JP2014000076A - セリンパルミトイルトランスフェラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼおよびその遺伝子を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるポリペプチド;特定のアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるか、または特定のアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;特定のアミノ酸配列からなるポリペプチド;特定のアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるか、または特定のアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド、からなる群より選択されるポリペプチドのいずれか1つを含む、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ。
【選択図】なし

Description

本発明は、スターメレラ・ボンビコーラ(Starmerella bombicola)由来セリンパルミトイルトランスフェラーゼおよびその遺伝子に関する。
3-ケトスフィンガニンは、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの作用によりセリンとパルミトイル−CoAより生成される、セラミドの前駆体である(特許文献1、非特許文献1)。
皮膚に存在するセラミドは、皮膚からの水分蒸散を防止し、外界からの様々な刺激から人体を守る役割を担っている。加齢等によりセラミドが減少すると、皮膚の保湿機能やバリア機能が低下する。一方、セラミドやその前駆体を外的に補うことにより、これらの皮膚機能を改善させることができる。よって、3-ケトスフィンガニンを含むセラミド前駆体は化粧品素材として有用である(特許文献1)。
これまで、セラミドおよびセラミド前駆体のほとんどは動物組織(主に脳または脊髄)または植物体の抽出物であった。しかし、動物組織からの抽出物は、狂牛病の因子であるbovine spongiform encephalomyelitis(BSE)の感染の恐れがあることから、近年ではその使用が禁止されている。さらに、上記動物組織または植物由来のセラミド前駆体は、分離精製が困難なため、化粧品原料として求められる純度にするために手間と費用がかかる。そこで近年、酵母による発酵を用いた安価で安全なセラミド前駆体の生産法の開発が進められている(特許文献2)。
サッカロマイセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピヒア・シフェリイ(Pichia ciferrii)などの酵母、アスペルギルス・シドウィ(Aspergillus sydowi)、ペニシリウム・ノテータム(Penicillium notatum)などのカビ、およびスフィンゴバクテリウム・マルチボラム(Sphingobacterium multivorum)、デロビブリオ・ストルピー(Bdellovibrio stolpii)などのバクテリア等において、セラミドまたはセラミド前駆体が産生されることが報告されている。しかし、上記微生物によるセラミドまたはセラミド前駆体の産生量は微量である。そのため、変異育種や遺伝子組換え等による上記微生物のセラミドまたはセラミド前駆体の生産性向上が試みられている(特許文献3)。
真核生物のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、LCB1、LCB2、TSC3などのサブユニットから成る複合体で、LCB1、LCB2がセリンとパルミトイル−CoAとの縮合反応の中心的役割を担い、TSC3が酵素活性の調節に寄与することが知られている(非特許文献2および3)。
Starmerella bombicolaは、Candida bombicolaまたはTorulopsis bombicolaとも呼ばれ、ヒルガオ科植物やそれに寄生する昆虫に共生している酵母である。Starmerella bombicolaは、バイオサーファクタントの一種であるソホロリピッドを生産することが知られている(非特許文献4)が、セラミド前駆体を生産することは知られていなかった。
特表平8-508742号 米国特許第6194196号 特許第4737531号
Barenholz, Y., Gadot, N., Valk, E., Gatt, S. (1973) Biochim. Biophys. Acta, 306:341-345 Haneda, K., (2003) Biochim. Biophys. Acta, 1632:16-30 Gable, K., Slife, H., Bacikova, D., Monaghan E., Dunn, T.M. (2000) J. Biol. Chem., 275(11):7597-7603 Davila, A.M., Marchal, R., Vandecasteele, J.P. (1992) Appl. Microbiol. Biotechnol., 38(1):6-11
本発明は、新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼおよびそれをコードする遺伝子を提供することに関する。
本発明者は、新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼの探索を試みた。その結果、本発明者は、Starmerella bombicolaより新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼを単離し、またその遺伝子配列を初めて同定した。
すなわち、本発明は、以下:
(A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;
(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;
(D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;および
(F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド、
からなる群より選択されるいずれか1つを含む、セリンパルミトイルトランスフェラーゼを提供する。
また本発明は、上記セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を提供する。
また本発明は、上記セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含有するベクターを提供する。
また本発明は、上記ベクターを含むか、または上記セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子をゲノム上に含む形質転換細胞を提供する。
