JP7348197B2 - 鋳型切り換え機構を通じて核酸ライブラリを調製するためのシステムと方法 - Google Patents

鋳型切り換え機構を通じて核酸ライブラリを調製するためのシステムと方法 Download PDF

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Description

関連する出願
本出願は、2017年12月6日に出願された仮出願USSN第62/595,393号の恩恵を主張するものであり、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
本開示は、分子生物学とDNAシークエンシングの分野に関する。
配列リストの組み込み
「RMSI-012/001WO SeqListing_ST25.txt」という名称のテキストファイルが2018年12月6日に作成され、サイズは53 KBであり、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
少量の出発材料から新規なDNA融合イベントを効率的に検出することは難しい。この分野における現在のプロトコルは、典型的には、大量のDNAが必要な時間のかかる連結工程を必要とする。本開示により、鋳型切り換え機構を通じてアダプタをDNA配列の末端に付加することによって新規な融合イベントを効率的に検出するための組成物と方法が提供される。
本開示により、(a)5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含むセンス鎖と、(b)このセンス鎖(a)の配列と相補的な配列を含む配列を含むアンチセンス鎖を含む二本鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)配列を含んでいて、第2のアダプタ配列が鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)のためのハイブリダイゼーション部位を含む組成物が提供される。本開示の組成物のいくつかの実施態様では、(b)のアンチセンス鎖は、5'から3'に向かって、センス鎖(a)の配列の逆相補的配列を含む配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は3個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列はポリ(G)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第2のアダプタ配列は、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、第2のアダプタ配列は3個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、第2のアダプタ配列はポリ(C)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第2のアダプタ配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列と第2のアダプタ配列は同じではない。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位はポリ(C)配列を含んでいる。本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位は、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位はポリ(C)配列からなる。いくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位は、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列からなる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、PCR産物は、平滑末端化産物、すなわち平滑末端を有する産物である。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAは、物理的に剪断されたDNA、または酵素によって剪断されたDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAはゲノムDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAはベクターを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAは、元々剪断されているDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、元々剪断されているDNAは、無細胞DNA(cfDNA)を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、修復されたDNAは酵素によって修復されて二本鎖になっている。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOは一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOはさらに二次構造を含んでいる。いくつかの実施態様では、二次構造はヘアピンを含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのその少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドは連続している。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOは、第2のアダプタのハイブリダイゼーション部位と少なくとも50%相補的なハイブリダイゼーション部位を含んでいる。いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーション部位は、第2のアダプタのハイブリダイゼーション部位と100%相補的である。いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーション部位は一本鎖核酸配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列は、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列は3個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列はDNA配列である。いくつかの実施態様では、DNA配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。
いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列はRNA配列である。いくつかの実施態様では、RNA配列はポリ(G)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、RNA配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOは一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列はTSOの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列は、TSOの配列と一致する配列、またはTSOの配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は、第1のTSOの配列と一致する配列、またはその第1のTSOの配列と相補的な配列を含み、第2のアダプタ配列は、第2のTSOの配列と一致する配列、またはその第2のTSOの配列と相補的な配列を含み、第1のTSOと第2のTSOは同じではない。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列はTSOの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOの配列と一致する配列、またはTSOの配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列は、TSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列は、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのその少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドは連続している。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は、第1のTSOの配列と一致する配列、またはその第1のTSOの配列と相補的な配列を含み、第2のアダプタ配列は、第2のTSOの配列と一致する配列、またはその第2のTSOの配列と相補的な配列を含み、いくつかの実施態様では、第1のTSOと第2のTSOは同じではない。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列は、それぞれ第1のTSOの配列または第2のTSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列または第2のアダプタ配列は、それぞれ第1のTSOまたは第2のTSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、それぞれ第1のTSOまたは第2のTSOのその少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドは連続している。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、センス鎖は、5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含んでいて、その中の第1のアダプタ配列は、TSOの配列と一致する配列と、独自識別子(UID)配列の配列と一致する配列と、ポリ(G)配列を含み、第2のアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と、UID配列と相補的な配列と、ポリ(C)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、センス鎖は、5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含んでいて、その中の第1のアダプタ配列は、TSOの配列と一致する配列と、独自識別子(UID)配列、サンプル識別子(SID)配列、独自分子識別子(UMI)配列のいずれかの配列と一致する配列と、ポリ(G)配列を含み、第2のアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と、UID配列、SID配列、前記UMI配列のいずれかと相補的な配列と、ポリ(C)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、センス鎖は、5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含んでいて、その中の第1のアダプタ配列は、TSOの配列と一致する配列と、独自識別子(UID)配列、サンプル識別子(SID)配列、独自分子識別子(UMI)配列のいずれかの配列と一致する配列と、ポリ(C)配列を含み、第2のアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかと相補的な配列と、ポリ(G)配列を含んでいる。
本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOはUID配列を含んでいる。本開示の組成物のいくつかの実施態様では、TSOは、UID配列、SID配列、UMI配列のうちの1つ以上を含んでいる。いくつかの実施態様では、UMI配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかはランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UMI配列は、7個のヌクレオチドを含むか、7個のヌクレオチドからなる。いくつかの実施態様では、UMI配列は、5個のヌクレオチドを含むか、5個のヌクレオチドからなる。
本開示により、本開示のdsDNA組成物を製造する方法として、(a)ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で鋳型配列とポリメラーゼを接触させて、アダプタ配列をセンス鎖とアンチセンス鎖の3'末端の位置に含む中間体二本鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)配列を生成させ;(b)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、中間体dsDNAと、ポリメラーゼと、少なくとも1つの鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)を接触させて、本開示の組成物のdsDNAを生成させることを含む方法が提供される。いくつかの実施態様では、センス鎖とアンチセンス鎖の3'末端に位置するアダプタ配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、センス鎖とアンチセンス鎖の3'末端に位置するアダプタ配列は、ポリ(G)配列を含んでいる。
本開示の方法のいくつかの実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼ活性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)を含んでいる。いくつかの実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、複数のdCTPを含んでいる。いくつかの実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、複数のdCTP、または複数のdGTP、またはこれらの組み合わせを含んでいる。いくつかの実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、dCTPとdGTPの組み合わせを含んでいる。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、27℃~50℃(両端を含む)の温度での10分間の期間にわたるインキュベーションを含んでいる。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、42℃で10分間のインキュベーションを含んでいる。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、27℃~50℃(両端を含む)の温度での2~20分間の期間にわたるインキュベーションを含んでいる。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、42℃で10分間のインキュベーションを含んでいる。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、42℃で5分間のインキュベーションを含んでいる。
本開示の方法のいくつかの実施態様では、ポリメラーゼは逆転写酵素を含んでいる。いくつかの実施態様では、逆転写酵素は、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV)という逆転写酵素である。いくつかの実施態様では、逆転写酵素は、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素である。いくつかの実施態様では、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件は、補因子Mg2+を含んでいる。いくつかの実施態様では、補因子Mg2+は、20~40 mMの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、補因子Mg2+は、24~36 mMの濃度で存在する。
本開示の方法のいくつかの実施態様では、(a)における鋳型DNAの濃度は、0.1 ng~100 ng(両端を含む)である。いくつかの実施態様では、(a)における鋳型DNAの濃度は、0.1 ng以下、1 ng以下、10 ng以下、100 ng以下のいずれかである。
本開示により、DNA断片ライブラリを作製する方法として、本開示の組成物を、第1の順プライマーと、第1の逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPと接触させ、増幅が進行するのに十分な条件下で組成物の第1の部分を増幅することにより、第1の増幅産物を生成させることを含む方法が提供される。
本開示のDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、第1の順プライマーと第1の逆プライマーは、組成物のセンス鎖にハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の順プライマーと第1の逆プライマーは、組成物のアンチセンス鎖にハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の順プライマーは、第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の順プライマーは、TSOの配列と一致する配列の一部とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の逆プライマーは、第2のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の逆プライマーは、TSOの配列と一致する配列の一部とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の逆プライマーは、鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする。
本開示のDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、この方法は、の第1の増幅産物と、第2の順プライマーと、第2の逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPを接触させ、増幅が進行するのに十分な条件下で第1の増幅産物を増幅することにより、第2の増幅産物を生成させることをさらに含んでいる。いくつかの実施態様では、第2の順プライマーは、第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第2の順プライマーは、TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第2の逆プライマーは、第2のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第2の逆プライマーは、TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第2の逆プライマーは、鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、第1の順プライマーと第1の逆プライマーが第1のプライマー対を形成し、第2の順プライマーと第2の逆プライマーが第2のプライマー対を形成し、第1のプライマー対が本開示の組成物と接触し、前記第2のプライマー対が第1の増幅産物と接触する。
本開示のDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、順プライマーまたは逆プライマーはサンプル識別子(SID)配列を含んでいる。本開示のDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、順プライマーまたは逆プライマーはUID配列またはSID配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列とSID配列は同じではない。いくつかの実施態様では、順プライマーまたは逆プライマーのUID配列またはSID配列と、TSOのUID配列またはSID配列またはUMI配列は、同じではない。
本開示により、一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)を含む組成物として、そのssDNAが、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含み、そのアダプタ配列がTSOのためのハイブリダイゼーション部位を含む組成物が提供される。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、アダプタ配列は、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列は3個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列はポリ(C)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列は、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位はポリ(C)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位は、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列を含んでいる
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、PCR産物は、平滑末端化産物、すなわち平滑末端を有する産物である。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAは、物理的に剪断されたDNA、または酵素によって剪断されたDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAはゲノムDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAはベクターを含んでいる。いくつかの実施態様では、剪断されたDNAは、元々剪断されているDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、元々剪断されているDNAは、無細胞DNA(cfDNA)を含んでいる。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、鋳型配列は、断片化されたDNA配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、断片化されたDNA配列は、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、修復されたDNAは酵素によって修復されて二本鎖になっている。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、TSOは一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOはさらに二次構造を含んでいる。いくつかの実施態様では、二次構造はヘアピンを含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのその少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドは連続している。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、TSOは、アダプタのハイブリダイゼーション部位と少なくとも50%相補的なハイブリダイゼーション部位を含んでいる。いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーション部位は、アダプタのハイブリダイゼーション部位と100%相補的である。いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーション部位は一本鎖核酸配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列は、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列は3個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列はDNA配列である。いくつかの実施態様では、一本鎖核酸配列はRNA配列である。いくつかの実施態様では、RNA配列はポリ(G)配列を含んでいる。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、TSOは一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列はTSOの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列は、TSOの配列と一致する配列、またはTSOの配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列は、TSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。いくつかの実施態様では、アダプタ配列は、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのその少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドは連続している。
本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、ssDNAは、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含む配列を含み、そのアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と、UID配列と相補的な配列と、ポリ(C)配列を含んでいる。本開示のssDNA組成物のいくつかの実施態様では、ssDNAは、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含む配列を含み、そのアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と、UID配列と相補的な配列と、ポリ(G)配列を含んでいる。
いくつかの実施態様では、TSOはUID配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOは、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかはランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UIDは、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UIDは、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UIDは、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかは、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UMIは7個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UMI配列は5個のヌクレオチドを含んでいる
