JP2002529528A - L−カルニチンの製造のための工業的方法 - Google Patents

L−カルニチンの製造のための工業的方法

Info

Publication number
JP2002529528A
JP2002529528A JP2000582358A JP2000582358A JP2002529528A JP 2002529528 A JP2002529528 A JP 2002529528A JP 2000582358 A JP2000582358 A JP 2000582358A JP 2000582358 A JP2000582358 A JP 2000582358A JP 2002529528 A JP2002529528 A JP 2002529528A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carnitine
chloro
reaction
alkyl
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000582358A
Other languages
English (en)
Inventor
マリア・オルネッラ・ティンティ
オレステ・ピッコロ
ファウスト・ボニファチョ
クリスティナ・クレシェンツィ
セルジョ・ペンコ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sigma Tau Industrie Farmaceutiche Riunite SpA
Original Assignee
Sigma Tau Industrie Farmaceutiche Riunite SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sigma Tau Industrie Farmaceutiche Riunite SpA filed Critical Sigma Tau Industrie Farmaceutiche Riunite SpA
Publication of JP2002529528A publication Critical patent/JP2002529528A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/30Preparation of optical isomers
    • C07C227/32Preparation of optical isomers by stereospecific synthesis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/31Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルキル4-クロロ-3-オキソブチレートまたは4-クロロ-3-オキソブチルアミドのエナンチオ選択的還元を含むL-カルニチンの工業的製造のための方法を開示する。こうして得られた光学活性の3-ヒドロキシ誘導体をトリメチルアミンと反応させ、粗L-カルニチンを得、これを次いで最終的に精製する。還元に用いた触媒は、5原子のビスヘテロ芳香族系に結合するルテニウムの錯体である。水素圧、基質濃度、温度および基質:触媒モル比を制御した条件で行う還元反応により、4-クロロ-3-ヒドロキシブチレートまたは4-クロロ-ヒドロキシブチルアミドが高収率で得ることが可能となる。開示した、L-カルニチンが得られるに至る方法は、工業規模で容易に適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本明細書に開示する発明は、L-カルニチンの合成に関する。 本発明の主題は、工業規模で容易に実施することができる、本生成物を得るた
めの方法である。
【0002】 (技術に関する記載) カルニチンは不斉中心を含み、それゆえ、R-(−)-カルニチンおよびS-(+)-
カルニチンとそれぞれ表される2つのエナンチオマーの形態で存在することがで
きる。これらの中で、R-(−)-カルニチンのみが生きている生物体に存在し、ミ
トコンドリア膜を横切る脂肪酸の輸送のためのキャリアとして作用する。 それゆえ、規則的な血液透析治療を行っている患者または、心臓または脂質代
謝障害を治療している患者には、R-(−)-カルニチンのみが投与されることが重
要である。
【0003】 この分子の実質上の生物学的および医薬的関心のゆえに、多くの研究がその合
成に関して行われている。 L-カルニチンの大規模合成に関する公知の方法には、 i)ラセミ体混合物の光学分割:この方法には、等モル量の分割剤の使用および、
不必要なエナンチオマーの分離が含まれる。この方法により、出発生成物の50
%が減損するに至る。 ii)微生物学的方法(US4708936)によるクロトノベタインまたはγ-ブ
チロベタインの立体選択的水素化。この微生物学的合成法は、使用する株がかな
