JP2002529054A - ヒト血小板糖タンパク質ibアルファに対する抗体の可変重鎖領域及び可変軽鎖領域 - Google Patents

ヒト血小板糖タンパク質ibアルファに対する抗体の可変重鎖領域及び可変軽鎖領域

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト可変重鎖及び可変軽鎖免疫グロブリン・ライブラリーを用いてヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合するクローンを選別する方法に関する。本発明はさらに抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコードする単離された核酸分子であって、該抗体がヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害するものである単離された核酸分子に関する。前記核酸分子を含む発現ベクター及び宿主細胞並びに前記可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域を製造する方法も提供される。ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しかつ血小板の凝集を阻害する抗体の単離された可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域も提供される。可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を含む抗体も提供され、該抗体と担体を含む組成物がそうである。本発明はさらに血小板の凝集を阻害する方法並びにヒト血小板糖タンパク質Ibアルファを結合する方法を提供する。抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を選別する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は1998年10月30日に出願された米国仮特許出願第60/106
275号の優先権を主張する。
【0002】 発明の分野 本発明は、一般的にヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに関し、より具体的
にはヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに対する抗体の可変重鎖領域及び可変
軽鎖領域ならびにそれらの使用に関する。
【0003】 発明の背景 本出願を通して、種々の公表文献が多くは括弧書きで参照される。これらの公
表文献のそれぞれの全引用は詳細な説明の末尾に記載する。これらの公表文献の
それぞれの開示はそれらの全体が本出願において参照により本明細書にインコー
ポレートされる。
【0004】 フォン・ビルブラント因子(vWf)に対する血小板糖タンパク質Ib/IX
(GPIb/IX)受容体は、非共有結合の会合でGPIb(160kDa)と
GPIX(17kDa)との1:1のヘテロ二量体複合体から構成されると考え
られている(デューら、1987)。またGPIbはジスルフィド結合した14
0kDa のアルファ鎖(GPIbアルファ)及び22kDaのベータ鎖(GPI
bベータ)から構成される(フィッツゲラルド及びフィリップス、1989)。
【0005】 GPIb/IX複合体は血小板上における主要膜貫通受容体複合体の一つを含
み(ロズ、1991;ロペッツ、1994;クレメットソン及びクレメットソン
、1995)、フォン・ビルブラント因子(vWF)依存性の血小板の接着を媒
介する。1980年代に、ミラーらはvWfに対するGPIb/IX複合体受容
体を標的とする一連のモノクローナル抗体(mab)を開発した。特に、モノク
ローナル抗体C−34は詳細に特性決定し、mabC−34は血小板糖タンパク
質Ib/IX複合体内のエピトープを認識することが決定された(ミラーら、1
990)。これ以降の研究において、ミラーらは、モノクローナル抗体C−34
、AS−2、及びAS−7がフォン・ビルブラント因子に依存する正常な血小板
のリストセチン誘導性の凝集の強力な阻害剤であることを示した。ミラーらは、
3つのモノクローナル抗体全てに対するエピトープがGPIb/IX複合体内に
存在することも示した。
【0006】 多様なモノクローナル抗体に対する結合部位を限定する試みにより、エピトー
プライブラリーが開発されてきた。パームレイ及びスミスは、表面上に外来エピ
トープを提示できるバクテリオファージ発現ベクターを開発した(パームレイ及
びスミス、1988)。このベクターは、短い(例えば6アミノ酸)ペプチドの
可能なあらゆる配列を事実上含みうるバクテリオファージの多数の集合体を構築
するために使用されうる。彼らは、特異的抗体を用いて外来エピトープを提示す
るファージを親和−精製するための方法であるバイオパンニングも開発した(パ
ームレイ及びスミス、1988;クヴィルラら、1990;スコット及びスミス
、1990;クリスチャンら、1992;スミス及びスコット、1993参照)
【0007】 エピトープライブラリーの開発後、次にスミスらは、所与の長さの可能なあら
ゆる配列からエピトープを同定するためにバクテリオファージ発現ベクター及び
パームレイとスミスのバイオパンニング技術を使用できることを示唆した。この
ことから、エピトープライブラリーをバイオパンニングすることにより抗体に対
するペプチドリガンドを同定するというアイデアに至った。このバイオパンニン
グはさらにワクチンの設計、エピトープのマッピング、遺伝子の同定、及び他の
多数の適用においても使用されうる(パームレイ及びスミス、1988;スコッ
ト、1992)。
【0008】 抗体の断片も抗体遺伝子をコードする繊維状ファージの表面上に提示されてき
た(ホーゲンブーム及びウィンター、1992;マッカフェルティーら、199
0;ヴァウグハンら、1996;トムリンソンら、1992;ニッシムら、19
94;グリフィスら、1994)。従って、可変重鎖(VH )及び可変軽鎖(V L )のイムノグロブリンライブラリーはファージで開発され、ファージは抗体を
用いてパンニングすることにより選択できる。次に、コードされた抗体断片は感
染した細菌から可溶性断片として分泌されうる。ファージ上における抗体の提示
及び抗原による選別は、免疫選別をまねたものであり、免疫感作なしに単一のフ
ァージライブラリーから抗体を作製するために使用できる(ホーゲンブーム及び
ウィンター、1992参照)。
【0009】 合成されたヒトのVH 及びVL のScFvライブラリーは、loxライブラリ
ーベクター(グリフィスら、1994)由来の重鎖及び軽鎖の可変領域をファー
ジミドベクターpHEN2へ再クローニングすることにより作製された(図1参
照)。この「グリフィン1」ライブラリーは、合成されたV遺伝子断片から作製
されたScFvファージミドライブラリーである。グリフィン1ライブラリーを
含む生殖系列V遺伝子配列をダウンロードするためのワールド・ワイド・ウェブ
のアドレスは、http://www.mrc-cpe.cam.ac.uk/imt-doc/vbase-questions.html.
である。
【0010】 糖タンパク質Ibアルファに結合する抗体の有用なエピトープの配列を解明す
る必要性が存続する。
【0011】 発明の概要 この目的のために、本発明は、ヒトの可変重鎖及び可変軽鎖のイムノグロブリ
ンライブラリーを用いてヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合するクロー
ンを選別する方法を提供する。本方法は、ヒト血小板糖タンパク質Ibを発現す
る細胞とヒトの可変重鎖及び可変軽鎖のイムノグロブリンライブラリーとをイン
キュベートする工程、及び細胞に結合するライブラリーのクローンを選別する工
程、及び洗浄したヒトの血小板とライブラリーの選別されたクローンとをインキ
ュベートする工程、及び洗浄したヒトの血小板に結合する最終クローンを選別す
る工程を含み、得られるクローンはヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合
する。
【0012】 本発明はさらに抗体の可変重鎖又は可変軽鎖の領域をコードする単離された核
酸分子を提供する。この抗体はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそ
して血小板の凝集を阻害する。
【0013】 本発明の単離された核酸分子は適切な発現ベクター及び/又は宿主細胞へ挿入
できる。可変重鎖又は可変軽鎖の領域をコードする核酸分子の発現により、宿主
細胞において抗体(この抗体はヒト軽鎖糖タンパク質Ibアルファに結合しそし
て血小板の凝集を阻害する)の可変重鎖又は可変軽鎖の領域が産生される。
【0014】 さらに、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を
阻害する抗体の可変重鎖領域をコードする単離された核酸分子であって、前記核
酸分子が第二のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸同一性を有す
る第一のアミノ酸配列をコードするものであり、第二のアミノ酸配列が配列番号
:10〜配列番号:15から成る群より選択されるものである核酸分子が提供さ
れる。
【0015】 ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害する
抗体の可変軽鎖領域をコードする単離された核酸分子であって、前記核酸分子が
第二のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する第一の
アミノ酸配列をコードするものであり、第二のアミノ酸配列が配列番号:16〜
配列番号:21から成る群より選択されるものである核酸分子も提供される。
【0016】 本発明はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を
阻害する抗体の単離された可変重鎖領域又は可変軽鎖領域も提供する。さらに、
ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害する抗
体の単離された可変重鎖領域であって、該可変重鎖領域が第二のアミノ酸配列に
対して少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する第一のアミノ酸配列をコード
するものであり、第二のアミノ酸配列が配列番号:10〜配列番号:15から成
る群より選択されるものである単離された可変重鎖領域を提供する。また、ヒト
血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害する抗体の
単離された可変軽鎖領域であって、該可変軽鎖領域は第二のアミノ酸配列に対し
て少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する第一のアミノ酸配列をコードする
ものであり、該第二のアミノ酸配列が配列番号:16〜配列番号:21から成る
群より選択されるものである単離された可変軽鎖領域も提供する。
【0017】 さらに、本発明の可変重鎖又は可変軽鎖の領域を含む抗体ならびにこの抗体を
含む組成物を提供する。本発明はさらに、血小板を組成物に接触させることによ
り血小板の凝集を阻害する方法を提供する。さらに、ヒト血小板糖タンパク質I
bアルファを抗体に接触させることによりヒト血小板糖タンパク質Ibアルファ
を結合する方法を提供する。
【0018】 血小板の凝集を阻害する抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を選別する方法
も提供する。本方法は、本発明の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を選別する工程
(この可変重鎖又は可変軽鎖の各領域はアミノ酸配列を有する)、選別された可
変重鎖領域又は可変軽鎖領域のアミノ酸配列を改変する工程、可変重鎖領域又は
可変軽鎖領域の改変されたアミノ酸配列を有する抗体を構築する工程、及び抗体
が血小板の凝集を阻害するか否かを測定する工程を含み、それにより血小板の凝
集を阻害する抗体の改変された可変重鎖又は可変軽鎖の領域が選別される。
【0019】 本発明の詳細な説明 本明細書で用いられるとき、抗体、可変重鎖(VH 又はVh)及び可変軽鎖(
L 又はVl)、Fv断片、及びCDR(超可変領域)(CDR1、CDR2、
CDR3)は図2〜4の文脈において使用される。図1は天然IgGの編成及び
