JP2002508343A - 芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法

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エドワーズ,チヤールズ・リー
ジユーン,レイモンド・ローレンス
ポツター,マイケル・ウエイン
シンプソン,エドワード・ジエイムズ
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シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
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Abstract

(57)【要約】 例えばテレフタル酸の製造方法が提供される。該方法には、ジアルキル置換芳香族化合物と有機酸溶媒を含む供給原料流を送り込む段階;ジルコニウムおよびコバルトを含む触媒系の存在下、約80℃〜約130℃の温度で、酸素分圧1psi以上で50体積%以上の酸素を含む蒸気流と前記供給原料流とを接触させる段階であって、該接触を撹拌槽リアクタ中で行う段階;前記撹拌槽リアクタから、有機酸および水を含む蒸気流を取り出す段階;前記蒸気流から少なくとも一部の有機酸と水を凝縮させる段階;前記蒸気流から分離した有機酸から、少なくとも一部の水を分離する段階;前記凝縮有機酸の少なくとも一部を撹拌槽リアクタに戻す段階;撹拌槽リアクタから、二酸置換芳香族化合物を含むリアクタ生成物を連続的に回収する段階;二酸置換芳香族化合物の固体結晶をリアクタ生成物から単離する段階;ならびに純度97%以上の二酸置換芳香族化合物を、二酸置換芳香族化合物の固体結晶から回収する段階がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、芳香族ジカルボン酸類の製造方法に関する。
【0002】 (背景技術) 米国特許3299125号には、芳香族二酸製造のための触媒系であって、2
種類の金属の組み合わせを利用するものが提案されている。その金属の一方はコ
バルトであり、他方はジルコニウムを含む群からのものである。その触媒系は、
80℃〜130℃の好ましい範囲の温度でのパラキシレンのテレフタル酸への酸
化において有効であることが明らかになっている。その温度範囲は、他の触媒系
を用いた場合に必要な温度よりかなり低いものである。その酸化は、酢酸および
水などの溶媒中で行い、反応媒体に酸素または空気を吹き込む。120℃では、
パラキシレンを60〜80%でテレフタル酸に変換するのに、8時間の反応時間
が必要である。触媒としてコバルトとジルコニウムの組み合わせを用いた場合、
示されたテレフタル酸の最高収率は88%であった。この特許には、該触媒系の
利点として、触媒系でハライド系助触媒を使用せずに済むことから、リアクタ系
における金属製錬に関する(metallurgy)要件が大幅に減少する点が挙げられて
いる。
【0003】 米国特許3700731号には、滞留時間が240分程度であり、生成物の連
続的抜き取りならびに未反応供給原料および部分酸化中間体の循環を行う、連続
撹拌槽リアクタで反応を行うパラキシレンのコバルト触媒酸化が提案されている
。該反応系の圧力は、全ての反応物が液体状態に保たれるような圧力であり、空
気または最高50%までの酸素豊富空気が酸化剤として好ましい。リアクタから
取り出した生成物は非常に純度が低く、テレフタル酸結晶の純度は約85%であ
り、多量の部分酸化中間体が液相に溶解している。テレフタル酸は、冷却反応生
成物から結晶を濾取し、次に液体をリアクタに戻して循環させることで、反応生
成物から取り出される。濾取結晶を、200℃〜300℃で約10分以上酢酸な
どの溶媒と接触させることで「消化」させ、消化結晶を約100℃で濾過し、熱
水または酢酸で洗浄する。これらの工程操作により、酸化リアクタへのかなり多
量の部分酸化中間体の循環流が生じる。最終生成物であるテレフタル酸は、98
〜99%の純度であって、原料のパラキシレンに基づいた収率が95%(モル基
準)であると言われている。パラキシレンのテレフタル酸への酸化は非常に発熱
的であるが、この特許では該酸化反応の冷却法については記載がない。撹拌下の
槽リアクタの十分な冷却を実験室環境で行うことはできるが、生成するテレフタ