本開示により、本開示のssDNAを作製する方法として、(a)鋳型配列を変性させて変性した鋳型を生成させ、(b)初期プライマー伸長活性の後に第2のターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、変性したその鋳型と、変性したその鋳型の配列とハイブリダイズするプライマーと、ポリメラーゼを接触させて、3'末端の位置にアダプタ配列を含む中間体ssDNA配列を生成させ、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、その中間体ssDNA配列と、ポリメラーゼと、TSOを接触させて、ssDNA組成物を生成させることを含む方法が提供される。いくつかの実施態様では、センス鎖とアンチセンス鎖の3'末端に位置するアダプタ配列は、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、センス鎖とアンチセンス鎖の3'末端に位置するアダプタ配列は、ポリ(G)配列を含んでいる。
本開示のssDNAを作製する方法のいくつかの実施態様では、この方法は、(d)ヌクレアーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で(c)のssDNA組成物とエキソヌクレアーゼを接触させて(b)のプライマーおよび/または(c)のTSOを除去し、(e)エキソヌクレアーゼ、またはそのヌクレアーゼ活性を除去して単離されたssDNA組成物を生成させることをさらに含んでいる。
本開示のssDNAを作製する方法のいくつかの実施態様では、除去工程は、ssDNA組成物と(c)のエキソヌクレアーゼを加熱することを含んでいる。
本開示のssDNAを作製する方法のいくつかの実施態様では、ポリメラーゼは熱安定ポリメラーゼを含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは高正確性ポリメラーゼを含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、プルーフリーディング活性を有する。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、プルーフリーディング活性を持ち、ウラシルに対して寛容である。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、Pfuポリメラーゼの配列、またはKODポリメラーゼの配列、またはこれらの組み合わせを含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、PfuポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、親指(thumb)ドメインと、KODポリメラーゼ(「Pod」ポリメラーゼとしても知られる)の手のひら(palm)ドメイン、指(finger)ドメインを含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、KODポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、親指ドメインと、Pfuポリメラーゼ(「Kofu」ポリメラーゼとしても知られる)の手のひらドメイン、指ドメインを含んでいる。
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはKofuポリメラーゼであり、以下の核酸配列を含んでいる。
1 atggctagcg ccattctgga taccgactat atcacggaag atggcaaacc ggtgatacgt
61 atttttaaga aagagaatgg tgagttcaaa atcgagtacg accgcacttt tgagccatat
121 ttctacgcgt tactgaagga cgatagcgcc attgaagaag ttaaaaaaat caccgcagag
181 cggcatggga cagtggtaac cgtgaagaga gttgaaaaag tccagaaaaa atttttggga
241 cgacctgtag aagtgtggaa actttatttc actcaccccc aagatgttcc ggctatacgt
301 gataaaattc gcgaacatcc agcggtcatt gatatttacg aatatgatat accttttgcc
361 aagcgttacc tcatcgacaa aggcctggtg ccgatggaag gtgatgaaga attaaaaatg
421 ttggcattcg acattgaaac actttatcac gagggggaag agtttgctga gggtcccatc
481 ctgatgattt cttatgcgga tgaagagggt gcccgcgtaa taacctggaa gaacgttgat
541 ctcccgtacg tggacgtcgt tagtacggaa cgggaaatga tcaaacgttt cctgcgcgta
601 gtgaaagaga aagatccaga cgtcttaatt acctataatg gtgataactt tgattttgca
661 tacctgaaaa aaagatgcga aaagttgggc ataaatttcg ctcttggtcg agacgggtca
721 gagcctaaaa tccagcgtat gggagatcgc tttgcggttg aagtgaaagg ccggattcat
781 ttcgacctgt atccggtaat tcgtcgcact atcaacctcc ccacatacac gttagaagcc
841 gtctatgagg cagtttttgg tcaaccgaag gaaaaagttt acgctgagga aattaccact
901 gcgtgggaaa caggcgagaa tctggaacgt gtagcccgct attctatgga ggatgcaaaa
961 gttacctatg aattgggtaa ggaatttctt ccaatggagg cgcagctgag tcgtttagtc
1021 ggacaacctc tgtgggacgt ttcacgctcc tcgactggca atctcgtgga gtggttcctg
1081 ttgagaaaag cctatgaacg aaacgaagta gcaccgaata aaccaagcga ggaagaatat
1141 cagcgtcgcc ttcgcgagtc ttacacaggt gggtttgtta aggaaccgga gaaaggtctt
1201 tgggaaaaca tcgtgtattt agatttccgt gcgctgtacc ccagtattat aatcacccac
1261 aatgtctcac ctgacacgct caacttggaa ggttgcaaaa attatgatat tgctccgcaa
1321 gttggacata agttttgtaa agatattccg ggcttcatcc cgtccctgct tggtcactta
1381 ctggaagagc gccaaaaaat taagaccaaa atgaaagaga ctcaggatcc cattgaaaag
1441 atcctgctcg attaccggca aaaagccatt aaattgcttg caaactcgtt ttatgggtac
1501 tatggctatg cgaaggctcg ttggtactgc aaagaatgtg ccgagagcgt gacagcatgg
1561 ggtcgcaaat atatagaatt agtatggaag gagctggaag aaaaattcgg attcaaagtc
1621 ctgtacatcg atacggatgg cctctatgcg accattcctg gtggggagtc tgaagaaatc
1681 aagaaaaaag ccttggaatt ccttaagtat ataaatgcta aattacctgg tgccctggag
1741 ctggaatacg aagggtttta caaacgcgga ttctttgtta ctaagaaaaa atatgcggtg
1801 atcgacgagg aaggcaagat tacgaccaga ggcctcgaga ttgtacggcg tgattggagc
1861 gaaatcgcta aagaaacaca ggcacgtgtc ttggaggcat tactgaaaga tggggacgtt
1921 gaaaaggcgg tgcgaattgt aaaagaagtc accgaaaaac tttctaagta cgaagttccg
1981 ccagagaaac tggtgataca cgaacaaatc actcgtgatc tgaaagacta taaggctaca
2041 ggcccgcatg tagcagtcgc caaacgcctc gcggctcggg gtgttaaaat tcgtcccgga
2101 acggtgatca gttacattgt attgaagggc tcaggtcgca taggggatag agcaatccct
2161 ttcgacgagt ttgatccaac caaacacaaa tatgatgccg aatactatat tgaaaaccag
2221 gtcttgccgg cggttgagcg tatactgcgc gctttcggct atcgaaagga agatcttcgt
2281 taccaaaaaa ctagacaggt gggtctgtcc gcatggctca aacctaaggg aacgtaa(配列番号1)
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはKofuポリメラーゼであり、以下のアミノ酸配列を含んでいる。
MASAILDTDYITEDGKPVIRIFKKENGEFKIEYDRTFEPYFYALLKDDSAIEEVKKITAE
RHGTVVTVKRVEKVQKKFLGRPVEVWKLYFTHPQDVPAIRDKIREHPAVIDIYEYDIPFA
KRYLIDKGLVPMEGDEELKMLAFDIETLYHEGEEFAEGPILMISYADEEGARVITWKNVD
LPYVDVVSTEREMIKRFLRVVKEKDPDVLITYNGDNFDFAYLKKRCEKLGINFALGRDGS
EPKIQRMGDRFAVEVKGRIHFDLYPVIRRTINLPTYTLEAVYEAVFGQPKEKVYAEEITT
AWETGENLERVARYSMEDAKVTYELGKEFLPMEAQLSRLVGQPLWDVSRSSTGNLVEWFL
LRKAYERNEVAPNKPSEEEYQRRLRESYTGGFVKEPEKGLWENIVYLDFRALYPSIIITH
NVSPDTLNLEGCKNYDIAPQVGHKFCKDIPGFIPSLLGHLLEERQKIKTKMKETQDPIEK
ILLDYRQKAIKLLANSFYGYYGYAKARWYCKECAESVTAWGRKYIELVWKELEEKFGFKV
LYIDTDGLYATIPGGESEEIKKKALEFLKYINAKLPGALELEYEGFYKRGFFVTKKKYAV
IDEEGKITTRGLEIVRRDWSEIAKETQARVLEALLKDGDVEKAVRIVKEVTEKLSKYEVP
PEKLVIHEQITRDLKDYKATGPHVAVAKRLAARGVKIRPGTVISYIVLKGSGRIGDRAIP
FDEFDPTKHKYDAEYYIENQVLPAVERILRAFGYRKEDLRYQKTRQVGLSAWLKPKGT(配列番号2)
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはPodポリメラーゼであり、以下の核酸配列を含んでいる。
1 atggctagcg ccattctgga tgtggactat atcaccgaag agggcaaacc ggttatacgt
61 ttatttaaga aagagaatgg taaattcaag atcgagcatg accgcacgtt ccgtccatac
121 atttacgcgt tgcttcggga tgatagcaaa attgaggaag tcaaaaagat caccggggaa
181 cgtcatggaa aaatagtaag aattgtggac gttgaaaaag tcgaaaagaa atttctgggc
241 aaaccgatca ctgtatggaa gctctatctg gaacatcctc aggatgtgcc cacaattcga
301 gaaaaagttc gtgagcaccc agccgtcgtg gatatatttg aatatgacat cccttttgca
361 aaacgctact taattgataa aggcctgatc ccgatggagg gggaagaaga acttaaaatt
421 ctggcttttg acatagaaac gctctatcat gagggagaag aatttggcaa aggtcccatc
481 attatgattt cttacgcgga tgagaacgaa gccaaggtaa tcacttggaa aaatattgac
541 ctgccgtacg ttgaagtggt cagttcagag cgggaaatga ttaaacgttt tttacgcatc
601 attagagaga aagatccaga tataatcgtt acatataacg gcgactcctt cgattttcct
661 tacctggcaa aacgagctga aaaattgggt attaaactta ccatcgggcg tgacggatcg
721 gaaccgaaaa tgcaacgcat tggcgatatg acggcggtag aggtgaaagg tcggatacac
781 tttgatctgt atcatgtcat cacccgtact attaatctcc ccacatacac gttagaagcc
841 gtttatgagg caatattcgg caagccgaaa gaaaaagtgt acgctgacga aatcgcgaag
901 gcatgggaga gcggcgaaaa cctggagcgc gtagcaaaat attctatgga agatgctaaa
961 gcgacctacg aattggggaa agaatttctt ccaatggaaa ttcagctgtc gagattaata
1021 gggcagagcc tgtgggacgt gtctcgaagt tcaacgggaa acctcgtcga atggtttctg
1081 ttgcggaaag catacgagcg taatgaactt gcccctaaca aaccggatga aaaggagctg
1141 gcacgccgtc gccaatccta tgaaggcggt tacgttaaag aaccagagcg ggggttatgg
1201 gaaaatatcg tgtatctgga tttccgttcg ctctacccga gcattatcat tacccacaac
1261 gtatctcccg acactttgaa tcgcgagggc tgtaaagaat atgatgtcgc gccgcaggtt
1321 ggtcatagat tttgcaagga cttcccggga tttataccaa gtctgcttgg cgatttactg
1381 gaagagcgac aaaaaatcaa aaagaaaatg aaagctacaa tcgatccgat agaacgtaag
1441 ctgctcgact accgccagcg ggccatcaaa attttggcaa actcatatta tggttactat
1501 gggtacgcgc gtgctcgctg gtattgtaaa gagtgcgccg aatccgtgac ggcatggggc
1561 cgtgaataca tcaccatgac tattaaggag atagaagaga aatatggttt caaagtaatc
1621 tactcggata cagacggatt ctttgcgacg attcccggtg ccgatgcaga aaccgtcaag
1681 aaaaaagcga tggaattcgt taagtacatt aatagtaaat taccgggact gcttgaactg
1741 gagtatgaag gcttctacaa aagaggtttt ttcgttacta agaaacgata tgccgtaata
1801 gatgaagagg ggaaagtcat cacacgtggc ctcgagattg ttcgccggga ctggtcagag
1861 atagcaaagg aaacgcaggc gcgcgtgctc gaaaccatct tgaaacatgg tgatgtagag
1921 gaagccgtcc gcattgttaa agaggtgatc cagaagttag caaactatga aattccaccg
1981 gaaaaactgg cgatatacga gcaaatcact cgtccccttc acgaatataa agctattgga
2041 cctcatgtag ccgtcgcgaa gaaactggct gcaaaaggcg ttaagataaa accaggtatg
2101 gtgatcgggt acattgtact ccgcggcgac ggtccgattt ccaatagagc catcttggcg
2161 gaggaatatg atcctaaaaa gcataaatac gacgctgaat attacattga gaaccaggtc
2221 ttgccggcag ttctgcggat acttgaagga tttggctatc gtaaagaaga tctgcgctat
2281 caaaagacgc gacaggtggg tctgactagc tggttgaata tcaaaaaatc gtaa(配列番号3)
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはPodポリメラーゼであり、以下のアミノ酸配列を含んでいる。
MASAILDVDYITEEGKPVIRLFKKENGKFKIEHDRTFRPYIYALLRDDSKIEEVKKITGE
RHGKIVRIVDVEKVEKKFLGKPITVWKLYLEHPQDVPTIREKVREHPAVVDIFEYDIPFA
KRYLIDKGLIPMEGEEELKILAFDIETLYHEGEEFGKGPIIMISYADENEAKVITWKNID
LPYVEVVSSEREMIKRFLRIIREKDPDIIVTYNGDSFDFPYLAKRAEKLGIKLTIGRDGS
EPKMQRIGDMTAVEVKGRIHFDLYHVITRTINLPTYTLEAVYEAIFGKPKEKVYADEIAK
AWESGENLERVAKYSMEDAKATYELGKEFLPMEIQLSRLIGQSLWDVSRSSTGNLVEWFL
LRKAYERNELAPNKPDEKELARRRQSYEGGYVKEPERGLWENIVYLDFRSLYPSIIITHN
VSPDTLNREGCKEYDVAPQVGHRFCKDFPGFIPSLLGDLLEERQKIKKKMKATIDPIERK
LLDYRQRAIKILANSYYGYYGYARARWYCKECAESVTAWGREYITMTIKEIEEKYGFKVI
YSDTDGFFATIPGADAETVKKKAMEFVKYINSKLPGLLELEYEGFYKRGFFVTKKRYAVI
DEEGKVITRGLEIVRRDWSEIAKETQARVLETILKHGDVEEAVRIVKEVIQKLANYEIPP
EKLAIYEQITRPLHEYKAIGPHVAVAKKLAAKGVKIKPGMVIGYIVLRGDGPISNRAILA
EEYDPKKHKYDAEYYIENQVLPAVLRILEGFGYRKEDLRYQKTRQVGLTSWLNIKKS(配列番号4)
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはKODポリメラーゼであり、以下の核酸配列を含んでいる。
1 atggctagcg ccattctgga taccgactat atcacggaag atggcaaacc ggtgatacgt
61 atttttaaga aagagaatgg tgagttcaaa atcgagtacg accgcacttt tgagccatat
121 ttctacgcgt tactgaagga cgatagcgcc attgaagaag ttaaaaaaat caccgcagag
181 cggcatggga cagtggtaac cgtgaagaga gttgaaaaag tccagaaaaa atttttggga
241 cgacctgtag aagtgtggaa actttatttc actcaccccc aagatgttcc ggctatacgt
301 gataaaattc gcgaacatcc agcggtcatt gatatttacg aatatgatat accttttgcc
361 aagcgttacc tcatcgacaa aggcctggtg ccgatggaag gtgatgaaga attaaaaatg
421 ttggcattcg acattgaaac actttatcac gagggggaag agtttgctga gggtcccatc
481 ctgatgattt cttatgcgga tgaagagggt gcccgcgtaa taacctggaa gaacgttgat
541 ctcccgtacg tggacgtcgt tagtacggaa cgggaaatga tcaaacgttt cctgcgcgta
601 gtgaaagaga aagatccaga cgtcttaatt acctataatg gtgataactt tgattttgca
661 tacctgaaaa aaagatgcga aaagttgggc ataaatttcg ctcttggtcg agacgggtca
721 gagcctaaaa tccagcgtat gggagatcgc tttgcggttg aagtgaaagg ccggattcat
781 ttcgacctgt atccggtaat tcgtcgcact atcaacctcc ccacatacac gttagaagcc
841 gtctatgagg cagtttttgg tcaaccgaag gaaaaagttt acgctgagga aattaccact
901 gcgtgggaaa caggcgagaa tctggaacgt gtagcccgct attctatgga ggatgcaaaa
961 gttacctatg aattgggtaa ggaatttctt ccaatggagg cgcagctgtc gagattaata
1021 gggcagagcc tgtgggacgt gtctcgaagt tcaacgggaa acctcgtcga atggtttctg
1081 ttgcggaaag catacgagcg taatgaactt gcccctaaca aaccggatga aaaggagctg
1141 gcacgccgtc gccaatccta tgaaggcggt tacgttaaag aaccagagcg ggggttatgg
1201 gaaaatatcg tgtatctgga tttccgttcg ctctacccga gcattatcat tacccacaac
1261 gtatctcccg acactttgaa tcgcgagggc tgtaaagaat atgatgtcgc gccgcaggtt
1321 ggtcatagat tttgcaagga cttcccggga tttataccaa gtctgcttgg cgatttactg
1381 gaagagcgac aaaaaatcaa aaagaaaatg aaagctacaa tcgatccgat agaacgtaag
1441 ctgctcgact accgccagcg ggccatcaaa attttggcaa actcatatta tggttactat
1501 gggtacgcgc gtgctcgctg gtattgtaaa gagtgcgccg aatccgtgac ggcatggggc
1561 cgtgaataca tcaccatgac tattaaggag atagaagaga aatatggttt caaagtaatc
1621 tactcggata cagacggatt ctttgcgacg attcccggtg ccgatgcaga aaccgtcaag
1681 aaaaaagcga tggaattcct taagtatata aatgctaaat tacctggtgc cctggagctg
1741 gaatacgaag ggttttacaa acgcggattc tttgttacta agaaaaaata tgcggtgatc
1801 gacgaggaag gcaagattac gaccagaggc ctcgagattg tacggcgtga ttggagcgaa
1861 atcgctaaag aaacacaggc acgtgtcttg gaggcattac tgaaagatgg ggacgttgaa
1921 aaggcggtgc gaattgtaaa agaagtcacc gaaaaacttt ctaagtacga agttccgcca
1981 gagaaactgg tgatacacga acaaatcact cgtgatctga aagactataa ggctacaggc
2040 ccgcatgtag cagtcgccaa acgcctcgcg gctcggggtg ttaaaattcg tcccggaacg
2100 gtgatcagtt acattgtatt gaagggctca ggtcgcatag gggatagagc aatccctttc
2160 gacgagtttg atccaaccaa acacaaatat gatgccgaat actatattga aaaccaggtc
2220 ttgccggcgg ttgagcgtat actgcgcgct ttcggctatc gaaaggaaga tcttcgttac
2280 caaaaaacta gacaggtggg tctgtccgca tggctcaaac ctaagggaac gtaa(配列番号5)
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはKODポリメラーゼであり、以下のアミノ酸配列を含んでいる。
MASAILDTDYITEDGKPVIRIFKKENGEFKIEYDRTFEPYFYALLKDDSAIEEVKKITAE
RHGTVVTVKRVEKVQKKFLGRPVEVWKLYFTHPQDVPAIRDKIREHPAVIDIYEYDIPFA
KRYLIDKGLVPMEGDEELKMLAFDIETLYHEGEEFAEGPILMISYADEEGARVITWKNVD
LPYVDVVSTEREMIKRFLRVVKEKDPDVLITYNGDNFDFAYLKKRCEKLGINFALGRDGS
EPKIQRMGDRFAVEVKGRIHFDLYPVIRRTINLPTYTLEAVYEAVFGQPKEKVYAEEITT
AWETGENLERVARYSMEDAKVTYELGKEFLPMEAQLSRLIGQSLWDVSRSSTGNLVEWFL
LRKAYERNELAPNKPDEKELARRRQSYEGGYVKEPERGLWENIVYLDFRSLYPSIIITHN
VSPDTLNREGCKEYDVAPQVGHRFCKDFPGFIPSLLGDLLEERQKIKKKMKATIDPIERK
