JP2002531616A - ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂およびその製造方法 - Google Patents

ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂およびその製造方法

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イヴ ヴァンデルヴェーケン
ベルナール ギュネール
ギュイ ローラン
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Abstract

(57)【要約】 ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂の粒子と加工助剤、安定剤、可塑剤および/または他のポリマーから選ばれた粒子との共凝固体の形にあり、各粒子が全体に亘って実質的に均質に分布しているハロゲン含有ビニルポリマー樹脂。これらの共凝固体は、ポリマー粉状物および微小物を実質的に含まず、塊状化および外殻形成も実質的に生じない。これらの共凝固体は、さらに、“直ぐに使用可能”であり、押出前のブレンディングまたは追加成分の添加を必要とせず、良好な流動性、熱安定性および押出加工性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂、とりわけ水性エマルジョン中で
の重合によって調製したハロゲン含有ビニルポリマー樹脂;他のエマルジョンと
の共凝固によるそのような樹脂の製造方法;押出による物品成形におけるそのよ
うな樹脂の使用;並びにそのような樹脂から得られた押出物品に関する。
【0002】 (背景技術) 従来から、水性エマルジョン中での重合により調製したハロゲン含有ビニルポ
リマー樹脂は、凝固させて、より大き目の凝固ポリマー粒子を調製している。そ
の後、エマルジョンの水性成分を凝固ポリマーから除去して、乾燥凝固ハロゲン
含有ビニルポリマー樹脂を得ている。 この方法で調製したポリマー樹脂は、樹脂の微小物および粉状物(一般に、粒
度が約45ミクロン未満の粒子)を含む。
【0003】 押出用のポリマーブレンドを調製するためには、通常、これらの乾燥ハロゲン
含有ビニルポリマー樹脂をブレンダー(ミキサー)内で安定剤、可塑剤、加工助剤
および他のポリマーのような他の材料とブレンドしてポリマーブレンドを調製す
る。次いで、このポリマーブレンドを押出して押出物品を成形する。
【0004】 残念なことに、ポリマー樹脂中の微小物または粉状物の存在は、上記のポリマ
ーブレンドの調製(ブレンディング)および押出時に生ずる幾つかの問題の元であ
る“粘着性”粒子生成の少なくとも部分的な原因となっている。
【0005】 上記微小物および粉状物は、ブレンディング中に暴露される熱、摩擦等の下で
は大き目の粒子よりも速く溶融する傾向を有するため、とりわけ高速ブレンダー
を用いた場合に“粘着性”となりがちである。これらの“粘着性”粒子は、相互
に或いは他の樹脂粒子に対して付着するだけでなくブレンダーのブレードに対し
ても付着しがちである。これら“粘着性”ポリマー微小物および粉状物の相互の
付着は、押出供給物において問題を生じ得る塊状物を生成させる点で問題であり
得る。これら“粘着性”ポリマー微小物および粉状物のブレンダーのブレードへ
の付着は、ブレードを外殻で覆い、重大な投資を行い操業を中断して外殻で覆わ
れたブレードを清浄化しない限り貧弱なブレンド性をもたらし低品質の生成物(
ポリマーブレンド)を生ずる点で問題である。
【0006】 さらにまた、ポリマー樹脂の微小物および粉状物は、ブレンディング中に樹脂
に添加する液体(エポキシ化大豆油および液状可塑剤のような)を吸収する能力が
限られている。このため、安定化の乏しい或いは可塑化の乏しいポリマー樹脂し
か得られない。このことは、液体がブレンド中のポリマー樹脂に十分浸透しない
ような場合、例えば、樹脂がそのような浸透に抵抗性のあるポリ塩化ビニリデン
(PVDC)のようなバリアーポリマー樹脂である場合にとりわけ問題である。
【0007】 加工助剤または他のポリマーのような固形添加剤の添加は、本来的に不均質で
あり且つ押出中の輸送および供給時に色分れ(segregation)を受けるブレンドを
生じ、不均一な供給物を与え、とりわけPVDCの押出を行う場合に望ましくない逆
圧の変動を誘発する。
【0008】 さらに、押出中、ポリマー樹脂の安定化の乏しい微小物と粉状物は、押出フィ
ードホッパー内で色分けする傾向を有し、不均一な供給物を生じ押出機内の逆圧
の変動を誘発する。さらにまた、そのような微小物と粉状物は、押出機内で長い
滞留時間を必要とし、その間、押出機からの熱に暴露されて、暗色または黒色に
変化する傾向を有する。押出製品におけるそのような暗色または黒色粒子の存在
は、とりわけ最終製品がフィルムである場合には、極めて望ましくない。
【0009】 上述の諸問題を回避するために提案された解決法は、多くは、ポリマー樹脂の
“粘着性”粒子の生成を回避すること(ポリマー微小物および粉状物の生成を回
避することでなく)に集中している。特に、エマルジョン重合中のポリマー樹脂
中へのエポキシ化大豆油(ESO)のような安定剤の混入について報告がなされてい
る。しかしながら、そのような解決法は、重合中でのESOの添加(1000部当り4部
ほどの低濃度においてさえも)は、エマルジョン調製中においてさえも、オート
