JP2002511588A - 軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 転動体（７）によって固定リング（５）と分離された回転リング（６）にコーダ素子（９）が取り付けられ、上記固定リング（５）に対して不動の支持台（１１）に検知器（１０）が装着された、軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置において、上記支持台（１１）は、互いに組み合わされた第１部材（１１ａ）と第２部材（１１ｂ）とから少なくともなり、上記第１部材（１１ａ）は、上記支持台（１１）を上記固定リング（５）に対して不動化し、上記第２部材（１１ｂ）は、上記支持台（１１）上における上記検知器（１０）の案内と不動化との機能を併せ持つことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、検知器によって読み取り可能なコーダ素子を備えた軸受台または軸
受に対向して無接触で固定される情報の検知器の固定装置に関する。

【０００２】 刊行物、FR 2 703 740、FR 2 730 283 及び FR 2 740 186には、軸受台に固定
されたリングの周囲に固定された検知器の、種々の支持台が記載されている。こ
れらの支持台は、一般に環状をなし、その中に検知器が装着され、弾性的な不動
化手段によって保持される、滑り溝からなる。

【０００３】 しかしながら、これらの種々の文献に見られるように、軸受の組立てにおける
多様性のために、回転リングが外側リングであるか内側リングであるかに応じて
軸受のどちらか一方のリングに固定される情報の検知器の支持台の構想に多様性
がもたらされる。これらの支持台も同様に、固定リングと歯車列の組立て部材と
の間に挟み込められるか、あるいはまた防水継手装置上に調整して取り付けられ
る。

【０００４】 検知器の支持台の製作上の多様性のために、予想されるそれぞれの適用毎の支
持台の製作に特有の装置の研究調査及び選定が必要になり、これは重大な費用増
加をもたらす。

【０００５】 本発明は、このような問題点を解決し、支持台上への検知器の容易な固定を保
証し、製作が簡単で容易な、固定装置を提供することを目的とする。このため、
本発明は、転動体によって固定リングと分離された回転リングにコーダ素子が取
り付けられ、上記固定リングに対して不動の支持台に検知器が装着された、軸受
または軸受台用の情報の検知器固定装置において、上記支持台は、互いに組み合
わされた第１部材と第２部材とから少なくともなり、上記第１部材は、上記支持
台を上記固定リングに対して不動化し、上記第２部材は、上記支持台上における
上記検知器の案内と不動化との機能を併せ持つことを特徴とする、軸受または軸
受台用の情報の検知器固定装置に関する。

【０００６】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第１部材は、上記固定リングに取付け
らる。

【０００７】 本発明の更に他の１つの特徴によれば、上記第２部材は、上記検知器を包囲す
るための、ほぼ平行６面体状をなす骨組からなり、上記骨組は、上記検知器を上
記骨組と向きが整合するように案内し、上記検知器の挿入を容易にする、上記検
知器と協動する案内の縁からなる入口を有する。

【０００８】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第２部材は、上記検知器を装着するた
めの案内レールと、上記検知器と協動して上記検知器を所定の位置に固定する弾
性舌状片とを有する。

【０００９】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第２部材は、異なる上記第１部材への
組付けと、上記第２部材の上記第１部材への半径方向、軸方向または斜め方向の
装着を可能にする、異なる向きに応じた組付けとの、少なくとも一方を可能にす
る複数の部材を有する。

【００１０】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第１部材は、上記固定リングへ嵌め込
まれるカラー部を有する環状の円盤からなる。

【００１１】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記環状の円盤は、軸受または軸受台の防
水パッキンと協動するように変向された領域を有し、上記環状の円盤と上記カラ
ー部の上記防水パッキンに対向する面は、上記防水パッキンの防水リップと協動
するように適合された状態の面を有して、動的な防水性を実現する。

【００１２】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第１部材と上記第２部材は、鋼および
プラスチック材料のような種々の性質の材料で形成される。

