JP2002526085A - 補体を介した破壊から保護されたレトロウイルス粒子 - Google Patents

補体を介した破壊から保護されたレトロウイルス粒子

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JP2002526085A JP2000574273A JP2000574273A JP2002526085A JP 2002526085 A JP2002526085 A JP 2002526085A JP 2000574273 A JP2000574273 A JP 2000574273A JP 2000574273 A JP2000574273 A JP 2000574273A JP 2002526085 A JP2002526085 A JP 2002526085A
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ギュンツブルグ、バルター
サルモンズ、ブライアン
バウマン、ヨルグ
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オーストリアン・ノルディック・バイオセラピューティクス・アーゲー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遺伝子治療を目的とした、安全な遺伝子輸送に適用可能で、宿主組織における補体を介した破壊から保護をするレトロウイルス粒子に関する。このようなレトロウイルス粒子を産生するために、本発明にしたがって、一以上の補体阻害剤をコードするDNA構築物を含むパッケージング細胞が提供される。前記阻害剤は、パッケージング細胞により産生されたレトロウイルス粒子が感染すべき組織の補体系に由来する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子治療を目的とした安全な遺伝子導入に特に適用可能で、宿主
組織の補体を介した破壊から保護されるレトロウイルス粒子に関する。本発明は
、前記レトロウイルス粒子を産生するパッケージング細胞にも関する。
【0002】
【発明の背景】
遺伝子治療のためのレトロウイルスの使用は、多くの注目を浴びており、現在
、USAおよびヨーロッパの両国では、様々な改良されたプロトコールの治療用遺
伝子の導入のために選択される方法である(Kotani et al., 1994)。しかし、
これらのプロトコールの殆どは、治療用遺伝子を含むレトロウイルスをインビト
ロで標的細胞に感染させ、次いで首尾よく感染した細胞を冒された個体に戻す必
要がある(Rosenberg et al., 1992; レビューでは Anderson,1992を参照)。こ
のようなエクスビボでの遺伝子治療方法は、(たとえばリンパ球のように)標的細
胞集団が容易に単離できるような医学的症状の矯正にとっては理想的である。さ
らに、標的細胞のエクスビボ感染は、使用前に厳密に安全性を試験できるテスト
することがでる濃縮ウイルスの大量投与を可能にする。
【0003】 あいにく、遺伝子治療が可能な適用の極く一部のみが、容易に単離、培養可能
であり、その後に再び導入することができる標的細胞を必要とする。さらに、複
雑な技術、および関連したエクスビボ遺伝子治療の高価な費用は、世界的な広範
囲の使用を事実上不可能にする。さらに容易で且つ費用効果のある遺伝子治療に
は、ウイルスベクターまたはウイルスベクター産生細胞を注射またはレトロウイ
ルス産生細胞の簡単な移植という形態で直接患者に投与するインビボアプローチ
が必要であろう。
【0004】 インビボアプローチのこのような方法は、もちろん、新たに様々な問題をもた
らす。まず最初に、とりわけ安全性への考慮があげられなければならない。ウイ
ルス産生細胞の移植によりウイルスが産生される可能性があり、産生されたウイ
ルスの事前検査をする機会はないだろう。このようなシステムの使用に関する限
定的な危険を知ることと同様に、この危険を最小にする新しいシステムを製造す
る試みも重要である。
【0005】 治療のためのレトロウイルスベクターそれ自身は、通常修飾ベクターであって
、ウイルスタンパク質をコードする遺伝子が標的細胞に導入するための治療用遺
伝子、およびマーカー遺伝子で置換されたベクターである。ウイルスタンパク質
をコードする遺伝子の置換は、当該ウイルスを無能にしてしまうため、修飾レト
ロウイルスは、失ったウイルスタンパク質を提供する成分によって回復されなけ
ればならない。この成分は、通常はウイルスタンパク質を大量に産生するが、複
製可能なウイルスを産生する能力を欠いている細胞株である。この細胞株は、パ
ッケージング細胞株として知られており、修飾レトロウイルスベクターをパッケ
ージングできる遺伝子を持った第二のプラスミドが形質導入された細胞株からな
る。
