JP2002530273A - 脈管形成および腫瘍増殖の新規インヒビター - Google Patents

脈管形成および腫瘍増殖の新規インヒビター

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JP2002530273A JP2000559131A JP2000559131A JP2002530273A JP 2002530273 A JP2002530273 A JP 2002530273A JP 2000559131 A JP2000559131 A JP 2000559131A JP 2000559131 A JP2000559131 A JP 2000559131A JP 2002530273 A JP2002530273 A JP 2002530273A
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パーカシュ エス. ギル,
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パーカシュ エス. ギル,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、驚くべき抗脈管形成活性を有するポリペプチドを提供する。これらのペプチドは、サポシンB(スフィンゴリピドの加水分解に関与する以前から公知のタンパク質)に由来する。さらに、哺乳動物をこれらの抗脈管形成ポリペプチドで処置する方法、ならびに処置するために使用される薬学的組成物が提供される。さらに、本発明のポリペプチドは、融合タンパク質で使用され得、ここで、この融合タンパク質はまた、細胞標的化部分または細胞傷害性部分を含む。これらのポリペプチドが結合するレセプターもまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の引用) 本願は、米国仮出願60/092,647(1998年7月13日出願)の一
部継続出願であり、これはその全体で参考として援用される。
【0002】 (連邦政府後援の研究および開発下でなされた発明の権利に関する声明) 適用不可能。
【0003】 (発明の背景) 脈管形成は、現存する血管からの新規血管の形成である。脈管形成プロセスの
開始するために、生化学的シグナルは、とりわけ他の細胞型、血管の管腔を裏打
ちする内皮細胞から、プロテアーゼ分泌を刺激する。分泌されたプロテアーゼは
、基底膜を分解し、そして内皮細胞層は、この基底膜に作製された穴を通って隆
起する。生化学的シグナルが連続して存在する場合、移動性内皮細胞は、有糸分
裂および分裂を起こす。分裂細胞は、血管壁を通る芽(sprout)を形成す
る。また、脈管形成刺激が残る場合、この芽は併合して毛細血管ループを形成し
、これは後で新規血管へ成熟する。
【0004】 創傷治癒、胎児および胚の発達、ならびに黄体、子宮内膜および胎盤の形成の
正常な環境下では、初期脈管形成シグナルは鎮静し、そして他の第2のシグナル
は、脈管形成プロセスを遮断するのに優勢である。しかし、癌、血管線維腫、血
管新生緑内障、動静脈形成異常、偽関節骨折、関節炎および他の結合組織障害、
Osler−Weber症候群、アテローム硬化症プラーク、乾癬、角膜移植片
新生血管形成、化膿性肉芽腫、水晶体後線維増殖、糖尿病網膜症、強皮症、血管
腫、トラコーマ、血管接着および肥大性瘢痕のような症状において、脈管形成シ
グナルの局所的濃度は低下せず、そして新規の血管が連続して形成し、栄養分を
病的組織に供給する。このことは、腫瘍または疾患の組織が成長することを可能
にする。
【0005】 癌において、所望でない脈管形成は、腫瘍への栄養分の安定した供給を提供す
る。このことは、腫瘍が増殖および代謝するのを可能にする。しかし、一般の腫
瘍増殖支持する役割に加えて、ある腫瘍は、非常に脈管形成性である。例えば、
カポージ肉腫(KS)は、血管の無秩序な増殖によって特徴付けられる腫瘍であ
る。実際、これは、脈管形成腫瘍である。現在、大部分の腫瘍と同様に、カポー
ジ肉腫の処置は、化学療法に基づく。しかし、ほとんどの化学療法薬剤は、すべ
ての分裂細胞に普遍的に有害であり;癌性または非癌性であることに関係ない。
従って、癌および特にカポージ肉腫を含む多くの疾患状態に必要とされる脈管形
成を低減させる化合物の必要性が存在する。本発明は、驚くべきことに、これら
のおよび他の必要性を満たす。
【0006】 (発明の簡単な要旨) 本発明の驚くべき発見は、スフィンゴリピドの加水分解に関与するタンパク質
として以前から公知であるサポシンB(Saposin B)が強力な抗脈管形
成および抗腫瘍活性を有することである。さらに、このタンパク質は、内皮細胞
に対して抗増殖性および抗移動性の活性を有することが見出された。なおさらに
驚くべきことは、腫瘍および内皮細胞に対する活性が、5アミノ酸ほど小さい潜
在性ポリペプチドで保存されたという発見であった。これらの小さなポリペプチ
ドは、ここで、インビトロおよびインビボのいずれかで抗脈管形成剤および抗腫
瘍剤として使用され得る。
【0007】 本発明の1つの実施態様は、約5〜約80のアミノ酸長であり、そして連続す
るアミノ酸配列DX1CX2Dを含む、単離されたポリペプチドである。X1およ
びX2は、任意のアミノ酸であり得る。この実施態様の1つの局面では、この単
離されたポリペプチドは、7と50との間の長さのアミノ酸である。別の実施態
様において、この単離されたポリペプチドは、11と50との間の長さのアミノ
酸である。なお別の実施態様において、この単離されたポリペプチドは、5と4
0との間の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様において、この単離された
ポリペプチドは、7と40との間の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様に
おいて、この単離されたポリペプチドは、11と40との間の長さのアミノ酸で
ある。なお別の実施態様において、この単離されたポリペプチドは、5と30と
の間の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様において、この単離されたポリ
ペプチドは、7と30との間の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様におい
て、この単離されたポリペプチドは、11と30との間の長さのアミノ酸である
。なお別の実施態様において、この単離されたポリペプチドは、5と20との間
の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様において、この単離されたポリペプ
チドは、7と20との間の長さのアミノ酸である。なお別の実施態様において、
この単離されたポリペプチドは、11と20との間の長さのアミノ酸である。
【0008】 さらなる実施態様において、X1は、バリンまたはその保存的に改変された改
変体であり、あるいはX2は、グルタミンまたはその保存的に改変された改変体
である。好ましい実施態様において、このポリペプチドは、連続するアミノ酸配
列DVCQDを含む。
【0009】 なお別の実施態様において、この単離されたポリペプチドは、サポシンBに対
して惹起された抗体に特異的に結合する。好ましい実施態様において、このポリ
ペプチドは、7位で始まる配列番号1に示されるアミノ酸配列に実質的に同一の
アミノ酸配列を含む。最も好ましい実施態様において、このポリペプチドは、少
なくとも5の連続するアミノ酸、またはその保存的に改変された改変体を含み、
上記連続するアミノ酸は、7位で始まる配列番号1に示されるアミノ酸配列を有
する。
【0010】 なお別の実施態様において、この単離されたポリペプチドは、R−DVCQD
−R’を含み;ここで、Rは、0〜約6の連続するアミノ酸であり;そしてここ
で、R’は、0〜約59の連続するアミノ酸である。好ましい実施態様において
、このポリペプチドは、R−XDVCQD−R’を含み;ここで、Rは、Aa1
−Aa2−Aa3−Aa4−Aa5、Aa2−Aa3−Aa4−Aa5、Aa3−Aa4
Aa5、Aa4−Aa5およびAa5からなる群から選択される。Aa1、Aa2、A
3、Aa4およびAa5は、アミノ酸からなる群から選択され;Xは、G、A、
SおよびTからなる群から選択され;そしてここで、R’は、0〜約59の連続
するアミノ酸である。より好ましい実施態様において、Aa1は、グルタミンま
たはその保存的置換体であり、Aa2は、プロリンまたはその保存的置換体であ
り、Aa3は、リジンまたはその保存的置換体であり、Aa4は、アスパラギン酸
またはその保存的置換体であり、あるいはAa5は、アスパラギンまたはその保
存的置換体である。
【0011】 別の実施態様において、R’は、Aa12−Aa13−Aa14−Aa15−Aa16
Aa12−Aa13−Aa14−Aa15、Aa12−Aa13−Aa14、Aa12−Aa13
よびAa12からなる群から選択され、ここで、Aa12、Aa13、Aa14、Aa15 およびAa16は、アミノ酸からなる群から選択される。好ましい実施態様におい
て、Aa12は、システインまたはその保存的置換体であり、Aa13は、イソロイ
シンまたはその保存的置換体であり、Aa14は、グルタミンまたはその保存的置
換体であり、Aa15は、メチオニンまたはその保存的置換体であり、あるいはA
16は、バリンまたはその保存的置換体である。
【0012】 最も好ましい実施態様において、この単離されたポリペプチドは、アミノ酸配
列GDVCQDCIQMVを有する。
【0013】 本発明の別の実施態様において、レセプターが提供され、ここでこのレセプタ
ーは、サポシンBに特異的に結合し、そしてKS Y−1、SLK、HUVEC
およびマウス内皮細胞からなる群から選択される細胞の表面上に見出される。好
ましい実施態様において、このレセプターは、組換え発現される。
【0014】 別の実施態様において、哺乳動物を処置する方法が提供され、ここで、上記生
物は、所望でない脈管形成に関連する病理学的症状を有する。この方法は、連続
するアミノ酸配列DX1CX2Dを含む一定量の単離されたポリペプチドをこの哺
乳動物に投与する工程を包含し、ここで、X1およびX2は、アミノ酸からなる群
から選択され、ここで、一定量のポリペプチドは、脈管形成を低減させるのに有
効である。最も好ましい実施態様において、この哺乳動物はヒトであり、そして
単離されたポリペプチドはサポシンBである。
【0015】 より好ましい実施態様において、処置されるべき病理学的症状は、癌である。
最も好ましい実施態様において、この癌は、カポージ肉腫である。単離されたポ
リペプチドの投与は、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、気管支内、非経口的、経
皮、眼内、直腸、膣、鼻腔内、舌下および病巣内からなる群から選択される。最
も好ましい実施態様において、この投与は、病巣内および経皮からなる群から選
択される。
【0016】 なお別の実施態様において、単位投薬形態の薬学的組成物が提供され、この組
成物は、1以上の薬学的に受容可能な賦形剤、ならびに連続するアミノ酸配列D
1CX2Dを含む一定量のポリペプチドであって、ここで、X1およびX2がアミ
ノ酸からなる群から選択される、ポリペプチドを含む。このポリペプチドは、1
以上の単位用量の該組成物を投与される動物または患者において所望でない脈管
形成を処置あるいは予防するのに有効である。この実施態様において、このポリ
ペプチドを含む溶液である単位投薬形態が好ましい。
【0017】 なお別の実施態様において、融合タンパク質が提供され、ここで、この融合タ
ンパク質は、連続するアミノ酸配列DX1CX2Dのポリペプチドを含み、ここで
、X1およびX2は、アミノ酸からなる群から選択される。融合タンパク質の第2
部分は、細胞標的化部分である。この細胞標的化部分およびポリペプチドは、互
いに独立した機能的活性を有する。より好ましい実施態様において、この細胞標
的化部分は、タンパク質である。最も好ましい実施態様において、この細胞標的
化部分は、抗体である。さらなる精製において、この抗体は、モノクローナル抗
体である。なお別の精製において、この抗体は、単鎖Fv抗体である。
【0018】 本発明の1つの実施態様において、別の融合タンパク質が提供され、ここで、
この融合タンパク質は、連続するアミノ酸配列DX1CX2Dのポリペプチドを含
み、ここで、X1およびX2は、アミノ酸からなる群から選択される。この融合タ
ンパク質はまた、細胞傷害性部分を含む。この細胞傷害性部分およびこのポリペ
プチドは、互いに独立した機能的活性を有する。好ましい実施態様において、こ
の細胞毒性部分は、タンパク質である。より好ましい実施態様において、このタ
ンパク質は、細菌毒素である。最も好ましい実施態様において、この細菌毒素は
、Diphtheria、特にDiptheria毒素のB鎖由来である。
【0019】 関連の実施態様において、この細菌毒素は、Pseudomonas、特にP
seudomonas体外毒素由来である。最も好ましいこの実施態様において
、このPseudomonas体外毒素は、組換えPE38およびPE40から
なる群から選択される。
【0020】 (定義) 本明細書中で他の定義がされない限り、本明細書中で使用される全ての技術用
語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されているもの
と同様の意味を有する。Singletonら、DICTIONARY OF
MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 第
2版、John Wiley and Sons、New York(1994
)、ならびにHaleおよびMarham、THE HARPER COLLI
NS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Pere
nnial,NY(1991)は、本発明で使用される多くの用語の一般的な辞
書を当業者に提供する。本明細書中に記載されるものと同様の、または等価の任
意の方法および材料が、本発明の実施および試験で使用され得るが、好ましい方
法および材料が記載される。数値範囲は、範囲を規定する数字を包む。他に示さ
れない限り、それぞれ、核酸は左から右へ5’から3’の方向で記述される;ア
ミノ酸配列は、左から右へ、アミノからカルボキシルの方向で記述される。本明
細書中で提供される見出しは、全体として本明細書を参照することによって理解
され得る本発明の種々の局面または実施態様の限定ではない。従って、すぐ以下
に定義される用語は全体として本明細書を参照することによってより充分に定義
される。
【0021】 成句「治療量を投与する」とは、抗脈管形成ポリペプチドを、哺乳動物を処置
するために使用する手段をいう。用語「投与する」とは、哺乳動物と本発明のポ
リペプチドとの間の接触を生じる全ての方法を包含することを意図し、これには
、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、眼内および病巣内の注射;気管支内および鼻
腔内の吸入または滴注;直腸および膣の坐剤;舌下および経口の送達;ならびに
皮膚および粘膜関門を通しての吸収が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】 用語「アミノ酸」は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド(まとめて「
ポリペプチド」)に組み込まれたアミノ酸への言及を含む。アミノ酸は天然に存
在するアミノ酸であり得、他に限定されない限り、天然に存在するアミノ酸と同
様の様式で機能し得る、天然のアミノ酸の公知のアナログを含み得る。
【0023】 本明細書中で言及されるアミノ酸およびアナログは、以下の表1のように速記
名称で記載される。
【0024】
【表1】 他に示されない限り、「Xn」および「Aan」は任意のアミノ酸をいう。アミ
ノ酸は、天然に存在するL−アミノ酸、D−アミノ酸または任意の合成アミノ酸
アナログであり得る。成句「連続したアミノ酸配列」とは、直鎖状アミノ酸配列
のことをいい、ここで第1アミノ酸はポリペプチドのN末端に存在し、そして最
後のアミノ酸はC末端に存在する。用語「R」および[R’」とは、連続したア
ミノ酸配列をいう。他に示されない限り、「R」はポリペプチドのN末端にある
連続したアミノ酸配列であり、「R’」はポリペプチドのC末端にある連続した
アミノ酸配列である。RおよびR’は、同一の連続したアミノ酸配列を必ずしも
含むわけではない。
【0025】 本明細書中で使用される「抗体」は、特定の抗原と免疫学的に反応性の免疫グ
ロブリン分子への言及を含み、そしてポリクローナル抗体およびモノクローナル
抗体の両方を含む。この用語はまた、遺伝子操作形態(例えば、キメラ抗体(例
えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロ結合(heteroconjugate)抗
体(例えば、二特異性(bispecific)抗体)および組み換え単鎖Fv
フラグメント(scFv)、またはジスルフィド安定化Fvフラグメント(ds
Fv)(米国特許第5,747,654号を参照のこと))を含む。用語「抗体
」はまた、抗体の抗原結合形態(例えば、Fab’、F(ab’)2、Fab、
FvおよびrIgG。Pierce Catalog and Handboo
k、1994〜1995(Pierce Chemical Co.,Rock
ford,IL)もまた参照のこと)を含む。
【0026】 特定の抗原と免疫学的に反応性の抗体は、組み換え法(例えば、ファージベク
ターまたは同様のベクター中の組み換え抗体のライブラリーの選択)によって生
成され得る。例えば、Huseら、Science 246:1275〜128
1(1989);Wardら、Nature 341:544〜546(198
9);およびVaughanら、Nature Biotech.14:309
〜314(1996)を参照のこと。
【0027】 典型的に、免疫グロブリンは重鎖および軽鎖を有する。各重鎖および軽鎖は不
変領域および可変領域を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、3つの超可変領域
(相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる)によって中断される「フレームワ
