JP4762132B2 - サポシンc−dops:新規抗腫瘍剤 - Google Patents

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Description

本発明は、増殖性細胞容積を調節するための組成物及び方法、より詳細には、腫瘍及び癌容積を調節することに関する。さらに、本発明は、癌を処置(treatment)するための組成物及び方法に関する。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2003年4月28日に出願された米国仮特許出願第60/466,166号、及び2004年3月16日に出願された米国非仮特許出願第10/ ,
号(代理人整理番号CHM08−GN003)(これらは、それらの全体が参照されて本明細書中の一部とする)に対する優先権及びの有益性を主張する。
[政府助成情報]
本発明は、助成番号R01DK57690の下、政府支援を受けて行われた。米国政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
[発明の背景]
小さな(およそ80個のアミノ酸)熱安定性糖タンパク質のファミリーであるサポシンは、スフィンゴ糖脂質の代謝経路における幾つかのリソソーム酵素のin vivoでの加水分解活性に必須である(グラボウスキー他(Grabowski et al.)(1990年) Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.第25巻:385〜414ページ、フルスト他(Furst et al.)(1992年)Biochim.Biophys.Acta.第1126巻:1〜16ページ、キシモト他(Kishimoto et al.)(1992年)J.Lipid Res.第33巻:1255〜1267ページを参照)。サポシンファミリーの4つの成員(A、B、C及びD)は、単一の前駆体タンパク質であるプロサポシンからタンパク質分解的に加水分解される(フジバヤシ他(Fujibayashi et al.)(1985年)Am.J.Hum.Genet.第37巻:741〜748ページ、オー’ブリエン他(O’Brien et al.)(1988年)Science 第241巻:1098〜1101ページ、ローマン他(Rorman et al.)(1989年)Genomics 第5巻:486〜492ページ、ナカノ他(Nakano et al.)(1989年)J.Biochem.(東京)第105巻:152〜154ページ、レイナー他(Reiner et al.)(1989年)J.Mol.Neurosci.第1巻:225〜233ページ(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。サポシンA、B、C及びDに関する完全アミノ酸配列、並びにプロサポシンのゲノム機構及びcDNA配列が報告されている(フジバヤシ他(Fujibayashi et al.)(1985年)Am.J.Hum.Genet.第37巻:741〜748ページ、オー’ブリエン他(O’Brien et al.)(1988年)Science 第241巻:1098〜1101ページ、ローマン他(Rorman et al.)(1989年)Genomics 第5巻:486〜492ページを参照)。
サポシンは、スフィンゴ脂質活性化タンパク質又は補酵素として定義される。構造的に、サポシンA、B、C及びDは、およそ50〜60%の類似性を有し、配置が同一である3つのドメイン内ジスルフィド架橋を形成する(バッカロ他(Vaccaro et al.)(1995年)J.Biol.Chem.第270巻:9953〜9960ページを参照)6つの厳密に保存されたシステイン残基(フルスト他(Furst et al.)(1992年)Biochim.Biophys.Acta.第1126巻:1〜16ページを参照)を含む。サポシンはすべて、N末端配列の半分において保存された配置に1つのグリコシル化部位を含有するが、グリコシル化は、それらの活性に必須ではない(キ他(Qi et al.)(1998年)Biochemistry 第37巻:11544〜11554ページ、及びバッカロ他(Vaccaro et al.)(1995年)J.Biol.Chem.第270巻:30576〜30580ページ(それらの全体が参照されて本明細書の一部とする)を参照)。
サポシン及びサポシン様タンパク質並びにドメインはすべて、溶液中の場合、「サポシンフォールド」を含有する。このフォールドは、3つの保存されたジスルフィド構造及び幾つかの両親媒性ポリペプチドを特徴とする複数のα−ヘリックス束モチーフである。これが溶液中でサポシンフォールドを共有するのにもかかわらず、サポシン及びサポシン様タンパク質は、特定のヒドロラーゼによるリソソームスフィンゴ脂質(SL)及びスフィンゴ糖脂質(GSL)分解の増強(enhancement)において、多様なin vivoでの生物学的機能を有する。これらの役割のため、サポシンは、リソソームスフィンゴ脂質及びスフィンゴ糖脂質代謝の制御において中心的な位置を占める(キシモト他(Kishimoto et al.)(1992年)J.Lipid Res.第33巻:1255〜1267ページ、フジバヤシ他(Fujibayashi et al.)(1985年)Am.J.Hum.Genet.第37巻:741〜748ページ、オー’ブリエン他(O’Brien et al.)(1988年)Science 第241巻:1098〜1101ページ(参照されて本明細書中の一部とする)を参照)。さらに、サポシンは、酸性リン脂質ベシクルの融合及び不安定化に関与する(バッカロ他(Vaccaro et al.)(1994年)FEBS Letters 第349巻:181〜186ページ(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。
サポシンCは、in vivo及びin vitroでの酸性β−グルコシダーゼ(Gcase、EC3.1.2.45)によるグルコシルセラミドの最適な加水分解に必要とされる。また、ホスファチジルセリン含有ベシクルに対するサポシンC誘導性融合が電子顕微鏡法により観察されている(バッカロ他(Vaccaro et al.)(1994年)FEBS Letters 第349巻:181〜186ページ(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。さらに、サポシンCは、脂質膜結合活性又は原形質膜親和性の一般特性を有する。サポシンは、外葉(単分子層)に嵌まり込むことにより脂質膜と結合する。H−1及びH−5ヘリックスは、このプロセスに不可欠であり、サポシンCの適正な膜相互作用がその特異性及び活性に影響を及ぼすことを示唆する。さらに、サポシンCは、膜の構造変化を誘導する。平面のリン脂質二重層とのサポシン相互作用の動的プロセスは、原子間力顕微鏡を用いてリアルタイムで可視化されている(キ他(Qi et al.)(2001年)J.Biol.Chem.第276巻:27010〜27017ページ及びユウ他(You et al.)(2001年)FEBS Lett.第503巻:97〜102ページ(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。
リン脂質非対称性は、哺乳類原形質膜の既知の特徴である。脂質二重層の外葉は、コリン−リン脂質に富んでいるのに対して、アミノリン脂質は、内葉に選択的に存在する(ベバーズ他(Bevers et al.)(1998年)Lupus Suppl.第2巻:S126〜S131ページ)。ホスファチジルセリン(PS)及びホスファチジルエタノールアミン(PE)は、ほぼ独占的に内葉に存在し、ホスファチジルコリン(PC)及びスフィンゴミエリンは、外葉に富んでいる。リン脂質非対称性は、細胞すべての一般特性であり得る(ウーン他(Woon et al.)(1999年)Cell Calcium 第25(4)巻:313〜320ページ)。アミノリン脂質トランスロカーゼ及びリン脂質スクランブラーゼを包含する原形質膜リン脂質非対称性は、様々なメカニズムにより維持される(米国特許出願第20020081698号)。
概して、腫瘍細胞又は癌細胞は、正常な細胞と比較して迅速に成長する。これらの異常細胞は、迅速な代謝速度に起因して、主に解糖系中で乳酸を生成することにより、又は呼吸中に二酸化炭素を生成することにより、相当量のプロトンを生じる。したがって、これらの細胞及び組織の周辺部位は通常、正常な成長速度を有する細胞の周辺部位よりも酸性であることがわかっている。
皮膚の扁平上皮癌(SCC)は、転移のかなりの危険性を伴う最も一般的な皮膚癌の1つである(アラム他(Alam et al.)(2001年)N.Engl.J.Med.第344巻:975〜983ページ、参照されて本明細書の一部とする)。皮膚の癌は、2つのカテゴリー、すなわち黒色腫及び非黒色腫型皮膚癌(NMSC)に分類される。米国癌学会による概算によれば、百万を上回るNMSCの症例が、毎年米国で見られている。SCCは、すべての皮膚腫瘍のおよそ20%を占め、毎年米国で、約200,000の新規SCCの症例がある。SCCは、皮膚から粘膜への移行において、及び粘膜自体において、悪性腫瘍の最も頻出する形態である(ボニ他(Boni et al.)(2002年)Neuroendocrinology Letters 第23S2巻:48〜51ページ)。SCC患者の現在の処置としては、電気乾燥法及び掻爬術、切除術、寒冷療法、外科的切除術又はモース氏手術(Mohs' surgery)が挙げられる。電気乾燥法及び掻爬術、切除又は寒冷療法の適切な使用により、転移の危険性が低い小さな(直径1cm未満)特定の(well-defined)腫瘍を排除することができる。外科的切除術及びモース氏手術は、危険性の高い原発性又は再発性SCCを伴う患者の最速の治癒を提供する。しかしながら、これらの処置は、血腫、漿液腫、感染及び創傷離開の危険性を伴い、より費用がかかる。
したがって、改善された美容的成果を伴う有効的な低費用のSCC処置の開発が望ましい。また、乳癌及び前立腺癌並びにリンパ腫のような他の癌タイプ用の有効的な低費用の処置を開発することも重要である。
[発明の概要]
原形質膜の内葉及び外葉の構成成分の分布を調節するための組成物及び方法が提供される。本発明の作用物質が、内葉構成成分及びプロサポシン関連ポリペプチドを含む。「内葉構成成分」とは、細胞、特に動物細胞、より詳細には哺乳類細胞の原形質膜の内葉において天然に存在する任意の分子又はその構造的類似体を意図する。ある実施形態では、内葉構成成分は、ホスファチジルセリン又はその構造的類似体、例えばジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)である。プロサポシンのアミノ酸配列は、配列表において配列番号1に記載される。プロサポシン関連ポリペプチドは、配列番号1に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントに対して少なくても80%同一性を共有し、原形質膜親和性を保持する。ある実施形態では、プロサポシン関連ポリペプチドは、サポシンC(配列表の配列番号2)又はサポシンC関連ポリペプチドである。サポシンC関連ポリペプチドは、配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一性を共有し、原形質膜親和性を保持する。本発明の作用物質におけるポリペプチド対内葉構成成分のモル比は、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:1〜約1:25、より好ましくは約1:1〜約1:10の範囲であり、さらに好ましくは約1:7又は約1:3である。ある実施形態では、本発明の作用物質は、医薬的に許容可能なキャリアをさらに含む。本発明の作用物質は、細胞死、例えばアポトーシスによる細胞死を促進する。ある実施形態では、作用物質は、腫瘍細胞及び癌細胞のような(しかし、これらに限定されない)過剰増殖性細胞において、アポトーシスを優先的に誘導する。したがって、本発明のある実施形態では、作用物質は、抗腫瘍剤である。本発明のある態様では、作用物質は、肉腫細胞、神経芽腫細胞及び扁平上皮癌細胞のような(しかし、これらに限定されない)癌細胞において、アポトーシスを優先的に誘導する。
被験体の細胞の原形質膜における内葉構成成分の分布を調節する方法が提供される。かかる方法は、内葉構成成分及びプロサポシン関連ポリペプチドを含む作用物質を、被験体へ投与することを包含する。上記方法は、被験体の細胞の原形質膜の外葉における内葉構成成分の分布を変更させる。ある実施形態では、外葉における内葉構成成分の濃度が増加される。本発明のある実施形態では、内葉構成成分の分布の調節は、被験体の過剰増殖性細胞で行われる。好ましくは、かかる過剰増殖性細胞は、腫瘍細胞又は癌細胞である。本発明のある態様では、原形質膜の外葉における内葉構成成分の濃度を調節することにより、アポトーシスが誘導される。
