JP2002525240A - 車両駆動の調節装置および方法 - Google Patents

車両駆動の調節装置および方法

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JP2002525240A JP2000572114A JP2000572114A JP2002525240A JP 2002525240 A JP2002525240 A JP 2002525240A JP 2000572114 A JP2000572114 A JP 2000572114A JP 2000572114 A JP2000572114 A JP 2000572114A JP 2002525240 A JP2002525240 A JP 2002525240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両駆動の調節装置ないし方法を、駆動の調節において車両の時間特性ないし動特性もまた考慮されるように改善する。 【解決手段】 車両駆動の調節装置は、車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数を測定する第1の手段(101)と、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数を決定する第2の手段(204;402)と、少なくとも、横方向加速度変数と、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数との関数として、係合変数を決定する第3の手段(202,203,205,206,207,208,209;401,403,405)とを含む。さらに、調節装置は、駆動を調節するために、機関係合を行う第4の手段(106)を含み、この場合、機関係合が係合変数の関数として行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 従来の技術 本発明は、車両駆動の調節装置および方法に関するものである。このような方
法および装置は、従来技術から多くの修正態様において既知である。
【0002】 ドイツ特許第1902944号から、自動車におけるカーブ走行時の横滑りを
回避するための制御装置が既知である。自動車は、ロックから保護するためのブ
レーキ装置、走行状態を測定するための測定要素、およびこれらを介して操作可
能な調節要素を含む。測定要素は、ジャイロ装置、車輪センサ、かじ取りセンサ
およびポテンショメータから構成されている。測定要素は、車両横方向加速度の
制限値に応答するプログラミング可能制御装置と結合されている。制御装置を介
して、ブレーキ装置の制御のための調節要素並びにステアリング安定化のための
内燃機関の出力制御部を作動可能である。ステアリング安定化装置は所定の車両
設計に対して最大許容横方向加速度以下で予め作動するので、車両は不安定な走
行状態となることはない。横方向加速度の時間特性を表わす変数を考慮すること
は示されていない。
【0003】 駆動の調節において車両の時間特性ないし動特性もまた考慮されるように、既
存の車両駆動の調節装置ないし方法を改善することが本発明の課題である。 発明の利点 本発明による装置は車両駆動の調節装置である。装置は、車両に作用する横方
向加速度を表わす横方向加速度変数を測定する第1の手段を含む。本発明により
、装置は、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数を決定する第2の手段を含
む。さらに、装置は、少なくとも、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間
特性を表わす変数との関数として、係合変数を決定する第3の手段を含む。さら
に、装置は、駆動を調節するために少なくとも機関係合を行う第4の手段を含み
、この場合、機関係合が係合変数の関数として行われる。
【0004】 係合変数は、調節すべき絞り弁角または調節すべき燃料噴射量または調節すべ
き点火角を表わすことが有利である。例えば、オットー機関を備えている車両の
場合、係合変数として絞り弁角または点火時期(点火角)が問題となる。ディー
ゼル機関を備えている車両においては、燃料噴射量が問題となる。点火係合によ
り急速な機関トルク低減が可能となる。
【0005】 本発明による方法は、電動機を備えている車両に対してもまた使用可能である
。この場合には、係合変数としてモータ内を流れる電流が問題となる。 車両駆動を調節するために、機関係合に補足して、車輪ブレーキおよび/また
はクラッチおよび/または変速機への係合が行われてもよいことが有利である。
車輪ブレーキへの対応の係合により車両速度が低減されてもよい。クラッチへの
係合により駆動系が短時間開かれる。これにより駆動車輪は縦方向力から切り離
されて最大横方向力を伝達することができる。変速機への係合として、例えば、
駆動トルクを低減するためにハイ・ギヤに投入されることが考えられる。駆動ト
ルクの調節は、駆動トルクの制限、低減または上昇を行うものであってよい。
【0006】 係合変数が、機関係合により横方向における車両の安定化が行われるように決
定されることが有利である。機関係合および上記のその他の係合により、限界範
囲内で車両安定性が調節され、したがってドライバは限界走行状況内で支援され
る。駆動時において車両の操縦性が上昇され、車両が不足制御となることはほと
んどない。特に、機関係合により、車両の縦方向を向く車両軸の周りの車両の横
転もまた回避されることになる。
【0007】 本発明による装置を形成するために、2つの実施態様が提供される。第1の実
施態様においては、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数として、横方向加
速度変数の時間変化を表わす変化変数が決定される。
【0008】 本発明による装置は、車両速度を表わす速度変数を決定する手段を有している
。この速度変数と、横方向加速度変数と、横方向加速度変数の時間特性を表わす
変数との関数として、係合変数が決定される。このために、本発明による装置は
、第3の手段内に、横方向加速度変数および速度変数の関数として、係合変数に
対する第1の値を決定する第1の決定手段を有し、および/または横方向加速度
変数の時間特性を表わす変数と速度変数との関数として、係合変数に対する第2
の値を決定する第2の決定手段を有し、および/または横方向加速度変数と横方
向加速度変数の時間特性を表わす変数との関数として、係合変数に対する増加値
を決定する第3の決定手段を含むことが有利である。第1および第2の値および
/または増加値の関数として、係合変数が決定される。
【0009】 上記の3つの決定手段は特性曲線群として形成されている。即ち、入力変数と
しての速度変数および/または加速度変数および/または加速度変数の時間変化
を表わす変数の関数として、それぞれの特性曲線群から、係合変数に対する所定
の値ないし増加値が読み取られる。これらの所定の値は、例えば走行試験に基づ
きまたはモデル計算により、予め決定することができる。係合変数の第1の値は
、横方向加速度変数から決定された車両の静特性を考慮しているので、静的係合
変数の特性を有している。係合変数により絞り弁位置が調節された場合、係合変