誘導化された組換え断片の概念図を示す。Fv断片は図4において「一本鎖Fv
断片」(ScFv)として示される。このタイプの組換えタンパク質において、
軽鎖及び重鎖(Vh及びVl)の2つの抗原結合領域は15〜18個のアミノ酸
ペプチドにより連結される。このリンカー領域によりVhとVlの領域間で適切
な相互作用が可能になる。このような組換え抗体の構造のさらなる説明はhttp:/
/www/mgen.uniheidelberg.de/SD/SDscFvSite.html で閲覧できる。
【0020】 本明細書で使用される「核酸」という用語はDNA又はRNAのいずれかを指
す。「核酸配列」又は「ポリヌクレオチド配列」は、5’から3’末端まで解読
されたデオキシリボヌクレオチド塩基又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二
本鎖のポリマーを指す。これはDNA又はRNAの感染性ポリマーである自己増
殖プラスミド及び無機能のDNA又はRNAの両方を含む。
【0021】 「単離された」核酸は、生物から実質的に精製された形態(即ち、その生物を
起源とする他の物質を実質的に含まない)で分離された核酸ならびに合成核酸を
指す。
【0022】 「相同な」又は「相補的な」核酸配列とは、可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(
L )をコードするDNA配列がヒトのゲノム又はcDNAのライブラリーに存
在する際に可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(VL )又はその一部をコードするD
NA配列に選択的にハイブリダイズする、2重鎖を形成する、又は結合する核酸
を意味する。標的配列に類似する又は相補的なDNA配列は、前述した機能試験
を満たす限り、標的配列より短い又は長い配列を含みうる。
【0023】 典型的には、ハイブリダイゼーションは、0.2 XのSSC、0. 1%のSDS、
65℃の洗浄条件を用いるサザンブロットの手順で実施される。「SSC」とい
う用語は0.15Mの塩化ナトリウム及び20mMのクエン酸ナトリウムを指す。溶液
はしばしばこの濃度の倍数又は分数として表される。例えば、6XのSSCとは
、この量の6倍の塩化ナトリウム及びクエン酸ナトリウムの濃度、即ち0. 9Mの
塩化ナトリウム及び120 mMのクエン酸ナトリウムを有する溶液を指す。
【0024】 「〜をコードする核酸分子」という語句は、特異的なタンパク質又はペプチド
の発現を意図する核酸分子を指す(この場合、可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(
L ))。核酸配列は、RNAに転写されるDNA鎖配列ならびにタンパク質又
はペプチド(即ち可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(VL ))に翻訳されるRNA
配列の両方を含む。核酸分子には、全長の可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(VL )に由来する全長の核酸配列ならびに非全長の配列の両方が含まれる。さらに、
この配列には天然配列又は特異的な宿主細胞において優先コドンを付与するため
に導入されうる配列の縮重コドンが含まれると理解される。
【0025】 本明細書で使用される「上流に位置する」という用語は、プロモーターが核酸
(DNA)配列の転写を媒介するように核酸(DNA)配列から上流にあるプロ
モーターの連鎖を指す。
【0026】 「ベクター」という用語は、ウイルスの発現システム、自律性自己増殖環状D
NA(プラスミド)、ファージミドを指し、発現性及び非発現性のプラスミド及
びファージミドの両方を含む。組換えの微生物又は細胞が、「発現ベクター」を
宿すものとして記述される場合、染色体外の環状DNA及び宿主の染色体に組込
まれたDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞により維持される場合、ベクタ
ーは有糸分裂中の細胞により自律構造として安定に複製されるか、又は宿主のゲ
ノム内に取りこまれるかのいずれかである。
【0027】 「プラスミド」という用語は細胞における複製可能な自律性環状DNA分子を
指し、発現型と非発現型の両方を含む。組換えの微生物又は細胞が、「発現プラ
スミド」を宿すものとして記述される場合、宿主の染色体に組込まれる潜伏ウイ
ルスDNAを含む。プラスミドが宿主細胞により維持される場合、プラスミドは
有糸分裂中の細胞により自律構造として安定に複製されるか、又は宿主のゲノム
内に取りこまれるかのいずれかである。
【0028】 「ファージミド」という用語はバクテリオファージとプラスミドの属性を組み
合わせたベクターを指す。
【0029】 「異種タンパク質」又は「組換え産生された異種タンパク質」という語句は、
目的のペプチド又はタンパク質を発現できる内因性のDNAコピーをもたない細
胞を用いて産生された目的のペプチド又はタンパク質(この場合、可変重鎖(V H )又は可変軽鎖(VL ))を指す。この細胞は適切な核酸配列の導入により遺
伝的に改変されているため、前記ペプチド又はタンパク質を産生する。この組換
えペプチド又はタンパク質は、ペプチド又はタンパク質、およびペプチド又はタ
ンパク質を産生する細胞と正常に関連する他の細胞下構成要素とともに見出され
ることはない。
【0030】 下記の用語は二個以上の核酸分子間、又はポリヌクレオチド間、又はペプチド
もしくはタンパク質の二個以上のアミノ酸配列間の配列関係を記述するために用
いられる(この場合、可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(VL )):「参照配列」
、「比較ウィンドー」、「配列同一性」、「配列相同性」、「配列同一性の百分
率」、「配列相同性の百分率」、「実質的同一性」、及び「実質的相同性」。「
参照配列」とは配列比較のための基準として使用される明確にされた配列であり
、即ち、参照配列は、例えば配列表に示される全長cDNA又は遺伝子配列の文
節としてより長い配列の一部であってもよく、又は完全なcDNA又は遺伝子配
列を含んでもよい。
【0031】 比較ウィンドーを整列させるための配列の最適整列は、例えば、スミスとウォ
ーターマンの局部相同性アルゴリズム(1981)により、ニードルマンとヴァ
ンシュの相同性整列アルゴリズム(1970)により、パールソンとリップマン
の同一性方法の調査(1988)により、又はこれらのアルゴリズムのコンピュ
ーター化された手段(ウィスコンシン州マディソンのウィスコンシン・ジェネッ
ティクス社のソフトウェア・パッケージ・リリース7.0 、ジェネッティクス・コ
ンピューター・グループ、575 サイエンス・ドクターにおけるGAP、BEST
FIT、FASTA、及びTFASTA)により実行されうる。
【0032】 核酸分子又はポリヌクレオチドに適用されるように、「実質的な同一性」又は
「実質的な配列同一性」という用語は、二つの核酸配列が最適に整列した際に(
上記参照)、少なくとも90パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも9
5パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも96、97、98又は9
9パーセントの配列同一性を共有することを意味する。
【0033】 「百分率ヌクレオチド(又は核酸)同一性」又は「百分率ヌクレオチド(又は
核酸)配列同一性」とは、最適に整列させた際に、同じヌクレオチドのおおよそ
の明示百分率を有する二つの核酸分子のヌクレオチドの比較を指す。例えば、「
95%のヌクレオチド同一性」とは、最適に整列させると95%のヌクレオチド
同一性を有する二つの核酸分子のヌクレオチドの比較を指す。好ましくは、同一
でないヌクレオチド部位は縮重ヌクレオチドの置換により異なる(ヌクレオチド
の置換は具体的なコドンによってコードされるアミノ酸を変化させない)。
【0034】 さらに核酸分子又はポリヌクレオチドに適用されるように、「実質的な相同性
」又は「実質的な配列相同性」という用語は、二つの核酸配列が最適に整列した
場合に(上記参照)、少なくとも90パーセントの配列同一性、好ましくは少な
くとも95パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも96、97、9
8又は99パーセントの配列同一性を共有することを意味する。
【0035】 「百分率ヌクレオチド(又は核酸)相同性」又は「百分率ヌクレオチド(又は
核酸)配列相同性」とは、最適に整列させた際に、同じヌクレオチド又は同一で
はないが縮重ヌクレオチド置換(ヌクレオチドの置換は具体的なコドンによって
コードされるアミノ酸を変化させない)により異なるヌクレオチドのおおよその
明示百分率を有する二つの核酸分子のヌクレオチドの比較を指す。例えば、「9
5%のヌクレオチド相同性」とは、最適に整列させると95%のヌクレオチド同
一性を有する二つの核酸分子のヌクレオチドの比較を指す。
【0036】 ポリペプチドに適用されるように、「実質的な同一性」又は「実質的な配列同
一性」という用語は、二つのペプチド配列がデフォールトギャップを用いてGA
P又はBESTFITのプログラムなどにより最適に整列した際に、少なくとも
90パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも95パーセントの配列同一
性、より好ましくは少なくとも96、97、98又は99パーセントの配列同一
性を共有することを意味する。
【0037】 核酸分子又はポリヌクレオチドに適用されるように、「実質的な同一性」又は
「実質的な配列同一性」という用語は、二つの核酸配列が最適に整列した際に(
上記参照)、少なくとも90パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも9
5パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも96、97、98又は9
9パーセントの配列同一性を共有することを意味する。
【0038】 「百分率アミノ酸同一性」又は「百分率アミノ酸配列同一性」とは、最適に整
列させた際に、同じアミノ酸のおおよその明示百分率を有する二つのポリペプチ
ドのアミノ酸の比較を指す。例えば、「95%のアミノ酸同一性」とは、最適に
整列させると95%のアミノ酸同一性を有する二つのポリペプチドのアミノ酸の
比較を指す。好ましくは、同一でない残基部位は保存的アミノ酸の置換により異
なる。例えば、電荷又は極性などの類似の化学的性質を有するアミノ酸の置換は
タンパク質の特性に影響しないようである。例として、アスパラギンに対してグ
ルタミン又はアスパラギン酸に対してグルタミン酸などが挙げられる。
【0039】 さらにポリペプチドに適用されるように、「実質的な相同性」又は「実質的な
配列相同性」という用語は、二つのペプチド配列がデフォールトギャップを用い
てGAP又はBESTFITのプログラムなどにより最適に整列した場合に、少
なくとも90パーセントの配列相同性、好ましくは少なくとも95パーセントの
配列相同性、より好ましくは少なくとも96、97、98又は99パーセントの
配列相同性を共有することを意味する。
【0040】 「百分率アミノ酸相同性」又は「百分率アミノ酸配列相同性」とは、最適に整
列させた際に、同一のアミノ酸又は保存的置換されたアミノ酸のおおよその明示
百分率を有する二つのポリペプチドのアミノ酸の比較を指す。例えば、「95%
のアミノ酸相同性」とは、最適に整列させると95%のアミノ酸相同性を有する
二つのポリペプチドのアミノ酸の比較を指す。本明細書で使用されるように、相
同性とは、同一なアミノ酸又は同一でないが保存的アミノ酸置換によってのみ異
なる残基の部位を指す。例えば、電荷又は極性などの類似の化学的性質を有する
アミノ酸の置換はタンパク質の特性に影響しないようである。例として、アスパ
ラギンに対してグルタミン又はアスパラギン酸に対してグルタミン酸などが挙げ
られる。
【0041】 タンパク質(又はペプチド)に言及すると、「実質的に精製された」又は「単
離された」という語句は、本質的に他の細胞構成要素がない化学的組成物を意味
する。乾燥又は水溶液のどちらかでありうるが均質な状態であることが好ましい
。精製度及び均質性は典型的にはポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高速液体
クロマトグラフィーなどの分析化学技法を用いて測定される。調製物中に顕著に
