JP2002520291A - 脱共役タンパク質hhfcw60の治療上の使用 - Google Patents

脱共役タンパク質hhfcw60の治療上の使用

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JP2002520291A JP2000558836A JP2000558836A JP2002520291A JP 2002520291 A JP2002520291 A JP 2002520291A JP 2000558836 A JP2000558836 A JP 2000558836A JP 2000558836 A JP2000558836 A JP 2000558836A JP 2002520291 A JP2002520291 A JP 2002520291A
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ビーレイ,リー,ジェームス,
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スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 創傷治癒、炎症、組織修復、疾患もしくは感染因子による筋肉消耗またはカヘキシーなどの治療のためのプロトコルを設計する際の、およびかかる症状についての診断アッセイにおける、HHFCW60ポリペプチドおよびHHFCW60ポリヌクレオチドの使用を開示する。また、組換え技術によるかかるポリペプチドの製造法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、ポリヌクレオチドおよびそれによりコードされるポリペプチドの新
規な使用に関し、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの治療の際のまたは治
療に潜在的に有効でありうるアゴニスト、アンタゴニストおよび/またはインヒ
ビターである化合物を同定する際の使用、並びに該ポリペプチドおよびポリヌク
レオチドの生産方法に関する。
【0002】発明の背景 薬物探索プロセスには目下根本的な大変化が生じている。というのは、それが
「機能性ゲノミクス」(functional genomics)、すなわちハイスループット(高
効率)のゲノムまたは遺伝子ベースの生物学に及んでいるからである。遺伝子お
よび遺伝子産物を治療の標的として同定するための手段としてのこのアプローチ
は「ポジショナルクローニング」に基づいた比較的初期のアプローチに急速に取
って代わりつつある。表現型、つまり生物学的機能または遺伝病、が同定され、
続いてその遺伝子地図の位置を手がかりとして病因遺伝子が突き止められるだろ
う。
【0003】 機能性ゲノミクスは、高効率のDNA配列決定技術および現在入手できる多くの
分子生物学データベースから興味のもてそうな遺伝子配列を同定するためのバイ
オインフォマティクスの様々なツールに大きく依存している。依然として、まだ
未解明の遺伝子およびその関連ポリペプチド/タンパク質を薬物探索の標的とし
て同定し特性づける必要性が存在している。
【0004】発明の概要 本発明は、WO98/39432(SmithKline Beecham)に開示されるHHFCW60ポリヌク
レオチドおよびポリペプチドの新規な使用に関する。かかる使用には、創傷治癒
、炎症、組織修復、疾患または感染因子による筋肉消耗、またはカヘキシー(以
後まとめて「前記疾患」という)などの治療が含まれる。本発明の他の態様では
、HHFCW60組換え物質およびそれらの製造方法に関する。さらなる態様では、本
発明は、本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニスト
/インヒビターを同定する方法、並びに同定された化合物を用いてHHFCW60平衡
異常と関連した症状を治療することに関する。さらに他の態様において、本発明
は不適当なHHFCW60活性またはHHFCW60レベルと関連した疾病を検出するための診
断アッセイに関する。
【0005】発明の説明 第1の態様において、本発明は、以下の疾患: (i)創傷(創傷治癒を高めるため) (ii)組織修復、 (iii)炎症、 (iv)筋肉消耗、または (v)カヘキシー、 を治療するための医薬品を製造するための、以下の化合物: (a)HHFCW60ポリペプチド、 (b)HHFCW60ポリペプチドを活性化する化合物、または (c)HHFCW60ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 より選択される化合物の使用、に関する。かかるHHCFW60ポリペプチドには、配
列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性
、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性
、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同
一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドが含まれる。こうした
ポリペプチドとしては配列番号2のアミノ酸配列を含むものがある。
【0006】 本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2の全長にわたって
配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性、好ましくは少なくとも80
%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少
なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有する単離されたポ
リペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号2のアミノ酸配
列からなるポリペプチドがある。
【0007】 本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含む
ポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0008】 本発明のポリペプチドはミトコンドリア脱共役タンパク質ファミリーのメンバ
ーであると考えられる。従って、本発明のポリペプチドは、基礎的な代謝速度に
影響し、それにより治癒の時間を短縮する可能性があるため重要である。これら
の特性を以後「HHFCW60活性」または「HHFCW60ポリペプチド活性」あるいは「HH
FCW60の生物学的活性」という。これらの活性の中には、前記HHFCW60ポリペプチ
ドの抗原性および免疫原性活性、特に配列番号2のポリペプチドの抗原性および
免疫原性活性も含まれる。本発明のポリペプチドはHHFCW60の少なくとも1つの
生物学的活性を示すことが好ましい。
【0009】 本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク質の形であっても、前駆体または融
合タンパク質のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば
、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミノ酸配列とし
ては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製
に役立つ配列、または組換え生産の間の安定性を確保する付加的配列などがある
【0010】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Le
u および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間
;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に
、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せ
で置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
【0011】 本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このよう
なポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産されたポ
リペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せに
より製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0012】 本発明の更なる態様において、本発明は、HHFCW60ポリヌクレオチドに関する
。このようなポリヌクレオチドには、配列番号2の全長にわたって配列番号2の
アミノ酸配列と少なくとも75%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、
より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%
の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有するポリペプチドをコードする
ヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して
