、
60分間攪拌した。続いてゲルをそれぞれ2Lの、50mMクエン酸ナトリウム
pH3.0、50mM Tris−HCl pH9.0、20mM HEPE
S pH6.0で連続的に洗浄した。洗浄したゲルを好適なカラムに移し、20
mM HEPES pH6.0中の0−1M塩化ナトリウムの直線勾配で溶出し
た。次いでインビトロでトリプシン阻害活性を持っている溶出した画分をため、
さらに、a)(基本的に実施例2で記載したような)固定化したアンヒドロトリ
プシンのカラム上でのクロマトグラフィ、b)固定化したウシカリクレインのカ
ラム上でのクロマトグラフィ、またはc)ゲル濾過および/または陰イオン交換
クロマトグラフィを含む従来のカラムクロマトグラフ工程の組合せのいずれかに
よって精製した。
【0253】 実施例7 胎盤からの天然のヒト胎盤ビクニンの単離と特性化 ビクニンタンパク質を、全凍結胎盤(Analytical Biologi
cal Services,Inc,Wilmington,DE)からの明白
な均質性を得るまで精製した。胎盤(740mg)を室温まで解凍し、0.5−
1.0cm断片に切断し、氷上におき、600mlのPBS緩衝液で洗浄した。
洗浄物をデカントし、240mlの胎盤断片をWaringブレンダーに入れた
。0.1M Tris(pH8.0)および0.1M NaClを含む300m
lの緩衝液を添加した後に、混合液を高速度で2分間混和し、750.0mlの
遠心チューブ内にデカントし、氷上に置いた。この手順をすべての物質を処理す
るまで繰り返した。スラリーを混合し、4500×gにて60分間、4℃にて遠
心した。上清を、チーズ状の布を通して濾過し、胎盤ビクニンを、取扱説明書に
したがって、70mgのウシ膵臓カリクレイン(Bayer AG)を5.0m
lのCNBr活性化Sepharose(Pharmacia)に共有結合させ
て作製したカリクレイン親和性カラムを用いて精製した。物質を2.0ml/分
の流速で親和性カラム上にのせ、0.1M Tris(pH8.0)、0.1M
NaClで、洗浄液の280nmでの吸光度がもはや検出されなくなるまで洗
浄した。さらにカラムを0.1M Tris(pH8.0)、0.5M NaC
lで洗浄し、次いで3倍量の0.2M酢酸、pH4.0で溶出した。カリクレイ
ンおよびトリプシン阻害(以下参照)活性を含む画分をため、冷凍し、凍結乾燥
した。さらに胎盤ビクニンを、Beckman System Gold HP
LC型に接続したSuperdex 75 10/30(Pharmacia)
カラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィによって精製した。簡便には、カラム
を、流速0.5ml/分にて0.1M Tris、0.15M NaClおよび
0.1%TritonX−100で平衡化した。凍結乾燥試料を1.0mlの0
.1M Tris、pH8.0中で元に戻し、200μl分液にてゲル濾過カラ
ム上の注入した。画分を回収し(0.5ml)、トリプシンおよびカリクレイン
阻害活性に関してアッセイした。活性画分をため、溶液のpHをTFAの添加に
よって2.5に合わせた。この物質を、0.1%TFA中の20%アセトニトリ
ル中で平衡化したVydac C18 逆相カラム(5ミクロン、0.46×2
5cm)に直接のせた。分離を、0.1%TFA中20%のアセトニトリルでの
初期20分間洗浄の後に、50分間かけて1.0ml/分にて0.1%TFA中
の20−80%アセトニトリルの直線勾配を用いて行った。画分(1ml)を回
収し、トリプシンおよびカリクレイン阻害活性に関してアッセイした。阻害活性
を含んでいる画分をspeed−vac濃縮器(Savant)を用いて濃縮し
、N−末端配列解析にかけた。
【0254】 胎盤ビクニンの機能的アッセイ 機能的胎盤ビクニンの同定を、ウシトリプシンおよびヒト血漿カリクレインを
阻害するその能力を測定することで行った。トリプシン阻害活性は、基質として
Gly−Pro−Lys−アミノメチルクマリンを使用して96−ウェルマイク
ロタイタープレート(Perkin Elmer)にて、室温でアッセイ緩衝液
(50mM Hepes、pH7.5、0.1M NaCl、2.0mM Ca
Cl、0.1%TritonX−100)中で行った。トリプシンによって産
出されたクマリンの量を、プレートリーダーを備えたPerkin−Elmer
LS−50B蛍光計にて蛍光(ex=370nm、em=432nm)を測定す
ることで決定した。トリプシン(100μl緩衝液中23μg)を20μlの試
験すべき試料と混合し、25℃にて10分間インキュベートした。反応をアッセ
イ緩衝液中の50μlの基質GPK−AMC(最終濃度33μM)の添加で開始
した。蛍光強度を測定し、それぞれの画分の%阻害を
【0255】
【数4】 %阻害=100×[1−F/F
【0256】 により決定した。式中F0は未知の蛍光であり、F1はトリプシンのみの対照
の蛍光である。この画分のカリクレイン阻害活性を、アッセイ緩衝液(50mM
Tris、pH8.0、50mM NaCl、0.1% triton X−
100)中の7.0nM カリクレインおよび基質としての66.0μM Pr
o−Phe−Arg−AMCを使用して同様に測定した。
【0257】 胎盤ビクニンのインビトロ特異性の決定 天然のヒト胎盤ビクニンのインビトロ特異性を、以上の実施例での処理で記載
したような物質および方法を用いて決定した。胎盤ビクニンを、基質としてGP
K−AMCを用いて既知濃度のトリプシンに対する活性部位滴定によって定量し
非結合トリプシンの画分をモニターした。
【0258】 タンパク質配列決定 1ml画分(C18−29 Delaria)を容量にして300mlまで、
Speed Vac上で濃縮し、有機溶媒の量を減らした。次いで試料をHew
lett−Packard小型二相反応カラム上にのせ、1mlの2%トリフル
オロ酢酸で洗浄した。試料をEdman分解を用いて、Hewlett−Pac
kard Model G1005Aタンパク質配列決定系上で配列決定した。
バージョン3.0配列決定法およびすべての試薬は、Hewlett−Pack
ardより供給された。配列は50サイクルで確認した。
【0259】 結果。胎盤ビクニンを連続的なカリクレイン親和性、ゲル濾過および逆相カラ
ムクロマトグラフィによって明白な均質性を得るまで精製した(以下の精製表を
参照)。
【0260】
【表8】
【0261】 大部分のカリクレインおよびトリプシン阻害活性は、pH4.0溶出でのカリ
クレイン親和性カラムより溶出した。続くゲル濾過クロマトグラフィ(図5)に
より、同一の条件下での分子量標準を流したことで得られた標準曲線によって判
断したところ、分子量10−40kDaの範囲でカリクレインおよびトリプシン
阻害活性のピークが得られた。逆相C18クロマトグラフィ(図6)によって、
およそ30%のアセトニトリルの時点での最も強力な溶出で、阻害活性の4ピー
クが得られた。C18から溶出した第1ピーク(画分29)に関連した活性は、
胎盤ビクニン(ADRER…;配列番号:1)の予想されるアミノ酸配列のアミ
ノ酸1より始まるアミノ酸配列を表しており、50サイクルの配列決定に対して
予想された配列と同一であった(図3の下線アミノ酸)。この配列長内のシステ
イン残基は、酸化したタンパク質の配列決定に関して予想されたようにサイレン
トであった。成熟胎盤ビクニンのアミノ酸位置11および20でのシステイン残
基は、そこでPTH−ピリジルエチル−システインがサイクル11および20で
回収されたS−ピリジルエチル化タンパク質の配列決定より後に同定された。
【0262】 興味深いことに、配列のアミノ酸残基番号30でのアスパラギン(図3)はサ
イレントであり、この部位が糖付加される可能性があることを示している。画分
29は、残基番号1の時点で開始している(サイクル1で27pmol)胎盤ビ
クニンに相当する1つの主要配列+残基6で開始している胎盤ビクニン(SIH
D…)より由来した副次的な配列を産出した。このことは、画分29内で配列決
定した最終調製品はとても純粋であり、この画分に関連するプロテアーゼ阻害活
性に最も感受性であり得ることを示している(図6)。
【0263】 したがって、C18クロマトグラフィからの胎盤ビクニンの最終調製品は、銀
染色SDS−PAGE解析に基づいてとても純粋であり(図7)、そこでタンパ
ク質は、以下の分子量マーカ、インスリン(2.9kDa)、ウシトリプシン阻
害剤(5.8kDa)、リソザイム(14.7kDa)、β−ラクトグロブリン
(18.4kDa)、炭酸アンヒドラーゼ(29kDa)、オバルブミン(43
kDa)によって目盛りを定めた10−20%アクリルアミドトリシンゲル(N
ovex,San Diego,CA)上で24kDaの明らかなMrで移動し
た。SDS−PAGE上の胎盤ビクニンの上記の大きさは、全長コード配列から
予想されるものと一致した(図4F)。
【0264】 上述したN−末端配列決定結果に基づいて予想すると、精製したタンパク質は
、胎盤ビクニン(7−46)に対する抗体と反応し、銀染色にてゲル上で検出さ
れた(図7)精製した調製品で観察されたのと同一のMrのバンドを産出した(
図12A)。しかしながら、同様の調製品を、合成胎盤ビクニン(102−15
9)に対する抗体と反応させた場合、全長タンパク質に相当するバンドは観察さ
れなかった。むしろ、およそ6kDaの合成ビクニン(102−159)と共に
移動した断片が観察された。これらの結果の最も単純な解釈は、精製した調製品
が、精製の後に分解を起こし、N−末端領域を含むN−末端断片とC−末端領域
を含むC−末端断片を産出したと考えることである。胎盤ビクニン(7−64)
への抗血清に対する断片応答性は、全長タンパク質のC−末端を欠いていると仮
定すると、大きさ(24kDa)は高段階の糖付加を示唆している。
【0265】 以下の表6は、胎盤ビクニンによる様々なセリンプロテアーゼのインビトロ阻
害の効力を示している。データはアプロチニン(Trasylol(商標))で
得たものと比較した。
【0266】
【表9】
【0267】 結果は、天然の供給源(ヒト胎盤)から単離した胎盤ビクニンがトリプシン−
類似セリンプロテアーゼの強力な阻害剤であることを示している。
【0268】 実施例8 異なるヒト器官および組織間での胎盤ビクニンの発現パターン ヒト心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓および膵臓からの2μgのpo
lyA+RNAを含む多数の組織のノザンを Clontechより購入した。
2つの異なるcDNAプローブを使用した。1)胎盤ビクニン(102−159
)をコードしているゲル精製したcDNA、2)EcoRIで消化し、ゲル精製
したTAクローンより遊離させた780塩基対PCR−由来cDNA(図4E)
である。それぞれのプローブをBoehringer Mannheim Bi
ochemicals(Indiana)からの32P−dCTPおよびランダ
ムプライミング標識化キットを用いて標識化し、次いで取扱説明書にしたがって
多数の組織に対してハイブリッド形成するのに使用した。オートラジオグラフィ
を18時間の露光時間でBiomaxフィルムを用いて作製し、Umax Sc
annerを用いて感光し、Adobe Photoshopを用いてスキャン