被験体において腫瘍容積を調節する方法が提供される。かかる方法は、内葉構成成分及びプロサポシン関連ポリペプチドを含む作用物質を、被験体へ投与することを包含する。作用物質は、医薬的に許容可能なキャリアをさらに含んでもよい。適切な被験体としては、腫瘍を有する哺乳類、特にヒトが挙げられる。ある実施形態では、作用物質は、過剰増殖性細胞において、細胞死を促進する。細胞死は、アポトーシスにより起こり得る。任意の腫瘍が、本発明の潜在的な標的である。標的腫瘍は、腫瘍細胞及び癌細胞のような過剰増殖性細胞を含有する。かかる標的腫瘍としては、肉腫、神経芽腫及び神経扁平上皮癌が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、腫瘍容積を調節することは、腫瘍容積の減少をもたらす。腫瘍内の過剰増殖性細胞の死は、腫瘍容積の減少をもたらすと想定される。
被験体において癌を処置する方法が提供される。かかる方法は、内葉構成成分及びプロサポシン関連ポリペプチドを含む作用物質を、被験体へ投与することを包含する。作用物質は、医薬的に許容可能なキャリアをさらに含んでもよい。適切な被験体としては、癌を有する哺乳類、特にヒトが挙げられる。ある実施形態では、作用物質は、過剰増殖性細胞において、細胞死を促進する。細胞死は、アポトーシスのような(しかし、これに限定されない)プロセスにより起こる。任意の癌が、本発明の潜在的な標的である。標的癌は、腫瘍細胞及び癌細胞のような過剰増殖性細胞を含有する。標的癌細胞としては、肉腫、神経芽腫、乳癌及び神経扁平上皮癌に由来する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のある態様では、作用物質は、経腸的に、非経口的に、皮下的に、静脈内に、腹腔内に、又は局所的に投与される。単回又は複数回投与のいずれかで作用物質が、癌を処置するために被験体へ投与され得る。
[発明の詳細な説明]
本発明は、原形質膜における内葉構成成分の分布を調節するための組成物及び方法に関する。さらに、本発明は、過剰増殖細胞、特に過剰増殖細胞を包含する障害(disorder)、より詳細には腫瘍及び癌(例えば、扁平上皮癌及びリンパ腫)を調節するための組成物及び方法に関する。上記組成物は、プロサポシン関連ポリペプチド、特にサポシンC、及び内葉構成成分、特にホスファチジルセリン又はその構造的類似体、より詳細にはジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)を有する作用物質を含む。これらの2つの化合物の組み合わせは、抗腫瘍活性を示し、したがって抗腫瘍剤と称される。「抗腫瘍活性」とは、細胞増殖の速度の減少、したがって既存の腫瘍の成長速度又は療法中に出現する腫瘍の減退、及び/又は既存の新生(腫瘍)細胞又は新たに形成される新生細胞の崩壊、したがって療法中の腫瘍の全体的な大きさの減少を意図する。サポシンC(又はプロサポシン関連ポリペプチド)及びDOPS(又は内葉構成成分)の組み合わせによる処置は、原形質膜における内葉構成成分の分布を調節する生理学的応答を引き起こす。
本発明の作用物質の抗腫瘍活性は、特定の作用機序に限定されず、アポトーシスを含むがこれに限定されない様々な作用機序により機能し得る。環境的要因は、腫瘍細胞に対する作用物質の優先的作用に寄与する。これらの環境的要因としては、腫瘍細胞付近でのより低いpH、低酸素状態の増加、及び腫瘍細胞の外部膜上の脂質提示の変更が挙げられる。低酸素状態は、腫瘍細胞からの血管内皮成長因子(VEGF)の発現及び放出を刺激する非遺伝的要因である。VEGFは、血管透過性因子として当該技術分野で既知であり、正常な血管系と比較した場合、腫瘍組織の混乱(disorganized)したかつ漏出性の血管系で役割を果たし得る。ある実施形態では、本発明のサポシンC−DOPS作用物質は、静脈内投与後に、健常組織ではなく腫瘍組織に優先的に浸透する。
本発明は、単離又はほぼ精製されたタンパク質若しくはポリペプチド組成物を包含する。「単離された」又は「精製された」ポリペプチド若しくはそれらの生物学的に活性な部分は、その天然に存在する環境で見られるような通常タンパク質に付随するか又はタンパク質と相互作用する構成成分を実質的に又は本質的に含まない。したがって、単離又は精製されたタンパク質は、組換え技法により生産する場合には、他の細胞物質、又は培地を実質的に含まず、又は化学的に合成される場合には、化学的前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない。細胞物質を実質的に含まないタンパク質は、約30%、20%、10%、5%又は1%未満(乾燥重量基準で)の混入タンパク質を有するタンパク質の調製物を包含する。本発明のタンパク質又はその生物学的に活性な部分が組換え的に生産される場合、好ましくは培地は、約30%、20%、10%、5%又は1%未満(乾燥重量基準で)の化学的前駆体又は所定の非タンパク質化学物質を表す。
本明細書中で使用する場合、「プロサポシン関連ポリペプチド」は、配列番号1に記載するプロサポシンアミノ酸配列、配列番号1に記載するアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列、又はそれらのタンパク質分解的にプロセシングされたフラグメントを有する任意のポリペプチドであり、ここで上記ポリペプチドは、原形質膜親和性を保持する。プロサポシンポリペプチド(配列番号1)のフラグメント及び変異体もまた、本発明により包含される。プロサポシンは、4つのサポシン、すなわちサポシンA、B、C及びDへとタンパク質分解的にプロセシングされる。本明細書中で使用する場合、「サポシンC関連ポリペプチド」は、配列番号2に記載するサポシンCアミノ酸配列又は配列番号2に記載するアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する任意のポリペプチドであり、ここで上記ポリペプチドは、原形質膜親和性を保持する。サポシンC関連ポリペプチド(配列番号2)のフラグメント及び変異体もまた、本発明に包含される。「フラグメント」とは、アミノ酸配列、したがってタンパク質の一部を意図する。プロサポシンタンパク質フラグメントは、プロサポシンの生物学的活性を保持し、したがって原形質膜親和性を保有する。サポシンCタンパク質フラグメントは、サポシンCの生物学的活性を保持し、したがって原形質膜親和性を保有する。本明細書中で使用する場合、「原形質膜親和性」は、静電的又は疎水的相互作用によりリン脂質表面と相互作用する能力を指す。
本発明のプロサポシンポリペプチドの生物学的に活性な部分のフラグメントは、本発明のプロサポシンポリペプチド中に存在する少なくとも15個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、90個、100個、110個、120個、130個、140個、150個、160個、170個、180個、190個、200個、210個、220個、230個、240個、250個、260個、270個、280個、290個、300個、310個、320個、330個、340個、350個、360個、370個、380個、390個、400個、410個、420個、430個、440個、450個、460個、470個、480個、490個、500個、510個、520個の近接アミノ酸、又は最大524個のアミノ酸をコードする。本発明のサポシンCポリペプチドの生物学的に活性な部分のフラグメントは、本発明のサポシンCポリペプチド中に存在する少なくとも15個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個又は80個の近接アミノ酸をコードする。
「変異体」とは、実質的に類似した配列を意図する。ヌクレオチド配列に関して、保存的変異体として、遺伝コードの縮重のために、本発明のプロサポシンポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列が挙げられる。これらのような天然に存在する対立遺伝子変異体は、既知の分子生物学技法を用いて、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びハイブリダイゼーション技法により同定することができる。変異ヌクレオチド配列はまた、合成的に得られるヌクレオチド配列(例えば部位特異的突然変異誘発により生成されるが、依然としてプロサポシンをコードするもの)を包含する。
「変異」タンパク質とは、自然タンパク質のN末端及び/又はC末端への1つ又はそれ以上のアミノ酸の欠失(いわゆる切断)又は付加、自然タンパク質における1つ又はそれ以上の部位での1つ又はそれ以上のアミノ酸の欠失あるいは付加、自然タンパク質における1つ又はそれ以上の部位での1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換による自然タンパク質に由来するタンパク質、あるいはかかるアミノ酸配列を有する合成的に生産されるポリペプチドを意図する。本発明により包含される変異タンパク質は、生物学的に活性であり、すなわち本発明により包含される変異タンパク質は、本発明の所望の生物学的活性、すなわち本明細書中に記載するような原形質膜親和性を保有し続ける。かかる変異体は、例えば遺伝多型又は人為的操作に起因し得る。本発明の自然プロサポシンタンパク質の生物学的に活性な変異体は、デフォルトパラメータを用いた本明細書中で別の箇所に記載している配列アラインメントプログラムにより決定される場合に、自然タンパク質のアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%、85%、好ましくは少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、より好ましくは少なくとも約98%、99%以上の配列同一性を有する。本発明のタンパク質の生物学的に活性な変異体は、わずか1〜15個のアミノ酸残基だけ、わずか1〜10個(例えば、6〜10個)、わずか5個、わずか4個、3個、2個又はさらには1個のアミノ酸残基だけ異なり得る。
本発明のタンパク質は、アミノ酸置換、欠失、切断及び挿入を含む様々な方法で変更され得る。かかる操作に関する方法は、当該技術分野で一般的に知られている。例えば、プロサポシンタンパク質のアミノ酸配列変異体を、DNAにおける操作により調製することができる。突然変異誘発及びヌクレオチド配列変更に関する方法は、当該技術分野で既知である。例えば、クンケル(Kunkel)(1985年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第82巻:488〜492ページ、クンケル他(Kunkel et al.)(1987年) Methods in Enzymol.第154巻:367〜382ページ、米国特許第4,873,192号、ウォーカー及びガアアストラ(Walker and Gaastra)著(1983年) Techniques in Molecular Biology(マックミランパブリッシング社(MacMillan Publishing Company)、ニューヨーク)及びその中で引用される参照文献を参照されたい。所定のタンパク質の生物学的活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関する手引きは、デイホフ他(Dayhoff et al.)(1978年) Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.、ワシントンD.C.のモデル、及びキ他(Qi et al.)(2001年) J.Biol.Chem.第276巻:27010〜27017ページ(参照されて本明細書の一部とする)に見出され得る。保存的置換(conservative substitution)、例えばあるアミノ酸を、類似の特性を有する別のアミノ酸と交換することが好ましい場合がある。
したがって、本発明のポリペプチド及びアミノ酸配列はともに、天然に存在する配列並びにその突然変異形態、変異体及び修飾形態を包含する。かかる変異体は、所望の原形質膜親和性活性を保有し続ける。明らかに、変異体をコードするDNAにおいて作製される突然変異は、リーディングフレームから外して配列を配置してはならず、好ましくは第二次mRNA構造を生じることができる相補領域を創出しない。欧州特許出願公開第75,444号明細書を参照されたい。
本発明に包含されるタンパク質配列の欠失、挿入及び置換は、タンパク質の特徴において根本的な変化を生じないとされる。しかしながら、そうすることに先立って、置換、欠失又は挿入の正確な影響を予測することが困難な場合、その影響が日常的なスクリーニングアッセイにより評価されることは当業者に理解されよう。すなわち、原形質膜親和性は、蛍光分光光度法、蛍光共鳴エネルギー移動又は円偏光二色性測定法を包含するがこれらに限定されない当該技術分野で既知の方法により評価することができる。例えば、キ他(Qi et al.)(2001年) J.Biol.Chem.第276巻:27010〜27017ページ(参照されて本明細書の一部とする)を参照されたい。