り変化することおよび生成物がかなり生物汚染されるという、再現性が不充分で
ある危険性を内含する。 iii)モノ-またはバイメタル(bimetallic)のルテニウム触媒を用いる酪酸4-
クロロ-3-オキソエステルのエナンチオ選択的還元。これにより、対応する3-
ヒドロキシ誘導体を得、これを、トリメチルアミンとの反応およびエステル基の
加水分解によりL-カルニチンに変換する。 が含まれる。 iii)に述べた還元反応についての研究は多い。
【0004】 例えば、特許EP-B-295109は、次にはビスナフタレン系に結合する、
キラルジホスフィンに結合するルテニウムを含有する触媒を用いた4-クロロ-3
-オキソブチレートの還元を開示する。金属の結合価は、ハロゲンとトリエチル
アミンの組み合わせにより完結する。反応は40から100kg/cmの範囲
の水素圧を用い、1000:1の基質:触媒モル比を用いて、16-20時間の反
応時間で行う。67%を下回る光学収率およびその長い反応時間と高い圧力によ
り、該方法は工業的には許容されないものとなっている。
【0005】 特許出願EP-A-339764では、前記のルテニウムを基礎にする触媒を用
いる4-ハロ-3-オキソブチレートの反応から成る方法を用いてL-カルニチンが
得られており、反応は約100℃にて、70-100kg/cmの平均圧で、
1000〜10,000:1の範囲の基質:触媒モル比を用いて行う。開示した方
法はここでも、高圧値で行わなければならないという不都合を示す。加えて、こ
の方法を用いた全カルニチン収率は、高くはなかった(46%)。同様の結果がTe
trahedron Letters, 29, 1555, (1988)に報告されている。 前記合成法は収率が高くなく、および、最初の場合においては、反応時間が長
いだけでなく、高い水素圧で操作することも含み、これにより、採用される方法
および安全対策のコストが増す。この問題は、研究室規模から工業規模の製造に
移す時に非常に重要なものとなる。
【0006】 多くの研究により、適当な圧力値で操作する、ルテニウム錯体触媒を用いるβ
-ケトエステルの還元が開示されている。しかし結果は、収率および/または反応
時間に関して不充分であり、これらの方法はそれゆえ工業規模には適用できない
。Tetrahedron Letters, 32, 4163, (1991)では、4気圧の水素圧を用いた4-ク
ロロ-3-オキソブチレートの還元を開示する。還元された生成物は高圧で処理し
た場合に得られるものに劣るエナンチオマー純度を有し、反応時間はむしろ長い
(6時間)。低いエナンチオマー純度はL-カルニチン収率の大きな損失を招く。
EP-A-573184では、同じ基質のテルブチルエステル(terbutylic ester)
の還元が10-15kg/cmの圧力で行われ、反応は2時間で完了するが、収
率およびエナンチオマー純度は不充分である。
【0007】 前記方法を分析すると、工業規模で容易かつ有効に再現可能なL-カルニチン
の合成のための方法がないことが明らかとなる。特に欠乏しているのは、工業規
模で、高収率および高エナンチオマー純度を伴って、適度な圧力条件で行われる
ような性質の、4-ハロ-3-オキソ酪酸誘導体のエナンチオ選択的触媒還元を含
むL-カルニチン合成法である。
【0008】 発明の概要 本発明は、アルキル4-クロロ-3-オキソブチレートまたは4-クロロ-3-オキ
ソブチルアミドのエナンチオ選択的還元を含む、L-カルニチンの工業生産のた
めの方法を開示する。こうして得られた光学活性の3-ヒドロキシ誘導体をトリ
メチルアミンと反応させ、粗L-カルニチンを得、これを次いで最終的に精製す
る。還元に用いる触媒は、5原子のビスヘテロ芳香族系に結合するルテニウムの
錯体である。水素圧、基質濃度、温度、および基質:触媒モル比を制御した条件
で行う還元反応により、4-クロロ-3-ヒドロキシブチレートまたは4-クロロ-
ヒドロキシブチルアミドが高収率で得られる。L-カルニチンが得られるに至る
該記載方法は、工業規模で容易に適用可能である。
【0009】 発明の詳細な記載 本明細書に開示する本発明の主題は、L-カルニチンの合成のための方法であ
る。本発明の目的を達成するための第一ステップは、次の式:
【0010】
【化4】 (式中、Y=OR、NH-R、N(R); R、R(同一または相違する)=アルキルC-C10アルキルアリール)に従
うアルキル4-クロロ-3-オキソブチレートまたは4-クロロ-3-オキソブチルア
ミドのエナンチオ選択的触媒還元および、式(II)の誘導体のトリメチルアミン
との、L-カルニチンの形成を伴う反応から成る。
【0011】 好ましい出発基質はエチル4-クロロ-3-オキソブチレート(エチルγ-クロロ-
アセトアセテート)である。 還元反応触媒は、5原子ビスへテロ芳香族系に結合するルテニウム錯体から成
る。この構造は2つの式(III)または(IV)の一つに対応する。
