JP2002522663A - 抄紙ベルトを製造するための方法および装置 - Google Patents

抄紙ベルトを製造するための方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 強化構造物(40)とこの強化構造物と結合される樹脂構成物(50a)とからなる抄紙ベルトを製造するための方法が提供される。好ましい連続工程は流動可能な樹脂材料(50)を模様を付けた成形面(21)に降ろし、成形面および強化構造物を強化構造物の少なくともある部分と成形面のある部分とが面同士で向き合うようにしてある搬送速度で連続して移動させ、流動可能な樹脂材料を成形面から強化構造物に転移させ、流動可能な樹脂材料と強化構造物とを共に結合させ、樹脂材料を固化し、これにより、強化構造物と結合した樹脂構成物を形成する工程を含む。装置は流動可能な樹脂材料を運ぶように複数個の成形ポケットからなる、模様を付けた成形面を有する成形部材、流動可能な樹脂材料を成形面の成形ポケットに降ろす手段、予め決められた方向に強化構造物を移動させる手段、流動可能な樹脂材料を成形ポケットから強化構造物に転移させるように予め決められた方向に成形部材を移動させる手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般に、強く、軟らかく、しかも吸収性の紙製品を製造する抄紙機
に有用な抄紙ベルトに関する。本発明は、また、この抄紙ベルトを製造する方法
に関する。特に、本発明は共に結合される樹脂構成物と強化構造物とからなる抄
紙ベルトに係るものである。
【0002】 発明の背景 一般に、紙製造工程は数工程を含む。典型的には、抄紙繊維を有する水性スラ
リーは、たとえば、長網ワイヤーのような多孔部材上に初期ウェブを形成する。
長網ワイヤーまたはフォーミングワイヤー上に初期ウェブを形成した後、紙ウェ
ブは乾燥工程を通して長網ワイヤーまたはフォーミングワイヤーと多くの場合異
なる、エンドレスベルト形態の別の抄紙布上を運ばれる。この別の抄紙布は、通
常、乾燥ファブリックまたはベルトと呼ばれている。紙ウェブが乾燥ベルト上に
ある間、乾燥工程または脱水工程は真空脱水法、ウェブを通過させて加熱された
空気を吹く乾燥法、機械的な方法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法を
必要とする。
【0003】 現在の譲受人によって開発され、商業化された通気乾燥法では、乾燥ファブリ
ックは、いわゆる偏向部材を有しており、微視的に単一平面で、連続する、好ま
しくは、模様を付けた非ランダムの組織からなる一面を有する。この一面は互い
に分離させた不連続な複数個の偏向導管を形成している。これに代わるものでは
、偏向部材は実質的に連続する偏向導管によって互いに分離させた不連続な複数
個の突出部を有するか、または準連続(すなわち、連続および不連続組織の組み
合わせからなる)である。初期ウェブはこの偏向部材と合体する。紙製造工程中
、ウェブ内の抄紙繊維は偏向導管内に偏り、水分がウェブから偏向導管を通して
除去される。この後、ウェブは乾燥され、必要であれば、クレープ加工によって
縮小される。抄紙ベルトの偏向導管への偏りは、たとえば、初期ウェブに作用さ
せる圧力差によって生じる。圧力差を保って作用させる好ましい一つの方法は、
偏向導管を有している乾燥ファブリックを介して異なる流体圧力を初期ウェブに
作用させることである。
【0004】 通気乾燥紙ウェブは参照としてここに取り入れられる、トロクハンに付与され
た1985年7月16日発行の米国特許第4,529,480号明細書、トロク
ハンに付与された1987年1月20日発行の米国特許第4,637,859号
明細書、スマルコスキーら付与された1994年11月15日発行の米国特許第
5,364,504号明細書、トロクハンらに付与された1996年6月25日
発行の米国特許第5,259,664号明細書、ラスクらに付与された1997
年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書のいずれかに従い
製造される。
【0005】 一般に、偏向部材を製造する方法は、多孔要素の表面に液状感光性樹脂からな
る層を塗布し、その層の厚さを予め選ばれる値になるように調節し、液状感光性
樹脂の層に対してマスクを通して活性化波長の光を照射し、これにより、感光性
樹脂の選択された部分の硬化を防ぎ、または減少させる工程からなる。この後、
典型的には、感光性樹脂の未硬化部分をシャワーで洗い落として除去する。参照
としてここに取り入れられる、次の幾つかの米国特許明細書は抄紙ベルトを製造
する方法を開示する。これはジョンソンらに付与された1985年4月30日発
行の米国特許第4,514,345号明細書、トロクハンに付与された1985
年7月9日発行の米国特許第4,528,239号明細書、スマルコスキーらに
付与された1992年3月24日発行の米国特許第5,098,522号明細書
、1993年11月9日発行の米国特許第5,260,171号明細書、トロク
ハンに付与された1994年1月4日発行の米国特許第5,275,700号明
細書、ラスクらに付与された1994年7月12日発行の米国特許第5,328
,565号明細書、トロクハンらに付与された1994年8月2日発行の米国特
許第5,334,289号明細書、ラスクらに付与された1995年7月11日
発行の米国特許第5,431,786号明細書、ステルジェス ジュニアに付与
された1996年3月5日発行の米国特許第5,496,624号明細書、トロ
クハンらに付与された1996年3月19日発行の米国特許第5,500,27
7号明細書、トロクハンらに付与された1996年5月7日発行の米国特許第5
,514,523号明細書、トロクハンらに付与された1996年9月10日発
行の米国特許第5,554,467号明細書、トロクハンらに付与された199
6年10月22日発行の米国特許第5,566,724号明細書、トロクハンら
に付与された1997年4月29日発行の米国特許第5,624,790号明細
書、エヤースらに付与された1997年5月13日発行の米国特許第5,628
,876号明細書、ラスクらに付与された1997年10月21日発行の米国特
許第5,679,222号明細書、エヤースらに付与された1998年2月3日
発行の米国特許第5,714,041号明細書である。これらの特許明細書の開
示は参照としてここに取り入れられる。
【0006】 感光性樹脂を硬化させる方法は抄紙ベルトを製造する有効な方法であることが
確認されているが、製造方法および製品を改良するための探索は継続して行われ
た。現在、この偏向導管は硬化用照射を必然的に必要としない、別の少なくとも
数種の方法を用いて製造できると考えられている。
【0007】 したがって、本発明の目的は、初めに、成形部材に流体樹脂からなる望ましい
模様を形成し、その後、流体樹脂を成形部材から強化構造物に転移させ、その模
様を付けた樹脂を固化する、抄紙ベルトを製造するための新規な方法を提供する
ことにある。本発明の別の目的は強化構造物と模様を付けた樹脂構成物とからな
る抄紙ベルトを製造するのに必要な樹脂量を減少させるようにした方法を提供す
ることにある。さらに、本発明の別の目的は流体樹脂からなる望ましい模様を形
成し、その後、その模様を付けた樹脂を製造される抄紙ベルトの強化構造物に転
移させる成形部材を備える装置を提供することにある。
【0008】 本発明の上記および他の目的は添付図面に関係する以下の説明を参照して考察
するならば、なお一層明瞭になる。
【0009】 発明の概要 本発明の方法および装置によって製造される抄紙ベルトは強化構造物とこの強
化構造物と結合される、模様を付けた樹脂構成物とからなる。この強化構造物は
第1の面および反対側の第2の面を有する。必ずではないが、好ましくは、強化
構造物は、たとえば、複数個の開口域を有する、製織ファブリックまたはスクリ
ーンのような、流体浸透可能な要素からなる。この強化構造物は、また、フェル
トからなる。強化構造物はそれぞれ第1の面および第2の面に一致する、上面お
よび底面を有する。樹脂構成物は実質的に連続する模様、不連続な模様、または
これらの組み合わせからなる模様(すなわち、準連続模様)を有する。
【0010】 抄紙ベルトを製造するための方法は次の工程からなる。第1の面、この第1の
面と反対側の第2の面およびその面間に形成される厚さを有する強化構造物を準
備し、流動可能な樹脂材料を準備し、この流動可能な樹脂材料を運ぶように構成
され、かつ設計される、成形ポケットを有する予め選ばれた模様を備えた成形面
を有する、少なくとも1個の成形部材を準備し、成形面をある搬送速度で連続し
て移動させ、流動可能な樹脂材料を成形面の成形ポケット内に降ろし、強化構造
物を強化構造物の少なくともある部分と成形面の少なくともある部分とが面同士
で向き合うようにして上記搬送速度で連続して搬送し、流動可能な樹脂材料を成
形面の成形ポケットから強化構造物に転移させ、流動可能な樹脂材料と強化構造
物とを共に結合させ、流動可能な樹脂材料を固化し、これにより、強化構造物と
結合した樹脂構成物を形成する。好ましくは、この樹脂材料は成形ポケットの模
様と一致する予め決められた模様で成形ポケットから強化構造物に転移させる。
好ましくは、樹脂材料を成形面に/成形面の内部に降ろす前に、離型剤を用いて
成形面を処理する工程を備える。強化構造物が成形面と面同士で向き合っている
とき、好ましくは、流動可能な樹脂材料と強化構造物とを少なくとも部分的に結
合させるのに十分な、予め決められた時間を通じて強化構造物を成形ポケット内
に降りた流動可能な樹脂材料と接触させる。成形面から強化構造物への樹脂材料
の転移は成形面と強化構造物とを互いに押し付け合うことにより加勢してもよい
【0011】 抄紙ベルトを製造するための装置は、流れ方向を有し、複数個の成形ポケット
からなる、模様を付けた成形面を有する成形部材を有する。この成形ポケットは
樹脂材料を運ぶように構成され、かつ設計されている。一実施例では、成形部材
は外周および流れ方向に対して垂直な回転縦軸を有する、回転可能な成形ロール
からなる。この成形ロールの外周は成形面を構成する。別の実施例では、成形部
材は流れ方向に連続して移動するように適応させる、エンドレス成形バンドから
なる。
【0012】 さらに、装置は流動可能な樹脂材料を成形面の成形ポケットに降ろす手段、強
化構造物の少なくともある部分と成形面の少なくともある部分とが面同士で向き
合うようにして強化構造物を流れ方向に移動させる手段および流動可能な樹脂材
料を成形ポケットから強化構造物に、好ましくは、予め選ばれた模様で転移させ
るように、成形部材を流れ方向に移動させる手段を有する。この装置は、好まし
くは、さらに、強化構造物と結合した樹脂構成物を形成するように流動可能な樹
脂材料を固化する手段を有する。
【0013】 一実施例において、成形面の成形ポケットは実質的に連続する模様を形成する
。この例では、樹脂材料が実質的に連続する模様で強化構造物に転移する。別の
実施例においては、成形ロールの成形ポケットは不連続な成形ポケットからなる
模様を形成する。この例では、樹脂材料が不連続な樹脂突起物からなる模様で強
化構造物に転移する。成形面の成形ポケットが実質的に連続する模様と不連続な
模様との組み合わせ、いわゆる、“準連続”模様を形成する実施例も予定してい
る。
【0014】 この樹脂材料は、幾つかの実施例では、樹脂材料が強化構造物に降りた後に、
強化構造物の第1の面から外方向に延びる。成形ポケットは成形面の異なる部分
全体にわたって相違する深さを有する。本発明は樹脂構成物が抄紙ベルトの平面
全体にわたって異なる厚さを有する抄紙ベルトを製造することができる。同時に
、本発明は樹脂構成物の上面および強化構造物の第1の面が実質的に同一平面に
ある、抄紙ベルトを製造することができる。
【0015】 流動可能な樹脂材料は、好ましくは、エポキシ、シリコーン、ウレタン、ポリ
スチレン、ポリオレフィン、ポリスルフィド、ナイロン、ブタジエン、フォトポ
リマーおよびこれらの材料のいずれかの組み合わせを含む群から選ばれる。好ま
しい一実施例において、流体樹脂材料は感光性樹脂からなる。流体樹脂材料は熱
硬化性または熱可塑性のような、感熱性樹脂からなってもよい。好ましくは、流
体樹脂材料は液体状態で準備する。流体樹脂材料は、初めに、成形面を流動可能
な樹脂材料と接触させ、次に、成形面が移動しているとき、成形面から余剰分の
流動可能な樹脂材料を除去する方法で成形面に/成形面の内部に降りる。
【0016】 装置は、さらに、予め決められた時間を通じて互いに強化構造物と成形面とを
押し付け、これにより、樹脂材料が成形面から強化構造物に転移するのを促進す
る手段を有してもよい。一実施例において、装置はニップを形成するように成形
面と並置される支持ロールを有する。別の実施例では、装置は成形面と並置され
る支持シートを有する。この支持シートは強化構造物の少なくともある部分と面
同士で接触して移動させるように構成され、かつ設計される。好ましくは、支持
シートには張りを与える。
【0017】 一実施例では、成形面は凹所からなる予め決められた模様を備える。この凹所
は強化構造物を受け入れるように構成され、かつ設計される。この実施例は樹脂
構成物の底面の実体部分が強化構造物の第2の面よりも高くなる抄紙ベルトを提
供する。すなわち、抄紙ベルトは強化構造物の第2の面と樹脂構成物の底面の実
体部分との間にある距離を有する。紙製造工程中、この距離は抄紙ベルトと脱水
用抄紙機器との間に漏洩を生じさせ、これにより、抄紙ベルトに置かれた抄紙ウ
ェブに流体圧が作用するとき、圧力が突然低下するのを防ぎ、“ピンホール”と
して知られた現象を軽減することが可能になる。強化構造物の第2の面と樹脂構
成物の底面との間の距離は抄紙ベルトの平面全体にわたって相違させることがで
きる。
【0018】 この装置は、さらに、たとえば、感光性樹脂からなる樹脂材料を硬化する紫外
線放射源を構成する、硬化装置のような、流動可能な樹脂材料を固化する手段を
有してもよい。任意的に、強化構造物と結合される樹脂材料の厚さを少なくとも
ある予め選ばれた値に調節する工程および手段を備えてもよい。
【0019】 発明の詳細な説明 本発明に従い製造される、代表的な抄紙ベルト90は図9、図9A、図11お
よび図11Aに図式的に示されている。ここで用いられるとき、用語“抄紙ベル
ト”または単に“ベルト”とは紙製造工程の少なくとも1つの工程中、それと接
してウェブを支持し、好ましくは、運ぶように設計される、実質的、かつ微視的
に単一の平面構造物について称する。典型的には、最新の工業的規模の工程はエ
ンドレス抄紙ベルトを利用しているが、本発明は抄紙ベルト90のー部分または
手抄き紙ウェブを製造するのに使用される固定プレート、回転ドラムなどを製造
するために使用してもよいと理解することができる。
【0020】 図9および図11に示すように、抄紙ベルト90はウェブ接触面91およびこ
のウェブ接触面91と反対側の背面92を有する。この抄紙ベルト90はベルト
90のある部分が平面形態で配置されたとき、全体としてみたウェブ接触面91
が本質的に1つの平面であるので、巨視的に単一平面という。絶対平面からのず