数の第1の値は静的絞り弁制限を示す。同様に、係合変数の第2の値は、横方向
加速度変数の時間特性を表わす変数に基づいているので、動的絞り弁制限を示す
。したがって、両方の値は、そのときの車両状況において不安定な車両特性を導
くような絞り弁角がドライバの希望から設定された場合に対して係合変数として
使用されるので、制限特性を有している。この理由から、ドライバの希望に基づ
く絞り弁角の代わりに、係合変数の第1または第2の値に基づく絞り弁角が設定
される。
【0010】 増加値は、絞り弁位置を調節する場合に、絞り弁上昇制限の特性を有している
。例えば、絞り弁角が係合変数の両方の値のいずれかにより設定され且つ絞り弁
角がドライバの希望に基づく絞り弁角に導かれるべきである場合、絞り弁角の上
昇は、駆動トルクを緩やかに上昇させるために、その上昇において制限される。
同じ機能は、増加値に対して、絞り弁位置が係合変数の両方の値により設定され
且つ係合変数の値が車両特性に基づいて増加する場合に対してもまた適用される
【0011】 特性曲線群の使用は、係合変数が、連続的に、横方向加速度変数と横方向加速
度変数の時間特性を表わす変数との関数として決定されるという利点を有してい
る。
【0012】 係合変数の第1の値が、横方向加速度変数の値の増加と共に低下するように、
横方向加速度変数の関数であり、および/または係合変数の第1の値が、速度変
数の値の増加と共に低下するように、速度変数の関数であることが有利である。
係合変数の第2の値が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の値の増加と
共に低下するように、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数であり、
および/または係合変数の第2の値が、速度変数の値の増加と共に低下するよう
に、速度変数の関数であることが有利である。係合変数の増加値が、横方向加速
度変数の値の増加と共に低下するように、横方向加速度変数の関数であり、およ
び/または係合変数の増加値が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の値
の増加と共に低下するように、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数
であることが有利である。増加値が、一方で横方向加速度変数の設定可能な値の
上方で、他方で横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の設定可能な値の上方
で、きわめて小さい値、特に値0をとるとき、それは特に有利である。
【0013】 上記の決定手段において、横方向加速度変数の絶対値および横方向加速度変数
の時間特性を表わす変数の絶対値が処理されるときに有利であることがわかった
。この理由から、第3の手段は、横方向加速度変数の絶対値を形成する第1の絶
対値形成手段を有している。この絶対値は第1および第3の決定手段に供給され
る。さらに、第3の手段は、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の絶対値
を決定する第2の絶対値形成手段を有している。この絶対値は第2および第3の
決定手段に供給される。
【0014】 第3の手段は、結果として得られる絞り弁制限の特性を有する選択変数を決定
する選択手段を有していることが有利である。選択変数として、係合変数に対す
る両方の値のうちの小さいほうの値が選択される。この選択変数の関数として、
係合変数が決定される。
【0015】 この方法により、限界車両状態を表わす係合変数の値が各々の場合における係
合変数の決定の基礎となることが保証される。例えば、横方向加速度は大きいが
横方向加速度の時間変化は小さい走行状態が存在する場合、係合変数に対して決
定された第1の値は第2の値より小さい。したがって、横方向加速度に基づく機
関係合が必要となる。同様のことが、横方向加速度は小さいが横方向加速度の時
間変化が大きい車両状態に対しても適用される。この方法により、係合変数が、
横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間変化を表わす変数との関数として、
車両特性が安定であるような値に制限されていることが有利である。
【0016】 装置は、車両駆動に関するドライバの希望を表わす少なくとも1つのドライバ
の希望変数を決定する手段を含む。このドライバの希望変数が係合変数の決定に
おいて考慮される。特にドライバの希望変数が係合変数に対する最大値として使
用される。ドライバの希望変数を決定する手段は、例えば、加速ペダル位置を測
定する、加速ペダルに付属のセンサ手段である。
【0017】 係合変数の決定において、ドライバの希望変数の値が選択変数より小さいかぎ
り、機関係合がドライバの希望変数の関数として行われるように、ドライバの希
望変数が考慮されることが有利である。この手段により、車両がドライバの希望
以上に加速されないことが保証される。
【0018】 係合変数を決定するために、第3の手段は、が選択変数および/または増加値
および/またはドライバの希望変数の関数として、係合変数を決定する第4の手
段を有している。
【0019】 少なくとも選択変数が相前後して続く時間ステップに対して決定され、即ち選
択変数は個別の時間ステップに対して個別の値を有して存在する。この背景から
、係合変数の決定に対して、次のケース、即ち ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より小さいとき、
ドライバの希望変数が係合変数として使用されるケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きく且つそ
の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より小さいかま
たは等しいとき、係合変数としてその時点の時間ステップの選択変数が使用され
るケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きく且つそ
の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より設定可能な
値だけ、特に増加値だけ大きいとき、係合変数が先行時間ステップの選択変数と
増加値との和として与えられるケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きいが、そ
の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より設定可能な
値だけ、特に増加値だけ大きくはないとき、係合変数としてその時点の時間ステ
ップの選択変数が使用されるケースと、 が区別される。
【0020】 上記のように、係合変数の時間的上昇は増加値により制限されている。 係合変数に対して少なくとも1つの変数の関数として補正を行うことが有利で
あることがわかった。このために、例えば、車両の地理学的高度を表わす標高変
数が問題となる。この補正により、高い標高においては、機関出力がより小さく
なることが考慮される。さらに、車両縦方向の走行路面傾斜を表わす勾配変数が
問題となる。この補正により、勾配が原因となる走行抵抗が考慮される。さらに