さらに本発明は、上記形質転換細胞を培養する工程を含むセリンパルミトイルトランスフェラーゼの製造方法を提供する。
本発明により、新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼを提供することができる。
SD−ura培地における本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子欠損株の生育。
本明細書において、塩基配列およびアミノ酸配列の同一性は、Lipman−Pearson法(Science, 1985, 227:1435-1441)によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Winのホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
本明細書において、「1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列」としては、1〜200個、好ましくは1〜100個、より好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜25個、さらにより好ましくは1〜10個、なお好ましくは1〜5個、なおさらに好ましくは1〜3個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列が挙げられる。
また本明細書において、「1〜複数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列」としては、1〜800個、好ましくは1〜400個、より好ましくは1〜200個、さらに好ましくは1〜100個、さらにより好ましくは1〜50個、なお好ましくは1〜20個、なおさらに好ましくは1〜10個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列が挙げられる。
本明細書において、「セリンパルミトイルトランスフェラーゼ」とは、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。本明細書におけるセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有する限りにおいて、全長タンパク質、またはその部分ポリペプチドもしくはそのサブユニットを含み得る。
本明細書において、「セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性」とは、L−セリンとパルミトイル−CoAとの縮合反応を触媒する活性であり得る。本明細書において、「セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質またはポリペプチド」とは、L−セリンとパルミトイル−CoAとの縮合反応によるセラミド前駆体(例えば3−ケトスフィンガニン)の生産を触媒するタンパク質またはポリペプチド(酵素)であり得る。タンパク質またはポリペプチドのセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性は、生成されるセラミド前駆体を測定することで決定することができる。例えば、一定の条件においてL−セリンとパルミトイル−CoAとセリンパルミトイルトランスフェラーゼとの存在下で生成されるセラミド前駆体(例えば3−ケトスフィンガニン)を測定することにより、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有すると判断できる。
生成されるセラミド前駆体の量は、反応液からセラミド前駆体を抽出し、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどに供することによって測定することができる。また、基質に放射性同位体を使用すれば、生成物の放射性同位体量を定量することによって生成されるセラミド前駆体の量を測定することができる。例えば、細胞培養液からのセラミド前駆体の抽出には、クロロホルム、メタノール、アセトンなどの有機溶媒を使用することができる。
本発明は、新規セリンパルミトイルトランスフェラーゼを提供する。一実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。上記配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、公知のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとの配列同一性は低いにもかかわらず、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドである。配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、Starmerella bombicola、例えばStarmerella bombicola NBRC10243またはStarmerella bombicola KSM36株(FERM BP−799)などから取得することができる。
別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。好ましい実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおさらに好ましくは98%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質であり得る。
また別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。ここで、当該複数個とは、前述で定義したとおりであるが、より具体的な例としては100個以下、好ましくは50個以下、より好ましくは25個以下、さらに好ましくは10個以下であり得る。
好ましくは、上記(A)〜(C)のポリペプチドにおいて、配列番号2の163位、またはそれに相当する位置のアミノ酸残基はシステインである。上記システイン残基は、上述した公知のセリンパルミトイルトランスフェラーゼLCB1サブユニットのポリペプチドにおいて高度に保存されているアミノ酸残基である。
さらに別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。上記配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、公知のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとの配列同一性は低いにもかかわらず、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドである。配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、Starmerella bombicola、例えばStarmerella bombicola NBRC10243またはStarmerella bombicola KSM36株(FERM BP−799)などから取得することができる。
