JP2002514410A - ヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ、その調製と使用 - Google Patents

ヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ、その調製と使用

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JP2002514410A JP2000548439A JP2000548439A JP2002514410A JP 2002514410 A JP2002514410 A JP 2002514410A JP 2000548439 A JP2000548439 A JP 2000548439A JP 2000548439 A JP2000548439 A JP 2000548439A JP 2002514410 A JP2002514410 A JP 2002514410A
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ヒュルス,クリストフ
ガレルト,カルル−クリスティアン
ケルナー,クリストフ
ヴァール,エルマー
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アヴェンティス・リサーチ・ウント・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、配列番号11に示されるようなアミノ酸配列を有するヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ(DAN)をコードする核酸またはその機能する変異体、および少なくとも8ヌクレオチドを有するその一部分に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ(human deadenylat
ing nuclease:DAN)、そのコード核酸(coding nuc
leic acid)、並びにその調製および使用に関する。
【0002】 mRNAの細胞内濃度は、その産生速度と共に、その分解速度により、調節さ
れているようである。これに関連し、mRNAは無作為なヌクレオチド鎖切断事
象(nucleolytic event)によってではなく、むしろ特異的な
機構および既定のRNAに特異的な分解速度により、分解されるようである。現
在、ポリ(A)テールが特定の役割を果たす、2つの異なる分解経路が知られて
いる。大腸菌(E. coli)において、ポリ(A)テールは、mRNAまた
はRNアーゼ(RNase)Eにより生成されるmRNA断片に付加されている
。ポリ(A)テールは、比較的定まった構造がない(unstructured
)単位として機能するようであり、該単位は他のタンパク質に加え、ポリヌクレ
オチドホスホリラーゼである進行性3’−エキソヌクレアーゼ、およびエキソヌ
クレアーゼがmRNA中の阻害性二次構造(inhibitory secon
dary structures)を包囲するのを補助するRNA依存ATPア
ーゼ(ATPase)を含む複合体の付着の原因である。葉緑体においても同様
の機構が作用するようである。
【0003】 真核生物において、ポリ(A)テールの外側からのヌクレオチド鎖切断による
(exonucleolytic)一部切除(truncation)は同様に
すべてではないが多くのmRNAの分解を開始する。細菌での過程と対照的に、
ポリ(A)分解エキソヌクレアーゼは、分解を実行するに際して、3’−UTR
およびコード配列内に進行しないようである。その代わり、ポリ(A)テールを
分解した後、真核エキソヌクレアーゼは停止するようである。S.セレビシエ(
S. cerevisiae)において、mRNA分解の第二の段階は、特定の
ピロホスファターゼによる5’キャップ構造の除去を伴う。しかし、CAPは、
ポリ(A)テールがおよそ10−15ヌクレオチドに短くなった後、初めて除去
される。CAP構造の除去により、mRNAは5’−エキソヌクレアーゼの影響
を受けやすくなる。5’−エキソヌクレアーゼの最も重要な例は、XRN1遺伝
子によりコードされる。
【0004】 哺乳動物細胞における、最初の脱アデニル化過程を観察するのは比較的容易で
あるが、さらなる段階の研究は、続く分解過程が迅速であり、そして解析可能な
中間体が存在しないことにより、より困難となっている。しかし、間接的な証拠
により、CAP構造は、第二の段階において除去されると示唆される。XRN1
遺伝子の相同体が、マウスで記載されてきている。一般的に、安定したmRNA
は、緩やかに脱アデニル化され、そして不安定なmRNAは迅速に脱アデニル化
される。迅速な分解は、3’−UTRまたはコード配列における特定の脱安定化
配列(destabilizing sequences)の存在に依存する。
さらに、これらの配列における突然変異は、mRNAを安定化するだけでなく、
脱アデニル化を緩慢にすることにもつながる。対照的に、α−グロブリンmRN
Aにおける安定化要素の不活性化は不安定性および脱アデニル化の加速につなが
る。これらのデータは、mRNAの分解が脱アデニル化速度により調節されてい
ることを明らかに示唆する。
【0005】 特定のmRNAの脱アデニル化はまた、翻訳の不活性化につながる可能性があ
る。これは、翻訳の開始のためには、ポリ(A)テールが重要であることにより
説明することができる。翻訳を制御するための機構としての脱アデニル化は、多
くの動物種における卵母細胞の成熟および初期胚形成に重要な役割を果たす。例
えば、ショウジョウバエ(Drosophila)において、胚の極性はいわゆ
るハンチバック(hunchback)mRNAの脱アデニル化により制御され
ている。
【0006】 脊椎動物において、卵母細胞成熟および初期胚発生において、概ね、3つの脱
アデニル化反応を区別することができる: 1.未成熟卵母細胞において、ほとんどのmRNAは、短いポリ(A)テールを
持つ、翻訳的に不活性な型で貯蔵される。この例はマウスにおけるtPA(組織
プラスミノーゲンアクチベーター)のmRNAである。このmRNAはまず、通
常のポリアデニル化反応において、長いポリ(A)テールを与えられ、このテー
ルはその後、脱アデニル化により一部切除され、オリゴ(A)テールになる。こ
の一部切除(truncation)は、3’−UTRにおける配列により制御
される。 2.卵母細胞の成熟中、脱アデニル化は、元来長いポリ(A)テールを有し、そ
して初期卵発生(early egg development)において活性
であった特定のmRNAを不活性化するのに用いられる。この脱アデニル化は、
mRNAの特定の配列に依存しない。能動的なアデニル化プロセスにより保護さ
れない限り、すべてのmRNAが脱アデニル化される。 3.初期胚発生中、同様に3’−UTRに特定の配列を必要とする、特異的反応
において、特定のmRNAが脱アデニル化される。
【0007】 3つの脱アデニル化反応は、すべて細胞質で起こる。しかし、体細胞での状況
と対照的に、卵母細胞においては、オリゴアデニル化または脱アデニル化された
mRNAは安定なままであり、そして再びアデニル化されるか、または続く発生
段階(development stages)において分解されるだけである
【0008】 これらの反応の原因である酵素は、これまでに明白に同定されていない。ポリ
(A)の分解は、直接または間接的にポリ(A)結合タンパク質(PAB1)に
依存することが酵母において示されている。PAB1依存ポリ(A)ヌクレアー
ゼ(PAN)が精製されている(Sachs, A.B. & Deardor
ff(1992) Cell, 70, 961; Lowell, J.E.
ら(1992) Genes Dev., 6, 2088)が、関係する遺伝
子(PAN2およびPAN3)の突然変異体においては、脱アデニル化の重要で
ない欠陥(defects)を同定することが可能であるに過ぎなかった(Bo
eck, R.ら(1996) 271(1), 432; Brown, C
.ら(1996) 16(10) 5744)。
【0009】 Korner, Ch.G. & Wahle, E.(1997) J.
