JP2002528618A - 1,1−二置換モノマー組成物のための高分子容器 - Google Patents

1,1−二置換モノマー組成物のための高分子容器

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JP2002528618A
JP2002528618A JP2000579667A JP2000579667A JP2002528618A JP 2002528618 A JP2002528618 A JP 2002528618A JP 2000579667 A JP2000579667 A JP 2000579667A JP 2000579667 A JP2000579667 A JP 2000579667A JP 2002528618 A JP2002528618 A JP 2002528618A
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リヴェラ アンドレアス
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クロージャー メディカル コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 1,1−二置換エチレン接着性モノマー組成物の延長した貯蔵寿命を備える、後ハロゲン化したまたは官能基を導入した高分子材料製の容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子材料製の容器に関する。特には、本発明は、1,1−二置換
エチレンモノマー組成物による攻撃、溶媒和作用、および/または浸透に対して
高度に抵抗性のある容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子材料製の容器は当業では周知である。例えば、ポリエチレン(PE)、
ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロ
ピレン(PP)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、および熱可塑性エ
ラストマー等のポリオレフィン製の容器が広範に用いられる。同様に、Hala
r(登録商標)エチレン−クロロトリフルオロエチレン・コポリマー(ECTF
E)(アライドケミカル社、ニュージャージー州モリスタウン)、Tefzel
(登録商標)エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)(E.I.デュポ
ン・ド・ヌムール社、デラウエア州ウィルミントン)、テトラフルオレエチレン
(TFE)、ポリテトラフルオレエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエ
チレン−フッ化エチレンプロピレン(PTFE−FEP)、ポリテトラフルオロ
エチレンパーフルオロアルコキシ(PTFE−PFA)、およびポリビニリデン
フルオライド(PVDF)等のフッ化炭素が容器材料として使われる。さらに、
ポリアミド(例えばナイロン)、ポリフェニレン酸化物、およびポリスルホン等
の人工樹脂も容器材料として用いられる。
【0003】 特定の用途のための適当な容器を選択する際、容器のコストと同様に収容物の
特性に関連した容器の化学的および物理的特性も主要な検討材料である。容器の
形成に用いる高分子材料は、収容される組成物に関して、組成物を収納する期間
、本質的に不活性でなければならない。すなわち、容器の形成に用いる高分子材
料は、好ましくは少なくとも該材料の意図する寿命(貯蔵寿命)に渡り、容器に
収容する材料と実質的に反応しても、または反応を触媒してもならない。高分子
材料はまた、組成物が収容される期間、適当な物理的封じ込めを行い、かつ保護
を供与しなければならない。例えば、生物学的研究の状況下においては、しばし
ば微生物の培養向けの水性組成物を安定に収容する能力により容器が選択される
。化学的および工業的状況下においては、酸、塩基、溶媒および有機物等の化学
物質による攻撃および/または劣化に対して高い耐性を示す容器が広範に用いら
れる。
【0004】 例えば、ホッブス(Hobbs)らの米国特許第5,691,016号および同第
5,770,135号は、炭化水素燃料の浸透に耐性のある容器、およびこれら
の容器の製造方法を開示している。これらの特許は、炭化水素燃料による浸透に
対して優れた耐性を有するフッ素化プラスチック容器の製造方法を開示している
。この方法は、フッ素含有ガスの存在下におけるプラスチック容器のブロー成形
に頼る。この方法において、パリソンを事前に加熱した熱可塑材料から成形し、
不活性ガスにより密閉金型内で膨らませ、かつ複数のフッ素化処理工程に供して
パリソンの内表面をフッ素化する。このようにして作られた容器は、モーターオ
イル等の炭化水素燃料による浸透に対する耐性を示す。
【0005】 さらに、バリアー特性を備える物質から容器を形成することが知られている。
このような用途としては、フッ素重合体が知られている。例えば、バトソン(Ba
tson)の米国特許第5,016,784号は、感湿性の接着剤の収容および分配
用アプリケーターシリンジを開示している。このシリンジは、非固着高分子シー
ルを有するプランジャーを収容する、一般に封着した外筒を含み、シールと外筒
内に収容された接着剤との間に炭化水素グリースが配置されている。外筒は、ポ
リ(モノクロロトリフルオロエチレン)等の、非反応性フッ素重合体でできてい
る。また、非固着高分子シールも、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、フッ素化したエチレンプロピレンポリマー、およびフッ化
ポリビニリデンから選択したフッ素重合体でできている。感湿性の接着剤は、一
般にシアノアクリラート接着剤として記述される。
【0006】 同様に、フクシ(Fukushi)らの米国特許第5,855,977号および同5
,827,587号は、フッ素化していない層およびフッ素化した層を含む多層
品を開示している。米国特許第5,855,977号において、多層品は、フッ
素化していない層;ヘキサフルオロプロピレンまたはテトラフルオロエチレンか
ら誘導され相互に重合した単量体単位、1個またはそれ以上のフッ素化されてい
ないオレフィン的に不飽和のモノマーを含み、かつ実質的にフッ化ビニリデンを
含まないフッ素化した層;ならびに、2つの層の間の接着性を増すための脂肪族
ジアミンまたは脂肪族ポリアミンを含む。米国特許第5,827,587号にお
いて、多層品は第一層および第二層を含む。第一層はフッ化ビニリデンから誘導
され相互に重合した単位を含むフッ素重合体であり、第二層はポリアミド、ポリ
イミド、カルボキシル無水物またはイミド官能基導入ポリオレフィンを含む炭化
水素ポリマーであり、2つの層の間には接着性を増すための脂肪族ジアミンまた
は脂肪族ポリアミンがある。両発明の製品は、燃料タンクホース等の、自動車用
途に適したチューブまたはホースに有用であると開示されている。
【0007】 接着剤は、有機または無機化合物の何れか、あるいは両者の併用物を含むこと
ができ、かつ工業用(家庭用を含む)および医療用用途の両方において、広範な
有用性を有する。製造者にとって接着剤を大量に製造することが最も経済的であ
り、かつ小売商にとって消費者に販売する前に大量に接着剤を購入することが最
も経済的であるので、しばしば接着剤は製造から使用までの間に長期に渡って貯
蔵される。したがって、大量生産および大量購入を経済的にするために、接着剤
を十分な期間に渡って実質的に品質の劣化していない状態に維持することのでき
る容器内に貯蔵しなければならない。十分な貯蔵期間は、典型的には工業会社に
より購入される大容量(例えば1リットルより多く)を保持する容器、ならびに
典型的には医療および個人消費者により購入される小容量(例えば1リットル以
下、さらには数ミリリットル以下)を保持する容器に当てはまる。
【0008】 工業用途において接着剤が広範に用いられているのに加えて、近年医療業者(
獣医業を含む)が、創傷封鎖用縫合糸およびステープルの代替物または補助物と
して、生物学的封止剤として、ならびに創傷被覆剤としてある種の接着剤を使い
始めている。医療目的に現在用いられている接着剤の中には、α−シアノアクリ
ラート等の1,1−二置換エチレンモノマーから形成された接着剤がある。典型
的には、医療目的には、接着剤は少なくとも1年の貯蔵寿命を有するべきである
。しかし、これよりも貯蔵寿命を高めることにより、製造者と消費者の両者にと
って経済的優位性が高まる。ここにおいて用いる貯蔵寿命とは、容器およびその
中の組成物を、意図されていた方法および目的に組成物および容器を使用するこ
とができなくなる程度にまで組成物および/または容器が劣化することなく、ほ
ぼ室温(21乃至25℃)に保持することのできる期間のことをいう。したがっ
て、組成物および容器の一方または両方に何らかの劣化が起こる可能性はあるが
、組成物および/または容器がもはや使用不能な程に劣化してはならない。貯蔵
されている組成物に生ずる化学反応、容器と貯蔵している組成物との間の化学反
応、および容器自体の劣化等による容器またはその中に収容した製品の物理的ま
たは審美的変化によって、貯蔵寿命は制限される。
【0009】 α−シアノアクリラートは医療用途に最も広範に使用されている接着剤になっ
ているので、長期に渡り接着剤の期待品質(接着力、硬化時間、生物学的安全性
、純度等)を損なうことなくこれらの接着剤を保持することのできる容器が不可
欠である。
【0010】 高密度ポリエチレン(HDPE)は、α−シアノアクリラート接着性モノマー
を包装しかつ収容するための、業界標準高分子材料である。HDPEは、通常0
.94g/cmより大きい密度を有する。工業においては、主としてHDPE
が容器材料に選択される。なぜなら、メチル、エチルおよびブチルシアノアクリ
ラートモノマーを含む、多くのα−シアノアクリラートモノマー組成物に対して
、HDPEは十分な封じ込め性および貯蔵寿命を提供するからである。これらの
低級アルキル鎖長α−シアノアクリラート接着性モノマーを、モノマー組成物ま
たは容器が顕著に劣化することなく、1年以上に渡りHDPE容器内に安定に収
容することができる。
【0011】 例えば、シェーファー(Schaefer)らの米国特許第4,685,591号は、
実質的な割合のシアノアクリラート型組成物を含有する製品を保持するのに適し
た多層包装チューブを開示している。該チューブは、シアノアクリラートと接触
することになるチューブの側部に配置された高密度ポリエチレン層を有する。高
密度ポリエチレンは、少なくとも0.950g/cmの密度を有することが好
ましい。ポリエチレンイミンのプライマー層は、高密度ポリエチレン層の外部に
配置され、かつ高密度ポリエチレンを通過したシアノアクリラート製品が外表面
に移行するのを阻止するように作用する。
【0012】 マーレージュニア(Murray Jr.)らの米国特許第4,777,085号、同4
,731,268号、および同4,698,247号は、多層包装シート材料、
およびこれから作った容器および包装であって、実質的な割合のシアノアクリラ
ートを含有する製品を保持するのに好適な容器および包装を開示している。該多
層包装シート材料は、シアノアクリラート含有製品と接触する高密度ポリエチレ
ンの層を有する。高密度ポリエチレンは、少なくとも0.950g/cmの密
度を有することが好ましい。多層包装シート材料はまた、ポリエチレンイミン(
PEI)等のシアノアクリラート製品のシート材料を通した移行を妨げる低浸透
性ポリマーでできたプライマー層も有する。
【0013】 コルビン(Colvin)らの米国特許第3,523,628号は、シアノアクリラ
ートエステル接着剤を保持する容器を開示している。該容器は、実質的に空気お
よび湿気に対して不浸透であり、収容された接着剤の劣化を最小にする本体、お
よび表面自由エネルギーが低いことを特徴とする熱可塑樹脂から形成された開口
を有する。容器本体を、金属、ガラスまたはセラミックスを含む、任意の空気ま
たは蒸気不浸透性材料から作ってもよい。空気および蒸気の浸透性ならびにシア
ノアクリラートモノマーの重合の開始に対する不活性に関する、本発明の臨界的
必要条件を満たすように合成樹脂を選択するのであれば、容器材料として、また
は他の材料でできた容器の内表面上の被覆として合成樹脂を用いることができる
。好ましい熱可塑樹脂としては、ハロゲン化炭化水素ポリマーが挙げられ、特に
はポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロプロピレン、ポリビニル
フルオライド、およびポリビニリデンフルオライド等の、ハロゲンがフッ素であ
る場合が好ましい。ここに名前を挙げた型のポリマーとエチレンとのコポリマー
も用いることができる。収容されるシアノアクリラートには、1乃至16個の炭
素原子を持ったアルキル基を有するアルキルシアノアクリラートが含まれる。メ
チル等の低級アルキル基が好ましい。
【0014】 ウィンター(Winter)の米国特許第3,524,537号は、2−シアノアク
リリックエステル接着剤を内部に有するポリ(モノクロロトリフルオロエチレン
)容器を含む密封容器を開示している。該接着剤は、アルキル2−シアノアクリ
ラートおよびフルオロアルキル2−シアノアクリラートから選択される。コルビ
ンの容器と同様に、これらの容器は、事前にフッ素化した物質、および特にはフ
ッ素重合体から作られる。
【0015】 市販のα−シアノアクリラート接着剤製品の幾つかは、HDPEから形成した
容器を使用し、かつ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)から加工した分配
器チップおよびPPから加工した蓋を有する。しかし、本発明者らは、予想外に
これらの容器、および特には分配器チップが、ある種の1,1−二置換エチレン