れは、好ましいものではないが、そのずれがある特定の紙製造工程のためにベル
ト90の性能に悪影響を及ぼすほどでない限り、許容できることを認めて“本質
的に”単一平面という。
【0021】 本発明に従い製造される抄紙ベルト90は、一般に、2つの要素、構成物50
a(好ましくは、流動可能なポリマー樹脂材料50から作られる硬化ポリマー樹
脂構成物)と強化構造物40とからなる。この強化構造物40は第1の面41お
よびこの第1の面41と反対側の第2の面42を有する。この第1の面41は、
紙製造工程中、抄紙繊維と接しており、一方、第2の面42は、典型的には、た
とえば、真空ピックアップシューおよびマルチスロット真空ボックス(いずれも
図示せず)のような抄紙機器と接している。
【0022】 強化構造物40は異なるいずれかの形態を採ることができる。これは製織要素
、不織要素、スクリーン、ネット、バンド、プレートなどを含む。好ましい一実
施例では、強化構造物40は、図9および図9Aに示すように、幅方向の複数本
の糸と流れ方向の複数本の糸とによって形成される、製織要素からなる。特に、
製織強化構造物40は参照としてここに取り入れられる、トロクハンらに付与さ
れた1994年8月2日発行の米国特許第5,334,289号明細書に開示さ
れるような、多孔製織要素からなる。製織要素からなる強化構造物40は織り合
わせた糸からなる1層または数層によって形成されており、各層は実質的に互い
に平行で、面同士を向き合わせて互いに接合されている。ラスクらに付与された
1997年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書は参照と
してここに取り入れられる。ステルジェス ジュニアらに付与された1996年
3月5日発行の米国特許第5,496,624号明細書はこれに適する強化構造
物40を示しており、参照としてここに取り入れられる。この抄紙ベルト90は
、また、たとえば、トロクハン名義で1995年2月15日に特許出願された出
願番号第08/391,372号明細書(発明の名称“抄紙において使用するた
めの硬化可能な樹脂を基材に塗布する方法”)に説明される、フェルトからなる
強化構造物40を用いて製造することができる。この出願は参照としてここに取
り入れられる。
【0023】 抄紙ベルト90の強化構造物40は樹脂構成物50aの強度を増し、好ましく
は、抄紙繊維が圧力のもとで内部に偏る、突出域を有する。本発明に従うと、こ
の強化構造物40は流体浸透不可能であってもよく、流体浸透可能であってもよ
い。ここで用いられるとき、用語“流体浸透可能”とは水または空気のような流
体が少なくとも1つの方向に強化構造物を通り抜けることができる、強化構造物
40の状態について称する。当業者が容易に理解できるように、流体浸透可能な
強化構造物からなる抄紙ベルトは、典型的には、抄紙ウェブを製造する通気乾燥
法において使用されている。流体浸透不可能な強化構造物40の例は図11およ
び図11Aに示されている。
【0024】 図9、図9A、図11および図11Aに示すように、強化構造物40は樹脂構
成物50aと結合されている。この樹脂構成物50aは固相化した樹脂材料50
からなる。すなわち、樹脂構成物50aは流体樹脂材料50の固相状態である。
この意味では、説明の前後の関係で当てる、用語“樹脂材料50および樹脂構成
物50a”は交換可能に用いられる。樹脂構成物50aは上面51およびこの上
面51と反対側の底面52を有する。紙製造工程中、樹脂構成物50aの上面5
1は抄紙繊維と接し、製造される抄紙ウェブの模様を定める。樹脂構成物50a
の底面52および強化構造物の第2の面42が同一平面に配置される、幾つかの
実施例(図7および図7A)では、構成物50aの底面52は抄紙機器と接する
。これに代わるものでは、構成物50aの底面52と強化構造物の第2に面42
との間に距離Zを形成してもよい(図8A)。
【0025】 樹脂構成物50aの他の実施例(図示せず)はトロクハンに付与された199
4年1月4日発行の米国特許第5,275,700号明細書に説明されるように
、背面側表面組織の不規則性を与える、通路からなる組織を有する底面52を構
成してもよい。この特許明細書は参照としてここに取り入れられる。この構成物
50aの2つの実施例――一方は構成物50aの底面52間に距離Zを有し、他
方は背面の不規則性を有する――は互いに接している構成物50aの底面52と
抄紙機器の表面との間に都合よく漏洩が生じる。この漏洩により抄紙ウェブに真
空圧力が突然作用するのを減少させ、というよりも全く消滅させることができ、
ピンホールとして知られた現象を軽減することが可能になる。
【0026】 本発明に従う方法の第1の工程は強化構造物40を準備することからなる。上
述したように、強化構造物40は、たとえば、製織ファブリック、フェルト、ス
クリーン、バンドなどのような、異なる多様な形態からなる基材である。強化構
造物40、特に、製織要素で構成する強化構造物のより詳しい説明は参照として
ここに取り入れられる、米国特許第5,275,700号明細書に見出すことが
できる。特定の実施例と関係なく、強化構造物40は、図4、図7、図7Aおよ
び図11に示すように、第1の面41および第2の面42を有する。成形抄紙ベ
ルト90において、第1の面41は、紙製造工程中、抄紙繊維と向き合い(幾つ
かの実施例では、接触し)、一方、第1の面41と反対側の第2の面42は抄紙
機器と向き合って(典型的には、接触して)いる。ここで用いられるとき、この
強化構造物40の第1の面41および第2の面42は抄紙ベルト90への強化構
造物40の組み込み(すなわち、組み込み前、組み込み中、組み込み後)と関係
なく、一貫してそれぞれの名称で呼ぶ。強化構造物の第1の面41および第2の
面42はここで“h”(図9)として示す強化構造物の厚さを形成する。本発明
の好ましい連続工程では、強化構造物40は幾つかの図において“MD”として
示す流れ方向に連続して移動する。ここで用語“流れ方向”の使用は抄紙機器を
通じてこの用語が抄紙ウェブの流れ方向と平行である方向を呼ぶ場合の慣習的な
用語の使用に倣って一貫している。ここで用いられるとき、“流れ方向”は本発
明方法において、強化構造物40の流れ方向と平行な方向である。
【0027】 本発明方法の次の工程は流動可能な樹脂材料50を準備することからなる。こ
こで用いられるとき、用語“流動可能な樹脂材料”とは上述したような構成物5
0aを形成するために一定の条件下および/またはある一定の時間を通じて望ま
しい形態を有する構造に十分に成形される、流体、または液体状態を達成し、か
つ維持し、その後、固相化し、好ましくは、硬化することのできる、多様な種類
のポリマー樹脂およびプラスチックについて称する。本発明の流動可能な樹脂材
料50は次の群から選ばれた材料からなる。エポキシ、シリコーン、ウレタン、
ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルフィド、ナイロン、ブタジェン、フォ
トポリマーおよびこれらの材料の組み合わせ。これに適するシリコーンからなる
液状樹脂材料50の例は、これに限られないが、“スムーズ−シリ900”、
“スムーズ−シリ905”、 “スムーズ−シリ910” および“スムーズ−シ
リ950”を含む。これに適するポリウレタンからなる液状樹脂材料の例は、こ
れに限られないが、“CP−103 スーパソフト”、“フォーミュラ54−2
90 ソフト”、“PMC−121/20”、“PL−25”、“PMC−12
1/30”、“ブラッシ−オン 35”、“PMC−121/40”、“PL−
40”、“PMC−724”、“PMC−744”、“PMC−121/50”
、“ブラッシ−オン 50”、“64−2 クリアフレックス”、“PMC−7
26”、“PMC−746”、“A60”、“PMC−770”、“PMC−7
80”、“PMC−790”を含む。上記の模範的材料のすべてはスムーズ−オ
ン社(Smooth−on Inc.,ペンシルベニア州、イーストン、ジョン
ストリート)から入手可能である。液状樹脂材料50の他の例は、たとえば、
いずれもスムーズ−オン社から入手可能な2成分液状プラスチック“スムーズ−
キャスト300”および液状ラバー成分“クリア フレックス50”のような、
多成分材料を含む。
【0028】 また、感光性樹脂も樹脂材料50として使用することができる。この感光性樹
脂は放射線のもとで、典型的には、紫外線(UV)の照射で硬化または架橋する
ポリマーである。液状感光性樹脂に関するさらに多くの情報を含む文献はグリー
ンらの“光架橋樹脂システム”、マクロサイエンス ジャーナル、マクロケミカ
ル C21(2)187−273頁(1981−82)、ベイヤーの“紫外線硬
化技術のレビュー”タッピ(Tappi)紙合成技術会議会報、1987年9月
25−27日、167−172頁およびシュミッドルの“紫外線硬化可能なフレ
キシブルコーティング”、コーテッド ファブリック ジャーナル、8、10−
20頁、(1987年7月)を含む。上記3件の文献はすべて参照としてここに
取り入れられる。特に、好ましい液状感光性樹脂はハーキュリーズ社(Herc
ules Inc.,デラウェア州、ウィルミントン)によって製造される、メ
リグラフシリーズ樹脂に含まれる。最も好ましい樹脂はメリグラフ樹脂EPD1
616である。
【0029】 本発明の樹脂材料50を構成する、感熱性樹脂の例は、これに限られないが、
次の群を含む。熱可塑性エラストマ ハイトレル(登録商標)(ハイトレル40
56、ハイトレル7246およびハイトレル8238)ならびにナイロン ザイ
テレ(登録商標)(ザイテレ101L、ザイテレ132F)。この材料はデュポ
ン社(Dupont Inc.,デラウェア州、ウィルミントン)から入手可能
である。
【0030】 好ましくは、流動可能な樹脂材料50は液状で準備する。しかしながら、本発
明は固形状態で準備する、流動可能な樹脂材料50を使用することも予定してい
る。後者の例では、樹脂材料50を流動化する、追加の工程を必要とする。流動
可能な樹脂材料50は、好ましくは、樹脂材料50を流動状態に保つために(た
とえば、温度のような)固有の条件を与える、材料源55に供給する。ここで用
いられるとき、用語“流体”とは樹脂材料50が流動可能あり、しかも、ある3
次元模様に倣って樹脂材料50が実質的に順応するように3次元的に模様を付け
た面に降りることができる、条件、状態または相について称する。樹脂材料50
として、仮に、熱可塑性または熱硬化性樹脂が使用されるとすれば、典型的には
、流体状態の樹脂を維持するために樹脂材料の融点よりも僅かに高い温度が望ま
しい。この樹脂材料は材料が全体的に流体状態であるならば、その“融点”に等
しいか、またはそれよりも高くするように考慮する。これに適する材料源55は
本出願の幾つかの図面に図式的に示される、断面V字状の容器である。この容器
は閉じた底部、閉じた側壁および外側側壁を備える。容器の内側に向く側壁は開
口しており、以下に説明されるように、内部に降りた流動可能な樹脂材料50が
成形部材20と自由に接触し、通じさせることができる。仮に、樹脂材料が熱可
塑性樹脂からなるとすれば、液状樹脂材料50が早くから固化するのを防ぐため
に、好ましくは、材料源55および成形面21を加熱する。
【0031】 本発明方法の次の工程は成形部材20を準備することからなる。ここで用いら
れるとき、“成形部材”20とは流体樹脂材料50を受け入れ、その後、樹脂材
料50を予め決められた模様で強化構造物に転移させるように設計される構造物
である。好ましい連続工程では、成形部材20はそれぞれ異なる多様な実施例か
らなる。図1、図4ないし図8および図10に示す実施例では、成形部材20は
成形ロール20aからなるのに対して、図12に示す実施例では、成形部材20
は成形バンド20bからなる。このような実施例と関係なく、成形部材20はそ
れの面に3次元模様を有し、流動可能な樹脂材料50が実質的にその3次元模様
に順応するために樹脂材料50を受け入れるように構成され、かつ設計される成
形面21を備える。好ましくは、この成形面21は、図4、図7、図7B、図8
および図10に示すように、その内面に成形ポケット22からなる予め選ばれた
模様を備える。ここで用いられるとき、“成形面”21は成形部材20のすべて
の露出面を呼ぶ総称語であり、成形ポケット22(図4、図7、図8、図10)
の内面のみならず、成形バンド20b(図12)の(最も高い)外表面のような
、固有の面、または成形ロール20aの(より大きい直径に一致する)外周21
a(図4、図8、図10)を含む。この成形面21は流体樹脂材料50が降りる
面のことである。本発明の好ましい連続工程においては成形部材20はある搬送
速度で連続して移動させ、これにより、樹脂材料50を運ぶことができる。当業
者は回転成形ロール20a(20a´)からなる実施例(図1ないし図8および
図10)では、搬送速度が成形面21の外周上の1点で計測した表面速度である
ことを容易に理解することができる。図1、図4ないし図7および図8では、成
形ロール20a(20a´)の回転方向が矢印“A”によって示されている。成
形バンド20bからなる実施例(図12)では、搬送速度は支持ロール25、2
6間で計測した成形バンド20bの速度である。
【0032】 ここで用いられるとき、“成形ポケット”22は液状樹脂材料50を材料源5
5から強化構造物40に降ろすように設計される成形面21のくぼみ、またはキ
ャビティからなる模様について称する。この成形ポケット22は、図7に示すよ
うに、成形面21に実質的に連続する模様を構成する。この例では、樹脂材料5
0は実質的に連続する模様で強化構造物40に転移する。ここで用いられるとき
、この模様は絶対平面からの小さなずれが本発明方法ならびに最終製品――抄紙
ベルト90の望ましい性能および品質に悪影響を及ぼさない限り、許容できるこ
とを表わして“実質的に”連続するという。図2Aおよび図9Aは実質的に連続
する樹脂構成物50aを有し、成形ポケット22からなる連続する模様を用いて
製造される、異なる抄紙ベルト90の2つの模範的な実施例を示している。
【0033】 これに代わるものでは、成形ポケット22は不連続なくぼみ、またはキャビテ
ィからなる模様を構成してもよい。後者の例では、樹脂材料50は成形ポケット
22から不連続な複数個の突起物からなる模様で強化構造物40に転移する。第
1の面41から外方向に延びる不連続な複数個の突起物からなる樹脂構成物50
aを有する、模範的な抄紙ベルト90は図10、図11および図11Aに図式的
に示されている。また、本発明については実質的に連続する成形ポケット22と
不連続な成形ポケット22との組み合わせからなる模様(図示せず)も予定して
いる。
【0034】 本発明においては強化構造物40の第1の面41に対して角度を付けた構成物
50aを予定している。ここで用いられるとき、用語“角度を付けた”構成物5
0aとは――横断面でみたときに――強化構造物40の第1の面41と――連続
する構成物50aの例では――不連続偏向導管、あるいは――不連続な複数個の
突起物からなる構成物50aの例では――不連続突起物のいずれかの縦軸との間
に鋭角が形成されている、構成物50aについて称する。これらの実施例はラリ
ー エル フューストン名義で1997年5月19日に特許出願された出願番号