、これに関して、すべての機関運転点において等価機関トルクが設定されるよう
に、係合変数がその関数として補正される変数が考慮されてもよい。
【0021】 第1の実施態様の基礎となっている有利な実施態様は、次のように要約するこ
とができる。車両駆動の調節装置は、車両に作用する横方向加速度を表わす横方
向加速度変数を測定する第1の手段を含む。さらに、装置は、横方向加速度変数
の時間特性を表わす変数を決定する第2の手段を含む。さらに、装置は、横方向
加速度変数の関数として、第1の係合変数を決定する第3の手段と、横方向加速
度変数の時間特性を表わす変数の関数として、第2の係合変数を決定する第4の
手段とを含む。さらに、装置は、駆動を調節するために少なくとも機関係合を行
う第5の手段を含み、この場合、機関係合が第1または第2の係合変数の関数と
して行われる。
【0022】 第2の実施態様においては、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数として
、同じ符号の切り換わり、特に横方向加速度変数の正の値から負の値への符号の
切り換わりを有する横方向加速度変数の2つの0点通過の時間間隔を表わす周期
変数が決定される。
【0023】 不安定性を示す車両特性またはその前兆を示す車両特性を、横方向加速度変数
の振幅の関数として、および横方向加速度変数の周期の関数として決定すること
が有利であることがわかった。この方法は特に、不安定な特性の原因となる横方
向加速度変数における振動の検出に適している。
【0024】 この理由から、第3の手段は、横方向加速度変数の1周期内における横方向加
速度変数の最小値と最大値との間の間隔を表わす振幅変数を決定する第1の手段
を有している。例えば横方向加速度変数が振動を有している場合、負の半波の振
幅の最小値と正の半波の振幅の最大値とがそれに対応している。したがって、不
安定な車両状態は特に横方向加速度変数の大きな振動として現われるので、最大
値および最小値の考慮が提供される。この振幅変数の関数として係合変数が決定
される。
【0025】 さらに、第3の手段は、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数および/ま
たは振幅変数の関数として、係合変数に対する重みづけ変数を決定する第2の手
段を有している。上記の第3の手段内に含まれている第3の手段において、この
重みづけ変数と、少なくともドライバの希望の関数である、係合変数に対する原
始値との関数として、係合変数が決定される。
【0026】 重みづけ変数がカウンタ変数であり、振幅変数がしきい値より大きく且つ周期
変数が設定可能な値範囲内にあるとき、カウンタ変数が1だけ増分されることが
有利である。カウンタ変数が最大値に制限されていることが有利である。さらに
、振幅変数がしきい値より小さいか、または周期変数が設定可能な値範囲外にあ
るとき、カウンタ変数は所定の値、特に0にリセットされる。
【0027】 さらに、振幅変数に対するしきい値および/または周期変数に対する値範囲が
、車両速度を表わす速度変数の関数として設定されることが有利であることがわ
かった。これは不安定性を導く車両特性が車両速度の関数として著しく変化する
ので、この背景から有効である。したがって、適応使用が保証される。
【0028】 横方向加速度変数の0点通過が、横方向加速度変数の時間変化の関数として決
定されることが有効である。 第2の実施態様の基礎となる有利な実施態様は、さらに次のように要約するこ
とができる。
【0029】 車両駆動の調節装置は、車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変
数を測定する第1の手段を含む。さらに、装置は、横方向加速度変数が不安定性
を示す車両特性またはその前兆を示す車両特性、特に振動を有しているかどうか
を示す指示変数を決定する第2の手段を含む。さらに、装置は、駆動を調節する
ために少なくとも機関係合を行う第3の手段を含み、この場合、機関係合は少な
くとも指示変数の関数として行われる。
【0030】 その他の利点並びに有利な実施態様が、その任意の組み合わせもまた考えられ
る従属請求項、図面並びに実施態様の説明から明らかである。 実施態様 最初に図1を説明する。図1に示した構成図は2つの実施態様の基礎となって
いる。
【0031】 ブロック101は横方向加速度センサを示し、横方向加速度センサにより、車
両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数aqが測定される。横方向
加速度変数aqはブロック105に供給される。
【0032】 ブロック102は種々の手段からなる装置を示し、これらの手段により、符号
Si1により表わされている種々の変数ないし信号が決定される。一方でこれは
、駆動に関するドライバの希望を表わすドライバの希望変数DKFである。他方
でこれは、標高変数であり、勾配変数であり、またはすべての機関運転点におい
て等価機関トルクが存在するように、機関係合がその関数として行われる係合変
数がその関数として補正される変数である。これらの変数ないし信号Si1はブ
ロック105に供給される。
【0033】 ブロック104は車輪回転速度センサを示し、車輪回転速度センサにより車輪
回転速度変数nijが決定される。この車輪回転速度変数nijは、一方でブロ
ック103におよび他方でブロック105に供給される。
【0034】 ここで車輪回転速度変数nijの表記方法について説明する。指数iは、それ
が前車軸(v)の車輪であるかまたは後車軸(h)の車輪であるかを示す。指数
jはそれが右側(r)の車輪であるかまたは左側(l)の車輪であるかを示す。
【0035】 ブロック103において、既知のように車両速度を表わす速度変数vfが決定
される。速度変数vfはブロック105に供給される。 ブロック105は制御装置である。この制御装置において開ループないし閉ル
ープ制御が行われ、これらの制御により車両の横方向動特性が調節される。車両
状況を検出するために、制御装置105に、横方向加速度変数aq、車輪回転速
度変数nij、速度変数vf、変数ないし信号Si1、並びにブロック106か
ら変数ないし信号Si3が供給される。
【0036】 車両の横方向動特性を調節するために、制御装置105は、信号ないし変数S
i2並びに他の変数DKEGを出力する。信号ないし変数Si2のみならず変数
DKEGもまた、車両内に含まれているアクチュエータ装置を示すブロック10
6に供給される。
【0037】 アクチュエータ装置は、一方で、機関ないし機関から出力された機関トルクを
調節するものである。車両がオットー機関を備えている場合、これは、絞り弁位
置ないし絞り弁角を調節するためのアクチュエータ、または点火時期(点火角)
を調節するためのアクチュエータである。車両がディーゼル機関を備えている場
合、これは燃料供給量を調節するためのアクチュエータである。車両が駆動機関
として電動機(モータ)を備えている場合、これはモータ内を流れる電流を調節
するためのアクチュエータである。
【0038】 この実施態様においては、一方で、車両はオットー機関を備え、また他方で、
機関トルクを調節するための機関係合がその関数として行われる係合変数DKE
Gは、絞り弁角を表わすものとする。ここで、ディーゼル機関の場合に、係合変