モノマー組成物、特にはアルキル鎖長の長いα−シアノアクリラートまたは少量
の安定剤を含有する組成物と接触した場合に長期的に破壊されるが、アルキル鎖
長の短いα−シアノアクリラートまたは多量の安定剤を含有する組成物を含む、
他の1,1−二置換エチレンモノマー組成物と接触した場合には、よりわずかし
か破壊されないことを発見した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的および医療的用途の両方において、1,1−二置換エチレン
モノマーに長期貯蔵寿命を与える、改良した高分子材料を含む容器(貯蔵容器、
分配器、アプリケーター等を含む)を提供する。ここで用いる「長期貯蔵寿命」
とは、少なくとも12ヶ月、好ましくは少なくとも18ヶ月、より好ましくは少
なくとも24ヶ月、およびさらに好ましくは少なくとも30ヶ月の貯蔵寿命を言
う。本発明の容器は、1,1−二置換エチレンモノマーによる劣化に対して高度
に耐性があると同時に、液体および気体(重合開始剤として作用する水蒸気等の
蒸気を含む)による浸透の影響に対して高度に耐性があるバリアー層を含む。こ
こで用いる容器の劣化には、化学的攻撃、膨潤、亀裂、腐食、脆化、溶解等が含
まれるが、これに限定されない。該容器はさらに、その中に収容する1,1−二
置換エチレンモノマーの劣化に対する耐性を備える。ここで用いる組成物の劣化
には、早発性重合(粘度変化により反映される)および好ましくない反応性の変
化(硬化時間の増加または減少を含む)が含まれるが、これに限定されない。
【0017】
【課題を解決するための手段】
実施態様において、本発明により、内表面と外表面を有する容器が、好ましく
は該容器内に収容された1,1−二置換エチレンモノマー組成物と組み合わせて
得られる。少なくとも内表面は、例えば種々の官能基で官能基を導入されており
、バリアー層を与えてモノマー組成物の成分の浸透を低減し、かつモノマー組成
物に増加した安定効果を与え、よって容器および組成物の貯蔵寿命を増加する。
【0018】 特には、実施態様において、本発明により、内表面と外表面を有し、少なくと
も1つの後ハロゲン化された高分子材料を含有する高分子樹脂マトリックスを含
む容器が、好ましくは該容器内に収容された1,1−二置換エチレンモノマー組
成物と組み合わせて得られる。この後ハロゲン化された高分子材料は、バリアー
層を与えてモノマー組成物の成分の浸透を低減し、かつかつモノマー組成物に増
加した安定効果を与え、よって容器および組成物の貯蔵寿命を増加する。
【0019】
【発明の実施の形態】
α−シアノアクリラート等の1,1−二置換エチレンモノマーの接着剤は高度
に反応性であり、開始剤、例えば空気中に存在する水蒸気等の開始剤でさえ少量
存在すると重合する。したがって、長期貯蔵寿命を有する容器内で安定な接着性
モノマー組成物を得るために、水蒸気を含む水に対して不浸透性、または少なく
ともより浸透性の低い容器を提供することが好ましく、かつ有益である。さもな
ければ、水蒸気が容器に入り、水蒸気がモノマーの重合開始剤として作用し、容
器内で接着性モノマーの望ましくない早発性重合を招く。
【0020】 さらに、α−シアノアクリラートモノマーは比較的分子量が小さいので、ほぼ
室温かつ標準圧力下で一定の体積に収容された場合、通常、これらのモノマーは
液相および蒸気相の両方に存在する。これらのモノマーは、容器に一般に使用さ
れる高分子材料内へのおよび高分子材料を通して高度の透過性を示すことが知ら
れている。これらのα−シアノアクリラートモノマーが容器壁を通過して容器の
外表面に達した場合、これらのモノマーは重合および/または結晶し、通常白い
粉末物質を容器の外表面に形成することがある。この重合および/または結晶化
は、しばしば「ブルーミング」と呼ばれ、容器材料の破損の指標である。
【0021】 さらに、容器の高分子マトリックス内に侵入したモノマーは、マトリックスの
反対側に達する前に、マトリックス内で重合し、容器に膨潤、亀裂、割れ、また
は、そうでなければ高分子マトリックスの弱化等の破損を引き起こすことがある
。さらに、モノマーはポリマーマトリックスと相互反応して、同様に容器材料の
破損を招くことがある。
【0022】 接着剤の貯蔵寿命、および接着剤を保持するのに用いる容器を改良する試みに
おいて、本発明者らは、高分子樹脂材料を含む多くの容器が、ある種の1,1−
二置換エチレンモノマー系接着剤に対して、許容できる貯蔵寿命を与えないこと
に気づいた。例えば、LLDPEポリマーを含む容器は、2−オクチルシアノア
クリラート等のある種の1,1−二置換エチレンモノマー組成物にわずか約9ヶ
月間さらされた後に、前記の膨潤等の劣化を示す。安定剤を含まない組成物、お
よび少量含む組成物にさらした後でも、劣化は認められた。容器の加工に工業で
一般に使用される他の高分子材料も、ある種の接着性モノマーを長期収容するの
には不適当であることが分かっている。さらに、HDPEを含む容器は、幾つか
のα−シアノアクリラートモノマーを少なくとも17ヶ月間、著しく劣化するこ
となく収容できるが、貯蔵寿命を増やし、ゆえに接着剤容器の製造および販売を
より経済的にするために、この期間を増やすことが望まれる。1,1−二置換エ
チレンモノマー組成物を長期間保持する高分子樹脂材料を含む容器の開発を試み
る間に、本発明者らはここに開示する組合せ体および方法を開発した。
【0023】 特には、本発明者らは、少なくとも容器のモノマーと接触する面上に後ハロゲ
ン化された高分子バリアー層を設けることにより、特に、1,1−二置換エチレ
ンモノマーに対して、予期せぬ優れた貯蔵寿命が得られることを見出した。該1
,1−二置換エチレンモノマーは、アルキル鎖長の長いアルキルα−シアノアク
リラート接着性モノマー組成物等のシアノアクリル酸のエステルを含むが、これ
に限定されない。したがって、本発明により、水蒸気およびα−シアノアクリラ
ートモノマー等の1,1−二置換エチレンモノマーを含む低分子量モノマーに対
して、本質的に不浸透性であるか、または少なくともより浸透性が低く、かつ経
済的に製造され、これらの接着剤を保持する容器が得られる。さらに、接着剤が
医療目的に使われる場合の実施態様において、容器は少なくとも1つの滅菌形態
に適合する。
【0024】 ここで用いる「後フッ素化されたポリマー」またはより普遍的には「後ハロゲ
ン化されたポリマー」という用語は、高分子材料の形成に続いて、少なくとも表
面をフッ素化等のハロゲン化した任意のポリマーを表す。したがって、例えば、
この用語は、適当な処理方法によりポリマー材料の少なくとも1つの表面を後で
ハロゲン化して、ハロゲン種を高分子材料の少なくとも表面層に導入した高分子
材料を表す。フッ素、塩素、ホウ素、ヨウ素、およびアスタチンを含む任意のハ
ロゲンを用いることができる。したがって、ポリマーが最初にハロゲン含有単量
体単位から形成され、重合した材料の本体に後ハロゲン化処理が全く適用されて
いない、一般にフッ化炭素ポリマー(または類似のハロゲン化炭素ポリマー)と
呼ばれる物質を、この用語は一般に除外する。
【0025】 ここで用いる「高級アルキル鎖長」α−シアノアクリラートモノマーには、少
なくとも6個の炭素のアルキル鎖、例えば、6個、7個、8個、9個、10個、
11個、12個、13個、14個、15個、またはそれ以上の炭素をアルキル鎖
内に有するα−シアノアクリラートモノマーが含まれる。ここで用いる「低級ア
ルキル鎖長」α−シアノアクリラートモノマーには、5個以下の炭素のアルキル
鎖、すなわち1個、2個、3個、4個または5個の炭素をアルキル鎖内に有する
α−シアノアクリラートモノマーが含まれる。
【0026】 本発明者らはさらに、容器の少なくともモノマー接触面上に官能基を導入した
表面バリアー層を設けることにより、すなわちモノマーと接触する容器層に官能
基を導入することによっても、特に1,1−二置換エチレンモノマーに対して、
予期せぬ優れた貯蔵寿命が得られることを発見した。該1,1−二置換エチレン
モノマーは、アルキルα−シアノアクリラート接着性モノマー組成物等のシアノ
アクリル酸のエステルを含むが、これに限定されない。したがって、本発明によ
り、水蒸気およびα−シアノアクリラートモノマー等の1,1−二置換エチレン
モノマーを含む低分子量モノマーに対して、本質的に不浸透性であるか、または
少なくともより浸透性が低く、かつ経済的に製造され、これらの接着剤を保持す
る容器が得られる。さらに、接着剤が医療目的に使われる場合の実施態様におい
て、容器は少なくとも1つの滅菌形態に適合する。バリアー層を形成するための
このような容器の官能基の導入を、前記の後ハロゲン化に加えて、または代わり
に行うことができる。
【0027】 本発明者らはさらに、接着剤組成物を保持する容器の相対貯蔵寿命は、接着剤
組成物中に安定剤の相対的存在(または不在)性に関連することを見出した。特
には、低級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマー等の低級鎖長単量体種
が、高級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマー等の高級鎖長単量体種よ
りもより不安定であることが一般に知られている。したがって、低級アルキル鎖
長α−シアノアクリラートモノマーを用いる場合、1つまたはそれ以上の安定剤
を多量にモノマー組成物に加えて、モノマーの早発性重合を防ぐことが当業で慣
行されてきた。対照的に、高級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマーを
用いる場合、より少量の安定剤を加えることが慣行されてきた。なぜなら、単量
体種の安定性が増すので、必要とされる安定剤がより少ないからである。すなわ
ち、モノマーを安定させて早発性重合を実質的または完全に防ぐのに必要なだけ
の量の安定剤を接着性モノマー組成物に加えることが一般的慣行である。より多
量の安定剤の添加により、より安定な製品が得られると予想されるが、早発性重
合を実質的または完全に防ぐのに必要なだけの量を加えることが好ましい。なぜ
ならば、接着する基板に移送されると、多量の安定剤により反応(重合)速度が
遅くなるからである。さらに、安定剤が持ち得る細胞組織に対する有害な影響、
または安定剤の毒性の懸念のため、ヒドロキノン等の単量体組成物中に典型的に
用いる安定剤を、最小限にすることが好ましい。このような懸念は、単量体組成
物が医療目的に使われる場合に、特に関係がある。
【0028】 しかし、本発明者らは、この高級鎖長単量体種の安定性の増加により、必ずし
も組成物を保持する容器の貯蔵寿命を増やすことにはならないということを発見
している。例えば、本発明者らは、高級アルキル鎖長α−シアノアクリラート接
着性モノマー組成物および/または安定剤量のより少ない組成物に関し、前述の
ブルーミングの問題が起きる前であっても、これらの組成物により影響のある破
損が容器に引き起こされることがあることを発見した。例えば、LLDPEアプ
リケーターチップを有する容器に関して、ある貯蔵期間の後、例えば約1年後に
、高級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマー組成物により、アプリケー
ターチップの膨潤が引き起こされることがあることが分かっている。このアプリ
ケーターチップの膨潤により、チップ内の分配穴が閉じられ、ボトルの内容物を
容器から取り出すとことができなくなる。貯蔵時間がより長くなると、このアプ
リケーターチップの膨潤により、首部でボトルが破裂することさえある。
【0029】 したがって、本発明者らは、高級鎖長単量体種はそれ自体より安定であるが、
依然として容器壁への浸透に関して問題があり、前述の容器の破損を引き起こす
ことを発見した。本発明者らは、容器破損の問題は、少なくとも部分的にはモノ
マー組成物に安定剤が少量しか、または全く含まれていないことによると考える
。実際、この問題はある意味では直感に反する。なぜなら、モノマー自体の安定
性が増加すると、容器と組成物の組合せ体の貯蔵寿命も増加するものと一般に考
えられているからである。
【0030】 観察された容器破損は、ポリマーマトリックス内でのモノマーの重合によると
考えられる。例えば、容器の膨潤は、高分子マトリックスに浸透し、次いでマト
リックス内で重合してマトリックスを膨潤させ、最終的には破壊する、ある量の
モノマーにより生じるものと考えられる。膨潤の相対速度は、モノマー組成物中
に、様々な量の種々の酸性および/またはフリーラジカル安定剤が存在する(ま
たは存在しない)ことと関係するかもしれない。安定剤の量が増えるに連れて、
膨潤破損の相対発生率は減少すると考えられる。なぜなら、安定剤はマトリック
スにも浸透し、かつ容器の外壁に達するまで、モノマーの重合を防ぐからである
。モノマーが重合せずに容器マトリックスを通過するので、モノマーによる容器
の劣化量が減る(例えば、容器マトリックス内のモノマーの重合の結果である容
器の膨潤および亀裂の量を減らすことにより)。しかし、容器の外壁上に存在す
る「ブルーミング」により証明されるように、高分子マトリックスを通過するモ
ノマーの浸透は継続する。
【0031】 アルキル鎖長の長いα−シアノアクリラートモノマー等の大きな1,1−二置
換エチレンモノマーは、低級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマーと比
較して、容器のポリマーマトリックスにより溶けやすく、より高濃度のモノマー
をマトリックスに入れることができる。ひとたびポリマーマトリックスに入ると
、これらのより大きなモノマーが、例えば、マトリックスに体積を付加すること
により、マトリックスを重合または膨潤することにより容器の構造に影響を及ぼ
すことがある。
【0032】 さらに、モノマーの大きさ(すなわち、有効径)および/または構造が容器の
貯蔵寿命に影響することが想定される。より具体的には、低級アルキル鎖長α−
シアノアクリラートモノマーは、より大きな1,1−二置換エチレンモノマーよ
