JP2002528121A5 - 高忠実度の熱安定性リガーゼおよびその使用 - Google Patents

高忠実度の熱安定性リガーゼおよびその使用 Download PDF

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【特許請求の範囲】
【請求項1】 ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する、熱安定性リガーゼ。
【請求項2】 ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する、請求項1記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項3】 Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項2記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項4】 KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項3記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項5】 Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項1記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項6】 KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項5記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項7】 熱安定性リガーゼが、KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項1記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項8】 SDS-PAGEで決定された分子量78〜81kDaを有する、請求項1記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項9】 配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項1記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項10】 ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する、熱安定性リガーゼ。
【請求項11】 Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項10記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項12】 KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項11記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項13】 KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項10記載の熱安定性リガーゼ。
【請求項14】 活性KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)に隣接するアルギニンを有する、熱安定性リガーゼ。
【請求項15】 Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、熱安定性リガーゼ。
【請求項16】 ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する熱安定性リガーゼをコードしている単離DNA分子。
【請求項17】 熱安定性リガーゼが、ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項18】 熱安定性リガーゼが、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項19】 熱安定性リガーゼが、KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項20】 熱安定性リガーゼが、SDS-PAGEで決定された分子量78〜81kDaを有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項21】 熱安定性リガーゼが、配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項22】 配列番号:2のヌクレオチド配列を有する、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項23】 ストリンジェントな条件下で、配列番号:2を有する核酸にハイブリダイズする、請求項16記載の単離DNA分子。
【請求項24】 請求項16記載の異種DNA分子で形質導入されたDNA発現システム。
【請求項25】 請求項17記載の異種DNA分子で形質導入されたDNA発現システム。
【請求項26】 請求項18記載の異種DNA分子で形質導入されたDNA発現システム。
【請求項27】 請求項19記載の異種DNA分子で形質導入されたDNA発現システム。