変異タンパク質はまた、突然変異誘発性及び組換え誘発性(recombinogenic)手順(例えば、DNAシャッフリング)に由来するタンパク質を包含する。かかる手順を用いて、1つ又はそれ以上の異なるサポシンC配列を操作して、所望の特性を保有する新たなサポシンCを創出することができる。このようにして、組換えポリヌクレオチドのライブラリーは、実質的な配列同一性を有する配列領域を含む関連配列ポリヌクレオチドの集団から生成され、in vitro又はin vivoで相同的に組換えることができる。例えば、このアプローチを用いて、所定のドメインをコードする配列モチーフを、本発明のプロサポシン遺伝子と他の既知のプロサポシン遺伝子との間でシャッフリングさせて、改善された所定の特性(例えば、変更された原形質膜親和性)を有するタンパク質をコードする新たな遺伝子を得てもよい。かかるDNAシャッフリングに関する戦略は、当該技術分野で既知である。例えば、ステンマー(Stemmer)(1994年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第91巻:10747〜10751ページ、ステンマー(Stemmer)(1994年) Nature 第370巻:389〜391ページ、クラメリ他(Crameri et al.)(1997年) Nature Biotech.第15巻:436〜438ページ、モーレ他(Moore et al.)(1997年) J.Mod.Biol.第272巻:336〜347ページ、ツァング他(Zhang et al.)(1997年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第94巻:4504〜4509ページ、クラメリ他(Crameri et al.)(1998年) Nature 第391巻:288〜291ページ、並びに米国特許第5,605,793号明細書及び同第5,837,458号明細書を参照されたい。
以下の用語は、2つ又はそれ以上のアミノ酸配列又はポリペプチド間の配列関係について記載するのに使用される:(a)「参照配列」、(b)「比較ウィンドウ」、(c)「配列同一性」、(d)「配列同一性のパーセント」及び(e)「実質的同一性」。
(a)本明細書中で使用する場合、「参照配列」は、配列比較のための基盤として使用される規定配列である。参照配列は、指定配列のサブセット又は全体、例えば完全長ポリペプチド若しくはアミノ酸配列のセグメント又は完全ポリペプチド配列であり得る。
(b)本明細書中で使用する場合、「比較ウィンドウ」は、アミノ酸配列の近接かつ指定セグメントを指し、ここで比較ウィンドウ中のアミノ酸配列は、2つの配列の最適なアラインメントに関して、参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較して、付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。概して、比較ウィンドウは、少なくとも20個の近接アミノ酸長であり、任意に30個、40個、50個、100個以上であり得る。アミノ酸配列におけるギャップの包含に起因した参照配列に対する高い類似性を回避するために、ギャップペナルティが通常導入され、マッチ(match)の数から差し引かれることが当業者には理解されよう。
比較のための配列のアラインメントの方法は、当該技術分野で既知である。したがって、任意の2つの配列間のパーセント配列同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成することができる。かかる数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、マイヤーズ及びミラー(Myers and Miller)(1988年) CABIOS 第4巻:11〜17ページのアルゴリズム、スミス他(Smith et al.)(1981年) Adv.Appl.Math.第2巻:482ページのローカルホモロジーアルゴリズム、ニードルマン及びウンシュ(Needdleman and Wunsch)(1970年) J.Mol.Biol.第48巻:443〜453ページのホモロジーアラインメントアルゴリズム、ピアソン及びリップマン(Pearson and Lipman)(1988年) Proc.Natl.Acad.Sci.第85巻:2444〜2448ページの類似性に関する検索方法、カーリン及びアルトシュウル(Karlin and Altschul)(1990年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第87巻:2264ページのアルゴリズム、カーリン及びアルトシュウル(Karlin and Altschul)(1993年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第90巻:5873〜5877ページに見られるように修正したものである。
これらの数学的アルゴリズムのコンピュータ実行を配列の比較のために利用して、配列同一性を決定することができる。本発明の目的で、本明細書中に開示する配列に対するパーセント配列同一性を決定するためのヌクレオチド又はタンパク質配列の比較は、好ましくはデフォルトパラメータを用いたGCGプログラムGAP(バージョン10.00以降)又は任意の等価なプログラムを用いて行われる。「等価なプログラム」とは、問題となっている任意の2つの配列に関して、好ましいプログラムにより生成される相当するアラインメントと比較した場合に、同一のヌクレオチド又はアミノ酸残基マッチ及び同一のパーセント配列同一性を生成する任意の配列比較プログラムを意図する。
配列比較プログラムとしては、PC/GeneプログラムにおけるCLUSTAL(インテリジェネティクス(Intelligenetics)(カリフォルニア州マウンテンビュー所在)から入手可能)、Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ(バージョン8)におけるALIGNプログラム(バージョン2)並びにGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA及びTFASTA(ジェネティクスコンピュータグループ(Genetics Computer Group)(GCG)(米国ウィスコンシン州マディソン、サイエンスドライブ575所在)から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのプログラムを用いたアラインメントは、デフォルトパラメータを用いて実施することができる。CLUSTALプログラムは、ヒッギンス他(Higgins et al.)(1988年) Gene 第73巻:237〜244ページ(1988年)、ヒッギンス他(Higgins et al.)(1989年) CABIOS 第5巻:151〜153ページ、コーペット他(Corpet et al.)(1988年) Nucleic Acids Res.第16巻:10881〜90ページ、フアング他(Huang et al.)(1992年) CABIOS 第8巻:155〜65ページ及びピアソン他(Pearson et al.)(1994年) Meth.Mol.Biol.第24巻:307〜331ページにより十分記載されている。ALIGNプログラムは、上述のマイヤーズ及びミラー(Myers and Miller)(1988年)のアルゴリズムに基づいている。アミノ酸配列を比較する場合に、ALIGNプログラムを用いて、PAM120重さ残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用することができる。アルトシュウル他(Altschul et al.)(1990年) J.Mol.Biol.第215巻:403ページのBLASTプログラムは、上述のカーリン及びアルトシュウル(Karlin and Altschul)(1990年)のアルゴリズムに基づいている。BLASTヌクレオチド検索は、BLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて実施して、本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列に相同的なヌクレオチド配列を獲得することができる。BLASTタンパク質検索は、BLASTXプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施して、本発明のタンパク質又はポリペプチドに相同的なアミノ酸配列を獲得することができる。比較目的でギャップドアラインメント(gapped alignment)を獲得するために、ギャップドBLAST(BLAST2.0にて)をアルトシュウル他(Altschul et al.)(1997年) Nucleic Acids Res.第25巻:3389ページに記載されているように利用することができる。代替的には、PSI−BLAST(BLAST2.0にて)を使用して、分子間の距離関係を検出する反復検索を実施することができる。上述のアルトシュウル他(altschul et al.)(1997年)を参照されたい。BLAST、ギャップドBLAST、PSI−BLASTを利用する場合、各々のプログラムのデフォルトパラメータ(例えば、ヌクレオチド配列に関してはBLASTN、タンパク質に関してはBLASTX)を使用することができる。http://www/ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。アラインメントはまた、検査により手動的に行ってもよい。
(c)本明細書中で使用する場合、2つの核酸又はポリペプチド配列の状況で「配列同一性」又は「同一性」は、指定の比較ウィンドウにわたって最大限に一致するように配列される場合、同じである2つの配列中の残基を指す。配列同一性のパーセントがタンパク質に関して使用される場合、同一でない残基位置は同類(conservative)アミノ酸置換により異なる場合が多く、ここでアミノ酸残基は、類似の化学特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する他のアミノ酸残基に置換され、したがって分子の機能的特性を変更しないことが理解される。配列が同類置換の点で異なる場合、パーセント配列同一性は、置換の同類の性質を補正するように上向きに調節され得る。かかる同類置換により異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有すると言われる。この調節を行う意味は、当業者に既知である。通常、これは、完全ミスマッチではなく部分的ミスマッチとして同類置換をスコア付けして、それによりパーセント配列同一性を増大させることを包含する。したがって、例えば、同一アミノ酸にスコア1が付与され、かつ非同類置換にスコア0が付与される場合、同類置換は、スコア0〜1が付与される。同類置換のスコア付けは、例えばプログラムPC/GENE(インテリジェネティクス(Intelligenetics)、カリフォルニア州マウンテンビュー)で実行されるように算出される。
(d)本明細書中で使用する場合、「配列同一性のパーセント」は、比較ウィンドウにわたって2つの最適に配列された配列を比較することにより決定される値を意味し、ここで比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の最適なアラインメントに関して、参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較した場合に付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含む場合がある。パーセントは、同一核酸塩基又はアミノ酸残基が両方の配列中に出現する位置の数を決定して、それによりマッチングした位置の数を得ること、マッチングした位置の数を比較のウィンドウ中の位置の総数で除算すること、及びその結果に100を乗じて、それにより配列同一性のパーセントを得ることにより算出される。
(e)(i)ポリヌクレオチドの「実質的同一性」という用語は、標準的なパラメータを用いて、上述のアラインメントプログラムの1つを用いて参照配列と比較して、少なくとも70%配列同一性、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を有する配列を含む。これらの値は、コドン縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレームのポジショニング等を考慮することにより、2つのヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質の相当する同一性を決定するように適切に調節され得ることが当業者には理解されよう。これらの目的でのアミノ酸配列の実質的同一性は通常、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、80%、90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を意味する。
