JP2000007575A - 抗アレルギー剤 - Google Patents

抗アレルギー剤

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JP2000007575A
JP2000007575A JP10185737A JP18573798A JP2000007575A JP 2000007575 A JP2000007575 A JP 2000007575A JP 10185737 A JP10185737 A JP 10185737A JP 18573798 A JP18573798 A JP 18573798A JP 2000007575 A JP2000007575 A JP 2000007575A
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cells
agent
group
timp
tissue inhibitor
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JP10185737A
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Kunio Shirato
邦男 白土
Isao Ono
勲 大野
Katsunori Kumagai
克紀 熊谷
Shinji Okada
信司 岡田
Yuichi Ogawara
雄一 大河原
Takashi Shintani
孝 新谷
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗アレルギー剤、特にはI型アレルギーに対
して有効な治療及び/又は予防効果を奏する医薬を提供
する。 【解決手段】 TIMPs からなる群から選ばれた少なくと
も一つのティシュ インヒビターを有効成分として含有
することを特徴とする医薬は、アレルギー、特にはI型
アレルギーの治療及び/又は予防に有用である。該医薬
は、炎症、気管支喘息に対して治療及び/又は予防活性
を示す。また該医薬は、それを適用することにより、
(A)リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球、マクロ
ファージなどの細胞の、患部における細胞数を抑制する
か、及び/又は (B)リンパ球、マスト細胞、好酸球、好
塩基球、マクロファージなどの細胞の、患部への移動、
浸潤あるいは集積を抑制することから、当該患部の疾患
あるいは病的な状態の治療及び/又は予防に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ティシュ インヒ
ビター オブ メタロ プロテアーゼ類 (tissueinhibi
tors of metalloproteinases: TIMPs) から成る群から
選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビターを有
効成分とすることを特徴とする医療用治療及び/又は予
防薬に関するものであり、アレルギー治療及び/又は予
防、特にはI 型アレルギー疾患患者の患部に適用される
医薬組成物あるいはI 型アレルギー症に感受性の者の所
定部位に適用される医薬組成物に関する。さらに詳しく
言えば、本発明はティシュ インヒビター オブ メタ
ロプロテアーゼ-1 (tissue inhibitors of metalloprot
einases-1: TIMP-1)あるいはティシュ インヒビターオ
ブ メタロ プロテアーゼ-2 (tissue inhibitors of m
etalloproteinases-2: TIMP-2)を主たる有効成分として
含有する製剤で、I 型アレルギー疾患である気管支喘息
の治療に有用であり、且つ予防的治療によりアレルギー
症状を軽減することのできる治療剤に関する。
【0002】本発明は、別の面ではリコンビナント テ
ィシュ インヒビター オブ メタロ プロテアーゼ類
(rTIMPs) から成る群から選ばれた少なくとも一つのテ
ィシュ インヒビターを有効成分とすることを特徴とす
るアレルギー治療剤、特にはリコンビナント ティシュ
インヒビター オブ メタロ プロテアーゼ-1 (rTIM
P-1)およびリコンビナント ティシュ インヒビター
オブ メタロ プロテアーゼ-2 (rTIMP-2)から成る群か
ら選ばれたものを少なくとも一つ有効成分として含有す
ることを特徴とするアレルギー治療及び/又は予防剤、
詳しくは、I 型アレルギー疾患、さらに詳しくは、気管
支喘息の症状の軽減、予防のための医薬に関する。別の
観点では、本発明はTIMPs から成る群から選ばれた少な
くとも一つのティシュ インヒビターを有効成分とする
ことを特徴とする抗炎症剤に関する。さらに本発明はTI
MPs からなる群から選ばれた少なくとも一つのティシュ
インヒビターを有効成分とすることを特徴とする、 (A)
リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球及びマクロフ
ァージからなる群から選ばれた細胞の、患部における細
胞数を抑制するか、及び/又は (B)リンパ球、マスト細
胞、好酸球、好塩基球及びマクロファージからなる群か
ら選ばれた細胞の、患部への移動、浸潤あるいは集積を
抑制することを特徴とする治療又は予防のための医薬に
関する。
【0003】
【従来技術】アレルギー疾患は、外来性の抗原とそれに
対応する特異抗体又は感作リンパ球との反応に基づく組
織障害を病因とする疾患である。アレルギー反応は、そ
の反応形態によりI 型、II型、III 型、およびIV型の4
型に分類されている。I 型アレルギーはIgE 抗体が関与
する反応で、即時型、IgE 依存型、あるいはアナフィラ
キシー型と呼ばれている。II型アレルギーは細胞障害型
又は細胞融解型とも呼ばれ、不適合輸血、自己免疫溶血
性貧血、特発性血小板減少症などの疾患発症に関与して
いる。外来抗原や自己抗原に対して産生されたIgG 抗体
あるいはIgM 抗体が標的細胞に結合すると、補体系の活
性化が引き起こされ標的細胞が障害される。III 型アレ
ルギーは、免疫複合体型又はアルサス型と呼ばれてお
り、血清病、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、過
敏性肺臓炎などが主な疾患である。血液中のIgG 抗体も
しくはIgM 抗体が、可溶性抗原と結合して免疫複合体を
形成することで引き起こされる組織障害である。IV型ア
レルギーは、遅延型あるいは細胞性免疫型とも呼ばれて
いる。ツベルクリン反応に見られる様に抗原注射後48
〜72時間後に紅斑、硬結を特徴とする炎症反応を呈す
る。
【0004】I 型アレルギー反応では、発症前の生体内
にハウスダスト、ダニ、花粉、真菌、動物の毛垢などが
抗原となり、気道、消化管、皮膚などを経て体内に侵入
し、IgE 抗体が産生される。IgE 抗体は、肥満細胞、好
塩基球上の高親和性IgE 受容体に結合し、それら細胞を
感作する。その後再び抗原に暴露され、抗原がIgE 抗体
に結合すると、高親和性IgE 受容体の架橋、細胞の活性
化が起こり、脱顆粒や細胞膜脂質からのケミカルメディ
エーター産生、遊離が生じる。顆粒からはヒスタミン、
好酸球遊走因子、好中球遊走因子などが遊離し、新たに
ケミカルメディエーターとしてプロスタグランジン、ト
ロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子など
が産生される。これらケミカルメディエーターやサイト
カインにより炎症細胞が患部に移動・浸潤する。
【0005】I 型アレルギー反応を病因とする疾患に
は、気管支喘息、花粉症、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、
アトピー性皮膚炎などといった一般的な疾患が多い。こ
れらは一見すると異なる病因による疾患であるが、抗原
暴露によるIgE 抗体に依存した初期のアレルギー反応(
誘導期) およびその後の肥満細胞、好塩基球の脱顆粒に
よるヒスタミン、好酸球遊走因子、好中球遊走因子、ロ
イコトリエン、血小板活性化因子などのケミカルメディ
エーター遊離が、気管支喘息であれば気管支で、皮膚炎
であれば皮膚で反応が生じる(第2相)。また、これら
多くの患者は慢性化し、抗原量の多少といった環境因
子、患部に対する物理的要因、他の合併症による影響、
さらには患者個々の遺伝的背景などが病因として存在
し、これら様々な要因が互いに複雑に関与し、治療に長
期間を有する。
【0006】マトリックス メタロプロテアーゼ類(MMP
s)は、ファミリーを形成する一群の中性プロテアーゼで
あり、活性中心にZn2+を有する。細胞外マトリックスの
分解にMMPsが重要な役割を担っていることは周知のこと
であり、現在までに17種類のMMP が知られている。MM
Psによる細胞外マトリックスの破壊は、組織破壊を伴う
難治性疾患の治癒を遅延させている主要な原因の一つで
あり、このMMP 活性の上昇は、内在性MMPsインヒビター
であるTIMPs との量的不均衡の結果生じていると考えら
れている。例えば、MMPsによる細胞外マトリックスの破
壊などと関連してこれらTIMPs がリウマチ性関節炎、関
節症、皮膚潰瘍、腫瘍細胞の転移などに関与するなどが
報告されている。しかしながら、TIMPs がアレルギー疾
患に有効であるなどの報告はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】I 型アレルギー疾患の
薬物治療には抗アレルギー剤、ステロイド剤、抗ヒスタ
ミン剤が主に使用される。しかしながらこれら薬剤の大
半は、積極的に患部への炎症細胞の移動、浸潤あるいは
集積を抑制することを意図して開発されたものは少な
い。これら慢性疾患は同じメカニズムで発症するにも拘
らず、その種類、部位あるいは病理学的症状などが異な
るために、これまで単独で強力な効果を示す薬剤は登場
していない。I 型アレルギー疾患患者は最近増加してお
り、単独でI型アレルギー疾患に広範に効果を発揮する
新規薬剤が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、TIMPs に
関して生体内での働きについての研究を精力的に進めた
結果、TIMPs が抗アレルギー反応性を有し、特にI 型ア
レルギー疾患に有効なことを見出し、本発明に至った。