ル酸は反応溶液にあまり溶けないことから、そのような冷却は商業的反応系の設
計において重要な要素である。従って、熱交換表面の温度が反応混合物の温度よ
りかなり低い場合には、熱交換表面上に結晶が沈殿して、熱除去が効率的に行わ
れなくなる場合がある。
【0004】 市販のテレフタル酸のほとんどが、米国特許2833816号の改良版によっ
て生産される。該特許は、コバルト塩およびマンガン塩の触媒の組み合わせなら
びに臭素などのハライド系助触媒を提案するものである。その系では、酢酸媒体
中、170℃〜210℃の範囲の温度でパラキシレンを空気と接触させ、いわゆ
る「粗」テレフタル酸を生成する。時間が経つに連れて、これらの系は改良され
て、酸化剤接触時間45〜90分間で、パラキシレン供給原料に基づいた収率が
大体95〜96%で、代表的純度98〜99.5%の粗テレフタル酸が製造され
るようになった。しかしながらこの系では、生成テレフタル酸5〜10ポンド/
100ポンドの範囲でのかなりの酢酸分解が生じるという問題がある。さらに、
酢酸およびハライド助触媒は非常に腐食性が高く、より高度な製錬、すなわちチ
タンを使用する必要がある。酢酸の損失およびチタン製錬のために、製造コスト
が大幅に押し上げられる。
【0005】 米国特許5523474号には、酢酸媒体中でのパラキシレン酸化用の臭素を
助触媒とする触媒系が提案されている。リアクタ設計はいわゆる液体酸素リアク
タ(LOR)であり、純度50〜100体積%の酸素豊富空気を利用するもので
ある。記載されている利点には、酢酸分解が少ないこと、早期リアクタ運転停止
の減少などがある。該特許には、チタン製錬を必要とする臭素を助触媒とする系
について記載されているが、業界で公知であって指針(National Fire Protecti
on Association 53 Guide on Fire Hazards in Oxygen-Enriched Atmospheres 1
994 Edition)に示されているような、酸素豊富空気とチタンの不適合性に関連 する重大な可燃性の懸念については言及されていない。
【0006】 上記の各酸化法において、単離後に得られるテレフタル酸固体は通常、「粗」
テレフタル酸と称される。粗テレフタル酸は最高99.5%の純度を有し、主要
な不純物としては、4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、4−CBAと称す
る)、パラトルイル酸(以下、pTAと称する)および着色物質である。そのよ
うな生成物は、最も代表的には水素化処理および再結晶による追加精製を行わな
ければ、ポリエステル繊維や瓶用樹脂向けにそのまま使用できるだけの純度のも
のではない。そのような精製法の例は、米国特許3584039号である。
【0007】 メタキシレンの酸化によるイソフタル酸の製造も、商業的はかなり興味深いも
のである。イソフタル酸は代表的には、テレフタル酸について用いられるものと
同様の方法によって製造される。
【0008】 そこで、これらジカルボン酸芳香族化合物の製造方法であって、高いパラキシ
レン収率および変換率を得ることができ、チタン製装置が必要なく、溶媒酸化が
少ない方法を得ることが望ましいと考えられる。従って本発明の目的は、収率お
よび変換率が高く、結晶純度が高く、溶媒分解損失が少なく、低温酸化反応系で
還流冷却を利用することができる、芳香族二酸類の改良された製造方法を提供す
ることにある。
【0009】 本発明の好ましい実施態様の目的は、テレフタル酸、イソフタル酸ならびにテ
レフタル酸とイソフタル酸の混合物の改良された製造方法を提供することにある
【0010】 (発明の開示) 上記および他の目的は、純度97%以上で二酸置換芳香族化合物を製造する方
法において、ジアルキル置換芳香族化合物と有機酸溶媒を含む供給原料流を送り
込む段階;ジルコニウムおよびコバルトを含む触媒系の存在下、80℃〜130
℃の温度で、酸素分圧1psi以上で50体積%を超える酸素を含む蒸気流と前
記供給原料流とを接触させる段階であって、該接触を撹拌槽リアクタ中で行う段
階;前記撹拌槽リアクタから、有機酸および水を含む蒸気流を取り出す段階;前
記蒸気流から少なくとも一部の有機酸と水を凝縮させる段階;前記蒸気流から分
離した有機酸溶媒から、少なくとも一部の水を分離する段階;前記分離した有機
酸の少なくとも一部を撹拌槽リアクタに戻す段階;撹拌槽リアクタから、二酸置