LLDYRQRAIKILANSYYGYYGYARARWYCKECAESVTAWGREYITMTIKEIEEKYGFKVI
YSDTDGFFATIPGADAETVKKKAMEFLKYINAKLPGALELEYEGFYKRGFFVTKKKYAVI
DEEGKITTRGLEIVRRDWSEIAKETQARVLEALLKDGDVEKAVRIVKEVTEKLSKYEVPP
EKLVIHEQITRDLKDYKATGPHVAVAKRLAARGVKIRPGTVISYIVLKGSGRIGDRAIPF
DEFDPTKHKYDAEYYIENQVLPAVERILRAFGYRKEDLRYQKTRQVGLSAWLKPKGT(配列番号6)。
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはPfuポリメラーゼであり、以下の核酸配列を含んでいる。
1 atggctagcg ccattctgga tgtggactat atcaccgaag agggcaaacc ggttatacgt
61 ttatttaaga aagagaatgg taaattcaag atcgagcatg accgcacgtt ccgtccatac
121 atttacgcgt tgcttcggga tgatagcaaa attgaggaag tcaaaaagat caccggggaa
181 cgtcatggaa aaatagtaag aattgtggac gttgaaaaag tcgaaaagaa atttctgggc
241 aaaccgatca ctgtatggaa gctctatctg gaacatcctc aggatgtgcc cacaattcga
301 gaaaaagttc gtgagcaccc agccgtcgtg gatatatttg aatatgacat cccttttgca
361 aaacgctact taattgataa aggcctgatc ccgatggagg gggaagaaga acttaaaatt
421 ctggcttttg acatagaaac gctctatcat gagggagaag aatttggcaa aggtcccatc
481 attatgattt cttacgcgga tgagaacgaa gccaaggtaa tcacttggaa aaatattgac
541 ctgccgtacg ttgaagtggt cagttcagag cgggaaatga ttaaacgttt tttacgcatc
601 attagagaga aagatccaga tataatcgtt acatataacg gcgactcctt cgattttcct
661 tacctggcaa aacgagctga aaaattgggt attaaactta ccatcgggcg tgacggatcg
721 gaaccgaaaa tgcaacgcat tggcgatatg acggcggtag aggtgaaagg tcggatacac
781 tttgatctgt atcatgtcat cacccgtact attaatctcc ccacatacac gttagaagcc
841 gtttatgagg caatattcgg caagccgaaa gaaaaagtgt acgctgacga aatcgcgaag
901 gcatgggaga gcggcgaaaa cctggagcgc gtagcaaaat attctatgga agatgctaaa
961 gcgacctacg aattggggaa agaatttctt ccaatggaaa ttcagctgag tcgtttagtc
1021 ggacaacctc tgtgggacgt ttcacgctcc tcgactggca atctcgtgga gtggttcctg
1081 ttgagaaaag cctatgaacg aaacgaagta gcaccgaata aaccaagcga ggaagaatat
1141 cagcgtcgcc ttcgcgagtc ttacacaggt gggtttgtta aggaaccgga gaaaggtctt
1201 tgggaaaaca tcgtgtattt agatttccgt gcgctgtacc ccagtattat aatcacccac
1261 aatgtctcac ctgacacgct caacttggaa ggttgcaaaa attatgatat tgctccgcaa
1321 gttggacata agttttgtaa agatattccg ggcttcatcc cgtccctgct tggtcactta
1381 ctggaagagc gccaaaaaat taagaccaaa atgaaagaga ctcaggatcc cattgaaaag
1441 atcctgctcg attaccggca aaaagccatt aaattgcttg caaactcgtt ttatgggtac
1501 tatggctatg cgaaggctcg ttggtactgc aaagaatgtg ccgagagcgt gacagcatgg
1561 ggtcgcaaat atatagaatt agtatggaag gagctggaag aaaaattcgg attcaaagtc
1621 ctgtacatcg atacggatgg cctctatgcg accattcctg gtggggagtc tgaagaaatc
1681 aagaaaaaag ccttggaatt cgttaagtac attaatagta aattaccggg actgcttgaa
1741 ctggagtatg aaggcttcta caaaagaggt tttttcgtta ctaagaaacg atatgccgta
1801 atagatgaag aggggaaagt catcacacgt ggcctcgaga ttgttcgccg ggactggtca
1861 gagatagcaa aggaaacgca ggcgcgcgtg ctcgaaacca tcttgaaaca tggtgatgta
1921 gaggaagccg tccgcattgt taaagaggtg atccagaagt tagcaaacta tgaaattcca
1981 ccggaaaaac tggcgatata cgagcaaatc actcgtcccc ttcacgaata taaagctatt
2041 ggacctcatg tagccgtcgc gaagaaactg gctgcaaaag gcgttaagat aaaaccaggt
2101 atggtgatcg ggtacattgt actccgcggc gacggtccga tttccaatag agccatcttg
2161 gcggaggaat atgatcctaa aaagcataaa tacgacgctg aatattacat tgagaaccag
2221 gtcttgccgg cagttctgcg gatacttgaa ggatttggct atcgtaaaga agatctgcgc
2281 tatcaaaaga cgcgacaggt gggtctgact agctggttga atatcaaaaa atcgtaa(配列番号7)。
本開示のポリメラーゼのいくつかの実施態様では、ポリメラーゼはPfuポリメラーゼであり、以下のアミノ酸配列を含んでいる。
MASAILDVDYITEEGKPVIRLFKKENGKFKIEHDRTFRPYIYALLRDDSKIEEVKKITGE
RHGKIVRIVDVEKVEKKFLGKPITVWKLYLEHPQDVPTIREKVREHPAVVDIFEYDIPFA
KRYLIDKGLIPMEGEEELKILAFDIETLYHEGEEFGKGPIIMISYADENEAKVITWKNID
LPYVEVVSSEREMIKRFLRIIREKDPDIIVTYNGDSFDFPYLAKRAEKLGIKLTIGRDGS
EPKMQRIGDMTAVEVKGRIHFDLYHVITRTINLPTYTLEAVYEAIFGKPKEKVYADEIAK
AWESGENLERVAKYSMEDAKATYELGKEFLPMEIQLSRLVGQPLWDVSRSSTGNLVEWFL
LRKAYERNEVAPNKPSEEEYQRRLRESYTGGFVKEPEKGLWENIVYLDFRALYPSIIITH
NVSPDTLNLEGCKNYDIAPQVGHKFCKDIPGFIPSLLGHLLEERQKIKTKMKETQDPIEK
ILLDYRQKAIKLLANSFYGYYGYAKARWYCKECAESVTAWGRKYIELVWKELEEKFGFKV
LYIDTDGLYATIPGGESEEIKKKALEFVKYINSKLPGLLELEYEGFYKRGFFVTKKRYAV
IDEEGKVITRGLEIVRRDWSEIAKETQARVLETILKHGDVEEAVRIVKEVIQKLANYEIP
PEKLAIYEQITRPLHEYKAIGPHVAVAKKLAAKGVKIKPGMVIGYIVLRGDGPISNRAIL
AEEYDPKKHKYDAEYYIENQVLPAVLRILEGFGYRKEDLRYQKTRQVGLTSWLNIKKS(配列番号8)。
本開示により、ssDNAからDNA断片ライブラリを作製する方法として、少なくとも1つのssDNAまたはその一部を増幅するのに十分な条件下で、本開示のssDNA組成物または単離されたssDNA組成物と、順プライマーと、逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPを接触させることを含んでいて、ssDNAが第1の増幅産物を含み、第2の増幅産物が、ssDNAおよび/または第1の増幅産物と相補的な第2のDNA鎖を含む方法が提供される。
ssDNAからDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、順プライマーは、第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、順プライマーは、TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする。いくつかの実施態様では、逆プライマーは、鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする。
ssDNAからDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、逆プライマーは、連結配列とSID配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、逆プライマーは、連結配列を含むとともに、UID配列またはSID配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、連結配列は、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、連結配列は、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または55%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%、または97%、または99%、または100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列はランダムな配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、あらかじめ決められた配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、UID配列またはSID配列は8個のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、SID配列とUID配列は同じではない。いくつかの実施態様では、プライマーのUID配列またはSID配列と、TSOのUID配列またはSID配列またはUMI配列は、同じではない。
ssDNAからDNA断片ライブラリを作製する方法のいくつかの実施態様では、第1の増幅産物は、逆プライマーの配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、逆プライマーはSID配列を含み、第1の増幅産物は、SID配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、逆プライマーはUID配列またはSID配列を含み、第1の増幅産物は、UID配列またはSID配列と相補的な配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、逆プライマーは連結配列を含み、第1の増幅産物は、その連結配列と相補的な配列を含んでいる。
本特許または本出願のファイルは、少なくとも1枚のカラー図面を含んでいる。カラー図面を伴う本特許または本特許出願公開のコピーは、請求して必要な手数料を支払うことにより特許商標庁から提供される。
図1は、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV RT)と鋳型切り換えオリゴ(TSO)を用いてアダプタ配列を平滑末端二本鎖DNA分子のいずれかの端部に付加することのできる方法の図である。 図2は、153塩基対(bp)のDNA鋳型から増幅したリアルタイムPCR反応産物のグラフであり、この鋳型のいずれかの端部には、本開示の鋳型切り換え反応によってアダプタが付加されていた。上のグラフ:MMLV RTの存在下で鋳型DNAを鋳型切り換えオリゴ(TSO)と反応させた(+RT)。下のグラフ:MMLV RTなしの対照反応(-RT)。x軸には、反応サイクルの数が、増分5で0から35まで(左のグラフ)と、増分5で80から90まで(右のグラフ)示されている。y軸には、蛍光が、増分10で0から100まで示されている(両方のグラフ)。反応で使用した、アダプタ(斜線入りの箱)とPCRプライマー(矢印)を有する鋳型の模式図をグラフの下に示してある。このPCR反応では、1つのPCRプライマー(左)は鋳型DNA配列にハイブリダイズするのに対し、他方のPCRプライマー(右)はTSO(斜線入りの箱)に特異的である。 図3は、153 bp DNAの鋳型から増幅したリアルタイムPCR反応産物のグラフであり、この鋳型のいずれかの端部には、本開示の鋳型切り換え反応によってアダプタが付加されていた。上のグラフ:MMLV RTの存在下で鋳型DNAをTSOと反応させた(+RT)。下のグラフ:MMLV RTなしの対照反応(-RT)。x軸には、反応サイクルの数が、増分5で0から35まで(左のグラフ)と、増分5で80から90まで(右のグラフ)示されている。y軸には、蛍光が、増分10で0から100まで示されている(両方のグラフ)。反応で使用した、アダプタ(斜線入りの箱)とPCRプライマー(矢印)を有する鋳型の模式図をグラフの下に示してある。このPCR反応では、両方のPCRプライマー(左と右)が鋳型DNA配列にハイブリダイズする。 図4は、PCR産物のサイズを示すゲルの写真であり、PCR反応のためのPCR鋳型のダイヤグラムとPCRプライマーの位置が上部に示されている。y軸はバンドのサイズを示しており、DNAラダーは最も左側と右側の列にロードされた。DNAラダーのバンドのサイズが左側に示されている。標識されたバンドは、上から下に向かって、500 bp、400 bp、300 bp、200 bp、100 bpである。PCR反応のダイヤグラムでは、鋳型配列を黒で示し、TSO配列を斜線入りの箱で示し、プライマーを鋳型配列および/またはTSO配列と平行な矢印で描いてある。 図5は、MMLV RTとTSOを用いてアダプタ配列を平滑末端二本鎖DNA分子のいずれかの端部に付加させることのできる方法の図である。 図6は、シークエンシングライブラリを生成させるため、MMLV RTとTSOを用いてアダプタ配列を平滑末端二本鎖DNA分子のいずれかの端部に付加させることのできる方法の図である。 図7Aは、Covarisで剪断したヒトゲノムDNA断片を、BioAnalyzer高感度アッセイを利用して分析し、そのサイズ分布を示したグラフである。x軸には、入力断片のサイズが、塩基対(bp)を単位としてプロットされている。サイズは、左から右に向かって、35 bp、100 bp、200 bp、300 bp、400 bp、500 bp、700 bp、2,000 bp、10,380 bpと表示されている。y軸では、蛍光強度[FU]が、0から250まで50間隔で増加している。鉛直方向の点線で示されているピークの位置は、左から右に向かって、35、240、256、275、290、314、315、372、398、413、448、10380である。 図7Bは、一端にTSO配列を、他端にCCHP1プライマー配列、CCHP2プライマー配列、CCHP3プライマー配列を有する断片からなる第1ラウンドの一次PCR産物を、BioAnalyzer高感度アッセイを利用して分析したときのサイズ分布を示すグラフである。x軸には、入力断片のサイズが、塩基対(bp)を単位としてプロットされている。サイズは、左から右に向かって、35 bp、100 bp、200 bp、300 bp、400 bp、500 bp、700 bp、2,000 bp、10,380 bpと表示されている。y軸では、蛍光強度[FU]が0から100まで20間隔で増加している。鉛直方向の点線で示されているピークの位置は、左から右に向かって、35、248、260、273、302、322、332、358、385、386、414、426、465、496、522、591、663、699、10380である。 図8は、図6のダイヤグラムを利用するとともに、図7で特徴づけられたゲノムDNAとPCR産物を利用して生成されたライブラリの追加分析を示す一連のグラフであり、上部にプライマー結合部位のダイヤグラムが示されている。上部には、ライブラリを特徴づけるのに用いたプライマーセットのダイヤグラムがある。遺伝子特異的プライマー(Gsp、矢印AとB)は鋳型DNA配列内から増幅するのに対し、ライブラリ(lib)プライマー(矢印XとY)は、TSO(斜線入りの箱)内と反対側のアダプタ領域(鉛直線の箱)内の配列にハイブリダイズする。左側では、5'末端にTSO配列を、3'末端にCCHP1配列、CCHP2配列、CCHP3配列を有する断片からなる二次PCR産物を、5ナノグラムの出発材料(上のグラフ)、または500ピコグラム(中央のグラフ)、または50ピコグラム(下のグラフ)から増幅し、BioAnalyzer高感度アッセイを利用して分析した。左側の3つのグラフそれぞれは断片のサイズ分布を示しており、x軸は塩基対であり(左から右に向かって、35 bp、100 bp、200 bp、300 bp、400 bp、500 bp、700 bp、2,000 bp、10,380 bpと表示)、y軸は蛍光強度[FU]である。左上のグラフでは、[FU]は最低の0から1000まで500の増分で表示されている。左中のグラフでは、[FU]は最低の0から1500まで500の増分で表示されている。左下のグラフでは、[FU]は最低の0から3,000まで500の増分で表示されている。右側の3つのグラフは、5ナノグラムの出発材料(上のグラフ)、500ピコグラムの出発材料(中央のグラフ)、50ピコグラムの出発材料(下のグラフ)から生成された3つのライブラリの中にあってCCHP1プライマー、CCHP2プライマー、CCHP3プライマーに対応する興味ある遺伝子の遺伝子の富化を示している。右側の各グラフでは、x軸に興味ある遺伝子が与えられていて、y軸は交差点メトリックの変化ΔCt Gsp-libである。興味ある遺伝子に関するライブラリの富化は、入力として二次PCR産物を用いたリアルタイムPCRによって評価し、(全断片を増幅する)ライブラリ特異的プライマーを用いると交差点Ct(lib)が生成し、3つの遺伝子特異的プライマーの組み合わせCCHP1、2、3を用いると3つの遺伝子それぞれについて交差点Ct(Gsp)が生成する。メトリックΔCt Gsp-libは、Ct(Gsp)からCt(lib)を差し引くことによって3つの標的遺伝子それぞれについて計算した。この特定の遺伝子では、値がより小さいと、ライブラリがより豊富である。3つの遺伝子標的の間のΔCt Gsp-libのわずかな差は、ライブラリの中に標的が一様に現われることを示している。 図9は、新規な遺伝子融合イベントの検出という問題と、本開示のアダプタ配列と方法を利用してこれらのイベントをどのようにして検出できるかを図解したダイヤグラムである。 図10は、本開示の鋳型切り換え法で用いられるようなアダプタを用いて生成されるシークエンシングのリードがどのようにして新規な融合イベントを検出できるかを図解したダイヤグラムである。 図11は、すぐにシークエンシングができるPCR産物を、本開示の方法を利用して生成させるための作業フローを示すダイヤグラムである。 図12は、2ラウンドのマルチプレックスPCRのための2つの代替TSOとそれに関連するPCRプライマーを示すダイヤグラムである。どちらの戦略でも図12の下部に示した産物に至る。左側の図(1207(第1ラウンドのPCR工程)と1217(第2ラウンドのPCR工程))では、鋳型切り換え機構により、伸長したR1-TSO(1202)が鋳型(1214、興味ある領域1216を含む)に付加される。いくつかの実施態様では、R1-TSOは、MMLV RTによって付加されるポリ(C)配列と相補的な配列1204と、伸長したプライマー配列1206(いくつかの実施態様ではUID配列を含む)の両方を含んでいる。遺伝子特異的逆プライマーまたは鋳型特異的逆プライマー(アウターRプライマー;1212、配列1215と相補的)を用いたPCR反応において、i5インデックスプライマー(1208、場合によってはUIDまたはSID(1210)を含む)がR1-TSOに結合し、追加配列を鋳型の5'末端に付加する。第2ラウンドのPCR(1217)では、P1a順プライマー(1218)が、付加されたi5インデックスプライマー配列(1208+1210)に結合するのに対し、インナー遺伝子/鋳型特異的逆プライマー(NexR;1220+1227)が追加i7インデックス配列(例えば1222+UIDまたはSID(1224))を付加する。右側の図(1260(第1ラウンドのPCR工程)と1262(第2ラウンドのPCR工程))では、最小ME-TSO(1242)であるTSOが鋳型(1214、興味ある領域1216を含む)に付加される。R1順プライマー(1252+1246)とアウターRプライマー((1250);配列1215と相補的)を用いた第1ラウンドのPCR(1260)によってR1配列(1246)が5'末端に付加される。i5インデックスプライマー(1248+1254)とNexRプライマー(1256(1216と相補的)+1259)とi7インデックスプライマー(1258(1259と相補的)+1244)を用いた第2ラウンドのPCR(1262)によってi5(1248)配列とi7(1244)配列が付加される。インデックス配列の付加は、この戦略を用いた最終ラウンドのPCR(1262)においてだけ起こり、第1ラウンドのPCR(1260)または鋳型切り換え反応では起こらない。2ラウンドのマルチプレックスPCRによって生成した最終PCR産物のダイヤグラムを図12の下部に示す。最終PCR産物(左側のプロセスでは1226)は、5'から3'に向かって、i5インデックス配列(1210)、R1配列(1206)、アダプタ配列(1204)、鋳型(1214)、鋳型特異的逆プライマー結合配列(1216+1227)、i7インデックス配列(1224)を含むか、これら配列からなる。最終PCR産物(右側のプロセスでは1264)は、5'から3'に向かって、i5インデックス配列(1248)、R1配列(1246)、アダプタ配列(1242)、鋳型(1214)、鋳型特異的逆プライマー結合配列(1216+1259)、i7インデックス配列(1244)を含むか、これら配列からなる。 図13Aは、2ラウンドのマルチプレックスPCRのための2つの代替TSOとそれに関連するPCRプライマーを示すダイヤグラムである。どちらの戦略でも図13Bに示した産物に至る。左側の図(1207(第1ラウンドのPCR工程)と1217(第2ラウンドのPCR工程))では、鋳型切り換え機構により、伸長したR1-TSO(1202;緑色+空色)が、興味ある領域(1216;マゼンタ色)を含む鋳型(1214、黒い線)に付加される。いくつかの実施態様では、R1-TSOは、MMLV RTによって付加されたポリ(C)配列と相補的な配列1204(空色)と、伸長したプライマー配列1206(緑色)(いくつかの実施態様ではUID配列(番号なし)を含む)の両方を含んでいる。遺伝子特異的逆プライマーまたは鋳型特異的逆プライマー(アウターRプライマー;1212(濃い青色)、配列1215(濃い青色)と相補的)を用いたPCR反応において、場合によってはUIDまたはSID(1210;黄色)を含むi5インデックスプライマー(1208;緑色+黄色)がR1-TSOに結合し、追加配列を鋳型の5'末端に付加する。第2ラウンドのPCR(PCR2、1217)では、P1a順プライマー(1218、黄色)が、付加されたi5インデックスプライマー配列(1208;緑色+1210;黄色)に結合するのに対し、遺伝子/鋳型特異的インナー逆プライマー(NexR;1220;マゼンタ色+1227;緑色)は追加i7インデックス配列(例えば1222(緑色)、UIDまたはSID(1224;黄色))を付加する。右側の図(1260(第1ラウンドのPCR工程)と1262(第2ラウンドのPCR工程))では、最小ME-TSO(1242;空色)であるTSOが鋳型(1214(黒い線)、興味ある領域1216(マゼンタ色)を含む)に付加される。R1順プライマー(1252;空色+1246;緑色)とアウターRプライマー((1250;濃い青色);配列1215と相補的;濃い青)を用いた第1ラウンドのPCR(1260)により、R1配列(1246;緑色)が5'末端に付加される。i5インデックスプライマー(1248;黄色+1254;緑色)とNexRプライマー(1256;マゼンタ色;1216と相補的;マゼンタ色+1259;濃い青色)とi7インデックス配列(1258;緑色;1259と相補的;濃い青色+1244;黄色)を用いた第2ラウンドのPCR(1262)によってi5(1248;黄色)配列とi7(1244;黄色)配列が付加される。インデックス配列の付加は、この戦略を用いた最終ラウンドのPCR(1262)でだけ起こり、第1ラウンドのPCR(1260)または鋳型切り換え反応では起こらない。 図13Bは、図12と図13Aに示されている2ラウンドのマルチプレックスPCRによって生成する最終PCR産物(1226)のダイヤグラムである。最終PCR産物は、5'から3'に向かって、i5インデックス配列(1248または1210;黄色)、R1配列(1246または1206;緑色)、アダプタ配列(1242または1204;空色)、鋳型(1214、黒い線)、鋳型特異的逆プライマー結合配列(1216;マゼンタ色+1259または1227;緑色)、i7インデックス配列(1244または1224;黄色)からなる。 図14は、いくつかの鋳型切り換えライブラリからのリードと、EGFR遺伝子座の23キロ塩基(kb)のアラインメントである。ライブラリは、31プライマーパネルを用いてさまざまな鋳型切り換え材料を増幅させることによって生成させた。Covarisで剪断して末端を修復するか、Kapa Frag酵素を用いて断片化した10 ngの出発DNAを、図12のR1-TSOまたはME-TSOというTSOとともに鋳型切り換え反応で使用した。得られた産物は、SPRIでクリーンにするか、第1ラウンドのマルチプレックスPCRで直接使用し、シークエンシングライブラリを生成させた。上部にはヒト第7染色体のダイヤグラムがあり、EGFR遺伝子座が赤い線として示されている。位置は下にkbを単位として示されており、左から右に向かって、55238 kb、55240 kb、55242 kb、55246 kb、55248 kb、55250 kb、55252 kb、55254 kb、55256 kb、55258 kb、55260 kbである。遺伝子型NA 12878(Genome in a Bottle consortium、HG001)バリアントデータが、DNA定規の下の2つのトラックの中に示されている。