【0006】 パーケージされたウイルスを発生するために、ベクタープラスミドがパッケー
ジング細胞株に形質導入される。これらの条件下において、挿入された医療用遺
伝子およびマーカー遺伝子を含む修飾レトロウイルス遺伝子は、ベクタープラス
ミドから転写され、修飾レトロウイルス粒子(組換えウイルス粒子)にパッケージ
される。この組換えウイルスは、その後、標的細胞への感染に使用され、ベクタ
ー遺伝子、および担持されたあらゆるマーカーまたは治療用遺伝子は、標的細胞
のDNAに組込まれてしまう。このような組換えウイルス粒子が感染した細胞は、
これらの細胞内にウイルスタンパク質が存在しないため、新たなウイルスを産生
することができない。しかし、治療用およびマーカー遺伝子を持つベクターのDN
Aは、細胞のDNAに組込まれ、感染細胞内においてすぐに発現することができる。
【0007】 非ヒト細胞由来のエンベロープタンパク質中にパッケージされたレトロウイル
ス細胞は、不活化され、ヒト血清によって溶解され、従って、組換えレトロウイ
ルスおよび組換えレトロウイルスベクターが導入されたパッケージング細胞を使
用したインビボでの遺伝子導入の有効性は限られることが示されている(Russel
l et al., 1995)。ほとんどのウイルスが感染する際に、ウイルスがコードする
エンベロープタンパク質に対する免疫応答が発生し、ほとんどのウイルスはヒト
補体によって不活化され、溶解されることがよく証明されている(Welsh et al.,
1975 and Cooper et al., 1976)。
【0008】 補体系は、古典的およびもう一つの経路の二種の経路を介して働く。古典的補
体反応は、抗原抗体複合体の形成の結果によって機能し、特異抗体の存在に依存
している。その結果、このタイプの応答は、液性免疫応答に必要とされる応答に
属する。もう一つの経路は、抗体非依存的な外来表面特異的応答を用いる。どち
らも、多くのタンパク質が関与するカスケードを引き起こし、やがて、病原体ま
たは感染細胞のどちらも、膜攻撃複合体(MAC)の活性化による溶解を引き起こす
【0009】 非霊長類を起源とするパッケージング細胞株によって産生された組換えウイル
スは、抗体を介した補体反応によって溶解される。出芽の際に形成されるレトロ
ウイルスのエンベロープは、レトロウイルスエンベロープタンパク質およびパッ
ケージング細胞膜のそれぞれから構成され、前記パッケージング細胞の、他の表
面タンパク質を取り込む。非霊長類細胞は、ガラクトースα(1-3)-ガラクトース
末端の炭化水素残基(α-gal)をその表面に発現する。α(1―3)-ガラクトシルト
ランスフェラーゼをコードする遺伝子が突然変異によって不活化されてしまった
ため、この酵素的修飾は、霊長類細胞で行うことはできない(Galili et al.,198
8)。しかし、α-galの修飾は腸内細菌に存在し、結果として、循環しているヒト
Bリンパ球の1%以上が、α-galのエピトープを認識することができる抗体を産生
する。その結果、この残基をその表面に持つ非霊長類エンベロープを有するウイ
ルスには、これらの事前に形成された抗体が即座に結合し、そしてヒト補体系に
よって破壊される。
【0010】 一方、ヒト細胞由来のレトロウイルス、たとえばヒト免疫不全ウイルス1(HIV1
)、およびヒトT細胞白血病ウイルス1(HTLV1)は、補体系から逃れることができる
(Marschang et al., 1995 and Spear et al., 1995)。ヒト細胞から産生された
とき、これらのウイルスには、ヒト補体阻害剤を含むヒトのタンパク質も含有す
る。ヒトにおいて、造血、上皮、および内皮細胞にみられるこれらの阻害剤は、
個々の補体系自身に対する保護剤として作用する。たとえば、このような細胞に
HIV-1が感染してしまうと、保護を伝える補体阻害タンパク質は、細胞から出芽
した後のウイルス粒子中にも存在するだろう(Saifuddin et al., 1997)。ウイル
スエンベロープ内のこのような補体阻害剤の存在は、ヒトに感染した後に補体系
の働きからそれを保護するだろう。
【0011】 したがって、ヒト細胞株はレトロウイルス粒子産生のために使用されてきた(C
osset et al., 1995)。それでも、レトロウイルスを放出する能力のスクリーニ
ングがなされた様々な細胞間にはかなりの変種が存在し、ほんのいくつかの細胞
株だけが、ヒト血清耐性のレトロウイルスを産生することができた。さらに、異
なったエンベロープをもって発生したウイルス粒子は、ヒト血清に対して異なっ
た耐性および安定性を示すことが見いだされた。安全性の面から考えて、このよ
うな細胞株の遺伝子は、複製許容ウイルスに進化するかもしれないプロウイルス
遺伝子をいまだ含んでいるかもしれないので、ヒトの標的細胞に治療用遺伝子を
導入するための担体として使用されるレトロウイルスの産生のために、ヒト細胞