ーク」領域を含む。フレームワーク領域およびCDRの範囲は定義された(SE
QUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL
INTEREST、Kabat,E.ら、U.S.Department o
f Health and Human Services,(1987)を参
照のこと)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較
的保存される。構成要素の軽鎖および重鎖の結合したフレームワーク領域である
、抗体のフレームワーク領域は、CDRを三次元空間に配置および整列するのに
役立つ。CDRは抗原のエピトープに結合する主な原因である。CDRは典型的
に、CDR1、CDR2およびCDR3と称され、これはN末端から始めて順番
に番号を付けられる。
【0028】 成句「単鎖Fv」または「scFv」とは、伝統的な2鎖抗体の重鎖および軽
鎖が結合し1つの鎖を形成する抗体をいう。典型的に、リンカーペプチドは2つ
の鎖の間に挿入され、適切な折り畳みおよび活性結合部位の生成が可能になる。
「リンカーペプチド」としては、可変重鎖を可変軽鎖に間接的に結合するのに役
立つ、抗体結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント)中のペプチドが挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0029】 成句「無菌溶液」とは、微生物を含有しない溶液をいう。溶液を微生物を含有
しないようにすることは、微生物を除去することによりまたは殺すことによって
行われ得る。微生物の除去方法は、微生物より小さい孔径を有する膜を使用する
濾過を主に包含する。典型的に、孔径は0.11〜0.22μmである。別のそ
れほど好ましくない微生物除去方法は、遠心分離によるものである。微生物を殺
す方法は、当該分野で周知であり、これには低温殺菌法、高圧および高温での処
理(すなわち、加圧蒸気滅菌法)、抗微生物剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス
剤、抗真菌剤など)との接触が挙げられるがこれらに限定されない。しかし、当
業者は、本発明のいくつかの実施態様において、これらの溶液は処置を必要とす
る哺乳動物への投与が意図されるということを理解する。従って、微生物を殺す
ために使用される薬剤は、処置されるべき哺乳動物に対して悪影響を有するべき
ではない。
【0030】 本開示の目的のための、用語「癌」とは、細胞の無秩序なインビボ増殖によっ
て引き起こされる病的状態をいう。従って、本開示の目的のためには、ガンとし
ては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:固形および造血性の腫瘍、
悪性および良性の腫瘍、原発性および転移性の腫瘍、ならびに前癌性状態。この
ような癌の1つは「カポージ肉腫」である。カポージ肉腫は3つの異なるクラス
の個体に存在する。古典的カポージ肉腫は、ユダヤ人または地中海人種生まれの
、主に年輩の男性の、希な無痛性癌である(Lospalleti,M.ら、D
ermatology 191(2):104〜8(1995))。地方病性カ
ポージ肉腫(EKS)は年輩のおよび若いアフリカ人、特にバンツー系種族を冒
す。EKSは、長期の静止期間の後、特に急速進行性になり得る(Safai,
B、Semin Oncol 2(Suppl3):7〜12(1987))。
HIV関連性カポージ肉腫は、HIV感染と関係する日和見疾患として見出され
る急速進行性の癌である(Wahman,A.ら、Epidemiol Rev
.13:178〜9(1991))。上記の全てのタイプのカポージ肉腫におい
て、無防備状態の免疫系が示される。
【0031】 HIV関連形態のカポージ肉腫(AIDS−KS)は、最も頻繁に皮膚の病変
を引き起こす。時折、症例はリンパ節または内臓KSのみで現れる。口腔の粘膜
の関係は、疾患の第2の最も一般的な部位である。腫瘍病変は口蓋、歯肉でしば
しば認められ、歯の損失、疼痛および潰瘍を引き起こし得る(Paredes,
J.,J.Acquir.Immune Defic.Syndr.Hum.R
etroviral 9(2):138〜44(1995))。
【0032】 ポリペプチドを記載する場合、「保存的置換」とは、ポリペプチドの活性を実
質的に変えない、ポリペプチドのアミノ酸組成の変化をいう。特定のアミノ酸配
列の「保存的に改変された改変体」とは、置換機能的活性に重要でないアミノ酸
の置換、またはたとえ重要なアミノ酸の置換であっても実質的に活性を変えない
ような同様の特性(例えば、酸性、塩基性、正電荷または負電荷、極性または非
極性など)を有する他のアミノ酸でのアミノ酸の置換をいう。機能的に同様のア
ミノ酸を提供する保存的置換の表は当該分野で周知である。
【0033】 本明細書中で使用される「細胞標的化部分」とは一般に、標的細胞に分子を特
異的に送達し得るか、標的細胞と反応し得るか、またはそうでなければ標的細胞
を認識し得るかもしくは標的細胞と結合し得る化合物をいう。特に、細胞標的化
部分の例としては、所望の標的細胞を特異的に結合する、免疫グロブリンまたは
それらの結合フラグメント、リンホカイン、サイトカイン、細胞表面抗原、可溶
化されたレセプタータンパク質、ホルモン、上皮増殖因子(EGF)のような増
殖因子などが挙げられるが、これらに限定されない。上記の例示的な細胞標的化
部分はポリペプチドであるが、細胞標的化部分がポリペプチドからなる必要はな
い。細胞標的化部分はまた、炭水化物、薬物、脂質または標的細胞に選択的に結
合する任意の他の化合物であり得る。
【0034】 用語「細胞傷害性部分」としては、アブリン、リシン、Pseudomona
s属体外毒素(PE)、ジフテリア毒素(DT)、ボツリヌス毒素またはそれら
の改変された毒素が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、PEおよび
DTは、典型的に肝臓毒性により死をもたらす細菌毒素である。しかし、PEお
よびDTは、毒素のネガティブな標的化成分(例えば、PEのドメインIaおよ
びDTのB鎖)を除去し、それを異なる部分(例えば、殺されるべき細胞に特異
的に結合するポリペプチド)で置換することによって、融合タンパク質で使用す
るための形態に改変され得る。「PE38」および「PE40」とは、PEに由
来するそれぞれ、38kDおよび40kDの細胞傷害性部分をいう。例えば、米
国特許第5,082,927号および同第5,696,237号、ならびにPE
40の作製および使用の記載および方法についての、Chaudharyら、N
ature 339:394(1989)、ならびにPE38の記載ならびにP
E38を作製および使用するための方法についての、Chaudharyら、P
roc.Nat’l Acad.Sci.USA 87:308(1990)お
よびBenharら、Bioconjug.Chem.5:321(1994)
を参照のこと。
【0035】 用語「有効量」または「〜に有効な量」または「治療的有効量」は、所望の結
果(例えば、新生血管の形成を少なくとも25%阻害する、または細胞を殺す)
を生じるのに充分な治療剤の投薬量への言及を含む。
【0036】 本発明の状況において、成句「互いに独立した機能的活性」とは、本発明の融
合タンパク質の2つの部分の活性をいう。例えば、融合タンパク質のポリペプチ
ドは抗脈管形成活性を有する。この活性は、融合タンパク質の他の部分の細胞標
的化または細胞傷害性活性と無関係である。
【0037】 「融合タンパク質」とは、1つ部分と別の部分との間に形成される結合を介し
て2つ以上の化合物を連結することによって形成されるキメラ分子をいう。本発
明の目的のため、1つの部分はポリペプチドである。このポリペプチドと他方の
部分との間の結合は共有結合または非共有結合であり得る。共有結合の例は、ペ
プチド結合を形成する2つのポリペプチドの化学結合である。非共有結合の例は
、水素結合、静電的相互作用およびファンデルワールス力である。
【0038】 結合がペプチド結合であり、他方の部分もまたポリペプチドである場合、融合
タンパク質は、単一の連続した融合タンパク質をコードする核酸配列から単一の
ポリペプチドとして発現され得る。
【0039】 2つのポリペプチド配列という状況において、用語「同一」とは、以下の「配
列比較アルゴリズム」の1つを使用して測定したとき最大一致で配列される場合
に、2つの配列中の同一の残基をいう。2つのポリペプチドという状況において
、成句「実質的に同一」とは、タンパク質のドメインにわたって最大一致で配列
された場合、少なくとも60%の同一性を有する、2つの配列中の残基をいう。
比較のための配列の最適な整列が、例えば、SmithおよびWaterman
,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリ
ズムによって、NeedlemanおよびWunsch,J.Mol.Biol
,48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムによって、Pearso
nおよびLipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 8
5:2444(1988)の類似性方法についての検索によって、これらのアル
ゴリズムのコンピューター化インプリメンテーション(Wisconsin G
enetics Software Package,Genetics Co
mputer Group,575 Science Dr.,Madison
,WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)によって、
または検査によって行われ得る。
【0040】 有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは複数の漸
進的な対をなす整列を使用して、関連の配列の群から複数の配列の整列を作製す
る。これはまたこの整列を作製するために使用されるクラスター化関係を示す樹
形図を描き得る。PILEUPは、FengおよびDoolittle,J.M
ol.Evol.35:351〜360(1987)の漸進的な整列方法の簡易
化を使用する。使用される方法は、HigginsおよびSharp,CABI
OS 5:151〜153(1989)に記載される方法と同様である。このプ
ログラムは、5,000の最大長の配列を300まで整列し得る。複数の整列手
順は、2つの最も類似した配列の対となる整列から開始し、2つの整列した配列
のクラスターを生成する。次いで、このクラスターは2番目に最も関連した配列
、整列した配列のクラスターに対して整列され得る。配列の2つのクラスターは
、2つの個々の配列の対となる整列の単純な伸長によって整列され得る。最終的
な整列は、一連の漸進的な対となる整列によって達成される。このプログラムは
また、クラスター化関係のデンドログラムまたは樹形図を描くために使用され得
る。このプログラムは、特異的配列およびそれらのアミノ酸座標を配列比較の領
域について示すことによって、実行される。
【0041】 配列類似性を決定するのに適切なアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴ
リズムであり、これはAltschulら、J.Mol.Biol.215:4
03〜410(1990)に記載される。BLAST分析を実行するためのソフ
トウェアは、National Center for Biotechnol
ogy Information(http://www.ncbi.nlm.
nih.gov/)により公的に利用可能である。このアルゴリズムは問い合わ
せ配列中でデータベース配列中の同じ長さのワードと整列される場合、ある正の
値の閾値スコアTと適合するかまたはそれを満たす配列対長さWの短いワードを
同定することによって、ハイスコアリング配列対(HSP)を第1に同定する工
程を包含する。Tは近傍ワードスコアの閾値(Altschulら、前出)とし
て言及される。これらの大文字の近傍ワードヒットは、それらを含むより長いH
SPを見出すために、探索を開始するためのシードとして働く。このワードヒッ
トは、累積整列スコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長する。各
方向のワードヒットの伸長は以下の場合に停止される:累積整列スコアが、その
最大到達値から量Xだけ減少する場合;1つ以上の負のスコアリング残基整列の
蓄積によって、累積スコアがゼロ以下になる場合;またはいずれかの配列の末端
に達した場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、整列の
感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして11の
ワード長(W)、50のBLOSUM60スコアリングマトリクス整列(B)(
HenikoffおよびHenikoff,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 89:10915(1989)を参照のこと)、10の期待値(
E)、M’5、N’−4、および両方の鎖の比較を使用する。
【0042】 BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計学的分析を実行する
(例えば、KarlinおよびAltschul,Proc.Nat’l.Ac
ad.Sci.USA 90:5873〜5787(1993)を参照のこと)
。BLASTアルゴリズムによって提供される1つの類似性の尺度は、最小和確
率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列間の
整合が偶然起こる確率の指標を与える。例えば、試験核酸とリボヌクレアーゼ核
酸との比較において最小和確率が約0.1未満、より好ましくは、約0.01未
満、最も好ましくは、約0.001未満である場合、核酸はリボヌクレアーゼ核
酸と類似していると考えられる。試験核酸がリボヌクレアーゼポリペプチドをコ
ードする場合、比較結果が、約0.5未満、より好ましくは、約0.2未満の最
小和確率であるならば、この核酸は指定されたリボヌクレアーゼ核酸と類似して
いると考えられる。
【0043】 2つのポリペプチドが実質的に同一であるという別の指標は、第1ポリペプチ
ドが第2ポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。従って、例え
ば2つのペプチドが保存的置換のみで異なる場合、ポリペプチドは第2ポリペプ
チドと実質的に同一である。
【0044】 用語「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋」とは、通常は
天然状態で見出される場合に伴っている成分を実質的または本質的に含有しない
物質をいう。純度および均質性は典型的に、分析化学技術(例えば、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィー)を使用して決定され
る。調製物中に存在する優性種であるポリペプチドは実質的に純粋である。用語
「精製される」は、ポリペプチドが電気泳動ゲルにおいて、本質的に1つのバン
ドを生じることを表す。特に、これは、そのポリペプチドが、少なくとも85%
純粋、より好ましくは、少なくとも95%純粋、最も好ましくは、少なくとも9
9%純粋であることを意味する。
【0045】 用語「リポソーム」とは、水性の内部を被包する、1つ以上の同心円状に配列
された脂質二重層から構成される小胞をいう。通常は、被包された内部マトリク
スは、二重層を透過しない。しかし、二重層で穴または細孔が生じた場合、二重
層が溶解または分解した場合、二重層がコンフォメーションを変えた場合、また
は周囲温度が構成脂質の相転移温度Tcまで上昇した場合、このマトリクスはリ
ポソームを通って漏出し得る。
【0046】 リポソームの「内部」は、リポソームの脂質二重層によって取り囲まれた水性
領域(すなわち、被包マトリクス)である。化合物を水性マトリクス内に配置す
るプロセスは、「被包化」と称される。リポソームの「表面」は、リポソーム外
環境に曝された置換基脂質の親水性部分である。ポリペプチドの、リポソームの
内表面または外表面への結合は、親水性基への化合物の共有結合、水素結合、静
電的相互作用、または疎水性/親水性相互作用に起因し得る。表面への結合に加
えて、疎水性部分を有する化合物は、リポソーム二重層に挿入され得、その結果
、この疎水性部分は二重層の内側に存在し、そしてこの化合物の親水性部分はリ
ポソームの表面を越えて伸長するか、またはリポソームの内部マトリクスへと伸
長する。
【0047】 「薬学的に受容可能な賦形剤」とは、本発明の薬学的組成物中の活性成分以外
の成分をいう。
【0048】 成句「薬学的組成物」とは、適切なキャリアまたは賦形剤(単数または複数)
と治療的有効量(例えば、脈管形成を減少させるのに有効な用量)で混合された
、本発明のポリペプチドまたは融合タンパク質の組成物をいう。
【0049】 本明細書中で使用する場合には、「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タ
ンパク質」は、互換可能に使用され、そしてアミノ酸残基および/またはアミノ
酸アナログのポリマーについての言及を含む。これらの用語は、1つ以上のアミ
ノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的アナログである
、アミノ酸ポリマー(例えば、ペプチド模倣物)、ならびに天然に存在するアミ
ノ酸ポリマーに、適用される。これらの用語はまた、ポリペプチドが機能的なま
まであるような保存的アミノ酸置換を含むポリマーにも適用される。ポリペプチ
ドという用語はまた、あるモチーフのコンカテマーユニット、またはより大きな
アミノ酸配列内の連続的なアミノ酸配列、あるいはそのモチーフを含むポリペプ
チドを含む。
【0050】 語句「サポシンBに対して惹起された抗体」とは、本明細書中に提供される、
サポシンBまたは活性ペプチドの、抗脈管形成活性を中和し得る抗体を表す。こ
れらの抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかであり得る。こ
れらの抗体は、サポシンBを、サポシンBに特異的な抗体を産生し得る動物の免
疫系に、免疫原的に曝露することによって、産生されるかまたは生じる。