クレーブ内にスラッジの生成をもたらすことから、問題解決に全く満足できるも
のではない。そのようなスラッジは、その後のプロセスおよびそれからの押出製
品に決定的に影響を及ぼす。
【0010】 かくして、粉状物および微小物を実質的に含まないハロゲン含有ビニルポリマ
ー樹脂、とりわけ、ESOのような熱安定剤を混入させたそのようなポリマー樹脂
を提供することが大いに望まれている。
【0011】 従って、水性エマルジョン中での重合によって調製され、得られるポリマー樹
脂がポリマー微小物および粉状物を実質的に含まないハロゲン含有ビニルポリマ
ー樹脂、とりわけ塩化ビニリデンポリマー樹脂を提供することによって上述の諸
問題に対する解決法を提供することが求められている。さらに、ESOのような熱
安定剤を混入させ、得られる樹脂が良好な熱安定性、流動性および押出加工性を
有し且つ通常のポリマー樹脂よりも塊状化する傾向の少ないそのような実質的に
微小物および粉状物を含まないポリマー樹脂を提供することが求められている。
【0012】 (発明の開示) 本発明の主目的は、改良された熱安定性、流動性および押出加工性を有し且つ
通常のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂よりも塊状化する傾向の少ないハロゲン
含有ビニルポリマー樹脂を提供することである。 この点に関しては、加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および/ま
たは他のポリマーのような所望の添加剤を混入させて、そのような添加剤を後で
添加する必要がなく、樹脂のブレンディングを回避し、且つ“直ぐに使用可能な
”樹脂(即ち、さらなる処理、混合または他の加工を何ら必要としないで直接使
用できる樹脂)を提供できるようにしたそのような樹脂を提供することも、さら
なる主目的である。
【0013】 本発明のさらなる主目的は、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂とこれに含ませ
ることが望まれる加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および/または
他のポリマーのような他の物質との実質的に均質な分布を有する共凝固体の形の
そのようなポリマー樹脂を提供することである。 本発明のさらなる主目的は、ポリマー微小物および粉状物を実質的に含まない
そのようなハロゲン含有ビニルポリマー樹脂を提供することである。
【0014】 本発明のさらなる主目的は、そのようなハロゲン含有ビニルポリマー樹脂およ
びそのような共凝固体の調製方法を提供することである。この点に関しては、本
発明のさらなる主目的は、ブレンディングの必要のない或いはブレンディング工
程を省略した、安定剤、加工助剤、可塑剤および他のポリマーのような所望の添
加剤をハロゲン含有ビニルポリマー樹脂と一緒に含ませる新規な方法を提供する
ことである。
【0015】 本発明のさらなる目的は、そのようなハロゲン含有ビニルポリマー樹脂および
そのような共凝固体を用いて押出物品を成形する方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、そのようなハロゲン含有ビニルポリマー樹脂および
そのような共凝固体から成形した押出物品を提供することである。
【0016】 本発明の教示によれば、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂の粒子と加工助剤、
安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および/または他のポリマー樹脂からなる群
から選ばれた粒子との共凝固体の形のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂が提供さ
れる。これらの共凝固体は、ポリマー粉状物および微小物を実質的に含まず、塊
状化および外殻形成を実質的に生じない。また、ハロゲン含有ビニルポリマー樹
脂と一緒に含ませることが望まれる添加剤(即ち、加工助剤、安定剤(熱安定剤の
ような)、可塑剤および/または他のポリマー樹脂)を含ませることにより、これ
らの共凝固体は、“直ぐに使用可能な”ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂を含み
、押出前にさらなる成分のブレンディングまたは添加を必要とせず、良好な流動
性、熱安定性および押出加工性を有する。
【0017】 本明細書において使用するとき、“ハロゲン含有ビニルポリマー”なる用語は
、ハロゲン含有ビニルモノマーの重合によって調製する(ホモ-およびコ-)ポリマ
ーを称する。そのようなポリマーは、任意の公知の手段によって得ることができ
る。しかしながら、好ましいのは、ハロゲン含有ビニルモノマーの水性エマルジ
ョン中でのラジカル重合(ハロゲン含有ビニルホモポリマーを得るためのハロゲ
ン含有ビニルモノマー自体による、或いはハロゲン含有ビニルコポリマーを得る
ためのビニルエステル類、ビニルエーテル類、アクリル酸類、アクリルエステル
類、アクリルニトリル類、アクリルアミド類、メタクリル酸類、メタクリルエス
テル類、メタクリルアミド類、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、エチレ
