JP2002514489A - 掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フレーム（１）の両端部に回転可能に支承されていて、一方の端部でブラシローラ内に設けた駆動凹部（１０）内に突入係合する歯（９）を有する歯車（５）によって駆動される、回転駆動されるブラシローラ（２）を有する機械式掃除機であって、歯車が前記端部においてブラシローラのベアリング（１３）を形成している。ベアリングの構造を簡単にするために、ブラシローラ（２）は歯車（５）に向かってばねの作用に抗して軸方向に移動可能とされ、ブラシローラ（２）のベアリング（１３）が歯車の反対側の端部で係合解除され、歯車の歯（９）が所定の量の遊びをもって駆動凹部内（１０）に係合され、このように軸方向に移動したブラシローラ（２）が歯車とは反対側の端部でベアリング（１３）の範囲から少なくともブラシローラ（２）の半径に相当する距離だけ外側に揺動できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、回転駆動可能なブラシローラを有する掃除機であって、このブラシ
ローラが両端部でフレームに回転可能に支承されていて、一方の端部で歯でブラ
シローラ内に設けた駆動凹部内に突入係合する歯車によって駆動され、この歯車
が当該端部でブラシローラのベアリングを形成している掃除機に関する。

【０００２】 このような掃除機でブラシローラを交換できるようにするために、少なくとも
一方の端部でベアリングを次のように形成しなければならない。すなわち、ベア
リングを軸方向に移動させ、次いでブラシローラの端面範囲から取り出して、ブ
ラシローラを軸方向で他方のベアリングから取り外せる。これはベアリングの比
較的複雑な構造を必要とする。なぜならば、ベアリングは少なくともブラシロー
ラの一方の端部で取り外せるように形成されていなければならないからである。

【０００３】 本発明の課題は、上記の種類の掃除機を改良して、ベアリングを単純化できる
ようにすることである。

【０００４】 上記の課題を解決するために冒頭に記載した種類の掃除機は、ブラシローラが
ばねの作用に抗して軸方向に歯車に向かって所定の大きさだけ移動可能で、しか
もブラシローラのベアリングが歯車とは反対側の端部で係合から外れるようにな
っており、さらに歯車の歯が所定の量の遊びをもって駆動凹部内に突入係合して
、しかもこのようにして軸方向に移動したブラシローラが歯車とは反対側の端部
でベアリングの範囲から少なくともブラシローラ半径だけ外側に揺動できるよう
になっている

【０００５】 このように構成することにより、ブラシローラを軸方向でばねに向かって移動
させることによって、ブラシローラと、歯車とは反対側の端部との間のベアリン
グを外すことが可能となる。次いで、ブラシローラを一方の端部でベアリング軸
線に向かって所定の大きさだけ外側に揺動させることができ、しかもブラシロー
ラは軸方向にこのベアリングの傍らを通過できる。こうすることによってベアリ
ングそれ自体を取り外せるように形成する必要がなくなる。ここで重要なのは、
ブラシローラのそのような揺動が問題なく可能である程度に多くの遊びをもって
歯車がブラシローラ内に突入係合しており、さらにこの揺動した位置でブラシロ
ーラを歯車から抜き取れることである。驚くべきことに、歯車とブラシローラと
の間にこのような遊びがあるにもかかわらず、運転状態では歯車がその端面で駆
動開口部の凹部に当接し、それによってブラシローラの不都合のない支承を生じ
させることが分かった。

【０００６】 ばねが、ブラシローラの内部に配置されていて、一方ではブラシローラに支持
され、他方では歯車に支持される圧縮ばねであると好都合である。これにより、
ばねはブラシローラの内部に保護されて受容され、そのように構成することによ
りベアリングの構造はさらに単純化できる。

【０００７】 好適な実施形態において、駆動凹部が、ブラシローラの端面側が開いた中央の
受容室の内で壁内軸方向に延びている端面側の開いた溝であり、当該受容室が歯
車を受容し、場合によってはばねも受容するようになっている。

【０００８】 溝の幅が少なくとも開いた端面側に接続している区分で連続的に減少している
と特に有利である。端面側の端部で溝の幅がより大きいことにより、ブラシロー
ラを装着し、かつ溝内に歯を導入することが容易になる。

【０００９】 幅が減少している区分に、幅が一定の区分が接続していることが好ましい。

【００１０】 さらに、歯車の歯の幅がブラシローラに向かって減少していると好都合である
。これも歯を溝内に導入することを容易にする。

【００１１】 一方では溝の幅が減少し、他方では歯の幅が減少していることにより、歯車が
溝の側面に当接した際にブラシローラに軸方向力が負荷され、この軸方向力がブ
ラシローラを、ばねの作用の方向でブラシローラのベアリングに対して歯車とは
反対側の端部で緊定する。その結果として、支承安定性が高まり、同時にばねの
力を減らすことができる。なぜならば、安定した支承に必要な押付け力の一部は
、歯車が溝の側面に当接することによって生じる軸方向の力成分によって形成さ
れるからである。ばね力が弱く形成されていると、ブラシローラはより少ないば
ね力に抗して移動させればよいので、ブラシローラの交換が簡単になる。