第08/858,661号および出願番号第08/858,662号明細書(両
出願の発明の名称“セルロース性ウェブ、角度を付けた横断面構造を有する抄紙
ベルトを使用してセルロース性ウェブを製造する方法および装置、その抄紙ベル
トを製造する方法”)に開示されている。この出願の開示は参照としてここに取
り入れられる。
【0035】 成形ポケット22は符号“D”によって示される、少なくともある深さを有す
る。この深さDは、一般に、成形ポケット22から強化構造物40にかけて降り
る樹脂材料50の厚さを規定する。ここで用いられるとき、用語成形ポケットの
“深さ”とは成形部材20の内部にある幾何学的に明瞭なくぼみの程度を表わす
。一例として、図10および図10Aは不連続な複数個の成形ポケット22を有
する、成形ロール22aからなる成形部材20の一部を示している。成形面21
の固有部21aとは成形ポケット22によっては影響を受けないロールの外周部
分、典型的には、ロールの大きい直径と一致するロールの外周部分のことである
。図10および図10Aにおいて、固有部21aは不連続な成形ポケット22を
取り囲む外周の連続した部分である。図10および図10Aは、また、図10A
に最もよく示されるように、各々成形ポケット22がひし形形状を有する、(相
対的に大きい)第1のくぼみ22aおよび円形形状を有する、(相対的に小さい
)第2のくぼみ22bからなる幾何学的に明瞭な2つのくぼみを備えるものを示
している。この第1のくぼみ22aは第1の深さD1を有し、第2のくぼみ22
bは第1のくぼみD1よりも大きい第2の深さD2を有し、したがって、成形ポ
ケット22は、図10に示すように、2つの深さD1、D2を有する。上記の例
は図示の目的だけを意図し、限定の意図がないと理解しなければならない。本発
明においては、相違する深さを有する成形ポケット22の形はその置換物を含め
て多くのものを実質的に制限されずに使用することができる。図10および図1
0Aは幾何学的に対称な成形ポケット22を示しているが、もし、望まれるので
あれば、(横断面同様に、平面において)幾何学的に非対称な形態(図示せず)
を使用することも可能であると理解することができる。成形ポケット22の“角
度を付けた”形態は、先に説明したように、樹脂構成物50aに“角度を付けた
”模様を形成するために使用することができる。さらに、特定の深さDと幾何学
的に明瞭な形態との関係が明らかでない、というよりも確実に見分けることが不
可能である、成形ポケット22からなる実施例もあり得る。本発明方法は対応し
て成形される成形面21を準備することにより樹脂構成物50aからなるいずれ
かの望ましい形状を有利に形成することができる。
【0036】 本発明の次の工程は流動可能な樹脂材料50を成形面21の成形ポケット22
に降ろすことからなる。一般的に、好ましい連続工程では、本工程は、初めに、
成形面21を流動可能な樹脂材料50と接触させ、次に、成形面21が移動して
いるときに余剰分の樹脂材料50を成形面21から除去することからなる。好ま
しくは、余剰の樹脂は樹脂材料50の材料源55に戻し、これにより、無駄に消
費される樹脂材料50を減少させ、というよりも消滅させる。本発明の装置10
では、本工程を達成するためにこの技術分野で知られた適当ないずれかの降下手
段を使用することができる。ここで用いられるとき、用語“降下手段”とは必要
とされる1回分の分量につき、流動可能な樹脂材料50を樹脂塊から分けて成形
面21に転移させる、いずれかの手段について称する。用語“降下”は、たとえ
ば、(上述した容器55内に準備される)樹脂塊形態からの流動可能な樹脂材料
50の転移について称し、流動可能な樹脂材料50が成形ポケット22を実質的
に均一な方法で満たすように、流動可能な樹脂材料50を成形面21および/ま
たは成形ポケット22内に1回分分配する。成形面21からの余剰の樹脂材料5
0を除去するのは成形面21から余剰分の樹脂材料を拭き取りおよび/または削
り取る方法によって達成してもよい。
【0037】 次の2つの工程は、強化構造物40の少なくともある部分と成形面21の少な
くともある部分とが面同士で向き合うようにして強化構造物40をある搬送速度
で連続して搬送し、さらに流動可能な樹脂材料50を予め選ばれた模様で成形面
21の成形ポケット22から強化構造物40に転移させることからなる。好まし
くは、成形面21と向き合う強化構造物40の部分は予め決められた時間を通じ
て成形面21と接触させる。成形部材20が成形ロール20aからなる実施例で
は、成形面を強化構造物40と接触させる予め決められた時間は搬送速度、成形
ロール20aの直径ならびに図1および図4ないし図6に示される、巻き角λに
よって規定する。図4を参照すると、ここで用いられるとき、用語“巻き角”は
2つの仮想半径、すなわち、成形ロール20aの縦軸(または回転中心)Fと強
化構造物40が初めに成形面21と接触する点f1とを結ぶ半径r1と、成形ロ
ール20aの縦軸(または回転中心)Fと強化構造物40が最後に成形面21と
接触する点f2とを結ぶ半径r2との間に形成される角度λを規定する。点f1
と点f2との間の円周上の部分は合計接触区域K、すなわち、接触面21と強化
構造物40との接触域を定める。成形部材20が成形バンド20aからなる実施
例では、合計接触区域Kは第1の(円周)接触区域K1と第2の(平面)接触区
域K2とからなる。この合計接触区域Kは、好ましくは、本工程の固化セグメン
ト、すなわち、樹脂材料50が強化構造物40と十分に結合し、成形面21から
離れた後もその形状を保持するように固化する、1個のセグメントを構成する。
この樹脂材料50は固化セグメントの内部では完全に固化させないようにすべき
であり、樹脂材料50が獲得した形状を十分に保持できる限り、成形ポケット2
2と係わり合いながら、固化セグメントを通過した後も、幾分かの流動性を保持
するようにする。
【0038】 本発明に従うと、樹脂材料50は成形面21に降りる前には十分に流体状態を
維持する。好ましくは、樹脂材料50は成形ポケット22内を十分に均一に満た
すように流体でなければならない。幾つかの実施例では、樹脂材料50の固化は
樹脂材料が成形ポケット22内を満たした後に、正確に始まる。図4において、
角度αは樹脂材料50が成形面21に降りた後、強化構造物40と成形面21と
が面同士で向き合う前(点f1に到達する前)の成形面21の未固化セグメント
を図式的に示している。当業者は指定された樹脂材料50の場合、点f1に到達
する前の樹脂材料50の望ましい粘度レベルは成形面21の搬送速度、強化構造
物40および成形面21の相対的な幾何学的形状、合計接触区域Kの長さならび
に装置10の他の工程およびパラメータに関する条件を含む、数項目のファクタ
によって定まると理解することができる。好ましくは、樹脂材料50の粘度、特
に、樹脂材料50が点f1に到達するときの角度αによって規定する、成形面2
1の未固化セグメントの粘度は容器55内にある樹脂材料の粘度よりも大きくす
る。
【0039】 本発明に従うと、樹脂材料50が成形ポケット22内に降りる際に、初めに、
成形ポケット22の内面と直接接触した状態の樹脂材料50の表面が固化し、一
方、成形ポケット22内に降りた樹脂材料50の残りの部分が未だ流体状態のま
ま保たれるように、樹脂材料50を固化させる実施例も予定している。この後、
少なくとも、部分的に固化した樹脂材料50の表面は未だ流体のままである、残
りの部分の殻として機能する。本実施例は、たとえば、製織強化構造物40のよ
うな、空隙を有する、強化構造物40を用いる工程において特に益する。強化構
造物40が樹脂材料50と接触したとき、強化構造物40と樹脂材料50とが互
いに押し合うように、圧力を作用させ、強化構造物40に降りる樹脂材料50の
形を歪めることなく、第1の面41を形成している強化構造物40の糸を通過し
てその内部に樹脂材料50を“押し込む”方法を使用してもよい。
【0040】 成形面21が強化構造物40と向き合っている(好ましくは、接触している)
時間は、好ましくは、成形ポケット22から強化構造物40に転移する樹脂材料
50のために十分でなければならない。より好ましくは、この時間は成形面21
の模様と一致する予め選ばれた模様で強化構造物40に、少なくとも部分的に結
合させるのに十分でなければならない。本発明に従い成形ポケット22から強化
構造物40にかけて樹脂材料50を首尾よく転移させる多様な手段を単独もしく
は組み合わせて使用することができる。
【0041】 好ましくは、成形ポケット22の表面エネルギは強化構造物40の表面エネル
ギよりも小さくする。成形ポケット22と強化構造物40との間で表面エネルギ
に差を生じさせる、幾つかの方法がある。成形面21を構成する材料は本来的に
比較的小さい表面エネルギを有するか、または表面エネルギを小さくするように
処理する。これに代わるものでは、または追加して、成形面21は樹脂材料50
を成形ポケット22に降ろす工程の前に、離型剤60を用いて処理することがで
きる。この離型剤60の例は、これに限られないが、スムーズ−オン社から入手
可能な“イーズ リリース”(登録商標)、“パーマリリース”(登録商標)、
“アクアリース”(登録商標)および“アクチリース”(登録商標)を含む。離
型剤60の源65は幾つかの図面でV字形容器として図式的に示しているが、離
型剤60は成形面21にブラシ塗布、スプレー吹き付けまたはワイパ塗布で処理
してもよいと理解することができる。これらの例では、離形剤源65はブラシ、
ノズルまたはこれに適するこの分野で知られたいずれかの器具からなる。たとえ
ば、図4はノズルを備える離形剤源65を示している。幾つかの用途では、2種
類ないしそれ以上の離形剤60による層を形成する必要がある。成形面21が微
小孔を有する、幾つかの実施例では、成形面21への離型剤60の浸透を促し、
これにより、樹脂材料50が成形面21に降りる前に微小孔を封じるように離形
剤60または/および成形面21を加熱することが望ましい。
【0042】 樹脂材料50を少なくとも部分的に強化構造物40に結合させる、別の方法は
樹脂材料50と強化構造物40との間に十分な結合を生じさせるように、合計接
触区域K内で強化構造物40を成形面21に押し付ける圧力差を生じさせること
を含む。必然的ではないとしても、典型的には、強化構造物40は、単に、(た
とえば、製織強化構造物40における個々の糸のような)構成要素をからませて
いる(これらの糸を“からみ合わせ”、これにより、少なくとも何本かの糸を部
分的に包み込む)だけで、樹脂材料50が強化構造物40と“くっつき”にくい
傾向がある。圧力を作用させることにより強化構造物40の構成要素間に流体ま
たは部分的に固化した樹脂材料50を浸透させることができる。たとえば、図5
はその間にニップ23を形成するように成形ロール20aと並置される支持ロー
ル30を示している。強化構造物40はこのニップ23を通って移動し、好まし
くは、支持ロール30によって成形ロール20aの成形面21に押される。好ま
しくは、支持ロール30はニップ23地点の強化構造物40の搬送速度と実質的
に等しい表面速度で回転する。この実施例は参照としてここに取り入れられる、
米国特許第5,275,700号明細書に説明されるような、変形可能な、好ま
しくは、一定の体積の材料からなる成形面21を有する、成形ロール20aと共
に有利に使用することができる。変形可能な、好ましくは、一定の体積の成形面
21は強化構造物40を圧力のもとで成形面21に押すことができるので、強化
構造物40と樹脂材料50とを効果的に接触させることができ、これにより、樹
脂材料50と強化構造物40との結合を強めることが可能になる。
【0043】 これに代わるものでは、支持ロール30の外周は変形可能な、一定の体積の材
料からなる層(図示せず)を構成してもよい。支持ロール30の外面が樹脂材料
で汚染されるのを防ぐために、図5に示すように、保護膜70を備えることがで
きる。この保護膜70は、また、変形可能な、好ましくは、一定の体積の材料か
らなる。これに代わるものでは、保護膜70は矢印“C”で示す方向に回転する
、支持ロール30および支持ロール70a、70bにより形成した搬送形態に容
易に順応する、可撓性の滑らかな平面材料からなる。この保護膜70は参照とし
てここに取り入れられる、米国特許第5,275,700号明細書に詳細に説明
されている。
【0044】 図6および図12において、強化構造物40は張力のもとで支持シート77に
よって成形面21に押し付けられている。図6の実施例では、支持シート77は
周方向に成形ロール20aの一部と重なり合う。図12の実施例では、支持シー
ト77は実質的に平面状であり、第2の接触区域K2の範囲内で進む。(図6お
よび図12の)双方の実施例において、支持シート77は支持ロール77a、7
7b、77cによって支持され、矢印“C”で示す方向に進む。これらの実施例
では、追加して支持シート77を支持し、および/または強化構造物40を成形
面21に追加して押すために支持ロール77aと支持ロール77bとの間に1個
ないしそれ以上の追加支持ロール(図示せず)を備えることができる。
【0045】 図7および図8は2個(図7)および3個(図8)の支持ロールからなる、他
の模範的な実施例を示している。1個よりも多い数の支持ロールからなるこうし
た実施例では、強化構造物40に作用させる圧力は支持ロール間で相違させても
よい。たとえば、図7において、第1の支持ロール30aは強化構造物40に対
して第1のニップ23aで第1の圧力P1を加え、第2の支持ロール30bは第
2のニップ23bで第2の圧力P2を加える。もし、望まれるのであれば、第2
の圧力P2は第1の圧力P1より大きくしてもよく、その反対にしてもよい。こ
れと類似して、図8では、支持ロール30a、30b、30cは強化構造物40
にそれぞれ対応するニップ23a、23b、23cで異なる圧力を加える。
【0046】 図7ないし図8Bは強化構造物40を成形面21の凹所内に置いた装置10の
模範的な2つの実施例を示している。図7ないし図8Bの実施例に示す成形面2
1は強化構造物40を受け入れるための凹所24からなる予め決められた模様を
有する。図7ないし図7Bの実施例では、強化構造物40は強化構造物40の厚
さhよりも小さい、好ましくは、それと等しい深さを有する、成形面21の凹所
24内に全体的に置いている。図8ないし図8Bの実施例では、強化構造物40
は強化構造物40の厚さhよりも深さが小さい凹所24内に部分的に置いている
。流動可能な樹脂材料50を受け入れる成形ポケット22の模様は強化構造物4
0を受け入れる凹所24の模様と重なり合っている。図7ないし図8Bにおいて
、成形面21の強化構造物40を支持する部分は符号21Rとして示しており、
成形面21の樹脂材料50を支持する部分は符号21Sとして示している。好ま
しくは、強化構造物40を凹所24と重ねる工程は主に図7ないし図8Bに示す
実施例で実行する。
【0047】 図7ないし図7Bに示す方法の実施例は“零過負担”を有する、抄紙ベルト9
0をつくる新規で、有効な方法を提供する。ここで用いられるとき、用語“過負
担”とは強化構造物40に対する樹脂構成物50aの高さの程度について称する
。特に、過負担は、図9に示すように、樹脂構成物50aの上面41と強化構造