ンおよびプロピレンのようなオレフィン類、イタコン酸および無水マレイン酸の
ような他の共重合性モノマーと一緒の)である。そのようなハロゲン含有ビニル
ポリマーの例は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリ
フッ化ビニリデン(PVDE)である。
【0018】 本明細書において使用するとき、“ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂”なる用
語は、ハロゲン含有ビニルモノマーの重合により生成させる(ホモ-およびコ-)ポ
リマー樹脂を称する。そのようなポリマー樹脂は、任意の公知の手段によって得
ることができる。しかしながら、好ましいのは、ハロゲン含有ビニルモノマーの
水性エマルジョン中でのラジカル重合(ハロゲン含有ビニルホモポリマーを得る
ためのハロゲン含有ビニルモノマー自体による、或いはハロゲン含有ビニルコポ
リマーを得るためのビニルエステル類、ビニルエーテル類、アクリル酸類、アク
リルエステル類、アクリルニトリル類、アクリルアミド類、メタクリル酸類、メ
タクリルエステル類、メタクリルアミド類、スチレン、スチレン誘導体、ブタジ
エン、エチレンおよびプロピレンのようなオレフィン類、イタコン酸および無水
マレイン酸のような他の共重合性モノマーと一緒の)である。そのようなハロゲ
ン含有ビニルポリマー樹脂の例は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル
(PVC)およびポリフッ化ビニリデン(PVDE)である。
【0019】 本発明の共凝固体は、塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子と加工助剤、安定剤
(熱安定剤のような)、可塑剤および/または他のポリマー樹脂からなる群から選
ばれた粒子とが、各共凝固体の直径全体に亘って均質に分布していることをさら
に特徴とする。
【0020】 好ましくは、本発明の共凝固体のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂粒子は、少
なくとも1種のハロゲン含有ビニルモノマーと少なくとも1種の他のモノマーとの
水性エマルジョン中でのラジカル重合によって生成させる。
【0021】 本明細書において使用するとき、“水性エマルジョン中でのラジカル重合”な
る用語は、乳化剤とラジカル開始剤の存在下に水性媒体中で実施するラジカル重
合反応を説明するのに使用する。この定義は、詳細には、水溶性ラジカル開始剤
を用いる水性エマルジョン中での“古典的”重合、並びに油溶性開始剤を用いる
ミクロ懸濁重合(場合によっては、均質水性分散とも称する)を包含する。この方
法での重合は、乳化剤の存在下での強力な機械的攪拌によってモノマー小滴のエ
マルジョンを生ずる。
【0022】 本明細書において使用するとき、“水性分散液”(場合によっては、“ラテッ
クス”とも称する)なる用語は、水性エマルジョン中でのラジカル重合後に得ら
れた水中ポリマー分散液を説明するのに使用する。
【0023】 本明細書において使用するとき、“ビニルモノマー”なる用語は、少なくとも
1個の他の原子で置換された末端オレフィン不飽和を有するモノマーを称する。 本明細書において使用するとき、“ハロゲン含有ビニルモノマー”なる用語は
、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された末端オレフィン不飽和を有するモ
ノマーを称する。そのようなモノマーの例は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレン
である。好ましいのは、塩化ビニリデン(VDC)および塩化ビニル(VC)である。
【0024】 さらに好ましくは、本発明の共凝固体のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂粒子
は、塩素含有ビニルポリマー樹脂の粒子である。そのような塩素含有ビニルポリ
マー樹脂は、塩化ビニルモノマーを含むポリ塩化ビニル(PVC)および塩化ビニリ
デンモノマーを含むポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。
【0025】 本明細書において使用するとき、“塩素含有ビニルポリマー樹脂”なる用語は
、塩素含有ビニルモノマーの重合により生成させる(ホモ-およびコ-)ポリマー樹
脂を称する。そのようなポリマー樹脂は、任意の公知の手段によって得ることが
できる。しかしながら、好ましいのは、塩素含有ビニルモノマーの水性エマルジ
ョン中でのラジカル重合(塩素含有ビニルホモポリマーを得るための塩素含有ビ
ニルモノマー自体による、或いは塩素含有ビニルコポリマーを得るためのビニル
エステル類、ビニルエーテル類、アクリル酸類、アクリルエステル類、アクリル
ニトリル類、アクリルアミド類、メタクリル酸類、メタクリルエステル類、メタ
クリルアミド類、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、エチレンおよびプロ
ピレンのようなオレフィン類、イタコン酸および無水マレイン酸のような他の共
重合性モノマーと一緒の)である。そのような塩素含有ビニルポリマー樹脂の例
は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)およびポリ塩化ビニル(PVC)である。