【0051】 本明細書中で使用する場合には、「組換え」とは、そのポリペプチドを発現し
得るDNAの外因性コピーを天然の状態では有さない細胞を使用して産生された
、ポリペプチドに言及することを含む。これらの細胞は、適切な単離された核酸
配列の導入によって遺伝的に改変されているので、組換えポリペプチドを産生す
る。この用語はまた、異種核酸の導入または天然の核酸の改変によって修飾され
、その細胞には天然でない形態となった、細胞、もしくは核酸、またはベクター
、あるいは細胞がそのように修飾された細胞に由来する、細胞、もしくは核酸、
またはベクターに言及することを含む。従って、例えば、組換え細胞は、その細
胞の天然の(非組換え)形態においては見出されない遺伝子を発現するか、天然
の形態において見出される遺伝子の変異体を発現するか、または、そうでなけれ
ば異常に発現されるか十分には発現されないかもしくは全く発現されない、天然
の遺伝子を発現する。
【0052】 用語「サポシンB」とは、プロサポシンのポリペプチドフラグメントを表す。
プロサポシンは、70kDの糖タンパク質であり、これは寄託され、そしてGe
nBank登録番号第337762号を与えられている。プロサポシンは、サポ
シンA、サポシンB、サポシンCおよびサポシンDと表示される、4つの小さな
熱安定性のスフィンゴ脂質結合糖タンパク質の前駆体である。スフィンゴ脂質に
結合することに加えて、サポシンCは、神経栄養活性を有することが見出されて
いる。このペプチドおよびその機能的活性は、米国特許第5,696,080号
に記載される。サポシンBは、スフィンゴ脂質(スルファチド、GM1ガングリ
オシド、グロボトリアオシルセラミドを含む)のリソソーム加水分解に関連する
。スフィンゴ脂質に加えて、サポシンBは、グリセロ脂質の加水分解に関与する
(Hiraiwaら、Arch.Biochem.Biophys.303:3
26(1993))。寄託されたプロサポシンアミノ酸配列を参照すると、サポ
シンBアミノ酸配列は、両端を含んで190位と269位との間に存在する。サ
ポシンBが欠損しているヒトは、セレブロシドスルフェートの蓄積および白質萎
縮の臨床的提示を有する(Kretzら、Proc.Nat’l Acad.S
ci.USA 87:2541(1990))。Kaseら、FEBS Let
t.393:74(1996)ならびにLamontagneおよびPotie
r、J.Biol.Chem.269:20528(1994)もまた参照のこ
と。そのスフィンゴ脂質加水分解活性に加えて、サポシンBは、以下に開示する
ように、驚くべきことに、抗脈管形成活性を有する。さらにより驚くべきことに
、サポシンBのポリペプチドの、5アミノ酸程度に小さいものは、抗脈管形成活
性を有する。
【0053】 語句「特異的(または選択的)に結合する」とは、ポリペプチドおよび他の化
合物の異種集団において、ポリペプチドの存在を決定する、結合反応を表す。従
って、指定した結合条件下では、特異的なポリペプチドは、特定の化合物に、バ
ックグラウンドの少なくとも2倍で結合し、そしてそのサンプル中に存在する他
の化合物には実質的に有意な量では結合しない。このような条件下で抗体に特異
的に結合することは、特定のポリペプチドに対するその特異性について選択され
る抗体を必要とし得る。例えば、本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、
抗体の組成がそのポリペプチドに特異的に免疫反応性である抗体のみを含み、そ
してそのポリペプチドの多型改変体、対立遺伝子、および密に関連した種間ホモ
ログ以外は、他の化合物を含まないように、選択され得る。この選択は、他のポ
リペプチド(例えば、サポシンC)と交差反応する抗体を除くことによって、達
成され得る。
【0054】 語句「細胞の表面」とは、細胞膜の間隙の面を表す。いくつかの場合において
は、細胞の表面とは、その膜に埋包され、そしてこの間隙中の化合物に結合する
ために利用可能な細胞外成分を有する化合物を含む。
【0055】 用語「治療剤」は、本開示の批評により当業者に明らかであり、そして投与さ
れる抗腫瘍剤、抗脈管形成剤または他の試薬として作用して、所望の治療効果を
患者において引き起こす、多数の化合物を含む。
【0056】 語句「哺乳動物を処置する」とは、本発明のポリペプチドまたは融合タンパク
質を、所望の結果(すなわち、所望でない脈管形成の減少)を得る目的で、哺乳
動物に投与することを表す。
【0057】 「所望でない脈管形成」とは、制御されていない持続性脈管形成、または毛細
血管わなおよび血管の調節されていない成長(これらは、他の病理状態のうちで
もとりわけ、腫瘍増殖、腫瘍転移、および異常な内皮成長において起こる)を表
す。語句「脈管形成を減少させる」とは、毛細血管わなおよび血管の所望でない
形成を減少させることを表す。所望でない脈管形成の減少が所望されるが、所望
の脈管形成(すなわち、毛細血管わなおよび血管の正常な成長)の減少もまた減
少され得ることを、当業者は理解する。
【0058】 語句「単位投薬形態」とは、本質的に、最終的な組成物形態(例えば、組成物
がその内部で、市場に最終的に送り出される、カプセル剤;錠剤;坐剤;液剤;
散剤(凍結乾燥および混合の両方);浸透性の経皮パッチ;バイアルなど)を表
す。
【0059】 (配列表) 配列表において、配列番号1は、サポシンBのアミノ酸配列に対応する。この
アミノ酸配列の7位は、アスパラギン酸残基である。配列番号2は、全長プロサ
ポシンのアミノ酸配列である。配列番号3および4は、サポシンBをコードする
核酸配列を増幅するために使用される、核酸プライマーである。配列番号4およ
び5は、プロサポシンをコードする核酸配列を増幅するために使用される、核酸
プライマーである。配列番号6および7は、サポシンAをコードする核酸配列を
増幅するために使用される、核酸プライマーである。配列番号8および9は、サ
ポシンCをコードする核酸配列を増幅するために使用される、核酸プライマーで
ある。配列番号10および11は、サポシンDをコードする核酸配列を増幅する
ために使用される、核酸プライマーである。
【0060】 ヒトプロサポシンのアミノ酸配列(配列番号1)。サポシンB成熟ペプチドの
配列(配列番号2)を、下線を引いた太字で示す。
【0061】
【化1】 表2は、本発明の抗脈管形成ポリペプチドである配列を提供する。
【0062】
【表2】 (発明の詳細な説明) 本発明は、抗脈管形成特性ならびに抗腫瘍特性を有する、ポリペプチドに関す
る。本明細書中に記載のポリペプチドは、サポシンBの潜在のペプチドおよびN
−末端ペプチド、ならびに全長サポシンB(これは、今まではスフィンゴ脂質お
よびホスホグリセリドの加水分解に関連する活性を有することのみ公知がであっ
たタンパク質である)を含む。サポシンBは、高度に保存されており、そして本
発明は、ヒトならびに他の動物種(マウス、ラット、ニワトリ、イヌおよび霊長
類を含む)由来の、対応するタンパク質およびペプチドを含む。
【0063】 本発明のポリペプチドは、様々な用途を有する。例えば、これらは、所望でな
い脈管形成および腫瘍増殖の処置のための治療剤として、使用され得る。さらに
、これらの特異的な細胞型に対する効果のために、本発明のポリペプチドは、特
定の細胞型を選択的に殺すために、細胞の、細胞傷害性部分と組み合わせて使用
され得る。これらのポリペプチドはまた、そのポリペプチドが正常には活性でな
い細胞を調節するために、細胞標的化部分に結合され得る。インビトロの用途に
加えて、本発明のポリペプチドは、インビトロにおいてもまた使用され得る。例
えば、これらのポリペプチドを使用して、抗体を生成し得、次いで、これらの抗
体を使用して、サポシンBまたはプロサポシンの過剰産生により引き起こされる
疾患を処置し得る。別の実施例においては、これらのポリペプチドを使用して、
類似の活性を有する合成薬物を生成し得る。
【0064】 本発明の化合物および方法がそのために使用される、疾患および病理的状態に
は、以下が挙げられるが、それらに限定されない:癌、血管線維腫、血管新生緑
内障、動静脈奇形、偽関節骨折、関節炎および他の結合組織障害、オースラー−
ウェーバー症候群、アテローム性動脈硬化斑、乾癬、角膜移植片新生血管形成、
化膿性肉芽腫、水晶体後線維増殖、糖尿病性網膜症、強皮症、血管腫、トラコー
マ、血管癒着ならびに過形成性瘢痕。当業者は、本開示を批評することにより、
他の疾患状態および病理状態が、同様に、本発明の化合物および方法による処置
を受けやすいことを、理解する。
【0065】 サポシンBおよびその誘導体であるペプチドにより処置可能な疾患には、ヒト
、ならびにネコ、イヌ、ウマおよびウシの処置のような、家畜病治療の使用が挙
げられる。
【0066】 (I.本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質) (A.ポリペプチドおよび融合タンパク質の供給源) (1.ポリペプチドの天然の供給源) 本発明のポリペプチドは、天然の供給源から入手可能である。この状況におけ
る天然の供給源は、哺乳動物を含み、ヒトが挙げられるが、これに限定されない
。好ましい実施態様においては、本発明のポリペプチドは、ヒトの体液から単離
される。特に好ましい実施態様においては、この体液は、尿である。この実施態
様においては、好ましいポリペプチドは、サポシンB(配列番号1)である。
【0067】 体液の処理の固有の危険性のために、本発明のポリペプチドの回収および調製
の間に、その体液に接触することを避けるよう、注意を払わなければならないこ
とを、当業者は理解する。回収期間の間に、尿は、凍結されて保存されることが
好ましい。適切な量を回収した後に、その尿を濃縮し、分画する。
【0068】 濃縮の前に、この尿を解凍し、遠心分離して、固体を除去する。代表的な遠心
分離条件は、4℃において、800×gで20分間である。残りの固体を上澄み
から除去するために、この尿を好ましくは、0.43μmまたは別の適切な濾過
膜を通して濾過する。清澄な尿を濃縮するために、この尿を、尿中のタンパク質
の溶解度を低下させる化合物(例えば、硫酸アンモニウムまたはポリエチレング
リコール)を用いて沈殿させ得る。あるいは、この尿を膜(この膜での分子量カ
ットオフは所望のポリペプチドのサイズより小さく、従ってこのポリペプチドは
保持される(すなわち、2〜5kD))を通して濾過し得る。これらの濾過技術
の例には、限外濾過およびダイアフィルトレーションが挙げられるが、これらに
限定されない。これらはいずれも、当業者に周知である。
【0069】 最初の濃縮工程の後に、その尿を、サイズ排除カラムに適用することによって
、サイズに基づいて分画する。本発明のポリペプチドは、尿中に見出される全タ
ンパク質のうちの小さな画分であるので、280nmにおける吸光度は、これら
のポリペプチドの存在を決定するには十分ではない。したがって、以下に好まし
く記載する機能アッセイおよび免疫アッセイを使用して、どの画分が抗脈管形成
ポリペプチドを含有するのかを決定する。所望ならば、さらなる分画工程(例え
ば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーおよび
疎水性相互作用クロマトグラフィー)を実施して、ポリペプチドをさらに精製お
よび/または濃縮し得る。ここでまた、これらの技術は、当該分野において周知
である。
【0070】 融合タンパク質を生成するために(本発明の別の実施態様)、これらのポリペ
プチドは、細胞標的化部分または細胞傷害性部分(「機能性部分」)に結合され
る。これらの部分は、細胞標的化活性または細胞傷害性活性を有する、タンパク
様の化合物あるいは別の化合物のいずれかであり得る。ポリペプチドと、細胞標
的化部分または細胞傷害性部分との間の結合は、化学結合体化を介して生成され
、そして以下にさらに詳細に記載する。
【0071】 化学結合体化の前に、化学修飾を行い得る。これらの修飾には、例えば、ポリ
ペプチドを機能性部分に結合させる目的での誘導体化が挙げられ、これは、タン
パク質化学の分野において周知の方法により、直接であるか、または連結化合物
を介してかのいずれかである。1つの好ましい化学結合体化の実施態様において
、ポリペプチドと機能性部分とを結合させる手段は、ヘテロ二官能性結合剤(こ
れは、最終的には、これら2つの部分の間の分子間ジスルフィド結合の形成に寄
与する)を含む。本発明のこの能力において有用な、他のタイプの結合剤は、例
えば、米国特許第4,545,985号に記載されている。あるいは、分子間ジ
スルフィドは、それぞれの部分における、天然に存在するかまたは遺伝子工学に
よって挿入されるシステインの間に、好都合に形成され得る(下記を参照のこと
)。部分同士を結合させる手段はまた、ヘテロ二官能性架橋剤間チオエーテル結
合、もしくは特定の低pH切断可能架橋剤間、または特定のプロテアーゼ切断可
能リンカー間の、あるいは他の切断可能化学結合または切断不可能化学結合を、
使用し得る。融合タンパク質の部分を結合させる手段はまた、標準的なペプチド
合成化学または組換え手段によって別個に合成された部分間で形成される、ペプ
チド結合を含み得る。
【0072】 ポリペプチドと非タンパク様機能性部分との間の化学結合体化の場合には、こ
れら2つの間の共有結合が好ましい。ポリペプチド上もしくは機能性部分上の、
共有結合のための活性部位の例には、スルフヒドリル反応性基(例えば、メタン
チオスルホニル基、ジチオピリジル基、他の反応性ジスルフィド、およびシステ
イン)、アルキル化剤(例えば、α−ハロケトン、α−ジアゾケトン)、ならび
にアシル化剤(例えば、2,4−ジニトロフェニルエステルおよびペンタフルオ
ロフェニルエステルのような、活性化エステル、ならびにある種の無水物)が挙
げられる。他の適切な活性部位は、当業者に公知である。
【0073】 しかし、本発明のポリペプチドと機能性部分との共有結合は、本発明の化合物
に必要とはされない。非共有結合が、適切な静電的相互作用(例えば、ポリペプ
チドまたは機能性部分に存在する、アンモニウムイオンおよびカルボン酸基との
相互作用)を介して生じ得る。
【0074】 1つの実施態様においては、ポリペプチドおよび機能性部分は、非連続的な様
式で結合される。例えば、ポリペプチドと機能性部分との間の結合基は、2つの
部分からなり得、これらの部分は、相補的な結合基(例えば、2つの相補的オリ
ゴヌクレオチド、またはアビジン−ビオチン対)となるように選択される。他の
相補的な結合基は、本開示を批評することにより、当業者に明らかである。
【0075】 結合の前のポリペプチドおよび機能性部分になされる化学修飾に加えて、ポリ
ペプチドおよび融合タンパク質自体の化学修飾が、予測される。このような修飾
には、周知の方法に従う、循環系に存在する時間を延長するため、および免疫原
性を減少させるための、ポリエチレングリコール(PEG)による誘導体化が挙
げられるが、これに限定されない(例えば、Lisiら、Applied Bi
ochem.4:19(1982);Beauchampら、Anal.Bio
chem.131:25(1982);およびGoodsonら、Bio/Te
chnology 8:343(1990)を参照のこと)。
【0076】 (2.ポリペプチドおよび融合タンパク質の組換え合成) 別の実施態様においては、本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質は、組
換えにより合成される。組換え技術は、当業者に周知であり、以下に簡単に記載
される。これらのポリペプチドおよび機能性部分をコードする核酸は、RNA、
cDNA、ゲノムDNA、または様々な組合せのハイブリッドのいずれであれ、
生物学的供給源から単離されるか、またはインビトロで合成される。
【0077】 本発明のポリペプチドおよび機能性部分をコードする核酸は、ゲノムライブラ
リーまたはcDNAライブラリーのいずれかで、見出され得る。例えば、本発明
のポリペプチドをコードする核酸は、ヒトゲノムライブラリにおいて見出され得
、細胞標的化抗体をコードする核酸は、免疫化された動物由来の脾臓細胞におい
て見出され得、そして毒素をコードする核酸は、供給源細菌(例えば、Pseu
domonas aeruginosaおよびCorynebacterium
diphtheriae)において見出され得る。これらのライブラリーを供
給源生物(例えば、動物または細菌)から生成するための方法は、当業者に公知
であり、そして多数の実施ガイドに見出され得る(BergerおよびKimm
el、GUIDE TO MOLECULAR CLONING TECHNI
QUES,METHODS IN ENZYMOLOGY 第152巻、Aca
demic Press,Inc.、San Diego、CA(Berger
);Sambrookら、MOLECULAR CLONING−A LABO
RATORY MANUAL(第2版)第1〜3巻、Cold Springs
Harbor Publishing(1989)(Sambrook);な
らびにCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BI
OLOGY、Ausubelら(編)、Current Protocols(
Greene Publishing Associates,Inc.とJo
hn Wiley & Sons,Inc.との合弁事業)(1997年増刊)
(Ausubel)を含む)。生物学的試薬および実験器具の製造業者からの製
品情報もまた、確立された生物学的方法において有用な情報を提供する。このよ
うな製造業者には、SIGMA chemical company(Sain
t Louis、MO)、R&D systems(Minneapolis、
MN)、Pharmacia LKB Biotechnology(Pisc
ataway、NJ)、CLONTECH Laboratories,Inc
.(Palo Alto、CA)、Chem Genes Corp.、Ald
rich Chemical Company(Milwaukee、WI)、
Glen Research,Inc.、GIBCO BRL Life Te
chnologies,Inc.(Gaithersburg、MD)、Flu
ka Chemica−Biochemika Analytika(Fluk
a Chemie AG、Buchs、Switzerland)、Invit
rogen、San Diego、CA、およびApplied Biosys
tems(Foster City、CA)、ならびに当業者に公知の他の多数
の市販供給源が挙げられる。