りも、より迅速に容器の高分子マトリックスを浸透することが可能かもしれない
。したがって、より小さいモノマーは、より大きいモノマーほど長くマトリック
ス中に存在せず、モノマーと他のモノマー、またはモノマーとマトリックスとの
間の相互反応の減少が見られる。
【0033】 しかし、前記の容器破損問題に関する説明は、問題の考えられる解釈としての
み与えられるもので、請求の範囲に記載されている発明を限定することを意味す
るものではない。同様に、本発明は、問題またはその解決法に関して、特定の理
論に束縛されるものではない。
【0034】 本発明により、1,1−二置換エチレンモノマーに対してより高度に不浸透性
である容器が得られ、よって容器およびその中に収容されたモノマーに長期貯蔵
寿命を与える。本発明は、少なくとも容器のモノマーと接触する面、例えば容器
の内表面上に官能基を導入した層を設けることにより、こうした目的を達成する
。実施態様において、この官能基の導入を、表面をフッ素化する等の、容器の所
望の面をハロゲン化することにより行う。このハロゲン化処理は、ハロゲン原子
を層の内部または上に導入することによって、容器の表面層を変化させると考え
られる。他の実施態様において、SOH、COHおよびスルホンアミド等の
異なる官能基を容器表面の内部または上に導入する。
【0035】 本発明により、1,1−二置換エチレンモノマーの液体および気体(蒸気を含
む)に対して高度に不浸透性である容器が得られる。すなわち、本発明による容
器に含まれたバリアー層により、バリアー層を含まない容器と比較して浸透性が
低い容器が得られる。実施態様において、容器は、少なくとも収容される1,1
−二置換エチレンモノマー材料に対して、容器が本質的に不浸透性となるか、ま
たは少なくもと極わずかに浸透性となるように、収容される材料と関連して選択
された、高分子マトリックスを含む。容器は、ポリオレフィン、フッ素化炭化水
素(フッ化炭素)および人工樹脂を含むが、これに限定されない、任意の好適な
後ハロゲン化された高分子材料を含む。容器は、ホモポリマー、コポリマー、高
次ポリマーまたはこれらの混合物を含むことができ、かつ高分子材料の1種また
は高分子材料の複数種の混合物を含むことができる。
【0036】 実施態様において、容器は任意の高分子材料を含む。該高分子材料は後ハロゲ
ン化、前ハロゲン化または非ハロゲン化された何れのものであってもよく、該高
分子材料の少なくとも表面層に官能基を導入する官能基導入処理を受ける。この
官能基導入により、容器およびその中に収容した接着剤組成物の貯蔵寿命が延長
される。官能基を導入したバリアー層によるステアリン酸障害物のために、容器
を通過する接着性モノマー、および特にはモノマ―蒸気の拡散が低減または排除
されたことにより、貯蔵寿命が延長されると考えられる。
【0037】 本発明の実施態様のバリアー層は、収容される1,1−二置換エチレンモノマ
ーに関して実質的に不活性な、少なくとも1つの後ハロゲン化したポリマーを含
む。したがって、該バリアー層は、容器に液体および蒸気(気体)不浸透特性を
与える。後ハロゲン化した高分子材料により、1,1−二置換エチレンモノマー
組成物を該モノマーまたは容器が顕著に劣化することなく長期に収容することの
できる程度にまで、容器の液体および蒸気不浸透度が増加する。高級アルキル鎖
長α−シアノアクリラートモノマー組成物を含むが、これに限定されない、ある
種の1,1−二置換エチレンモノマー、または安定剤を全く含まないか、もしく
は少量含むモノマー組成物を収容する容器の貯蔵寿命を向上することは、これま
で実現していない。これは、一つには、その多くが安定剤を含有している低級ア
ルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマーは、市販の1,1−二置換エチレン
モノマー接着剤組成物の大部分を含み、かつ他の1,1−二置換エチレンモノマ
ーと同様の深刻な問題をフッ素化されていない高分子容器には引き起こさないと
思われるからである。
【0038】 容器のモノマー接触面上の後ハロゲン化された高分子材料により、容器に収容
された1,1−二置換エチレン接着性モノマーだけでなく、容器の外部に存在す
る液体および蒸気(気体)に対しても同様に容器のバリアー特性が向上する。し
たがって、本発明の実施態様において、容器は、容器内の物質および容器外の物
質の両方に対して、不浸透性であるか、または極わずかの浸透性であることが好
ましい。このバリアー特性の増加により、容器および接着剤の貯蔵寿命が延長さ
れる。高級アルキル鎖長α−シアノアクリラートモノマー(低級アルキル鎖長α
−シアノアクリラートモノマーと比較して)または安定化していないか、もしく
は最小限安定化したα−シアノアクリラートモノマー組成物を保持する高分子樹
脂容器の膨潤性が増加するという、新規に発見された特性の観点からは、このバ
リアー特性の増加が特に重要である。
【0039】 容器の蒸気浸透性は、大部分、容器の製造に使用するポリマーおよび容器内の
組成物により決まる。例えば、α−シアノアクリラート接着性モノマーが容器内
に収容されている場合、HDPEを含む容器の蒸気浸透性は、一般にLLDPE
を含む容器の蒸気浸透性よりも低い。同様に、LLDPEを含む容器の蒸気浸透
性は、一般に低密度ポリエチレン(LDPE)を含む容器の蒸気浸透性よりも低
い。しかし、本発明者らは、HDPEであっても、接着剤製品の貯蔵寿命を延長
することができるような、十分なモノマー液体および気体不浸透性を必ずしも備
えるとは限らないことを発見している。ゆえに、後ハロゲン化されたバリアー層
を備える本容器が開発された。本容器は広範に適用可能であり、かつ多くの異な
る1,1−二置換エチレンモノマー組成物の収容に用いることができる。該1,
1−二置換エチレンモノマー組成物は、実質的に6個より少ない炭素からなるア
ルキル鎖を有するアルキルα−シアノアクリラートモノマー、または安定剤を多
量に含有しない組成物を実質的に含まない1,1−二置換エチレンモノマー組成
物を含むが、これに限定されない。
【0040】 本発明は、各種の高分子材料からなる容器の蒸気浸透性の低減を可能にするが
、当初蒸気浸透性の高い高分子材料を含む容器の蒸気浸透性を低減することのみ
に限定されるものではない。したがって、本発明のこの視点を、例えばHDPE
、LLDPE、LDPEおよび他のポリマー製の容器に適用可能である。
【0041】 実施態様において、本発明の容器は、後フッ素化されたポリマー等の後ハロゲ
ン化されたポリマーを、容器の内表面上、1,1−二置換エチレンモノマーを含
む液体または蒸気組成物と接触する各面上、または容器の全面上に備える。
【0042】 本発明の容器により、低級および/または高級アルキル鎖長を有するα−シア
ノアクリラートモノマーを含むα−シアノアクリラートモノマー組成物等の、1
,1−二置換エチレンモノマー組成物の貯蔵寿命が延長される。また、本発明の
容器により、安定剤を含まないか、または容器の内腔内の単量体材料の早発性重
合を防止するのに十分な量だけの安定剤を含むモノマー組成物の貯蔵寿命も延長
される。膨潤、亀裂またはブルーミング等の容器破損の視覚的証拠を示すことな
く、該容器はこれらのモノマー組成物を長期間収容することができる。
【0043】 特にはα−シアノアクリラートモノマー組成物等の1,1−二置換エチレンモ
ノマー組成物における早発性重合の徴候は、経時的な該組成物の粘度の上昇であ
る。すなわち、組成物が重合するにつれ、組成物の粘度が上昇する。粘度が高く
なりすぎる、すなわち過剰な早発性重合が起きると、組成物は意図した用途に対
して不適当となるか、または適用が非常に困難になる。したがって、組成物の粘
度の変化により評価できるような、組成物の重合または濃化が起きたとしても、
このような変化は、組成物の有用性を破壊する、または顕著に損なうほど広範で
はない。しかし、本発明は、容器にバリアー層を設けることにより、組成物の早
発性重合を低減または防止し、かつ、それによって組成物の粘度に対するより良
い制御を提供する。
【0044】 本発明において好適に使用される後ハロゲン化されたポリマー材料には、少な
くとも1つの既知のハロゲン化法により、後にまたは同時にハロゲン化される容
器の形成に好適な、ハロゲン化処理の容易な、任意の高分子材料が含まれる。該
ハロゲン化処理は、高分子材料を容器材料として使用不可能にするものであって
はならない。後のハロゲン化処理に好適な高分子材料には、ポリオレフィンおよ
び人工樹脂が含まれるが、これに限定されない。
【0045】 好適なポリオレフィンには、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、架橋高密度ポリエチレン(XLPE
)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、極低密度ポリエチレン、および
超低密度ポリエチレン等のポリエチレン(PE);ポリカーボネート(PC);
ポリプロピレン(PP);ポリプロピレンコポリマー(PPCO);ポリアロマ
−(PA);ポリメチルペンテン(PMPまたはTPX);ポリケトン(PK)
;ポリエチレンテレフタレートGコポリマー(PETG)および延伸PETを含
むポリエチレンテレフタレート(PET);ポリスチレン(PS);ポリ塩化ビ
ニル(PVC);ナフタレート;ポリブチレンテレフタレート;熱可塑樹脂エラ
ストマー(TPE);およびこれらの混合物等が含まれるが、これに限定されな
い。前記のポリエチレンの密度の例は次の通りである。LDPE−0.910〜
0.925g/cm、中密度ポリエチレン−0.926〜0.940g/cm 、HDPE−0.941〜0.965g/cm。その他の密度は、ASTM
D 1248(1989年)を参照することにより、通常の技術者により測定
が可能である。
【0046】 本発明の容器は、人工樹脂を含むことができる。人工樹脂の例には、ナイロン
等のポリアミド、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフルホン(PSF
)、これらの混合物および類似のものが含まれるが、これに限定されない。
【0047】 実施態様において、本発明の容器は、得られる混合物が容易にハロゲン化処理
される限り、前記ポリオレフィンの混合物、および/または人工樹脂を含むこと
ができる。
【0048】 本発明の好ましい容器は、後ハロゲン化したポリエチレンを含む。実施態様に
おいて、好ましいポリマーには、LDPE、LLDPE、HDPE、XLPE(
架橋ポリエチレン)またはPETが含まれ、より好ましくはLDPE、LLDP
E、HDPEまたはPETであり、最も好ましくはLDPE、HDPEまたはP
ETである。
【0049】 容器は任意の形状および大きさで作ることができる。寸法特性は、意図する用
途および実用上考慮すべき事項によってのみ制限される。実施態様において、容
器は55ガロン(米)より多くを保持することができる。他の実施態様において
、容器は約55ガロンまで、好ましくは55ガロン、1クォート、または1リッ
トルを保持することができる。実施態様において、容器は1リットルを超えない
、好ましくは約10ミリリットル(ml)までを保持する。好ましい実施態様の
幾つかにおいて、容器は約1.0ml、1.5mlまたは2.0mlまで保持す
ることができる。容器の最小体積は、実際に考慮すべき事項によってのみ制限さ
れる。
【0050】 本発明の容器を単体として作ることができ、また底部、蓋部および分配素子(
例えば、制御された点滴器、注射器、バルブ、スワブ等)等の複数の素子を含ん
でもよい。幾つかの実施態様において、容器の各素子は、同じ高分子材料を含む
。他の実施態様において、各素子は異なる高分子材料を含む。さらに他の実施態
様において、複数の素子は1つの高分子材料を含むが、他の素子は1つまたは複
数の他の高分子材料を含む。多素子容器の各素子は、後ハロゲン化されたポリマ
ーを1つまたはそれ以上含むハロゲン化バリアー層を含むことができるが、必ず
しも必要ではない。好ましい実施態様において、液相または蒸気相の何れかであ
る収容される物質と接触する容器の各素子は、後ハロゲン化されたポリマーを含
む少なくとも1つの面を含む。
【0051】 容器が複数の素子を含む場合の実施態様において、各素子は高分子材料を含む
ことができるが、必ずしも必要ではない。しかし、各容器において、収容された
材料と接触する素子の少なくとも1つを、後ハロゲン化された高分子材料とする
べきである。例えば、高分子材料を含むのに加えて、または含む代わりに、容器
の素子は、金属、ガラス、セラミックス等の材料からなってもよい。同様に、少
なくとも1つの素子が後ハロゲン化された高分子材料で形成される限りは、容器
の他の素子を後ハロゲン化されていないポリマーから形成することができる。一
般に、容器およびその素子を加工するのに用いる材料に対する唯一の限定は、容
器材料の表面が収容される組成物と十分に適合して、組成物が容器またはその素
子と接触している間に、組成物および/または容器に好ましくない影響が広がら
ないようにしなければならない、ということだけである。容器材料が高分子材料
を含む場合の好ましい実施態様において、少なくとも内表面は本発明の後ハロゲ
ン化されたポリマーを含む。
【0052】 ハロゲン化された表面またはバリアー層は、容器マトリックスと一体となって
もよく、または容器マトリックス上に積層として存在してもよい。ハロゲン化さ
れた表面またはバリアー層が別の材料を覆って、後ハロゲン化されたポリマーの
積層として形成されている場合の実施態様において、他方の材料は容器の形成に
好適な任意の他の物質とすることができるが、やはり高分子材料であることが好
ましい。他方の材料が高分子材料である場合、他方の材料を、前記のポリオレフ
ィン、ハロゲン化された炭化水素および/または人工樹脂のいずれも含む、任意
の好適な高分子材料とすることができる。後述の通り、次いでハロゲン化されて
いない高分子材料をハロゲン化することにより、ハロゲン化された表面またはバ
