JP2002525058A - プロテインキナーゼkiaa0551の薬剤としての使用 - Google Patents

プロテインキナーゼkiaa0551の薬剤としての使用

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スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
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    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Abstract

(57)【要約】 神経障害、神経障害性疼痛、炎症性および慢性疼痛、神経変性症(運動ニューロン疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病およびその他の痴呆症)ならびに疾患または病原体によるニューロンおよび心臓組織における虚血性の損傷を治療するのためのプロトコルを設計する際の、およびかかる症状について診断アッセイする際の、KIAA0551プロテインキナーゼポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用を開示する。また、組換え技術によるかかるポリペプチドの製造法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、ポリヌクレオチドおよびそれによりコードされるポリペプチドの新
規な用途に関し、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの治療の際のまたは治
療に潜在的に有効でありうるアゴニスト、アンタゴニストおよび/またはインヒ
ビターである化合物を同定する際の使用、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドの生産方法ならびに新規な全長ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの同定に
関する。
【0002】発明の概要 本発明は、KIAA0551ポリヌクレオチドおよびポリペプチド(Nagaseら、1998, D
NA Res.5, 31-39. 受託番号(Genbank) AB011123)の新規な用途に関する。かか
る用途には、神経障害、神経障害性疼痛、炎症性および慢性疼痛、神経変性症(
運動ニューロン疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病およびその他の痴呆症
)ならびに心停止、心臓発作、および多発脳梗塞性痴呆症の後の脳虚血または手
術および/もしくは出産に起因する脳虚血を含む脳虚血性症状に起因するニュー
ロン変性(以後まとめて「前記疾患」という)などの治療および/または予防が
含まれる。
【0003】 そして、本発明の一態様により、神経外傷性疾患の治療または予防のための方
法が提供される。本明細書で定義する神経外傷性疾患/症状には、例えば手術に
よって引き起こされる開口性または貫通性の頭部外傷、または例えば頭部領域へ
の損傷によって引き起こされる閉鎖性頭部外傷障害の双方が含まれる。この定義
には、虚血性発作(特に脳領域へのもの)、冠状動脈バイパス後の一過性の虚血
性発作およびその他の一過性虚血状態後の認識低下もまた含まれる。
【0004】 別の態様において本発明は、KIAA0551組換え物質およびその産生方法に関する
。また別の態様において本発明は、本発明によって提供される物質を用いてアゴ
ニストおよびアンタゴニスト/インヒビターを同定する方法ならびに同定された
化合物を用いてKIAA0551の平衡異常に関連する症状を治療する方法に関する。さ
らに別の態様において本発明は、不適当なKIAA0551活性またはKIAA0551レベルに
関連する疾患を検出するための診断アッセイに関する。また別の態様において本
発明は、新たに同定された全長KIAA0551ポリヌクレオチドならびに治療、診断お
よびアンタゴニストとアゴニストの同定方法おけるその使用に関する。
【0005】詳細な説明 第1の態様において、本発明は、以下の疾患: (i)神経障害、 (ii)神経障害性疼痛、 (iii)炎症性および慢性疼痛、 (iv)神経変性症、または (v)神経外傷性疾患または心臓組織における虚血性損傷、 を治療するための医薬品を製造するための、以下の(a)〜(d): (a)KIAA0551ポリペプチド、 (b)KIAA0551ポリペプチドを活性化する化合物、 (c)KIAA0551ポリペプチドを抑制する化合物、または (d) KIAA0551ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 より選択される化合物の使用に関する。かかるKIAA0551ポリペプチドには、配列
番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性、
好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離された
ポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号2のアミノ酸
配列を含むものがある。
【0006】 本発明の他のポリペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2の全長にわた
って配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくと
も97〜99%の同一性を有する単離されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリ
ペプチドとしては配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドがある。
【0007】 本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含む
ポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0008】 このようなポリペプチドは新規なものであり、本発明の一部をなす。
【0009】 ヒトKIAA0551はヒト脳から単離された部分的cDNA配列として記載されている (
Nagaseら、1998, DNA Res. 5, 31-39)。この配列は、何の機能も特定されていな
いが、プロテインキナーゼのSterile 20ファミリー、特にマウスNIKに対してい
くらかの推定上の構造類似性を有するポリペプチドをコードしている(Suら、199
7, EMBO J. 16, pp.1279-1290)。
【0010】 標準的ディファレンシャル・ディスプレイ法ならびに定量的RT-PCR (TaqManTM )法を用いると、KIAA0551 mRNAはラットの坐骨神経障害(体性疼痛に対する感受
性の増大をともなう)の間に脊髄神経節(DRG)でアップレギュレートされること
が示されている(配列番号3、配列番号5ならびに図1aおよびb)。配列番号3およ
び5のポリヌクレオチド配列は、ディファレンシャル・ディスプレイで単離され
た部分的ラットKIAA0551 cDNA断片を表す。配列番号4のアミノ酸配列は、配列
番号3のポリヌクレオチドによってコードされる推定上のポリペプチド配列であ
る。全長ヒトKIAA0551 cDNAは、標準的PCRおよびRACE-PCR法を用いてヒト胎児脳
cDNAライブラリーからクローン化されている (Ausubelら編、Current Protocols
in Molecular Biology, Vol. 2, John Wiley & Sons, (1996))。配列番号1の
ポリヌクレオチド配列は、全長ヒトKIAA0551 cDNAを表す。配列番号2のアミノ
酸配列は、配列番号1のポリヌクレオチドによってコードされる推定上のポリペ
プチド配列である。全長KIAA0551 cDNAは、公開された配列(キナーゼドメイン
を感性している)のN末端側の追加の27アミノ酸をコードしている。全長タンパ
ク質の分析によって、推定キナーゼドメイン(アミノ酸残基25-289)、2つのNIK
様ドメイン(アミノ酸残基290-506、668-845)および機能の同定されていないCNH
ドメイン(アミノ酸残基1059-1309)が明らかにされている。「Prosite」モチーフ
検索を用いて、チロシン残基321、323および446に推定上のチロシンリン酸化部
位が、セリン残基77、259、688、915および1021ならびにトレオニン残基87およ
び827に推定上のcAMP/cGMP-依存性リン酸化部位が、そしてセリン残基255、275
、528、630、755、795、968、1104 および1348ならびにトレオニン残基124、 30
9、 349および819に推定上のプロテインキナーゼC依存性リン酸化部位が同定さ
れている。
【0011】 組換え体ヒトNAKタンパク質をHEK293細胞で発現させて、単離したところ190 k
Daのタンパク質であることが示されている(図3)。組換え体NAKタンパク質は、
酵素(キナーゼ)活性を示し、この活性はミエリン塩基性タンパク質(MBP)をリ
ン酸化する組換え体NAKタンパク質の能力によって示される(図4a)。さらに、ア
ミノ酸残基1-337(NAK 1-337)または1-529(NAK 1-529)をコードする2つのC末端
切断物は、増大したキナーゼ活性を示し(図4b)、これはコアの触媒領域を画定し
、かつ該タンパク質のC末端の抑制的役割と、推定上の翻訳後酵素制御様式を示
唆している。
【0012】 本発明のポリペプチドは、ポリペプチドのSterile 20 (Ste20)-様プロテイン
キナーゼファミリーのメンバーであると考えられ(Fangerら、1997, Curr. Op. G
enet. Dev. 7, 67-74)、マウスNIKに対して最も高い相同性を示す(Suら、1997,
EMBO J. 16, pp.1279-1290)。従ってそれらは、以下の理由から興味深いもので
ある: i) このタンパク質は、ニューロン細胞および組織のアポトーシス性細胞死の調
節に関与するストレス-活性化プロテインキナーゼ(SAPK)経路のアクチベーター
として作用することが示されている(Fangerら、1997, Curr. Op. Genet. Dev. 7
, 67-74); ii) このタンパク質は、炎症の制御に関与するNF-κB経路のアクチベーターとし
て作用することが示されている(Malininら、Nature 385, pp. 540-544 (1997);
MercurioおよびManning, Curr. Op. Cell Biol. 11, pp. 226-232 (1999); Baeu
erle, Cell 95, pp.729-731 (1998); Yinら、Nature 396, pp.77-80 (1998)); iii) KIAA0551 mRNAは、ヒトCNSにおいて広範に発現される(図 2);および iv) KIAA0551のラットオーソログ体のmRNAは、ラットの坐骨神経障害(体性疼痛
に対する感受性の増大をともなう)においてアップレギュレートされる (配列番
号3、配列番号5ならびに図 1aおよびb)。
【0013】 これらの特性は、本明細書において「KIAA0551活性」、「KIAA0551ポリペプチ
ド活性」または「KIAA0551の生物学的活性」という。これらの活性の中には、前
記KIAA0551ポリペプチドの抗原性および免疫原性活性、特に配列番号2のポリペ
プチドの抗原性および免疫原性活性も含まれる。本発明のポリペプチドはKIAA05
51の少なくとも1つの生物学的活性を示すことが好ましい。
【0014】 本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク質の形であっても、前駆体または融
合タンパク質のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば
、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミノ酸配列とし
ては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製
に役立つ配列、または組換え生産の間の安定性を確保する付加的配列などがある
【0015】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Le
u および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間
;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に
、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せ
で置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
【0016】 本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このよう
なポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産されたポ
リペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せに
より製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0017】 本発明の更なる態様において、本発明は、KIAA0551ポリヌクレオチドに関する
。このようなポリヌクレオチドには、配列番号2の全長にわたって配列番号2の
アミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少
なくとも97%の同一性を有するポリペプチドが一層好ましいが、少なくとも98〜
99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有す
るポリペプチドが最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配
列番号2のポリペプチドをコードする配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチドが挙げられる。
【0018】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列と、その全コード領域にわたって、少なくとも95%の同一性
を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これ
に関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが
、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99
%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。
【0019】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1の全長にわたって配列番号
1のポリヌクレオチドと少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含
む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同
一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性
を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレ
オチドが最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1
のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドおよび配列番号1のポリヌクレオチ
ドが挙げられる。
【0020】 本発明はまた、上記の全てのポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを
提供する。
【0021】 このようなポリペプチドは新規であり、本発明の一部をなす。
【0022】 配列番号1のヌクレオチド配列は、プロテインキナーゼのSterile 20ファミリ
ーとの相同性を示し、その中でもマウスNIKに対して最も高い相同性を示す(Suら
、1997, EMBO J. 16, 1279-1290. Genbank 受託番号 U88984)。配列番号1のヌ
クレオチド配列はcDNA配列であり、配列番号2のポリペプチドである1360個のア
ミノ酸のポリペプチドをコードするポリペプチドコード配列(ヌクレオチド番号9
9〜4178)を含む。配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、
配列番号1に含まれるポリペプチドコード配列と同一であっても、遺伝子コード
の重複性(縮重)のため、やはり配列番号2のポリペプチドをコードする、配列
番号1に含まれる配列以外の配列であってもよい。配列番号2のポリペプチドは
プロテインキナーゼのSte-20ファミリーの他のタンパク質と構造的に関連してお
り、マウスNIK(Suら、1997, EMBO J. 16, 1279-1290. Genbank acc. no. U88984
)との相同性および/または構造類似性を有する。
【0023】 本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相
同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつこ
とが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドは少なくとも1つのKIAA0551活性を有する。
【0024】 本発明のポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニング技
術(Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))により、ヒ
ト胎児脳細胞中のmRNAより誘導されたcDNAライブラリーから得ることができる。
また、本発明のポリヌクレオチドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から
得ることができ、商業的に入手可能な公知の技法を用いて合成することもできる
【0025】 本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用
いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、ま
たは他のコード配列(例えば、リーダーもしくは分泌配列、プレ−、プロ−もし
くはプレプロ−タンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするもの
)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含まれ
る。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得
る。本発明のこの態様の特定の好ましい具体例においては、マーカー配列は、pQ
Eベクター(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA (1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、
またはHAタグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列、
例えば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化
シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0026】 本発明の更なる具体例としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜
2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されてい
る、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコードするポ
リヌクレオチドがある。
【0027】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で公知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレオチドを含有する発現系、該
発現系により遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプ
チドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタ
ンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0028】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作することができる。宿主細胞へのポリヌ
クレオチドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986)
および Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold
Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))などの多
くの標準的な実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適
なこうした方法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE
−デキストラン媒介トランスフェクション、マイクロインジェクション、カチオ
ン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スク
レープローディング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduction)また
は感染などがある。
【0029】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス(Strepto
cocci)、スタフィロコッカス(Staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミ
セス(Streptomyces)、枯草菌(Bacillus subtilis))、菌類細胞(例:酵母、ア
スペルギルス(Aspergillus))、昆虫細胞(例:ドロソフィラ(Drosophila)S2、
スポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞)、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3
T3、BHK、HEK293、Bowesメラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0030】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、特に、染
色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バク
テリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由来
、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40のような
パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂
犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来
するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリ
オファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を起こさ
せるだけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。一般的に、宿主内
でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現する
ことができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用いられる
公知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入すること
ができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細胞
外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み
込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性であ
っても、異種シグナルであってもよい。
【0031】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが精製に用いられる
。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質の
再折りたたみのための公知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復
元することが可能である。
【0032】 本発明はまた、診断薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機
能障害と関連した、配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺伝子
の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現または変化した発現により生
ずる疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しうる、またはその診断を
下しうる診断用ツールを提供するだろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さ
まざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0033】 診断用の核酸は、被験体の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検または剖
検材料由来の細胞から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用し
てもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を使ってゲノムDNAを酵素的に増幅し
てもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。欠失および挿