【0026】 本明細書において使用するとき、“塩素含有ビニルポリマー”なる用語は、塩
素含有ビニルモノマーの重合により生成させる(ホモ-およびコ-)ポリマー樹脂を
称する。そのようなポリマーは、任意の公知の手段によって得ることができる。
しかしながら、好ましいのは、塩素含有ビニルモノマーの水性エマルジョン中で
のラジカル重合(塩素含有ビニルホモポリマーを得るための塩素含有ビニルモノ
マー自体による、或いは塩素含有ビニルコポリマーを得るためのビニルエステル
類、ビニルエーテル類、アクリル酸類、アクリルエステル類、アクリルニトリル
類、アクリルアミド類、メタクリル酸類、メタクリルエステル類、メタクリルア
ミド類、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、エチレンおよびプロピレンの
ようなオレフィン類、イタコン酸および無水マレイン酸のような他の共重合性モ
ノマーと一緒の)である。そのような塩素含有ビニルポリマーの例は、ポリ塩化
ビニリデン(PVDC)およびポリ塩化ビニル(PVC)である。
【0027】 上述するように、本発明の共凝固体のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂粒子は
、ハロゲン含有ビニルモノマーと少なくとも1種の他のモノマーを含むハロゲン
含有ビニルコポリマー樹脂の粒子でもあり得る。 この点に関して好ましいのは、塩素含有ビニルポリマー樹脂の粒子が塩素含有
ビニルモノマーと少なくとも1種の他のモノマーとを含むコポリマーの粒子であ
ることである。そのようなコポリマー粒子は、塩化ビニルモノマーと少なくとも
1種の他のモノマーを含む粒子、および塩化ビニリデンモノマーと少なくとも1種
の他のモノマーを含む粒子である。
【0028】 本明細書において使用するとき、“塩素含有ビニルモノマー”なる用語は、少
なくとも1個の塩素原子で置換した末端オレフィン不飽和を有するビニルモノマ
ーを称する。そのようなモノマーの例は、塩化ビニリデン(VDC)および塩化ビニ
ル(VC)である。 この点に関してさらに好ましいのは、2種のハロゲン含有ビニルモノマー、と
りわけ塩化ビニリデンモノマーと塩化ビニルモノマーを含むコポリマーの粒子で
ある。この点、1つの実施態様においては、本発明のハロゲン含有ビニルコポリ
マー樹脂としては、塩化ビニリデン/塩化ビニル(VDC/VC)樹脂がある。特に好ま
しいのは、VDC/VCコポリマーエマルジョン樹脂である。
【0029】 この点に関してさらにまた好ましいのは、2種のハロゲン含有ビニルモノマー(
とりわけ、塩化ビニリデンと塩化ビニル)と少なくとも1種の他のモノマーを含む
コポリマーの粒子である。とりわけ好ましいのは、他のモノマーがアクリレート
および/またはメタクリレートであることである。この点に関してさらに好まし
いのは、他のモノマーがグリシジルメタクリレートモノマーであることである。
【0030】 本明細書において使用するとき、(メタ)アクリレートモノマーは、下記の一般
式を有するモノマーである: CH2=CR1R2 (式中、R1は、水素およびメチル基からなる群から選ばれ;R2は、-CN基および
-CO-R3基からなる群から選ばれ;R3は、水素、1〜18個の炭素原子を含有するア
ルキル基、1〜10個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基および -NR4R5基か
らなる群から選ばれ;R4およびR5は、水素および1 〜10個の炭素原子を含有する
アルキル基課等なる群から選ばれる)。
【0031】 また、本発明の共凝固体の上記コポリマー樹脂は、ハロゲン含有ビニルモノマ
ーと1種以上のハロゲンを含有しないモノマーとのエマルジョン中重合によって
調製する。この点に関し、1つの実施態様においては、本発明のハロゲン含有ビ
ニルコポリマー樹脂としては、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート(VDC/MA)
樹脂がある。さらにこの点に関しては、もう1つの実施態様においては、本発明
の共凝固体のハロゲン含有ビニルコポリマー樹脂としては、塩化ビニリデン/メ
チルメタクリレート/グリシジルメタクリレート(VDC/MA/GMA)樹脂がある。
【0032】 そのようなコポリマーが塩化ビニリデンを含有する場合、好ましいのは、塩化
ビニリデンが主要ハロゲン含有ビニルモノマーであることである。 この点に関して、好ましいのは、コポリマー樹脂が少なくとも約50%(w/w)の
塩化ビニリデンを含むことである。さらに好ましいのは、コポリマー樹脂が少な
くとも約60%(w/w)の塩化ビニリデンを含むことである。さらにもっと好ましい
のは、コポリマー樹脂が少なくとも約70%(w/w)の塩化ビニリデンを含むことで
ある。
【0033】 さらに上記の点に関して、好ましいのは、コポリマー樹脂が約95%(w/w)以下
の塩化ビニリデンを含むことである。さらに好ましいのは、コポリマー樹脂が約
85%(w/w)以下の塩化ビニリデンを含むことである。さらにもっと好ましいのは
、コポリマー樹脂が約75%(w/w)以下の塩化ビニリデンを含むことである。 最も好ましいのは、約70%(w/w)〜約75%(w/w)の塩化ビニリデンを含むことで
あり、約72%(w/w)の塩化ビニリデンが特に好ましい。