した。
【0269】 結果。胎盤ビクニン(102−159)プローブ(図11A)または胎盤ビク
ニンの両方のKunitzドメインを含むより大きなプローブ(図11B)を用
いて観察した組織発現のパターンは、予想したものと本質的に同一であった。胎
盤ビクニンmRNAは、膵臓および胎盤で最も豊富であった。有意なレベルが肺
、脳および腎臓でも観察されたが、心臓および肝臓では低いレベルであり、骨格
筋ではmRNAは検出されなかった。転写物の大きさは、すべての場合で1.9
5キロ塩基であり、ESTオーバーレイおよび以上の項で記載した全長cDNA
クローニング両方から予想した胎盤ビクニンの予想サイズと一致した。
【0270】 mRNAの広い組織分布は、胎盤ビクニンが幅広く発現していることを示して
いる。タンパク質がまた、リーダー配列を含んでいるので、ヒト免疫系へ広く暴
露されている可能性があり、それが単独のタンパク質として認識されるようにな
ることが必要である。胎盤ビクニンmRNAの広い組織分布に関するさらなる証
拠が、胎盤ビクニンに対する相同性で登録したいくつかのEST(図4B)が、
ヒト成人および幼児脳、ヒト網膜、乳、子宮、嗅覚上皮および胎盤から由来した
という事実より得られる。したがって、天然のヒトタンパク質のヒト患者への投
与が、免疫応答を誘発する可能性はないと結論づけた。
【0271】 興味深いことに、胎盤ビクニンの発現パターンは、ウシ肺および膵臓で高いレ
ベルで見られるウシアプロチニンに関するものを思い起こさせるものである。胎
盤ビクニンの発現パターンをさらにはっきりさせるために、以下のヒト細胞から
のトータルRNAのRT−PCRを行った。未刺激ヒト臍静脈内皮細胞(HUV
ECs)、HK−2(腎臓近位細管由来の株)、TF−1(赤白血病株)および
ホルボールエステル(PMA)−刺激ヒト末梢血白血球である。使用したプロー
ブ、
【0272】
【化66】
【0273】 (センス;配列番号:59)
【0274】
【化67】
【0275】 (アンチセンス;配列番号:60)
【0276】 は、cDNA断片をコードしている600bp胎盤ビクニンを増幅するために
設計した。比較対照を、800bpアクチン断片を増幅するのにアクチンプライ
マーを加えることによって標準化した。エチジウムブロマイドによってアガロー
スゲル上で同定された800bpの断片がすべてのレーンで同等の強度であった
一方で、600bpの胎盤ビクニン断片はHUVECsには存在せず、しかし他
の細胞株それぞれには有意な量存在した。本発明者らは、胎盤亜ビクニンは少な
くともいくつかの内皮細胞には発現していないが、いくつかの白血球集団には発
現していると結論づけた。
【0277】 実施例9 バキュロウイルス/Sf9発現系よりよく精製された胎盤ビクニン(1−17
0)の精製および特性 両方のKunitzドメインを含んでいる胎盤ビクニン
(ビクニン(1−170))(配列番号:52)の大きな断片を以下のようにS
f9に発現させた。PCR(図4E)より得、TAベクター内に含まれる(以上
の実施例を参照)胎盤ビクニンcDNAを、HindIIIおよびXbaIでの
消化によって遊離させ、5’XbaI部位および3’HindIII部位によっ
て隣接した断片を産出した。この断片をゲル精製し、次いでM13mp19ベク
ター(New England Biolabs,Beverly,MA)内に
クローン化した。インビトロ変異導入(Kunkel T.A.,(1985)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:488−492)を使
用して、5‘末端でのXbaI部位に対してPstI3’部位を作製し、一方で
ATG開始部位をコードしている配列、天然の胎盤ビクニンシグナルペプチドお
よび成熟胎盤ビクニンコード配列に対して5‘を作製した。変異導入のために使
用したオリゴヌクレオチドは配列
【0278】
【化68】
【0279】 (配列番号:61)
【0280】 を持った。終止コドン(TAG)およびBglII/XmaI部位を同様にオ
リゴヌクレオチド:
【0281】
【化69】
【0282】 (配列番号:62)
【0283】 を使用してcDNAの3’末端に作製した。終止コドンは胎盤ンビクニンをコ
ードしている配列とインフレームであり、アミノ酸残基170のリシンの直後で
終了となり、したがって短くした胎盤ビクニン断片をコードすることは、推定さ
れる膜貫通領域が欠けている。PstIおよびBglIIによる消化からの産物
を単離し、両方のKunitzドメインを含むが、予想される膜貫通区画に対す
るN末端後で短くなっている胎盤ビクニン断片(1−170)の発現のためにB
acPac8ベクター内にクローン化した。
【0284】 Sf9昆虫細胞によるビクニンの発現は、培地を感染後72時間回収した場合
、1対1の感染の多重感染において最適であった。回収後、バキュロウイルス細
胞培養上清(2L)をTris−HClの添加によってpH8.0に合わせた。
ビクニンを、胎盤からの天然の胎盤ビクニンの精製に関して実施例7で既に記載
したように、5mlのウシ膵臓カリクレイン親和性カラムを使用したカラムクロ
マトグラフィによって精製した。溶出した物質をTFAによってpH2.5にあ
わせ、1ml/分の流速にて、0.1%TFA中の10%アセトニトリルで平衡
化したC18逆相カラム(1.0×25cm)上のカラムクロマトグラフィにか
けた。ビクニンを40分間かけて、0.1%TFA中の10−80%アセトニト
リルの直線勾配で溶出した。活性画分をため、凍結乾燥し、50mM Hepe
s(pH7.5)、0.1M NaCl、2mM CaClおよび0.1%T
riton X−100中に再懸濁させ、必要になるまで−20℃にて保存した
。組換え体ビクニンの濃度をアミノ酸解析により決定した。
【0285】 結果。組換え体ビクニンを、以下に示したような2段階精製プロトコルを用い
てバキュロウイルス細胞培養上清より精製し、活性トリプシン阻害剤を得た(以
下の表8)。
【0286】
【表10】
【0287】 固定化ウシ膵臓カリクレイン親和性カラム上での未精製物質のカラムクロマト
グラフィは、0.013%のタンパク質および0.67%の存在しているトリプ
シン阻害剤活性を選択的に単離した。開始上清に存在したトリプシン阻害活性の
大部分は、固定化したカリクレインに結合せず、ビクニンと関連しなかった(結
果は示さず)。続くC18逆相を使用したクロマトグラフィにより、5倍のさら
なる精製が行われ、収率は0.2%であった。最終調製品は、SDS−PAGE
によって非常に純粋であり(図13)、21.3kDaのMrを示しており、ウ
サギ抗胎盤ビクニン102−159への免疫ブロットで反応した(示していない
)。N−末端配列決定(26サイクル)により、残基+1より始まる(ADRE
R…)成熟胎盤ビクニン(図4F)に関する予想された配列が得られ、これはシ
グナルペプチドがSf9細胞内で正確に処理されていたことを示している。
【0288】 Sf9細胞からの精製した胎盤ビクニン(100pmol)をピリジルエチル
−アルキル化し、CNBr消化し、次いで得られた断片の分解なしに配列決定し
た。20サイクルの配列決定によって以下のN−末端が得られた。
【0289】
【化70】
【0290】 このようにして、予想された4つの断片のそれぞれに相当しているN−末端を
回収した。これは、Sf9発現タンパク質は、胎盤ビクニン(1−170)の全
エクトドメイン配列を含むことを確かにした。
【0291】 実施例10 Sf9細胞由来の精製した胎盤ビクニン(1−170)の阻害特異性 組換え体ビクニンのインビトロ特異性を、実施例3、4および7で記載したよ
うな物質および方法で決定した。さらに、ヒト組織カリクレインのビクニンによ
る阻害を、50mM Tris(pH9.0)、50mM NaClおよび0.
01% triton X−100を含む緩衝液中で0.35nMのヒト組織カ
リクレイン組換え体ビクニンをインキュベートすることで測定した。37℃にて
5分後、5μlの2mM PER−AMCを添加し、蛍光の変化をモニターした
【0292】 組織プラスミノーゲン活性化剤(tPA)の阻害もまた以下のように測定した
。tPA(Sigma Chemical Co,St Louis,MOから
の、ヒトメラノーマ細胞培養液からの単鎖形態)を阻害剤と共に、150mM
NaClおよび0.02%アジ化ナトリウムを含む20mM Tris緩衝液p
H7.2中で室温にて2時間、前インキュベートした。反応を続けて以下の初期
成分濃度を含む反応系に移して開始した。0.004%(v/v)Triton
X−100および0.005%(v/v)アジ化ナトリウムを含む28mM T
ris緩衝液pH8.5中、tPA(7.5nM)、阻害剤0−6.6μM、D
Ile−Lpro−Larg−pニトロアニリン(1mM)。p−ニトロアニリ
ンの形成を、37℃での2時間のインキュベーションの後にA405nmを測定
して決定した。
【0293】 以下の表は、インビトロでの様々なセリンプロテアーゼの阻害剤としての組換
え体ビクニンの効力を示している。データは、組換え体ビクニンまたはアプロチ
ニンどちらかを使用した阻害のスクリーニングに関して得たデータと比較して示
した。
【0294】
【表11】
【0295】 この結果は、組換え体ビクニンが、少なくとも5つの異なるセリンプロテアー
ゼ阻害剤として効果的な活性プロテアーゼ阻害剤を産出するために昆虫細胞に発
現されることができることを示している。組換え体ビクニンは、ヒト血漿カリク
レイン、トリプシンおよびプラスミンに対してアプロチニンよりも強力であった
。驚くべきことに、組換え体ビクニンは、試験したすべての酵素に対して、合成
的に誘導したビクニン断片(7−64)および(102−159)より強力であ
った。これらのデータは、組換え体ビクニンが、インビトロアッセイで使用され
ているアプロチニンよりも効果的であり、インビボ効力がよりよいことが期待さ
れることを示している。
【0296】 特定のプロテアーゼに対する効力の測定に加えて、活性化部分的トロンボプラ
スチン時間(APTT)を引き延ばす胎盤ビクニン(1−170)の能力を評価
し、アプロチニンに関連した活性と比較した。阻害剤を150mM NaClお
よび0.02%アジ化ナトリウムを含んでいる20mM Tris緩衝液pH7
.2中に希釈し、MLA ElectraR800 Automatic Co
agulation Timer凝固測定器(Medical Laborat
ory Automation,Inc.,Pleasantville,N.
Y.)内に含まれたキュベットに加えた(0.1ml)。この器具を、300秒
活性時間および二重モードでのAPTTモードにセットした。0.1mlの血漿
(Specialty Assayed Reference Plasmaロ
ット1−6−5185,Helena Laboratories,Beaum
ont,TX)を添加した後に、APTT試薬(Automated APTT
−ロット102345、Organon Teknika Corp.,Dur
han,NCより)および25mM CaClを自動的に初期凝固に施し、凝
固時間を自動的にモニターした。結果(図14)は凝固時間を2倍にするにはお
よそ2μMの最終アプロチニンが必要であるが、Sf9誘導胎盤ビクニンは0.