【化5】 (式中、A=S、O、NR、N-アリール、N-CO-R; R=アルキルC-C10、アルキルアリール、アリール; Q=アルキルC-C、フェニル; R、R’(同一または相違する)=任意にアルキル置換されたフェニル、C-C
アルキル、C-Cシクロアルキル;または、RおよびR’は共に4-6原子
のホスホロ環式系(phosphorocyclic system)を形成する; XおよびLは同一または相違し、次の意味を有する: X=ハロゲン、アルキルスルホネート、アリールスルホネート; L=ハロゲン、アリール、πアリール、オレフィン系、ηアリル系、例えば2
-メチルアリル系、カルボキシレート基、例えばアセテートまたはトリフルオロ
アセテート。)
【0012】 πアリール基が意味するのは、環の炭素原子が金属と直接的には全く結合しな
い、芳香族電子系との直接配位のタイプである。 式(III)および(IV)の化合物は、本明細書に引用として組み込まれている
特許出願WO96/01831に開示されている。 特に好ましいのは、AがS(3,3’-ビスチオフェン構造)を示し、Xがハロゲ
ン、特にヨウ素を示し、Lがアリール系である触媒の使用に関するものである。
好ましい触媒は、式(V)により表される{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I
}である。
【化6】 アルキル4-クロロ-3-オキソブチレートまたは4-クロロ-3-オキソブチルア
ミドの還元は、2〜7バールの範囲の水素圧、90〜150℃の範囲の温度およ
び、5,000:1〜30,000:1の範囲の基質:触媒モル比で行う。
【0013】 本発明の好ましい具体化により、反応は5バールの水素圧にて、120℃の温
度で、10,000:1〜15,000:1の基質:触媒モル比で行う。 反応混合液中の基質の濃度も、高収率および高グレードの光学純度で還元生成
物を得ることの一助となる。この濃度は100mlの溶媒当たり5〜15gの基
質であり、好ましい濃度は10g/100mlである。
【0014】 反応混合液は、有利には、触媒量の塩基を含む。 高くない水素圧条件(平均5バール)により、100気圧の圧力を必要とする公
知技術に関して記載される同様の反応と比較して、より単純な反応器を用いて、
厳格性の少ない安全な条件を用いて操作することが可能となる。 本明細書に開示する方法は工業規模で容易に再現可能であることが証明され、
例えば酸補触媒(acid co-catalysts)の使用のようなさらなる追加手段の使用を
全く必要としない。 本発明による方法により、光学活性のアルキル4-クロロ-3-ヒドロキシブチ
レートまたは4-クロロ-3-ヒドロキシブチルアミドが95%以上の収率および
、95から97%の範囲のe.e.で得られる。本明細書にこれ以下に開示する変
換の結果、これらの成果により、65-70%の全収率でL-カルニチン最終生成
物を得ることが可能となる。
【0015】 さらに、高い基質:触媒比により、低量の触媒で操作することが可能となり、
こうして該反応法のコスト節約の一助となる。 触媒反応により得られるアルキル4-クロロ-3ヒドロキシブチレートまたは4
-クロロ-3-ヒドロキシブチルアミドは次いで、トリメチルアミンとの反応によ
り、式(II)の誘導体のL-カルニチン反応に転化する。
【0016】 還元された誘導体をトルメチルアミンと反応させ、L-カルニチンアルキルエ
ステルまたはアルキルアミドを形成する。この反応は好ましくは55から90℃
の温度で、1〜70時間の範囲の期間行う。特に十分な結果は、65度にて60
時間または、80℃にて24時間操作した場合に得られる。用いる反応器のタイ
プ、攪拌およびローディング条件により、平均1-2時間の反応時間が80℃に
て認められる。
【0017】 反応は4-クロロの4-トリメチルアミン基との置換および、エステルまたはア
ミド基の加水分解を含み、粗L-カルニチンの形成を伴う。これを次いで精製し
て、それを医薬上の使用に適したものとする。 精製は、例えばクロマトグラフィー、溶媒を用いた抽出、限外濾過および他の
同等の方法のような公知の方法を用いて行うことができる。 低い圧力、高い収率および高グレードの光学純度および、限られた量の触媒の
使用のような前記の利点のために、本明細書に記載する発明により、L-カルニ
チンを大規模の工業プラントで有効かつ経済的に製造することが可能となる。 本発明を次の実施例を用いてさらに開示する。
【0018】 実施例部分実施例1 :{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}の調製 a)[RuIp-シメン]の調製 2gの[RuCIp-シメン]および50mlのメチレンクロライドを窒素
下フラスコ中に入れ、66mgのテトラメチルアンモニウムヨーダイドおよび次
いで10.2mgのKI含有水溶液(50ml)を、溶液に添加する。 混合液を強力攪拌下、および大気圧に約15時間、室温に置く。相を分離する
。水相を2×40mlのCHClで抽出する。合わせた有機相を3×40m
lのHOで洗浄し、NaSOにて乾燥させて、ジカライト(dicalite)上で