リアー層を形成することが好ましい。ハロゲン化されたバリアー層が容器マトリ
ックスと一体となっている場合の実施態様において、好適な高分子材料をハロゲ
ン化処理している間に、バリアー層を形成してもよい。当業者に既知の種々のハ
ロゲン化法の何れも使うことができる。こうした技術の中には、米国特許第5,
693,283号、同5,691,016号および同5,770,135号に開
示されている方法が含まれる。これら全体を参照により、これらの開示全体をこ
こに組み入れる。
【0053】 ハロゲン化処理により、ポリマー材料の実質的に表面上だけでポリマー材料の
ハロゲン化をすることができる。すなわち、ハロゲン原子は、主として表面でポ
リマーマトリックス内に沈着し、少なくとも一部の厚さのポリマーマトリックス
(すなわち内表面)を実質的にハロゲン化しないままにしておく。したがって、
ハロゲン原子の大部分がポリマー材料の露出面上に位置し、ポリマーマトリック
スの深さが増すにつれて存在するハロゲン原子も減少するように、処理によりポ
リマーマトリックスをハロゲン化する。
【0054】 実施態様において、本方法は、高分子容器を製造し、ハロゲン化すなわち少な
くとも容器の内表面上で高分子材料を(高分子材料を容器の形状に成形する前、
間または後の何れかの時点で)後ハロゲン化(フッ素化または塩素化等)し、1
,1−二置換エチレンモノマー組成物を容器内に分配し、かつ随意に容器を密封
することを含む。このような過程の間、容器(または容器の素子)の少なくとも
1つの面を、液状、ガス状またはプラズマ状等のフッ素含有源にさらす。短時間
に、フッ素化の間に、フッ素は接触可能な(表面)ポリマー分子を攻撃し、かつ
ポリマー幹に付いた陽子を置換する。成形の間にハロゲン化が起きる場合、フロ
ン含有ガスまたは塩素含有ガス等の好適なハロゲン源を用いることによって、容
器のブロー成形を達成することができる。ブロー成形法の中には、射出ブロー成
形および押出ブロー成形が含まれる。1,1−二置換エチレン組成物は、ついで
成形された容器内に分配される。
【0055】 実施態様において、本方法はさらに、1,1−二置換エチレンモノマー組成物
を、容器内に分配する前または後の何れかに該組成物滅菌することを含む。
【0056】 したがって、本発明により、1,1−二置換エチレンモノマー組成物の貯蔵寿
命を延長する容器、および1,1−二置換エチレンモノマー組成物を保持する容
器の製造方法が得られる。該容器は、1,1−二置換エチレンモノマー組成物を
長期間収容しても、容器の膨潤等の視覚的な破損の徴候が検出できなくすること
が可能である。
【0057】 フッ素化処理により、少なくとも高分子マトリックスの内表面に存在するポリ
マーを化学的に変性して、マトリックスの表面上にフッ素化したポリマーの薄層
が形成されると考えられる。この薄層により、次いで表面エネルギーが減少し、
かつその結果としてモノマー組成物による容器表面の濡れがより少なくなる。
【0058】 前記の説明は高分子材料のフッ素化に焦点を当てたが、ホウ素化、ヨウ素化、
アスタチン化および好ましくは塩素化を含む他のハロゲン化方法を、請求の範囲
に記載した発明に従い、有利に用いることができる。塩素化および他のハロゲン
化法も当業では一般に知られており、本発明による容器にハロゲン化された層を
設けるのに、容易に適応することができる。塩素化された層も所望のバリアー特
性を備え、容器を通過するモノマーの浸透を低減し、かつ水蒸気等の物質の、外
部から容器内への浸透も低減すると考えられる。
【0059】 本発明の実施例において、前記した後ハロゲン化処理を、容器を形成する高分
子材料の異なる官能基導入処理に置換すること、および/または該後ハロゲン化
処理に該官能基導入処理を追加することができる。このような官能基導入により
、例えば、SOH基、カルボン酸(COH)基、CONR基(R基は同じ
または異なる基とすることができる)、COR基、COX基またはSOX基
(Xはハロゲンであり、特にはフッ素または塩素)、およびスルホンアミド基等
を容器のモノマーと接触する面に導入することができる。また、スルホンアミド
基は、未置換(SONH)または置換(SONR。式中、R基はHを含
むことができ、かつ同じまたは異なる基とすることができる)とすることができ
る。
【0060】 SOH基をポリマー材料に導入することは、例えば所望の容器面をオレウム
、すなわち発煙硫酸(SOとHSOの組み合わせ)と接触させることによ
り、容易に達成できる。容器表面への官能基導入の量または程度を、例えば接触
時間の長さおよび使用するオレウムの濃度を変えることにより、制御することが
できる。例えば、接触時間および/または濃度が増加すると、一般に官能基導入
度も同様に増加するであろう。
【0061】 所望により、容器表面をさらに変性させて、ポリマー表面上にある官能基を変
えることができる。例えば、SOH官能基を、五塩化リンまたは五フッ化リン
等の好適な薬剤でさらに処理することにより、SOClまたはSOF等のS
X官能基に容易に転換することができる。続いて、これらの官能基を、水酸
化アンモニウム等の好適な薬剤でさらに処理することにより、スルホンアミド(
SONHまたはSONR。式中、Rは任意の好適な置換された、または
置換されていない有機ラジカル)等の他の官能基に転換することができる。
【0062】 同様の方法で、カルボン酸官能基を、例えばポリマー表面を酸化することによ
り、高分子材料上に容易に導入することができる。例えば、ポリマー表面を、C
rOと硫酸の混合物と接触させることにより、酸化することができる。この場
合も、前記の通り、容器表面の官能基導入の量または程度を、例えば接触時間の
長さおよび使用する反応剤の濃度を変えることにより、制御することができる。
【0063】 ポリマー表面の官能基導入に関する種々の方法は、例えば以下の中で説明され
ている。D.E. Bergreiterら、「Hyperbranched Poly(Acrylic Acid) Grafts as
Substrates for Synthesis of Functionally Elaborated Surfaces」、Polym. P
repr. (Amer. Chem. Soc., Div. Polym. Chem.)、40(1)、395〜396頁、1999年。
D.E. Bergreiterら、「Annealing and Reorganization of Sulfonated Polyethy
lene Films to Produce Surface-Modified Films of Varying Hydrophilicity」
、JACS、113、1447〜1448頁、1991年。J.C. Ericssonら、「Characterization o
f KmnO4/H2SO4-Oxidized Polyethylene Surfaces by Means of ESCA and 45Ca2+ Adsorption」、J. Colloid & Interface Sci.、100、381〜392頁、1984年。D.E
. Bergreiterら、「Polyethylene Surface Chemistry」、Prog. Polym. Sci.、1
9、529〜560頁、1994年。D.A. Olsenら、「Surface Modification of Polyethyl
ene Surface」、J. Polymer Sci.、Part A-1、1913〜1932頁、1969年。これらの
文献の全ての開示を、参照によりここに組み入れる。
【0064】 容器材料が前記のハロゲン化以外の処理により官能基を導入されている場合の
実施態様において、任意の好適な容器材料を用いることができる。例えば、ハロ
ゲン化した、および/またはハロゲン化していないポリマーを含む、任意の前記
の高分子材料から容器を形成することができる。低密度ポリエチレン(LDPE
)等の、ポリエチレンを基礎とするポリマーが特に好ましい。
【0065】 前記の方法により、1,1−二置換エチレンモノマーに対する長期保存寿命を
備えた容器が得られる。したがって、本発明により、1,1−二置換モノマー組
成物を、容器またはモノマー組成物を損なうことなく、長期間に渡り貯蔵する方
法も得られる。実施態様において、容器がモノマー組成物を収容できる期間は、
少なくとも1年である。好ましくは、この期間は少なくとも18ヶ月であり、よ
り好ましくは、少なくとも24ヶ月または30ヶ月である。
【0066】 本発明により得られた、別の予期せぬ利益としては、前記の後ハロゲン化また
は官能基導入処理を行った容器内に収容された1,1−二置換エチレンモノマー
組成物の安定性が向上することである。前記して説明した通り、ハロゲン化によ
り、容器のポリマー陽子がハロゲン原子により置換される。ハロゲン化処理の実
施において、過剰のハロゲンを、置換を最大限にするためにハロゲン化チャンバ
ー内に導入する。処理の終了時に、ポリマーマトリックス内には過剰なハロゲン
が残っている。適切な条件下において、この過剰なハロゲンは、置換された陽子
と結合してフッ酸または塩酸等の酸を形成することができる。これらの酸は容器
マトリックス内に残留する。同様にして、酸化等の、種々の官能基導入処理によ
り、ポリマー表面に酸官能基を導入することができる。これらの酸官能基は、次
いで容器に収容されたモノマーと接触する位置にある。
【0067】 1,1−二置換エチレンモノマー組成物を、この酸性化された容器内に分配し
た後、酸により2つの安定化効果が得られると考えられる。第一に、酸は徐々に
ポリマーマトリックスから出て、容器内に収容された組成物内に拡散する。酸は
、組成物の酸性安定剤として作用する(すなわち、酸は1,1−二置換エチレン
モノマーの早発性重合を抑制する)。第二に、高分子樹脂内の酸は、マトリック
ス内に浸透した、いかなる単量体種に対しても安定剤として作用する。よって、
単量体種がマトリックスを移動する間で、容器の外部に到達するまでの間、酸に
より単量体種が安定し、容器マトリックスの膨潤をより少なくする。したがって
、両方の効果で、フッ素化されたバリアーだけの貯蔵寿命より、酸によって貯蔵
寿命がなお一層長くなる。
【0068】 さらに、容器内に酸が存在することにより、他の方法では単量体組成物に添加
する必要があったかもしれない、付加的な安定剤の量を減らすことができるとい
う、別の予期せぬ利益が得られる。前記の通り、幾つかの安定剤により、安定剤
の組織に対する有害な影響という問題が起き、かつ場合によっては安定剤の毒性
という問題が生じる。医療用途においては、組成物および全ての添加成分のいか
なる毒性または有害な影響をも低減することが特に必要である。したがって、酸
が存在すると同時に容器壁の浸透性が低いことにより、処理によって単量体組成
物の安定性が増加するので、組成物に添加される他の安定剤の量を減らすか、ま
たは排除することさえできる。
【0069】 無論、ハロゲン化処理の完了後にパージ操作を行うことは、ハロゲン化処理技
術においては既知である。このようなパージ操作は、一般に残留フリーラジカル
ハロゲン含有ガスまたは他の反応性種を反応チャンバーから追い出すために行わ
れる。しかし、このパージ操作は、一般に、容器壁内に組み込まれ、捕捉され、
および/または溶解された自由ハロゲン、または含ハロゲン酸を除去しない。し
たがって、本発明により、このようなパージ操作を行う場合でも、容器を酸性化
し、かつ前記の安定性を得るために容器内の残留ハロゲン種を残すことが有利で
ある。よって、本発明の実施態様によると、このような残留ハロゲン種を除去す
る任意の随意的後処理を行うことは好ましくない。
【0070】 このように残留ハロゲンから酸を形成することにより、本発明の後ハロゲン化
された高分子材料が、従来のフッ化炭素または他のハロカーボンからさらに差別
化されると考えられる。すなわち、従来のハロカーボンは、単量体組成物の安定
化に影響を及ぼす酸を形成するための有効量で、残留ハロゲンを含有していない
と考えられる。対照的に、本発明の後ハロゲン化した高分子材料、特に過剰のハ
ロゲン種を有する高分子材料により、前述のように、反応して酸を形成すること
のできる残留ハロゲンの存在を招く。
【0071】 酸性化された容器により得られる利点は、容器を反復使用のために設計した場
合にも見られる。従来、空気にさらされた際のα−シアノアクリラートの反応性
のため、α−シアノアクリラート組成物の反復分配用の容器を設計することは困
難であった。典型的には、空気中の湿気にさらされると、α−シアノアクリラー
ト接着剤は重合を開始する。例えば、α−シアノアクリラートがそれを収容する
のに用いたボトルのねじ山と接触するに至ると、蓋の交換時に、ボトルは永久に
密封されやすい。しかし、フッ酸または塩酸等の、容器マトリックス内に存在す
る酸が、徐々に容器から拡散し、かつボトル/蓋のねじ山上に存在するモノマー
の重合を抑制する陰イオン抑制剤として作用するので、本発明の容器は、この望
ましくない永久封着特性を示さないと考えられる。また、重合抑制効果は、1,
1−二置換エチレンモノマーに対して、後ハロゲン化されたポリマーの不活性度
が増加することによる可能性もある。
【0072】 本発明の実施態様において、完全に自動化することのできる連続工程内で、容
器を作り、フッ素化し、および/またはフッ素化せず、かつ1,1−二置換エチ
レンモノマーを充填する。この完全自動化工程は無菌的に実施することができ、
工業用途および医療用途の両方に使用可能な接着剤の無菌密閉容器を製造するこ
とができる。
【0073】 モノマー組成物は、好ましくは単量体(プレポリマー体を含む)1,1−二置
換エチレンモノマー接着剤組成物である。実施態様において、モノマーはα−シ
アノアクリラートである。本発明の好ましいモノマー組成物、およびそれらから
作られたポリマーは、組織接着剤として、止血または開いた傷を覆うための封止
剤として、および他の吸収性および非吸収性の生物医学的用途において有用であ
る。これらは、例えば、外科的な切開または外的に切り裂かれた組織の結合、傷