Biol. Chem., 272, 10448, 第16号は、ウシ胸腺由
来の、分子量74 kDaを有し、そしてまた脱アデニル化ヌクレアーゼ(DA
N)とも称されてきているMg2+依存性ポリ(A)特異的3’−エキソリボヌク
レアーゼを記載している。記載されているウシ胸腺DANは、限定された反応条
件下で、細胞質ポリ(A)結合タンパク質I(PAB I)により刺激され(K
orner, Chr. & Wahle, E.(1997)、上記を参照さ
れたい)、そして優先的にポリ(A)を基質とする。
【0010】 本発明の目的は、ヒトポリ(A)特異的3’−エキソリボヌクレアーゼを利用
可能にすることであった。 驚くべきことに、本発明によればヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ(ヒトDAN
)をコードするが、詳細に性質決定されてきておらず、そして末端が配列決定さ
れているのみのクローンが、今般、遺伝子ライブラリーに見出された。
【0011】 本発明は、したがって、配列番号11に示される通りのアミノ酸配列を有する
ヒトDANをコードする核酸、またはその機能する変異体(functiona
l variant)、および少なくとも8ヌクレオチドを有するその一部分、
好ましくは少なくとも15または20ヌクレオチドを有するその一部分、特に少
なくとも100ヌクレオチドをを有するその一部分、更には少なくとも300ヌ
クレオチドを有するその一部分(以下、これらを「本発明の核酸」と称する)に
関する。
【0012】 完全な核酸(complete nucleic acid)は639アミノ
酸および73.5 kDaの分子量を有するタンパク質をコードする。大腸菌に
おけるこの核酸の発現は、Korner, Ch.G. & Wahle, E
.(1997、上記を参照されたい)に記載されたDANによって示されたもの
と同様の酵素活性を示すタンパク質を生じた。本発明にしたがって行われた他の
実験により、該核酸がヒトDANをコードする核酸であることが確認された。本
発明の核酸は、1998年3月25日に、DSMZ−Deutche Samm
lung von Mikroorganismen und Zellkul
turen(ドイツ微生物および細胞培養コレクション)GmbH, Masc
heroder Weg 1b, 38124 Brunswickに、寄託番
号DSM 12075下に寄託された。
【0013】 好ましい態様において、本発明の核酸はDNAまたはRNA、好ましくは二本
鎖DNA、そして特に配列番号12の58位から1977位までに示される通り
の核酸配列を有するDNAである。2つの位置は、本発明によれば、コード領域
(coding region)の始めおよび終わりを決定する。
【0014】 本発明によれば、「機能する変異体(functional variant
)」という用語は、ヒトDANコード核酸(human DAN−encodi
ng nucleic acid)に機能の上で関連し、そして特にヒト起源で
ある核酸を意味すると理解される。関連する核酸の例は、種々のヒト細胞または
組織由来の核酸、あるいは対立遺伝子変異体(allelic variant
s)である。本発明は同様に、種々のヒト個体に由来する可能性がある核酸の変
異体も含む。
【0015】 より広い意味で、「変異体(variants)」という用語は、本発明によ
れば、およそ60%、好ましくはおよそ75%、特に好ましくはおよそ90%、
そして非常に好ましくはおよそ95%の相同性(homology)、特に配列
同一性(sequence identity)を示す核酸を意味すると理解さ
れる。
【0016】 本発明において、核酸の部分は、例えば、他の機能する変異体を同定するため
のプローブとして、またはアンチセンス核酸として、個々のエピトープを調製す
るために用いることができる。例えば、少なくともおよそ8ヌクレオチドからな
る核酸は、アンチセンス核酸として使用するのに適しており、少なくともおよそ
15ヌクレオチドからなる核酸は、PCR法におけるプライマーとして使用する
のに適しており、少なくともおよそ20ヌクレオチドからなる核酸は、さらなる
変異体を同定するのに適しており、そして少なくともおよそ100ヌクレオチド
からなる核酸は、プローブとして使用するのに適している。
【0017】 別の好ましい態様において、本発明の核酸は、1つまたはそれ以上の非コード
配列および/またはポリ(A)配列を含む。非コード配列は、ヒトDANコード
化遺伝子の制御された発現のための、例えば、イントロン配列または制御配列、
例えばプロモーターまたはエンハンサー配列である。
【0018】 別の態様において、本発明の核酸は、したがって、ベクター、好ましくは発現
ベクターまたは遺伝子治療に有効であるベクターに含まれる。 発現ベクターは、例えば、原核または真核発現ベクターであってもよい。大腸
菌における発現のための原核発現ベクターの例は、発現されたタンパク質が、N
2+−NTAカラムを用いて、好都合に精製されることを可能にする、N末端M
et−Ala−His6タグをコードする、T7発現ベクターpGM10(Ma
rtin、1996)である。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae)における発現に適した真核発現ベクターの
例は、ベクターp426Met25およびp426GAL1(Mumbergら
(1994) Nucl. Acids Res., 22, 5767)であ
り、一方、昆虫細胞における発現に適したベクターの例は、EP−B1−012
7839またはEP−B1−0549721に開示されているようなバキュロウ
イルスベクターであり、そして哺乳動物細胞における発現に適したベクターの例
は、SV40ベクターである。これらのベクターは、一般的に入手可能である。
【0019】 一般的に、発現ベクターはまた、宿主細胞に適した制御配列、例えば大腸菌に
おける発現のためのtrpプロモーター(例えば、EP−B1−0154133
を参照されたい)、酵母における発現のためのADH−2プロモーター(Rus
selら(1983), J. Biol. Chem. 258, 2674
)、昆虫細胞における発現のためのバキュロウイルス・ポリヘドリン(poly
hedrin)プロモーター(例えばEP−B1−0127839を参照された
い)あるいは初期SV40プロモーターまたは例えばMMTV(マウス乳腺腫瘍
ウイルス; Leeら(1981) Nature, 214, 228)由来
のLTRプロモーターをも含む。
【0020】 遺伝子治療に有効なベクターの例はウイルスベクター、好ましくはアデノウイ
ルスベクター、特に複製不全アデノウイルスベクター(replication
−deficient adenovirus vectors)またはアデノ
関連ウイルスベクター、例えば2つの挿入末端反復(ITR)配列のみからなる
アデノ関連ウイルスベクターである。
【0021】 適切なアデノウイルスベクターの例は、McGrory, W.J.ら(19
98) Virol. 163, 614; Gluzman, Y.ら(19
82) “Eukaryotic Viral Vectors”(Gluzm
an, Y.監修)中, 187, Cold Spring Harbor
Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー; Chrobocz
ek, J.ら(1992) Virol. 186, 280; Karls
son, S.ら(1986) EMBO J., 5, 2377またはWO
95/00655に記載されている。
【0022】 適切なアデノ関連ウイルスベクターは、例えば、Muzyczka, N.(
1992) Curr. Top. Microbiol. Immunol.
