JP2002517259A - Acrp30(30kd脂肪細胞補体関連タンパク質)の相同体acrp30r2 - Google Patents

Acrp30(30kd脂肪細胞補体関連タンパク質)の相同体acrp30r2

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Abstract

(57)【要約】 ACRP30R2ポリペプチドおよびACRP30R2ポリヌクレオチド、ならびにかかるポリペプチドを組換え技術により生産する方法が開示されている。さらに、ACRP30R2ポリペプチドおよびACRP30R2ポリヌクレオチドを治療に用いる方法、およびそのための診断アッセイも開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1998年6月12日に出願された米国仮出願第60/089,175号、および該
仮出願に対応する1998年10月15日に出願された米国非仮出願第09/173,269号の優
先権の利益を主張するものでる。
【0002】発明の分野 本発明は、新たに同定されたポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの治療の際のまたは治療
に有効でありうるアゴニスト、アンタゴニストおよび/またはインヒビターであ
る化合物を同定する際の使用、ならびに該ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
の生産方法に関する。
【0003】発明の背景 薬物探索プロセスには目下根本的な大変化が生じている。というのは、それが
「機能性ゲノミクス」(functional genomics)、すなわちハイスループット(高
効率)のゲノムまたは遺伝子に基づく生物学に及んでいるからである。このアプ
ローチは「ポジショナルクローニング」に基づいた比較的初期のアプローチに急
速に取って代わりつつある。表現型、つまり生物学的機能または遺伝病、が同定
され、続いてその遺伝子地図の位置を手がかりとして病因遺伝子が突き止められ
るだろう。
【0004】 機能性ゲノミクスは、現在入手できる多くの分子生物学データベースから目的
となりそうな遺伝子配列を同定するためのバイオインフォマティクスの様々なツ
ールに大きく依存している。依然として、まだ未解明の遺伝子およびその関連ポ
リペプチド/タンパク質を薬物探索の標的として同定し特性づける必要性がある
【0005】発明の概要 本発明は、ACRP30R2、特にACRP30R2ポリペプチドおよびACRP30R2ポリヌクレオ
チド、組換え物質、ならびにその生産方法に関する。もう一つの態様において、
本発明は、癌、炎症、細胞死、肥満、糖尿病、細胞増殖、免疫、エネルギー代謝
やホメオスタシス、(以後まとめて「前記疾患」という)の治療をはじめとする
、前記ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。他の態様では
、本発明は、本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニ
スト/インヒビターを同定する方法、ならびに同定された化合物を用いてACRP30
R2平衡異常と関連した症状を治療することに関する。さらに他の態様において、
本発明は不適当なACRP30R2活性またはACRP30R2レベルと関連した疾病を検出する
ための診断アッセイに関する。
【0006】発明の説明 第一の態様において、本発明はACRP30R2ポリペプチドに関する。この種のペプ
チドには、配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも
90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少な
くとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドが
含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号2のアミノ酸配列を含むもの
がある。
【0007】 本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2の全長にわたって
配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80
%の同一性、より好ましくは、少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少な
くとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有する単離
されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号2のア
ミノ酸配列からなるポリペプチドがある。
【0008】 本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含む
ポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0009】 本発明のポリペプチドは、補体C1q/腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのポリペ
プチドのメンバーであると考えられる。従って、本発明のポリペプチドは重要で
ある。なぜなら、このファミリーのメンバーは、炎症、細胞増殖、細胞死、免疫
系、エネルギーホメオスタシスにおいて役割を担っていることが知られているか
らである。ACRP30R2はこのファミリーの一メンバーであるACRP30(30KDの脂肪細
胞補体関連タンパク質)に類似性を示す。ACRP30は脂肪細胞だけに発現されてお
り、その発現は様々な肥満型で異なっている(Hu, E, Liang, P. and Spiegelma
n, BM., J. Biol.Chem. 271,10697-10703,1996)。ACRP30の分泌は、インスリン
によって急性的に刺激され(Scherer,PE.ら, J. Biol. Chem. 270, 26746-2674
9, 1995)、インスリンレベルの慢性的な上昇によって抑制される。シベリアシ
マリス由来の関連分子Hib27タンパク質は冬眠中に特異的にその発現が失われる
ことから(Takamatsu, N.ら, Mol. Cell Biol. 13 1516-1521, 1993)、このタン
パク質もエネルギーホメオスタシスに関与していると考えられている。最近、AC
RP30の三次元構造がTNFのものと重なることが示され、これらのタンパク質は同
様の機能と作用機序を有していることが示唆された(Shapiro, L., and Scherer
PE., Current Biology 8, 335-338 1997)。TNFファミリーのメンバーはエネルギ
ーホメオスタシスに関与しており、そのことによって、カヘキシーや肥満、イン
スリン抵抗性に関係しているいることが知られている(Hotamisligil Gs., and S
piegelman Bm. Diabetes (1994) 43, 1271-1278; Uysal KT et al., Nature 38
9, 610-614, 1997)。ACRP30R2のACRP30、Hib27、C1q補体タンパク質、TNF、およ
び他のTNFスーパーファミリーのメンバーとの類似性に基づいて考えると、コー
ドされたACRP30R2タンパク質は、癌、炎症、細胞死、肥満、糖尿病、細胞増殖、
免疫系、およびエネルギーの代謝やホメオスタシスに関与しているであろう。こ
れらの特性を以下「ACRP30R2活性」または「ACRP30R2ポリペプチド活性」、ある
いは「ACRP30R2生物学的活性」と記す。これらの活性の中には、前記ACRP30R2ポ
リペプチドの抗原性および免疫原性活性、特に配列番号2のポリペプチドの抗原
性および免疫原性活性も含まれる。本発明のポリペプチドはACRP30R2の少なくと
も1つの生物学的活性を示すことが好ましい。
【0010】 本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク質の形であっても、融合タンパク質
のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加のアミ
ノ酸配列を含むことが有利であり、このようなアミノ酸配列としては、分泌すな
わちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、
または組換え体生産の間の安定性を確保する付加的配列などがある。
【0011】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Le
u および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間
;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に
、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せ
で置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
【0012】 本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このよう
なポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換えにより生産された
ポリペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せ
により製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するた
めの手段は当業界でよく理解されている。
【0013】 本発明の更なる態様において、本発明は、ACRP30R2ポリヌクレオチドに関する
。このようなポリヌクレオチドには、配列番号2の全長にわたって配列番号2の
アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、
より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同
一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリ
ヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリ
ペプチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一
層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが最も好ましいもの
である。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号2のポリペプチドをコードす
る配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる
【0014】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列と、その全コード領域にわたって、少なくとも70%の同一性
、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性
、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む単
離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性
を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有
するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチ
ドが最も好ましいものである。
【0015】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1の全長にわたって配列番号
1のポリヌクレオチドと少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の
同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも
95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含
まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一
層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、
少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。
かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1のポリヌクレオチドを含むポリヌク
レオチドおよび配列番号1のポリヌクレオチドが挙げられる。
【0016】 本発明はまた、上記の全てのポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを
提供する。
【0017】 配列番号1のヌクレオチド配列は、22番染色体由来のGenBank 遺伝子座Z86000
の遺伝子配列にある複数のエクソンによってコードされるcDNA配列である(R.con
nnor、1998、Sanger Centre direct GenBank Submission)が、GenBankの配列
の報告には記載されていない。配列番号1のヌクレオチド配列はcDNA配列であり
、配列番号2のポリペプチドである259個のアミノ酸のポリペプチドをコードす
るポリペプチドコード配列(ヌクレオチド106〜882)を含む。配列番号2のポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に含まれるポリペプチドコ
ード配列と同一であっても、遺伝暗号の重複性(縮重)のため、やはり配列番号
2のポリペプチドをコードする、配列番号1に含まれる配列以外の配列であって
もよい。配列番号2のポリペプチドは補体C1q/腫瘍壊死因子(TNF)ファミリー
の他のタンパク質と構造的に関連しており、ヒト30KD脂肪細胞補体関連タンパク
質(ACRP30)(Maeda, K.et al., Biochem.Biophys.Res.Comm.221;286-289 1996
)との相同性および/または構造類似性を有する。
【0018】 本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相
同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつこ
とが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドは少なくとも1つのACRP30R2活性を有する。
【0019】 また、本発明は、配列番号1および配列番号2の対応する全長配列の決定に先
立って最初に同定された部分的なまたは他のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドに関する。
【0020】 したがって、更なる態様において、本発明は、 (a) 配列番号3の全長にわたって配列番号3と少なくとも70%の同一性、好ま
しくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さら
に好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有す
るヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、 (b) 配列番号3の全長にわたって配列番号3と少なくとも70%の同一性、好ま
しくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さら
に好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有す
るヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、 (c) 配列番号3のポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチド、また
は (d) 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%
の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%
の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された
ポリヌクレオチド、 ならびに配列番号3のポリヌクレオチド、 を提供する。
【0021】 さらに、本発明は、 (a) 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%
の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%
の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、 (b) 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%
の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%
の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、 (c) 配列番号4のアミノ酸を含むポリペプチド、または (d) 配列番号4のポリペプチドからなるポリペプチド、 ならびに配列番号3に含まれる配列を含むポリヌクレオチドによりコードされる
ポリペプチド、 を提供する。
【0022】 配列番号3のヌクレオチド配列およびそれによりコードされるペプチド配列は
エクスプレスド・シーケンス・タグ(Expressed Sequence Tag:EST)配列から
誘導される。当業者であれば、EST配列中に若干のヌクレオチド配列読み取り誤
差が必然的に存在することを理解するであろう(Adams, M.D.ら, Nature 377 (s
upp)3, 1995を参照のこと)。したがって、配列番号3のヌクレオチド配列およ
びそれによりコードされるペプチド配列は配列精度において同一の固有の限界を
受ける。さらに、配列番号3によりコードされるペプチド配列は、最も相同性ま
たは構造類似性が高いタンパク質と同一の領域、または高い相同性および/また
は構造類似性(例えば、保存的アミノ酸の差異)の領域を含んでいる。
【0023】 本発明のポリヌクレオチドは、エクスプレスド・シーケンス・タグ(EST)解
析法(Adams,M.D.ら、Science(1991) 252:1651-1656;Adams,M.D.ら、Nature(19
92) 355:632-634;Adams,M.D.ら、Nature(1995) 377 Supp:3-174)を用いて、ヒ
ト胎児の肝臓及び脾臓細胞のmRNA由来のcDNAライブラリーから、標準的なクロー
ニングおよびスクリーニング技術により得ることができる。また、本発明のポリ
ヌクレオチドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から得ることができ、商
業的に入手可能な公知の技法を用いて合成することもできる。
【0024】 本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用
いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、ま
たは他のコード配列(例えば、リーダーもしくは分泌配列、プレ−、プロ−もし
くはプレプロ−タンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするもの
)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含まれ
る。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得
る。本発明のこの態様の特定の好ましい具体例においては、マーカー配列は、pQ
Eベクター(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA (1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、
またはHAタグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列
、例えば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル
化シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0025】 本発明の更なる実施形態としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1
〜2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されて
いる、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコードする
ポリヌクレオチドがある。
【0026】 配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と同一であるか十分に同一であるポリ
ヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする完全長cDNAおよびゲノムク
ローンを単離するために、また、配列番号1に対して高い配列類似性を有する他
の遺伝子(ヒト以外の種に由来する相同体(homolog)およびオーソログ(ortholog
)をコードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、c
DNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼーションプローブとして、または核酸増
幅(PCR)反応用のプライマーとして用いることができる。一般的に、これらの
ヌクレオチド配列は基準のヌクレオチド配列と70%、好ましくは80%、より好ま
しくは90%、最も好ましくは95%同一である。プローブまたはプライマーはたい
てい15個以上のヌクレオチドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌ
クレオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜50個の範囲のヌク
レオチドを有するものである。
【0027】 本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログを含
む)をコードするポリヌクレオチドは、配列番号1のヌクレオチド配列またはそ
の断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョン条件下で適当なライブラリーをスクリーニングし、該ポリヌクレオチド配列
を含む完全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する各工程を含む方法により得ら
れる。このようなハイブリダイゼーション技法は当業者に公知である。好ましい
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミド、5×SSC
(150mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム) 、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)
、5×Denhardt溶液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断したサ
ケ精子DNAを含有する溶液中42℃で一夜インキュベートし、次いでフィルターを
0.1×SSC 中約65℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番号1の
ヌクレオチド配列またはその断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェ
ントなハイブリダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングす
ることにより得られるポリヌクレオチドをも包含する。
【0028】 当業者には理解されるように、多くの場合、ポリペプチドをコードする領域が
そのcDNAの5'末端で短く切断されることから、単離されたcDNA配列は不完全であ
