JP2002512999A - 特定のアルコール中のヒドロキシ基の、フルオロスルホン酸エステルまたはトリフルオロメチルスルホン酸エステルへの変換 - Google Patents

特定のアルコール中のヒドロキシ基の、フルオロスルホン酸エステルまたはトリフルオロメチルスルホン酸エステルへの変換

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JP2002512999A JP2000545827A JP2000545827A JP2002512999A JP 2002512999 A JP2002512999 A JP 2002512999A JP 2000545827 A JP2000545827 A JP 2000545827A JP 2000545827 A JP2000545827 A JP 2000545827A JP 2002512999 A JP2002512999 A JP 2002512999A
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ローエンタール,ハンス・ジヤコブ・エドガー
ローエンタール,ロン・ベンジヤミン
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ローエンタール,ハンス・ジヤコブ・エドガー
ローエンタール,ロン・ベンジヤミン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、電子求引基を有するアルコールに含まれるヒドロキシ基を良好な脱離基であるパーフルオロアルカンスルホン酸エステルおよびフルオロスルホン酸エステルに変化させる方法を提供し、これは、ヒドロキシル基を持つ炭素がキラリティーを持つ場合には構造配置の反転を伴う。この方法は、前記アルコールをO−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステルに変化させそして前記O−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステルをパーフルオロアルカンスルホン酸またはフルオロスルホン酸と反応させる。このような方法は、薬剤および農業化学で用いられるキラリティーを持つ化合物を製造しようとする場合に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は有機化学の分野である。より詳細には、本発明は、特定のアルコール
に含まれるヒドロキシ基を良好な脱離基に変化させそしてヒドロキシル基を持つ
炭素がキラリティーを持つ(chiral)場合には構造配置の反転(inve
rsion of configuration)を伴わせてそれを起こさせる
新規な方法を提供するものである。このような方法は薬学および農業化学で使用
されるキラリティー持つ化合物を製造しようとする場合に特に有用である。
【0002】 (発明の背景) いろいろな国、特に米国政府の規制によって、薬剤の分子がキラリティーを持
つ場合には活性が高い方のエナンチオマー(enantiomer)を経済的に
製造する方法[最終的(または中間的)ラセミ型生成物の分割でも、キラリティ
ーを持つ高価な触媒または助剤(通常は回収不能であるか或は回収可能であると
してもある程度のみである種類の触媒および助剤)の使用でも、酵素過程(en
zymatic process)の発見などでもない]を見付け出す必要性が
生じてきた。そのような必要性を満足させるには下記の3つの必要条件を満たす
必要がある[A.N.Collins,G.M.Sheldrak,およびJ.
Crosby(編集),Chirality in Industry(199
2),およびChirality in Industry II(1997)
,John Wiley & Sons,Chichester参照]1番目の
必要条件は、所望生成物であるエナンチオマーに作り上げることができて安価で
好適には天然に存在する出発材料を再生可能源から選択することにある。2番目
の必要条件は、このように作り上げている間に生じる中間体のキラリティーが保
持されることと起こり得るさらなるキラル中心導入中の相対的立体化学を予測す
ることができることを確保することにある。3番目の必要条件は、工程全体を経
済的に実行することができるようにそのように作り上げている間に達成される収
率ができるだけ高いことに加えて補助反応体の費用が最小限であることにある。
【0003】 そのような天然に存在する好適なキラリティーを持つ化合物は乳酸から生じる
エステル(特にエチルおよびメチルエステル)である、と言うのは、そのような
エステルは安価で多量に入手可能であるからである。本発明は主にそのようなエ
ステルを言及するが、他の乳酸アルキルばかりでなく他の天然に存在するキラリ
ティーを持つα−ヒドロキシ酸、例えばリンゴ酸またはマンデル酸などのエステ
ルにも同様に適用可能であり、一般的には、キラリティー持つ炭素原子に結合し
ているヒドロキシル基を持つ化合物に適用可能である。
【0004】 α−ヒドロキシカルボン酸は薬学および農業化学的に重要な化合物の重要な出
発材料であり、特にそれらが分子中にキラリティーを持つ炭素原子を含む時に重
要である。このようなα−ヒドロキシカルボン酸の全部で、豊富に存在する方の
形態のα−ヒドロキシカルボン酸が有するヒドロキシル基に結合している炭素原
子はS−絶対構造配置(S−absolute configuration)
を持つ。しかしながら、それらは、また、そのような炭素原子がR構造配置を持
つ状態でも存在し、或はそのような状態で市販されている。(G.M.Copp
ola およびH.F.Schuster,α−Hydroxy Acids
著 Enantioselective Synthesis,VCH−Wil
ey,Weinheim,1997;A.N.Collins,G.M.She
ldrake,およびJ.Crosby,編集,Chirality in I
ndustry II,Wiley,1997,10章参照)。
【0005】 不斉炭素の所で起こるSN2置換反応は構造配置の反転を伴って進行すること
がよく知られている。そのような置換がキラリティーを持つアルコールに含まれ
るヒドロキシル基に隣接するキラリティーを持つ炭素の所で起こると、構造配置
の奇麗な反転が生じ(図1に図式的に示すように)ることに加えてキラリティー
が保持される。SN2反応ではヒドロキシル基を可能な最良の脱離基Lに変換す
る必要がある。しかしながら、Lおよび入って来る求核性基Nuは両方とも負に
帯電しており(または電子が豊富であり)、これに関して2者間に差がほとんど
ない場合、それらの役割が入れ代わって反応が反対方向に進行することも起こり
得る。そのような場合には中間段階において炭素がNuにもLにも結合しないこ
とからキラリティーが失われる可能性があり、従って三面体および平面になり得
る。各々の基が両方の方向から出入りすることができることでラセミ化(図2に