存在する種であるタンパク質(又はペプチド)は実質的に精製されている。一般
的に、実質的に精製された又は単離されたタンパク質(又はペプチド)は調製物
中に存在する全巨大分子種の80%以上を占める。好ましくは、このタンパク質
(又はペプチド)は、存在する全巨大分子種の90%以上に相当するように精製
される。タンパク質(又はペプチド)は95%以上まで精製されるのがより好ま
しく、最も好ましくは、タンパク質(又はペプチド)が他の巨大分子種が従来の
技法によって検出されない本質的な均質性にまで精製される。「実質的に精製さ
れた」又は「単離された」タンパク質(又はペプチド)は、生物から単離されう
る、合成的又は化学的に産生されうる、又は組換え産生されうる。
【0042】 本明細書で使用されるように、「生物試料」又は「試料」は生きている生物又
は既に死んだ生物から得られる任意の試料を指す。生物試料の例には体液及び組
織種が含まれる。
【0043】 高厳格性ハイブリダイゼーションの条件は、限定されたイオン強度及びpHに
おいて特異的配列に対する熱融解点(Tm)より約 5℃低い温度で選択される。
Tmとは、完全にマッチしたプローブに対して標的配列の50%が(限定された
イオン強度及びpH下で)ハイブリダイズする温度である。典型的には、厳格条
件とは、塩濃度がpH7で少なくとも約0.02モル濃度であり温度が少なくとも約
60℃であるというものである。とりわけ塩基組成及び相補鎖のサイズ、有機溶媒
の存在、即ち塩又はホルムアミドの濃度、及び塩基ミスマッチの程度を含む他の
因子がハイブリダイゼーションの厳格条件に有意に影響するため、パラメーター
の組み合わせは任意の完全な測定よりも重要である。例えば、6XのSSC溶液
中、約68℃で一晩ハイブリダイゼーション、室温で6XのSSC溶液による洗
浄、次に6XのSSC溶液中で続いて0. 6XのSSC溶液中で約68℃で洗浄する
ことにより高厳格条件が達成されうる。
【0044】 中厳格条件のハイブリダイゼーションは、例えば、1)3Xの塩化ナトリウム
、クエン酸ナトリウム(SSC)、50%ホルムアミド、pH7. 5の0. 1Mトリ
ス緩衝液、5Xのデンハルト溶液からなる溶液を用いてフィルター前ハイブリダ
イズ及びハイブリダイズする工程;2)37℃で4時間、前ハイブリダイゼーシ
ョンする工程;3)総量3000000cpmの標識プローブを用いて37℃で
16時間ハイブリダイゼーションする工程;4)2XSSC及び0. 1%SDSの
溶液中で洗浄する工程;5)室温で各1分間を4回及び60℃で各30分間を4
回洗浄する工程;ならびに6)乾燥しフィルムに露光する工程により達成されう
る。
【0045】 「〜に選択的にハイブリダイズする」という語句は、標的配列が全細胞性のD
NA又はRNAの調製物中に存在する場合に、特定の標的DNA又はRNAにの
みハイブリダイズする、二本鎖形成する、又は結合する核酸分子を指す。選択的
にハイブリダイズすることにより、核酸分子が、ハイブリダイゼーションの中厳
格条件下、より好ましくは高厳格条件下において非標的配列とは異なる手段で検
出できる手段で所定の標的に結合することを意味する。「相補的」又は「標的」
核酸配列とは、核酸分子に選択的にハイブリダイズする核酸配列を指す。適切な
アニーリング条件は、例えば、核酸分子の長さ、塩基組成、ならびに分子上のミ
スマッチ数及び位置に依存し、そしてしばしば経験に基づいて決定しなければな
らない。核酸分子(プローブ)の設計及びアニーリングの条件の論議は、例えば
、サムブロックら、1988年を参照せよ。
【0046】 特定の配列表に対して参照文献が作成された場合、このような参照文献が、相
補的配列に実質的に対応する配列ならびに少数の配列誤読、単塩基置換、欠失、
置換等に対する許容を含んで記載される配列を含み、その結果、このような任意
の配列の変形が対応する配列表が関係するペプチド/タンパク質の核酸配列に相
当することを等業者らは容易に理解するであろうし且つ本明細書で意図される。
【0047】 本発明のDNA分子は、一つ以上のアミノ酸残基の同一性又は位置の点で(タ
ンパク質を特定する全残基未満を含む欠失類似体、特定された一つ以上の残基が
他の残基により置換されている置換類似体、及び1つ以上のアミノ酸残基がタン
パク質の末端又は中央の部分に付加された付加類似体)、天然産の形態(天然産
のタンパク質)と異なるタンパク質のタンパク質類似体、断片、又は誘導体をコ
ードするDNA分子も含む。これらは天然産の形態の機能的性質を所有する。こ
れらの分子には、選択された非哺乳類の宿主による発現用の「優勢」コドンの取
込み;制限エンドヌクレアーゼ酵素による切断用部位の付与;及び容易に発現す
るベクターの構築を促進する付加的な初部、末端、又は中間のDNA配列の付与
が含まれる。
【0048】 本明細書で使用されるように、「ペプチド」という用語は3個から100個の
アミノ酸のアミノ酸配列を指し、従ってアミノ酸配列を含む単離されたペプチド
が125アミノ酸以上のアミノ酸配列を含むことを意図しない。タンパク質及び
ペプチドは、タンパク質の所望の機能及び活性が維持される限り、任意の天然産
のアミノ酸、又はアミノ酸のD型、アミノ酸誘導体、及びアミノ酸擬似体を含む
非天然産のアミノ酸を含むことができる。タンパク質又はペプチドにおける(L
)−アミノ酸又は(D)−アミノ酸の選択は、タンパク質又はペプチドの所望の
特性に応じて変化する。例えば、一つ以上の(D)−アミノ酸の取込みにより、
タンパク質又はペプチドは安定度を増大でき、タンパク質又はペプチドがより長
い時間の間体内で活性を維持できる。一つ以上の(D)−アミノ酸の取込みによ
り、タンパク質又はペプチドの薬学活性を増大又は低減することのできる。
【0049】 環状化は直線形のものよりすぐれた性質をもつタンパク質又はペプチドをもた
らし得るため、タンパク質又はペプチドは環状化されてもよい。
【0050】 本明細書で使用されるように、「アミノ酸擬似体」及び「擬態」という用語は
所与のアミノ酸の同一又は類似の機能的特性を有するアミノ酸類似体又は非アミ
ノ酸部分を意味する。例えば、疎水性アミノ酸のアミノ酸擬似体は、非極性であ
り、一般的に脂肪族化学基を含むことにより疎水性を保持している。さらなる例
として、アルギニン擬似体は、アルギニンのグアニジニウム側鎖の反応基の特性
であるように、生理学的pHで陽性変化する側鎖を含むアルギニンの類似体であ
り得る。
【0051】 さらに、ペプチド骨格の修飾及びそのペプチド結合もまた、アミノ酸の擬似体
又は擬態の範囲内に包含される。アミノ酸、その誘導体、又は非アミノ酸部分が
ペプチドに取込まれる前又は後のいずれかにおいて、このような修飾がアミノ酸
、その誘導体、非アミノ酸部分、又はペプチドに対してなされ得る。重要なこと
は、このような修飾が、同一物を構成するペプチド骨格及び結合を模擬し、従来
のペプチドの結合及び骨格に対する典型と実質的に同じような空間の配置及び距
離を有する。このような修飾の一例は、アミドペプチド骨格のカルボニルからア
ミンへの還元である。アミドからアミンへの還元用の幾つかの試薬は入手可能で
あり、ヴァンら、JOC、46:257(1981)及びラウテェルら、Tetrah
edron Letter、21:14061(1980)に開示されているように周知のも
のである。従って、アミノ酸擬似体は、対応するアミノ酸に存在するような類似
のアミノ酸の薬理学的グループを保持し且つ官能基間において実質的に同一な空
間配置を示す有機分子である。
【0052】 非天然産のアミノ酸及び上述のアミノ酸擬似体によるアミノ酸の置換は、骨格
又は側鎖の官能性への変更に基づいて、各々のタンパク質又はペプチドの全般的
な活性又は性質を強化できる。例えば、具体的に記述されたアミノ酸置換に対す
るこれらのタイプの修飾は酵素分解に対してタンパク質又はペプチドの安定性を
強化し且つ生物活性を増大できる。同様に、ペプチド骨格に対する修飾は安定性
を付与し活性を強化できる。
【0053】 上記の配列又は製法を用いて当業者は前記タンパク質又はペプチドを用意に合
成できる。合成ペプチドを調整するための標準的手法は当分野で周知である。ペ
プチドは、メリーフィールドの固相ペプチド合成(SPPS)法(J.Am.C
hem.Soc.、85:2149(1964))又はSPPSの改変法を用い
て合成できる。又はペプチドは当分野で周知の標準溶液法(例えば、ボダンッツ
スキー・エム、ペプチド合成の原理、改訂第二版、スプリンガー−ベルラグ社(
1988年と1993年)を参照)を用いて合成できる。かわりに、当分野で周
知の同時多重ペプチド合成(SMPS)技法を用いることもできる。メリーフィ
ールドの方法により調製されるペプチドは、アプライド・バイオシステムズ社の
431A−01ペプチド合成機(カリフォルニア州マウンテン・ビュー)などの
自動化ペプチド合成機を用いて、又はホウテン、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA、82:5131(1985)によって記述される手動ペプチ
ド合成技法を用いて合成できる。
【0054】 これらの定義を念頭において、本発明は、ヒト可変重鎖及び可変軽鎖のイムノ
グロブリンライブラリーを用いてヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合す
るクローンを選別する方法を提供する。本方法は、ヒト血小板糖タンパク質Ib
を発現する細胞とヒトの可変重鎖及び可変軽鎖のイムノグロブリンライブラリー
とをインキュベートする工程、及び細胞に結合するライブラリーのクローンを選
別する工程、及び洗浄したヒトの血小板とライブラリーの選別されたクローンと
をインキュベートする工程、及び洗浄したヒトの血小板に結合する最終クローン
を選別する工程を含み、得られるクローンはヒト血小板糖タンパク質Ibアルフ
ァに結合する。
【0055】 好ましくは、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファを発現する細胞はチャイニ
ーズハムスター卵巣細胞である。
【0056】 一つの態様において、本方法はさらに、選別された最終クローンと追加の血小
板とをインキュベートする工程、及び追加の血小板に既に結合したクローンを排
除しうる抗糖タンパク質Ibアルファ分子を添加する工程、及び追加の血小板に
結合しない次の最終クローンを選別する工程を含み、次の最終クローンはヒト血
小板糖タンパク質Ibアルファに結合することができる。好ましくは抗糖タンパ
ク質Ibアルファ分子は、マウスのモノクローナル抗体又はペプチド(マウスモ
ノクローナル抗体C−34又は配列番号:1に示されるアミノ酸配列を有するペ
プチド)である。
【0057】 本発明はさらに抗体の可変重鎖又は可変軽鎖の領域をコードする単離された核
酸分子を提供する。この抗体はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合し血
小板の凝集を阻害する。核酸分子は、デオキシリボ核酸(DNA)、又はリボ核
酸(RNA、メッセンジャーRNA即ちmRNAを含む)、ゲノム、又は組換え
、生物学的に単離された、又は合成であってもよい。
【0058】 DNA分子は、可変重鎖(VH )又は可変軽鎖(VL )をコードするメッセン
ジャーRNA(mRNA)のDNAコピーであるcDNA分子でありうる。
【0059】 抗体のこのような可変重鎖領域の例は、配列番号:2、配列番号:3、及び配
列番号:4から構成される群より選択されるヌクレオチド配列を有する可変重鎖
である。抗体のこのような可変軽鎖領域の例は、配列番号:5〜9から構成され
る群より選択されるヌクレオチド配列を有する可変軽鎖である。これらのヌクレ
オチド配列によりコードされるアミノ酸配列は、配列番号:10〜15(重鎖)
及び配列番号:16〜21(軽鎖)に示される。
【0060】 本発明の核酸分子は従来の技法を用いて適切な組換え宿主細胞で発現されうる
。任意の適切な宿主及び/又はベクター系が抗体の可変重鎖又は可変軽鎖の領域
を発現させるために用いられ、この抗体はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファ
に結合し血小板の凝集を阻害する。インビトロの発現用には、CHO細胞又は他
の哺乳類細胞又は大腸菌が好ましい。
【0061】 核酸分子を宿主細胞に導入する技術はその核酸分子を含む発現ベクターの使用
を伴う。これらの発現ベクター(ファージミド、プラスミド、及びウイルス、ウ
イルスはバクテリオファージを含む)は次に適当な宿主細胞中に核酸分子を導入
するために用いることができる。例えば、抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域