系を使用することは望ましくない。そして、これらのウイルスはパッケージング
細胞株からも放出され、標的細胞に導入される。遺伝子治療患者内で、それらは
他のウイルス、たとえばヒト免疫不全ウイルスまたは内因性ウイルスを、表現型
および/または遺伝的混合によって改変するかもしれない。
【0012】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、遺伝子治療をのための安全な遺伝子導入担体であっ
て、宿主組織の補体を介した破壊から保護されるレトロウイルス粒子を提供する
ことである。
【0013】
【発明の詳細な記述】
上記目的および他の目的を達成するために、本発明は、レトロウイルス粒子を
産生するためのパッケージング細胞であって、レトロウイルスがパッケージされ
るために必要とされるタンパク質をコードするDNA構築物と、さらに一以上の補
体阻害剤をコードするDNA構築物とを含むパッケージング細胞を提供する。前記
補体阻害剤は、上記パッケージング細胞によって産生されるレトロウイルス粒子
が感染すべき宿主組織の補体阻害剤と一致する。
【0014】 本発明の発明者によって、補体阻害剤は、実際にパッケージング細胞の膜内に
挿入されていることが見いだされた。このようなパッケージング細胞からウイル
スが生成するとき、補体阻害剤はウイルスエンベロープ内に挿入されることが見
出された。これは明らかに、パッケージング細胞の表面タンパク質の取り込み、
即ち、出芽の際にレトロウイルスエンベロープ内への補体阻害剤の取り込みによ
るものである。さらに、驚くべきことに、これらのウイルスは、実際に宿主組織
の補体系から保護されていることがわかった。産生細胞の成分だけでなく、ウイ
ルス成分およびウイルスゲノムのそれぞれが、補体、特にヒト補体に対するレト
ロウイルスの感受性を決定することが、Takeuchi et al.(1994)によって示され
ていたため、この結果は驚くべきものであった。
【0015】 本発明の一つの好ましい態様において、非霊長類、特に非ヒト細胞がパッケー
ジング細胞として使用され、補体阻害剤をコードするDNA構築物は異種補体阻害
剤、特にヒト補体阻害剤、好ましくはCD59をコードする。従って、「異種」補体
阻害剤の用語は、使用されたパッケージング細胞には通常みられない補体阻害剤
に対して使用される。従って、本発明によれば、霊長類細胞、たとえばヒト細胞
をパッケージング細胞として使用できる。さらに、パッケージング細胞は、異種
補体阻害剤をコードするDNA構築物を含んでもよい。この場合、すでにパッケー
ジング細胞の膜に取り込まれた補体阻害剤の量は増加し、結果的に、補体を介し
た破壊に対する保護が増強されたレトロウイルス粒子の産生が得られる。さらに
、パッケージング細胞は、一以上の同種、異種、または両者の組み合わせのいず
れか一つ以上の補体阻害剤を含んでいてもよい。
【0016】 レトロウイルス粒子は、好ましくは一以上の異種核酸配列、特に遺伝子治療に
適用可能な物質、たとえばマーカー遺伝子、抗ウイルス遺伝子、および/または
抗腫瘍遺伝子をコードする配列を含むレトロウイルスベクターを、本発明による
パッケージング細胞株に形質導入することによって産生される。このようなウイ
ルスのインビボにおける適用の安全面を考慮して、好ましくは、レトロウイルス
に典型的なプロモーター変換の原理を使用した、安全な遺伝子輸送担体が使用さ
れる(PCT/EP95/03445を参照): レトロウイルス遺伝子は、RU5-gag-pol-enb-U3-R構造を持つRNA分子から成る
。逆転写の過程の際に、U5領域は産生されたDNA分子の右端で複製され、一方U3
領域は、複製されて産生されたDNA分子の左端に位置する。生じたU3-R-U5構造は
、LTR(長い末端の繰り返しLong Terminal Repeat)と呼ばれ、DNA構造またはプ
ロウイルスの両端は、このように同一であり、繰り返されている。プロウイルス
の左端のU3領域は、プロモーターを持っている。このプロモーターは、左側のU3
とR領域の間の境界として始まり、右側のR領域とU5領域の間の境界で終結するRN
A転写の合成を始動する。このRNAは、レトロウイルス粒子内にパッケージされて
、感染すべき標的細胞内に輸送される。標的細胞内において、RNA遺伝子は再び
上記のように逆転写される。
【0017】 プロモーター変換ベクターでは、右側のU3領域が改変されるが、左側の通常U3
構造は維持される。;当該ベクターは、正常な左側のU3に位置する通常のレトロ
ウイルスプロモーターを利用してRNAに転写されるであろう。しかし、産生され
たRNAは、改変された右側のU3構造のみを含むであろう。感染した標的細胞内で
、逆転写の後、この改変されたU3構造は、レトロウイルス構造の両端に配置され
るであろう。