3μMのみ必要であったことを示した。これらのデータは、胎盤ビクニンが効果
的な抗凝固剤であり、凝固の内因性経路の病理学的活性化を含む疾患に対する薬
剤として有用であることを示している。
【0297】 実施例11 モルモットでの気管電位差の測定 本研究の目的は、処置後3時間のモルモット気管電位差におけるKunitz
セリンプロテアーゼ阻害剤ビクニン、およびナトリウムチャネルブロッカーアミ
ロリドの効果を調査することであった。これらの薬剤は、局所滴下によって頭方
向の気管内に伝送した。TPDを2時間後に60分間モニターした。本実施例で
使用した手順は、「Cilia,Mucus and Mucociliary
Interactions」、Ed.,Baum,G.L.ら,Marcel
Dekker,New York,1998;Newtonら,Ped.Pul
m.S17,Abs.364,1998においてNewtonらで記載されてい
る。
【0298】 使用した物質および方法/薬剤 (以下の実施例17で記載したような)ビクニン(1−170)(5および5
0ug/mL(配列番号:52))および(Sigma Chemials,S
t.Louis,MO,USAから入手した)アミロリド(100uM)の水様
処方を調製し、使用の前に無菌濾過してエンドトキシン試験を行った。これらの
処方は、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)内で調製し、137mM NaCl、
3mM KCl、3mM KHPO、8mM NaHPO、0.2%
Tween−80、pH7.1を含むように調製し、本実施例での使用のために
無菌濾過し、エンドトキシン試験した。HBSSを対照溶液として使用した。H
ypnorm(商標)(クエン酸フェンタニル0.315mg/mL)およびフ
ルアニゾン10mg/mL)はJanssen Animal Healthか
ら入手し、Hypnovel(商標)(ミダゾラム5mg/mL)はRoche
から入手した。オスDunkin−Hartleyモルモット(550−750
g)はDavid Hall,UKより供給された。サーミスタプローブはKa
ne−May Ltd,UKより入手した。
【0299】 気管気道内への麻酔の導入とビクニンの投与動物をハロタンを使用して麻酔し
た。一旦麻酔が十分なレベル導入されたならば、小切開を下顎の下で行った。気
管をさらし、100ul容量のビヒクル、ビクニン(0.5ugまたは5ug)
またはアミロリド(100uM)をニードルおよびシリンジを用いて気管表面上
に一滴ずつ垂らした。一旦注入したならば、皮膚切開をVetbond(商標)
(シアノカクリレート組織接着剤)を用いて閉じた。次いで動物を回復させた。
【0300】 気管電位差の測定のためのモルモットの調製 薬剤処理の2時間後、モルモットをHypnorm(商標)およびHypno
vel(商標)で2回目の麻酔をし、仰向けの状態で固定化した。直腸温度を、
サーミスタプローブで測定し、熱ランプの手動調節によって37℃に保った。腹
部中線切開を、下顎から鎖骨までで行った。鈍解剖具を用いて、気管の全長を曝
露し、カニューレを挿入した。外部頸動脈をさらし、カニューレを挿入した。次
いで尾側の気管にカニューレを挿入し、動物に部屋の空気で自発的に呼吸させた
。次いで動物を仰向けに置き、その体温を熱ランプを用いて保った。筋肉内麻酔
の導入後20分、気管寒天電極を頭側の気管に挿入し、気管電位差を60分間測
定した。対照電極は、気管軟骨に結合させて頭側気管の下に配置した。傷部分を
乾燥を防ぐために覆った。
【0301】 結果 図15に示したように、ビクニン(5ug)は、賦形剤に関する処理の3時間
後、インビボで、モルモット気管の電位差を阻害した。アミロリド(100uM
)およびビクニン(0.5ug)の効果を比較として示した。
【0302】 実施例12 モルモットでの気管粘液速度におけるビクニンの効果 本研究の目的は、処理の1.5時間後のモルモット気管粘液速度におけるKu
nitzファミリーセリンプロテアーゼ阻害剤ビクニンの効果を調査することで
あった。この薬剤は、局所滴下によって頭側気管に伝送した。TMVを1.5時
間後、60分間モニターした。本実施例で使用した手順は、「Cila,Muc
us and Mucociliary Interactions」、Ed.
,Baum,G.L.ら,Marcel Dekker,New York,1
998;Newtonら,Ped.Pulm.S17,Abs.364,199
8においてNewtonらで記載されている。
【0303】 使用した物質および方法/薬剤 (以下の実施例17で記載したような)ビクニン(1−170)処方(50u
g/mL(配列番号:52))を137mM NaCl、3mM KCl、3m
M KHPO、8mM NaHPO、0.2% Tween−80、p
H7.1を含むHBBS中で調製した。この処方を本実施例での使用の前に無菌
濾過し、エンドトキシン試験した。HBSSを対照溶液として使用した。Hyp
norm(商標)(クエン酸フェンタニル0.315mg/mLおよびフルアニ
ゾン10mg/mL)はJanssen Animal Healthから入手
し、Hypnovel(商標)(ミダゾラム5mg/mL)はRocheから入
手した。オスDunkin−Hartleyモルモット(550−750g)は
David Hall,UKより供給された。サーミスタプローブはKane−
May Ltd,UKより入手した。
【0304】 気管気道内への麻酔の導入とビクニンの投与 動物をハロタンを使用して麻酔した。一旦麻酔が十分なレベル導入されたなら
ば、小切開を下顎の下で行った。気管をさらし、100ul容量のビヒクルまた
はビクニン(5ug)をニードルおよびシリンジを用いて気管表面上に一滴ずつ
垂らした。一旦注入したならば、皮膚切開をVetbond(商標)(シアノカ
クリレート組織接着剤)を用いて閉じた。次いで動物を回復させた。
【0305】 気道粘液速度(TMV)の測定 TMVを、実際には麻酔したモルモットの気管粘膜繊毛層上に移動させ、32
P−標識化したSaccharomyces cerevisiaeの注入部分
から放射された放射活性を検出するように配置した小型ベータ粒子検出検出器プ
ローブで平行にした導線を用いてモニターした(Newton and Hal
l1998)。図16(a)は、シリンジおよびベータプローブの配置を図示し
ている。図16(b)は、32P−標識化S.セルビシエを気管粘膜繊毛層にそ
って移動させたときにプローブによって検出したカウントを示している。
【0306】 ビクニンの滴下後70分に、それぞれの動物にHyponorm(商標)およ
びHyponovel(商標)で2回目の麻酔をし、仰向けの状態で固定した。
最初のTMV測定を20分後に行った。続く測定を15分ごとに行った。TMV
測定の手順は、Newtonら、「Cilia,Mucus and Muco
ciliaryInteractions,」Ed.,Baum,G.L.,P
reil,Z.,Roth,Y.,Liron.,Ostfield,E.,M
arcel Dekker.New York,1990およびPediatr
ic Pulmonology S17,Abs 364,1998でのNew
tonらにて詳細に記載されている。
【0307】 結果。図16(c)で示したように、ビクニン(5ug)は、投与後1.5−
2.5時間の保持時間にわたって、食塩水と比較して、インビボでモルモットの
TMVを増加させた。
【0308】 実施例13 ビクニンは、インビトロでの培養ヒト気管支上皮(HBE)細胞短回路電流に
おけるナトリウム電流を減少させる交会まで増殖させた三次HBE細胞単層を修
正Ussingチャンバー上に載せ、Krebs緩衝液(KBR)溶液内に浸し
、37℃に暖めた95%O2/5%CO2でバブリングした。
【0309】 細胞を、バックグラウンドノイズおよび流体抵抗に関する較正の前20分間平
衡のままにした。次いで経上皮電位差異をWPI EVC 4000電圧クラン
プを使用して0mVまでクランプした。Ag/AgCl電極を使用しIscをモ
ニターした。一旦安定した基準線が得られたら(典型的には10−20分)、細
胞をアミロリド(10uM)で処理した。一旦アミロリドに対する応答が見られ
たならば、KBR溶液で洗浄した。基準線および平衡が戻った後、(以下の実施
例17で記載したような)ビクニン(1−170)(PBS中0.5−50ug
/mL)またはPBS対照を加えた。薬剤処理の90分後、アミロリド(10u
M)を添加した。電流が一旦安定になったならば、フォルスコリン(10uM)
、次いでブメタニド(100uM)を添加した。
【0310】 結果 図17に示したように、ビクニン(70nM)は、インビトロで90分にわた
って間、ヒト気管上皮細胞でのナトリウム電流を阻害した。Forskolin
はcAMP誘導塩素分泌を誘導し、単層抵抗性には影響を与えなかった。
【0311】 実施例14 モルモットでのTMVにおける高張食塩水(14.4%)の効果 本比較研究の目的は、モルモット気管粘液速度における高張食塩水(14.4
%×5分間)の効果を調査することであった。この薬剤は、エアロゾルによって
頭側気管内に伝送した。TMVを、直後および毎15分ごと、30分間モニター
した。本実施例で使用した手順は、「Cilia,Mucus and Muc
ociliary Interactions,」Ed.,Baum,G.L.
ら,Marcel Dekker,New York,1998;Newton
ら,Ped.Pulm.S17,Abs.364,1998においてNewto
nらで記載されている。
【0312】 使用した物質および方法/薬剤 Hypnorm(商標)(クエン酸フェンタニル0.315mg/mLおよび
フルアニゾン10mg/mL)はJanssen Animal Health
から入手し、Hypnovel(商標)(ミダゾラム5mg/mL)はRoch
eから入手した。オスDunkin−Hartleyモルモット(550−75
0g)はDavid Hall,UKより供給された。サーミスタプローブはK
ane−May Ltd,UKより入手した。
【0313】 気道粘液速度の測定 動物をHypnorm(商標)およびHypnovel(商標)を用いて麻酔
した。TMVを、実際には麻酔したモルモットの気管粘膜繊毛層上に移動させ、
32P−標識化したSaccharomyces cerevisiaeの注入
部分から放射された放射活性を検出するように配置した小型ベータ粒子検出検出
器プローブで平行にした導線を用いてモニターした(Newton and H
all 1998)。
【0314】 最初のTMV測定(ラン1)を投与後20分で行った。続く測定を、15分ご
とに行った。第2ランの前6分の時点で、5分間食塩水(0.9%)または高張
食塩水(14.4%)のエアロゾルを投与した。放射標識化トレーサ粒子を気管
に作製した0.5umの穴を介して与えた。食塩水(0.9%)または高張食塩
水(14.4%)どちらかのエアロゾルは、Pari加圧噴霧器によって作製し
た。エアロゾルを第2ランの前1分でスイッチを切った。TMV測定に関する手
順は、Newtonら,「Cilia,Mucus and Mucocili
ary Interactions,」Ed.,Baum,G.L.,Prei
l,Z.,Roth,Y.,Liron.,Ostfield,E.,Marc
el Dekker.New York,1990およびPediatric
Pulmonology S17,Abs 364,1998でのNewton
らにて詳細に記載されている。
【0315】 結果 図18に示したように、高張食塩水(14.4%×5分間)は、エアロゾル直
後のTMVの一過性の増加を引き起こした。
【0316】 実施例15 モルモットでのTMVにおけるアミロリドの効果 本研究の目的は、麻酔した自発的呼吸を行っているモルモットでのモルモット
気管粘液におけるアミロリド(10mM×20分間)の効果を調査することであ
った。この薬剤は、実施例14で記載したように、エアロゾル化によって頭側気
管内に伝送した。本実施例で使用したTMV測定手順は、「Cilia,Muc
us and Mucociliary Interactions」、Ed.