濾過する。赤褐色溶液を得、これを真空乾燥する。3.07gの[RuIp-シ
メン]を得る。
【0019】 b){[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}の調製 155mgの[RuIp-シメン]および204mgの(+)TMBTPを窒
素下フラスコ中に入れ、窒素を用いて脱気した80mlのCHClおよび3
0mlのMeOHの混合液を添加する。混合液を乾留にて攪拌下に1.5時間置
き、それを次いで冷却し、減圧下で濃縮する。{[Ru(p-シメン)I(+)TMBT
P]I}から成る濃赤色固体をそれ自体、エナンチオ選択的水素化法に用いる。
【0020】実施例2 :エチル(+)(R)-4-クロロ-ヒドロキシブチレートの調製 100gのエチル4-クロロ-3-オキソブチレートおよび、64.9mgの、実
施例1で調製した{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}をアルゴン下、3リ
ットルの反応器中、アルゴンで脱気した1000mlのエチルアルコール中に入
れ、混合液を120℃にてアルゴン下で加熱し、水素圧5バールに加圧する。3
時間後、混合液を冷却し、減圧下で濃縮し、残存物を5mmHgの真空度を用い
て蒸留する。91gのエチル(+)(R)-4-クロロ-3-ヒドロキシブチレートをガ
ス-クロマトグラフィー分析により97%のe.e.で得る。
【0021】実施例3 :L-カルニチンの調製 8.4g(0.05モル)のエチル(+)(R)-4-クロロ-3-ヒドロキシブチレート
および23ml(0.18モル)の45%トリメチルアミン水溶液を50mlバイ
アルに入れる。バイアルをゴム栓で閉め、リングキャップで封じ、80℃にて2
4時間維持する。反応終了時、バイアルを冷却し、開封する。水溶液をフラスコ
に移し、20mlのメチレンクロライドを添加し、生じた溶液を一晩攪拌下に置
く。水相を次いで回収し、HCO の形態で活性化させた200mlのAmberl
ite IRA402樹脂を含むクロマトグラフィーカラム上で溶離する。
【0022】 始めの30mlの溶離後、カルニチンが溶離される。L-カルニチンを含む、
約100-150mlのフラクション(コントロールTLC CHCl42、Iso
prOH 7、MetOH 28、H2O 10.5、AcOH 10.5)を合わせ、真空濃縮する。イソブチル
アルコールを用いて水を有する共沸混合物を形成し、および、完全に水を除去す
る。 こうして得た吸湿性の固体をアセトンで摩砕し、一晩、アセトンと共に攪拌下
に置く。濾過を行い、L-カルニチンを70%の最終収率で得る。
【0023】実施例4-7 S:C比を改変し(表1)、または触媒量の塩基(表2)を用いて処理して、実施
例2に開示する水素化法を繰り返した。 得られた結果は次のようである。
【0024】
【表1】表1 10gの触媒:{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}スケールにおける水素
化反応
【0025】 説明: S:C:基質:触媒モル比 %conv/t:還元された基質のパーセンテージ/時間 conc.:反応混合液中の基質濃度 e.e.:還元された生成物の光学純度
【0026】 表1の結果により、本発明に開示する触媒を用いて、表示される反応条件下で
処理した場合に、エチル4-クロロ-3-ヒドロキシブチレートが高収率および高
グレードのエナンチオマー光学純度で得られることが可能となることが示される
【0027】
【表2】表2 100gの触媒:{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}スケールにおける水
素化反応
【0028】実施例8 :エチル(+)(R)-4-クロロ-ヒドロキシブチレートの調製 14kgのエチル4-クロロ-3-オキソブチレート(滴定濃度88%)および6.
2gの{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}をアルゴン下、200リットル
の反応器中、143lのエチルアルコール中に入れる。混合液を116℃に加熱
し、水素圧5-6バールに加圧する。温度は124℃まで上昇し、反応は約1時
間以内に完結する。混合液を冷却し、減圧下で濃縮し、ガスクロマトグラフィー
を用いて分析した残存物は、81%滴定量のエチル(+)(R)-4-クロロ-3-ヒド
ロキシブチレートを有し、96.7%のe.e.、反応収率:94%を有する。
【0029】実施例9 :L-カルニチンの調製 実施例8に従い調製した400gの粗エチル(+)(R)-4-クロロ-3-ヒドロキ
シブチレートおよび、1lの45%トリメチルアミン水溶液を2lの反応器に入
れる。反応混合液を80℃まで加熱し、この温度を15時間維持する。冷却およ
び過剰のトリメチルアミンを窒素流下で除去した後、水溶液を1.9lのメチレ
ンクロライドで抽出し、HPLCで分析する。L-カルニチンを75%収率で得