アラインメントデータを示す追加トラックに含まれるのは、上から下への順番に、Covarisで剪断して末端を修復したDNA、ME-TSO鋳型切り換え反応、PCRの前にクリーンアップ;Covarisで剪断して末端を修復したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、PCR反応の前にクリーンアップ;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化(tagmentation)に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。下部には、アノテーション付きのEGFR遺伝子と、EGFR特異的プライマーの位置が示されている。 図15は、鋳型切り換えライブラリからのリードと、EGFR遺伝子座の722 kbのアラインメントである。上部にはヒト第7染色体のダイヤグラムがあり、EGFR遺伝子座が赤い線として示されている。ゲノム位置が下にbpを単位として、左から右に向かって55,248,500から55,249,200まで増分100 bpで示されている。遺伝子型NA 12878(Genome in a Bottle consortium、HG001)バリアントデータが、DNA定規の下の2つのトラックの中に示されている。アラインメントデータを示す追加トラックに含まれるのは、上から下への順番に、Covarisで剪断して末端を修復したDNA、ME-TSO鋳型切り換え反応、PCRの前にクリーンアップ;Covarisで剪断して末端を修復したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、PCR反応の前にクリーンアップ;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。下部には、アノテーション付きのEGFR遺伝子と、EGFR特異的プライマーの位置が示されている。 図16は、鋳型切り換えライブラリからのリードと、Kit遺伝子座の6,930 bpのアラインメントである。上部にはヒト第4染色体のダイヤグラムがあり、Kit遺伝子座が赤い線として示されている。ゲノム位置が下にbpを単位として、左から右に向かって55,598,000から55,604,000まで増分1000 bpで示されている。遺伝子型NA 12878(Genome in a Bottle consortium、HG001)バリアントデータが、DNA定規の下の2つのトラックの中に示されている。アラインメントデータを示す追加トラックに含まれるのは、上から下への順番に、Covarisで剪断して末端を修復したDNA、ME-TSO鋳型切り換え反応、PCRの前にクリーンアップ;Covarisで剪断して末端を修復したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、PCR反応の前にクリーンアップ;酵素で断片化したDNA、R1-TSO鋳型切り換え反応、クリーンアップなしで直接にPCR;(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。下部には、アノテーション付きのKit遺伝子と、Kit特異的プライマーの位置が示されている。 図17は、31プライマーパネルを用いてさまざまな鋳型切り換え材料を増幅することによって生成したライブラリの断片のサイズ分布を示すチャートである。x軸は、bpを単位とした断片サイズである。y軸はリードの数である。 図18は、鋳型切り換えライブラリに関するオンターゲット率を示す棒グラフである。x軸には、オンターゲットであるリードの割合が、0(左)から0.9(右)まで0.1を増分として示されている。y軸は、個々のライブラリである。ライブラリは、上から下への順番に、(S1)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S4)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S5)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S2)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S6)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S3)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S7)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S8)(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。 図19は、31プライマーパネルを用いて生成させた鋳型切り換えライブラリに関するパネルカバレッジの一様性を示すグラフである。x軸には、パネル内の個々の遺伝子座が、最低(左)カバレッジから最高(右)カバレッジへの順番で示されている。y軸は、規格化された標的カバレッジである。示されているライブラリは、遺伝子座20での曲線の順番が、上から下に向かって、Covarisで剪断して末端を修復したDNAをR1-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR(S3)、酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加(S7)、Covarisで剪断して末端を修復したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加(S5)、酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR(S2)、Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR(S1)、(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施(S8)、Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加(S4)、断片化したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加(S6)である。 図20は、鋳型切り換え産物に関して31プライマーパネルを用いて生成させた鋳型切り換えライブラリの中の独自リードの割合を示す棒グラフである。x軸には独自リードの割合が0から70%まで増分10%で示されている。y軸はさまざまなライブラリである。ライブラリは、上から下への順番に、(S1)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S4)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S5)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S2)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S6)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S3)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S7)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S8、「Sterling」)(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカードPCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。 図21は、鋳型切り換え産物に関して31プライマーパネルを用いて生成させた鋳型切り換えライブラリに関する(Picard Tools 社からのCollectGCBiasMetrics プログラム、github.com/broadinstitute/picardを用いて計算した)GC消失(dropout)メトリックを示す棒グラフである。x軸には、GC消失が0から9まで増分1で示されている。y軸はさまざまなライブラリであり、上から下への順番に、(S1)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S4)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S5)Covarisで剪断して末端を修復したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S2)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S6)酵素で断片化したDNAをME-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S3)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させ、クリーンアップの後にPCR、(S7)酵素で断片化したDNAをR1-TSOと反応させてPCRに直接添加、(S8、「Sterling」)(鋳型切り換えを利用しない)タグ付き断片化に基づくアンカー化PCR技術を利用した陽性対照反応、同じ遺伝子特異的プライマーセットを用いて実施、である。 図22は、一本鎖DNA鋳型から出発する鋳型切り換え法の図であり、この方法によって伸長反応と鋳型切り換え反応を分離することができ、アダプタ配列を鋳型配列のいずれかの端部に付加させることができる。この方法は、断片化された二本鎖DNA(dsDNA)を変性させて少なくとも一部が一本鎖のssDNAを取得する工程(2102)と、プライマー(2104)をssDNAにアニーリングしてssDNA:プライマー複合体を形成する工程と、高正確性DNAポリメラーゼ(例えばKapa HiFi、配列番号1または3、工程1)を用いてそのssDNA:プライマー複合体を伸長させて伸長産物(2106)を生成させる工程を含んでいる。ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性に十分な条件下で、伸長産物(2106)と、TSO(2108)と、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換えが可能な酵素(例えばMMLV RT)を接触させる(DNAポリメラーゼはほとんど不活性だが、MMLV RTは活性である温度で反応物をインキュベートする結果として、合成される鎖に3'アダプタ(2110)が付加される)。次にMMLV RTが鎖を切り換え、TSO(2108)と相補的なアダプタ配列(2110)を5'から3'に向かって伸長させる(工程2)。エキソヌクレアーゼを添加して、過剰なアンプリコン、TSO、プライマーを除去した。エキソヌクレアーゼは、反応物を加熱することによって、または反応した鋳型DNA(2102)を精製することによって中和する(工程3)。最後に、ポリメラーゼと、鋳型配列(2106)とTSO(2110)にハイブリダイズするPCRプライマー(2112、2114)(場合によってはSID(2116)を含む)を添加し、すぐにシークエンシングができるdsDNA(2118)を生成させる(工程4)。この方法は、1ラウンドだけのPCRを含んでおり、TSO(2110)によって提供されるUID(2120)を含む、すぐにシークエンシングができるPCR産物を生成させる。この方法は、(特異的に開始されて伸長された)産物だけに対して鋳型切り換えが確実になされるようにすることで、特異性を増大させることが予想される。 図23は、一本鎖DNA鋳型を用いて開始する鋳型切り換え法の図であり、この方法によって伸長反応と鋳型切り換え反応を分離することができ、アダプタ配列を鋳型配列のいずれかの端部に付加させることができる。この方法は、断片化された二本鎖DNA(dsDNA)を変性させて少なくとも一部が一本鎖のssDNAを取得する工程(2102;青い線)と、プライマー(2104;赤色)をssDNAにアニーリングしてssDNA:プライマー複合体を形成する工程と、高正確性DNAポリメラーゼ(例えばKapa HiFi、配列番号1または3、工程1)を用いてそのssDNA:プライマー複合体を伸長させて伸長産物(2106;赤い点線)を生成させる工程を含んでいる。ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性に十分な条件下で、伸長産物(2106)と、TSO(2108、青い線、UMI(2120;青い長方形)を含む)と、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換えが可能な酵素(例えばMMLV RT)を接触させる(DNAポリメラーゼはほとんど不活性だが、MMLV RTは活性である温度で反応物をインキュベートする結果として、合成される鎖に3'アダプタ(2110;工程3の赤い線と箱、UMI(独自分子識別子2120)を含む)が付加される)。次にMMLV RTが鎖を切り換え、TSO(2108)と相補的なアダプタ配列(2110)を5'から3'に向かって伸長させる(工程2)。エキソヌクレアーゼを添加し、過剰なアンプリコン、TSO、プライマーを除去した。エキソヌクレアーゼは、反応物を加熱することによって、または反応した鋳型DNA(2102)を精製することによって中和する(工程3)。最後に、ポリメラーゼと、鋳型配列(2106)とTSO(2110)にハイブリダイズするPCRプライマー(2112;黒い矢印と、2114;黒い矢印、SID(2116、黒い長方形))(場合によってはSID(2116)を含む)を添加し、すぐにシークエンシングができるdsDNA(2118)を生成させる(工程4)。この方法は、1ラウンドだけのPCRを含んでおり、TSO(2110)によって提供されるUID(2120)を含む、すぐにシークエンシングができるPCR産物を生成させる。この方法は、(特異的に開始されて伸長された)産物だけに対して鋳型切り換えが確実になされるようにすることで、特異性を増大させることが予想される。 図24は、全モル濃度に対するさまざまな種の比を示すグラフであり、種は、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコン(アダプタなし)と、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコン(単一アダプタ)と、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコン(二重アダプタ)である。y軸は、各サンプル中のそれぞれ種の割合を反映している。x軸は、各dNTPが1 mMで、追加dCTPの添加が0 mM、5 mM、10 mM、20 mMいずれかの反応条件を反映している。追加Mg2+濃度が、0 mM、12 mM、24 mM、36 mMのいずれかで含まれていた。 図25は、全モル濃度に対するさまざまな種の比を示すグラフであり、種は、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコン(アダプタなし)と、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコン(単一アダプタ)と、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコン(二重アダプタ)である。y軸は、各サンプル中のそれぞれ種の割合を反映している。x軸は、それに応じてTSOが変化する条件を反映しており、TSOは、尾部に、(V塩基スペーサがある)3個のウラシル塩基(TSO-rU)、または(B塩基スペーサがある)3個のアデニン塩基(TSO-rA)、または(G塩基スペーサがある)3個のシチジン塩基(TSO-rC)、または(H塩基スペーサがある)3個のグアニン塩基(TSO-rG)、または全RNA塩基(TSO-rN)を持つ。それぞれのTSOを、1 mMのdATP単一ヌクレオチド、1 mMのdTTP単一ヌクレオチド、1 mMのdCTP単一ヌクレオチド、1 mMのdGTP単一ヌクレオチドの存在下で試験した。実験の対照には、dNTPが添加されていない1つの反応(TSO-rNを用いて実施)と、各TSOについて全dNTPを同時に添加した1つの反応が含まれる。 図26は、全モル濃度に対するさまざまな種の比を示すグラフであり、種は、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコン(アダプタなし)と、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコン(単一アダプタ)と、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコン(二重アダプタ)である。y軸は、各サンプル中のそれぞれ種の割合を反映している。x軸は、それに応じてTSOが変化する条件を反映しており、TSOは、尾部に、3 個のRNAグアニン塩基(TSO-rG)、または3個のRNAシトシン塩基(TSO-rC)、または3個のDNAグアニン塩基(TSO-dG)、または3個のDNAシトシン塩基(TSO-dC)を持つ。1 mMの単一ヌクレオチドと反応バッファーを添加した後、10 mMの相補的ヌクレオチド特異的TSO反応物を追加して添加した。1 mMのdNTPだけを添加したTSO対照は含まれていなかった。 図27は、全モル濃度に対するさまざまな種の比を示すグラフであり、種は、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコン(アダプタなし)と、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコン(単一アダプタ)と、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコン(二重アダプタ)である。y軸は、各サンプル中のそれぞれ種の割合を反映している。x軸は反応条件を反映しており、(Hスペーサ塩基がある)3個のグアニン塩基を有するTSO、(Dスペーサ塩基がある)3個のシトシン塩基を有するTSOを異なる比で組み合わせ、ヌクレオチドの量と組み合わせを変えて、追加のヌクレオチドなし、または追加dCTPおよび/または追加dGTPありで、24 mMのMg2+の存在下にてインキュベートした。dsDNAアンプリコンは、MMLV RTのほか、1 mMのdNTP、または1 mMのdNTP+10 mMのdCTP、または1 mMのdNTP+10 mMのdGTP、または1 mMのdNTP+5 mMのdCTP+5 mMのdGTPを含む反応バッファーとともにインキュベートした。反応物は、TSOを含まないか、500 mMのTSO-rCまたはTSO-rG、500 mMのTSO-rCと500 mMのTSO-rG、250 mMのTSO-rCと250 mMのTSO-rG、400 mMのTSO-rCと100 mMのTSO-rG、100 mMのTSO-rCと400 mMのTSO-rGのいずれかも含んでいた。反応物は42℃で10分間インキュベートした。 図28は、全モル濃度に対するさまざまな種の比を示すグラフであり、種は、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコン(アダプタなし)と、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコン(単一アダプタ)と、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコン(二重アダプタ)である。y軸は、各サンプル中のそれぞれ種の割合を反映している。x軸は反応条件を反映しており、5N UMIまたは7N UMIを有するTSO-rC、またはTSO-rG、またはTSO-rC+TSO-rGをdNTPとともにインキュベートした。 図29は、作業フロー1または作業フロー2を利用したとき、5Nまたは7NのUMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)のオンターゲット率を示すグラフである。 図30は、作業フロー1または作業フロー2を利用したとき、5Nまたは7NのUMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)がオンターゲットであるリードを示すグラフである。y軸はリードの数を表わす。 図31は、作業フロー1または作業フロー2を利用したとき、5Nまたは7NのUMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)の一様性を示すグラフである。 図32は、作業フロー1または作業フロー2を利用したとき、5Nまたは7NのUMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)のゲノム等価回復率(genome equivalence recovery)を示すグラフである。
従来のアンプリコンシークエンシング技術は、既知の遺伝子特異的順プライマー結合部位と遺伝子特異的逆プライマー結合部位が接近して位置する必要があることが原因で新規な遺伝子融合体を検出できないという問題を抱えている。それに加え、これらの方法は、一般に、PCRデュープリケートと独自の分子を識別することができない。ArcherDxなどの技術は、連結を利用してアダプタをゲノムDNAまたはcDNAに付着させた後、1つまたは2つの(ネステッド)遺伝子特異的プライマーとアダプタ特異的プライマーを用いてPCRを実施することによってこの困難を回避している。連結に基づく技術には欠点があり、その欠点に含まれるのは、作業フロー、時間(入力が少ないサンプルでは連結させるのに一晩必要であることがしばしばある)、入力に対する感度(連結反応はナノグラム未満のレベルではあまり効率的ではない)、アーチファクト形成傾向(アダプタ二量体の形成など)である。
本開示により、少量(10ナノグラム以下)の剪断されたゲノムDNAまたはcDNAか、PCR産物にアダプタが効率的に付着し、その後、標的特異的プライマーをアダプタ特異的プライマーと組み合わせて用いたマルチプレックスPCRがなされる。これを実現する1つのやり方は、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV RT)のターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え(TS)能力を利用するというものである。この機構には、鋳型(通常はRNA)の末端に到達する(ターミナルトランスフェラーゼ活性)とMMLV RTが非鋳型塩基をcDNA鎖の3'末端に付加する能力が関与しており、その後、相補的な3'オリゴ(鋳型切り換えオリゴ、TSO)のアニーリングがなされる。MMLV RTはその後、逆転写されている鋳型を元の鋳型からTSOへと切り換える。最終結果は、逆転写された鎖への3'アダプタ配列の付着であり、元々は完全長cDNAを増幅するために考案されたSMART技術の基礎を形成していて、これが、多くの単一細胞RNA配列作業フローの基礎を形成する。
鋳型切り換え機構は、DNAでも同様に機能する。RNA鋳型とほぼ同じように、RTは一本鎖DNAをコピーし、伸長している鎖にTSOを用いて3'アダプタを付加することができる。しかしこのプロセスには問題がある。というのもMMLV RTは間違いやすいため、得られるコピーされた鎖は、その後の配列分析のとき、偽陽性単一ヌクレオチドバリアントコールとして存在する可能性のあるミスマッチを含むことになろう。
したがって本開示の方法は、DNAに3'アダプタ配列を付加するのにMMLV RTの鋳型切り換え活性(と、その活性を実行することのできる他の酵素)を利用する。
このアプローチには多数の利点がある。第1に、反応が極めて効率的である。RNAの用途では、ピコグラムの量の鋳型が日常的に用いられる。TSOに基づく方法は、連結に基づく方法よりもはるかに少量の入力で作業することができる。第2に、反応の作業フローが単純である。MMLV RTのTSを通じたアダプタの付着は単一試験管の反応であるため、連結よりも時間をはるかに短くすることができる。TSによってアダプタを付加した後、産物をPCRで直接使用することができる。少なくともライブラリの構築には、オリゴ(TSO)と、RT酵素と、バファーだけが関与する。第3に、過剰なアダプタが必要とされない。アダプタ配列はTSOを通じて付加される。第4に、この方法は、鋳型分子の両方の鎖を捕獲する。というのもdsDNA鋳型では、3'アダプタが両方の鎖に付加されるからである。第5に、この方法を改変し、鋳型切り換え工程の間に独自識別子および/またはサンプル識別子(バーコード)をDNA分子に付加できるようにすることは容易である。最後に、メチル化されたデオキシシチジンを用いて鋳型切り換え工程を実施することができ、その結果としてバイサルファイト処理に抵抗するアダプタが付加されるため、この方法をバイサルファイトシークエンシングで利用することが可能になる。
この方法は、単にアダプタの付加にTSを用いること以外に、伸長反応と鋳型切り換え(アダプタ付加)反応を分離できるように改変し、多彩な出発材料での作業を可能にすることができる。出発鋳型DNAとして、多彩な方法で調製された二本鎖DNAまたは一本鎖DNAが可能である。
したがって本開示により、シークエンシング用途のための調製において、鋳型DNAに、または鋳型DNAのライブラリに末端配列を付加するのに迅速かつ単純な鋳型切り換え機構を利用する組成物と方法が提供される。本開示の組成物と方法により、本分野における重要な問題の解決法、すなわち新規な融合イベントを通じてシークエンシングし、連結に基づく面倒なプロセスの作業フローを改善し、必要な出発材料の量を減らすための方法が提供される。
定義
相補的な:本明細書では、「相補的な」という用語は、2つのポリヌクレオチド鎖の領域間、または2つのヌクレオチド間の塩基対形成を通じた配列相補性に関する広い考え方を意味する。アデニンヌクレオチドは、チミンまたはウラシルというヌクレオチドと特殊な水素結合(「塩基対形成」)を形成できることが知られている。同様に、シトシンヌクレオチドは、グアニンヌクレオチドと塩基対を形成できることが知られている。
ヌクレオチド:本明細書では、糖部分(ペントース)と、リン酸と、窒素含有複素環式塩基からなるDNAまたはRNAのモノマー単位。塩基はグリコシド炭素(ペントースの1'炭素)を介して糖部分に結合し、塩基と糖のこの組み合わせがヌクレオシドである。ヌクレオシドは、ペントースの3'位または5'位に結合したリン酸基を含有しているとき、ヌクレオシドと呼ばれる。機能可能に結合したヌクレオチドの配列は、本明細書では典型的には「塩基配列」または「ヌクレオチド配列」と呼ばれ、本明細書では、左から右の向きが5'末端から3'末端への通常の方向である式によって表わされる。
ユニバーサル塩基:本明細書では、「ユニバーサル塩基」という用語は、4種類の標準的なヌクレオチド塩基のそれぞれと無差別に塩基対を形成することのできる核酸類似体を意味する。ユニバーサル塩基の非限定的な例に含まれるのは、イノシン、インドール、ヒポキサンチン、ニトロアゾール、イソカルボスチリル類似体、アゾールカルボキサミド、芳香族トリアゾール類似体である。ユニバーサル塩基の非限定的な代表例に含まれるのは、2'-デオキシイノシン(dI)、ニトロインドール、2'-デオキシネブラリン、3-ニトロピロール、5-ニトロインドールである。
オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド:本明細書では、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」は、2つ以上(好ましくは3つ以上)のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドを含む分子と定義される。その正確なサイズは多くの因子に依存するであろうし、それら因子のほうは、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または利用に依存する。オリゴヌクレオチドは、合成またはクローニングに由来するものが可能である。本明細書では、「ポリヌクレオチド」という用語は、共有結合して鎖になったヌクレオチドモノマーからなるポリマー分子を意味する。DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)が、ポリヌクレオチドの例である。
ポリメラーゼ:本明細書では、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合の触媒となる酵素(すなわちポリメラーゼ活性)を意味する。一般に、この酵素は、ポリヌクレオチド鋳型配列にアニールしたプライマーの3'末端の位置で合成を開始させ、鋳型鎖の5'末端に向かって進行する。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合の触媒となる。
逆転写酵素:本明細書では、「逆転写酵素(RT)」は、RNAポリヌクレオチド鋳型から相補的なDNAポリヌクレオチドを重合する触媒となることのできる酵素を意味する。逆転写酵素は、典型的にはレトロウイルスから単離されるか、レトロウイルスに由来する。レトロウイルスRTは、典型的にはいくつかの生化学活性を含んでおり、その非限定的な例に含まれるのは、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、リボヌクレアーゼ活性、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性である。RTの例に含まれるのは、モロニー白血病ウイルスRT(MMLV RT)とトリ骨髄芽球症ウイルスRT(AMV RT)である。
ターミナルトランスフェラーゼ:本明細書では、「ターミナルトランスフェラーゼ」という用語は、鋳型とは独立なやり方でDNA分子の3'末端にヌクレオチドを付加することのできる酵素を意味する。「ターミナルトランスフェラーゼ活性」は、その能力を有する任意の酵素のターミナルトランスフェラーゼ活性を意味する
エキソヌクレアーゼ:本明細書では、「エキソヌクレアーゼ」という用語は、ポリヌクレオチドの末端からヌクレオチドを切断することによって機能する酵素を意味する。エキソヌクレアーゼは、5'から3'へ、または3'から5'へと作用することができ、酵素に応じて一本鎖DNAまたは二本鎖DNAを標的とすることができる。
プライマー:本明細書では、「プライマー」という用語は、核酸鎖と相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件に置かれたとき(例えば適切なバッファー(「バッファー」には、pH、イオン強度、補因子などが含まれる)の中に4種類の異なるヌクレオチド三リン酸と熱安定酵素が存在し、適切な温度にされたとき)、核酸合成の開始点として作用することのできる天然オリゴヌクレオチドまたは合成オリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは、増幅の効率が最大であるためには一本鎖であることが好ましいが、二本鎖であってもよい。プライマーが二本鎖である場合には、最初に処理して鎖を分離した後、伸長産物の調製に使用する。プライマーはデオキシリボヌクレオチドであることが好ましい。プライマーは、熱安定酵素の存在下で伸長産物の合成を開始させるのに十分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは多くの因子(温度、プライマーの供給源、利用法が含まれる)に依存するであろう。例えばオリゴヌクレオチドプライマーは、標的配列の複雑さに応じ、典型的には15~25個のヌクレオチドを含んでいるが、それよりも多くても少なくてもよい。短いプライマー分子は一般に、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するのにより低い温度を必要とする。
鋳型DNA分子:本明細書では、「鋳型DNA分子」という用語は、例えばプライマー伸長反応においてDNAポリメラーゼによって相補的な核酸鎖を合成する元になる核酸の鎖を意味する。
鋳型切り換え:本明細書では、「鋳型切り換え」という用語は、DNA合成の間に相同性に依存したやり方で鋳型鎖を切り換えることのできるポリメラーゼの活性を意味する。鋳型切り換え活性を有するポリメラーゼの一例はMMLV RTである。
ランダムな配列:本明細書では、「ランダムな配列」という用語は、いくつかの実施態様では、合成中に4種類の塩基(すなわちA、T、G、C)の任意の1つを特定のオリゴヌクレオチド位置に組み込むことが可能なやり方で合成されるヌクレオチドの混合物を意味する。例えばACGCGACGNNNNNNTGGGACGA(配列番号13)は、ランダムな配列を含んでいる。ただし「N」は、ランダムなヌクレオチドを表わす。6個の連続したランダムなヌクレオチドが存在していて、4種類の異なる塩基(すなわちA、T、G、C)を使用するため、例示した配列を用いたオリゴヌクレオチド合成により、46通りの異なるオリゴヌクレオチドを生成させることができよう。いくつかの実施態様では、「ランダムな配列」という用語は、合成中に26種類のアミノ酸の1つを特定のオリゴヌクレオチド位置に組み込むことが可能なやり方で合成されるアミノ酸の混合物を意味する。例えば「XXXXXX」(配列番号14)は、ランダムな配列を含んでいる。ただし「X」は、ランダムなアミノ酸を表わす。6個の連続したランダムなアミノ酸が存在していて、26種類の異なるアミノ酸を使用するため、例示した配列を用いたペプチド合成により、266通りのペプチドを生成させることができよう。
サンプル識別子:本明細書では、「サンプル識別子(SID)」という用語は、典型的には、プライマー配列、またはオリゴヌクレオチド配列、またはアダプタ配列の中に含まれていて、シークエンシング用途のために調製されるDNA断片の末端に付加される短い核酸配列を意味する。SID配列は、あらかじめ決めること、またはランダムな配列を含むことができる。SIDの典型的な利用は、ライブラリをシークエンシングしている間のインデックス配列としてである。ランダムな異なるSIDをライブラリの中のDNA断片の末端に付加し、ハイスループットシークエンシング反応の一部としてSIDを読み、SID配列を用いてリードを個々のDNA断片またはサンプルに再度マッチさせる。
独自識別子:本明細書では、「独自識別子(UID)」という用語は、典型的には、プライマーまたはアダプタの配列の中に含まれていて、シークエンシング用途のために調製されるDNA断片の末端に付加される短い核酸配列を意味する。UID配列は、あらかじめ決めること、またはランダムな配列を含むことができる。UIDの典型的な利用は、ライブラリをシークエンシングしている間のインデックス配列としてである。ランダムな異なるUID をライブラリの中のDNA断片の末端に付加し、ハイスループットシークエンシング反応の一部としてUIDを読み、UID配列を用いてリードを個々のDNA断片またはサンプルに再度マッチさせる。用途に応じ、DNA断片、またはDNA断片のライブラリは、1ラウンドまたは2ラウンドのインデクシングを必要とする可能性がある。したがってSIDとUIDは同じであってもよく、異なる配列を含んでいてもよい。
鋳型DNA
本開示により、末端配列を鋳型DNAまたは鋳型DNAライブラリに付加し、求められた場合にDNAを増幅する効率的な方法が提供される。いくつかの実施態様では、出発鋳型DNAは平滑末端である。平滑末端DNA鋳型を生成させる多数の方法が存在している。例えば鋳型DNAとしてPCR産物が可能である。多数のDNAポリメラーゼ、特に高正確性ポリメラーゼが自身のプルーフリーディング機能の一部として固有の3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を持っていて、その結果として平滑末端PCR産物となる。他のポリメラーゼ(カノニカルTaqポリメラーゼなど)は3'アデノシンオーバーハングをPCR増幅産物に付加し、その結果として接着性のある(平滑でない)PCR産物となる。本開示の方法に適合しないオーバーハングを持つPCR産物を酵素(DNAポリメラーゼ・ラージフラグメントI(Klenow)、T4 DNAポリメラーゼ、リョクトウのヌクレアーゼなど)で平滑にして平滑末端鋳型DNAを生成させることができる。
いくつかの実施態様では、鋳型DNAは、剪断されたDNAである。DNAの剪断には大きなサイズのDNA分子が必要であり、剪断によってそのDNA分子は十分に小さなサイズの断片になるため、その配列を現在のシークエンシング技術のリード長によって捕獲することができる。DNAは、物理的に剪断すること、または酵素によって剪断することができる。DNAを剪断する物理的な方法に含まれるのは、超音波処理すること、溶液中のDNAを小さなゲージの針を通過させること、噴霧化すること、ポイント-シンク(point-sink)剪断すること、フレンチ圧力セルを通過させることである。集束音波剪断装置と大パワー超音波装置(Covaris Focused Ultrasonicatorがその一例である)はDNAを効果的に断片化して100 bpにすることができる。
DNAを剪断する物理的な方法に代わるのが、酵素式剪断である。酵素式剪断では、両方の鎖を同時に切断することにより、またはdsDNAの各鎖にニックを生じさせてdsDNAを切断することにより、DNAを断片化する。例えばDNAは、特定の制限酵素認識配列をあらゆる機会に切断する制限酵素で処理することができよう。あるいはDNAは、2つの酵素の組み合わせで処理することができよう。そのとき、一方の酵素はDNAにランダムにニックを生じさせ、他方の酵素はニックのある部位を認識し、ニックとは反対側の鎖上のdsDNAを切断することで、二本鎖を切断する。特定の剪断法、物理的方法、酵素法のいずれかで接着性のある末端が生じる場合には、得られたDNA断片を酵素(DNAポリメラーゼ・ラージフラグメントI(Klenow)、T4 DNAポリメラーゼ、リョクトウのヌクレアーゼなど)で処理して、すなわち「修復して」平滑末端にすることができる。
任意の数のDNA供給源が、本開示の方法と組成物のための潜在的な出発材料である。例えば鋳型切り換え反応をすることになるDNAは、染色体外クローニングベクター(例えばプラスミド、ウイルスベクター、λファージベクター、他の何らかのクローニング産物(細菌または酵母の人工染色体(BACまたはYAC)、ホスミド、コスミドなど))に由来することが可能であろう。より大きくてより複雑なDNA鋳型も、本開示の方法のための出発材料として適している。例えば本開示の方法を利用して、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA、葉緑体DNAのためのシークエンシングライブラリを生成させることができる。別の潜在的な1つの用途は、無細胞DNA(母体の血流中を循環する胎仔DNAなど)のシークエンシングにおける用途である。
DNA剪断法の選択は、DNA出発材料のタイプ、望む断片サイズ、望む最終用途に依存する。例えば本開示の方法で断片化して処理するDNAが非常に小さくて以前に特徴づけられている場合(ベクター、プラスミドなど)には、制限消化を通じてそれを断片化すると、十分なサイズ範囲の断片を生成させることができる。それとは逆に、出発材料がゲノムDNAである場合には、ランダムな酵素法または物理的方法によってより一様な範囲の断片サイズを生成させ、最終的なシークエンシングライブラリの中のゲノムDNAに見られるバイアスを減らすことができる。
本開示の方法は、一本鎖DNA鋳型(例えば剪断された後に変性されたDNA)から出発することを含んでいる。一本鎖DNA鋳型を用いて開始するときには、方法の第1の工程は、鋳型特異的プライマーを用いた1ラウンドだけのポリメラーゼ伸長を開始した後、鋳型切り換え反応を実施することを含んでいる。
本開示の方法の1つの利点は、この方法が非常に少量の出発材料で機能することである。本開示の方法のいくつかの実施態様では、含まれる出発鋳型DNAの濃度は、0.1 ng~100 ng(両端を含む)である。いくつかの実施態様では、含まれる出発鋳型DNAの濃度は、0.1 ng以下、1 ng以下、10 ng以下、100 ng以下のいずれかである。ゲノムDNAシークエンシングライブラリの作製という分野における標準的なプロトコルは、日常的に100 ng~1μg、またはそれよりも多い出発DNAを相変わらず必要とする。本開示の方法では、1~4桁少ない出発DNAが要求される。
3'アダプタ配列の付加
本開示の方法は、アダプタ配列を平滑末端鋳型DNA断片に付加することを含んでいる。これは、典型的には、ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する酵素を通じて実現され、酵素が、いくつかの非鋳型ヌクレオチドを平滑末端dsDNA鋳型の各鎖のヒドロキシル末端に付加する。
本開示の方法は、ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する1つ以上の酵素の使用を含んでいる。
ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する本開示の酵素の一例は、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素、すなわちMMLV RTであり、これは、モロニーマウス白血病ウイルスから単離されるか、そのウイルスに由来する逆転写酵素である。
野生型MMLV RTタンパク質配列の一例は、以下のアミノ酸を含んでいる:
1 AFPLERPDWD YTTQAGRNHL VHYRQLLLAG LQNAGRSPTN LAKVKGITQG PNESPSAFLE
61 RLKEAYRRYT PYDPEDPGQE TNVSMSFIWQ SAPDIGRKLG RLEDLKSKTL GDLVREAEKI
121 FNKRETPEER EERIRRETEE KEERRRTVDE QKEKERDRRR HREMSKLLAT VVIGQEQDRQ
181 EGERKRPQLD KDQCAYCKEK GHWAKDCPKK PRGPRGPRPQ TSLLTLGDXG GQGQDPPPEP
241 RITLKVGGQP VTFLVDTGAQ HSVLTQNPGP LSDKSAWVQG ATGGKRYRWT TDRKVHLATG
301 KVTHSFLHVP DCPYPLLGRD LLTKLKAQIH FEGSGAQVVG PMGQPLQVLT LNIEDEYRLH
361 ETSKEPDVSL GFTWLSDFPQ AWAESGGMGL AVRQAPLIIP LKATSTPVSI KQYPMSQEAR
421 LGIKPHIQRL LDQGILVPCQ SPWNTPLLPV KKPGTNDYRP VQDLREVNKR VEDIHPTVPN
481 PYNLLSGLPP SHQWYTVLDL KDAFFCLRLH PTSQPLFAFE WRDPEMGISG QLTWTRLPQG
541 FKNSPTLFDE ALHRDLADFR(配列番号9)。
ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する本開示の酵素の一例は、トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(AMV RT)であり、これは、トリ骨髄芽球症ウイルスから単離されるか、そのウイルスに由来する逆転写酵素である。
野生型AMV RTタンパク質配列の一例は、以下のアミノ酸配列を含んでいる:
1 IGRATVLTVA LHLAIPLKWK PNHTPVWIDQ WPLPEGKLVA LTQLVEKELQ LGHIEPSLSC
61 WNTPVFVIRK ASGSYRLLHD LRAVNAKLVP FGAVQQGAPV LSALPRGWPL MVLDLKDCFF
121 SIPLAEQDRE AFAFTLPSVN NQAPARRFQW KVLPQGMTCS PTICQLIVGQ ILEPLRLKHP
181 SLRMLHYMDD LLLAASSHDG LEAAGEEVIS TLERAGFTIS PDKVQREPGV QYLGYKLGST
241 YVAPVGLVAE PRIATLWDVQ KLVGSLQWLR PALGIPPRLR GPFYEQLRGS DPNEAREWNL
301 DMKMAWREIV RLSTTAALER WDPALPLEGA VARCEQGAIG VLGQGLSTHP RPCLWLFSTQ
361 PTKAFTAWLE VLTLLITKLR ASAVRTFGKE VDILLLPACF RDDLPLPEGI LLALRGFAGK
421 IRSSDTPSIF DIARPLHVSL KVRVTDHPVP GPTVFTDASS STHKGVVVWR EGPRWEIKEI
481 ADLGASVQQL EARAVAMALL LWPTTPTNVV TDSAFVAKML LKMGQEGVPS TAAAFILEDA
541 LSQRSAMAAV LHVRSHSEVP GFFTEGNDVA DSQATFQAYP LREAKDLHTA LHIGPRALSK
601 ACNISMQQAR EVVQTCPHCN SAPALEAGVN PRGLGPLQIW QTDFTLEPRM APRSWLAVTV
661 DTASSAIVVT QHGRVTSVAA QHHWATAIAV LGRPKAIKTD NGSCFTSKST REWLARWGIA
721 HTTGIPGNSQ GQAMVERANR LLKDKIRVLA EGDGFMKRIP TSKQGELLAK AMYALNHFER
781 GENTKTPIQK HWRPTVLTEG PPVKIRIETG EWEKGWNVLV WGRGYAAVKN RDTDKVIWVP
841 SRKVKPDIAQ KDEVTKKDEA SPLFAGWRHI DKRIITLHSS FSKINLLVCF IFH(配列番号10)。
ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する本開示の代表的な1つの酵素はHIV-1逆転写酵素であり、この酵素は、非鋳型デオキシヌクレオチドをDNA分子の3'末端に付加することができる。
ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する本開示の代表的な1つの酵素はヒトDNAヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)であり、この酵素は、非鋳型デオキシヌクレオチドをDNA分子の3'末端に付加することができる。
MMLV RTは、典型的には、1~5個の非鋳型ヌクレオチドをdsDNA分子の3'末端に付加する。MMLV RTはシトシンを優先的に付加し、その結果として本開示のポリ(C)アダプタ配列になる。本開示の実施例に示されている条件では、MMLV RTは、3個のシトシンをDNAの3'末端に付加する。しかし他のターミナルトランスフェラーゼはヌクレオチドの好みが異なっているため、そしてヌクレオチドの組み込みは、例えば反応混合物の中でのdNTPの利用可能性によって制御することができるため、アダプタの配列はポリ(C)配列に限定されない。ポリ(G)アダプタ、ポリ(A)アダプタ、ポリ(T)アダプタ、ランダムな混合配列アダプタも可能であり、本開示の方法のいくつかの実施態様ではそれがより好ましい可能性さえある。例えばいくつかの実施態様では、ポリ(A)アダプタは、ポリ(A)を尾部に有するcDNAで機能するよう開発された既存の試薬を利用できる可能性がある。
鋳型切り換えオリゴ(TSO)
いくつかの実施態様では、鋳型DNAの末端に付加されたアダプタは、鋳型切り換えオリゴ(TSO)のためのハイブリダイゼーション部位を含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのためのハイブリダイゼーション部位は、ポリ(C)配列を含んでいる。本開示の代表的なTSO配列は、このハイブリダイゼーション部位で相補的な塩基対を形成することを通じて本開示のアダプタにハイブリダイズすることができ、場合によっては本開示のTSO配列は、本開示のアダプタの中の追加配列にハイブリダイズすることができる。
いくつかの実施態様では、TSOは一本鎖核酸配列である。いくつかの実施態様では、TSOは一本鎖DNA(ssDNA)分子である。いくつかの実施態様では、TSOは一本鎖RNA(ssRNA)分子である。いくつかの実施態様では、TSOは一本鎖DNA:RNAハイブリッド分子である。
本開示の代表的な1つのTSOは、配列5’ TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGAC
AGNNNNNNNNrGrGrG 3'(配列番号11)を含んでいる。例えば配列番号11は、位置1~41にDNAを含有しているが、位置42~44の塩基はRNA(「rGrGrG」)である。この実施態様では、これらポリ(G)RNA塩基は、ターミナルトランスフェラーゼによって二本鎖鋳型DNAの3'末端に付加されたポリ(C)配列にハイブリダイズする。
いくつかの実施態様では、TSOとハイブリダイゼーション部位の間の塩基対形成は不完全である可能性がある。例えばいくつかの場合には、TSOは、アダプタのハイブリダイゼーション部位と50%しか相補的でないハイブリダイゼーション部位を含むことができ、別の場合には、相補性は100%相補性まで大きくなる可能性がある。いくつかの実施態様では、TSO、またはアダプタ、またはその両方は、ユニバーサル塩基を組み込むことができる。ユニバーサル塩基は、アダプタまたはTSOのA、T、G、Cいずれかのヌクレオチドと無差別にペアを形成することのできる核酸類似体(イノシン、ニトロインドールなど)である。
本開示の代表的なTSOでは、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含んでいる。本開示の代表的なTSOでは、ssDNA配列は、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含んでいる。本開示の代表的なTSOでは、ssDNA配列は連続でも不連続でもよい。
本開示の代表的なTSOは、二次構造を含むことができる。いくつかの実施態様では、二次構造はヘアピンを含むことができる。いくつかの実施態様では、二次構造はステム-ループを含むことができる。いくつかの実施態様では、二次構造として、逆転写酵素による鋳型切り換えを容易にするRNA構造が可能である。
本開示の代表的なTSOは、1つ以上のインデックス配列を含むことができる。配列番号11に示したTSOの例では、「NNNNNNNN」配列は、鋳型DNA断片にインデックスを付けるのに使用できるインデックス配列(サンプル識別子(SID)または独自識別子(UID)など)のためのプレースホルダであるため、個々のリードを辿ってプールされたDNAシークエンシングライブラリの中の個々の断片、またはサンプル、またはその両者の組み合わせに戻ることができる。本開示のUID配列とSID配列は長さの範囲が1~20個(両端を含む)のヌクレオチドである。インデックス配列の長さは、DNA鋳型ライブラリの複雑さ、シークエンシングする断片の数、シークエンシングの用途に依存する。例えばそれぞれの鋳型DNA断片にランダムなUIDおよび/またはSIDで独自に標識することが望ましい可能性がある。この例では、ライブラリがより大きく、より複雑になるほど、各断片に独自に標識するのに必要なUID配列および/またはSID配列は長くなる。逆に、より小さなライブラリ(プラスミド、ベクター、小さなゲノム(ウイルスのゲノムなど)をシークエンシングするライブラリ)は、より小さなUIDおよび/またはSIDを必要とする。個々の実施態様の必要性に応じ、UID配列とSID配列は、同じ配列にすること、または異なる配列にすることができる。UID配列および/またはSID配列は、本開示の個々の実施態様の必要性に合致するように設計したあらかじめ決められた配列を含むことができる。本開示の強みの1つは、本開示の組成物と方法の個々の実施態様または用途のために各TSOの配列を設計する際の柔軟性である。
いくつかの実施態様では、本開示のTSOは、例えばそのTSOの5'部分に、DNA鋳型配列を増幅するためのPCR反応、またはシークエンシング反応においてプライマーにハイブリダイズすることのできる1つ以上の配列を含むことができる。いくつかの実施態様では、TSOの5'部分において、プライマーにハイブリダイズすることのできるその1つ以上の配列はssDNAを含んでいる。いくつかの実施態様では、TSOのssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含むか、そのような配列からなる。いくつかの実施態様では、TSOのssDNAは、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含むか、そのような配列からなる。
いくつかの実施態様では、本開示のTSOは、メチル化されたデオキシシチジン(5-メチルシトシン)を含むことができる。メチル化されたデオキシシチジンは、メチル化されていないデオキシシチジンをウラシルに変換するバイサルファイト処理に抵抗性である。バイサルファイトシークエンシングを利用してDNAのメチル化状態を明らかにすることができる。本開示の方法のいくつかの実施態様では、鋳型DNAまたはDNAライブラリをバイサルファイトシークエンシングのために調製するか、バイサルファイトシークエンシングすることにより、メチル化状態を明らかにすることができる。
鋳型の切り換えと伸長
本開示の方法のいくつかの実施態様では、TSOの相補的な部分が例えばアダプタ、ポリメラーゼ、逆転写酵素(RT)、MMLV RTいずれかの配列とハイブリダイズすると、DNA鋳型の鎖を切り換え、TSOと相補的な鎖を5'から3'に向かって伸長させ、そのことによってDNA依存性DNA重合の触媒となる。いくつかの実施態様では、鋳型切り換え工程によって二本鎖DNA(dsDNA)分子が生成する。この分子の中では、元の鋳型配列のいずれかの側に、鋳型切り換え機構を通じて付加されたアダプタ配列が隣接している。センス鎖から読むと、5'から3'に向かって、鋳型切り換え工程のdsDNA産物は、第1のアダプタ配列、鋳型DNA配列、第2のアダプタ配列を含むか、これらの配列からなる。いくつかの実施態様では、第1のアダプタ配列は、TSOの配列と同じ配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、第2のアダプタ配列は、TSOの配列と相補的な配列と同じ配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、3'アダプタ配列と5'アダプタ配列は同じ配列を含むことができる。別の実施態様では、3'アダプタ配列と5'アダプタ配列は同じ配列を含んでいなくてもよい。例えば3'アダプタ配列と5'アダプタ配列は、異なるSID配列および/または異なるUID配列を含むことができる。いくつかの実施態様では、鋳型DNAの片側だけに、すなわち鋳型DNAの3'末端または5'末端だけに、本開示の鋳型切り換え法によって付加されたアダプタを有する。いくつかの実施態様では、鋳型切り換え工程のdsDNA産物、すなわちこの「dsDNA中間体」をその後、多彩な増幅反応および/またはシークエンシング反応のための鋳型または出発材料として用いることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の方法は鎖伸長工程を含んでいる。いくつかの実施態様では、鎖伸長工程は、鋳型切り換え工程の後に実施される。いくつかの実施態様では、鎖伸長工程は、メチル化されたデオキシシチジン(5-メチルシトシン)の組み込みを含んでいる。メチル化されたデオキシシチジンは、メチル化されていないデオキシシチジンをウラシルに変換するバイサルファイト処理に抵抗性である。バイサルファイトシークエンシングを利用してDNAのメチル化状態を明らかにすることができる。本開示の方法のいくつかの実施態様では、鋳型切り換え工程の後の鎖伸長工程を通じて鋳型DNAまたはDNAライブラリを調製することができる。本開示の方法のいくつかの実施態様では、鋳型切り換え工程の後に実施する鎖伸長工程を通じて調製される鋳型DNAまたはDNAライブラリをバイサルファイトシークエンシングのために調製し、メチル化状態を明らかにすることができる。