,Baum,G.L.ら,Marcel Dekker,New York,1
998;Newtonら,Ped.Pulm.S17,Abs.364,199
8においてNewtonらで記載されている。
【0317】 使用した物質および方法/薬剤 水中のアミロイド処方(10mM)を本実施例のために調製した。Hypno
rm(商標)(クエン酸フェンタニル0.315mg/mLおよびフルアニゾン
10mg/mL)はJanssen Animal Healthから入手し、
Hypnovel(商標)(ミダゾラム5mg/mL)はRocheから入手し
た。オスDunkin−Hartleyモルモット(550−750g)はDa
vid Hall,UKより供給された。サーミスタプローブはKane−Ma
y Ltd,UKより入手した。
【0318】 気道粘液速度の測定 動物をHypnorm(商標)およびHypnovel(商標)を用いて麻酔
した。TMVを、実際には麻酔したモルモットの気管粘膜繊毛層上に移動させ、
32P−標識化したSaccharomyces cerevisiaeの注入
部分から放射された放射活性を検出するように配置した小型ベータ粒子検出検出
器プローブで平行にした導線を用いてモニターした。モルモットは0時点でHy
pnorm(商標)およびHyponovel(商標)で麻酔した。アミロリド
(10mM×20分間)はエアロゾルによって投与した。最初のTMV測定を、
その直後に行い、続く測定を15分ごとに行った。
【0319】 結果 図19に示すように、アミロリド(10mM×20分間)は、エアロゾルの1
5分後にTMVの統計学的に有意な増加を引き起こした。
【0320】 実施例16 アプロチニン二重ムテインは培養ヒト気道上皮(HBE)細胞短回路電流(I
sc)におけるナトリウム電流を減少させる。
【0321】 本研究の目的は、インビトロで、IscにおけるKunitzファミリーセリ
ンプロテアーゼ阻害剤アプロチニン二重ムテインの効果を調査することであった
。交会まで増殖させ三次HBE細胞単層を修正Ussingチャンバー上に載せ
、Krebs緩衝液(KBR)溶液内に浸し、37℃まで暖めた95%O2/5
%CO2でバブリングした。アプロチニン二重ムテインは、参照して全体に組み
込まれた、1998年1月28日に発行された欧州特許第EP821 007号
の実施例1で記載されたDes Pro2−Ser10−Arg15−Asp2
4−Thr26−Glu31−Asn41−Glu53−アプロチニンである。
【0322】 細胞をバックグラウンドノイズおよび流体抵抗に関して較正する前に20分間
平衡にさせたままにした。次いで経内皮電位差を、WPI EVC4000電圧
クランプを用いて0mVまでクランプした。Ag/AgCl電極を使用してIs
cをモニターした。一旦安定した基準線が得られたならば(典型的には10−2
0分間)、細胞をアミロリド(10uM)で処理した。一旦アミロリドへの応答
が見られたならば、KBR溶液で洗浄した。基準線および平衡に戻った後、ビク
ニン(5ug/mL)、アプロチニン二重ムテイン(0.5−5ug/mL)、
アプロチニン(1.5−5ug/mL)またはPBSを添加した。薬物処理の9
0分後、アミロリド(10uM)を添加した。
【0323】 結果 図20に示したように、アプロチニン二重ムテイン(0.5−5ug/mL)
は、90分の期間にわたって、ヒト気管上皮細胞で、インビトロにおいてナトリ
ウム電流を用量依存的に阻害した。
【0324】 実施例17 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現した胎盤ビクニン(1−1
70)の発現、精製および比較プロテアーゼ阻害活性 (a)ビクニンを発現する安定な、高産出CHO細胞株の発展 多量のビクニンを分泌する安定産出細胞株を、CHO(dhfr−)細胞に実
施例27で示した発現ベクターをトランスフェクトして確立した。ベクターは標
準の組換え体DNA技術を使用して構築した。発現ベクターおよびCHO細胞発
現系の構造の記載は、発明者Sam Chanによる「Methods of
Producing Glycosylated Bikunin(糖付加ビク
ニン産出の方法)」という題名で1999年11月12日に発行されたU.S.
S.N.09/441,654号で見ることができる。簡便には、発現ベクター
pBC−BKは、早期プロモータのサイトメガロウイルスすぐ下流、およびポリ
アデニル化シグナル配列の上流にビクニンcDNAをクローニングすることで構
築した。発現ベクターpBC−BKは、ビクニン、ジヒドロ葉酸リダクターゼお
よびアンピシリン耐性の転写単位からなる。ビクニンcDNAを制限酵素によっ
てクローニングベクターより放出させ、平滑末端化し、直線化したpBCへライ
ゲーションした。pBCの直線化は、単一制限酵素消化によって行った。ビクニ
ンcDNAの方向を配列決定によって確認した。
【0325】 約1×106 CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞に、取扱説明書に
したがってLipofectin薬剤(Life Technology,Be
thesda,Maryland)を用いて10μgのpBC−BKをトランス
フェクトした。次いで細胞を50nMメトトレキサートの存在下で選別し、チミ
ジンおよびヒポキサンチン+5%透析したウシ胎児血清欠失DME/F12培地
で増殖させた。細胞集団を発色アッセイでビクニン産出に関して選別した。簡単
には、ビクニン標準または培養液を、連続希釈し、等容量のカリクレインと共に
、発色基質N−ベンゾイル−Pro−Phe−Arg−pNAを添加した後30
分間、37℃にてインキュベートした。反応液を50%酢酸の添加前15分間イ
ンキュベートした。放出されたp−ニトロアニリドの量を405nMにて測定し
た。多量産出集団をさらに、増加させたメトトレキサートの濃度(100−40
0nMメトトレキサート)を含んでいる培地中で選択し、ビクニンの産出につい
て選別した。次いで限界希釈クローニングを、高く、安定な産出性を持つクロー
ンを得るために適用した。クローニングを、96ウェルプレート内に1細胞/ウ
ェルを入れることで、標準組織培養技術を用いてメトトレキサートのない状態で
行った。FD3−1と命名したクローンを、バイオリアクターでの生産性評価に
関して選択し、American Type Culture Collect
ion(ATCC),Rockville,MDに1999年11月12日に寄
託し、Patent Deposit Designation PTA−94
0を割り当てられた。
【0326】 (b)灌流バイオリアクターでのビクニンの血清なしでの産出 ビクニンの連続的産出を、連続的な灌流発酵によって行った。1.5リッター
Wheaton発酵物に安定CHO細胞株を2×106細胞/ml接種し、0.
5リッター/日の培地交換速度にて灌流した。産出培地は、インスリン(10μ
g/ml)およびFeSO・EDTA(50μM)を含むDME/F−12基
礎培地であった。培養物の平均日収量は−20mg/日であった。ビクニンの産
出は21日間安定に保たれた。
【0327】 (c)CHO細胞発現系から産出したビクニン(1−170)の精製 CHO細胞から産出したビクニンを、実施例29にて概略したようなイオン交
換、金属キレートおよびサイズ排除クロマトグラフィを含む標準のクロマトグラ
フィ技術を用いて精製した。
【0328】 SPカラム(18×10cm、2.5L)を、SP−Sepharose F
ast Flow(Pharmacia)で調製し、平衡化した。冷えた濾過し
たCHO細胞採取物(TCF)を、冷滅菌水で1:2.5に希釈し、pHを5.
0にあわせた。クロマトグラフィを、冷緩衝液にて、室温にて行った。冷開始物
質を800mL/分(189cm/時間)にてカラム上にのせた。カラムに載せ
たビクニンの量は0.888−1.938g(およそ14mg/L)の範囲であ
った。ローディングの後、カラムを平衡化緩衝液にて洗浄し、ビクニンを溶出緩
衝液で溶出した。溶出液を2−8℃(氷浴中)にて回収し、すぐに6N NaO
HでpH7にあわせた。カラムを洗浄し、次いで冷(2−8℃)1N NaOH
にて殺菌し、次回に使用するまで20%エタノール中で2−8℃にて保存した。
平衡化および洗浄緩衝液は50mM NaCl、30mM NaHPO、p
H5.0を含み、溶出緩衝液は350mM NaCl、30mM NaHPO 、pH5.0を含み、pH調節緩衝液は1Mクエン酸、1M NaHPO 、pH2.4であった。
【0329】 陰イオン交換クロマトグラフィのための調製で行った、ダイアフィルトレーシ
ョン(DF)で容量を5−7倍まで少なくする前に、解凍したSP−Sepha
rose溶出液を、超濾過(UF)にておよそ10倍まで濃縮した。すべての作
業は、水平フローフード内で、室温で行った。UF/DFは、Millipor
e(Bedford,MA)からのPellicon2「ミニ」フィルタ系およ
び2つの10kDa再生セルロースカートリッジ(P2C010C01)を使用
した。流速は、2−カートリッジ系に関しておよそ130±20mL/分であり
、流入圧および流出圧をそれぞれ22−26psiおよび12−16psiに調
節することで維持した。循環は蠕動性ポンプで行い、再循環は、膜圧調節の前に
、500−600mL/分まで設定した。ダイアフィルトレーションは冷10m
M NaH2PO4緩衝液、pH8.1で行った。
【0330】 Q−Sepharoseカラムクロマトグラフィを以下のように行った。Q−
Sepharose Fast Flow(Pharmacia)の13×9c
m、1.2Lカラムを5倍容量(CV)の滅菌水で洗浄し、およそ10CVの平
衡化緩衝液で平衡化した。ダイアフィルタ化したSP溶出液をpH8.1に合わ
せ、Q−Sepharoseカラム上に100mL/分(45cm/時間)で載
せた。カラム上にのせたビクニンの量は1121−2607mg(およそ15m
g/mL)の範囲であった。ローディングの後、カラムをA280のUV吸収が
基準線に達するまで平衡化緩衝液で洗浄し、次いでビクニンを溶出した。溶出液
を収集し、Zn−IMAC、亜鉛固定化金属イオン吸着クロマトグラフィのため
の種物質として使用した。カラムを1M NaOHで洗浄し、滅菌水ですすぎ、
20%エタノール中で保存した。すべての操作は2−8℃にて行った。Q−Se
pharoseカラムのための平衡化および洗浄緩衝液は10mM NaH
、pH8.1を含んだ。溶出緩衝液は10mM NaHPO4、100m
M NaCl、pH8.1を含んだ。
【0331】 およそ200mLのベット容量のChelating Sepharose
Fast Flow(Pharmacia)を含んでいるZn−IMACカラム
(5×10cm)を、3容量のZnSO溶液(以下参照)で帯電させ、以下で
記載したような2容量の滅菌水で洗浄し、6容量の緩衝液で平衡化した。Q−S
epharose溶出液をpH7.4および(NaCl固体の添加によって)3
00mM NaClまで合わせ、30mL/分(92cm/時間直線速度)でZ
n−IMACにのせ、次いでカラムをUV吸収が基準線に達するまで平衡化緩衝
液で洗浄した。カラムにのせたビクニンの量は0.097−1.681g(およ
そ0.63mg/mL)の範囲であった。フロースルーおよび洗浄液をUFのた
めに回収した。カラムを解体し、0.5M NaOHで殺菌した。この工程のす
べての操作は2−8℃にて行った。Zn−IMCAのための平衡化緩衝液は10
mM NaHPO、300mM NaCl、pH7.4を含み、解体緩衝液
は50mM EDTA、10mM NaHPO、300mM NaCl、p
H7.4を含み、帯電溶液は2mg/mL ZnSO4・7H2Oであった。
【0332】 Zn−IMACフロー−スルーをSephacryl S−200クロマトグ
ラフィのためにPellicon2系(Millipore)での超濾過5倍に
よって濃縮した。浸透流速はおよそ60−70mL/分であり、上述したように
維持した。再循環は400−500mL/分であった。
【0333】 4.59LのSephacryl S−200 High Resoluti
on(Pharmacia)を含むカラム(10×58.5cm)を、137m
M NaCl、2.7mM KCl、2.9mM KHPO、10mM N
aHPO、8mM Na2HPO4、2mg/L Tween80、pH7
.2で平衡化した。流速は30mL/分(23cm/時間)であった。典型的な
ランでは、95mLの容量での1475mgのビクニンをカラムにのせた。 S
−200後のプールを、潜在的な発熱物質を取り除くためにバッチ法でEtox
樹脂で処理した。ActiClean Etox,2705樹脂(Sterog
ene Bioseparations,Inc.)を1M NaOHですすぎ
、室温で攪拌しながら1M NaOH中で5時間インキュベートした。樹脂を洗
浄し、PBS、pH7.2で平衡化した。80mLの濾過し、平衡化した樹脂を
1063mLのビクニンS200プール(5460.11mg)に加え、一晩2
−8℃で攪拌した。次いでETOX樹脂を0.2ミクロンNalgeneフラス
コフィルタで濾過して取り除いた。
【0334】 結果、表10は各工程によって供給された平均収率である。