【0034】 本明細書において使用するとき、“主要ハロゲン含有ビニルモノマー”なる用
語は、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂の1部を構成し、その少なくとも50%(w/
w)を構成するハロゲン含有ビニルモノマーを称する。 本発明の共凝固体においては、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂粒子は固形で
ある。
【0035】 好ましくは、本発明の共凝固体に含ませ得る加工助剤、安定剤(熱安定剤のよ
うな)、可塑剤および他のポリマー樹脂からなる群から選ばれた粒子も、水性エ
マルジョン中で調製する。
【0036】 限定するものではないが、本発明の共凝固体に含ませ得る加工助剤粒子の例に
は、アクリレート類、メタクリレート類、ステアレート類、ワックス類およびポ
リオレフィン類がある。
【0037】 限定するものではないが、本発明の共凝固体に含ませ得る安定剤(熱安定剤の
ような)粒子の例には、エポキシ化大豆油(ESO)およびHClスカベンジャー[ヒドロ
タルサイト(hydrotalcite)様化合物]がある。 必要に応じて、本発明の共凝固体のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂中に混入
させる安定剤は、当該ビニルポリマーと一緒に共凝固可能な任意の通常の安定剤
(または液状加工助剤)であり得る。この点に関して特に好ましいには、エポキシ
化大豆油(ESO)のエマルジョンである。
【0038】 好ましくは、本発明の共凝固体は少なくとも約0.5%(w/w)の安定剤を含む。ま
た、好ましいのは、本発明の共凝固体は少なくとも約2%(w/w)の安定剤を含む。
さらに好ましいのは、本発明の共凝固体は少なくとも約4%(w/w)の安定剤を含む
【0039】 この方法において、注目すべきは、安定剤がESOのエマルジョンであり且つ液
媒が水性エマルジョンである場合、安定剤が個々の共凝固体の全体に亘って極め
て均質に分布されていることである。
【0040】 本発明者等は、この方法によるハロゲン含有ビニルポリマー樹脂中への安定剤
の混入(凝固助剤としての)が、少なくとも約45ミクロンの直径を有する生成共凝
固体の品質を著しく向上させることを見出した。 本発明者等は、さらに、この方法による安定剤の使用(凝固助剤としての)が、
得られる共凝固体(および樹脂)の粘着性を著しく低減させることを見出した。 さらに、本発明者等は、ESO中の乳化剤の存在が本発明の共凝固体の押出中の
内部潤滑役割を発揮しているものと信じている。
【0041】 限定するものではないが、本発明の共凝固体に含ませる可塑剤粒子の例は、ジ
ブチルセバケート、アセチルトリブチルシトレート、ジオクチルアジペート(DOA
)、ブタジエン-スチレンのラテックス、およびε-カプロラクトンのようなポリ
カプロラクトンからなる群から選ばれる。
【0042】 限定するものではないが、本発明の共凝固体に含ませる他のポリマー樹脂粒子
の例は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル
およびエチレン メチルアクリレートの各モノマーを含むホモポリマーおよびコ
ポリマーからなる群から選ばれる。
【0043】 本発明の加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および他のポリマー樹
脂からなる群から選ばれた粒子は、液体および/または固形物のいずれかである
【0044】 本発明のさらなる局面においては、本発明のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂
を含有する共凝固体の調製方法が提供される。 本発明の共凝固体の調製方法は、(共)重合、共凝固および乾燥の各工程を含む
。この方法は、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂と安定剤を共凝固させること(
それによって、それらのブレンディングの必要性を回避すること)に特徴を有す
る。
【0045】 (共)重合工程においては、少なくとも1種のハロゲン含有ビニルモノマーを重
合させ、それによってハロゲン含有ビニル(コ)ポリマー樹脂の粒子を含むエマル
ジョンを調製する。 本発明方法の(共)重合工程は、少なくとも1種のハロゲン含有ビニルモノマー
を(共)重合させることを含む。そのような(共)重合は、とりわけVCおよび/また
はVDCおよび/またはVDFを含む(コ)ポリマー樹脂の調製が所望されるラジカル(共
)重合であり得る。さらに、(共)重合は、水性媒体中でのラジカル(共)重合、と
りわけVCおよび/またはVDCを含む(コ)ポリマー樹脂の調製が所望される水性エマ
ルジョン中でのラジカル(共)重合であり得る。
【0046】 本発明は、当業者において周知の条件で実施されるような水性エマルジョン中
での“古典的”(共)重合にとりわけ適合する。従って、(共)重合は、当業者にお
いて周知の量で存在させた乳化剤および水溶性開始剤を用いて実施する。
【0047】 そのような乳化剤の例は、アニオン乳化剤およびノニオン乳化剤である。アニ
オン乳化剤の例は、スルホネートワックス類、アルキルスルホネート類、アルキ
ルアリールモノ-およびジ-スルホネート類、およびアルキルスルホサクシネート
類である。ノニオン乳化剤の例は、アルキル-およびアルキルアリール-エトキシ