【0078】 ライブラリーを作製した後に、コロニーをプローブして、目的のDNAを含む
コロニーを同定しなければならない。核酸プローブは、ストリンジェント条件下
で所望の核酸に特異的にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列である。サポシ
ンBのアミノ酸配列ならびにヌクレオチド配列は公知であるので、所望のDNA
を含むクローンを単離するためのプローブの生成は、慣用的であると考えられ、
本発明の重要な局面ではない。好ましい実施態様においては、これらのプローブ
を、DNA合成機を用いて化学的に合成し、配列番号3および4に示すようなプ
ライマーを使用して増幅し、そして細菌ベクターにクローン化することによって
増殖する。次いで、これらのプローブを、当該分野で周知の技術によって標識化
し、そしてそのライブラリーをスクリーニングする。標識化核酸プローブを用い
たスクリーニング技術もまた、当該分野において周知である。
【0079】 ハイブリダイゼーションについてのストリンジェントな条件は、ハイブリダイ
ズされる核酸に依存する。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な手引は
、Tijssen,LABORATORY TECHNIQUES IN BI
OCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY−−HY
BRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES
PARTS I AND II,Elsevier,New York,(1
993)に見られる。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン
強度およびpHで、特定の配列についての熱的融解点(Tm)よりも約5℃低い
ように選択される。Tmは、標的の配列の50%が、完全にマッチしたプローブ
にハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度およびpH下)である。高度
にストリンジェントな条件は、特定のプローブに対するTm点に等しくなるよう
に選択される。時々、用語「Td」は、少なくともプローブの半分が完全にマッ
チした標的の核酸から解離する温度を規定するために使用される。いかなる場合
においても、TmまたはTdを見積もるための種々の見積技術が利用でき、一般
的にTijssen(同書)に記載される。典型的に、約80℃〜100℃の理
論最大値まで、二重鎖のG−C塩基対は、Tmに対して約3℃寄与すると見積も
られ、一方、A−T塩基対は、約2℃寄与すると見積もられる。しかし、G−C
スタッキング相互作用、溶媒効果、所望のアッセイ温度などが考慮される、Tm
およびTdのより精巧なモデルが利用でき、適切である。1つの例において、P
CRプライマーは、以下の式を使用して、約60℃の解離温度(Td)を有する
ように設計される:Td‘(((((3×#GC)+(2×#AT))×37)
−562)/#bp)−5;ここで、#GC、#AT、および#bpはそれぞれ
、テンプレートDNAに対するプライマーのアニーリングに関与する、グアニン
−シトシン塩基対の数、アデニン−チミン塩基対の数、および塩基対の総数であ
る。
【0080】 一般的に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて無関係なプローブ
で観測される比の2倍(またはそれ以上)のシグナル−ノイズ比は、特異的なハ
イブリダイゼーションの検出を示す。対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション
のような高度な特異的なハイブリダイゼーションストラテジーのために、対立遺
伝子特異的プローブが、通常、高度にストリンジェントな条件下で、多形ヌクレ
オチドを含むマーカー核酸(例えば、ゲノム核酸など)にハイブリダイズされる
【0081】 本明細書中に特許請求されたクラスのタンパク質を単離するために核酸プロー
ブを使用することに加えて、新規形態の活性ポリペプチドのための発現ライブラ
リーをプローブするために抗体を使用することも可能である。これは、周知の技
術である(YoungおよびDavis,Proc.Nat’l Acad.S
ci.USA 80:1194(1982)を参照のこと)。一般的に、cDN
A発現ライブラリーは、市販のキットから調製され得るか、または容易に入手可
能な成分を使用して調製され得る。ファージベクターが好ましいが、種々の他の
ベクターが、タンパク質の発現のために利用可能である。このようなベクターに
は、酵母、動物細胞およびXenopus卵母細胞が挙げられるが、これらには
限定されない。標的タンパク質で濃縮された供給源からmRNAを選択し、cD
NAを作製し、これを次いで、ベクターに連結し、免疫スクリーニングのために
ライブラリー宿主細胞に形質転換する。スクリーニングは、ライブラリー宿主細
胞の特定のタンパク質に結合された抗体、またはニトロセルロース膜またはナイ
ロン膜のような固体支持体に固定化された抗体を結合し、視覚化することを含む
。ポジティブクローンが同質性への精製のために選択され、次いで、単離された
cDNAが所望の組換え細胞での発現のために調製される。この技術の一般的な
総説は、METHODS OF CELL BIOLOGY,第37巻、表題A
ntibodies in Cell Biology、Assai(編)19
93に見られ得る。
【0082】 加えて、ある場合において、機能部分をコードする核酸は、必ずしも核酸ライ
ブラリーから生成されるわけではないことを、当業者は理解する。例えば、細菌
体外毒素をコードする核酸配列を含む形質転換された細菌が利用可能であり、モ
ノクローナルまたは単鎖抗体をコードする核酸を含む形質転換された細菌および
哺乳動物細胞株も利用可能である(Chaudhary(下記)を参照のこと)
【0083】 上記ライブラリーがスクリーニングされ、適切なDNAを有するコロニーが選
択された後に、そのDNAがSambrook、Ausubelおよび分子生物
学分野で当業者に利用可能な他の文献に記載される技術に従ってクローン化され
る。本発明のポリペプチドをクローン化するために、所望のDNAを含むライブ
ラリーの細胞が選択され、増殖される。培養物からのゲノムDNAが単離され、
選択された挿入されたDNAが精製される。典型的には、最初の工程として、所
望のヌクレオチド配列が制限酵素によって、ゲノムDNAまたはエピソームDN
Aから切断される。サイズ基準でDNAを分離するための電気泳動の後に、目的
のヌクレオチドが、ゲルから切り取られ、発現ベクターに挿入される。本発明の
ペプチドの発現のために、細菌、昆虫、植物および哺乳動物(これらに限定され
ない)を含む任意の適切な細胞が使用され得る。
【0084】 分子プローブとしての使用のため、または引き続くサブクローニングのための
核酸フラグメントを生成するための配列を増幅するのに適切なインビトロ増幅技
術が公知である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR
)、QB−レプリカーゼ増幅および他のRNAポリメラーゼ媒介技術(例えばN
ASBA)を含む、このようなインビトロ増幅方法を当業者に指示するのに十分
な技術の例は、Berger、Sambrook、InnisおよびAusub
el、ならびに米国特許第4,683,202号;ArnheimおよびLev
inson、C&EN 36−47(10月1日、1990);Kwohら、P
roc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:1173(1989)
;Guatelliら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 8
7:1874(1990);Lomellら、J.Clin.Chem.35:
1826(1989);Landegrenら、Science 241:10
77−1080(1988);Van Brunt、Biotechnolog
y 8:291−294(1990);WuおよびWallace、Gene
4:560(1989);Barringerら、Gene 89:117(1
990);およびSooknananおよびMalek、Biotechnol
ogy 13:563−564(1995)に見られる。インビトロ増幅核酸の
改良されたクローニング方法は、米国特許第5,426,039号に記載される
【0085】 好ましい実施態様では、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、配列
番号:3〜5に対応するプライマーで増幅される。これらのプライマーは、サポ
シンB(配列番号:3および4)ならびにproSaposin(配列番号:5
および6)に対して特異的である。
【0086】 プローブおよびプライマーとしての使用のためのオリゴヌクレオチドは、典型
的に、BeaucageおよびCaruthers、Tetrahedron
Letts.22(29):1859−1862(1981)によって記載され
る固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って、例えば、自動合成機(例え
ば、Needham−VanDevanterら、Nucl Acids Re
s.12:6159−6168(1984)に記載される)を使用して、化学的
に合成される。オリゴヌクレオチドはまた、例えば、Promega(Madi
son,WI)のような当業者に公知の種々の市販の供給源から注文してオーダ
ーメードされ得る。オリゴヌクレオチドの精製は、必要な場合、典型的には、ネ
イティブアクリルアミドゲル電気泳動またはアニオン交換HPLC(Pears
onおよびRegnier、J.Chrom.255:137−149(198
3)に記載される)のいずれかによって行われる。合成オリゴヌクレオチドの配
列は、MaxamおよびGilbert、Methods in Enzymo
logy 65:499−560(1980)の化学分解(chemical
degradation)法を使用して確認される。
【0087】 本発明のいくつかの実施態様において、ポリペプチド内のアミノ酸を変化させ
ること、または天然に存在するカルボキシル末端の前でポリペプチドを短縮する
ことが望ましい。アミノ酸の置換を実行するために、またはポリペプチドを短縮
するために終止コドンを挿入するための所定の核酸配列に改変を生成する多くの
方法がある。このような周知の方法には、部位特異的変異誘発、縮重オリゴヌク
レオチドを使用するPCR増幅、核酸を含む細胞の変異原性剤または照射への曝
露、所望のオリゴヌクレオチドの化学合成(例えば、多数の核酸を生成するため
のライゲーションおよび/またはクローニングと組み合わせて)および他の周知
の技術が挙げられる。GilimanおよびSmith、Gene 8:81−
97(1979);Robertsら、Nature 328:731−734
(1987);Sambrook;Innis、Ausubel、Berger
、Needham VanDevanterおよびMullis(全て上記)を
参照のこと。
【0088】 本発明のポリペプチドまたは融合タンパク質の、別の好ましい遺伝子工学的改
変は、ポリペプチドおよび機能部分を単一遺伝子から発現される単鎖多機能タン
パク質に組み合わせることを含む。(例えば、PCT公開出願WO880934
4を参照のこと)。従って、次いで、融合タンパク質は、ポリペプチドの一方の
末端で始まり、機能部分で終わるポリポリペプチドを含む。ポリペプチドおよび
機能部分の組換え連結は、いずれかの分子のいずれかの末端で行われ得る。例え
ば、ポリペプチドのカルボキシル末端は、機能部分のアミノ末端に連結され得、
逆の場合も同様である。同様に、所望であれば、ポリペプチドは、機能部分アミ
ノ酸配列の内側に挿入され得る。しかし、ポリペプチドが小さくない場合、機能
部分の活性が失われ得ることを理解しなければならない。
【0089】 組換え融合タンパク質を産生するための方法は、当業者に周知である。従って
、例えば、Chaudharyら、Nature 339:394(1989)
;Batraら、J.Biol.Chem.265:15198(1990);
Batraら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:85
45(1989);Chaudharyら、Proc.Nat’l Acad.
Sci.USA 87:1066(1990)は、種々の単鎖融合タンパク質の
調製を記載する。
【0090】 一般的に、融合タンパク質の産生は、ポリペプチドの核酸配列および使用され
る機能部分をコードするDNAを別々に調製することを含む。2つの配列は、特
定の所望の融合タンパク質をコードする構築物を形成するために、プラスミドま
たは他のベクター中に組み合わせられる。より単純なアプローチには、所望の機
能部分をすでにコードしている構築物に特定のポリペプチドをコードするDNA
を挿入することが挙げられる。
【0091】 従って、例えば、ポリペプチド−シュードモナス体外毒素融合タンパク質をコ
ードするDNAは、ポリペプチドをコードするDNAを所望の体外毒素をコード
するDNAをすでに含む構築物に、当該分野で周知の技術を使用して挿入するこ
とによってほとんど容易に調製される。
【0092】 哺乳動物の細胞は、ポリペプチドならびに抗体−サイトカイン(Hoogen
boomら、Biochem.Biophys.Acta 1096:345(
1991);Hoogenboomら、Mol.Immunol.28:102
7(1991))および抗体−酵素(Casadeiら、Proc.Nat’l
Acad.Sci.USA 87:2047(1990);Williams
ら、Gene 43:319(1986))のようなハイブリッド分子を発現お
よび分泌するために使用されている。組換えタンパク質を用いることの欠点は、
外来タンパク質の潜在的な免疫原性である。外来タンパク質の免疫原性は、典型
的に、組換えタンパク質に存在する間違ったグリコシル化パターンに起因する。
従って、発現されるタンパク質がグリコシル化されるので、真核生物の細胞株が
、原核細胞よりも好ましい。特に、ヒト誘導細胞株は、これらの細胞がシアル酸
を末端グリコシドとして組み込む点で特に好ましい。
【0093】 少ない免疫原性のために、ヒト細胞が望ましいが、当業者は、他の細胞が本発
明のペプチドを発現するために使用され得ることを理解する。例えば、CHO細
胞、COS細胞、3T3細胞およびL細胞のような哺乳動物細胞株が使用され得
る。使用され得る他の真核細胞には、昆虫細胞株および酵母細胞(例えば、Sa
ccharomyces cerevisiaeおよびPichia past
eris)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、グリコシル化が重
要でない場合、本発明のペプチドは、例えば、E.coliのような原核細胞で
発現され得る。
【0094】 当業者は、抗血管形成活性を減少することなしに、ポリペプチドに改変がなさ
れ得ることを理解する。クローニング、発現、または抗血管形成活性部分を融合
タンパク質に取り込むことを容易にするために、いくらかの改変がなされ得る。
このような改変は、当業者に周知であり、例えば、開始部位を提供するためにア
ミノ末端に付加されたメチオニン、または便利に配置された制限部位または終止
コドンまたは精製配列を作製するためにいずれかの末端に配置された追加のアミ
ノ酸(例えばポリHis)が挙げられる。
【0095】 本発明の融合タンパク質のタンパク質部分の他の遺伝子工学改変には、タンパ
ク質のサイズを減少するために、あるいは溶解性に影響する配列の変化(例えば
、システインからセリンへ)またはグリコシル化部位に影響する配列の変化のよ
うな産生または有用性を促進する他のパラメーターを改変するために、機能的に
必要でないドメインを欠失させることが挙げられる。多くのさらなる周知の化学
的および遺伝子的なタンパク質の改変が、本発明の融合タンパク質のように、非
経口の投与が意図され得る任意のタンパク質に有利に適用され得ることは、当業
者に理解される。
【0096】 (3.ペプチドの化学合成) 本発明のポリペプチドは、好ましくは合成的に調製される。比較的短いサイズ
のポリペプチドは、典型的に、従来の技術に従って、溶液中または固体支持体上
で合成される。例えば、Merrifield、J.Am.Chem.Soc.
85:2149(1963)を参照のこと。種々の自動合成機および配列が、市
販され、公知のプロトコルに従って使用され得る。例えば、Stewartおよ
びYoung、SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHESIS
、第2版、Pierce Chemical Co(1984)を参照のこと。
配列のカルボキシル末端アミノ酸が不溶性の支持体に接続され、続いて配列の残
りのアミノ酸の逐次的付加が行われる固相合成は、本発明のポリペプチドの化学
合成に好ましい方法である。固相合成の技術は、BaranyおよびMerri
field、Solid−Phase Peptide Synthesis;
3〜284頁、THE PEPTIDS:ANALYSIS,SYNTHESI
S,BIOLOGY.第2巻:SPECIAL METHODS IN PEP
TIDE SYNTHESIS,PART A.,;Merrifieldら、
J.AM.Chem.Soc.85:2149−2156(1963);および
Stewartら、SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHES
IS,第2版、Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.
(1984)に記載される。
【0097】 化学合成または組換え体の発現の後に、ポリペプチドは、そのポリペプチドの
天然のコンフォメーションとは実質的に異なるコンフォメーションを有し得る。
この場合、それは、このポリペプチドを変性し、還元し、次いでこのポリペプチ
ドを好ましいコンフォメーションに再び折り畳ませるのに役立つ。ポリペプチド
を還元および変性し、そして再折り畳みを誘導する方法は、当業者に周知である
(Debinskiら、J.Biol.Chem.268:14065(199
3);KreitmanおよびPastan、Bioconjug.Chem.