【0335】
【表12】
【0336】 ビクニンの総収率は95%の純度で約30%であった。質量分析データがまた
、全長ビクニン(1−170)分子に加えて、ビクニン(1−170)のカルボ
キシ末端からの3つ(G−S−K)および4つ(L−G−S−K)のアミノ酸を
欠く種が、純粋なタンパク質プール中に存在することを示唆した。産出された物
質は、室温または37℃、中性pHでの72時間インキュベーションにさらした
時に分解に安定であることが示された。N−末端配列決定、ゲル電気泳動、免疫
ブロッティングおよびアミノ酸解析により、ビクニンは本質的に純粋(他の配列
が検出されない)ことが示唆された。さらなる逆相クロマトグラフィ工程は、C
HO由来精製ビクニンが、まだいくつかの種類に分画できることを明らかにした
(図30A)。CHOビクニン(8.5mg)をトリフルオロ酢酸(TFA、0
.1%最終濃度)でpH2.5まで合わせ、17.5%アセトニトリルおよび0
.1%TFAで平衡化したC18逆相カラム(Vydac、2.5×25cm)
上で、流速2ml/分でのクロマトグラフィにかけた。CHOビクニンを、60
分間かけて0.1% TFA中の17.5−40%アセトニトリルの直線勾配で
溶出した。図30Bはこれらの画分の銀染色SDS−PAGE図を示している(
54と55の間のレーンは分子量マーカを示している)。
【0337】 予備的な糖鎖解析を、約21kDa−約38kDaの範囲のMWを持つCHO
ビクニンの糖付加アイソフォームで行った。総糖鎖含量は7.5%であるとわか
った。両方のN−型結合部位(Asn−30およびAsn−67)が、糖構造に
よって占有されていることがわかった。クロマトグラフィおよび質量分析解析で
、高い異質性および精製ビクニンに関して観察された大きさの異質性に寄与して
いる高分岐オリゴサッカライド構造の存在が確かめられた。約90%のオリゴサ
ッカライドがシアル酸付加しており、残りの構造は中性であった。N−グリコシ
ダーゼFで処理した場合、CHOビクニンの糖付加アイソフォーム(図30B)
は単一の18kDaアイソフォームに変換された(図31参照)。
【0338】 ビクニンのシアル酸含量を、50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0中でシ
アリダーゼと一緒の、ふたをしたマイクロヒュージチューブ内での18時間のイ
ンキュベーションによって解析した。シアル酸を、1ml/分の流速での50分
間の100mM NaOH中の20−250mM酢酸ナトリウムの緩衝液勾配を
用いたCarbo Pac PA1陰イオン交換カラム上で分離した。検出は、
パルス電気化学検出器で行い、試料の保持時間およびピーク面積の標準シアル酸
(N−アセチルノイラミン酸およびN−グルタリルノイラミン酸)に対する比較
で定量した。結果は表11に示している。
【0339】
【表13】
【0340】 実施例18 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に発現した胎盤ビクニン(1−1
70)の比較プロテアーゼ阻害活性 概要。組換え体ビクニンのインビトロ特異性を、実施例3、4、7および10
に記載したような物質および方法を用いて測定した。以下の表12は、インビト
ロでの様々なセリンプロテアーゼの阻害剤としての組換え体ビクニンの効力を示
している。データは、組換え体ビクニンまたはアプロチニンのどちらかを用いて
示している。
【0341】 プロテアーゼ。ヒトプラスミンおよびヒト血漿カリクレイン定量を、既に記載
したように(Chase,T.,およびShaw,E.,(1970)Meth
ods Enzmol.19,20−27)、p−ニトロフェニルp’−グアニ
ジンベンゾエートHClを用いて活性部位滴定で実施した。ヒト組織カリクレイ
ン(Bayer,Germany)は、標準としてウシアプロチニン、1:1複
合体形成をとる基質としてPFR−AMCを使用して活性部位滴定によって定量
した。使用した条件下でのプラスミンによるGPK−AMCに対するKmは72
6μMであり、ヒト血漿カリクレインでのPFR−AMCに対するKmは457
mMであり、ヒト組織カリクレインでのPFR−AMCに対するKmは5.7μ
Mであった。
【0342】 阻害速度論。ヒトププラスミンのCHO発現胎盤ビクニン(1−170)およ
びアプロチニンによる阻害を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0
.1M NaCl、および0.02% TritonX−100を含む緩衝液中
のプラスミン(50pM)およびCHO発現胎盤ビクニン(1−170)(0−
2nM)またはアプロチニン(0−4nM)で測定した。37℃でのインキュベ
ーションの30分後、25μlの20mM GPK−AMCを添加し、蛍光の変
化をモニターした。CHO発現胎盤ビクニン(1−170)またはアプロチニン
によるヒト血漿カリクレインの阻害を、50mM Tris−HCl(pH8.
0)、50mM NaCl、および0.02% TritonX−100中のカ
リクレイン(0.2nM)およびCHO発現胎盤ビクニン(1−170)(0−
4nM)またはアプロチニン(0−45nM)を用いて測定した。37℃での3
0分後、5μlの20mM PFR−AMCを添加し、蛍光の変化をモニターし
た。
【0343】 アプロチニンまたはCHO発現胎盤ビクニン(1−170)によるヒト組織カ
リクレインの阻害を、50mM Tris−HCl緩衝液、pH9.0、50m
M NaCl、および0.1% TritonX−100を含む1ml反応容量
中で、0.35nMヒト組織カリクレインをCHO発現胎盤ビクニン(1−17
0)(0−10nM)またはアプロチニン(0−0.5nM)とインキュベーシ
ョンすることで測定した。37℃にて5分後、最終濃度10uMになるように5
ulの2mM PFR−AMCを添加し、蛍光の変化をモニターした。
【0344】 第XIa因子(Enzyme Research Labs、South B
end,IN)の阻害を、総容量1mlの50mM Hepes pH7.5、
100mM NaCl、2mM CaCl2、0.01% Tritonx−1
00および1% BASを含む緩衝液内で、FXIaを0−4uMのCHO発現
胎盤ビクニン(1−170)または0−4uMのアプロチニンと共にインキュベ
ーションすることで測定した。37℃にて30分後、10ulの40mM Bo
c−Glu(OBzl)−Ala−Arg−AMC(Bachem Biosc
iences,King of Prussia,PA)を添加し、蛍光の変化
をモニターした。
【0345】 明白な阻害定数Ki*を非直線回帰データ解析プログラムEnzfitter
ソフトウェア(Biosoft,Canbridge,UK)を用いて決定した
。それぞれの実験からの速度論的データは、強い結合阻害剤に関する方程式によ
って解析した。
【0346】
【数5】 V/V=1−(E+I+K −[(E+I+K −4E1/2)/2E (2)
【0347】 式中V/Vは分数酵素活性(阻害対非阻害比)であり、EおよびI
それぞれ酵素および阻害剤の総濃度であり、K値は方程式
【0348】
【数6】 K=K /(1+[S0]/K) (3)
【0349】 による基質の効果に関する補正によって得た。(Boudier,C.,an
d Bieth,J.G.,(1989)Biochem Biophys A
cta.995:36−41)。
【0350】 結果:Ki値は以下の表12に挙げる。
【0351】
【表14】
【0352】 結果は、少なくとも3つの異なるセリンプロテアーゼに対して効果的な活性プ
ロテアーゼ阻害剤を産出するために、組換え体ビクニンをCHO細胞に発現させ
ることができることを示している。組換え体ビクニンは、ヒト血漿カリクレイン
およびヒトFXIaに対して、アプロチニンよりも強力であった。ヒト血漿を阻
害する点は、アプロチニンと等しい効力を持った。
【0353】 実施例19 アプロチニンは、インビトロで、ヒト培養嚢胞性線維症気管上皮細胞短回路電
流(Isc)でのナトリウム電流を減少させる。 HBE細胞をCF患者肺移植組織から単離し、1週間コラーゲンコートしたフ
ラスコで培養した。次いで細胞を継代し、コラーゲンコートしたCostar
Transwellフィルタ(0.33cm2)上にまき、2% Ultros
er Gを含むDMEM/F12培地中で増殖させた。細胞を空気液体境界にて
培養させ、播種後2−4週間使用した。
【0354】 Transwellフィルタ上の細胞を、修正Coster Ussingチ
ャンバー内にのせ、Isc条件下で試験した。基準線Isc値を記録し(0−1
0分間)、次いでアプロチニン(PBS中1mg/mL)をアピカル側に添加し
た。Iacを100分間記録し、次いでアピカル側浴流体を新鮮な培養液に交換
した。トリプシン(100BAEE単位/mL)をアピカル側に添加し、Isc
をさらに10分間記録した。次いで、アミロリド(10uM)をアピカル側に添
加し、Iscをさらに10分間記録した。
【0355】 結果 図21に示したように、アプロチニン(PBS中1mg/mL)は、100分
間にわたってヒトCF気管上皮細胞でインビトロにてIscを阻害した。洗浄後
、Iscはセリンプロテアーゼであるトリプシンでのアピカル表面の処理によっ
て増加した。最終的に、アミロリド(10uM)の添加が、Iscの変化が、ナ
トリウム依存電流での変化の結果であったことを示唆していた。
【0356】 実施例20 噴霧化後のビクニン(1−170)の活性の査定 本研究の目的は、噴霧化後の実施例17に記載したビクニン(1−170)の
抗プロテアーゼ活性を査定することであった。すべての研究は、リン酸緩衝食塩
水、pH7.4(137mM NaCl、3mM KCl、3mM KHPO 、8mM NaHPO、0.02g/L Tween80)内で処方した
ビクニンで行った。
【0357】 噴霧化の方法 Raindrop(商標)薬剤噴霧器:ビクニンを1および3mg/mLの濃
度でエアロゾル化した。噴霧器のふたを2.5mLのビクニン溶液で満たした。
エアロゾル化を7.35L/分または35psiで行った。
【0358】 Collison噴霧器:ビクニンを4.7mg/mLの濃度でエアロゾル化
した。噴霧器のふたを2.5mLのビクニン溶液で満たした。エアロゾル化を3
5psiで行った。
【0359】 噴霧した試料の回収 エアロゾル化したビクニンを、対のインピンジャー(60L/分で本系を通し
た、6.4um平均空気力学粒子カットオフサイズ)を使用して回収した。イン
ピンジャーは、液体衝撃の原理で働き、エアロゾルを呼吸不可能な画分(段階1
で回収した>6.4um)および呼吸可能な画分(段階2で回収した<6.4u
m)に分けた。
【0360】 抗プロテアーゼ活性の測定 ビクニン活性を、ヒト血漿カリクレインのその阻害によってインビトロで測定
した。
【0361】 結果 Raindrop(商標)薬剤噴霧器:噴霧化前後試料に対する活性(K
値は以下のようであった。1mg/mLビクニン:K値はそれぞれ0.47(
±0.02)および0.76(±0.04)であり、3mg/mLビクニン(1
−170)に関して、K値はそれぞれ0.52(±0.03)および0.62
(±0.03)であった。
【0362】 Collison噴霧器:噴霧化前後試料に対する活性(K)値はそれぞれ
0.27(±0.03)および0.45(±0.03)であった。
【0363】 結論: RaindropおよびCollison噴霧器からの噴霧化前後ビ
クニン試料は、同様の活性(アッセイ量内で同様のK値)を示し、このことは
ビクニン(1−170)が、エアロゾル化で安定であり、噴霧後その抗プロテア
ーゼ活性を残していることを示唆している。
【0364】 実施例21 ヒツジでの気管粘液流速におけるビクニンの効果 本研究の目的は、処置後8時間にわたるヒツジ気管粘液流速における、実施例
17で記載したKunitzファミリーセリンプロテアーゼ阻害剤ビクニン(1
−170)の効果を調査することであった。この薬剤を噴霧化エアロゾル投与に
よって気道に伝送した。本実施例で使用した手順は、O’Riordanら,J
.Applied Physiol.85(3),1086−1091,199
8に記載されている。
【0365】 TMVの測定 成体オスヒツジを特殊化した体装置で頭を固定化し、直立状態にしたままにし
た。これらに声帯の直下に配置したカフスにて鼻から気管内管で挿管した。吸気
を暖め、湿らせた。膨張させたカフスによって引き起こされたTMVの可能性あ
る障害を最小化するために、残っている気管内管カフスを、エアロゾル投与の期
間を除いて、研究を通して収縮させた。
【0366】 TMVを測定するために5−10放射パックTeflon粒子(直径およそ1
mm、厚さ0.8mm、重さ1.5−2mg)を気管内管内に配置したカテーテ
ルを介して気管内に挿管した。次いでTeflon粒子の移動を1分間隔にわた
って測定した。本実施例で使用した手順は、Russiら,J.Applied
Pysiol.59(5),1416−1422,1985に記載されている
。既知の長さの放射パックマーカを含む首輪を動物の外部に適用し、ビデオスク