、少なくとも97%の同一性を有するポリペプチドが一層好ましいが、少なくとも
98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を
有するポリペプチドが最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして
、配列番号2のポリペプチドをコードする配列番号1に含まれるヌクレオチド配
列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
【0013】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列と、その全コード領域にわたって、少なくとも75%の同一性
、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性
、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同
一性を有するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。
これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好まし
いが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくと
も99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。
【0014】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1の全長にわたって配列番号
1のポリヌクレオチドと少なくとも75%の同一性、好ましくは少なくとも80%の
同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なく
とも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有するヌクレオチド配列
を含む単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%
の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同
一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌ
クレオチドが最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番
号1のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドおよび配列番号1のポリヌクレ
オチドが挙げられる。
【0015】 本発明はまた、上記の全てのポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを
提供する。
【0016】 配列番号1のヌクレオチド配列はヒトUCP2(Fleury, C.ら、Nat Genet. 1997
Mar; 15(3):269-272, GenBank:U76367)との相同性を示す。配列番号1のヌクレ
オチド配列はcDNA配列であり、配列番号2のポリペプチドである312個のアミノ
酸のポリペプチドをコードするポリペプチドコード配列(ヌクレオチド番号119〜
1137)を含む。配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配
列番号1に含まれるポリペプチドコード配列と同一であっても、遺伝子コードの
重複性(縮重)のため、やはり配列番号2のポリペプチドをコードする、配列番
号1に含まれる配列以外の配列であってもよい。配列番号2のポリペプチドはミ
トコンドリア脱共役タンパク質ファミリーの他のタンパク質と構造的に関連して
おり、ヒトUCP2(Fleury, C.ら、Nat Genet. 1997 Mar; 15(3):269-272, GenBan
k:U76367)との相同性および/または構造類似性を有する。
【0017】 配列番号2のHHFCW60ポリペプチドをコードする遺伝子はヒト染色体11q13に位
置づけられた。
【0018】 本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相
同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつこ
とが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドは少なくとも1つのHHFCW60活性を有する。
【0019】 本発明のポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニング技
術(Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))により、ヒ
トの骨格筋ならびに横紋筋肉腫、カスキ(caski)およびSHSY 5Y細胞系の細胞中
のmRNAから誘導されたcDNAライブラリーから得ることができる。また、本発明の
ポリヌクレオチドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から得ることができ
、商業的に入手可能な公知の技法を用いて合成することもできる。
【0020】 本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用
いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、ま
たは他のコード配列(例えば、リーダーもしくは分泌配列、プレ−、プロ−もし
くはプレプロ−タンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするもの
)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含まれ
る。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得
る。本発明のこの態様の特定の好ましい具体例においては、マーカー配列は、pQ
Eベクター(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA (1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、
またはHAタグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列、
例えば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化
シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0021】 本発明の更なる具体例としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜
2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されてい
る、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコードするポ
リヌクレオチドがある。
【0022】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で公知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレオチドを含有する発現系、該
発現系により遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプ
チドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタ
ンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0023】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作することができる。宿主細胞へのポリヌ
クレオチドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986)
および Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold
Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))などの多
くの標準的な実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適
なこうした方法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE
−デキストラン媒介トランスフェクション、マイクロインジェクション、カチオ
ン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スク
レープローディング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduction)また
は感染などがある。
【0024】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス(Strepto
