JP2002512910A - 輪転印刷機用のローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 輪転印刷機用のローラまたは胴において、簡単な手段で軸線方向での付加的な運動を生ぜしめたい。本発明ではローラに、周方向にも軸線方向にも運動可能な、モータの少なくとも１つの構成部材が対応配置されている。このモータをローラ内に組み込む構成もまた可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は請求項１の上位概念部に記載の輪転印刷機に設けられたローラまたは
胴に関するものである。

【０００２】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４４３０６９３号明細書には、回転駆動用の
１つの電動モータと、軸線方向で作用する１つのリニアモータとから成る、輪転
印刷機のローラまたは胴用の駆動装置が示されている。

【０００３】 ここでは欠点として電気的な構成部材の所要スペースの広さとコストの高さと
が挙げられている。

【０００４】 さらに欧州特許公開第０６８９２７９号明細書により２つの自由度を有する電
動モータが公知である。

【０００５】 本発明の課題は、輪転印刷機用のローラまたは胴を提供することである。

【０００６】 この本発明の課題は請求項１の特徴部に記載した構成によって解決された。

【０００７】 本発明によって得られる利点は特に、構成スペースも、電気的なまたは機械的
な構成部材をも削減することができる点にある。１つのモータで周方向の運動も
軸線方向の運動も生ぜしめられる。

【０００８】 次に図面に記載した２つの実施例に基づき本発明の実施形態を詳説する。

【０００９】 輪転印刷機のための駆動可能な回動させられる構成部材特に胴またはローラ０
１はその軸ジャーナル０２，０３と相対回動不能に結合されている。これらの軸
ジャーナル０２，０３は軸線方向、つまりローラ１の回転軸０４に対して平行に
延びる方向Ａで往復運動可能にかつ周方向Ｂで回動可能に側方フレーム０８，０
９の軸受０６，０７に支承されている。一方の軸ジャーナル０３は例えば連結部
１１によって、ローラ０１の外側に配置されたモータ１２に結合されており、こ
のモータ１２は電気的な導線１３（図１）を介して計算ユニット１４に接続状態
にある。

【００１０】 このモータ１２は周方向Ｂで回動可能なかつ軸線方向Ａで往復運動可能な内側
の可動子１６から構成されている、この可動子１６はその表面に、周方向Ｂでも
軸線方向Ａでも互いに間隔をおいて位置する複数の磁石１７を有している。この
内側の可動子１６は当該可動子１６を取り囲む回動不能に配置された外側の固定
子１８によって支持される。外側の固定子１８の内側面には軸線方向Ａで互いに
間隔をおいた複数の電磁石１９が配置されている。図１に示した電磁石の数より
も多くの電磁石を相並べて配置することができる。

【００１１】 回動させられる可動子１６に設けられた磁石１７の間の間隔は回動不能な固定
子１８に設けられた電磁石１９の間の間隔に対して例えば２：３の割合である。
これはブラシレスな２極式三相交流モータに相当する。

【００１２】 導線１３を用いてモータ１２の外側の固定子１８に接続されている計算ユニッ
ト１４は供給導線２０を介してエネルギ源（図示せず）に接続可能である。

【００１３】 ローラ０１の、駆動されない側の軸ジャーナル０２には例えばセンサ２１が配
置されている。このセンサは側方フレームに定置の保持体２２に取り付けられて
いて、軸ジャーナル０２に配置された円板２３に対する間隔を検出する。これに
よりローラ１の目下の軸線方向における位置を検出することができる。保持体２
２に配置された第２のセンサ２４は円板２３によってローラ１の目下の回転角を
検出する。両センサ２１，２４は導線（図示せず）によって計算ユニット１４の
行程検出機２６もしくは回転角検出機２７に接続されている（図３）。これらの
検出器２６，２７は可動子１６と固定子１８の互いの相対的な位置を計算し、計
算結果を計算部分２８またはメモリに送信する。入力装置２９または再生するデ
ータ用のメモリによって、所望の運動方向Ａ，Ｂのための値が提供される。新し
く入力されたまたは変えられたデータは計算機３１に入力される。この計算機３
１は磁石１７と電磁石１９との間の間隔を検出し、その結果を選択部分３２に続
けて伝達する。この選択部分３２は作動制御される電磁石１９の必要な電荷を出
力部３３を介して供給する（図３）。したがって軸線方向Ａと周方向Ｂとの、内
側の可動子１６の組み合わされた運動が可能となる。さらに例えば１つの運動方
向例えば周方向にだけ運動させることも可能である。