さらにまた別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。好ましい実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、なお好ましくは98%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質であり得る。
さらに別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼとしては、(F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドが挙げられる。ここで、当該複数個とは、前述で定義したとおりであるが、より具体的な例としては115個以下、好ましくは58個以下、より好ましくは29個以下、さらに好ましくは12個以下であり得る。
好ましくは、上記(D)〜(F)のポリペプチドは、ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を有する。より好ましくは、当該(D)〜(F)のポリペプチドにおけるピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフは、配列番号4の381位から388位、またはそれに相当する領域に存在する。当該ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフは、上述した公知のセリンパルミトイルトランスフェラーゼLCB2サブユニットのポリペプチドにおいて高度に保存されている。
本明細書において、上記「相当する位置」または「相当する領域」は、目的アミノ酸配列を参照配列(配列番号2または4で示されるアミノ酸配列)と比較し、各アミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えるように配列を整列(アラインメント)させることにより決定することができる。アラインメントは、公知のアルゴリズムを用いて実行することができ、その手順は当業者に公知である。例えば、アラインメントは、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson, J. D. et al, 1994, Nucleic Acids Res. 22:4673-4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。Clustal Wは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute: EBI [www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ [www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome-j.html])のウェブサイト上で利用することができる。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、上記(A)〜(F)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれか1つを含み得る。本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、上記(A)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか1つを単独で含んでいてもよく、または上記(A)〜(F)のポリペプチドのうちの2つ以上を組み合わせて含んでいてもよい。一実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、上記(A)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか1つからからなるものであってもよく、または上記(A)〜(F)のポリペプチドのうちの2つ以上の組み合わせからからなるものであってもよい。
組み合わせの例としては、上記(A)〜(C)のポリペプチドのうちのいずれか2つ以上の組み合わせ;上記(D)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか2つ以上の組み合わせ;上記(A)〜(C)のポリペプチドのうちのいずれか1つと、上記(D)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか1つとの組み合わせ;上記(A)〜(C)のポリペプチドのうちのいずれか1つ以上と、上記(D)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか1つ以上との組み合わせ、などが挙げられる。このうち、上記(A)〜(C)のポリペプチドのうちのいずれか1つと上記(D)〜(F)のポリペプチドのうちのいずれか1つとの組み合わせが好ましい。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼの好ましい例としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ、配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明はまた、上記本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を提供する。一実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子としては、(a)配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子、および(d)配列番号3で示される塩基配列からなる遺伝子が挙げられる。配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子、および配列番号3で示される塩基配列からなる遺伝子は、それぞれ、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ、および配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードしている。
別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子としては、(b)配列番号1で示される塩基配列と40%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられる。好ましい実施形態において、本発明の遺伝子はまた、配列番号1で示される塩基配列と50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上、なお好ましくは95%以上、なおさらに好ましくは98%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子であり得る。