入突然変異は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化により
検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識化KIAA0551ヌクレオチド配列とハイブ
リダイズさせることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖
とはRNアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別できる。また、DNA
配列の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでのDNA断片の電気泳動の移
動度の変化により、または直接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例えば
、Myersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。特定位置での配列変化
はヌクレアーゼプロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテク
ション)または化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA (1985) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば
、遺伝子変異の効率のよいスクリーニングを行うため、KIAA0551ヌクレオチド配
列またはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイ(array)を構築す
ることができる。アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発現
、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解きあ
かすために用いられている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.610-61
3 (1996) を参照のこと)。
【0034】 診断アッセイは、前記の方法によりKIAA0551遺伝子の変異を検出することで、
前記疾患への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。さらに、被験体
から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNAのレベルの異常な低下または
増加を測定する方法により、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下ま
たは増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量法、例えば核酸増幅(例:
PCR、RT−PCR)、RNアーゼプロテクション、ノーザンブロッティング、その他の
ハイブリダイゼーション法のいずれかによりRNAレベルで測定することができる
。宿主から得られたサンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレベ
ルを測定するアッセイ法は当業者によく知られている。こうしたアッセイ法とし
て、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、ELIS
Aアッセイなどがある。
【0035】 かくして、もう一つの態様において、本発明は、 (a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列
)もしくはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)もしく
はその断片、または (d) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、 を含む診断用キットに関する。
【0036】 このようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であ
ることが理解されよう。かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特に神
経障害、神経障害性疼痛、炎症性および慢性疼痛、神経変性症(運動ニューロン
疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病およびその他の痴呆症)ならびにニュ
ーロンおよび心臓組織における虚血性の損傷などを診断するうえで有用である。
【0037】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0038】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコルを用いて、動物(好
ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似
体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製には
、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる。
例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (19
75) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら, Im
munology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Monoclo
nal Antibodies and Cancer Therapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)
などがある。
【0039】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体をつくるために、米国特許第4,946,
778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。また
、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0040】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0041】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、前記疾患の治療に使用でき
る可能性がある。
【0042】 本発明の更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断
片と、各種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL
鎖の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融
合タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定
常部が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固
Xa因子で開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去できる。
さらに、本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方法、並びに薬物
スクリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。また、本発明
の更なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関す
る。融合タンパク質技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914に見
いだせる。
【0043】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関し、
この方法は、特に前記疾患から該動物を防御するための抗体および/またはT細
胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種すること
を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗
体を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in vivoで本発明のポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポ
リペプチドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を引き
出す方法に関する。
【0044】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン製剤
(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
を含有する。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチ
ドは胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内
、静脈内または皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した
製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等
張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁剤または増
量剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容
器または複数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供すること
ができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で
保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するためのア
ジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性により変化するが、ルー
チンな実験操作により簡単に決定できる。
【0045】 本発明のポリペプチドは、1つ以上の病状、特に前記疾患を含めて、1つ以上の
生物学的機能に関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を刺激または
抑制する化合物を同定するスクリーニング法を開発することが望ましい。したが
って、更なる態様において、本発明は、このポリペプチドの機能を刺激または抑
制する化合物を同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的に
は、前記疾患の治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが
使用される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリ
ーおよび天然産物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定
されたアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリ
ペプチドの天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであって
よく、また、その構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coligan
ら, Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)
【0046】 スクリーニング法では、本発明のポリペプチド、または該ポリペプチドを担持
する細胞もしくは膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合を、候補
化合物に直接または間接的に結合された標識を用いて簡単に測定できる。あるい
はまた、スクリーニング法では標識した競合物質との競合を用いることもある。
さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合物がポリペプチドの活性化ま
たは抑制により生ずるシグナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを
担持する細胞に適した検出系を用いて試験することができる。一般的には、既知
のアゴニストの存在下で活性化のインヒビターをアッセイして、アゴニストによ
る活性化に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニストまたはインヒビ
ターの非存在下で、候補化合物がポリペプチドの活性化を抑制するか否かを調べ
ることによる逆アゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、構成的
に活性のあるポリペプチドが用いられる。さらに、これらのスクリーニング法は
、候補化合物と本発明のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつく
り、この混合物中のKIAA0551活性を測定し、そしてこの混合物のKIAA0551活性を
スタンダードと比較する各ステップを単に含むだけでよい。本発明のポリペプチ
ドのアンタゴニストを同定する高効率スクリーニングアッセイでは、上記のよう
なFc部分とKIAA0551ポリペプチドから作製されるような融合タンパク質も使用す
ることができる(D. Bennettら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およびK
. Johansonら, J. Biol. Chem., 270(16):9459-9471 (1995)を参照のこと)。
【0047】 また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは該ポリペプチドに対す
る抗体を用いて、細胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添加化合物
の作用を検出するためのスクリーニング法を組み立てることができる。例えば、
当業界で公知の標準方法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用い
て、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためのELISAア
ッセイを構築することができ、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまたはア
ゴニストともいう)の探索に用いることができる。
【0048】 該ポリペプチドを用いて、相互作用するタンパク質またはその他の分子を同定
しうる。例えば、相互作用するキナーゼの同定は、KIAA0551がその一部を担うシ
グナル伝達経路を明らかにする助けとなりうる。これらの方法には、限定するも
のではないが、ツーハイブリッドシステム(FieldsおよびSong, Nature 340, pp.
245-246 (1989); Durfeeら、Genes Dev. 7, pp. 555-569 (1993); Bartelおよ
びFields, Methods in Enzymology 254, pp. 241-262 (1995))、λgt11発現クロ
ーニング(BlackwoodおよびEisenmann, Methods in Enzymology 254, pp. 229-24
0 (1995))、プロテインキナーゼの基質についての発現スクリーニング(Fukunaga
およびHunter, EMBO J. 16, pp. 1921-1933 (1997))ならびに共免疫沈降および
ウェスタンブロッティングアッセイ(Ransone, Methods in Enzymology 254, pp.
491-496 (1995), Okamuraら、 Methods in Enzymology 254, pp. 535-549 (199
5))が含まれる。これらのスクリーニング法は、該ポリペプチドの(存在するの
であれば)その受容体への結合と競合する該ポリペプチドのアゴニストまたはア
ンタゴニストを同定するために用いることもできる。スクリーニングアッセイを
行うための標準的な方法は当業界でよく理解されている。
【0049】 潜在的なポリペプチドアンタゴニストの例としては、抗体、ある場合には、該
ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係があるオリゴヌ
クレオチドもしくはタンパク質(例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの
断片)、または本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない(それゆえ
該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子などがある。
【0050】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドのアゴニスト
、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポリペ
プチドの産生を低下または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキ
ットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含み、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである。
【0051】 このようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であ
ることが理解されよう。
【0052】 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの有望と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された結合部位または反応部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。これは通常反復プロセスであることがさらに理解されよう。
【0053】 更なる態様において、本発明は、KIAA0551ポリペプチド活性の過剰発現と過小
発現のいずれかに関係した、例えば神経障害、神経障害性疼痛、炎症性および慢
性疼痛、神経変性症(運動ニューロン疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病
およびその他の痴呆症)ならびにニューロンおよび心臓組織における虚血性の損
傷などの異常な状態の治療法を提供する。
【0054】 該ポリペプチドの活性が過剰である場合は、いくつかのアプローチが利用可能
である。一つのアプローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの結
合をブロックすることにより、または第2のシグナルを抑制することで異常な状
態を軽減することにより、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、上
記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を場合により製剤学上許容される担
体とともに被験体に投与することを含んでなる。もう一つのアプローチでは、内
因性のポリペプチドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと結合す
る能力がまだある可溶性形態のポリペプチドを投与することができる。このよう
な競合物質の典型的な例はKIAA0551ポリペプチドの断片である。
【0055】 さらに別のアプローチでは、発現阻止法を使って内因性KIAA0551ポリペプチド
をコードする遺伝子の発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内
で産生されるか外部から投与されるアンチセンス配列の使用を必要とする(例え
ば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (遺
伝子発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド), C
RC Press, Boca Raton, FL (1988) 中のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:560
を参照のこと)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせん(トリプレックス)
を形成するオリゴヌクレオチドを供給することもできる(例えば、Leeら, Nucle
ic Acids Res (1979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; Dervanら,
Science (1991) 251:1360 を参照のこと)。これらのオリゴマーはそれ自体を投
与することもできるし、関連オリゴマーをin vivoで発現させることもできる。
合成アンチセンスまたはトリプレックスオリゴヌクレオチドは修飾塩基または修
飾骨格を含みうる。後者の例にはメチルホスホネート、ホスホロチオエートまた
はペプチド核酸骨格が含まれる。そうした骨格はアンチセンスまたはトリプレッ
クスオリゴヌクレオチド中に取り込まれてヌクレアーゼによる分解からの防御を
提供しており、当分野で公知である。これらの、または他の修飾骨格を用いて合
成されたアンチセンスおよびトリプレックス分子も本発明の一部を構成する。
【0056】 さらに、ヒトKIAA0551ポリペプチドの発現は、ヒトKIAA0551 mRNA配列に特異
的なリボザイムを用いることにより阻止することができる。リボザイムは触媒的
に活性なRNAであり、天然のものでも合成されたものでも良い(例えば、Usman, N
ら、Curr. Opin. Struct. Biol. (1996)6(4), 527-33を参照されたい)。合成リ
ボザイムは、選択した部位でヒトKIAA0551 mRNAを特異的に切断するように設計
することができ、それによりヒトKIAA0551 mRNAから機能性ポリペプチドへの翻
訳が阻止される。通常RNA分子に見られるような天然のリボースリン酸骨格およ
び天然の塩基を用いてリボザイムを合成することもできる。また、リボヌクレア
ーゼ分解からの防御を提供するために非天然骨格を用いてリボザイム、例えば、
2’-O-メチルRNAを合成することも可能であり、該リボザイムは修飾塩基を含み
うる。
【0057】 KIAA0551およびその活性の過少発現に関係した異常な状態を治療する場合も、
いくつかのアプローチを取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効な
量の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわち、前記アゴニスト)を製
剤学上許容される担体とともに被験体に投与して、異常な状態を緩和することを
含んでなる。別法として、被験体の関連細胞においてKIAA0551を内因的に産生さ
せるために遺伝子治療を用いることができる。例えば、上で述べたような複製欠
陥レトロウイルスベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチドを遺伝
子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドを
コードするRNAを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入された
パッケージング細胞に導入する。その結果、パッケージング細胞は対象の遺伝子
を含有する感染性のウイルス粒子を産生するようになる。in vivo細胞操作およ
びin vivo ポリペプチド発現のために、これらのプロデューサー細胞を被験体に
投与する。遺伝子治療の概論に関しては、Human Molecular Genetics, T Strach
anおよび A P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapter 20,
Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeutic Approaches(お
よびその中の引用文献) を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本発明
のポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投与することである。
【0058】 更なる態様において、本発明は、治療に有効な量のポリペプチド(例えば、可
溶性形態の本発明ポリペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプチド
、または小分子化合物を製剤学上許容される担体または賦形剤と共に含有する医
薬組成物を提供する。この種の担体としては、食塩水、緩衝化食塩水、デキスト
ロース、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せがあるが、これ
らに限らない。本発明はさらに、上記の本発明の組成物の1以上の成分を充填し
た1以上の容器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペ
プチドおよび他の化合物は単独で使用しても、他の化合物、例えば治療用化合物
と一緒に使用してもよい。
【0059】 医薬組成物は投与経路、例えば全身または経口による投与経路に適合させるこ
とができる。全身投与に適した形態は、注入、典型的には静脈内注射である。皮
下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用できる。全身投与の別の手
段には、胆汁酸塩、フシジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘
膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチドまたは他の化合物を腸
溶剤またはカプセル剤として製剤化し得るのであれば、経口投与も可能である。
これらの化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投与しても、かつ/
または局在化させてもよい。
【0060】 必要な投与量範囲は、本発明のペプチドまたは他の化合物の選択、投与経路、