る。
【0030】実施例10 :L-カルニチンの調製 実施例2に従い調製した110gのエチル(+)(R)-4-クロロ-3-ヒドロキシ
ブチレートおよび280mlの45%トリメチルアミン水溶液を0.6lの反応
器に入れる。反応混合液を80℃まで加熱し、この温度を2時間維持する。冷却
および過剰のトリメチルアミンを除去した後、水溶液を0.5lのメチレンクロ
ライドで抽出し、HPLCを用いて分析する。L-カルニチンを71%の収率で
得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 227/30 C07C 227/30 227/40 227/40 229/22 229/22 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 オレステ・ピッコロ イタリア、イ−23896シルトーリ(レッ コ)、ビア・ボルノ5番 (72)発明者 ファウスト・ボニファチョ イタリア、イ−04100ラティーナ、ビア・ ギド・ダレッツォ9番 (72)発明者 クリスティナ・クレシェンツィ イタリア、イ−00181ローマ、ビア・アッ ピア・ヌオーバ359番 (72)発明者 セルジョ・ペンコ イタリア、イ−20153ミラノ、ビア・ミリ ー・カルラ・ミニョーネ5番 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC70A BC70B BE13A BE21A BE21B BE22A BE26A BE26B BE33A BE35A BE35B BE37A BE37B BE38A BE38B BE39A BE39B CB02 DA02 FA01 4H006 AA02 AB23 AB84 AC41 AC47 AC81 AD17 BA23 BA37 BA39 BA43 BA47 BA48 BA69 BC10 BC11 BC19 BC34 BC35 BE20 BN10 BS70 BU50 4H039 CA60 CB20 CD40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のステップを含むL-カルニチンの合成方法; (a)アルキル4-クロロ-3-オキソブチレートまたは4-クロロ-3-オキソブチル
    アミドのエナンチオ選択的還元を、次の式: 【化1】 (式中、Y=OR、NH-R、N(R); R、R(同一または相違する)=アルキルC-C10アルキルアリール)に
    従い、還元反応の触媒を2つの式(III)または(IV) 【化2】 (式中、A=S、O、NR、N-アリール、N-CO-R; R=アルキルC-C10、アルキルアリール、アリール; Q=アルキルC-C、フェニル; R、R’(同一または相違する)=任意にアルキル置換されたフェニル、アルキル
    -C、シクロアルキルC-C;または、RおよびR’は共に4-6原子
    のホスホロ環式系を形成する; XおよびLは同一または相違し、次の意味を有する: X=ハロゲン、アルキルスルホネート、アリールスルホネート; L=ハロゲン、アリール、πアリール、アレフィン系、カルボキシレート)の一
    つに対応するルテニウム錯体から成るものとして行う、 (b)(a)で得られる式(II)の誘導体をトリメチルアミンと反応させ、L-カル
    ニチンを形成させる。
  2. 【請求項2】 還元反応(a)を、2〜7バールの範囲の水素圧;90〜15
    0℃の範囲の温度;5,000:1〜30,000:1の範囲の基質:触媒モル比;反
    応混合液中の基質濃度5g/100ml〜15g/100mlの範囲;にて行う
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 還元反応(a)を、5バールの水素圧;温度120℃;基質:触
    媒のモル比10,000:1-20,000:1;反応混合液中の基質濃度10g/1
    00ml;にて行う請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(a)の反応混合液が触媒量の塩基を含む請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 反応(b)を65℃の温度にて60時間行う請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 反応(b)を80℃の温度にて1-24時間行う請求項1記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 (b)で得られるL-カルニチンをさらに精製に供する請求項
    1記載の方法。
  8. 【請求項8】 触媒が次の式 【化3】 により表される{[Ru(p-シメン)I(+)TMBTP]I}である請求項1記載の
    方法。