数DKEGは燃料供給量を表わし、また電動機の場合にはモータ内を流れる電流
を表わすことを付記しておく。
【0039】 アクチュエータ装置は、他方で、機関と駆動車輪との間の力伝達を調節するク
ラッチへの係合ないし変速機への係合を可能にするものである。変速機への係合
として、例えば、駆動トルクを低減するためにハイ・ギヤに投入されることが考
えられる。さらに、車両ブレーキへの係合もまた考えられる。駆動トルクの調節
は、駆動トルクの制限、低減または上昇を行うものであってよい。上記の係合に
より、車両安定性が限界範囲内で調節され、したがってドライバは限界走行状況
内で支援される。車両の操縦性が向上されることが有利であり、車両が不足制御
となることはほとんどない。
【0040】 制御装置105に、アクチュエータ装置106から変数ないし信号Si3が供
給され、変数ないし信号Si3は、それぞれのアクチュエータの状態を示し且つ
閉ループないし開ループ制御において考慮される。
【0041】 以下に図2を説明するが、図2は第1の実施態様の本発明の本質をなす構成要
素201を示している。本発明の本質をなす構成要素201により、係合変数D
KEGが決定され、係合変数DKEGの関数として、駆動を調節するための機関
係合が行われる。この実施態様においては、行うべき機関係合は絞り弁係合であ
る。したがって、係合変数DKEGは、行うべき絞り弁係合を表わす。
【0042】 横方向加速度センサ101により測定された横方向加速度変数aqは、ブロッ
ク202のみならずブロック204にも供給される。ブロック202は第1の絶
対値形成手段であり、第1の絶対値形成手段により横方向加速度変数aqの絶対
値aqabsが形成される。絶対値aqabsは、第1の決定手段203のみな
らず第3の決定手段208にも供給される。
【0043】 ブロック204は、横方向加速度変数aqの時間特性を表わす変数daqを決
定する手段である。この実施態様においては、変数daqは、横方向加速度変数
の時間変化を表わす変化変数を示す。具体的には、既知のように決定される横方
向加速度変数aqの勾配または時間微分である。横方向加速度変数aqの時間特
性を表わす変数daqはブロック205に供給される。
【0044】 ブロック205は第2の絶対値形成手段であり、第2の絶対値形成手段により
変数daqの絶対値daqabsが形成される。この絶対値daqabsは、第
2の決定手段206のみならず第3の決定手段208にも供給される。
【0045】 決定手段203、206および208において、それらに供給された入力変数
の関数として、それらから出力される変数が特性曲線群を使用して決定される。 第1の決定手段203には、横方向加速度変数の絶対値aqabsのほかに、
さらに速度変数vfが供給される。絶対値aqabsおよび速度変数vfの関数
として、第1の決定手段203により係合変数に対する第1の値DKEGKFA
Qが決定される。要するに、係合変数の第1の値は、横方向加速度変数aqおよ
び速度変数vfの関数として決定される。ここで、係合変数の第1の値は、横方
向加速度変数の値の増加と共に低下するように、横方向加速度変数の関数である
。さらに、係合変数の第1の値は、速度変数の値の増加と共に同様に低下するよ
うに、速度変数の関数である。係合変数に対する第1の値DKEGKFAQはブ
ロック207に供給される。
【0046】 第2の決定手段206には、横方向加速度変数の時間特性を表わす値の絶対値
daqabsのほかに、さらに速度変数vfが供給される。絶対値daqabs
および速度変数vfの関数として、第2の決定手段206により係合変数に対す
る第2の値DKEGKFDAQが決定される。要するに、係合変数の第2の値は
、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数daqと速度変数vfとの関数とし
て決定される。ここで、係合変数の第2の値は、横方向加速度変数の時間特性を
表わす変数の値の増加と共に低下するように、横方向加速度変数の時間特性を表
わす変数の関数である。さらに、係合変数の第2の値は、速度変数の値の増加と
共に低下するように、速度変数の関数である。第2の値DKEGKFDAQはブ
ロック207に供給される。
【0047】 係合変数に対する両方の値DKEGKFAQおよびDKEGKFDAQは、横
方向加速度変数と、ないしは横方向加速度変数の時間特性を表わす変数と、速度
変数vfとの関数として決定され、これにより、これらの変数により表わされた
車両状態において、係合変数に基づく駆動の調節により、車両の不安定性が低減
され、または迫っている不安定性が実際に現われることはない。
【0048】 ブロック207は選択手段であり、選択手段により選択変数DKEGMINが
決定される。選択変数として、係合変数に対する両方の値DKEGKFAQない
しDKEGKFDAQのうちの小さいほうの値が選択される。選択変数DKEG
MINはブロック209に供給される。
【0049】 第3の決定手段208において、横方向加速度変数の絶対値aqabsと、横
方向加速度変数の時間特性を表わす変数の絶対値daqabsとの関数として、
係合変数に対する増加値DDKEGKFが決定される。要するに、増加値は、横
方向加速度変数と、横方向加速度変数の特性値を表わす変数との関数として、決
定される。ここで、係合変数の増加値は、少なくとも横方向加速度変数の値の増
加値と共に低下するように、横方向加速度変数の関数である。さらに、係合変数
の増加値は、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の値の増加と共に低下す
るように、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数である。特に増加値
が、一方で横方向加速度変数の設定可能な値の上方で、他方で横方向加速度変数
の時間特性を表わす変数の設定可能な値の上方で、きわめて小さい値、特に値0
をとる。増加値DDKEGKFはブロック209に供給される。
【0050】 ブロック209は、選択変数DKEGMIN、増加値DDKEGKFおよびド
ライバの希望変数DKFの関数として、係合変数DKEGを決定する第4の決定
手段である。ドライバの希望変数DKFは、車両駆動に関するドライバの希望を
表わす。ドライバの希望変数を決定するために、手段102が設けられている。
この手段102は、例えば、加速ペダルの位置を測定する、加速ペダルに付属の
センサ手段である。手段102から、ドライバの希望変数DKFがブロック20
9に供給される。
【0051】 決定手段203、206および208内の特性曲線群を使用することにより、
係合変数が、連続的に、横方向加速度変数と、横方向加速度変数の時間特性を表
わす変数との関数として、決定される。
【0052】 係合変数DKEGの決定における具体的な方法を図3により説明する。しかし
ながら、予め、ドライバの希望変数DKFは係合変数に対するいわゆる最大値と
して使用されることを強調して付記しておく。即ち、ドライバの希望変数DKF
の値が選択変数DKEGMINの値より小さいかぎり、機関係合はドライバの希
望変数DKFの関数として行われる。
【0053】 以下に、第1の実施態様の基礎となっているステップ手順が示されている図3
を説明する。 本発明による方法はステップ301から開始され、ステップ301にステップ