158, 97; WO 95/23867; Samulski, R.J
.(1989) J. Virol. 63, 3822; WO 95/23
867; Chiorini, J.A.ら(1995) Human Gen
e Therapy 6, 1531またはKotin, R.M.(1994
) Human Gene Therapy 5, 793に記載されている。
【0023】 遺伝子治療に有効なベクターはまた、本発明の核酸をリポソームで複合体化す
ることによっても得ることが可能である。Felgner, P.L.ら(19
87) Proc. Natl. Acad. Sci, USA 84, 7
413; Behr, J.P.ら(1989) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 86, 6982; Felgner, J.H
.ら(1994) J. Biol. Chem. 269, 2550または
Gao, X. & Huang, L.(1991) Biochim. B
iophys. Acta 1189, 195に記載されるような脂質混合物
は、この目的に適している。リポソームを調製する際、陽性純電荷が残り、そし
てDNAが完全にリポソームに複合体化されるような比で、リポソームの表面に
DNAをイオン的に結合させる。
【0024】 本発明の核酸は、例えば化学的に、例えばホスホトリエステル法(例えば、U
hlman, E. & Peyman, A.(1990) Chemica
l Reviews, 90, 543, 第4号を参照されたい)により、配
列番号12に開示される配列に基づき、または配列番号11に開示されるペプチ
ド配列に基づき、そして遺伝暗号を利用することにより、合成することができる
。本発明の核酸を得る別の可能性は、適切なプローブ(例えばSambrook
, J.ら(1989) Molecular Cloning. A lab
oratory manual.第二版,ニューヨーク州コールドスプリングハ
ーバー)を使用し、適切な遺伝子ライブラリー、例えばヒト遺伝子ライブラリー
から、該核酸を単離することである。適切なプローブの例は、およそ100ない
し1000ヌクレオチドの長さ、好ましくはおよそ200ないし500ヌクレオ
チドの長さ、特におよそ300ないし400ヌクレオチドの長さであり、そして
配列番号12に示される核酸配列から誘導することができる、一本鎖DNA断片
である。
【0025】 本発明はさらにまた、配列番号11に示される通りのアミノ酸配列を有するポ
リペプチド自体、またはその機能する変異体、および少なくとも6アミノ酸を有
するその一部分、好ましくは少なくとも12アミノ酸を有するその一部分、特に
少なくとも65アミノ酸を有するその一部分、そして更には638アミノ酸を有
するその一部分にも関する(以下、これらを「本発明のポリペプチド」と称する
)。例えば、長さおよそ6−12アミノ酸、好ましくは長さおよそ8アミノ酸の
ポリペプチドは、キャリアーと結合した後、特異的なポリクローナルまたはモノ
クローナル抗体を調製するのに用いられるエピトープを含むことができる(この
点に関しては、例えばUS 5,656,435を参照されたい)。長さが少な
くともおよそ65アミノ酸であるポリペプチドはまた、キャリアーなしに、ポリ
クローナルまたはモノクローナル抗体を調製するのに直接用いることができる。
【0026】 本発明の意味内で、「機能する変異体」という用語は、本発明のペプチドに機
能の上で関連する、すなわちポリ(A)特異的3’−エキソリボヌクレアーゼ活
性を示し、そして好ましくは2つの異なる反応条件下で活性があるポリペプチド
を意味すると理解される。第一の反応条件において、活性は、塩が存在しない場
合、スペルミジン(spermidene)の存在に完全に依存する。対照的に
、スペルミジンが存在しない場合、該酵素の活性は塩濃度に依存する。さらに、
PAB1が存在する場合、限定された反応条件下で、ポリ(A)テールの段階的
な分解を観察することが可能である(やはりKorner, Chr.G. &
Wahle, E.(1997)、上記を参照されたい)。特に、主な分解産
物の長さはおよそ30ヌクレオチド異なる。変異体はまた、対立遺伝子変異体あ
るいは他のヒト細胞または組織に由来するポリペプチドを意味するものとしても
理解される。これらはまた、種々のヒト個体に由来するポリペプチドを意味する
ものとしても理解される。
【0027】 より広い意味で、これらは、およそ70%、好ましくはおよそ80%、特に好
ましくはおよそ90%、そして非常に好ましくはおよそ95%の配列番号11に
示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと配列相同性、特に配列同一性を持
つポリペプチドを意味するとも理解される。これらはさらにまた、およそ1−6
0、好ましくはおよそ1−30、特におよそ1−15、特におよそ1−5アミノ
酸の範囲の、ポリペプチドの欠失も含む。例えば、最初のアミノ酸、すなわちメ
チオニンは、該ポリペプチドの機能を有意に改変することなく欠失していてもよ
い。さらに、これらはまた、上述の本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質
も含み、該融合タンパク質は、すでにそれ自体ヒトDANの機能を有するか、ま
たは融合部分が除去された後のみ、特定の機能を獲得することが可能である。特
に、これらは、およそ1−200、好ましくはおよそ1−150、特におよそ1
−100、特に1−50アミノ酸の、特に非ヒト配列の内容物を有する融合タン
パク質を含む。非ヒトペプチド配列の例は、原核ペプチド配列、例えば大腸菌ガ
ラクトシダーゼまたはいわゆるヒスチジンタグ、例えばMet−Ala−His 6 タグ由来である。いわゆるヒスチジンタグを含む融合タンパク質は、特に好都
合に、金属イオン含有カラムを用い、例えばNi2+−NTAカラムを用い、発現
されたタンパク質を精製するのに適している。「NTA」はキレート化剤ニトリ
ロトリ酢酸(Qiagen GmbH、ヒルデン)を表す。
【0028】 本発明のポリペプチドの部分は、例えば、抗体に特異的に認識されることが可
能なエピトープの代わりになる。 既知のヌクレアーゼと比較することにより、本発明のポリペプチドがRNアー
ゼDファミリーのメンバーであることが見出された。図4は、この種類のエキソ
ヌクレアーゼに特徴的であるExo I、Exo IIおよびExo IIIモ
チーフの保存アミノ酸を示す。他の保存アミノ酸は、灰色の背景で示される。3
つの酸性アミノ酸側鎖、すなわちExo Iドメイン内の2つおよびExo I
IIドメイン内の1つは、酵素加水分解に関与する2つのMg2+イオンの結合に
直接関与する。Exo IIドメイン内に位置する第三の酸性アミノ酸側鎖は、
水素結合分子を通じ金属イオンの1つに結合する。これらのアミノ酸残基はすべ
て、ファミリー内で非常に保存され、そしてまた、本発明のヒトDANにも見ら
れる。本発明のポリペプチドは、したがって、RNアーゼDファミリーに属する
ポリ(A)特異的3’−エキソリボヌクレアーゼであると記載することが可能で
ある。
【0029】 本発明のポリペプチドは、例えば、本発明の核酸を、当業者に周知の方法を用
い、すでに上に記載されたように、適切な発現系で発現させることにより、調製
される。適切な宿主細胞の例は大腸菌株DH5、HB101およびBL21、酵
母株サッカロミセス・セレビシエ、昆虫細胞株、鱗翅目(Lepidopter
an)、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera Frug
iperda)由来のもの、または動物細胞、例えばCOS、Vero、293
およびHeLa細胞であり、これらはすべて、一般的に入手可能である。