ヌクレオチド配列が実質的に同一であるという別の表示は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズする場合である。概して、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度及びpHで特定の配列に関する熱的融点(thermal melting point)(T)より約5℃低いように選択される。しかしながら、ストリンジェントな条件は、本明細書中で別に制限しない限り、所望のストリンジェンシーの度合いに応じて、Tより約1℃〜約20℃低い範囲の温度を包含する。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一である場合には依然として実質的に同一である。これは、例えば遺伝コードが許す最大コドン縮重を用いて核酸のコピーが創出される場合に起こり得る。2つの核酸配列が実質的に同一であるという1つの表示は、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性である場合である。
(e)(ii)ペプチドの状況での「実質的同一性」という用語は、ペプチドが参照配列に対して少なくとも70%配列同一性、好ましくは指定の比較ウィンドウにわたって参照配列に対して80%、より好ましくは85%、最も好ましくは少なくとも90%又は95%配列同一性を有する配列を含む。好ましくは、最適なアラインメントは、ニードルマン及びウンシュ(Needleman and Wunsch)(1970年) J.Mol.Biol.第48巻:443〜453ページのホモロジーアラインメントアルゴリズムを用いて実施される。2つのペプチド配列が実施的に同一であるという表示は、一方のペプチドが第2のペプチドに対して産生される抗体と免疫学的に反応性であることである。したがって、ペプチドは、例えば2つのペプチドが同類置換によってのみ異なる場合に、第2のペプチドに実質的に同一である。「実質的に類似した」ペプチドは、上述のように配列を共有するが、但し、同一でない残基位置が、同類アミノ酸の変更によって異なり得る。
本発明の作用物質は、プロサポシン様ポリペプチド及び内葉構成成分を含む。「内葉構成成分」とは、細胞、特に動物細胞、より具体的には哺乳類細胞の原形質膜の内葉において天然に存在する任意の分子又はその構造的類似体を意図する。概して、内葉中の内葉構成成分の濃度は、外葉中の該内葉構成成分の濃度を上回る。ある特定の細胞摂動(例えば、アポトーシス、壊死及び過剰増殖性成長)中に、内葉及び外葉の正常な組成が変更されることが理解される。例示的な内葉構成成分としては、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、及びそれらの構造的類似体が挙げられるが、これらに限定されない。ホスファチジルセリンの「構造的類似体」とは、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、パルミトイルオレオイルホスファチジルセリン、パルミテライドイルオレオイルホスファチジルセリン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルセリン、ジリノールオイルホスファチジルセリン、パルミチクリンオレオイルホスファチジルセリン、リゾホスファチジルセリン及びジオレオイルホスファチジルセリンを含むがこれらに限定されない任意の陰性リン脂質又は負に荷電されたヘッド基を有する酸性脂質を意図する。
ある実施形態では、本発明の組成物及び方法は、原形質膜における内葉構成成分分布を調節することに関する。別の実施形態では、本発明の組成物及び方法は、腫瘍及び癌のような過剰増殖性細胞を包含する障害の調節及び処置に関する。「調節する」とは、少なくとも0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を変更、変化、変動、修正又は順序変更することを意図する。原形質膜における内葉構成成分の分布を調節することは、原形質膜における構成成分の量を変更するか、内葉における構成成分の相対位置を変更するか、又は原形質膜の内葉及び外葉に見出される構成成分のパーセントを変更する。かかる調節は、原形質膜の外葉における内葉構成成分の増加をもたらし得る。腫瘍容積を調節することは、腫瘍容積、少なくとも1つの腫瘍細胞の容積又は腫瘍細胞の数を変更する。
原形質膜における構成成分分布をアッセイする方法は、当該技術分野で既知であり、共焦点顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、FRET、蛍光発光法、電子顕微鏡法、円偏光二色法、NMR、MALDI−TOF、発光スペクトル分析、光散乱、エレクトロスプレー質量分析法が挙げられるが、これらに限定されない。チャング他(Chang et al.)(1978年) Anal.Biochem.第91巻:13〜31ページ、キシモト他(Kishimoto et al.)(1992年) J.Lipid Research 第33巻:1255〜1267ページ、バッカロ他(Vaccaro et al.)(1995年) J.Biol.Chem.第270巻:9953〜9960ページ及びフ他(Fu et al.)(1994年) J.Mol.Neurosci.第5巻:59〜67ページ(それらの全体が参照されて本明細書の一部とする)を参照されたい。
腫瘍容積をアッセイする方法は、当該技術分野で既知であり、カリパス測定、容積測定、超音波、磁気共鳴画像、ELISA、理学的検査、X線、陽電子射出断層撮影法、骨スキャン、共鳴ラマン分光法、触覚印象(tactile imagery)、コンピュータ連動断層撮影法及びCATスキャンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用する場合、「癌」、「過剰増殖性」、「腫瘍」及び「新生」という用語は、自律的増殖に関する能力、すなわち迅速に増殖する細胞増殖を特徴とする異常な状況又は状態を有する細胞を指す。過剰増殖性及び新生病状は、病的として分類され得るか(すなわち病状を特徴付け得るか又は病状を構成し得るか)、あるいは非病的として分類され得る(すなわち正常から逸脱するが、病状と関連し得ない)。上記用語は、侵襲性の組織病理学的タイプ若しくは段階に関係なく、癌性成長又は発癌性プロセス、転移性組織又は悪性形質転換細胞、組織若しくは臓器のすべてのタイプを包含することを意味する。過剰増殖性という用語は、ある特定の心筋症に出現するような迅速な増殖性細胞増殖を受けた平滑筋細胞を包含する。「病的過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍成長を特徴とする病状に出現する。非標的過剰増殖性細胞の例としては、創傷修復に関連した細胞の増殖が挙げられる。
細胞増殖性及び/又は分化性障害の例としては、癌、例えば癌腫、肉腫、転移性障害又は造血新生障害(例えば、白血病)が挙げられる。転移性腫瘍は、前立腺、結腸、肺、胸部及び肝臓起源の腫瘍タイプを含むがこれらに限定されない多数の原発性腫瘍タイプから生じ得る。
「癌」又は「新生物」という用語は、様々な臓器系の悪性疾患(例えば、肺、胸部、甲状腺、リンパ球、胃腸管又は尿生殖器管に影響を及ぼす悪性疾患)、並びにほとんどの結腸癌、腎細胞癌腫、前立腺癌及び/又は精巣腫瘍、肺の非小細胞癌腫、小腸の癌及び食道の癌のような悪性疾患を包含する腺癌を包含する。
「癌腫」という用語は、当該技術分野で認識されており、呼吸器系癌腫、胃腸系癌腫、泌尿生殖系癌腫、精巣癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系癌腫及び黒色腫を包含する上皮又は内分泌組織の悪性疾患を指す。例示的な癌腫としては、頸部、肺、前立腺、胸部、頭部及び頸部、結腸及び卵巣の組織から形成されるものが挙げられる。上記用語はまた、例えば癌性及び肉腫性組織から構成される悪性腫瘍を含む癌肉腫を包含する。「腺癌」は、腺組織に由来するか、又は腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成する癌腫を指す。
「肉腫」という用語は、当該技術分野で認識されており、間葉起源の悪性腫瘍を指す。
皮膚の腫瘍及び癌としては、悪性黒色腫、良性上皮腫瘍(脂漏性角化症、黒色表皮症、線維上皮性ポリープ、上皮嚢胞、角化棘細胞腫及び付属器(付属体)腫瘍を含むが、これらに限定されない)、前悪性及び悪性表皮腫瘍(光線性角化症、扁平上皮癌、基底細胞癌及びメルケル細胞癌を含むが、これらに限定されない)、真皮の腫瘍(良性線維性組織球腫、隆起性皮膚線維肉腫、黄色腫及び真皮血管腫瘍を含むが、これらに限定されない)、皮膚への細胞外来物(immigrant)の腫瘍(ヒスチオサイトーシスX、菌状息肉腫(皮膚T細胞リンパ腫)及び肥満細胞症を含むが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
骨髄中に見られる細胞の腫瘍及び癌としては、これらの細胞から生じる障害が挙げられるが、これらに限定されない。これらの障害としては、以下の:造血幹細胞、前駆リンパ球前駆細胞(committed lymphoid progenitor cell)、B細胞及びT細胞を含むリンパ球細胞、前駆骨髄性前駆体(単球、顆粒球及び巨核球を含む)、並びに前駆赤血球前駆体を含む障害が挙げられるが、これらに限定されない。これらとしては、白血病(Bリンパ球白血病、Tリンパ球白血病、未分化白血病、赤白血病、巨核芽球性白血病、単球性白血病[分化あり及びなしの白血病が包含される]を含む)、慢性及び急性リンパ芽球性白血病、慢性及び急性リンパ性白血病、慢性及び急性骨髄性白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群(myelo dysplastic syndrome)、慢性及び急性骨髄性白血病、骨髄単球性白血病、慢性及び急性骨髄芽球性白血病、慢性及び急性骨髄性白血病、慢性及び急性前骨髄性白血病、慢性及び急性骨髄性白血病(myelocytic leukemia)、単球−マクロファージ系列の悪性血液疾患(例えば、若年型慢性骨髄性白血病)、続発性AML、前駆物質血液障害(antecedent hematological disorder)、反応性皮膚血管内皮細胞腫症(reactive cutaneous angioendotheliomatosis)、繊維化障害(fibrosing disorder)(樹状細胞において変更された発現、全身性硬化症を含む障害、E−M症候群、流行性毒性オイル症候群、好酸球性筋膜炎限局型の強皮症、ケロイド及び繊維化結腸疾患を含む)、血管腫様悪性線維性組織球腫、癌腫(原発性頭部及び頸部扁平上皮癌を含む)、肉腫(カポージ肉腫を含む)、線維腺腫及び葉状腫瘍(乳腺線維腺腫を含む)、間質腫瘍、葉状腫瘍(組織球腫を含む)、T細胞リンパ腫並びにB細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
心臓の腫瘍及び癌としては、原発性心臓腫瘍(例えば、粘液腫、脂肪腫、乳頭状弾性線維腫、横紋筋腫及び肉腫)、並びに心臓以外の新生物の心臓的影響が挙げられるが、これらに限定されない。
血管の腫瘍及び癌としては、血管腫、リンパ管腫、グロムス腫瘍(グロムス血管腫)、血管拡張症及び細菌性血管腫症状、及び中悪性度(ぎりぎり低悪性度)腫瘍(例えば、カポージ肉腫及び血管内皮腫)、並びに悪性腫瘍(例えば、血管肉腫及び血管周囲細胞腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
B細胞の腫瘍及び癌としては、前駆B細胞新生物(例えば、リンパ芽球性白血病/リンパ腫)が挙げられるが、これらに限定されない。末梢B細胞新生物としては、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質細胞新生物、多発性骨髄腫及び関連物、リンパ形質細胞性リンパ腫(ヴァルデンストレームマクログロブリン血症)、マントル細胞リンパ腫、辺縁体リンパ腫(MALToma)及び毛様細胞性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。
肝臓の腫瘍及び癌としては、結節性過形成、腺腫瘍及び悪性腫瘍(肝臓の原発性癌腫及び転移性腫瘍を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