リーン上で粒子によって横断した距離を移動した実際の距離に変換するのに標準
として使用した。TMVを、5−10のTeflon粒子に関して分あたりに移
動した頭側方向での平均距離より計算した。基準線TMVをエアロゾルの投与直
前に測定した。
【0367】 試験基質;PBS、PBS中1mg/mLビクニンまたはPBS中3mg/m
Lビクニンを、3.6umの重量メディアン空気力学直径の小滴を産出する流速
にて操作されたRaindoropジェット噴霧器を使用して作製されたエアロ
ゾル(3mL)として、ヒツジ気道に伝送した。TMVを、試験基質を投与した
直後(0時)に測定、次いで0.5、1、2、3、4、5、6、7および8時に
測定した。
【0368】 結果 図22に示したように、ヒツジ気道に伝送された9mgのビクニンエアロゾル
(3mg/mLの3mL)は、PBS賦形剤エアロゾルを与えた動物の群に対す
る同時点と比較して、0、0.5、1、2、3、4、5、6、7および8時間の
時点で有意にTMVを増加させた。24時間の時点でTMVは、ビクニン処理お
よびPBS賦形剤群両方で基準線速度まで戻った。
【0369】 より低用量(3mg ビクニンエアロゾル(1mg/mLの3mL)では、試
験したどの時間点でも処理および賦形剤群管でTMVは観察されなかった。
【0370】 実施例22 ビクニン(50ug/mL)は、培養モルモット気道上皮(GPTE)細胞短
回路電流(Isc)でのナトリウム電流を減少させる
【0371】 本研究の目的は、インビトロでのGPTE細胞上のIscにおけるビクニン(
1−170)(実施例17を参照)の効果を調査することであった。GPTE細
胞を1.2cm直径、0.4umポアサイズSnapwell(商標)インサー
ト(Costar UK)上にまいた。細胞を交会まで増殖させ、空気−液体境
界上に置いた後に2−4日、修正Ussingチャンバー内にのせた。インサー
トをKrebs緩衝(KBR)溶液内に浸し、37℃まで暖めた95% O2/
5% CO2でバブリングした。
【0372】 20分の平衡期間の後、経上皮電圧差を、WPI EVC4000電圧クラン
プを用いて0mVまでクランプした。Ag/AgCl電極を、Iscをモニター
するのに使用した。一旦安定な基準線が得られたならば(一般的に20−30分
間)、細胞をアミロリド(30uM)で処理した。一旦アミロリドへの反応を得
られたならば、KBR溶液で洗浄した。基準線および平衡へ戻ったならば、実施
例17で記載したビクニン(1−170)(10−50ug/mL)またはPB
Sを添加した。薬剤処理後30分間、アミロリド(30uM)を添加した。
【0373】 結果 図23に示したように、ビクニン(1−170)(50ug/mL)は、30
分間にわたってモルモット気管上皮細胞でのインビトロのナトリウム電流を阻害
した。
【0374】 実施例23 ビクニン(1−170)(100ug/mL)は、培養ヒツジ気道上皮(OT
E)細胞短回路電流(Isc)でのナトリウム電流を減少させる 本研究の目的は、インビトロでのOTE細胞中のIscにおける、ビクニン(
1−170)(実施例17を参照)の効果を調査することであった。OTE細胞
を1.2cm直径、0.4umポアサイズSnapwell(商標)インサート
(Costar UK)上にまいた。細胞を交会まで増殖させ、空気−液体境界
上に置いた後に3−5日、修正Ussingチャンバー内にのせた。インサート
をKrebs緩衝(KBR)溶液内に浸し、37℃まで暖めた95%O2/5%
CO2でバブリングした。
【0375】 20分の平衡期間の後、経上皮電圧差を、WPI EVC4000電圧クラン
プを用いて0mVまでクランプした。Ag/AgCl電極を、Iscをモニター
するのに使用した。一旦安定な基準線が得られたならば(一般的に30分間)、
細胞をアミロリド(10uM)で処理した。一旦アミロリドへの反応を得られた
ならば、KBR溶液で洗浄した。基準線および平衡へ戻ったならば、実施例17
で記載したビクニン(25、50または100ug/mL)またはPBSを添加
した。薬剤処理後90分間、アミロリド(10uM)を再び添加した。
【0376】 結果 図24に示したように、ビクニン(1−170)(100ug/mL)は、9
0分間にわたってヒツジ気管上皮細胞でのインビトロのナトリウム電流を阻害し
た。
【0377】 実施例24 LPSで前処理したモルモットでの気管電位差におけるビクニン(1−170
)の効果 気道炎症を支配する多形核(PMN)白血球(好中球)はしばしばC
F肺疾患の特徴である。モルモットにおいて、大腸菌リポポリサッカライド(L
PS)のエアロゾルへの曝露は、チャレンジの後24時間での気管支肺胞洗浄液
での明らかなPMN流入を誘導する。本研究の目的は、LPSのエアロゾルに前
曝露したモルモットにおける気管電位差における、実施例17に記載したビクニ
ン(1−170)の効果を調査することであった。薬剤は局所滴下によって頭側
気管内へ伝送した。TPDをLPへの曝露23時間後、60分間モニターした。
【0378】 物質/薬剤 ビクニン(1−170)を、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)内で処方した。
アミロリドはSigma Chemicalsより得、HBSS内に処方した。
ビヒクル対照はHBSSであった。Hypnorm(フェンタニルクエン酸0.
315mg/mLおよびフルアニゾン10mg/mL)はJanssen An
imal Healthから入手し、Hypnovel(商標)(ミダゾラム5
mg/mL)はRocheから入手した。オスDunkin−Hartleyモ
ルモット(600−750g)はDavid Hall,UKより供給された。
サーミスタプローブはKane−May Ltd,UKより入手した。
【0379】 PMN流入の誘導 個々の動物を10分間、0.03mg/mLのLPSまたはPBSのエアロゾ
ルに曝露した。
【0380】 気管電位差に対する測定のためのモルモットの調製 LPS処理の23.4時間後、モルモットをHypormとHypnovel
で麻酔し、仰向け状態で固定した。腹部中線切開を、下顎から鎖骨までで行った
。鈍解剖具を用いて、気管の全長を曝露し、鎖骨の上端で二等分した。外部頸動
脈をさらしてカニューレを挿入した。次いで尾側の気管にカニューレを挿入し、
動物に部屋の空気で自発的に呼吸させた。次いで動物を仰向けに置き、体温を熱
ランプを用いて37℃に保った。直腸温度をサーミスタプローブでモニターした
【0381】 麻酔の導入後20分、ビクニン(50ug/mL)またはアミロリド(100
uM)を頭側気管内に局所的に滴下した。次いで気管寒天電極を頭側の気管に挿
入し、気管電位差を60分間測定した。対照電極は、気管軟骨に結合させて頭側
気管の下に配置した。傷部分を乾燥を防ぐために覆った。
【0382】 結果 図25(a)に示すように、LPSへの曝露は、有意なPMN流入を引き起こ
した。ビクニンは、図25(b)で示したように、LPSに前曝露したモルモッ
トでの電位差異を有意に阻害した。
【0383】 実施例25 モルモットでの気管粘液速度におけるアプロチニン二重ムテインの効果 本研究の目的は、処理15.時間後でのモルモット気管粘液速度における実施
例16で記載したアプロチニン二重ムテインの効果を調査することであった。こ
の薬剤は局所滴下によって頭側気道内に伝送した。TMVを1.5時間後に60
分間モニターした。
【0384】 物質/薬剤 アプロチニン二重ムテイン(実施例16を参照)は、Biotechnolo
gie、Bayer AG,Germany USAより入手し、ハンクス平衡
溶液(HBSS)内で処方した。Hypnorm(フェンタニルクエン酸0.3
15mg/mLおよびフルアニゾン10mg/mL)はJanssen Ani
mal Healthから入手し、Hypnovel(商標)(ミダゾラム5m
g/mL)はRocheから入手した。オスDunkin−Hartleyモル
モット(600−750g)はDavid Hall,UKより供給された。サ
ーミスタプローブはKane−May Ltd,UKより入手した。
【0385】 麻酔の導入 動物をハロタンを使用して麻酔した。一旦麻酔が十分なレベル導入されたなら
ば、小切開を下顎の下で行った。気管をさらし、100ul容量の賦形剤、アプ
ロチニン二重ムテイン(10ug)をニードルおよびシリンジを用いて気管表面
上に一滴ずつ垂らした。一旦注入したならば、気管注入部位を覆う皮膚を修繕し
た。次いで動物を回復させた。
【0386】 気道粘液速度(TMV)の測定 気管粘液速度(TMV)を、実際には麻酔したモルモットの気管粘膜繊毛層上
に移動させ、リン32P−標識化したSaccharomyces cerev
isiaeの注入部分から放射された放射活性を検出するように配置した小型ベ
ータ粒子検出検出器プローブで平行にした導線を用いてモニターした(Newt
onおよびHall 1998)。試験薬剤の滴下後70分に、モルモットをH
ypnormおよびHypnovelで第2麻酔し、仰向け状態に固定した。第
1TMV測定をその後20分間行った。
【0387】 結果 図26で示したように、アプロチニン二重ムテイン(10ug)は、投与後1
.5−2.5時間の保持期間にわたって、HBSSに対して、インビボで、モル
モットでのTMVを増加させた。
【0388】 実施例26 ビクニン(1−170)は、インビトロでの培養ヒト嚢胞性線維症気管上皮細
胞短回路電流(Isc)でのナトリウム電流を減少させる HBE細胞をCF患者肺移植組織から単離し、1週間コラーゲンコートしたフ
ラスコで培養した。次いで細胞を継代し、コラーゲンコートしたCostar
Transwellフィルタ(0.33cm)上にまき、2% Ultros
er Gを含むDMEM/F12培地中で増殖させた。細胞を空気液体境界にて
培養させ、播種後2−4週間使用した。
【0389】 Transwellフィルタ上の細胞を、修正Coaster Ussing
チャンバー内にのせ、Isc条件下で試験した。基準線Isc値を記録し(0−
20分間)、次いでビクニン(1−170)(実施例17を参照のこと)(PB
S中10ug/mL)をアピカル側に添加した。Iacを90分間記録し、次い
でアミロリド(10uM)を添加し、Iscをさらに10分間記録した。次いで
アピカル側浴流体を新鮮な培養液に交換し、Iscをさらに15分間記録した。
トリプシン(1uM)をアピカル側に添加し、Iscを15分間記録した。次い
でアミロリド(10uM)をアピカル側に加え、Iscをさらに10分間記録し
た。
【0390】 結果 図28(a)で示すように、ビクニン(1−170)(PBS中10ug/m
L)は、90分の期間にわたってヒトCF気管上皮細胞でのインビトロでのIs
cを阻害した。Iscはさらにアミロリド(10uM)の添加によって減少した
。洗浄に際し、Iscはアミロリドの添加前の電流まで増加して戻った。さらに
15分後、アピカル側表面をトリプシン(1uM)で処理し、これによりさらに
Iscが基準線電流レベルまで増加した(すなわち、20分の時点で観察された
)。最後に、アミロリド(10uM)の添加により大部分の電流が阻害され、I
scの変化がナトリウム依存電流の変化の結果とあることが示唆された。
【0391】 図28(b)は、1、5および10ug/mLでのビクニン(1−170)お
よび20ug/mLのアプロチニンが、インビトロでヒトCF気管上皮細胞への
アピカル適用後90分の時点でIscを阻害したことを示している。
【0392】 本発明の特定の実施様態を例示の目的で詳述したが、本明細書で記載した方法
および処方は、本発明の意図および範囲を逸脱しない限り修正されてよいことが
当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は付随する特許請求
によること以外で制限されない。
【0393】 配列表のフリーテキスト
【0394】 <210>9 <223>/note=”622,679,707のnはヌクレオチドのいず
れかの部位”
【0395】 <210>10 <223>/note=”201,226,及び233のXaaはナンセンス
コドンあるは終結コドン”
【0396】 <210>11 <223>/note=”8,17,21−26,40,42,45−47,
52,64,103,112,114,116−121,135,137,14
0−142,147,及び159のXaaはアミノ酸残渣のいずれか”
【0397】 <210>12 <223>/note=”361の残渣はヌクレオチドのいずれかの部位” <223>/note=”367の残渣はヌクレオチドのいずれかの部位” <223>/note=”384の残渣はヌクレオチドのいずれかの部位” <223>/note=”390の残渣はヌクレオチドのいずれかの部位”
【0398】 <210>13 <223>/label=シグナルペプチド <223>/note=”111,120,122,128,及び130のX
aaはナンセンスコドンあるは終結コドンを表す”
【0399】 <210>14 <223>/note=”425,482,及び510のnはのヌクレオチド
のいずれかの部位”
【0400】 <210>15 <223>/note=”2,23,132,160,及び167のXaaは