【００１２】 この場合に考慮すべきは、運転時に歯車からブラシローラに及ぼされる軸方向
力が、ブラシローラの回転数に応じてかなり大きくなり得ることである。この回
転数は、たとえば１０００ｒｐｍのオーダーにある可能性もある。

【００１３】 特に好ましい実施形態では、溝の長手方向軸線に対して、幅が減少している区
分における溝の側面の傾きと、歯車の歯の側面の傾きとが等しくなるようにされ
ている。この構成により、運転時に歯車の側面が溝の側面に面状に当接でき、さ
らに溝の長手方向軸線に対して接触面が傾いていることにより、ブラシローラに
対して相対的に歯車の不都合のないセンタリングが生じる。

【００１４】 さらに、溝の側面が溝の底面に対して傾けられていて、しかも溝が底面からブ
ラシローラの受容室に向かって幅広くなっている。

【００１５】 歯の側面も歯の外周面に対して傾けられていて、しかも歯が外周面から回転軸
線に向かって幅広くなっている。

【００１６】 この場合、溝の側面の傾きと、歯の側面の傾きとがほぼ等しいと特別有利であ
る。特に溝の側面の傾きと歯の側面の傾きとがわずかに異なっていて、しかも歯
車が側面で接触すると両側面が平行になるようにすることができる。歯車の歯は
遊びをもって溝内に突入係合するので、接触を形成するためには歯車をブラシロ
ーラに対して中央位置からわずかに外方回動させなければならず、その際にもち
ろん歯の側面の向きも相応に変化する。歯が溝の側面に当接する際に、線状接触
ではなく面状接触が生じるのを確保するために、歯と溝との側面は歯車のこのわ
ずかな回転角に応じて互いに反対方向に傾いて、つまり正確に平行でなく延びる
ように形成される。歯が溝内の中央位置にある場合、したがって溝の両側面に対
して遊びがある場合は、溝と歯との側面は互いに反対方向に非常にわずかに傾い
ており、歯が対応する溝の側面に当たると全面的な当接が生じ、そして両側面は
平行に延びる。

【００１７】 その結果として、運転時には歯車に対するブラシローラのセンタリングが生じ
、さらにブラシローラは上述した仕方で軸方向で対応するジャーナル軸受に対し
て緊定される。特にこの接触面の二重の傾きにより、すなわち溝の長手方向軸線
に対しては歯の挿入方向で溝内に傾き、また溝の長手方向中心面に対しては溝の
拡大方向で中心受容室に向かって傾いていることにより、ブラシローラの正確に
センタリングされた支承と、運転時における遊びのないトルク伝達とが可能にな
る。しかも、歯車と溝それ自体は遊びをもって互いに係合しているので、ブラシ
ローラの側方揺動と、揺動位置におけるブラシローラの抜取りが可能となる。

【００１８】 以下に、本発明の好ましい実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図面に示された掃除機はフレーム１を有しており、フレーム１には円柱状のブ
ラシローラ２がフレーム１から下方に進出して、その長手方向軸線を中心に回転
可能に支承されている。掃除機は図面に示されていないロール上で移動可能であ
り、しかもブラシローラ２がその剛毛３で清掃されるべき床面に当たっていて、
これらの剛毛が掃除機の移動時に固有の回転運動によって床面を処理する。

【００１９】 フレーム１には、一方ではフレーム固定のジャーナル軸受４に歯車５が支承さ
れている。歯車５はジャーナル軸受４から軸方向で内方に向かってフレーム１内
に突入していて、適当な駆動装置、たとえば当該歯車と一緒に回転するように結
合されたベルトプーリ６を介して駆動される。ベルトプーリ６それ自体は駆動ベ
ルト７により回転させることができる。

【００２０】 歯車５はブラシローラ２の円柱状の中央受容室８内に突入している。この場合
、歯車５の歯９は受容室８の内壁に設けた軸平行の溝１０内に突入係合する。受
容室８内にはさらにコイルばね１１が存在する。コイルばね１１は、一方ではブ
ラシローラ２の受容室８の底面１２に支持され、他方では歯車５に支持されてい
て、しかもブラシローラ２はその長手方向軸線に対して平行に歯車５から離れる
方向に移動できるようになっている。