またあるいは、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子としては、(c)配列番号1で示される塩基配列において1〜複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられる。ここで、当該複数個とは、前述で定義したとおりであるが、より具体的な例としては305個以下、好ましくは152個以下、より好ましくは76個以下、さらに好ましくは31個以下であり得る。
さらに別の実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子としては、(e)配列番号3で示される塩基配列と50%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられる。好ましい実施形態において、本発明の遺伝子はまた、配列番号3で示される塩基配列と60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、なお好ましくは98%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子であり得る。
またあるいは、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子としては、(f)配列番号3で示される塩基配列において1〜複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられる。ここで、当該複数個とは、前述で定義したとおりであるが、より具体的な例としては346個以下、好ましくは173個以下、より好ましくは87個以下、さらに好ましくは35個以下であり得る。
上記(a)〜(c)の遺伝子は、好ましくは、配列番号2の163位、またはそれに相当する位置のアミノ酸残基がシステインであるポリペプチドをコードしている。
上記(d)〜(f)の遺伝子は、好ましくは、ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を有するポリペプチドをコードしている。より好ましくは、当該ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフが配列番号4の381位から388位、またはそれに相当する領域に存在するポリペプチドをコードしている。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、上記(a)〜(f)からなる群より選択される遺伝子のいずれか1つを含み得る。本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、上記(a)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか1つを単独で含んでいてもよく、または上記(a)〜(f)の遺伝子のうちの2つ以上を組み合わせて含んでいてもよい。一実施形態において、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、上記(a)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか1つからからなるものであってもよく、または上記(a)〜(f)の遺伝子のうちの2つ以上の組み合わせからからなるものであってもよい。
組み合わせの例としては、上記(a)〜(c)の遺伝子のうちのいずれか2つ以上の組み合わせ;上記(d)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか2つ以上の組み合わせ;上記(a)〜(c)の遺伝子のうちのいずれか1つと、上記(d)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか1つとの組み合わせ;上記(a)〜(c)の遺伝子のうちのいずれか1つ以上と、上記(d)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか1つ以上との組み合わせ、などが挙げられる。このうち、上記(a)〜(c)の遺伝子のうちのいずれか1つと上記(d)〜(f)の遺伝子のうちのいずれか1つとの組み合わせが好ましい。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の好ましい例としては、配列番号1で示される塩基配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、配列番号3で示される塩基配列からなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、Starmerella bombicola、例えばStarmerella bombicola(NBRC10243)またはStarmerella bombicola KSM36株(FERM BP−799)などから、当該分野で用いられる任意の方法を用いて単離することができる。例えば、当該遺伝子は、Starmerella bombicolaの全ゲノムDNAを抽出した後、配列番号1または3の塩基配列を元に設計したプライマーを用いたPCRにより標的遺伝子を選択的に増幅し、増幅した遺伝子を精製することで得ることができる。あるいは、当該遺伝子は、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼのアミノ酸配列に基づいて、遺伝子工学的または化学的に合成することができる。
またあるいは、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、上記の手順で単離または合成された遺伝子の塩基配列に対して、紫外線照射や部位特異的変異導入のような公知の突然変異導入法により突然変異を導入することによって、作製することができる。例えば、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、配列番号1または3で示される塩基配列に公知の方法で突然変異導入し、得られた塩基配列を発現させてセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を調べ、所望のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を選択することによって、得ることができる。