ナンセンスコドンあるは終結コドンを表す”
【0401】 <210>16 <223>/note=”3,11,12,17,51,及び429のnはヌ
クレオチドのいずれかの部位を表す”
【0402】 <210>17 <223>/note=”6,310,及び408のnはヌクレオチドのいず
れかの部位を表す”
【0403】 <210>18 <223>/note=”組織因子経路阻害剤前駆対1”
【0404】 <210>19 <223>/note=”組織因子経路阻害剤前駆対1”
【0405】 <210>20 <223>/note=”組織因子経路阻害剤前駆対”
【0406】 <210>21 <223>/note=”組織因子経路阻害剤前駆対2”
【0407】 <210>22 <223>/note=”組織因子経路阻害剤前駆対2”
【0408】 <210>23 <223>/note=”アミロイド前駆体タンパク質相同体”
【0409】 <210>24 <223>/note=”アプロチニン”
【0410】 <210>25 <223>/note=”内部−α−トリプシン阻害剤前駆体”
【0411】 <210>26 <223>/note=”内部−α−トリプシン阻害剤前駆体”
【0412】 <210>27 <223>/note=”アミロイド前駆体タンパク質”
【0413】 <210>28 <223>/note=”コラーゲンα−3(VI)前駆体”
【0414】 <210>29 <223>/note=”HKI−B9”
【0415】 <210>32 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0416】 <210>45 <223>/label=シグナルペプチド
【0417】 <210>47 <223>/label=シグナルペプチド
【0418】 <210>49 <223>/label=シグナルペプチド
【0419】 <210>50 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0420】 <210>51 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0421】 <210>52 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0422】 <210>53 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質のシグナルペプチド”
【0423】 <210>54 <223>ヒトビクニンタンパク質断片
【0424】 <210>55 <223>/note=”構造表示開始のためのオリゴマー”
【0425】 <210>56 <223>構造表示開始のためのオリゴマー
【0426】 <210>57 <223>/note=”構造発現開始のためのオリゴマー”
【0427】 <210>58 <223>/note=”構造発現開始のためのオリゴマー”
【0428】 <210>61 <223>/note=”ビクニン構造発現開始のためのオリゴマー”
【0429】 <210>62 <223>/note=”ビクニン構造開始のためのオリゴマー”
【0430】 <210>63 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0431】 <210>64 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0432】 <210>65 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0433】 <210>66 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0434】 <210>67 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0435】 <210>68 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0436】 <210>69 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0437】 <210>70 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【0438】 <210>71 <223>/note=”ヒトビクニンタンパク質断片”
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、EST R35464(配列番号:12)のヌクレオチド配列および
このDNA配列の翻訳(配列番号:13)を描き、アプロチニンに対して同じ配
列類似性を示すオープンリーディングフレームを生じる。翻訳産物は、Kuni
tz様阻害剤ドメイン(太字で示される)についての特徴である訂正空間中に6
つのシステインのうちの5つを含む。残りのシステイン(コドン38で)によっ
て正常に占められる部分は、代わりにフェニルアラニン(*によって示される)
を含有した。
【図2】 図2は、EST R74593(配列番号:14)のヌクレオチド配列および
このDNA配列の翻訳(配列番号:15)を描き、Kunitzクラスのセリン
プロテアーゼ阻害剤ドメインに類似を示すオープンリーディングフレームを生じ
る。翻訳産物は、Kunitz様阻害剤ドメイン(太字で示される)についての
特徴である訂正空間中に6つのシステインを含む。しかし、このリーディングフ
レーム配列は、コドン3および23で終止コドンを示す。
【図3】 図3は、ヒト胎盤ビクニン(配列番号:9)標識「共通」の推定核酸配列を描
き、そして翻訳タンパク質アミノ酸配列標識「翻訳物」(配列番号:10)に適
合した。さらに、比較されるとおり、EST H94519(配列番号:16)
、N39798(配列番号:17)、R74593(配列番号:14)およびR
35464(配列番号:12)についての核酸配列と示された。共通配列中の下
線付きヌクレオチドは、実施例で記載されるPCRプライマーの部位に対応する
。翻訳共通配列中の下線付きアミノ酸は、その認識が、精製された生来のヒト胎
盤ビクニンのアミノ酸配列決定によって確認された残渣である。ヌクレオチドお
よびアミノ酸コードは、標準単独文字コードであり、核酸コード中の「N」は、
未付与核酸を示し、そして「*」は、アミノ酸配列中の終止コドンを示す。
【図4A】 図4Aは、ヒト胎盤ビクニンまたはその部分をコードするESTに相同なある
種の核酸配列を有する一連のESTの元来の重複を描く。資料について見られる
のは、ビクニン(7−64)およびビクニン(102−159)の相対的位置、
それぞれ、標識KID1およびKID2である。
【図4B】 図4Bは、別のESTを組み込む連続のより複雑なEST重複を描く。上部X
軸上の数は、最も5’のEST配列から最初の塩基で出発して塩基対での長さに
該当する。各棒の長さは、個々のESTの塩基対での長さに比例している。ES
T評価数は、それらの個々のEST棒の右に示される。
【図4C】 図4Cは、図4Bで模式的に示される各々の重複ESTのオリゴヌクレオチド
配列の対応配列を描く。上部配列(配列番号:51)標識ビクニンは、各位置で
重複ヌクレオチドから由来した共通オリゴヌクレオチド配列を表す。その数は、
EST地図内の塩基対の位置に該当する。太字下線(地図位置994および10
05で)付されたEST R74593中のオリゴヌクレオチドは、各々の他の
重複ESTに一致して不在であるR74593で観察される塩基挿入である。
【図4D】 図4Dは、図4C(配列番号:45)で描かれたビクニンについての共通オリ
ゴヌクレオチド配列のアミノ酸翻訳を描く。
【図4E】 図4Eは、PCR基本増幅によるヒト胎盤cDNAライブラリーから誘導され
た胎盤ビクニンコード配列のヌクレオチド配列(配列番号:46)および対応の
アミノ酸翻訳(配列番号:47)を描く。
【図4F】 図4Fは、コロニーハイブリッド形成によるヒト胎盤ラムダcDNAライブラ
リーから単離された生来のヒト胎盤ビクニンコード化クローンのヌクレオチド配
列(配列番号:48)および対応のアミノ酸翻訳(配列番号:49)を描く。
【図4G】 図4Gは、EST重複(配列番号:45)により得られる胎盤ビクニンについ
てのアミノ酸翻訳オリゴヌクレオチド配列、PCR基本クローニング(配列番号
:47)、および従来のラムダコロニーハイブリッド形成(配列番号:49)の
配列を比較する。
【図5】 図5は、Superdex 75ゲル濾過後の胎盤組織から得られるヒト胎盤
ビクニンの精製のグラフを示す。プロットは、OD280nmによって測定され
るとおりのタンパク質溶出プロファイル(実線)、トリプシン阻害アッセイでの
溶出タンパク質の活性(円によって示される阻害率(%))およびカリクレイン
阻害アッセイでの溶出タンパク質の活性(四角によって示される阻害率(%))
の重複である。
【図6】 図6は、C18逆相クロマトグラフィを用いて胎盤組織から得られるヒト胎盤
ビクニンをプロット取りするグラフを示す。プロットは、OD215nmによっ
て測定されるとおりのタンパク質溶出プロファイル(実線)、トリプシン阻害ア
ッセイでの溶出タンパク質の活性(円によって示される阻害率(%))およびカ
リクレイン阻害アッセイでの溶出タンパク質の活性(四角によって示される阻害
率(%))の重複である。
【図7】 図7は、高度に精製された胎盤ビクニン(レーン2)、およびキロダルトンで
の指標サイズの一連の分子サイズのマーカタンパク質(レーン1)の銀染色した
SDS−PAGEゲルを描く。移動は、頂部から底部までであった。
【図8】 図8は、胎盤ビクニン(102−159)の発現を指示するプラスミド(pS
604)で安定に形質転換された酵母株SC101(パネル8A)またはWHL
341(パネル8B)の成長から得られる細胞不含発酵ブロスに存在するトリプ
シン阻害活性の量を示す。
【図9】 図9は、ウシアプロチニン、または胎盤ビクニン(102−159)の発現を
指示するプラスミドで安定に形質転換された酵母株SC101(組換え体2.4
および2.5)の成長から得られる細胞不含発酵ブロスの銀染色SDS−PAG
E(図9A)および抗胎盤ビクニン(102−159)pAbを用いたウエスタ
ンブロット(図9B)の両方を示す。移動は、頂部から底部までであった。
【図10】 図10は、キロダルトンで示されたサイズの高度に精製した胎盤ビクニン(1
02−159)(レーン2)および一連の分子サイズマーカタンパク質(レーン
1)の銀染色されたSDS−PAGEを示す写真である。
【図11】 図11は、胎盤ビクミン(102−159)(図11A)をコードするか、胎
盤ビクニン(1−213)(図11B)をコードするかのいずれかである32P
標識cDNAプローブにハイブリッド形成された種々のヒト組織から得られるm
RNAのノザンブロットの結果を示す写真である。移動は、頂部から底部までで
あった。各ブロットの右にある数は、隣接RNAマーカのキロベースでのサイズ
に該当する。mRNAが誘導される器官は、ブロットの各レーンの下に記載され
る。
【図12】 図12は、合成の還元胎盤ビクニン(7−64)(図12A)または102−
159(図12b)のいずれかに対して生じたウサギ抗血清を用いた胎盤由来の
胎盤ビクニンの免疫ブロットを描く。各パネルについては、内容は、分子サイズ
マーカ(レーン1)であった;ヒト胎盤から単離される生来の胎盤ビクニン(レ
ーン2);合成胎盤ビクニン(7−64)(レーン3)および合成胎盤ビクニン
(102−159)(レーン4)であった。トリシン10−20%SDS−PA
GEゲルを、ブロットし、そしてプロテインA精製一次ポリクローナル抗体(2
0mlの0.1%BSA/Tris−緩衝生理食塩水(pH7.5)中に8ug IgG)で、続いてアルカリ性ホスファターゼ接合ヤギ抗ウサギ二次抗体で展
開させた。移動は、頂部から底部までであった。
【図13】 図13は、バキュロウイルス/Sf9発現システム(レーン2)から誘導され
る高度に精製した胎盤ビクニン(1−170)の3マイクログラムのクマシン青
染色した10−20%トリシンSDS−PAGEゲルを描く。レーン1は、分子
サイズマーカを含む。移動は、頂部から底部までであった。
【図14】 図14は、ヒト血漿の活性化部分トロンボプラスチン時間におけるSf9由来
のヒト胎盤ビクニン(1−170)(黒抜き円形)、合成胎盤ビクニン(102
−159)(白抜き円形)、またはアプロチニン(白抜き四角形)のいずれかの
濃度を増大する効果の比較を描く。凝固は、CaCl2で開始された。タンパク
質の濃度は、凝固時間でのブロット対支持延長である。非阻害凝固時間は、30
.8秒であった。
【図15】 図15は、3時間処理後のモルモット気管での潜在的差異におけるアミロライ
ド(100uM)およびハンクス平衡塩生理食塩水(HBSS)ビヒクル(対照
)に対応して2uMおよび0.2uMの投与レベルでビクニンの効果を例示する
【図16】 図16は、(a)モルモットの気管に対応する点滴シリンジおよびベータプロ
ーブの位置決め;(b)32P標識S.cerevisaeを用いた気管平均速
度(TMV)の測定についての個々のグラフ;および(c)気管点滴に続く1.