からの出血の遅延、薬物移送、やけどの手当、皮膚または他の表層もしくは表面
部分の傷(例えば、擦過傷、擦りむけもしくは生の皮膚、および/または口内炎
)の手当、ヘルニア治療、生組織の修復および再成長の補助に使用される。本発
明の他の好ましいモノマー組成物、およびそれから形成されるポリマーは、工業
用途および家庭用途、例えば、結合ゴム、プラスチック、木材、複合材料、織物
、ならびに他の天然および合成材料に有用である。
【0074】 本発明で使用することのできるモノマーは、容易に重合可能で、例えば、アニ
オン重合可能、フリーラジカル重合可能、または両性イオンもしくはイオン対重
合可能で、ポリマーを形成するものである。このようなモノマーには、必ずしも
必要ではないが、生分解するポリマーを形成するものが含まれる。このようなモ
ノマー、およびこのようなモノマーを含む組成物は、例えば、ルング(Leung)
らの米国特許第5,328,687号、および同時係属中の米国特許出願第09
/099,457号明細書に開示されている。この両者を、参照により全体をこ
こに組み入れる。
【0075】 本発明において有用な1,1−二置換エチレンモノマーには、次式で表される
モノマーが含まれるが、これに限定されない。 (I) HRC=CXY ここで、XおよびYは、それぞれ強力な電子求引基であり、RはH、−CH=C
、または、XおよびYが共にシアノ基である場合には、C乃至Cのアル
キル基である。
【0076】 式(I)の範囲に含まれるモノマーの例には、α−シアノアクリラート、ビニ
リデンシアニド、ビニリデンシアニドのC乃至Cのアルキル同族体、ジアル
キルメチレンマロナート、アシルアクリロニトリル、ビニルスルフィナートおよ
び式CH=CX’Y’のスルホン酸ビニル(式中、X’は−SOR’または
−SOR’であり、Y’は−CN、−COOR’、−COCH、−SO
’または−SOR’であり、R’はH、またはヒドロカルビルである)が含ま
れる。
【0077】 本発明に用いる式(I)で表される好ましいモノマーは、α−シアノアクリラ
ートである。これらのモノマーは当業者には知られており、次式で表される。
【化1】 ここで、Rは水素であり、Rはヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカル
ビル基;式−R−O−R−O−Rで表される基であり、Rは2乃至4個
の炭素原子を有する1,2−アルキレン基、Rが2乃至4個の炭素原子を有す
るアルキレン基、およびRが1乃至6個の炭素原子を有するアルキル基;また
は式
【化2】 で表される基であり、R
【化3】 で表され、nが1乃至10個、好ましくは1乃至5個の炭素原子で、Rが有機
部である。
【0078】 好適なヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基の例には、1乃至16個
の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基;アシルオキシ基、ハロアルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはハロアルキル基で置換され
た直鎖または分岐鎖C乃至C16アルキル基;2乃至16個の炭素原子を有す
る直鎖または分岐鎖アルケニル基;2乃至12個の炭素原子を有する直鎖または
分岐鎖アルキニル基;シクロアルキル基;アラルキル基;アルキルアリール基;
およびアリール基が含まれる。
【0079】 有機部Rを置換してもよく、未置換でもよく、また直鎖、分岐鎖、または環
式、飽和、不飽和または芳香族であってもよい。このような有機部の例には、C 乃至Cアルキル部、C乃至Cアルケニル部、C乃至Cアルキニル部
、C乃至C12環式脂肪族部、フェニルおよび置換フェニル等のアリール部、
ならびにベンジル、メチルベンジルおよびフェニルエチル等のアラルキル部が含
まれる。他の有機部には、ハロ(例えば、クロロ、フルオロおよびブロモ置換炭
化水素)およびオキシ(例えば、アルコキシ置換炭化水素)置換炭化水素部等の
、置換炭化水素部が含まれる。好ましい有機ラジカルとしては、アルキル、アル
ケニルおよびアルキニル部である。
【0080】 式(II)のシアノアクリラートモノマーにおいて、Rは、好ましくは1乃
至16個の炭素原子を有するアルキル基または式−AORで表される基であり
、式中Aが1乃至8個の炭素原子を有する2価の直鎖または分岐鎖アルキレン部
またはオキシアルキレン部であり、R が1乃至16個の炭素原子を有する直
鎖または分岐鎖アルキル部である。
【0081】 式−AORで表される基の例には、1−メトキシ−2−プロピル、2−ブト
キシエチル、イソプロポキシエチル、2−メトキシエチルおよび2−エトキシエ
チルが含まれる。
【0082】 本発明において用いる好ましいα−シアノアクリラートモノマーには、2−オ
クチルシアノアクリラート、ドデシルシアノアクリラート、2−エチルヘキシル
シアノアクリラート、ブチルシアノアクリラート、メチルシアノアクリラート、
3−メトキシブチルシアノアクリラート、2−ブトキシエチルシアノアクリラー
ト、2−イソプロポキシエチルシアノアクリラートまたはl−メトキシ−2−プ
ロピルシアノアクリラートが含まれる。
【0083】 式(II)のα−シアノアクリラートを、当業で既知の方法により調製するこ
とができる。米国特許第2,721,858号および同第3,254,111号
は、α−シアノアクリラートを調製する方法を開示している。これらの全体を参
照によりそれぞれをここに組み入れる。例えば、α−シアノアクリラートを、シ
アノ酢酸アルキルとホルムアルデヒドとを非水性有機溶媒中で塩基性触媒の存在
下で反応させ、次いで無水中間ポリマーを重合抑制剤の存在下で熱分解すること
により、調製することができる。低水分含量で、かつ実質的に不純物のない状態
に調製したα−シアノアクリラートモノマーは、生物医学的用途に好ましい。
【0084】 R が式−R−O−R−O−Rまたは式−R−O−Rで表される
基である、式(II)のα−シアノアクリラートを、キムラ(Kimura)らの米国
特許第4,364,876号に開示された方法により調製することができる。こ
れを参照により全体をここに組み入れる。キムラらの方法において、α−シアノ
アクリラートは次のようにして調製される。すなわち、シアノ酢酸をアルコール
でエステル化するかまたはシアノ酢酸アルキルとアルコールとをエステル交換反
応させることにより、シアノアセテートを作り、シアノアセテートとホルムアル
デヒドまたはパラホルムアルデヒドとを触媒の存在下で0.5乃至1.5対1、
好ましくは0.8乃至l.2対1のモル比で縮合させて、縮合物を得、縮合反応
混合物を、直接、または縮合触媒を除去した後に解重合して、粗製のシアノアク
リラートを得、および粗製のシアノアクリラートを蒸留して高純度のシアノアク
リラートを生成することにより、α−シアノアクリラートを調製する。
【0085】 Rが、式
【化4】 で表される基である、式(II)のα−シアノアクリラートを、クロネンタール
(Kronenthal)らの米国特許第3,995,641号に開示された方法により調
整することができる。これを参照により全体をここに組み入れる。クロネンター
ルらの方法において、α−シアノアクリル酸のアルキルエステルと環式1,3−
ジエンとを反応させて、ディールス−アルダー付加物を生成し、これを次にアル
カリで加水分解し、その後酸性化して、対応するα−シアノアクリル酸付加物を
生成することにより、このようなα−シアノアクリラートモノマーを調製する。
α−シアノアクリル酸付加物を、ブロモ酢酸アルキルによりエステル化して、対
応するカルバルコキシメチルα−シアノアクリラート付加物を得るのが好ましい
。あるいはまた、α−シアノアクリル酸付加物を、塩化チオニルとの反応により
、ハロゲン化α−シアノアクリリル付加物に転化することができる。次に、この
ハロゲン化α−シアノアクリリル付加物を、ヒドロキシ酢酸アルキルまたはメチ
ル置換ヒドロキシ酢酸アルキルと反応させて、それぞれ対応するカルバルコキシ
メチルα−シアノアクリラート付加物またはカルバルコキシアルキルα−シアノ
アクリラート付加物を得る。最後に、環式1,3−ジエン保護基を除去し、カル
バルコキシメチルα−シアノアクリラート付加物またはカルバルコキシアルキル
α−シアノアクリラート付加物を、対応するカルバルコキシアルキルα−シアノ
アクリラートに、付加物をわずかに不足する量の無水マレイン酸の存在下で加熱
することにより、転化する。
【0086】 式(II)のモノマーの例には、シアノペンタジエノエートおよび次式のα−
シアノアクリラートが含まれる。
【化5】 式中、Zは−CH=CHであり、Rは前記の通りである。Rが1乃至10
個の炭素原子を有するアルキル基である、式(III)でのモノマー、すなわち
2−シアノペンタ−2,4−ジエノン酸エステルを、適当な2−シアノアセテー
トとアクロレインとを、塩化亜鉛等の触媒の存在下で反応させることにより、調
製することができる。2−シアノペンタ−2,4−ジエノン酸エステルを調製す
るこの方法は、例えば米国特許第3,554,990号に開示されており、これ
を参照により全体をここに組み入れる。
【0087】 特に有用なα−シアノアクリラート接着剤組成物としては、同時係属米国特許
出願第09/099,457号および同08/488,411号に開示された組
成物であり、この全体を参照によりこの開示をここに組み入れる。
【0088】 また、組成物は、随意的に、モノマーから形成したポリマーに可撓性を付与す
る、少なくとも1つの可塑剤を含む。可塑剤は、水分をほとんどまたは全く含ま
ないのが好ましく、モノマーの安定性または重合に顕著に影響を与えるべきでは
ない。このような可塑剤は、重合された組成物において、創傷、切り口、擦傷、
ただれを閉じたり覆ったりするのに、または接着剤の可撓性が望ましい他の用途
に用いるのに有用である。幾つかの増粘剤も、ポリマー、例えばポリ−2−エチ
ルヘキシルシアノアクリラートに可撓性を付与する。
【0089】 好適な可塑剤の例には、クエン酸アセチルトリブチル、セバシン酸ジメヂル、
リン酸トリエチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリ(p−クレ
シル)、トリ酢酸グリセリル、トリブチル酸グリセリル、セバシン酸ジエチル、
アジピン酸ジオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウ
リル酸、トリメリット酸トリオクチル、グルタル酸ジオクチルおよびこれらの混
合物が含まれる。好ましい可塑剤としては、クエン酸トリブチルおよびクエン酸
アセチルトリブチルである。実施態様において、好ましい可塑剤には、ポリエチ
レングリコール(PEG)エステルおよびキャップドPEGエステルまたはエー
テル、グルタル酸ポリエステルおよびアジピン酸ポリエステル等の高分子可塑剤
が含まれる。
【0090】 約0.5重量%乃至約25重量%の範囲、または約1重量%乃至約20重量%
の範囲、または約3重量%乃至約15重量%の範囲、または約5重量%乃至約7
重量%の範囲の量で可塑剤を加えることにより、可塑剤を含まない重合されたモ
ノマーよりも、重合されたモノマーの伸びおよび強度が増す。
【0091】 また、組成物は、随意に少なくとも1つのチキソトロープ剤を含んでもよい。
好適なチキソトロープ剤は当業者に知られており、シリルイソシアナートで処理
されたシリカゲル等のシリカゲルを含むが、これに限定されない。好適なチキソ
トロープ剤の例としては、例えば米国特許第4,720,513号に開示されて
おり、この全体の参照によりこの開示をここに組み入れる。
【0092】 また、組成物は、随意に耐衝撃性を付与するために少なくとも1つの天然ゴム
または合成ゴムを含んでもよい。これは、特に本発明の工業的組成物に対して好
ましい。好適なゴムは当業者に知られている。このようなゴムには、ジエン、ス
チレン、アクリロニトリル、およびこれらの混合物が含まれるが、これに限定さ
れない。好適なゴムの例は、例えば、米国特許第4,313,865号および同
第4,560,723号に開示されており、この全体の参照によりこの開示をこ
こに組み入れる。
【0093】 また、組成物は、随意に重合を抑制する少なくとも1つの安定剤を含んでもよ
い。このような安定剤には、陰イオン系安定剤とラジカル安定剤との混合物も含
んでもよい。モノマーの所望の重合を抑制しない限り、いかなる安定剤の混合物
も含まれる。
【0094】 このような好適な陰イオン系安定剤の例には、二酸化硫黄、硫酸、スルホン酸
、三フッ化ホウ素、酢酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、フッ化水素、トリフルオ
ロ酢酸、ピクリン酸、トリクロロ酢酸、安息香酸およびこれらの混合物が含まれ
るが、これに限定されない。好ましくは、これらの陰イオン系安定剤は、酢酸等
の有機酸の酸性安定剤である。実施態様において、酢酸および/または安息香酸
の量は、約50乃至2000ppmである。好適なラジカル安定剤の例には、ヒ
ドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール、ベ
ンゾキノン、2−ヒドロキシベンゾキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチ
ルカテコール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシ
トルエン(BHT)、t−ブチルヒドロキノン、およびこれらの混合物が含まれ
る。実施態様において、BHA等の安定剤の量は、約100乃至200,000
ppm、好ましくは300乃至100,000ppm、より好ましくは500乃
至20,000ppmである。
【0095】 好適な酸性安定剤には、−12乃至−7、約−5乃至約7、好ましくは約−3
.5乃至約6の領域の水性pKイオン化定数を有するものが含まれる。例えば
、好適な酸性の安定化剤には、次のものが含まれる。:硫化水素(pKa 7.