cocci)、スタフィロコッカス(Staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミ
セス(Streptomyces)、枯草菌(Bacillus subtilis))、菌類細胞(例:酵母、ア
スペルギルス(Aspergillus))、昆虫細胞(例:ドロソフィラ(Drosophila)S2、
スポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞)、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3
T3、BHK、HEK293、Bowesメラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0025】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、特に、染
色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バク
テリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由来
、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40のような
パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂
犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来
するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリ
オファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を起こさ
せるだけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。一般的に、宿主内
でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現する
ことができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用いられる
公知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入すること
ができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細胞
外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み
込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性であ
っても、異種シグナルであってもよい。
【0026】 スクリーニングアッセイで使用するため本発明のポリペプチドを発現させよう
とする場合、一般にそのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好適であ
る。その場合は、スクリーニングアッセイでの使用に先立って細胞を回収する。
該ポリペプチドが培地に分泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製する
ために培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その細胞をまず溶解し、そ
の後にポリペプチドを回収する必要がある。
【0027】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが精製に用いられる
。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質の
再折りたたみのための公知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復
元することが可能である。
【0028】 本発明はまた、診断薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機
能障害と関連した、配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺伝子
の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現または変化した発現により生
ずる疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しうる、またはその診断を
下しうる診断用ツールを提供するだろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さ
まざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0029】 診断用の核酸は、被験体の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検または剖
検材料由来の細胞から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用し
てもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を使ってゲノムDNAを酵素的に増幅し
てもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。欠失および挿
入突然変異は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化により
検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識化HHFCW60ヌクレオチド配列とハイブリ
ダイズさせることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖と
はRNアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別できる。また、DNA配
列の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでのDNA断片の電気泳動の移動
度の変化により、または直接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例えば、M
yersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。特定位置での配列変化はヌ
クレアーゼプロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテクショ
ン)または化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA (1985) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺
伝子変異の効率のよいスクリーニングを行うため、HHFCW60ヌクレオチド配列ま
たはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイ(array)を構築するこ
とができる。アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発現、遺
伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解きあかす
ために用いられている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.610-613 (1
996) を参照のこと)。
【0030】 診断アッセイは、前記の方法によりHHFCW60遺伝子の変異を検出することで、
前記疾患への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。さらに、被験体
から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNAのレベルの異常な低下または
増加を測定する方法により、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下ま
たは増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量法、例えば核酸増幅(例:
PCR、RT−PCR)、RNアーゼプロテクション、ノーザンブロッティング、その他の
ハイブリダイゼーション法のいずれかによりRNAレベルで測定することができる
。宿主から得られたサンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレベ
ルを測定するアッセイ法は当業者によく知られている。こうしたアッセイ法とし
て、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、ELIS
Aアッセイなどがある。
【0031】 かくして、もう一つの態様において、本発明は、 (a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列
)もしくはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)もしく
はその断片、または (d) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、 を含む診断用キットに関する。