るだろう。それは逆転写酵素のためであり、この酵素はもともと「プロセシビテ
ィ」(processivity:重合反応中に鋳型に結合した状態でいる該酵素の能力の尺
度)が低く、第一鎖cDNA合成の間にmRNA鋳型のDNAコピーを完成させることがで
きない。
【0029】 完全長cDNAを得るための、または短鎖cDNAを伸長させるための、当業者に公知
で利用可能な方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法(RACE)に基づ
いた方法がある(例えば、Frohmanら, PNAS USA 85, 8998-9002, 1988を参照の
こと)。例えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)により示されるよ
うな、上記技法の最近の改良により、より長いcDNAの検索が大いに簡便化された
。MarathonTM技術では、所定の組織より抽出されたmRNAからcDNAを作製し、各末
端に「アダプター」配列を連結する。続いて、遺伝子特異的およびアダプター特
異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増幅(PCR)を行い
、cDNAの「欠失」5'末端を増幅する。次に、「ネステッド(nested)」プライマ
ー、すなわち増幅産物の内部にアニーリングするように設計されたプライマー(
典型的には、アダプター配列のさらに3'側にアニーリングするアダプター特異的
プライマーおよび既知遺伝子配列のさらに5'側にアニーリングする遺伝子特異的
プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。その後、この反応の産物をDNA塩基配
列決定により解析し、この産物を既存のcDNAに直接結合するか、または5'プライ
マー設計用の新たな配列情報を用いて別の完全長PCRを行うことにより、完全長c
DNAを構築することができる。
【0030】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で公知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレオチドを含有する発現系、該
発現系により遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプ
チドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタ
ンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0031】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作することができる。宿主細胞へのポリヌ
クレオチドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986)
および Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold
Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))などの多
くの標準的な実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適
なこうした方法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE
−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)
、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレ
クトロポレーション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾
丸導入(ballistic introduction)または感染などがある。
【0032】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス(Strepto
cocci)、スタフィロコッカス(Staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミ
セス(Streptomyces)、枯草菌(Bacillus subtilis))、真菌細胞(例:酵母、ア
スペルギルス(Aspergillus))、昆虫細胞(例:ドロソフィラ(Drosophila)S2、
スポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞)、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3
T3、BHK、HEK293、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0033】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、特に、染
色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バク
テリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由来
、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40のような
パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂
犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来
するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリ
オファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を起こさ
せるだけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。一般的に、宿主内
でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現する
ことができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用いられる
公知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入すること
ができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細胞
外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み
込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性であ
っても、異種シグナルであってもよい。
【0034】 スクリーニングアッセイで使用するために本発明のポリペプチドを発現させよ
うとする場合、一般にそのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好適で
ある。その場合は、スクリーニングアッセイでの使用に先立って細胞を回収する
。該ポリペプチドが培地に分泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製す
るために培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その細胞をまず溶解し、
その後にポリペプチドを回収する必要がある。
【0035】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが精製に用いられる
。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質を
再生させるための公知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元す
ることが可能である。
【0036】 本発明はまた、診断薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機
能障害と関連した、配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺伝子
の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現または変化した発現により生
ずる疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しうる、またはその診断を
下しうる診断用ツールを提供するだろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さ
まざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0037】 診断用の核酸は、被験体の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検または剖
検材料由来の細胞から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用し
てもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を使ってゲノムDNAを酵素的に増幅し
てもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。欠失および挿
入突然変異は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化により
検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識化ACRP30R2ヌクレオチド配列とハイブ
リダイズさせることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖
とはRNase消化により、または融解温度の差異により区別できる。また、DNA配列
の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでのDNA断片の電気泳動の移動度
の変化により、または直接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例えば、Mye
rsら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。特定位置での配列変化はヌク
レアーゼプロテクションアッセイ(例えば、RNaseおよびS1プロテクション)ま
たは化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA (1985) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺伝子変
異の効率のよいスクリーニングを行うため、ACRP30R2ヌクレオチド配列またはそ
の断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構築することができる。ア
レイ技術は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発現、遺伝的連鎖および
遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解きあかすために用いられ
ている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.610-613 (1996) を参照の
こと)。
【0038】 診断アッセイは、前記の方法によりACRP30R2遺伝子の変異を検出することで、
前記疾患への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。さらに、被験体
から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNAのレベルの異常な低下または
上昇を測定する方法により、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下ま
たは増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量法、例えば核酸増幅(例:
PCR、RT−PCR)、RNaseプロテクション、ノーザンブロッティング、その他のハ