【0030】 特に、前記のポリペプチドの一部分はまた、古典的なペプチド合成(メリフィ
ールド技術:Merrifield technique)により合成すること
もできる。これらは、本発明のポリペプチドの、他の機能する変異体を入手する
機会を得るという目的のための、適切な遺伝子発現ライブラリーをスクリーニン
グするために用いることができる、抗血清を得るのに特に適している。
【0031】 したがって本発明はまた、適切な宿主細胞で発現され、そして適切な場合、単
離されている、本発明の核酸を用い、本発明のポリペプチドを調製するための方
法に関する。
【0032】 本発明はさらにまた、ポリペプチドの上述の部分がそれ自体免疫原性であるか
、または免疫原性にすることが可能であるか、または適切なキャリアー、例えば
ウシ血清アルブミンとカップリングさせることにより、増加した免疫原性を有す
ることが可能である、本発明のポリペプチドと特異的に反応する抗体にも関する
【0033】 抗体はポリクローナルまたはモノクローナルいずれかである。やはり本発明の
主題の一部であるその調製は、例えば周知の方法にしたがって、哺乳動物、例え
ばウサギを、適切な場合、例えばフロイントのアジュバントおよび/または水酸
化アルミニウムゲルの存在下で、本発明のポリペプチドまたは前記したその一部
分で免疫化することにより達成される(例えば、Diamond, B.A.ら
(1991) The New England Journal of Me
dicine, 1344を参照されたい)。免疫学的反応のため、動物におい
て産生されたポリクローナル抗体を、その後、周知の方法を用いて、血液から容
易に単離し、そして例えばカラムクロマトグラフィーを用い、精製することがで
きる。例えばC末端DAN断片がNHS活性化HiTrapカラムにカップリン
グしている、アフィニティークロマトグラフィーにより、抗体を精製することが
好ましい。
【0034】 モノクローナル抗体は、例えば、Winter & Milsteinの既知
の方法を用いて調製することができる(Winter, G. & Milst
ein, C.(1991) Nature, 349, 293)。
【0035】 本発明はさらにまた、本発明の核酸または本発明のポリペプチド、および適切
な場合、適切な添加剤またはアジュバントを含む医薬、並びに、癌、自己免疫疾
患、特に多発性硬化症(multiple sclerosis)または慢性関
節リウマチ(rheumatoid arthritis)、アルツハイマー病
、アレルギー、特に神経皮膚炎、I型アレルギーまたはIV型アレルギー、関節
症、アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)、骨粗鬆症、
急性および慢性感染性疾患および/または糖尿病を治療するための、および/ま
たは細胞の代謝、特に免疫抑制と関連した、特に移植と関連した前記代謝に影響
を及ぼすための医薬を製造するための方法であって、該医薬において、本発明の
核酸、例えばアンチセンス核酸、または本発明のポリペプチドが薬学的に許容し
うる添加剤および/またはアジュバントと共に処方される、前記方法にも関する
【0036】 本発明の核酸を裸の(naked)形で、または遺伝子治療に有効な上述のベ
クターの1つの形で、またはリポソームと複合体化している形で含む医薬は、ヒ
トにおける遺伝子治療適用に非常に適している。
【0037】 適切な添加剤および/またはアジュバントの例は、生理学的塩化ナトリウム溶
液、安定化剤、プロテイナーゼ(proteinase)阻害剤、ヌクレアーゼ
阻害剤などである。
【0038】 本発明はさらにまた、本発明の核酸、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗
体、および適切な場合、適切な添加剤および/またはアジュバントを含む診断剤
、並びに癌、自己免疫疾患、特に多発性硬化症または慢性関節リウマチ、アルツ
ハイマー病、アレルギー、特に神経皮膚炎、I型アレルギーまたはIV型アレル
ギー、関節症、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、急性および慢性感染性疾患
および/または糖尿病を診断するための、および/または細胞の代謝、特に免疫
状態、特に移植と関連した前記代謝を解析するための診断剤を調製するための方
法であって、該診断剤において、適切な添加剤および/またはアジュバントを本
発明の核酸、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体に添加する、前記方法に
も関する。
【0039】 例えば、本発明によれば、本発明の核酸を用い、実施例5にさらに詳細に記載
されているように、ポリメラーゼ連鎖反応に基づく診断剤(例えばEP−020
0362に記載されるようなPCR診断剤)またはノーザンブロットに基づく診
断剤を調製することができる。これらの試験は、本発明の核酸と、相補的な対鎖
(counterstrand)、通常、対応するmRNAの前記対鎖との特異
的なハイブリダイゼーションに基づく。これに関連して、本発明の核酸はまた、
例えばEP 0063879に記載されるように、修飾してもよい。周知の方法
を用い、本発明のDNA断片を、適切な試薬、例えば放射能的にα−32P−dA
TPで、または非放射能的にビオチンで、標識し、そして好ましくは、例えばセ
ルロースまたはナイロンからなる適切な膜に結合している単離RNAとともに該
DNA断片をインキュベーションすることが好ましい。ハイブリダイゼーション
および膜への結合の前に、例えば、アガロースゲル電気泳動を用い、単離RNA
を大きさにしたがい分画化することが、さらに好都合である。この方法だと、各
組織試料由来から検査されたRNAの量が同一である場合、プローブにより特異
的に標識されているmRNAの量を測定することが可能である。
【0040】 別の診断剤は、上でより詳細に記載されている、本発明のポリペプチドまたは
その免疫原性部分を含む。好ましくは、例えばニトロセルロースまたはナイロン
からなる固相に結合している、ポリペプチドまたはその一部分を、例えば自己免
疫抗体と反応することが可能であるために、調べるべき体液、例えば血液とin
vitroで接触させることができる。抗体・ペプチド複合体を次いで、例え
ば標識抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgM抗体を用いて検出することができる。標
識は、例えば、呈色反応(color reaction)を触媒する酵素、例
えばペルオキシダーゼである。自己免疫抗体の存在、および存在するこれらの抗
体の量は、したがって、呈色反応を用い、容易にそして迅速に検出することが可
能である。
【0041】 別の診断剤は、本発明の抗体自体を含む。これらの抗体を用い、例えば容易に
そして迅速にヒト組織試料を調べ、問題のポリペプチドが存在しているかどうか
決定することができる。この場合、本発明の抗体は、例えば既に上に記載したよ
うな酵素で標識されている。特異的な抗体・ペプチド複合体をそれにより容易に
、そして酵素呈色反応によってまさに迅速に検出することができる。
【0042】 本発明はまた、機能上の相互作用因子(interactors)、例えば阻
害剤または刺激剤(stimulators)を同定するための試験であって、
本発明の核酸、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体、および適切な場合、
適切な添加剤および/またはアジュバントを含む、前記試験にも関する。
【0043】 機能上の相互作用因子を同定するための適切な試験の例は、いわゆる2−ハイ
ブリッド系(two−hybrid system)(Fields, S.