をコードするDNAは、宿主細胞中で抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を発
現させるために、適当なベクターを用いて宿主細胞の核の中に注入又は宿主細胞
中に形質転換することができ、あるいは可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコード
するmRNAは宿主細胞中に直接注入することができる。
【0062】 宿主細胞中に核酸分子を導入するための種々の方法が当技術分野で知られてい
る。一つの方法はマイクロインジェクションで、この方法ではDNAは細いガラ
ス針により細胞の核の中に直接注入される(又はRNAは細胞の細胞質の中へ直
接注入される)。また、DNAは、正に荷電した化学基(DEAE、ジエチルア
ミノエチルによる)が結合した不活性の炭水化物ポリマー(デキストラン)とイ
ンキュベートすることができる。このDNAはその負に荷電したリン酸塩基を介
してDEAE−デキストランに付着する。これらのおおきなDNA含有粒子は今
度は細胞の表面に付着する。これはエンドサイトーシスとして知られる過程によ
り起こるものと考えられている。DNAの一部は細胞の細胞質中での破壊を免れ
核の中に逃げ込み、そこで細胞中の他の遺伝子と同様にそのDNAはRNAに転
写されることができる。別の方法では、細胞はリン酸カルシウムによる沈澱の形
でDNAを効率的に取り込む。電気穿孔法では、細胞をDNAを含む溶液中に置
きそして短時間の電気パルスをかけ、その膜中に一過性に開く孔を生じさせる。
この孔を通ってDNAは直接細胞質中に入り、DEAE−デキストラン法やリン
酸カルシウム法で通過するエンドサイトーシス小胞を迂回する。DNAは人為的
な脂質小胞であるリポソーム中に組み込むこともできる。このリポソームは細胞
膜と融合し、その内容物を直接細胞質の中に送達する。さらにより直接的取り組
みでは、DNAをタングステン製ミクロ発射装置の表面に吸収させ、次いでショ
ットガンに似た装置で細胞中に撃ち込む。
【0063】 これらの方法のうちの幾つか、すなわち、マイクロインジェクション、電気穿
孔法、及びリポソーム融合は細胞中にタンパク質を導入するために応用されてき
た。総説としては、マニノ及びゴールド−フォゲライト1998、シゲカワ及び
ダウエル1988、カペッチ1980、及びクラインら1987を参照せよ。
【0064】 核酸分子を細胞中に導入するさらなる方法はウイルスベクターの使用を含むも
のである。タンパク質の製造に広く用いられているこのようなウイルスの一つは
昆虫ウイルスであるバキュロウイルスである。バキュロウイルスベクターの総説
としてはミラー(1989)を参照。バクテリオファージ、ワクチニアウイルス
、アデノウイルス、及びレトロウイルスなどの種々のウイルスベクターが哺乳類
細胞を形質転換するためにも用いられてきた。
【0065】 指摘したように、細胞を形質転換するこれらの方法の幾つかは中間体としてプ
ラスミドベクターの使用を必要とする。コーエン及びボイヤーの米国特許第4,
237,224号は制限酵素による開裂とDNAリガーゼでの連結を用いる組換
え体プラスミドの形での発現システムの生産を記述する。これらの組換え体プラ
スミドを次に形質転換法により、原核生物や組織培養で生育させた真核細胞など
の単細胞培養物に導入しそして複製させる。このDNA配列を当技術分野で知ら
れている、サムブルックら(1989)により記述されたような標準的クローニ
ング法を用いてプラスミドベクター中にクローニングする。
【0066】 これらの方法の幾つかは、イン・ビボの患者の細胞中に、又は患者内の移植細
胞中に核酸分子を導入するために用いることができる(ヒト遺伝子治療を含む遺
伝子治療の適用)。例えば、可変重鎖及び/又は可変軽鎖をコードする核酸、又
はその断片をコードする核酸、又は可変重鎖及び/又は可変軽鎖又はその断片を
含む抗体をコードする核酸は、アデノウイルスなどの哺乳類ウイルスベクターを
用いてイン・ビボで導入することができるであろう。このようなベクターには、
本発明の核酸の発現を開始もしくは停止させる「薬物」を患者が容易に摂取する
ことができるように、核酸の発現を制御する誘導可能なプロモーター、又は他の
適当な正もしくは負の応答因子を含めたり又は導入したりすることができるであ
ろう。この「薬物」は、例えば、誘導可能なプロモーターを誘導することができ
るであろう。
【0067】 可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコードする核酸が導入された宿主細胞は、可
変重鎖領域又は可変軽鎖領域を生産する(すなわち、機能的に発現する)ために
使用することができる。コードされた可変重鎖領域又は可変軽鎖領域の機能は、
当技術分野で知られた方法に従って抗体中に可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を組
み込み、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻
害するその能力について抗体を試験することにより検定することができる。
【0068】 本発明の核酸分子は、クローニング及びコロニー/プラークハイブリダイゼー
ションによるか又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる増幅により、ヒト
血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害する抗体の
他の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコードするDNAを得るためのプローブと
してか又はプライマーの設計のために使用することができる。
【0069】 本明細書に記載した配列から誘導される特定のプローブを、既知の方法(サム
ブルックら1989を参照)を用い抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコー
ドするクローニングされたDNAを含むコロニー又はプラークを同定するために
使用することができる。当業者は高い厳格条件下(例えば、42℃、5×SSP
C及び50%ホルムアミドでハイブリダイゼーション、50〜65℃で0.5%
SSPCを用いて洗浄)でこのようなプローブを用いることにより、このプロー
ブに90%より大の相同性又は同一性を持つ領域を有する配列を取得することが
できる。同様に抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコードする、プローブに
対しより低い相同性又は同一性を持つ配列は、ハイブリダイゼーション及び洗浄
の厳格条件を下げることにより(例えば、ハイブリダイゼーション及び洗浄の温
度を下げることにより又はホルムアミドの使用量を下げることにより)得ること
ができる。
【0070】 本明細書に記載の配列から誘導される特定のプライマーは、既知の方法(イン
ニスら1990を参照)を用い、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合し
そして血小板の凝集を阻害する抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域をコードす
るDNA配列を増幅するためPCRで使用することができる。当業者は、高厳格
条件(例えば、使用するプライマーの長さ及び特定ヌクレオチドの含量に応じて
、50〜60℃でアニーリング)下でこのようなプライマーを使用することによ
り、このプライマーに75%より大の相同性又は同一性を有する配列を増幅しう
ることを認識する。
【0071】 本明細書で開示された核酸配列及びアミノ酸配列の種々の修飾も本発明により
包含される。これらの改変された配列は、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファ
に結合しそして血小板の凝集を阻害する抗体の機能的な可変重鎖領域又は可変軽
鎖領域をなおコードする。こうして本発明は抗体の可変重鎖領域をコードする単
離された核酸分子であって、該抗体がヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結
合しそして血小板の凝集を阻害するものであり、該核酸分子が第2のアミノ酸配
列に少なくとも90%のアミノ酸同一性を持つ第1のアミノ酸配列をコードする
ものであり、該第2のアミノ酸配列が配列番号:10〜配列番号:15からなる
群より選択されるものである単離された核酸分子をさらに提供する。本発明は抗
体の可変軽鎖領域をコードする単離された核酸分子であって、該抗体がヒト血小
板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害するものであり
、該核酸分子が第2のアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸同一性を持つ
第1のアミノ酸配列をコードするものであり、該第2のアミノ酸配列が配列番号
:16〜配列番号:21からなる群より選択されるものである単離された核酸分
子をさらに提供する。さらなる態様において、第1のアミノ酸配列は前記の配列
に少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸同一性を
持つものである。本発明はさらに、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合
しそして血小板の凝集を阻害する抗体の単離された可変重鎖領域又は可変軽鎖領
域を提供する。前記可変重鎖は配列番号:2、配列番号:3、及び配列番号:4
から成る群より選択されるヌクレオチド配列によりコードされるものであること
が好ましい。この可変重鎖は配列番号:10〜配列番号:15から成る群より選
択されるアミノ酸配列を持つことが好ましい。前記可変軽鎖は配列番号:5〜配
列番号:9から成る群より選択されるヌクレオチド配列によりコードされるもの
であることが好ましい。この可変軽鎖は配列番号:16〜配列番号:21から成
る群より選択されるヌクレオチド配列によりコードされるものであることが好ま
しい。さらに、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝
集を阻害する抗体の単離された可変重鎖領域であって、該可変重鎖が第2のアミ
ノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する第1のアミノ酸配列によ
りコードされるものであり、該第2のアミノ酸配列が配列番号:10〜配列番号
:15から成る群より選択されるものである単離された可変重鎖領域が提供され
る。また、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を
阻害する抗体の単離された可変軽鎖領域であって、該可変軽鎖が第2のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する第1のアミノ酸配列によりコ
ードされるものであり、該第2のアミノ酸配列が配列番号:16〜配列番号:2
1から成る群より選択されるものである単離された可変重鎖領域が提供される。
さらなる態様においては、前記第1のアミノ酸配列は前記列挙した配列に対し少
なくとも95%、96%、97%、98%又は99%のアミノ酸同一性を有する
【0072】 宿主細胞中で可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を発現させるためには、可変重鎖
領域又は可変軽鎖領域のアミノ酸配列のアミノ末端にメチオニン残基が付加され
る必要がある又はヌクレオチド配列の5’末端にATGが付加される必要がある
ことは当業者に容易に明らかになるはずである。可変重鎖領域又は可変軽鎖領域
のこのmet体はこうして特定の配列番号:を参照することにより具体的に包含
されることが意図される。
【0073】 本発明は、本明細書に記載した可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を含む抗体をさ
らに提供する。本明細書の抗体は、1価抗体、2価抗体、及び多価抗体、並びに
これらの抗体の断片を含む。本明細書の抗体の断片はFab断片及びF(ab’
2 断片を含むが、これらに限定されない。
【0074】 本発明の抗体は検出可能な標識を付された形で提供されうる。抗体は放射性同
位元素、アフィニティ標識(ビオチン、アビジンなどのような)、酵素標識(ホ
ースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなどのような)