すなわち、TIMPs が好酸球、マクロファージなどの炎症
細胞の移動を抑制する(特にはI 型アレルギー疾患の部
位への、当該問題となる好酸球、マクロファージなどの
炎症細胞の移動を抑制する) など、炎症疾患にTIMPs が
阻害的に働き、I型アレルギー疾患においてその起因因
子に対して単独で強力な効果を示すことを見出した。本
発明の目的は、TIMPs を主たる有効成分とした医薬組成
物により、I 型アレルギー疾患の治療や予防を行う手段
を提供することにある。特には、気管支喘息、アトピー
性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹などを有
する患者の治療や予防的処理を提供することにある。本
発明者らは、組織や体液中に存在しMMPsの活性を特異的
に阻害する内在性インヒビターであるヒトTIMPs が好酸
球、マクロファージなどの炎症細胞の移動、浸潤あるい
は集積に対して阻害的に作用することを見出し、ヒトTI
MPs によるMMPs活性の阻害を利用した効果的な抗アレル
ギー治療及び/又は予防剤、特には、抗I 型アレルギー
治療及び/又は予防剤による療法の提供に成功した。
【0009】本発明者らは、従来ヒトを含めた動物由来
の組織あるいは培養細胞、血液からでは入手することが
困難で、なかなかその実際の厳密な適用あるいは利用が
困難であったヒトTIMPs を組換えDNA 技術を利用して大
量に得ると共に、こうして大量に得られた rヒトTIMPs
を用いてそれが実際に如何なる薬理作用を有するかを確
認し、さらに臨床的に使用できることを初めて見出し
て、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は 〔1〕 TIMPs からなる群から選ばれた少なくとも一つ
のティシュ インヒビターを有効成分として含有するこ
とを特徴とする抗アレルギー剤; 〔2〕 アレルギー症状がI型アレルギーであることを
特徴とする上記〔1〕記載の剤; 〔3〕 アレルギー症状が (1)リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球又はマク
ロファージなどの細胞により引き起こされるものである
こと; (2)好酸球の患部への移動、浸潤あるいは集積を特徴と
するものであること; (3)炎症であること; 及び (4)気管支喘息であることからなる群から選ばれたもの
であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の
剤;
【0011】〔4〕 アレルギー症状が (A)好酸球又はマクロファージにより引き起こされるも
のであること; (B)好酸球により引き起こされる炎症であること; 及び (C)気道で好酸球又はマクロファージにより引き起こさ
れる炎症であることからなる群から選ばれたものである
ことを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載
の剤; 〔5〕 アレルギーの治療においてアレルギー症状の発
生予防及び該症状の軽減を図るための予防的治療を含む
用途で用いられるものであることを特徴とする上記
〔1〕〜〔4〕のいずれか一記載の剤; 〔6〕 (a)好酸球の患部への移動、浸潤あるいは集積
を抑制すること; (b)気管支喘息の症状を軽減あるいは予防すること; 及
び (c)気管支喘息の症状により悪化した気道過敏性を回復
させることからなる群から選ばれた生物学的活性を有す
るものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のい
ずれか一記載の剤;
【0012】〔7〕 TIMPs からなる群から選ばれた少
なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成分とし
て含有することを特徴とする抗炎症剤; 〔8〕 (A)好酸球により引き起こされる炎症であるこ
と; 及び(B)気道で好酸球又はマクロファージにより引
き起こされる炎症であることからなる群から選ばれたも
のであることを特徴とする上記〔7〕記載の剤;
〔9〕 TIMPs からなる群から選ばれた少なくとも一つ
のティシュ インヒビターを有効成分として含有するこ
とを特徴とする気管支喘息の治療又は予防剤; 〔10〕 (1) TIMPs からなる群から選ばれた少なくとも
一つのティシュ インヒビターを有効成分として含有
し、且つ(2) リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球
及びマクロファージからなる群から選ばれた細胞の、患
部における細胞数を抑制することを特徴とする治療又は
予防のための医薬用剤; 〔11〕 (1) TIMPs からなる群から選ばれた少なくとも
一つのティシュ インヒビターを有効成分として含有
し、且つ(2) リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球
及びマクロファージからなる群から選ばれた細胞の、患
部への移動、浸潤あるいは集積を抑制することを特徴と
する治療又は予防のための医薬用剤;
【0013】〔12〕 有効成分として (1) TIMP-1;及び (2) TIMP-2からなる群から選ばれたも
のを含有することを特徴とする上記〔1〕〜〔11〕のい
ずれか一記載の剤; 〔13〕 TIMP-1及びTIMP-2の混合物を有効成分とするこ
とを特徴とする上記〔1〕〜〔12〕のいずれか一記載の
剤; 〔14〕 (1) TIMP-1 が rTIMP-1であるか、あるいは
(2) TIMP-2 が rTIMP-2であることを特徴とする上記〔1
2〕又は〔13〕記載の剤; 及び 〔15〕 (1) rTIMP-1が宿主細胞として大腸菌、酵母ま
たはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞) 、COS-
1 細胞もしくはC127細胞などの動物細胞を用いて得られ
た形質転換体細胞に発現させ、得られた遺伝子産物を精
製したものであるか、あるいは (2) rTIMP-2が宿主細胞
として大腸菌、酵母またはチャイニーズハムスター卵巣
細胞(CHO細胞) 、COS-1 細胞もしくはC127細胞などの動
物細胞を用いて得られた形質転換体細胞に発現させ、得
られた遺伝子産物を精製したものであることを特徴とす
る上記〔14〕記載の剤を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、TIMPs から成る群から
選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビターを有
効成分とすることを特徴とし、アレルギー治療及び/又
は予防に用いられる、特にはI 型アレルギー疾患患者の
患部に適用される医薬組成物あるいはI 型アレルギー症
に感受性の者の所定部位に適用される医薬組成物に関
し、さらにはそれを適用することによるアレルギー治療
及び/又は予防方法に関する。さらに詳しく言えば、TI
MP-1あるいはTIMP-2を主たる有効成分として含有する医
薬に関わり、それはI型アレルギー疾患である気管支喘
息の治療に有効であり、且つ予防的治療によりアレルギ
ー症状を軽減する。本発明はTIMPを含有することを特徴
とする気管支喘息治療及び/又は予防剤並びにそれを投
与することからなる気管支喘息の治療及び/又は予防方
法を提供する。本発明は、別の面ではrTIMPsから成る群
から選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビター
を有効成分とすることを特徴とするアレルギー治療及び
/又は予防剤、特にはrTIMP-1 およびrTIMP-2 から成る
群から選ばれたものを少なくとも有効成分として含有す
ることを特徴とするアレルギー治療及び/又は予防剤、
詳しくは、I 型アレルギー疾患、さらに詳しくは、気管
支喘息の症状の軽減、予防のための医薬、さらにはそれ
を用いた治療及び/又は予防方法に関する。
【0015】別の観点では、本発明はTIMPs から成る群
から選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビター
を有効成分とすることを特徴とする抗炎症剤並びにそれ
を投与することからなる炎症の治療及び/又は予防方法
に関する。さらに本発明はTIMPs から成る群から選ばれ
た少なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成分
とすることを特徴とする、 (A)リンパ球、マスト細胞、
好酸球、好塩基球、マクロファージなどからなる群から
選ばれた細胞の、患部における細胞数を抑制するか、及
び/又は (B)リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基
球、マクロファージなどからなる群から選ばれた細胞
の、患部への移動、浸潤あるいは集積を抑制することを
特徴とする治療又は予防のための医薬用剤並びにそれを
投与することからなる疾患あるいは病的な状態の治療及
び/又は予防方法を提供するものである。
【0016】本発明で使用されるTIMPs は、MMP ファミ
リーに対するインヒビターを含んでいてよく、例えばヒ
トTIMP-1、ヒトTIMP-2といったMMPsに対するインヒビタ
ーを用いることができる。これらはアレルギー治療剤、
特にはI 型アレルギー治療剤として多くの優れた特性を
持っている。より好ましくは本発明で使用されるTIMPs
は、気管支喘息治療剤として多くの優れた特性を持って
いる。特にアレルギー反応が生体内で生じる場合は複雑
な多段階の過程が関与し、そして各段階でそれぞれ異な
る各種の生体内細胞や生理活性因子が関与している。正
常な場合それらは様々なバランスを保って作用している
が、アレルギー反応が生じるような病的な状態下ではヒ
トTIMPs が実際に如何なる役割を担い、どの様な薬理活
性や生理活性を持ち、そしてどの様な病気に有効かを確
かめるのは困難であることは理解されるべきである。
【0017】I型アレルギー反応とは、免疫グロブリン
E (IgE)が関与する反応である。IgE は肥満細胞 (mast
cell)あるいは好塩基性白血球の細胞膜表面にあるIgE
受容体 (1個の細胞表面に数万個の受容体が存在する)
を介して細胞膜と結合している。このIgE と抗原が反応