【0018】 改変領域は、U3領域の代わりにポリリンカーを有する。従って、組織特異的に
発現させるプロモーターを含む、あらゆるプロモーターを容易に挿入できる。こ
のプロモーターは、もっぱら標的細胞内で、レトロウイルスベクターによって持
ち込まれて結合された遺伝子の発現に利用される。したがって、パッケージング
細胞株では、レトロウイルスベクターの発現は、U3領域に含まれる通常の非選択
的レトロウイルスプロモーターによって調節される。しかし、ベクターが標的細
胞に入るとすぐにプロモーター変換が生じ、治療用および/またはマーカー遺伝
子は、ポリリンカー中に挿入されている選択した組織特異的プロモーターから発
現される。実際に、あらゆる組織特異的プロモーターが当該システムに含まれ、
広範で様々な異なった細胞タイプの選択的ターゲッティングのために提供される
だけでなく、さらに、変換が起きた後では、レトロウイルスの構造および特性は
もはやウイルスのものとは似ていない。これは、もちろん、安全性の観点からは
きわめて重要なことであり、他のレトロウイルスベクターは、レトロウイルスの
パッケージング構築物、および/または内因性レトロウイルスに遺伝的組換えを
受けて、もしかすると病原性ウイルスを産生するからである。プロモータ変換ベ
クターは、もはやU3レトロウイルスプロモーターを持っていないため、レトロウ
イルスには似ておらず、従って、遺伝子組換えの可能性は減少する。
【0019】 組織特異的プロモーターではなく、調節可能なプロモーターをポリリンカーに
挿入して、レトロウイルスベクターにより持ち込まれた遺伝子の条件付き発現を
可能にすることができる。
【0020】 プロモーター変換ベクターの代わりに、再構成レトロウイルスベクターを、本
発明によるパッケージング細胞に感染させてもよい(デンマーク特許出願番号00
5/98を参照)。このベクターは、アンチセンス向きで5’LTR領域に挿入された一
以上のプロモーター、およびアンチセンス向きで3’LTR領域に挿入された一以上
のコード配列を含む。プロモーター同様にコード配列の両者は、プロモーターお
よびコード配列が、標的細胞内の逆転写の過程の間に複製され、生じたプロウイ
ルスの3’ならびに5’LTR領域内に機能的に現れることを保証する方法で挿入さ
れ、前記プロモーターが、遺伝子発現を始動可能にコード配列の上流に配置され
るように挿入される。
【0021】 まず第一に、アンチセンス方向では、プロモーターの左(下流)より後には遺伝
子がない。さらに、標的細胞に形質導入されて発現される遺伝子は、その右(上
流)に位置するプロモーターがないので、機能を持たない。
【0022】 パッケージング細胞にベクターを導入した後、レトロウイルスベクターは、RN
Aに転写される。この転写は、5’LTRのU3領域に含まれる通常の非選択的レトロ
ウイルスプロモーターによって調節され、U3とR領域との間の境界で始まり、R領
域とU5領域との間の境界で終結する。組換えレトロウイルスゲノムに相当するRN
Aは、本発明によるパッケージング細胞によって産生されるウイルスタンパク質
によってパッケージされ、当該細胞から出芽する本発明によるレトロウイルス粒
子を形成する。これらの粒子は、標的細胞に感染させるために使用される。
【0023】 標的細胞に感染後、組換えウイルスRNAは、DNAに逆転写されるであろう。この
過程において、ウイルスRNAの5’端がアンチセンスの向きで挿入されたプロモー
ターは複製されて、生成したDNA分子の3’端に移動されるであろう。一方、ウイ
ルスRNAの3’端のコード配列は複製されて、DNA分子の5’端に移動するであろう
【0024】 この過程の結果として、前記プロモーターおよび前記遺伝子は、標的細胞内に
二つ存在する。更に、それぞれの遺伝子のコピーは、コード領域に対して上流に
配置されたプロモーターのコピーと結合され、標的細胞内での遺伝子発現が可能
とする。その結果、この系は、パッケージング細胞の遺伝子発現のあらゆる漏れ
を阻止し、外部からの刺激なしに、標的細胞において輸送された遺伝子の発現を
可能にする。
【0025】 好ましい態様において、プロモーターは5’LTRのU5領域に挿入され、好ましく
は、U5領域の全体または一部を置換する。しかし、プロモーターは、5’LTRのR
〜U3領域の間にも挿入できる。
【0026】 遺伝子コード配列は、3’LTRのU3領域に挿入され、好ましくは、U3領域の全体
または一部を置換する。あるいは、プロモーターは、3’LTRのR〜U3領域の間に
挿入することができる。
【0027】 本発明によるレトロウイルス粒子は、好ましくはマウス白血病ウイルス(MLV)
であり、特に複製能を欠損している。
【0028】 レトロウイルス粒子ならびにパッケージング細胞は、病気の治療のために使用
され、またヒトを含むほ乳類のインビボおよびインビトロにでの遺伝子治療用の
医薬組成物を製造するために使用される。