上記遺伝子を発現させることによって、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼを生産することができる。例えば、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を導入した形質転換細胞を適切な培地で培養すれば、形質転換細胞内で当該本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が発現してセリンパルミトイルトランスフェラーゼが産生される。
従って、本発明はまた、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含む形質転換細胞を提供する。本発明はさらに、上記本発明の形質転換細胞を培養する工程を含むセリンパルミトイルトランスフェラーゼの製造方法を提供する。
上記本発明の形質転換細胞は、例えば、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞に導入するか、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を宿主細胞のゲノムに導入するか、または、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼを内在的に有する微生物の発現制御領域を改変することによって作製することができる。
上記宿主細胞は、いずれの生物種の細胞であってもよいが、例えば、哺乳類の細胞、昆虫細胞、植物細胞、または微細藻類、カビ、酵母、バクテリア等の微生物の細胞などが挙げられ、好ましくは酵母細胞、より好ましくはCandida属、Starmerella属、Pichia属またはSaccharomyces属に属する酵母の細胞が挙げられ、さらに好ましくはStarmerella bombicolaPichia ciferrii、およびSaccharomyces cerevisiaeの細胞が挙げられる。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含むベクターは、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子をベクターに導入することによって作製することができる。当該遺伝子を導入すべきベクターの種類としては、特に限定されず、タンパク質産生に通常用いられるベクター、例えばプラスミド、コスミド、ファージ、ウイルス、YAC、BACなどが挙げられる。このうち、プラスミドベクターが好ましく、タンパク質の高発現を誘導するプラスミドベクターがより好ましい。当業者は、宿主細胞の種類にあわせて、好適なベクターを選択することができる。タンパク質発現用プラスミドベクターは、宿主に応じて作製してもよいが、市販品を使用してもよい。例えば、Saccharomyces cerevisiaeの場合はpKS1−ST(コスモバイオ製)、大腸菌の場合はpETシステム(Novagen製)などが利用できる。
上記ベクターにおいては、上記本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の上流に、当該遺伝子の転写を開始させるためのプロモーター領域などの制御配列が作動可能に連結されていてもよい。あるいは、本発明のプラスミドが適切に導入された細胞を選択するためのマーカー(薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝子など)がさらに組み込まれていてもよい。本明細書において、遺伝子と制御配列が「作動可能に連結されている」とは、当該制御領域による制御の下に発現し得るように当該遺伝子が配置されていることをいう。当該制御配列の例としては、グリセルアルデヒドデヒドロゲナーゼ(GAPDH)のプロモーターpGAPDH、酸性ホスファターゼのプロモーターpPHO1、ガラクトキナーゼのプロモーターpGAL1、アルドース1−エピメラーゼのプロモーターpGAL10、アルコールデヒドロゲナーゼのプロモーターpADH1などが挙げられる。上記各プロモーターは酵母由来のプロモーターが好ましく、Starmerella bombicolaPichia ciferrii、およびSaccharomyces cerevisiae由来のプロモーターがより好ましく、Starmerella bombicola由来のプロモーターがさらに好ましい。
本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を宿主細胞のゲノムに導入する方法としては、特に限定されないが、例えば、SOE(splicing by overhang extension)−PCR法(Gene, 77, 61, 1989)等により調製された当該遺伝子を含むDNA断片を用いた2重交差法が挙げられる。当該遺伝子を含むDNA断片は、宿主細胞において発現量の多い遺伝子のプロモーター配列の下流に導入されてもよく、あるいは、予め本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を、当該プロモーター配列と作動可能に連結した断片を作製し、当該断片を宿主のゲノムに導入してもよい。さらに、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子はまた、当該遺伝子が適切に導入された細胞を選択するためのマーカー(薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝子など)と予め連結されていてもよい。
上記発現量の多い遺伝子のプロモーター配列としては、上述した制御配列の例に挙げたプロモーターに加え、トリオースリン酸デヒドロゲナーゼ(TDH3)のプロモーター、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK1)のプロモーター、トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI1)のプロモーター、翻訳伸長因子(TEF1)、ヘキソーストランスポーター(HXT7)、ピルビン酸キナーゼ(PYK1)のプロモーターなどが挙げられる。上記各プロモーターは酵母由来のプロモーターが好ましく、Starmerella bombicolaPichia ciferrii、およびSaccharomyces cerevisiae由来のプロモーターがより好ましく、Starmerella bombicola由来のプロモーターがさらに好ましい。
上記本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子またはそれを含むベクターを宿主細胞に導入する手段としては、エレクトロポレーション法、パーティクルガン法、酢酸リチウム法、熱処理法など、通常使用されるいずれの方法でも用いることができる。本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が適切に導入された形質転換細胞は、当該遺伝子とともに薬剤耐性遺伝子や栄養要求性相補遺伝子などのマーカー遺伝子を導入すれば、当該マーカー遺伝子の発現を指標として選択することができる。