すると、抗原は2分子のIgE に橋をかけた形となる。Ig
E 分子の動きが細胞内に伝達され、脱顆粒現象 (degran
ulation)を起こす。顆粒内には、ヒスタミンのほか、好
酸球の化学遊走を起こさせるECF-A (eosinophil chemot
actic factor of anaphylaxis), SRS-A (slow reacting
substance ofanaphylaxis), PAF (platelet activatin
g factor)などの炎症惹起因子が含まれている。脱顆粒
現象は、これら細胞のもつ各種受容体を介する細胞内cA
MP, cGMPの低下あるいは増加によって制御されている。
ヒスタミンは、皮膚ではLewis のtriple response とし
て知られた紅斑 (血管拡張) 、膨疹 (血管壁透過性亢
進)、軸索反射による紅斑の拡大を起こし、平滑筋では
その攣縮をひきおこす。ヒスタミンは、細胞外に出る
と、ただちにヒスタミナーゼにより分解され、したがっ
て反応が長時間持続することはない。I型アレルギー反
応による疾患としては、例えば、蕁麻疹、薬疹、アナフ
ィラキシーショック、気管支喘息、鼻アレルギー、プラ
ウスニッツ−キュストナー反応が挙げられる。
【0018】アレルギー反応の検出法としては、in viv
o 試験では、皮内反応テスト (intradermal skin tes
t)、乱刺試験、プラウスニッツ−キュストナー反応、貼
布試験、薬剤誘発試験などが挙げられ、in vitro 試験
では、RAST法 (radioallergosorbent test) 、沈降反
応、補体結合反応、リンパ球幼若化試験、マクロファー
ジ遊走阻止試験、白血球遊走阻止試験などが挙げられ
る。皮内反応テストでは、アレルゲン液を皮内注射し、
注射後15〜30分に頂点に達する反応 (膨疹と紅斑) を判
定することによりI型アレルギー反応を検出する。プラ
ウスニッツ−キュストナー反応とは、患者血清を健常者
皮内に注射し、24時間以上経過して同部位にアレルゲン
液を注射しての反応を判定するものである。RAST法は、
プラウスニッツ−キュストナー反応に代わるものとして
用いられる。貼布試験は、アレルギー性接触皮膚炎のア
レルゲン検出法で、径 1 cm ぐらいのリント布あるいは
市販貼布試験用絆創膏 (例えば、フィンチェンバー: Ep
itest; 大正製薬) にアレルゲンをのせ、患者皮膚に48
時間密封状態で貼付し、48時間後試薬をはずして、絆創
膏による刺激反応が消退するのを待って (約30〜60分)
判定するものである。
【0019】気管支喘息は、気道の慢性炎症性疾患であ
り、好酸球、 CD4+ ヘルパーT 細胞、肥満細胞の浸潤が
特徴的である。気道炎症は気道反応性の亢進を伴い、種
々の刺激により可逆性の気道閉塞を起こし、喘鳴、呼吸
困難などの症状を示す。好酸球浸潤による気道炎症によ
り、気道反応性が亢進することが観察されている。また
気管支喘息の特徴は、臨床的には発作性の呼吸困難、喘
鳴、可逆性の気道収縮、生理学的には気道反応性の亢
進、組織学的には気道の炎症、免疫学的には多くの患者
でみられる環境抗原に対するIgE 抗体の存在である。気
道の炎症の所見は、好酸球、 Tリンパ細胞 (Th2)、肥満
細胞の浸潤と気道上皮の損傷である。慢性喘息では気道
上皮下基底膜肥厚と気管支平滑筋の増殖などの気道壁の
リモデリングといった変化が生じている。気道に浸潤し
た好酸球が喘息症状、気道過敏性の発現に寄与する機序
として、気道収縮メジエーターの産生による気道収
縮、気道上皮の損傷による気道反応性の亢進、気道
壁リモデリングによる気道壁肥厚とそれによると考えら
れる気道反応性の亢進が考えられる。
【0020】呼吸困難、喘鳴を示す有症状喘息患者の末
梢血、喀痰、気管支肺胞洗浄液には好酸球の増多、浸潤
が著しく、これらサンプルには組織障害性好酸球特異顆
粒タンパクである ECP (eosinophil cationic protei
n), MBP (major basic protein), EDN (eosinophil der
ived neurotoxin)などの増加がみられ、この様な患者で
は気道粘膜及び気道上皮に著明な好酸球の浸潤がみら
れ、これら好酸球は活性化されており、比重の低下、分
泌型 ECP特異抗体に陽性である。さらにこうした好酸球
は脂質メジエーターであるロイコトリエン (LT) C4, ト
ロンボキサン (TX)A2, PAF 及び炎症性サイトカインで
ある TNFαを産生し、これらメジエーターは気道平滑筋
収縮、気道粘膜浮腫などにより気道閉塞を惹起するし、
活性化好酸球は強力な気道収縮作用のあるLTC4の産生が
亢進しており、好酸球からのLTC4の産生は好中球に比べ
て高く、好中球はLTB4の産生が高くなっている。
【0021】また好酸球は同じく気道上皮に存在するTh
2 由来のIL-5により活性化され、生存が延長され、気道
上皮を破壊し、その結果喘息での気道過敏をもたらして
いるとも考えられているし、さらに喘息患者の気道には
好酸球以外に好中球、肥満細胞なども浸潤しており、こ
れらの細胞からのメジエーター、サイトカインが気道炎
症を惹起している可能性も指摘される (牧野荘平, アレ
ルギー, 46 (11), 1091-1094, 1994) 。本発明のTIMPs
からなる群から選ばれた少なくとも一つのTIMPを主たる
有効成分とした医薬組成物は、上記したアレルギーの症
状改善あるいは治療及び/又は予防に優れている。特に
は該医薬組成物は、上記した気管支喘息における症状改
善あるいは治療及び/又は予防に優れている。
【0022】TIMP-1は糖タンパク質であり、ヒト、ウ
シ、マウス、ラット、ウサギ、その他動物由来の軟骨、
歯髄、歯肉、子宮、胎盤、皮膚等の組織や、関節軟骨細
胞、骨芽細胞、各種組織由来線維芽細胞、上皮細胞等の
培養細胞、羊水、血清、血漿、血小板、単球、マクロフ
ァージ等から産生され、これらの組織や培養細胞のコン
ディション培養液から、例えば、Kodama et al., Colla
gen Rel. Res., 7, 341-350, 1987 あるいはKodama et
al., J. Immunol. Methods, 127, 103-108,1990に記載
の方法に準じて、種々の培養細胞の培養液やヒト血清、
ヒト胎盤などからモノクローナル抗体を用いたアフィニ
ティークロマトグラフィー等により単離できる。また、
Murphy et al., Biochem. J., 195, 167-170, 1981、Ki
shi and Hayakawa, J. Biochem., 96,395-404,1984ある
いはSticklin and Welgus, J. Biol. Chem., 258, 1225
2-12258, 1983 に記載の方法に準じて、種々の細胞の培
養液やヒト血清などから生化学的に公知のクロマトグラ
フィーの組み合わせにより単離できる。TIMP-1、とりわ
けヒトTIMP-1は、直接的薬効をもったアレルギー治療
剤、特にはI型アレルギーの治療及び発生予防剤などと
して非常に有用である。
【0023】ヒトTIMP-2は、ヒトTIMP-1とアミノ酸配列
上約40%の相同性を有するが、ヒトTIMP-1と異なりN-
結合型オリゴ糖鎖を結合していない。ヒトTIMP-2もヒト
TIMP-1の場合と同様の種々の組織、組織由来培養細胞の
培養液から得ることができる。例えば、Fujimoto et a
l., Clin. Chim. Acta, 220, 31-45,1993および特開平6
-300757号等に記載の方法に従い、ヒト胎盤などからモ
ノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラ
フィー等により得ることができる。また、Goldberg et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 8207-8211, 19
89、Stetler-Stevenson et al., J. Biol. Chem., 264,
17374-17378, 1989、Stetler-Stevensonet al., J. Bi
ol. Chem., 265, 13933-13938, 1990あるいはDeClerck
et al., J. Biol. Chem., 266, 3893-3899, 1991 に記
載の方法に準じて、種々の組織や培養液から単離でき
る。ヒトTIMP-2は、ヒトTIMP-1と異なる性状およびN-結
合型オリゴ糖鎖を持たない異なる分子構造を有するにも
拘らず、直接的薬効をもったアレルギー治療剤、特には
I型アレルギーの治療及び発生予防剤などとして非常に
有用である。
【0024】ヒトTIMP-1およびヒトTIMP-2は組換えDNA
技術 (Maniatis, et al., Molecular Cloning, Cold Sp
ring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New Yo
rk,1982) を用いることにより得ることもできる。従来
の培養細胞のコンディション培養液や血清、さらには胎
盤などから得る場合にはそれら固有のある種の制約があ
るが、組換えDNA 技術を適用しての製造方法ではこうし
た制約を受けることがなく、医薬の製造に必要とされる
動物実験や臨床試験に用いることのできる量および質の
ヒトTIMPs を得ることができる。組換えDNA 技術を用い
ることにより、直接的形態で製造され、そしてアレルギ
ー反応を抑制していることが確認できるに十分な量およ
び質で得られ、更に医薬の製造承認に必要とされる動物
実験や臨床試験に用いることのできる量及び質で得られ
るし、そうして得られた rヒトTIMPs を用いることでア
レルギー性疾患、特にはI 型アレルギー疾患、さらに詳
しくは気管支喘息に治療効果があることを見出したこと
は注目に値する。
【0025】例えばヒトTIMP-1あるいはヒトTIMP-2をコ
ードする核酸配列を利用し、酵母、チャイニーズハムス
ター卵巣細胞(CHO細胞)などの真核細胞宿主や大腸
菌などの原核細胞宿主、Sf21などの昆虫細胞等、通常組
換えDNA 技術に用いられる全ての宿主と宿主に応じた発
現ベクターを用いることにより得ることができる。糖タ
ンパク質であるTIMP-1の場合は、好ましくは真核細胞を