レートの誘導体である。水溶性開始剤の例は、アルカリ金属の過硫酸塩、アンモ
ニウムの過硫酸塩、過酸化水素、過ホウ酸塩、および還元剤と一緒にのみ使用す
るt-ブチルヒドロパーオキサイドである。
【0048】 水性エマルジョン中でのラジカル(共)重合は、オートクレーブ内で実施する。
モノマー、開始剤および乳化剤のすべてをオートクレーブ内に導入する。次いで
、オートクレーブ内の温度を上昇させ、攪拌を開始する。典型的な温度範囲は、
約30℃〜約90℃である。(共)重合時間は、約5〜約15時間の範囲である。(共)重
合反応の終了時に、オートクレーブを脱ガスし、ストリッピングを開始して、残
存し得る個々のモノマーを除去する。次いで、エマルジョンを共凝固器に移し、
共凝固を行う。
【0049】 共凝固工程においては、エマルジョン中のポリマー樹脂粒子とエマルジョン中
の他の任意粒子を共凝固させ、それによってポリマー樹脂の粒子を含む共凝固体
を生成させる。 本発明方法の共凝固工程は、アニオン性エマルジョンに塩を添加してポリマー
の共凝固および共凝固体の生成を促進させる。 本発明の教示によれば、他の化合物のエマルジョンを、ポリマー樹脂を含む水
性エマルジョンに、共凝固中に上記の共凝固塩と同時に添加する。
【0050】 乾燥工程においては、ポリマー樹脂の粒子を含む共凝固体を乾燥させ、それに
よって粉末形の共凝固体を得る。 本発明方法におけるポリマー樹脂からの液媒の分離工程は、共凝固体から実質
的な液体成分を除去することを含み、それによって粉末形の共凝固体を得る。そ
のような乾燥工程は、ポリマー樹脂を含む共凝固体から例えばデカンテーション
、濾過等によって液体成分を除去してケーキを得ることを含み得る。乾燥工程は
、上記のケーキを乾燥させて粉末形のポリマー樹脂を含む共凝固体を得ることを
さらに含み得る。
【0051】 本発明方法は、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂の粒子を含むエマルジョンに
、安定剤、加工助剤、可塑剤および他のポリマーからなる群から選ばれた物質の
粒子を含む少なくとも1つの他のエマルジョンを加え、これら2つのエマルジョン
(ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂粒子を含むエマルジョン、および安定剤、加
工助剤、可塑剤および他のポリマーからなる群から選ばれた物質の粒子を含む少
なくとも1つの他のエマルジョン)を共凝固させることをさらに特徴とする。この
方法により、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂の粒子と加工助剤、安定剤(熱安
定剤のような)、可塑剤および他のポリマーからなる群から選ばれた粒子とを含
む共凝固体を調製する。
【0052】 上述の方法のエマルジョンおよびその内容物は、製造したいハロゲン含有ビニ
ルポリマー樹脂を含有する種々の共凝固体に従って変化する。
【0053】 本発明のさらにもう1つの局面においては、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂
の粒子と加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および他のポリマーから
なる群から選ばれた粒子とを含む共凝固体の押出物品の成形における使用が提供
される。
【0054】 本発明の上記ポリマー/安定剤樹脂は、物品を成形するのに使用できる。この
点に関しては、上記ポリマー/安定剤樹脂を押出機内で押出して、単分子層また
は多層バリアーフィルムおよびホイルのような押出可能な物品を成形する。さら
にこの点に関しては、ESO中の乳化剤の存在が押出中の内部潤滑の役割を発揮し
ているものと信じている。
【0055】 本発明のさらにもう1つの局面においては、ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂
の粒子と加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および他のポリマーから
なる群から選ばれた粒子とを含む本発明の共凝固体から成形した押出物品が提供
される。
【0056】 ハロゲン含有ビニルポリマー樹脂を含有するエマルジョン(ブレンディング前
の)を、所望の加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および/または他の
ポリマーのいずれかを含む1種以上のエマルジョンと一緒に、本発明に従って共
凝固させることにより、本発明の共凝固体は、各共凝固体が各成分の緊密な混合
物である(即ち、これら各種の成分は、各共凝固体全体に亘って実質的に均質に
分布している)ように調製される。従って、本発明の共凝固体は、極めて均質な
ブレンドを構成する。
【0057】 この形において、ESOのような安定剤は、PVDCのようなバリアーポリマーの場
合においてとりわけ顕著であるような貧弱な安定性を有する樹脂を用いる場合に
、とりわけ興味のある内部潤滑剤として作用する。
【0058】 さらに、本発明の方法に従って共凝固させることにより、典型的に0.5ミクロ
ン未満の粒度であるベースエマルジョン粒子は、より大き目の共凝固体中に生成
する。これら共凝固体の実質的部分は粒度が約45ミクロンよりも大きく、そのよ
うな共凝固体を含む樹脂は、ポリマー粉状物および微小物を実質的に含まない。 本明細書において使用するとき、“エマルジョン樹脂”なる用語は、水性エマ
