JP2002513573A - ピヒア・シフェリにおける遺伝子発現のためのプラスミド及びこれを用いた形質転換方法 - Google Patents

ピヒア・シフェリにおける遺伝子発現のためのプラスミド及びこれを用いた形質転換方法

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サン キ リー,
ジュン フーン バエ,
ウイ スン チョイ,
ジュン フーン ソン,
ヒュン アー カン,
チャン セオ パーク,
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ドゥーサン コーポレーション
コリア インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロージ
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Abstract

(57)【要約】 ピヒア・シフェリを形質転換するための発現カセット及びその使用を開示する。本発明は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA断片、シクロヘキシミドに耐性のCYHr遺伝子、及び所望の遺伝子を含む発現カセットに関するものである。所望の遺伝子の発現の増大を可能とするピヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺伝子をさらに含む発現カセットもまた、提供される。さらに、本発明は、高収率にて、発現カセットで形質転換されたピヒア・シフェリを使用するテトラアセチルフィトシフィンゴシンを製造するための方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピヒア・シフェリ(Pichia ciferrii)形質転換のための発現カセッ
トに関する。さらにとりわけピヒア・シフェリ リボソームDNA断片である、
シクロヘキシミド及び望ましい遺伝子に、及びそれらの使用に抵抗性であるCY
r遺伝子を含んでいる発現カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ピヒア・シフェリは、石炭を生物学的に脱硫するために(Stevens et al., US
P4,851,350号)、D−アルファ−アミノ酸を合成するために(Takeichi et al.,
USP5,068,187号)、(S)−1−フェニル−1,3−プロパンジオールを合成す
るために(Ajinomoto),JP6-90789A号)、または立体特異性ケトン還元による
第二アルコールを合成するために(Merck,第EP-300287号)使用されてきた。さ
らに、これはセラミドの前駆体であるテトラアセチルフィトスフィンゴシン(T
APS)を生産し、分泌する(Barenholz et al., Biochem.Biophys.Acta, 248,
458, 1971、同、306, 341, 1973)。
【0003】 セラミドと同様にTAPSを含むフィトスフィンゴシンは表面皮膚保護活性、
及び皮膚の過剰な水分不足または乾燥を防止する活性を示し、化粧でのその使用
を容易にする。これらはさまざまな微生物から入手でき、簡単にN−アシル化に
よってセラミドに変換されうる。
【0004】 野生型ピヒア・シフェリ ATCC14091及びF-60-10(NRRL1301)によるTAPS生
産は商業的使用には十分ではない。ピヒア・シフェリ株でのTAPSの生産を改
善するために、より高レベルでのTAPSの生産が可能である変異体を提供する
試みが行われてきた(Wickerham & Burton,J.Bacteriol., 80, 484, 1960;USP5
,618,706号)。本発明者もまた、より短い時間での多量のTAPS生産が可能で
ある新規の有用な変異体(KFCC-10937)を開発した(KR98-49305A号)。
【0005】 ピヒア・シフェリはハンセニュラ(Hansenula)種に分類されてきており、最
近は5S−RNA解析によりピヒア(Pichia)種に再分類されている(Yamada et al. , Biosci. Biotechnol. Biochem., 58、1245, 1994)。このことから、ピヒア
酵母の遺伝的研究は十分ではなく、ピヒア・シフェリの形質転換方法は確立され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明はピヒア・シフェリ セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子を
含むプラスミドprACL2及びTAPSの改善された生産が可能である形質導入した
ピヒア・シフェリ細胞を提供する。
【0007】 本発明者らは、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)に対する公知の方法
(Kondo et al., J. Bacteriol., 177, 7171, 1995)をピヒア・シフェリのため
に変更でき、適用できることを発見した。そのヌクレオチド配列を決定するため
にピヒア・シフェリリボソームタンパク質L41−コード遺伝子をクローニング
し、選択マーカーとして使用するために、酵母由来の抗生物質であるシクロヘキ
シミドへの抵抗性を与えるように操作した。したがって、組換え体遺伝子は望ま
しい遺伝子を発現しているピヒア・シフェリを形質転換するのに有用である発現
カセットを与えるための望ましい遺伝子を持つプラスミドと関連し得る。
【0008】 さらに、本発明者らはピヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺伝子のクロ
ーニングに成功し、発現カセット内へのその挿入が、発現レベルの予期せぬ改善
を可能にしたことを明らかにした。事実、望ましい遺伝子としてLCB2遺伝子
を持つ発現カセットでピヒア・シフェリ株を形質転換すること、及び得られた形
質転換した細胞を培養することでTAPSの生産量を増加させた。LCB2遺伝
子は、生体内でTAPS合成で含まれるパルミトイルトランスフェラーゼをコー
ドしている。
【0009】 従って本発明の目的は、ピヒア・シフェリ(Pichia ciferrii)リボソームタ
ンパク質L41遺伝子の遺伝情報を調べて使用することである。
【0010】 本発明の他の目的は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA、選択マーカーと
してのピヒア・シフェリL41遺伝子、及び所望の遺伝子を含む、ピヒア・シフ
ェリを形質転換するための発現カセットを提供することである。本発明の一つの
好ましい実施態様において、そのマーカーは抗生のシクロヘキシミドに対する耐
性を付与する遺伝子である。
【0011】 本発明の別の目的は、前記発現カセットを含むプラスミドでピヒア・シフェリ
を形質転換する方法を提供することである。
【0012】 本発明は、ピヒア・シフェリ グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒド
ロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子及びGADPHプロモーター遺伝子の遺伝情報
を調べて使用するものである。
【0013】 本発明は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA、選択マーカーとしてのピヒ
ア・シフェリL41遺伝子、ピヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺伝子及
び所望の遺伝子を含む、ピヒア・シフェリを形質転換するための発現カセットを
提供する。本発明の一つの好ましい実施態様において、そのマーカーは抗生のシ
クロヘキシミドに対する耐性を付与する遺伝子である。
【0014】 本発明はさらに、ピヒア・シフェリ リボソームDNA、選択マーカーとして
のピヒア・シフェリL41遺伝子、ピヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺
伝子、所望の遺伝子及びピヒア・シフェリ リボソームDNAを含む、ピヒア・
シフェリを形質転換するための発現カセットを提供する。本発明の一つの好まし
い実施態様において、そのマーカーは抗生のシクロヘキシミドに対する耐性を付
与する遺伝子である。
【0015】 本発明は、TAPS合成に関与するピヒア・シフェリ セリンパルミトイルト
ランスフェラーゼの遺伝情報を調べて使用するものである。
【0016】 本発明は、ピヒア・シフェリ セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子
を有する発現カセットを含むプラスミドprACL2と、TAPSの生産性が改良され
た形質転換されたピヒア・シフェリ細胞を提供するものである。
【0017】 本発明はさらに、ピヒア・シフェリ セリンパルミトイルトランスフェラーゼ
遺伝子を有する発現カセットを含むプラスミドprACGL2、及びTAPSの生産性
が改良されたピヒア・シフェリ形質転換体を提供するものである。
【0018】 本発明はさらに、ピヒア・シフェリ セリンパルミトイルトランスフェラーゼ
遺伝子を有する発現カセットを含むプラスミドprHECGL2、及びTAPSの生産性
が改良されたピヒア・シフェリ形質転換体を提供するものである。
【0019】 本発明はさらにまた、形質転換されたピヒア・シフェリ細胞を培養することに
よって、TAPSを製造するための方法を提供する。
【0020】 如上の本発明の目的、他の特徴及び適用に関しては、以下の詳細な説明から当
業者にとってさらに明らかになるであろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
Kondoらは、マーカー遺伝子として、従来の細菌のものに換えて酵母由来の抗
生耐性遺伝子を使用する、Candida utilis に対する形質転換方法を報告してい
る(Kondo et al., J.Bacteriol., 177, 7171, 1995)。本発明者らは、係る着
想をピヒア・シフェリに適用することを試みた。
【0022】 この目的のため、本発明者らはピヒア・シフェリ リボソームタンパク質L4
1遺伝子をクローニングし、そしてそのヌクレオチド配列を決定した。さらに本
発明者らは、シクロヘキシミドに対する感受性に寄与する第56番目のアミノ酸
プロリンを同定しそしてそれをグルタミンに置換して、シクロヘキシミド耐性の
L41タンパク質を得た。本発明において、L41遺伝子が選択マーカーとして
使用される。
【0023】 1.ピヒア・シフェリ リボソームタンパク質L41遺伝子遺伝子の単離 Kondoら(Kondo et al., J.Bacteriol., 177, 7171, 1995)による方法に従い
これを修飾することによって、2つのプライマーCYH1及びCYH4を合成し
た。 CYH1:5'-CGC GTA GTT AAY GTN CCN AAR AC-3' CYH4:5'-GCC TGG CCY TTY TGY TTY TTN TC-3' 2つのプライマーは、それぞれ配列表にて、配列番号:7及び配列番号:8で
示される。
【0024】 PCRは、この2つのプライマーを使用して行い、約300bpのピヒア・シフェ
リ リボソームタンパク質L41遺伝子を単離して、これをプローブとして用い
るために標識化した。
【0025】 こうして得られたプローブを使用して、ピヒア・シフェリ ゲノムDNAにつ
いてのサザンブロット分析を行った。EcoRIで消化したゲノムDNAで、1.9 kb
の所望のバンドが得られる。EcoRIで消化された1.9 kbのDNA断片を集めて、
ヌクレオチド配列決定のために使用されるpCYH1.9を構築するために使用した。
結果を図1に示す。ピヒア・シフェリ ATCC 14091リボソームタンパク質L41
遺伝子のDNA配列は、1998年3月7日にGenBankに、受入番号 AF 053457にて
提出された。ピヒア・シフェリ ATCC 14091リボソームタンパク質L41遺伝子
は、419 bpイントロンを含む737塩基対を有するものである。このヌクレ
オチド配列より演繹される推定上のアミノ酸は、他の酵母のものと90%以上の
相同性を示している。シクロヘキシミドに感受性のアミノ酸が、第56位アミノ
酸のプロリンであることも同定された。
【0026】 2.L41遺伝子へのシクロヘキシミド耐性の付与:形質転換細胞の選択に使
用するためのプラスミドpCYH1.9rの構築 L41遺伝子にシクロヘキシミド耐性を付与するために、L41遺伝子のプロ
リン(アミノ酸第56位)をグルタミンに置換すべく部位特異的突然変異誘発を
行った。こうして得られた遺伝子操作された遺伝子を、「プラスミドCYH1.9r 」と命名する。
【0027】 以下本明細書において、L41遺伝子を「CYH」の略号にて示し、そしてシ
クロヘキシミド耐性のL41遺伝子を「CYHr」によって示すこととする。
【0028】 3.ピヒア・シフェリ リボソームDNAの単離:染色体への所望の遺伝子の
組込み効率を向上させるためのプラスミドprDX9.0の構築 染色体DNAへの所望の遺伝子の組込みの効率を向上させるために、リボソー
ムDNAを用いた。細胞内でリボソームDNAの数百のコピーが生じる。
【0029】 PCRプライマーは、ピヒア・シフェリ リボソームRNAの部分ヌクレオチ
ド配列(Yamada et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 58, 1245, 1994)を
使用することによって合成した。ピヒア・シフェリ ATCC 14091ゲノムDNAの
PCRを、そのプライマーを使用することによって行い、6.0 kbのリボソームD
NA断片を単離した。その断片を、サザンブロット分析用のプローブとして使用
し、9 kbのピヒア・シフェリ ATCC 14091リボソームDNA断片を単離して、こ
れをプラスミドpBluescript KS+に挿入しプラスミドprDX9.0を作製した。
【0030】 リボソームDNA断片(9 kb)の部分配列を調べ、そして5S、26S、5.