物40の第1の面41との間の距離からなる。ここで、過負担は“OB”として
示し、強化構造物40の厚さは“h”として示し、抄紙ベルト90の全厚は“H
”として示している。樹脂構成物50aが強化構造物40から外方向に延びると
き、抄紙ベルトは過負担を有するという。この用語“零過負担”は樹脂構成物5
0aのウェブ接触面51と強化構造物40の第1の面41とが同一平面に位置す
ることを表わす。図7ないし図7Bの実施例では、凹所24が成形ポケット22
と同じ深さを有するので、表面部分21S、21Rは成形ロール20aの大きい
外周21aに対して(または回転縦軸に対して)一様に位置する。したがって、
強化構造物40が凹所24と重なり合ったとき、樹脂材料50が成形ポケット2
2内に降り、樹脂材料50は表面部分21Rを超えて延びることができず、それ
ゆえ、図7Aに示すように、製造される抄紙ベルト90の強化構造物40の第1
の面41を超えて延びることができない。
【0048】 図8ないし図8Bは本発明により与えられる別の利点を示している。図8ない
し図8Bの実施例では、強化構造物40を凹所24内に部分的に置いているので
、抄紙ベルト90が形成されたとき、強化構造物40の第2の面42と樹脂構成
物50aの背面との間に距離“Z”が保たれる。通気乾燥抄紙ベルトでは、この
距離により(たとえば、真空ボックスまたはピックアップシューのような)抄紙
機器と接している抄紙ベルトの背面とその機器のベルト接触面との間に漏洩を生
じさせることができる。この漏洩は抄紙ベルト90に置いた紙ウェブに真空圧力
が突然作用するのを軽減し、それゆえ、いわゆる、ピンホールと呼ばれる現象を
減少させ、あるいは全く消滅させることができる。当業者は用語“ピンホール”
が紙ウェブに真空圧力が突然作用し、ウェブから一定量の繊維が分離する結果、
脱水しているウェブにピンサイズの孔、すなわち、“ピンホール”が生成するこ
とを称すると理解する。この繊維のうち、何本かは抄紙ベルトを完全に通り抜け
、これにより、ピンホールに加えて、真空脱水機器類に抄紙繊維による詰まりを
引き起こす。参照としてここに取り入れられる、幾つかの米国特許はピンホール
を軽減し、または消滅させる多様な方法を開示する。これらの特許の例はトロク
ハン名義の1998年7月7日発行の米国特許第5,776,311号明細書、
トロクハンら名義の1998年4月28日発行の米国特許第5,774,007
号明細書、トロクハンら名義の1998年4月21日発行の米国特許第5,74
1,402号明細書、トロクハンら名義の1998年2月17日発行の米国特許
第5,718,806号明細書およびラスクら名義の1997年10月21日発
行の米国特許第5,679,222号明細書である。本発明は望まないピンホー
ルを軽減するための別の効果的な手段を提供する。
【0049】 当業者は成形面21から強化構造物40に転移させる樹脂材料50の模様が成
形面21の模様を反映するものであると理解する。それゆえ、成形面21が図7
Bおよび図8Bに示すような、成形ポケット22の実質的に連続する模様からな
る場合、樹脂材料50は実質的に連続する模様で強化構造物40に転移する。一
方、成形面21が図10Aに示すような、不連続な複数個の成形ポケット22か
らなる場合、樹脂材料50は図11Aに示す複数個の樹脂突起物からなる模様で
強化構造物40に転移する。
【0050】 本発明方法の次の工程は強化構造物40と結合した樹脂材料50を固化するこ
とからなる。ここで用いられるとき、用語“固化”およびその派生語は流体を固
体に、または部分的に固体状態に変える方法について称する。典型的には、固化
は液相から固相への変化を伴う。用語“硬化”とは架橋が生じる、固化について
称する。感光性樹脂は、たとえば、すべてが参照としてここに取り入れられる、
米国特許第5,334,289号明細書、第5,275,700号明細書、第5
,364,504号明細書、第5,098,522号明細書、第5,674,6
63号明細書および第5,629,052号明細書に記述されるような、紫外線
照射によって硬化することができる。熱可塑性および熱硬化性樹脂は固化のため
に一定の温度を必要とする。好ましくは、固化工程は樹脂材料50を硬化するこ
とからなる。
【0051】 幾つかの実施例において、樹脂材料50の固化工程は流体樹脂材料が成形面2
1に降りた直後に素早く始める。好ましくは、固化は強化構造物40と成形面2
1とが面同士で向き合っている(図4の模範的な実施例に合計接触区域Kとして
、図12の模範的な実施例に合計接触区域K1、K2として図式的に示される)
間を通じて続ける。樹脂材料50を固化する工程は材料の性質に依存する。熱可
塑性および熱硬化性樹脂を使用する場合、固化は強化構造物40に転移させる樹
脂材料50を冷却することからなる。フォトポリマーは参照としてここに取り入
れられる、先に引用した米国特許第4,514,345号明細書および第5,2
75,700号明細書に説明される、硬化工程によって硬化させる。この多成分
樹脂またはプラスチックからなる樹脂材料50はある予め決められた時間中に共
に混合されたことによって自然に固化する。
【0052】 例として、図6および図12は強化構造物40の第2の面42と並置される硬
化装置79を図式的に示している。当業者は樹脂材料50の性質および材料の固
化方法により硬化装置79は、図4に図式的に示すように、たとえば、樹脂構成
物50aと並置される、他の位置に設置してもよいと理解することができる。硬
化装置79の例は、これに限られないが、架橋反応率またはポリマーを縮合する
縮合率を増大するためのヒータ、熱可塑性樹脂を固化するクーラー、赤外線硬化
照射、マイクロ波硬化照射または紫外線硬化照射を与える多様な装置およびその
類似物を含む。次の特許出願は感光性樹脂からなる樹脂材料50を固化するため
に使用される硬化装置79の幾つかの実施例を示すために参照としてここに取り
入れられる。これはトロクハン名義で1997年2月13日に特許出願された出
願番号第08/799,852号明細書(発明の名称“感光性樹脂を硬化する平
行放射線を発生するための装置”)ならびにトロクハンら名義で1997年2月
13日に特許出願された出願番号第08/858,334号明細書(発明の名称
“感光性樹脂を硬化する制御された放射線を発生するための装置”)および19
97年10月24日に出願された上記出願の継続出願番号第08/958,54
0号明細書である。
【0053】 任意的に、本発明では、抄紙ベルト90の全厚H(図9)を調節する工程を備
えてもよい。この全厚Hは、上述したように、過負担OBを調節することにより
予め決められた値に調節する。全厚Hは、また、強化構造物40の凹所24の深
さ(図8A)を調節することにより調節してもよい。全厚Hを調節する別の方法
は樹脂材料50が成形面21から強化構造物40に転移し、樹脂構成物が少なく
とも部分的に形成された後に、樹脂材料50の厚さを変化させることからなる。
たとえば、樹脂材料50の厚さはこの技術分野で知られた機械的手段によって調
節することができる。図1および図5は間隙88を形成する、互いに並置される
2個のロールからなる全厚調節装置80を図式的に示している。この全厚調節装
置80のロール間の間隙88を調節することで装置は製造する抄紙ベルトの全厚
を調節することができる。樹脂構成物50aを成形面21と強化構造物40との
間に形成した後に、部分的にのみ固化させる実施例では、部分的に形成した抄紙
ベルトの全厚はその部分的に形成した抄紙ベルトを間隙88を通して移動させる
ことにより少しだけ調節する。これに代わるものでは、または追加して、全厚調
節装置は回転式サンドペーパロール、平削りナイフ、レーザまたはこの技術分野
で知られ、抄紙ベルト90の全厚を調節するのに適する、他のいずれかの手段で
構成してもよい。
【0054】 本発明の方法および装置は抄紙ベルト90を製造中に必要とされる流動可能な
樹脂量を大きく減少させることができ、それゆえ、経済的な利益をもたらすこと
が可能になる。感光性樹脂および硬化用放射線を用いて抄紙ベルトを製造する従
来技術の方法では、感光性樹脂からなる層を強化構造物に塗布し、樹脂層を選ば
れた部分だけ硬化させ、この後、樹脂層の未硬化部分を除去する(典型的には、
洗浄で落とす)必要がある。洗浄で落とす樹脂量は樹脂層を形成する全量に対し
て約25%から75%に達する。本発明においては、樹脂構成物50aのために
必要とされる樹脂材料50は厳密に全量が成形部材20の成形ポケット22の予
め決められた模様に形成される。成形部材20の(固有の)面21aに降りる余
剰分の樹脂材料50はこの技術分野で知られたいずれかの手段によって容易に樹
脂材料50の材料源55に再循環させることができ、これにより、無駄に消費さ
れる樹脂材料50を全く消滅させることが可能になる。さらに、本発明の方法お
よび装置は樹脂構成物50aからなる数多くの3次元模様を実質的に制限されず
に形成することができる。
【0055】 本発明方法は2つまたはそれ以上の工程を持つことができる。図1は2つの工
程を図式的に示している。第1の工程では、樹脂材料50を第1の成形部材20
aの第1の成形面21aに降ろし、この後、(図2および図2Aに示す)第1の
樹脂構成物50aを形成するために強化構造物40に転移させる。任意的に、製
造している抄紙ベルトの全厚は全厚調節装置80によって調節することができる
。第2の工程においては、樹脂材料50´を第2の成形部材20a´の第2の成
形面21´に降ろし、この後、(図3および図3Aに示す)第2の樹脂構成物5
0a´を形成するために樹脂構成物50aのウェブ接触面51に転移させる。こ
の工程は、望まれるとき、繰り返し行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の多工程からなる方法および装置の一実施例を示す図式的側面図
である。
【図2】 図2は図1に示す多工程のうちの第1の工程で製造される抄紙ベルトを示す、
図1の2部の詳細を示す図式的側面図である。
【図2A】 図2Aは図2の2A−2A線に沿う単純化した平面図である。
【図3】 図3は図1に示す多工程のうちの第2の工程で製造される抄紙ベルトを示す、
図1の3部の詳細を示す図式的側面図である。
【図3A】 図3Aは図3の3A−3A線に沿う単純化した平面図である。
【図4】 図4は成形ロールおよび製造される抄紙ベルトを示す、本発明の一実施例に係
る方法および装置を示す図式的側面図である。
【図5】 図5は本発明の他の実施例に係る方法および成形ロールと支持ロールとの間に
形成される成形ニップを備える、装置を示す図式的側面図である。
【図6】 図6は本発明のさらに異なる実施例に係る方法および2個の支持ロールと成形
ロールに巻く支持シートを備える、装置を示す図式的側面図である。
【図7】 図7は成形ロールの外周に巻き、全体的に凹所内に置いた強化構造物を示す、
本発明の異なる実施例に係る方法および装置を示す図式的側面図である。
【図7A】 図7Aは図7に示す方法および装置を用いて製造される抄紙ベルトを示す、図
7の7A部を示す図式的詳細図である。
【図7B】 図7Bは2つの模様が互いに間に置かれ、等しい深さを有する、流動可能な樹
脂を受け入れる成形ポケットの模様および強化構造物を受け入れる凹所の模様を
備える、成形ロールの外周の模範的な一実施例を示す、図7の7B矢印方向から
みた図式的平面図である。
【図8】 図8は成形ロールの外周の一部に巻き、部分的に凹所内に置いた強化構造物を
示す、本発明の異なる実施例に係る方法および成形ロールと並置され、強化構造
物と接触している3個の支持ロールを備える装置を示す図式的側面図である。
【図8A】 図8Aは図8の8A部を示す図式的詳細側面図である。
【図8B】 図8Bは2つの模様が互いに間に置かれる、強化構造物の凹所の深さよりも大
きい深さを有する流動可能な樹脂を受け入れる成形ポケットの模様および強化構
造物を受け入れる凹所の模様を備える、成形ロールの外周の模範的な一実施例を
示す、図8の8B−8B線に沿う図式的平面図である。
【図9】 図9は本発明の方法および装置を用いて製造される、強化構造物と結合される
実質的に連続する樹脂構成物および不連続な複数個の偏向導管を備える、抄紙ベ
ルトの模範的な一実施例に係る図9Aの9−9線に沿う図式的横断面図である。
【図9A】 図9Aは図9の9A−9A線に沿う図式的平面図である。
【図10】 図10は相違する深さを有する複数個の成形ポケットを備える、本発明の成形
ロールの模範的な一実施例を示す図式的平面図である。
【図10A】 図10Aは図10の10A−10A線に沿う図式的平面図である。
【図11】 図11は図10に示す成形ロールを用いて製造される、相違する過負担を有す
る、不連続な複数個の突起物を備える抄紙ベルトの模範的な実施例に係る図11
Aの11−11線に沿う図式的横断面図である。
【図11A】 図11Aは図11の11A−11A線に沿う図式的平面図である。
【図12】 本発明の方法およびエンドレス成形バンドを備える装置の異なる実施例を示す
図式的側面図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年5月18日(2000.5.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般に、強く、軟らかく、しかも吸収性の紙製品を製造する抄紙機
に有用な抄紙ベルトに関する。本発明は、また、この抄紙ベルトを製造する方法
に関する。特に、本発明は共に結合される樹脂構成物と強化構造物とからなる抄
紙ベルトに係るものである。
【0002】 発明の背景 一般に、紙製造工程は数工程を含む。典型的には、抄紙繊維を有する水性スラ
リーは、たとえば、長網ワイヤーのような多孔部材上に初期ウェブを形成する。
長網ワイヤーまたはフォーミングワイヤー上に初期ウェブを形成した後、紙ウェ
ブは乾燥工程を通して長網ワイヤーまたはフォーミングワイヤーと多くの場合異
なる、エンドレスベルト形態の別の抄紙布上を運ばれる。この別の抄紙布は、通
常、乾燥ファブリックまたはベルトと呼ばれている。紙ウェブが乾燥ベルト上に
ある間、乾燥工程または脱水工程は真空脱水法、ウェブを通過させて加熱された
空気を吹く乾燥法、機械的な方法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法を
必要とする。
【0003】 現在の譲受人によって開発され、商業化された通気乾燥法では、乾燥ファブリ
ックは、いわゆる偏向部材を有しており、微視的に単一平面で、連続する、好ま
しくは、模様を付けた非ランダムの組織からなる一面を有する。この一面は互い
に分離させた不連続な複数個の偏向導管を形成している。これに代わるものでは
、偏向部材は実質的に連続する偏向導管によって互いに分離させた不連続な複数
個の突出部を有するか、または準連続(すなわち、連続および不連続組織の組み
合わせからなる)である。初期ウェブはこの偏向部材と合体する。紙製造工程中
、ウェブ内の抄紙繊維は偏向導管内に偏り、水分がウェブから偏向導管を通して
除去される。この後、ウェブは乾燥され、必要であれば、クレープ加工によって
縮小される。抄紙ベルトの偏向導管への偏りは、たとえば、初期ウェブに作用さ