脳の腫瘍及び癌としては、神経膠腫(線維性(びまん性)星状細胞腫及び多形性膠芽腫、毛嚢腫性星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫を含む星状細胞腫、並びに脳幹神経膠腫、乏突起神経膠腫、及び脳室上衣細胞腫及び関連傍脳室塊病巣を含む)、神経腫瘍、未分化型(poorly differentiated)新生物(髄芽細胞腫を含む)、他の実質腫瘍(原発性脳リンパ腫、胚細胞腫瘍及び松果体実質腫瘍を含む)、髄膜腫、転移性腫瘍、腫瘍随伴症候群、末梢神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫及び悪性末梢神経鞘腫瘍(悪性神経鞘腫)を含む)、並びに神経皮膚症候群(母斑症)(1型神経線維腫症(NF1)及び2型神経線維腫症(NF2)を含む神経線維腫症、結節硬化症及びフォン・ヒッペル−リンダウ病を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
卵巣の腫瘍及び癌としては、卵巣腫瘍(例えば、体腔上皮の腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞癌、嚢胞腺繊維腫(cystadenofibroma)、ブレンナー腫瘍、表面上皮腫瘍)、生殖細胞腫瘍(例えば、成熟型(良性)奇形腫、単胚葉性奇形腫、未熟型悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌)、性索間質腫瘍(sex cord-stomal tumors)(例えば、卵胞顆粒膜細胞腫、莢膜細胞腫−線維腫(thecoma-fibromas)、男性ホルモン産生胚細胞腫、ヒル(hill)細胞腫瘍、及び性腺芽腫(gonadoblastoma))、及び転移性腫瘍(例えば、クルーケンベルク腫瘍)が挙げられるが、これらに限定されない。
腎臓の腫瘍及び癌としては、良性腫瘍(例えば、腎乳頭腺腫、腎線維腫又は過誤腫(腎髄質間質細胞腫瘍)、血管筋脂肪腫及び膨大細胞腫)、及び悪性腫瘍(腎細胞癌(副腎腫、腎臓の腺癌)(これは、腎盤の尿路上皮癌腫を含む)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
骨格筋の腫瘍及び癌としては、横紋筋肉腫が挙げられるが、これに限定されない。
造骨細胞の腫瘍及び癌としては、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、骨肉腫、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、軟骨肉腫、線維性皮質骨欠損症、繊維性形成異常、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、ユーイング肉腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、巨細胞腫、及び転移性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
膵臓の腫瘍及び癌としては、膵臓の嚢胞性腫瘍及び癌腫、膵島細胞腫瘍(インスリノーマ、ガストリノーマ及び他の稀な膵島細胞腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
胸部の腫瘍及び癌としては、間質腫瘍(例えば、線維腺腫、葉状腫瘍及び肉腫)、及び上皮腫瘍(例えば、大管乳頭腫)、胸部の癌腫(in situでの腺管癌(パジェット病を含む)及びin situでの小葉癌を含むin situでの(非侵襲性)癌腫、並びに侵襲性腺管癌(特殊な型ではない)、侵襲性小葉癌、髄様癌、膠様(粘液性)癌、管状腺癌及び侵襲性乳頭状癌を含むがこれらに限定されない侵襲性(浸潤性)癌腫)、及び種々雑多の悪性新生物が挙げられるが、これらに限定されない。
男性乳房の腫瘍及び癌としては、癌腫が挙げられるが、これに限定されない。
前立腺の腫瘍及び癌としては、癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。
結腸の腫瘍及び癌としては、非新生ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸癌腫及び類癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。
肺の腫瘍及び癌としては、気管支癌(新生物随伴症候群を含む)、細気管支癌、神経内分泌腫瘍(例えば、気管支カルチノイド)、種々雑多な腫瘍及び転移性腫瘍、胸膜腫瘍(単発性線維性腫瘍(胸膜線維腫)及び中皮腫を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
胸腺の腫瘍及び癌としては、胸腺腫(生殖細胞腫瘍を含む)、リンパ腫、ホジキン病及びカルチノイドが挙げられるが、これらに限定されない。胸腺腫としては、良性又は被包性胸腺腫、及び悪性胸腺腫1型(侵襲性胸腺腫)又は2型(胸腺癌腫と呼ばれる)を挙げることができる。
扁桃の腫瘍及び癌としては、非ホジキンリンパ腫及びB細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
プロサポシン関連ポリペプチド及び内葉構成成分(本明細書中で「活性成分」とも称される)を含む本発明の作用物質は、被験体へ投与するのに適した医薬組成物へ組み込むことができる。かかる組成物は通常、プロサポシン関連ポリペプチド、内葉構成成分及び医薬的に許容可能なキャリアを含む。ある実施形態では、プロサポシン関連ポリペプチド及び内葉構成成分は、ナノベシクルを形成する。ナノベシクルの直径は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.2〜0.4μm、より一層好ましくは0.2〜0.3μmの範囲である。典型的なナノベシクルの直径としては、10nm、100nm、150nm、160nm、170nm、180nm、190nm、200nm、210nm、220nm、230nm、240nm、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm及び1000nmが挙げられるが、これらに限定されない。
「直径」という用語は、その最も広い意味で使用され、本発明の組成物を被験体へ導入する方法を包含する。「被験体」とは、哺乳類、例えばヒト、又は実験又は動物又は疾患モデルを意図する。被験体はまた、非ヒト動物(例えば、非ヒト霊長類、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウサギ、マウス、モルモット、イヌ又は他の家畜(しかし、これらに限定されない)であり得る。さらに、本発明の組成物は、本明細書中に記載する障害の処置において用途がある。したがって、過剰増殖性細胞に関連した障害(例えば、腫瘍又は癌)に関する療法は、本明細書中に包含される。「処置」は、疾患又は疾患の症状を治療するか、治癒するか、軽減するか、緩和するか、変更するか、修復するか、改善するか、改良するか、又はそれらに影響を及ぼすという目的で、患者への本発明の作用物質の塗布若しくは投与、又は患者由来の単離組織若しくは細胞系への本発明の作用物質の塗布又は投与(患者は、疾患又は疾患の症状を有する)として本明細書中で定義される。
本明細書中で使用する場合、「医薬的に許容可能なキャリア」という言葉は、医薬的投与と適合性である任意及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含むことが意図される。医薬的に活性な物質のためのかかる媒質及び作用物質の使用は、当該技術分野で既知である。任意の従来の媒質又は作用物質が活性化合物と非適合性である場合を除いて、組成物におけるそれらの使用が意図される。補助的な活性成分もまた組成物に組み込むことができる。
本発明の抗腫瘍剤又は医薬組成物は、その対象とされる投与経路と適合性であるように配合される。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内)、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、腹腔内及び直腸投与が挙げられる。非経口、皮内又は皮下で使用される溶液又は懸濁液は、以下の構成成分を含むことができる:滅菌希釈剤(例えば、注射用の水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒)、抗菌剤(例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム)、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸)、緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩)、及び張性の調節用作用物質(例えば、塩化ナトリウム又はデキストロース)。pHは、酸又は塩基(例えば、塩酸又は水酸化ナトリウム)で調節することができる。非経口製剤は、ガラス若しくはプラスチックで作られたアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与バイアル中に納められ得る。
注射可能な使用に適切な医薬組成物は、注射可能な滅菌溶液若しくは分散液の即時調製用の滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液及び滅菌粉末を包含する。静脈内投与に関しては、適切なキャリアとして、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL.(登録商標)(BASF、ニュージャージー州パーシッパニー)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。すべての場合において、組成物は滅菌でなくてはならず、容易に注射可能である程度に流体であるべきである。組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定でなくてはならず、細菌及び真菌のような微生物の混入作用に対して保存されなくてはならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)を含有する溶媒若しくは分散媒、又はそれらの適切な混合物であり得る。適正な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングを用いることにより、分散物の場合には所要の粒径を維持することにより、及び界面活性剤を用いることにより維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖類、ポリアルコール類(例えば、マンニトール、ソルビトール)、及び塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射可能な組成物の持続性吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に包含させることによりもたらすことができる。
滅菌注射可能溶液は、必要とされる場合に上述の成分の1つ又は組み合わせとともに、適切な溶媒中に所要量で活性成分(例えば、プロサポシン関連ポリペプチド及び内葉構成成分)を組み入れること、続く滅菌濾過により調製することができる。概して、分散物は、基本的な分散媒及び上述の成分由来の所要の他の成分を含有する滅菌ベシクルに、活性化合物を組み入れることにより調製される。滅菌注射可能溶液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、これは、予め滅菌濾過した溶液から活性成分と任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる。
経口組成物は概して、不活性希釈剤又は食用キャリアを包含する。経口組成物は、ゼラチンカプセル中に納められ得るか、又は錠剤へと圧縮され得る。経口的処置用投与の目的で、活性化合物は、賦形剤とともに組み入れることができ、錠剤、トローチ又はカプセルの形態で使用することができる。経口組成物はまた、うがい薬として使用するための流体キャリアを用いて調製することができ、ここで流体キャリア中の化合物は、経口的に投与され、うがいがなされ、吐き出されるか、又は飲み込まれる。医薬的に適合性の結合剤及び/又は補助材料は、組成物の一部として包含させることができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等は、以下の成分又は類似の性質を有する化合物のいずれかを含有することができる:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン)、賦形剤(例えば、デンプン又はラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモジェル(Primogel)又はコーンスターチ)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム又はSterote)、流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、香味剤(例えば、スクロース又はサッカリン)、又は香料添加剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味料)。吸入による投与に関して、化合物は、適切な噴射剤(例えば、二酸化炭素のようなガス)を含有する加圧容器若しくはディスペンサー、又は噴霧器からエアゾールスプレーの形態で送達される。