【請求項28】 請求項16記載の異種DNA分子で形質導入された宿主細胞。
【請求項29】 請求項17記載の異種DNA分子で形質導入された宿主細胞。
【請求項30】 請求項18記載の異種DNA分子で形質導入された宿主細胞。
【請求項31】 請求項30記載の異種DNA分子で形質導入された宿主細胞。
【請求項32】 1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を試料中において検出するための、下記の段階を含む方法:
1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により、試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する可能性がある試料を提供する段階;
各々が、(a)標的特異的部分を有する第一のオリゴヌクレオチドプローブと、(b)標的特異的部分を有する第二のオリゴヌクレオチドプローブとを特徴とする1個または複数のオリゴヌクレオチドプローブセットを提供する段階であって、特定のセットにおけるオリゴヌクレオチドプローブが、1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により、試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列へのハイブリダイゼーションに適し、かつ標的ヌクレオチド配列上で互いに隣接してハイブリダイズされた場合に互いのライゲーションに適しているが、試料中に存在する任意の他のヌクレオチド配列にハイブリダイズされた場合にこのようなライゲーションを妨害するミスマッチを有する段階;
ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼより100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する熱安定性リガーゼを提供する段階;
試料、1個または複数のオリゴヌクレオチドプローブセット、および熱安定性リガーゼを配合し、リガーゼ検出反応混合物を形成する段階;
任意のハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列から分離される変性処理と、試料中に存在する場合は、オリゴヌクレオチドプローブセットがそれらの各標的ヌクレオチド配列に対して塩基特異的な様式で隣接位置でハイブリダイズし且つ互いにライゲーションするハイブリダイゼーション処理とを含む1種以上のリガーゼ検出反応サイクルをリガーゼ検出反応混合物に施し、リガーゼ検出反応混合物中の他の核酸から識別できる各セットについてライゲーション産物配列と互いに結合された標的特異的部分を含むライゲーション産物配列を形成する段階であって、該オリゴヌクレオチドプローブセットは、それらの各標的ヌクレオチド配列以外の試料中のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるが、1個または複数のミスマッチの存在のために互いにはライゲーションせず、かつ変性処理時に個別に分離している段階;ならびに
試料中に存在する標的ヌクレオチド配列の結果として生産されたライゲーション産物配列の存在を検出する段階。
【請求項33】 熱安定性リガーゼが、ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】 熱安定性リガーゼが、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項33記載の方法。
【請求項35】 熱安定性リガーゼが、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項32記載の方法。
【請求項36】 熱安定性リガーゼが、KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項32記載の方法。
【請求項37】 熱安定性リガーゼが、SDS-PAGEで決定された分子量78〜81kDaを有する、請求項32記載の方法。
【請求項38】 熱安定性リガーゼが、配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項32記載の方法。
【請求項39】 配合前に、試料中に存在する標的ヌクレオチド配列を増幅する段階をさらに含む、請求項32記載の方法。
【請求項40】 増幅がポリメラーゼ連鎖反応により行われる、請求項39記載の方法。
【請求項41】 1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により他のヌクレオチド配列とは異なる第一および第二の相補的標的ヌクレオチド配列から形成された標的二本鎖核酸を試料中において検出するための、下記の段階を含む方法:
1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる第一及び第二の相補的ヌクレオチド配列から形成された標的二本鎖核酸を含有する可能性がある試料を提供する段階;
(a)標的特異的部分を有する第一のオリゴヌクレオチドプローブと、(b)標的特異的部分を有する第二のオリゴヌクレオチドプローブとを特徴とする第一のオリゴヌクレオチドプローブセットを提供する段階であって、該第一のセット中のオリゴヌクレオチドプローブが、1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる第一の標的ヌクレオチド配列に対し相補的であり、かつ第一の標的ヌクレオチド配列上で互いに隣接してハイブリダイズされた場合に互いにライゲーションするのに適しているが、試料中に存在する任意の他のヌクレオチド配列へハイブリダイズされる場合にこのようなライゲーションを妨害するミスマッチを有する段階;