【0032】 このようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であ
ることが理解されよう。かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特に創
傷治癒、炎症、組織修復、疾患もしくは感染因子による筋肉消耗、カヘキシーな
どを診断するうえで有用である。
【0033】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0034】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコルを用いて、動物(好
ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似
体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製には
、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる。
例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (19
75) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら, Im
munology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Monoclo
nal Antibodies and Cancer Therapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)
などがある。
【0035】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体をつくるために、米国特許第4,946,
778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。また
、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0036】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0037】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、前記疾患の治療に使用でき
る可能性がある。
【0038】 本発明の更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断
片と、各種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL
鎖の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融
合タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定
常部が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固
Xa因子で開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去できる。
さらに、本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方法、並びに薬物
スクリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。また、本発明
の更なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関す
る。融合タンパク質技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914に見
いだせる。
【0039】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関し、
この方法は、特に前記疾患から該動物を防御するための抗体および/またはT細
胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種すること
を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗
体を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in vivoで本発明のポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポ
リペプチドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を引き
出す方法に関する。
【0040】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン製剤
(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
を含有する。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチ
ドは胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内
、静脈内または皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した
製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等
張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁剤または増
量剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容
器または複数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供すること
ができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で
保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するためのア
ジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性により変化するが、ルー
チンな実験操作により簡単に決定できる。
【0041】 本発明のポリペプチドは、1つ以上の病状、特に前記疾患を含めて、1つ以上の
生物学的機能に関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を刺激または
抑制する化合物を同定するスクリーニング法を開発することが望ましい。したが
って、更なる態様において、本発明は、このポリペプチドの機能を刺激または抑
制する化合物を同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的に
は、前記疾患の治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが
使用される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリ
ーおよび天然産物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定
されたアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリ
ペプチドの天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであって
よく、また、その構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coligan
ら, Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)
【0042】 スクリーニング法では、本発明のポリペプチド、または該ポリペプチドを担持
する細胞もしくは膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合を、候補
化合物に直接または間接的に結合された標識を用いて簡単に測定できる。あるい
はまた、スクリーニング法では標識した競合物質との競合を用いることもある。
さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合物がポリペプチドの活性化ま
たは抑制により生ずるシグナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを
担持する細胞に適した検出系を用いて試験することができる。一般的には、既知
のアゴニストの存在下で活性化のインヒビターをアッセイして、アゴニストによ
る活性化に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニストまたはインヒビ
ターの非存在下で、候補化合物がポリペプチドの活性化を抑制するか否かを調べ
ることによる逆アゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、構成的
に活性のあるポリペプチドが用いられる。さらに、これらのスクリーニング法は
、候補化合物と本発明のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつく
り、この混合物中のHHFCW60活性を測定し、そしてこの混合物のHHFCW60活性をス
タンダードと比較する各ステップを単に含むだけでよい。本発明のポリペプチド
のアンタゴニストを同定する高効率スクリーニングアッセイでは、上記のような
Fc部分とHHFCW60ポリペプチドから作製されるような融合タンパク質も使用する
ことができる(D. Bennettら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およびK.
Johansonら, J. Biol. Chem., 270(16):9459-9471 (1995)を参照のこと)。
【0043】 また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは該ポリペプチドに対す
る抗体を用いて、細胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添加化合物
の作用を検出するためのスクリーニング法を組み立てることができる。例えば、
当業界で公知の標準方法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用い
て、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためのELISAア
ッセイを構築することができ、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまたはア
ゴニストともいう)の探索に用いることができる。
【0044】 膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公
知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリ
ペプチドを用いることができる。こうした受容体結合法には、限定するものでは
ないが、リガンド結合アッセイおよび架橋アッセイがあり、これらのアッセイで
は、ポリペプチドを放射性アイソトープ(例:125I)で標識するか、化学的に修
飾(例:ビオチン化)するか、または検出や精製に適したペプチド配列に融合さ
せ、そして推定上の受容体源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液など
)とインキュベートする。その他の方法としては、表面プラズモン共鳴および分
光学のような生物物理的方法がある。これらのスクリーニング法は、該ポリペプ
チドの(存在するのであれば)その受容体への結合と競合する該ポリペプチドの
アゴニストまたはアンタゴニストを同定するために用いることもできる。スクリ
ーニングアッセイを行うための標準的な方法は当業界でよく理解されている。
【0045】 潜在的なポリペプチドアンタゴニストの例としては、抗体、ある場合には、該
ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係があるオリゴヌ
クレオチドもしくはタンパク質(例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの
断片)、または本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない(それゆえ
該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子などがある。
【0046】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドのアゴニスト
、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポリペ
プチドの産生を低下または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキ
ットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含み、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである。 こ
のようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であるこ
とが理解されよう。
【0047】 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの有望と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された結合部位または反応部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。これは通常反復プロセスであることがさらに理解されよう。
【0048】 更なる態様において、本発明は、HHFCW60ポリペプチド活性の過剰発現と過小
発現のいずれかに関係した、例えば創傷治癒、炎症、組織修復、疾患もしくは感
染因子による筋肉消耗、カヘキシーなどの異常な状態の治療法を提供する。
【0049】 該ポリペプチドの活性が過剰である場合は、いくつかのアプローチが利用可能
である。一つのアプローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの結
合をブロックすることにより、または第2のシグナルを抑制することで異常な状
態を軽減することにより、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、上
記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を場合により製剤学上許容される担
体とともに被験体に投与することを含んでなる。もう一つのアプローチでは、内
因性のポリペプチドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと結合す
る能力がまだある可溶性形態のポリペプチドを投与することができる。このよう
な競合物質の典型的な例はHHFCW60ポリペプチドの断片である。
【0050】 さらに別のアプローチでは、発現阻止法を使って内因性HHFCW60ポリペプチド
をコードする遺伝子の発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内
で産生されるか外部から投与されるアンチセンス配列の使用を必要とする(例え
ば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (遺
伝子発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド), C
RC Press, Boca Raton, FL (1988) 中のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:560
を参照のこと)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせん(トリプレックス)
を形成するオリゴヌクレオチドを供給することもできる(例えば、Leeら, Nucle
ic Acids Res (1979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; Dervanら,
Science (1991) 251:1360 を参照のこと)。これらのオリゴマーはそれ自体を投
与することもできるし、関連オリゴマーをin vivoで発現させることもできる。
合成アンチセンスまたはトリプレックスオリゴヌクレオチドは修飾塩基または修
飾骨格を含みうる。後者の例にはメチルホスホネート、ホスホロチオエートまた
はペプチド核酸骨格が含まれる。そうした骨格はアンチセンスまたはトリプレッ
クスオリゴヌクレオチド中に取り込まれてヌクレアーゼによる分解からの防御を
提供しており、当分野で公知である。これらの、または他の修飾骨格を用いて合
成されたアンチセンスおよびトリプレックス分子も本発明の一部を構成する。
【0051】 さらに、ヒトHHFCW60ポリペプチドの発現は、ヒトHHFCW60 mRNA配列に特異的
なリボザイムを用いることにより阻止することができる。リボザイムは触媒的に
活性なRNAであり、天然のものでも合成されたものでも良い(例えば、Usman, Nら
、Curr. Opin. Struct. Biol. (1996)6(4), 527-33を参照されたい)。合成リボ
ザイムは、選択した部位でヒトHHFCW60 mRNAを特異的に切断するように設計する
ことができ、それによりヒトHHFCW60 mRNAから機能性ポリペプチドへの翻訳が阻
止される。通常RNA分子に見られるような天然のリボースリン酸骨格および天然
の塩基を用いてリボザイムを合成することもできる。また、リボヌクレアーゼ分
解からの防御を提供するために非天然骨格を用いてリボザイム、例えば、2'-O-
メチルRNAを合成することも可能であり、該リボザイムは修飾塩基を含みうる。
【0052】 HHFCW60およびその活性の過少発現に関係した異常な状態を治療する場合も、
いくつかのアプローチを取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効な
量の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわち、前記アゴニスト)を製
剤学上許容される担体とともに被験体に投与して、異常な状態を緩和することを
含んでなる。別法として、被験体の関連細胞においてHHFCW60を内因的に産生さ