図式的に示す如き)および脱離反応(elimination)が起こる。2種
類の基の間の求核性の差は、2種類の相当する酸Nu−HとL−Hの相対的酸強
度の関数である。
【0006】 ラセミ化も脱離反応も起こらないようにするには、ヒドロキシル基を良好な脱
離基、例えばスルホン酸のエステルなどに変換する必要がある。最も一般的なス
ルホン酸はメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン
酸である。しかしながら、最も強い公知のスルホン酸はとりわけトリフルオロメ
チルスルホン酸およびフルオロスルホン酸であり、それらがトルエンスルホン酸
およびベンゼンスルホン酸より強い度合は104の桁である(P.J.Stan
g,M.Hanack およびL.R.Subramanian,Synthe
sis 1982,85参照)。
【0007】 従って、前記必要条件を満足させる、即ちキラリティーを予測可能な様式で最
大限に保持しかつ脱離反応などの如き副反応が起こらないようにする結果として
収率を可能な最大限にすると言った必要条件を満足させる目的で、有機化学者は
長年に渡って特にヒドロキシル基のトリフルオロメチルスルホン酸エステル(本
明細書では以降「トリフレート(triflate)」)を脱離基としてそのよ
うな置換反応で用いる傾向があった。主な問題は、特にトリフルオロメチルスル
ホン酸のエステルを生じさせるにはそれの無水物を用いる必要があるが、この無
水物は前記酸の2つ分子から作られ、エステルになるのはそれの1つのみである
ことを考慮すると、トリフルオロメチルスルホン酸のコストが高い点にある。現
在の価格を基にすると、ヒドロキシル基のトリフレート化(triflatio
n)方法はトルエンスルホン化(「トシレート化(tosylation)」)
の費用よりも56倍高くかつベンゼンスルホン化の費用よりも35倍高い[溶媒
のコストを無視、即ちトリフレート化の場合にはより高価なヒンダード型のアミ
ン塩基を用いる必要があることを無視し、かつトリフリックアシッド(trif
lic acid)の他の分子の可能な回収(これはかなり複雑な工程である)
を考慮に入れないで]。トリフルオロメチルスルホン酸自身を1当量のみ用いる
ことができるならば、トシル化とのコスト差は約28倍にまで低下するであろう
。しかしながら、従来技術ではそのような反応を実施する方法は全く知られてい
ない。
【0008】 フルオロスルホン酸エステルを用いた場合の状況はより複雑で興味がそそられ
る。この酸自身は他の産業用途で用いられていて、非常に低い価格でタンク荷(
tank loads)で現在入手可能である。もしこれを無水物でない状態で
用いることができれば、フルオロスルホン化の費用はトシル化もしくはメシル化
の価格に実質的に同じになる可能性があり、恐らくより安価になるであろう。し
かしながら、従来技術ではそのような反応を実施する方法は全く知られていない
。無水物は、それ自身調製が非常に困難であり、非常に高い揮発性を示しかつ毒
性がある(ホスゲンと同じくらいの)。伴う追加的危険はさておき、これが最近
売りに出されはしたが、それの価格は、フルオロスルホン化の方がトシル化より
も200倍高いと言った価格であった。
【0009】 本発明の目的は、ヒドロキシ化合物のフルオロスルホン酸エステルおよびパー
フルオロアルカンスルホン酸エステルを効率良く経済的に製造する方法を提供す
ることにある。
【0010】 本発明の別の目的は、キラリティーを持つ出発材料のそのようなエステルを結
果として生じる生成物がキラリティーを最大限に保持しかつ構造配置の反転を伴
うように良好な収率で生じさせることを可能にするそのような方法を提供するこ
とにある。
【0011】 本発明のさらなる目的は、特に乳酸のカルボン酸エステルの場合に有用なその
ような方法を提供することにある。
【0012】 本発明の説明から本発明の他の目的および利点が明らかになるであろう。
【0013】 (発明の要約) 本発明は、ヒドロキシ化合物に含まれる電子求引基、例えばカルボン酸エステ
ル、カルボニルまたはシアノなどを持つ炭素原子に結合しているヒドロキシル基
をフルオロスルホン酸エステルおよびパーフルオロアルキルスルホン酸エステル
から選択される脱離基に置換する方法を提供し、この方法は、 (a)前記ヒドロキシル基をそれのO−N,N−ジアルキルスルファミン酸エス
テルに変化させ、そして (b)前記O−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステルを場合により適切な
不活性溶媒中で1±0.2当量のパーフルオロアルキルスルホン酸またはフルオ
ロスルホン酸と反応させる、 段階を含んで成る。
【0014】 前記ヒドロキシル基がキラリティーを持つ炭素原子に結合している時には、前
記置換を構造配置の反転とキラリティーの実質的な保持を伴って起こさせる。
【0015】 本明細書で用いる如き用語「アルキル」は、炭素原子数が12(12を含む)
以下の線状、分枝もしくは環状アルキル基を指す。
【0016】 前記ジアルキルスルファミン酸エステルを下記の可能な3方法の1つを用いて
出発のヒドロキシ化合物から生じさせる: 方法A:塩化スルフリルとの反応でO−クロロスルホン酸エステルを生じさせた
後、適切な条件下で塩素をジアルキルアミノ基に置き換える。 方法B:塩化モノアルキルアミノスルファミルおよび塩基との反応でO−モノア
ルキルアミノスルファミン酸エステルを生じさせた後、アミノ基のN−アルキル
化を行う。 方法C:当該ヒドロキシ化合物のO−金属誘導体と塩化ジアルキルスルファミル
を直接反応させる。
【0017】 前記段階(b)における反応を好適には約−50℃から約+30℃の範囲の不
活性な溶媒中で実施する。ただ1つの副生成物はジアルキルスルファミン酸であ
り、これの大部分は反応混合物から沈澱することで、例えば濾過または遠心分離
などで容易に除去可能である。
【0018】 (発明の詳細な記述) 本発明の方法の第一段階はO−N,N−ジアルキルスルファミルエステル、特
に乳酸アルキルのO−N,N−ジアルキルスルファミルエステルの調製である。
このスルファミン酸エステルは好適にはO−N,N−ジメチルスルファミルエス
テルである。N,N−ジメチルスルファミルエステルは3種類の代替方法で調製
可能であり(図3に方法A、BおよびCとして図式的に示すように)、この3者
は全部他のヒドロキシル化合物に関してではあるが既に文献から原則的に公知で
ある。
【0019】 方法Aでは、まず最初に、乳酸アルキルと塩化スルフリルの間の反応を、室温
または室温以下の温度で、生じる塩化水素を絶えず除去しながら行う(ゆっくり
とした気体流れを用いるのが最良である)。その結果としてO−クロロスルホン
酸エステルが高い収率で生じる。この中間体の単離を行う必要はなく、余分な反
応体および塩化水素の全部を真空下で完全に除去した後、前記中間体を次の段階
で用いることができる。クロロスルホン酸エステルは論評(E.Buncel,