4:581(1993);およびBuchnerら、Anal.Biochem
.205:263(1992)を参照のこと)。例えば、Debinskiらは
、グアニジン−DTEの封入体ポリペプチドの変性および還元を記載する。次い
で、ポリペプチドは、酸化されたグルタチオンおよびL−アルギニンを含む酸化
還元緩衝液中で再び折り畳まれる。
【0098】 ペプチド骨格からなるポリペプチドに加えて、ペプチド模倣物(peptid
omimetics)またはポリペプチドアナログがまた提供される。ポリペプ
チドアナログは、テンプレートのポリペプチドの性質と類似する性質を有する非
ペプチド薬物として、薬学工業において通常使用される。これらの種の非ペプチ
ド化合物は、「ペプチド模倣物(peptide mimeticsまたはpe
ptidomimetics)」と呼ばれる(Fauchere、J.、Adv
.Drug Res.15:29(1986);VeberおよびFreidi
nger、TINS 392頁(1985);およびEvansら、J.Med
.Chem.30:1229(1987))。本発明の有用なポリペプチドに構
造的に類似したペプチド模倣物は、等しいまたは増加した抗脈管形成効果を生成
させるために使用され得る。
【0099】 一般的に、ペプチド模倣物は、模範のポリペプチド(すなわち、Saposi
nBまたは抗脈管形成活性を有するポリペプチドに構造的に類似するが、以下か
らなる群から選択される連結基によって必要に応じて置換される1つ以上のペプ
チド連結を有する:−CH2NH−、−CH2S−、−CH2−CH2−、−CH−
CH−(シスおよびトランス)、−COCH2−、−CH(OH)CH2−、およ
び−CH2SO−。これは、当該分野で公知の方法および以下の参考文献にさら
に記載される方法による:Spatola、CHEMISTRY AND BI
OCHEMISTRY OF AMINO ACIDS,PEPTIDES,A
ND PROTEINS、B.Weinstein(編)、Marcel De
kker、New York、267頁(1983);Spatola、Veg
a Data 1(3)、Peptide Backbone Modific
ations(一般的総説)(1983年3月);Morley、Trends
Pharm.Sci.(1980)463〜468頁(一般的総説);Hud
sonら、Int’l J.Pept.Prot.Res.14:177−18
5(1979)(−CH2NH−、CH2CH2−);Spatolaら、Lif
e Sci.38:1243−1249(1986)(−CH2−S);Han
n、J.Chem.Soc.Perkin Trans. I 307−314
(1982)(−CH−CH−、シスおよびトランス);Almquistら、
J.Med.Chem.23:1392−1398(1980)(−COCH2
−);Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett.
23:2533(1982)(−COCH2−);Szelkeら、EP 45
665(1982)(−CH(OH)CH2−);Holladayら、Tet
rahedron Lett.24:4401−4404(1983)(−C(
OH)CH2−);およびHruby、Life Sci.31:189−19
9(1982)(−CH2−S−)。従って、本発明において、抗脈管形成ペプ
チド模倣物は、本発明のポリペプチド(すなわち、DX1CX2Dを含む)に構造
的に類似する。
【0100】 ペプチド模倣物は、本発明のペプチド実施態様について有意な利点を有し得、
これには、例えば、以下が挙げられる:より経済的な産生、より大きな化学的安
定性、高められた薬理学的性質(半減期、吸収、効力、有効性など)、変化され
た特異性(例えば、生物学的活性の広いスペクトル)、減少した抗原性など。
【0101】 融合タンパク質を作製するためのペプチド模倣物の化学的結合体化は、普通、
定量的な構造−活性データおよび/または分子モデリングによって予測されたペ
プチド模倣物の妨害しない部分に、直接またはスペーサー(例えば、アミド基)
によって、機能部分の1つ以上の結合部位に対する共有結合を含む。このような
妨害しない部分は、一般的に、ペプチド模倣物が抗脈管形成効果を生じるために
結合する表面巨大分子(例えば、KS細胞のサポシンBレセプター)との直接の
接触を形成しない位置である。さらに、ペプチド模倣物の誘導体化(例えばラベ
リング)および結合体化は、ペプチド模倣物の所望の抗脈管形成活性を実質的に
妨害するべきではない。
【0102】 ペプチド模倣物に加えて、合成ポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸の同じタ
イプのD−アミノ酸(例えば、L−リジンの代わりにD−リジン)への系統的な
置換を含み得る。これらの置換は、より安定なポリペプチドを生成するために使
用され得る。また、コンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列の
バリエーションを含む束縛されたポリペプチドは、当該分野で周知の方法によっ
て生成され得る(RizoおよびGierasch、Ann.Rev.Bioc
hem.61:387(1992);例えば、ペプチドを環化する分子内ジスル
フィド架橋を形成し得る内部システイン残基を加えることによる。
【0103】 ペプチド骨格への修飾に加えて、合成または非天然アミノ酸はまた、ポリペプ
チドまたは融合タンパク質の機能部分に存在するアミノ酸の代わりに使用され得
る。合成または非天然アミノ酸は、インビボで天然には生じないが、それにもか
かわらず、本明細書中に記載されるペプチド構造に組み込まれ得るアミノ酸を示
す。好ましい合成アミノ酸は、上記の、天然L−α−アミノ酸のD−α−アミノ
酸、ならびに式H2NCHR5COOHによって表される非天然D−およびL−α
−アミノ酸であり、ここで、R5は、以下1)〜5)である:1)低級アルキル
基、2)3〜7個の炭素原子のシクロアルキル基、3)3〜7個の炭素原子なら
びに酸素、硫黄、および窒素からなる群から選択される1〜2個のへテロ原子の
へテロ環、4)6〜10個の炭素原子の芳香族残基であって、必要に応じて、ヒ
ドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルからなる群から選択
される芳香族核上の1〜3個の置換基を有する、芳香族残基、5)−アルキレン
−Yであって、ここで、アルキレンが1〜7個の炭素原子のアルキレン基であり
、Yが、以下(a)〜(g)からなる群より選択される、−アルキレン−Y:(
a)ヒドロキシ、(b)アミノ、(c)3〜7個の炭素原子のシクロアルキルお
よびシクロアルケニル、(d)6〜10個の炭素原子のアリールであって、必要
に応じて、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルからな
る群から選択される芳香族核上の1〜3個の置換基を有する、アリール、(e)
3〜7個の炭素原子ならびに酸素、硫黄、および窒素からなる群から選択される
1〜2個のへテロ原子のへテロ環、(f)−C(O)R2であって、ここで、R2 は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、および−NR34から
なる群から選択され、ここでR3およびR4は、独立して、水素および低級アルキ
ルからなる群から選択される、−C(O)R2、(g)−S(O)n6であって
、ここで、nは、1〜2に整数であり、R6は、低級アルキルであるが、但し、
5は、天然アミノ酸の側鎖を規定しない。
【0104】 他の好ましい合成アミノ酸には、アミノ基がβ−アラニン、γアミノ酪酸など
のような1個より多い炭素原子によってカルボキシル基から分離されているアミ
ノ酸が挙げられる。
【0105】 特に好ましい合成アミノ酸には、例として、天然L−アミノ酸のD−アミノ酸
、L−1−ナフチル−アラニン、L−2−ナフチルアラニン、L−シクロへキシ
ルアラニン、L−2−アミノイソ酪酸、メチオニンのスルホキシドおよびスルホ
ン誘導体(すなわち、HOOC−(H2NCH)CH2CH2−S(O)n6)(
ここで、nおよびR6は、上で定義された通りである)、ならびにメチオニンの
低級アルコキシ誘導体(すなわち、HOOC−(H2NCH)CH2CH2−OR
(ここで、R6は、上で定義した通りである)が挙げられる。
【0106】 (B.ペプチドおよび融合タンパク質の特徴付け) ポリペプチドまたは融合タンパク質が所望の特徴を有するか否か、従って抗脈
管形成(anti−angiogenic)であるか否かを決定することは、特
に融合タンパク質を合成する場合に、必要である。特徴付けは、ポリペプチドま
たは融合タンパク質の構造的特性または化学的特性によって、あるいは、ポリペ
プチドまたは融合タンパク質の機能的特性によってのいずれかで、成され得る。
【0107】 (1.ペプチドの物理的および化学的な特徴付け) ポリペプチドおよび融合タンパク質は、種々の方法によって検出されるかまた
は定量化され得る。好ましい方法には、特異的抗体を利用する免疫学的アッセイ
の使用を包含する。
【0108】 (a.抗体) ポリクローナル性およびモノクロナール性の抗体を産生する方法は、当業者に
公知である。例えば、Conligan、CURRENT PROTOCOLS
IN IMMUNOLOGY、Wiley/Greene,NY(1991)
;Stitesら(編)BASIC AND CLINICAL IMMUNO
LOGY(第7版)Lange Medical Publications、
Los Altos,CA、およびこの文献(「Stites」)中に記載され
る参考文献;Goding、MONOCLONAL ANTIBODIES:P
RINCIPLES AND PRACTICE(第2版)Academic
Press,New York,NY(1986);KohelerおよびMi
lstein、Nature 256:495(1975);ならびにHarl
ow and Laneを参照のこと。このような技術には、ファージまたは類
似のベクターにおける組換え抗体のライブラリーからの抗体選択による抗体調製
が挙げられる。Huseら、Science 246:1275(1989)(
「Huse」);およびWardら、Nature 341:544(1989
)を参照のこと。
【0109】 ポリクローナル性抗体を産生するために、手短に言えば、イムノゲン(例えば
、本発明のポリペプチド)を、アジュバンドと混合し、そして動物を免疫化する
。このイムノゲン調製物に対するこの動物の免疫応答を、ブリード試験(tes
t bleed)を行い、そしてこのイムノゲンに対する反応性の力価を測定す
ることによって、モニターする。このイムノゲンに対する抗体の適切に高い力価
が得られた場合、血液をこの動物から回収し、そして抗血清を調製する。タンパ
ク質に対して反応性の抗体について濃縮するために、この抗血清のさらなる分画
が、所望である場合、なされ得る。(HarlowおよびLane(前出)を参
照のこと)。
【0110】 抗体のみが、高分子対して、産生され得る。従って、免疫応答が、本発明のよ
り小さなポリペプチドに対して増加されにくい。このような低分子に対する抗体
を産生するために、動物の免疫システムによって認識されるより大きな分子とそ
れらを会合させることが、まず必要である。手短に言えば、ポリペプチドを、前
節に記載の方法に従って、キャリアタンパク質へ結合させる。典型的なキャリア
タンパク質は、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペットシアニン(keyh
ole limpet cyanin)およびオボアルブミンである。これらの
動物を、上記のように回収したポリペプチドおよび血液(bleed)と会合さ
せたキャリアタンパク質で免疫化する。ポリペプチド(キャリアタンパク質無し
)のみを使用して、これらのポリペプチドに対する反応性について試験血液をス
クリーニングする。
【0111】 多量のモノクローナル抗体は、当業者に知られた種々の技術によって得られ得
る。手短に言えば、所望のタンパク質(本発明の融合タンパク質またはポリペプ
チド、あるいはキャリアタンパク質と会合したポリペプチドのいずれか)で免疫
化した動物からの脾臓細胞を、一般的に骨髄腫細胞との融合によって、不死化す
る(KohelerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6
:511(1976)を参照のこと)。不死化の代替の方法には、Epstei
n Barrウイルス、オンコジーン、レトロウイルスでの形質転換、または当
該分野において周知の他の方法が挙げられる。単一の不死化された細胞から生じ
たコロニーを、本発明のポリペプチドまたは融合タンパク質について所望の特異
性および親和性の抗体の産生についてスクリーニングする。このような細胞によ
って産生されるこのモノクローナル抗体の収率は、種々の技術(脊椎動物宿主の
腹膜腔への注射が挙げられる)によって増強され得る。あるいは、Huseに概
説される一般的なプロトコルに従ってヒトB細胞由来のDNAライブラリーをス
クリーニングすることによって、モロクローナル性抗体またはその結合フラグメ
ントをコードするDNA配列を単離し得る。
【0112】 (2.免疫学的結合アッセイ) ポリペプチドおよび融合タンパク質の濃度は、種々のイムノアッセイ法によっ
て測定され得る。免疫学的なレヴューおよび一般的なイムノアッセイ手順につい
ては、Stitesを参照のこと。その上、本発明のイムノアッセイは、任意の
いくつかの構成で実施され得、これらは、ENZYME IMMUNOASSA
Y、E.T.Maggio編、CRC Press、Boca Raton、F
lorida(1980);Tijssen;ならびにHarlowおよびLa
neにおいて広範に再考される。
【0113】 好ましい実施態様において、本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質は、
多数のよく認識された免疫学的結合アッセイ(例えば、米国特許第4,366,
241号;同第4,376、110号;同第4,517,288号;および同第
4,837,168号を参照のこと)を使用して、検出および/または定量化さ
れる。一般的なイムノアッセイのレヴューについては、METHODS IN
CELL BIOLOGY第37巻Antibodies in Cell B
iology,Asai編、Academic Press,Inc.New
York(1993);およびStitesをまた参照のこと。免疫学的結合ア
ッセイ(またはイムノアッセイ)は、分析物へ特異的に結合するためおよび分析
物(この場合において、ポリペプチド、融合タンパク質およびレセプター)をし
ばしば固定化するために、典型的に、「補足因子(caputure agen
t)」を使用する。この補足因子は、分析物へ特異的に結合する部分である。好
ましい実施態様において、この補足因子は、本発明のポリペプチド、融合タンパ
ク質およびレセプターへ特異的に結合する抗体である。この抗体は、当業者に周
知である任意の数多くの手段によって、および上述のように産生され得る。
【0114】 イムノアッセイはまた、補足因子および分析物によって形成される結合複合体
に特異的に結合しそして標識する標識薬剤(labeling agent)を
しばしば利用する。標識薬剤それ自体は、抗体/分析物複合体を含む部分の1つ
であり得る。したがって、例えば、標識薬剤は、標識化されたポリペプチドまた
は標識された抗−ポリペプチド抗体であり得る。あるいは、標識薬剤は、抗体/
ポリペプチド複合体へ特異的に結合する第3の部分(例えば、別の抗体)であり
得る。
【0115】 好ましい実施態様において、標識薬剤は、標識を保有する第2のポリペプチド
またはレセプター抗体である。あるいは、第2の抗体は、標識を欠き得るが、代
わりに、第2抗体から誘導される種の抗体に対して特異的な標識された第3の抗
体によって結合され得る。第2は、検出可能な部分(例えば、ビオチン)によっ
て改変され得、これへ、第3の標識分子(例えば、酵素−標識ストレプトアビジ
ン)は特異的に結合し得る。
【0116】 免疫グロブリン定常領域へ特異的に結合し得る他のタンパク質(例えば、タン
パク質Aまたはタンパク質G)はまた、標識薬剤として使用され得る。これらの
タンパク質は、連鎖球菌性バクテリアの細胞壁の正常な構成物質である。これら
は、種々の種由来の免疫グロブリン定常領域との強い非免疫学的反応性を示す(
一般的には、Kronvalら、J.Immunol.111:1401−14
06(1973)、およびAkerstromら、J.Immunol.135
:2589−2542(1985)を参照のこと)。
【0117】 アッセイの間、インキュベーションおよび/または洗浄工程が、薬剤のそれぞ