イブリダイゼーション法のいずれかによりRNAレベルで測定することができる。
宿主から得られたサンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレベル
を測定するアッセイ法は当業者によく知られている。こうしたアッセイ法として
、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、ELISA
アッセイなどがある。
【0039】 かくして、もう一つの態様において、本発明は、 (a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列
)もしくはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)もしく
はその断片、または (d) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、 を含む診断用キットに関する。
【0040】 このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実質的な構成成分
であることが理解されよう。かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特
に癌、炎症、細胞死、肥満、糖尿病、細胞増殖、免疫系、エネルギーの代謝やホ
メオスタシスなどを診断するうえで有用である。
【0041】 また、本発明のヌクレオチド配列は染色体の同定にも有用である。この配列は
個々のヒト染色体上の特定の位置をターゲッティングし、その特定位置とハイブ
リダイズすることができる。本発明に従って関連配列の染色体地図を作成するこ
とは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階であ
る。ひとたび配列が正確な染色体位置にマッピングされたら、その染色体上のそ
の配列の物理的位置を遺伝地図データと相関させることができる。この種のデー
タは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins U
niversity Welch Medical Library からオンラインで入手可能) 中に見いだせる
。その後、同一の染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との関係を連鎖解
析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認する。
【0042】 罹患個体と非罹患個体とのcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる
。罹患個体の一部または全部に突然変異が観察されるが、どの正常個体にも観察
されない場合は、その突然変異が疾患の原因である可能性がある。本発明の遺伝
子はヒト染色体22q12座位に位置する。
【0043】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0044】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコルを用いて、動物(好
ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似
体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製には
、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる。
例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (19
75) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら, Im
munology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Monoclo
nal Antibodies and Cancer Therapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)
などがある。
【0045】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体をつくるために、米国特許第4,946,
778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。また
、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0046】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0047】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、前記疾患の治療に使用でき
る可能性がある。
【0048】 本発明の更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断
片と、各種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL鎖
の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合
タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定常部
が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固Xa因
子で開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去できる。さら
に、本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方法、ならびに薬物ス
クリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。また、本発明の
更なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する
。融合タンパク質技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914に見い
だせる。
【0049】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関し、
この方法は、特に前記疾患から該動物を防御するための抗体および/またはT細
胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種すること
を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗
体を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in vivo で本発明のポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポ
リペプチドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を引き
出す方法に関する。
【0050】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン製剤
(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
を含有する。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチ
ドは胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内
、静脈内または皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した
製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等
張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、ならびに懸濁剤または
増大剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量
容器または数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供すること
ができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で
保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するためのア
ジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性により変化するが、ルー
チンな実験操作により簡単に決定できる。
【0051】 本発明のポリペプチドは、多くの病状、特に前記疾患を含めて、さまざまな生
物学的機能に関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を刺激または抑
制する化合物を同定するスクリーニング法を開発することが望ましい。したがっ
て、更なる態様において、本発明は、このポリペプチドの機能を刺激または抑制
する化合物を同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的には
、前記疾患の治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使
用される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリー
および天然産物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定さ
れたアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリペ
プチドの天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであってよ
く、また、その構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coliganら,
Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。
【0052】 スクリーニング法では、本発明のポリペプチド、または該ポリペプチドを担持
する細胞もしくは膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合を、候補
化合物に直接または間接的に結合された標識を用いて簡単に測定できる。あるい
はまた、スクリーニング法では標識した競合物質との競合を用いることもある。
さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合物がポリペプチドの活性化ま
たは抑制により生ずるシグナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを
担持する細胞に適した検出系を用いて試験することができる。一般的には、既知
のアゴニストの存在下で活性化のインヒビターをアッセイして、アゴニストによ
る活性化に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニストまたはインヒビ
ターの非存在下で、候補化合物がポリペプチドの活性化を抑制するか否かを調べ
ることによる逆アゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、構成的
に活性のあるポリペプチドが用いられる。さらに、これらのスクリーニング法は
、候補化合物と本発明のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつく
り、この混合物中のACRP30R2活性を測定し、そしてこの混合物のACRP30R2活性を
スタンダードと比較する各ステップを単に含むだけでよい。本発明のポリペプチ
ドのアンタゴニストを同定する高効率スクリーニングアッセイでは、上記のよう
なFc部分とACRP30R2ポリペプチドから作製されるような融合タンパク質も使用す
ることができる(D. Bennettら, J. Mol. Recognition, 852-58 (1995) およびK.