5、1.75、2.0、2.25および2.5時間でのHBSSビヒクル対照に
対応するビクニン(5μg)に対応してモルモットでのインビボでのTMVでの
持続的増大を例示する。
【図17】 図17は、ビクニン(70nM)が、アミロライド(10uM)に対して培養
したヒト気管支上皮細胞でのナトリウムの流れを減少させることを例示する。
【図18】 図18は、モルモット気管中のTMV増大、続いてエアロゾル処理での高張性
生理食塩水(14.4%)の5分のエアロゾルの効果を例示する。
【図19】 図19は、モルモット気管中のTMVにおけるアミロイド(10mM)の20
分のエアロゾル、続いてエアロゾル処理での効果を例示する。
【図20】 図20は、ビクニン(5ug/mL)、アプロチニン(5ug/mL)、およ
びアプロチニン二重ムテイン(0.5ug/mL、1.5ug/mL、および5
ug/mL)が、インビトロでの培養したヒト気管支細胞でのナトリウム短期電
流を減少させることを例示する。
【図21】 図21は、アプロチニン(1mg/mL)が、ヒトCF気管支上皮細胞でのイ
ンビトロでのIscを阻害したことを例示する。
【図22】 図22は、ビクニンエアロゾル(3mLの3mg/mL)が、PBS対照に対
応するヒツジでのTMVを明らかに増大したことを例示する。
【図23】 図23は、ビクニン(50ug/mL)が、30分間かけてモルモットの気管
上皮細胞中のインビトロでのナトリウム流を阻害したことを例示する。
【図24】 図24は、ビクニン(100ug/mL)が、90分間かけてヒツジの気管上
皮細胞中のインビトロでのナトリウム流を著しく阻害したことを例示する。
【図25】 図25は、(a)LPSに対する露出が、明らかなPMN流入を引き起こした
こと、そして(b)ビクニンが、LPSに予め露出したモルモットでの潜在的差
異を明らかに阻害したことを例示する。
【図26】 図26は、アプロチニン二重ムテイン(10ug)が、投与に続く1.5から
2.5時間の持続期間をかけてHBSSに対応してモルモットでのインビボでT
MVを増大したことを例示する。
【図27】 図27は、pBC−BKのプラスミド地図を表す(CMV−IE=サイトメガ
ロウイルス即時;DHFR=ジヒドロホレートレダクターゼ;AMP−r=アン
ピシリン耐性)。
【図28】 図28は、(a)CHO発現ビクニン(1−170)(10ug/mL)が、
90分の期間をかけてヒトCF気管支上皮細胞でインビトロでのナトリウムの流
れを減少させたこと、および(b)1、5、および10ug/mLでのCHOビ
クニン(1−70)、および20ug/mLでのアプロチニンが、インビトロで
のヒトCF気管支上皮細胞に先端使用後90分でのナトリウムの流れを減少させ
ることを例示する。
【図29】 図29は、CHO細胞発現系からビクニン(1−170)を精製するプロセス
の工程を例示する。
【図30A】 図30Aは、C18逆相クロマトグラフィを用いた精製CHOビクニン(1−
170)の異性形態の移動のグラフを示す。プロットは、280nmでの吸光度
(実線)によって測定されるときのタンパク質溶出プロファイルの重複、および
タンパク質を溶出するのに使用される0.1%トリフルオロ酢酸でのアセトニト
リルの含有率(ダイヤモンド)である。
【図30B】 図30Bは、CHO細胞発現系から発現される精製ビクニン(1−170)グ
リコシル化異性形態(レーン45−55)の銀染色SDS−PAGE、およびキ
ロダルトンで例示されたサイズの一連の分子サイズマーカタンパク質(レーン5
4および55の間)を示す写真である。移動は、頂部から底部までであった。
【図31】 図31は、N−グリコシダーゼF処理した(レーン2および4)および未処理
(レーン1および3)のCHO精製ビクニン(1−170)異性形態の銀染色S
DS−PAGE、およびキロダルトンで例示されたサイズの一連の分子サイズマ
ーカタンパク質を示す写真である。移動は、頂部から底部までであった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月12日(2001.1.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (配列番号:49) を含む請求項1に記載の使用法。
【化2】 (配列番号:2)、
【化3】 (配列番号:45)、
【化4】 (配列番号:47)、
【化5】 (配列番号:70)、 または
【化6】 (配列番号:71) を含む請求項1に記載の使用法。
【化7】 (配列番号:4)、
【化8】 (配列番号:5)、
【化9】 (配列番号:6)、
【化10】 (配列番号:7)、
【化11】 (配列番号:3)、
【化12】 (配列番号:50)、
【化13】 (配列番号:1) または
【化14】 (配列番号:52) を含む請求項1に記載の使用法。
【化15】 (配列番号:8) を含む請求項1に記載の使用法。
【化71】 (配列番号:49) に示されるような有効な粘膜腺毛クリアランス刺激量のKunitz型セリンプ
ロテアーゼ阻害剤および生理学上許容し得る担体を含む、そのような治療を必要
とする対象に粘膜腺毛クリアランスの速度を促進するための薬剤を生成するため
のKunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤の使用法。
【化72】 (配列番号:2)、
【化73】 (配列番号:45)、
【化74】 (配列番号:47)、
【化75】 (配列番号:70)、 または
【化76】 (配列番号:71) に示されるような有効な粘膜腺毛クリアランス刺激量のKunitz型セリンプ
ロテアーゼ阻害剤および生理学上許容し得る担体を含む、そのような治療を必要
とする対象に粘膜腺毛クリアランスの速度を促進するための薬剤を生成するため
のKunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤の使用法。
【化77】 (配列番号:4)、
【化78】 (配列番号:5)、
【化79】 (配列番号:6)、
【化80】 (配列番号:7)、
【化81】 (配列番号:3)、
【化82】 (配列番号:50)、
【化83】 (配列番号:1)、 または
【化84】 (配列番号:52) に示されるような有効な粘膜腺毛クリアランス刺激量のKunitz型セリンプ
ロテアーゼ阻害剤および生理学上許容し得る担体を含む、そのような治療を必要
とする対象に粘膜腺毛クリアランスの速度を促進するための薬剤を生成するため
のKunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤の使用法。
【化85】 (配列番号:8) に示されるような有効な粘膜腺毛クリアランス刺激量のKunitz型セリンプ
ロテアーゼ阻害剤および生理学上許容し得る担体を含む、そのような治療を必要
とする対象に粘膜腺毛クリアランスの速度を促進するための薬剤を生成するため
のKunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤の使用法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】 (配列番号:67)に継続する配列番号:52のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質を提供する。本発明はまた、以下のタンパク質の使用法を具体化する。
【化86】
【化87】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/02 A61P 11/06 11/06 27/16 27/16 43/00 105 43/00 105 C07K 14/81 ZNA // C07K 14/81 ZNA A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN ,ZA,ZW (72)発明者 ニュートン、 ベンジャミン ビー. イギリス国 アールジー1 3キューエイ バークシャー レディング セイント バーソロミューズ ロード 35 (72)発明者 テイラー、 ウィリアム ジェイ.エイ. イギリス国 エスエル4 5ユービー ウ インザー メイドンヘッド ロード ワイ ンディン ザ ウイローズ (番地なし) Fターム(参考) 4C076 AA24 AA93 BB27 CC15 DD23 DD26 EE23 FF12 FF61 FF68 4C084 AA01 AA02 AA03 BA01 BA20 BA22 BA26 CA18 CA20 CA29 CA53 DC03 DC32 MA13 MA17 MA56 NA14 ZA34 ZA59 ZA63 ZC20 4H045 AA30 BA10 BA53 CA40 DA56 EA20 FA72 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤および生理学上許
    容し得る担体を含む組成物の、有効な粘膜毛様体クリアランス刺激量を、対象に
    投与することを含む、そのような治療を必要とする対象での粘膜毛様体クリアラ
    ンスの速度を促進する方法。
  2. 【請求項2】 前記組成物が肺気道に投与される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記組成物が、エアロゾル化によって直接投与される請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記組成物が、エアロゾル懸濁液として、哺乳類の呼吸器に
    直接投与される請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記エアロゾル懸濁液が、約1から約10ミクロンまでのサ
    イズに入る吸気可能な粒子を含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記エアロゾル懸濁液が、約1から約5ミクロンまでのサイ
    ズに入る吸気可能な粒子を含む請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記エアロゾル懸濁液が、圧力起動ネブライザによって前記
    対象に送出される請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記エアロゾル懸濁液が、超音波ネブライザによって前記対
    象に送出される請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記エアロゾル懸濁液が、非毒性噴射剤によって前記対象に
    送出される請求項4に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記担体が、生理学上の緩衝溶液、等張性生理食塩水、通
    常の生理食塩水、およびその組合せからなる群から選択される一員である請求項
    1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、アプロチニ
    ンである請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、アミノ酸配
    列: 【化1】 (配列番号:49) を含む請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、アミノ酸配
    列: 【化2】 (配列番号:2)、 【化3】 (配列番号:45)、 【化4】 (配列番号:47)、 【化5】 (配列番号:70)、 および 【化6】 (配列番号:71) を含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、アミノ酸配
    列: 【化7】 (配列番号:4)、 【化8】 (配列番号:5)、 【化9】 (配列番号:6)、 【化10】 (配列番号:7)、 【化11】 (配列番号:3)、 【化12】 (配列番号:50)、 【化13】 (配列番号:1) および 【化14】 (配列番号:52) を含む請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、アミノ酸配
    列: 【化15】 (配列番号:8) を含む請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、グリコシル
    化されている請求項12、13、14または15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、少なくとも
    1つの鎖内システイン−システインジスルフィド結合を含む請求項12、13、
    14または15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 Kunitz型セリンプロテアーゼ阻害剤が、CYS11
    −CYS61、CYS20−CY44、CYS36−CYS57、CYS106
    −CYS156、CYS115−CYS139およびCYS131−CYS15
    2からなるシステイン−システイン対の群選択される少なくとも1つの鎖内シス
    テンイ−システインジスルフィド結合を含み、前記システイン残渣が、生来のヒ
    ト胎盤ビクニンのアミノ酸配列によって数えられる請求項12、13、14また
    は15に記載の方法。
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