Chem.Revs.1970,70,323)の中で考察されており、それに
従うと、それと求核剤との反応は変動する傾向があり、予測不能であることから
、一般に、合成の価値はほとんどない。このように、ジメチルアミンの如きジア
ルキルアミンを用いた時の生成物は、単に、塩素が単独でジメチルアミノに置き
換わった生成物(所望反応)であり得るか、或は炭素の所で塩素による内部置換
(SNi)が起こってクロロ化合物が生じるか、或は炭素の所でジメチルアミン
によるSN2置換が起こってアミンが生じる。ここに、反応用溶媒1種または2
種以上を適切に選択しかつ反応を実行可能な限り低い温度で実施すると1番目の
経路が他の2つの経路に比べて非常に優先的に起こることを見い出し、そしてこ
のことを見い出したことが本発明の重要な部分である。従って、実際、真空下で
処理した後の粗クロロスルホン酸エステルをジクロロメタンに溶解させ、その溶
液を−60°未満に冷却して撹拌しながらそれに若干過剰量のジメチルアミンと
トリエチルアミンの両方がトルエンの如き溶媒に入っている溶液を加える。水を
添加し、乾燥させそして蒸留を行うことで、乳酸エステルのO−ジメチルスルフ
ァミン酸エステルを良好な全体収率で得る。このような経路は非常に簡潔であり
、それ以外のさらなる利点は、用いる反応体のコストが低いことと手順全体を同
じ容器内で実施することができることにある。このルートの最も重要なさらなる
面は、エピマー化が実質的に全く起こらない点にある。
【0020】 方法Bは、乳酸エステルと塩化モノアルキルスルファミル(好適にはモノメチ
ル化合物)の反応を遊離して来るHClと化合する第三級アミンの存在下で行う
ことを含んで成る。この反応は滑らかに起こる、と言うのは、真の反応性中間体
は塩化物自身ではなく非常に高い反応性を示すスルホニル−イミンCH3−N=
SO2(存在する第三級アミンによる脱塩化水素化で生じる)でありそしてこれ
が乳酸エステルのヒドロキシル基に求核的に付加するからであり、ここでも、炭
素の所で起こるエピマー化の度合は低く、最小限である。反応生成物を精製する
必要はなく、それにさらなるメチル化を相移動反応(W.J.Spillane
,A.P.Taheny,およびM.M.Kearns,J.C.S.Perk
in I,1982,677参照)で受けさせることができる。N−モノメチル
スルファミン酸エステルがメチルエステルの場合、これもエピマーを起こすこと
なく不活性な溶媒もしくは溶媒系中で安価な反応体である硫酸ジメチル、アルカ
リの炭酸塩および相移動触媒と反応し得る。この方法の全体収率は方法Aの場合
とほぼ同じである。N−モノメチルスルファミン酸エステルがエチルエステルの
場合、そのような2段階方法の2番目の部分でカルボキシルエステル基のエステ
ル交換がある程度起こり、これが複雑さの要因になる可能性はあるが、これは溶
媒および相移動触媒を賢明に選択することで完全に回避可能である(同様なケー
スに関するT.J.Mason他,Syn.Comm.1990,20,341
1を参照のこと)。
【0021】 方法Cが最も短い方法であると思われる、即ち乳酸のエステルと塩化ジアルキ
ルスルファミル、好適には塩化ジメチルスルファミルを塩基の存在下で直接反応
させる方法である。しかしながら、塩化ジメチルスルファミルはあまり反応しな
いことから、この反応を乳酸エステルの金属アルコラート(これは例えば水素化
ナトリウムの作用などで生じる)を用いて実施する必要がある。しかしながら、
それによって、キラリティーを持つ炭素の所にラセミ化がある程度起こり得る (K.Takai およびC.H.Heathcock,J.Org.Chem
.1985,50,3247参照)この手順を修飾して、乳酸エステルと塩化ジ
メチルスルファミルの混合物に水素化ナトリウムを低温でゆっくり添加すること
を伴わせると、光学純度が最良で60%の生成物がもたらされる。それとは対照
的に、化学的全体収率はこの上に示した2つの方法よりも高い。
【0022】 本発明の方法における段階(b)は、O−N,N−ジアルキルスルファミン酸
エステル、特に乳酸アルキルのO−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステル
をO−トリフルオロメチルスルホニルまたはO−フルオロスルホニルエステルに
変換する段階である。この上に述べたように、これを、前記ジアルキルスルファ
ミン酸エステルを好適には溶媒中で1±0.2当量のトリフルオロメタンスルホ
ン酸またはフルオロスルホン酸のいずれかと反応させることで行う。
【0023】 段階(b)では、原則として、用いるスルホン酸と反応しない如何なる溶媒も
使用可能であり、例えば飽和炭化水素および飽和ハロゲン置換炭化水素などを用
いることができる。塩素置換炭化水素が特に好適である。四塩化炭素が好適な溶
媒である、と言うのは、この溶媒に両方のスルホン酸も副生成物であるジメチル
スルファミン酸も不溶であるが出発材料も生成物も自由に溶解し得るからである
。この反応を0℃から室温の範囲の温度で激しく掻き混ぜまたは撹拌しながら行
うと、これは2相間の相互作用を通して進行する。それらは最初2つの液相であ
るが、反応が進行するにつれて結晶性のジメチルスルファミン酸が生成物もしく
は生成物の溶液に入っている懸濁液が生じる。この反応が終了した時点で副生成
物であるスルファミン酸(これは実際に理論的収率で生じる)を濾別して再利用
することができる。
【0024】 本発明で用いる好適なヒドロキシ化合物は、天然に存在するα−ヒドロキシカ
ルボン酸、例えば乳酸、リンゴ酸およびマンデル酸などのエステルである。本発
明の記述では特に乳酸のエステルを言及するが、これは限定として解釈されるべ
きでない。
【0025】 実験の結果、(a)スルホン酸との反応は規則的なSN2型であること、(b
)脱離基は内部安定化双性イオンR2HN+−SO3 -であること、そして(c)こ
れは強酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸またはフルオロスルホン酸など
から生じるアニオンが求核剤として働くことが初めて記録された事例であり、従
って、上述した双性イオンは今までに見い出された最良の脱離基であることが示
されている。(a)に関して、これは、反応中に反転が起こることが証拠であり
、そして(b)に関しては、窒素原子に付いているR基の一方または両方が芳香
族の時には所望の反応が起こらないことが証拠である[前記窒素原子がアルキル
で置換されている時の塩基性は低く、スルホン酸の−SO3Hに由来するプロト
ンを受け入れるように配列する度合は低く、従って生じる双性イオンは内部安定
化をあまり受けていないことはよく知られている]。
【0026】 本発明の方法が原則としてより一般的に適用可能であることを示す別の手順は
、S−マレイン酸ジメチルを用いて出発する手順である。乳酸エステルの場合と
同様に中間段階においてフルオロスルホン酸によるジメチルスルファミン酸エス