302が続く。ここで、選択変数DKEGMINが相前後して続く時間ステップ
に対して決定されることを付記しておく。したがって、選択変数は個別の時間ご
とに個別の値を有している。図3において、その時点の時間ステップが(n)に
より、および先行時間ステップが(n−1)により示されている。
【0054】 ステップ302において、その時点の時間ステップn(以下においては時間ス
テップの符号の説明は省略される)の選択変数の値DKEGMIN(n)がドラ
イバの希望変数DKFより小さいかどうかが検査される。ステップ302におい
て、ドライバの希望変数DKFが選択変数の値DKEGMIN(n)より小さい
ことが特定された場合、ステップ302に続いてステップ309が実行され、ス
テップ309において、係合変数DKEGにドライバの希望変数DKFの値が割
り当てられる。この割当は、上記のようにドライバの希望が係合変数に対する最
大値として使用されることを意味する。この場合には、ドライバの希望の関数と
して行われる駆動の調節においては車両の不安定性が発生することはないことか
ら出発しているので、これが可能である。ステップ309に続いてステップ31
0が実行される。
【0055】 これに対して、ステップ302において、ドライバの希望変数DKFが選択変
数の値DKEGMIN(n)より大きいことが特定された場合、ステップ302
に続いてステップ303が実行される。ステップ303において、選択変数の値
DKEGMIN(n)が選択変数の値DKEGMIN(n−1)より小さいかま
たは等しいかどうかが検査される。これが肯定の場合、ステップ303に続いて
ステップ304が実行され、ステップ304において、係合変数DKEGに値D
KEGMIN(n)が割り当てられる。ステップ304に続いてステップ310
が実行される。
【0056】 これに対して、ステップ303において、選択変数の値DKEGMIN(n)
が選択変数の値DKEGMIN(n−1)より大きいことが特定された場合、ス
テップ303に続いてステップ305が実行される。このステップにおいて、値
DKEGMIN(n)と値DKEGMIN(n−1)との間の差DIFFが形成
される。ステップ305に続いてステップ306が実行される。
【0057】 ステップ306において、変数DIFFが増加値DDKEGKF(n)より大
きいかまたは等しいかどうかが検査される。これが肯定の場合、ステップ306
に続いてステップ308が実行される。このステップにおいて、係合変数DKE
GにDKEGMIN(n−1)とDDKEGKF(n)との和が割り当てられる
。ステップ308に続いてステップ310が実行される。
【0058】 これに対して、ステップ306において、差DIFFが増加値DDKEGKF
(n)より小さいことが特定された場合、ステップ306に続いてステップ30
7が実行される。このステップにおいて、係合変数DKEGに値DKEGMIN
(n)が割り当てられる。ステップ307に続いてステップ310が実行される
【0059】 ステップ305、306、307および308において実行される過程により
、次のことが実行される。車両状況に基づいて、選択変数に対して、先行時間ス
テップの値DKEGMIN(n−1)と比較して大きい値DKEGMIN(n)
が決定された場合、これから与えられた係合変数の上昇は制限される。上昇制限
は、ステップ308において増加値DDKEGKF(n)により行われる。即ち
、係合変数の時間的上昇は増加値DDKEGKFにより制限される。
【0060】 要するに、図3に示した方法により、ドライバの希望に基づいて、車両状況に
基づき安定な車両特性の観点から可能な駆動よりも大きい駆動が設定される場合
に対して、係合変数の制限が行われる。即ち、係合変数は、横方向加速度変数と
、横方向加速度変数の時間経過を表わす変数との関数として、車両特性が安定で
あるような値に制限される。
【0061】 ステップ310において、絞り弁が係合変数DKEGにより操作される。ステ
ップ310に続いて改めてステップ302が実行される。 ここで図6を説明する。図6は、横方向加速度変数aqおよび変数daqの経
過の一例を示す。図6から、種々の係合ないし種々の係合の影響がわかる。
【0062】 以下に、第2の実施態様の基礎となっている装置を示す図4を説明する。 第2の実施態様においては、ブロック402において、横方向加速度変数の時
間特性を表わす変数として周期変数aqperzが決定され、周期変数aqpe
rzは同じ符号の切り換わりを有する横方向加速度変数の2つの0点通過の時間
間隔を表わす。例えば、このために横方向加速度変数の正の値から負の値への符
号の切り換わりが使用されてもよい。しかしながら、他の符号の切り換わりの使
用もまた考えられる。周期変数aqperzを決定するために、ブロック402
に横方向加速度変数aqが供給される。周期変数aqperzはブロック403
に供給される。
【0063】 ブロック401は、横方向加速度変数の1周期内における横方向加速度変数の
最小値と最大値との間の間隔を表わす振幅変数deltaaqを決定する手段で
ある。このために、ブロック401に横方向加速度変数aqが供給される。振幅
変数deltaaqはブロック403に供給される。横方向加速度変数が、例え
ば車両特性に基づいて振動を有している場合、最大値は正の半波の振幅であり、
最小値は負の半波の振幅である。
【0064】 ブロック403は、周期変数aqperzおよび振幅変数deltaaqの関
数として、係合変数に対する重みづけ変数aqreszを決定する手段を示す。
重みづけ変数aqreszを決定するために、ブロック403にさらに速度変数
vfおよび横方向加速度変数aqが供給される。ブロック403において決定さ
れた重みづけ変数aqreszは、ブロック405に供給される。
【0065】 重みづけ変数aqreszの決定を図5により詳細に説明する。ここで、変数
Resのみを説明すると、変数Resは、ブロック403からブロック401お
よび402に供給され、且つ変数Resによりこれらの両方のブロックを初期化
することができるものである。
【0066】 ブロック405は、重みづけ変数aqreszと、少なくともドライバの希望
の関数である、係合変数に対する原始値DKEGrohとの関数として、係合変
数DKEGを決定する手段である。
【0067】 係合変数に対する原始値DKEGrohとして、ドライバの希望即ちドライバ
の希望変数DKFそれ自身が問題となる。この場合、図4に示されているブロッ
ク404はいかなる意味をも有さず、ドライバの希望変数DKFは直接ブロック
405に供給されるものである。または、原始値DKEGrohとして、手段2
01により決定された係合変数に対する値が問題となる。この場合には、ブロッ
ク404はブロック201に対応する。
【0068】 以下に、第2の実施態様の基礎となる具体的なステップ手順を示す図5を説明
する。 第2の実施態様の本発明による方法は、ステップ501から開始され、ステッ
プ501にステップ502が続く。このステップにおいて、重みづけ変数aqr
eszのみならず周期変数aqperzもまた初期化される。このために、両方
の変数に値0が割り当てられる。このために、図4に示すように、ブロック40
3からブロック401および402に変数Resが供給される。