0)、炭酸(pKa 6.4)、トリアセチルメタン(pKa 5.9)、酢酸(
pKa 4.8)、安息香酸(pKa 4.2)、2,4−ジニトロフェノール(
pKa 4.0)、ギ酸(pKa 3.7)、亜硝酸(pKa 3.3)、フッ酸
(pKa 3.2)、クロロ酢酸(pKa 2.9)、リン酸(pKa 2.2)
、ジクロロ酢酸(pKa 1.3)、トリクロロ酢酸(pKa 0.7)、2,4
,6−トリニトロフェノール(ピクリン酸)(pKa 0.3)、トリフルオロ
酢酸(pKa 0.2)、硫酸(pK −3.0)、亜硫酸およびこれらの混
合物。
【0096】 前記の酸性安定剤を接着剤組成物に加える場合、可塑剤を約0.5重量%乃至
約16重量%、好ましくは約3重量%乃至約9重量%、およびより好ましくは約
5重量%乃至約7重量%の範囲の量で加えることにより、可塑剤を含まない重合
されたモノマーよりも、重合されたモノマーの伸びおよび強度が増す。
【0097】 用いる酸性安定剤の濃度は、酸の強度により変化してよい。例えば、酢酸を用
いる場合、80乃至200ppm(重量/重量)、好ましくは90乃至180p
pm(重量/重量)、およびより好ましくは100乃至150ppm(重量/重
量)の濃度を用いることができる。リン酸等のより強い酸を用いる場合、20乃
至80ppm(重量/重量)、好ましくは30乃至70ppm(重量/重量)、
およびより好ましくは40乃至60ppm(重量/重量)の範囲の濃度を用いる
ことができる。実施態様において、トリフルオロ酢酸の量は、約100乃至30
00ppm、好ましくは500乃至1500ppmである。他の実施態様におい
て、リン酸の量は、約10乃至200ppm、好ましくは約50乃至150pp
m、およびより好ましくは約75乃至125ppmである。
【0098】 本発明の医療組成物はまた、ポリマーの生体内生分解中に発生する活性ホルム
アルデヒドの濃度レベルを減らすのに有効な少なくとも1つの生体適合性薬剤(
またここでは「ホルムアルデヒド濃度低下剤」と呼ぶ)を含んでもよい。好まし
くは、この成分は、ホルムアルデヒドスカベンジャー化合物である。本発明にお
いて有用なホルムアルデヒドスカベンジャー化合物の例には、亜硫酸塩;亜硫酸
水素塩;亜硫酸塩と亜硫酸水素塩との混合物;亜硫酸アンモニウム塩;アミン;
アミド;イミド;ニトリル;カルバメート;アルコール;メルカプタン;タンパ
ク質;アミンとアミドとタンパク質との混合物;環式ケトンおよびb−ジカルボ
ニル基を有する化合物等の活性メチレン化合物;ならびにカルボニル基を持たず
、NH基を持つ複素環式化合物であって、環が窒素原子または炭素原子で構成さ
れ、環が不飽和であるか、またはフェニル基と縮合している場合には、不飽和で
あるかまたは飽和であり、NH基が炭素原子または窒素原子に結合しており、こ
の原子は他の炭素原子または窒素原子に二重結合により直接結合している複素環
式化合物が含まれる。
【0099】 本発明においてホルムアルデヒドスカベンジャー化合物として有用な亜硫酸水
素塩および亜硫酸塩には、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩等のアル
カリ金属塩、およびアンモニウム塩、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素
カリウム、亜硫酸水素リチウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウムおよび亜硫酸アンモニウム等、が含まれる。
【0100】 本発明において有用なアミンの例には、脂肪族アミンならびにアニリン、ベン
ジジン、アミノピリミジン、トルエンジアミン、トリエチレンジアミン、ジフェ
ニルアミン、ジアミノジフェニルアミン、ヒドラジンおよびヒドラジド等の芳香
族アミンが含まれる。
【0101】 好適なタンパク質には、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク質、
植物タンパク質、ケラチンおよび膠が含まれる。本発明において用いるのに好ま
しいタンパク質はカゼインである。
【0102】 本発明において用いるのに好適なアミドには、尿素、シアナミド、アクリルア
ミド、ベンズアミドおよびアセトアミドが含まれる。尿素が好ましいアミドであ
る。
【0103】 好適なアルコールには、フェノール、1,4−ブタンジオール、d−ソルビト
ールおよびポリビニルアルコールが含まれる。
【0104】 b−ジカルボニル基を有する好適な化合物の例には、マロン酸、アセチルアセ
トン、エチルアセトン、アセテート、マロンアミド、マロン酸ジエチルまたは他
のマロン酸エステルが含まれる。
【0105】 本発明において用いるのに好ましい環式ケトンには、シクロヘキサノンまたは
シクロペンタノンが含まれる。
【0106】 本発明においてホルムアルデヒドスカベンジャーとして用いるのに好適な複素
環式化合物の例は、例えば、ペリーの米国特許第4,127,382号に開示さ
れており、この全体をここに参照により組み入れる。このような複素環式化合物
には、例えば、ベンゾイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、2−メチ
ルベンゾイミダゾール、インドール、ピロール、1,2,4ートリアゾール、イ
ンドリン、ベンゾトリアゾール、およびインドリン等が含まれる。
【0107】 本発明において用いるのに好ましいホルムアルデヒドスカベンジャーは、亜硫
酸水素ナトリウムである。
【0108】 本発明を実施するにあたり、ホルムアルデヒド濃度低下剤を有効量でシアノア
クリラートに加える。「有効量」とは、重合したシアノアクリラートのその後の
生体生分解中に生ずるホルムアルデヒドの量を低下させるのに十分な量である。
この量は、活性ホルムアルデヒド濃度低下剤の種類により決まり、当業者が過度
な実験をせずに容易に決定することができる。
【0109】 ホルムアルデヒド濃度低下剤を、本発明において、遊離形態またはマイクロカ
プセル封入形態のいずれかで用いることができる。マイクロカプセル封入する場
合には、ホルムアルデヒド濃度低下剤は、シアノアクリラート重合体の生体内生
分解中に、マイクロカプセルから長期間にわたり連続的に放出される。
【0110】 本発明の目的のためには、マイクロカプセル封入形態のホルムアルデヒド濃度
低下剤が好ましい。なぜなら、この実施態様では、シアノアクリラートモノマー
の重合が、ホルムアルデヒド濃度低下剤により抑制されるかまたは実質的に低減
され、これにより、貯蔵寿命が向上し、使用中のモノマー組成物の取扱いが容易
になるからである。
【0111】 ホルムアルデヒドスカベンジャーのマイクロカプセル封入を、多くの既知のマ
イクロカプセル封入法により達成することができる。例えば、マイクロカプセル
封入を、コーティングポリマーを揮発性溶媒、例えば塩化メチレンに、ポリマー
濃度が約6重量%となるように溶解し、ホルムアルデヒドスカベンジャー化合物
を粒状の形態でコーティングポリマー/溶媒溶液に攪拌しながら加えて、18重
量%のスカベンジャー濃度を得、界面活性剤含有鉱物油溶液をポリマー溶液に急
速に攪拌しながら徐々に加え、攪拌しながら揮発性溶媒を蒸発させ、攪拌器を取
り出し、固体を鉱物油から分離し、かつ微粒子を洗浄し、乾燥することにより、
実施することができる。微粒子の大きさは、約0.001乃至約1000ミクロ
ンの範囲であろう。
【0112】 ホルムアルデヒド濃度低下剤をマイクロカプセル封入するための被覆ポリマー
は、好ましくはモノマーにより形成したシアノアクリラートポリマーと同様また
はこれより高い速度で、生体内で生物腐食を受けるポリマーであるべきで、かつ
低い固有含水率であるべきである。このような生物腐食は、封入物質の物理的ま
たは化学的分解の結果、例えば体液の存在下での封入物質の固体から溶質への移
行、または体内に存在する物質による封入物質の生分解により生じことがある。
【0113】 ホルムアルデヒド濃度低下剤をマイクロカプセル封入するのに用いることがで
きる被覆物質の例には、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ−1,4−ジオクサ
−2−オン、ポリオクサラート、ポリカーボネート、ポリグリコール酸とポリ乳
酸との共重合体、ポリカプロラクトン、ポリ−b−ヒドロキシブチラート、イプ
シロン−カプロラクトンとデルタ−バレロラクトンとの共重合体、イプシロン−
カプロラクトンとDL−ジラクチドとの共重合体等のポリエステル、およびポリ
エステルヒドロゲル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ゼラチン、アルブミ
ン、タンパク質、コラーゲン、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水物)、ポリ
(アルキル−2−シアノアクリラート)、ポリ(ジヒドロピラン)、ポリ(アセ
タール)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ジオキシノン)、
セルロース、およびデンプンが含まれる。
【0114】 鉱物油に加えることができる界面活性剤の例には、トリトンX−100TM(ロ
ームアンドハアス社)(オクトキシノール)、ツィーン20TM(ICIアメリカ
社)(ポリソルベート)およびツィーン80TM(ICIアメリカ社)(ポリソル
ベート)の名称で市販されているものが含まれる。
【0115】 本発明の組成物は、増粘剤、薬剤等の1つまたはそれ以上の補助剤をさらに含
み、具体的医療用途に対してモノマーの医療的有用性を向上させてもよい。
【0116】 好適な増粘剤には、例えば、ポリシアノアクリラート、ポリ乳酸、ポリ−1,
4−ジオクサ−2−オン、ポリオクサラート、ポリグリコール酸、乳酸−グリコ
ール酸共重合体、ポリカプロラクトン、乳酸−カプロラクトン共重合体、ポリ−
3−ヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル、ポリアルキルアクリラート、ア
ルキルアクリラートと酢酸ビニルとの共重合体、ポリアルキルメタクリラート、
およびアルキルメタクリラートとブタジエンとの共重合体が含まれる。アルキル
メタクリラートとアクリラートとの例としては、ポリ(2−エチルヘキシルメタ
クリラート)とポリ(2−エチルヘキシルアクリラート)、またポリ(ブチルメ
タクリラート)とポリ(ブチルアクリラート)、またポリ(ブチルメタクリラー
ト−コ−メチルアクリラート)等の種々のアクリラートとメタクリラートモノマ
ーの共重合体である。
【0117】 本発明の組成物から形成した接着剤の粘着力を改善するために、二官能価モノ
マー架橋剤を、本発明のモノマー組成物に加えてもよい。このような架橋剤は既
知である。オーバーハルツ(Overhults)の米国特許第3,940,362号は
、このような架橋剤を開示している。これを参照によりこの全体をここに組み入
れる。好適な架橋剤の例には、アルキルビス(2−シアノアクリラート)、トリ
アリルイソシアヌラート、アルキレンジアクリラート、アルキレンジメタクリラ
ート、トリメチロールプロパントリアクリラートおよびアルキルビス(2−シア
ノアクリラート)が含まれる。触媒作用量のアミンで活性化されたフリーラジカ
ル開始剤あるいは速度調整剤を加えて、シアノアクリラートモノマー/架橋剤混
合物の重合を開始または重合速度を調整する。
【0118】 実施態様において、接着剤組成物は、熱および/または光(例えば、可視光ま
たは紫外光)で活性化された、式(I)の組成物を含むシアノアクリラート組成
物の架橋を開始させる開始剤および促進剤をさらに含んでもよい。
【0119】 過度の実験を行わなくとも、当業者により特定のシステムに対する特定の開始
剤および速度調整剤を容易に選択できる。シアノアクリラート組成物に対する好
適な重合開始剤には、これに限定されるわけではないが、洗剤組成物、すなわち
界面活性剤、例えばポリソルベート20(例えば、ツィーン20TM)、ポリソル
ベート80(例えば、ツィーン80TM)およびポロキサマー等の非イオン界面活
性剤、テトラブチルアンモニウムブロミド等の陽イオン界面活性剤、塩化ベンズ
アルコニウムまたはその純粋な成分および塩化ベンズエトニウム、オクチル酸第
1スズ(スズ(II)2−エチルヘキサノエート)およびナトリウムテトラデシル
スルファート等の陰イオン界面活性剤、およびドデシルジメチル(3−スルホプ
ロピル)アンモニウムヒドロキシド内部塩等の両性または両性イオン界面活性剤
と;イミダゾール、トリプトアミン、尿素、アルギニンおよびポビジン等のアミ
ン、イミンおよびアミドと;トリフェニルフォスフィンおよびトリエチルフォス
フィン等のフォスフィン、フォスファイト、およびフォスフォニウム塩と;エチ
レングリコール等のアルコールと、メチルガラートと、アスコルビン酸と、タン
ニンおよびタンニン酸と、亜硫酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシ
ウムおよびケイ酸ナトリウム等の無機塩基および塩と;チオ尿素およびポリスル
フィド等のイオウ化合物と;モネンシン、ノナクチン、クラウンエステル、カリ
ックスアレーンおよびポリメリックエポキシド等の高分子環式エステルと;炭酸
ジエチル等の環式および非環式カーボネートと、アリクアート336等の相転換
触媒と;有機金属と、マンガンアセチルアセトナーテと、ラジカル開始剤とが含
まれる。コバルトナフテナートを過酸化物に対する開始剤として使用することが
できる。
【0120】 本発明の組成物はさらに、繊維状強化材および染料および顔料等の着色剤を含
んでもよい。好適な繊維状強化材の例には、PGAミクロフィブリル、コラーゲ
ンミクロフィブリル、セルロース系ミクロフィブリルおよびオレフィン系ミクロ
フィブリルが含まれる。好適な着色剤の例には、1−ヒドロキシ−4−[4−メ
チルフェニルアミノ]−9,10−アントラセンジオン(D+C バイオレット
No.2);6−ヒドロキシ−5−[(4−スルホフェニル)アクソ]−2−ナ
フタレンスルホン酸の二ナトリウム塩(FD+C イエローNo.6);9−(
o−カルボキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−
3H−キサンテン−3−オン二ナトリウム塩一水和物(FD+C レッドNo.