テル基の置換が反転を伴って正常に進行することを確認した。
【0027】 以下に示す実施例では、旋光の測定を、溶媒を特に記述しない限り、実質的に
589nmの波長で行い、そして大部分のケースで密度に関して補正を行う、即
ちそれを角括弧[α]で示す時には比旋光度(specific rotati
ons)として補正し、I.R.スペクトルを特に明記しない限り液状フィルム
が示すcm-1で表し、そしてn.m.r.スペクトルをCDCl3中で実施して
ピークをp.p.m.[TMSからダウンフィールド(downfield)]
で示す。用いた市販乳酸エステルは下記の如き比旋光度を示した:S−乳酸エチ
ル:[α]20−11.12°;S−乳酸メチル:[α]20−8.29°;R−乳
酸メチル:[α]23+8.35°。
【0028】 (実施例) 実施例1. 方法A:R−2−O−N,N−ジメチルスルファミルオキシプロ
ピオン酸メチルの製造 塩化スルフリル(129mL)とジクロロメタン(130mL)の混合物を−
5から0℃で撹拌しつつこれに乾燥窒素のゆっくりした流れを吹き込みながらこ
れにR−乳酸メチル(104g、1.00m)を30分かけて滴下した。この混
合物を8時間かけて20℃に到達(窒素吹き込みを継続しながら)させた後、3
0℃未満で最初25mmHgそして次に0.1mmHgの真空下で一定重量にな
るまで全ての揮発物を除去すると、無臭で無色の粗クロロスルホン酸エステル(
164g、81%)が残存する。その一部の蒸留を0.05mmHgで行った結
果、それはn.m.r.:1.71(d,3H),3.83(s,3H,5.25(q
,1H)を示した。
【0029】 これの中の36.0g(0.178m)を乾燥ジクロロメタン(80mL)に
溶解させた。ジメチルアミンが第三ブチルメチルエーテルに入っている溶液(2
.7モル規定、76mL、0.205m)とトリエチルアミン(28.4mL、
0.205m)と4−ジメチルアミノピリジン(0.5g)を混合して、それの
滴下を撹拌しながら1時間かけて内部温度を−60℃未満に保持しつつ行った。
撹拌を一晩継続して温度を20℃に到達させた。水を添加することで懸濁してい
る固体を溶解させ、有機層を分離し、乾燥させた後、溶媒を除去した。その残渣
の蒸留[バルブツーバルブ(bulb−to−bulb)]を行うことで沸点が
80−82℃/0.08mmHgでα21+38.6°のN,N−ジメチルスルフ
ァミン酸エステルを24.47g(65.2%)の収率で得、これはさらなる反
応で用いるに適切であり、n.m.r. 1.56(3H,d),2.81(3H,d
),3.76(3H,s),および4.82−4.96(m,2H);i.r. 33
28,1760.5,1357,1184,1089,865であった。再分別
蒸留で[α]21+33.55°を示す材料を得、損失はほとんどなかった。R−
乳酸エステルからの全体収率は50−52%であった。
【0030】 実施例2. 方法B:S−2−O−N,N−ジメチルスルファミルオキシプロ
ピオン酸エチルの製造 (a)乾燥ジクロロメタン(250mL)に入っているS−乳酸エチル(43.
36mL、0.38m)とトリエチルアミン(55.75mL、0.40m)を
−40℃未満の温度で撹拌しながらこれに塩化N−メチルスルファミル(注を参
照)(45.65g、0.352m)を30分かけて加えた。撹拌を8時間継続
している間に白色の懸濁液が室温に到達した。撹拌を行いながら水と希HClを
加えた後、有機層を分離した。乾燥そして溶媒除去を最終的に0.5mmHg下
80℃で行うことで粗N−メチルスルファミン酸エステル誘導体(73.28g
、理論量の98%)を得、これの蒸留を真空下で分解がある程度起こらないよう
に行うのは不可能であった。 (b)この材料(57.17g、約0.271m)を乾燥アセトン(200mL
)に溶解させた後、硫酸ジメチル(41mL、約30%過剰量)に続いて乾燥炭
酸カリウム(42.78g、約15%過剰量)を加え、次に18−クラウン−6
(200mg、約0.3%/モル)を加えた後、反応混合物全体を撹拌した。約
0.5時間後、内部温度をゆっくりと25℃から33℃にまで上昇させてこの温
度に3時間維持した後、室温に戻した。濃密な懸濁液が生じ、これを室温で一晩
撹拌した。アセトンを真空下で除去し、水を添加することで無機塩を溶解させた
後、CHCl3を用いて生成物を単離した。乾燥させそして溶媒を除去した後、
分別蒸留を行うことで、沸点が75−80℃/0.05mmHgの生成物を24
.78gの収量(乳酸エチルから全体として43.4%)で得、n.m.r.1.
28(t,3H),1.55(d,3H),2.85(s,6H),4.21(q,
2H)および4.91(q,1H)(即ち、エステル交換が起こった証拠はない)
;i.r.:1760.5,1377,1185,948,794;[α]23−2
7.78°であった。 注: 次の実施例で記述する塩化N−メチルスルファミルおよびN,N−ジメチ
ル類似物は両方とも、G.WeissおよびG.Schulze,Liebig
's Ann.Chem.1969,729,40が示した一般的な方法を用い
、相当する塩酸アミン(1gモル)と塩化スルフリル(2.1gモル)とアセト
ニトリル(200mL)の懸濁液を触媒量(1mL)の四塩化チタンに添加した
後、熱電対制御水浴を用いかつコンデンサから通じる気体捕捉器を用いて加熱を
還流下で完全な溶解を起こさせるに必要な時間の1.5倍の時間行うことを通し
て、全体として95%の収率で生じた。N−メチル化合物の場合には72時間を
越える時間要した一方、塩化N,N−ジメチルの場合に要した時間は8時間以内
であった(後者は商業的に入手可能である)。次に、溶媒を除去した後、その生
成物の蒸留をバブルツーバブル方法(氷冷却受け槽)を用いて0.5mmHg未
満で行った(130℃未満の加熱用浴またはオーブン)。塩化N−メチルスルフ
ァミルは70−75℃/0.1mmHgで留出しそして塩化N,N−ジメチルス
ルファミルは40−45℃/0.1mmHgで留出した。
【0031】 実施例3. 方法C:S−2−O−N,N−ジメチルスルファミルオキシプロ
ピオン酸エチルの製造 乾燥t−ブチルメチルエーテル(300mL)に入っているS−乳酸エチル(
63.5g、0.54m)と塩化N,N−ジメチルスルファミル(77.5g、
0.54m)の混合物を窒素下で機械的に撹拌しながら、この混合物を常に−1
0℃−15℃(氷/塩)に保持しつつ、電気モーター(3−5回転/秒)に連結
している回転式粉末分与装置を用いて、前記混合物に水素化ナトリウム(注を参
照)(11.1g、0.4625m)を6時間かけて加えた。その後、前記混合
物を10時間かけて非常にゆっくりと室温(18℃)にまで到達させた。水を加
え、有機層を分離した後、水層をジクロロメタンで1回抽出し、有機層を乾燥さ
せた後、溶媒を真空下で除去した。その残渣の分別蒸留を0.1−0.05mm
Hgで行い、最初に50℃以下で留出して来る初留を集めたが、これには回収さ