8S及び18Sリボソームタンパク質遺伝子の位置と方向を図1に示す。
【0031】 4.組換えプラスミドの構築 リボソームDNAを様々な制限酵素で消化し、CYHrに連結して図1に示す
様々なプラスミドを得、これらについて、(1)それぞれの遺伝子の転写方向;
(2)リボソームDNA及びCYHr遺伝子の配列;ならびに(3)挿入部位、
リボソームRNA構造遺伝子または非転写領域の種類、に関して形質転換効率に
つき分析されよう。
【0032】 図1のプラスミドの特徴を、表1に要約する。
【0033】
【表1】
【0034】 プラスミドの命名において、例えばprACで「p」の文字はプラスミドを示し、
「r」はプラスミドがリボソームDNAを有することを示し、そして「C」は「C
YHr」を意味する。prAC1.9における文字「A」はとprEC1.9における文字「E」
はリボソームDNAを消化することにより遊離するために使用される制限酵素を
示す。他のプラスミドの場合、それぞれ「X」はXbaIを意味し、「E」はEcoRIを
意味し、「R」はEcoRVを意味し、そして「H」はHindIIIを意味する。従って、そ
の名前にこれらの文字を含むプラスミドは、これらそれぞれの制限酵素で消化さ
れたリボソームDNA断片を含むものである。さらにCの後の数番号はL41遺
伝子のサイズ(塩基対)を示し、一方「F」または「R」の文字はリボソームDN
A断片とCYHrの方向を意味している。
【0035】 5.形質転換細胞の形質転換及び選択 Klass及びPeterにより報告された方法(Klass及びPeter, Curr. Genet., 25,
305, 1994)に従うものである。すなわち、YEPD培地にて1.5のOD600nm にまで生育したピヒア・シフェリ ATCC 14091の細胞を遠心分離によって集め、
そしてプラスミドと混合した。エレクトロポレーションは、プラスミドで細胞を
形質転換すべく500V、50μF且つ800Ωにて実施し、そしてシクロヘキ
シミド耐性L41遺伝子(CYHr)を含む形質転換細胞を選択するようにシク
ロヘキシミドを添加したYEPD固形培地での生育に付した。
【0036】 形質転換効率を表2(実施例17)に示す。表2のデータから、挿入部位とし
て5Sと26SリボソームRNA構造遺伝子の間の非転写領域が使用されている
prHEC1.9Fが、最高の形質転換効率を有することが明らかである。また、5S R
NA遺伝子の転写方向がCYHrの場合と反対であるprHEC1.pRは、形質転換効率
を有意に減じた。
【0037】 6.サザンブロット分析による形質転換細胞の分析 ゲノムDNAを形質転換細胞から単離し、そしてCYHrの挿入パターンをサ
ザンブロット分析によって分析した。その結果、形質転換細胞の染色体に、CY
rの4〜5のコピーが見出された。この結果から、本発明の発現カセットでの
ピヒア・シフェリの形質転換は、形質転換されたピヒア・シフェリ細胞の染色体
への所望の遺伝子の組込みを至適化することが示唆される。
【0038】 7.TAPS製造のためのprACL2の構築:及び形質転換細胞の培養によるTA
PSの製造 セリンパルミトイルトランスフェラーゼを製造するために、LCB2遺伝子を
含む発現カセットから発現プラスミドを構築し、そしてTAPS生産を評価する
ために変異ピヒア・シフェリ KFCC-10397へ形質転換した。所望の遺伝子たる、
セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードするLCB2遺伝子は、TAP
S合成に関与するものであり、そして変異KFCC-10397は本発明者らによって開発
されたものである(KR98-49035A)。
【0039】 セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(3−ケトスフィンガニンシンターゼ
、EC 2.3.1.50)はスフィンゴ脂質合成の第一工程(全反応の律速工程である)
に関与し、セリンとパルミトイル−CoAとを縮合することによって18の炭素原
子を有する3−ケトスフィンガニンを形成する(Barenholz et al., Biochem. B iophys. Acta , 248, 458, 1971; 同じく306, 341, 1973)。3−ケトスフィンガ
ニンは、動物体内で長鎖化合物の一つとして、また植物及び菌類におけるフィト
スフィンゴシンに対する前駆体として働いている。
【0040】 本発明において、TAPS製造を、ピヒア・シフェリの染色体にLCB2遺伝
子の複数のコピーを組込むことにより有意に向上させることができる。LCB2
遺伝子の複数のコピーをその染色体に担持する、形質転換されたピヒア・シフェ
リ細胞は、短期間に大量のTAPSを製造する。
【0041】 7−1.セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードするLCB2遺伝子
の単離 ピヒア・シフェリ ATCC 14091ゲノムDNAからセリンパルミトイルトランス
フェラーゼをコードする遺伝子をクローニングすることを目的として、既知のセ
リンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子のサブユニットを参照してプローブ
を調製した。
【0042】 サッカロミセス・セレビシエ由来のセリンパルミトイルトランスフェラーゼを
コードする遺伝子は、2つのサブユニット、LCB1及びLCB2からなってい
る。LCB1遺伝子は、「長鎖ベース」に対する略語である(Nagiec et al., P roc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 7899, 1994)。ヒト、マウス、クレブシェラ
・ラクティス、及びサッカロミセス・ポムなどの他の生物由来のLCB2遺伝子
のDNA配列(Nagiec et al., Gene, 177, 237, 1996; Hanada et al., J. Bio l. Chem. 272, 32108, 1997; Weiss及びStoffel, Eur. J. Biochem. 249, 239,
1997)が報告されている。
【0043】 最初に、サッカロミセス・セレビシエ由来のLCB1遺伝子のヌクレオチド配
列(Nagiec et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 7899, 1994)を参照す
ることにより、LCB1遺伝子のPstI断片(1 kb)を、ピヒア・シフェリ ATCC
14091のゲノムDNAのサザンブロット分析用のプローブとして使用した。この
分析において、所望のバンドは検出されなかった。他方、プローブとしてLCB
2遺伝子のSalI断片(0.9 kb)を用いるサザンブロット分析で、12 kbのLCB
2遺伝子のDNAバンドが得られた。このバンドを集め、そしてプラスミドpBlu
escript KS+に挿入してライブラリーを得た。サザンブロット分析を繰り返すこ
とにより、ScaI/AfiIII断片(3.0 kb)を得、そしてプラスミドpL2SAを構築した
(図2)。LCB2遺伝子のヌクレオチド配列を調べ、配列表において配列番号
:3として、推定上のアミノ酸配列(配列番号:4)と共に表す。この配列は、
1998年3月7日にGenBankに、受入番号 AF 053456にて提出された。
【0044】 ピヒア・シフェリ ATCC 14091 LCB2遺伝子は、1688塩基対を含み、イント
ロンは有していない。推定上のアミノ酸配列は、サッカロミセス・セレビシエ由
来のものと高い相同性を示している。膜貫通ヘリックス領域は、第55位から第
79位のアミノ酸にわたって存在している。ピリドキサールホスフェートと共に
シッフ塩基を形成するリシンを含む領域は、サッカロミセス・セレビシエのもの
と同じアミノ酸配列を有している。
【0045】 7−2.プラスミドprACL2の構築 プラスミドpL2SAを、HindIII、Klenow及びBamHIでこの順に消化し、LCB2
遺伝子の3.0 kbの断片を得た。この断片をプラスミドprHEC1.9Fに挿入し、これ
をEco47III及びBamHIで処理し、プラスミドprACL2を得た。
【0046】 プラスミドprACL2は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA断片、CYHr(L
41)及びLCB2遺伝子を有し、この順に相互に連結されている。プラスミド
prACL2は、特許手続きを目的とした微生物の寄託の国際認知にかかるブダペスト
条約に従い、1998年3月4日にテジョンに在するKorean Collection of Type Cu
ltures に寄託され、KCTC-0468BPの受託番号を与えられた。
【0047】 7−3.形質転換 プラスミドprACL2は、変異ピヒア・シフェリ KFCC-10937へと、前記の工程5
に示す手順に従うことにより形質転換し、そして高い遺伝子コピー数を有してい
る形質転換細胞を選択した。
【0048】 7−4.形質転換細胞の培養によるTAPSの製造 上記工程7−3にて得られた、形質転換された細胞をYGM最適培地(グリセ
ロール 100g/リットル、酵母抽出物 2g/リットル、KNO3 3g/リッ
トル、(NH42SO4 0.5g/リットル、MgSO4・7H2O 0.3g/
リットル、NaCl 0.5g/リットル、CSL 3g/リットル及びLS−3
00 1g/リットル)にて4日間培養し、TAPSを製造した。
【0049】 本発明に従い形質転換された細胞は、親株KFCC-10937よりも少なくとも1.3
倍高いTAPS製造を呈した。