上記形質転換細胞においては、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現が強化されていることが好ましい。本明細書において、上記形質転換細胞における「セリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現の強化」とは、当該形質転換細胞におけるセリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現量が、当該形質転換細胞の親株と比較して増加していることを指す。
上記形質転換細胞においては、上記本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が過剰発現されていることが好ましい。
例えば、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を内在的に有する宿主細胞においては、当該セリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子の上流に、野生型とは異なるプロモーター、好ましくは、上述した宿主細胞において発現量の多い遺伝子のプロモーターを導入し、連結することにより、当該セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子を過剰発現させてセリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現を強化することができる。
一方、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を内在的に有しない宿主細胞においては、当該微生物に本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を発現可能に導入することによって、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現を付与することができる。発現可能に導入する手段としては、例えば、当該セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子の上流に、上述した宿主細胞において発現量の多い遺伝子のプロモーターが連結されたベクターを用いる方法や、上述した蛋白質の高発現を誘導するプラスミドに当該セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子を連結して宿主細胞に導入する方法、または宿主細胞に当該セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子をゲノムに導入して、当該宿主細胞で発現量の多い遺伝子のプロモーターの下流に連結する方法、などが挙げられる。
これらの方法により、当該本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を過剰発現する形質転換細胞を得ることができる。
例えば、上記(a)〜(c)として例示した遺伝子または上記(d)〜(f)として例示した遺伝子を上記GAPDHのプロモーターの下流に連結する方法、当該(a)〜(c)の遺伝子と当該(d)〜(f)の遺伝子を両方とも上記GAPDHのプロモーターの下流に別々に連結する方法、当該(a)〜(c)の遺伝子を上記GAPDHのプロモーターの下流に連結し、且つ当該(d)〜(f)の遺伝子を上記TDH3のプロモーターの下流に連結する方法などにより、これらの遺伝子を過剰発現させて、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの発現を強化することができる。過剰発現する遺伝子の種類とプロモーターの組み合わせはどのような組み合わせでも良く、過剰発現の方法はゲノムに挿入する方法でもプラスミドを利用する方法でも良い。
上記形質転換細胞は、遺伝子導入前の細胞と同様の条件で培養することができる。当該形質転換細胞を培養すれば、当該形質転換細胞内で当該本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が発現してセリンパルミトイルトランスフェラーゼが産生される。産生されたセリンパルミトイルトランスフェラーゼを培養物から単離または精製することにより、本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼを取得することができる。取得したセリンパルミトイルトランスフェラーゼは、L−セリンとパルミトイル−CoAからの3−ケトスフィンガニンの生産の触媒等として使用することができる。
以下、実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1 Starmerella bombicola由来セリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子の探索
S.bombicola NBRC10243株を、50g/LのYPD Broth(日本BD製)5mLを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、SL培地(10%(D)−グルコース、1%尿素、0.5%BactoTMYeast Extract、10%パルミチン酸エチル(東京化成工業)、塩酸にてpH5.0となるよう調整)5mLに2%植菌した。培養器は100mL容試験管を用い、30℃、250rpmで48時間培養し、菌体を回収した。
回収した菌体のTotal RNAを抽出した。RNAの抽出にはRNeasy Mini Kit(キアゲン)を用い、方法は添付のプロトコールを一部改変した。すなわち、回収した菌体にBuffer Y1(1mL)を添加し、30℃で30分振とうする際に、バッファーにザイモリエイス−20Tを100U/mLとなるよう添加し、細胞壁を溶解させた。得られたTotal RNAよりSMARTer cDNA synthesis Kit(クロンテック)を用いて、完全長cDNAライブラリを合成した。遺伝子発現解析は株式会社ジナリスに委託し、cDNA配列情報、およびアノテーションデータを得た。
遺伝子発現解析により取得した配列を、BLAST解析することにより、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの候補遺伝子として2種類の配列を見出した(配列番号1および3)。これらの配列は、それぞれ、配列番号2および4に示すアミノ酸配列をコードすると推定された。配列番号2は、セリンパルミトイルトランスフェラーゼのサブユニットとして知られるLCB1と低いが配列同一性を示した。例えば、Saccharomayces cerevisiae由来LCB1と42%、Pichia ciferrii由来LCB1と35%の同一性であった。一方、配列番号2の配列にLCB1の機能発現に関与するシステイン残基(163位)が保存されていることを確認した(Gableら、Journal of Biological Chemistry Vol.277, No.12, pp.10194-10200, 2002)。配列番号4はセリンパルミトイルトランスフェラーゼのサブユニットとして知られるLCB2と低いが配列同一性を示した。例えば、S.cerevisiae由来LCB2と52%、P.ciferrii由来LCB2と50%の同一性であった。一方、配列番号4の配列において、LCB2の機能発現に関与するピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を381位から388位に確認した(Gableら、 Journal of Biological Chemistry Vol.277, No.12, pp.10194-10200, 2002、Tamuraら、Plant Cell Physiology Vol.42, No.11, pp.1274-1281, 2001)。