一実施形態では、活性化合物は、身体からの迅速な排除に対して化合物を防御するキャリアとともに調製される(例えば、移植片及びマイクロカプセル化された送達系を含む制御放出配合物)。生分解性の生体適合性ポリマー、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類及びポリ乳酸を使用することができる。かかる配合物を調製する方法は、当業者には明らかであろう。材料はまた、アルザ社(Alza Corporation)及びノバファーマシューティカルズ社(Nova Pharmaceuticals、Inc.)から市販され商業的に入手可能であり得る。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いた感染細胞を標的とするリポソームを含む)もまた、医薬的に許容可能なキャリアとして使用することができる。これらは、当業者に既知の方法に従って、例えば米国特許第4,522,811号明細書に記載されるように調製することができる。
投与の簡易性及び投与量の均一性のために投与量ユニット形態で経口又は非経口組成物を配合することは特に好適である。投与量ユニット形態は本明細書中で使用する場合、所要の薬学的キャリアと関連させて所望の処置効果を生じるように算出された既定量の活性化合物を含有する各ユニットで被験体が処置されるべき単位投与量として適した物理的に別個のユニットを指す。疾患のタイプ及び重篤性に応じて、約1μg/kg〜約15mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)の本発明の作用物質は、例えば1つ又はそれ以上の個々の投与によろうと、又は連続注入によろうと、患者への投与に関する初期候補投与量である。典型的な日投与量は、上述の要素に応じて、約1μg/kg〜約100mg/kg以上の範囲であり得る。状態に応じて、数日又はそれ以上にわたる反復投与に関して、疾患症状の所望の抑圧が見られるまで、処置は持続される。しかしながら、他の投与量計画が有用である場合がある。この療法の進行は、従来の技法及びアッセイにより容易にモニタリングされる。例示的な投薬計画は、国際公開第94/04188号パンフレットに開示されている。本発明の投与量ユニット形態に関する仕様は、活性化合物の特有の特徴及び達成されるべき詳細な処置効果、並びに個体の処置用にかかる活性化合物を調合するという技術における固有の制限によって左右され、またそれらに直接依存する。
全身投与はまた、経粘膜的又は経皮的手段により得る。経粘膜的又は経皮的投与に関して、浸透されるべきバリアに適した浸透剤が配合物中で使用される。かかる浸透剤は、概して当該技術分野で既知であり、例えば、経粘膜投与に関して、洗浄剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は坐剤を用いて達成され得る。経皮投与に関して、活性化合物は、当該技術分野で既知であるように、軟膏、軟膏剤、ジェル又はクリームに配合される。化合物はまた、坐剤(例えば、ココアバター及び他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を用いて)又は直腸送達用の停留浣腸の形態で調製することができる。
本明細書中に記載する抗腫瘍又は抗癌剤は、経皮投与することができる。経皮投与は通常、被験体又は患者の全身循環への薬物の経皮的通過のための医薬的作用物質の送達を伴う。皮膚部位は、薬物を経皮投与するための解剖学的領域を含み、前腕、腹部、胸部、背部、殿部、乳突帯等が挙げられる。
経皮送達は、長期間、患者の皮膚へ作用物質又は複合体の供給源に暴露させることにより達成される。経皮用パッチは、身体への医薬作用物質の制御送達を提供するのに付加的利点を有する(ハドグラフト及びガイ(Hadgraft and Guy)(著)(1989年)経皮薬物送達:開発上の問題及び研究(Transdemal Drug Delivery:Developmental Issues and Research Initiatives)、マーセルデッカー社(Marcel Dekker Inc.)、ロビンソン&リー(Robinson&Lee)(著)(1987年)制御薬物送達:原理及び用途(Controlled Drug Delivery:Fundamentals and Applications)、マーセルデッカー社(Marcel Dekker Inc.)及びキドニエウス&バーナー(Kydonieus&Berner)(著)(1987年)薬物の経皮送達(Transdermal Delivery of Drugs)第1〜3巻、CRCプレス(CRC Press)(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。かかる投与量形態は、サポシンC関連ポリペプチド及びジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)の組み合わせを適正な媒質(例えば、エラストマーマトリックス材料)中に溶解されるか、分散させるか、あるいはそうでなければ組み込むことにより作製することができる。吸収増強剤はまた、皮膚を通る化合物の流量を増大させるのに使用することができる。かかる流量の速度は、速度制御膜を提供するか、又は作用物質をポリマーマトリックス又はゲル中に分散させることにより制御することができる。
経皮用パッチの様々なタイプは、本明細書中に記載する方法で用途がある。例えば、単純な接着剤パッチは、裏材料及びアクリレート接着剤から調製することができる。医薬的作用物質及び任意の増強剤は、接着剤注入成形用溶液に配合され、完全に混合される。溶液は、裏材料上へ直接注入され、注入成形用溶媒をオーブン中で蒸発させ、接着剤フィルムを外す。剥離性ライナーを取り付けて、系を完成させることができる。
代替的には、ポリウレタンマトリックスパッチを用いて、作用物質を送達することができる。このパッチの層は、裏材、ポリウレタン薬物/エンハンサーマトリックス、膜、接着剤及び剥離性ライナーを含む。ポリウレタンマトリックスは、室温硬化性ポリウレタンプレポリマーを用いて調製される。水、アルコール及び錯体のプレポリマーへの添加は、裏材料上へ直接注入することができる粘着性フィルムエラストマーの形成をもたらす。
本発明のさらなる実施形態では、ヒドロゲルマトリックスパッチを利用する。通常、ヒドロゲルマトリックスは、アルコール、水、薬物及び幾つかの親水性ポリマーを含む。このヒドロゲルマトリックスは、裏材と接着剤層との間で経皮用パッチに組み込むことができる。
受動送達系に関して、放出速度は通常、リザーバと皮膚との間に配置された膜により、一体式デバイスからの拡散により、又は送達系において速度制御バリアとして作用する皮膚自体により制御される(米国特許第4,816,258号明細書、同第4,927,408号明細書、同第4,904,475号明細書、同第4,588,580号明細書、同第4,788,062号明細書(参照されて本明細書の一部とする)を参照)。薬物送達の速度は、膜の性質にある程度依存する。例えば、体内の膜を通る薬物送達の速度は、真皮バリアを通るよりも一般的に速い。作用物質がデバイスから膜へ送達される速度は、リザーバと皮膚との間に配置された速度制限膜を用いることにより最も好適に制御される。皮膚が複合体に十分浸透性である(すなわち、皮膚による吸収が、膜による通過の速度よりも速い)場合、膜は、患者が受ける投与量速度を制御するように作用する。
適切な浸透性膜材料は、所望の浸透性度、作用物質の性質及びデバイスを構築することに関連した力学的考慮に基づいて選択され得る。例示的な浸透性膜材料としては、多種多様な天然及び合成ポリマー、例えばポリジメチルシロキサン(シリコーンゴム)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、ポリウレタン−ポリエーテルコポリマー、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロース系材料(例えば、セルローストリアセテート及びセルロースニトレート/アセテート)、及びヒドロゲル(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA))が挙げられる。
所望のデバイスの特徴に応じて、他の医薬的に許容可能なキャリアのような他品目をデバイスに含有させてもよい。例えば、本発明による組成物はまた、1つ又はそれ以上の防腐剤又は静菌剤(例えば、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム等)を含んでもよい。これらの医薬組成物はまた、他の活性成分、例えば抗菌剤、特に抗生物質、麻酔薬及び止痒剤を含有することができる。
本発明の別の態様は、本発明の作用物質の局所送達を提供する。この処置計画は、抗腫瘍剤の全身投与に、又は限局的療法に(すなわち病理又は罹患組織へ直接的に)適している。
通常、局所用組成物は、通常約0.001%〜10%、好ましくは約0.01〜約10%、より好ましくは約0.1〜約5%、最も好ましくは約1〜約5%の濃度で、無毒性の医薬的に許容可能な局所用キャリアとともに、複合体を含む病変部へ直接作用物質を送達するための調製物を含む(バリー(Barry)(著)。皮膚科学的配合物:経皮吸収(Dermatological Formulations:Percutaneous Absorption)(1983年)マーセルデッカー社(Marcel Dekker Inc.)、従来の薬学的作用物質の標準的な投与量に関しては、例えばフィジシャンズデスクリファレンス(Physicians Desk Reference)(1992年版)及び米国医師会(1992年)薬物評価定期購読(Drug Evaluations Subscriptions)を参照)。
局所用調製物は、局所用乾燥、液体、クリーム及びエアゾール配合物で一般的に使用される従来の薬学的希釈剤及びキャリアと作用物質を組み合わせることにより調製することができる。軟膏及びクリームは、例えば適切な増粘及び/又はゲル化物質の添加により、水性又は油性基剤を用いて配合され得る。かかる基剤としては、水及び/又は油(例えば、流動パラフィン又は落花生油若しくはヒマシ油のような植物油)が挙げられ得る。基剤の性質に準じて使用され得る増粘剤としては、軟質パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、水素化ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。ローションは、水性又は油性基剤を用いて配合され得て、概して、以下の1つ又はそれ以上もまた包含する:安定化剤、乳化剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、着色剤、香料等。粉末は、任意の適切な基剤、例えば、タルク、ラクトース、デンプン等の助力で形成され得る。ドロップは、1つ又はそれ以上の分散剤、沈殿防止剤、可溶化剤等もまた含む水性基剤又は非水性基剤を用いて配合され得る。
本発明の作用物質の局所投与に関する投与量形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。活性化合物は、医薬的に許容可能なキャリアと、必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝液又は噴射剤と、滅菌条件下で混合され得る。
軟膏、ペースト、クリーム及びジェルはまた、賦形剤、例えば、動物脂及び植物油、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含有してもよい。粉末及びスプレーはまた、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレーはさらに、慣例の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素及び揮発性無置換炭化水素(例えば、ブタン及びプロパン)を含有することができる。
本発明の方法はまた、粘膜(例えば、胃腸、舌下、口腔(buccal)、鼻、肺、膣、角膜及び眼膜)を通じた医薬的作用物質の送達にも適用可能である(マッカイ他(Mackay et al.) Adv.Drug Del.Rev.第7巻:313〜338ページ)。
口腔又は舌下膜への送達に関して、通常経口配合物(例えば、ロゼンジ、錠剤又はカプセル)が使用される。これらの配合物の製造方法は、当該技術分野で既知であり、予め製造した錠剤への作用物質の添加、不活性充填剤、結合剤の冷間圧縮及びカプセル化が挙げられるが、これらに限定されない。