【0029】
【発明の概要】
本発明は、特に以下の記載の一つ又は組み合わせを含む。
【0030】 レトロウイルス粒子を産生するためのパッケージング細胞であって、レトロウ
イルスがパッケージされるために必要なタンパク質をコードするDNA構築物、お
よびパッケージング細胞により産生されるレトロウイルス粒子が感染すべき組織
の補体系に対する一以上の補体阻害剤をコードするDNA構築物を含む前記細胞。
【0031】 上記細胞であって、補体阻害剤をコードするDNA構築物が、異種補体阻害剤を
コードする細胞。
【0032】 上記記載の細胞であって、補体阻害剤のコードするDNA構築物が、ヒト補体阻
害剤をコードする細胞。
【0033】 上記細胞であって、DNA構築物がCD59をコードする細胞。
【0034】 上記細胞であって、細胞が非ヒト細胞である細胞。
【0035】 上記細胞であって、補体阻害剤が細胞膜に挿入された細胞。
【0036】 レトロウイルスベクターが形質導入された、上記細胞。
【0037】 上記細胞であって、レトロウイルスベクターが、一以上の異種核酸配列を含む
細胞。
【0038】 上記細胞であって、異種配列がコード配列である細胞。
【0039】 上記細胞であって、コード配列が、遺伝子治療に適用可能な物質をコードする
細胞。
【0040】 上記細胞であって、コード配列が、マーカー遺伝子、抗ウイルス遺伝子および
/または抗腫瘍遺伝子からなる群の一以上の要素から選択される細胞。
【0041】 上記細胞であって、レトロウイルスベクターの3’ロング末端リピート(3’LTR
)のU3領域が、ポリリンカー配列によって置換された細胞。
【0042】 上記細胞であって、前記ポリリンカー配列が、少なくとも一つの異種核酸断片
の挿入を含む細胞。
【0043】 上記細胞であって、前記異種核酸断片が、調節要素およびプロモーターからな
る群の一以上の要素から選択された細胞。
【0044】 上記細胞であって、前記調節要素およびプロモーターが、それらの発現におい
て標的細胞に特異的である細胞。
【0045】 上記細胞であって、一以上のプロモーターが、アンチセンスの向きで5’LTR領
域内に挿入され、一以上のコード配列が、アンチセンスの向きでレトロウイルス
ベクターの3’LTR領域に挿入され、当該プロモーターならびに当該コード配列の
両者は、プロモーターおよびコード配列が逆転写の過程において標的細胞内で複
製されて、生じたプロウイルスの3’ならびに5’LTR領域内に現れることを保証
する方法で挿入され、前記プロモーターは、遺伝子発現を始動することが可能な
ようにコード配列の上流に配置されている細胞。
【0046】 上記細胞であって、前記プロモーターが5’LTRのU5領域に挿入された細胞。
【0047】 上記細胞であって、前記コード配列が3’LTRのU3領域に挿入された細胞。
【0048】 上記パッケージング細胞にレトロウイルスベクターを形質導入することによっ
て産生されるレトロウイルス粒子であって、前記レトロウイルス粒子は、ウイル
スエンベロープに挿入された、前記補体阻害剤を含むウイルス粒子。
【0049】 上記レトロウイルス粒子が、マウス白血病ウイルス(MLV)であるレトロウイル
ス粒子。
【0050】 上記レトロウイルス粒子が、複製能を欠損しているレトロウイルス粒子。
【0051】 上記パッケージング細胞を産生する方法であって、前記細胞には、一以上の補
体阻害剤をコードするDNA構築物が形質導入されている細胞。
【0052】 上記レトロウイルス粒子を産生するための方法であって、上記パッケージング
細胞は、レトロウイルスベクターが形質導入された細胞である方法。
【0053】 病気の治療に使用するための、上記パッケージング細胞、および/または上記
レトロウイルス粒子。
【0054】 薬剤組成物を製造するための、上記パッケージング細胞、および/または上記
レトロウイルス粒子の使用。
【0055】 治療的有効量の上記パッケージング細胞、および/または上記レトロウイルス
粒子を含有する医薬組成物。
【0056】 病気の治療方法であって、治療的有効量の上記パッケージング細胞、および/
または上記レトロウイルス粒子を、それを必要とする患者に投与することを含む
方法。
【0057】
【参照文献】
【0058】
【実施例】
次の例は、本発明をさらに例示するであろう。ここに提供された例は、本発明
によって提供された技術の適用可能性を限定するという意味に解釈されるべきで
ないことは、当業者は十分に理解するであろう。
【0059】 ヒト補体系の調節タンパク質には、CD59(Protectin, HRF20, MIRL)、CD55(崩
壊促進因子、DAFとしても知られる)、およびCD46(膜共因子タンパク質、MCPI)
を含む。三つの因子すべての中で、HIV-1の場合、CD59は、補体系に対する最良