換芳香族化合物を含むリアクタ生成物を連続的に回収する段階;二酸置換芳香族
化合物の固体結晶をリアクタ生成物から単離する段階;ならびに純度97%以上
の二酸置換芳香族化合物の結晶を、新鮮な溶媒と接触した結晶から回収する段階
を有することを特徴とする方法によって達成される。溶媒蒸気の除去および凝縮
溶媒の一部の循環による還流冷却とともに、本発明の実施において、酸素または
かなり酸素豊富な空気を用いることで、当該酸化反応における有効な酸素分圧が
得られ、リアクタにおいて熱交換表面を設ける必要がない。還流からの水除去は
、酸化反応によって生成した水を追い出す有効な方途を提供するものである。
【0011】 該方法は好ましくは、150℃〜250℃の温度で約10〜60分間にわたり
、二酸置換芳香族化合物の単離固体結晶を新鮮な溶媒と接触させる段階をも有す
るものである。その新鮮な溶媒は好ましくは、該溶媒中での酸化副生成物濃度が
あまり高くない水または有機酸である。
【0012】 好ましい実施態様では、前記アルキル置換芳香族化合物は、酸化されてテレフ
タル酸となるパラキシレンおよび/または酸化されてイソフタル酸となるメタキ
シレンである。
【0013】 図1は、本発明を利用する芳香族カルボン酸類の製造方法の工程フローチャー
トである。
【0014】 図2は、実施例9に関わる操作の圧力計算値を示すグラフである。
【0015】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明の方法は、芳香族アルキル基を酸化してカルボキシル基とする上で特に
有効であることが認められている酸化触媒を利用するものである。該触媒系は、
コバルト化合物とジルコニウム化合物の組み合わせである。コバルトとジルコニ
ウムは、反応媒体に可溶の形態であることができる。そのような可溶形態の例と
しては、有機酸塩類、塩基性塩類、錯化合物類およびアルコレート類などがある
。コバルトの量は通常、反応溶液中0.01〜1モル量である。コバルトのジル
コニウムに対する比は好ましくは、15:1モル比以下であり、より好ましくは
10:1〜5:1モル比である。触媒は、反応物とともに、あるいは別個に反応
混合物に加えることができる。触媒は好ましくは、例えば沈殿および/または濾
過によって所望の生成物を取り出した後に溶液を循環させることで、反応物の溶
液から循環させる。
【0016】 本発明の触媒系には、他の金属および助触媒が存在していても良いが、2金属
系が有効であることが認められている。例えば、ハライド系助触媒を含有させる
ことができるが、金属製錬の要件が大きくなることで、活性の上昇が相殺される
ことが認められている。従って、ハライド系助触媒を存在させないことが好まし
い。
【0017】 図1について説明すると、本発明によって酸化される化合物は、リアクタ(1
)に送り込まれるジアルキル置換芳香族化合物である。ジアルキル置換芳香族化
合物を触媒材料と組み合わせることができるか、あるいは触媒材料を別個にリア
クタに加えることができると考えられる。得られる生成物が商業的に貴重である
ことから、パラキシレンおよびメタキシレンが特に好ましいジアルキル置換芳香
族化合物である。パラキシレンとメタキシレンの混合物も商業上有用である。エ
チルベンゼンおよびトルエンも、未精製キシレン流中に含有されている場合があ
る。上記置換芳香族化合物の各種酸化中間体を原料供給材料として用いることも
できると考えられ、それには例えば、所望の生成物がテレフタル酸の場合には、
パラトルイル酸、パラトルアルデヒドまたは4−カルボキシベンズアルデヒドが
ある。本発明の供給原料は、原料流(a)において有機酸溶媒の溶液で供給され
る。好ましい有機酸には、1個のカルボキシル基を有する炭素数2〜4の有機酸
類などがある。好ましいリアクタ温度での蒸気圧および溶媒能力から、最も好ま
しい溶媒は酢酸である。それらの有機酸類は、供給原料成分、触媒系成分および
中間生成物の濃度が妥当な溶媒である。供給原料は好ましくは、5〜25重量%
の溶液として供給される。
【0018】 ジアルキル置換芳香族は、酸素分圧1psi〜20psi、好ましくは3〜1
5psiで、蒸気(b)にてリアクタ(1)に加えられる50体積%以上の酸素
を初期に含有する蒸気(b)によって酸化される。反応系の合計圧力が、80℃
〜130℃、より好ましくは110℃〜120℃の温度での反応系の還流冷却が