Johansonら, J. Biol. Chem., 270(16):94599471 (1995)を参照のこと)。
【0053】 また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは該ポリペプチドに対す
る抗体を用いて、細胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添加化合物
の作用を検出するためのスクリーニング法を組み立てることができる。例えば、
当業界で公知の標準方法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用い
て、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためのELISAア
ッセイを構築することができ、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまたはア
ゴニストともいう)の探索に用いることができる。
【0054】 膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公
知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリ
ペプチドを用いることができる。こうした受容体結合法には、限定するものでは
ないが、リガンド結合アッセイおよび架橋アッセイがあり、これらのアッセイで
は、ポリペプチドを放射性アイソトープ(例:125I)で標識するか、化学的に修
飾(例:ビオチニル化)するか、または検出や精製に適したペプチド配列に融合
させ、そして推定上の受容体源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液な
ど)とインキュベートする。その他の方法としては、表面プラズモン共鳴および
分光学のような生物物理的方法がある。これらのスクリーニング法は、該ポリペ
プチドの(存在するのであれば)その受容体への結合と競合する該ポリペプチド
のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するために用いることもできる。スク
リーニングアッセイを行うための標準的な方法は当業界でよく理解されている。
【0055】 本発明のポリペプチドの潜在的なアンタゴニストの例としては、抗体、ある場
合には、該ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係があ
るオリゴヌクレオチドもしくはタンパク質(例えば、リガンド、基質、受容体、
酵素などの断片)、または本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない
(それゆえ該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子などがある。
【0056】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドのアゴニスト
、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポリペ
プチドの産生を低下または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキ
ットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含み、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである。
このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実質的な構成成分で
あることが理解されよう。
【0057】 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの有望と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された結合部位または反応部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。これは通常反復プロセスであることがさらに理解されよう。
【0058】 更なる態様において、本発明は、ACRP30R2ポリペプチド活性の過剰発現と過少
発現のいずれかに関係した、例えば癌、炎症、細胞死、肥満、糖尿病、細胞増殖
、免疫系、エネルギー代謝やホメオスタシスなどの異常な状態の治療法を提供す
る。
【0059】 該ポリペプチドの活性が過剰である場合は、いくつかのアプローチが利用可能
である。一つのアプローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの結
合をブロックすることにより、または第2のシグナルを抑制することで異常な状
態を軽減することにより、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、上
記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を場合により製剤学上許容される担
体とともに被験体に投与することを含んでなる。もう一つのアプローチでは、内
因性のポリペプチドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと結合す
る能力がまだある可溶性形態のポリペプチドを投与することができる。このよう
な競合物質の典型的な例はACRP30R2ポリペプチドの断片である。
【0060】 さらに別のアプローチでは、発現阻止法を使って内因性ACRP30R2ポリペプチド
をコードする遺伝子の発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内
で産生されるかまたは別に投与されるアンチセンス配列の使用を必要とする(例
えば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (
遺伝子発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド),
CRC Press, Boca Raton, FL (1988) 中のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:5
60を参照のこと)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせんを形成するオリ
ゴヌクレオチドを供給することもできる(例えば、Leeら, Nucleic Acids Res (
1979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; Dervanら, Science (1991)
251:1360 を参照のこと)。これらのオリゴマーはそれ自体を投与することもで
きるし、関連オリゴマーをin vivo で発現させることもできる。
【0061】 ACRP30R2およびその活性の過少発現に関係した異常な状態を治療する場合も、
いくつかのアプローチを取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効な
量の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわち、前記アゴニスト)を製
剤学上許容される担体とともに被験体に投与して、異常な状態を緩和することを
含んでなる。別法として、被験体の関連細胞においてACRP30R2を内因的に産生さ
せるために遺伝子治療を用いることができる。例えば、上で述べたような複製欠
損レトロウイルスベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチドを遺伝
子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドを
コードするRNAを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入された
パッケージング細胞に導入する。その結果、パッケージング細胞は対象の遺伝子
を含有する感染性のウイルス粒子を産生するようになる。in vivo 細胞操作およ
びin vivo ポリペプチド発現のために、これらのプロデューサー細胞を被験体に
投与する。遺伝子治療の概論に関しては、Human Molecular Genetics, T Strach
anおよび A P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapter 20,
Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeutic Approaches(お
よびその中の引用文献) を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本発明
のポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投与することである。
【0062】 更なる態様において、本発明は、治療に有効な量のポリペプチド(例えば、可
溶性形態の本発明ポリペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプチド
、または小分子化合物を製剤学上許容される担体または賦形剤と共に含有する医
薬組成物を提供する。この種の担体としては、食塩水、生理食塩水、デキストロ
ース、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せがあるが、これら
に限らない。本発明はさらに、上記の本発明の組成物の1以上の成分を充填した
1以上の容器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペプ
チドおよび他の化合物は単独で使用しても、他の化合物、例えば治療用化合物と
一緒に使用してもよい。
【0063】 医薬組成物は投与経路、例えば全身または経口による投与経路に適合させるこ
とができる。全身投与に適した形態は、注入、典型的には静脈内注射である。皮
下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用できる。全身投与の別の手
段には、胆汁酸塩、フシジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘
膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチドまたは他の化合物を腸
溶剤またはカプセル剤として製剤化し得るのであれば、経口投与も可能である。
これらの化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投与しても、かつ/
または局在化させてもよい。
【0064】 必要な投与量範囲は、本発明のペプチドまたは他の化合物の選択、投与経路、
製剤の性質、被験体の状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な投
与量は被験体の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲である。入手可能な化合物が