【0050】 8.ピヒア・シフェリからのグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロ
ゲナーゼ(GAPDH)プロモーター遺伝子の単離 グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)は、
解糖に関わる必須酵素であり、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートを1,3
−ビス−ホスフォグリセレートへと変換する。これは構成性に発現されている酵
素である。GAPDHプロモーター遺伝子は炭素供給源によってほとんど影響を
受けないので、これが遺伝子操作分野の研究者の注目を引くのである(Kniskern
et al., Gene, 46, 135, 1986; Travis et al., J. Biol. Chem., 260, 4384,
1985; Hallewell et al., Biotechnol., 5, 363, 1987; Rosenberg et al., Met hod Enzymol. , 185, 341, 1990; Waterham et al., Gene, 16, 37, 1997)。
【0051】 これらの研究に基づき、本発明者らはピヒア・シフェリGAPDHプロモータ
ー遺伝子をクローニングし、そしてGAPDHプロモーターの挿入で所望の遺伝
子の発現が増大するか否かについて評価した。
【0052】 8−1.GAPDH遺伝子の単離 ピヒア・シフェリ ATCC 14091のゲノムDNAからGAPDH遺伝子をクロー
ニングするために、サッカロミセス・セレビシエ2805由来のGAPDH遺伝子を
使用した。かくしてクローニングされたGAPDH遺伝子を使用することによっ
て、プラスミドpGH2.2を構築した(図4)。ピヒア・シフェリ ATCC 14091のG
APDH遺伝子のヌクレオチド配列を調べ、配列表において配列番号:5として
、推定上のアミノ酸配列(配列番号:6)と共に表す。この配列は、1998年3月
7日にGenBankに、受入番号 AF 053300にて提出された。
【0053】 ピヒア・シフェリ ATCC 14091 GAPDH遺伝子は、1004塩基対を含み、イン
トロンは有していない。ヌクレオチド配列及び推定上のアミノ酸配列は、サッカ
ロミセス・セレビシエ由来のものとそれぞれ69.3%及び76.2%の相同性
を示している。このことは、ピヒア・シフェリ ATCC 14091 GAPDH遺伝子が
新規であることを示している。
【0054】 8−2.GAPDHプロモーター遺伝子の単離 プラスミドpGH2.2及びプライマー(プライマーNo.3及び4;それぞれ配列
表において、配列番号:9及び配列番号:10)を使用してPCRを実施し、ピ
ヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺伝子(600 bp)を単離した。この
遺伝子を、pT7-Blue T-ベクターのEcoRV部位に挿入し、プラスミドpT7GHを得た
【0055】 8−3.それ自体のプロモーターを含まないLCB2遺伝子の単離 図5に示す方法に従い、プラスミドpL2SAから、それ自体のプロモーターを含
まないLCB2遺伝子を単離した。その遺伝子は2.3 kbのサイズを有してい
る。これをpT7GHのBamHI部位に挿入し、プラスミドpGAL2を得た。
【0056】 8−4.プラスミドprACGL2の構築 図5に示す方法に従い、プラスミドpGAL2から、2.9 kbのLCB2遺伝子を
単離し、そしてprHEC1.9FのEco47III/XbaI部位へと挿入してプラスミドprACGL2
を得た。
【0057】 プラスミドprACGL2は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA断片、CYHr
L41)、GAPDHプロモーター遺伝子及びLCB2遺伝子を有し、この順に
相互に連結されている。プラスミドprACGL2は、特許手続きを目的とした微生物
の寄託の国際認知にかかるブダペスト条約に従い、1998年6月25日にテジョン
に在するKorean Collection of Type Cultures に寄託され、KCTC-0498BPの受託
番号を与えられた。
【0058】 8−5.prHECGL2の構築 宿主細胞(例えば、ピヒア・シフェリの株)を、プラスミドprACGL2で形質転
換すると、プラスミドが宿主細胞への形質転換に先駆けて直線化のために唯一の
制限酵素のみで処理されるので、得られる形質転換細胞はピヒア・シフェリ由来
の遺伝子だけでなく出発の細菌プラスミドの望ましくない他の領域も担持してい
るはずである。これを回避するために、本発明者らは、プラスミドprACGL2のL
CB2遺伝子の下流にピヒア・シフェリ リボソームDNA断片(800 bp)を
加えている。かくして得られたプラスミドは、prHECGL2と命名された(図6)。
【0059】 プラスミドprHECGL2は、ピヒア・シフェリ リボソームDNA断片、CYHr
L41)、GAPDHプロモーター遺伝子、LCB2及びピヒア・シフェリ リ
ボソームDNA断片を有し、この順に相互に作動可能に連結されている。この制
限地図は、図6に示されている。プラスミドprHECGL2は、特許手続きを目的とし
た微生物の寄託の国際認知にかかるブダペスト条約に従い、1998年8月10日に
テジョンに在するKorean Collection of Type Cultures に寄託され、KCTC-0511
BPの受託番号を与えられた。
【0060】 宿主細胞をプラスミドprHECGL2で形質転換すると、双方のピヒア・シフェリ
リボソームDNAを切断すべくこのプラスミドを適切な制限酵素により処理する
ことによって、得られる形質転換細胞はピヒア・シフェリ由来の遺伝子を一つだ
け担持している。すなわち、プラスミドprHECGL2をピヒア・シフェリへと形質転
換すると、得られる形質転換されたピヒア・シフェリ細胞は、唯一の内在性遺伝
子を担持しているはずである。
【0061】 8−6.形質転換 ピヒア・シフェリ KFCC-10937の細胞とプラスミドprACL2、prACGL2及びprHECG
L2を混合し、それぞれプラスミドで細胞を形質転換すべく電圧500V、容量5
0μF且つ抵抗800Ωにてエレクトロポレーションを実施した。
【0062】 8−7.形質転換細胞培養によるTAPSの製造 上記工程8−6にて得られた、形質転換された細胞をYGM最適培地(グリセ
ロール 100g/リットル、酵母抽出物 2g/リットル、KNO3 3g/リッ
トル、(NH42SO4 0.5g/リットル、MgSO4・7H2O 0.3g/
リットル、NaCl 0.5g/リットル、CSL 3g/リットル及びLS−3
00 1g/リットル)にて培養し、TAPSを製造した。
【0063】 本発明に従い、プラスミドprACGL2(KCTC-0498BP)またはプラスミドprHECGL2
(KCTC-0511BP)で形質転換された細胞は、親株KFCC-10937よりも、そしてプラ
スミドprACL2で形質転換された細胞(KCTC-0468BP)よりも、それぞれ少なくと
も2.1倍及び少なくとも1.5倍高いTAPS製造を呈した。
【0064】 配列表のフリーテキスト 配列番号:7は、PCRプライマーCYH1に対する人工配列である。
【0065】 配列番号:8は、PCRプライマーCYH4に対する人工配列である。
【0066】 配列番号:9は、GAPDHプロモーター遺伝子の単離のために使用されるP
CRプライマーNo.3に対する人工配列である。
【0067】 配列番号:10は、GAPDHプロモーター遺伝子の単離のために使用される
PCRプライマーNo.4に対する人工配列である。
【0068】 配列番号:11は、PCRプライマーCH−fに対する人工配列である。
【0069】 配列番号:12は、PCRプライマーCH−rに対する人工配列である。
【0070】 配列番号:13は、PCRプライマー18Rに対する人工配列である。
【0071】 配列番号:14は、PCRプライマー26Fに対する人工配列である。
【0072】 配列番号:15は、PCRプライマーL2fに対する人工配列である。
【0073】 配列番号:16は、PCRプライマーL2rに対する人工配列である。
【0074】 配列番号:17は、GAPDH遺伝子の単離のために使用されるPCRプライ
マーNo.1に対する人工配列である。
【0075】 配列番号:18は、GAPDH遺伝子の単離のために使用されるPCRプライ
マーNo.2に対する人工配列である。
【0076】
【実施例】
本発明を、様々な実施例によってさらに詳細に説明するが、これら実施例は本
発明の範囲を限定するものとして理解されるべきでない。
【0077】 実施例1:ピヒア・シフェリATCC14091からのゲノムDNAの単離 ピヒア・シフェリATCC14091の細胞をJohnston(Johnston et al., Yeast Gene
tics, molecular aspects, pp.107-123, IRL, Press, 1988)によって記載の方
法に従ってYEPD培地(ペプトン 2%、酵母エキス 1%、及びグルコース
2%)内で増殖させ、回収し、SSEM溶液(1M ソルビトール、100mM
クエン酸ナトリウム、60mM EDTA、100mM 2−メルカプトエタ
ノール)に懸濁させた。ノボザイムを0.1mg/mlの濃度でこの懸濁液に加
え、プロトプラストを得るために37℃にて30分間反応させた。等量のSDS
−TE溶液(1M Tris−Cl、pH 8.0中、2% SDS、50mM
EDTA)を加え、60℃にて10分間反応させ、細胞を分解させた。8,0