製剤の性質、被験体の状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な投
与量は被験体の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲である。入手可能な化合物が
多様であること、投与経路の効率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与
量は広範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静注による投与より
も高い投与量を必要とすると予想されよう。こうした投与量レベルの変動は、当
業界でよく理解されているような、標準の経験的な最適化手順を用いて調整する
ことができる。
【0061】 治療に用いるポリペプチドは、上述したような「遺伝子治療」と称する治療法
において、被験体の体内で産生させることもできる。例えば、被験体由来の細胞
を、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドにより、
例えばレトロウイルスプラスミドベクターを用いて、ex vivoで遺伝子工学的に
操作する。その後、これらの細胞を被験体に導入する。
【0062】 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列は、類似の相同性を有する別の配
列を同定する際の価値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコンピュ
ータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデータを用いてGCGまたはLaser
geneソフトウェアパッケージなどの検索ツールにより配列データベースを検索す
ることで最大限促進される。したがって、更なる態様において、本発明は、配列
番号1の配列を含むポリヌクレオチドおよび/またはそれによりコードされるポ
リペプチドを保存したコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0063】 以下の定義は上記の説明中でしばしば用いられた用語を理解しやすくするため
のものである。
【0064】 本明細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体
、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン
発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
【0065】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」変化されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0066】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはDNA、また
は修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」には、制限する
ものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合
ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA
、DNAとRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、またはより典型的には二本鎖
でもよく、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。
加えて、「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRNAとDNAの両方からなる三
重鎖領域を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾
塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された
骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化
された塩基およびイノシンのような特殊な塩基がある。DNAおよびRNAに対してさ
まざまな修飾を行うことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界
に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾され
た形態、並びにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含
する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される
比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0067】 「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわ
ち、ペプチドアイソスター)により互いに連結された2個以上のアミノ酸を含む
ペプチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は短鎖(通常はペプチ
ド、オリゴペプチドまたはオリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質と
いう)の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化アミノ酸以外のア
ミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然
のプロセスで、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修飾されたアミ
ノ酸配列を含む。このような修飾は基本的な教科書、より詳細な学術論文および
研究文献に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたは
カルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこでも行うことができる。同じタイ
プの修飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異
なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの修飾を
含んでいてもよい。ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、分枝
のある又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、または分枝した環状の
ポリペプチドは翻訳後の天然プロセスから生じることがあり、また、合成法によ
って製造することもできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボ
シル化、アミド化、ビオチニル化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、
ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共
有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結
合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメー
トの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成
、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分
解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、ア
ルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化
などがある(例えば、Proteins - Structure and Molecular Properties, 2nd E
d., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York, 1993; Posttransl
ational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson編, Academic Pres
s, New York, 1983中のWold, F., Post-translational Protein Modifications:
Perspectives and Prospects, pgs. 1-12; Seifterら, “Analysis for protei
n modifications and nonprotein cofactors", Meth Enzymol (1990) 182:626-6
46; および Rattanら, “Protein Synthesis: Post-translational Modificatio
ns and Aging", Ann NY Acad Sci (1992) 663:48-62 を参照のこと)。
【0068】 「全長」とは、単離されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の双方をい
う。本明細書で使用する場合の該用語の意味においては、ポリペプチドが例えば
シグナルペプチド切断または前駆体ポリペプチド形態のプロテアーゼ切断によっ
て促進される活性形態への変換などの、後に続くプロセシングに先立って、天然
に存在するポリペプチドの完全に翻訳されたアミノ酸配列を有する場合に、該ポ
リペプチドは全長である。 天然の全長ポリペプチドのアミノ酸配列は、それを
コードするDNAまたはRNAポリヌクレオチドのコード配列から、その起源となる生
物体の確立された遺伝子コードに従って予測できる。あるいは、それが異なる種
の宿主細胞において発現される場合には、実際に発現されるポリペプチド配列は
、宿主の遺伝子コードから決定できることになる。このような予測方法は、当技
術分野で公知であり、これにはLasergeneまたはGCG DNA およびタンパク質分析
ソフトウェアパッケージにおけるような翻訳ソフトウェアが含まれる。当業者で
あれば、一度全長ポリペプチドが宿主細胞内で発現されたら、該ポリペプチドは
、シグナルペプチドの除去または活性形態への切断などの、さらなるプロテアー
ゼ媒介プロセシングを受けうることが理解されるであろう。全長ポリペプチドに
は、一次mRNA転写産物の示差的スプライシングによって生じるものすべてが含ま
れる。従って、同一のゲノム配列によってコードされる全長ポリペプチドは、ス
プライシングの間にどのエキソン(もしあるとすれば)が一次mRNAから切り出さ
れるかによって、異なる長さとなりうる。このようなスプライシングおよびポリ
ペプチド長に関するその結果は、当業者には公知である。
【0069】 上述の定義によると、ポリヌクレオチドが発現のために好適な環境に導入され
たとき、例えば発現ベクターに挿入され、適合性の宿主内に存在するときに、全
長ポリペプチドの産生を可能にする完全なコード能力を有する場合に、そのポリ
ヌクレオチドは全長である。全長ポリヌクレオチドには、一次mRNA転写産物から
の示差的スプライシングの結果として生じたものが含まれる。このように、全長
ポリヌクレオチドには、すべてのエキソンを含むもの、または1以上のエキソン
がスプライシングによって除去されているものが含まれる。
【0070】 「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドのことである。
典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列
の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基準ポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても、しなくても
よい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配列によりコードされ
るポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および末端切断(トランケ
ーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプチド
とアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体
の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるような相違に限ら
れる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以上の置換、欠失、付
加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または挿入されるアミノ酸残基
は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくてもよい。ポリヌクレ
オチドまたはポリペプチドの変異体はアレル変異体のように天然に存在するもの
でも、天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレ
オチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または