JP2000582358A 1998-11-16 1999-11-12 L−カルニチンの製造のための工業的方法 Pending JP2002529528A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT1998MI002477A IT1303757B1 (it) 1998-11-16 1998-11-16 Processo industriale per la produzione di l-carnitina.
IT98A002477 1998-11-16
PCT/IT1999/000365 WO2000029370A1 (en) 1998-11-16 1999-11-12 Industrial process for the production of l-carnitine

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002529528A true JP2002529528A (ja) 2002-09-10

Family

ID=11381066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000582358A Pending JP2002529528A (ja) 1998-11-16 1999-11-12 L−カルニチンの製造のための工業的方法

Country Status (14)

Country Link
US (1) US6566552B2 (ja)
EP (1) EP1131279B1 (ja)
JP (1) JP2002529528A (ja)
KR (1) KR100575605B1 (ja)
CN (1) CN1255375C (ja)
AT (1) ATE266622T1 (ja)
AU (1) AU1295300A (ja)
CA (1) CA2349536A1 (ja)
DE (1) DE69917318T2 (ja)
DK (1) DK1131279T3 (ja)
ES (1) ES2220128T3 (ja)
IT (1) IT1303757B1 (ja)
PT (1) PT1131279E (ja)
WO (1) WO2000029370A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056827A1 (en) 2006-11-09 2008-05-15 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Process for production of betaine
JP2010119357A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光学活性4−ハロ−3−ヒドロキシブチルアミド及び光学活性カルニチンアミドの製造方法
JP2011503132A (ja) * 2007-11-16 2011-01-27 ロンザ リミテッド ベタインの製造方法
JP2013526493A (ja) * 2010-05-11 2013-06-24 ロンザ リミテッド ケトエステル類の水素化のためのプロセス

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100449750B1 (ko) * 2001-12-13 2004-09-22 화일약품주식회사 라세믹 알킬 4-클로로-3-히드록시부티레이트의 제조방법
GB0211716D0 (en) * 2002-05-22 2002-07-03 Phoenix Chemicals Ltd Process
JP2008505903A (ja) 2004-07-08 2008-02-28 メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド 四置換エナミドの形成およびこの立体選択的還元
US7422653B2 (en) * 2004-07-13 2008-09-09 Applied Materials, Inc. Single-sided inflatable vertical slit valve
CN100348573C (zh) * 2004-07-28 2007-11-14 香港理工大学 一种制备l-肉碱的方法
US7927346B2 (en) * 2004-09-10 2011-04-19 Stryker Corporation Diversion device to increase cerebral blood flow
CN1312118C (zh) * 2004-11-10 2007-04-25 浙江大学 肉碱的合成工艺
CN101875616B (zh) * 2010-06-12 2012-11-21 胡建荣 一种左卡尼汀化合物及其制法
KR20160037031A (ko) 2014-09-26 2016-04-05 엔자이텍 주식회사 라세믹 또는 광학적으로 활성이 있는 D 또는 L-α-글리세로포스포릴콜린 고체의 제조방법