& Sternglanz, R.(1984) Trends in Gen
etics, 10, 286)である。本試験において、細胞、例えば酵母細
胞を、本発明のポリペプチドおよび既知のタンパク質、例えば大腸菌Gal4ま
たはLexA由来のDNA結合ドメインを含む融合タンパク質を発現する、およ
び/または未知のポリペプチドおよび、例えばGal4、ヘルペスウイルスVP
16またはB42由来の転写活性化ドメイン(transcription−a
ctivating domain)を含む融合タンパク質を発現する、1つま
たはそれ以上の発現ベクターで、形質転換またはトランスフェクションする。さ
らに、該細胞はレポーター遺伝子、例えば、LexAプロモーター/オペレータ
ーなどの制御配列により、または酵母に存在しているいわゆる上流活性化配列(
upstram activatin sequence:UAS)により調節
されている、大腸菌LacZ遺伝子、「緑色蛍光タンパク質(green fl
uorescence protein)」または酵母アミノ酸生合成遺伝子H
is3またはLeu2を含む。未知のポリペプチドは、例えば、遺伝子ライブラ
リー、例えばヒト遺伝子ライブラリー由来のDNA断片にコードされる。通常、
上述の発現ベクターは、酵母において直接cDNA遺伝子ライブラリーを調製す
るのに用いられ、したがって試験はその直後に行うことができる。
【0044】 例えば、形質転換された酵母が、本発明のポリペプチドおよびLexA DN
A結合ドメインからなる融合タンパク質を発現するように、本発明の核酸を、酵
母発現ベクター中で、LexA DNA結合ドメインをコードする核酸上に、機
能上の単一体(functional unity)でクローン化する。別の酵
母発現ベクターにおいて、形質転換された酵母が、未知のポリペプチドおよびG
al4転写活性化ドメインからなる融合タンパク質を発現するように、cDNA
遺伝子ライブラリー由来のcDNA断片を、Gal4転写活性化ドメインをコー
ドする核酸上に、機能上の単一体でクローン化する。これら2つの発現ベクター
で形質転換され、そして例えば、Leu2-である酵母は、Leu2をコードし
、そしてLexAプロモーター/オペレーターにより調節される核酸を更に含む
。本発明のポリペプチドおよび未知のポリペプチドの間で、機能上の相互作用が
起こる場合、Gal4転写活性化ドメインは、LexA DNA結合ドメインを
通じ、LexAプロモーター/オペレーターに結合し、その結果、後者が活性化
されそしてLeu2遺伝子が発現される。これはその後、Leu2-酵母が、ロ
イシンを全く含まない最小培地上で増殖することを可能にする。
【0045】 アミノ酸生合成遺伝子の代わりにLacZレポーター遺伝子または緑色蛍光タ
ンパク質レポーター遺伝子を用いた場合、転写活性化は青色または緑色蛍光コロ
ニーが形成されることにより検出することができる。青色または蛍光色は次いで
、分光計(spectrometer)で、例えば青色の場合、585 nMで
容易に定量化することができる。
【0046】 このようにして、本発明のポリペプチドと相互作用するポリペプチドに関し、
容易にかつ迅速に、遺伝子発現ライブラリーをスクリーニングすることが可能で
ある。発見された新規ポリペプチドをその後、単離し、そしてさらなる性質決定
に供することができる。
【0047】 2−ハイブリッド系を適用する別の可能性は、他の物質、例えば、化合物を用
い、本発明のポリペプチドおよび既知の若しくは未知のポリペプチドの間の相互
作用に影響を及ぼすことである。このようにして、治療剤として使用することが
可能な、新規の、価値ある、化学的に合成可能な活性化合物を、容易に発見する
ことも可能である。本発明は、したがって、ポリペプチド様相互作用因子を発見
するための方法に向けられるだけでなく、上述のタンパク質−タンパク質複合体
(protein−prtein complex)と相互作用することが可能
な物質を発見するための方法にも拡張される。本発明の意味内で、こうしたペプ
チド様相互作用因子、そしてまた化学的相互作用因子は、したがって、阻害的ま
たは刺激的効果を有することが可能である、機能上の相互作用因子(funct
ional interactors)と称される。
【0048】 本発明のポリペプチドの別の可能性がある適用は、核酸、特にmRNAのポリ
(A)特異的分解である。核酸のポリ(A)特異的分解は、研究実験室において
、特に有用であると言える。
【0049】 以下の図および実施例は、本発明を限定することなく本発明を明確にすること
を意図する。図面および最も重要な配列の説明 配列番号11は、Exo I(ADFFAIDGEFSGIS)、Exo I
I(LVIGHNMLLDVMHTVH)およびExo III(SEQLHE
AGYDAYITGLC)に関するドメインを含む、ヒトDANのアミノ酸配列
を示す。
【0050】 配列番号12は、開始コドン(58位)並びに停止コドン(1977位)およ
びそれに続く3’−UTRを含む、ヒトDANの核酸配列を示す。 図1は、ヒトDANのMonoQの溶出プロフィール(図3A)およびSDS
−PAGE(図1Bおよび1C)を示す。
【0051】 図2は、組換えヒトDANおよび天然ウシDANのウェスタンブロットを示す
。 図3は、mRNAの脱アデニル化、脱アデニル化RNAの集積およびPABI
の影響を示す。
【0052】 図4は、本発明のヒトDANと既知のヌクレアーゼの比較を示す。
【0053】
【実施例】1.ヒトDAN cDNAクローンの同定 ウシDANは以下のように、そしてKorner, G. & Wahle, E.(1997)(上記参照)、に記載される通りに精製した。
【0054】 精製のすべての段階は、4℃で行った。複数の精製段階の間で、試料を液体窒
素中で凍結し、そして−80℃で凍結した。以下の基本的な緩衝液を用いた:5
0mM Tris/HCl、1mM EDTA、10%(v/v)グリセロール
、1mM ジチオスレイトール(dithiothreitol)、0.4μg
のロイペプチン・ヘミサルフェート(leupeptin hemisulfa
te)/ml、0.7μgのペプスタチン(pepstatin)/ml、0.
5mM フェニルメチルスルホニルフロリド、0.02%(v/v)Nonid
et P−40、pH7.9。以下に記載するように、種々の精製段階で異なる
濃度のKClをこの基本的な緩衝液に添加した。
【0055】 新鮮な子ウシ胸腺を地元の食肉処理場から得て、氷上で輸送し、そして−80
℃で貯蔵した。50mM KClを含む基本的な緩衝液2リットル中で1kgを
解凍し、そしてワーリング・ブレンダーホモジェナイザー(Waring Bl
endar homogenizer)中で、始めは低速で、その後中程度の速
度で、そして最後に最高速度で均質化した。ホモジェネートを16000×gで
1時間遠心分離し、そしてワイドメッシュガーゼ(wide−mesh gau
ze)を通し上清をデカントした(Wahle, E., J. Biol.
Chem., 266, 1991)。
【0056】 この子ウシ胸腺抽出物をDEAE−セファロースFFカラム(カラム体積4
l)に装填し、そしてカラム体積の2.5倍の体積の50ないし600mM K
Clの塩勾配を用い、流速3リットル/時間で、カラムから溶出させた。活性分
画は、75および200mM KClの間の塩濃度で、カラムから溶出された。
該分画を集め、合わせ、硫酸アンモニウムで処理し、30%飽和溶液を得て、そ
して氷上で1.5時間攪拌した。遠心分離(10800×gで30分間、これは
以下に言及される遠心分離段階すべてに適用される)後、硫酸アンモニウムで上
清を50%飽和に調整し、そして再び氷上で攪拌し、そして遠心分離した。沈降
物を、50mM KClを含む基本的な緩衝液400mlに再懸濁し、そして基
本的な緩衝液2×4.5リットルに対し、10時間透析し;その後再び遠心分離
した。1.4リットル セファロース・ブルーカラム(7×36cm)を、50
mM KClを含む基本的な緩衝液で平衡化し、そして透析した抽出物をカラム
に装填した。250mM KClを含む1.5ベッド容量(bed volum
es)の基本的な緩衝液でカラムを洗浄し、そして1M KClを含む1ベッド
容量の基本的な緩衝液で溶出させた(流速2 l/時間)。
【0057】 各場合、1.2kgの子ウシ胸腺からの2つの調製物(preparatio
n)由来の活性分画を合わせ、そして硫酸アンモニウム(60%飽和)で沈澱さ