せる圧力差によって生じる。圧力差を保って作用させる好ましい一つの方法は、
偏向導管を有している乾燥ファブリックを介して異なる流体圧力を初期ウェブに
作用させることである。
【0004】 通気乾燥紙ウェブは参照としてここに取り入れられる、トロクハンに付与され
た1985年7月16日発行の米国特許第4,529,480号明細書、トロク
ハンに付与された1987年1月20日発行の米国特許第4,637,859号
明細書、スマルコスキーら付与された1994年11月15日発行の米国特許第
5,364,504号明細書、トロクハンらに付与された1996年6月25日
発行の米国特許第5,259,664号明細書、ラスクらに付与された1997
年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書のいずれかに従い
製造される。
【0005】 一般に、偏向部材を製造する方法は、多孔要素の表面に液状感光性樹脂からな
る層を塗布し、その層の厚さを予め選ばれる値になるように調節し、液状感光性
樹脂の層に対してマスクを通して活性化波長の光を照射し、これにより、感光性
樹脂の選択された部分の硬化を防ぎ、または減少させる工程からなる。この後、
典型的には、感光性樹脂の未硬化部分をシャワーで洗い落として除去する。参照
としてここに取り入れられる、次の幾つかの米国特許明細書は抄紙ベルトを製造
する方法を開示する。これはジョンソンらに付与された1985年4月30日発
行の米国特許第4,514,345号明細書、トロクハンに付与された1985
年7月9日発行の米国特許第4,528,239号明細書、スマルコスキーらに
付与された1992年3月24日発行の米国特許第5,098,522号明細書
、1993年11月9日発行の米国特許第5,260,171号明細書、トロク
ハンに付与された1994年1月4日発行の米国特許第5,275,700号明
細書、ラスクらに付与された1994年7月12日発行の米国特許第5,328
,565号明細書、トロクハンらに付与された1994年8月2日発行の米国特
許第5,334,289号明細書、ラスクらに付与された1995年7月11日
発行の米国特許第5,431,786号明細書、ステルジェス ジュニアに付与
された1996年3月5日発行の米国特許第5,496,624号明細書、トロ
クハンらに付与された1996年3月19日発行の米国特許第5,500,27
7号明細書、トロクハンらに付与された1996年5月7日発行の米国特許第5
,514,523号明細書、トロクハンらに付与された1996年9月10日発
行の米国特許第5,554,467号明細書、トロクハンらに付与された199
6年10月22日発行の米国特許第5,566,724号明細書、トロクハンら
に付与された1997年4月29日発行の米国特許第5,624,790号明細
書、エヤースらに付与された1997年5月13日発行の米国特許第5,628
,876号明細書、ラスクらに付与された1997年10月21日発行の米国特
許第5,679,222号明細書、エヤースらに付与された1998年2月3日
発行の米国特許第5,714,041号明細書である。これらの特許明細書の開
示は参照としてここに取り入れられる。
【0006】 PCT国際公開WO第86/05220号公報は繊維フェルト用スクリーン上
に組織模様を形成する方法を開示する。この方法は多数のキャビティを有する組
織模様を備える金型を準備し、キャビティを満たすように金型に樹脂前駆物質を
注入し、各キャビティの上方に凸メニスカスを形成するように樹脂前駆物質を部
分的に硬化し、繊維フェルト用スクリーンをキャビティから突き出ている樹脂前
駆物質に加圧し、樹脂を硬化し、結合したフェルト用スクリーンおよび樹脂を金
型から分離することからなる。このPCT国際公開公報に開示される方法はファ
イバボードを生産するスクリーンを製造するのには適するが、繊維性ウェブを製
造する場合に使用されるエンドレス抄紙ベルトを製造するのには適さない。
【0007】 米国特許第4,111,634号明細書は作用面を有する抄紙ベルトを支持す
る手段およびプラスチック支持体に不連続なビーズを盛る手段からなる、抄紙フ
ェルトに不連続な複数個のビーズを固着する装置を開示する。この不連続なビー
ズは作用面から離れて延びており、流体が流れるチャンネルを形成するように作
業面に沿って互いに間隔を離している上端部を有する。
【0008】 感光性樹脂を硬化させる方法は抄紙ベルトを製造する有効な方法であることが
確認されているが、製造方法および製品を改良するための探索は継続して行われ
た。現在、この偏向導管は硬化用照射を必然的に必要としない、別の少なくとも
数種の方法を用いて製造できると考えられている。
【0009】 したがって、本発明の目的は、初めに、成形部材に流体樹脂からなる望ましい
模様を形成し、その後、流体樹脂を成形部材から強化構造物に転移させ、その模
様を付けた樹脂を固化する、抄紙ベルトを製造するための新規な方法を提供する
ことにある。本発明の別の目的は強化構造物と模様を付けた樹脂構成物とからな
る抄紙ベルトを製造するのに必要な樹脂量を減少させるようにした方法を提供す
ることにある。さらに、本発明の別の目的は流体樹脂からなる望ましい模様を形
成し、その後、その模様を付けた樹脂を製造される抄紙ベルトの強化構造物に転
移させる成形部材を備える装置を提供することにある。
【0010】 本発明の上記および他の目的は添付図面に関係する以下の説明を参照して考察
するならば、なお一層明瞭になる。
【0011】 発明の概要 本発明の方法および装置によって製造される抄紙ベルトは強化構造物とこの強
化構造物と結合される、模様を付けた樹脂構成物とからなる。この強化構造物は
第1の面および反対側の第2の面を有する。必ずではないが、好ましくは、強化
構造物は、たとえば、複数個の開口域を有する、製織ファブリックまたはスクリ
ーンのような、流体浸透可能な要素からなる。この強化構造物は、また、フェル
トからなる。強化構造物はそれぞれ第1の面および第2の面に一致する、上面お
よび底面を有する。樹脂構成物は実質的に連続する模様、不連続な模様、または
これらの組み合わせからなる模様(すなわち、準連続模様)を有する。
【0012】 抄紙ベルトを製造するための方法は次の工程からなる。第1の面、この第1の
面と反対側の第2の面およびその面間に形成される厚さを有する強化構造物を準
備し、流動可能な樹脂材料を準備し、この流動可能な樹脂材料を運ぶように構成
され、かつ設計される、成形ポケットを有する予め選ばれた模様を備えた成形面
を有する、少なくとも1個の成形部材を準備し、成形面をある搬送速度で連続し
て移動させ、流動可能な樹脂材料を成形面の成形ポケット内に降ろし、強化構造
物を強化構造物の少なくともある部分と成形面の少なくともある部分とが面同士
で向き合うようにして上記搬送速度で連続して搬送し、流動可能な樹脂材料を成
形面の成形ポケットから強化構造物に転移させ、流動可能な樹脂材料と強化構造
物とを共に結合させ、流動可能な樹脂材料を固化し、これにより、強化構造物と
結合した樹脂構成物を形成する。好ましくは、この樹脂材料は成形ポケットの模
様と一致する予め決められた模様で成形ポケットから強化構造物に転移させる。
好ましくは、樹脂材料を成形面に/成形面の内部に降ろす前に、離型剤を用いて
成形面を処理する工程を備える。強化構造物が成形面と面同士で向き合っている
とき、好ましくは、流動可能な樹脂材料と強化構造物とを少なくとも部分的に結
合させるのに十分な、予め決められた時間を通じて強化構造物を成形ポケット内
に降りた流動可能な樹脂材料と接触させる。成形面から強化構造物への樹脂材料
の転移は成形面と強化構造物とを互いに押し付け合うことにより加勢してもよい
【0013】 抄紙ベルトを製造するための装置は、流れ方向を有し、複数個の成形ポケット
からなる、模様を付けた成形面を有する成形部材を有する。この成形ポケットは
樹脂材料を運ぶように構成され、かつ設計されている。一実施例では、成形部材
は外周および流れ方向に対して垂直な回転縦軸を有する、回転可能な成形ロール
からなる。この成形ロールの外周は成形面を構成する。別の実施例では、成形部
材は流れ方向に連続して移動するように適応させる、エンドレス成形バンドから
なる。
【0014】 さらに、装置は流動可能な樹脂材料を成形面の成形ポケットに降ろす手段、強
化構造物の少なくともある部分と成形面の少なくともある部分とが面同士で向き
合うようにして強化構造物を流れ方向に移動させる手段および流動可能な樹脂材
料を成形ポケットから強化構造物に、好ましくは、予め選ばれた模様で転移させ
るように、成形部材を流れ方向に移動させる手段を有する。この装置は、好まし
くは、さらに、強化構造物と結合した樹脂構成物を形成するように流動可能な樹
脂材料を固化する手段を有する。
【0015】 一実施例において、成形面の成形ポケットは実質的に連続する模様を形成する
。この例では、樹脂材料が実質的に連続する模様で強化構造物に転移する。別の
実施例においては、成形ロールの成形ポケットは不連続な成形ポケットからなる
模様を形成する。この例では、樹脂材料が不連続な樹脂突起物からなる模様で強
化構造物に転移する。成形面の成形ポケットが実質的に連続する模様と不連続な
模様との組み合わせ、いわゆる、“準連続”模様を形成する実施例も予定してい
る。
【0016】 この樹脂材料は、幾つかの実施例では、樹脂材料が強化構造物に降りた後に、
強化構造物の第1の面から外方向に延びる。成形ポケットは成形面の異なる部分
全体にわたって相違する深さを有する。本発明は樹脂構成物が抄紙ベルトの平面
全体にわたって異なる厚さを有する抄紙ベルトを製造することができる。同時に
、本発明は樹脂構成物の上面および強化構造物の第1の面が実質的に同一平面に
ある、抄紙ベルトを製造することができる。
【0017】 流動可能な樹脂材料は、好ましくは、エポキシ、シリコーン、ウレタン、ポリ
スチレン、ポリオレフィン、ポリスルフィド、ナイロン、ブタジエン、フォトポ
リマーおよびこれらの材料のいずれかの組み合わせを含む群から選ばれる。好ま
しい一実施例において、流体樹脂材料は感光性樹脂からなる。流体樹脂材料は熱
硬化性または熱可塑性のような、感熱性樹脂からなってもよい。好ましくは、流
体樹脂材料は液体状態で準備する。流体樹脂材料は、初めに、成形面を流動可能
な樹脂材料と接触させ、次に、成形面が移動しているとき、成形面から余剰分の
流動可能な樹脂材料を除去する方法で成形面に/成形面の内部に降りる。
【0018】 装置は、さらに、予め決められた時間を通じて互いに強化構造物と成形面とを
押し付け、これにより、樹脂材料が成形面から強化構造物に転移するのを促進す
る手段を有してもよい。一実施例において、装置はニップを形成するように成形
面と並置される支持ロールを有する。別の実施例では、装置は成形面と並置され
る支持シートを有する。この支持シートは強化構造物の少なくともある部分と面
同士で接触して移動させるように構成され、かつ設計される。好ましくは、支持
シートには張りを与える。
【0019】 一実施例では、成形面は凹所からなる予め決められた模様を備える。この凹所
は強化構造物を受け入れるように構成され、かつ設計される。この実施例は樹脂
構成物の底面の実体部分が強化構造物の第2の面よりも高くなる抄紙ベルトを提
供する。すなわち、抄紙ベルトは強化構造物の第2の面と樹脂構成物の底面の実
体部分との間にある距離を有する。紙製造工程中、この距離は抄紙ベルトと脱水
用抄紙機器との間に漏洩を生じさせ、これにより、抄紙ベルトに置かれた抄紙ウ
ェブに流体圧が作用するとき、圧力が突然低下するのを防ぎ、“ピンホール”と
して知られた現象を軽減することが可能になる。強化構造物の第2の面と樹脂構
成物の底面との間の距離は抄紙ベルトの平面全体にわたって相違させることがで
きる。
【0020】 この装置は、さらに、たとえば、感光性樹脂からなる樹脂材料を硬化する紫外
線放射源を構成する、硬化装置のような、流動可能な樹脂材料を固化する手段を
有してもよい。任意的に、強化構造物と結合される樹脂材料の厚さを少なくとも
ある予め選ばれた値に調節する工程および手段を備えてもよい。
【0021】 発明の詳細な説明 本発明に従い製造される、代表的な抄紙ベルト90は図9、図9A、図11お
よび図11Aに図式的に示されている。ここで用いられるとき、用語“抄紙ベル
ト”または単に“ベルト”とは紙製造工程の少なくとも1つの工程中、それと接
してウェブを支持し、好ましくは、運ぶように設計される、実質的、かつ微視的
に単一の平面構造物について称する。典型的には、最新の工業的規模の工程はエ
ンドレス抄紙ベルトを利用しているが、本発明は抄紙ベルト90のー部分または
手抄き紙ウェブを製造するのに使用される固定プレート、回転ドラムなどを製造
するために使用してもよいと理解することができる。
【0022】 図9および図11に示すように、抄紙ベルト90はウェブ接触面91およびこ
のウェブ接触面91と反対側の背面92を有する。この抄紙ベルト90はベルト
90のある部分が平面形態で配置されたとき、全体としてみたウェブ接触面91
が本質的に1つの平面であるので、巨視的に単一平面という。絶対平面からのず
れは、好ましいものではないが、そのずれがある特定の紙製造工程のためにベル
ト90の性能に悪影響を及ぼすほどでない限り、許容できることを認めて“本質
的に”単一平面という。
【0023】 本発明に従い製造される抄紙ベルト90は、一般に、2つの要素、構成物50
a(好ましくは、流動可能なポリマー樹脂材料50から作られる硬化ポリマー樹
脂構成物)と強化構造物40とからなる。この強化構造物40は第1の面41お
よびこの第1の面41と反対側の第2の面42を有する。この第1の面41は、
紙製造工程中、抄紙繊維と接しており、一方、第2の面42は、典型的には、た
とえば、真空ピックアップシューおよびマルチスロット真空ボックス(いずれも
図示せず)のような抄紙機器と接している。
【0024】 強化構造物40は異なるいずれかの形態を採ることができる。これは製織要素
、不織要素、スクリーン、ネット、バンド、プレートなどを含む。好ましい一実
施例では、強化構造物40は、図9および図9Aに示すように、幅方向の複数本
の糸と流れ方向の複数本の糸とによって形成される、製織要素からなる。特に、
製織強化構造物40は参照によってここに取り入れられる、トロクハンらに付与
された1994年8月2日発行の米国特許第5,334,289号明細書に開示
されるような、多孔製織要素からなる。製織要素からなる強化構造物40は織り
合わせた糸からなる1層または数層によって形成されており、各層は実質的に互
いに平行で、面同士を向き合わせて互いに接合されている。ラスクらに付与され
た1997年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書は参照
によってここに取り入れられる。ステルジェス ジュニアらに付与された199
6年3月5日発行の米国特許第5,496,624号明細書はこれに適する強化
構造物40を示しており、参照によってここに取り入れられる。この抄紙ベルト
90は、また、たとえば、トロクハン名義で1995年2月15日に特許出願さ
れた出願番号第08/391,372号明細書(発明の名称“抄紙において使用
するための硬化可能な樹脂を基材に塗布する方法”)に説明される、フェルトか