【００２１】 ジャーナル軸受４と向き合う端部では、フレーム１に、ジャーナル１４を有す
る別のジャーナル軸受１３が配置されている。ジャーナル１４は端面側でブラシ
ローラ２に保持されている中央軸受輪１６の中央開口部１５内に、図示の実施例
では玉軸受輪内に進入している。

【００２２】 ジャーナル軸受１３それ自体は、揺動レバー１７の自由端に保持されており、
揺動レバー１７はジャーナル１４に対して平行に延びる揺動軸線１８を中心にし
てフレーム１に支承されている。そうすることによって、ブラシローラ２はフレ
ーム１の当該側で、図２に示されているように多かれ少なかれフレーム１から外
側に揺動可能である。これは特にブラシローラ２が底面の凹凸に適合できるよう
に働くが、以下に説明するように、ブラシローラ２の交換を容易にするのにも役
立つ。

【００２３】 歯車５の歯９は、ブラシローラ２に向かってその幅が連続的に減少する。さら
に、歯９の幅はその外側に位置している外周面１９から歯車５の回転軸線に向か
って増加する。そうすることによって、歯９の平坦な側面２０に対する二重の傾
きが生じる（図４〜図６）。

【００２４】 溝１０の幅は、ブラシローラ２の端面に接続している区分２１で、ブラシロー
ラ２に向かって連続的に減少しているが、これに接続している区分２２では一定
のままである（図６）。溝１０の側面２３は、溝の長手方向中心面に対して外方
に傾いているので、溝１０の幅は溝１０の底面２４から受容室８に向かって増大
している。そうすることによって、溝１０の区分２１内で側面２３の二重の傾き
が生じる。

【００２５】 これらの傾きは、区分２１における溝の側面２３と、歯車５の歯９の側面２０
とが互いに平行に延びるように形成されているが、歯９が遊びをもって溝１０内
に突入係合するように歯９の幅と溝１０の幅とが互いに調整されている。したが
って、これらの歯は溝１０よりも著しく狭い。

【００２６】 図面には示されていない仕方で、歯車５の歯９が溝１０の中心にある場合、し
たがって両側面２３に対して遊びを有している場合は、側面２３と側面２０とが
正確に平行ではないように、側面２３と側面２０との傾きが選択されている。こ
の位置では上記の側面２３および２０は互いに反対方向にわずかに、歯車の回転
角にほぼ相応する角度だけ、歯９の側面２０が溝１０の側面２３に当接するまで
傾けられている。この場合、わずかな角度だけ回転するにすぎず、それに応じて
側面もわずかな角度だけ傾いている。しかしこの効果により、側面２０が側面２
３と接触すると、これらの側面は正確に平行になり、互いに面状に当接する。

【００２７】 通常の運転では、歯車５が回転するとすぐに歯９の側面２０が溝１０の側面２
３に当接する。この当接は、溝の片側で行われ、その結果としてブラシローラ２
は側面２０および２３の傾きにより歯車５に対して相対的にセンタリングされる
。これにより、歯９は溝１０内に遊びをもって突入係合しているにもかかわらず
、ブラシローラ２の不都合のない支承が得られ、摩擦接続によってトルクが伝達
される。

【００２８】 この回転結合は、ジャーナル軸受１３が揺動レバー１７の揺動によってその位
置を変えても等しく維持される。歯９と溝１０との間の遊びにより、ブラシロー
ラがわずかに揺動しただけでも、トルクを問題なく伝達できる。

【００２９】 ブラシローラ２を交換するために、ブラシローラ２をコイルばね１１の力に抗
して軸方向で歯車５に向かって移動させて、ジャーナル軸受１３のジャーナル１
４が軸受輪１６の開口部１５から進出するようにする。この位置で、ブラシロー
ラ２はそのジャーナル軸受１３に隣接する端部でフレーム１から下方、外側に揺
動でき、しかもブラシローラ２が軸方向でジャーナル軸受１３の傍らを通って歯
車５から抜き出ることができる。このように比較的大きい角度で揺動することが
問題なく可能であるのは、歯車５の歯９が遊びをもって溝１０内に突入係合して
おり、この揺動した位置においてもブラシローラ２は歯車５に対して軸方向で自
由に移動できるからである。

【００３０】 新しいブラシローラ２を装着すると、歯車５の歯９は非常に簡単に溝１０内に
導入できる。なぜならば、溝１０は入口端部に向かって拡大しており、逆に歯９
はブラシローラ２に向かって細くなっているからである。次いでブラシローラ２
をコイルばね１１の作用に抗して歯車５上に押し被せ、しかも軸受輪１０をジャ
ーナル１４の傍らを通してそこで位置調整できるようにする。この位置でブラシ
ローラ２を放すと、ブラシローラ２はコイルばね１１の作用でジャーナル１４に
向かって移動して、再び開口部１５内に進入係合し、それによってブラシローラ
２を支承する。この支承は全運転中、コイルばね１１の作用によって維持される
。