、蛍光標識(FITC又はロ−ダミンなどのような)、常磁性原子、等の使用に
より検出可能なように標識することができる。c−mycぺプチドなどのエピト
ープ標識(小さなぺプチド又は目的のタンパク質を認識する抗体が利用可能な)
も使用することができる。6×ヒスチジン標識(それを利用可能な抗体が存在す
るだけでなく、ヒスチジンに対して高い親和性を有するキレート物質も存在する
)も分泌されたタンパク質を精製するために普通に使用される。このような標識
化を行う手順は当技術分野で良く知られている。例えばシュテルンバーガーら1
970、バイエルら1979、エングバルら1972、及びゴーディング197
6を参照。
【0075】 さらに、前記抗体及び担体を含む組成物が提供される。この組成物は血小板の
凝集を阻害するために、該組成物に血小板を接触させることにより使用すること
ができる。前記抗体はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合させるために
使用することもできる。この方法はヒト血小板糖タンパク質Ibアルファを該抗
体と接触させる工程を含む。
【0076】 本発明の方法では、組織又は細胞又は血小板糖タンパク質Ibアルファ(細胞
表層タンパク質)を本発明の組成物又は抗体と接触させ又はそれらに曝露する。
本発明の文脈では、組織又は細胞又は血小板糖タンパク質Ibアルファを組成物
又は抗体と「接触させる」又は組織又は細胞又は血小板糖タンパク質Ibアルフ
ァを組成物又は抗体に曝露するとは、通常液体担体中の組成物又は抗体を、イン
・ビトロ又はエクス・ビボのいずれかで、細胞懸濁液又は組織試料に添加するこ
と、又は動物(ヒトを含む)体内の細胞又は組織にこの組成物又は抗体を投与す
ることを意味する。
【0077】 治療用組成物の製剤化及びその後のそれの投与は当分野の技術範囲にはいる。
治療のためには、一般に、このような治療が必要と疑われる患者に、通常薬学的
に許容しうる担体に含め、特定の疾患の性質、その重篤度及び患者の全身状態に
応じて変わる量及び期間で本発明の組成物を投与する。本発明の薬学的組成物は
望まれる治療が局部的治療か全身的治療かに応じ、そして治療部位に応じて幾つ
かの方法で投与されうる。投与は局所用(眼科用、膣用、大腸用、鼻孔用、経皮
用を含む)、経口用又は非経口用であってもよい。非経口投与には、静脈内点滴
又は静脈内注入、皮下注射、腹腔内注射又は筋肉内注射、例えば吸入又は吹き付
けによる肺投与、又はくも膜化若しくは脳室内投与が挙げられる。
【0078】 局所投与用の製剤は経皮用貼付剤、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ド
ロップ、座薬、スプレー、液体及び粉末を含みうる。従来の薬学的担体、水性基
剤、粉末基剤又は油性基剤、増粘剤、及び同種のものが必要であり又は望まれる
。被覆されたコンドーム、手袋及び同種のものも有用である。
【0079】 経口投与用の組成物には、粉末若しくは顆粒、水若しくは非水性媒体中の懸濁
液若しくは溶液、カプセル、サシェ若しくは錠剤が含まれる。増粘剤、香味料、
希釈剤、乳化剤、分散補助剤、又は結合剤が望ましいことがある。
【0080】 非経口投与、くも膜下投与又は脳室内投与のための組成物には、緩衝剤、希釈
剤及び他の適当な添加物をも含む滅菌水溶液が含まれる。
【0081】 このような薬学的担体に加え、摂取を促進するため製剤中に陽イオン性脂質を
含めてもよい。摂取を促進することが認められたこのような組成物の一つはリポ
フェクチン(BRL、ベテスダ、MD)である。
【0082】 投与量は治療すべき状態の重篤度及び応答性、数日から数カ月、若しくは治癒
が達成され若しくは疾病状態の軽減が達成されるまで続く治療コースなどに応じ
て決められる。最適な投与量計画は、患者の身体における薬物蓄積の測定及び患
者の血液試料から得られる血小板の機能の評価から計算することができる。通常
の技術を持つ人であれば、最適な投与量、投与方法及び反復速度を容易に決定す
ることができる。最適投与量は個々の組成物の相対的効力によって変わり、一般
にイン・ビトロ及びイン・ビボの動物実験で得られるIC50又はEC50に基づい
て計算することができる。例えば、(オリゴヌクレオチド配列及び/又は化学構
造から誘導される)化合物の分子量及び例えば(実験的に誘導される)IC50
どの有効投与量が与えられれば、投与量(mg/kg)は機械的に算出される。
【0083】 目的の可変重鎖又は可変軽鎖が一旦同定されれば、この可変重鎖又は可変軽鎖
を用いて構成される抗体は、この抗体の阻害活性を模倣することができるぺプチ
ドを同定するために使用される。このような方法の一つはエピトープ・ライブラ
リーの開発及びバクテリオファージ・ライブラリーのバイオパンニングを利用す
る。簡単に述べると、種々のモノクローナル抗体の結合部位を決めるための試み
はエピトープ・ライブラリーの開発に導いてきた。パームレーとスミスはその表
面に外来エピトープを発現するバクテリオファージ発現ベクターを開発した(パ
ームレー,エス.エフ.及びスミス,ジー.ピー.,Gene 73: 305-318 (1988))
。このベクターは短い(例えば、6アミノ酸)ぺプチドの可能な全ての配列を含
みうるであろうバクテリオファージの大きなコレクションを構築するために使用
することができるであろう。彼らはバイオパンニング法をも開発した。これは、
特定の抗体を用いて外来エピトープを発現するファージを親和性により精製する
方法である(パームレー,エス.エフ.及びスミス,ジー.ピー.,Gene 73: 3
05-318 (1988) 、クワーラ,エス.イー.ら,Proc Natl Acad Sci USA 87: 637
8-6382 (1990) 、スコット,ジェイ.ケイ.及びスミス,ジー.ピー.,Scienc
e 249: 386-390 (1990) 、クリスチャン,アール.ビー.ら,J Mol Biol 227:
711-718 (1992)、スミス,ジー.ピー.及びスコット,ジェイ.ケイ.,Method
in Enzymology 217: 228-257 (1993)) 。
【0084】 エピトープ・ライブラリーの開発の後にスミスらは、ある与えられた長さの可
能な全ての配列からエピトープを同定するために、パームレー及びスミスによる
バクテリオファージ発現ベクター及びバイオパンニング法を使用することが可能
であるはずだと示唆した。このことから、バイオパンニング・エピトープ・ライ
ブラリーにより抗体に対するぺプチドリガンドを同定するという考えが生まれた
。次いでこれはワクチン設計、エピトープマッピング、遺伝子の同定、及び多く
の他の応用に使用することができるであろう(パームレー,エス.エフ.及びス
ミス,ジー.ピー.,Gene 73: 305-318 (1988) 、スコット,ジェイ.ケイ.Tr
ends in Biochem Sci 17: 241-245 (1992)) 。
【0085】 エピトープ・ライブラリー及びバイオパンニングを用いて、エピトープ配列を
研究している研究者らは、その代わりに、エピトープを模倣するぺプチド配列、
すなわち、連続した直線状の天然の配列とは一致せずあるいは天然のタンパク質
配列内には必ずしも全く出現しなかった配列を発見した。これらの模倣ぺプチド
はミモトープと呼ばれる。このようにして、種々の結合部位/タンパク質のミモ
トープが発見されてきた。
【0086】 これらのミモトープの配列は、定義により、連続した直線状の天然の配列とは
一致せずあるいは天然に生ずる分子、すなわち、天然に生ずるタンパク質内には
どのような形であれ必ずしも出現しない。このミモトープの配列は天然に生ずる
タンパク質の結合部位を機能的に模倣するぺプチドを形成するに過ぎない。
【0087】 これらのミモトープの多くは短いぺプチドである。容易に大量に合成すること
ができ、かつ、天然に生ずる配列(すなわち、結合部位)を模倣することができ
る短いぺプチドの利用可能性から、大きな潜在的応用が考えられる。
【0088】 この技術を用いて、血小板糖タンパク質Ibアルファを認識する抗体に対する
ミモトープを同定することができる。これらのミモトープの配列は短いぺプチド
を示し、これは続いて種々の方法で、例えば血小板糖タンパク質Ibアルファに
結合しそして血小板の凝集を阻害するぺプチド薬物として、使用することができ
る。このミモトープの配列が決定されれば、このぺプチド薬物は化学的に合成す
ることができる。
【0089】 本発明の抗体(又はその断片)は、こうして、この抗体に相補的でかつこの抗
体それ自体に対する解毒剤として使用することができるぺプチド、ミモトープ等
を選択するために使用することができる。例えば、血小板凝集を阻害するために
この抗体で治療されている患者が自動車事故に巻き込まれ、血栓症の危険を遙か
に越える出血の危険に曝されたとすると、本発明の抗体を「取り去る」ことが望
ましいことになろう。これは、この抗体自体に対するぺプチド又はミモトープを
用いることにより達成することができよう。こうして、このぺプチド又はミモト
ープは血小板からこの抗体を追い出すために患者に投与し、この抗体により誘導
される血小板の阻害を阻止することができよう。
【0090】 血小板の凝集を阻害する抗体の同定された可変重鎖領域及び可変軽鎖領域は、
血小板の凝集を阻害する抗体のさらなる可変重鎖領域及び可変軽鎖領域を選択す
るために使用することもできる。このような方法は、上に定義したような(例え
ば、重鎖に対しては配列番号:10〜配列番号:15、軽鎖に対しては配列番号
:16〜配列番号:21)可変重鎖領域又は可変軽鎖領域を選択する工程であっ
て、該可変重鎖領域又は可変軽鎖領域のそれぞれがアミノ酸配列を有するもので
ある工程、前記選択された可変重鎖領域又は可変軽鎖領域のアミノ酸配列を改変
する工程、可変重鎖領域又は可変軽鎖領域の前記改変されたアミノ酸配列を有す
る抗体を構築する工程、及びこの抗体が血小板の凝集を阻害するか否かを決定す
る工程であって、血小板の凝集を阻害する抗体の改変された可変重鎖領域又は可
変軽鎖領域がそれにより選択されるものである工程、を含んでいる。
【0091】 実施例1 ヒト合成VHScFvライブラリー及びVLのScFvライブラリー(グリフ
ィン.1ライブラリー、イギリスのメディカルリサーチカウンサルより入手可能
)よりDNA配列の全長を単離し、多数のScFvクローンのタンパク質の配列
を決定した。血小板GPIbへの結合性に基づいて、これらScFvクローンを
選別した。ファージミド上の表面タンパク質として提示されているか、又は大腸
菌によって遊離のScFvとして分泌されるかに関わらず、これらの異なるSc
Fvクローンのいくつかは、血小板のフォンビルブラント因子(vWF)−依存
性凝集を阻害する能力を持つことが証明され、GPIb中に含まれていることが
知られているvWFへの結合部位を変化させる能力によることが最も可能性が高
かった。グリフィン.1ライブラリーは天然のヒト抗体重鎖及び軽鎖の可変配列
から構築されたものであるため、このライブラリーから単離されたScFvは天
然のヒトタンパク質配列から成るものであり、そしてそれゆえに、治療目的用薬
物として極めて魅力的な可能性を有している。このScFvは新しいクラスの坑
血栓薬を提供するものであり、動脈の疾患、バイパス移植、透析のための導入路
等の血小板依存性の血栓症の予防に有用である。マウス又は他の種由来の抗体と
は対照的に、ヒトScFvは、外来性のタンパク質としてよりも、むしろ自己と
して認識されるという遥かに好ましい機会を有している。
【0092】 単離されたScFvの坑血栓薬としての使用の可能性に加えて、これらのSc
Fvはヒトの医学における診断薬としても有用である。GPIbは、体中の至る
所で発現しても抗原として非常に制限されているため、血小板、その前駆体細胞
(巨核球)及び巨核球由来の白血病性ブラスト細胞の同定のための最も優れたマ
ーカーの一つに転ずる。さらに、文献には、(おそらく血小板表面GPIbが分
解された結果による)血漿中の血小板GPIbの可溶型を測定することは、臨床
的マーカーとして有用かもしれない、といういくつかの証拠がある。この新しい
坑GPIbScFvは、ネズミモノクローナル抗体のために必要とされる哺乳動
物細胞からよりも、むしろ大腸菌の培養によって容易に得られ、そしてそれゆえ
に、以前より利用されているよりも、 診断用途のための坑GPIbマーカーの
経済的な供給源となるかもしれない。
【0093】 ヒトScFvは血小板糖タンパク質Ibに対するものなので、ScFvの源(
ヒト)及びScFvの標的(Ib)を強化するように、これらをHIb−1、H
Ib−2、HIb−3等と名付けた。HIb−1、HIb−2及びHIb−3の