の保護を与えることが示された(Saifuddin et al.,1997)。CD59は、活性型MAC産
生における最終段階を阻害する。CD59は、マウスパッケージング細胞PA317由来
のウイルス産生細胞PALSG/Sに過剰発現したが、当該細胞には、レトロウイルス
ベクターpLXSNEGFP(Klein et al.., 1997)を形質導入したものである。CD59を発
現したパッケージング細胞、およびこれらの細胞によって産生される組換えウイ
ルスは、ヒト補体の溶解効果に対して、耐性の増加を示した。: CD59のコード領域は、発現ベクターpZeoSV(Invitrogen)に、cDNAをクローン化
した。CD59のcDNAを持つpZenNeoCD59(somerville et al.,1994)を、XhoI(Promeg
a)で切断し、1.2kbの切断された断片を、XhoIで切断し、牛腸脱リン酸化酵素を
使用して脱リン酸化されたpZeoSVベクター内にクローン化した。ブタノール沈殿
(Thomas, 1994)後、結合物をエレクトロポレーション(Dower, et al., 1988)を
使用して、大腸菌DH10B内に形質転換した。形質転換されたコロニーをゼオシン
によって選択し、プラスミドDNAを単離した。インサートの向きは、CD59遺伝子
およびクローニングベクターに対して相補的なプライマーを使用した配列解析に
より確認した。順向きのCD59遺伝子を持つ二つのプラスミド、即ち、pZeoSVCD59
.1およびpZeoSVCD59.19が得られた。
【0060】 両プラスミドを、PALSG/S細胞系に安定的に形質導入し、ゼオシンで選択した
後、耐性コロニーを二つの集団、PALSG/S-CD59.1、およびPALSG/S-CD59.19とし
てプールした。これらの集団は、CD59発現プラスミドを安定的に持ち、次の実験
に使用された。: CD59タンパク質の存在、および活性を証明するために、これらの細胞に、ヒト
血清の量を徐々に増やして処理した。CD59を発現する細胞は、血清中の補体を介
した溶解に対し、マウスの親株よりも耐性があるはずである。
【0061】 1×106のPALSG/S、PALSG/S-CD59.1、PALSG/S-CD59.19およびHeLa(ヒト頸癌腫)
細胞は、10mlDMEM/10%FCS(Gibco)の入った10cmディッシュ(Sarstedt)中で選択
した。次の日、培地を、1、100または400μlのヒト血清を含む2mlの新鮮なDMEM/
10%FCSに取り替えた。6mlのDMEM/10%FCSの添加によって稀釈する前に、37℃にお
いて6時間、血清が細胞に作用可能なようにした。次の日、細胞を計測した。100
μlのヒト血清の処理により、ヒト血清処理していない細胞数(100%とする)と比
較して、もとのPALSG/S細胞の50%以上が溶解する結果となった。逆に、PALSG/S-
CD59.1およびPALSG/S-CD59.19細胞の場合、ほんの25%の溶解だけが観測された。
さらに明白な効果が、400μlのヒト血清処理後に現れた。PALSG/S親株細胞の90%
が溶解され、PALSG/S-CD59.1細胞では、50%だけが溶解を示し、PALSG/S-CD59.19
細胞では30%が溶解した。予想されるように、ヒトHeLa細胞では、これらの細胞
はがα-galを発現していないため、溶解しなかった。HeLa細胞において観測され
た細胞数の増加(120%)は、ヒト血清中に含まれる成長因子によるものであろう。
【0062】 これらの結果は、PALSG/S細胞にCD59発現ベクター、pZeoSV-CD59が形質導入さ
れると、ヒト補体を介した溶解に対し、それらが耐性になることを示す。
【0063】 レトロウイルスは、出芽の過程において、宿主の細胞膜をそのエンベロープと
して組み入れる。こうして、細胞膜にあるタンパク質もウイルスに取り込まれる
ようになる。PALSG/S形質導入集団に発現したCD59タンパク質も取り込まれるか
どうか調査するために、PALSG/S-CD59.1およびPALSG/S-CD59.19細胞由来の組換
えウイルス粒子の、補体を介したウイルス溶解に対するその耐性を、PALSG/S細
胞から出芽したウイルスと比較し、評価した。培地を6mlの新鮮なDMEM/10%FCSと
交換する前に、PALSG/S、PALSG/S-CD59.1およびPALSG/S-CD59.19細胞を、10cmデ
ィッシュにおいてコンフルエントまで増殖した。次の日、24時間のウイルスを含
む培養液の上清を、フィルター(0.45μmの穴サイズ)に通し、100μlを50、100、
250μlの稀釈していないヒト血清と混合した。平行して、250μlの熱で非動化さ
れたヒト血清、およびヒト血清を含まないものでも解析した。37℃において1時
間培養後、全量で2mlのDMEM/10%FCS、およびポリブレンを、8μg/mlで添加した