れの組み合わせ後に必要とされ得る。インキュベーション工程は、約5秒から数
時間まで変化し得、好ましくは、約5分〜約24時間である。しかし、このイン
キュベーション時間は、アッセイ形式、分析物、溶液の容量、濃度などに依存す
る。通常、これらのアッセイは、周囲温度で実施されるが、それらは温度の範囲
(例えば、4℃〜40℃)を超えて実施され得る。
【0118】 上述のEIAベース形式(EIA based format)に加えて、ウ
エスタンブロット(免疫ブロット)分析が、使用され、サンプル中の不凍化タン
パク質の存在を検出および定量化し得る。この技術は、一般的に、分子量に基づ
いてゲル電気泳動法によってサンプルタンパク質を分離する工程、適切な固体支
持体(例えば、ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、または誘導
ナイロンフィルター)へこれらの分離されたタンパク質を輸送する工程、および
THPへ特異的に結合する抗体と共にこのサンプルをインキュベートする工程を
包含する。この抗−THP抗体は、固体支持体上のTHPへ特異的に結合する。
これらの抗体は、直接的に標識され得るか、あるいは、抗不凍化タンパク質へ特
異的に結合する標識された抗体(例えば、標識されたヒツジ抗−マウス抗体)を
使用して引き続いて検出され得る。
【0119】 他のアッセイ形式には、リポソームイムノアッセイ(LIA)が挙げられ、こ
れは、特定の分子(例えば、抗体)へ結合し、そしてカプセル化した薬剤または
マーカーを放出するように設計されたリポソームを使用する。次いで、これらの
放出された化学種は、標準的な技術に従って検出される(Monroeら、Am
er.Clin.Prod.Rev.5:34(1986)を参照のこと)。
【0120】 (3.ペプチドの機能的な特徴付け) 本発明のポリペプチドの機能的な特徴付けは、それらの抗脈管形成かつ抗増殖
性の特性を利用する。換言すると、このポリペプチドの抗脈管形成および/また
は抗増殖性の可能性が、測定される。好ましい実施態様において、本発明のポリ
ペプチドの抗増殖性活性は、内皮原の細胞(例えば、HUVECおよびネズミの
内皮細胞)、ならびにカポジ肉腫細胞株(例えば、KS、Y−1、KS−SLK
およびKS 6−3)において測定される。しかし、当業者は、抗脈管形成また
は抗腫瘍性因子に応答する任意の系統が、本発明のポリペプチドを機能的に特徴
付けするために使用され得ることを認識する。
【0121】 典型的には、抗増殖性アッセイにおいて、試験される化合物の存在における増
加の抑制が、測定される。例えば、上記の細胞は、適切な時間、本発明のポリペ
プチドと共にインキュベートされ、そして負の制御(すなわち、培地のみでイン
キュベートされた同一の細胞株の細胞)に相対的な増殖速度の減少が測定される
。細胞培養物の増殖は、当業者に適切な任意の方法によって測定され得、これに
は、3H−チミジン取り込み、細胞計測およびテトラゾリウム色素取り込みが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0122】 抗脈管形成アッセイは、内皮細胞(例えば、VEGFおよびbFGF)を活性
化するために公知の化学走性の因子の存在下での化合物による内皮細胞の機能的
阻害を測定する。典型的な高次構造において、試験される化合物と共に内皮細胞
が、2個のチャンバウェル(例えば、Boydenチャンバまたはトランスウェ
ルプレート)の上部チャンバに配置される。化学走性の因子を有する培地は、下
部チャンバに配置される。2個のチャンバを分割しているものは、化学走性の因
子に対しては透過性であるが内皮細胞に対しては非透過性である膜である。この
膜は、天然または人工のいずれかの基底膜(例えば、Matrigel)でコー
ティングされ得る。あるいは、この膜は、フィブロネクチン、またはプロテアー
ゼ分解に対して感受性のゲルを形成し得る別のタンパク質でコーティングされ得
る。内皮細胞を有するプレートは、これらの細胞をこの膜へ輸送するに十分な時
間、インキュベートされる。この化合物の抗脈管形成活性を決定するために、こ
の化合物の存在下でこの膜を横断した細胞の数を、この化合物無しでの膜を横断
する細胞の数と比較する。下部チャンバにおける(または化学走性の因子と接触
するこの膜の局面上での)細胞の数がコントロールチャンバにおける細胞の数よ
りも少ない場合、この化合物は抗脈管形成の可能性を有した。
【0123】 上述の相対的に単純なアッセイに加えて、本発明のポリペプチドおよび融合タ
ンパク質は、マルチシステム脈管形成アッセイにおいて、機能的に特徴付けられ
得る。例えば、最も一般的に使用されるマルチシステムアッセイは、発育してい
るひな鳥の胚の尿膜を使用する。この卵殻に窓を切開し、尿膜を曝す。試験され
るべきポリペプチドをこの膜へ加え、そしてこの卵を上記の化合物の抗脈管形成
効果(例えば、負の制御と比較して、尿膜におけるより少ない血管)が見られる
ように十分に長くインキュベートする。
【0124】 別のインビボアッセイにおいて、腫瘍細胞株を、ヌードマウスへ移植する。次
いで、これらのマウスを、本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質で処置す
る。適切な時間の後、これらのマウスを、腫瘍後退の兆候について観察する。こ
の腫瘍が後退しているまたは大きさが減少している場合、試験している化合物は
、抗脈管形成または抗腫瘍特性を有する。Aroraら、Cancer Res
arch 59:183(1999)を参照のこと。
【0125】 本発明の融合タンパク質は、官能的部分の活性によってさらに特徴付けられ得
る。当業者は、これらのタンパク質が官能的部分のみを特徴付けるために使用さ
れる同様のアッセイによって特徴付けられ得ることを認識する。例えば、細菌毒
の細胞傷害を測定するためのアッセイは、Pseudomonas体外毒素また
はDiphtheria毒素へ結合された本発明のポリペプチドを含む融合タン
パク質の細胞傷害活性を測定するために使用され得る。細胞障害アッセイの1つ
の例は、限定する意図はないが、Galloway、J.Immunol.Me
thods 140:37(1991)において見られ得る。
【0126】 (C.本発明のレセプター) 本発明の別の実施態様は、本発明のポリペプチドへ結合する単離したレセプタ
ーを含む。この分離したレセプターは、他の抗脈管形成薬物または抗腫瘍薬物に
ついてスクリーニングするために使用され得る。さらに、この分離したレセプタ
ーは、それ自体で脈管形成薬物として使用され得る。例えば、脈管形成が所望さ
れる場合(例えば、創傷治療)、本発明の単離したレセプターは、哺乳動物へ投
与され得、内皮細胞上に存在するレセプターと結合するサポシンBを競合し、そ
して存在する血管の基底膜を通って内皮細胞の移入を促進する。
【0127】 細胞表面レセプターの単離は、当業者に公知である。簡単に言えば、本発明の
レセプターを含むと公知である細胞は、脂肪親和性薬剤(典型的には、イオン洗
剤)で可溶化される。次いで、この細胞溶解産物を、本発明のポリペプチドが結
合されている樹脂と共に充填されるカラムにそれを通過させることによって、ア
フィニティー精製する。この結合されたレセプターを、典型的には高い塩(hi
gh salt)または必要ならばイオン洗剤中でこのカラムから溶出する。こ
れらのレセプターは、さらなるカラム精製または分離電気泳動によって、均一に
さらに精製され得る。
【0128】 細胞上に存在するレセプターの数が非常に少なく、そして上で概要を説明した
技法は、薬物スクリーニングアッセイにおいてまたは脈管形成促進製薬として使
用するに十分なレセプターを生成しないことが、予想される。従って、本発明の
レセプターを組換え的に発現することは必要であり得る。再度、ゲノムのまたは
cDNAライブラリーが、本発明のレセプターへ特異的に結合する核酸あるいは
抗体またはポリペプチドのいずれかでプローブされ得る。変質核酸プローブを作
製するために、上述の天然に存在するレセプターが、当業者に周知でありそして
本明細書中に記載される技法に従って、配列決定され得る。適切な好ましいコド
ンを使用して、核酸プローブが合成されそして標識される。ヌクレオチドミスマ
ッチが生じる傾向にあるので(コドン変質のため)、このライブラリーが移され
た膜へのこのプローブのハイブリダイゼーションは、上述ほどストリンジェント
でない。変質プローブへハイブリダイズされたDNAを含むコロニーが、単離さ
れ、そして上述のように増殖される。
【0129】 発現ライブラリーをスクリーニングするために、精製された天然に存在するレ
セプターまたは本発明のポリペプチドに対して生じる抗体が、使用され得る。発
現ライブラリーをスクリーニングする一般的な技法は、本明細書中で記載される
通りである。
【0130】 本発明のレセプターは、上述のアッセイを使用して特徴付けられる。しかし、
所望の結果が、本発明のポリペプチドについて得られる結果の反対であり、すな
わち、サポシンBの存在における脈管形成または増殖を増加させ、あるいは本発
明のポリペプチドが所望される。
【0131】 (D.サポシンB抗体) 本発明のペプチドを特徴付けることに加えて、サポシンBに関する抗体が、脈
管形成を強めるための治療的処置として使用され得る。
【0132】 サポシンBは、細胞増殖のホメオタシスにおける要素として細胞によって発現
される。従って、脈管形成が所望されるがサポシンBの存在によってブロックさ
れる状態において、サポシンBの作用を阻害する組成物は、このタンパク質の活
性をブロックする。この組成物には、制限されないが、サポシンBレセプター(
上記を参照のこと)を含み、そしてサポシンBに関する抗体を中和する。
【0133】 従って、本発明は、SposinBおよび/または本発明のペプチドへ標的化
される抗体を提供する。これらの抗体は、タンパク質表面上に曝され、そして細
胞外環境から抗体へ接触可能であるサポシンBの決定基に対して免疫学的条件下
で選択的に反応性である。
【0134】 用語「選択的反応性」は、抗体(全体または部分的)のサポシンB決定基また
はペプチドとの優先的な会合のことをいい、そしてその標的決定基を欠くタンパ
ク質、細胞または組織への会合ではない。当然ながら、ある程度の非特異的相互
作用が、分子と非標的細胞または組織との間で生じ得ることが認識される。しか
しながら、特異的な結合は、標的サポシンB分子の特異的認識によって媒介され
るので、区別され得る。典型的に特異的な結合は、結合された分子とサポシンB
を欠くタンパク質または細胞との間よりも強い、送達された抗体とサポシンBと
の間の会合を生じる。特異的結合は、サポシンB決定基を欠くタンパク質、細胞
または組織と比較した場合、サポシンBあるいはサポシンBを有する細胞または
組織へ結合するリガンドの量(単位時間あたり)が、典型的に2倍、好ましくは
5倍より多く、より好ましくは10倍より多く、そして最も好ましくは100倍
より多く増加する。上記に列挙したイムノアッセイ形式は、特定のタンパク質と
の特異的免疫反応性の抗体を選択するために適切である。
【0135】 本発明のいくつかの実施態様において、抗サポシンB抗体は、scFvまたは
dsFv抗体などの抗体結合フラグメントである。Fvフラグメントは、典型的
に約25kDaであり、そして完全な抗原結合部位を含む。FVフラグメントの
HおよびVL鎖は、非共有的相互作用によって共に保持される。これらの鎖は、
希釈の際に、解離する傾向にあり、従って、グルタルアルデヒド、分子間ジスル
フィド、またはペプチドリンカーを介してこれらの鎖を架橋する方法が開発され
てきた。好ましい実施態様においてFV抗体結合フラグメントはサポシンBに対
する抗体またはそれらの保存的に修飾された改変体由来の可変性重鎖、ならびに
/あるいはサポシンBに対する抗体または保存的に修飾されたそれらの改変体由
来の可変性軽鎖を有する。dsFVフラグメントこのような保守的な改変体は、
これらの鎖間でのジスルフィド結合について使用されるシステイン残基を保持す
る。抗サポシンB VHおよびVLの保存的に修飾した改変体は、サポシンBに対
するモノクローナル抗体のVHおよびVLの核酸配列へのアミノ酸レベルで、少な
くとも80%の配列類似性、好ましくは少なくとも85%の配列類似性、より好
ましくは少なくとも90%の配列類似性、そして最も好ましくは少なくとも95
%の配列類似性を有する。
【0136】 FV抗体を作製する方法が記載された。Huseら、Science 246
:1275−1281(1989);およびWardら、Nature 341
:544−546(1989);およびVaughanら、Nature Bi
otechnology14:309−314(1996)を参照のこと。一般
的に、適切なモノクローナル抗体またはポリクロナール抗体は、通常、少なくと
も10-6M、好ましくは少なくとも10-8M、好ましくは少なくとも10-9M、
より好ましくは少なくとも10-10M、最も好ましくは少なくとも10-11Mの親
和性定数で結合する。
【0137】 ジスルフィド安定化FVフラグメントの種々の重鎖(H鎖)および軽鎖(L鎖
)(VHおよびVL)は、これら2個の鎖の各々に存在するシステイン残基間での
ジスルフィド結合によって共有結合される。選択されるべきアミノ酸の対は、優
先度の減少する順番で以下である: VH44−VL100 VH105−VL43 VH105−VL42 VH106−VL43 VH104−VL43 VH44−VL99 VH45−VL98 VH46−VL98 VH103−VL43 VH103−VL44 VH103−VL45。
【0138】 最も好ましくは、システインの置換が以下の位置でなされる: VH44−VL100;または VH105−VL43。
【0139】 例えば記号VH44−VL100は、位置44でシステインを有するVHおよび
位置100でのVLでシステインを有するポリペプチドをいう;位置は、「Se
quences of Proteins of Immunological
Interest」、E.Kabatら、U.S.Government P
rinting Office、NIH Publication第91−32
42(1991)(これは、本明細書中で参考として援用される(「Kabat
およびWu」))において与えられる番号付けに従う。DsFVフラグメントは
、少なくとも1つのジスルフィド結合を含むが、所望の場合、2、3、4、5ま
たはそれ以上の結合を含み得る。
【0140】 いくつかの抗体実施態様の2個のVHおよびVL鎖は直接的に共に結合され得る
が、当業者は、これらの分子が1以上のアミノ酸からなるペプチドリンカーによ
って分離され得ることを理解する。一般的に、このペプチドリンカーは、これら
のタンパク質を結合させるかあるいはそれらの間のいくらかの最小距離を保存す
るかまたは他の空間的関係を保持する以外の、特異的な生物学的活性を有さない
。しかし、このペプチドリンカーの構成アミノ酸が、分子のいくつかの特性(例
えば、折り畳み、網充填(net charge)、または疎水性)に影響を与
えるために、選択され得る。単一鎖FV(scfv)抗体は、長さにおいて、5
0以下のアミノ酸、一般的には40以下のアミノ酸、好ましくは30以下のアミ
ノ酸、そしてより好ましくは20以下のアミノ酸のペプチドリンカーを必要に応
じて含む。
【0141】 (II.本発明の薬学的組成物) 本発明の1つの実施態様において、本発明のポリペプチドは、薬学的組成物へ
処方される。本発明のポリペプチドに加えて、本発明の薬学的組成物は、薬学的
に受容可能なキャリア(賦形剤を含む)を含有する。このセクションを通して、
用語ポリペプチドは、本発明のポリペプチド、融合タンパク質およびレセプター
を示すために使用される。
【0142】 (A.ポリペプチドおよび融合タンパク質の精製) 本発明の薬学的組成物への処方の前に、本発明のポリペプチドを精製すること
が必要である。タンパク質精製技法は、当該分野において周知であり、そして多
くの実施ガイド(「Basic Protein and Peptide P
rotocols」、METHODS IN MOLEC.BIOL.Vol.
32、Walker編、Humana Press(1994)が挙げれる)に
おいて見られ得る。
【0143】 これらのポリペプチドが、例えば、上述のペプチド合成技法によって、化学的
に合成された後、これらのポリペプチドを含む反応混合物から過剰のアミノ酸を
除去することが必要であり得る。アミノ酸を除去するために適切である精製技法
は、当該分野に周知である。例えば、これらのポリペプチドは、逆相HPLC、
ゲルパーミッション、イオン交換、サイズ排除(size exclusion
)、親和性、分配、または向流分配などの公知のクロマトグラフ手順を使用して
精製され得る(一般的に、R.Scopes、POLYPEPTIDE PUR
IFICATION、Springer−Verlag,N.Y.(1982)
、Deuscher、METHODS IN ENZYMOLOGY Vol.