【0069】 ステップ502に続いてステップ503が実行され、ステップ503において
周期変数aqperzが1だけ上昇される。後に説明するステップ505と結合
して、ステップ503の複数回の実行により、同じ符号の切り換わりを有する横
方向加速度変数の2つの0点通過の時間間隔、即ち振動がある場合の周期が決定
される。
【0070】 ステップ503にステップ504が続く。このステップにおいて、横方向加速
度変数の最大値aqmaxおよび最小値aqminが決定される。それに続いて
ステップ505が実行される。このステップにおいて、横方向加速度変数aqに
対して正の値から負の値への0点通過が存在するかどうかが検査される。これが
肯定の場合、それに続いてステップ506が実行される。これに対して、対応す
る0点通過が存在しない場合、ステップ505に続いてステップ512が実行さ
れる。
【0071】 横方向加速度変数の0点通過は、例えば横方向加速度変数の時間変化の関数と
して決定される。 ステップ506において、振幅変数deltaaqがしきい値S1より大きい
かどうかが検査される。振幅変数deltaaqはブロック401において決定
され、且つ例えば最大値aqmaxと最小値aqminとから形成された差の絶
対値に対応する。振幅変数deltaaqがしきい値S1より大きい場合、これ
は車両が例えば横方向に振動しているか、ないしは横方向に不安定なように操縦
されていることを示しているので、ステップ506に続いてステップ507が実
行される。振幅変数deltaaqがしきい値S1より小さい場合、この場合に
は車両の走行特性に関して危険な状況が存在しないので、それに続いてステップ
513が実行される。
【0072】 ステップ507において、周期変数aqperzがしきい値S2より大きく且
つしきい値S3より小さいかどうか、即ち周期変数aqperzがこの値範囲内
にあるかどうかが検査される。これが肯定の場合、ステップ507に続いてステ
ップ508が実行される。これが否定の場合、それに続いてステップ513が実
行される。ステップ506ないし507において行われる問い合わせにより、危
険な車両状態が存在しないことが特定されたので、ステップ513において、重
みづけ変数aqreszがリセットされ、即ち重みづけ変数aqreszに値0
が割り当てられる。ステップ513に続いてステップ511が実行される。
【0073】 ステップ506において問い合わせた振幅条件のみならずステップ507にお
いて問い合わされた周期条件もまた満たされ、このことは危険な走行状況が存在
することを示しているので、ステップ508において重みづけ変数aqresz
が1だけ上昇される。ステップ508に続いてステップ509が実行される。こ
のステップにおいて、重みづけ変数がしきい値S4より大きいかどうかが検査さ
れる。これが肯定の場合、それに続いてステップ510が実行され、ステップ5
10において重みづけ変数が値S4−1に制限される。ステップ510に続いて
ステップ511が実行される。これに対して、ステップ509において、重みづ
け変数がしきい値S4より小さいことが特定された場合、これにより制限は必要
ないので、ステップ509に続いて直接ステップ511が実行される。
【0074】 ステップ511において、周期変数aqresz、最小値aqminおよび最
大値aqmaxがリセットされ、即ち、これらの変数に値0が割り当てられる。
ステップ511に続いてステップ512が実行される。このステップにおいて、
係合変数に対する原始値DKEGrohが重みづけ変数aqreszの関数とし
て重みづけされることにより係合変数DKEGが決定される。この場合、重みづ
けは、一方で重みづけ変数aqreszにより直接行ってもよい。他方で関数f
(aqresz)による重みづけもまた考えられる。係合変数の重みづけの代わ
りに、横方向加速度変数の重みづけもまた考えられる。
【0075】 ステップ512に続いて改めてステップ503が実行される。 振幅変数に対するしきい値S1のみならず周期変数に対する値範囲を定義する
しきい値S2およびS3もまた速度変数vfの関数として設定される。
【0076】 図5に示したステップは、ブロック401、402、403および405にお
いて実行される。 ここで図7を説明する。図7は、振動を有する横方向加速度変数aqに対する
経過を示す。図7は、例として、変数aqmax、aqmin、deltaaq
、aqperzおよびaqreszを取り上げている。
【0077】 上記のように係合変数の補正が行われてもよい。この場合、例えば車両の地理
学的高度を表わす標高変数の関数として補正を行うこと、および/または車両縦
方向の走行路面傾斜を表わす勾配変数の関数として補正を行うこと、および/ま
たはすべての機関運転点において等価機関トルクが設定されるように、係合変数
がその関数として補正される変数の関数として補正を行うことが考えられる。
【0078】 上記のように、車両がいかなるタイプの機関を備えているかに応じてそれぞれ
、係合変数は、調節すべき絞り弁角または燃料噴射量またはモータ内を流れる電
流を表わす。
【0079】 係合変数の関数としての駆動の調節は、駆動トルクの制限、低減または上昇を
行うものであってよい。 機関係合に補足して、車両駆動を調節するために、車輪ブレーキおよび/また
はクラッチおよび/または変速機への係合が行われてもよい。即ち、これらの係
合のすべてに対して、図に示されている装置ないし方法を同様に使用可能である
【0080】 場合により、タイヤの横方向力を測定し、また係合変数の決定においてタイヤ
の横方向力を考慮することもまた有利である。 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数として、横方向加速度変数の周波数
を表わす変数が使用されてもよい。
【0081】 上記の実施態様においては、車両が不安定となる車両状態ないし走行状況、お
よび検出されるべき車両状態ないし走行状況が取り上げられた。以下にそのいく
つかを列記する。即ち、スラローム走行、ウェーデルン走行、対応する車両速度
を有するサークル走行ないしカーブ走行、回避操縦、車線切換操縦、VDA回避
通路並びに横滑り等が挙げられる。これらの車両状態ないしは走行状況は、例え
ば、かじ取り、ヨー角、速度過程により、ないしは速度差により検出されてもよ
い。
【0082】 最後に、説明の中で選択された実施態様の形状並びに図内に選択された表示は
、本発明の本質となる考え方から制限作用を示すものではないことを注記してお
く。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明による方法を実行するための本発明による装置を全体構成図で示
す。
【図2】 図2は第1の実施態様に関連の本発明による装置をブロック回路図により示す
【図3】 図3は第1の実施態様に関連の本発明による方法を流れ図により示す。
【図4】 図4は第2の実施態様に関連の本発明による装置をブロック回路図により示す
【図5】 図5は第2の実施態様に関連の本発明による方法を流れ図により示す。
【図6】 図6は種々の信号経過ないし変数の経過を示す。