【００１３】 本発明の他の１つの特徴によれば、上記第１部材と上記第２部材は、溶接によ
って組み立てられる。

【００１４】 本発明のその他の特徴及び利点は、本発明による装置の実施例の記載を、以下
の図面を参照しながら読むことによって明らかになるであろう。

【００１５】 図１は、自動車の駆動輪に搭載された、本発明による支持台の１実施例の断面
図である。

【００１６】 図２は、検知器の軸方向の嵌め込みを可能にする、本発明による支持台の斜視
図である。

【００１７】 図３は、本発明による支持台の第１部材の斜視図である。

【００１８】 図４は、本発明による支持台の第２部材の斜視図である。

【００１９】 図５は、図４の第２部材の側面図である。

【００２０】 図６は、検知器の半径方向搭載用の、本発明による支持台の組立ての第１の変
形の部分斜視図である。

【００２１】 図７は、外側リングが固定の軸受用の、本発明による支持台の組立ての第２の
変形の部分斜視図である。

【００２２】 図１は、車輪のボス１の組立てを示し、軸受の軸受台２は、車輪の軸４の肩に
対するナット３による締め付けによって取り付けられる。標準寸法の軸受の軸受
台２は、転動体７によって分離された固定リング５と回転リング６とからなる。
軸受台２は、防水パッキン８によって防水化されている。回転リング６には、例
えば嵌め込みで装着された磁気コーダ９が設けられており、該磁気コーダ９の回
転は、固定の検知器１０によって検出される。該検知器１０は、固定リング５上
に取り付けられた支持台１１によって磁気コーダ９の表面に対して所定の間隙を
もって保持されている。

【００２３】 図２に示す支持台１１は、点溶接のような工程によって互いに剛に組み立てら
れた、第１部材１１ａと第２部材１１ｂとからなる。勿論、他の実施例において
は、第１部材１１ａと第２部材１１ｂは、接着またはクリップ止め、鋲止めのよ
うな機械的手段で組み立てることも可能である。

【００２４】 図３に分離して示す第１部材１１ａは、ほぼ環状をなし、その中心部にカラー
部１５を有する環状の円盤１４からなる。有利には、環状の円盤１４は、支持台
１１の固定リング５への嵌め込みによる組込の際に、その面の状態が防水パッキ
ン８の防水リップと協動するように形成された領域を有し、このようにして軸受
の動的な防水性を確保する。

【００２５】 また、第１部材１１ａは、環状の円盤１４の面とずらされた面内を外側に向け
て半径方向に伸び、第２部材１１ｂを固定するための脚１８が設けられた、周辺
の環状部１６からなる。

【００２６】 図４及び５に分けて示す第２部材１１ｂは、ほぼ平行６面体状をなし、検知器
１０を包囲するための骨組２０からなる。この骨組２０は、１つの面上に、入口
である窓２０ａと側面の縁とを有する。窓２０ａを通して検知器１０が導入され
る。側面の縁は、検知器１０の側面に沿って形成された溝と協動する案内レール
２０ｂを構成する。また骨組２０は、窓２０ａに対向する面上に、２つの弾性舌
状片２１を有する。弾性舌状片２１には、検知器１０の上に形成されたくぼみと
協動して検知器１０を所定の位置に固定するための、骨組２０の内部へ突出する
突起２１ａが設けられている。骨組２０への検知器１０の挿入を容易にするため
に、弾性舌状片２１の先端は外方向へ曲げられており、案内レール２０ｂの先端
は、検知器１０を骨組２０の軸に沿って導くように面取りされている。

【００２７】 骨組２０は、案内レール２０ｂの先端から伸び、骨組２０の側面の縁に直交し
、第１部材１１ａの脚１８へ固定されるための、つば１３によって剛性を付与さ
れる。また、骨組２０は、側方脚１９を有する。側方脚１９は、つば１３の面に
直交する面内に配置され、本発明の種々の実施の形態における異なる向きに応じ
て、第２部材１１ｂを第１部材１１ａへ固定することを可能にする。

【００２８】 図１によれば、このようにして第１部材１１ａと第２部材１１ｂとの組立てか
ら得られた支持台１１は、高い剛性を呈する第１部材１１ａによって、検知器１
０の磁気コーダ９に対向する正確な保持の確実な保証を可能にし、また優れた弾
性特性を備えた第２部材１１ｂによって、検知器１０の支持台１１への挿入及び
保持手段の最適化を可能にする。このように、第１部材１１ａは、機械的に弱い
特性の鋼の薄板の板金で有利に、安価で、製作可能であり、環状の円盤１４と環
状部１６との間を連結する部材は、第１部材１１ａに高い剛性をもたらす。第２
部材１１ｂは、弾性舌状片２１の良好な弾性効果を得るのに適した機械的特性を
有する鋼の薄板の裁断及び折り曲げ加工によって有利に得られる。

【００２９】 また、本発明による固定装置によれば、図４に示す同一の第２部材１１ｂ（従
って例えば標準サイズの同一の検知器１０）で、検知器１０を半径方向または軸
方向に搭載するのに適した、異なる支持台１１を実現することが可能になる。こ
のように、本発明による固定装置の実施の形態の変更を示す図６に示すように、
第２部材１１ｂを、側方脚１９の助けによって、検知器１０の半径方向の搭載を
可能にするように、第１部材１１ａに垂直に組み立てることも可能である。