3);2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール−
2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−スル
ホン酸二ナトリウム塩(FD+C ブル−No.2);および[フタロシアニナ
ト(2−)]銅が含まれる。
【0121】 本発明により考えられる他の組成物は、米国特許第5,624,669号、同
第5,582,834号、同第5,575,997号、同第5,514,371
号、同第5,514,372号および同第5,259,835号ならびに米国特
許出願第08/714,288号に例示されている。これら全てに開示されたも
のを参照により全体をここに組み入れる。
【0122】 実施態様において、容器およびその内容物を滅菌する。これらの実施態様には
、医療用途に用いる容器が含まれるが、これに限定されるわけではない。容器お
よびその内容物を滅菌する場合の実施態様において、収容される組成物と別に容
器を滅菌するか、または組成物を容器内に入れた後に両者を一緒に滅菌すること
ができる。組成物が容器内に分配された後に、組成物と容器を一緒に滅菌するこ
とが好ましい。最も好ましくは、組成物を保持する容器を滅菌前に封着する。
【0123】 当業者に既知である種々の方法の何れかにより滅菌を行うことが可能で、かつ
物理的方法および放射法を含む方法により行うことが好ましいが、これに限定さ
れない。何れの方法を選択しても構わないが、滅菌される組成物および容器を加
工するのに使用する材料に適合しなければならない。物理的方法の例としては、
熱による滅菌が含まれるが、これに限定されない。照射法の例としては、ガンマ
線照射、電子線照射、およびマイクロ波照射が含まれるが、これに限定されない
。ガンマ線またはマイクロ波照射滅菌が好ましい方法である。電子線照射滅菌が
最も好ましい。好適な滅菌方法は、同時係属米国特許出願第09/099,45
7号に開示されており、この開示全体を参照によりここに組み入れる。
【0124】 本発明により、容器/モノマー製品の貯蔵寿命を増やす、1,1−二置換エチ
レンモノマー組成物の貯蔵に好適な容器を選択することができる。前記開示内容
に基づき、好適な容器を収容されるモノマー組成物に対する相対必要バリアー特
性に基づいて選択することができる。したがって、モノマー組成物が容器を形成
するのに使用されるポリマー材料に対して高度の浸透性を示す場合、モノマー組
成物に対する高度のバリアー特性を有するように容器ポリマー材料を選択するこ
とができる。
【0125】 前記の通り、本発明の容器により、また、安定剤を含まないか、または容器管
腔内の単量体材料の早発性重合を阻止するのに十分な量しか安定剤を含まないモ
ノマー組成物の貯蔵寿命が延びる。容器は、膨潤、亀裂またはブルーミング等の
容器破損の視覚的証拠を示すことなく、これらのモノマー組成物を長期間収容す
ることができる。したがって、本発明のさらなる利益としては、安定度が同じま
たは同等でありながら、従来の容器に貯蔵すれば必要となったであろう量の安定
剤より少ない量の安定剤を有するモノマー組成物を得ることができる点である。
【0126】 例えば、前記のように、酸性安定剤を10乃至300ppm(重量/重量)の
量で単量体組成物処方に通常組み入れる。しかし、本発明の実施態様において、
添加する安定剤の量を低減または排除することができる。したがって、例えば、
安定度が依然として同じまたは同等でありながら、安定剤の量を、従来の容器に
収容すれば必要となったであろう量の約90%以下、例えば80%もしくは70
%以下、または60%もしくは50%以下、40%もしくは30%以下に低減す
ることができる。他の実施態様において、依然として同じまたは同等の安定度を
得ながら、安定材の量を、従来の容器に収容すれば必要となったであろう量の2
0%もしくは10%以下にさえ低減することができる。さらに別の実施態様にお
いて、不可安定剤を完全に除くことが可能であり、よって完全に本発明の容器に
より安定効果が得られる。
【0127】 したがって、本発明者らによってなされた発見に基づき、より高いバリアー特
性を有するポリマー材料を用いた容器を、例えば高級アルキル鎖長α−シアノア
クリラート接着性モノマー組成物向け、または低級鎖長α−シアノアクリラート
接着性モノマー組成物もしくは安定剤相対量のより高い組成物よりも安定剤相対
量がより少ない組成物向けに選択することができる。ゆえに、容器のポリマー材
料を、含まれる酸性安定剤またはラジカル安定剤のタイプまたは量等の、モノマ
ー組成物の他の成分に基づいて選択することができる。しかし、対照的に、より
低いバリアー特性を有するポリマー材料を、例えばアルキル鎖の長さに基づき、
またはより多い安定剤量の存在等の、組成物の他の成分の存在および量に基づき
、低級アルキル鎖長α−シアノアクリラート接着性モノマー組成物向けに選択す
ることができる。例えば、貫通亀裂、膨潤および容器の弱化等の容器破損に与え
る影響がより少ないので、これらのより低いバリアー特性のポリマー材料を用い
ることができる。無論、これらの低級アルキル鎖長α−シアノアクリラート接着
性モノマー組成物に対してさえもより長い貯蔵寿命が望まれる場合には、より高
いバリアー特性を有する容器ポリマー材料を選択することができる。
【0128】 好適な高分子樹脂材料を含む容器における、本発明の特定の実施態様に関して
本発明を説明してきたが、本発明はこのような実施態様に限定されるものではな
く、ここで説明した特性を備えた他の高分子材料を包含するものである。
【0129】
【実施例】試験法1 破損率の評価試験法 容器をほぼ室温に保持する場合、α−シアノアクリラート接着性モノマーの存
在下での容器の破損率を測定するには、実施に9ヶ月まで、またはそれ以上を必
要とするので、容器を長期間に渡り貯蔵する影響をシミュレートために試験法を
開発する。開発される試験法には、容器または容器部品を高温でα−シアノアク
リラートモノマー組成物にさらすことが含まれる。高温により、容器とα−シア
ノアクリラートモノマー組成物との間の化学的相互反応の速度が増加し、室温で
得られるよりも早くデータが得られる。この試験法は、周囲温度における容器に
対するα−シアノアクリラートの影響を、容器とα−シアノアクリラートモノマ
ーとの間の接触の期間が非常に長い場合、例えば約9ヶ月、またはより長期間で
あっても、正確にシミュレートする。
【0130】 この試験法は、高分子容器材料を加温したα−シアノアクリラート組成物に所
定の時間浸漬することによって行う。この浸漬後、高分子材料を取り出し、高分
子材料の厚さ(または直径等の他の寸法上の特性等)の増加を計測することによ
り劣化の量を測定する。厚さの増加は、α−シアノアクリラートモノマーがポリ
マーマトリックスに浸透した量の正確な指標であり、かつ容器破損と相関がある
【0131】 この試験法は、容器が破損するまでに容器が所定のα−シアノアクリラートモ
ノマーと接触することのできる時間の相対量、および容器が破滅的に破損するま
での時間の相対量を測定するのに適用可能である。容器の破損とは、容器および
中に保持したα−シアノアクリラート組成物が意図した目的に有用でなくなった
ことを意味する。主として、製造中に意図された方法でα−シアノアクリラート
組成物を容器から除去または分配することができないにより、このタイプの破損
を検出することができる。換言すれば、このタイプの破損を、主として官能基の
減少により検出可能である。容器の破滅的破損とは、容器が組成物を収容できな
くなったことを意味する。このタイプの破損には、容器の割れおよび亀裂が含ま
れる。主として、このタイプの破損は、目視検査により検出可能である。このタ
イプの破損の1つの指標は、容器材料の膨潤である。
【0132】実施例1 :LLDPE制御点滴器およびHDPEボトルの破損 HDPE製のボトル、LLDPE製の制御された点滴器、およびPP製の蓋を
含む容器を、2−オクチルシアノアクリラートまたはn−ブチルシアノアクリラ
ートの何れかで満たし、かつほぼ室温(21乃至25℃)で15ヶ月間貯蔵する
。次いで、容器を開封し、容器および接着剤組成物の官能性を調べた。3つの別
々の容器ロットの各々から、合計10乃至18個の容器を調べた。
【0133】 平均して、2−オクチルシアノアクリラートモノマーを収容する容器は、容器
の充填後15ヶ月で、約80%の破滅的破損を示した。破滅的破損は、表面上は
2−オクチルシアノアクリラートモノマーによる弱化および膨潤したLLDPE
点滴器からの機械的圧力の両者による、LLDPE点滴器の膨潤およびHDPE
ボトルの首部の割れとして主に見られる。
【0134】 容器の充填後18ヶ月で、2−オクチルシアノアクリラートモノマーを保持す
る容器の破滅的破損率は、平均で90%より大きい。
【0135】 対照的に、製造後20ヶ月で、n−ブチルシアノアクリラートを保持する容器
の破損率は0%を示す。
【0136】 容器の破損率の違いは、ひとつには、それぞれのモノマー組成物に含まれる安
定剤の相対量で説明することができる。特には、n−ブチルシアノアクリラート
モノマー組成物は、2−オクチルシアノアクリラートモノマー組成物よりも多量
の安定剤を含む。したがって、容器の外側に到達するまで容器壁を通る浸透の間
に、2−オクチルシアノアクリラートモノマー組成物中の安定剤の存在により、
モノマーが安定化される。
【0137】実施例2 :フッ素化バリアーの破損率への影響 容器の高分子マトリックス内およびマトリックスを貫通したモノマーの透過へ
のフッ素化ポリマーのバリアー層の効果を、実施例1で説明した容器および試験
法1で説明した試験法を用いて調べる。
【0138】 HDPEおよびLLDPE高分子容器を、密閉したチャンバー内で容器をフッ
素含有ガスにさらすことによりフッ素化する。全てのガス親和性の面を、フッ素
含有ガスと接触させる。フッ素化された高分子容器は、接触角が70より小さい
【0139】 フッ素化された高分子材料を、2−オクチルシアノアクリラートモノマー組成
物中に浸漬し、容器の膨潤(すなわち容器寸法の増加)を調べることにより容器
マトリックス中へのモノマーの透過を測定する。
【0140】 フッ素化された高分子容器材料は、前記した試験条件下で、フッ素化していな
いコントロール容器よりも、少なくとも12分の1、最大で45分の1まで、膨
潤が少なくなる。したがって、本発明の容器により、1,1−二置換エチレンモ
ノマー組成物の貯蔵寿命を大幅に伸ばすことができる。
【0141】実施例3 低密度ポリエチレン(LDPE)ボトルの幾つかのサンプルをオレウムで官能
基を導入し、シアノアクリラートモノマー組成物の貯蔵安定性を向上させる。
【0142】 4本の同種のLDPEボトルを用いる。各ボトルを、オレウム、HSO
30%SOで、種々の時間で処理して、ボトルの内側をスルホン化する。それ
ぞれのボトルの処理時間は、1.5分、2分、3分および15分である。それぞ
れの処理時間の後、オレウムをボトルから取り出し、ボトルを濃硫酸で1回洗浄
する。次にボトルを蒸留水で数回洗浄した後、各2時間の蒸留水中への浸漬を2
回行う。
【0143】 オレウムでの処理時間が長いほど、ボトルの色が暗くなることが分かる。この
色の暗化は、LDPEボトルの内表面がより多くスルホン化されたことを示して
いる。
【0144】実施例4 低密度ポリエチレン(LDPE)ボトルの幾つかのサンプルをオレウムで官能
基を導入し、シアノアクリラートモノマー組成物の貯蔵安定性を向上させる。オ
レウムとの接触時間を1.5分、3.0分および5.0分とする以外は実施例3
で説明した手順に従い、ボトルに官能基を導入する。官能基導入度を定量するた
めに、IC分析をボトルの抽出液に対して行う。結果は次の通りである。 接触時間 硫酸濃度 ―――――――――――――――― 1.5分 1.5ppm 3.0分 3.9ppm 5.0分 38.2ppm
【0145】実施例5 2本のボトルを用いて、2−オクチルシアノアクリラートモノマー組成物を4
ヶ月間貯蔵する。各ボトルはLDPE製である。一方のボトルは未処理とし、他
方のボトルを、接触時間を1.5分として、実施例3で説明した手順に従って、
オレウムで官能基を導入する。4ヶ月後の貯蔵したシアノアクリラートの比較に
より、オレウム処理したボトル内の組成物は、未処理のボトル内の組成物より粘
度が小さいことが示される。
【0146】実施例6 n−ブチルシアノアクリラートおよび安定剤を含む製剤を、材料の単一ロット
として製造する。ある量の製剤をHDPEボトルに入れ、蓋を閉め、コントロー
ルとする。同様の量を、容器表面の性質を変えるために成形後フッ素化処理を用
いる以外はコントロールのボトルと同一のボトルに入れる。ボトルの両群からの
試料を、熱加速法にかける。両群からの試料を、種々の時間で取り出し、粘度を
調べる。結果を図1にグラフ化して、製剤の貯蔵安定性に対する成形後フッ素化
処理の影響を判定する。
【0147】実施例7 2−オクチルシアノアクリラートおよび安定剤を含む製剤を、材料の単一ロッ
トとして製造する。ある量の製剤をHDPEボトルに入れ、蓋を閉め、コントロ
ールとする。同様の量を、容器表面の性質を変えるために成形後フッ素化処理を
用いる以外はコントロールのボトルと同一のボトルに入れる。ボトルの両群から
の試料を、熱加速法にかける。両群からの試料を、種々の時間で取り出し、粘度
を調べる。結果を図2にグラフ化して、製剤の貯蔵安定性に対する成形後フッ素
化処理の影響を判定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シアノアクリラート組成物の粘度−貯蔵時間(日)のグラフである。