。細胞の培養上清を含むウイルスは、前日に10cmディッシュにまかれた(6×105)
標的細胞であるHeLaに移転した。37℃、5%CO2において5時間培養後、6mlの新鮮
なDMEM/10%FCSを添加した。感染の一日後、細胞をトリプシン処理し、稀釈した
。G418による選択を、24時間後に適用した。
【0064】 250μlのヒト血清中において、保護されないウイルスでは、たった5.0×102cf
u/mlの力価という強力な減少(およそ1000倍)を示したが、CD59を発現しているパ
ッケージング細胞では、1.5×103 cfu/mlおよび5.3×103 cfu/mlの力価に達し
、PALSG/S親株細胞の最良力価と比較して、それぞれ3倍および11倍に相当する。
低血清濃度においては、同様ではあるが、やや明確でない効果が観測された。
【0065】 上記データは、CD59発現構築物の形質導入後、細胞表面において、CD59は活性
であり、補体の攻撃からウイルスを保護するために、ウイルスエンベロープ中に
取り込まれていることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/00 A61K 48/00 4H045 C12P 21/02 C07K 14/15 // A61K 48/00 (C12P 21/02 C C07K 14/15 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12N 15/00 A C12R 1:91) 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 バウマン、ヨルグ オーストリア国、エー − 1190 ウイー ン、グリンツィンガー・シュトラーセ 63 /1/1ビー Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA03 CA07 CA10 DA02 EA02 EA04 FA02 FA10 GA14 HA17 4B064 AG32 CA10 CA12 CA19 CC24 DA01 4B065 AA91X AA97X AA97Y AB01 BA02 BA03 CA24 CA44 4C084 AA02 AA13 CA01 CA25 CA53 MA05 NA13 NA14 ZB262 ZB332 4C087 AA01 AA02 BC83 MA05 NA13 NA14 ZB26 ZB33 4H045 AA10 AA20 AA30 CA04 EA29 FA74

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レトロウイルス粒子を産生するためのパッケージング細胞で
    あって、レトロウイルスがパッケージされるために必要なタンパク質をコードす
    るDNA構築物と、パッケージング細胞により産生されるレトロウイルス粒子が感
    染すべき組織の補体系に対する一以上の補体阻害剤をコードするDNA構築物とを
    含む細胞。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の細胞であって、前記補体阻害剤をコードす
    るDNA構築物が、異種補体阻害剤をコードする細胞。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の細胞であって、前記補体阻害剤をコ
    ードするDNA構築物が、ヒト補体阻害剤をコードする細胞。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の細胞であって、DNA構築物がCD59をコー
    ドする細胞。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞であって、細胞が非
    ヒト細胞である細胞。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞であって、補体阻害
    剤が、細胞膜に挿入された細胞。
  7. 【請求項7】 レトロウイルスベクターが形質導入された、請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の細胞。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の細胞であって、レトロウイルスベクターが
    、一以上の異種核酸配列を含む細胞。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の細胞であって、異種配列がコード配列であ
    る細胞。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の細胞であって、コード配列が、遺伝子治