ルジョン中でのラジカル重合を用いて調製した水性エマルジョンから得られた樹
脂を称する。
【0059】 本発明の方法は、なかんずく、重合自体が影響を受けない(スラッジの形成無
し、残留モノマー問題無し等)で、且つ他の成分(加工助剤、安定剤(特にESO)、
可塑剤および/または他のポリマー樹脂のような)の粒子を常に良好に混入させ、
従って良好に保護されているという利点を提供する。この点に関し、本発明者等
は、懸濁重合(ESOを重合中の重合反応器に直接導入できる)と対照的に、上記の
ことは、エマルジョン重合の場合では、そのような添加剤が誘発するスラッジ形
成のため、乳化したESOを用いたときでさえ不可能であることに注目している。
即ち、本発明の方法は、そのようなESOをポリマー樹脂中に満足裏に混入し得る
方法を提供する。 さらに、本発明者等は、ESO中の乳化剤の存在が、本発明の共凝固体の押出中
に内部潤滑の役割を発揮しているものと信じている。
【0060】 本発明の共凝固体の他の重要な特性、とりわけその熱安定性、バリアー特性お
よび押出加工性は、プレミックスのそれら特性と比較したとき、少なくとも同等
か或いは優れている。この点に関し、本発明者等は、プレミックスは過度な塊状
化のために押出できなくなる傾向を有し得るが、本発明の“直ぐに使用可能”な
共凝固体は極めて安定な押出条件を与えることに注目している。
【0061】 本発明の共凝固体のハロゲン含有ビニルポリマー樹脂は、ホモポリマーまたは
コポリマーであり得る。本発明の共凝固体のコポリマーは、共重合により或いは
個々の重合とその後のブレンディングにより調製できる。 好ましくは、本発明の共凝固体の上記コポリマー樹脂は、少なくとも2種のハ
ロゲン含有ビニルモノマーのエマルジョン中での重合により調製する。
【0062】 本発明の共凝固体の上述の諸特性、とりわけ本発明の方法によって得られた粒
度増大と粘着性の低減は、ポリマー樹脂/安定剤を含む本発明の共凝固体を何ら
のブレンディングの必要なく使用可能にしている。さらに、本発明の共凝固体は
、ブレンダーのブレードを外殻で覆うことおよび塊状化することが共に少ない傾
向にある (少ないおよび/または小さい塊状物の形成)。この形において、本発明
の共凝固体は、良好な流動性、熱安定性および押出加工性を示す。
【0063】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明を上記のように説明して来たが、以下、実施例により具体的に説明する
。これらの実施例は、例示のみを目的とし、本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0064】 実施例 重合 16リットルのオートクレーブに、6150 cm3の脱ミネラル水を入れた。次いで、
インペラー(羽根車)を用いて160 rpmで攪拌しながら、390 cm3のテトラプロピル
ベンゼンスルホネート110 g/l溶液、4590 gのVDCモノマーおよび1910 gのVCモノ
マーを加え、オートクレーブの温度を46℃にセットした。 44℃で、110 cm3のエリトルビン酸20 g/l水溶液をオートクレーブ内の溶液に
加え、次いで100 cm3の3.5 g/l H2O2水溶液を連続添加した。 30分後、エリトルビン酸(3 g/l)水溶液と0.8 g/l H2O2水溶液を約450分間連続
注入した(それぞれ、100 cm3/hrの速度で)。 オートクレーブを約3時間で降圧させた後、オートクレーブを周囲温度に冷却
した。次いで、2500 cm3の脱ミネラル水を加えて、得られたVDC系ラテックスを
稀釈した。
【0065】 本発明に従う共凝固 ウォータージャケットで調節した第1の150リットルバット(桶)中に、30リット
ルの脱ミネラル水と0.7リットルの硫酸アルミニウム(8.6 g/l)水溶液を加えた。 次いで、上記のバットを200 rpmの攪拌下に置き、バットの温度を約15℃に調
整した。 その後、23リットルの上記で調製したVDCラテックスを、1リットルのエポキシ
化大豆油(250 g/l)エマルジョンと一緒に、一様且つ連続して同時に第1バットに
20分間で加えた。 次いで、第1バット70℃に加熱し、この温度に90分間維持した。 その後、バットを室温に冷却して、共凝固体を含むスラリーを得た。
【0066】 古典的手段による凝固(比較例) ウォータージャケットで調節した第2の150リットルバットに、30リットルの脱
ミネラル水と0.7リットルの硫酸アルミニウム(8.6 g/l)水溶液を加えた。 次いで、上記のバットを200 rpmの攪拌下に置き、バットの温度を約15℃に調
整した。 その後、23リットルの上記で調製したVDCラテックスを一様且つ連続して第2バ
ットに20分間で加えた。 次いで、第2バット70℃に加熱し、この温度に90分間維持した。 その後、第2バットを室温に冷却して、通常の凝固体を含むスラリーを得た。
【0067】 乾燥 第1および第2バットからの各スラリーを、先ずESCHER WYSSTM装置内で固形物
から液体を分離することによって乾燥させた。この方法で、本発明の共凝固体(
バット1からの)の“ケーキ”と通常の凝固体(バット2からの)の“ケーキ”を得
た。 次いで、各ケーキを、MunsterTM流動床内で、入口空気温度約60℃で、揮発性