らなる強化構造物40を用いて製造することができる。この出願は参照としてこ
こに取り入れられる。
【0025】 抄紙ベルト90の強化構造物40は樹脂構成物50aの強度を増し、好ましく
は、抄紙繊維が圧力のもとで内部に偏る、突出域を有する。本発明に従うと、こ
の強化構造物40は流体浸透不可能であってもよく、流体浸透可能であってもよ
い。ここで用いられるとき、用語“流体浸透可能”とは水または空気のような流
体が少なくとも1つの方向に強化構造物を通り抜けることができる、強化構造物
40の状態について称する。当業者が容易に理解できるように、流体浸透可能な
強化構造物からなる抄紙ベルトは、典型的には、抄紙ウェブを製造する通気乾燥
法において使用されている。流体浸透不可能な強化構造物40の例は図11およ
び図11Aに示されている。
【0026】 図9、図9A、図11および図11Aに示すように、強化構造物40は樹脂構
成物50aと結合されている。この樹脂構成物50aは固相化した樹脂材料50
からなる。すなわち、樹脂構成物50aは流体樹脂材料50の固相状態である。
この意味では、説明の前後の関係で当てる、用語“樹脂材料50および樹脂構成
物50a”は交換可能に用いられる。樹脂構成物50aは上面51およびこの上
面51と反対側の底面52を有する。紙製造工程中、樹脂構成物50aの上面5
1は抄紙繊維と接し、製造される抄紙ウェブの模様を定める。樹脂構成物50a
の底面52および強化構造物の第2の面42が同一平面に配置される、幾つかの
実施例(図7および図7A)では、構成物50aの底面52は抄紙機器と接する
。これに代わるものでは、構成物50aの底面52と強化構造物の第2に面42
との間に距離Zを形成してもよい(図8A)。
【0027】 樹脂構成物50aの他の実施例(図示せず)はトロクハンに付与された199
4年1月4日発行の米国特許第5,275,700号明細書に説明されるように
、背面側表面組織の不規則性を与える、通路からなる組織を有する底面52を構
成してもよい。この特許明細書は参照としてここに取り入れられる。この構成物
50aの2つの実施例――一方は構成物50aの底面52間に距離Zを有し、他
方は背面の不規則性を有する――は互いに接している構成物50aの底面52と
抄紙機器の表面との間に都合よく漏洩が生じる。この漏洩により抄紙ウェブに真
空圧力が突然作用するのを減少させ、というよりも全く消滅させることができ、
ピンホールとして知られた現象を軽減することが可能になる。
【0028】 本発明に従う方法の第1の工程は強化構造物40を準備することからなる。上
述したように、強化構造物40は、たとえば、製織ファブリック、フェルト、ス
クリーン、バンドなどのような、異なる多様な形態からなる基材である。強化構
造物40、特に、製織要素で構成する強化構造物のより詳しい説明は参照として
ここに取り入れられる、米国特許第5,275,700号明細書に見出すことが
できる。特定の実施例と関係なく、強化構造物40は、図4、図7、図7Aおよ
び図11に示すように、第1の面41および第2の面42を有する。成形抄紙ベ
ルト90において、第1の面41は、紙製造工程中、抄紙繊維と向き合い(幾つ
かの実施例では、接触し)、一方、第1の面41と反対側の第2の面42は抄紙
機器と向き合って(典型的には、接触して)いる。ここで用いられるとき、この
強化構造物40の第1の面41および第2の面42は抄紙ベルト90への強化構
造物40の組み込み(すなわち、組み込み前、組み込み中、組み込み後)と関係
なく、一貫してそれぞれの名称で呼ぶ。強化構造物の第1の面41および第2の
面42はここで“h”(図9)として示す強化構造物の厚さを形成する。本発明
の好ましい連続工程では、強化構造物40は幾つかの図において“MD”として
示す流れ方向に連続して移動する。ここで用語“流れ方向”の使用は抄紙機器を
通じてこの用語が抄紙ウェブの流れ方向と平行である方向を呼ぶ場合の慣習的な
用語の使用に倣って一貫している。ここで用いられるとき、“流れ方向”は本発
明方法において、強化構造物40の流れ方向と平行な方向である。
【0029】 本発明方法の次の工程は流動可能な樹脂材料50を準備することからなる。こ
こで用いられるとき、用語“流動可能な樹脂材料”とは上述したような構成物5
0aを形成するために一定の条件下および/またはある一定の時間を通じて望ま
しい形態を有する構造に十分に成形される、流体、または液体状態を達成し、か
つ維持し、その後、固相化し、好ましくは、硬化することのできる、多様な種類
のポリマー樹脂およびプラスチックについて称する。本発明の流動可能な樹脂材
料50は次の群から選ばれた材料からなる。エポキシ、シリコーン、ウレタン、
ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルフィド、ナイロン、ブタジェン、フォ
トポリマーおよびこれらの材料の組み合わせ。これに適するシリコーンからなる
液状樹脂材料50の例は、これに限られないが、“スムーズ−シリ900”、
“スムーズ−シリ905”、 “スムーズ−シリ910” および“スムーズ−シ
リ950”を含む。これに適するポリウレタンからなる液状樹脂材料の例は、こ
れに限られないが、“CP−103 スーパソフト”、“フォーミュラ54−2
90 ソフト”、“PMC−121/20”、“PL−25”、“PMC−12
1/30”、“ブラッシ−オン 35”、“PMC−121/40”、“PL−
40”、“PMC−724”、“PMC−744”、“PMC−121/50”
、“ブラッシ−オン 50”、“64−2 クリアフレックス”、“PMC−7
26”、“PMC−746”、“A60”、“PMC−770”、“PMC−7
80”、“PMC−790”を含む。上記の模範的材料のすべてはスムーズ−オ
ン社(Smooth−on Inc.,ペンシルベニア州、イーストン、ジョン
ストリート)から入手可能である。液状樹脂材料50の他の例は、たとえば、
いずれもスムーズ−オン社から入手可能な2成分液状プラスチック“スムーズ−
キャスト300”および液状ラバー成分“クリア フレックス50”のような、
多成分材料を含む。
【0030】 また、感光性樹脂も樹脂材料50として使用することができる。この感光性樹
脂は放射線のもとで、典型的には、紫外線(UV)の照射で硬化または架橋する
ポリマーである。液状感光性樹脂に関するさらに多くの情報を含む文献はグリー
ンらの“光架橋樹脂システム”、マクロサイエンス ジャーナル、マクロケミカ
ル C21(2)187−273頁(1981−82)、ベイヤーの“紫外線硬
化技術のレビュー”タッピ(Tappi)紙合成技術会議会報、1987年9月
25−27日、167−172頁およびシュミッドルの“紫外線硬化可能なフレ
キシブルコーティング”、コーテッド ファブリック ジャーナル、8、10−
20頁、(1987年7月)を含む。上記3件の文献はすべて参照としてここに
取り入れられる。特に、好ましい液状感光性樹脂はハーキュリーズ社(Herc
ules Inc.,デラウェア州、ウィルミントン)によって製造される、メ
リグラフシリーズ樹脂に含まれる。最も好ましい樹脂はメリグラフ樹脂EPD1
616である。
【0031】 本発明の樹脂材料50を構成する、感熱性樹脂の例は、これに限られないが、
次の群を含む。熱可塑性エラストマ ハイトレル(登録商標)(ハイトレル40
56、ハイトレル7246およびハイトレル8238)ならびにナイロン ザイ
テレ(登録商標)(ザイテレ101L、ザイテレ132F)。この材料はデュポ
ン社(Dupont Inc.,デラウェア州、ウィルミントン)から入手可能
である。
【0032】 好ましくは、流動可能な樹脂材料50は液状で準備する。しかしながら、本発
明は固形状態で準備する、流動可能な樹脂材料50を使用することも予定してい
る。後者の例では、樹脂材料50を流動化する、追加の工程を必要とする。流動
可能な樹脂材料50は、好ましくは、樹脂材料50を流動状態に保つために(た
とえば、温度のような)固有の条件を与える、材料源55に供給する。ここで用
いられるとき、用語“流体”とは樹脂材料50が流動可能あり、しかも、ある3
次元模様に倣って樹脂材料50が実質的に順応するように3次元的に模様を付け
た面に降りることができる、条件、状態または相について称する。樹脂材料50
として、仮に、熱可塑性または熱硬化性樹脂が使用されるとすれば、典型的には
、流体状態の樹脂を維持するために樹脂材料の融点よりも僅かに高い温度が望ま
しい。この樹脂材料は材料が全体的に流体状態であるならば、その“融点”に等
しいか、またはそれよりも高くするように考慮する。これに適する材料源55は
本出願の幾つかの図面に図式的に示される、断面V字状の容器である。この容器
は閉じた底部、閉じた側壁および外側側壁を備える。容器の内側に向く側壁は開
口しており、以下に説明されるように、内部に降りた流動可能な樹脂材料50が
成形部材20と自由に接触し、通じさせることができる。仮に、樹脂材料が熱可
塑性樹脂からなるとすれば、液状樹脂材料50が早くから固化するのを防ぐため
に、好ましくは、材料源55および成形面21を加熱する。
【0033】 本発明方法の次の工程は成形部材20を準備することからなる。ここで用いら
れるとき、“成形部材”20とは流体樹脂材料50を受け入れ、その後、樹脂材
料50を予め決められた模様で強化構造物に転移させるように設計される構造物
である。好ましい連続工程では、成形部材20はそれぞれ異なる多様な実施例か
らなる。図1、図4ないし図8および図10に示す実施例では、成形部材20は
成形ロール20aからなるのに対して、図12に示す実施例では、成形部材20
は成形バンド20bからなる。このような実施例と関係なく、成形部材20はそ
れの面に3次元模様を有し、流動可能な樹脂材料50が実質的にその3次元模様
に順応するために樹脂材料50を受け入れるように構成され、かつ設計される成
形面21を備える。好ましくは、この成形面21は、図4、図7、図7B、図8
および図10に示すように、その内面に成形ポケット22からなる予め選ばれた
模様を備える。ここで用いられるとき、“成形面”21は成形部材20のすべて
の露出面を呼ぶ総称語であり、成形ポケット22(図4、図7、図8、図10)
の内面のみならず、成形バンド20b(図12)の(最も高い)外表面のような
、固有の面、または成形ロール20aの(より大きい直径に一致する)外周21
a(図4、図8、図10)を含む。この成形面21は流体樹脂材料50が降りる
面のことである。本発明の好ましい連続工程においては成形部材20はある搬送
速度で連続して移動させ、これにより、樹脂材料50を運ぶことができる。当業
者は回転成形ロール20a(20a´)からなる実施例(図1ないし図8および
図10)では、搬送速度が成形面21の外周上の1点で計測した表面速度である
ことを容易に理解することができる。図1、図4ないし図7および図8では、成
形ロール20a(20a´)の回転方向が矢印“A”によって示されている。成
形バンド20bからなる実施例(図12)では、搬送速度は支持ロール25、2
6間で計測した成形バンド20bの速度である。
【0034】 ここで用いられるとき、“成形ポケット”22は液状樹脂材料50を材料源5
5から強化構造物40に降ろすように設計される成形面21のくぼみ、またはキ
ャビティからなる模様について称する。この成形ポケット22は、図7に示すよ
うに、成形面21に実質的に連続する模様を構成する。この例では、樹脂材料5
0は実質的に連続する模様で強化構造物40に転移する。ここで用いられるとき
、この模様は絶対平面からの小さなずれが本発明方法ならびに最終製品――抄紙
ベルト90の望ましい性能および品質に悪影響を及ぼさない限り、許容できるこ
とを表わして“実質的に”連続するという。図2Aおよび図9Aは実質的に連続
する樹脂構成物50aを有し、成形ポケット22からなる連続する模様を用いて
製造される、異なる抄紙ベルト90の2つの模範的な実施例を示している。
【0035】 これに代わるものでは、成形ポケット22は不連続なくぼみ、またはキャビテ
ィからなる模様を構成してもよい。後者の例では、樹脂材料50は成形ポケット
22から不連続な複数個の突起物からなる模様で強化構造物40に転移する。第
1の面41から外方向に延びる不連続な複数個の突起物からなる樹脂構成物50
aを有する、模範的な抄紙ベルト90は図10、図11および図11Aに図式的
に示されている。また、本発明については実質的に連続する成形ポケット22と
不連続な成形ポケット22との組み合わせからなる模様(図示せず)も予定して
いる。
【0036】 本発明においては強化構造物40の第1の面41に対して角度を付けた構成物
50aを予定している。ここで用いられるとき、用語“角度を付けた”構成物5
0aとは――横断面でみたときに――強化構造物40の第1の面41と――連続
する構成物50aの例では――不連続偏向導管、あるいは――不連続な複数個の
突起物からなる構成物50aの例では――不連続突起物のいずれかの縦軸との間
に鋭角が形成されている、構成物50aについて称する。これらの実施例はラリ
ー エル フューストン名義で1997年5月19日に特許出願された出願番号
第08/858,661号および出願番号第08/858,662号明細書(両
出願の発明の名称“セルロース性ウェブ、角度を付けた横断面構造を有する抄紙
ベルトを使用してセルロース性ウェブを製造する方法および装置、その抄紙ベル
トを製造する方法”)に開示されている。この出願の開示は参照としてここに取
り入れられる。
【0037】 成形ポケット22は符号“D”によって示される、少なくともある深さを有す
る。この深さDは、一般に、成形ポケット22から強化構造物40にかけて降り
る樹脂材料50の厚さを規定する。ここで用いられるとき、用語成形ポケットの
“深さ”とは成形部材20の内部にある幾何学的に明瞭なくぼみの程度を表わす
。一例として、図10および図10Aは不連続な複数個の成形ポケット22を有
する、成形ロール22aからなる成形部材20の一部を示している。成形面21
の固有部21aとは成形ポケット22によっては影響を受けないロールの外周部
分、典型的には、ロールの大きい直径と一致するロールの外周部分のことである
。図10および図10Aにおいて、固有部21aは不連続な成形ポケット22を
取り囲む外周の連続した部分である。図10および図10Aは、また、図10A
に最もよく示されるように、各々成形ポケット22がひし形形状を有する、(相
対的に大きい)第1のくぼみ22aおよび円形形状を有する、(相対的に小さい
)第2のくぼみ22bからなる幾何学的に明瞭な2つのくぼみを備えるものを示
している。この第1のくぼみ22aは第1の深さD1を有し、第2のくぼみ22
bは第1のくぼみD1よりも大きい第2の深さD2を有し、したがって、成形ポ
ケット22は、図10に示すように、2つの深さD1、D2を有する。上記の例
は図示の目的だけを意図し、限定の意図がないと理解しなければならない。本発
明においては、相違する深さを有する成形ポケット22の形はその置換物を含め
て多くのものを実質的に制限されずに使用することができる。図10および図1
0Aは幾何学的に対称な成形ポケット22を示しているが、もし、望まれるので