なお、S.cerevisiae由来LCBの191位に相当するアミノ酸残基はバリンであることがセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性に必要であるとされているが、配列番号2および4に示すアミノ酸配列ではバリンではなくアラニンであった。
さらに、配列番号1示される遺伝子および配列番号3で示される遺伝子は、S.bombicola KSM36株ゲノムにも存在することが分かった。以後の実施例において、配列番号1および配列番号3で示されるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子を、それぞれ本発明のLCB1遺伝子およびLCB2遺伝子と称する。
実施例2 本発明のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子の欠損株の表現型解析
(1)ウラシル要求性株の取得
S.bombicola KSM36株(FERM BP−799)を0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、2% グルコース、0.03%ウラシルおよび1.5%Agarを含むSD−U寒天培地に接種したのち、30℃で1ヶ月間培養し、得られた菌体を1mLの0.8%食塩水に一白金耳懸濁し、0.68%Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、2%グルコース、0.03%ウラシル、および5−フルオロオロチン酸、1.5%Agarを含むSD-UF寒天培地に100μL塗抹し30℃で2週間培養した。生育したコロニーを再度SD−UF寒天培地で培養した後、それぞれについてウラシル要求性、5−フルオロオロチン酸耐性を確認し、ウラシル要求性株を取得した。
S.bombicola KSM36株および得られたウラシル要求性株を50g/LのYPD Broth(日本BD製)5mLを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。培養液1mLを5000rpm、4℃で5分間遠心して集めた菌体からGenとるくんTM(TAKARAバイオ)を用い、添付の方法に従ってゲノムDNAを抽出した。表1記載のプライマー(配列番号5,6)およびKOD−plus.ver2(TOYOBO)を用いてウラシル生合成に関わるオロチジンでカルボキシラーゼをコードするURA3遺伝子を増幅し、PCR産物を鋳型としてURA3遺伝子の配列をシーケンス解析し、S.bombicola NBRC10243株の配列(GenBank accession No.DQ916828)と比較した。その結果、S.bombicola KSM36株はS.bombicola NBRC10243株のURA3遺伝子と同じ配列を有すること、ウラシル要求性株は皆54位のシステインがチロシンに変異していることが確認された。得られた変異体をS.bombicola KSM36−ura3株として取得した。
Figure 2014000076
(2)LCB1およびLCB2欠損用プラスミドの作製
実施例2で得られたS.bombicola KSM36株ゲノムDNAを鋳型に、表2記載の配列番号7と8のプライマーおよび配列番号9と10のプライマーを用いて、本発明のLCB1遺伝子の上流領域および下流領域を増幅した。同様に、配列番号13と14のプライマーおよび配列番号15と16のプライマーを用いて、本発明のLCB2遺伝子の上流領域および下流領域を増幅した。さらに、配列番号11と12のプライマーおよび配列番号17と18のプライマーを用いて、当該プライマー領域を含むURA3遺伝子領域を増幅した。次に得られたPCR産物を鋳型にSOE-PCRによって本発明のLCB1遺伝子上流領域とURA3遺伝子と該LCB1遺伝子下流領域(配列番号7、10のプライマー)、または本発明のLCB2遺伝子上流領域とURA3遺伝子と該LCB2遺伝子下流領域(配列番号13、16のプライマー)の組み合わせでDNAを連結させ、pTA2ベクターとライゲーションすることによってpTA2-lcb1::URA3プラスミドおよびpTA2-lcb2::URA3プラスミドを構築した。さらに、pTA2-lcb1::URA3プラスミドを鋳型に表2記載の配列番号7、10のプライマーを使用してLCB1遺伝子欠損用カセットを増幅し、またpTA2-lcb2::URA3プラスミドを鋳型に表2記載の配列番号13、16のプライマーを使用してLCB2遺伝子欠損用カセットを増幅したのち、High pure PCR product purification kitを用いて精製した。
Figure 2014000076
(3)Δlcb1株およびΔlcb2株の作製
上記(1)で作製したS.bombicola KSM36−ura3株を、5mLのYPD Brothを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、YPD Broth50mLを含む坂口フラスコに1%植菌し、30℃、120rpmでOD600=1〜2になるまで培養した。増殖した菌体を3000rpm、4℃で5分間遠心して集菌した後、氷上で冷やした滅菌水20mLで2回洗浄した。菌体を氷冷した1mLの1Mソルビトール溶液に懸濁し、5000rpm、4℃で5分間遠心し、上清を捨てたのち、400μLの1Mソルビトール溶液を加えて氷上に置き、ピペッティングで懸濁した。この酵母懸濁液を50μLずつ分注し、形質転換用のDNA溶液を1μg加えた。酵母懸濁液を氷冷した0.2cmギャップのチャンバーに移したのち、GENE PULSER II(BIO−RAD)を用いて25μF,350Ω、2.5kVのパルスをかけた。氷冷した1Mソルビトール入りYPD Brothを加えて1.5mL容チューブに移し、30℃で2時間振とうした後、5000rpm、4℃で5分間遠心して菌体を回収し、200μLの1Mソルビトール溶液に再懸濁して100μLずつ選択培地に塗抹し、30℃で約1週間培養した。選択培地には、0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids,2% グルコース、0.077% CSM−ura(フナコシ)、20〜200μM フィトスフィンゴシン(Cosmoferm)、0.05% レオドールO320V(花王)、および1.5% Agarを含むSD-ura+PHS寒天培地を使用した。