せるために遺伝子治療を用いることができる。例えば、上で述べたような複製欠
陥レトロウイルスベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチドを遺伝
子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドを
コードするRNAを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入された
パッケージング細胞に導入する。その結果、パッケージング細胞は対象の遺伝子
を含有する感染性のウイルス粒子を産生するようになる。in vivo細胞操作およ
びin vivo ポリペプチド発現のために、これらのプロデューサー細胞を被験体に
投与する。遺伝子治療の概論に関しては、Human Molecular Genetics, T Strach
anおよび A P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapter 20,
Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeutic Approaches(お
よびその中の引用文献) を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本発明
のポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投与することである。
【0053】 更なる態様において、本発明は、治療に有効な量のポリペプチド(例えば、可
溶性形態の本発明ポリペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプチド
、または小分子化合物を製剤学上許容される担体または賦形剤と共に含有する医
薬組成物を提供する。この種の担体としては、食塩水、緩衝化食塩水、デキスト
ロース、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せがあるが、これ
らに限らない。本発明はさらに、上記の本発明の組成物の1以上の成分を充填し
た1以上の容器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペ
プチドおよび他の化合物は単独で使用しても、他の化合物、例えば治療用化合物
と一緒に使用してもよい。
【0054】 医薬組成物は投与経路、例えば全身または経口による投与経路に適合させるこ
とができる。全身投与に適した形態は、注入、典型的には静脈内注射である。皮
下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用できる。全身投与の別の手
段には、胆汁酸塩、フシジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘
膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチドまたは他の化合物を腸
溶剤またはカプセル剤として製剤化し得るのであれば、経口投与も可能である。
これらの化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投与しても、かつ/
または局在化させてもよい。
【0055】 必要な投与量範囲は、本発明のペプチドまたは他の化合物の選択、投与経路、
製剤の性質、被験体の状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な投
与量は被験体の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲である。入手可能な化合物が
多様であること、投与経路の効率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与
量は広範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静注による投与より
も高い投与量を必要とすると予想されよう。こうした投与量レベルの変動は、当
業界でよく理解されているような、標準の経験的な最適化手順を用いて調整する
ことができる。
【0056】 治療に用いるポリペプチドは、上述したような「遺伝子治療」と称する治療法
において、被験体の体内で産生させることもできる。例えば、被験体由来の細胞
を、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドにより、
例えばレトロウイルスプラスミドベクターを用いて、ex vivoで遺伝子工学的に
操作する。その後、これらの細胞を被験体に導入する。
【0057】 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列は、類似の相同性を有する別の配
列を同定する際の価値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコンピュ
ータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデータを用いてGCGまたはLaser
geneソフトウェアパッケージなどの検索ツールにより配列データベースを検索す
ることで最大限促進される。したがって、更なる態様において、本発明は、配列
番号1の配列を含むポリヌクレオチドおよび/またはそれによりコードされるポ
リペプチドを保存したコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0058】 以下の定義は上記の説明中でしばしば用いられた用語を理解しやすくするため
のものである。
【0059】 本明細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体
、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン
発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
【0060】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」変化されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0061】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはDNA、また
は修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」には、制限する
ものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合
ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA
、DNAとRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、またはより典型的には二本鎖
でもよく、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。
加えて、「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRNAとDNAの両方からなる三
重鎖領域を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾
塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された
骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化
された塩基およびイノシンのような特殊な塩基がある。DNAおよびRNAに対してさ
まざまな修飾を行うことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界
に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾され
た形態、並びにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含
する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される
比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0062】 「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわ
ち、ペプチドアイソスター)により互いに連結された2個以上のアミノ酸を含む
ペプチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は短鎖(通常はペプチ
ド、オリゴペプチドまたはオリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質と
いう)の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化アミノ酸以外のア
ミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然
のプロセスで、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修飾されたアミ
ノ酸配列を含む。このような修飾は基本的な教科書、より詳細な学術論文および