CN108912022A (zh) * 2018-07-26 2018-11-30 湖北吉和昌化工科技有限公司 一种聚二硫二丙烷磺酸钠的提纯方法
CN111592466B (zh) 2020-06-05 2022-08-19 复旦大学 一种左卡尼汀的微反应连续流合成方法
CN116655481B (zh) * 2023-06-14 2023-11-28 海南卓科制药有限公司 一种工业化合成左卡尼汀的方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0699367B2 (ja) * 1987-06-11 1994-12-07 高砂香料工業株式会社 光学活性アルコ−ルの製法
JPH0678277B2 (ja) * 1988-02-19 1994-10-05 高砂香料工業株式会社 光学活性アルコールおよびその誘導体の製造方法
JPH0641445B2 (ja) * 1988-12-22 1994-06-01 高砂香料工業株式会社 光学活性カルニチンエステルの製法
FR2693190B1 (fr) * 1992-07-02 1994-09-23 Elf Aquitaine Procédé d'hydrogénation énantiosélectif de la double liaison C=O OXO.
DE4330730A1 (de) * 1993-09-10 1995-03-16 Bayer Ag Neue Bisphosphine für asymmetrische Hydrierkatalysatoren
IT1270082B (it) * 1994-07-12 1997-04-28 Univ Degli Studi Milano Difosfine eteroaromatiche come leganti chirali, complessi tra dette difosfine e metalli di transizione ed impiego di detti complessi come catalizzatori chirali
JP3652394B2 (ja) * 1995-01-27 2005-05-25 高砂香料工業株式会社 N−置換−7−アミノ−5−ヒドロキシ−3−オキソヘプタン酸誘導体およびその製造法
US5614031A (en) 1995-05-11 1997-03-25 Cushing; Ernest W. Method and apparatus for washing a fibrous mat
IT1299068B1 (it) * 1998-04-10 2000-02-07 Chemi Spa Legandi fosforati chirali e loro complessi organometallici, utili come catalizzatori in sintesi stereoselettive

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056827A1 (en) 2006-11-09 2008-05-15 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Process for production of betaine
US8334132B2 (en) 2006-11-09 2012-12-18 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Process for production of a betaine such as carnitine
JP2011503132A (ja) * 2007-11-16 2011-01-27 ロンザ リミテッド ベタインの製造方法
JP2010119357A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光学活性4−ハロ−3−ヒドロキシブチルアミド及び光学活性カルニチンアミドの製造方法
JP2013526493A (ja) * 2010-05-11 2013-06-24 ロンザ リミテッド ケトエステル類の水素化のためのプロセス
KR101848763B1 (ko) * 2010-05-11 2018-05-28 론차리미티드 케토에스테르의 수소화를 위한 프로세스

Also Published As

Publication number Publication date
PT1131279E (pt) 2004-09-30
KR100575605B1 (ko) 2006-05-02
WO2000029370A1 (en) 2000-05-25
EP1131279A1 (en) 2001-09-12
EP1131279B1 (en) 2004-05-12
CN1255375C (zh) 2006-05-10
KR20010080380A (ko) 2001-08-22
CN1326435A (zh) 2001-12-12
CA2349536A1 (en) 2000-05-25