【図2】 シアノアクリラート組成物の粘度−貯蔵時間(日)のグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月16日(2000.11.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 アンドレアス リヴェラ アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27616 ローリー ウィスパーウッド ド ライヴ 4420 (72)発明者 ウィリアム エム コッター アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27614 ローリー アダムス マウンテン ロード 1400 (72)発明者 イブラヘーム バデジョ アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27560 モーリスヴィル ガンバーデッリ コート 103 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA15 BA16 BA18 CA11 4F073 AA13 BA07 BA08 BA23 BA24 BA43 BB01 BB03 DA03 DA04 4F100 AK01A AK01B AK03A AK03B AK05A AK05B AK06A AK06B AK07A AK07B AK42A AK42B AK62A AK62B AK63A AK63B AK66A AK66B BA02 DA01 EJ05A EJ05B EJ37A EJ37B GB16 JK01 JL00

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの後ハロゲン化された高分子材料を含有する高分
    子樹脂マトリックスを含む容器、および 前記容器に収容された1,1−二置換エチレンモノマー組成物、を含む組合せ体
  2. 【請求項2】 前記後ハロゲン化された高分子材料が、少なくとも前記容器の内
    表面上に存在する、請求項1に記載の組合せ体。
  3. 【請求項3】 前記後ハロゲン化した高分子材料が、前記1,1−二置換エチレ
    ンモノマー組成物と直接接触している、請求項1に記載の組合せ体。
  4. 【請求項4】 前記高分子材料をポリオレフィンおよび人工樹脂からなる群より
    選択した、請求項1に記載の組合せ体。
  5. 【請求項5】 前記高分子材料が高密度ポリエチレンである、請求項4に記載の
    組合せ体。
  6. 【請求項6】 前記高分子材料が直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項4に
    記載の組合せ体。
  7. 【請求項7】 前記高分子材料がポリエチレンテレフタレートである、請求項6
    に記載の組合せ体。
  8. 【請求項8】 前記高分子材料が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
    レン、高密度ポリエチレン、架橋した高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
    リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよび延伸ポリエチレ
    ンテレフタレートからなる群より選択した少なくとも1つのポリマーを含む、請
    求項1に記載の組合せ体。
  9. 【請求項9】 前記容器が積層体であり、かつ前記後ハロゲン化した高分子材料
    を含む層が前記1,1−二置換エチレンモノマー組成物と直接接触する、請求項
    1に記載の組合せ体。
  10. 【請求項10】 前記組合せ体が少なくとも約24ヶ月の貯蔵寿命を有する、請
    求項1に記載の組合せ体。
  11. 【請求項11】 前記組合せ体が少なくとも約30ヶ月の貯蔵寿命を有する、請
    求項1に記載の組合せ体。
  12. 【請求項12】 前記容器が滅菌された、請求項1に記載の組合せ体。
  13. 【請求項13】 前記1,1−二置換エチレンモノマー組成物が、少なくとも6
    個の炭素からなるアルキル炭素鎖長を有するアルキルα−シアノアクリラート接
    着性モノマーを含む、請求項1に記載の組合せ体。
  14. 【請求項14】 前記アルキルα−シアノアクリラート接着性モノマーが2−オ
    クチルシアノアクリラートである、請求項13に記載の組合せ体。
  15. 【請求項15】 前記容器が、 内表面および外表面を含む本体であって、後ハロゲン化した高密度ポリエチレン
    ポリマーを少なくとも該内表面上に含む本体、 少なくとも内表面を含む分配ノズルであって、後ハロゲン化した直鎖状低密度ポ
    リエチレンを前記内表面上に含む分配ノズル、および 後ハロゲン化したポリプロピレンを含む蓋、を含む容器である、請求項14に記
    載の組合せ体。
  16. 【請求項16】 前記後ハロゲン化した高分子材料が後フッ素化した高分子材料
    である、請求項1に記載の組合せ体。
  17. 【請求項17】 前記後ハロゲン化した高分子材料が後塩素化した高分子材料で
    ある、請求項1に記載の組合せ体。
  18. 【請求項18】 前記後ハロゲン化した高分子材料が表面領域および副表面領域
    を含み、かつ該表面領域のハロゲン濃度が該副表面領域のハロゲン濃度より大き
    い、請求項1に記載の組合せ体。
  19. 【請求項19】 前記高分子樹脂マトリックスがさらに含ハロゲン酸を含む、請
    求項1に記載の組合せ体。
  20. 【請求項20】 前記含ハロゲン酸がフッ化水素酸または塩酸である、請求項1
    9に記載の組合せ体。
  21. 【請求項21】 1,1−二置換エチレンモノマーを含む高分子容器の製造方法
    で、該方法が、 高分子材料を含む容器を準備し、該容器が少なくとも内表面および外表面を含み
    、 該容器の少なくとも内表面上の該高分子材料をハロゲン化し、 1,1−二置換エチレンモノマー組成物を該容器内に分配し、かつ 随意的に該容器を封着する、ことを含む製造方法。
  22. 【請求項22】 前記高分子材料を容器の形状となるべき形状に成形した後に、
    前記ハロゲン化を行う、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記高分子材料を容器の形状となるべき形状に成形すると同時
    に、前記ハロゲン化を行う、請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記成形がハロゲン含有ガスを用いてパリソンをブロー成形す
    ることを含み、かつ該ハロゲン含有ガスによっても前記ハロゲン化を行う、請求
    項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記成形工程からの残留ハロゲン含有種が前記容器内に捕捉さ
    れ、または溶解されたままであり、かつ前記分配の前に前記容器から除去されな
    い、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記1,1−二置換エチレンモノマーがアルキルα−シアノア
    クリラートである、請求項21に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記アルキルα−シアノアクリラートが少なくとも6個の炭素
    からなるアルキル鎖長を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記アルキルα−シアノアクリラートが8乃至12個の炭素か
    らなるアルキル鎖長を有する、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記アルキル鎖長が8個の炭素である、請求項28に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 前記1,1−二置換エチレンモノマー組成物を滅菌することを
    さらに含む、請求項21に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記ハロゲン化が、前記高分子材料を少なくとも前記容器の前
    記内表面上でフッ素化することを含む、請求項21に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ハロゲン化が、前記高分子材料を少なくとも前記容器の前
    記内表面上で塩素化することを含む、請求項21に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記高分子材料を、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
    チレン、高密度ポリエチレン、架橋した高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
    ポリエチレンテレフタレートおよび延伸ポリエチレンテレフタレートからなる群
    より選択した、請求項21に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記ハロゲン化工程からの残留ハロゲンが前記高分子材料内に
    残存する、請求項21に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記残留ハロゲンが酸を形成する請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記残留酸を、フッ化水素酸および塩酸からなる群より選択し
    た、請求項35の方法。
  37. 【請求項37】 1,1−二置換エチレンモノマー組成物を容器内に貯蔵する方
    法で、該方法が、 少なくとも1つの後ハロゲン化した高分子材料を含有する高分子樹脂マトリック
    スを含む容器を準備し、 1,1−二置換エチレンモノマー組成物を該容器内に分配し、かつ 容器またはモノマー組成物を損なうことなく、該モノマーを収容した容器を、1
    年より長く貯蔵する、ことを含む方法。
  38. 【請求項38】 前記モノマー収容容器の前記貯蔵が、容器又はモノマー組成物
    を損なうことなく、24ヶ月より長い、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記モノマー収容容器の前記貯蔵が、容器又はモノマー組成物
    を損なうことなく、30ヶ月より長い、請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記1,1−二置換エチレンモノマー組成物が、少なくとも6
    個の炭素からなるアルキル炭素鎖長を有するアルキルα−シアノアクリラート接
    着性モノマーを含む、請求項37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記1,1−二置換エチレンモノマー組成物が、2乃至5個の
    炭素からなるアルキル炭素鎖長を有するアルキルα−シアノアクリラート接着性
    モノマーを含む、請求項37に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記容器が、 高分子材料を含む容器を準備し、該容器が少なくとも内表面および外表面を含み
    、かつ 少なくとも該容器の該内表面上の該高分子材料をハロゲン化する、ことを含む方
    法により作られる、請求項37に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記分配工程と前記貯蔵工程との間に、前記容器を封着するこ
    とをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記封着工程の後に、前記容器を滅菌することをさらに含む、
    請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 接着性モノマー組成物を収容する容器であって、該容器が、 少なくとも1つの後ハロゲン化した高分子材料を含有する高分子樹脂マトリック
    スを含む容器、および 該容器内に収容された接着性モノマー組成物、を含む容器。
  46. 【請求項46】 組合せ体であって、該組合せ体が、 少なくとも1つの官能基を導入された高分子材料を含有する高分子樹脂マトリッ
    クスを含む容器、および 該容器に収容された1,1−二置換エチレンモノマー組成物、を含む組合せ体。
  47. 【請求項47】 前記高分子材料が、SOH、COH、CONR、COX
    、COR、SOX、SONH、SONRおよびこれらの混合物から
    なる群より選択された少なくとも1つのメンバーで官能基を導入され、式中Rは
    置換された、または置換されていない有機ラジカルを表し、Xはハロゲンを表す
    、請求項46に記載の組合せ体。
  48. 【請求項48】 前記高分子材料がSOH基で官能基を導入された、請求項4
    6に記載の組合せ体。
  49. 【請求項49】 前記高分子材料がカルボン酸基で官能基を導入された、請求項
    46に記載の組合せ体。
  50. 【請求項50】 前記高分子材料がスルホンアミド基で官能基を導入された、請
    求項46に記載の組合せ体。
  51. 【請求項51】 1,1−二置換エチレンモノマーを収容する高分子容器の製造
    方法であって、該方法が、 高分子材料を含む容器を準備し、該容器が少なくとも内表面および外表面を含み
    、 該高分子材料を少なくとも該容器の該内表面上で官能基を導入し、 1,1−二置換エチレンモノマー組成物を該容器内に分配し、かつ 随意的に該容器を封着する、ことを含む製造方法。
  52. 【請求項52】 前記高分子材料が、SOH、COH、CONR、COX
    、COR、SOX、SONH、SONRおよびこれらの混合物から
    なる群より選択された少なくとも1つのメンバーで官能基を導入され、式中Rは
    置換された、または置換されていない有機ラジカルを表し、Xはハロゲンを表す
    、請求項51に記載の組合せ体。
  53. 【請求項53】 前記高分子材料がSOH基で官能基を導入された、請求項5
    1に記載の組合せ体。
  54. 【請求項54】 前記高分子材料がカルボン酸基で官能基を導入された、請求項
    51に記載の組合せ体。
  55. 【請求項55】 前記高分子材料がスルホンアミド基で官能基を導入された、請
    求項51に記載の組合せ体。
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