可能となる程度の低圧とするには、50体積%を超える酸素が必要である。還流
冷却は、沸騰およびガス除去による液相成分の気化の結果であり、排気流(c)
を生じる。還流冷却により、反応温度が均一になり、リアクタ全体での温度差は
静頭および溶液の組成における若干の局所的差によるもののみとなる。さらに還
流冷却により、反応容器内で冷却面がなくなる。本発明の酸化生成物は冷却面で
沈殿し、その面を汚す傾向があると考えられることから、反応容器内で冷却面を
なくすことは重要である。さらに、反応温度が均一であると望ましくない副反応
が減少することから、本発明において反応温度が均一であることは望ましい点で
ある。蒸気流(b)は、リアクタにおける液高さに吹き込むことができ、リアク
タからの排気流(c)中の凝縮できない蒸気は循環または排気されるが、排気流
(c)中の凝縮可能な溶媒および水の蒸気は熱交換機(2)で凝縮されて回収さ
れる。凝縮液体の一部はリアクタに戻すことができ、一部は溶媒回収系(3)に
送って、溶媒/水混合物からの水の除去を行うこともできる。
【0019】 本発明の反応は、実質的に連続的に反応物添加および生成物抜き取りを行いな
がら、撹拌槽リアクタ(1)で行う。実質的に連続撹拌される槽リアクタを用い
ると、バッチ式リアクタや栓流式リアクタと比較して、生成物純度がかなり高く
なる。有用なリアクタには邪魔板を設けて、リアクタ中での吹き込み蒸気と液体
との接触を向上させて、完全な撹拌槽リアクタとしないようにすることができる
。しかしながら好ましくは、かなりの部分の体積に対して、羽根車やジェットを
用いて、かなりの逆混合および撹拌を行う。ハライド系助触媒の必要性がなくな
り、反応が比較的低温で行われることから、反応媒体の腐食性はさほど高くない
。それにより、接触部の主要材料としてステンレス鋼金属を用いることが可能と
なる。ステンレス鋼の使用は、コストおよび高酸素濃度環境での安全性から、チ
タンより有利である。経済的理由から、ステンレス鋼を接触材料としての内側被
覆材として構成し、外側層を比較的安価な炭素鋼とすることができる。リアクタ
設計も、液/気界面より下において効率的に、ほぼ完全な酸素消費を実現するも
のでなければならない。気相のガス混合物を不燃性とするだけの量の窒素を、液
/気界面付近に吹き込むことができる。所望に応じて、窒素による希釈後に、未
消費の酸素(f)を適宜使用される予備反応リアクタ(10)中で供給原料流と
接触させて、酸素がほとんどまたは完全に利用されるようにすることができる。
【0020】 アルキル芳香族の酸素流による酸化によって、反応水が生成する。その反応水
は、15重量%未満、好ましくは3〜10重量%の濃度まで系中に蓄積させるこ
とができる。本発明の触媒系は、比較的多量の水の存在に対して驚くほど感受性
が高いことが認められている。供給原料流に若干量の水を含有させて、反応物の
溶解度を制御したり、リアクタの温度および冷却を制御する目的で存在する反応
水を補給することもできる。
【0021】 液体と固体の両方を含んだリアクタ内容物の未気化部分は、材料流(d)とし
て実質的に連続的に抜き取られ、好適な固/液分離装置(4)に送られ、それか
ら若干量の溶媒を含む芳香族カルボン酸結晶(g)と母液(h)とが得られる。
固/液分離装置は、液体から固体結晶を効果的に単離するものであり、場合によ
っては、好適な溶媒で結晶を洗浄する手段であることもできる。固/液分離を行
う温度は好ましくは30℃〜130℃であり、より好ましくは50℃〜80℃で
ある。許容される洗浄液の例としては、低級カルボン酸類およびそれの水溶液、
ならびに水などがある。酢酸が最も好ましく、その含水率は15%未満である。
好適な固/液分離装置の例としては、遠心機および圧力フィルターがある。結晶
洗浄が主目的である場合に高温・高圧では、メルコ・ディスクノズル(Merco Di
sc-Nozzle)遠心機(Dorr-Oliver, Milford, Connecticut)が、固/液分離装置
として特に好ましい低コストの選択肢である。芳香族二酸の固体結晶を十分に洗
浄した後、それに対して連続撹拌槽(5)中での追加の結晶浸漬操作を行うこと
もできる。所望に応じて、別の新鮮な溶媒(i)を加える。新鮮溶媒は熱水、有
機酸またはそれらの混合物であることができるが、好ましくは部分酸化アルキル
芳香族化合物をあまり多く含まないものとする。最も好ましいものは、95/5