00rpmでの15分間の遠心によって得られた上清に、2倍量のエタノールを
加えた。得られたペレットを、RNaseを含んだTE溶液に溶解させ、ピヒア・
シフェリゲノムDNAを抽出した。
【0078】 実施例2:ピヒア・シフェリATCC14091からのL41遺伝子の単離 以下の2つのプライマーCYH1及びCYH4を合成した。 CYH1:5'-CGC GTA GTT AAY GTN CCN AAR AC-3' CYH4:5'-GCC TGG CCY TTY TGY TTY TTN TC-3' これらの2つのプライマーはまた配列表でそれぞれ配列番号:7及び配列番号
:8として表した。
【0079】 PCRをこの2つのプライマーと実施例1で得たピヒア・シフェリゲノムDN
Aを用いて行ない、約300bpのL41遺伝子断片を得た。
【0080】 この断片を取扱説明書にしたがってDIG−標識化及び検出キット(Boehring
er Mannheim)で標識化し、プローブを得た。
【0081】 実施例3:L41遺伝子の配列決定 実施例1で得たピヒア・シフェリのゲノムDNAをさまざまな制限酵素で消化
し、消化産生物を0.9%アガロースゲル電気泳動にかけ、Nytran(登録商標)
膜(Schleicher & Schuell)に写し、続いて実施例2で得たプローブを用いて、
ハイブリッド形成溶液(5×SSC、0.1% N−ラウリルサルコシン、0.
02% SDS、2% ブロッキング剤及び30% ホルムアルデヒド)でハイ
ブリッド形成させた。ハイブリッド形成はBoehringer Mannheimによって準備さ
れた取扱説明書にしたがって42℃、6時間で行った。
【0082】 アルカリホスファターゼ共役抗体を導入し、BCIP及びX−リン酸を加えた
。紫色染色バンドが観察された。
【0083】 バンドはEcoRIで処理したゲノムDNAの1.9kbの大きさで検出された。
このDNA断片(1.9kb)を回収し、プラスミドpBluescript KS+(Stratag
ene)のEcoRI部位へ連結させ、大腸菌(E.Coli)DH5αに形質転換しライブラ
リーを確立した。
【0084】 このライブラリーを繰り返しサザンブロット解析にかけ、L41遺伝子を含む
1.9kb遺伝子断片を単離した(プラスミドpCYH1.9)。ヌクレオチド配列決
定を自動化シークエンサーモデル373A(Applied Biosystem)を用いてこの
プラスミドについて行った。この結果は配列表に、その推定されるアミノ酸配列
(配列番号:2)と共に配列番号:1として表した。本配列は1998年3月7
日、受入番号AF053457にてGenBankに提出した。
【0085】 ピヒア・シフェリATCC14091のL41遺伝子は419bpのイントロンを含む
737塩基対からなる。アミノ酸残基56はプロリンである。
【0086】 実施例4:プロリン(アミノ酸第56位)をグルタミンに置換したプラスミド
pCYH1.9rの構築 2つのプライマーCH−f及びCH−rを調製した。 プライマーCH−f:GGT CAA ACC AAA CCA GTT TTC プライマーCH−r:ATG GAA AAC TTG TTT GGT TTG ACC これらの2つのプライマーもまた配列表においてそれぞれ配列番号:11及び
配列番号:12として表す。
【0087】 ユニバーサルプライマーとプライマーCH−rの組合せ、及び逆方向プライマ
ーとプライマーCH−fの組合せを、pfu DNAポリメラーゼ及び鋳型とし
てpCYH1.9を用いたPCRで使用し、1.2kb及び0.7kbの2つのPCR
産生物を得た。PCRをこの2つのPCR産生物(1.2kb及び0.7kb)
及びユニバーサル及び逆方向プライマーを用いて再び行い、プロリン(アミノ酸
第56位)をグルタミンに置換したプラスミドpCYH1.9rを得た。
【0088】 実施例5:リボソームDNA断片を含むプラスミドprDX9.0の構築 以下の2つのプライマー18R及び26Fを合成した。 プライマー18R:5'-CAA TAA TTG CAA TGC TCT ATC CCC AGC ACG-3' プライマー26F:5'-GGA TAT GGA TTC TTC ACG GTA ACG TAA CTG-3' これらの2つのプライマーもまた配列表にてそれぞれ配列番号:13及び配列
番号:14として表す。
【0089】 PCRを、この2つのプライマーと実施例1で得たピヒア・シフェリゲノムD
NAを用いて行い、6.0kbのPCR産生物を得た。このPCR産生物を実施
例2と同様の手法で標識化し、プローブを得た。
【0090】 プローブをピヒア・シフェリゲノムDNAでのサザンブロット解析に用いたと
き、バンドがXhoIで処理したゲノムDNAの9kbのサイズにて検出された。こ
のDNA断片(9kb)を回収し、pBluescript KS+(Stratagene)内に挿入し
、そのライブラリーを確立した。このライブラリーを繰り返しサザンブロット解
析にかけ、リボソームDNAを含む9kb遺伝子断片を単離した(プラスミドpr
DX9.0)。
【0091】 ヌクレオチド配列決定をこのプラスミドに対して、自動化シークエンサーモデ
ル373A(Applied Biosystem)を用いて行った。26S、18S、5.8S
及び5Sリボソーム遺伝子の局在と開始点を含む結果を図1に示す。
【0092】 実施例6:プラスミドprXHNCの構築 実施例5で得たプラスミドprDX9.0をXbaIで処理し、3.5kbのリボソーム
DNAを得、次いでプラスミドpBluescript KS+に挿入した。得られた組換え体
プラスミドをHpaI/NcoI/クレノーで処理し、1.6kbリボソームDNAを取り
出し、実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化することで得た
1.9kb CYHr遺伝子と連結し、プラスミドprXHNCを得た。
【0093】 実施例7:プラスミドprEHCの構築 実施例5で得たプラスミドprDX9.0をEcoRIで処理し、3.8kbのリボソーム
DNAを得、次いでプラスミドpBluescript KS+に挿入した。得られた組換え体
プラスミドをHpaIで処理し、2kbリボソームDNAを取り出し、実施例4での
プラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化することで得た1.9kb CYH r 遺伝子と連結し、プラスミドprEHCを得た。
【0094】 実施例8:プラスミドprCEXの構築 実施例5で得たprDX9.0をEcoRI/XbaIで処理し、1.1kbのリボソームDN
Aを得た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化することで
得た1.9kb CYHr遺伝子を、この1.1kbのリボソームDNAのEcoRI
部位と連結し、プラスミドprCEXを得た。
【0095】 実施例9:プラスミドprCRXの構築 実施例5で得たprDX9.0をEcoRV/XbaIで処理し、1.3kbのリボソームDN
Aを得た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化することで
得た1.9kb CYHr遺伝子を、この1.3kbのリボソームDNAのEcoRV
部位と連結し、プラスミドprCRXを得た。
【0096】 実施例10:プラスミドprXCHの構築 実施例5で得たprDX9.0をXbaIで処理し、3.5kbのリボソームDNAを得
た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化することで得た1
.9kb CYHr遺伝子を、この3.5kbのリボソームDNAのHpaI部位と連
結し、プラスミドprXCHを得た。
【0097】 実施例11:プラスミドprXCEの構築 実施例5で得たprDX9.0をXbaIで処理し、3.5kbのリボソームDNAを得
た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRIで消化することで得た1.9kb
CYHr遺伝子を、この3.5kbのリボソームDNAのEcoRI部位と連結し、プ
ラスミドprXCEを得た。
【0098】 実施例12:プラスミドprXHC1.9の構築 実施例5で得たprDX9.0をXhoI/HindIIIで処理し、1.6kbのリボソームD
NAを得た。この1.6kbリボソームDNAを含むプラスミドをHindIII/クレ
ノーで消化し、実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRIで消化することで得た
1.9kb CYHr遺伝子を、このHindIII/クレノー消化産生物のEcoRI部位と
連結し、プラスミドprXHC1.9を得た。
【0099】 実施例13:プラスミドprAC1.9の構築 実施例5で得たprDX9.0をHindIII/EcoRVで処理し、0.6kbのリボソームD
NAを得た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化すること
で得た1.9kb CYHr遺伝子を、この0.6kbのリボソームDNAのEco
RV部位と連結し、プラスミドprAC1.9を得た。
【0100】 実施例14:プラスミドprEC1.9の構築 実施例5で得たprDX9.0をHindIII/EcoRIで処理し、1.4kbのリボソームD
NAを得た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRIで消化することで得た1
.9kb CYHr遺伝子を、この1.4kbのリボソームDNAのEcoRI部位と