二本鎖DNA(dsDNA)からの増幅
本開示の二本鎖DNA(dsDNA)の非限定的な例に含まれるのは、鋳型DNA、DNAライブラリのdsDNA、本開示の1つ以上のアダプタ配列(例えば本開示の鋳型切り換え工程を通じて付加されたアダプタ配列)が隣接したsdDNAである。本開示のdsDNAは、多彩な追加の用途のための基質(初期基質を含む)として用いることができる。用途の非限定的な例に含まれるのは、増幅反応とシークエンシング反応である。本開示のdsDNAは、1つ以上のプライマーと接触することができる。いくつかの実施態様では、本開示のdsDNAは、dsDNAの鋳型配列の配列と相補的な配列を有する第1のプライマーと接触するとともに、本開示のアダプタ配列と本開示のTSO配列のどちらかの配列と相補的な配列を持つ第2のプライマーと接触する。
いくつかの実施態様では、本開示のdsDNAは、1つ以上のプライマーおよびDNAポリメラーゼと接触する。本開示の代表的なDNAポリメラーゼの非限定的な例に含まれるのは、古細菌から単離されたDNAポリメラーゼ、または古細菌に由来するDNAポリメラーゼである。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、正確性、処理性、伸長速度、熱安定性、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)寛容性、塩抵抗性や、これらの組み合わせを改善するために操作されている。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、配列番号1、3、5、7いずれかのヌクレオチド配列、または配列番号2、4、6、8いずれかのアミノ酸配列と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%が一致する配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、配列番号1のヌクレオチド配列、または配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%が一致する配列を含んでいる。いくつかの実施態様では、ポリメラーゼは、配列番号3のヌクレオチド配列、または配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%が一致する配列を含んでいる。
本開示の二本鎖DNA(dsDNA)は、例えば図5(第3の工程)に図示されているものを含め、標的配列(例えば新規な融合イベントを含む標的配列)の一端だけがわかっているときに特に有用である(実施例2、3、4を参照されたい)。
いくつかの実施態様では、第2の、またはそれ以降のDNA増幅が実施される。いくつかの実施態様では、第1のDNA増幅が、鋳型配列と相補的な配列を含む第1のプライマーと、アダプタの配列と相補的な配列を含む第2のプライマーを用いて実施され、この第1のDNA増幅によって例えばdsDNA鋳型または鋳型ライブラリから望む配列を増幅することができ、第2のPCR増幅が、それぞれ第1のプライマーおよび第2のプライマーに対して「入れ子状態(in-nested)」であるプライマーのペアを用いて実施される。例えば第2のPCR増幅は、それぞれ第1のプライマーおよび第2のプライマーに対して「入れ子になった」プライマーのペアを用いて実施される。これは、第2のPCR増幅で用いられるプライマーの1つ以上のペアが、別の、5'プライマーよりは3'プライマーであるdsDNAの配列、または別の、3'プライマーよりは5'プライマーであるdsDNAの配列と相補的な配列を含むことを意味する。いくつかの実施態様では、第2のPCR増幅の産物は、第1のPCR増幅の産物よりも少数のヌクレオチドを含んでいる。いくつかの実施態様では、第2のPCR増幅の産物は、第1のPCR増幅の産物よりも少数のヌクレオチドからなる。いくつかの実施態様では、第2のPCR増幅の産物は、第1のPCR増幅の産物よりも短い。
いくつかの実施態様では、本開示のプライマーは、サンプルのインデックスを提供するための1つ以上のSIDまたはUIDを含むか、以後の用途または工程のための追加配列識別子を含んでいる。
いくつかの実施態様では、第1のPCR増幅で使用される1つ以上のプライマーはSID配列および/またはUID配列を含んでおり、そのことによってそのSID配列および/またはUID配列が第1のPCR増幅の産物の中に組み込まれる。
いくつかの実施態様では、第2のPCR増幅で使用される1つ以上のプライマーはSID配列および/またはUID配列を含んでおり、そのことによってそのSID配列および/またはUID配列が第2のPCR増幅の産物の中に組み込まれる。
一本鎖DNAの増幅
本開示の方法のいくつかの実施態様では、方法は、伸長工程と鋳型切り換え(例えばアダプタ付加)工程を分離する。伸長工程と鋳型切り換え工程の分離により、本開示の方法を適用できる出発材料の範囲が広がる。
本開示の方法のいくつかの実施態様では、断片化された二本鎖DNA(dsDNA)を変性させ、その変性したdsDNAにプライマーをアニーリングし、dsDNA:プライマー複合体と高正確性DNAポリメラーゼを接触させてそのdsDNA:プライマー複合体の配列を伸長させることによって本開示のDNA鋳型を伸長させて、dsDNA伸長産物を生成させる。いくつかの実施態様では、dsDNA伸長産物とと、鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換えが可能な酵素(例えばMMLV RT)を、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性に適した条件下で接触させる。いくつかの実施態様では、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性に適した条件に、DNAポリメラーゼはほとんど不活性だが、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性が可能な酵素は活性である温度が含まれ、その結果として伸長工程の間に合成されるDNA鎖に3'アダプタ配列が付加される。鋳型切り換え工程の間に、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換えが可能な酵素(例えばMMLV RT)は鎖を切り換え、TSOと相補的な鎖を5'から3'に向かって伸長させ、鋳型DNAの配列と同じ配列と、TSOの配列と相補的な3'アダプタ配列を含む一本鎖DNA(ssDNA)産物を生成させる。いくつかの実施態様では、過剰なプライマーまたは結合しなかったプライマーは、伸長反応物および/または鋳型切り換え反応物にヌクレアーゼを添加することによって除去される。いくつかの実施態様では、ssDNA産物は、例えば、ssDNAの鋳型DNAと相補的な配列を含む第1のプライマーと、ssDNAのアダプタの配列と相補的な配列を含む第2のプライマーを用いて増幅される。いくつかの実施態様では、第1のプライマーと第2のプライマーのどちらかは、第2の、または以後のアダプタ配列をさらに含んでいる。
鋳型切り換えとアンプリコンシークエンシングによる融合の検出
dsDNA鋳型ライブラリの両端へのアダプタ配列の付加により、より伝統的な方法(例えばアンプリコンシークエンシング技術)では見逃される融合イベントの検出という問題の解決法が提供される(図9)。鋳型DNAライブラリにアダプタを付加し、アダプタに対して特異的なプライマーと、融合イベントにおける興味ある遺伝子に対して特異的なプライマーを用いて増幅することにより、一端が融合イベントにおける興味ある遺伝子または領域(図10、領域A)の中に固定され、他端がアダプタ配列の中に固定されるある範囲のアンプリコン断片を生成させることが可能である。これらアンプリコン断片は、融合した2つの配列の間の接合部にまたがる(図10の領域A/領域X接合部)。
本開示の鋳型切り換え組成物と方法を利用することで、従来の連結反応と比べて特に作業フローに関して顕著な利点が提供される。本開示の組成物と方法は、未処理の鋳型dsDNAまたはssDNAを、ただちにシークエンシングできるサンプルへと4時間で変換する(図11)。逆に、T4 DNAリガーゼを用いる伝統的な連結プロトコルは、少なくとも一晩のインキュベーション工程を必要とする。
31プライマーパネルを用いて融合イベントを検出するための代表的な作業フローが図5に示されており、実施例2に記載した組成物と方法を反映している。本開示の鋳型切り換え工程の後、TSOの設計とマルチプレックスPCR反応に関して代わりの代表的な2つの設計を調べた(図12)。
第1の戦略では、TSO 1202(R1-TSOで標識)は、MMLV RTによって付加されたポリ(C)配列と相補的な配列1204と、伸長したプライマー配列1206(いくつかの実施態様ではUID配列を含む)の両方を含んでいる(図12)。第1ラウンドのPCR工程1207を、SID 1210が付加されていてその伸長したTSO配列1202にハイブリダイズする順プライマー1208と、興味ある領域1216に隣接した領域1215で鋳型配列1214に結合する逆プライマー1212を用いて実施した(図12の左上図)。第2のPCR工程1217(図12、左下図)を、第1ラウンドのPCR工程1207で導入されたインデックスプライマー配列1210(プライマー1208)に対して特異的なプライマー1218と、第2の入れ子式鋳型特異的プライマー(1220)と、第2のインデックスプライマー1222(SID 1224も含む)を用いて実施したため、追加配列が鋳型配列1214に組み込まれ、その結果として産物1226が得られた。注目すべきことに、プライマー1220とプライマー1222は、それぞれ、共有配列1227を有する。第2の戦略であるME-TSO戦略(図12、右側の図)では、TSO 1242そのものに含まれる配列エレメントが最少である。PCRの2つの連続したラウンド(工程1260と工程1262)の間に、SID 1244、UID 1246、追加配列1248が、プライマー1250、1252、1254、1256、1258にこれらの配列を含めることを通じて鋳型配列1214に付加され、その結果として、R1-TSO戦略に由来する産物1226と同等な特徴を持つ最終産物1264が得られた。この実施態様では、第2のPCR工程1262で二重インデックシングを実施したため、作業フローが簡単になる。注目すべきことに、プライマー1256とプライマー1258は、それぞれ、共有配列1259を有する。
鋳型切り換えとアンプリコンシークエンシングの前に、ヒトゲノムDNAを調製し、いくつかの異なる戦略を用いて分析した。最初に、Kapa End Repair モジュールを用い、Covarisで剪断したヒトゲノムDNA(遺伝子型NA12878、Coriell Institute、中央値が300 bpの分布)の末端を修復した。第2に、このヒトDNAをKapa Frag酵素で断片化した。次に、剪断され、酵素で断片化されたDNAを、R1-TSOまたはME-TSOというTSOとともに鋳型切り換え反応で使用し、得られた反応産物を、SPRIを用いて精製するか、第1ラウンドのPCR反応のための鋳型として直接使用した。10 ngのゲノムDNAからタグ付き断片化ライブラリを調製し、Tnpを対照として用いた(METソームまたはR1 Tソームを有する「Sterling」対照)。タグ付き断片化に基づくプロトコルは、陽性対照アンカード PCR技術であり、鋳型切り換えを利用しないが、鋳型切り換え法で用いられるプライマーの設計と整合性がある。
次に、鋳型切り換え反応からのヒトDNAを鋳型として、31個の鋳型特異的プライマーからなるパネルとともに用いた。このパネルからのリードをEGFR(図14と図15)遺伝子座およびKit(図16)遺伝子座とアラインメントしたとき、鋳型切り換え反応からの結果は「Sterling」対照にうまく対応した。平均挿入サイズを計算したとき、R1-TSOプライマーを用いて生成させたリードは「Sterling」対照とうまく対応がつき、リードの塊は塩基対のサイズが150~250の範囲であった(図17)。R1-TSOを用いて生成させたリードはオンターゲット率が最大で、80%超のオンターゲット率であり(図18)、たいていの条件下で「Sterling」対照およびME-TSOを凌駕していた。R1-TSOは、パネルカバレッジの一様性に関して「Sterling」対照を常に凌駕していた(図19)。ME-TSOも、いくつかの遺伝子座においてある種の入力DNA(末端修復とクリーンアップをしたDNA、酵素で断片化して第1のPCRで直接使用したDNA)に関して「Sterling」対照を凌駕していた。酵素による断片化とクリーンアップをしたDNAは、標的カバレッジに関して「Sterling」対照を常に凌駕していた(図19)が、第1のPCRで直接使用してME-TSOと反応したDNAは、標的カバレッジが最も不均一であった。鋳型DNAを酵素で断片化した鋳型切り換え反応は、独自リードの割合が、鋳型DNAを剪断して末端修復したとき(図20)よりも多かったが、酵素で断片化してR1-TSO と反応させ、クリーンアップをしたDNAは、他のサンプルと同等の性能を示さなかった。GC含量の偏りは、ハイスループットシークエンシングにおける周知の問題であり、GCが豊富な断片は、シークエンシング結果で過少または過剰に現われる可能性がある。われわれは、Picard ToolsセットからのCollectGCBiasMetricsプログラム(github.com/broadinstitute/picard)を用いてGC含量の偏りの程度を評価した。このプログラムは、ライブラリのGC含量の観察値を標的遺伝子座の(理想化された)予想GC含量と比較することにより、NGSライブラリに関するGC消失メトリックを提供する。GC消失メトリックの値の大きさは、ライブラリの中のGCリッチなゲノム断片が過少であることの相対推定値として機能する。酵素で断片化してクリーンアップをしたDNAをR1-TSOおよびME-TSOと反応させたものは、GC消失値の計算値が最も小さかった(図21)。
伸長反応と鋳型切り換え反応の分離
本開示の方法は、伸長工程と鋳型切り換え(アダプタ付加)工程を含むことができるが、伸長工程と鋳型切り換え工程を分離することで、この方法を一本鎖DNA(ssDNA)鋳型に適用することが可能になる。この方法は、断片化された二本鎖DNA(dsDNA)を変性させて少なくとも一部が一本鎖であるssDNA 2102を取得する工程と、プライマー2104をssDNAにアニーリングしてssDNA:プライマー複合体を形成する工程と、高正確性DNAポリメラーゼ(例えばKapa HiFi、配列番号1または3、図22の工程1)を用いてssDNA:プライマー複合体を伸長させて伸長産物2106を生成させる工程を含むことができる。ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換え活性にとって十分な条件下で、伸長産物2106と、TSO 2108と、ターミナルトランスフェラーゼ活性と鋳型切り換えが可能な酵素(例えばMMLV RT)を接触させる(反応物を、DNAポリメラーゼはほとんど不活性だがMMLV RTは活性である温度でインキュベートする結果として、合成された鎖に3'アダプタ2110が付加される)。次にMMLV RTが鎖を切り換え、TSO 2108と相補的なアダプタ配列2110を5'から3'に向かって伸長させる(図22、工程2)。エキソヌクレアーゼを添加して過剰なアンプリコン、TSO、プライマーを除去した。エキソヌクレアーゼは、反応物を加熱することによって、または反応した鋳型DNA 2102を精製することによって中和する(図22、工程3)。最後に、ポリメラーゼと、鋳型配列2106およびTSO 2110にハイブリダイズするPCRプライマー2112、2114(場合によってはSID 2116を含む)を添加して、すぐにシークエンシングができるdsDNA 2118を生成させる(図22、工程4)。この方法は、1ラウンドだけのPCRを含んでおり、TSO 2110によって提供されるUID 2120を含んでいてすぐにシークエンシングができるPCR産物を生成させる。この方法は、(特異的に開始されて伸長された)産物だけに対して鋳型切り換えが確実になされるようにすることで、特異性を増大させることが予想される。
本開示の実施態様をよりよく理解するため、以下の実施例を提示する。これら実施例は説明を目的としており、本開示の範囲を制限することはない。
実施例1:二本鎖DNA鋳型へのアダプタ配列の付加
方法のまとめ:二本鎖DNA鋳型((物理的に、または酵素で、または元々)断片化されたDNA(例えばcfDNA))またはPCR産物を用意した。次にこのdsDNA鋳型をTSOおよびMMLV RTと接触させた。反応物を42℃で10分間インキュベートした。MMLV RTのターミナルトランスフェラーゼ活性によって鋳型の各鎖の3'末端にアダプタ配列が付加された(図1、工程2のポリC配列)。TSO がdsDNA鋳型の3'アダプタ配列にハイブリダイズし、MMLV RTが鎖を鋳型からTSOに切り換えることで、TSO配列を組み込んだDNA鋳型と相補的な鎖が合成される。鋳型切り換え工程の結果として、鋳型DNAの各鎖の3'末端にアダプタ配列が付加された(図1、工程3)。それを本明細書ではdsDNA中間体と呼ぶ。次にこのdsDNA中間体を、鋳型/遺伝子特異的プライマーとアダプタ特異的プライマーを用いたPCRのための基質として用いた(図1、工程4)。本開示のいくつかの実施態様では、鋳型特異的プライマーは多重化されている。
実験プロトコル:153塩基対(bp)のPCR産物を鋳型切り換え反応のための鋳型として使用した。(配列番号1と2によってコードされた)Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた10ナノグラム(ng)、または1 ng、または100ピコグラム(pg)、または0 pgの精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として使用した。それに、10ピコモル(100 ng)のTSOと、200単位のMMLV RTと、dNTPと、反応バッファーを添加し、この混合物を42℃で5分間インキュベートした。MMLV RTを省略して一群の追加反応を実施した(図2と図3、+RT反応は上図、-RT反応は下図)。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をKapa SYBR Fastとともにリアルタイム増幅した。そのとき、以下のプライマーの組み合わせを用いた:(a)TSO特異的順プライマーと鋳型特異的逆プライマー(図2)、(b)鋳型だけに対して特異的な順プライマーと逆プライマー(図3)、(c)TSO特異的順プライマーだけを用いた陰性対照反応(35サイクルの後は増幅なし)。
TSO特異的順プライマーと鋳型特異的逆プライマーを用いて鋳型切り換え産物DNAを増幅したとき(図2)、結果は、鋳型切り換えによるTSO配列の付加が10 ngから100 pgの入力範囲で線形に起こることと、MMLV RTの存在が必要であることを示していた。逆に、鋳型特異的順プライマーと鋳型特異的逆プライマーを用いて鋳型切り換え産物を増幅したときには(図3)、TSO特異的プライマーと鋳型特異的プライマーを用いて実施したPCR反応(図2)とは異なり、ほぼ同じサイクル数の後に+RT反応物と-RT反応物が増幅された。
リアルタイムで増幅されたPCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分析し、鋳型切り換えオリゴ配列の付加を確認した(図4)。153 bp鋳型と鋳型切り換え反応の産物を増幅した。そのとき、以下のプライマーの組み合わせを用いた:(a)TSO特異的プライマーと鋳型特異的プライマーの組み合わせ(180 bpの産物が生成する;図4、レーン2と3)、(b)鋳型だけに特異的な順プライマーと逆プライマー(153 bpの産物が生成する;図4、レーン6と7)。鋳型切り換えがなされなかった鋳型も、鋳型特異的順プライマーと鋳型特異的逆プライマーを用いて増幅した(図4、レーン9)。図4の結果は、TSOの長さに基づいて予測されるように、鋳型切り換え反応によって標的鋳型に長さ27 bpが追加して付加されたことを示している。
実施例2:UIDが付加された剪断されたDNAから融合体を検出するための多重化標的化増幅
この実施例の作業フローのダイヤグラムを図5に示す。プラットフォーム特異的アダプタの部分配列を有するとともに、独自識別子(UID)配列も含む鋳型切り換えオリゴを使用し、剪断された二本鎖DNAに対して鋳型切り換えを実施した。MMLV RTは、平滑末端二本鎖DNA鋳型の各端部にアダプタのポリ(C)配列を付加した(図5、工程2)。TSOがアダプタのポリ(C)配列にハイブリダイズし、MMLV RTが鎖を鋳型からTSOに切り換え、そのTSOをコピーして、両端にアダプタ配列を含むdsDNAを生成させた。UIDは、鋳型切り換え反応の間に3'アダプタ配列に組み込まれた。いくつかの実施態様では、UIDが個々の鋳型分子を同定する(図5、工程3)。一次PCRでは、鋳型(または遺伝子)特異的プライマーとTSO特異的プライマーを使用した。一次PCRにより、独自タグを有する遺伝子特異的断片に関するライブラリが富化した(図5、工程4)。次に、二次PCRを、サンプル識別子(SIDとしても知られる)が含まれる5'領域とプラットフォーム特異的アダプタ配列の残部を含む入れ子式鋳型特異的プライマーと、SIDを含有する5'領域と他のシークエンシングアダプタの残部を有するTSO特異的プライマーを用いて実施した(図5、工程5)。二次PCRの後、産物は、UIDとSIDを含むアダプタ配列を含有していたため、すぐにシークエンシングができた。
この実施例で鋳型切り換え反応に使用する代表的な1つのTSOは、以下の配列を含んでいる:5’ TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGNNNNNNNNrGrGrG 3'(配列番号12)。
「rGrGrG」配列は、RNA塩基(すなわちグアニンRNA)を示しており、それを鋳型切り換えの間にハイブリダイゼーションに使用した。「N」は、シークエンシングの間に最初の8塩基として読まれることになるUIDを示す。リード1シークエンシング用プライマーは、UIDのすぐ上流のGAGACA配列にアニールする。最初の8塩基のリードはUIDの一部であり、その後にGGGが続く。次の塩基のリードは、インサート由来になる。UID-GGG配列は、リード中の遺伝子特異的領域の開始部を同定する手段として機能する。
実施例3:鋳型切り換えにより、剪断されたDNAにアダプタを付加した後、遺伝子特異的プライマーとアダプタ(TSO)特異的プライマーを用いてマルチプレックスPCRを実施することにより、融合の検出を促進する
この実施例の作業フローを図6にまとめてある。
Covarisで剪断したヒトゲノムDNA(Promega社、中央値が300 bpの分布)の末端をKapa末端修復モジュールで修復し、SPRIを用いて精製した(図6、工程1と2)。入力ゲノムDNA(gDNA)の特徴が図7Aに示されている。gDNA は、BioAnalyzer高感度アッセイを利用して分析したとき、中央値が300 bpの分布を示した。鋳型切り換え反応では、200 UのMMLV RT、20ピコモルのTSO、dNTP、1×RTバッファーの存在下で、5 ng、または500 pg、または50 pg、または0 pgのこの材料を入力として用いた。反応物を42℃で10分間インキュベートした。MMLV RTを省略して一群の追加反応を実施した(-RT反応)。MMLV RTによって平滑末端二本鎖DNA鋳型の各端部にアダプタのポリ(C)配列が付加された。TSOがアダプタのポリ(C)配列にハイブリダイズし、MMLV RTが鎖を鋳型からTSOに切り換え、そのTSOをコピーして、両端にタグが付いたdsDNAを生成させた(図6、工程3、4)。
Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップ(図6、工程5)の後、TSO特異的プライマーと、包括的がんホットスポットパネルからの3つの遺伝子特異的プライマー(CCHP1、2、3)を用いて鋳型を(図6、工程6に示されている)一次PCR反応で増幅した。一次PCR反応では、特注のマルチプレックスPCRサイクリングミックスを23サイクル(5 ngの入力ライブラリ)、または26サイクル(500 pgの入力ライブラリ)、または28サイクル(50 pgの入力ライブラリとNTCライブラリ)にわたって利用した。BioAnalyzer高感度アッセイを利用して5 ngの入力ライブラリからの一次PCR産物を分析した(図7B)。一端にTSOを、他端にCCHP 1、2、3配列を有する断片からなる一次PCR産物(図6の工程6からの産物)は、BioAnalyzerを利用して分析したとき、元の入力DNAに見られるのと同様の分布を示した。その後、この産物を図6の工程8で鋳型として使用して二次PCRを実施した。
SPRIで精製した一次PCR産物の半分を、TSO特異的プライマーをインナー遺伝子特異的プライマー(一次PCRで用いた遺伝子特異的プライマーと比べて入れ子状態である)と組み合わせて用いる二次PCRのための鋳型として使用した。この反応を図6の工程8に示してある。入れ子化(in-nesting)を実施して特異性を改善したが、これは単一PCR作業フローではおそらく省略することができよう。Kapa HiFi Hot Start Ready Mix(Kapa HiFi HS RM)を用いて二次PCRを実施した。二次PCR産物をSPRIで精製し、BioAnalyzer高感度アッセイを利用して分析した(図8、左側の図)。一端にTSO配列を、他端にCCHP 1、2、3配列を有する断片からなる二次PCR産物を、BioAnalyzerを利用して分析したとき、5 ngの入力からのライブラリは、離散した断片の特徴的な分布を示し(図8、左上)、サイズは、短いリードのシークエンシングに適していた。500 pgと50 pgからのライブラリ(図8、中央の図と左下の図)は、複雑さがはるかに少ないプロファイルを示した。これは、複雑さが低下したことを示している。
さまざまな入力の富化の有効性を、ライブラリのあらゆる断片を増幅するライブラリ特異的プライマーと、標的となる遺伝子座の短い区画を増幅する鋳型/遺伝子特異的プライマーを用いたqPCRによって評価した(図6、工程9)。リアルタイムPCRで二次PCR産物を入力として使用し、(TSOの中の配列に結合する)ライブラリ特異的プライマーを用いてすべての断片を増幅する(交差点Ct(lib)が生成した)か、3つの遺伝子特異的プライマーの組み合わせ(CCHP 1、2、3)を用いた(3つの標的のそれぞれについて交差点Ct(Gsp)が生成した)。ライブラリ特異的プライマーと、各鋳型/遺伝子特異的プライマーセットの間の交差点(Ct値)の差(L~Ct)は、ライブラリがどれくらいそれぞれの標的遺伝子座で構成されているかを示す(図8)。大きな~Ctは、ライブラリのわずかな部分がその特定の標的で構成されていることを示す。図8に示されているのは、剪断されたヒトゲノムDNAの入力が5 ngからの方法を利用して生成させた断片ライブラリは、興味ある3つの標的が非常に富化されていて、その3つの標的が極めて均一に現われることである(CCHP 1、2、3の~Ct値の不一致は大きくない)。入力を500 pgに減らすと、ライブラリの複雑さが低下し、3つの遺伝子の富化は、富化の一様性と同様に低下する(CCHP 1、2、3の~Ct値は一致しない)。最後に、50 pgのヒトゲノムPCRから調製したライブラリは、3つの遺伝子のうちの1つ(CCHP2)でほぼ全面的に構成されている。