直接合成により作製することができる。
【0071】 当技術分野で知られた「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオ
チド配列の比較により決定された、2以上のかかる配列間の関連性のことである
。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド配列またはポリヌクレオチド
配列の鎖間のマッチ(match)により決定された、このような配列間の配列関連性
の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法により難なく算出
することができ、こうした方法として、例えば Computational Molecular Biolo
gy, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing:
Informatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New Yo
rk, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and
Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in M
olecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysi
s Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M Stockton Press, New York,
1991; および Carillo, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073
(1988) に記載された方法があるが、これらに限らない。同一性を決定するため
の好ましい方法は、検討する配列間で最大級のマッチが得られるように設計され
る。さらに、同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可能なコンピュー
タプログラムに編集されている。2配列間の同一性および類似性を決定する好適
なコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ (Devereux, J
.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLAST
NおよびFASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (1990))
があるが、これらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の
ソースから一般に入手可能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM N
IH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990)
)。公知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる
【0072】 ポリペプチド配列を比較するための好適なパラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして一般に入手可能である。前記のパラ
メーターはペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(default parameter)
である(末端ギャップのペナルティーは無し)。
【0073】 ポリヌクレオチド配列を比較するための好適なパラメーターは次のものを含む
: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして入手可能である。これらのパラメー
ターは核酸比較のためのデフォルトパラメーターである。
【0074】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は配列番号1の基準配列と同一、す
なわち100%同一であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのヌクレオ
チド変異を含んでいてもよい。前記変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失
、置換(トランジションおよびトランスバージョンを含む)または挿入よりなる
群から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位置
、またはこれらの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオ
チドの間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグループとして介在す
ることができる。ヌクレオチド変異の数は、配列番号1のヌクレオチドの総数に
、それぞれの(100で割った)同一性%値を掛け、その積を配列番号1のヌクレ
オチドの総数から差し引くことにより、すなわち、次式: n ≦x −(x・y) により求めることができる。式中、nはヌクレオチド変異の数であり、x
配列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%
については0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.
95などであり、xとyの非整数の積は、その積をxから引く前に、最も近似
する整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド配列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフ
ト突然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチドによ
りコードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0075】 同様に、本発明のポリペプチド配列は配列番号2の基準配列と同一、すなわち
100%の同一性であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのアミノ酸変
異を含んで同一性%が100%未満であってもよい。前記変異は少なくとも1個の
アミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入
よりなる群から選択され、こうした変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしく
はカルボキシ末端位置、またはこれらの末端位置の間のいずれに存在してもよく
、基準配列中のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグ
ループとして介在することができる。所定の同一性%についてのアミノ酸変異の
数は、配列番号2のアミノ酸の総数に、それぞれの(100で割った)同一性%値
を掛け、その積を配列番号2のアミノ酸の総数から差し引くことにより、すなわ
ち、次式: n ≦x −(x・y) により求めることができる。式中、nはアミノ酸変異の数であり、xは配列
番号2中のアミノ酸の総数であり、yは例えば70%については0.70、80%につい
ては0.80、85%については0.85などであり、xとyの非整数の積は、その積を
から引く前に、最も近似する整数に切り下げる。
【0076】 「相同体」とは、対象の配列に対して高度の配列関連性を有するポリヌクレオ
チドまたはポリペプチド配列を示すための当技術分野で使用される一般的な用語
である。こうした関連性は、上記のような比較すべき配列間の同一性および/ま
たは類似性の程度を決定することにより定量化できる。別の種におけるポリヌク
レオチドまたはポリペプチドの機能的等価物であるポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドを意味する「オーソログ」(ortholog)、および同一の種内で考えるとき
に機能的に類似した配列を意味する「パラログ」(paralog)という用語はこの一
般的な用語に含まれる。
【0077】 「融合タンパク質」とは、2つの、しばしば無関係の、融合された遺伝子また
はその断片によりコードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A-0 4
64には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部分と他のヒトタンパク質また
はその一部とを含んでなる融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治療
および診断における使用には、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc領
域を使用することが有利であり、これにより例えば薬物速度論的性質が向上する
(例えば、EP-A- 0232 262を参照のこと)。一方、いくつかの使用にとっては、
その融合タンパク質を発現させ、検出し、精製した後でFc部分を除去することが
望ましいだろう。
【0078】 本明細書中に引用された、特許および特許出願明細書を含めた全ての刊行物は
、あたかも各刊行物が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体を参
考としてここに組み入れるものとする。
【0079】実施例 実施例1:ディファレンシャル・ディスプレイの神経障害性疼痛への適用 ディファレンシャル・ディスプレイ法 このPCRに基づく技術(Liang P, Pardee AB., Science 1992; 257:967-971)は
、示差的に発現した遺伝子を単離するための従来の方法に対し、いくつかの利点
を有する。該利点としては、以下のものが挙げられる: (I) 複数のサンプルを同時に分析できること、 (II) 発現の低下および増加の同時検出、 (III) コピー数の少ないmRNAの検出を可能にする高感度、 (IV) 必要とされるmRNAの量が少ないこと、 (V) 差引きハイブリダイゼーションの間に2本鎖分子として容易に失われてしま
う遺伝子ファミリーの新規なメンバーをコードするmRNAを検出できること、 (VI) 2日でバンドパターンが得られ、4日でクローン化できるという迅速な工程
【0080】 一般的な実験方法は、ポリアクリルアミドゲル上におけるRT-PCR産物のサブ集
団の作製に基づく。2つの別個のPCRプライマーを使用する: 1) アンカー3'オリゴ-(dT)プライマー dT12(G/C/A)(G/C/A/T)。すなわち12の
可能性の内の一つはdT12GGである。従って、各プライマーは、mRNAの約1/12を選
択する。mRNAの約15,000の異なる種が所与の細胞中に存在するため、約1,250のc
DNAのサブセットが各アンカープライマーから作製される。
【0081】 2) 規定した配列を有する任意5'プライマー、これは適切なアニーリング温度
において、各cDNAサブセットの一部と、その3'末端から様々な距離にある領域で
ハイブリダイズする。異なるcDNAサイズの50〜100のバンドが、PCR増幅の後で、
アンカープライマーおよび任意プライマーの所与の組合わせに対して生じること
になる。
【0082】 放射能標識されたヌクレオチドをPCR反応混合物に導入すると、変性ポリアク
リルアミドゲル電気泳動に続くオートラジオグラフィーによって産物を可視化で
きる。異なる任意の5’プライマーを12種の3'プライマーのそれぞれと組み合わ
せて使用すると、細胞中に存在する転写産物の大半が表示されるはずである。示
差的発現は、レーン間のバンドパターンを肉眼で比較することによって評価する
。PCR産物の大多数はサンプル間で同一となるが、示差的に発現した推定のmRNA
を表すバンド差がまれに見られる。差異のあるバンドを含むゲル領域を切り出し
、DNAを溶出して、オリジナルのプライマーの組合わせを使用して再増幅し、そ
して最後にプラスミドベクターにクローン化する。該クローンは、ノーザンブロ
ットに対するプローブとして直接使用することにより、またはRT−PCRもしくはi
n situハイブリダイゼーション実験に使用するための特定のオリゴヌクレオチド
を設計することによって、示差的発現を確認するために用いられる。
【0083】実験計画 ディファレンシャル・ディスプレイはこれまで、坐骨神経の圧挫損傷後の運動
ニューロンと感覚ニューロンの再生において発現する遺伝子を同定するためにう
まく利用されてきた(Livesey FJ, O’Brien JA, Li M, Smith AG, Murphy LJ, H
unt SP., Nature 1997; 390:614-618)。本発明者らは、疼痛性神経障害、特に、
糖尿病の主要な合併症である糖尿病性神経障害に関して、関連する遺伝子を同定
しようとした。そこで、坐骨神経の片側の部分的な損傷に基づく神経障害性疼痛
の動物モデルを使用し(Seltzer Z, Dubner R, Shir Y., Pain 1990, 43:205-218
)、糖尿病にかかった太った(Zucker Diabetic Fatty;ZDF)ラットならびに糖尿
病でない痩せた(LN)ラットに適用した。そしてディファレンシャル・ディスプレ
イを使用して、同側および対側のL4およびL5 DRGにおける遺伝子発現の変化を評
価した。糖尿病の存在は、損傷に関連する遺伝子の発現を増大/低下しうるとと