研究文献に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたは
カルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこでも行うことができる。同じタイ
プの修飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異
なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの修飾を
含んでいてもよい。ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、分枝
のある又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、または分枝した環状の
ポリペプチドは翻訳後の天然プロセスから生じることがあり、また、合成法によ
って製造することもできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボ
シル化、アミド化、ビオチニル化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、
ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共
有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結
合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメー
トの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成
、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分
解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、ア
ルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化
などがある(例えば、Proteins - Structure and Molecular Properties, 2nd E
d., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York, 1993; Posttransl
ational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson編, Academic Pres
s, New York, 1983中のWold, F., Post-translational Protein Modifications:
Perspectives and Prospects, pgs. 1-12; Seifterら, “Analysis for protei
n modifications and nonprotein cofactors", Meth Enzymol (1990) 182:626-6
46; および Rattanら, “Protein Synthesis: Post-translational Modificatio
ns and Aging", Ann NY Acad Sci (1992) 663:48-62 を参照のこと)。
【0063】 「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドのことである。
典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列
の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基準ポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても、しなくても
よい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配列によりコードされ
るポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および末端切断(トランケ
ーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプチド
とアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体
の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるような相違に限ら
れる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以上の置換、欠失、付
加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または挿入されるアミノ酸残基
は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくてもよい。ポリヌクレ
オチドまたはポリペプチドの変異体はアレル変異体のように天然に存在するもの
でも、天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレ
オチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または
直接合成により作製することができる。
【0064】 当技術分野で知られた「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオ
チド配列の比較により決定された、2以上のかかる配列間の関連性のことである
。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド配列またはポリヌクレオチド
配列の鎖間のマッチ(match)により決定された、このような配列間の配列関連性
の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法により難なく算出
することができ、こうした方法として、例えば Computational Molecular Biolo
gy, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing:
Informatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New Yo
rk, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and
Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in M
olecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysi
s Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M Stockton Press, New York,
1991; および Carillo, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073
(1988) に記載された方法があるが、これらに限らない。同一性を決定するため
の好ましい方法は、検討する配列間で最大級のマッチが得られるように設計され
る。さらに、同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可能なコンピュー
タプログラムに編集されている。2配列間の同一性および類似性を決定する好適
なコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ (Devereux, J
.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLAST
NおよびFASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (1990))
があるが、これらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の
ソースから一般に入手可能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM N
IH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990)
)。公知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる
【0065】 ポリペプチド配列を比較するための好適なパラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして一般に入手可能である。前記のパラ
メーターはペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(default parameter)
である(末端ギャップのペナルティーは無し)。
【0066】 ポリヌクレオチド配列を比較するための好適なパラメーターは次のものを含む
: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして入手可能である。これらのパラメー
ターは核酸比較のためのデフォルトパラメーターである。