重要なことだが、MMLV RTの不在下で鋳型切り換え反応を受けたどのライブラリも、2ラウンドの伸長PCR増幅の後でさえ産物を生成させなかった。それに加え、MMLV RTの存在下でTS反応を受けたどの鋳型対照も、2ラウンドの伸長PCR増幅の後でさえ産物を生成させなかった。これらのデータは、このプロセスがPCRアーチファクトと非特異的反応に対して比較的抵抗性であることを示している。gDNA入力の量が減るにつれて複雑さが低下することは、標的のサイズの小ささ(500 pgは200個未満のハプロイドゲノムである)と、多数のクリーンアップの利用に関係している可能性がある。最終的な最適化された反応は、TSO付加の後の直接的なPCRを含むことになるため、標的DNAの損失はより少なくなる。
これらの結果が合わさって、この方法が原則として機能することを実証している。MMLV RTは、5 ng以下の入力で、臨床的に重要なサイズと濃度範囲の300 bp断片の剪断されたゲノムDNAの3'末端にアダプタを付加することができる。得られた産物は、鋳型/遺伝子特異的プライマーとアダプタ特異的プライマーを用いた増幅に適した基質であり、興味ある遺伝子が富化された断片ライブラリになる。最後に、この方法は、反応においてTSOとMMLV RTだけを用いてDNA鋳型の3'末端に3'アダプタを付加する一般的な手段と見なすことができる。
実施例4:dsDNA鋳型にアダプタを効率的に付加するためのMg 2+ 濃度と相補的ヌクレオチドの量の決定
この実験で用いるTSOはTSO-rGであった。5個のNと3個のRNAグアニン塩基をH塩基によって分離した。TSO-rGを4つすべてのdNTPおよび異なる濃度の追加dCTPとともに使用し、dsDNAアンプリコン鋳型のC-テーリングを促進する。追加ヌクレオチドを調節するため、より多くのMg2+を添加した。4つのヌクレオチドすべての存在下で、アンプリコンのテーリングと鋳型切り換えを起こさせた。鋳型切り換えによる産物をLabChip高感度断片分析装置で分析し、モル濃度を計算した。3つの異なる種をLabChipトレースで観察することができる。すなわち、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコンと、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコンと、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコンである。全モル濃度に対するこれらの種の比を計算してプロットした(図24)。
Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた十(10)ナノグラム(ng)の精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として用いた。反応物は各dNTPを1 mM含んでおり、追加dCTPを0 mM、または5 mM、または10 mM、または20 mM添加した。この反応物は、反応バッファーと200 UのMMLV RTTも含んでいた。反応バッファーは、0 mM、または12 mM、または24 mM、または36 mMのMg2+を含んでいる。ヌクレオチドの添加がない対照反応物も12 mMのMg2+を含んでいた。これら反応物を42℃で10分間インキュベートした。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をLabChip GX Touch高感度DNAチップにロードした。
酵素が機能するには補因子としてMg2+を必要とする。dCTPを多く添加しすぎるとより多くのMg2+が必要になる。24 mMのMg2+だと、追加の5 mMまたは10 mMのdCTPによってベースラインdNTP(1 mMのdCTPを含む)が改善される。10 mMの追加dCTPが、24 mMと36 mM両方のMg2+で最適であるように見え、40%超の産物が、一端または両端にアダプタを有する(図24)。
実施例5:dsDNA鋳型にアダプタを付加するため、TSOにおいてさまざまなRNA塩基を使用し、対応するヌクレオチドとともにインキュベートする
この実験で用いる基本的なTSO配列は以下の通りであった。アダプタ配列の後に、5N(5個のヌクレオチド)UMIと、RNA尾部をDNA塩基から分離するスペーサ塩基が続く。この実施例では、TSOの尾部に、(V塩基スペーサがある)3個のウラシル塩基、または(B塩基スペーサがある)3個のアデニン塩基、または(G塩基スペーサがある)3個のシチジン塩基、または(H塩基スペーサがある)3個のグアニン塩基があり、これらはすべてRNA塩基である。3N RNA塩基だが、6N(6個のヌクレオチド)UMIを持ち、明確なスペーサ塩基はない別のTSOも試験した。TSOのRNA塩基と相補的な単一ヌクレオチドだけを用い、MMLV RTおよびdsDNAアンプリコンと接触させて、鋳型切り換え反応を実施した。この単一ヌクレオチドを用いたアンプリコンのテーリングを20分間実施した後、残る3つのヌクレオチドを添加し、鋳型切り換えとアダプタ添加を10分間実施した。鋳型切り換え産物をLabChip高感度断片分析装置で分析し、モル濃度を計算した。3つの異なる種をLabChipトレースで観察することができる。すなわち、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコンと、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコンと、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコンである。全モル濃度に対するこれらの種の比を計算してプロットした(図25)。
Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた十(10)ナノグラム(ng)の精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として用いた。それに、500 nMのTSOと、200単位のMMLV RTと、1 mMの単一ヌクレオチドと、反応バッファーを添加し、この混合物を42℃で20分間インキュベートした。次に、残る3つのヌクレオチドをそれぞれ1 mMで添加し、42℃で10分間インキュベートした。実験のための対照に含まれるのは、dNTPを添加していない1つの反応物(TSO-rNで実施)と、すべてのdNTPを一度に添加した各TSOのための1つの反応物である。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をLabChip GX Touch高感度DNAチップにロードした。
二重アダプタの添加が最も効果的であるのは、dGTPで最初にテーリングするか、4つすべてのヌクレオチドの存在下でテーリングしたTSO-rCを用いるときである。dGTPテーリングを伴うTSO-rCを用いると、全産物の50%超で、単一アダプタまたは二重アダプタが付加されたDNAアンプリコンになった。TSO-rUとTSO-rAだと二重アダプタが付加された産物は多くなかった。これは、MMLV RTがA-テーリングまたはT-テーリングを好まないことを示している。TSO-rNを用いると、テーリングとアダプタ付加は、最初にdCTPまたはdGTPでテーリングするときよりもわずかに優れているが、4つのヌクレオチドすべての存在下で最も有効である。
実施例6:相補的ヌクレオチドを添加したTSOにおけるDNA塩基またはRNA塩基の使用
この実験で用いる基本的なTSO配列は以下の通りであった。アダプタ配列の後には、5N UMIとともに、DNA塩基から尾部を分離するスペーサ塩基が続く。この実施例では、TSOの尾部に、3個のRNAグアニン塩基、または3個のRNAシトシン塩基、または3個のDNAグアニン塩基、または3個のDNAシトシン塩基が付く。シトシンTSOはDスペーサ塩基を持ち、グアニンTSOはHスペーサを持つ。4つの塩基すべてを用いて鋳型切り換え反応を実施し、個々のTSOに対して追加の相補的ヌクレオチドを用いた。テーリングと鋳型切り換えを42℃で10分間起こさせた。鋳型切り換え産物をLabChip高感度断片分析装置で分析し、モル濃度を計算した。3つの異なる種をLabChipトレースで観察することができる。すなわち、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコンと、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコンと、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコンである。全モル濃度に対するこれらの種の比を計算してプロットした(図26)。
Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた十(10)ナノグラム(ng)の精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として用いた。それに、500 nMのTSOrCまたはTSO-rGまたはTSO-dCまたはTSO-dGと、200単位のMMLV RTと、1 mMの単一ヌクレオチドと、反応バッファーを添加した。追加の10 mMの相補的ヌクレオチドを個々のTSO反応物に添加した。1 mMのdNTPだけを添加したTSO対照は含まれていなかった。反応物を42℃で10分間インキュベートした。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をLabChip GX Touch高感度DNAチップにロードした。
シトシンを尾部に有するTSOは、それがRNA塩基であれDNA塩基であれ、グアニンを尾部に有するTSOよりも優れているように見え、産物の50%超にアダプタが付加されている。これは、MMLV RTが、dsDNA鋳型のG-テーリングをC-テーリングよりも好むことと、鋳型がDNAとRNAの一方を好むことはないことを示唆している。
実施例7:1つの反応でTSO-rGとTSO-rCを異なる比にして使用
3個のグアニン塩基(とHスペーサ塩基)を有するTSOと、3個のシトシン塩基(とDスペーサ塩基)を有するTSOを異なる比で組み合わせ、異なる量とヌクレオチドの組み合わせで、ヌクレオチドの添加なし、または追加dCTPおよび/または追加dGTPありで、24 mMのMg2+の存在下にてインキュベートした。鋳型切り換え反応はMMLV RTとdsDNAアンプリコンの存在下で実施した。最初からすべての反応成分とともに42℃で10分間インキュベートした。鋳型切り換え産物をLabChip高感度断片分析装置で分析し、モル濃度を計算した。3つの異なる種をLabChipトレースで観察することができる。すなわち、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコンと、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコンと、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコンである。全モル濃度に対するこれらの種の比を計算してプロットした(図27)。
Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた十(10)ナノグラム(ng)の精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として用いた。dsDNAアンプリコンを、MMLV RTおよび反応バッファーとともにインキュベートした。反応バッファーは、1 mMのdNTP、1 mMのdNTP+10 mMのdCTP、1 mMのdNTP+10 mMのdGTP、1 mMのdNTP+5 mMのdCTP+5 mMのdGTPのいずれかを含んでいた。反応物は、TSOなし、500 mMのTSO-rCまたはTSO-rG、500 mMのTSO-rCと500 mMのTSO-rG、250 mMのTSO-rCと250 mMのTSO-rG、400 mMのTSO-rCと100 mMのTSO-rG、100 mMのTSO-rCと400 mMのTSO-rGのいずれかも含んでいた。反応物を42℃で10分間インキュベートした。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をLabChip GX Touch高感度DNAチップにロードした。
2つのTSOは、混合する比に関係なく、単アダプタが付加された産物と二重アダプタが付加された産物を個別のTSOよりも多く生成させる。比rG:rCが4:1だとわずかに効率が低いように見える。アダプタの付加は、両方の追加相補的ヌクレオチドをTSOの混合物に添加することによって増大し、アダプタが付加された産物がほぼ80%になる。
実施例8:7N UMIと比較した5N UMIの効率
この実験は、2つの部分からなる。第1の部分では、鋳型切り換えとアダプタ付加を153 bpのアンプリコンで実施した。鋳型切り換えによってアダプタを付加したアンプリコン産物をLabChip高感度断片分析装置で分析した。3つの異なる種をLabChipトレースで観察することができる。すなわち、1)アダプタが付加されていないdsDNAアンプリコンと、2)アダプタが一端に付加されたアンプリコンと、3)アダプタが両端に付加されたアンプリコンである。全モル濃度に対するこれらの種の比を計算してプロットした(図28)。実験の第2の部分では、5N(5個のヌクレオチド)UMIまたは7N(7個のヌクレオチド)UMIを持つTSO-rCとTSO-rGの組み合わせでヒトゲノムDNAを用いてライブラリを作製した。断片化されたヒトゲノムDNAのテーリングと鋳型切り換えの後、361 Plus(タイリングなし)プライマーパネルを用いてネステッドPCRのアプローチでライブラリを作製した。ライブラリをNextSeq 500でシークエンシングした。
Kapa HiFiポリメラーゼを用いて生成させた十(10)ナノグラム(ng)の精製した153 bp平滑PCR産物を鋳型として用いた。それに、500 nMのTSO-rC、または500 mMのTSO-rG、または250 mMのTSO-rC+250 mMのTSO-rGと、200 UのMMLV RTと、1 mMのdNTPと、反応バッファーを添加した。追加の単一ヌクレオチドを相補的TSOに添加するか、10 mMのdGTPをTSO-rCに添加するか、10 mMのdCTPをTSO-rGに添加するか、5 mMのdCTP+5 mMのdGTPをTSO混合物に添加した。この反応物を42℃で10分間インキュベートした。Kapa Pureビーズを用いた2×SPRIクリーンアップの後、得られた産物をLabChip GX Touch高感度DNAチップにロードした。
Kapa Fragモジュールを用いて2通りの異なる作業フローでヒトDNA(NA12878)を断片化した。第1の作業フロー(作業フロー1)では、10 ngのヒトゲノムDNA(NA12878)を断片化反応物の中に取り込み、反応産物をKapa Pureビーズで精製し、溶離した全産物を鋳型切り換え反応物の中に取り込み、定量はしない。第2作業フロー(作業フロー2)では、大量のDNAを断片化し、2×Kapa Pureビーズでクリーンアップし、10 mMのトリス-HClの中に溶離させ、DNAを最初にQubitで定量して正確に10 ngの断片化されたDNAを鋳型切り換え反応物に添加した。鋳型切り換え反応物は、200 UのMMLV RTと、反応バッファーと、1 mMのdNTP+個々のTSOに対する10 mMの追加相補的ヌクレオチド、またはTSO混合物に対する5 mMの各相補的ヌクレオチドを含んでいる。これは、TSO-rCは、1 mMのdNTPに加えて10 mMのdGTPを受け取ること、TSO-rGは、1 mMのdNTPに加えて10 mMのdCTPを受け取ること、TSO-rCrGの組み合わせは、5 mMのdGTP+5 mMのdCTP+1 mMのdNTPを受け取ることを意味する。この反応物は、TSOとして、500 mMのTSO-rC、または500 mMのTSO-rG、または250 mMのTSO-rC+250 mMのTSO-rGを含んでいる。この反応物を42℃で10分間インキュベートし、0.8×Kapa Pureビーズでクリーンアップした。生成物をトリス-HClの中に溶離させ、そのトリス-HClを第1または第2のネステッドマルチプレックスPCR反応物の中に取り込んだ。361 Plus(タイリングなし)アウタープライマーを使用して137個の標的を増幅した。第1のPCRからの産物をKapa Pureビーズでクリーンアップし、溶離液を、インナープライマーパネルのほかi5プライマーとi7プライマーを用いた第2のネステッドマルチプレックスPCRの中に取り込んでライブラリのインデクシングを実施した。Kapa Pureビーズを用いた最終クリーンアップを第2のPCRの後に実施する。ライブラリをプールし、30%phiXを添加してNextSeq-500で1.5 pMをシークエンシングした。図29は、作業フロー1または作業フロー2を利用したときの、5N UMIまたは7N UMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)のオンターゲット率を示すグラフである。図30は、作業フロー1または作業フロー2を利用したときに5N UMIまたは7N UMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)がオンターゲットであるリードを示すグラフである。y軸はリードの数を表わす。図31は、作業フロー1または作業フロー2を利用したときの、5N UMIまたは7N UMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)の一様性を示すグラフである。図32は、作業フロー1または作業フロー2を利用したときの、5N UMIまたは7N UMIを含むTSO(TSO-rC、TSO-rG、TSO-rCrGのいずれか)のゲノム等価回復率を示すグラフである。
7N UMIを有するTSOは、5N UMIを有するTSOと同等であるか、それよりも優れた性能を示す。TSO-rCとTSO-rGの組み合わせも、個々のTSOよりも優れた性能を示し、アンプリコン産物の70%超が付加されたアダプタを有する(図28)。
参照による組み込み
本明細書で引用されているあらゆる文書は、相互参照されているあらゆる特許や出願、関連するあらゆる特許や出願を含め、明示的に除外されていたり、それ以外の制限があったりする場合を除き、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。どの文書の引用も、その文書が、本明細書の中で開示されたり権利請求されたりしている任意の発明に関する先行技術であると認めていることではないし、その文書が、単独で、または他の任意の参考文献との任意の組み合わせで、そのような任意の発明を教示、または示唆、または開示していると認めていることではない。さらに、本文書中の用語のあらゆる意味または定義が、参照によって組み込まれている文書中の同じ用語のあらゆる意味または定義と矛盾する場合には、本文書中のその用語に付与された意味または定義が優先する。
他の実施態様
本開示の特定の実施態様を図示して説明してきたが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく、他のさまざまな変化や変更が可能である。添付の請求の範囲には、本開示の範囲に入るそのようなあらゆる変化と変更が含まれる。
以下に本発明をまとめる:
[1] (a)5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含むセンス鎖と
(b)このセンス鎖(a)の配列と相補的な配列を含む配列を含むアンチセンス鎖
を含む二本鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)配列を含んでいて、
前記第2のアダプタ配列が、鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)のためのハイブリダイゼーション部位を含む組成物。
[2] (b)のアンチセンス鎖が、5'から3'に向かって、前記センス鎖(a)の配列の逆相補的配列を含む配列を含む、項目1に記載の組成物。
[3] 前記第1のアダプタ配列が、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含む、項目1と2に記載の組成物。
[4] 前記第1のアダプタ配列が3個のヌクレオチドを含む、項目3に記載の組成物。
[5] 前記第1のアダプタ配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目3と4に記載の組成物。
[6] 前記第2のアダプタ配列が、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含む、項目1~5のいずれか1項に記載の組成物。
[7] 前記第2のアダプタ配列が3個のヌクレオチドを含む、項目6に記載の組成物。
[8] 前記第2のアダプタ配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目6と7に記載の組成物。
[9] 前記第1のアダプタ配列と前記第2のアダプタ配列が同じではない、項目1~8のいずれか1項に記載の組成物。
[10] TSOのための前記ハイブリダイゼーション部位が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目8に記載の組成物。
[11] TSOのための前記ハイブリダイゼーション部位が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列からなる、項目8に記載の組成物。
[12] 前記鋳型配列が、断片化されたDNA配列を含む、項目1~11のいずれか1項に記載の組成物。
[13] 前記断片化されたDNA配列が、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含む、項目12に記載の組成物。
[14] 前記PCR産物が、平滑末端化産物、すなわち平滑末端を有する産物である、項目13に記載の組成物。
[15] 前記剪断されたDNAが、物理的に剪断されたDNA、または酵素によって剪断されたDNAを含む、項目13に記載の組成物。
[16] 前記剪断されたDNAがゲノムDNAを含む、項目13または15に記載の組成物。
[17] 前記剪断されたDNAがベクターを含む、項目13または15に記載の組成物。
[18] 前記剪断されたDNAが、元々剪断されているDNAを含む、項目13に記載の組成物。
[19] 前記元々剪断されているDNAが、無細胞DNA(cfDNA)を含む、項目18に記載の組成物。
[20] 前記修復されたDNAが酵素によって修復されて二本鎖になっている、項目13に記載の組成物。
[21] 前記TSOが一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含む、項目1~20のいずれか1項に記載の組成物。
[22] 前記TSOがさらに二次構造を含む、項目21に記載の組成物。
[23] 前記二次構造がヘアピンを含む、項目22に記載の組成物。
[24] 前記ssDNA配列が、前記TSOの少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含む、項目21~23のいずれか1項に記載の組成物。
[25] 前記ssDNA配列が、前記TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含む、項目21~24のいずれか1項に記載の組成物。
[26] 前記TSOの前記少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドが連続している、項目25に記載の組成物。
[27] 前記TSOが、前記第2のアダプタのハイブリダイゼーション部位と少なくとも50%相補的なハイブリダイゼーション部位を含む、項目21~26のいずれか1項に記載の組成物。
[28] 前記ハイブリダイゼーション部位が、前記第2のアダプタのハイブリダイゼーション部位と100%相補的である、項目27に記載の組成物。
[29] 前記ハイブリダイゼーション部位が一本鎖核酸配列を含む、項目27または28に記載の組成物。
[30] 前記一本鎖核酸配列が、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含む、項目29に記載の組成物。
[31] 前記一本鎖核酸配列が3個のヌクレオチドを含む、項目29に記載の組成物。
[32] 前記一本鎖核酸配列がDNA配列である、項目29~31のいずれか1項に記載の組成物。
[33] 前記DNA配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目32に記載の組成物。
[34] 前記一本鎖核酸配列がRNA配列である、項目29~31のいずれか1項に記載の組成物。
[35] 前記RNA配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目34に記載の組成物。
[36] 前記ssDNAが、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含む、項目21~35のいずれか1項に記載の組成物。
[37] 前記ssDNAが、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含む、項目36に記載の組成物。
[38] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が前記TSOの配列を含む、項目1~37のいずれか1項に記載の組成物。
[39] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が、前記TSOの配列と一致する配列、または前記TSOの配列と相補的な配列を含む、項目38に記載の組成物。
[40] 前記第1のアダプタ配列が、第1のTSOの配列と一致する配列、またはその第1のTSOの配列と相補的な配列を含み、
前記第2のアダプタ配列が、第2のTSOの配列と一致する配列、またはその第2のTSOの配列と相補的な配列を含み、
前記第1のTSOと前記第2のTSOが同じではない、項目38または39に記載の組成物。
[41] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が、前記TSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含む、項目38または39に記載の組成物。
[42] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が、TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含む、項目38、49、41のいずれか1項に記載の組成物。
[43] 前記TSOの前記少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドが連続している、項目42に記載の組成物。
[44] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が、それぞれ前記第1のTSOまたは前記第2のTSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含む、項目40に記載の組成物。
[45] 前記第1のアダプタ配列または前記第2のアダプタ配列が、それぞれ前記第1のTSOまたは前記第2のTSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含む、項目40または44に記載の組成物。
[46] それぞれ前記第1のTSOまたは前記第2のTSOの前記少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドが連続している、項目45に記載の組成物。