〜90/10(重量基準)酢酸/水混合物である。結晶浸漬操作を行う温度は、
好ましくは150℃〜250℃であり、最も好ましくは180〜220℃である
。結晶浸漬段階における接触時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ま
しくは10〜60分である。芳香族供給原料の溶媒に対する比は、好ましくは1
:1(重量基準)〜1:10であり、より好ましくは1:2〜1:5である。得
られる結晶はスラリー(j)として排出される。結晶浸漬操作を酢酸存在下で行
う場合、好ましくは窒素を用いて不活性環境を形成することで、酢酸の酸化分解
および芳香族酸結晶の変色を防止する。
【0022】 芳香族供給原料がメタキシレンの場合、結晶浸漬操作を、やはり連続撹拌槽中
、より温和な条件で行うことができる。本発明のこの実施態様では、結晶浸漬操
作を行うことができる温度は、好ましくは120℃〜220℃、より好ましくは
140℃〜200℃である。
【0023】 最初の結晶浸漬を芳香族カルボン酸結晶について行った後、追加の固/液分離
操作(6)を分離装置(6)で行って、溶媒(l)と結晶流(k)を得ることが
できる。結晶流(k)は、結晶浸漬/後酸化容器(7)および/または乾燥機(
9)中でさらに処理するか、あるいは所望に応じてそれ以上の処理を行わずに使
用することができる。
【0024】 結晶浸漬/後酸化容器(7)でさらに処理を行う場合、固/液分離装置(6)
で使用する洗浄液は好ましくは水であり、固/液分離装置には、ケーキ形成のた
めの手段を取り付けなければならない。それを行う場合、結晶の溶媒による汚染
は実質的になく、その後結晶を水系媒体中で再分散する。そのような操作はイソ
フタル酸の場合に特に好ましい。その固/液分離を行うことができる温度は、好
ましくは50℃〜180℃であり、より好ましくは80℃〜130℃である。そ
の温度範囲は特に、メタトルイル酸および3−CBAなどの酸化中間体のイソフ
タル酸結晶への再堆積が防止されるという利点を有する。
【0025】 結晶浸漬/後酸化容器(7)として連続撹拌容器を利用する場合、結晶の浸漬
ならびにイソフタル酸の場合の酸化中間体不純物、すなわち3−CBAおよびメ
タトルイル酸のさらなる酸化の手段としての空気(n)と芳香族二酸結晶とを接
触させることができる。後酸化/結晶浸漬操作を行う温度は、好ましくは120
°〜220℃であり、より好ましくは150℃〜200℃である。後酸化/結晶
浸漬段階における接触時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは
10〜60分である。芳香族供給原料の水に対する比は、好ましくは1:1(重
量基準)〜1:10であり、より好ましくは1:2〜1:5であって、それは水
(o)を加えることで調節可能である。後酸化操作終了後、湿った芳香族二酸結
晶(m)を、最終固/液分離および分離装置(8)中での洗浄によって単離して
、湿芳香族二酸(p)、回収溶媒(q)を得て、乾燥機(9)で乾燥することで
、芳香族二酸(r)を得る。本発明の実施においてその二酸は、97重量%を超
える純度を有するものである。固/液分離を行うことができる温度は、好ましく
は50℃〜180℃であり、より好ましくは80℃〜130℃である。後酸化段
階は、各メタ異性体類の水での溶解度が比較的高いことから、イソフタル酸の製
造において特に効果的であることが認められる。このように溶解度が高いことで
、必要な操作/浸漬温度が低くなり、着色物形成が防止される。後酸化段階では
触媒を加える必要はなく、得られるイソフタル酸生成物を、それ以上精製せずに
ポリエステル用途にそのまま利用することができる。
【0026】 留意すべき点として、そのような後酸化操作は、テレフタル酸およびテレフタ
ル酸とイソフタル酸の混合物についても行って、不純物をさらに低減することが
できる。そのような操作により、酸化中間体および着色物についての規格が比較
的緩やかな一部のポリエステル用途に有用な生成物を得ることができる。
【0027】 有機酸流(e)、(h)、(l)および(q)の一部を、リアクタ(1)に戻
すか、あるいは溶媒回収・脱水系(3)に送ることができる。溶媒脱水系(3)
により、材料流(s)(主として水)、材料流(t)(主として精製酢酸)およ
び材料流(u)(主として、重い最終残留物および回収触媒)が生じる。