れた酢酸エチルと塩化ジメチルスルファミルが3:2のモル比(n.m.r.に
よる)が入っており、従って後者が0.08m含まれていた。主溜分が80−8
2℃/0.05mmHgで留出し、それの収量は71.19g(水素化ナトリウ
ムを基準にして68.4%でありそして未回収の塩化ジメチルスルファミルを基
準にして70.0%である)であり、[α]12:−16.72°であり、従って
、この光学純度(optical purity)(e.e.)は方法Bで得た
材料に比較して60.2%であった。 注: 水素化ナトリウムを炭化水素で洗浄して油を除去した後、真空下で乾燥さ
せる必要がある。これを、風袋を量っておいた密封可能焼結ガラス製漏斗(これ
は次に風船またはGooch配管で前記フラスコまたは粉末分与装置に取り付け
可能である)を用いて最良に実施する。
【0032】 実施例4. R−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシプロピオン酸エチ
ル 実施例2で生じさせたスルファミルオキシ化合物(16.81g、74.71
ミリモル)を乾燥CCl4(40mL)に入れて0℃で激しく撹拌しながらこれ
にトリフリックアシッド(10.88g、72ミリモル)を加えた後、撹拌を室
温で8時間継続した。生じたN,N−ジメチルスルファミン酸を濾別してCCl 4 で洗浄した後、その濾液を0.5Mの冷NaHCO3で洗浄し、乾燥させた後、
溶媒を23mmHg下室温で除去した。その残渣の分別蒸留(Teflonカラ
ム)を行うことで、沸点が32−34℃/0.07mmHgのトリフレートエス
テル(triflate ester)を12.94g(71.5%収率)で得
、n.m.r.1.31(t,3H),1.67(d,3H),4.28(q,2H
);i.r.1767,1428,1217,1153,961,622;[α] 21 :+43.7°であった。H.H.Paulsen,P.Himpkamp,
およびT.Peters,Liebigs Ann.Chem.1986,66
4は、無水トリフリックアシッド−ピリジンを用いて生じさせたS−エナンチオ
マーの沸点は40.5℃/0.9mmHgで[α]:−40°であると報告して
おり、そしてSエナンチオマーの商業源は[α]−44°±2であると報告して
いる。
【0033】 実施例5. R−2−フルオロスルホニルオキシプロピオン酸エチル 実施例2で生じさせたスルファミルオキシ化合物(13.55g、60.22
ミリモル)を乾燥CCl4(35mL)に入れて0℃でフルオロスルホン酸(6
.1g、61ミリモル)を加えた後、その混合物全体を室温で7時間激しく撹拌
した。処理を実施例4と同様に行いそして蒸留を行うことで生成物(沸点34−
36℃/0.1mmHg)を9.23g(82%)の収量で得た。 n.m.r.1.31(t,3H),1.56(d,3H),4.25(t,2H)
および5.19(q,1H),19 F n.m.r.:98.96p.p.m.の所に一重線;i.r.1760.
5,1447,1224,980,839; [α]16:+44.34°,高解像度の[M+]ピークは存在しない。 反転実験 実施例6:R−トリフレートからS−2−アセチルオキシプロピオン酸エチル 前記R−トリフレート(6.73g、26.9ミリモル)をアセトニトリル(
15mL)に入れて撹拌しながらこれに酢酸カリウム(3.43g、30%過剰
量)を加えた。激しい発熱を水冷却で制御した。この混合物全体を25−30°
で3時間撹拌し、溶媒を21mmHg下室温で除去し、水を加えた後、エーテル
を用いて生成物を単離した。分別蒸留を行うことで沸点が83−85℃/23m
mHgで[α]22:−44.78°の生成物を3.69gの収量で得た。
【0034】 実施例7:R−フルオロスルホン酸エステルからS−2−アセチルオキシプロ
ピオン酸エチル 前記フルオロスルホン酸エステル(5.04g、25.2ミリモル)をアセト
ニトリル(13mL)に入れて水冷しながらこれに酢酸カリウム(3.21g、
30%過剰量)を加えた。次に、反応を実施例6と同様に継続した。分別蒸留を
行うことで沸点が83−85℃/23mmHgで[α]21:−45.7°の生成
物を3.15gの収量で得た。 反転実験の結論 通常の方法(1.5当量の無水酢酸と3当量のピリジンを用い、90−100
°/30分、通常の処理)を用いてS−乳酸エチルから基準S−2−アセチルオ
キシプロピオン酸エチルを調製した。蒸留後の生成物は[α]21−50.61°
を示した。2段階方法Bで生じさせた如きスルファミン酸エステルを経由して進
行させることに従うと、トリフレートを用いて行った場合の全体としてのe.e
.は88.5%であり、そしてフルオロスルホン酸エステルを用いて行った場合
の全体としてのe.e.は90.3%であり、両方の場合とも3段階で、それら
の2つで反転が起こる。
【0035】 実施例8. S−O−N,N−ジメチルスルファミルオキシプロピオン酸メチ
ル この化合物の調製を、S−乳酸メチルを用い、この上にエチルエステルに関し
て記述した2段階方法Bで反応体を同じモル比で用いて行った。中間体であるN
−モノメチルスルファミン酸エステルの蒸留を128−130℃/0.5mmH
gで行うことができ、n.m.r.1.56(3H,d),2.81(3H,d),
3.76(3H,s)および4.82−4.96(m,2H);i.r.3328,
1760.5,1357,1184,1089,865;[α21]:−56.46
°であった。このジメチルスルファミン酸エステルは[α]21−33.50°を
示した。
【0036】 実施例9. R−2−フルオロスルホニルオキシプロピオン酸メチル この化合物の調製を、実施例5でS−ジメチルスルファミン酸エチルに関して
記述したのと正確に同様にして、前記ジメチルスルファミン酸エステルとフルオ
ロスルホン酸をCCl4中で反応させることで行った。この生成物の沸点は35
−36℃/0.8mmHgであり、n.m.r.1.70(d,3H),3.83(
s,3H),5.22(q,1H)、19F n.m.r.:57.19p.p.
m.の所に一重線;i.r.1773,1447,1236,986;これはまた
非常に小さいM.S.ピーク(M+)も示し;186.0043(C47FO5
に関する計算値:186.0048)、そして[α]18+41.23°を示した
【0037】 実施例10. S−フルオロスルホニルオキシプロピオン酸メチル この化合物の調製を、これのR−エナンチオマーに関して実施例9に記述した
のと正確に同様にして、実施例1の生成物を用いて行い、これは[α]21−44
.35°を示した。
【0038】 実施例11. R−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸
メチル、「Mecoprop Methyl」と「Mecoprop」(R−2
−(4−クロロ−2−メチルフェノキシプロピオン酸) (a)4−クロロ−2−メチルフェノール(8.56g、60ミリモル)を3.