【図7】 図7は種々の信号経過ないし変数の経過を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月30日(2000.11.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 8/58 B60T 8/58 E F02D 29/00 F02D 29/00 H (72)発明者 ブラウン,ギュンター ドイツ連邦共和国デー−74321 ビーティ クハイム,エゲルシュトラーセ 23 (72)発明者 ツェーベレ,アンドレアス ドイツ連邦共和国デー−71706 マルクグ レーニンゲン,イム・ビッシンガー・プフ ァート 13 (72)発明者 コットマン,マティアス ドイツ連邦共和国デー−73240 ヴェント リンゲン,アイヒェルベルヴェーク 3 Fターム(参考) 3D041 AA40 AA48 AA49 AB01 AC02 AC06 AC14 AC26 AD47 AD51 AE01 AE02 AE03 AE14 AE30 AE41 AF01 3D046 BB22 BB25 EE01 GG01 GG02 HH08 HH17 HH25 HH36 KK12 3G093 AA01 AA04 AA07 AB01 BA01 BA15 CA05 CB09 DB05 EA01 EB03 EB04 FA01

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両駆動の調節装置において、 車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数(aq)を測定する第
    1の手段(101)と、 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数(daq;aqperz)を決定す
    る第2の手段(204;402)と、 少なくとも、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間特性を表わす変数と
    の関数として、係合変数(DKEG)を決定する第3の手段(202、203、
    205、206、207、208、209;401、403、405)と、 駆動を調節するために、少なくとも、係合変数の関数として機関係合を行う第
    4の手段(104)と、 を含むことを特徴とする車両駆動の調節装置。
  2. 【請求項2】 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数として、横方向加
    速度変数の時間変化を表わす変化変数(daq)が決定されることを特徴とする
    請求項1の装置。
  3. 【請求項3】 車両速度を表わす速度変数(vf)を決定する手段(103
    )を有すること、および/または 第3の手段が、横方向加速度変数および速度変数の関数として、係合変数に対
    する第1の値(DKEGKFAQ)を決定する第1の決定手段(203)を有す
    ること、および/または 第3の手段が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数と、および速度変数
    との関数として、係合変数に対する第2の値(DKEGKFDAQ)を決定する
    第2の決定手段(206)を有すること、および/または 第3の手段が、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間特性を表わす変数
    との関数として、係合変数に対する増加値(DKEGGKF)を決定する第3の
    決定手段(208)を含み、この場合、係合変数が、第1および第2の値および
    /または増加値の関数として決定されること、 を特徴とする請求項1の装置。
  4. 【請求項4】 第3の手段が、横方向加速度変数の絶対値(aqabs)を
    形成する第1の絶対値形成手段(202)を有し、この場合、この絶対値が第1
    および第3の決定手段に供給されること、および/または 第3の手段が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の絶対値(daqa
    bs)を決定する第2の絶対値形成手段(205)を有し、この場合、この絶対
    値が第2および第3の決定手段に供給されること、 を特徴とする請求項3の装置。
  5. 【請求項5】 係合変数の第1の値が、横方向加速度変数の値の増加と共に
    低下するように、横方向加速度変数の関数であること、および/または 係合変数の第1の値が、速度変数の値の増加と共に低下するように、速度変数
    の関数であること、および 係合変数の第2の値が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の値の増加
    と共に低下するように、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数である
    こと、および/または 係合変数の第2の値が、速度変数の値の増加と共に低下するように、速度変数
    の関数であること、および/または 係合変数の増加値が、横方向加速度変数の値の増加と共に低下するように、横
    方向加速度変数の関数であること、および/または 係合変数の増加値が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の値の増加と
    共に低下するように、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数であり、
    特にこの増加値が、一方で横方向加速度変数の設定可能な値の上方で、他方で横
    方向加速度変数の時間特性を表わす変数の設定可能な値の上方で、きわめて小さ
    い値、特に値0をとること、 を特徴とする請求項3の装置。
  6. 【請求項6】 第3の手段が、選択変数(DKEGMIN)を決定する選択
    手段(207)を有し、この場合、選択変数として、係合変数に対する両方の値
    のうちの小さいほうの値が選択され、この選択変数の関数として係合変数が決定
    されることを特徴とする請求項3の装置。
  7. 【請求項7】 車両駆動に関するドライバの希望を表わす少なくとも1つの
    ドライバの希望変数(DKF)を決定する手段(102)を含み、この場合、ド
    ライバの希望変数が係合変数の決定において考慮され、特にドライバの希望変数
    が係合変数に対する最大値として使用され、特にドライバの希望変数を決定する
    手段が、加速ペダル位置を測定する加速ペダルに付属のセンサ手段であることを
    特徴とする請求項1の装置。
  8. 【請求項8】 ドライバの希望変数の値が選択変数より小さいかぎり、機関
    係合がドライバの希望変数の関数として行われることを特徴とする請求項6また
    は7の装置。
  9. 【請求項9】 第3の手段が、係合変数が選択変数および/または増加値お
    よび/またはドライバの希望変数の関数として決定する第4の決定手段(209
    )を有することを特徴とする請求項6または7の装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも選択変数が相前後して続く時間ステップに対し
    て決定されること、および 係合変数の決定に対して、次のケース、即ち ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より小さいとき、