(a)標的特異的部分を有する第三のオリゴヌクレオチドプローブ、および(b)標的特異的部分を有する第四のオリゴヌクレオチドプローブを特徴とする第二のオリゴヌクレオチドプローブセットを提供する段階であって、第二のセット中のオリゴヌクレオチドプローブが、1個もしくは複数の単一塩基の変更、挿入、欠失または転位により、試料中の他のヌクレオチド配列とは異なる第二の標的ヌクレオチド配列に対し相補的であり、かつ第二の標的ヌクレオチド配列上で互いに隣接してハイブリダイズされた場合に互いにライゲーションするのに適しているが、試料中に存在する任意の他のヌクレオチド配列へハイブリダイズされた場合にこのようなライゲーションを妨害するミスマッチを有する段階;
ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼより100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する熱安定性リガーゼを提供する段階;
試料と、第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブセットと、熱安定性リガーゼとを配合することにより、リガーゼ連鎖反応混合物を形成する段階;
ハイブリダイズされた任意のオリゴヌクレオチドが標的オリゴヌクレオチド配列から分離される変性処理と、試料中に存在する場合は、オリゴヌクレオチドプローブセットがそれらの各標的ヌクレオチド配列に対して塩基特異的な様式で隣接位置でハイブリダイズし且つ互いにライゲーションするハイブリダイゼーション処理とを含む1種以上のリガーゼ連鎖反応サイクルをリガーゼ連鎖反応混合物に施し、リガーゼ連鎖反応混合物中の他の核酸から識別できる各セットについてライゲーション産物配列と互いに結合された標的特異的部分を含むライゲーション産物配列を形成する段階であって、該オリゴヌクレオチドプローブセットはそれらの各標的ヌクレオチド配列以外の試料中のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるが、1個または複数のミスマッチの存在のために互いにはライゲーションせず、かつ変性処理時に個別に分離している段階;ならびに
試料中に存在する標的ヌクレオチド配列の結果として生産されたライゲーション産物配列の存在を検出する段階。
【請求項42】 熱安定性リガーゼが、ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する、請求項41記載の方法。
【請求項43】 熱安定性リガーゼが、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項42記載の方法。
【請求項44】 熱安定性リガーゼが、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基でライゲーション接合点と隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチが存在する標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスのリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する、請求項41記載の方法。
【請求項45】 熱安定性リガーゼが、KXDGモチーフ(式中、Xは任意のアミノ酸)においてその活性部位リシンに隣接するアルギニンを有する、請求項42記載の方法。
【請求項46】 熱安定性リガーゼが、SDS-PAGEで決定された分子量78〜81kDaを有する、請求項41記載の方法。
【請求項47】 熱安定性リガーゼが、配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項41記載の方法。
発明の分野
本発明は、高忠実度熱安定性リガーゼおよびその使用に関する。
様々な宿主給源に由来する多くのリガーゼが存在するにもかかわらず、依然として、より大きい忠実度を有する別のリガーゼを同定する必要性がある。本発明は、T. sp.(すなわち、サームス種)AK16D由来のリガーゼのクローニングおよび発現の結果としてこの目的を達成すること、ならびにこの高忠実度酵素の生化学的特徴を決定することに関する。
発明の概要
本発明は、ライゲーション接合点の直前の塩基にライゲーション接合点に隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する、熱安定性リガーゼに関する。
本発明の別の局面は、ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基にライゲーション接合点に隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する熱安定性リガーゼに関する。
さらに別の本発明の局面は、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基にライゲーション接合点に隣接する3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する熱安定性リガーゼに関する。
発明の詳細な説明
本発明は、高忠実度熱安定性リガーゼ酵素に関する。この酵素は、下記の配列番号:1のアミノ酸配列を有する:
Figure 2002528121
本発明の熱安定性リガーゼは、ライゲーション接合点の直前の塩基にライゲーション接合点に隣接するその3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも100倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも6倍高い忠実度を有する。このリガーゼは更に、ライゲーション接合点の最後から2番目の塩基にライゲーション接合点に隣接するその3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、T4リガーゼよりも50倍高い忠実度および野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも5倍高い忠実度を有する。最後に、本発明の熱安定性リガーゼは、Mn2+補因子の存在下で、ライゲーション接合点の直前の塩基にライゲーション接合点に隣接するその3'末端を有するオリゴヌクレオチドプローブとのミスマッチがあるような標的配列にハイブリダイズされた一対のオリゴヌクレオチドプローブ間のライゲーション接合点をシールした場合に、野生型サームス・サーモフィルスリガーゼよりも12倍高い忠実度を有する。本発明のために「忠実(フィデリティ;fidelity)」は、ライゲーション接合点のその3'末端とプローブの塩基でC-Gマッチを伴う相補的鋳型にハイブリダイズされた2個の隣接するプローブのライゲーションの初速度の、ライゲーション接合点のその3'末端とプローブの塩基でG-Tミスマッチを伴う相補的鋳型にハイブリダイズされた2個の隣接するプローブのライゲーションの初速度に対する比を意味すると定義される。
実施例13−サームス DNAリガーゼの忠実
Tth DNAリガーゼは、ミスマッチがニック接合点の3'側に位置する場合、より識別可能である。3'G/Tまたは3'T/Gは、認知可能なミスマッチライゲーションを示す唯一のミスマッチである(Luoら、Nucleic Acids Res、24(15):3071-3078(1996)、これは本明細書に参照として組入れられている)。クローン化したTsp. AK16Dリガーゼの忠実度を評価するために、3'T/Gミスマッチライゲーションに勝るマッチの割合の比は、市販の給源のT4リガーゼと野生型およびK294R突然変異体Tth DNAリガーゼとを比較した(表2)。
【0090】
【表2】
DNAリガーゼの忠実a
Figure 2002528121
a 反応混合物は、12.5nMニック入りDNA二重鎖基質、指定量のDNAリガーゼからなる。T4 DNAリガーゼ忠実度は37℃でアッセイし、好熱性リガーゼの忠実度は65℃でアッセイした。160μl反応混合物からの5μlアリコートを、マッチ基質を含む反応について0、10、20、30、40、50、60秒後に取り出し、かつミスマッチ基質を含む反応について0、1、2、3、4、5、6時間後に取り出し、停止溶液5μlと混合した。試料(5μl)を、記載のように8M尿素-10%ポリアクリルアミドゲルを通し電気泳動した。蛍光標識したライゲーション産物を分析し、かつGenescan 672 ver.2.0ソフトウェア(アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティー、CA)を用いて定量した。これらの結果は、DeltaGraph Pro3ソフトウェア(DeltaPoint社、モントレー、CA)を用いてプロットした。初速度は、x-軸が時間でy-軸が生成したライゲーション産物の量で示されたグラフの直線範囲の傾斜で決定した。マッチおよびミスマッチの基質の概略的説明を以下に示す:
Figure 2002528121
b ライゲーション忠実度1=C-Gマッチ初速度/3'-末端でのT-Gミスマッチ初速度
c ライゲーション忠実度2=C-Gマッチ初速度/3'-末端の最後から2番目でのT-Gミスマッチ初速度。各実験で使用したDNAリガーゼの濃度は示したとおりである。結果は少なくとも2回の実験の平均として算出した。
T4リガーゼは、ライゲーション忠実度50を得るためのマッチおよび3'T/Gミスマッチの両基質に対する高い触媒効率を示した。サームスリガーゼは、同等のマッチライゲーション速度を達成するために比較的高い酵素濃度が必要であることにより証明されるように、マッチライゲーションにおいて効率が低いように見える。しかし、同じアッセイ条件下で、サームス酵素は、3'T/Gミスマッチをライゲーションする傾向ははるかに低かった。結果としてサームス酵素の忠実度は、T4リガーゼよりも17-から126-倍高い(表2、ライゲーション忠実度1)。新たにクローン化されたTsp. AK16Dリガーゼの忠実度は、K294R Tth突然変異体に類似していたが、野生型Tth酵素よりも6-倍高かった。DNA-アデニル酸中間体は、3'T/Gミスマッチライゲーションで認められ、このことは、3'ライゲーション接合点でのミスマッチが、サームスリガーゼのニック閉鎖の能力に関する実質的に制約を課し、これによりDNA-アデニル酸中間体のライゲーション産物および遊離のAMP(ライゲーションサイクルの第三段階)への代謝回転を制限することを示している。T/Gミスマッチの1塩基対をライゲーション接合点から遠ざける作用について更に検証した。3'末端の最後から2番目でのT/Gミスマッチによるライゲーション速度は、一般にライゲーション接合点の3'末端でのT/Gミスマッチと比較して7-倍改善していた。しかし、このライゲーション速度は、マッチライゲーションのものよりも依然非常に遅く、ライゲーション接合点近傍のヌクレオチド相補性の重要性に加え、ライゲーション反応の制御における3'末端の完全な塩基対の究極的に重要な役割を強調している。従って、ミスマッチが3'側から第二の位置にある場合のライゲーション忠実度(ライゲーション忠実度2)は、ミスマッチがライゲーション接合点の直ぐ傍に位置した場合のものよりも低い。ミスマッチが最後から2番目の位置にある場合であっても、Tsp. AKl6D酵素が極めて高い忠実度(1.1 x 103)を維持することは注目すべきであり、更にこの新規サームスリガーゼの識別力を強調すべきである。