場合については、ScFvに寄与する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の両方のア
ミノ酸配列、例えばVHエキソン、特にVH CDR3、JH、リンカー配列、
VLエキソン、特にVL CDR3、JLセグメント、からDNAの配列決定を
行った。HIb−5及びHIb−6の場合については、ScFvに寄与する軽鎖
可変領域のアミノ酸配列から、ある程度までのDNAの配列決定を行った。
【0094】 本技術は既に存在している技術よりもはるかに有利であり、例えば、 1.治療目的としては、ヒト配列の坑血小板抗体は、ネズミ抗体の使用時に見ら
れるヒト坑マウス抗体反応を未然に防ぐ。血小板GPIbは、血栓に対抗するた
めの重要な、現在のところ唯一評価され始めている標的である。 2.ScFvは細菌の培養により生産され、これはネズミ抗体に必要な哺乳動物
細胞の培養よりも経済的となり得る。 3.ScFvは全てクローニングされているため、基本的なScFv分子の変異
体を作る機会を容易に利用できる。 4.これらのScFvは動物を免疫することなく選別されたものであるので、種
の系列を超えて高度に構造が保存されていることにより、これらのScFvの1
以上のものが動物が免疫応答に至らないかも知れないGPIb内のエピトープを
標的化することが可能である。グリフィン.1ライブラリーはこのように構築さ
れたものであるため、正常ヒト抗原に対するScFvもレパートリーの範囲に含
まれる。
【0095】 このScFvクローンはグリフィン.1ライブラリーのスクリーニングによっ
て得られた。スクリーニングの過程での重要な点は、スクリーニングの手順の最
初の工程として、組換えGPIbαを発現するCHO細胞を利用すること、次い
で、これらの細胞に対して3ラウンドの選別をして生き残ったライブラリーのサ
ブセットを出願人が採取すること、次いで、出願人が普通に洗浄したヒト血小板
に対して4ラウンド目に進むことであった。次いで、出願人が、多量のネズミモ
ノクローナル抗体(C−34又はSZ−2)又はミモトープ(AWNWRYREYV)を注ぐ
ことによって洗浄された血小板からScFvを置換するような最後の2ラウンド
を出願人が行った。
【0096】 loxライブラリー(Griffithsら、1994) 由来の重鎖及び軽鎖可変領域をファ
ージミドベクターpHEN2 (図1を参照)中に再クローニングすることにより、ヒ
ト合成VH 及びVL ScFvライブラリーを作成した。この「グリフィン.1」
ライブラリーは、合成V−遺伝子セグメントから作成されたScFvファージミ
ドライブラリーである。グリフィン.1ライブラリーを含むこの生殖系列V−遺
伝子の配列をダウンロードするためのWWWアドレスは、http://www.mrc-cpe.c
am.ac.uk/imt-doc/vbase-questions.html である。fdDOG-2loxVk及びVL構築物か
ら、κ及びλ軽鎖可変領域をPCR増幅した。このPCR断片を精製し、Apa
L1及びNot 1で消化した。ゲル精製断片を、次いで、ベクターpHEN2
内に連結した。pUC19-2loxVHベクターから、重鎖可変領域をPCR増幅した。こ
のPCR断片を精製し、Sfi1及びXho1で消化した。ゲル精製断片を、次
いで、ベクターVk-pHEN2又はVL-pHEN2内に連結した。
【0097】 ScFvのHIbシリーズの単離を次のように実施した: チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の表面上のGPIb/IX/V複合
体のGPIbα成分のみを発現する、トランスフェクトされたこれらの細胞に対
する、ファージミド選別の最初の3ラウンド − トランスフェクトされた、培養フラスコに付着したCHO細胞と共に、 1012〜1013個のファージミドを室温で1.5時間インキュベートし た − 十二分に洗浄して非結合ファージミドを除去した − トリエチルアミンで結合ファージミドを溶出し、トリスで中和し、大 腸菌の抑制株TG1に感染させ、そして次のラウンドで使用するために (ヘルパーファージを用いて)増幅した − このステージの選別からは、モノクローナルファージミドクローンHI b−3が代表クローンである 選別のラウンド4:洗浄されたヒト血小板に対して − 洗浄された血小板と共に、1012個のファージミドを室温で1.5時間 インキュベートした − 血小板を十二分に洗浄して非結合ファージミドを除去した − トリエチルアミンで結合ファージミドを溶出し、トリスで中和し、大 腸菌に感染させ、そして次のラウンドで使用するために増幅した − このステージの選別からは、モノクローナルファージミドクローンHI b−3が代表クローンである 選別のラウンド5及び6:血小板に結合したファージの除去(任意) − ラウンド5:ラウンド4からの1012個のファージを、3×109 個の 洗浄された血小板と共にインキュベートし、十二分に洗浄して非結合フ ァージを除去し、次いで、血小板を3等分に分割した − 25μg/mLの坑GPIbαネズミmabsのC−34若しくはSZ −2又は200μg/mLのC−34ミモトープペプチドAWNWRYREYV と共に、室温で90分間血小板をインキュベートした − 緩衝液からファージミドを回収し、次いで、大腸菌に感染させ、そして 次のラウンドで使用するために増幅した − ラウンド6:第五ラウンドからの、洗浄された血小板に結合したファー ジを増幅し、次いで、ラウンド5で使用したと同じ潜在的ディスプレー サーを用いてチャレンジした。 ラウンド6のファージミドからのScFvの生産 − ラウンド6から回収されたファージミドを、大腸菌の非抑制株HB21 51に感染させた − 24穴モノクローナル培養上清を血小板溶解物に対しウェスタンブロッ トにて検定し、そして洗浄されたヒト血漿板のリストセチン誘導性凝集 を阻害するその能力について検定した − 興味を引かれたクローンをDNA配列決定のために増幅し、さらに精製 ScFvに関してさらに機能的に研究した
【0098】 本研究では、それら自体がヒト免疫グロブリン可変配列に由来するヒト血小板
GPIbα−分子に対する抗体分子の新しいファミリーの展開におけるScFv
テクノロジーを用いる。天然IgG抗体の代替物としての、非常に高い親和性を
示す合成単価抗体を、リンカー領域によって切断された重鎖可変領域及び軽鎖可
変領域から作ることができる。このような合成可変性抗体をScFvと名付ける
。グリフィン.1合成ScFvライブラリー−これらの研究に用いられるヒト生
殖系列VH及びVL配列からなる−は、英国、ケンブリッジにあるMRCのグレ
ッグ ウィンター(Greg Winter) 博士の研究所によって得られた。「この研究所
のグループが掲示しているウェブページは、(http://www.mrc-cpe.cam.ac.uk/-p
hage/)である。この研究所では、ヒト合成Fab(4−12)2loxライブラ
リー(Griffiths, A.D.ら、(1994), EMBO J. 13, 3245-3260)と同じく合成ヒトV
遺伝子をまさしく所有しているものの、Fab形式ではなく単鎖Fv(scFv
)形式である。このベクターもファージではなくてむしろファージミドであり、
そして、重鎖だけではなくて軽鎖における相違点以外は、ヒト合成ScFvライ
ブラリー又は「ニッシム(Nissim)ライブラリー」(ニッシム(Nissim), A.ら、(1
994), EMBO J. 13, 692-698 )と似ている。インビトロでの重鎖及び軽鎖の組換
えに加えて、超可変CDR3領域におけるインビトロのランダム化により、この
ライブラリーは1.2×109 個のクローンを成立させた。この数はこのライブ
ラリーの多様性の総量を推定させるものである。得られたVH及びVLコード配
列を、次いで、pHEN2 ファージミド中にクローニングした。このファージミドを
、アンバーコドンの抑制遺伝子が欠けている大腸菌株に又は持っている大腸菌株
に感染させるかに依存して、次いで、主要なファージコートタンパク質が融合し
たScFvを発現するか、又はScFvの分泌型を発現する後代のファージミド
のいずれかを得ることができる。分泌されるScFvも、タンパク質精製時に使
用できる6×−Hisタグと、9E10等の坑c−myc抗体で検出するための
c−mycタグとを持っている。
【0099】 本研究のために、ファージミド選別のための最初のラウンドでは、その表面に
GPIb/IX/V複合体のGPIbα成分だけを発現するトランスフェクトさ
れたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に対して実施した。トランスフ
ェクトされた、培養フラスコに付着したCHO細胞と共に、1012〜1013個の
ファージミドを室温で1.5時間インキュベートした。十二分に洗浄して非結合
ファージミドを除去し、トリエチルアミンで結合ファージミドを溶出し、トリス
で中和し、大腸菌の抑制株TG1に感染させ、そして次のラウンドで使用するた
めに(ヘルパーファージを用いて)増幅した。次いで、このプロセスをさらに2
ラウンド繰り返した。
【0100】 選別の第4ラウンドでは、本発明者らはヒト血小板を用いて「交差」工程を行
った。このアプローチにより本発明者らはCHO細胞及び血小板の両方にのみ存
在したエピトープを認識するファージミドを相当に濃縮し、それによりGPIb
αに対し特異性を持つScFvを発見する確率を高めることを狙った。モノクロ
ーナルファージミドクローンHIb−3はこの選別段階から得られた代表的クロ
ーンである。第4ラウンドファージミドの全てのポリクローナル集合はウエスタ
ンブロットでGPIbαを同定しなかったが、試験された大部分の個々のクロー
ンは一致しなかった。さらに、ラウンド4のファージミド・クローンの可溶性S
cFvへのランダム変換により機能検定で阻害活性を示すScFvを得ることは
できなかった。
【0101】 従って、本発明者らはさらなるラウンドを進行し、GPIbαのvWFの結合
機能に最も関連するエピトープの選別を標的とするように企てた。この目的のた
め、ラウンド4由来のファージは洗浄した血小板とインキュベートし、未結合の
ファージは長い洗浄により除去した。次に、血小板はさらに飽和濃度の抗GPI
bαマウスmabのC−34もしくはSZ−2、又は本発明らが以前にC−34
に対する結合を血小板と競合することを示したC−34のミモトープペプチドと
インキュベートした。これらのインキュベーションを増幅した後、ファージを緩
衝液から回収して、続いて6番目と最終のラウンドに使用した。最終のラウンド
において、ファージを同じmab又は全ラウンドで共に使用したペプチドと置換
することを再び試みた。
【0102】 ラウンド6から回収したファージミドは大腸菌の非抑制株HB2151に直接
感染させた。一晩の上清から得た分泌されたScFvは血小板ライゼートに対し
てウェスタンブロットで検定し、洗浄されたヒト血小板のリストセチン誘導性凝
集を阻害できる能力を試験した。次に目的のクローンがさらなる研究用に選別さ
れた。
【0103】 SZ−2、C−34、又はC−34ミモトープのペプチドがディスプレイサー
(displacer )として用いられるか否かについて特に顕著なクローン(HIb−
1)を観察した。クローンHIb−2はSZ−2をディスプレーサーとして使用
した際に独特に見られた。上述のHIb−3は分別の初期のラウンドに由来した
。C−34ミモトープペプチドをディスプレーサーとして使用した際にクローン
HIb−5及びHIb−6が緩衝液から回収された。
【0104】 培養上清から又はペリプラズム空間から精製されたいずれかの精製HIbSc
Fvは29キロダルトンの推定分子量を有した。これは図10に示し、大腸菌の
培養物からの粗上清及び精製ペリプラズム画分の両方をSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にかけ、電気ブロットし、次いで分泌さ
れたScFv内に含まれるc−mycエピトープのタグを認識するマウスモノク
ローナル抗体9E10とインキュベートした。次にペルオキシダーゼに結合させ
た二次抗マウス抗体が結合9E10の存在を検出するために使用された。
【0105】 ヒト血小板に由来するエピトープ標的に関する分泌クローンの結合特異性もイ
ムノブロッティングにより確立された。ヒトの血液から得られる血小板の洗浄ラ
イゼートが調製され、非還元条件又はb−メルカプトエタノールによる還元のい
ずれかの下でSDS−PAGEにより電気泳動した。GPIbαは、この系で還
元条件下において電気泳動すると135〜140kDaの見かけ分子量を有する