もに、新規遺伝子の発現を変化させうる。同様の実験計画を用いて、対照ラット
およびストレプトゾトシン誘導性糖尿病ラットにおける圧挫損傷後の成長関連タ
ンパク質の発現を試験した(Mohiuddin L, Tomlinson, DR., Diabetes 1997; 46:
2057-2062)。
【0084】 約半分の坐骨神経を、LNラットおよび高血糖値ZDFラットの大腿において片側
的に結紮した。熱痛覚過敏は、それぞれの足に別々に侵害受容温度を与え、足を
引っ込めるまでの潜伏時間として評価した。手術の14日後に熱痛覚過敏を試験し
たが、同側の足蹠に防御を示しかつ同側の(14日目の潜伏時間)/(手術前のベ
ースラインとなる潜伏時間)の比が0.8未満の動物のみをディファレンシャル・
ディスプレイに使用した。L4およびL5 DRGを痛覚過敏ラットおよび擬似手術をし
たラットの同側(L)および対側(R)から摘出し、全RNAを調製した。いくつかの
痛覚過敏動物から得られたDRGは、in situ実験のためにも取っておいた。ディフ
ァレンシャル・ディスプレイ分析は、Hieroglyph mRNA Profile System (Genomy
x Corporation)を用いて実施した。
【0085】 おそらく、ディファレンシャル・ディスプレイに関して報告される主な欠点は
、ゲル上の異なったバンドから単離されるクローンがその後の確認実験において
発現パターンを反復できない場合に、偽陽性率が潜在的に高くなることである。
従って、本発明者らはこの可能性を減じるためにいくつかの戦略を取り入れた:
(I) RNAの単離をバッチごとに行って動物間の標準化を増大させ、そしてRNAのア
リコートを下記のようにプールした。
【0086】 (II) ZDFおよびLN 痛過敏ラットの双方について、動物を2つのプールにわけた(
AおよびB)。これらの双方は、痛覚過敏の平均レベルが同様であった。こうして8
つのRNAサンプルレーンが得られた: プールA プールB プールA プールB ZDF ZDF ZDF ZDF LN LN LN LN (L) (R) (L) (R) (L) (R) (L) (R) 個々のプール間で反復された変化のみを、さらなる分析で考慮した。
【0087】 (III) 擬似ZDFおよび擬似LN対照を加えてさらに4つのレーンを得た: 擬似 ZDF 擬似 ZDF 擬似 LN 擬似 LN (L) (R) (L) (R) (IV) 展開した配列決定ゲルをGenomyxLR DNA配列決定装置にかけてバンドの分解
を最大化し、そうして同程度の移動度の配列をクローニングしないようにした。 (V) 長いアンカープライマーおよび任意プライマーを使用した。PCRの最初の数
サイクルでは低いストリンジェント条件下でアニーリングを行い、後続のサイク
ルではストリンジェント条件下でこれらを使用することによって、増幅工程の間
のミスプライミングを防止することができた。 (VI) 逆転写酵素を添加していないRNAサンプルは、RNA単離工程からのDNA汚染の
存在を調べるための鋳型としても使用した。
【0088】方法 12種のアンカープライマーと組み合わせて使用できる22種の異なる任意プライ
マーを用い、264の可能なプライマーの組合せを得た。ゲルあたり50〜100のバン
ドが観察されたので、この組合せの数は、約20,000のmRNAをディスプレイするこ
とになる。これは細胞中のおよその数である。しかし、これは避けられない重複
ディスプレイ、すなわち、いくつかのmRNAは2回以上表示される一方で、他のも
の、特にまれなメッセージが検出されないことを考慮していない。このようなプ
ライマーの組合せによりリカバーできるmRNA集団の範囲が不完全であるにもかか
わらず、該方法はなお、示差的に発現する遺伝子の数が非常に多いような条件下
においては、遺伝子発現における重要な変化を検出する可能性に優れている。
【0089】 単離されたクローンの大半は、既知の遺伝子とマッチしなかった。これは、同
定されたmRNAが新規であることによる可能性もあるが、あるいはディファレンシ
ャル・ディスプレイに固有の3'UTRターゲッティングの結果であって、従って特
徴づけられたmRNAの3'UTR(この領域における配列が未知である)を表している
可能性もある。この後者の可能性は、本発明者らの系においては、選択するバン
ドを0.4 Kbと0.8 Kbの間とすることによって減少し、コード領域における配列情
報が得られる可能性は増加する。新規と思われる確認された示差的クローンの5'
上流配列は、5’ RACE法を用いて決定する。
【0090】 こうした結果は、適切な実験戦略をとったときの、疼痛モデルにおいて示差的
に発現する遺伝子を同定する該方法の能力を示している。
【0091】 ポリヌクレオチド配列、配列番号3および配列番号5は、上記ディファレンシャ
ル・ディスプレイ実験によって単離されたバンドのうちの2つの配列である。配
列番号4のアミノ酸配列は、配列番号3のポリヌクレオチドによってコードされ
る推定上のポリペプチド配列である。
【0092】結果 ポリヌクレオチド配列、配列番号3および配列番号5は、KIAA0551を神経障害性
疼痛のラットモデルにおけるL4およびL5 DRGで示差的に発現される遺伝子として
同定する。この知見は、痛覚過敏および神経変性の進行に関連しうる神経障害お
よび神経障害性疼痛に関連する分子プロセスの制御におけるKIAA0551の役割を強
く示している。
【0093】実施例2:定量的RT-PCR (TaqManTM)の神経障害性疼痛への適用 糖尿病でない痩せた(LN)ラットの同側および対側のL4およびL5 DRGにおけるKI
AA0551遺伝子発現の、上記坐骨神経の片側部分の損傷に応答する変化(Seltzer Z
, Dubner R, Shir Y., Pain 1990, 43:205-218)はまた、TaqManTM定量的PCRを用
いて測定することができる。TaqManTMは、Thermus aquaticus(Taq)ポリメラーゼ
の5'-3'エキソヌクレアーゼ活性に基づいて、鋳型の初期濃度を測定するための
公知の定量的PCR法である(LieおよびPetropoulos, Curr. Op. Biotechnolgy 9,
pp. 43-48 (1998)参照)。RNAはL4およびL5 DRGから、標準的な手順に従って調
製し、in vitroで逆転写する(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory M
anual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,
N.Y. (1989))。続いてこの反応から得られるcDNAを、ABI PRISMTM 7700配列検
出装置を標準的な製造元の説明書(PerkinElmer Applied Biosystems)にしたがっ
て使用し、TaqManTM分析に付した。各データポイントは、3匹の痛覚過敏ラット
または擬似手術を施した対照ラット由来の逆転写されたRNAのプールから3回反復
して得られた値を表す。
【0094】 ヒトCNSおよび末梢組織におけるKIAA0551 mRNAの発現プロファイルを、上述の
逆転写したヒトRNA(Clontech)のTaqManTM分析によって測定した。
【0095】結果 これらのデータは、最初のディファレンシャル・ディスプレイによる知見を妥
当なものとして実証し、KIAA0551を神経障害性疼痛においてL4およびL5 DRG 内
でアップレギュレートされる遺伝子として確認した。これらのデータはさらに、
L4およびL5 DRGにおけるKIAA0551 mRNA発現が、坐骨結紮の7〜28日の間中、不変
的にアップレギュレートされることを示し、さらに、この遺伝子が神経障害性疼
痛の間に活性な分子プロセスおよびシグナル伝達経路の制御に関与することを示
唆している。さらに、神経障害におけるKIAA0551の潜在的役割は、神経変性過程
の制御におけるKIAA0551の一般的役割を示唆する。なぜなら、主に、KIAA0551を
ヒトCNSにおいて発現される遺伝子として同定することは、ニューロンのプロセ
ス制御におけるこの遺伝子のさらなる役割を示唆するからである。
【0096】実施例3:全長ヒトKIAA0551のクローニング ヒト胎児脳cDNAライブラリーを、逆転写されたヒト胎児脳RNA(Clontech)から
構築した。このライブラリーを鋳型として使用し、コード配列のための特定のプ
ライマーセットを用いて、公開されている部分的KIAA0551配列 (Nagaseら、1998
, DNA Res.5, 31-39. Genbank acc. no. AB011123)を増幅した。5'末端のポリヌ
クレオチド配列を、標準的な手順に従い、RACE-PCRによって単離し(Ausubelら編
、Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 2, John Wiley & Sons, (19
96))、これを用いて全長KIAA0551構築物を作製した。全長ポリヌクレオチド配列
を配列番号1に、コードするポリペプチドを配列番号2に示す。
【0097】実施例4:HEK293細胞での組換え体NAKタンパク質の発現およびミエリン塩基性
タンパク質(MBP)に対するキナーゼ活性の実証 ヘキサ Hisおよびmycエピトープタグを含む哺乳動物NAK組換え発現構築物(pcD
NA3.1.NAK-Hm)は、標準的手順に従って、全長ヒトNAK cDNAを哺乳動物発現ベク
ター pcDNA3.1-His-myc (Invitrogen)中にクローン化することによって作製した
(Sambrookら、前掲、第5項第31行)。さらに、Hisおよびmycエピト−プでタグ付
けしたNAKアミノ酸1-337および1-529をそれぞれコードする、5'末端が切断され
た2つのヒトNAK cDNAsをPCRによって作製し(Ausubel ら編、Current Protocols
in Molecular Biology, Vol. 2, John Wiley & Sons, (1996))、pcDNA3.1-His-
mycにクローン化してpcDNA3.1.NAK(1-337)-HmおよびpcDNA3.1.NAK(1-529)-Hmを
得た。
【0098】 4μgのpcDNA3.1-His-myc、pcDNA3.1.NAK-Hm、pcDNA3.1.NAK(1-337)-Hmまたはp
cDNA3.1.NAK(1-529)-Hmは、リポフェクトアミン プラス(Lipofect Amine PlusT M ;Life Technologies)試薬を製造元の説明書に従って使用して、10cmの組織培
養皿上の3x106 HEK293細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの48
時間後、細胞を氷冷したリン酸緩衝化食塩水で一度洗浄し、1mlの氷冷した溶解
バッファー(20mM HEPES pH8.0、50mM NaF、25mM NaCl、20 mM β-グリセロホス
フェート、2mM EDTA、1mM バナジン酸Na、0.5mM DTT、CompleteTM (Boehringer
Mannheim)プロテアーゼ阻害剤を補給)中で、4℃にて10分間かけて溶解した。溶
解物は、4℃にて、14000 rpm で10分間遠心することにより、砕片を除去した。
透明な溶解物の総タンパク質濃度は、標準的な手順に従う、タンパク質アッセイ
によって測定し(Ausubelら編、前掲)、溶解物を次の分析まで-80℃で保存した。
【0099】 溶解物は、NAKタンパク質発現について、不連続SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動によって分析した。ゲルをニトロセルロースに移し、NAKタンパク質を、
抗-myc抗体9E10 (SantaCruz)を標準的な手順で用いたイムノブロッティングによ
って可視化した(Ausubelら編、前掲)。 トランスフェクトしたHEK293細胞における全長および末端切断した組換え体ヒ
トNAKタンパク質の発現レベルは、同様であった。HEK293-由来のNAKタンパク質
の酵素活性は、総タンパク質500μgを含有する溶解物から2μgの抗-myc(9E10)抗
体(SantaCruz)を標準的な手順に従って用いて、NAKタンパク質を免疫沈降した後
に測定した(Ausubelら編、前掲)。免疫沈降物を氷冷した溶解バッファーで3回お
よび氷冷したキナーゼバッファー(20mM HEPES pH7.4、20mM β-グリセロホスフ
ェート、10mM NaF、10mM MgCl2、1mM DTT、200μM バナジン酸Na)で1回洗浄した
。キナーゼ活性は、免疫沈降物を30μlのキナーゼアッセイバッファー(20mM HEP
ES pH7.4、20mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM MgCl2、1mM DTT、2
00μM バナジン酸Na、10μM ATP、250μg/ml ミエリン塩基性タンパク質(MBP) (
Sigma)および165μCi/ml γ-32P-ATP (比活性 5000Ci/mmol; Amersham)) 中で、
30℃にて30分間インキュベーションすることよって測定した。MBPは、予めカッ
トして75mMのオルトリン酸中で5×2分間洗浄したP81ペーパースクエア上に、各
反応物の15μlをスポットすることによって、P81クロマトグラフィーペーパーに
結合させた。リン酸のMBPへの取り込みは、P81ぺーパースクエアと4mlのUltimaG
oldTM XRシンチレーション液(Packard)とを、2500TRシンチレーションカウンタ
ー(Packard)中に入れてカウントすることによって測定した。
【0100】結果 これらのデータは、NAKが酵素活性なプロテインキナーゼであることを立証す
る。C末端の欠失がキナーゼ活性を増大させるという知見は、アミノ酸1-337内の