    ドライバの希望変数が係合変数として使用されるケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きく且つそ
    の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より小さいかま
    たは等しいとき、係合変数としてその時点の時間ステップの選択変数が使用され
    るケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きく且つそ
    の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より設定可能な
    値だけ、特に増加値だけ大きいとき、係合変数が先行時間ステップの選択変数と
    増加値との和として与えられるケース、および/または ドライバの希望変数がその時点の時間ステップの選択変数より大きいが、そ
    の時点の時間ステップの選択変数が先行時間ステップの選択変数より設定可能な
    値だけ、特に増加値だけ大きくはないとき、係合変数としてその時点の時間ステ
    ップの選択変数が使用されるケース、 が区別されること、 を特徴とする請求項9の装置。
  11. 【請求項11】 係合変数の時間的上昇が増加値(DDKEGKF)により
    制限されていること、および/または 係合変数が、連続的に、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間特性を表
    わす変数との関数として決定されること、および/または 係合変数が、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間特性を表わす変数と
    の関数として、車両特性が安定しているような値に制限されていること、および
    /または 係合変数が、少なくとも1つの変数、即ち 車両の地理学的高度を表わす標高変数、および/または 車両縦方向の走行路面傾斜を表わす勾配変数、および/または 係合変数が、すべての機関運転点において等価機関トルクが設定されるよう
    に、係合変数がその関数として補正される変数、 の関数として補正されること、 を特徴とする請求項1の装置。
  12. 【請求項12】 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数として、同じ符
    号の切り換わり、特に横方向加速度変数の正の値から負の値への符号の切り換わ
    りを有する横方向加速度変数の2つの0点通過の時間間隔を表わす周期変数(a
    qperz)が決定されることを特徴とする請求項1の装置。
  13. 【請求項13】 第3の手段が、横方向加速度変数の1周期内における横方
    向加速度変数の最小値と最大値との間の間隔を表わす振幅変数(deltaaq
    )を決定する第1の手段(401)を有し、この場合、係合変数がこの振幅変数
    の関数として決定されること、および/または 第3の手段が、横方向加速度変数の時間特性を表わす変数と、および/または
    振幅変数との関数として、係合変数に対する重みづけ変数(aqresz)を決
    定する第2の手段(403)を有すること、および/または 第3の手段が、重みづけ変数と、少なくともドライバの希望の関数である、係
    合変数に対する原始値(DKEGroh)との関数として、係合変数を決定する
    第3の手段(405)を有すること、 を特徴とする請求項1の装置。
  14. 【請求項14】 重みづけ変数がカウンタ変数であり、振幅変数がしきい値
    (S1)より大きく且つ周期変数が設定可能な値範囲(S2、S3)内にあると
    き、カウンタ変数が1だけ増分され、特にカウンタ変数が最大値に制限されてい
    ること、および 振幅変数がしきい値より小さいか、または周期変数が設定可能な値範囲外にあ
    るとき、カウンタ変数が所定の値、特に0にリセットされること、 を特徴とする請求項13の装置。
  15. 【請求項15】 振幅変数に対するしきい値および/または周期変数に対す
    る値範囲が、車両速度を表わす速度変数の関数として設定可能であることを特徴
    とする請求項14の装置。
  16. 【請求項16】 横方向加速度変数の0点通過が、横方向加速度変数の時間
    変化の関数として決定されることを特徴とする請求項12の装置。
  17. 【請求項17】 係合変数が、機関係合により横方向における車両の安定化
    が行われるように、特に機関係合により車両の車両縦軸周りの横転が回避される
    ように決定されることを特徴とする請求項1の装置。
  18. 【請求項18】 係合変数が、調節すべき絞り弁角または燃料噴射量または
    調節すべき点火角を表わすことを特徴とする請求項1の装置。
  19. 【請求項19】 車両駆動を調節するための機関係合に補足して、車輪ブレ
    ーキおよび/またはクラッチおよび/または変速機への係合もまた行われること
    を特徴とする請求項1の装置。
  20. 【請求項20】 車両駆動の調節装置において、 車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数を測定する第1の手段
    (101)と、 横方向加速度変数が不安定性を示す車両特性またはその前兆を示す車両特性特
    に振動を有しているかどうかを示す指示変数(aqresz)を決定する第2の
    手段(403)と、 駆動を調節するために、少なくとも、指示変数(aqresz)の関数として
    機関係合を行う第3の手段と、 を含むことを特徴とする車両駆動の調節装置。
  21. 【請求項21】 車両駆動の調節装置において、 車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数(aq)を測定する第
    1の手段(101)と、 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数(daq)を決定する第2の手段(
    204;402)と、 横方向加速度変数の関数として、第1の係合変数を決定する第3の手段(20
    3)と、 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数の関数として、第2の係合変数を決
    定する第4の手段(206)と、 駆動を調節するために、少なくとも、第1および第2の係合変数の関数として
    機関係合を行う第5の手段(106)と、 を含むことを特徴とする車両駆動の調節装置。
  22. 【請求項22】 車両に作用する横方向加速度を表わす横方向加速度変数(
    aq)が測定され、 横方向加速度変数の時間特性を表わす変数(daq;aqperz)が決定さ
    れ、 少なくとも、横方向加速度変数と横方向加速度変数の時間変化を表わす変数と
    の関数として、係合変数(DKEG)が決定され、および 駆動を調節するために少なくとも機関係合が行われ、この場合、機関係合が係
    合変数の関数として行われる、 車両駆動の調節方法。
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