が、非還元条件下では160〜170kDa領域の見かけ分子量で特徴的に移動
する。これは非還元性の天然状態において共有結合しているGPIbBの追加量
を反映している。膜への電気ブロッティング後、続いて電気泳動した血小板のラ
イゼートは、よく確立された抗GPIbαマウスモノクローナル抗体SZ−2又
は分泌クローンの一つに由来する産物を用いてプローブした。SZ−2の結合の
検出には上述のペルオキシダーゼで標識した二次抗マウス抗体を使用した。選別
の初期のラウンドにおいて、選別されたクローンから得たファージミドは直接ブ
ロットとインキュベートし、洗浄後、ファージミドの残存結合を抗M13バクテ
リオファージ抗体を用いて検出した。この抗体に対するM13表面エピトープが
pHEN2ファージミドに保存されているためである。このアプローチにより、
SZ−2で見られる結合パターンを擬似化したファージミドクローンの間でそう
でないものと容易に識別できた。しかし、選別の後半ラウンド後、分泌されたク
ローンScFvが入手できると、イムノブロッティングにおいて実際のファージ
ミドの代りにScFvを使用した。ヒト血小板ライゼートに対するウェスタンブ
ロットにおいて1次抗体として使用した場合、HIb−1、HIb−2、HIb
−5、及びHIb−6のクローンにより分泌されたScFvは全てマウスモノク
ローナル抗体SZ−2のパターンが密接に似通ったものを示した。HIb−1及
びHIb−2のScFVに関して、この例は図11に示す。示したScFv、二
次抗体9E10との初期インキュベーション後、続いて膜を洗浄し、次にペルオ
キシダーゼ結合抗マウス抗体と膜をインキュベートし、ペルオキシダーゼ基質を
用いて染色した。この例に見られるように、選別されたクローンの産物では、非
還元条件下及び還元条件下の両方でGPIbαの移動特性を有するバンドを認識
できた。
【0106】 選別されたクローン由来の産物の血小板機能を阻害する能力を血小板凝集によ
り試験した。GPIbαの主な機能は接着リガンドのフォン・ビルブラント因子
(vWF)に対する受容体としての役割であるため、vWF−依存性の血小板凝
集は特に関心の的であった。インビトロにおいて、vWFの血小板GPIbへの
結合に関与する凝集は媒介物質としてのリストセチン又はボトロセチンのいずれ
かを用いて慣習的に評価される。HIbB−1、HIbB−2、HIbB−5、
及びHIbB−6のクローンから得られたScFvは、これらの媒介物質の少な
くとも一つによって誘導されるvWF依存性の血小板凝集を阻害することが見出
された。HIB−3の場合、ファージミド自体は凝集検定で阻害活性を示した。
【0107】 ファージミドレベルでの阻害の代表例は図12に示す。ホルマリンで固定され
たヒトの血小板は5μg/mLの精製vWFを含む緩衝液中に150000/μ
l の最終血小板濃度で懸濁し、攪拌棒を用いてキュベットに添加し、クロノログ
アグレゴメーター中で1200rpm、37℃で攪拌した。続いて、様々な最終
濃度でリストセチンを添加し、生じる光透過度の変化は血小板凝集の指示剤とし
て使用した。図面で見られるように、合計1x1012個のHIbB−3ファージ
ミドと血小板(150000/μl)との1.5時間の前インキュベーションに
より、この系では0.35mg/mL以下のリストセチン濃度で血小板凝集を阻
害し、強力な阻害を及ぼすために1.0mg/mLもの高さのリストセチン濃度
でもインキュベーションを続けた。対照的に、血小板GPIbα(対照ファージ
ミド)に対して活性を示さない等濃度のファージミドの存在下において、充分な
凝集応答は0.5mg/mLのリストセチンによって達成され、0.3〜0.3
5mg/mLのリストセチンの範囲で中度の凝集応答が観察された。(ホルマリ
ンで固定した血小板は、通常非固定血小板で要求されるものより低い濃度のリス
トセチンの存在下で凝集することに留意せよ)。
【0108】 ScFvレベルでの阻害の代表例は図13に示す。固定されたヒトの血小板は
前述したものと同様の条件下で再度使用した。この実験において、150000
/μl 濃度のホルマリン固定したヒトの血小板は前記最終濃度でHIBScFv
と1.5時間インキュベートした。次いで、精製したvWFを5μg/mLの最
終濃度まで添加し、上述した方法で試料をアグレゴメーターに入れ、凝集を開始
するためにボトロセチンを0.6μg/mLの最終濃度で添加した。この実施例
において、アグレゴメーター内の光透過度変化の割合を凝集の指標として使用す
る。血小板は12μg/mLのHIB−1と前インキュベートすると非常に強力
な(>75%)凝集応答の阻害が観察され、HIb−1の5〜10μg/mLの
範囲で半最大阻害が特徴的に観察される。リストセチンをアゴニストとして使用
すると同様の結果が得られる。同様に、HIB−2ScFvは、リストセチン又
はボトロセチンのいずれかにより調節されるヒトの血小板凝集を阻害する。HI
B−2ScFvもまた5〜10μg/mのScFvの範囲でこのようなvWF依
存性の血小板凝集の半最大阻害を示し、最大の程度はHIB−1で見られるもの
に匹敵する又は上回るような阻害である。一方で、HIB−5及びHIB−6も
またvWF依存性の血小板凝集を阻害し、この阻害の最大値はHIB−1又はH
IB−2で達成されるものより弱いことが観察されており、非阻害凝集応答の2
0〜30%の阻害範囲に達する。
【0109】 HIBクローンから精製されたScFvが非固定のヒト血小板に阻害活性を及
ぼす能力を証明する例において、さらなる代表的な例が図14に示される。図1
4では、HIB−2ScFv又は完全な(例えば全IgG)マウスモノクローナ
ル抗体SZ−2のいずれかと血小板(150000血小板/μl)との一時間の
インキュベーションによる阻害効果が直接比較される。この実施例において、血
小板に富む血漿(P.P.)はクエン酸処理した新鮮なヒトの血液を遠心分離す
ることにより調製し、次にP.P.は上述した同様な条件下において血小板アグ
レゴメーター中で研究した。10μg/mLの濃度までのHIB−2は、同じ最
終濃度のSZ−2で見られるものとほぼ匹敵する凝集度を生成できたことが見ら
れる。
【0110】 従って、この研究により、上述の選別戦略に基づいて選別されたScFvグル
ープは、ボトロセチン又はリストセチンにより誘導されるvWF依存性の血小板
凝集を阻害することが見出され且つ実際にメルカプトエタノールによる還元なら
びにSDS変性にも耐えるヒトの血小板GPIbα内のエピトープを特異的に認
識するという発見が証明された。
【0111】 本明細書で好ましい態様が詳細に記述され且つ記載されてきたが、本発明の精
神を逸脱することなく種々の変更、追加、置換等が為されうることは関連分野の
熟練者にとって明らかであり、従って、これらは請求の範囲で定義される本発明
の範囲内にあると考えられる。
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【0129】 バイス(Weiss, H.J.) ら、N Engl J Med 306:326-362(1982)。
【配列表】
【0130】
【外1】
【0131】
【外2】
【0132】
【外3】
【0133】
【外4】
【0134】
【外5】
【0135】
【外6】
【0136】
【外7】
【0137】
【外8】
【0138】
【外9】
【0139】
【外10】
【0140】
【外11】
【0141】
【外12】
【0142】
【外13】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fig.1はpHEN2ファージミドベクターのマップである。
【図2】 Fig.2は抗体の構造を示す。 Fig.3は抗体のFab断片の構造を示す。 Fig.4は抗体のFv断片の構造を示す。
【図3】 Fig.5はHIb−1のアミノ酸配列の整列を示す。
【図4】 Fig.6はHIb−2のアミノ酸配列の整列を示す。
【図5】 Fig.7はHIb−3のアミノ酸配列の整列を示す。
【図6】 Fig.8はHIb−5のアミノ酸配列の整列を示す。
【図7】 Fig.9はHIb−6のアミノ酸配列の整列を示す。
【図8】 Fig.10はHIb−1ヒト抗GPIbアルファの直接ウェスタンブロット
である。
【図9】 Fig.11は非還元及び還元の条件下におけるHIb−1、HIb−2、及
びSZ−2のウェスタンブロットを示す。
【図10】 Fig.12はヒトVH及びVLのScFvを発現するクローンファージミド
によるリストセチン誘導血小板凝集の阻害を示す。
【図11】 Fig.13はホルマリン固定されたヒトの血小板のボトロセチン誘導凝集の
阻害を示す。
【図12】 Fig.14はリストセチンにより誘導されたPRP凝集による抗体の阻害を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 7/00 7/00 C12P 21/08 C12P 21/08 G01N 33/53 V G01N 33/53 (C12P 21/08 //(C12P 21/08 C12R 1:01) C12R 1:01) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA43 CA06 DA06 EA03 GA11 HA01 HA20 4B064 AG27 CA02 CA19 CC24 DA01 DA20 4B065 AA26X AA90X AA91Y AA98X AB01 BA02 BA21 CA25 CA44 4C085 AA13 BB12 BB41 DD62 EE01 4H045 AA11 AA20 AA30 CA42 DA76 EA24 EA50 FA74

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの可変重鎖及び可変軽鎖免疫グロブリンのライブラリー
    を用いてヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合するクローンを選別する方
    法であって、 ヒト可変重鎖及び可変軽鎖免疫グロブリンライブラリーを、ヒト血小板糖タン
    パク質Ibを発現する細胞とインキュベートし、そして前記細胞に結合する前記
    ライブラリーのクローンを選別する工程、及び 前記ライブラリーの選別されたクローンを洗浄したヒト血小板とインキュベー
    トし、そして前記洗浄したヒト血小板に結合するクローンを選別する工程であっ
    て、こうして得られるクローンがヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合す
    るものである工程、 を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記細胞がチャイニーズ・ハムスター卵細胞である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記選別されたクローンをさらなる血小板とインキュベート
    し、さらなる血小板に既に結合しているクローンを置換する抗−糖タンパク質I
    bアルファ分子を添加する工程、及びその時生ずるさらなる血小板に結合してい
    ないクローンであってヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合することがで
    きるクローンを選別する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記抗−糖タンパク質Ibアルファ分子がネズミのモノクロ
    ーナル抗体である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記抗−糖タンパク質Ib分子がぺプチドである、請求項3
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ぺプチドが配列番号:1に示すアミノ酸配列を持つもの
    である、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域又はその断片をコード
    する単離された核酸分子であって、前記抗体がヒト血小板糖タンパク質Ibアル
    ファに結合しそして血小板の凝集を阻害するものである単離された核酸分子。
  8. 【請求項8】 可変重鎖領域をコードし、かつ、配列番号:2、配列番号:
    3、及び配列番号:4から成る群より選択されるヌクレオチド配列を有する請求
    項7記載の核酸分子。
  9. 【請求項9】 可変軽鎖領域をコードし、かつ、配列番号:5、配列番号:
    6、配列番号:7、配列番号:8及び配列番号:9から成る群より選択されるヌ
    クレオチド配列を有する請求項7記載の核酸分子。