ES2220128T3 (es) 2004-12-01
AU1295300A (en) 2000-06-05
ITMI982477A1 (it) 2000-05-16
US6566552B2 (en) 2003-05-20
IT1303757B1 (it) 2001-02-23
US20020165408A1 (en) 2002-11-07
DE69917318D1 (de) 2004-06-17
DE69917318T2 (de) 2005-06-02
DK1131279T3 (da) 2004-09-20
ATE266622T1 (de) 2004-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002529528A (ja) L−カルニチンの製造のための工業的方法
JP4503728B2 (ja) 均一触媒によるc=cもしくはc=n二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のためのエナンチオマーが富化された配位子および錯体の使用
WO2003053929A1 (fr) Procede de production de derives de cis-piperidine optiquement actifs
GB2025412A (en) Process for manufacturing d camphorate of l carnitinamine and d camphorate of d carnitinamide
JP2941350B2 (ja) R(+)―アミノカルニチンおよびs(―)―アミノカルニチンの製造方法
ZA200601262B (en) Cycloakylaminoacid compounds, processes for making and uses thereof
JP2003502296A (ja) スルホニルアミド及びカルボキサミド並びに不斉触媒作用におけるそれらの使用
JP4138928B2 (ja) D−アロイソロイシンの製造方法および製造の中間体
US20040102645A1 (en) Process for preparing R-(-)-carnitin from S-(-)-chlorosuccinic acid or from a derivative thereof
EP0375417B1 (en) Process for preparing optically active carnitine ester
JP3184758B2 (ja) 光学活性4−ヒドロキシ−2−ピロリドンの製造方法
CA2120812C (en) Improved process for manufacturing l-(-)-carnitine from a waste product having opposite configuration
CN107827802B (zh) 一种d-脯氨酸的合成方法
EP0765876B1 (en) Process for the preparation of (s)-beta-hydroxy-gamma-butyrolactone
DE102008033165A1 (de) Verfahren zum Herstellen eines optisch aktiven ß-Hydroxycarbonsäurederivats
EP1224161B1 (en) Nitroxy derivatives of (r) and (s)-carnitine
JP4308155B2 (ja) δ−イミノマロン酸誘導体の製造方法、及びそのための触媒
JP4104319B2 (ja) 光学活性2−ヒドロキシ−3−ニトロプロピオン酸の製造方法
CN117843525B (zh) (2s,3r,4r)-4,5-二羟基异亮氨酸衍生物及中间体的制备方法
EP0382506A2 (en) Optically active diastereomer salts of tetrahydro-2-furoic acid
EP0531700A2 (de) Diastereomerenreine Zwischenprodukte und ihre Verwendung bei der Herstellung von (R)- oder (S)-Ketoprofen
EA004927B1 (ru) СПОСОБ СИНТЕЗА (3aS)-5,5-ДИОКСО-2,3,3a,4-ТЕТРАГИДРО-1H-ПИРРОЛО[2,1-c][1,2,4]БЕНЗОТИАДИАЗИНА
JP2858015B2 (ja) 光学活性な1―アルキルアミノ―3―アリールオキシ―2―プロパノール類の製造方法
Puchlopek‐Dermenci et al. Access to Chirality
CN118005531A (zh) 一种手性非天然氨基酸衍生物的合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090616