【００１４】 第２の実施形態に基づき、回動させられる構成部材特に輪転印刷機用のローラ
３４、例えばインクならしローラ、または胴が、当該ローラ３４に組み込まれる
モータ３６を有している。このモータ３６は周方向Ｂに回動可能なかつ軸線方向
Ａに往復運動可能な中空シリンダ状の外側の可動子３７から構成されている。こ
の可動子３７は内側面に周方向Ｂにも軸線方向Ａにも互いに間隔をおいて配置さ
れた磁石３８有利には永久磁石を有している。往復運動可能な外側の可動子３７
はその中空室に位置する回動不能なシリンダ状の内側の固定子３９に同軸的に配
置されている。軸として形成された固定子３９はその表面４０に、軸線方向Ａで
間隔をおいて配置された制御可能な複数の電磁石４１を有している。図４に示し
た電磁石４１よりも多くの電磁石を配置することができる。

【００１５】 可動子３７はローラ３４のコーティング部４３のための支持管３７として形成
されている。このコーティング部４３を直接支持管３７に例えば加硫加工して配
置することができる。スリーブを支持管３７とコーティング部４３との間に配置
することも可能であるので、スリーブとコーティング部とからなるスリーブ体を
破壊することなく解除可能に支持管３７に配置することができる。

【００１６】 磁石３８は例えば支持管３７の半径方向の孔内に配置されている。

【００１７】 ローラ３９の軸を複数の部分から構成することもでき、この場合少なくとも１
つのジャーナルに磁石３８が設けられれている。

【００１８】 また支持管３７には軸線方向で見て部分的にだけ磁石３８を設けることも可能
である。磁石の数は必要な力と生ぜしめたい行程とに関連している。また支持管
と可動子とを別個に形成し、それから支持管を可動子に結合させる構成も可能で
ある。

【００１９】 前記可動子１６と前記固定子１７との間（図１）と同様に、可動子３７と固定
子３９との間（図４）にも、軸受４２例えば玉軸受が配置されている。

【００２０】 側方フレームに定置の内側の固定子３９は導線１３を介して計算ユニット１４
に接続されている。同様に内側の固定子３９または側方フレーム０８，０９に位
置するセンサは図２で示したようなセンサ２１，２４と類似の形式で、外側の運
動可能な可動子３７の位置を検出するために配置されている。

【００２１】 ローラ０１，３４はプラスチックまたはゴムからなるコーティング部４３を有
している。このコーティング４３をクロム塗装からなっていてもよい。

【００２２】 別の変化実施例に基づいて、ローラ３４の表面が成形胴として作用するように
コーティング４３を形成することもできる。

【００２３】 ローラ０１，３４が、熱を導出するために冷却されていてよい。そのために例
えば固定子１６，３９に冷却手段を貫流させることができる。

【００２４】 つまりモータ１２，３６は、回転運動を直線的な運動に置き換えられることな
く、磁性的な力に基づいて軸線方向の運動を直接生ぜしめる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 周方向および軸線方向で駆動させるための２つの自由度を有するモータと、計
算ユニットとを示した概略的な斜視図である。

【図２】 側方フレームに相対回動不能に配置され、回動させられる構成部材と作用結合
された図１に基づいたモータの図である。

【図３】 モータの計算ユニットの作用回路図である。

【図４】 周方向および軸線方向に駆動させるために組み込まれたモータによって回動さ
せられる構成部材の第２実施例である。

【符号の説明】

１ ローラ、 ２，３ 軸ジャーナル、 ４ 回転軸線、 ６，７ 軸受、 ８，９ 側方フレーム、 １１ 連結部、 １２ モータ、 １３ 導線、 １
４ 計算ユニット、 １６ 可動子、 １７ 磁石、 １８ 固定子、 １９ 電磁石、 ２０ 供給導線、 ２１ センサ、 ２２ 保持体、 ２３ 円板、 ２４ センサ、 ２６ 行程検出機、 ２７ 回転角検出機、 ２８ 計算部
分、 ２９ 入力装置、 ３１ 計算機、 ３２ 選択部分、 ３３ 出力装置
、 ３４ ローラ、 ３６ モータ、 ３７ 可動子（支持管）、 ３８ 磁石
、 ３９ 固定子、 ４０ 表面、 ４１ 電磁石、 ４２ 軸受、 ４３ コ
ーティング部、 Ａ 軸線方向、 Ｂ 周方向