167MのKOH水溶液(18.95mL、理論的量)に溶解させた後、この溶
液を80℃/25mmHgで蒸発させると、粘性のあるシロップが生じた。これ
にジエチレングリコールのジメチルエーテル(12mL)を加えた後、再び、こ
の溶液を約95℃/25mmHgで蒸発させて約11mLの体積にした。残存す
るシロップをアセトニトリル(5mL)で希釈した後、この溶液を、実施例10
で生じさせたS−フルオロスルホン酸エステル(9.3g、50ミリモル)をア
セトニトリル(15mL)に入れた溶液(−20℃で撹拌)に加えた。この撹拌
を室温で一晩継続した後、溶媒を25mmHg下室温で除去し、水を加えた後、
ジクロロメタンを用いて生成物を単離した。分別蒸留を行うことで沸点が77−
79℃/0.02mmHgの生成物を9.22g(80.6%)得、n.m.r.
1.60(d,3H),2.23(s,3H),3.72(s,3H),4.68(
q,1H),6.56(d,1H)および7.02−7.28(m,2H);i.r
.1761,1496,1250,1149,815;α18+26.88°であっ
た。 (b)前記エステル(2.33g)をジオキサン(25mL)と水(10mL)
と濃HCl(1.5mL)に入れて還流下に24時間加熱した後、この溶液を8
0−90℃/25mmで蒸発させた。その残渣をエーテルに入れると酸性(Na
HCO3)部分(1.93g)と中性部分(0.17g)に分離した。前者の再
結晶化をヘキサンを用いて2回行うことで融点が92.5−93℃で[α]21
アセトン、c1)+26.29°の前記酸(1.76g)を得た。 M.Matell,Arkiv Kemi 1952,4,325は、分割で得
たR−酸の融点は95−96°で[α]19+29.3°(アセトン)であると報
告している。従って、全体としてのe.e.は90%である。
【0039】 実施例12. 「Butyl Mecoprop」 (a)R−乳酸n−ブチル R−乳酸メチル(52g)とn−ブタノール(65mL、1.4当量)とメチ
ルシクロヘキサン(150mL)とAmberlyst 15(5g)の混合物
にWidmerカラムを用いた分別蒸留を10時間受けさせることで、最初にメ
タノール/メチルシクロヘキサン共沸物を留出させた後、n−ブタノール/メチ
ルシクロヘキサン共沸物(最終的に93°)を留出させた。この混合物を短いF
lorisilカラムに通して濾過し、残存する溶媒を蒸発させた後、分別蒸留
を行うことで沸点が86−90℃/22mmHgで[α]18:+13.4°の生
成物を56.8g(81.5%)得た。S−エナンチオマーの商業源は[α]20 :−12°を示す。 (b)R−2−O−N,N−ジメチルスルファミルオキシプロピオン酸n−ブチ
ル 実施例1でメチルエステルに関して記述したのと正確に同じ(同じモル量)に
して、前記を塩化スルフリルおよびジクロロメタンで処理した後、真空下で乾燥
させた粗生成物をジクロロメタンに入れて、それを、−60℃未満で、各々がト
ルエンに1.2当量づつ入っているジメチルアミンとトリエチルアミンで処理し
た(ジメチルアミンに関して4.1M)。分別蒸留(105−110℃/0.1
mmHg)を行うことでジメチルスルファミン酸エステルを56.75%の全体
収率で得、n.m.r.0.90(t,3H),1.30−1.70(m,7H),
2.87(s,6H),4.15(t,2H),4.93(q,1H);i.r.1
761,1372,1183,950,573;α20+28.22°であった。
(c)S−2−フルオロスルホニルオキシプロピオン酸n−ブチル 前記ジメチルスルファミン酸エステルにフルオロスルホン酸を用いた処理をC
Cl4中でこの上に示した実施例と正確に同様に受けさせたが、この反応の速度
の方が遅いように思われた。撹拌を21℃で10時間行い、濾過しそして通常の
処理を行うことで、沸点が48−50℃/0.1mmHgのフルオロスルホン酸
エステルを77.5%の収率で得、n.m.r.0.91(t,3H),1.36(
m,2H),1−60−1.67(m,4H),1.685(d,3H),4.2
1(t,2H),5.20(q,1H)、19F n.m.r.:0.00p.p
.m.の所に一重線;i.r.1767.5,1450,975.7,580[α] 20 :−38.98°であった。 (d)R−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸n−ブチル カリウム4−クロロ−2−メチルフェノキサイドの溶液の調製を前記フェノー
ルを5.92g用いて実施例11に記述した如く行ったが、この場合にはジグラ
イム中ではなくジメチルホルムアミド中で行った。この溶液をアセトニトリルで
希釈して、これを7.98gの前記フルオロスルホン酸エステル(約10mLの
アセトニトリルに入れて−20℃未満で撹拌)に加えた。通常の処理および蒸留
(100−105℃/0.05mmHg)を行うことで生成物を8.02g(7
1.4%)得、n.m.r.0.87(t,3H),1.10−1.49(m,4H
),1.58(d,3H),2.22(s,3H),4.12(t,2H),4.8
0(q,1H),6.60(q,1H),7.05(m,2H);i.r.1761
,1495,1189,813,664;[α]20:+14.57°であった。
【0040】 実施例13: R−2−フルオロスルホニルオキシブタン−1,4−二酸ジメ
チル R.O.ClintonおよびS.C.Laskovsky(J.Amer.
Chem.Soc. 1948,70,3135)の方法を用いて、S−2−ヒ
ドロキシブタン−1,4−二酸(S−リンゴ酸)をそれのジメチルエステルに変
化させた。この方法は穏やかであったが、それでも脱離反応生成物(elimi
nation product)であるフマル酸ジメチルの生成を避けるのは不
可能であり、後者を冷フィンガーコンデンサ(cold finger con
denser)下0.1mmHgで還流させることで高度に結晶性の副生成物を
昇華で除去した後、所望生成物を留出させることを通して、前記脱離反応生成物
を前記ジエステルから分離した。
【0041】 このジエステル(38.94g、0.24m)をジクロロメタン(240mL
)と混合した後、トリエチルアミン(34.5mL、0.26m)を加えた。こ
の溶液を撹拌しながら−40℃未満に冷却し、そしてその温度で撹拌しながらメ
チルスルファミルクロライド(33.8g、0.26m)を加えた。その後、こ
の溶液を一晩撹拌することで室温に到達させ、水を加え、有機層を希NaHCO 3 で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を真空下で除去すると、粗N−メチルスルファ
ミン酸エステル(53g、87.5%)が残存し、これは結晶化した。この生成
物(52.8g)をジエチルエーテル(120mL)とヨードメタン(38mL
)に入れて懸濁させた。内部温度が25−30℃に維持されるように冷却と撹拌
を行いながら、新しく調製して真空下で乾燥させた酸化銀(58g、0.25m
)を加えた。最初にペースト状の下方層が生じた後、褐色固体が入っている懸濁
液が生じた。この懸濁液を還流下に1時間加熱し、濾過し、その濾液の濃縮を行
った後、CCl4に再び溶解させると、更にフマル酸ジメチルが分離してきた。
その濾液の濃縮を真空下で行った後、その残渣をKugelrohr管(オーブ
ン温度80−90℃)に入れて0.1mmHgに2時間保持すると更に脱離反応
生成物が昇華して、粗N,N−ジメチルスルファミン酸エステルが24.7g残
存し、これの蒸留を行おうと試みたが分解がある程度起こり、少量のサンプルを
高真空下で蒸留することにより、それには使用可能な材料が14.6g含まれて
いると推定した。
【0042】 このN,N−ジメチルスルファミン酸エステルをCCl4(40mL)に溶解
させ、その溶液を0℃に冷却して撹拌しながらこれにフルオロスルホン酸(5.