宿主とした宿主ベクター系を使用する。組換えDNA 法に
よる rヒトTIMP-1及び rヒトTIMP-2の取得は、例えば C
armichael et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83,
2407-2411,1986; DeClerck et al., J. Biol. Chem., 2
66, 3893-3899, 1991;Stetler-Stevenson et al., J. B
iol. Chem., 265, 13933-13938, 1990;Aoki et al., Co
nnective Tissue, 26, 281-290, 1995; Williamson et
al.,Biochem. J., 268,267-274, 1990; あるいはBoone
et al., Proc. Natl. Acad.Sci. USA., 87, 2800-2804,
1990に記載の方法を参考にすることができる。
【0026】例えば rヒトTIMP-1は、ヒト正常歯肉線維
芽細胞 (Gin-1 細胞) より調製したポリ (A)+ mRNAを鋳
型、オリゴdT (15〜18個) をプライマーとした逆転写反
応により 1st strand cDNAの合成を行い、次にPCR プラ
イマー、例えば プライマーTlFl; 5'-ATGGCCCCCTTTGAGCCCCTG-3' 及び プライマーTlRl; 5'-CAGGATTCAGGCTATCTG-3' を用いPCR 反応により適宜TIMP-1遺伝子の増幅を行い、
得られたTIMP-1遺伝子を適当なクローニングベクター、
例えばpUC13 にサブクローニング後、適当な発現ベクタ
ー、例えばpMEMneo (Lee et al., Nature, 294, 228-23
2, 1981)にクローニングし、一般的なリン酸カルシウム
共沈法等により pSV2-dhfrプラスミドDNA(Subramani et
al., Mol. Cell Biol., 9, 854-864, 1981) と共に CH
O (dhfr-) 細胞等に導入した。TIMP-1遺伝子導入 CHO細
胞等の形質転換体をマイクロキャリヤー培養や高密度連
続培養など適当な方法で培養し、得られたコンディショ
ン培地からrTIMP-1 を調製する。発現ベクターを導入し
た宿主細胞に対応して、遺伝子産物の糖鎖構造は天然物
と異なったものが得られることは理解されるべきであ
る。なお、 rヒトTIMP-1は、市販品を利用することもで
きる。例えば、コスモ・バイオ社から入手可能である。
【0027】また、 rヒトTIMP-2は、例えばヒトGin-1
細胞より調製したポリ(A) + mRNAを鋳型、オリゴdT (15
〜18個) をプライマーとした逆転写反応により 1st str
andcDNAの合成を行い、次にPCR プライマー、例えば プライマーT2F7; 5'-AAAGTCGACCATGGGCGCCGCGGCCCGCACC
CT-3' 及び プライマーT2R5; 5'-TTAAGATCTGTCGACTTAAGGATCCTCGATA
TCGAGGAATTCTTGC-3' を用いPCR 反応により適宜TIMP-2遺伝子の増幅を行い、
得られたTIMP-2遺伝子を適当なクローニングベクター、
例えばpUC13 にサブクローニング後、適当な発現ベクタ
ー、例えばpKG5にクローニングし、一般的なリン酸カル
シウム共沈法等によりpSV2-dhfr プラスミドDNA と共に
CHO (dhfr- ) 細胞等に導入した。TIMP-2遺伝子導入CH
O 細胞などの形質転換体をマイクロキャリヤー培養や高
密度連続培養など適当な方法で培養し、得られたコンデ
ィション培地から rヒトTIMP-2を調製する。なお、 rヒ
トTIMP-2は、市販品を利用することもできる。例えば、
コスモ・バイオ社、ベーリンガー・マンハイム社から入
手可能である。組換えDNA 技術を用いることにより得ら
れるrTIMPsは、本発明の目的に合致する限り、その構成
アミノ酸における1個以上の変異、例えば欠失、置換、
挿入、転位もしくは付加により、アミノ酸配列が相違し
たものであることができる。組換えDNA技術を用いれ
ば、例えば基本となるDNA 配列の特定の部位に突然変異
を誘発することにより、1個又は複数個のアミノ酸の欠
失、置換、挿入を図ることが可能である。代表的な方法
としては、位置指定変異導入法(日本生化学会編、「新
生化学実験講座2、核酸III 、組換DNA 技術」、東京化
学同人、233 頁〜251 頁、1992年10月5日)が挙げられ
る。
【0028】これら種々の起源に由来するTIMPs は、従
来公知の通常タンパク質の精製に用いられる方法、例え
ば、硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウムを用いた塩析
法、ゲルろ過担体やイオン交換担体を用いたクロマトグ
ラフィー法、電気泳動法、各TIMPs に対するモノクロー
ナル抗体、Con A などを用いたアフィニティークロマト
グラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法などを各
TIMPの性質に合わせ、単独または任意の組合わせにより
使用して適宜精製することができる。ところで、ミクロ
的には天然物は、均一の産物として得ることには限界が
あり、例えば天然物質であるTIMP-1は、本来的あるいは
単離の過程における処理の影響で分子中に各種の形態の
糖鎖を有し、それに起因して様々な分子量等をもつ物質
からなる産物であるのが実情である。微量で生物活性を
持ち、完全な分離精製が困難であることから非組換え細
胞(非形質転換体)において普通には随伴するような夾
雑物を、 rヒトTIMPs は含まないと考えられる。特に r
ヒトTIMP-2は、精製単離処理を加えて、変性タンパク質
などを含むことの少ない最終産物として得ることが可能
である。 rヒトTIMP-2は、アレルギー疾患部位に作用し
て、その症状を緩和あるいは進行の阻止、又はアレルギ
ーの抑制活性を確認できるに十分な量及び純度で得ら
れ、更に医薬の製造承認に必要とされる動物実験や臨床
試験に用いることのできるに十分な量及び純度で得られ
るという特性が認められ、医薬の有効成分として優れて
いる。
【0029】本発明で用いるTIMPs としては、遊離のも
のであってもよいし、その塩であってもよく、TIMPs タ
ンパク質の塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)と
の塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。本
発明で用いるTIMPs は、安定化剤、pH調節剤、塩類を
含有しているものであってよい。安定化剤としては、グ
リシンなどのアミノ酸あるいはその塩、ブドウ糖、ショ
糖などの糖、マンニトール、ソルビトールなどの糖アル
コール、オリゴ糖、多糖、アルブミン、ゼラチン、グロ
ブリン、プロタミンなどのタンパク質、ペプチドなどが
挙げられる。pH調節剤としては、塩酸、硫酸、燐酸、
炭酸などの無機酸、クエン酸などの有機酸、あるいはそ
れらの塩が挙げられる。塩類としては、塩化ナトリウ
ム、リン酸塩などが挙げられる。その他、医薬品に配合
されて用いることが知られているものから適宜必要に応
じ選択してそこに配合されて用いられていてよい。
【0030】本発明で用いるTIMPs は、当該分野で知ら
れている抗アレルギー薬及び抗喘息薬からなる群から選
ばれた薬物と配合して用いることができる。該抗アレル
ギー薬及び抗喘息薬としては、例えば、クロモグリク酸
ナトリウム (1,3-ビス (2-カルボキシクロモン-5- イル
オキシ)-2-ヒドロキシプロパンジナトリウム塩), トラ
ニラスト (N-(3,4- ジメトキシシンナモイル) アントラ
ニル酸),フマル酸ケトチフェン, 塩酸アゼラスチン, オ
キサトミド, アンレキサノクス, テルフェナジン, レピ
リナスト, イブジラスト, タザノラスト, ペロミラス
ト, 金チオリンゴ酸ナトリウム, オーロチオグルコース
などの金製剤, γ−グロブリン製剤, MS-アンチゲン,
酢酸コルチゾン, ヒドロコルチゾン, トリアムシノロ
ン, デキサメタゾン, 酢酸パラメタゾン, プレドニゾロ
ン, メチルプレドニゾロン, プロピオン酸ベクロメタゾ
ン, 塩酸シプロヘプタジン, 塩酸ホモクロルシクリジン
などが挙げられる。
【0031】さらに、本発明で用いるTIMPs は当該分野
で知られている気管支拡張薬、例えば、エフェドリン,
硫酸オルシプレナリン, 塩酸クレンブテロール, 塩酸ク
ロルプレナリン, 硫酸サルブタモール, 臭化水素酸フェ
ノテロール, 塩酸ツロブテロール, 硫酸テルブタリン,
塩酸トリメトキノール, 塩酸ピルブテロール, フマル酸
フォルモテロール, 塩酸プロカテロール, 硫酸ヘキソプ
レナリン, 塩酸マブテロール, メシル酸ビトルテロール
などのβ2 刺激薬, テオフィリン, プロキシフィリンな
どのキサンチン系薬, 臭化イプラトロピウムなどの抗コ
リン薬, ミダグリゾールなどのα2 遮断薬, 塩酸メトキ
シフェナミンなど; 当該分野で知られている鎮咳剤、例
えば、オキシメテバノール, クエン酸イソアミニル, ク
エン酸オキセラジン, クエン酸カルベタペンテン, 塩酸
クロフェダノール, 塩酸クロブチノール, 塩酸クロペラ
スチン, 臭化水素酸デキストロメトルファン, 塩酸ホミ
ノベン, リン酸ジモルファン, リン酸ベンプロペリンな
ど; 当該分野で知られている去痰剤、例えば、リゾチー
ム, 塩酸ブロムヘキシン, セラペプターゼ, プロナー
ゼ, アセチルシステイン, カルボシステイン, 塩酸アン
ブロキソール, 塩酸L-エチルシステイン, 塩酸エプラジ
ノン, グアイフェネシン, ヒベンズ酸チペピジンなど;
当該分野で知られている抗ヒスタミン剤、例えば、塩酸
イソチペンジル, 塩酸クレミゾール, 塩酸ジフェニルピ
ラリン, 塩酸ジフェンヒドラミン, 酒石酸アリメマジ
ン, 塩酸トリプロリジン, ナパジシル酸メブヒドロリ
ン, フマル酸クレマスチン, 塩酸プロメタジン, マレイ
ン酸クロルフェニラミン, マレイン酸ジメチンデン, メ
キタジンなど; 当該分野で知られている消炎剤、抗菌
剤、抗生物質からなる群から選ばれた薬物と配合して用
いることもできる。
【0032】本発明においてTIMPs を前述したような医