せた。遠心分離後、50 mM KClを含む基本的な緩衝液200 ml中に
沈降物を採取し、同じ緩衝液3×4リットルに対し、12時間透析し、そして2
つの部分に分け、ヘパリン・セファロースカラム(2.5×37cm)に装填し
た。50mM KClを含む1.5ベッド容量の基本的な緩衝液でカラムを洗浄
し、そしてその後500mM KClまでの勾配で10ベッド容量で溶出させた
(流速:145ml/時間)。DAN活性は80および150mM KClの間
で溶出された。活性分画を合わせ、そして30mM KClを含む基本的な緩衝
液に対し、4時間透析した。透析物を遠心分離し、そして2つの部分に分け、M
onoQ FPLCカラム(ベッド容量8ml)上でクロマトグラフィーを行っ
た。50mM KClを含む2ベッド容量の基本的な緩衝液でカラムを洗浄し、
そしてその後、増加する濃度の塩を含む勾配320mlで、カラムから溶出させ
た(最終濃度:500mM KCl、流速:2.5ml/時間)。DAN活性は
およそ160mM KClで溶出された。活性分画(40ml)を合わせ、そし
て30mM KClを含む基本的な緩衝液2リットルに対し、4時間透析し、遠
心分離し、さらなるMonoQカラム(1mlベッド容量、流速:0.9ml/
時間)に装填した。500mM KClを含む基本的な緩衝液で、カラムに結合
しているDAN活性を溶出させ、そして4つの部分に分け、Superdex
HR 10/30 FPLCカラム(300mM KClを含む基本的な緩衝液
で平衡化されている、流速:0.15ml/時間)に充填した(Korner,
Ch. G. & Wahle, E.(1997)、上記を参照されたい)
【0058】 Superdexカラムから溶出され、そしてDAN活性を含む異なる分画を
集め、そしてPhenyl Superoseカラムを通じ分画化した(Kor
ner, G. & Wahle, E.(1997)、上記を参照されたい)
。活性分画を集め、そして緩衝液(50mM Tris・HCl、pH 7.9
、1mM EDTA、10%(v/v)グリセロール、1mM ジチオスレイト
ール、0.4mgのロイペプチン・ヘミサルフェート/ml、0.7mgのペプ
スタチン/ml、0.5 mM フェニルメチルスルホネート(PMSF)、0
.02%(v/v)Nonidet p−40、50mM KCl)に対し、透
析した。遠心分離した後、透析物を100ml Smart MonoQ(PC
1.6/5)カラムに充填した。次いでカラムを、200mlの緩衝液で洗浄
した。増加する濃度の塩(最終濃度500mM KCl)を含み、そして40カ
ラムベッド容量と等しい体積を有する勾配(gradient)中で、結合した
タンパク質を溶出した。およそ200mM KClのKCl濃度で、DAN活性
に関し陽性である分画が溶出した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、最も高いDAN活性を有する2つの分画を解析した。この後、プロテアーゼ
Lys−Cを用いてインサイチュー(in situ)で加水分解し、HPLC
により分画化し、そしてペプチドの配列決定を行った。以下の配列が見出された
: 1.KSFNFYVFPK、 2.KPFNRSSPD(V/K)K、 3.KYAESYWIQTYADYVGおよびまた 4.KEQEELNDAおよびKLFLMRVMDからなる混合物。
【0059】 精製ウシDANのN末端配列を決定することは不可能であった。 続いて、BLASTプログラム(NCBI)を用い、EST(発現配列タグ:
expressed sequence tags)データベース検索を行った
。以下のクローンが同定された: ペプチド1および2により、I.M.A.G.E.コンソーシアムクローン(C
onsortium clone)ID 645295、および ペプチド3により、I.M.A.G.E.コンソーシアムクローンID 301
901。
【0060】 見出されていたクローンは、ABIダイ・ターミネーターサイクル配列決定キ
ット(ABI Dye Terminator Cycle sequenci
ng kit)を用い、AB1373A配列決定装置上で、完全に配列決定した
【0061】 これに関連し、I.M.A.G.E.コンソーシアムクローンID 3019
01が、DANの176のC末端アミノ酸および全長3’−UTRをコードする
一方、I.M.A.G.E.コンソーシアムクローンID 645295が、全
長ORFおよび5’UTR並びに3’−UTRの一部をコードし、639アミノ
酸からなり、そして73.5 kDaの分子量を有するタンパク質(配列番号1
1)に対応することが見出された。最初のAUGコドンの上流に位置する57ヌ
クレオチドは、読み枠(reading frame)にいかなる停止コドンも
含まない。このAUGコドンを取り巻く配列(AGAAUGG)は、翻訳開始に
関する好ましい開始配列を記載する、いわゆるコザックの規則(Kozak、1
991)にしたがう。0.7 kB 3’−UTRはcDNAクローン645
295に存在し、そしてポリ(A)テールはcDNAクローン301901の末
端に存在する。ポリ(A)テールの上流には、稀なポリアデニル化シグナルAU
UAAAが先行する(配列番号12)。2.発現ベクターの調製 プラスミドpGMMCSは、以下の方式で構築した: N末端Met−Ala−His6タグを有するPABII cDNA配列(N
emeth、1996)を含む、T7発現ベクターpGM10(Martin、
1996)をXho IおよびBamH Iで消化し、そしてPAB IIの3
’部分を含む断片を、pBluescript KS(+/−)プラスミドのマ
ルチクローニングサイト(multiple cloning site)由来
のXho I/BamH I断片と置き換えた。生じたプラスミドは、T7プロ
モーターに制御され、そしてMet−Ala His6で始まり、その後PAB
IIの5’部分およびマルチクローニングサイトが続く配列を含む。NDE
I切断部位はHis6タグおよびPAB II配列の間に位置し、そしてマルチ
クローニングサイトと共に用い、残ったPAB II配列を、いかなる所望によ
るコード配列と置き換えることも可能である。
【0062】 プラスミドpGMMCS301901は、以下の方式で構築した: 176のC末端アミノ酸を含むヒトDANクローンの配列の一部分を、クロー
ン301901から、PCRにより、以下の条件を用いて増幅した: 15サイクル:94℃で45秒、54℃で45秒および72℃で3.5分。Pf
uポリメラーゼおよびプライマーNde I 301901: CCATATCCATATGCTTTTCAGTGCCTTTCCTAAC およびXho I 301901: AGTACTCGAGTTACAATGTGTCAGG。Nde IおよびXh
o Iを用いた消化に続き、Qia−Exキット(Qiagen GmbH、ヒ
ルデン)を用いて生じたcDNA断片を精製し、そしてNde IおよびXho
I消化pGMMCSベクターに組み込んだ。配列は配列決定により確認した。
【0063】 プラスミドpGMMCS645295は以下のように調製した: ヒトDANクローンのコード配列を、クローン645295から、PCRによ
り、以下の条件を用いて増幅した: 20サイクル:94℃で45秒、54℃で45秒および72℃で3.5分。Pf
uポリメラーゼおよびプライマーNde I 645295: AGTGTCGCATATGGAGATAATCAGGAGCA およびXho I 645295: AGTACTCAGCGGTTTGCTGCCCTCA。生じた産物をTAクロ
ーニングキット(InVitrogen(登録商標))を用い、ベクターpCR
2.1にクローン化した。Nde IおよびXho Iを用いた消化に続き、Q
ia−Exキット(Qiagen)を用いて生じたcDNA断片を精製し、そし
てNde IおよびXho I消化pGMMCSベクターに組み込んだ。その後
、Dra IIIおよびBstE IIで消化することにより、PCR生成配列
の大部分を除去し、そして元来のクローンの対応する断片と置き換えた。新規配
列は配列決定により確認した。3.抗体の調製 ヒトDANのC末端部分に対して向けられる抗体は、以下のように産生した: プラスミドpGMMCS301901をBL21(pLysC)に形質転換し
た。200 mgのカルベニシリン(carbenicellin)/mlを含
むSOB培地中で、OD600が1.9になるまで細胞をインキュベーションし