生育したコロニーをSD-ura-PHS培地および0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids,2% グルコース、0.077% CSM−ura(フナコシ)、および1.5% Agarを含むSD-ura寒天培地にレプリカし、30℃で約1週間培養した後、SD-ura-PHS培地のみで生育するコロニーを選抜した。選抜した変異株は本発明のLCB1遺伝子欠損株の場合は表2記載の配列番号7、10のプライマー、本発明のLCB2遺伝子欠損株の場合は表2記載の配列番号13、16のプライマーを用いてKOD-FX-Neo(TOYOBO)を用いてコロニーPCRし、増幅される配列長が変化していること、および配列が設計どおりに変異していることを確認したのち、S.bombicola KSM36−Δlcb1株、およびS.bombicola KSM36−Δlcb2株として取得した。
(4)表現型解析
S.bombicola KSM36株、S.bombicola KSM36−Δl
cb1株、およびS.bombicola KSM36−Δlcb2株を100μMフィ
トスフィンゴシンおよび0.05%レオドールO320Vを含むYPD寒天培地(YPD-PHS寒天培地)に塗抹し、生育したコロニーを5mLのYPD-PHS培地を含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた菌体を3000rpm、4℃で5分間遠心して集菌した後、5mLのSD−ura培地で3回洗浄し、OD600が約0.3になるように合わせてSD−ura培地または20〜100μMフィトスフィンゴシンおよび0.05%レオドールO320Vを含むSD−ura−PHS培地または20μMジヒドロスフィンゴシンおよび0.05%レオドールO320Vを含むSD−ura−DHS培地に植菌した。培養器は500mL容ひだ付フラスコを用い、30℃、210rpmで48時間培養し、培養挙動を解析した。
図1に培養24時間目のOD600の測定結果を示す。S.bombicola KSM36−Δlcb1株およびS.bombicola KSM36−Δlcb2株は、S
D−ura培地では増殖しないのに対し、SD−ura−PHS培地では増殖し、フィトスフィンゴシン濃度が100μMのときS.bombicola KSM36株とほぼ同等に増殖することが確認された。この性質は、S.cerevisiaeのlcb1変異株の性質と一致し、評価した遺伝子がセリンパルミトイルトランスフェラーゼのLCBサブユニットの遺伝子であることが確かめられた。よって、S.cerevisiae由来LCBの191位に相当するアミノ酸残基はバリンであることは必須ではないとの予想外の結果が得られた。

Claims (12)

  1. 以下からなる群より選択されるポリペプチドのいずれか1つを含む、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ:
    (A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;
    (C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;
    (D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド;および
    (F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド。
  2. 前記(A)〜(C)のポリペプチドが、配列番号2の163位、またはそれに相当する位置にシステイン残基を有する、請求項1記載のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ。
  3. 前記(D)〜(F)のポリペプチドが、ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を有する、請求項1または2記載のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ。
  4. 前記(A)〜(C)からなる群より選択されるポリペプチドと、前記(D)〜(F)からなる群より選択されるポリペプチドとの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ。
  5. Starmerella bombicola由来のセリンパルミトイルトランスフェラーゼである、請求項1〜4のいずれか1項記載のセリンパルミトイルトランスフェラーゼ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項由来のセリンパルミトイルトランスフェラーゼをコードする遺伝子。
  7. 以下からなる群より選択される遺伝子のいずれか1つを含む、請求項6記載の遺伝子:
    (a)配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子;
    (b)配列番号1で示される塩基配列と40%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子;
    (c)配列番号1で示される塩基配列において1〜複数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子;
    (d)配列番号3で示される塩基配列からなる遺伝子;
    (e)配列番号3で示される塩基配列と50%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子;および
    (f)配列番号3で示される塩基配列において1〜複数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなり、且つセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
  8. 前記(a)〜(c)からなる群より選択される遺伝子と、前記(d)〜(f)からなる群より選択される遺伝子との組み合わせを含む、請求項6又は7記載の遺伝子。
  9. Starmerella bombicola由来の遺伝子である、請求項6〜8のいずれか1項記載の遺伝子。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項記載の遺伝子を含有するベクター。
  11. 請求項10記載のベクターを含むか、または請求項6〜9のいずれか1項記載の遺伝子をゲノム上に含む形質転換細胞。
  12. 請求項11記載の形質転換細胞を培養する工程を含むセリンパルミトイルトランスフェラーゼの製造方法。
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