別の経口配合物は、例えば米国特許第4,940,587号(参照されて本明細書の一部とする)に記載されるように、セルロース誘導体、ヒドロキシプロピルセルロースのような接着剤を用いて口腔粘膜へ塗布させることができるものである。この口腔接着剤配合物は、口腔粘膜に塗布されると、口の中での口腔粘膜を通じた作用物質の制御放出を可能にする。
鼻及び/又は肺膜への送達に関して、通常エアゾール配合物が用いられる。「エアゾール」という用語は、細気管支又は鼻腔へ吸入されることが可能な本発明の作用物質の任意の気体によって運ばれる懸濁相を包含する。具体的には、エアゾールは、定量吸入器又は噴霧器中で、あるいはミストスプレー中で生産され得るような、本発明の化合物の液滴の気体によって運ばれる懸濁液を包含する。エアゾールはまた、空気又は他のキャリアガス中に懸濁された作用物質の乾燥粉末組成物を包含し、吸入器装置から吸入により送達され得る。
本発明の組成物は、本明細書中に記載する障害のいずれかを処置するのに有用である。組成物は、処置上有効量で提供される。「処置上有効量」とは、所望の応答を調節するのに十分な量を意図する。本明細書中で定義する場合、作用物質中のタンパク質又はポリペプチドの処置上有効量(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30mg/kg(体重)、好ましくは約0.01〜25mg/kg(体重)、より好ましくは約0.1〜20mg(体重)、さらに好ましくは約1〜15mg/kgの範囲である。作用物質中の内葉構成成分の処置上有効量(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30mg/kg(体重)、好ましくは約0.01〜約30mg/kg(体重)、より好ましくは約0.01〜約20mg/kg(体重)、さらに好ましくは0.01〜10mg/kg(体重)、より一層好ましくは約0.1〜9mg/kg、0.1〜8mg/kg、0.1〜7mg/kg、0.1〜6mg/kg、0.1〜5mg/kg、0.1〜4mg/kg、又は0.1〜3mg/kg(体重)の範囲である。
本発明の作用物質におけるポリペプチド対内部リーフレット構成成分のモル比は、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:1〜約1:25、より好ましくは約1:1〜1:10、さらに好ましくは約1:7又は約1:3の範囲である。適切な比としては、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45及び1:50が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の作用物質におけるポリペプチド対内部リーフレット構成成分の質量比は、約15:1〜約3:10、好ましくは約15:1〜約3:5、より好ましくは約15:2〜約3:0、さらに好ましくは約15:7又は約5:1の範囲である。本発明のポリペプチド及び内部リーフレットの好ましい比は、標的細胞型のような(しかし、これに限定されない)ある特定の要素により影響を及ぼされ得ることが理解されよう。
疾患又は障害の重篤性、これまでの処置、患者の全身健康状態及び/又は年齢、並びに存在する他の疾患を含む(これらに限定されないが)特定の要素は、被験体を効果的に処置するのに必要とされる投与量に影響を与え得ることが当業者に理解されよう。さらに、処置上有効量のタンパク質、ポリペプチド又は抗体による被験体の処置は、単回処置を含むことができ、好ましくは一連の処置を含むことができる。好ましい例では、被験体は、約1〜10週、好ましくは2〜8週、より好ましくは約3〜7週、さらに好ましくは約4、5又は6週間に付き1度、処置上有効量の作用物質で処置される。また、処置に使用される有効投与量の抗体、タンパク質又はポリペプチドは、特定の処置コースにわたり増加又は減少させてもよいことも理解されよう。投与量の変更は、本明細書中に記載するような診断アッセイの結果に起因し、またそれらの結果から明らかとなる。
治療を受ける被験体が、長期にわたる寛解後に部分的応答又は再発を示す場合、本発明の作用物質によるその後の処置コースが施されてもよい。したがって、単回投薬計画又は複数回投薬計画を含み得る第1の処置期間から休息期間後に、被験体は、単回又は複数回計画を含む1つ又はそれ以上のさらなる処置期間を受けてもよい。処置期間の間のかかる休息期間は、本明細書中では中止期間と称される。中止期間の長さは、本発明の抗腫瘍剤による任意の先立った処置期間により達成される腫瘍応答の度合いに依存することが認識されよう。
薬学的組成物は、投与に関する指示書と一緒に容器、パック又はディスペンサー中に包含され得る。
癌の処置の結果は、身体検査、研究室、核及び放射線学的研究(すなわち、コンピュータ断層撮影法及び/又は磁気共鳴像)、超音波及び他の手法を含むがこれらに限定されない当業者に既知の任意の方法により評価され得る。
本明細書中で使用する場合「細胞死」は、アポトーシス、壊死及び溶解を含む任意のメカニズムによる細胞寿命の損失を指す。「アポトーシス」又は「プログラム細胞死」とは、多くの場合細胞萎縮、クロマチン凝縮及び/又は核断片化、膜完全性の損失、DNA断片化及び/又は原形質膜の減損若しくは小疱形成を特徴とする瀕死細胞による調節された代謝活性を必要とする正常な生理学的プロセスを意図する。
以下の実施例は、説明の目的で提供されるものであり、限定の目的で提供されるものではない。
[実験項]
実施例1.組換えサポシンCの精製
pET系を含むイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを使用することにより、組換えサポシンCをE.コリ(E.coli)において過剰発現させた(キ他(Qi et al.)(1994年) J.Biol.Chem.第269巻:16746〜16753ページ、その全体が参照されて本明細書の一部とする)。Hisタグを有する発現されたポリペプチドをニッケルカラムから溶出させた。透析後、以下のようにHPLCクロマトグラフィにより、ポリペプチドをさらに精製した。C4逆相カラムを、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)で10分間平衡化させた。アセトニトリル中0.1%TFAの直線的(0〜100%)濃度勾配で60分かけて、タンパク質を溶出させた。主要なタンパク質ピークを収集して、凍結乾燥させた。これまでに記載されるように、タンパク質濃度を決定した(キ他(Qi et al.)(1994年) J.Biol.Chem.第269巻:16746〜16753ページ)。
実施例2.サポシンC及びジオレオイルホスファチジルセリンの浴槽超音波
ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)は、アバンティポーラーリピズ(Avanti Polar Lipids)(アラバマ州アラバスター)から入手した。クロロホルム中のDOPS 20〜30モルをN及び真空下で脂質フィルムへと乾燥させた。サポシンCポリペプチド5〜10μモルを乾燥させたフィルムへ添加して、McIlvanine緩衝液(pH4.7)50μl中に懸濁させた。次に、細胞培地又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のいずれかを用いて、懸濁液を1ml容量とした(アウシュベル他(Ausubel et al.)(2002年) Current Protocols in Molecular Biology.ジョンウィリー&サンズ(John Wiley&Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク、参照されて本明細書の一部とする)。混合物をおよそ20分間、浴槽ソニケーター中で超音波処理した。サンプルが過熱するのを防ぐのに必要である場合、氷を添加した。
実施例3.組織培養条件
扁平上皮癌(SCC)細胞及びL5178Y細胞を、10%FBAを補充したDEME培地(ギブコ(Gibco))中で培養した。正常な不死化ケラチノサイト(NIK)細胞を50%カスケード培地154(カスケードバイオロジクス(Cascade Biologics)及び50%ケラチノサイト−SFM培地(ギブコ(Gibco))中で成長させた。
実施例4.SCC細胞に対するサポシンC−DOPSの影響のEx vivo分析
扁平上皮癌(SCC)細胞及び対照(NIK細胞)を本明細書中で別の箇所に記載する培地中で成長させた。SCCは、ヒト皮膚ケラチノサイト中で多段階プロセスにより発生すると示唆されているため、NIKを対照として使用した(クボ他(Kubo et al.)(2002年) J.Med.Invest.第49巻:111〜117ページ)。NIK及びSCC細胞の確立されたプレートから、培地を除去した。処理、サポシンC、DOPSを含有しない培地、又は8μMサポシンC+26μM DOPSを含有する培地を、NIK及びSCC細胞の確立されたプレートへ添加した。処理の48〜72時間後に細胞を検査した。1つのかかる実験からの結果を図1に示す。
扁平上皮癌(SCC)細胞を、本明細書中で別の箇所に記載される培地中で成長させた。SCC細胞の確立されたプレートから、培地を除去した。処理を含有しない培地、又は10μM サポシンC+30μM DOPSを含む作用物質を含有する培地を、SCC細胞の確立されたプレートへ添加した。細胞を24時間インキュベートして、TUNEL染色、ゲノムDNAのゲル電気泳動又は抗凝結タンパク質であるアネキシンVを用いたハイブリダイゼーションアッセイにより分析した(データは示していない)。
実施例5.マウスリンパ腫細胞に対するサポシンC−DOPSの影響のEx vivo分析
組織培養プレートにマウスL5178Y−Rリンパ腫細胞を播種した。培養物の確立後、培地を除去して、細胞を洗浄した。薬物を補充しないか、60μM DOPS、20μMサポシンC、又は10μMサポシンC及び30μM DOPSを補充したDEME+10%FBAで細胞を覆った。培養物を24〜48時間インキュベートした。インキュベーション期間後に、培養物を検査した。1つのかかる実験からの結果を図2に示す。
実施例6.腫瘍容積に対するサポシンC−DOPSの影響のin vivo分析
研究室マウスの配慮を統治するシンシナシティチルドレンズリサーチファウンデーション(Cincinnati Children’s Research Foundation)ガイドラインに従って、ヌードマウスを維持した。5匹のヌードマウスの2つの群に、2×10個のSCCを背部の上部に皮下注射して、腫瘍成長を開始させた。2つの腫瘍が各マウスに確立された。腫瘍を21日間確立させた。21日目に、動物に腫瘍部位でPBS希釈剤単独又はサポシンC(10mg/kg(体重))及びDOPS(2mg/kg(体重))を含む作用物質のいずれかの皮下注射を施した。27日目に、動物に腫瘍部位でPBS希釈剤単独又はサポシンC(10mg/kg(体重))及びDOPS(2mg/kg(体重))を含む作用物質のいずれかの第2の皮下注射を施した。カリパスで隔日に腫瘍サイズを測定し、式V=(π/4)LWに従って、容積を推定した。1つのかかる実験から得られる結果を図3のパネルAに示す。
別個の実験組で、研究室マウスの配慮を統治するシンシナシティチルドレンズリサーチファウンデーション(Cincinnati Children’s Research Foundation)ガイドラインに従って、ヌードマウスを維持した。5匹のヌードマウスの2つの群に、2×10個のSCCを背部の上部に皮下注射して、腫瘍成長を開始させた。2つの腫瘍が各マウスに確立された。腫瘍を6日間確立させた。6日目に、動物に腫瘍部位でPBS希釈剤単独又はサポシンC(10mg/kg(体重))及びDOPS(2mg/kg(体重))を含む作用物質のいずれかの皮下注射を施した。カリパスで隔日に腫瘍サイズを測定し、式V=(π/4)LWに従って、容積を推定した。1つのかかる実験から得られる結果を図3のパネルBに示す。
実施例7.ヒト扁平上皮癌腫瘍組織に対するサポシンC−DOPSの影響
当該技術分野で既知の方法により、SCC腫瘍を用いて、マウス異種移植片を調製した。蛍光標識ニトロベンズオキサジアゾール(NBD)をホスファチジルセリンに連結させて、NBD−PS及びDOPSの混合物を調製した。NBD−DOPSを用いて、蛍光標識されたNBD−PS/DOPS/サポシンC複合体を調製した。NBD−PS/DOPSをNBD−PS 0.1mg/kg(体重)及びDOPS 2mg/kg(体重)で腫瘍に注射した。NBD−PS/DOPS/サポシンCをNBD−PS 0.1mg/kg(体重)、DOPS 2mg/kg(体重)及びサポシンC 10mg/kg(体重)で腫瘍に注射した。作用物質の投与の24時間後に、腫瘍を収集した。腫瘍の検鏡試片を蛍光に関して検査した。かかる実験からの結果を図4に示す。
実施例8.ヒト細胞に対するサポシンC−DOPSの影響のEx vivo分析