た。次いで、200mMのイソプロピル−b−D−チオガラクトシドを添加し、
そして混合物をさらに5時間インキュベーションした。細胞を採取し、そして緩
衝液A(100mM NaH2PO4、10mM Tris、8M 尿素、pH
7.9)中に取った。超音波により細胞を溶解し、そして溶解物を遠心分離し、
そして3 mlのNi−NTAカラム材料(Ni−NTA column ma
terial)と、室温で2時間インキュベーションした。カラム材料をカラム
に充填し、そして70mlの緩衝液A、pH6.3で洗浄した。その後、15
mlの緩衝液B(300mM NaCl、10%(v/v)グリセロール、50
mM Tris、0.01%(v/v)Nonidet−P40、8M 尿素
、pH7.9)で洗浄した。タンパク質は、尿素含量を2勾配で減少させること
により、カラム上で再フォールディングさせた(refolded)(45ml
/時間、勾配1:8ないし4M 尿素を含む緩衝液B、室温、勾配II:4ない
し0M 尿素を含む、4℃)。500mMのイミダゾールを含む緩衝液Bでカラ
ムからタンパク質を溶出し、尿素を全く含まない緩衝液Bに対して透析し、そし
てその後、ウサギを免疫化するのに用いた。
【0064】 抗DAN抗体は以下のようにアフィニティー精製した:製造者の指示にしたが
い、C末端DAN断片をNHS活性化HiTrapカラム(1 ml体積、Ph
armacia、フライブルグ)にカップリングさせた。3 mlの血清をカラ
ムに充填し、そして製造者の指示にしたがい、溶出させた。300 mgのBS
A/mlおよび0.02%(w/v)NaN3を分画に添加し、そして緩衝液を
透析により置換した。4.ヒトDANの発現および精製 N末端Hisタグ(Met−Ala−His6タグ)を有する融合タンパク質
として、大腸菌において、以下の方式で、ヒトDANを発現した: プラスミドpGMMCS645295をBL21(pLysC)に形質転換し
た。100mgのカルベニシリン/mlおよび24mgのクロラムフェニコール
/mlを含む50mlのLB培地中で、37℃で、細胞を培養し、そしてその後
、クロラムフェニコールを含まない500ml培養に移し、そして33℃でさら
なるインキュベーションに供した。OD600が1.3に達した後、100mM
のイソプロピル−b−D−チオガラクトシドを添加し、そして培養物をさらに1
時間インキュベーションした。細胞を採取し、そして緩衝液A(50mM Tr
is、300mM KCl、0.1mM MgAc、1mM b−メルカプトエ
タノール、0.4mgのロイペプチン/ml、0.7mgのペプスタチン/ml
、0.5mM PMSF、pH7.9)中に取った。超音波により細胞を溶解し
、そして溶解物を遠心分離し、そして2 mlのNi2+−NTAカラム材料と、
4℃で2時間インキュベーションした。カラム材料をカラムに充填し、そして2
5mlの緩衝液Aで、次いで20mlの緩衝液B(緩衝液Aおよび10%(v/
v)グリセロール、0,02%(v/v)Nonidet−P40、マグネシウ
ム不含、pH6.3)で洗浄した。その後、5mlの緩衝液C(500mM イ
ミダゾールを含む緩衝液B)でタンパク質を溶出させた。その後、緩衝液D(5
0mM Tris、20mM KCl、1mM EDTA、5mM PMSF、
10%(v/v)グリセロール、0.02(v/v)Nonidet−P40、
pH7.9)に対して透析した。調製物を遠心分離し、そしてMonoQカラム
(1mlベッド容量)に充填した。次いでカラムを、50mM KClを含む5
ベッド容量の緩衝液で洗浄し、そして40ベッド容量に等しい容量および最終濃
度500mM KClを有する勾配で溶出させた。DAN活性は、およそ190
mM KClにおいて鋭いピークで溶出された(図1A)。
【0065】 該精製は、期待される分子量を有するタンパク質の実質的に均質な調製を生じ
た(図1Bおよび1C)。該タンパク質は、ポリ(A)に特異的な3’−エキソ
リボヌクレアーゼ活性を示す(実施例6を参照されたい)。これにより、発見さ
れたcDNAクローンはヒトDANをコードするといえる。5.ノーザンブロット解析 Chomczynski, P. & Sacchi, N.(1987)
Anal. Biochem. 162, 156に記載されている方法を用い
、HeLa細胞からRNAを単離した。Sambrook, J.ら(1989
) Molecular Cloning. A Laboratory Ma
nual,第二版, Cold Spring Harbor Laborat
ory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、に記載され
ている方法にしたがい、オリゴ(dT)セルロースを用い、ポリ(A)mRNA
を精製した。生じたRNAを1%アガロースホルムアルデヒドゲル上で分画化し
、キャピラリーブロッティングにより、Hybond N+膜(Amersha
m Buchler、ブルンスウィック)に移し、そして80℃で2時間インキ
ュベーションすることにより、膜に固定した。ヒトDANをコードする配列をP
CRにより増幅し、ランダムプライミングによりα−32P−dATPで標識し、
そしてプローブとして用いた。ハイブリダイゼーションは、記載されている通り
に(Ausubel)行い、そして膜は高ストリンジェンシー(high st
ringency)下で洗浄した。HeLa細胞ポリ(A)+ RNAを用いた
ノーザンブロット解析は、DANプローブにハイブリダイズした単一の3.1k
B断片を示した。この大きさはcDNAクローンの大きさとよく一致する。6.DAN活性試験 DAN活性に関するアッセイは記載されている通りに行った(Korner,
Chr G. & Wahle, E.(1997)、上記を参照されたい)
。Laemmli, U.K.(1970) Nature 227, 680
に記載されている通りに、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−P
AGE)を行った。
【0066】 ウシの酵素と同様に、組換えDANは、リン酸荷電の中和に依存する2つの異
なる反応条件下で活性がある。塩の非存在下では、その活性はスペルミジンの存
在に完全に依存し、最適濃度は1 mMである。これらの条件下において、組換
えDANの比活性(79000 U/mg)は精製ウシDANの活性(1100
00 U/mg)と有意に異ならない。スペルミジンの存在下では、DANの活
性は塩により阻害される。スペルミジンの非存在下では、該酵素活性は塩に依存
し、最適濃度は150 mM 酢酸カリウムである。ウシDANはこれらの条件
下で同様の様式で作用する。しかし、これらの条件下で、組換えタンパク質の比
活性(960 U/mg)は、子ウシ胸腺から精製された酵素の比活性(807
0 U/mg)より低い。この相違は、翻訳後修飾により、またはウシ酵素の調
製物中に存在する汚染タンパク質により、説明することが可能である。
【0067】 キャップ化ポリアデニル化RNAを、塩の存在下でDAN調製物とインキュベ
ーションすると、ポリ(A)テールは分解し、そして完全に脱アデニル化された
RNAが一過的に集積した(図3)。PABIの存在下でアッセイを行うと、そ
の活性は部分的に阻害され、そしてポリ(A)テールの段階的な分解が観察され
た。主な分解産物の長さはおよそ30ヌクレオチド異なり、これは明らかにPA
BI結合により生じた現象である。これらの結果はウシタンパク質に対し行われ
た研究(Korner, Chr. & Wahle, E.(1997)、上
記を参照されたい)と一致する。これらの結果を組み合わせると、組換えタンパ
ク質がポリ(A)特異的3’−エキソリボヌクレアーゼであることが立証される
7.ウェスタンブロット解析 ウェスタンブロット解析は、以下のように行った:タンパク質をSDS−PA
GEにより分画化し、そして半乾燥法(Kyse−Andersen、1984
)を用い、ニトロセルロース膜に移した。5%(w/v)脱脂粉乳を含むTNT
緩衝液(20 mM Tris−HCl、150 mM NaCl、0.05%
(v/v)Tween 20、pH 7.5)中でブロット(blots)をイ
ンキュベーションした。抗血清を用いたインキュベーションおよび洗浄段階に、
同じ緩衝液を用いた。ブロットを抗体と、室温で2−3時間インキュベーション
し、そしてその後、洗浄した。ペルオキシダーゼ結合ブタ抗ウサギ抗体(DAK