連結し、プラスミドprXCHを得た。
【0101】 実施例15:プラスミドprHEC1.9Fの構築 実施例5で得たprDX9.0をHindIII/EcoRIで処理し、1.4kbのリボソームD
NAを得た。実施例4でのプラスミドpCYH1.9rをEcoRI/クレノーで消化すること
で得た1.9kb CYHr遺伝子を、この1.4kbのリボソームDNAのEcoR
V部位と連結し、プラスミドprHEC1.9Fを得た。
【0102】 実施例16:prHEC1.9Rの構築 実施例15での手順を、CYHrの挿入開始点を実施例5のものと逆向きにし
たことを除いて繰り返し、プラスミドprHEC1.9Rを得た。
【0103】 実施例17:プラスミドの形質転換効率 Klass及びPeter(Klass & Peter,Curr.Genet.,25.305,1994)によって記述さ
れた方法にしたがった。すなわち、ピヒア・シフェリKFCC-10937をYEPD培地
(100ml)内でOD500nm 1.5まで増殖させ、遠心にて回収し、50m
Mリン酸緩衝液(pH7.5;40ml)内で、25mM DTTを加えて37
℃にて15分間分散させた。混合液を氷冷安定化溶液(100ml:270mM
スクロース、10mM Tris−Cl(pH 7.5)、1mM MgCl2
)にて2回洗浄し、1mlの安定化溶液内に懸濁させた。
【0104】 得られた懸濁液(50マイクロリットル)に、5マイクロリットルの実施例6
〜16で得られたそれぞれのプラスミドの溶液を加え、氷上に10分間おいた。
次いで溶液を0.2mmエレクトロポレーションキュベット(Bio-Rad)に移し
た。エレクトロポレーションをGene-pulserII(Bio-Red)を用いて500V、5
0μF及び800Ωで行ない、エレクトロポレーション産生物を0.5mLの安
定化溶液内に懸濁させた。2mLのYEPD培地を加えた後、培養を25℃で5
時間行った。次いで培養液を、10μg/mLのシクロヘキシミドを加えたYE
PD固体培地上に25℃で4〜5日間まいた。形質転換した細胞の数を計数し、
形質転換効率を表2に示した。
【0105】
【表2】
【0106】 表2での結果は、CYHr遺伝子が挿入されたリボソームDNA部位、及びC
YHr遺伝子の転写方向が形質転換効率にとても関連することを明らかにする。
5Sと26SリボソームRNA構造遺伝子間の非転写領域が挿入部位として使用
されたプラスミドprAC1.9及びprHEC1.9Fは最も高い形質転換効率を持っている。
そして、5S RNA遺伝子の転写方向がCYHrのそれと反対であるprHEC1.9R
は有意に減少した形質転換効率を示している。
【0107】 これらの結果を基に、プラスミドprHEC1.9Fを選択した。
【0108】 実施例18:形質転換条件の選択 形質転換の最適な条件を確立する目的で、ApaI/ScaIの処理の後得た直鎖prHEC
1.9を、電気容量を50μFに保つ一方で、電圧を500、600または700
Vに変更し、抵抗値を100、200、300、400、500、600、70
0または800Ωに変更することを除いて実施例17の手順に従って形質転換し
た。結果を表3に示している。
【0109】
【表3】
【0110】 表3の結果から、最適な形質転換条件は、電気容量50μF、電圧500V、
及び抵抗値800Ωであることが確かめられた。
【0111】 実施例19:サザンブロット解析による形質転換細胞の解析 実施例17で選択したそれぞれの形質転換細胞を5μg/mLのシクロヘキシ
ミドを加えたYEPD培地に植え付け、25℃で18〜20時間攪拌しながら培
養し、続いて遠心によって細胞ペレットを回収した。そして、得られた細胞を1
.5mLチューブ内においた。細胞を30μLのSTES溶液(0.2M Tr
is−Cl,pH 7.6中0.5M NaCl、0.01M EDTA、1%
SDS)中で懸濁させ、0.8容量のガラスビーズ(直径0.4mm)をここ
に加えた。混合液を5分間攪拌し、200μLのTE緩衝液(10mM Tri
s−Cl,pH 8.0中1mM EDTA)と200μLのフェノール/クロ
ロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加えた。得られた混合液
を2分間攪拌し、12,000rpmにて遠心した。2.5容量のエタノールを
上清に加え、ゲノムDNAを沈降させ、乾燥させた。
【0112】 ゲノムDNA(2〜3μg)を50μLの蒸留した水中に溶解し、EcoRIで処
理し、0.8%アガロースゲル上の電気泳動にかけた。サザンブロット解析を、
プローブとして実施例2でのL41を使用することで行い、バンドを検出した。
L41の遺伝子の4〜5コピーがすべての形質転換細胞のゲノムDNA上にある
ことが観察された。
【0113】 実施例20:プラスミドprACL2の構築 (1)ピヒア・シフェリATCC14091からのLCB2遺伝子の単離 サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の細胞をJohnston
(Johnston et al.,Yeast Genetics,molecular aspects,pp.107-123,IRL,Press,
1988)によって記載の方法に従ってYEPD培地(ペプトン 2%、酵母エキス
1%、及びグルコース 2%)内で増殖させ、回収し、そこよりゲノムDNA
を単離した。
【0114】 以下の2つのプライマーL2f及びL2rを合成した。 プライマーL2f:5'-ATG AGT ACT CCT GCA AAC TA-3' プライマーL2r:5'-TAA CAA AAT ACT TGT CGT CC-3' これらの2つのプライマーもまた配列表においてそれぞれ配列番号:15及び
配列番号:16として表した。
【0115】 PCRをこの2つのプライマーと上記で得たサッカロミセス・セレビシエ ゲ
ノムDNAを用いて行い、約1680bpのLCB2遺伝子断片を得た。913
bpのSalI断片を、取扱説明書にしたがってDIG−標識化及び検出キット(Bo
ehringer Mannheim)で標識化し、プローブを得た。
【0116】 実施例1で得たピヒア・シフェリのゲノムDNAを様々な制限酵素、BamHI、E
coRI、EcoRV、HindIII、PstIまたはSalIで消化し、消化産生物をTAE緩衝液中
電気泳動にかけ、Nytran(登録商標)膜(Schleicher & Schuell)に写し、続い
てサザンブロット解析を行った。
【0117】 サザンブロット解析は、ハイブリッド形成溶液(5×SSC、0.1% N−
ラウリルサルコシン、0.02% SDS、2% ブロッキング剤及び30%
ホルムミド)を用い、Boehringer Mannheimによって準備された取扱説明書にし
たがって42℃で6時間行った。
【0118】 アルカリホスファターゼ共役抗体を導入し、BCIP及びX−リン酸を加えた
。紫色染色バンドが観察された。
【0119】 バンドはHindIIIで処理したゲノムDNAの12kbの大きさで検出された。
【0120】 このDNA断片(12kb)を回収し、プラスミドpBluescript KS+(Stratag
ene)内に挿入し、大腸菌(E.Coli) DH5αに形質転換してライブラリーを確
立した。
【0121】 このライブラリーを繰り返しサザンブロット解析にかけ、LCB2遺伝子を含
む3.0kbのSacI/AflIII断片を単離した(プラスミドpL2SA)。
【0122】 ピヒア・シフェリLCB2遺伝子の制限配置及び配列を図2に示した。このヌ
クレオチド配列は配列表に、その推定されるアミノ酸配列(配列番号:4)と共
に配列番号:3として表した。このヌクレオチド配列は1998年3月7日、受
入番号AF053456にてGenBankに提出した。
【0123】 ピヒア・シフェリATCC14091のLCB2遺伝子はイントロンを含まない168
8塩基対からなり、その予想されるアミノ酸配列はサッカロミセス・セレビシエ
のものと高い相同性を示す。 (2)プラスミドprACL2の構築 実施例15で得たプラスミドprHEC1.9FをEco47III/BamHIで消化し、直鎖状プ
ラスミドを得た。一方、上記(1)で得たプラスミドpL2SAをHindIII、ク
レノー及びBamHIで、この順で処理し、3.0kbのLCB2遺伝子の断片を得
た。この3.0kb断片を上記の直鎖プラスミドに挿入し、プラスミドprACL2を
得た(図3)。
【0124】 プラスミドprACL2はピヒア・シフェリリボソームDNA断片、CYHr(L4
1)及びLCB2遺伝子を持ち、これらはこの順で互いに連結している。プラス
ミドprACL2は、特許手続きを目的とした微生物の寄託の国際認知にかかるブダペ
スト条約に従い、1998年3月4日にテジョンに在するKorean Collection of Typ
e Cultures に寄託され、KCTC-0468BPの受託番号を与えられた。
【0125】 実施例21:形質転換 プラスミドprACL2をApaIで直線化し、実施例17の手順に従って、変異株ピヒ
ア・シフェリKFCC-10937内に形質転換した。プラスミドμgあたり102〜103 コロニーが形成された。12個の最も大きなコロニーを選択した。
【0126】 それぞれの形質転換細胞を5μg/mLのシクロヘキシミドを加えたYEPD
培地に植え込み、攪拌しながら25℃にて18〜20時間培養し、続けて遠心に
より細胞ペレットを得た。そして得られた細胞を1.5mLチューブにおいた。
細胞を30μLのSTES溶液(0.2M Tris−Cl,pH 7.6中0
.5M NaCl、0.01M EDTA、1% SDS)中で懸濁させ、0.