【0067】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は配列番号1の基準配列と同一、す
なわち100%同一であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのヌクレオ
チド変異を含んでいてもよい。前記変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失
、置換(トランジションおよびトランスバージョンを含む)または挿入よりなる
群から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位置
、またはこれらの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオ
チドの間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグループとして介在す
ることができる。ヌクレオチド変異の数は、配列番号1のヌクレオチドの総数に
、それぞれの(100で割った)同一性%値を掛け、その積を配列番号1のヌクレ
オチドの総数から差し引くことにより、すなわち、次式: nn ≦xn −(xn・y) により求めることができる。式中、nnはヌクレオチド変異の数であり、xnは配
列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%に
ついては0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.95
などであり、xnとyの非整数の積は、その積をxnから引く前に、最も近似する
整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配
列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突
然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチドによりコ
ードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0068】 同様に、本発明のポリペプチド配列は配列番号2の基準配列と同一、すなわち
100%の同一性であっても、該基準配列に対して、ある整数個までのアミノ酸変
異を含んで同一性%が100%未満であってもよい。前記変異は少なくとも1個の
アミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入
よりなる群から選択され、こうした変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしく
はカルボキシ末端位置、またはこれらの末端位置の間のいずれに存在してもよく
、基準配列中のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグ
ループとして介在することができる。所定の同一性%についてのアミノ酸変異の
数は、配列番号2のアミノ酸の総数に、それぞれの(100で割った)同一性%値
を掛け、その積を配列番号2のアミノ酸の総数から差し引くことにより、すなわ
ち、次式: na ≦xa −(xa・y) により求めることができる。式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番
号2中のアミノ酸の総数であり、yは例えば70%については0.70、80%について
は0.80、85%については0.85などであり、xaとyの非整数の積は、その積をxa から引く前に、最も近似する整数に切り下げる。
【0069】 「相同体」とは、対象の配列に対して高度の配列関連性を有するポリヌクレオ
チドまたはポリペプチド配列を示すための当技術分野で使用される一般的な用語
である。こうした関連性は、上記のような比較すべき配列間の同一性および/ま
たは類似性の程度を決定することにより定量化できる。別の種におけるポリヌク
レオチドまたはポリペプチドの機能的等価物であるポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドを意味する「オーソログ」(ortholog)、および同一の種内で考えるとき
に機能的に類似した配列を意味する「パラログ」(paralog)という用語はこの一
般的な用語に含まれる。
【0070】 「融合タンパク質」とは、2つの、しばしば無関係の、融合された遺伝子また
はその断片によりコードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A-0 4
64には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部分と他のヒトタンパク質また
はその一部とを含んでなる融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治療
および診断における使用には、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc領
域を使用することが有利であり、これにより例えば薬物速度論的性質が向上する
(例えば、EP-A- 0232 262を参照のこと)。一方、いくつかの使用にとっては、
その融合タンパク質を発現させ、検出し、精製した後でFc部分を除去することが
望ましいだろう。
【0071】 本明細書中に引用された、特許および特許出願明細書を含めた全ての刊行物は
、あたかも各刊行物が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体を参
考としてここに組み入れるものとする。配列情報 配列番号1:
【0072】 配列番号2:
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 43/00 105 43/00 105 A61K 37/02 (72)発明者 クラップハム,ジョン,クリストファー イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ ー ハーロウ,サード アベニュー,ニュ ー フロンティアーズ サイエンス パー ク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ (72)発明者 ビーレイ,リー,ジェームス, イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ ー ハーロウ,サード アベニュー,ニュ ー フロンティアーズ サイエンス パー ク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ (72)発明者 ゴッデン,ロバート,ジェームス イギリス国 シーエム19 5エーダブリュ ー ハーロウ,サード アベニュー,ニュ ー フロンティアーズ サイエンス パー ク サウス,スミスクライン ビーチャム ファーマシューティカルズ Fターム(参考) 4C084 AA02 AA13 AA27 BA01 BA22 CA53 CA59 DC50 ZA891 ZA941 ZB111 ZB211 ZC541

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の疾患: (i)創傷(創傷治癒を高めるため) (ii)組織修復、 (iii)炎症、 (iv)筋肉消耗、または (v)カヘキシー、 を治療するための医薬品を製造するための、以下の化合物: (a)HHFCW60ポリペプチド、 (b)HHFCW60ポリペプチドを活性化する化合物、または (c)HHFCW60ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、 より選択される化合物の使用。
  2. 【請求項2】 前記医薬品を創傷治癒を高めるために使用する、請求項1記
    載の使用。
  3. 【請求項3】 前記医薬品を組織修復の治療に使用する、請求項1記載の使
    用。
  4. 【請求項4】 前記医薬品が、配列番号2のHHFCW60ポリペプチドに対して
    少なくとも75%の同一性を有するポリペプチドを含有する単離されたポリペプチ
    ドを含む、請求項1記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記単離されたポリペプチドが配列番号2のHHFCW60ポリペ
    プチドである、請求項4記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記医薬品が、HHFCW60ポリペプチドを活性化する化合物を
    含む、請求項1記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記医薬品が、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも75%
    の同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1
    記載の使用。
  8. 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号1のポリヌクレオチドと
    少なくとも75%の同一性を有するポリヌクレオチドを含む、請求項7記載の使用
  9. 【請求項9】 前記ポリヌクレオチドが配列番号1のポリヌクレオチド配列
    を有する、請求項7または8記載の使用。
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