薬組成物又は医薬調製物として投与する際は、通常単独
或いは薬理的に許容される各種製剤補助剤と混合して、
経口的又は非経口的な使用に適した製剤調製物の形態で
投与される。非経口的な投与形態としては、局所、経
皮、静脈内、筋肉内、皮下、皮内もしくは腹腔内投与を
包含し得るが、患部への直接投与も可能であり、またあ
る場合には好適でもある。好ましくはヒトを含む哺乳動
物に経口的に、あるいは非経口的(例、細胞内、組織
内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、胸腔内、脊
髄腔内、点滴静脈内、注腸、経直腸、点眼や点鼻、皮膚
や粘膜への塗布など)に投与することができるものが挙
げられる。
【0033】例えば、適宜必要に応じて生理学的に認め
られる担体、香味剤、香料、甘味剤、賦形剤、ベヒク
ル、アジュバント、希釈剤、防腐剤、安定化剤、結合
剤、pH調節剤、緩衝剤、界面活性剤、基剤、溶剤、充
填剤、増量剤、溶解補助剤、可溶化剤、等張化剤、乳化
剤、懸濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸
収剤、粘着剤、弾性剤、可塑剤、崩壊剤、噴射剤、保存
剤、抗酸化剤、遮光剤、保湿剤、緩和剤、帯電防止剤、
無痛化剤などを単独もしくは組合わせて用い、それとと
もに本発明のTIMPs を混和することによって、一般に認
められた製剤実施に要求される単位用量形態にして製造
することができる。
【0034】これら製剤における有効成分量は指示され
た範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
具体的な製剤調製物の形態としては、溶液製剤、分散製
剤、半固形製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤など
が挙げられ、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣を施した
剤、丸剤、トローチ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、
マイクロカプセル剤、埋込剤、粉末剤、散剤、顆粒剤、
細粒剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、灌注剤、シロッ
プ剤、水剤、乳剤、懸濁剤、リニメント剤、ローション
剤、エアゾール剤、スプレー剤、吸入剤、噴霧剤、軟膏
製剤、硬膏製剤、貼付剤、パスタ剤、パップ剤、クリー
ム剤、油剤、坐剤(例えば、直腸坐剤)、チンキ剤、皮
膚用水剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、塗布剤、輸液剤、
注射用液剤などのための粉末剤、凍結乾燥製剤等が挙げ
られる。
【0035】経口的使用に適した製剤としては、例えば
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのような
固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状
組成物等が挙げられる。前記固形組成物を製剤調製する
際は、製剤補助剤として、例えば、乳糖、結晶セルロー
ス、微結晶セルロース、セラックなどの担体;デキスト
リン、白糖、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース (HPC)、カルボキシメチルセルロース (CMC)、ア
ラビアゴム、トラガント、炭酸カルシウム、ゼラチン、
トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、水、エ
タノール、ブドウ糖液、デンプン液のような結合剤;ト
ウモロコシデンプンなどのデンプン、乳糖、白糖、ブド
ウ糖、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、カルボキシメ
チルセルロース (CMC)、ケイ酸のような賦形剤;トウモ
ロコシデンプン、バレイショデンプンなどのデンプン、
アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、セ
ラック、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナ
トリウム、トラガント、リン酸カルシウムのような崩壊
剤;ステアリン酸マグネシウムといったステアリン酸塩
(Al, K, Na, Ca, Mg)、軽質無水珪酸、合成ケイ酸アル
ミニウム、タルク、微結晶セルロースのような滑沢剤;
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アル
キル硫酸塩類のような界面活性剤;ゼラチンのようなカ
プセル基剤;ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘
味剤;ペパーミント、ケイヒ油、オレンジ油、スペアミ
ント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤;その
他風味剤、崩壊抑制剤、吸収促進剤、安定化剤、保存
剤、粘稠剤などを使用することができる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。また、
前記液状組成物を製剤調製する際は、製剤補助剤とし
て、ソルビトール、ゼラチン、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、植物油の他、乳化剤、甘味
剤、風味剤、吸収促進剤、安定化剤、保存剤などを使用
することができる。これらの製剤は、通常本発明化合物
を 0.1〜95重量%含有するように調製される。
【0036】非経口的使用に適した製剤としては、水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤など、例えば注射剤等が挙げられ
る。注射剤を調製する際は、蒸留水、生理食塩水のよう
な担体を使用して溶液、懸濁液、エマルジョンのごとき
注射しうる形に調製する。注射のための無菌組成物は注
射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油
などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させ
るなどの通常の製剤実施にしたがって処方することがで
きる。この場合、防腐剤としてのベンジルアルコール、
抗酸化剤としてのアスコルビン酸など薬理的に許容され
る緩衝液又は浸透圧調節のための試薬を含有してもよ
い。
【0037】注射用の水性液としては、例えば生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、
D-ソルビトール、D-マンニトール、塩化ナトリウムな
ど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、たとえばアル
コール(たとえばエタノールなど)、ポリアルコール
(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなど)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソル
ベート 80 (TM), HCO-50など)などと併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油などが挙げられ、溶解補
助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなど
と併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩
衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調整された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えば温血哺乳動物(例えば、ヒトなど)などに
対して投与することができる。
【0038】非経口投与には、界面活性剤及びその他の
薬学的に許容される助剤を加えるか、あるいは加えず
に、水、エタノール又は油のような無菌の薬学的に許容
される液体中の溶液あるいは懸濁液の形態に製剤化され
る。製剤に使用される油としては、天然、半合成あるい
は合成の油脂類が挙げられ、例えばピーナッツ油、トウ
モロコシ油、大豆油、ゴマ油などの植物油が挙げられ
る。一般的には、水、食塩水、デキストロース水溶液、
その他関連した糖の溶液、エタノール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類が
好ましい注射剤用液体担体として挙げられる。この注射
剤は、通常本発明化合物を0.1 〜10重量%程度含有する
ように調製される。
【0039】局所的又は直腸的使用に適した製剤として
は、例えば点眼剤、吸入剤、軟膏剤、坐剤等が挙げられ
る。点眼剤としては、薬理的に許容される担体を用いて
慣用の方法により調製される。吸入剤としては、本発明
化合物自体又は薬理的に許容される不活性担体とともに
エアゾール又はネブライザー用の溶液に溶解させるかあ
るいは、吸入用微粉末として呼吸器官へ投与できる。軟
膏剤は、通常使用される基剤、例えば、軟膏基剤(白色
ワセリン、パラフィン、オリーブ油、マクロゴール400
、マクロゴール軟膏など)等を添加し、慣用の方法に
より調製されるが、通常本発明化合物を0.1〜30重
量%程度含有するように調製される。坐剤は、当該分野
において周知の担体、例えばポリエチレングリコール、
ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等を使用
して慣用の方法により調製されるが、通常本発明化合物
を0.1 〜95重量%程度含有するように調製される。
【0040】該TIMPs は、その投与量を広範囲にわたっ
て選択して投与できるが、その投与量及び投与回数など
は、処置患者などの症状、性別、年齢、投与方法などに
応じて決めることが可能である。該TIMPs の投与量は、
症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的
に成人(60kgとして)においては、一日につき約0.