多様であること、投与経路の効率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与
量は広範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静注による投与より
も高い投与量を必要とすると予想されよう。こうした投与量レベルの変動は、当
業界でよく理解されているような、標準の経験的な最適化手順を用いて調整する
ことができる。
【0065】 治療に用いるポリペプチドは、上述したような「遺伝子治療」と称する治療法
において、被験体の体内で産生させることもできる。例えば、被験体由来の細胞
を、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドにより、
例えばレトロウイルスプラスミドベクターを用いて、ex vivo で遺伝子工学的に
操作する。その後、これらの細胞を被験体に導入する。
【0066】 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列は、類似の相同性を有する別の配
列を同定する際の価値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコンピュ
ータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデータを用いてGCGなどの公知
の検索ツールにより配列データベースを検索することで最大限促進される。した
がって、更なる態様において、本発明は、配列番号1の配列を含むポリヌクレオ
チドおよび/またはそれによりコードされるポリペプチドを保存したコンピュー
タ読み取り可能媒体を提供する。
【0067】 以下の定義は上記の説明中でしばしば用いられた用語を理解しやすくするため
のものである。
【0068】 本明細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体
、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン
発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
【0069】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0070】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはDNA、また
は修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」には、制限する
ものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合
ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA
、DNAとRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、またはより典型的には二本鎖
でもよく、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。
加えて、「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRNAとDNAの両方からなる三
重鎖領域を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾
塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された
骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化
された塩基およびイノシンのような特殊な塩基がある。DNAおよびRNAに対してさ
まざまな修飾を行うことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界
に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾され
た形態、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包
含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称され
る比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0071】 「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわ
ち、ペプチドアイソスター)により互いに連結された2個以上のアミノ酸を含む
ペプチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は短鎖(通常はペプチ
ド、オリゴペプチドまたはオリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質と
いう)の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コードアミノ酸以外のア
ミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然
のプロセスで、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修飾されたアミ
ノ酸配列を含む。このような修飾は基本的な教科書、より詳細な学術論文および
研究文献に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたは
カルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこでも行うことができる。同じタイ
プの修飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異
なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの修飾を
含んでいてもよい。ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、分枝
のある又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、または分枝した環状の
ポリペプチドは翻訳後の天然プロセスから生じることがあり、また、合成法によ
って製造することもできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボ
シル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドま
たはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスフ
ァチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メ
チル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホル
ミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル
化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング
、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のよ
うなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある(例
えば、Proteins - Structure and Molecular Properties, 2nd Ed., T.E. Creig
hton, W.H. Freeman and Company, New York, 1993; Posttranslational Covale
nt Modification of Proteins, B.C. Johnson編, Academic Press, New York, 1
983中のWold, F., Post-translational Protein Modifications: Perspectives
and Prospects, pgs. 1-12; Seifterら, “Analysis for protein modification
s and nonprotein cofactors", Meth Enzymol (1990) 182:626-646; および Rat
tanら, “Protein Synthesis: Post-translational Modifications and Aging",
Ann NY Acad Sci (1992) 663:48-62 を参照のこと)。
【0072】 「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドのことである。
典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列
の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基準ポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても、しなくても
よい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配列によりコードされ
るポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および末端切断(トランケ
ーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプチド
とアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体
の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるような相違に限ら
れる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以上の置換、欠失、付
加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または挿入されるアミノ酸残基
は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくてもよい。ポリヌクレ
オチドまたはポリペプチドの変異体はアレル変異体のように天然に存在するもの
でも、天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレ
オチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または
直接合成により作製することができる。
【0073】 当技術分野で知られた「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオ
チド配列の比較により決定される、2以上のかかる配列間の関連性のことである
。当技術分野ではまた、「同一性」は、本発明の場合もそうであり得るように、
ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列の鎖間のマッチ(match)により決
定される、このような配列間の配列関連性の程度を意味する。「同一性」および
「類似性」は公知の方法により難なく算出することができ、こうした方法として
、例えば Computational Molecular Biology, Lesk, A.M.編, Oxford Universit
y Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects,
Smith, D.W. 編, Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Seq
uence Data, Part I, Griffin, A.M. and Griffin, H.G. 編, Humana Press, Ne
w Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G.,
Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereu
x, J. 編, M Stockton Press, New York, 1991; および Carillo, H. and Lipma
n, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988) に記載された方法があるが、
これらに限らない。同一性を決定するための好ましい方法は、検討する配列間で
最大級のマッチが得られるように設計される。同一性、および類似性を決定する
方法は一般に入手可能なコンピュータプログラムに編集されている。2配列間の
同一性を決定するコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケー
ジ (Devereux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BL
ASTINおよびFASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (1990))
があるが、これらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソースから
一般に入手可能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM NIH Bethesd
a, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。公知のS
mith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
【0074】 ポリペプチド配列を比較するための好適なパラメータは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティ:12 ギャップ長ペナルティ:4 これらのパラメータと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group(M
adison WI)から「ギャップ」プログラムとして一般に入手可能である。前記のパ
ラメータはペプチド比較のためのデフォルトパラメータである(末端ギャップの
ペナルティは無し)。
【0075】 好ましいポリヌクレオチド配列を比較するためのパラメータは次のものを含む
: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティ:50 ギャップ長ペナルティ:3 これらのパラメータと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group(M
adison WI)から「ギャップ」プログラムとして入手可能である。これらのパラメ
ータは核酸比較のためのデフォルトパラメータである。
【0076】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は配列番号1の基準配列と同一、す
なわち100%同一であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのヌクレオ
チド変異を含んでいてもよい。前記変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失
、置換(トランジションおよびトランスバージョンを含む)または挿入よりなる
群から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位置
、またはこれらの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオ
チドの間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグループとして介在す
ることができる。ヌクレオチド変異の数は、配列番号1のヌクレオチドの総数に
、それぞれの(100で割った)同一性%値を掛け、その積を配列番号1のヌクレ
オチドの総数から差し引くことにより、すなわち、次式: nn ≦xn −(xn・y) により求めることができる。式中、nnはヌクレオチド変異の数であり、xnは配
列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%に
ついては0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.95
などであり、xnとyの非整数の積は、その積をxnから引く前に、最も近似する
整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配
列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突
然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチドによりコ
ードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0077】 同様に、本発明のポリペプチド配列は配列番号2の基準配列と同一、すなわち
100%の同一性であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのアミノ酸変
異を含んで同一性%が100%未満であってもよい。前記変異は少なくとも1個の
アミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入
よりなる群から選択され、こうした変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしく
はカルボキシ末端位置、またはこれらの末端位置の間のいずれに存在してもよく
、基準配列中のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグ
ループとして介在することができる。所定の同一性%についてのアミノ酸変異の
数は、配列番号2のアミノ酸の総数に、それぞれの(100で割った)同一性%値
を掛け、その積を配列番号2のアミノ酸の総数から差し引くことにより、すなわ
ち、次式: na ≦xa −(xa・y) により求めることができる。式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番
号2中のアミノ酸の総数であり、yは例えば70%については0.70、80%について
は0.80、85%については0.85などであり、xaとyの非整数の積は、その積をxa から引く前に、最も近似する整数に切り下げる。
【0078】 「融合タンパク質」とは、2つの、しばしば無関係の、融合された遺伝子ま
たはその断片によりコードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A-0
464には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部分と他のヒトタンパク質ま
たはその一部とを含んでなる融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治
療および診断における使用には、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンF
c領域を使用することが有利であり、これにより例えば薬物速度論的性質が向上
する(例えば、EP-A- 0232 262を参照のこと)。一方、いくつかの使用にとって
は、その融合タンパク質を発現させ、検出し、精製した後でFc部分を除去する
ことが望ましいだろう。
【0079】 本明細書中に引用された、特許および特許出願明細書を含めた全ての刊行物は
、あたかも各刊行物が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体を参
考としてここに組み入れるものとする。
【0080】実施例 実施例1: ノーザンmRNA発現解析 ヒトの8種の組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、筋肉、腎臓、膵臓)におけるACR
P30R2mRNAの発現パターンをノーザン解析により調べた。ACRP30R2mRNAは約1.4
kbのサイズの単一物質種として認められた。該mRNAは膵臓で最も豊富に発現して
おり、心臓、肝臓、筋肉、胎盤でも膵臓より低いレベルの発現は認められた.
【0081】配列表フリーテキスト 配列番号1
【0082】 配列番号2
【0083】 配列番号3
【0084】 配列番号4
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/525 C12P 21/02 C 4C057 16/24 C12Q 1/68 A 4C084 C12P 21/02 G01N 33/15 Z 4C206 C12Q 1/68 33/50 Z 4H045 G01N 33/15 33/53 M 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/02 // C12N 5/10 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP (72)発明者 フー,アーディング アメリカ合衆国 19403 ペンシルベニア 州,オウドゥボン,ミル グローブ ドラ イブ 432 (72)発明者 リー,シャオトン アメリカ合衆国 19333 ペンシルベニア 州,デヴォン,シュガータウン ロード 332,アパートメント ビー41ビー (72)発明者 スミス,ランドール,フォレスト アメリカ合衆国 19444 ペンシルベニア 州,ラファイアット ヒル,プレジデンシ ャル ドライブ 4138 (72)発明者 ズー,ユアン アメリカ合衆国 19422 ペンシルベニア 州,ブルー ベル,オークモント ドライ ブ 203 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 DA12 DA13 DA36 FB03 4B024 AA01 AA11 BA80 CA02 CA09 CA12 CA20 DA01 DA02 DA05 DA11 GA11 HA13 HA14 HA17 4B063 QA01 QA05 QA13 QA17 QA19 QQ43 QQ53 QQ79 QR08 QR32 QR35 QR40 QR42 QR48 QR56 QR62 QR77 QR80 QS16 QS25 QS33 QS34 QX02 QX10 4B064 AG01 AG07 CA02 CA05 CA10 CA11 CA19 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA58X AA72X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA01 CA24 CA44 CA46 4C057 BB02 DD01 MM04 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA22 BA23 CA53 DC50 NA14 ZA702 ZB072 ZB112 ZB212 ZB262 ZC212 ZC352 4C206 AA01 MA01 MA04 NA14 ZA70 ZB07 ZB11 ZB21 ZB26 ZC21 ZC35 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA14 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のポリペプチド: (i) 配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも以