8容量のガラスビーズ(直径0.4mm)をここに加えた。混合液を5分間攪拌
し、200μLのTE緩衝液(10mM Tris−Cl,pH 8.0中1m
M EDTA)と200μLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコー
ル(25:24:1)を加えた。得られた混合液を2分間攪拌し、12,000
rpmにて遠心した。2.5容量のエタノールを上清に加え、ゲノムDNAを沈
降させ、乾燥させた。
【0127】 ゲノムDNA(2〜3μg)を50μLの蒸留した水中に溶解し、EcoRIで処
理し、0.8%アガロースゲル上の電気泳動にかけた。サザンブロット解析を、
プローブとして実施例2でのL41を使用することで行い、バンドを検出した。
L41遺伝子の5〜10コピーがすべての形質転換細胞のゲノムDNA上にある
ことが観察された。これらの内1つをつり上げ、「形質転換細胞1」と命名した
【0128】 比較例1:KFCC-10937株培養によるTAPS生産 KFCC-10937親株を100mLのYGM最適培地(グリセロール 100g/l
、酵母エキス 2g/l、KNO3 3g/l、(NH42SO4 0.5g/l
、MgSO4・7H2O 3g/l、NaCl 0.5g/l、CSL 3g/l
及びLS−300 1g/l)中で25℃、250rpmにて4日間培養した。
25℃にて2日間おいた後、4容量のクロロホルム/メタノール(1:1)混合
溶媒を加え、相分離させてTAPSを抽出した。
【0129】 TAPSをELSD(Electron Light Scanning Detecter(電子走査光検出器
))を用いてHPLCで解析した。溶媒として、その比を9:1、7:3及び次
いで9:1と変化させたイソ−オクタンとTHF/ギ酸(100:1.5)の混
合液を用いた。
【0130】 実施例22:形質転換細胞1によるTAPS生産 実施例20で得た形質転換細胞1を比較例1でのものと同様の条件及び様式で
培養し、TAPSを生産した。
【0131】 比較例1及び実施例22でのTAPS生産を表4に示した。
【0132】
【表4】
【0133】 表4での結果は、本発明での発現カセットを持つピヒア・シフェリの形質転換
が、宿主細胞の染色体上での望ましい遺伝子の統合を最大化できることを肯定し
ている。
【0134】 実施例23:GAPDH遺伝子クローニングのためのプローブの調製 以下の2つのプライマー(プライマーNo.1及びNo.2)を合成した。
【0135】 プライマー1:5'-ATG GTT AGA GTT GCT ATT AAC G-3' プライマー2:5'-AAG CCT TGG CAA TGT GTT CAA-3' これらの2つのプライマーもまた配列表においてそれぞれ配列番号:17及び
配列番号:18として表した。
【0136】 PCRをこの2つのプライマーを用いて行い、(国際衛生研究所(NIH)の
R.B.Wicknerのご厚意により提供された)サッカロミセス・セレビシエ(Sacchar omyces cerevisiae )2805より1kb GAPDH遺伝子を単離した。この遺
伝子をプラスミドpT7−Blue T−ベクター(Novagen)のEcoRV部位に挿
入し、プラスミドpT7−SGHを得た。
【0137】 プラスミドpT7−SGHをXbaI及びSalIで消化し、0.9kb遺伝子断片を
得、これを取扱説明書にしたがって、DIG−標識化及び検出キット(Boehring
er Mannheim)で標識化してプローブを得た。
【0138】 実施例24:ピヒア・シフェリからのGAPDH遺伝子の単離 実施例1で得たピヒア・シフェリのゲノムDNAを様々な制限酵素、BamHI、E
coRI、EcoRV、HindIII、PstIまたはSalIで消化し、消化産生物を0.9%アガロ
ースゲル電気泳動にかけ、Nytran(登録商標)膜(Schleicher & Schuell)に写
し、続いて実施例23で得たプローブを用いてサザンブロット解析を行った。
【0139】 サザンブロット解析は、ハイブリッド形成溶液(5×SSC、0.1% N−
ラウリルサルコシン、0.02% SDS、2% ブロッキング剤及び30%
ホルムアミド)を用い、Boehringer Mannheimによって準備された取扱説明書に
したがって42℃で6時間行った。
【0140】 アルカリホスファターゼ共役抗体を導入し、BCIP及びX−リン酸を加えた
。紫色染色バンドが、HindIII/EcoRIで処理したゲノムDNAの断片の大きさで
ある約6kbの位置に観察された。
【0141】 このDNA断片(約6kb)を回収し、プラスミドpBluescript KS+(Stratag
ene)に挿入し、大腸菌(E.Coli) DH5αに形質転換してライブラリーを確立
した。このライブラリーを繰り返しサザンブロット解析にかけ、GAPDH遺伝
子を含む6.0kbのAflIII/HindIII断片を単離した(プラスミドpGH2.2)
【0142】 ピヒア・シフェリATCC14091のGAPDH遺伝子の制限配置及び配列を図4に
示した。このヌクレオチド配列は配列表に、その推定されるアミノ酸配列(配列
番号:6)と共に配列番号:5として表した。本配列は1998年3月7日、受
入番号AF053300にてGenBankに提出した。
【0143】 ピヒア・シフェリATCC14091のGAPDH遺伝子はイントロンを含まない10
04塩基対からなる。ヌクレオチド配列と予想されるアミノ酸配列はサッカロミ
セス・セレビシエからのものとそれぞれ69.3%及び76.2%の相同性を示
す。
【0144】 実施例25:ピヒア・シフェリGAPDHプロモーター遺伝子の単離 以下の2つのプライマー(プライマーNo.3及びNo.4)を合成した。
【0145】 プライマー3:5'-GAT ATC TAC ATA CAA TTG ACC CAT AG-3' プライマー4:5'-GGA TCC TTA ATT ATT TGT TTG TTT-3' これらの2つのプライマーもまた配列表においてそれぞれ配列番号:9及び配
列番号:10として表した。
【0146】 PCRを実施例24で得たプラスミドpGH2.2及び2つのプライマー(プライマ
ーNo.3及びNo.4)を用いて行い、ピヒア・シフェリGAPDHプロモー
ター遺伝子(600bp)を単離した。この遺伝子をpT7-Blue T-ベクターのEco
RV部位に挿入し、プラスミドpT7GHを得た。
【0147】 実施例26:それ自体のプロモーターから独立したLCB2遺伝子の単離 実施例20で得たプラスミドpL2SAをAflIIIで処理し、プロモーターフリーL
CB2遺伝子(2.3kb)を得た。この2.3kb遺伝子をクレノーで処理し
、BamHI/クレノーで処理したプラスミドpBluescript KS+内に挿入し、プラスミ
ドpL2B2.3を得た(図5)。
【0148】 プラスミドpL2B2.3をBamHIで消化し、2.3kb LCB2遺伝子を得、これ
を実施例4で得たプラスミドpT7GHのBamHI部位に挿入し、pGAL2を得た。
【0149】 実施例27:発現カセットの構築 実施例15で得たプラスミドprHEC1.9FをEco47III及びXbaIで処理することで
直線化した。プラスミドpGAL2(実施例26)をEcoRV及びXbaIで処理することで
得たGAPDHプロモーター/LCB2遺伝子(2.9kb)をこの直鎖プラス
ミドprHEC1.9Fに挿入し、prACGL2を得た(図5)。
【0150】 プラスミドprACGL2はピヒア・シフェリリボソームDNA断片CYHr(L41
)、GAPDHプロモーター遺伝子及びLCB2遺伝子を持ち、この順で互いに
連結している。プラスミドprACGL2は、特許手続きを目的とした微生物の寄託の
国際認知にかかるブダペスト条約に従い、1998年6月25日にテジョンに在する
Korean Collection of Type Cultures に寄託され、KCTC-0498BPの受託番号を与
えられた。
【0151】 実施例4で得たプラスミドpCYH1.9rをEcoR47III及びXbaIで処理することで
直線化した。プラスミドpGAL2(実施例26)をEcoRV及びXbaIで処理することで
得られたGAPDHプロモーター/LCB2遺伝子(2.9kb)を直鎖プラス
ミドpCYH1.9rに挿入しpCHGL2を得た(図6)。このプラスミドをEcoRV/XbaI/ク
レノーで処理し、4.6kb CYHr/GAPDHプロモーター/LCB2遺伝
子を得、ついでこれをプラスミドprDX9.0(実施例5)をHindIII/EcoRIで処理す
ることで得た1.4kbリボソームDNAのEcoRV部位に挿入した、プラスミドp
rHECGL2を得た(図6)。
【0152】 プラスミドprHECGL2は、プラスミドprACGL2のLCB2遺伝子の下流に連結し
た付加的なピヒア・シフェリリボソームDNA断片(800bp)を含む構造を
持っている。すなわち、プラスミドprHECHL2はこの順で効果的に互いに連結した
ピヒア・シフェリリボソームDNA断片、CHYr(L41)、GAPDHプロ
モーター遺伝子、LCB2及びピヒア・シフェリリボソームDNA断片を含む。
【0153】 プラスミドprHECGL2は、特許手続きを目的とした微生物の寄託の国際認知にか
かるブダペスト条約に従い、1998年8月10日にテジョンに在するKorean Colle
ction of Type Cultures に寄託され、KCTC-0511BPの受託番号を与えられた。
【0154】 プラスミドprHECGL2は、プラスミドprACGL2と以下の点すなわち、ピヒア・シ
フェリを形質転換するのに使用されると、前者がピヒア・シフェリ内在性遺伝子
のみをピヒア・シフェリ形質転換細胞の染色体上に導入するのに対し、後者はピ