01 mg 〜1 g 、好ましくは約0.1 〜500 mg、より好まし
くは約1.0 〜100 mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、たとえば注射剤の形では
通常成人(60 kgとして)においては、一日につき約0.0
01 〜30 mg 程度、好ましくは約0.01〜20mg 程度、より
好ましくは約0.1 〜10 mg 程度を静脈注射により投与す
るのが好都合である。他の動物の場合も、60 kg 当たり
に換算した量を投与することができる。
【0041】医薬品製造にあたっては、その添加剤等や
調製法などは、例えば日本薬局方解説書編集委員会編、
第十三改正 日本薬局方解説書、平成8年7月10日発
行、株式会社廣川書店;一番ヶ瀬 尚 他編 医薬品の
開発12巻(製剤素剤〔I〕)、平成2年10月15日
発行、株式会社廣川書店;同、医薬品の開発12巻(製
剤素材〔II〕)平成2年10月28日発行、株式会社廣
川書店などの記載を参考にしてそれらのうちから必要に
応じて適宜選択して適用することができる。なお、明細
書及び図面において、用語は、IUPAC-IUB Commission o
n Biochemical Nomenclatureによるか、あるいは当該分
野において慣用的に使用される用語の意味に基づくもの
である。
【0042】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されず、本明細書
の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解
されるべきである。なお、以下の実施例において、特に
指摘が無い場合には、具体的な操作並びに処理条件など
は、DNA クローニングでは T. Maniatis et al.,"Molec
ularCloning", 2nd ed., Cold Spring Harbor Laborato
ry, Cold Spring Harbor,N. T. (1989) 及び D. M. Gl
over et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed.,Vol. 1 to
4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxf
ordUniversity Press (1995) ; 特にPCR 法では、H. A.
Erlich ed., PCRTechnology, Stockton Press, 1989 ;
D. M. Glover et al. ed., "DNACloning", 2nd ed., V
ol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press,
Oxford University Press (1995) 及び M. A. Innis e
t al. ed., "PCRProtocols", Academic Press, New Yor
k (1990) に記載の方法に準じて行っているし、また市
販の試薬あるいはキットを用いている場合はそれらに添
付の指示書(protocols) や添付の薬品等を使用してい
る。
【0043】
【実施例1】 ヒトTIMP-1の調製 ヒトTIMP-1は、例えばKodama et al., Collagen Rel. R
es., 7, 341-350,1987に記載の方法に従い、ヒト正常歯
肉線維芽細胞(Gin-1細胞) のコンディション培養液より
Ultrogel AcA44 (LKB)、Con A セファロース、抗ウシTI
MP-1モノクローナル抗体( 例えば特開昭63-219392 号公
報に開示のクローン番号7-21B12 など、ヒトTIMP-1と交
差反応性の認められるもの) 結合セファロース4B・アフ
ィニティーカラムを用いて精製し、最後に、35℃、3
0分間、4Mグアニジン塩酸中で処理した後、Bio-gel
P60 ゲルろ過カラムに供し、ヒトTIMP-1に結合している
可能性のあるタンパク質性因子を解離、分画により除去
し調製した。
【0044】
【実施例2】 ヒトTIMP-2の調製 ヒトTIMP-2は、例えばFujimoto et al., Clin. Chim. A
cta, 220, 31-45,1993および特開平6-300757号公報に記
載の方法に従い、ヒト胎盤を細断後、緩衝液中で攪拌
し、得られた上清を抗ヒトTIMP-2モノクローナル抗体(
例えば特開平5-244985号公報に開示のクローン番号67-4
H11 など) 結合セファロース4B・アフィニティーカラム
に供した後、Ultrogel AcA44(LKB) ゲルろ過カラムを用
いて調製した。
【0045】
【実施例3】 rヒトTIMP-1の調製 rヒトTIMP-1は、例えば、特開平5-199868号公報に記載
の方法に準じて調製した。ヒト正常歯肉線維芽細胞 (Gi
n-1 細胞) より調製した全ポリ (A)+ mRNAを鋳型、オリ
ゴdT(15 〜18個) をプライマーとした逆転写反応により
1st strand cDNAの合成を行い、次にPCR プライマー、
例えばプライマーT1F1; 5'-ATGGCCCCCTTTGAGCCCCTG-3' 及びT1R1; 5'-CAGGATTCAGGCTATCTG-3' を用いPCR 反応により適宣ヒトTIMP-1遺伝子の増幅を行
い、得られたヒトTIMP-1遺伝子を適当なクローニングベ
クター、例えば pUC13にサブクローニング後、発現ベク
ターpMEMneo (Lee et al., Nature, 294, 228-232, 198
1)にクローニングし、一般的なリン酸カルシウム共沈法
等により pSV2-dhfrプラスミドDNA (Subramani et al.,
Mol. Cell Biol., 9, 854-864, 1981) と共に CHO (dh
fr- ) 細胞に導入した。ヒトTIMP-1遺伝子導入 CHO細胞
等の形質転換体をマイクロキャリヤー培養や高密度連続
培養など適当な方法で培養し、得られたコンディション
培養液から rヒトTIMP-1を調製する。
【0046】調製された rヒトTIMP-1は、ドデシル硫酸
ナトリウム- ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE, 1
2%均一ゲル、還元条件) 上で約30kDa の単一バンドとし
て認められ、ペルオキシダーゼ(HRP) 標識マウス抗ヒト
TIMP-1モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッテ
ィング法においても約30kDa の単一バンドとして認めら
れた。 rヒトTIMP-1のヒト線維芽細胞(CCD-41SK 細胞)
由来MMP-1 に対する阻害活性のIC50は約1 ×10-9 Mであ
った。
【0047】
【実施例4】 rヒトTIMP-2の調製 rヒトTIMP-2は、例えば Aoki らの方法(Connective Tis
sue, 26, 281-290,1995)に準じて調製した。ヒトGin-1
細胞より調製した全ポリ(A) + mRNAを鋳型、オリゴdT(1
5 〜18個) をプライマーとした逆転写反応により 1st s
trand cDNAの合成を行い、次にPCR プライマー、例えば
プライマーT2F7; 5'-AAAGTCGACCATGGGCGCCGCGGCCCGCACCCT-3' 及びプライマーT2R5; 5'-TTAAGATCTGTCGACTTAAGGATCCTCGATATCGAGGAATTCTTGC-
3' を用いPCR 反応により適宣ヒトTIMP-2遺伝子の増幅を行
い、得られたヒトTIMP-2遺伝子を適当なクローニングベ
クター、例えば pUC13にサブクローニング後、発現ベク
ターpKG5にクローニングし、一般的なリン酸カルシウム
共沈法等により pSV2-dhfrプラスミドDNA と共に CHO
(dhfr- ) 細胞に導入した。TIMP-2遺伝子導入 CHO細胞
等の形質転換体をマイクロキャリヤー培養や高密度連続
培養など適当な方法で培養し、得られたコンディション
培養液から rヒトTIMP-2を調製した。調製された rヒト
TIMP-2は、SDS-PAGE(12%均一ゲル、還元条件) 上で約24
kDaの単一バンドとして認められ、HRP 標識マウス抗ヒ
トTIMP-2モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッ
ティングにおいても約24kDa の単一バンドとして認めら
れた。 rヒトTIMP-2のヒト線維芽細胞(CCD-41SK 細胞)
由来ヒトMMP-1 に対する阻害活性のIC50は約1.1 ×10-9
Mであった。
【0048】
【実施例5】 rヒトTIMP-1含有剤の炎症細胞浸潤抑制
効果 予め卵白アルブミン (ovoalbumin, OVA)を腹腔内投与