ヒト癌組織及び健常組織由来の細胞を、細胞系に適した培地中で成長させた。以下の癌組織及び健常組織細胞系由来の細胞を分析した:乳癌:MCF−7、ドミナントネガティブなカスパーゼ9でトランスフェクトしたMCF−7、ベクター対照でトランスフェクトしたMCF−7、BT−549;頭部及び頸部:SCC−25、FaDu;黒色腫:MeWo、Sk−Mel−28;白血病:K−562、HL60;子宮頸癌:Hela;卵巣癌:PA1、ドミナントネガティブなカスパーゼ9でトランスフェクトしたPA1、PA1−E6;SK−OV3;前立腺癌:DU145、PC3;神経芽細胞腫:SK−N−SH、SK−SY−5Y、CHLA−79;ユーイング肉腫:5838;T細胞リンパ腫;Rodu T;GCT;肺癌:A549、H441;肝臓癌:HepG2;健常胸部:MCF−10A及び健常ケラチノサイト:NIK。96−ウェル平底組織培養プレート(ファルコン、ベクトン・ディクソンラブウェア(Falcon,Becton-Dickson Labware)、ニュージャージー州フランクリン)に、ウェル1つ当たり10個の細胞の密度で細胞を播種した。本発明の作用物質あり又はなしで、細胞を完全培地中で平板培養した。
3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドのホルマザン生成物(18992)への変換を用いて、生存細胞密度を評価した。細胞培養の72時間後に、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を最終濃度0.25mg/mlとなるように各ウェルに添加した。プレートを暗所にて37℃で3時間インキュベートした。反応は、イソプロパノール中の0.04N HClの添加により終結させた。プレートを完全に混合して、マイクロELISAプレートリーダー(SpectraMax Plus、モレキュラーデバイス(Molecular Devices)、カリフォルニア州サニーベール)にて570nmで解析した。PharmTools Proコンピュータソフトウェア(ザマックケアリーグループ(The McCary Group)、ペンシルバニア州エルキンズ パーク)を用いて、成長曲線及び回帰分析を実施した。
Figure 0004762132
実施例9.サポシンC/DOPS IC50の評価
モル比1:7、1:3及び1:10でのサポシンC及びDOPSの混合物を調製した。サポシンCタンパク質の様々なフラグメントから構成されるポリペプチドを、これまでに記載されるように調製した(ワング他(Wang et al.)(2003年) Arch.Biochem.&Biophys.第415巻:45〜53ページ、その全体が参照されて本明細書の一部とする)。突然変異サポシンCポリペプチドは、以下の通りである:HNSCは、アミノ酸残基1〜40から構成され、H1は、残基4〜20から構成され、H−2は、アミノ酸残基24〜40から構成される。
ヒトSK−Mel−28黒色腫細胞を96ウェル平底組織培養プレート上で培養した。様々な濃度のサポシンC、DOPS、HNSC:DOPS(1:3)、H−1:DOPS 1:3、H−2:DOPS 1:3、あるいは1:7、1:3又は1:10での完全長サポシンC:DOPSの混合物を含有する培地で、細胞を覆った。処理はそれぞれ、SK−Mel−28細胞の四重プレートに施した。本明細書中で別の箇所に記載されるMTT変換アッセイを用いて、細胞阻害を分析した。データは、PharmTools Proコンピュータソフトウェア(ザマックケアリーグループ(The McCary Group)、ペンシルバニア州エルキンズ パーク)を用いて、基本的な線形回帰により解析した。結果を表2に示す。
Figure 0004762132
実施例10.腫瘍細胞に対するサポシンC−DOPSの影響のin vivo分析
研究室マウスの配慮を統治するシンシナシティチルドレンズリサーチファウンデーション(Cincinnati Children’s Research Foundation)ガイドラインに従って、ヌードマウスを維持した。マウスに、2×10個のSCCを背部の上部に皮下注射して、腫瘍成長を開始させた。腫瘍を確立させた。動物を、DOPS(2mg/kg(体重))又はサポシンC(10mg/kg(体重))及びDOPS(2mg/kg(体重))を含む作用物質のいずれかで、動物を処理した。処理を施した48時間後に、腫瘍を収集した。
組織切片を腫瘍から調製して、様々な方法を用いて検査した。
組織切片をターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介性デオキシウリジン三リン酸ニック末端標識(TUNEL)により検査して、アポトーシスを評価した(1つのかかる実験の結果を図5のパネルA及びパネルBに示す)。
組織切片をヘマトキシリン及びエオシンで染色した(1つのかかる実験の結果を図5のパネルC及びパネルDに示す)。
本明細書中に記載する刊行物、特許及び特許出願はすべて、本発明が関連する技術分野の当業者の水準を示す。刊行物、特許及び特許出願はすべて、個々の刊行物又は特許出願が具体的にかつ個々に参照により援用されるのと同程度に、参照により本明細書中に援用される。
上述の本発明は、理解を明瞭化する目的で、説明及び例を用いて少し詳細に記載してきたが、ある特定の変更及び修正が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることが明らかであろう。
図1は、正常な不死化ケラチノサイト(NIK)(パネルA及びパネルB)及び扁平上皮癌細胞(SCC)(パネルC及びパネルD)を示す。パネルA及びパネルCの細胞には、プラセボ処理を施した。パネルB及びパネルDの細胞は、8μMサポシンC及び26μM DOPSを含む本発明の作用物質で処理した。実験の詳細は、本明細書中で別の箇所に記載している。 図2は、L5178Y−R細胞系由来のマウスリンパ腫細胞を示す。パネルAの細胞には、プラセボ処理を施した。パネルBの細胞は、60μM DOPSで処理した。パネルCの細胞は、20μMサポシンCで処理した。パネルDの細胞は、10μMサポシンC及び30μM DOPSを含む本発明の作用物質で処理した。 図3は、プラセボ(リン酸緩衝生理食塩水、黒三角及び点線で示す)又は本発明の作用物質(10mg/Kg(体重)でのサポシンC/2mg/Kg(体重)でのDOPS、黒四角及び実線で示す)のいずれかの皮下注射の前及び後での、ヒト扁平上皮癌異種移植片を保有するヌードマウスに対する平均腫瘍容積の評価から得られた結果を示す。誤差棒は、標準誤差を示す。腫瘍容積は、mmで示し、時間は、腫瘍成長の日数として示す。パネルAは、2度処理したマウスから得られた結果を示す。第1の注射及び第2の注射の日は、矢印で示される。パネルBは、1度処理したマウスから得られた結果を示す。注射日は、矢印で示される。実験の詳細は、本明細書中で別の箇所に記載している。 図4は、異種移植片由来のヒト扁平上皮癌腫瘍組織の蛍光顕微鏡写真を示す。パネルAの細胞は、ホスファチジルセリン及びDOPSの蛍光標識した混合物(NBD−DOSP/DOPS)で処理した。パネルBの細胞は、ホスファチジルセリン、DOPS及びサポシンCの蛍光標識した混合物で処理した。実験の詳細は、本明細書中で別の箇所に記載している。 図5は、異種移植片由来のヒト扁平上皮癌腫瘍組織の顕微鏡写真を示す。組織は、DOPS(2mg/kg(体重)、パネルA及びパネルC)、又はサポシンC(10mg/kg(体重))及びDOPS(2mg/kg(体重)、パネルB及びパネルD)で処理した腫瘍から得られた。組織は、TUNEL染色(パネルA及びパネルB)又はヘマトキシリン及びエオシン(パネルC及びパネルD)で染色した。パネルBの矢印は、アポトーシス細胞を示す。パネルDの暗色染色は、壊死の領域を示す。

Claims (37)

  1. 内葉構成成分及びプロサポシン関連ポリペプチドを含む医薬組成物であって、前記内葉構成成分はジオレオイルホスファチジルセリンであり前記ポリペプチドは配列番号2に記載するアミノ酸配列を有する医薬組成物
  2. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:50の範囲である、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:10の範囲である、請求項に記載の医薬組成物
  4. 医薬的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物
  5. 前記医薬組成物は、過剰増殖性細胞において細胞死を促進する、請求項1に記載の医薬組成物
  6. 前記過剰増殖性細胞は、腫瘍細胞及び癌細胞からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物
  7. 動物の細胞の原形質膜における内葉構成成分の分布を調節するための組成物を調製するための、(i)内葉構成成分及び(ii)プロサポシン関連ポリペプチドの使用であって、前記内葉構成成分はジオレオイルホスファチジルセリンであり前記ポリペプチドは配列番号2に記載するアミノ酸配列を有する前記使用
  8. 前記原形質膜の外葉における前記内葉構成成分の分布が変更される、請求項に記載の使用
  9. 前記外葉における前記内葉構成成分の濃度が増加される、請求項に記載の使用
  10. 前記内葉構成成分の分布は、過剰増殖性細胞において調節される、請求項に記載の使用。
  11. 前記過剰増殖性細胞は、腫瘍細胞及び癌細胞からなる群から選択される、請求項10に記載の使用
  12. 前記使用は細胞死を促進する、請求項に記載の使用
  13. 動物における腫瘍容積を調節するための組成物を調製するための(i)内葉構成成分及び(ii)プロサポシン関連ポリペプチドの使用であって、前記内葉構成成分はジオレオイルホスファチジルセリンであり前記ポリペプチドは配列番号2に記載するアミノ酸配列を有する前記使用
  14. 前記組成物は、過剰増殖性細胞において細胞死を促進する、請求項13に記載の使用。
  15. 前記過剰増殖性細胞は、腫瘍細胞及び癌細胞からなる群から選択される、請求項14に記載の使用
  16. 前記癌細胞は、肉腫、神経芽細胞腫、乳癌及び扁平上皮癌細胞からなる群から選択される、請求項15に記載の使用
  17. 前記腫瘍容積は減少する、請求項13に記載の使用
  18. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:50の範囲である、請求項13に記載の使用
  19. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:10の範囲である、請求項18に記載の使用
  20. 前記組成物は、医薬的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項13に記載の使用
  21. 動物における癌を処置するための組成物を調製するためのi)内葉構成成分及び(ii)プロサポシン関連ポリペプチドの使用であって、前記内葉構成成分はジオレオイルホスファチジルセリンであり前記ポリペプチドは配列番号2に記載するアミノ酸配列を有する前記使用
  22. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:50の範囲である、請求項21に記載の使用
  23. 前記ポリペプチド対前記内葉構成成分のモル比は、:1〜:10の範囲である、請求項22に記載の使用
  24. 前記組成物は、医薬的に許容可能なキャリアをさらに含む、請求項21に記載の使用
  25. 前記組成物は、過剰増殖性細胞において細胞死を促進する、請求項21に記載の使用
  26. 前記細胞死は、アポトーシスにより起きる、請求項25に記載の使用
  27. 前記過剰増殖性細胞は、癌細胞および腫瘍細胞からなる群から選択される、請求項25に記載の使用
  28. 前記癌細胞が、肉腫、神経芽細胞腫、乳癌及び扁平上皮癌細胞からなる群から選択される、請求項27に記載の使用
  29. 前記組成物は、経腸的に、非経口的に、皮下的に、静脈内に、腹腔内に、あるいは局所的に投与される、請求項21に記載の使用
  30. 複数回投与の前記組成物が前記動物に投与される、請求項21に記載の使用
  31. 単回投与の前記組成物が前記動物に投与される、請求項21に記載の使用
  32. 配列番号2に記載するアミノ酸配列を有するポリペプチド及びジオレオイルホスファチジルセリンを含む抗腫瘍剤。
  33. 前記ポリペプチド対ジオレオイルホスファチジルセリンの質量比は、:1である、請求項32に記載の抗腫瘍剤。
  34. 前記ポリペプチド対ジオレオイルホスファチジルセリンの質量比は、5:7である、請求項32に記載の抗腫瘍剤。
  35. 前記ポリペプチド対ジオレオイルホスファチジルセリンの質量比は、5:1〜:10の範囲である、請求項32に記載の抗腫瘍剤。
  36. 0μMポリペプチド及び0μMジオレオイルホスファチジルセリンを含む、請求項32に記載の抗腫瘍剤。
  37. 10μMポリペプチド及び70μMジオレオイルホスファチジルセリンを含む、請求項32に記載の抗腫瘍剤。
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