物質含有量が0.3%(w/w)未満に減少するまで乾燥させた。 その後、2つのケーキの凝固体粒子の粒度を測定した。その結果を表1に示す。
【0068】表1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 C08J 5/00 C08L 63/00 C08L 63/00 A // B29K 27:06 B29K 27:06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4F070 CB12 DA33 DC05 DC07 4F071 AA24 AA25 AA26 AA42 BA01 BB06 BC07 4F201 AA15 AB06 AB07 BA03 BN21 4F207 AA15 AB06 AB07 KA01 KA17 4J002 BD031 BD041 BD061 BD101 BD141 CD162 EH046 EH146 FD036

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニリデンポリマー樹脂の粉状物および微小物を含まず
    、塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子と加工助剤、安定剤(熱安定剤のような)、
    可塑剤および/または他のポリマー樹脂からなる群から選ばれた粒子との共凝固
    体を含むことを特徴とする塩化ビニリデンポリマー樹脂。
  2. 【請求項2】 共凝固体の塩化ビニリデンポリマー樹脂粒子と加工助剤、安
    定剤(熱安定剤のような)、可塑剤および/または他のポリマー樹脂からなる群か
    ら選ばれた粒子とが、各共凝固体の直径全体に亘って均質に分布していることを
    さらに特徴とする請求の範囲第1項記載の塩化ビニリデンポリマー樹脂。
  3. 【請求項3】 塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子が、塩化ビニリデンモノ
    マーと少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーの粒子であることをさらに
    特徴とする請求の範囲第1〜2項のいずれか1項記載の塩化ビニリデンポリマー樹
    脂。
  4. 【請求項4】 塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子が、塩化ビニリデンモノ
    マーと塩化ビニルモノマーとのコポリマーの粒子であることをさらに特徴とする
    請求の範囲第3項記載の塩化ビニリデンポリマー樹脂。
  5. 【請求項5】 塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子が、塩化ビニリデンモノ
    マーとアクリレートまたはメタクリレートモノマーとのコポリマーの粒子である
    ことをさらに特徴とする請求の範囲第3項記載の塩化ビニリデンポリマー樹脂。
  6. 【請求項6】 塩化ビニリデンポリマー樹脂の粒子が、塩化ビニリデンモノ
    マーとグリシジルメタクリレートモノマーとのコポリマーの粒子であることをさ
    らに特徴とする請求の範囲第5項記載の塩化ビニリデンポリマー樹脂。
  7. 【請求項7】 安定剤粒子が、エポキシ化大豆油(ESO)であることをさらに
    特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか1項記載の塩化ビニリデンポリマー樹
    脂。
  8. 【請求項8】 塩化ビニリデンモノマーを重合させ、それによって塩化ビニ
    リデンポリマーを含むエマルジョンを調製すること;エマルジョン中の塩化ビニ
    リデンポリマーを凝固させ、それによって凝固ポリマーを調製すること;並びに
    得られた凝固ポリマーを乾燥させ、それによって乾燥塩化ビニリデンポリマー樹
    脂を調製することの各工程を含む粉状物および微小物を含まない塩化ビニリデン
    ポリマー樹脂の調製方法において、 上記塩化ビニリデンポリマーを含むエマルジョンに安定剤、加工助剤、可塑剤
    および他のポリマーからなる群から選ばれた物質を含むエマルジョンを加え、上
    記塩化ビニリデンポリマーを含むエマルジョンと上記物質を含むエマルジョンと
    を共凝固させ、それによって共凝固ポリマー樹脂を調製することを特徴とする上
    記調製方法。
  9. 【請求項9】 塩化ビニリデンポリマー樹脂に添加し該樹脂と共凝固させる
    安定剤が、エポキシ化ポリマー樹脂であることをさらに特徴とする請求の範囲第
    8項記載の方法。
  10. 【請求項10】 塩化ビニリデンモノマーともう1つのモノマーとを共重合
    させ、それによって塩化ビニリデン含有コポリマーを含むエマルジョンを調製す
    ることをさらに特徴とする請求の範囲第8〜9項のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 押出可能な物品を成形するに当っての請求の範囲第1〜7項
    のいずれか1項記載の塩化ビニリデン含有ポリマー樹脂の使用。
  12. 【請求項12】 請求の範囲第1〜7項のいずれか1項記載の塩化ビニリデン
    含有ポリマー樹脂から成形されることを特徴とする押出物品。
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