(8 μg/0.5 ml/ マウス) し感作した被験マウス(Balb/c
マウス、♀、週令6〜8、体重20〜22 g)を、12
日後、OVA 水溶液(5mg/ml)を噴霧機により1時間吸入さ
せた。さらに4時間後、OVA 水溶液 (5 mg/ml)を噴霧機
により1時間吸入させ、 rヒトTIMP-1 (25μg/25μl/マ
ウス) またはコントロールとして生理食塩液をマウス鼻
腔内にOVA 吸入1時間前に投与した。さらに12時間毎
に計6回投与した。最後の rヒトTIMP-1投与後12時間
後に、肺−気管を丁寧に切り出し、気管開口部にカテー
テル( 径: 0.965 mm) を挿入し、ひもで外れないように
縛り、1ml注射筒にて300μl のハンクス緩衝液を注入
した。この溶液を回収し、気管支肺胞洗浄液(bronchoal
veolar lavage fluid, BAL) とした。遠心分離によりBA
L 液中の浸潤細胞を沈殿させ全細胞数を測定し、さらに
その一部をガラススライドに薄く敷き、ディフクイック
液により染色後、リンパ球、好酸球、マクロファージ、
好中球の割合を顕微鏡下で測定した。図1は rヒトTIMP
- 1 投与群と生理食塩液投与群(コントロール)各々に
ついてBAL 液中の細胞数を比較したものであり、 rヒト
TIMP-1投与群において気管支に浸潤した全細胞数、マク
ロファージ数、および好酸球数が有意に抑制されたこと
を示すものである。
【0049】
【実施例6】 rヒトTIMP-2含有剤の炎症細胞浸潤抑制
効果-I 予めOVA を皮下投与(8μg/ 0.5 ml/マウス) し感作し
た被験マウス(Balb/cマウス、♀、週令6〜8、体重2
0〜22g ) に、24時間後OVA 水溶液 (5 mg/ml)を噴
霧機により1時間吸入させた。さらに4時間後、OVA 水
溶液 (5 mg/ml) を噴霧機により1時間吸入させ、 rヒ
トTIMP-2 (25μg/25μl/マウス) またはコントロールと
して生理食塩液をマウス鼻腔内にOVA 吸入1時間前に投
与し、さらに12時間毎に6回投与した。最後の rヒト
TIMP-2投与後12時間後に、肺−気管を丁寧に切り出
し、気管開口部にカテーテル (径: 0.965 mm) を挿入
し、ひもで外れないように縛り、1ml注射筒にて300 μ
l のハンクス緩衝液を注入しBAL とした。遠心分離によ
りBAL 液中の浸潤細胞を沈殿させ全細胞数を測定し、そ
の一部をガラススライドに薄く敷き、ディフクイック液
により染色後、リンパ球、好酸球、マクロファージ、好
中球の割合を顕微鏡下で測定した。図2は rヒトTIMP-2
投与群と生理食塩液投与群(コントロール)各々につい
てBAL 液中の細胞数を比較したものであり、 rヒトTIMP
-2投与群において気管支に浸潤した全細胞数、マクロフ
ァージ数、及び好酸球数が有意に抑制されたことを示す
ものである。
【0050】
【実施例7】 rヒトTIMP-2含有剤の炎症細胞浸潤抑制
効果-II 予めOVA を皮下投与(8μg/0.5 ml/ マウス) し感作した
被験マウス(Balb/cマウス、♀、週令6〜8、体重20
〜22g ) に、12日後OVA 水溶液 (5 mg/ml)を噴霧機
により1時間吸入させた。さらに4時間後、OVA 水溶液
(5 mg/ml)を噴霧機により1時間吸入させ、 rヒトTIM
P-2 (25μg/25μl/マウス) または生理食塩液をマウス
鼻腔内にOVA 吸入1時間前に投与し、さらに12時間毎
に6回投与した。最後の rヒトTIMP-2または生理食塩液
投与後12時間後に、気管を丁寧に切り出し、PLP 固
定、ショ糖脱水し、OCT コンパウンドに凍結包埋した。
包埋気管より厚さ5 μm の切片を切り出し、ディフクイ
ック液により染色後、気管粘膜に浸潤している好酸球数
を顕微鏡下で測定した。図3は rヒトTIMP-2投与群と生
理食塩液投与群各々について気管粘膜に浸潤している好
酸球を上皮基底膜長 (1 mm) 当たりの数で比較した棒グ
ラフであり、上皮基底膜長当たりの浸潤好酸球数が、 r
ヒトTIMP-2投与群において有意に抑制されたことを示す
ものである。
【0051】
【実施例8】 rヒトTIMP-2含有剤の気管支喘息治療効
果 予めOVA を皮下投与(8μg/0.5 ml/ マウス) し感作した
被験マウス(Balb/cマウス、♀、週令6〜8、体重20
〜22g ) に、12日後OVA 水溶液 (5 mg/ml)を噴霧機
により1時間吸入させた。さらに4時間後、OVA 水溶液
(5 mg/ml)を噴霧機により1時間吸入させ、 rヒトTIM
P-2 (25μg/25μl/マウス) または生理食塩液をマウス
鼻腔内にOVA 吸入1時間前に投与し、さらに12時間毎
に6回投与した。このように処理した被験マウスにおい
て、気管支喘息の指標である気道過敏性の程度を検討し
た。対照として、OVA 感作後12日後、生理食塩液を吸
入させ、生理食塩液を鼻腔内投与したマウスの気道過敏
性の測定を行った。OVA または生理食塩液の吸入3日
後、マウスをペントバルビタール (50 mg/kgマウス) 麻
酔、気管切開し、内径1.03 mm カヌラを挿入した。カヌ
ラはニューモタコメータに接続し、気道の呼吸気流速を
測定した。また、これを積分し、呼吸気量を得た。胸腔
内圧変化は食道に挿入したカテーテルと圧トランスデュ
ーサーにより得た。Mead らの方法 (J. Appli. Physio
l., 1953, 5, 779-796) に従い、呼気および吸気流量の
中間点における呼吸気流速差と胸腔内圧差から肺抵抗
(RL ) を算出した。
【0052】気道過敏性は、生理食塩液および種々の濃
度のメサコリン(0.1〜30 mg/kgマウス) を皮下注入した
時の RL の上昇の程度として評価した。図4はその結果
をまとめたものであり、対照とした生理食塩液吸入およ
び生理食塩液鼻腔内投与したマウスでは、メサコリン濃
度10 mg/kgまで RL は殆ど上昇しないのに対し、OVA 感
作、OVA 吸入、生理食塩液鼻腔内投与マウスでは、より
低濃度のメサコリン濃度で RL 上昇が認められた。メサ
コリン濃度10 mg/kgで、両群の RL 上昇の程度に差が認
められ、OVA 感作、OVA 吸入、生理食塩液鼻腔内投与マ
ウスで気道過敏性が亢進したことを示す。これに対し、
OVA 感作、OVA 吸入、 rヒトTIMP-2鼻腔内投与マウスで
は、低濃度のメサコリンにより RL が抑制され、対照マ
ウスとほぼ同程度の RL 上昇となり、メサコリン濃度10
mg/kgでのRL 上昇が有意に低下した。これは、OVA 吸
入による気道過敏性の亢進が rヒトTIMP-2によりほぼ完
全に抑制されたことを示す。TIMPs、例えば、 rヒトTIM
P-1及び rヒトTIMP-2は、有意な抗アレルギー活性、特
には抗I型アレルギー作用を示していると判断される。
またTIMPs 、例えば、rヒトTIMP-1及び rヒトTIMP-2
は、有意な抗炎症作用を有していると判断される。同様
に、TIMPs 、例えば、 rヒトTIMP-1及び rヒトTIMP-2
は、気管支喘息に対して有意な改善作用が認められる。
TIMPs 、例えば、 rヒトTIMP-1及び rヒトTIMP-2は、患
部における、リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球
及びマクロファージなど、特にマクロファージ、好酸球
などの細胞の細胞数を抑制する活性を有しているし、リ
ンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球及びマクロファ
ージなどの細胞が、患部へ移動、浸潤あるいは集積する
のを抑制する作用を有している。したがって、各種医薬
用途に使用できる。
【0053】
【調剤例1】 rヒトTIMP-2含有液剤の調製 処方例(1回量): rヒトTIMP-2 20μg ヒト血清アルブミン 0.05 g 乳糖 1g 注射用生理食塩液 適量 全量 50 ml 以上の成分を溶解して注射剤を調製した。
【0054】
【調剤例2】 rヒトTIMP-1含有軟膏の調製 軟膏製剤としては、公知公用の各種軟膏基剤を使用する
ことができるが、例えば rヒトTIMP-1をマクロゴール軟
膏に加えて以下の様にして製剤化することができる。マ
クロゴール400 及びマクロゴール4000の同量から製した
マクロゴール軟膏にパラオキシ安息香酸エチル5 mg及び
実施例3で得られた rヒトTIMP-1 1 mg を加え全量を10
gとし、常法により均一に混合して軟膏剤を調製した。
【0055】
【調剤例3】 rヒトTIMP-2含有軟膏の調製 rヒトTIMP-2含有軟膏は、調剤例2に記載の方法と同様
にして実施例4で得られた rヒトTIMP-2をマクロゴール
軟膏に加えて製剤化することができる。
【0056】
【調剤例4】 rヒトTIMP-1含有液剤の調製 0.005 %塩化ベンザルコニウム含有生理食塩水 (0.005
%塩化ベンザルコニウム含有 0.15 M NaCl溶液、pH 7.