  10. 【請求項10】 配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列
    番号:13、配列番号:14及び配列番号:15から成る群より選択されるアミ
    ノ酸配列を有する可変重鎖領域をコードする、請求項7記載の核酸分子。
  11. 【請求項11】 配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列
    番号:19、配列番号:20、及び配列番号:21から成る群より選択されるア
    ミノ酸配列を有する可変軽鎖領域をコードする、請求項7記載の核酸分子。
  12. 【請求項12】 可変重鎖領域の断片をコードする、請求項7記載の核酸分
    子。
  13. 【請求項13】 前記断片が配列番号:27、配列番号:28、配列番号:
    31、配列番号:32、配列番号:35及び配列番号:36から成る群より選択
    されるアミノ酸配列を有するVH3である、請求項12記載の核酸分子。
  14. 【請求項14】 前記断片が配列番号:29、配列番号:33及び配列番号
    :37から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR1断片である、請
    求項12記載の核酸分子。
  15. 【請求項15】 前記断片が配列番号:30、配列番号:34及び配列番号
    :38から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR2断片である、請
    求項12記載の核酸分子。
  16. 【請求項16】 前記断片が配列番号:39、配列番号:40及び配列番号
    :41から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR3断片である、請
    求項12記載の核酸分子。
  17. 【請求項17】 可変軽鎖領域の断片をコードする、請求項7記載の核酸分
    子。
  18. 【請求項18】 前記断片が配列番号:42、配列番号:46、配列番号:
    47、配列番号:51、配列番号:59、配列番号:60及び配列番号:61か
    ら成る群より選択されるアミノ酸配列を有するものである、請求項17記載の核
    酸分子。
  19. 【請求項19】 前記断片が配列番号:43、配列番号:48、配列番号:
    52及び配列番号:55から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR
    1断片である、請求項17記載の核酸分子。
  20. 【請求項20】 前記断片が配列番号:44、配列番号:49、配列番号:
    53及び配列番号:56から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR
    2断片である、請求項17記載の核酸分子。
  21. 【請求項21】 前記断片が配列番号:45、配列番号:50、配列番号:
    54、配列番号:57及び配列番号:58から成る群より選択されるアミノ酸配
    列を有するCDR3断片である、請求項17記載の核酸分子。
  22. 【請求項22】 請求項7記載の核酸分子を含む組換え体細胞。
  23. 【請求項23】 前記細胞が細菌細胞である、請求項22記載の組換え体細
    胞。
  24. 【請求項24】 請求項7記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  25. 【請求項25】 前記ベクターがファージミドである、請求項24記載の発
    現ベクター。
  26. 【請求項26】 請求項24記載の発現ベクターを含む組換え体細胞。
  27. 【請求項27】 血小板の凝集を阻害するヒト血小板糖タンパク質Ibアル
    ファに対する抗体の可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域又はそれらの断片を製造
    する方法であって、 請求項7記載の核酸分子を宿主細胞中に導入する工程、及び 前記宿主細胞中で抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖領域の産生を生じさせる核
    酸分子を該宿主細胞に発現させる工程、 を含む方法。
  28. 【請求項28】 ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小
    板の凝集を阻害する抗体の可変重鎖領域をコードする単離された核酸分子であっ
    て、前記核酸分子が第2のアミノ酸配列に対し少なくとも90%のアミノ酸同一
    性を有する第1のアミノ酸配列をコードするものであり、そして前記第2のアミ
    ノ酸配列が配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13
    、配列番号:14及び配列番号:15から成る群より選択されるものである単離
    された核酸分子。
  29. 【請求項29】 ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小
    板の凝集を阻害する抗体の可変軽鎖領域をコードする単離された核酸分子であっ
    て、前記核酸分子が第2のアミノ酸配列に対し少なくとも90%のアミノ酸同一
    性を有する第1のアミノ酸配列をコードするものであり、そして前記第2のアミ
    ノ酸配列が配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19
    、配列番号:20及び配列番号:21から成る群より選択されるものである単離
    された核酸分子。
  30. 【請求項30】 ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小
    板の凝集を阻害する抗体の単離された可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域又はそ
    の断片。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の抗体の前記可変重鎖領域であって、前記
    可変重鎖領域が配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:
    13、配列番号:14及び配列番号:15から成る群より選択されるアミノ酸配
    列を有するものである可変重鎖領域。
  32. 【請求項32】 請求項30記載の抗体の前記可変軽鎖領域であって、前記
    可変軽鎖領域が配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:
    19、配列番号:20及び配列番号:21から成る群より選択されるアミノ酸配
    列を有するものである可変軽鎖領域。
  33. 【請求項33】 請求項30記載の抗体の可変重鎖領域の断片。
  34. 【請求項34】 配列番号:27、配列番号:28、配列番号:31、配列
    番号:32、配列番号:35及び配列番号:36から成る群より選択されるアミ
    ノ酸配列を有するVH3断片である、請求項33記載の断片。
  35. 【請求項35】 配列番号:29、配列番号:33及び配列番号:37から
    成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR1断片である、請求項33記
    載の断片。
  36. 【請求項36】 配列番号:30、配列番号:34及び配列番号:38から
    成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR2断片である、請求項33記
    載の断片。
  37. 【請求項37】 配列番号:39、配列番号:40及び配列番号:41から
    成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR3断片である、請求項33記
    載の断片。
  38. 【請求項38】 請求項30記載の抗体の可変軽鎖領域の断片。
  39. 【請求項39】 配列番号:42、配列番号:46、配列番号:47、配列
    番号:51、配列番号:59、配列番号:60及び配列番号:61から成る群よ
    り選択されるアミノ酸配列を有する、請求項38記載の断片。
  40. 【請求項40】 配列番号:43、配列番号:48、配列番号:52及び配
    列番号:55から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR1断片であ
    る、請求項38記載の断片。
  41. 【請求項41】 配列番号:44、配列番号:49、配列番号:53及び配
    列番号:56から成る群より選択されるアミノ酸配列を有するCDR2断片であ
    る、請求項38記載の断片。
  42. 【請求項42】 配列番号:45、配列番号:50、配列番号:54、配列
    番号:57及び配列番号:58から成る群より選択されるアミノ酸配列を有する
    CDR3断片である、請求項38記載の断片。
  43. 【請求項43】 抗体の単離された可変重鎖領域であって、前記抗体がヒト
    血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害するもので
    あり、単離された可変重鎖領域が第2のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の
    アミノ酸同一性を持つ第1のアミノ酸配列を有するものであり、前記第2のアミ
    ノ酸配列が配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13
    、配列番号:14及び配列番号:15から成る群より選択されるものである単離
    された可変重鎖領域。
  44. 【請求項44】 抗体の単離された可変軽鎖領域であって、前記抗体がヒト
    血小板糖タンパク質Ibアルファに結合しそして血小板の凝集を阻害するもので
    あり、単離された可変軽鎖領域が第2のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の
    アミノ酸同一性を持つ第1のアミノ酸配列を有するものであり、前記第2のアミ
    ノ酸配列が配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19
    、配列番号:20及び配列番号:21から成る群より選択されるものである単離
    された可変軽鎖領域。
  45. 【請求項45】 請求項30、請求項43又は請求項44記載の可変重鎖領
    域又は可変軽鎖領域を含む抗体。
  46. 【請求項46】 前記抗体が1価である請求項45記載の抗体。
  47. 【請求項47】 前記抗体が2価である請求項45記載の抗体。
  48. 【請求項48】 前記抗体が多価である請求項45記載の抗体。
  49. 【請求項49】 請求項45記載の抗体及び担体を含む組成物。
  50. 【請求項50】 血小板の凝集を阻害する方法であって、請求項49記載の
    組成物と血小板を接触させる工程を含む方法。
  51. 【請求項51】 請求項45記載の抗体にヒト血小板糖タンパク質Ibアル
    ファを接触させる工程を含む、ヒト血小板糖タンパク質Ibアルファを結合する
    方法。
  52. 【請求項52】 血小板の凝集を阻害する抗体の可変重鎖領域又は可変軽鎖
    領域を選別する方法であって、 請求項30、請求項43又は請求項44記載の可変重鎖領域若しくは可変軽鎖
    領域を選別する工程であって、前記可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域のそれぞ
    れがアミノ酸配列を有するものである工程、 前記選別された可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域のアミノ酸配列を改変する
    工程、及び 改変された可変重鎖領域若しくは可変軽鎖領域が血小板の凝集を阻害するか否
    かを決定する工程であって、血小板の凝集を阻害する前記改変された可変重鎖領
    域若しくは可変軽鎖領域ががこの工程により選ばれるものである工程、 を含んで成る方法。
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