あれば、(横断面同様に、平面において)幾何学的に非対称な形態(図示せず)
を使用することも可能であると理解することができる。成形ポケット22の“角
度を付けた”形態は、先に説明したように、樹脂構成物50aに“角度を付けた
”模様を形成するために使用することができる。さらに、特定の深さDと幾何学
的に明瞭な形態との関係が明らかでない、というよりも確実に見分けることが不
可能である、成形ポケット22からなる実施例もあり得る。本発明方法は対応し
て成形される成形面21を準備することにより樹脂構成物50aからなるいずれ
かの望ましい形状を有利に形成することができる。
【0038】 本発明の次の工程は流動可能な樹脂材料50を成形面21の成形ポケット22
に降ろすことからなる。一般的に、好ましい連続工程では、本工程は、初めに、
成形面21を流動可能な樹脂材料50と接触させ、次に、成形面21が移動して
いるときに余剰分の樹脂材料50を成形面21から除去することからなる。好ま
しくは、余剰の樹脂は樹脂材料50の材料源55に戻し、これにより、無駄に消
費される樹脂材料50を減少させ、というよりも消滅させる。本発明の装置10
では、本工程を達成するためにこの技術分野で知られた適当ないずれかの降下手
段を使用することができる。ここで用いられるとき、用語“降下手段”とは必要
とされる1回分の分量につき、流動可能な樹脂材料50を樹脂塊から分けて成形
面21に転移させる、いずれかの手段について称する。用語“降下”は、たとえ
ば、(上述した容器55内に準備される)樹脂塊形態からの流動可能な樹脂材料
50の転移について称し、流動可能な樹脂材料50が成形ポケット22を実質的
に均一な方法で満たすように、流動可能な樹脂材料50を成形面21および/ま
たは成形ポケット22内に1回分分配する。成形面21からの余剰の樹脂材料5
0を除去するのは成形面21から余剰分の樹脂材料を拭き取りおよび/または削
り取る方法によって達成してもよい。
【0039】 次の2つの工程は、強化構造物40の少なくともある部分と成形面21の少な
くともある部分とが面同士で向き合うようにして強化構造物40をある搬送速度
で連続して搬送し、さらに流動可能な樹脂材料50を予め選ばれた模様で成形面
21の成形ポケット22から強化構造物40に転移させることからなる。好まし
くは、成形面21と向き合う強化構造物40の部分は予め決められた時間を通じ
て成形面21と接触させる。成形部材20が成形ロール20aからなる実施例で
は、成形面を強化構造物40と接触させる予め決められた時間は搬送速度、成形
ロール20aの直径ならびに図1および図4ないし図6に示される、巻き角λに
よって規定する。図4を参照すると、ここで用いられるとき、用語“巻き角”は
2つの仮想半径、すなわち、成形ロール20aの縦軸(または回転中心)Fと強
化構造物40が初めに成形面21と接触する点f1とを結ぶ半径r1と、成形ロ
ール20aの縦軸(または回転中心)Fと強化構造物40が最後に成形面21と
接触する点f2とを結ぶ半径r2との間に形成される角度λを規定する。点f1
と点f2との間の円周上の部分は合計接触区域K、すなわち、接触面21と強化
構造物40との接触域を定める。成形部材20が成形バンド20aからなる実施
例では、合計接触区域Kは第1の(円周)接触区域K1と第2の(平面)接触区
域K2とからなる。この合計接触区域Kは、好ましくは、本工程の固化セグメン
ト、すなわち、樹脂材料50が強化構造物40と十分に結合し、成形面21から
離れた後もその形状を保持するように固化する、1個のセグメントを構成する。
この樹脂材料50は固化セグメントの内部では完全に固化させないようにすべき
であり、樹脂材料50が獲得した形状を十分に保持できる限り、成形ポケット2
2と係わり合いながら、固化セグメントを通過した後も、幾分かの流動性を保持
するようにする。
【0040】 本発明に従うと、樹脂材料50は成形面21に降りる前には十分に流体状態を
維持する。好ましくは、樹脂材料50は成形ポケット22内を十分に均一に満た
すように流体でなければならない。幾つかの実施例では、樹脂材料50の固化は
樹脂材料が成形ポケット22内を満たした後に、正確に始まる。図4において、
角度αは樹脂材料50が成形面21に降りた後、強化構造物40と成形面21と
が面同士で向き合う前(点f1に到達する前)の成形面21の未固化セグメント
を図式的に示している。当業者は指定された樹脂材料50の場合、点f1に到達
する前の樹脂材料50の望ましい粘度レベルは成形面21の搬送速度、強化構造
物40および成形面21の相対的な幾何学的形状、合計接触区域Kの長さならび
に装置10の他の工程およびパラメータに関する条件を含む、数項目のファクタ
によって定まると理解することができる。好ましくは、樹脂材料50の粘度、特
に、樹脂材料50が点f1に到達するときの角度αによって規定する、成形面2
1の未固化セグメントの粘度は容器55内にある樹脂材料の粘度よりも大きくす
る。
【0041】 本発明に従うと、樹脂材料50が成形ポケット22内に降りる際に、初めに、
成形ポケット22の内面と直接接触した状態の樹脂材料50の表面が固化し、一
方、成形ポケット22内に降りた樹脂材料50の残りの部分が未だ流体状態のま
ま保たれるように、樹脂材料50を固化させる実施例も予定している。この後、
少なくとも、部分的に固化した樹脂材料50の表面は未だ流体のままである、残
りの部分の殻として機能する。本実施例は、たとえば、製織強化構造物40のよ
うな、空隙を有する、強化構造物40を用いる工程において特に益する。強化構
造物40が樹脂材料50と接触したとき、強化構造物40と樹脂材料50とが互
いに押し合うように、圧力を作用させ、強化構造物40に降りる樹脂材料50の
形を歪めることなく、第1の面41を形成している強化構造物40の糸を通過し
てその内部に樹脂材料50を“押し込む”方法を使用してもよい。
【0042】 成形面21が強化構造物40と向き合っている(好ましくは、接触している)
時間は、好ましくは、成形ポケット22から強化構造物40に転移する樹脂材料
50のために十分でなければならない。より好ましくは、この時間は成形面21
の模様と一致する予め選ばれた模様で強化構造物40に、少なくとも部分的に結
合させるのに十分でなければならない。本発明に従い成形ポケット22から強化
構造物40にかけて樹脂材料50を首尾よく転移させる多様な手段を単独もしく
は組み合わせて使用することができる。
【0043】 好ましくは、成形ポケット22の表面エネルギは強化構造物40の表面エネル
ギよりも小さくする。成形ポケット22と強化構造物40との間で表面エネルギ
に差を生じさせる、幾つかの方法がある。成形面21を構成する材料は本来的に
比較的小さい表面エネルギを有するか、または表面エネルギを小さくするように
処理する。これに代わるものでは、または追加して、成形面21は樹脂材料50
を成形ポケット22に降ろす工程の前に、離型剤60を用いて処理することがで
きる。この離型剤60の例は、これに限られないが、スムーズ−オン社から入手
可能な“イーズ リリース”(登録商標)、“パーマリリース”(登録商標)、
“アクアリース”(登録商標)および“アクチリース”(登録商標)を含む。離
型剤60の源65は幾つかの図面でV字形容器として図式的に示しているが、離
型剤60は成形面21にブラシ塗布、スプレー吹き付けまたはワイパ塗布で処理
してもよいと理解することができる。これらの例では、離形剤源65はブラシ、
ノズルまたはこれに適するこの分野で知られたいずれかの器具からなる。たとえ
ば、図4はノズルを備える離形剤源65を示している。幾つかの用途では、2種
類ないしそれ以上の離形剤60による層を形成する必要がある。成形面21が微
小孔を有する、幾つかの実施例では、成形面21への離型剤60の浸透を促し、
これにより、樹脂材料50が成形面21に降りる前に微小孔を封じるように離形
剤60または/および成形面21を加熱することが望ましい。
【0044】 樹脂材料50を少なくとも部分的に強化構造物40に結合させる、別の方法は
樹脂材料50と強化構造物40との間に十分な結合を生じさせるように、合計接
触区域K内で強化構造物40を成形面21に押し付ける圧力差を生じさせること
を含む。必然的ではないとしても、典型的には、強化構造物40は、単に、(た
とえば、製織強化構造物40における個々の糸のような)構成要素をからませて
いる(これらの糸を“からみ合わせ”、これにより、少なくとも何本かの糸を部
分的に包み込む)だけで、樹脂材料50が強化構造物40と“くっつき”にくい
傾向がある。圧力を作用させることにより強化構造物40の構成要素間に流体ま
たは部分的に固化した樹脂材料50を浸透させることができる。たとえば、図5
はその間にニップ23を形成するように成形ロール20aと並置される支持ロー
ル30を示している。強化構造物40はこのニップ23を通って移動し、好まし
くは、支持ロール30によって成形ロール20aの成形面21に押される。好ま
しくは、支持ロール30はニップ23地点の強化構造物40の搬送速度と実質的
に等しい表面速度で回転する。この実施例は参照によってここに取り入れられる
、米国特許第5,275,700号明細書に説明されるような、変形可能な、好
ましくは、一定の体積の材料からなる成形面21を有する、成形ロール20aと
共に有利に使用することができる。変形可能な、好ましくは、一定の体積の成形
面21は強化構造物40を圧力のもとで成形面21に押すことができるので、強
化構造物40と樹脂材料50とを効果的に接触させることができ、これにより、
樹脂材料50と強化構造物40との結合を強めることが可能になる。
【0045】 これに代わるものでは、支持ロール30の外周は変形可能な、一定の体積の材
料からなる層(図示せず)を構成してもよい。支持ロール30の外面が樹脂材料
で汚染されるのを防ぐために、図5に示すように、保護膜70を備えることがで
きる。この保護膜70は、また、変形可能な、好ましくは、一定の体積の材料か
らなる。これに代わるものでは、保護膜70は矢印“C”で示す方向に回転する
、支持ロール30および支持ロール70a、70bにより形成した搬送形態に容
易に順応する、可撓性の滑らかな平面材料からなる。この保護膜70は参照によ
ってここに取り入れられる、米国特許第5,275,700号明細書に詳細に説
明されている。
【0046】 図6および図12において、強化構造物40は張力のもとで支持シート77に
よって成形面21に押し付けられている。図6の実施例では、支持シート77は
周方向に成形ロール20aの一部と重なり合う。図12の実施例では、支持シー
ト77は実質的に平面状であり、第2の接触区域K2の範囲内で進む。(図6お
よび図12の)双方の実施例において、支持シート77は支持ロール77a、7
7b、77cによって支持され、矢印“C”で示す方向に進む。これらの実施例
では、追加して支持シート77を支持し、および/または強化構造物40を成形
面21に追加して押すために支持ロール77aと支持ロール77bとの間に1個
ないしそれ以上の追加支持ロール(図示せず)を備えることができる。
【0047】 図7および図8は2個(図7)および3個(図8)の支持ロールからなる、他
の模範的な実施例を示している。1個よりも多い数の支持ロールからなるこうし
た実施例では、強化構造物40に作用させる圧力は支持ロール間で相違させても
よい。たとえば、図7において、第1の支持ロール30aは強化構造物40に対
して第1のニップ23aで第1の圧力P1を加え、第2の支持ロール30bは第
2のニップ23bで第2の圧力P2を加える。もし、望まれるのであれば、第2
の圧力P2は第1の圧力P1より大きくしてもよく、その反対にしてもよい。こ
れと類似して、図8では、支持ロール30a、30b、30cは強化構造物40
にそれぞれ対応するニップ23a、23b、23cで異なる圧力を加える。
【0048】 図7ないし図8Bは強化構造物40を成形面21の凹所内に置いた装置10の
模範的な2つの実施例を示している。図7ないし図8Bの実施例に示す成形面2
1は強化構造物40を受け入れるための凹所24からなる予め決められた模様を
有する。図7ないし図7Bの実施例では、強化構造物40は強化構造物40の厚
さhよりも小さい、好ましくは、それと等しい深さを有する、成形面21の凹所
24内に全体的に置いている。図8ないし図8Bの実施例では、強化構造物40
は強化構造物40の厚さhよりも深さが小さい凹所24内に部分的に置いている
。流動可能な樹脂材料50を受け入れる成形ポケット22の模様は強化構造物4
0を受け入れる凹所24の模様と重なり合っている。図7ないし図8Bにおいて
、成形面21の強化構造物40を支持する部分は符号21Rとして示しており、
成形面21の樹脂材料50を支持する部分は符号21Sとして示している。好ま
しくは、強化構造物40を凹所24と重ねる工程は主に図7ないし図8Bに示す
実施例で実行する。
【0049】 図7ないし図7Bに示す方法の実施例は“零過負担”を有する、抄紙ベルト9
0をつくる新規で、有効な方法を提供する。ここで用いられるとき、用語“過負
担”とは強化構造物40に対する樹脂構成物50aの高さの程度について称する
。特に、過負担は、図9に示すように、樹脂構成物50aの上面41と強化構造
物40の第1の面41との間の距離からなる。ここで、過負担は“OB”として
示し、強化構造物40の厚さは“h”として示し、抄紙ベルト90の全厚は“H
”として示している。樹脂構成物50aが強化構造物40から外方向に延びると
き、抄紙ベルトは過負担を有するという。この用語“零過負担”は樹脂構成物5
0aのウェブ接触面51と強化構造物40の第1の面41とが同一平面に位置す
ることを表わす。図7ないし図7Bの実施例では、凹所24が成形ポケット22
と同じ深さを有するので、表面部分21S、21Rは成形ロール20aの大きい
外周21aに対して(または回転縦軸に対して)一様に位置する。したがって、
強化構造物40が凹所24と重なり合ったとき、樹脂材料50が成形ポケット2
2内に降り、樹脂材料50は表面部分21Rを超えて延びることができず、それ
ゆえ、図7Aに示すように、製造される抄紙ベルト90の強化構造物40の第1
の面41を超えて延びることができない。
【0050】 図8ないし図8Bは本発明により与えられる別の利点を示している。図8ない
し図8Bの実施例では、強化構造物40を凹所24内に部分的に置いているので
、抄紙ベルト90が形成されたとき、強化構造物40の第2の面42と樹脂構成
物50aの背面との間に距離“Z”が保たれる。通気乾燥抄紙ベルトでは、この
距離により(たとえば、真空ボックスまたはピックアップシューのような)抄紙
機器と接している抄紙ベルトの背面とその機器のベルト接触面との間に漏洩を生
じさせることができる。この漏洩は抄紙ベルト90に置いた紙ウェブに真空圧力
が突然作用するのを軽減し、それゆえ、いわゆる、ピンホールと呼ばれる現象を
減少させ、あるいは全く消滅させることができる。当業者は用語“ピンホール”
が紙ウェブに真空圧力が突然作用し、ウェブから一定量の繊維が分離する結果、
脱水しているウェブにピンサイズの孔、すなわち、“ピンホール”が生成するこ
とを称すると理解する。この繊維のうち、何本かは抄紙ベルトを完全に通り抜け
、これにより、ピンホールに加えて、真空脱水機器類に抄紙繊維による詰まりを