【００３０】 図７に示す実施の形態の他の一つの変更においては、同じ第２部材１１ｂは、
軸受の外側の固定リング５上に設けるように適応された第１部材１１ａに組み付
けることも可能である。

【００３１】 従って、本発明による固定装置によれば、組立ての多様性に関連する異なるニ
ーズに対応して、迅速に適用することができ、安価な、支持台が可能になる。他
方、固定リング上への支持台の固定を保証する第１部材と、検知器の案内と固定
を保証する第２部材とから検知器の支持台を製作するので、各部材に特有のニー
ズに応じて最適の材料およびその厚さを選択して、支持台の最適化を安価に実現
することが可能になる。

【００３２】 勿論、本発明は、ここに記載し明示した、例として挙げた実施の形態に限定さ
れるものではない。特に、検知器の支持台の全体を、例えば軸支持のような検知
器の近くに配置された固定リングに対して固定することも可能である。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転動体（７）によって固定リング（５）と分離された回転リング（６）にコー
   ダ素子（９）が取り付けられ、上記固定リング（５）に対して不動の支持台（１
   １）に検知器（１０）が装着された、軸受または軸受台用の情報の検知器固定装
   置において、上記支持台（１１）は、互いに組み合わされた第１部材（１１ａ）
   と第２部材（１１ｂ）とから少なくともなり、上記第１部材（１１ａ）は、上記
   支持台（１１）を上記固定リング（５）に対して不動化し、上記第２部材（１１
   ｂ）は、上記支持台（１１）上における上記検知器（１０）の案内と不動化との
   機能を併せ持つことを特徴とする軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
2. 【請求項２】 上記第１部材（１１ａ）は、上記固定リング（５）に取付けられていることを
   特徴とする、請求項１に記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
3. 【請求項３】 上記第２部材（１１ｂ）は、上記検知器（１０）を包囲するための、ほぼ平行
   ６面体状をなす骨組（２０）からなり、上記骨組（２０）は、上記検知器（１０
   ）を上記骨組（２０）と向きが整合するように案内し、上記検知器（１０）の挿
   入を容易にする、上記検知器（１０）と協動する案内の縁からなる入口を有する
   ことを特徴とする、請求項１または２に記載の軸受または軸受台用の情報の検知
   器固定装置。
4. 【請求項４】 上記第２部材（１１ｂ）は、上記検知器（１０）を装着するための案内レール
   （２０ｂ）と、上記検知器（１０）と協動して上記検知器（１０）を所定の位置
   に固定する弾性舌状片（２１）とを有することを特徴とする、請求項１から３の
   いずれか１つに記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
5. 【請求項５】 上記第２部材（１１ｂ）は、異なる上記第１部材（１１ａ）への組付けと、上
   記第２部材（１１ｂ）の上記第１部材（１１ａ）への半径方向、軸方向または斜
   め方向の装着を可能にする、異なる向きに応じた組付けとの、少なくとも一方を
   可能にする固定部材（１３、１９）を有することを特徴とする、請求項１から４
   のいずれか１つに記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
6. 【請求項６】 上記第１部材（１１ａ）は、上記固定リング（５）へ嵌め込まれるカラー部（
   １５）を有する環状の円盤（１４）からなることを特徴とする、請求項１から５
   のいずれか１つに記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
7. 【請求項７】 上記環状の円盤（１４）は、軸受または軸受台の防水パッキン（８）と協動す
   るように変向された領域を有し、上記環状の円盤（１４）と上記カラー部（１５
   ）の上記防水パッキン（８）に対向する面は、上記防水パッキン（８）の防水リ
   ップと協動するように適合された状態の面を有して、動的な防水性を実現するこ
   とを特徴とする、請求項６に記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置
   。
8. 【請求項８】 上記第１部材（１１ａ）と上記第２部材（１１ｂ）は、鋼およびプラスチック
   材料のような種々の材料で形成されることを特徴とする、請求項１から７のいず
   れか１つに記載の軸受または軸受台用の情報の検知器固定装置。
9. 【請求項９】 上記第１部材（１１ａ）と上記第２部材（１１ｂ）は、溶接によって組み立て
   られることを特徴とする、請求項１から８のいずれか１つに記載の軸受または軸
   受台用の情報の検知器固定装置。