7g)を加えた。この混合物全体を室温で2日間撹拌し、このCCl4溶液から
ゴム状物をデカンテーションで除去し、前記溶液を氷冷の希NaHCO3で洗浄
した。濃縮を真空下で行い、その残渣の蒸留を行うことで、沸点が70−85℃
/0.1mmHgでα20+28.94°のR−フルオロスルホニルオキシジエス
テルを3.2g得、n.m.r.3.04(d,2H),3.74(s,3H),3
.85(s,3H),5.51(t,1H) 19F n.m.r.:7.66(s)
p.p.m.;i.r.1749,1446,1038,972,841であった。
これと過剰量のO−ベンジルヒドロキシルアミンの反応を、R.W.Feens
traおよび彼の共同研究者が相当するS−トリフレートに関して記述(Tet
rahedron Lett. 1987、28、1215)したのと正確に同
様にして実施することで、S−2−ベンジルオキシアミノブタン−1,4−二酸
ジメチルを得、これの蒸留を40−50℃/0.1mmHgで行うのは不可能で
あったが、これをクロマトグラフィーにかけて乾燥させた後、これはn.m.r.
2.56−2.66(octet,2H),3.66(s,3H),3.77(s,3H
),4.00(m,1H),4.67(s,2H),6.18(m,1H),7.3
0(s,5H)を示し、これはR−エナンチオマーに関して報告されたデータ(
R.W.Feenstra and co−workers,Tetrahed
ron Lett.1987,28,1215)に優れた一致を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1−構造配置の反転をもたらす一般的SN2型反応の図式図。
【図2】 図2−ラセミ化をもたらすSN2型反応の図式図。
【図3】 図3−乳酸エステルのO−N,N−ジアルキルスルファミルオキシ誘導体を生
じさせる方法A、BおよびC、具体的には、(S)−乳酸エチルから出発してN
,N−ジメチル誘導体を生じさせる方法を示す。
【図4】 図4−トリフルオロメチルスルホン酸またはフルオロスルホン酸のいずれかに
よるジアルキルスルファミルオキシ誘導体の置換が構造配置の反転を伴って起こ
ることを示す図式図。
【手続補正書】特許協力条約第19条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年8月12日(1999.8.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項22】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸エチル。
請求項23】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸メチル。
請求項24】 新規化合物としてのS−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸メチル。
請求項25】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸n−ブチル。
請求項26】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシブ
タン−1,4−二酸ジメチル。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月8日(2000.7.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項3】 前記ヒドロキシ基がカルボン酸エステル基に対してα位に位
置する請求項1または2記載の方法。
請求項4】 前記ヒドロキシ化合物が乳酸のエステルまたはリンゴ酸のジ
エステルである請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
請求項5】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを出
発ヒドロキシ化合物と相当するジアルキルスルファミン酸またはそれの反応性誘
導体の反応で生じさせる請求項1記載の方法。
請求項6】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを、
不活性溶媒中の前記ヒドロキシ化合物とジアルキルスルファミン酸の反応性誘導
体の混合物に強塩基を添加することで生じさせる請求項記載の方法。
請求項7】 前記ジアルキルスルファミン酸の反応性誘導体がハロゲン化
ジアルキルスルファミルでありそして前記反応を相移動条件下で実施する請求項 記載の方法。
請求項8】 前記強塩基がアルカリ金属の水素化物である請求項記載の
方法。
請求項9】 前記強塩基がヒンダードグリニヤール試薬である請求項
載の方法。
請求項10】 前記強塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のア
ミドもしくは置換アミドである請求項記載の方法。
請求項11】 前記強塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のア
ルコキシド、アルコキシド錯体またはアミド−アルコキシド錯体である請求項 記載の方法。
請求項12】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを
、出発ヒドロキシ化合物と塩化N−アルキルスルファミルを塩基の存在下で反応
させることで相当するN−モノアルキルスルファミン酸エステルを生じさせた後
に前記N−モノアルキルスルファミン酸エステルにアルキル化剤によるアルキル
化を塩基および相移動触媒の存在下の適切な溶媒中で受けさせることで生じさせ
る請求項1記載の方法。
請求項13】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを
、出発ヒドロキシ化合物と塩化スルフリルを反応させることで相当するクロロス
ルホン酸エステルを生じさせた後にジアルキルアミンまたはジアルキルアミンと
第三級アミンの混合物を約−40℃以下の温度で添加することで生じさせる請求
項1記載の方法。
請求項14】 段階(b)における反応を溶媒なしに−50℃から+30
℃の範囲の温度で実施する請求項1記載の方法。
請求項15】 段階(b)における反応を−50℃から+30℃の範囲の
温度の不活性な溶媒中で実施する請求項1記載の方法。
請求項16】 段階(b)における反応を塩素置換炭化水素溶媒中で実施
する請求項15記載の方法。
請求項17】 前記塩素置換炭化水素が四塩化炭素である請求項16記載
の方法。
請求項18】 段階(a)で得た前記O−N,N−ジアルキルスルファミ
ン酸エステルを段階(b)において塩素置換炭化水素溶媒中で激しく掻き混ぜま
たは撹拌しながらトリフルオロメチルスルホン酸またはフルオロスルホン酸と反
応させることで、生成物の溶液に結晶性ジアルキルスルファミン酸が入っている
懸濁液を得、前記結晶性副生成物を濾過で分離した後、トリフレートまたはフル
オロスルホン酸エステル生成物を蒸留で単離する請求項1記載の方法。
請求項19】 前記塩素置換炭化水素溶媒が四塩化炭素でありそして前記
ジアルキルスルファミン酸エステルがO−N,N−ジメチルスルファミン酸エス
テルである請求項18記載の方法。
請求項20】 前記電子求引基がカルボン酸エステル、カルボニルおよび
シアノから選択される請求項1記載の方法。
請求項21】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸エチル。
請求項22】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸メチル。
請求項23】 新規化合物としてのS−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸メチル。
請求項24】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
ロピオン酸n−ブチル。
請求項25】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシブ
タン−1,4−二酸ジメチル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 フルオロスルホン酸エステルを用いた場合の状況はより複雑で興味がそそられ
る。この酸自身は他の産業用途で用いられていて、非常に低い価格でタンク荷(
tank loads)で現在入手可能である。もしこれを無水物でない状態で
用いることができれば、フルオロスルホン化の費用はトシル化もしくはメシル化
の価格に実質的に同じになる可能性があり、恐らくより安価になるであろう。し
かしながら、従来技術ではそのような反応を実施する方法は全く知られていない
。無水物は、それ自身調製が非常に困難であり、非常に高い揮発性を示しかつ毒
性がある(ホスゲンと同じくらいの)。伴う追加的危険はさておき、これが最近
売りに出されはしたが、それの価格は、フルオロスルホン化の方がトシル化より
も200倍高いと言った価格であった。 Can.J.Chem.59(2)、1981、362−372にN,N−ジ メチルスルファミン酸エステルとフルオロ(トリフルオロメタン)硫酸メチルの 反応が記述されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 (発明の要約) 本発明は、ヒドロキシ化合物に含まれる電子求引基、例えばカルボン酸エステ