    療に適用可能な物質をコードする細胞。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の細胞であって、コード配列が、マーカー
    遺伝子、抗ウイルス遺伝子および/または抗腫瘍遺伝子からなる群の一以上の要
    素から選択される細胞。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれか一項に記載の細胞であって、レト
    ロウイルスベクターの3’ロング末端リピート(3’LTR)のU3領域が、ポリリンカ
    ー配列によって置換された細胞。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の細胞であって、前記ポリリンカー配列が
    、少なくとも一つの異種核酸断片の挿入を含む細胞。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の細胞であって、前記異種核酸断片が、調
    節要素およびプロモーターからなる群の一以上の要素から選択された細胞。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の細胞であって、前記調節要素およびプロ
    モーターの、その発現が標的細胞に特異的な細胞。
  16. 【請求項16】 請求項7〜11のいずれか一項に記載の細胞であって、一以
    上のプロモーターが、アンチセンスの向きで5’LTR領域内に挿入され、一以上の
    コード配列が、アンチセンスの向きでレトロウイルスベクターの3’LTR領域に挿
    入され、当該プロモーターならびに当該コード配列の両者は、プロモーターおよ
    びコード配列が逆転写の過程において標的細胞内で複製されて、生じたプロウイ
    ルスの3’ならびに5’LTR領域内に現れることを保証する方法で挿入され、前記
    プロモーターは、遺伝子発現を始動することが可能なようにコード配列の上流に
    配置されている細胞。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の細胞であって、前記プロモーターが5’L
    TRのU5領域に挿入された細胞。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の細胞であって、前記コード配列
    が3’LTRのU3領域に挿入された細胞。
  19. 【請求項19】 、請求項1〜18のいずれか一項に記載のパッケージング細
    胞にレトロウイルスベクターを形質導入することによって産生されるレトロウイ
    ルス粒子であって、前記レトロウイルス粒子は、ウイルスエンベロープに挿入さ
    れた、前記補体阻害剤を含むウイルス粒子。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載のレトロウイルス粒子が、マウス白血病ウ
    イルス(MLV)であるレトロウイルス粒子。
  21. 【請求項21】 請求項19または20に記載のレトロウイルス粒子が、複製能
    を欠損しているレトロウイルス粒子。
  22. 【請求項22】 請求項1〜18のいずれか一項に記載のパッケージング細胞
    を産生する方法であって、前記細胞には、一以上の補体阻害剤をコードするDNA
    構築物が形質導入されている細胞。
  23. 【請求項23】 請求項19〜21のいずれか一項に記載のレトロウイルス粒子
    を産生するための方法であって、請求項1〜18のいずれか一項に記載のパッケー
    ジング細胞は、レトロウイルスベクターが形質導入された細胞である方法。
  24. 【請求項24】 病気の治療に使用するための、請求項1〜18のいずれか一
    項に記載のパッケージング細胞、および/または請求項19〜21のいずれか一項に
    記載のレトロウイルス粒子。
  25. 【請求項25】 薬剤組成物を製造するための、請求項1〜18のいずれか一
    項に記載のパッケージング細胞、および/または請求項19〜21のいずれか一項に
    記載のレトロウイルス粒子の使用。
  26. 【請求項26】 治療的有効量の請求項7〜18のいずれか一項に記載のパッ
    ケージング細胞、および/または請求項19〜21のいずれか一項に記載のレトロウ
    イルス粒子を含有する医薬組成物。
  27. 【請求項27】 病気の治療方法であって、治療的有効量の請求項7〜18の
    いずれか一項に記載のパッケージング細胞、および/または請求項19〜21のいず
    れか一項に記載のレトロウイルス粒子を、それを必要とする患者に投与すること
    を含む方法。
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