182:Guide to Polypeptide Purificatio
n.,Academic Press,Inc.N.Y.(1990)を参照の
こと)。一旦、部分的にまたは所望のような均一へ精製されると、次いで、これ
らのポリペプチドは、使用され得る(例えば、抗体産生のためのイムノゲンとし
て、融合タンパク質における抗脈管形成部分として、または薬学的組成物におけ
る活性化合物として)。
【0144】 B.薬学的に受容可能なキャリア 本発明における使用のための適切な処方物は、REMINGTON’S PH
ARMCEUTICAL SCIENCES(Mack Pablishing
Company、フィラデルフィア、PA、第17版(1985))に見出さ
れる。さらに、薬物送達のための方法の簡単なレヴューとして、Langer、
Science 249:1527−1533(1990)を参照のこと。本明
細書に記載される薬学的組成物は、当業者に公知の様式において(すなわち、従
来の混合、溶解、顆粒化、糖剤の製造、微粒子状化、乳化、カプセル化、エント
ラップ化(entrapping)、または凍結乾燥化方法によって)製造され
得る。以下の方法および賦形剤は、単なる例示であり、限定するものではない。
【0145】 注射用の本発明のポリペプチドは、水性の溶媒または非水性の溶媒(例えば植
物油、または他の類似の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステル、ま
たはプロピレングリコール)中で、所望であれば、可溶化剤、等張剤(isot
onic agents)、懸濁剤、乳化剤、安定剤、および保存剤のような従
来の添加物と共に、これらを溶解、懸濁、または乳化することによって調製物中
へ処方され得る。好ましくは、本発明の化合物は、水溶液、好ましくは、生理学
的適合性の緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理学的食塩
水緩衝液)中で処方され得る。粘膜(transmucosal)投与用に、バ
リヤーを浸透するのに適切な浸透剤が、処方において使用される。このような浸
透剤は、一般に、当該分野で公知である。
【0146】 経口投与用に、ポリペプチドは、当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリ
アと組合せることによって容易に処方され得る。このようなキャリアは、化合物
を処置されるべき患者による経口摂取用に、錠剤、丸剤、糖剤、カプセル剤、エ
マルジョン、脂肪親和性懸濁剤、および親水性懸濁剤、液体、ゲル、シロップ、
スラリー、懸濁剤などとして処方され得る。経口使用用の薬学的調製物は、適切
な補助剤を添加した後、化合物を固形賦形剤と混合することによって、必要に応
じて得られた混合物を粉砕することによって、そして顆粒剤の混合物をプロセス
することによって(所望であれば、錠剤または糖剤のコアを得るために)得られ
得る。適切な賦形剤は、特に糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたは
ソルビトールを含む)のような賦形剤;例えば、トウモロコシのデンプン、小麦
のデンプン、米のデンプン、ジャガイモのデンプン、ゼラチン、トラガカントゴ
ム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)のよ
うなセルロース調製物である。所望であれば、以下の崩壊剤が添加され得る:例
えば、架橋したポリビニルピロリドン、寒天、あるいはアルギン酸、またはその
塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)。
【0147】 糖剤のコアは、適切なコーティング剤を用いて提供される。この目的のために
、濃縮した糖溶液が使用され得、これには、必要に応じて、アラビアゴム、タル
ク、ポリビニルピロリドン、カルボポール(carbopol)ゲル、ポリエチ
レングリコール、および/またはチタンジオキシド、ラッカー溶液、ならびに適
切な有機溶媒、もしくは溶媒の混合物が挙げられ得る。染料または顔料は、識別
のためまたは活性な化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、錠剤ま
たは糖剤のコーティング剤として添加され得る。
【0148】 経口用に使用され得る薬学的調製物には、ゼラチンから作製されるプッシュフ
ィット(push−fit)カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えば
、グリセロールまたはソルビトール)から作製される柔軟で、シールされたカプ
セルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、賦形剤(例えば、ラクトース
)、結合剤(例えば、デンプン)、および/または潤滑剤(例えば、タルクまた
はステアリン酸マグネシウム、ならびに必要に応じて安定剤との混合物中に活性
成分を含み得る。軟カプセル剤の中で、活性化化合物は、適切な液体(脂肪油、
流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール)中に溶解されるか、また
は懸濁され得る。さらに、安定化剤が添加され得る。経口投与用の全ての調製物
は、このような投与に適切な用量であるべきである。
【0149】 口腔および舌下投与用に、組成物は、従来の様式で処方された錠剤または舐剤
の形態を取り得る。
【0150】 点滴注入または吸入による投与のために、本発明に従う使用のための化合物は
、適切な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタ
ン、ジクロロテトラフルオロエタン、カーボンジオキシド、または他の適切な気
体)を用いる加圧パック(pressurized pack)または噴霧器か
ら、あるいは噴霧剤なしの乾燥粉末吸入器から与えられる、エアゾールスプレイ
の形態で容器に送達される。加圧エアゾールの場合、用量単位は、測定量を送達
するための弁を提供することで決定され得る。吸入器および注入器に使用するた
めの例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物の粉末混合物、
および適切な粉末ベース(例えばラクトースまたはデンプン)を含むように処方
され得る。
【0151】 化合物は、注射(例えば、ボーラス注射または連続的注入)によって非経口投
与のために処方され得る。注射用の調製物は、単位用量形態(例えば、アンプル
、または多用量(multi−dose)容器)に、保存剤を添加して提供され
得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中で懸濁液、溶液またはエマルジョン
のような形態を取り得、そして例えば、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤
のような処方剤を含み得る。
【0152】 非経口投与のための薬学的処方物は、水溶性形態で活性化合物の水溶液を含む
。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製され得る。
適切な脂肪親和性溶媒またはビヒクルには、脂肪油(例えば、ゴマ油)、または
合成脂肪酸エステル(例えば、エチルオレアート、もしくはトリグリセリド)、
またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘性を増加させる
物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、または
デキストラン)を含み得る。必要に応じて、懸濁液はまた、適切な安定剤、また
は化合物の溶解度を増加させる薬剤を含み得、高濃縮溶液の調製を可能にする。
あるいは、活性化成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、滅菌した発熱物質
なしの水)を有する構造の粉末形態であり得る。
【0153】 化合物はまた、坐薬または停留浣腸(例えば、ココアバター、カルボワックス
、ポリエチレングリコールまたは他のグリセリドのような従来の坐薬ベースを含
む)のような膣または直腸用組成物に処方され得、これらの全ては体温で融解す
るが、室温では固体である。
【0154】 前記の処方物に加えて、化合物はまた、蓄積調製物として処方され得る。この
ような長時間作用性の処方物は、移植(例えば、皮下または筋肉内)によってか
、または筋肉内注射によって投与され得る。従って、例えば、化合物は、適切な
ポリマー性材料または疎水性材料(例えば、受容可能な油中のエマルジョンとし
て)またはイオン交換樹脂と共に、あるいは節約型可溶性誘導体(例えば節約型
可溶性塩)として調製され得る。
【0155】 あるいは、本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質用の他の送達システム
が、使用され得る。リポソームおよびエマルジョンは、薬物のビヒクルまたはキ
ャリア送達の周知の例である。経皮送達用に、通常、より大きな毒性を犠牲する
ことになるが、ジメチルスルホキシドのような特定の有機溶媒もまた使用さる。
さらに、化合物は、徐放性システム(例えば、治療用のポリペプチドを含む固形
疎水性ポリマーの半透性のマトリクス)を使用して送達され得る。種々のタイプ
の徐放性材料が確立され、そして当業者に周知である。徐放性カプセルは、それ
らの化学的性質に依存し、数週間から100日を超えるまで、化合物を放出し得
る。
【0156】 薬学的組成物はまた、適切な固体層またはゲル層のキャリアまたは賦形剤を含
み得る。このようなキャリアまたは賦形剤の例は、以下を含むがそれらに限定さ
れない:カルボン酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、デンプン、セ
ルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールのようなポリマー。
【0157】 本発明における使用のために適切な薬学的組成物は、活性成分が治療的に有効
量含まれる組成物を含む。患者に投与される量は、所望でない新脈管形成の重篤
度、投与される特定のポリペプチドの活性、患者の全体的な健康状態、および投
与の様式に依存して変化する。本発明の薬学的組成物は、所望でない新脈管形成
をすでに受けている患者に投与され、従って化合物は、所望でない新脈管形成お
よびその合併症を改善するために十分な量を投与される。これを達成するために
十分な量を、「治療的有効量」として定義される。一般に、全身性使用(例えば
、静脈内、髄膜内、および動脈内)のための用量は、1日につき約0.1mg/
kg〜約50mg/kg、好ましくは、1日につき約5mg/kg〜約20mg
/kg(70kgの患者に対して)の範囲である。当業者は、この用量がまた、
投与経路に依存することを本開示をレヴューする際に理解する。例えば、局所投
与(例えば、局所、膣内、直腸内、皮下および眼内)のために、用量は、1用量
当たり約0.1mg/cm2〜約2.5mg/cm2、好ましくは、1用量当たり
約0.1mg/cm2の範囲である。
【0158】 (III.実施例) (実施例1:組換え型サポシンBおよび他のProposin鎖の活性) 組換え型サポシンBが、抗脈管形成活性を有するかどうかを決定すために、各
Prosaposin鎖のコード領域を線維芽細胞株から増幅し、そして細菌性
(pGEX−KG)および真核生物(pcDNA3.1HisA)発現ベクター
の両方の中でクローン化した。
【0159】 T1線維芽細胞株(ATCC、Rockville、MD)を10%のFBS
を含むDMEM培地中で増殖させた。総RNAを、RNAzol剤(Tel−T
est、Friendswood、TX)によって4×106細胞から抽出した
。総RNAの約5μgを使用して、オリゴdTまたはランダムプライマー(Li
fe technologies、Gaithersburg、MD)のいずれ
かを使用してcDNAを合成した。サポシンB cDNAを増幅するために、コ
ード領域の5’および3’末端
【0160】
【数1】 に対応する2個のプライマーを合成した。これらのプライマーは、Eco RI
制限部位が、5’末端に位置され、そしてXho I制限部位が3’末端に位置
されるように設計した。増幅したDNAの5’末端にXba1制限部位を、そし
て3’末端にXho1制限部位を加えたプライマーを使用して、Proapos
in、サポシンA,CおよびDを、同じcDNAから増幅した。PCR増幅に使
用されるプライマーは、以下であった:
【0161】
【数2】 これらの増幅反応は、二本鎖DNAを変成させるために94℃で1分間、プライ
マーをアニールするために55℃で2.5分間、そして二本鎖DNAを重合させ
るために72℃で3分間、インキュベートすることを含む。この反応を、30サ
イクル繰り返した。最後の重合化工程は、72℃で10分間行った。
【0162】 PCR産物を、それぞれの制限酵素で消化し、そして制限産物を細菌発現のた
めのpGEX−KGベクター中に挿入した。pGEX−KGベクターは、挿入部
位の3’末端にグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)標識を含むので、
その結果GST−融合タンパク質を発現する。このGST標識は、組換え型タン
パク質の精製を助けるために使用する。グルタチオン−Sepharose 4
Bカラムからの溶出の後、GST標識したタンパク質を、4時間、室温(22〜
25℃)、50mMのTris、pH8.3、3mMのCaCl2、150mM
のNaCl中のトロンビン(4μg/ml)でインキュベートし、融合タンパク
質からGSTを取り除いた。遊離GTSを、グルタチオン−Sepharose
4Bカラムに消化した融合タンパク質を通過させることによって調製物から取
り除いた。
【0163】 SDS−PAGEによると、細菌産物は、真核生物のタンパク質より小さかっ
た。原核生物で発現したタンパク質は、グルコシル化されないので、おそらく分
子量の差異は、真核生物のタンパク質中の糖質の存在を表す。次いで、組換え型
タンパク質を、KS、内皮およびコントロール細胞株中で試験した。活性は、K
S細胞株および内皮細胞でのみ見出された。
【0164】 組換え型サポシンCは、試験された最も高い濃度(50μg/mL)でさえ、
KS細胞株および内皮細胞に対して活性を有さなかった。同様に、サポシンAお
よびDも、活性を有さなかった(データを示さず)。天然に存在する完全長のP
rosaposinをまた、さらに試験したが、活性を有さなかった。これらの
発見により、サポシンBのみが抗脈管形成活性を示すことを実証した。抗脈管形
成タンパク質に関する同様の結果が、以前に報告されている。例えば、アンギオ
スタチンは、プロトロンビンの潜在的なペプチドであり、そしてエンドスタチン
は、コラーゲンXVIIIのカルボキシペプチドである。アンギオスタチンおよ
びエンドスタチンの両方は、これらの前駆体タンパク質が存在しないが、抗脈管
形成活性を有することが報告されている。
【0165】 (実施例2:サポシンBは、内皮細胞の移動を阻害する) 新脈管形成は、複雑な生化学的プロセスによって媒介され、これらは、存在す
る血管内皮細胞下の基底膜の分解、続いて内皮細胞の増殖および移動、続いて毛
細血管わなの形成、そして新しく形成される血管に入れるため、および安定性を
提供するための血管平滑筋細胞の補充を含む。サポシンBの存在下でのKSおよ
び内皮細胞の移動を、8μmの細孔膜を有するトランスウェル培地プレート(C
ostar、Cambridge、MA)で研究した。
【0166】 簡単には、ウェルを一晩フィブロネクチン(25μg/mL)でコートし、そ
して内皮細胞およびKS細胞を、100μLのDMEM/0.4%FCSを用い
る上部チャンバー中にプレートした。500μLのDMEM/0.4%FCSを
低部チャンバに加え、そして1時間37℃でインキュベートした。様々な濃度の
試験ポリペプチドを上部チャンバーに加え、走化性薬剤(chemotacti
c agent)(VEGFまたはbFGF(20ng/mL))を底部細胞培
養チャンバーに加えた。このプレートを、5時間37℃でインキュベートし、そ
して、綿棒で上部チャンバーの膜から細胞を拭き取った後、フィブロネクチンコ
ート膜を通過する細胞を計数した。
【0167】 膜を横切った細胞を、製造指示(Dade Diagnostics Inc
.、Aguada、PR)に従ってDiff−Quik染料で固定した。この細
胞を、4個のランダムに選択した領域において顕微鏡(320倍)で計数した。
この実験を二重に行い、少なくとも3回繰り返した。
【0168】 組換え型サポシンBは、細胞移動の競合阻害に関して高活性であることを見出
された。従って、サポシンBは、内皮およびKS細胞移動の強いインヒビターで
ある。比較すると、パクリタキセルは、内皮細胞移動を全く阻害しなかった。
【0169】 (実施例3:サポシンBは、CAMアッセイ中で新脈管形成を阻害する) 抗脈管形成活性を試験するために、ニワトリの尿膜(CAM)アッセイを組換
え型サポシンBを用いて行った。10日齢の受精卵細胞を、卵殻に窓を作製し、
そして尿膜上に陽性コントロールとしてVEGFまたはbFGF、試験化合物、
またはキャリア緩衝液(陰性コントロール)で飽和させたろ紙ディスクを配置す
ることによるアッセイのために調製した。この膜を48時間後に収集し、そして
Olympusの実体顕微鏡を使用して分析した。ディスク下に浸透した分枝血
管の数を計数し、そして撮影した。8個のCAMを試験グループ用に調査し、そ
してこの実験を少なくとも2回繰り返した。
【0170】 組換え型サポシンBは、VEGFまたはbFGFによって誘導される新脈管形
成を有効に遮断する。図3を参照のこと。さらに、両方のタンパク質によって誘
導される新脈管形成の阻害は、ろ紙に抗サポシンB抗体を加えることによって遮
断された。これらの結果は、サポシンBがCAMアッセイにおいて抗脈管形成活
性を有することを実証した。
【0171】 (実施例4:サポシンBは、CD34+/Flk−1+細胞に対して細胞傷害
性である) 骨髄から誘導されるヒトCD34+/Flk−1+前駆細胞は、VEGFおよ
びサイトカイン産物のような信号を誘導する腫瘍に応答して血流に移動され得る
。これらの細胞は、それらが活性化内皮細胞へ成熟する新脈管形成の部位を標的
とし得、従って腫瘍部位において新しい血管の生成に寄与し得る。これらの細胞
の産生を遮断するか、またはこれらの細胞を標的とする(すなわち、この細胞が
なり得るCDCD34+/Flk−1+前駆細胞および活性化内皮細胞)ことに
よって、腫瘍の増殖に必要な新脈管形成/脈管形成が、減少されるか、または停
止され得る。幹細胞または末梢単核血球に由来する骨髄のCD34+/Flk−
1+選択亜集団は、Asaharaら、Science 1997、275、9
65−967に記載されるようにフィブロネクチンでコートしたシャーレ上にプ
レートした場合に、血管の内皮細胞に分化することが示されている。接着細胞は
、新脈管形成プロセスを代表する活性化血管内皮細胞の紡錘体の形態特性を獲得
する。これらの細胞は、VIII因子、コマツナギ凝集素−1(UEA−1)、
内皮の構成的一酸化窒素シンターゼ(ecNOS)およびEセレクチンを含む、
内皮特異的マーカーを発現する。さらに、これらの細胞(末梢血Flk+前駆体
)をマウスに注入する場合、損傷部位の新しく形成された血管に細胞を組み込む
。これらの観察は、CD34+/Flk−1骨髄由来の前駆体を血管内皮細胞に
対する推定前駆体として同定する。これらの細胞を腫瘍における新脈管形成の遠
位部位でコロニー化を防ぐことは、腫瘍の処置に関して大きな意味を有する。
【0172】 サポシンBが、CD34+/Flk−1+前駆体に対して細胞傷害性であるかど