    下の同一性: (a) 70%同一性、 (b) 80%同一性、 (c) 90%同一性、または (d) 95%同一性、 を有する群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、 (ii) 配列番号2のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、あるいは (iii) 配列番号2のアミノ酸配列である単離されたポリペプチド、 からなる群より選択される単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 以下のポリヌクレオチド: (i) 配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも以
    下の同一性: (a) 70%同一性、 (b) 80%同一性、 (c) 90%同一性、または (d) 95%同一性、 を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌク
    レオチド、 (ii) 配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の全長にわた
    って少なくとも以下の同一性: (a) 70%同一性、 (b) 80%同一性、 (c) 90%同一性、または (d) 95%同一性、 を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、 (iii) 配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なく
    とも以下の同一性: (a) 70%同一性、 (b) 80%同一性、 (c) 90%同一性、または (d) 95%同一性、 を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、 (iv) 配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離さ
    れたポリヌクレオチド、 (vi) 配列番号1のポリヌクレオチドである単離されたポリヌクレオチド、 (v) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1の配
    列またはその断片を有する標識化プローブを用いて、適切なライブラリーをスク
    リーニングすることにより得ることのできる単離されたポリヌクレオチド、 あるいは前記単離されたポリヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択される単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリペプチドに対して免疫特異的な抗体。
  4. 【請求項4】 被験体を治療する方法であって、 (i) 請求項1記載のポリペプチドの増強された活性または発現を必要とした
    場合に、 (a) 治療上有効な量の、前記ポリペプチドに対するアゴニストを該被験体
    に投与すること、および/または (b) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポ
    リヌクレオチドを、in vivoで該ポリペプチド活性を生じさせるような形態で被
    験体に投与すること、あるいは (ii) 請求項1記載のポリペプチドの活性または発現を抑制する必要がある場
    合に、 (a) 治療上有効な量の、前記ポリペプチドに対するアンタゴニストを被験
    体に投与すること、および/または (b) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を抑制する核
    酸分子を被験体に投与すること、および/または (c) 前記ポリペプチドと、そのリガンド、基質もしくは受容体について競
    合する治療上有効な量のポリペプチドを被験体に投与すること、 を含む、前記治療方法。
  5. 【請求項5】 被験体において請求項1に記載のポリペプチドの発現または
    活性に関連した該被験体の疾病または該疾病への罹りやすさを診断する方法であ
    って、 (a) 該被験体のゲノム中の該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に突
    然変異があるか否かを調べること、および/または (b) 該被験体から得られたサンプルにおいて該ポリペプチド発現の存在または
    その量を分析すること、 を含む、前記診断方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリペプチドの機能を刺激または抑制する
    化合物を同定するためのスクリーニング法であって、 (a) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細
    胞もしくはその膜)あるいはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に直
    接または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細
    胞もしくはその膜)あるいはその融合タンパク質との結合を、標識した競合物質
    の存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が該ポリペプチドの活性化または抑制により産生されるシグナ
    ルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適し
    た検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒に
    して混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定し、該混合物の
    活性をスタンダードと比較すること、および (e) 候補化合物が細胞における該ポリペプチドをコードするmRNAおよび該ポリ
    ペプチドの産生に及ぼす効果を、ELISAアッセイなどを用いて検出すること、 からなる群より選択される方法を含む、前記スクリーニング法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニ
    スト。
  8. 【請求項8】 発現系が適合性の宿主細胞内に存在する場合、請求項1に記
    載のポリペプチドを産生する能力のあるポリヌクレオチドを含有する発現系。
  9. 【請求項9】 組換え宿主細胞の生産方法であって、請求項8記載の発現系
    を用いて細胞を形質転換またはトランスフェクトし、該宿主細胞が適切な培養条
    件下で、配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70
    %の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを産生するようにさせるこ
    とを含む、前記生産方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法で生産された組換え宿主細胞。
  11. 【請求項11】 配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と
    少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを発現する、
    請求項10記載の組換え宿主細胞の膜。
  12. 【請求項12】 ポリペプチドを産生させるのに十分な条件下で、請求項1
    0に記載の宿主細胞を培養し、この培地から該ポリペプチドを回収することを含
    む、ポリペプチドの生産方法。
  13. 【請求項13】 以下の(a)〜(d)より選択される単離されたポリヌクレオチ
    ド: (a) 配列番号3の全長にわたって配列番号3と少なくとも70%、80%、90%、
    95%、97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチ
    ド、 (b) 配列番号3のポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチド、 (c) 配列番号3のポリヌクレオチド、または (d) 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
    、80%、90%、95%、97〜99%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌク
    レオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 以下の(a)〜(e)より選択されるポリペプチド: (a) 配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
    、80%、90%、95%、97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチ
    ド、 (b)配列番号4の全長にわたって配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%
    、80%、90%、95%、97〜99%の同一性があるアミノ酸配列を有するポリペプチ
    ド、 (c) 配列番号4のアミノ酸を含むポリペプチド、 (d) 配列番号4のポリペプチドであるポリペプチド、 (e) 配列番号3に含まれる配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるポ
    リペプチド。
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