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年５月１７日（２０００．５．１７）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００１

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００１】 本発明は請求項１の上位概念部に記載の輪転印刷機のローラに関するものであ
る。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】 さらに欧州特許公開第０６８９２７９号明細書によって２つの自由度を有する
電動モータが公知である。 欧州特許公開第０７８８８７９号明細書には、周方向に駆動させるための電動
モータを備えた印刷機の胴が記載されている。ここでは電動モータの固定子は定
置であり、当該電動モータの可動子は第２の電動モータによって軸線方向に運動
させられる。 米国特許第４２３４８３１号明細書では、固定子が複数の電磁石を有しかつ可
動子が単一の磁石を有する電動モータが開示されている。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９６０３７６５号明細書には、軸線方向に
運動を生ぜしめるために、ピストンとシリンダとが内側に位置するインクならし
ローラが示されている。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】 本発明の課題は、輪転印刷機のローラを提供することである。

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周方向にも軸線方向にも運動が行われるように配置された、
   輪転印刷機に設けられたローラ（０１；３４）または胴であって、 駆動させるために単一のモータ（１２；３６）が設けられており、該モータ（
   １２；３６）が、周方向（Ｂ）にも回動するかつ軸線方向（Ａ）にも往復運動可
   能である可動子（１６）を有していることを特徴とする、輪転印刷機のローラま
   たは胴。
2. 【請求項２】 モータ（１２）がローラ（０１）の外側に配置されている、
   請求項１記載のローラ。
3. 【請求項３】 モータ（３６）がローラ（０１）の内側に配置されている、
   請求項１記載のローラ。
4. 【請求項４】 モータ（１２）が、周方向（Ｂ）で回動可能なかつ軸線方向
   （Ａ）で往復運動可能な内側の可動子（１６）を有しており、該可動子（１６）
   が表面に周方向（Ｂ）および軸線方向（Ａ）で互いに間隔をおいて位置する複数
   の磁石（１７）を有しており、モータ（１２）が、可動子（１６）を取り囲む、
   回動不能な外側の固定子（１８）から成っており、該固定子（１８）が内側に、
   軸線方向（Ａ）で互いに間隔をおいて位置する制御可能な複数の電磁石（１７）
   を有している、請求項１または２記載のローラ。
5. 【請求項５】 モータ（３６）が、周方向（Ｂ）で回動するかつ軸線方向（
   Ａ）で往復運動可能な中空シリンダ状の外側の可動子（３７）を有しており、該
   可動子が内面に、周方向（Ｂ）および軸線方向（Ａ）で互いに間隔をおいて位置
   する複数の磁石（３８）を有しており、前記中空シリンダ状の可動子（３７）が
   、中空シリンダ室に位置する回動不能なシリンダ状の内側の固定子（３９）上に
   配置されており、該固定子（３９）が表面に、軸線方向（Ａ）で互いに間隔をお
   いて位置する制御可能な複数の電磁石（４１）を有している、請求項１または３
   記載のローラ。
6. 【請求項６】 ローラ（０１；３４）のコーティング部（４３）がプラスチ
   ックまたはクロムからなっている、請求項１記載のローラ。
7. 【請求項７】 ローラ（０１；３４）のコーティング部（４３）がゴムから
   成っている、請求項１記載のローラ。
8. 【請求項８】 胴が成形胴として形成されている、請求項１記載のローラ。
9. 【請求項９】 モータ（３６）が、ローラ（３４）の、回動する支持管（３
   ７）の内側に配置されている、請求項３記載のローラ。
10. 【請求項１０】 コーティング部（４３）を取り付けた支持管（３７）の内
    側面に、少なくとも部分的に複数の磁石（３８）が設けられておりかつローラ（
    ３４）の軸（３９）またはジャーナルに複数の電磁石（４１）が設けられている
    、請求項９記載のローラ。
11. 【請求項１１】 コーティング部（４３）が支持管（３７）に直接施されて
    いる、請求項９記載のローラ。
12. 【請求項１２】 コーティング部（４３）がスリーブを用いて支持管（３７
    ）上に取り付けられている、請求項９記載のローラ。