うかを決定するために、臍帯血由来のCD34+/Flk−1+細胞を単離し、5
0ng/mLのサポシンBの存在または非存在下でフィブロネクチンでコートし
たシャーレ上にプレートした。サポシンBの非存在下で、接着細胞は、増殖しそ
して紡錘体状の内皮細胞へと成熟することが観察された。しかし、サポシンBの
存在下では、CD34+/Flk−1+前駆体であるgrwptjは、阻害された
【0173】 サポシンBで処理したCD34+細胞の生存度の違いは、コントロール細胞と
比較した場合、約20%のみであったことから、サポシンBは、ほとんどのCD
34+臍帯血由来細胞に対して毒性でないことを見出された。従って、サポシン
Bは、十分に分化しかつ活性化した内皮細胞のみならず、既に標的新脈管形成部
位を示した循環前駆体(circulating progenitor)も標
的とする。
【0174】 (実施例5:骨髄前駆体細胞でのサポシンBの効果) ヒトの骨髄細胞および末梢血単核細胞を、高い用量のシクロホスファミドおよ
びG−CSFの投与後に被験者から採取した。メチルセルロース中の幹細胞の試
験管内腫瘍細胞感受性試験を、IL−3、エリスロポエチンおよびVEGF(1
0ng/mL、および100ng/mL)を用いて実施した。VEGFを使用し
て、フィブロネクチンのような細胞外基質に付着しないが自己複製能力を有する
前駆体細胞が存在するかどうかを検出した。サポシンBが造血(骨髄のまたは赤
血球の)系統細胞に関して内皮細胞特異的前駆体に対して毒性であるかどうかを
検出することもまた望ましい。
【0175】 VEGF処置により、メチルセルロースにおいてコロニーの形成が得られるこ
とが見出され、従って、VEGFに応答する前駆体細胞が存在することが証明さ
れた。これらのコロニーは、VEGFに応答して発生する1より多い細胞系統を
示す、細胞の混合物を含んだ。これらのコロニーはまた、VEGFレセプターの
存在を標識する紡錘体状細胞を含む。
【0176】 サポシンBは、IL−3、またはエリスロポエチンのいずれかを用いて発生し
たコロニー上で細胞傷害効果を有さず、サポシンBがこれらの細胞型に対して毒
性でないことを示した。しかし、VEGFを用いて生成されたコロニーは、紡錘
体状細胞を有さず、円形の小型細胞のままであった。このことは、サポシンBが
VEGFレセプターを有する内皮細胞の新脈管形成および脈管形成プロセスに関
連するような細胞に対して毒性であった。
【0177】 (実施例6:サポシンBはインビボで活性である) 組換え型サポシンBの抗新脈管形成活性を検出するために、腫瘍細胞を、免疫
不全マウスに移植し、サポシンBまたは緩衝液のみかのいずれかで処置した。
【0178】 ヌードマウスに、2×106KS−SLKまたはKS Y−1細胞を100μ
Lの全容積で皮下に注射した。腫瘍発生の1週間後に、このマウスに1、10お
よび20mg/kgの濃度(100μg/kg体重の全タンパク質濃度)でPB
SまたはサポシンBのいずれかを毎日皮下に注射した。この腫瘍の大きさを、1
週間に3回測定した。この結果は、各群における4匹のマウスの中央値を示す。
【0179】 腫瘍の増殖は、サポシンBによって顕著に遅らされ、この効果は用量に依存し
た。サポシンBは、これらの細胞の増殖において効果を有さなかった。従って、
サポシンBは、インビトロおよびインビボの両方において活性を有する強力な抗
腫瘍タンパク質である。
【0180】 抗腫瘍効果は、異なるクラスの同系の腫瘍を用いて再現可能であったかどうか
を決定するために、C57BL/6マウスにLewis肺ガン、メラノーマ(B
16)およびT細胞リンパ腫(EL−4)細胞株を移植した。KS Y−1を陽
性コントロールとしてヌードマウスに移植した。腫瘍移植の次の日に、2.5m
g/kgのサポシンBを腹腔内に投与した。腫瘍の大きさを週に3回、2週間に
わたって測定し、この時マウスを分析のために屠殺した。サポシンBで処置をし
たマウスは、試験した全ての腫瘍の型において腫瘍増殖の大きな阻害を示した。
図4を参照のこと。
【0181】 さらなる実験において、KS腫瘍を、サポシンBでの処置(腫瘍から離れた部
位で1日に1および5mg/kg)の前に5日間増殖させた。コントロールマウ
スにおいて、腫瘍は555±mgの重量まで増殖した。腫瘍増殖の阻害は、サポ
シンBで処置したマウスで観測され、ここで切除された腫瘍の重量は、コントロ
ールの約23%であった。図5を参照のこと。これらの実験の終わりに切除され
た腫瘍はまた、アポトーシス、血管の密度、および分裂指数について試験した。
サポシンB処置した腫瘍は、アポトーシスの増加および血管の密度の増加を示し
た。従ってインビトロでの結果と反対に、サポシンBは、非KS腫瘍に対して抑
制作用を有する。
【0182】 (実施例7:サポシンBポリペプチドの抗新脈管形成活性) サポシンBペプチドが抗新脈管形成活性を有したかどうかを検出するために、
一連の重複ポリペプチドを合成し、KS Y−1細胞増殖アッセイで試験した。
重複ポリペプチドは配列番号13〜42である。結果を、表4〜8で表にした。
細胞増殖をKS細胞中または線維芽細胞中のいずれかでアッセイする。細胞を、
適切な培地中で等しい数、48ウェルプレートにプレートした。細胞を、様々な
濃度で1日目および3日目に試験化合物で処置した。MTTを5日目に行った。
KS細胞を活性化内皮細胞を提示するために使用し、一方、線維芽細胞はコント
ロール細胞を提示する。この結果において、活性化内皮細胞/KS細胞と比較し
て、線維芽細胞に対する毒性を欠くことに注目すべきである。同様の結果が、増
殖する内皮細胞中で見出された。これらの結果は、試験化合物の新脈管形成特性
の発見を支持する。
【0183】 (表4:サポシンBポリペプチドの存在下でのKS細胞の増殖1
【0184】
【表3】 1細胞増殖アッセイを、7,500KS Y−1細胞/ウェル(48ウェルプレ
ート中)で実施した。5日間、37℃でインキュベートした。MTTを添加し、
プレートを、テキストに記載されるように読み出した。
【0185】 (表5:サポシンBポリペプチドの存在下での線維芽細胞の増殖2
【0186】
【表4】 2細胞増殖アッセイを、5000T1細胞/ウェル(48ウェルプレート中)で
実施した。7日間、37℃でインキュベートした。MTTを添加し、プレートを
、テキストに記載されるように読み出した。
【0187】 (表6:KS細胞株の移動におけるSEQ ID NO:19 サポシンBポ
リペプチドの効果3
【0188】
【表5】 3細胞移動アッセイを、50,000KS Y−1細胞/ウェルで実施した。使
用する前に、ウェルを線維芽細胞でコートした。25ng/mLのbFGFを低
部チャンバに添加し、走化性薬剤として作用させた。ポリペプチドで一晩インキ
ュベートした後、細胞を計数した。 SEQ ID NO:19として示されるポリペプチドからのポジティブな結
果は、この領域内の他のより小さなポリペプチドがまた、活性を有することを示
唆した。SEQ ID NO:20〜31のより小さなポリペプチドを使用する
細胞増殖アッセイの結果は、表7で表にする。
【0189】 (表7:サポシンBポリペプチドの存在下での細胞の増殖4
【0190】
【表6】 4細胞増殖を、線維芽細胞T1細胞/ウェル(48ウェルプレート中)で実施し
た。5日間、37℃でインキュベートした。MTTを添加し、プレートを、テキ
ストに記載されるように読み出した。
【0191】 (表8:サポシンBポリペプチドの活性のまとめ)
【0192】
【表7】 実施例6に記載される結果と同様の実験に対するインビボでの結果は、ペンタ
ペプチドDVCQD(SEQ ID NO:28)がインビボで活性であったこ
とを実証する(図6を参照のこと)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、組換えサポシンBの活性を示す。KSおよび内皮細胞のみが、用量依
存性増殖阻害を示した。
【図1B】 図1Bは、組換えサポシンBの活性を示す。増殖性細胞および静止状態でない
内皮細胞(HUVEC)のみが、用量依存性増殖阻害を示す。
【図1C】 図1Cは、切断された組換えサポシンBの活性を示す。サポシン(Sap)B
1−69(最初の69アミノ酸からなる)、Sap B 1−42(最初の4
2アミノ酸からなる)、Sap B 11−81(11〜81のアミノ酸からな
り、従って最初の10アミノ酸を欠く)。特に、示されるSap B 1−69
およびSap B 1−42は、用量依存性増殖阻害を示すが、Sap B 1
1−81は、これを示さない。
【図1D】 図1Dは、n−末端デカペプチド(DVCQDCIQMV 配列番号21)の
活性を示す。内皮細胞のみが、用量依存性増殖阻害を示す。
【図1E】 図1Eは、N−末端ペンタペプチド(DVCQC 配列番号28)の活性を示
す。内皮細胞のみが、用量依存性増殖阻害を示す。
【図2A】 図2Aは、サポシンBで阻害された内皮細胞移動を示す。このアッセイは、フ
ィブリノーゲンでコーティングされた膜によって分離された二重チャンバウェル
で行われた。化学走性は、低いチャンバ中で、bFGF(25ng/mL)によ
って誘発された。内皮細胞またはKS細胞(5×104/mL)は、上部チャン
バ中に試験ポリペプチドの存在下および非存在下で置かれた。タキソール(10
ng/mL)は、移動の公知インヒビターとして使用された。膜をわたる細胞移
動は、一晩のインキュベーション後に定量化された。
【図2B】 図2Bは、サポシンBで阻害された内皮細胞移動を示す。このアッセイは、フ
ィブリノーゲンでコーティングされた膜によって分離された二重チャンバウェル
で行われた。化学走性は、低いチャンバ中で、bFGF(25ng/mL)によ
って誘発された。内皮細胞またはKS細胞(5×104/mL)は、上部チャン
バ中に試験ポリペプチドの存在下および非存在下で置かれた。タキソール(10
ng/mL)は、移動の公知インヒビターとして使用された。膜をわたる細胞移
動は、一晩のインキュベーション後に定量化された。
【図3】 図3は、組換えサポシンBの脈管形成の効果を示す。用量依存様式でサポシン
Bによって阻害された、脈管形成因子(bFGF)に応答して、CAMにおいて
形成された血管分岐の数である。
【図4】 図4は、マウスにおける腫瘍増殖の阻害を示す。C57BL/6マウスは、L
ewis肺癌、黒色腫(B16)、およびT細胞リンパ腫(EL4)を移植され
た。KS Y−1は、ヌードのマウスにポジティブコントロールとして移植され
た。移植1日後に、サポシンB(2.5mg/kg)を、マウスに皮下的に注射
した。
【図5】 図5は、樹立されたKS Y−1腫瘍の増殖におけるサポシンBの1日2回の
用量の効果を示す。矢印は、1日の皮下投薬の開始をマークする。
【図6】 図6は、マウスにおける樹立されたKS Y−1腫瘍の増殖についてのペンタ
ペプチドDVCQD(配列番号28)の効果である。マウスは、1日目に、腫瘍
を移植された。ペプチドによる処置は、続く日に、1日あたり皮下的に50mg
/kgの用量で開始した。コントロールと比較した場合、腫瘍体積は、著しく小
さかった。矢印は、1日の皮下投薬の開始をマークする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 43/00 105 43/00 105 C07K 4/12 C07K 4/12 14/21 14/21 14/47 14/47 14/515 14/515 16/18 16/18 19/00 19/00 A61K 37/02 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 4B024 BA38 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4C076 AA06 AA12 BB01 BB11 BB31 CC26 GG43 4C084 AA02 AA06 AA07 BA22 CA56 MA17 MA35 NA14 ZA331 ZA451 ZA891 ZB261 4H045 AA10 AA11 BA10 CA11 CA40 DA01 DA75 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリペプチドであって、ここで、該ポリペプチド
    が、約5〜約71のアミノ酸長であり、そして連続するアミノ酸配列DX1CX2 Dを含み;ここで、X1およびX2が、アミノ酸からなる群から選択される、単離
    されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 X1がバリンまたはその保存的に改変された改変体である、
    請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  3. 【請求項3】 X2がグルタミンまたはその保存的に改変された改変体であ
    る、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 前記ポリペプチドが連続するアミノ酸配列DVCQDを含む
    、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドがDX1CX2Dのペプチド模倣物であり、
    ここで、X1およびX2がアミノ酸からなる群から選択される、請求項1に記載の
    単離されたポリペプチド。
  6. 【請求項6】 前記ポリペプチドが7位で始まる配列番号1に示されるアミ
    ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたポ
    リペプチド。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチドが少なくとも5の連続するアミノ酸、また
    はその保存的に改変された改変体を含み、該連続するアミノ酸は7位で始まる配
    列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の単離されたポリペ
    プチド。
  8. 【請求項8】 前記ポリペプチドがR−DVCQD−R’を含み;ここで、
    Rが0〜約6の連続するアミノ酸であり;そしてここで、R’が0〜約59の連
    続するアミノ酸である、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  9. 【請求項9】 前記ポリペプチドがグリコシル化される、請求項1に記載の
    単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドがR−XDVCQD−R’を含み;ここ
    で、RがAa1−Aa2−Aa3−Aa4−Aa5、Aa2−Aa3−Aa4−Aa5
    Aa3−Aa4−Aa5、Aa4−Aa5およびAa5からなる群から選択され、そし
    てここで、Aa1、Aa2、Aa3、Aa4およびAa5がアミノ酸からなる群から
    選択され;XがG、A、SおよびTからなる群から選択され;そしてR’が0〜
    約59の連続するアミノ酸である、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 R’がAa12−Aa13−Aa14−Aa15−Aa16、Aa12 −Aa13−Aa14−Aa15、Aa12−Aa13−Aa14、Aa12−Aa13、および
    Aa12からなる群から選択され、ここで、Aa12、Aa13、Aa14、Aa15およ
    びAa16がアミノ酸からなる群から選択される、請求項10に記載の単離された
    ポリペプチド。
  12. 【請求項12】 Aa12がシステインまたはその保存的置換体である、請求
    項11に記載の単離されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 Aa13がイソロイシンまたはその保存的置換体である、請
    求項11に記載の単離されたポリペプチド。
  14. 【請求項14】 Aa14がグルタミンまたはその保存的置換体である、請求
    項11に記載の単離されたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 アミノ酸配列GDVCQDCIQMVを有する、請求項1
    に記載の単離されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 サポシンBに特異的に結合し、そしてKS Y−1、SL
    KおよびHUVECからなる群から選択される細胞の表面上に見出される、単離
    されたタンパク質。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の単離されたポリペプチドと特異的に反応
    性である、抗体。
  18. 【請求項18】 所望でない脈管形成に関連する病理学的症状を処置するた
    めの医薬の製造における単離されたポリペプチドの使用であって、該単離された
    ポリペプチドは、連続するアミノ酸配列DX1CX2Dを含み、ここで、X1およ
    びX2が、アミノ酸からなる群から選択され、そして該ポリペプチドが抗脈管形
    成活性を有し、そしてここで、該医薬は、脈管形成を低減させるのに有効である
    一定量のポリペプチドを含む、使用。
  19. 【請求項19】 単位投薬形態の薬学的組成物であって、以下: (a)1以上の薬学的に受容可能な賦形剤、 (b)連続するアミノ酸配列DX1CX2Dを含む一定量のポリペプチドであっ
    て、ここで、X1およびX2がアミノ酸からなる群から選択される、ポリペプチド
    を含み;そして ここで、該ポリペプチドが、1以上の単位用量の該組成物を投与される動物ま
    たは患者において所望でない脈管形成を処置あるいは予防するのに有効である、
    薬学的組成物。
  20. 【請求項20】 前記単位投薬形態が前記ポリペプチドを含む無菌溶液であ
    る、請求項19に記載の薬学的組成物。
  21. 【請求項21】 前記単位投薬形態が局所的軟膏剤である、請求項19に記
    載の薬学的組成物。
  22. 【請求項22】 単離された融合タンパク質であって、該融合タンパク質が
    、連続するアミノ酸配列DX1CX2Dのポリペプチドおよび細胞標的化部分を含
    み、ここで、X1およびX2がアミノ酸からなる群から選択され;ここで、該細胞
    標的化部分および該ポリペプチドは、互いに独立した機能的活性を有する、単離
    された融合タンパク質。
  23. 【請求項23】 前記細胞標的化部分がタンパク質である、請求項22に記
    載の単離された融合タンパク質。
  24. 【請求項24】 前記タンパク質が抗体である、請求項22に記載の単離さ
    れた融合タンパク質。
  25. 【請求項25】 単離された融合タンパク質であって、該融合タンパク質が
    、連続するアミノ酸配列DX1CX2Dのポリペプチドおよび細胞傷害性部分を含
    み、ここで、X1およびX2がアミノ酸からなる群から選択され;ここで、該細胞
    傷害性部分および該ポリペプチドは、互いに独立した機能的活性を有する、単離
    された融合タンパク質。
  26. 【請求項26】 前記細胞傷害性部分がタンパク質である、請求項25に記
    載の単離された融合タンパク質。
  27. 【請求項27】 前記タンパク質が細菌毒素である、請求項25に記載の単
    離された融合タンパク質。
  28. 【請求項28】 前記細菌毒素がPseudomonas体外毒素である、
    請求項27に記載の単離された融合タンパク質。
  29. 【請求項29】 前記Pseudomonas体外毒素がPE38およびP
    E40からなる群から選択される、請求項28に記載の単離された融合タンパク
    質。
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