2) に、実施例3で得られた rヒトTIMP-1を最終濃度0.1
%となるように加え調製する。調製した液剤は、ポア
サイズ0.1 μmのメンブレンフィルターで滅菌した後、
使用時まで冷蔵(4℃)で保存した。
【0057】
【調剤例5】 rヒトTIMP-2含有液剤の調製 rヒトTIMP-2含有液剤は、調剤例4に記載の方法と同様
にして実施例4で得られた rヒトTIMP-2を用いて製剤化
することができる。
【0058】
【調剤例6】 rヒトTIMP-1含有錠剤の調製 1.0 mg の rヒトTIMP-1を含有する錠剤を常法により製
造した。処方例を以下に示す。 rヒトTIMP-1 30.0 mg ヒドロキシプロピルセルロース 5.0 mg ステアリン酸マグネシウム 0.5 mg トウモロコシデンプン 24.5 mg 乳糖 適量 合計 150.0 mg
【0059】
【調剤例7】 rヒトTIMP-2含有錠剤の調製 0.5 mg の rヒトTIMP-2を含有する錠剤を常法により製
造した。処方例を以下に示す。 rヒトTIMP-2 20.0 mg 微粉末セルロース 25.0 mg トウモロコシデンプン 40.0 mg タルク 5.0 mg ステアリン酸マグネシウム 0.5 mg 乳糖 適量 合計 170.0 mg
【0060】
【調剤例8】 rヒトTIMP-1含有吸入用粉末剤の調製1.
5 gの rヒトTIMP-1と 60 g の乳糖を微粉末にし、均一
な混合物となるように攪拌して粉末剤を調製し、常法に
よりカプセルに充填し、各カプセルに 500μg の rヒト
TIMP-1を含むようにする。吸入は、粉末吸入容器にカプ
セルを充填して行う。
【0061】
【調剤例9】 rヒトTIMP-2含有吸入用粉末剤の調製 下記処方にて各種成分を微粉末にし、均一な混合物にな
るように攪拌して粉末剤を調製する。 rヒトTIMP-2 2.0 g デンプン 30.0 g タルク 5.0 g ステアリン酸マグネシウム 1.0 g 乳糖 適量 合計 100.0 g
【0062】
【発明の効果】本発明により、TIMPs を主たる有効成分
とする抗アレルギー作用、抗炎症作用、気管支喘息の治
療及び/又は予防活性を有する医薬組成物が提供され
る。TIMPs から成る群から選ばれた少なくとも一つのTI
MP、特に rヒトTIMP-1や rヒトTIMP-2を有効成分として
含有する医薬は、アレルギー治療、特にはI 型アレルギ
ー疾患患者の患部あるいはI 型アレルギー症に感受性の
者の所定部位に適用されて優れた作用・効果を奏してい
る。特には気管支喘息の治療に有効であり、且つ予防的
治療によりアレルギー症状を軽減するのに用いることが
できる。rTIMPsから成る群から選ばれた少なくとも一つ
のTIMP、特に rヒトTIMP-1や rヒトTIMP-2を有効成分と
する本発明の医薬は、炎症の治療及び/又は予防におい
て優れた作用を有している。さらに本発明に従ったTIMP
s から成る群から選ばれた少なくとも一つのTIMPを有効
成分とする医薬は、それを適用することにより、 (A)患
部における、リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基
球、マクロファージなどの細胞の細胞数を抑制するか、
及び/又は (B)患部への、リンパ球、マスト細胞、好酸
球、好塩基球、マクロファージなどの細胞の移動、浸潤
あるいは集積を抑制することから、当該患部の疾患ある
いは病的な状態の治療及び/又は予防に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験的気管支喘息モデルでの rヒトTIMP-1投与
による気管支に浸潤した炎症性細胞数の差を示す。
【図2】実験的気管支喘息モデルでの rヒトTIMP-2投与
による気管支に浸潤した炎症性細胞数を示す。
【図3】実験的気管支喘息モデルでの rヒトTIMP-2投与
による気管支上皮基底膜に浸潤した炎症性細胞数の上皮
基底膜長当たりの数を示す。
【図4】実験的気管支喘息モデルでの rヒトTIMP-2投与
による気道過敏性の回復( 症状改善) を示す。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 信司 宮城県仙台市泉区黒松1丁目7番16号 (72)発明者 大河原 雄一 宮城県仙台市青葉区上杉2丁目4番44号 ファミールグラン上杉2丁目1201号 (72)発明者 新谷 孝 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA44 CA53 DC32 MA13 MA17 MA22 MA23 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA38 MA41 MA43 MA44 MA52 MA56 MA58 MA59 MA60 MA63 MA66 MA67 NA14 ZA592 ZB112 ZB131 ZB132

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ類からなる群から選ばれた少なくとも一つ
    のティシュ インヒビターを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする抗アレルギー剤。
  2. 【請求項2】 アレルギー症状がI型アレルギーである
    ことを特徴とする請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 アレルギー症状が (1)リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球又はマク
    ロファージなどの細胞により引き起こされるものである
    こと; (2)好酸球の患部への移動、浸潤あるいは集積を特徴と
    するものであること; (3)炎症であること; 及び (4)気管支喘息であることからなる群から選ばれたもの
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の剤。
  4. 【請求項4】 アレルギー症状が (A)好酸球又はマクロファージにより引き起こされるも
    のであること; (B)好酸球により引き起こされる炎症であること; 及び (C)気道で好酸球又はマクロファージにより引き起こさ
    れる炎症であることからなる群から選ばれたものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の剤。
  5. 【請求項5】 アレルギーの治療においてアレルギー症
    状の発生予防及び該症状の軽減を図るための予防的治療
    を含む用途で用いられるものであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一記載の剤。
  6. 【請求項6】 (a)好酸球の患部への移動、浸潤あるい
    は集積を抑制すること; (b)気管支喘息の症状を軽減あるいは予防すること; 及
    び (c)気管支喘息の症状により悪化した気道過敏性を回復
    させることからなる群から選ばれた生物学的活性を有す
    るものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    一記載の剤。
  7. 【請求項7】 ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ類からなる群から選ばれた少なくとも一つ
    のティシュ インヒビターを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする抗炎症剤。
  8. 【請求項8】 (A)好酸球により引き起こされる炎症で
    あること; 及び(B)気道で好酸球又はマクロファージに
    より引き起こされる炎症であることからなる群から選ば
    れたものであることを特徴とする請求項7記載の剤。
  9. 【請求項9】 ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ類からなる群から選ばれた少なくとも一つ
    のティシュ インヒビターを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする気管支喘息の治療又は予防剤。
  10. 【請求項10】 (1) ティシュ インヒビター オブ メ
    タロプロテアーゼ類からなる群から選ばれた少なくとも
    一つのティシュ インヒビターを有効成分として含有
    し、且つ(2) リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球
    及びマクロファージからなる群から選ばれた細胞の、患
    部における細胞数を抑制することを特徴とする治療又は
    予防のための医薬用剤。
  11. 【請求項11】 (1) ティシュ インヒビター オブ メ
    タロプロテアーゼ類からなる群から選ばれた少なくとも
    一つのティシュ インヒビターを有効成分として含有
    し、且つ(2) リンパ球、マスト細胞、好酸球、好塩基球
    及びマクロファージからなる群から選ばれた細胞の、患
    部への移動、浸潤あるいは集積を抑制することを特徴と
    する治療又は予防のための医薬用剤。
  12. 【請求項12】 有効成分として (1)ティシュ インヒビター オブ メタロ プロテア
    ーゼ-1; 及び (2)ティシュ インヒビター オブ メタロ プロテア
    ーゼ-2 からなる群から選ばれたものを含有することを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれか一記載の剤。
  13. 【請求項13】 ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ-1及びティシュ インヒビター オブ
    メタロ プロテアーゼ-2の混合物を有効成分とすること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか一記載の剤。
  14. 【請求項14】 (1)ティシュ インヒビター オブ メ
    タロ プロテアーゼ-1がリコンビナント ティシュ イ
    ンヒビター オブ メタロ プロテアーゼ-1であるか、
    あるいは (2)ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ-2がリコンビナント ティシュ インヒビ
    ター オブ メタロ プロテアーゼ-2であることを特徴
    とする請求項12又は13記載の剤。
  15. 【請求項15】 (1)リコンビナント ティシュ インヒ
    ビター オブ メタロ プロテアーゼ-1が宿主細胞とし
    て大腸菌、酵母またはチャイニーズハムスター卵巣細胞
    (CHO細胞) 、COS-1 細胞もしくはC127細胞などの動物細
    胞を用いて得られた形質転換体細胞に発現させ、得られ
    た遺伝子産物を精製したものであるか、あるいは (2)リ
    コンビナント ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ-2が宿主細胞として大腸菌、酵母または
    チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞) 、COS-1 細
    胞もしくはC127細胞などの動物細胞を用いて得られた形
    質転換体細胞に発現させ、得られた遺伝子産物を精製し
    たものであることを特徴とする請求項14記載の剤。
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