[47] 前記センス鎖が、5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含んでいて、
前記第1のアダプタ配列が、前記TSOの配列と一致する配列と、独自識別子(UID)配列、サンプル識別子(SID)配列、独自分子識別子(UMI)配列のいずれかの配列と一致する配列と、前記ポリ(G)配列を含み、
前記第2のアダプタ配列が、前記TSOの配列と相補的な配列と、前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかと相補的な配列と、前記ポリ(C)配列を含む、項目39~46のいずれか1項に記載の組成物。
[48] 前記センス鎖が、5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含んでいて、
前記第1のアダプタ配列が、前記TSOの配列と一致する配列と、独自識別(UID)配列、サンプル識別(SID)配列、独自分子識別(UMI)配列のいずれかの配列と一致する配列と、前記ポリ(C)配列を含み、
前記第2のアダプタ配列が、前記TSOの配列と相補的な配列と、前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかと相補的な配列と、前記ポリ(G)配列を含む、項目39~46のいずれか1項に記載の組成物。
[49] 前記TSOが、UID配列、SID配列、UMI配列のうちの1つ以上を含む、項目1~48のいずれか1項に記載の組成物。
[50] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかがランダムな配列を含む、項目49に記載の組成物。
[51] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、あらかじめ決められた配列を含む、項目49に記載の組成物。
[52] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目50または51に記載の組成物。
[53] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目50または51に記載の組成物。
[54] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目50または51に記載の組成物。
[55] 前記UID配列または前記SID配列が8個のヌクレオチドを含む、項目50または51に記載の組成物。
[56] 前記UMI配列が、7個のヌクレオチドを含むか、7個のヌクレオチドからなる、項目50または51に記載の組成物。
[57] 前記UMI配列が、5個のヌクレオチドを含むか、5個のヌクレオチドからなる、項目50または51に記載の組成物。
[58] 項目1~57のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、
(a)ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で鋳型配列とポリメラーゼを接触させて、前記アダプタ配列をセンス鎖とアンチセンス鎖の3'末端の位置に含む中間体二本鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)配列を生成させ;
(b)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、前記中間体dsDNAと、前記ポリメラーゼと、少なくとも1つの鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)を接触させて、項目1~57のいずれか1項に記載のdsDNAを生成させることを含む方法。
[59] 前記センス鎖と前記アンチセンス鎖の3'末端に位置する前記アダプタ配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目58に記載の方法。
[60] 前記センス鎖と前記アンチセンス鎖の3'末端に位置する前記アダプタ配列がポリ(G)配列を含む、項目58に記載の方法。
[61] ターミナルトランスフェラーゼ活性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)を含む、項目58~60のいずれか1項に記載の方法。
[62] ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、複数のdCTP、または複数のdGTP、またはこれらの組み合わせを含む、項目58~61のいずれか1項に記載の方法。
[63] ターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、dCTPとdGTPの組み合わせを含む、項目58~61のいずれか1項に記載の方法。
[64] DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、27℃~50℃(両端を含む)の温度での2~20分間の期間にわたるインキュベーションを含む、項目58~63のいずれか1項に記載の方法。
[65] DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、42℃での10分間のインキュベーションを含む、項目64に記載の方法。
[66] DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が、42℃での5分間のインキュベーションを含む、項目64に記載の方法。
[67] 前記ポリメラーゼが逆転写酵素を含む、項目58~66のいずれか1項に記載の方法。
[68] 前記逆転写酵素が、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV)という逆転写酵素である、項目67に記載の方法。
[69] DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な前記条件が補因子Mg 2+ を含む、項目68に記載の方法。
[70] 前記補因子Mg 2+ が20~40 mMの濃度で存在する、項目69に記載の方法。
[71] 前記補因子Mg 2+ が24~36 mMの濃度で存在する、項目69に記載の方法。
[72] (a)の中の鋳型DNAの濃度が0.1 ng~100 ng(両端を含む)である、項目58~71のいずれか1項に記載の方法。
[73] (a)の中の鋳型DNAの濃度が、0.1 ng以下、1 ng以下、10 ng以下、100 ng以下のいずれかである、項目58~71のいずれか1項に記載の方法。
[74] DNA断片ライブラリを作製する方法であって、
項目1~57のいずれか1項に記載の組成物と、第1の順プライマーと、第1の逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPを接触させ、
増幅が進行するのに十分な条件下で前記組成物の第1の部分を増幅することにより、第1の増幅産物を生成させることを含む方法。
[75] 前記第1の順プライマーと前記第1の逆プライマーが前記組成物のセンス鎖にハイブリダイズする、項目74に記載の方法。
[76] 前記第1の順プライマーと前記第1の逆プライマーが前記組成物のアンチセンス鎖にハイブリダイズする、項目74に記載の方法。
[77] 前記第1の順プライマーが、前記第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目74~76のいずれか1項に記載の方法。
[78] 前記第1の順プライマーが、前記TSOの配列と一致する配列の一部とハイブリダイズする、項目74~76のいずれか1項に記載の方法。
[79] 前記第1の逆プライマーが、前記第2のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目74~78のいずれか1項に記載の方法。
[80] 前記第1の逆プライマーが、前記TSOの配列と一致する配列の一部とハイブリダイズする、項目74~79のいずれか1項に記載の方法。
[81] 前記第1の逆プライマーが、前記鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目74~79のいずれか1項に記載の方法。
[82] 項目74の第1の増幅産物と、第2の順プライマーと、第2の逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPを接触させ、
増幅が進行するのに十分な条件下で前記第1の増幅産物を増幅することにより、第2の増幅産物を生成させることをさらに含む、項目74~81のいずれか1項に記載の方法。
[83] 前記第2の順プライマーが、前記第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目82に記載の方法。
[84] 前記第2の順プライマーが、前記TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目82に記載の方法。
[85] 前記第2の逆プライマーが、前記第2のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目82~84のいずれか1項に記載の方法。
[86] 前記第2の逆プライマーが、前記TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目82~84のいずれか1項に記載の方法。
[87] 前記第2の逆プライマーが、前記鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目82~84のいずれか1項に記載の方法。
[88] 前記第1の順プライマーと前記第1の逆プライマーが第1のプライマー対を形成し、前記第2の順プライマーと前記第2の逆プライマーが第2のプライマー対を形成し、前記第1のプライマー対が項目1~57のいずれか1項に記載の組成物と接触し、前記第2のプライマー対が前記第1の増幅産物と接触する、項目82~87のいずれか1項に記載の方法。
[89] 順プライマーまたは逆プライマーがUID配列またはSID配列を含む、項目74~88のいずれか1項に記載の方法。
[90] 前記UID配列または前記SID配列がランダムな配列を含む、項目89に記載の方法。
[91] 前記UID配列または前記SID配列が、あらかじめ決められた配列を含む、項目89に記載の方法。
[92] 前記UID配列または前記SID配列が、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目90または91に記載の方法。
[93] 前記UID配列または前記SID配列が、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目90または91に記載の方法。
[94] 前記UID配列または前記SID配列が、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目90または91に記載の方法。
[95] 前記UID配列または前記SID配列が8個のヌクレオチドを含む、項目90または91に記載の方法。
[96] 前記順プライマーまたは前記逆プライマーの前記UID配列または前記SID配列と、前記TSOの前記UID配列または前記SID配列または前記UMI配列が、同じではない、項目89~95のいずれか1項に記載の方法。
[97] 一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)を含む組成物であって、そのssDNAが、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含み、そのアダプタ配列が、TSOのためのハイブリダイゼーション部位を含む組成物。
[98] 前記アダプタ配列が、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含む、項目97に記載の組成物。
[99] 前記アダプタ配列が3個のヌクレオチドを含む、項目98に記載の組成物。
[100] 前記アダプタ配列が、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列を含む、項目98または99に記載の組成物。
[101] 前記TSOのための前記ハイブリダイゼーション部位が、ポリ(C)配列またはポリ(G)配列を含む、項目100に記載の組成物。
[102] 前記鋳型配列が、断片化されたDNA配列を含む、項目97~101のいずれか1項に記載の組成物。
[103] 前記断片化されたDNA配列が、PCR産物、剪断されたDNA、修復されたDNAのいずれかを含む、項目97に記載の組成物。
[104] 前記PCR産物が、平滑末端化産物、すなわち平滑末端を有する産物である、項目103に記載の組成物。
[105] 前記剪断されたDNAが、物理的に剪断されたDNA、または酵素によって剪断されたDNAを含む、項目103に記載の組成物。
[106] 前記剪断されたDNAがゲノムDNAを含む、項目103または105に記載の組成物。
[107] 前記剪断されたDNAがベクターを含む、項目103または105に記載の組成物。
[108] 前記剪断されたDNAが、元々剪断されているDNAを含む、項目103に記載の組成物。
[109] 前記元々剪断されているDNAが、無細胞DNA(cfDNA)を含む、項目108に記載の組成物。
[110] 前記修復されたDNAが酵素によって修復されて二本鎖になっている、項目103に記載の組成物。
[111] 前記TSOが一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)配列を含む、項目97~110のいずれか1項に記載の組成物。
[112] 前記TSOがさらに二次構造を含む、項目111に記載の組成物。
[113] 前記二次構造がヘアピンを含む、項目112に記載の組成物。
[114] 前記ssDNA配列が、前記TSOの少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含む、項目111~113のいずれか1項に記載の組成物。
[115] 前記ssDNA配列が、前記TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含む、項目111~114のいずれか1項に記載の組成物。
[116] 前記TSOの前記少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドが連続している、項目115に記載の組成物。
[117] 前記TSOが、前記アダプタのハイブリダイゼーション部位と少なくとも50%相補的なハイブリダイゼーション部位を含む、項目111~116のいずれか1項に記載の組成物。
[118] 前記ハイブリダイゼーション部位が、前記アダプタのハイブリダイゼーション部位と100%相補的である、項目117に記載の組成物。
[119] 前記ハイブリダイゼーション部位が一本鎖核酸配列を含む、項目117または118に記載の組成物。
[120] 前記一本鎖核酸配列が、1個~5個(両端を含む)のヌクレオチドを含む、項目119に記載の組成物。
[121] 前記一本鎖核酸配列が3個のヌクレオチドを含む、項目119に記載の組成物。
[122] 前記一本鎖核酸配列がDNA配列である、項目119~121のいずれか1項に記載の組成物。
[123] 前記DNA配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目122に記載の組成物。
[124] 前記一本鎖核酸配列がRNA配列である、項目119~121のいずれか1項に記載の組成物。
[125] 前記RNA配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目124に記載の組成物。
[126] 前記ssDNAが、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含む、項目114~125のいずれか1項に記載の組成物。
[127] 前記ssDNAが、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも99%、または少なくとも100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含む、項目126に記載の組成物。
[128] 前記アダプタ配列が前記TSOの配列を含む、項目97~127のいずれか1項に記載の組成物。
[129] 前記アダプタ配列が、前記TSOの配列と一致する配列、または前記TSOの配列と相補的な配列を含む、項目128に記載の組成物。
[130] 前記アダプタ配列が、前記TSOの配列の少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%、またはこれらの間の任意の%を含む、項目128または129に記載の組成物。
[131] 前記アダプタ配列が、前記TSOの少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドを含む、項目128~130のいずれか1項に記載の組成物。
[132] 前記TSOの前記少なくとも1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個、または8個、または9個、または10個、または11個、または12個、または13個、または14個、または15個、または16個、または17個、または18個、または19個、または20個、または21個、または22個、または23個、または24個、または25個、または26個、または27個、または28個、または29個、または30個、または31個、または32個のヌクレオチドが連続している、項目131に記載の組成物。
[133] 前記ssDNAが、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含む配列を含んでいて、
そのアダプタ配列が、前記TSOの配列と相補的な配列と、前記UID配列と相補的な配列と、ポリ(C)配列を含む、項目129~132のいずれか1項に記載の組成物。
[134] 前記ssDNAが、5'から3'に向かって鋳型配列とアダプタ配列を含む配列を含んでいて、
そのアダプタ配列が、前記TSOの配列と相補的な配列と、前記UID配列と相補的な配列と、ポリ(G)配列を含む、項目129~132のいずれか1項に記載の組成物。
[135] 前記TSOが、UID配列、SID配列、UMI配列のいずれかを含む、項目97~134のいずれか1項に記載の組成物。
[136] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかがランダムな配列を含む、項目135に記載の組成物。
[137] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、あらかじめ決められた配列を含む、項目135に記載の組成物。
[138] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目136または137に記載の組成物。
[139] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目136または137に記載の組成物。
[140] 前記UID配列、前記SID配列、前記UMI配列のいずれかが、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目136または137に記載の組成物。
[141] 前記UID配列または前記SID配列が8個のヌクレオチドを含む、項目136または137に記載の組成物。
[142] 前記UID配列または前記SID配列が7個のヌクレオチドを含む、項目136または137に記載の組成物。
[143] 前記UID配列または前記SID配列が5個のヌクレオチドを含む、項目136または137に記載の組成物。
[144] 項目97~143のいずれか1項に記載のssDNAを作製する方法であって、
(a)鋳型配列を変性させて変性した鋳型を生成させ、
(b)初期プライマー伸長活性の後に第2のターミナルトランスフェラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、変性したその鋳型と、変性したその鋳型の配列とハイブリダイズするプライマーと、ポリメラーゼを接触させて、3'末端の位置にアダプタ配列を含む中間体ssDNA配列を生成させ、
(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で、その中間体ssDNA配列と、前記ポリメラーゼと、TSOを接触させて、ssDNA組成物を生成させることを含む方法。
[145] 前記センス鎖と前記アンチセンス鎖の3'末端に位置する前記アダプタ配列が、ポリ(G)配列またはポリ(C)配列を含む、項目144に記載の方法。
[146] 前記センス鎖と前記アンチセンス鎖の3'末端に位置する前記アダプタ配列がポリ(G)配列を含む、項目144に記載の方法。
[147] (d)ヌクレアーゼ活性を可能にするのに十分な条件下で(c)のssDNA組成物とエキソヌクレアーゼを接触させて(b)のプライマーおよび/または(c)のTSOを除去し、
(e)前記エキソヌクレアーゼ、またはそのヌクレアーゼ活性を除去して単離されたssDNA組成物を生成させることをさらに含む、項目144~146のいずれか1項に記載の方法。
[148] 前記除去工程が、前記ssDNA組成物と(c)のエキソヌクレアーゼを加熱することを含む、項目147に記載の方法。
[149] 前記ポリメラーゼが熱安定ポリメラーゼを含む、項目144~148のいずれか1項に記載の方法。
[150] 前記ポリメラーゼが高正確性ポリメラーゼを含む、項目144~149のいずれか1項に記載の方法。
[151] 前記ポリメラーゼが、Pfuポリメラーゼの配列、またはKODポリメラーゼの配列、またはこれらの組み合わせを含む、項目144~150のいずれか1項に記載の方法。
[152] 前記ポリメラーゼが、KODポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、親指(thumb)ドメインと、Pfuポリメラーゼの手のひら(palm)ドメイン、指(finger)
ドメインを含む、項目144~151のいずれか1項に記載の方法。
[153] 前記ポリメラーゼが、配列番号1、3、5、7いずれかの核酸配列によってコードされているか、配列番号2、4、6、8いずれかのアミノ酸配列によってコードされている、項目144~152のいずれか1項に記載の方法。
[154] DNA断片ライブラリを作製する方法であって、
少なくとも1つのssDNAまたはその一部を増幅するのに十分な条件下で、項目97~143のいずれか1項に記載のssDNA組成物、または項目97~143のいずれか1項に記載の単離されたssDNA組成物と、順プライマーと、逆プライマーと、ポリメラーゼと、複数のdNTPを接触させることを含んでいて、
前記ssDNAが第1の増幅産物を含み、
第2の増幅産物が、前記ssDNAおよび/または前記第1の増幅産物と相補的な第2のDNA鎖を含む方法。
[155] 前記順プライマーが前記第1のアダプタ配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目154に記載の方法。
[156] 前記順プライマーが前記TSOの配列と一致する配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目154に記載の方法。
[157] 前記逆プライマーが前記鋳型配列内の1つの配列とハイブリダイズする、項目154~156のいずれか1項に記載の方法。
[158] 前記逆プライマーが、連結配列を含むとともに、UID配列またはSID配列を含む、項目157に記載の方法。
[159] 前記連結配列が、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%で一致するか相補的な配列を含む、項目158に記載の方法。
[160] 前記連結配列が、プライマーの配列、アダプタの配列、アレイの構成要素の配列のいずれかと少なくとも50%、または55%、または60%、または65%、または70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%、または97%、または99%、または100%、またはこれらの間の任意の%で一致するか相補的な配列を含む、項目158に記載の方法。
[161] 前記UID配列または前記SID配列がランダムな配列を含む、項目158~160のいずれか1項に記載の方法。
[162] 前記UID配列または前記SID配列が、あらかじめ決められた配列を含む、項目158~160のいずれか1項に記載の方法。
[163] 前記UID配列または前記SID配列が、1~20個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目161または162に記載の方法。
[164] 前記UID配列または前記SID配列が、2~12個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目161または162に記載の方法。
[165] 前記UID配列または前記SID配列が、4~10個(両端を含む)のヌクレオチドの配列を含む、項目161または162に記載の方法。
[166] 前記UID配列または前記SID配列が8個のヌクレオチドを含む、項目161または162に記載の方法。
[167] プライマーの前記UID配列または前記SID配列と、前記TSOの前記UID配列または前記SID配列または前記UMI配列が、同じではない、項目158~166のいずれか1項に記載の方法。
[168] 前記第1の増幅産物が、前記逆プライマーの配列と相補的な配列を含む、項目154~167のいずれか1項に記載の方法。
[169] 前記逆プライマーがUID配列またはSID配列を含み、前記第1の増幅産物が、そのUID配列またはSID配列と相補的な配列を含む、項目168に記載の方法。
[170] 前記逆プライマーが連結配列を含み、前記第1の増幅産物が、その連結配列と相補的な配列を含む、項目168または169に記載の方法。

Claims (6)

  1. (a)5'から3'に向かって、第1のアダプタ配列と鋳型配列と第2のアダプタ配列を含む配列を含むセンス鎖と
    (b)このセンス鎖(a)の配列と相補的な配列を含む配列を含むアンチセンス鎖
    を含む二本鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)配列を含んでいて、
    前記第2のアダプタ配列が、鋳型切り換えオリゴヌクレオチド(TSO)のためのハイブリダイゼーション部位を含み、前記第1のアダプタ配列が、両端を含めて、1~5のヌクレオチドから構成される、組成物。
  2. (b)のアンチセンス鎖が、5'から3'に向かって、前記センス鎖(a)の配列の逆相補的配列を含む配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第1のアダプタ配列が3個のヌクレオチドを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記第2のアダプタ配列が、両端を含めて1個~5個のヌクレオチドを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記第1のアダプタ配列と前記第2のアダプタ配列が同じではない、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記鋳型配列が、断片化されたDNA配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
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