O. Glostrup、デンマーク)および化学発光染色(SuperSig
nalキット、Pierce)を用い、結合した抗体を検出した。
【0068】 解析により、DANのC末端断片に対して生成されたウサギ抗体は、部分的に
精製された分画からDANを沈澱させることが可能であることが立証される。該
抗体はウェスタンブロットにおいて、ウシおよびヒトDANの両方を認識する(
図4)。この実験において、組換えDANは、HeLa細胞から得たSDS溶解
物中の酵素より幾分大きいようであり、これは該配列へのタグ(1004 Da
)の導入により説明することが可能である。cDNA配列中の最初のAUGが用
いられた開始コドンでなかったとしたら、HeLa細胞由来の天然DANは、タ
グ化組換えタンパク質より、少なくとも1260 Da大きくなければならなっ
かったはずであろう。これらの結果もまた、cDNAクローンにおける最初のA
UG配列がin vivoで開始コドンとして用いられることを確認する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトDANのMonoQの溶出プロフィール(図3A)およびSDS−PAG
E(図1Bおよび1C)を示す。
【図2】 組換えヒトDANおよび天然ウシDANのウェスタンブロットを示す。
【図3】 mRNAの脱アデニル化、脱アデニル化RNAの集積およびPABIの影響を
示す。
【図4】 本発明のヒトDANと既知のヌクレアーゼの比較を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/34 C12N 15/00 ZNAA 4C085 1/68 A61K 37/54 (72)発明者 ケルナー,クリストフ ドイツ連邦共和国デー−80538 ミュンヘ ン,カロリネン・シュトラーセ 3 (72)発明者 ヴァール,エルマー ドイツ連邦共和国デー−35435 ヴァッテ ンベルク,アン・デル・フェルス 20 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA11 BA44 CA01 GA11 HA14 HA15 HA17 4B050 CC03 DD11 FF05E FF11E FF14E LL01 LL03 4B063 QA01 QA19 QQ34 QQ42 QQ53 QQ79 QQ96 QR32 QR48 QR55 QS15 QS28 QS33 QS34 QX02 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 CE02 CE06 CE07 CE11 CE12 DA01 DA05 DA08 DA14 DA15 4C084 AA07 AA13 DC22 NA14 ZA021 ZA022 ZA161 ZA162 ZA451 ZA452 ZA892 ZA962 ZA972 ZB022 ZB081 ZB082 ZB132 ZB152 ZB261 ZB262 ZB352 ZC352 4C085 AA13 AA14 AA38 BB11 EE01 EE06 FF24

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号11が本請求項の一部であり、配列番号11に示
    される通りのアミノ酸配列を有するヒト脱アデニル化ヌクレアーゼ(DAN)を
    コードする核酸またはその機能する変異体、および少なくとも8ヌクレオチドを
    有するその一部分。
  2. 【請求項2】 DNAまたはRNA、好ましくは二本鎖DNAである、請
    求項1に記載の核酸。
  3. 【請求項3】 配列番号12が本請求項の一部であり、核酸が配列番号1
    2の58位から1977位までに示される通りの核酸配列を有するDNAである
    、請求項1または2に記載の核酸。
  4. 【請求項4】 核酸が1つまたはそれ以上の非コード配列および/または
    ポリA配列を含む、請求項3に記載の核酸。
  5. 【請求項5】 核酸がベクター、好ましくは発現ベクターまたは遺伝子治
    療に有効であるベクターに含まれる、請求項1−4のいずれか1項に記載の核酸
  6. 【請求項6】 核酸が化学的に合成されるか、またはプローブを用い遺伝
    子ライブラリーから単離される、請求項1−4のいずれか1項記載の核酸を調製
    するための方法。
  7. 【請求項7】 配列番号11に示される通りのアミノ酸配列を有するポリ
    ペプチドまたはその機能する変異体、および少なくとも6アミノ酸を有するその
    一部分。
  8. 【請求項8】 請求項1−5のいずれか1項に記載の核酸が適切な宿主細
    胞で発現される、請求項7に請求のポリペプチドを調製するための方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のポリペプチドに対して向けられる抗体。
  10. 【請求項10】 哺乳動物を請求項7に記載のポリペプチドで免疫化し、そ
    して適切な場合、生じた抗体を単離する、請求項9に記載の抗体を調製するため
    の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1−5のいずれか1項に記載の核酸または請求項7
    に記載のポリペプチド、および適切な場合、薬学的に許容しうる添加剤および/
    またはアジュバントを含む医薬。
  12. 【請求項12】 癌、自己免疫疾患、特に多発性硬化症または慢性関節リウ
    マチ、アルツハイマー病、アレルギー、特に神経皮膚炎、I型アレルギーまたは
    IV型アレルギー、関節症、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、急性および慢
    性感染性疾患および/または糖尿病を治療するための、および/または細胞の代
    謝、特に免疫抑制と関連した、特に移植と関連した前記代謝に影響を及ぼすため
    の医薬を製造するための方法であって、請求項1−5のいずれか1項に記載の核
    酸または請求項7に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の抗体を、薬学的
    に許容しうる添加剤および/またはアジュバントと共に処方する、前記方法。
  13. 【請求項13】 請求項1−5のいずれか1項に記載の核酸または請求項7
    に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の抗体、および適切な場合、適切な
    添加剤および/またはアジュバントを含む診断剤。
  14. 【請求項14】 癌、自己免疫疾患、特に多発性硬化症または慢性関節リウ
    マチ、アルツハイマー病、アレルギー、特に神経皮膚炎、I型アレルギーまたは
    IV型アレルギー、関節症、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、急性および慢
    性感染性疾患および/または糖尿病を診断するための、および/または細胞の代
    謝、特に免疫状態、特に移植と関連した前記代謝を解析するための診断剤を調製
    するための方法であって、薬学的に許容しうる賦形剤(excipient)を
    請求項1−5のいずれか1項に記載の核酸または請求項7に記載のポリペプチド
    または請求項9に記載の抗体に添加する、前記方法。
  15. 【請求項15】 請求項1−5のいずれか1項に記載の核酸または請求項7
    に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の抗体、および適切な場合、適切な
    添加剤および/またはアジュバントを含む、機能上の相互作用因子を同定するた
    めの試験。
  16. 【請求項16】 機能上の相互作用因子を同定するための、請求項1−5の
    いずれか1項に記載の核酸または請求項7に記載のポリペプチドの使用。
  17. 【請求項17】 ヒトDANの変異体を発見するための、請求項1−5のい
    ずれか1項に記載の核酸の使用であって、遺伝子ライブラリーを前記核酸でスク
    リーニングし、そして発見された変異体を単離する、前記使用。
  18. 【請求項18】 核酸、特にmRNAのポリ(A)特異的分解のための、請
    求項7に記載のポリペプチドの使用。
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