ヒア・シフェリ内在性遺伝子を(プラスミドpBluescripte KS+に由来する)細菌
遺伝子とともに導入するという点において識別され、且つ有利である。
【0155】 実施例28:形質転換 プラスミドprACGL2(実施例27)及びprHECGL2(実施例27)をそれぞれApa
I及びApaI/ScaIで直線化した。次いでこれらの直鎖プラスミドを実施例17の手
順に従ってピヒア・シフェリ KFCC-10937内に形質導入した。プラスミドμgあ
たり103コロニーが形成された。4つのもっとも大きなコロニーをおのおのの
プラスミド形質転換細胞として選択した。
【0156】 それぞれの形質転換細胞を、5μg/mLのシクロヘキシミドを加えたYEP
D培地に植え付け、25℃で18〜20時間攪拌しながら培養し、続いて遠心に
よって細胞ペレットを回収した。そして、得られた細胞を1.5mLチューブ内
においた。細胞を30μLのSTES溶液(0.2M Tris−Cl,pH
7.6中0.5M NaCl、0.01M EDTA、1% SDS)中で懸濁
させ、0.8容量のガラスビーズ(直径0.4mm)をここに加えた。混合液を
5分間攪拌し、200μLのTE緩衝液(10mM Tris−Cl,pH 8
.0中1mM EDTA)と200μLのフェノール/クロロホルム/イソアミ
ルアルコール(25:24:1)を加えた。得られた混合液を2分間攪拌し、1
2,000rpmにて遠心した。2.5容量のエタノールを上清に加え、ゲノム
DNAを沈降させ、乾燥させた。
【0157】 ゲノムDNA(2〜3μg)を50μLの蒸留した水内に溶解し、HindIII、E
coRIまたはXbaIで処理し、0.8%アガロースゲル上の電気泳動にかけた。サザ
ンブロット解析を、プローブとしてDIG−標識化L41遺伝子、DIG−標識
化LCB2遺伝子またはDIG−標識化GAPDHプロモーター遺伝子を使用す
ることで行い、バンドを検出した(図7)。遺伝子の約4−5コピーがすべての
形質転換細胞のゲノムDNA上にあることが観察された。preACGL2形質
転換細胞及びprHECGL2形質転換細胞のそれぞれ1つをすくい上げ、それ
ぞれ「形質転換細胞2」及び「形質転換細胞3」と命名した。
【0158】 実施例29:形質転換細胞2によるTAPSの生産 実施例28にて得られた形質転換細胞2を比較例1でのものと同一の状態及び
様式で培養し、TAPSを生産させた。TAPS生産を表5に示す。
【0159】
【表5】
【0160】 実施例30及び比較例2:形質転換細胞3によるTAPS生産 実施例2で得られた形質転換細胞2またはピヒア・シフェリの親株を、比較例
1でのものと同様の条件下でYMGL培地(酵母エキス 3g/L、麦芽エキス
3g/L、グリセロール 30g/L)中で培養し、TAPSを生産させた。
TAPS生産を表6に示した。
【0161】
【表6】
【0162】 表6の結果は、YMGL内でのTAPSの純粋な生産は、YGM最適培地での
ものと比較した場合に減少しており、形質転換細胞3によるTAPS生産は親株
のそれに比べて2.1倍多かったことを明らかにしている。
【0163】
【発明の効果】
まとめると、本発明は以下の利点がある。
【0164】 (1)本発明の発現カセットは宿主ピヒア・シフェリ細胞の染色体内への望ま
しい遺伝子の組み込みを最大化させる。
【0165】 (2)本発明によるプラスミドprACL2は、この順で作動可能に互いに連結した
0.6kbピヒア・シフェリリボソームDNA断片、CYHr(L41)及びセ
リンパルミトイルトランスフェラーゼをコードするLCB2遺伝子を持っている
。これは宿主細胞への良好な形質転換効率を示し、得られた形質転換細胞は親株
に比べて少なくとも1.3倍のTAPS生産を示す。
【0166】 (3)本発明による発現カセット内へのGAPDHプロモーター遺伝子の導入
は、形質転換細胞内での望ましい遺伝子の発現をさらに増加させる。
【0167】 (4)本発明によるプラスミドprACGL2は、0.6kbピヒア・シフェリリボ
ソームDNA断片、CYHr(L41)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒ
ドロゲナーゼ(GAPDH)プロモーター遺伝子及びLCB2遺伝子を持ち、プ
ラスミドprHECGL2はさらにプラスミドprACGL2内のLCB2遺伝子の下流に80
0bpのピヒア・シフェリリボソームDNA断片を持つ。これらのプラスミドは
GAPDHプロモーターの活性によるLCB2遺伝子の発現の増加のために優れ
た形質転換効率を示し、同時に親株KFCC-10937に比べて少なくとも2.1倍のT
APS生産を示す。
【0168】 本発明の好ましい実施様態が本明細書の以上で詳細に記述されたが、当業者に
明らかであろう本明細書で示した基礎的な発明概念の多くの変更及び/または修
飾が、添付の請求項で定義されたような本発明の精神及び意図の範囲内になお収
まるであろう。
【0169】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、各プラスミドについて異なる位置にピヒア・シフェリのL41遺伝子
を組み込んだピヒア・シフェリ リボソームDNAを有する様々なプラスミドの
制限地図であり、図中、 斜線囲み部はリボソームDNA断片を示し、 強調文字で示した制限酵素はそれぞれのプラスミドを直線化するために使用さ
れた酵素を示し、 矢印は遺伝子の転写方向を示し、そして プラスミドprACL2はピヒア・シフェリ由来のセリンパルミトイルトランスフェ
ラーゼをコードするLCB2遺伝子を担持している。
【図2】 図2は、ピヒア・シフェリLCB2遺伝子の制限地図であり、矢印の方向及び
長さはそれぞれ、ヌクレオチド配列決定の方向及び程度を示す。
【図3】 図3は、プラスミドprACL2の構築及び制限地図を表す。
【図4】 図4は、ピヒア・シフェリGAPDH遺伝子の制限地図であり、矢印の方向及
び長さはそれぞれ、ヌクレオチド配列決定の方向及び程度を示す。
【図5】 図5は、プラスミドprACGL2の構築及び制限地図を表す。
【図6】 図6は、プラスミドprHECGL2の構築及び制限地図を表す。
【図7】 図7は、宿主細胞に形質転換されたLCB2遺伝子のコピー数を測定するため
に行われたサザンブロット分析の結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:84) C12R 1:84) (C12N 1/19 (C12P 13/00 (C12P 13/00 (C12P 21/02 C (C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 1998/33969 (32)優先日 平成10年8月21日(1998.8.21) (33)優先権主張国 韓国(KR) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S (72)発明者 バエ, ジュン フーン 大韓民国 305−345 タエジョン ユソン −ク シンソン−ドン ナンバー 120− 2/302 (72)発明者 チョイ, ウイ スン 大韓民国 305−335 タエジョン ユソン −ク クン−ドン 395−3 ダソル ア パートメント ナンバー 102−507 (72)発明者 ソン, ジュン フーン 大韓民国 302−280 タエジョン セオ− ク ウォルピョン−ドン ヌリ アパート メント ナンバー 103−506 (72)発明者 カン, ヒュン アー 大韓民国 302−171 タエジョン セオ− ク カルマ−ドン キュンソン クンマウ ル アパートメント ナンバー 125− 1501 (72)発明者 パーク, チャン セオ 大韓民国 427−040 キュンキ−ド クワ チュン−シティ ビュルヤン−ドン ジュ ウコン アパートメント ナンバー 710 −401 Fターム(参考) 4B024 AA05 AA20 BA80 CA04 DA11 EA04 GA14 4B064 AE01 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA72X AA72Y AB01 AC14 BA02 CA16 CA41 CA44

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で示され、ピヒア・シフェリ リボソームタン
    パク質をコードするL41遺伝子。
  2. 【請求項2】 ピヒア・シフェリにおける所望の遺伝子に対する発現カセッ
    トであって、 (c)所望の構造遺伝子、 (b)シクロヘキシミドへの耐性をもたらし、(c)に作動可能に連結される
    CYHr遺伝子、 (a)(b)に作動可能に連結されるピヒア・シフェリ リボソームDNA を含む発現カセット。
  3. 【請求項3】 前記ピヒア・シフェリ リボソームDNAが、そのHindIII/E
    coRI消化産物の約1.4 kbの断片を含む非転写領域である請求の範囲第2項記載
    の発現カセット。
  4. 【請求項4】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミトイ
    ルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝子
    である請求の範囲第2項記載の発現カセット。
  5. 【請求項5】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミトイ
    ルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝子
    である請求の範囲第3項記載の発現カセット。