引き起こす。参照としてここに取り入れられる、幾つかの米国特許はピンホール
を軽減し、または消滅させる多様な方法を開示する。これらの特許の例はトロク
ハン名義の1998年7月7日発行の米国特許第5,776,311号明細書、
トロクハンら名義の1998年4月28日発行の米国特許第5,774,007
号明細書、トロクハンら名義の1998年4月21日発行の米国特許第5,74
1,402号明細書、トロクハンら名義の1998年2月17日発行の米国特許
第5,718,806号明細書およびラスクら名義の1997年10月21日発
行の米国特許第5,679,222号明細書である。本発明は望まないピンホー
ルを軽減するための別の効果的な手段を提供する。
【0051】 当業者は成形面21から強化構造物40に転移させる樹脂材料50の模様が成
形面21の模様を反映するものであると理解する。それゆえ、成形面21が図7
Bおよび図8Bに示すような、成形ポケット22の実質的に連続する模様からな
る場合、樹脂材料50は実質的に連続する模様で強化構造物40に転移する。一
方、成形面21が図10Aに示すような、不連続な複数個の成形ポケット22か
らなる場合、樹脂材料50は図11Aに示す複数個の樹脂突起物からなる模様で
強化構造物40に転移する。
【0052】 本発明方法の次の工程は強化構造物40と結合した樹脂材料50を固化するこ
とからなる。ここで用いられるとき、用語“固化”およびその派生語は流体を固
体に、または部分的に固体状態に変える方法について称する。典型的には、固化
は液相から固相への変化を伴う。用語“硬化”とは架橋が生じる、固化について
称する。感光性樹脂は、たとえば、すべてが参照によってここに取り入れられる
、米国特許第5,334,289号明細書、第5,275,700号明細書、第
5,364,504号明細書、第5,098,522号明細書、第5,674,
663号明細書および第5,629,052号明細書に記述されるような、紫外
線照射によって硬化することができる。熱可塑性および熱硬化性樹脂は固化のた
めに一定の温度を必要とする。好ましくは、固化工程は樹脂材料50を硬化する
ことからなる。
【0053】 幾つかの実施例において、樹脂材料50の固化工程は流体樹脂材料が成形面2
1に降りた直後に素早く始める。好ましくは、固化は強化構造物40と成形面2
1とが面同士で向き合っている(図4の模範的な実施例に合計接触区域Kとして
、図12の模範的な実施例に合計接触区域K1、K2として図式的に示される)
間を通じて続ける。樹脂材料50を固化する工程は材料の性質に依存する。熱可
塑性および熱硬化性樹脂を使用する場合、固化は強化構造物40に転移させる樹
脂材料50を冷却することからなる。フォトポリマーは参照によってここに取り
入れられる、先に引用した米国特許第4,514,345号明細書および第5,
275,700号明細書に説明される、硬化工程によって硬化させる。この多成
分樹脂またはプラスチックからなる樹脂材料50はある予め決められた時間中に
共に混合されたことによって自然に固化する。
【0054】 例として、図6および図12は強化構造物40の第2の面42と並置される硬
化装置79を図式的に示している。当業者は樹脂材料50の性質および材料の固
化方法により硬化装置79は、図4に図式的に示すように、たとえば、樹脂構成
物50aと並置される、他の位置に設置してもよいと理解することができる。硬
化装置79の例は、これに限られないが、架橋反応率またはポリマーを縮合する
縮合率を増大するためのヒータ、熱可塑性樹脂を固化するクーラー、赤外線硬化
照射、マイクロ波硬化照射または紫外線硬化照射を与える多様な装置およびその
類似物を含む。次の特許出願は感光性樹脂からなる樹脂材料50を固化するため
に使用される硬化装置79の幾つかの実施例を示すために参照としてここに取り
入れられる。これはトロクハン名義で1997年2月13日に特許出願された出
願番号第08/799,852号明細書(発明の名称“感光性樹脂を硬化する平
行放射線を発生するための装置”)ならびにトロクハンら名義で1997年2月
13日に特許出願された出願番号第08/858,334号明細書(発明の名称
“感光性樹脂を硬化する制御された放射線を発生するための装置”)および19
97年10月24日に出願された上記出願の継続出願番号第08/958,54
0号明細書である。
【0055】 任意的に、本発明では、抄紙ベルト90の全厚H(図9)を調節する工程を備
えてもよい。この全厚Hは、上述したように、過負担OBを調節することにより
予め決められた値に調節する。全厚Hは、また、強化構造物40の凹所24の深
さ(図8A)を調節することにより調節してもよい。全厚Hを調節する別の方法
は樹脂材料50が成形面21から強化構造物40に転移し、樹脂構成物が少なく
とも部分的に形成された後に、樹脂材料50の厚さを変化させることからなる。
たとえば、樹脂材料50の厚さはこの技術分野で知られた機械的手段によって調
節することができる。図1および図5は間隙88を形成する、互いに並置される
2個のロールからなる全厚調節装置80を図式的に示している。この全厚調節装
置80のロール間の間隙88を調節することで装置は製造する抄紙ベルトの全厚
を調節することができる。樹脂構成物50aを成形面21と強化構造物40との
間に形成した後に、部分的にのみ固化させる実施例では、部分的に形成した抄紙
ベルトの全厚はその部分的に形成した抄紙ベルトを間隙88を通して移動させる
ことにより少しだけ調節する。これに代わるものでは、または追加して、全厚調
節装置は回転式サンドペーパロール、平削りナイフ、レーザまたはこの技術分野
で知られ、抄紙ベルト90の全厚を調節するのに適する、他のいずれかの手段で
構成してもよい。
【0056】 本発明の方法および装置は抄紙ベルト90を製造中に必要とされる流動可能な
樹脂量を大きく減少させることができ、それゆえ、経済的な利益をもたらすこと
が可能になる。感光性樹脂および硬化用放射線を用いて抄紙ベルトを製造する従
来技術の方法では、感光性樹脂からなる層を強化構造物に塗布し、樹脂層を選ば
れた部分だけ硬化させ、この後、樹脂層の未硬化部分を除去する(典型的には、
洗浄で落とす)必要がある。洗浄で落とす樹脂量は樹脂層を形成する全量に対し
て約25%から75%に達する。本発明においては、樹脂構成物50aのために
必要とされる樹脂材料50は厳密に全量が成形部材20の成形ポケット22の予
め決められた模様に形成される。成形部材20の(固有の)面21aに降りる余
剰分の樹脂材料50はこの技術分野で知られたいずれかの手段によって容易に樹
脂材料50の材料源55に再循環させることができ、これにより、無駄に消費さ
れる樹脂材料50を全く消滅させることが可能になる。さらに、本発明の方法お
よび装置は樹脂構成物50aからなる数多くの3次元模様を実質的に制限されず
に形成することができる。
【0057】 本発明方法は2つまたはそれ以上の工程を持つことができる。図1は2つの工
程を図式的に示している。第1の工程では、樹脂材料50を第1の成形部材20
aの第1の成形面21aに降ろし、この後、(図2および図2Aに示す)第1の
樹脂構成物50aを形成するために強化構造物40に転移させる。任意的に、製
造している抄紙ベルトの全厚は全厚調節装置80によって調節することができる
。第2の工程においては、樹脂材料50´を第2の成形部材20a´の第2の成
形面21´に降ろし、この後、(図3および図3Aに示す)第2の樹脂構成物5
0a´を形成するために樹脂構成物50aのウェブ接触面51に転移させる。こ
の工程は、望まれるとき、繰り返し行ってもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (71)出願人 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA Fターム(参考) 4F204 AD16 AG16 EA04 EB02 EB11 EF05 EF27 EF36 4F213 AA03 AA12 AA13 AA29 AA33 AA34 AA39 AA42 AD16 AF01 AG16 AH81 WA02 WA32 WA53 WA54 WA87 WB02 WC03 WF01 WF05 WF27 4L055 AJ05 CE36 FA16

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化構造物と該強化構造物と結合される樹脂構成物とからな
    る抄紙ベルトを製造するための方法であって、 (a) 第1の面、この第1の面と反対側の第2の面およびその面間に形成さ
    れる厚さを有する強化構造物を準備し、 (b) 流動可能な樹脂材料を準備し、 (c) 前記流動可能な樹脂材料を運ぶように成形ポケットからなる予め選ば
    れた模様を備えた成形面を有する少なくとも1個の成形部材を準備し、 (d) 前記成形面をある搬送速度で連続して移動させ、 (e) 前記流動可能な樹脂材料を前記成形面の該成形ポケット内に降ろし、
    この場合、前記工程(e)は、好ましくは、前記成形面を前記流動可能な樹脂材
    料と接触させ、前記成形面が移動しているとき、余剰分の前記流動可能な樹脂材
    料を前記成形面から除去し、 (f) 前記強化構造物を該強化構造物の少なくともある部分と前記成形面の
    少なくともある部分とが面同士で向き合うようにして上記搬送速度で連続して搬
    送し、好ましくは、前記流動可能な樹脂材料と前記強化構造物とを少なくとも部
    分的に結合させるのに十分な、予め決められた時間を通じて前記強化構造物を前
    記成形ポケット内に降りた前記流動可能な樹脂材料と接触させ、 (g) 前記流動可能な樹脂材料を前記成形面の該成形ポケットから前記強化
    構造物に、好ましくは、予め選ばれた模様で転移させ、 (h) 前記流動可能な樹脂材料と前記強化構造物とを共に結合させ、 (i) 前記流動可能な樹脂材料を固化し、これにより、前記強化構造物と結
    合した前記樹脂構成物を形成し、それによって前記抄紙ベルトを形成する、 工程を含む抄紙ベルト製造するための方法。
  2. 【請求項2】 さらに、移動する前記強化構造物を受け入れるためのニップ
    を形成するように前記成形面と並置される、少なくとも1個の支持ロールを準備
    し、前記支持ロールを前記ニップ地点で前記強化構造物の前記搬送表面速度と等
    しい表面速度で回転する工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記強化構造物と結合した前記樹脂材料の厚さを少
    なくとも1つの予め選ばれた値に調節する工程を含む請求項1および2のいずれ
    か1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(g)において、前記樹脂材料を連続する模様、不
    連続な複数個の突起物からなる模様、またはこれらの模様のいずれかの組み合わ
    せからなる模様で前記強化構造物に転移させるようにした請求項1、2および3
    のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(a)において、前記強化構造物が流体浸透可能な
    要素、好ましくは、複数個の開口域を有する製織ファブリックまたはスクリーン
    からなる請求項1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(a)において、前記強化構造物がフェルトからな
    る請求項1、2、3、4および5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(b)において、前記流動可能な樹脂材料がエポキ
    シ、シリコーン、ウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルフィド、
    ナイロン、ブタジエン、フォトポリマーおよびこれらの材料のいずれかの組み合
    わせを含む群から選ばれる材料からなる請求項1、2、3、4、5および6のい
    ずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 強化構造物と、この強化構造物に結合された樹脂構成物とか
    らなる抄紙ベルトを製造するための装置であって、 前記装置は流れ方向を有し、 流動可能な樹脂材料を運ぶように設計され、複数個の成形ポケットからなる、
    模様を付けた成形面を有する成形部材と、 前記流動可能な樹脂材料を前記成形面の該成形ポケットに降ろす手段と、 前記強化構造物の少なくともある部分と前記成形面の少なくともある部分とが
    面同士で向き合うようにして前記強化構造物を移動させる手段と、 前記流動可能な樹脂材料を前記成形ポケットから前記強化構造物に転移させる
    ように前記成形部材を移動させる手段と、 を備える抄紙ベルトを製造するための装置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記強化構造物と結合される前記樹脂構成物を形成
    するように前記流動可能な樹脂材料を固化する手段を備える請求項8に記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 前記成形面の該成形ポケットが実質的に連続する模様、不
    連続な成形ポケットからなる模様、またはこれらの模様のいずれかの組み合わせ
    を形成する請求項8および9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記成形ポケットの少なくとも幾つかが相違する深さを有
    する請求項8、9および10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 【請求項12】 さらに、予め決められた時間を通じて前記強化構造物と前
    記成形面とを互いに押し付ける手段を備え、好ましくは、さらに、ニップを形成
    するように前記成形面と並置される、少なくとも1個の支持ロールを備える請求
    項8、9、10および11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 【請求項13】 さらに、前記成形面と並置され、前記強化構造物の少なく
    ともある部分と面同士で向き合って移動させるように構成され、かつ設計される
    支持シートを備える請求項8、9、10、11および12のいずれか1項に記載
    の装置。
  14. 【請求項14】 さらに、製造される前記抄紙ベルトの全厚を調節するよう
    に設計される全厚調節装置を備える請求項8、9、10、11、12および13
    のいずれか1項に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記成形面が、さらに、前記強化構造物を受け入れる凹所
    からなる予め決められた模様を備える請求項8、9、10、11、12、13お
    よび14のいずれか1項に記載の装置。
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