コア触媒領域を規定し、さらにC末端の抑制的役割およびC末端負制御性ドメイン
の存在を示唆する。配列情報 配列番号1 配列番号2 配列番号3 配列番号4 配列番号5
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 体性疼痛に対する感受性増加のモデルである部分的坐骨結紮に応答したラット
脊髄神経節におけるKIAA0551 mRNA誘導の時間経過TaqManTM分析。 a) RNA 1ngあたりのKIAA0551コピー数として表わしたmRNAの誘導。 b) 内部標準として使用したハウスキーピング遺伝子であるシクロフィリンmRNA
の発現に対して表したmRNAの誘導。
【図2】 内部標準として使用したハウスキーピング遺伝子であるGAP-DH mRNAの発現に
対して表した、ヒトCNSおよび末梢組織におけるKIAA0551 mRNAのTaqManTM発現プ
ロファイル。
【図3】 HEK293細胞における全長NAKタンパク質の過剰発現。レーン1: pcDNA3.1hismyc
でトランスフェクトした細胞。レーン2: pcDNA3.1 NAKでトランスフェクトした
細胞。NAKは190 kDaのタンパク質として移動し、それより小さいバンドは切断産
物を表す。タンパク質は、組換え体タンパク質およびECLのmyc-エピトープタグ
を認識する抗-myc(9E10)抗体を用いて可視化した。
【図4】 NAKは酵素活性なキナーゼでありミエリン塩基性タンパク質(MBP)でアッセイで
きる。a) 組換え体NAKトランスフェクトHEK293細胞由来の抗-myc(9E10)免疫沈降
物におけるMBPキナーゼ活性を、対照のトランスフェクト細胞と比較したアッセ
イ。b) 全長組換え体NAKおよびアミノ酸残基1-337(NAK1-337)または1-529(NAK 1
-529)をコードする2つのC末端切断物におけるMBPキナーゼ活性の比較。実験は、
組換え体NAKタンパク質が同等に発現するように調節した。
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月9日(2001.4.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 25/28 4C087 25/16 29/00 25/28 C12N 1/15 29/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/12 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z 9/12 33/53 M G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/48 33/566 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP (72)発明者 ビンガム,シャロン イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ エセックス,ハーロウ,サード アベニ ュー,ニュー フロンティアーズ サイエ ンス パーク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ (72)発明者 ケース,パトリック イギリス国 ビーエス10 5エヌビー ブ リストル,サウスミード ホスピタル,デ パートメント オブ セリュラー パソロ ジー (72)発明者 ローソン,サリー,ニール イギリス国 ビーエス8 1ティーディー ブリストル,ユニバーシティー ウォー ク,メディカル スクール,フィジオロジ ー デパートメント (72)発明者 ニュートン,リチャード,アンソニー イギリス国 ビーエス8 1ティーディー ブリストル,ユニバーシティー ウォー ク,メディカル スクール,フィジオロジ ー デパートメント (72)発明者 ラウチ,オリヴィアー,ラース イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ エセックス,ハーロウ,サード アベニ ュー,ニュー フロンティアーズ サイエ ンス パーク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ (72)発明者 レイス,アラステア,デヴィッド イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ エセックス,ハーロウ,サード アベニ ュー,ニュー フロンティアーズ サイエ ンス パーク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ (72)発明者 サンガー,ガレス,ジョン イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ エセックス,ハーロウ,サード アベニ ュー,ニュー フロンティアーズ サイエ ンス パーク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 CB01 DA20 DA36 DA77 FB02 4B024 AA01 BA10 CA04 DA02 EA02 EA04 GA11 HA01 4B050 CC03 DD11 LL01 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 CA29 CA44 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA02 BA22 DC01 NA14 ZA02 ZA08 ZA15 ZA16 ZA36 ZB11 4C087 AA01 AA02 BC83 NA14 ZA08 ZA15 ZA16 ZA36 ZB11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(i)〜(v): (i) 神経障害、 (ii) 神経障害性疼痛、 (iii) 炎症性および慢性疼痛、 (iv) 神経変性症、または (v) 神経外傷性疾患または心臓組織における虚血性損傷、 を治療するための医薬品を製造するための、以下の(a)〜(d): (a) KIAA0551ポリペプチド、 (b) KIAA0551ポリペプチドを活性化する化合物、 (c) KIAA0551ポリペプチドを抑制する化合物、または (d) KIAA0551ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 より選択される化合物の使用。
  2. 【請求項2】 前記医薬品が、以下の(a)〜(e): (a) 配列番号1の配列を含んでなるポリヌクレオチドによってコードされる単
    離されたポリペプチド、 (b) 配列番号2のポリペプチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポリペ
    プチド配列を含んでなる単離されたポリペプチド、 (c) 配列番号2のポリペプチド配列と少なくとも95%の同一性を有する単離さ
    れたポリペプチド、 (d) 配列番号2の単離されたポリペプチド、および (e) 配列番号2のKIAA0551ポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有する(a)
    〜(d)に記載のポリペプチドの断片および変異体、 よりなる群から選択される単離されたポリペプチドを含んでなる、請求項1に記
    載の使用。
  3. 【請求項3】 前記医薬品が、以下の(a)〜(d): (a) 配列番号1のポリヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポ
    リヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、 (b) 配列番号1のポリヌクレオチドと少なくとも95%の同一性を有する単離さ
    れたポリヌクレオチド、 (c) 配列番号2のポリペプチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポリペ
    プチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌク
    レオチド、および (e) 配列番号2のポリペプチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポリペ
    プチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオ
    チドよりなる群から選択される単離されたポリヌクレオチド、または該単離され
    たポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載
    の使用。
  4. 【請求項4】 以下の(a)〜(d): (a) 配列番号1のポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチド
    、 (b) 配列番号1の単離されたポリヌクレオチド、 (c) 配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでな
    る単離されたポリヌクレオチド、および (d) 配列番号2のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、 よりなる群から選択される、請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のポリペプチドの機能またはレベルを刺激ま
    たは抑制する化合物を同定するためのスクリーニング法であって、 (a) 候補化合物と、該ポリペプチドまたはその融合タンパク質との結合を、該
    候補化合物に直接または間接的に結合させた標識により、定量的にまたは定性的
    に測定または検出すること、 (b) 候補化合物と、該ポリペプチドまたはその融合タンパク質との結合の競合
    を、標識競合物質の存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が該ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナルを
    もたらすか否かを、該ポリペプチドに適した検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒に
    して混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該混合物
    の活性を候補化合物を含まない対照混合物と比較すること、 よりなる群から選択される方法を含んでなる上記スクリーニング法。
  6. 【請求項6】 以下の(a)〜(c): (a) 配列番号2のポリペプチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポリペ
    プチド配列を含んでなる単離されたポリペプチド、 (b) 配列番号2のポリペプチド配列を含んでなる単離されたポリペプチド、 (c) 配列番号2の単離されたポリペプチド、 よりなる群から選択される単離されたポリペプチド。
  7. 【請求項7】 以下の(a)〜(f): (a) 配列番号2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有するポリペプチ
    ド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオ
    チド、 (b) 配列番号1のポリヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有するポ
    リヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、または該単離さ
    れたポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド配列、 (c) 配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでな
    る単離されたポリヌクレオチド、 (d) 配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 (e) 配列番号1のポリヌクレオチド、および (f) 配列番号1の配列を有する標識されたプローブを用いて、ストリンジェン
    トなハイブリダイゼーション条件下で、ライブラリーをスクリーニングすること
    によって得られる少なくとも100ヌクレオチド以上のヌクレオチド配列を有する
    ポリヌクレオチド、 よりなる群から選択される単離されたポリヌクレオチド、または該単離されたポ
    リヌクレオチドとその全長にわたって相補的なヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 下記発現ベクターが適合性の宿主細胞内に存在するとき請求
    項7に記載のポリペプチドを産生し得るポリヌクレオチドを含有する発現ベクタ
    ー。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の発現ベクターを含有する宿主細胞、または
    その膜。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のポリペプチドを産生させるのに十分な条
    件下で請求項9に記載の宿主細胞を培養し、この培養培地から該ポリペプチドを
    回収する段階を含んでなる、請求項6に記載のポリペプチドの産生方法。
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