実施例14−Mn2+の存在下での熱安定性DNAリガーゼの忠実
DNAポリメラーゼおよび制限エンドヌクレアーゼのような多くの酵素が、金属補因子としてMn2+が使用された場合に緩んだ(relaxed)特異性を示す。リガーゼ忠実度に対する金属イオンの交換の影響は、完全には解明されていないが、ライゲーション反応の代用金属補因子としてMn2+を使用することができることは分かっている((Hoら、J. Virol、71(3):1931-1937(1997)およびChengら、Nucleic Acids Res、25(7):1369-1374(1997)、これらは本明細書に参照として組入れられている)。Tsp. AK16DリガーゼおよびTthリガーゼへのマッチおよびミスマッチライゲーションの反応速度が決定された。表3において、マッチライゲーション速度は、Mn2+よりもMg2+によるほうが高く(表3)、これは様々なMg2+条件下での一定の高いライゲーション速度と一致した(図4-6)。
【0093】
【表3】
Mn2+によるDNAリガーゼ忠実a
Figure 2002528121
a 反応条件は、Mg2+の代わりに10mM Mn2+を使用した以外は、表2と同じであった。ライゲーション忠実度は、3'-末端のC-Gマッチの初速度をT-Gミスマッチの初速度で割った比により定義される。結果は少なくとも2回の実験の平均として算出した。
Tthリガーゼのミスマッチライゲーション速度は、Mg2+よりもMn2+の方が約6-倍高いが、Tsp. AK16Dリガーゼでは約4-倍高い。従って、他のこれまでに試験したDNA酵素と同様に、DNAリガーゼも、Mg2+がMn2+で交換された場合に緩んだ特異性を示す。 結果として、TthリガーゼおよびTsp. AK16Dリガーゼの忠実度因子は、各々、12-および6-倍低下された(表2-3)。驚くべきことに、Tsp. AK16D酵素は、ミスマッチライゲーションに対してTth酵素よりも12-倍高い忠実度を維持する。金属補因子としてのMg2+の使用とは対照的に、Tthリガーゼは、Mn2+による3'T/Gミスマッチライゲーションの間にDNA-アデニル酸中間体を生成しない。この知見は、Tth酵素による3'T/Gミスマッチのニック閉鎖は、Mn2+により加速されることを示唆している。他方でTsp. AK16D酵素は、Mg2+またはMn2+のいずれかによる3'T/Gミスマッチライゲーションの間にDNA-アデニル酸中間体を蓄積した。これらの結果は、Tsp. AK16D DNAリガーゼによるMn2+での3'T/Gミスマッチのニック閉鎖は、後期律速段階として残存し、これがこの酵素のより高い忠実度を説明していることを示唆している。
Tth DNAリガーゼに関する研究は、熱安定性リガーゼの理解を深め、かつライゲーションの共通のテーマである−KXDGモチーフでのリガーゼのアデニル化を再確認している(Luoら、Nucleic Acids Res、24(15):3079-3085(1996)、これは本明細書に参照として組入れられている)。本研究は、サームスリガーゼは、それらの一次タンパク質配列は非常に類似しているにもかかわらず、基質特異性は互いに異なることも明らかにする。高度に相同的な構造は、様々なサームスリガーゼから予想することができるが、微妙な局所環境(local environment)は、特定のミスマッチを基質として許容する可能性を指示することができる。サームスリガーゼの忠実度は、多ドメイン、多モチーフおよび/または多配列エレメントにより決定され得る。TthおよびTsp. AK16Dリガーゼを比較すると、K294R(同一の局所環境、図1B参照)はTthリガーゼの忠実度を増強するが(Luoら、Nucleic Acids Res、24(15):3071-3078(1996)、これは本明細書に参照として組入れられている)、この位置にKを伴うTsp. AK16Dリガーゼは、依然優れたミスマッチ識別を発揮することがわかる。追加の配列エレメントはカバーされないままである。KXDGモチーフの隣接位置でのR置換は、Tsp. AK16Dリガーゼの特異性に対し作用することができるが、これはChlorellaリガーゼに関する研究が、ニック認知に関するAMP結合ポケットの占拠の重要性を強調しているからである(Sriskandaら、Nucleic Acids Res、26(2):525-531(1998))。Tsp. AK16Dリガーゼといくつかの2価金属イオンによるDNA-アデニル酸中間体の蓄積は、ライゲーション反応のニック閉鎖段階が金属イオン、ギャップのある基質およびミスマッチ基質の選択に対し感受性があることを明らかにする。Tsp. AK16Dリガーゼに関する更なる構造的および機能的研究は、いかにしてこの酵素が異なる基質および異なる金属イオンに対して高い忠実度を達成するかを明らかにすると思われる。
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