【００３１】 これによりブラシローラ２を工具なしで迅速に交換することが極めて簡単にで
きる。この場合、ジャーナル軸受４および１３はフレーム１においてそれらの通
常の位置にとどまることができるので、全体として軸受構造の著しい単純化が見
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 片側が係合された歯車を介して駆動される、両側で支承されたブラシローラを
有している掃除機の分解平面図である。

【図２】 運転状態に対して図１の矢印Ａ方向に１８０°回転させた掃除機の側面図であ
る。

【図３】 図２の線３−３に沿って断面した図である。

【図４】 駆動開口部から抜き出された歯車を有する図１〜図３のブラシローラの端部範
囲の拡大した縦断面図である。

【図５】 図４の線５−５に沿って断面した図である。

【図６】 図５の線６−６に沿って断面した図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年３月１１日（２０００．３．１１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動可能なブラシローラ（２）を有する掃除機であって
   、このブラシローラ（２）が両端部でフレーム（１）内に回転可能に支承されて
   いて、一方の端部で歯（９）でブラシローラ内に設けた駆動凹部（１０）内に突
   入係合する歯車（５）によって駆動され、この歯車（５）が当該端部でブラシロ
   ーラ（２）のベアリング（１３）を形成している掃除機において、 ブラシローラ（２）がばね（１１）の作用に抗して軸方向に歯車（５）に向か
   って所定の距離だけ移動可能で、しかもブラシローラ（２）のベアリング（１３
   ）が歯車（５）とは反対側の端部で係合から外れるようになっており、さらに歯
   車（５）の歯（９）が所定の量の遊びをもって駆動凹部（１０）内に突入係合し
   て、しかもこのようにして軸方向に移動したブラシローラ（２）がその歯車（５
   ）とは反対側の端部でベアリング（１３）の範囲から少なくともブラシローラ半
   径だけ外側に揺動できるようになっていることを特徴とする掃除機。
2. 【請求項２】 ばね（１１）がブラシローラ（２）の内部に配置されていて
   、一方ではブラシローラ（２）に支持され、他方では歯車（５）に支持される圧
   縮ばねであることを特徴とする請求項１記載の掃除機。
3. 【請求項３】 駆動凹部が、ブラシローラ（２）の端面側が開いた中央の受
   容室（８）の内壁内で軸方向に延びている端面側の開いた溝（１０）であり、こ
   の受容室（８）が歯車（５）を受容し、場合によってはばね（１１）も受容する
   ことを特徴とする請求項１または２記載の掃除機。
4. 【請求項４】 溝（１０）の幅が、少なくとも開いた端面側に接続している
   区分（２１）で連続的に減少していることを特徴とする、請求項３記載の掃除機
   。
5. 【請求項５】 幅が減少している区分（２１）に、幅が一定の区分（２２）
   が接続していることを特徴とする、請求項４記載の掃除機。
6. 【請求項６】 歯車（５）の歯（９）の幅がブラシローラ（２）に向かって
   減少していることを特徴とする請求項５または６記載の掃除機。
7. 【請求項７】 溝（１０）の長手方向軸線に対して、幅が減少している区分
   （２１）における溝（１０）の側面（２３）の傾きと、歯車（５）の歯（９）の
   側面（２０）の傾きとが等しいことを特徴とする請求項６記載の掃除機。
8. 【請求項８】 溝（１０）の側面（２３）が溝（１０）の底面（２４）に対
   して傾けられていて、しかも溝（１０）が底面（２４）からブラシローラ（２）
   の受容室（８）に向かって幅広くなっていることを特徴とする請求項１から７の
   いずれか１項記載の掃除機。
9. 【請求項９】 歯（９）の側面（２０）が歯（９）の外周面（１９）に対し
   て傾けられていて、しかも歯（９）が外周面（１９）から回転軸線に向かって幅
   広くなっていることを特徴とする、請求項８記載の掃除機。
10. 【請求項１０】 溝（１０）の側面（２３）の傾きと、歯（９）の側面（２
    ０）の傾きとがほぼ等しいことを特徴とする請求項９記載の掃除機。
11. 【請求項１１】 歯（９）の側面（２０）と溝（１０）の側面（２３）とが
    互いに反対方向にわずかに傾けられていて、しかも側面（２３）と側面（２０）
    とが互いに接触すると歯（９）の側面（２０）が溝（１０）の側面（２３）に対
    して正確に平行に延びるようになっていることを特徴とする請求項１０記載の掃
    除機。