ル、カルボニルまたはシアノなどを持っていてキラリティーを持つ(chira l) 炭素原子に結合しているヒドロキシル基をフルオロスルホン酸エステルおよ
びパーフルオロアルキルスルホン酸エステルから選択される脱離基に置換する方
法を提供し、この方法は、 (a)前記ヒドロキシル基をそれのO−N,N−ジアルキルスルファミン酸エス
テルに変化させ、そして (b)前記O−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステルを場合により適切な
不活性溶媒中で1±0.2当量のパーフルオロアルキルスルホン酸またはフルオ
ロスルホン酸と反応させる、 段階を含んで成る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 記置換を構造配置の反転とキラリティーの実質的な保持を伴って起こさせる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ローエンタール,ロン・ベンジヤミン イスラエル・34343ハイフア・アシユザ・ ホレブストリート78 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC61 AC81 BA02 BA34 BA45 BA51 BB12 BC10 BE51

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシ化合物中の電子求引基を持つ炭素原子に結合して
    いるヒドロキシ基をフルオロスルホン酸エステルおよびパーフルオロアルキルス
    ルホン酸エステルから選択される脱離基に置換する方法であって、 (a)前記ヒドロキシル基をそれのO−N,N−ジアルキルスルファミン酸エス
    テルに変化させ、そして (b)前記O−N,N−ジアルキルスルファミン酸エステルを場合により適切な
    不活性溶媒中で1±0.2当量のパーフルオロアルキルスルホン酸またはフルオ
    ロスルホン酸と反応させる、 段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸がトリフルオロメチル
    スルホン酸である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロキシ基がキラリティーを持つ炭素原子に結合して
    おりそして前記置換を構造配置の反転を伴いかつ前記キラリティーが実質的に保
    持されるように起こさせる請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロキシ基がカルボン酸エステル基に対してα位に位
    置する請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ヒドロキシ化合物が乳酸のエステルまたはリンゴ酸のジ
    エステルである請求項3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを出
    発ヒドロキシ化合物と相当するジアルキルスルファミン酸またはそれの反応性誘
    導体の反応で生じさせる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを、
    不活性溶媒中の前記ヒドロキシ化合物とジアルキルスルファミン酸の反応性誘導
    体の混合物に強塩基を添加することで生じさせる請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ジアルキルスルファミン酸の反応性誘導体がハロゲン化
    ジアルキルスルファミルでありそして前記反応を相移動条件下で実施する請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記強塩基がアルカリ金属の水素化物である請求項7記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 前記強塩基がヒンダードグリニヤール試薬である請求項7
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記強塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のア
    ミドもしくは置換アミドである請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記強塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のア
    ルコキシド、アルコキシド錯体またはアミド−アルコキシド錯体である請求項7
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを
    、出発ヒドロキシ化合物と塩化N−アルキルスルファミルを塩基の存在下で反応
    させることで相当するN−モノアルキルスルファミン酸エステルを生じさせた後
    に前記N−モノアルキルスルファミン酸エステルにアルキル化剤によるアルキル
    化を塩基および相移動触媒の存在下の適切な溶媒中で受けさせることで生じさせ
    る請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 段階(a)におけるジアルキルスルファミン酸エステルを
    、出発ヒドロキシ化合物と塩化スルフリルを反応させることで相当するクロロス
    ルホン酸エステルを生じさせた後に適切な溶媒中のジアルキルアミンと第三級ア
    ミンの混合物を約−60℃を超えない温度で添加することで生じさせる請求項1
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 段階(b)における反応を溶媒なしに−50℃から+30
    ℃の範囲の温度で実施する請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 段階(b)における反応を−50℃から+30℃の範囲の
    温度の不活性な溶媒中で実施する請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 段階(b)における反応を塩素置換炭化水素溶媒中で実施
    する請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記塩素置換炭化水素が四塩化炭素である請求項17記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 段階(a)で得た前記O−N,N−ジアルキルスルファミ
    ン酸エステルを段階(b)において塩素置換炭化水素溶媒中で激しく掻き混ぜま
    たは撹拌しながらトリフルオロメチルスルホン酸またはフルオロスルホン酸と反
    応させることで、生成物の溶液に結晶性ジアルキルスルファミン酸が入っている
    懸濁液を得、前記結晶性副生成物を濾過で分離した後、トリフレートまたはフル
    オロスルホン酸エステル生成物を蒸留で単離する請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記塩素置換炭化水素溶媒が四塩化炭素でありそして前記
    ジアルキルスルファミン酸エステルがO−N,N−ジメチルスルファミン酸エス
    テルである請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記電子求引基がカルボン酸エステル、カルボニルおよび
    シアノから選択される請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 ヒドロキシ化合物中の電子求引基を持つ炭素に結合してい
    るヒドロキシ基の置換方法であって、実質的に本明細書に記述および例示する如
    き方法。
  23. 【請求項23】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
    ロピオン酸エチル。
  24. 【請求項24】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
    ロピオン酸メチル。
  25. 【請求項25】 新規化合物としてのS−2−フルオロスルホニルオキシプ
    ロピオン酸メチル。
  26. 【請求項26】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシプ
    ロピオン酸n−ブチル。
  27. 【請求項27】 新規化合物としてのR−2−フルオロスルホニルオキシブ
    タン−1,4−二酸ジメチル。
JP2000545827A 1998-04-27 1999-03-24 特定のアルコール中のヒドロキシ基の、フルオロスルホン酸エステルまたはトリフルオロメチルスルホン酸エステルへの変換 Pending JP2002512999A (ja)

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