  6. 【請求項6】 請求の範囲第5項記載の発現カセットを含むプラスミドであ
    って、図3に示す制限地図を有するプラスミドprACL2(KCTC-0468BP)であるプ
    ラスミド。
  7. 【請求項7】 所望の遺伝子によってコードされるタンパク質を製造するた
    めの方法であって、請求の範囲第2項記載の発現カセットを有するプラスミドで
    、ピヒア・シフェリ細胞を形質転換する工程を含む方法。
  8. 【請求項8】 約500Vの電圧、約50μFの容量及び約800Ωの抵抗
    、の条件下でのエレクトロポレーションによって、ピヒア・シフェリが形質転換
    される、請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求の範囲第2項記載の発現カセットを含むベクターで形質
    転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  10. 【請求項10】 請求の範囲第3項記載の発現カセットを含むベクターで形
    質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  11. 【請求項11】 請求の範囲第4項記載の発現カセットを含むベクターで形
    質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  12. 【請求項12】 請求の範囲第5項記載の発現カセットを含むベクターで形
    質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  13. 【請求項13】 請求の範囲第6項記載の発現カセットを含むベクターで形
    質転換されたピヒア・シフェリ細胞。。
  14. 【請求項14】 テトラアセチルフィトスピンゴシンを製造するための方法
    であって、以下の工程すなわち、 (a)好適な培養培地にて、請求の範囲第11項記載の形質転換されたピヒア
    ・シフェリ細胞を培養し、及び (b)テトラアセチルフィトスピンゴシンをそれから回収する工程を含む方法
  15. 【請求項15】 テトラアセチルフィトスピンゴシンを製造するための方法
    であって、以下の工程すなわち、 (a)好適な培養培地にて、請求の範囲第12項記載の形質転換されたピヒア
    ・シフェリ細胞を培養し、及び (b)テトラアセチルフィトスピンゴシンをそれから回収する工程を含む方法
  16. 【請求項16】 テトラアセチルフィトスピンゴシンを製造するための方法
    であって、以下の工程すなわち、 (a)好適な培養培地にて、請求の範囲第13項記載の形質転換されたピヒア
    ・シフェリ細胞を培養し、及び (b)テトラアセチルフィトスピンゴシンをそれから回収する工程を含む方法
  17. 【請求項17】 配列番号:3で示され、且つピヒア・シフェリ セリンパ
    ルミトイルトランスフェラーゼをコードするLCB2遺伝子。
  18. 【請求項18】 配列番号:5で示され、且つピヒア・シフェリ グリセル
    アルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼをコードするGAPDH遺伝子
  19. 【請求項19】 請求の範囲第18項記載のGAPDH遺伝子に対するプロ
    モーター遺伝子であって、ヌクレオチド第1位からヌクレオチド第906位の配
    列にわたるプロモーター遺伝子。
  20. 【請求項20】 ピヒア・シフェリにおける所望の遺伝子に対する発現カセ
    ットであって、 (d)所望の構造遺伝子、 (c)(d)に作動可能に連結される請求の範囲第19項記載のGAPDHプ
    ロモーター遺伝子、 (b)シクロヘキシミドへの耐性をもたらし、(c)に作動可能に連結される
    CYHr遺伝子、 (a)(b)に作動可能に連結されるピヒア・シフェリ リボソームDNA を含む発現カセット。
  21. 【請求項21】 前記ピヒア・シフェリ リボソームDNAが、そのHindIII
    /EcoRI消化産物の約1.4 kbの断片を含む非転写領域である請求の範囲第20項
    記載の発現カセット。
  22. 【請求項22】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミト
    イルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝
    子である請求の範囲第20項記載の発現カセット。
  23. 【請求項23】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミト
    イルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝
    子である請求の範囲第21項記載の発現カセット。
  24. 【請求項24】 請求の範囲第23項記載の発現カセットを含むプラスミド
    であって、図5に示す制限地図を有するプラスミドprACL2(KCTC-0498BP)であ
    るプラスミド。
  25. 【請求項25】 ピヒア・シフェリにおける所望の遺伝子に対する発現カセ
    ットであって、 (e)約800 bpのピヒア・シフェリ リボソームDNA断片、 (d)(e)に作動可能に連結される所望の構造遺伝子、 (c)(d)に作動可能に連結される請求の範囲第19項記載のGAPDHプ
    ロモーター遺伝子、 (b)シクロヘキシミドへの耐性をもたらし、(c)に作動可能に連結される
    CYHr遺伝子、 (a)(b)に作動可能に連結されるピヒア・シフェリ リボソームDNA を含む発現カセット。
  26. 【請求項26】 前記ピヒア・シフェリ リボソームDNAが、そのHindIII
    /EcoRI消化産物の約1.4 kbの断片を含む非転写領域である請求の範囲第25項
    記載の発現カセット。
  27. 【請求項27】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミト
    イルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝
    子である請求の範囲第25項記載の発現カセット。
  28. 【請求項28】 前記所望の遺伝子が、ピヒア・シフェリ セリンパルミト
    イルトランスフェラーゼをコードし、且つ配列番号:3で示されるLCB2遺伝
    子である請求の範囲第26項記載の発現カセット。
  29. 【請求項29】 請求の範囲第28項記載の発現カセットを含むプラスミド
    であって、図6に示す制限地図を有するプラスミドprACL2(KCTC-0511BP)であ
    るプラスミド。
  30. 【請求項30】 所望の遺伝子によってコードされるタンパク質を製造する
    ための方法であって、ApaI及びScaIで請求の範囲第25項記載の発現カセットを
    有するプラスミドを直線化し、かように処理されたプラスミドで、ピヒア・シフ
    ェリ以外の生物起源に由来する外来遺伝子がピヒア・シフェリ染色体へ組み込ま
    れないようにピヒア・シフェリ細胞を形質転換する工程を含む方法。
  31. 【請求項31】 請求の範囲第20項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  32. 【請求項32】 請求の範囲第21項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  33. 【請求項33】 請求の範囲第22項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  34. 【請求項34】 請求の範囲第23項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  35. 【請求項35】 請求の範囲第24項記載のプラスミドで形質転換されたピ
    ヒア・シフェリ細胞。
  36. 【請求項36】 請求の範囲第25項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  37. 【請求項37】 請求の範囲第26項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  38. 【請求項38】 請求の範囲第27項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  39. 【請求項39】 請求の範囲第28項記載の発現カセットを含むベクターで
    形質転換されたピヒア・シフェリ細胞。
  40. 【請求項40】 請求の範囲第29項記載のプラスミドで形質転換されたピ
    ヒア・シフェリ細胞。
  41. 【請求項41】 テトラアセチルフィトスピンゴシンを製造するための方法
    であって、以下の工程すなわち、 (a)好適な培養培地にて、請求の範囲第35項記載の形質転換されたピヒア
    ・シフェリ細胞を培養し、及び (b)テトラアセチルフィトスピンゴシンをそれから回収する工程を含む方法
  42. 【請求項42】 テトラアセチルフィトスピンゴシンを製造するための方法
    であって、以下の工程すなわち、 (a)好適な培養培地にて、請求の範囲第40項記載の形質転換されたピヒア
    ・シフェリ細胞を培養し、及び (b)テトラアセチルフィトスピンゴシンをそれから回収する工程を含む方法
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