【0028】 実施例1 温度約110℃〜130℃、滞留時間1〜2時間であって、供給原料流を5〜
20重量%のパラキシレンの酢酸溶液とし、触媒系を酢酸ジルコニウム[ZrO
*(AcO)]およびコバルト濃度0.05〜0.15モル量とし、コバルト
/ジルコニウム比を7:1としながら連続的な供給原料添加および生成物除去を
行って、316ステンレス製リアクタを操作した。リアクタを冷却コイルで冷却
し、液面下に入れた管からリアクタに空気を吹き込んだ。触媒およびパラキシレ
ン供給原料を含む酢酸溶液を、容積式流量測定ポンプを用いて送り、リアクタ底
部にある制御弁からのパルス流で、生成物を連続的に抜き取った。ガス供給速度
は、マスフローコントローラを用いてモニタリングした。圧力は約240psi
に維持した。一部の操作では、供給原料に、5重量%以下の濃度で水を加えた。
リアクタには、空気駆動式ガス分散羽根車を取り付けた。
【0029】 冷却コイルを用いて温度を十分に制御しながら、リアクタ内部を点検したとこ
ろ、冷却コイル上でひどい汚れが生じていることが認められた。そのような汚れ
は商業システムを操作不能とし、操作を続けて行うには蒸発冷却を使用する必要
があるものと推測された。
【0030】 連続リアクタからの生成物を冷却して約50℃とし、沈殿をフィルターで回収
した。沈殿と95:5(重量基準)酢酸/水とを110℃で30分間にわたって
混合することで、沈殿を分析用に準備した。得られた結晶について分析したとこ
ろ、純度97重量%以下のテレフタル酸が得られ、最も重要な不純物はパラトル
イル酸と4−CBAであった。排出ガスのサンプルについて定期的に、ガスクロ
マトグラフィーによって、酸素(O)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素
(CO)の分析を行った。液体および固体の生成物について、水/アセトニト
リル/メタノールの勾配溶離プログラムを行う25cm×4.6mmのC18カ
ラムを用いるHPLCによる分析を行った。
【0031】 実験から得られた結果は表1に報告してある。メチル基の変換率は下記式のよ
うに定義し、
【0032】
【数1】
【0033】 下記式のように排出ガス分析から計算した(LPM=リットル/モル)。
【0034】
【数2】
【0035】 この場合、GCに基づく排出ガス分析を行って、排出ガス中の酸素、一酸化炭
素および二酸化炭素の濃度を求めた。燃焼率は以下のように定義する。
【0036】
【数3】
【0037】 この場合もやはり、排出ガス分析を行って、二酸化炭素生成率を計算し、上記
の変換率から、キシレン変換率を計算した。燃焼生成物はいずれも、供給原料中
のキシレンに割り当てられた。酢酸燃焼の別の仮定が成り立つ場合には、分子の
炭素含有率のみが異なることで、異なる数値となると考えられる。炭素酸化物(
CO+CO)の排出ガス中の合計濃度は約0.8%であった。
【0038】 具体的な例では、触媒濃度0.137モル量コバルトおよびCo/Zr比7:
1で、120℃および240psiにて、リアクタを操作した。供給流中のパラ
キシレンは9重量%であった。リアクタ中での液相滞留時間(残留時間)は12
0分であった。結果は表1に示してある。この例では、メチル基変換率は88%
であり、約1.7%のパラキシレン分子が排出ガス流で失われた。これは、酢酸
分解が無視できる程度であると仮定した場合に、パラキシレンに基づく反応選択
性98.3%に相当するものである。少量の酢酸が反応系で分解すると、実際の
選択性はそれより高い値となるはずである。この例からの洗浄結晶は純度96.
6%であり、2.2%のパラトルイル酸および1.1%の4−CBAを含んでい
た。得られた結晶は、明白色の微粉末であった。
【0039】 実施例2(比較例) 実施例1に記載の装置で、13%パラキシレンの酢酸中混合物をオートクレー
ブに充填することで、120℃および290psiにて、バッチ式酸化を行った
。酢酸に対して0.1モル量の濃度で、コバルト/ジルコニウム比7:1(モル
比)にて、酢酸コバルトを加えた。窒素/空気の混合流を開始し、触媒が活性化
されたら窒素を停止することで、酸化を行った。酸化反応を約1.5時間行い、
その後、空気の導入を停止した。120℃の間に、容器底部にある多孔質フリッ
トを用いて容器から母液を抜き取った。次に熱酢酸を用いて結晶を再度スラリー
とし、120℃で約5分間洗浄した。乾燥後、得られたテレフタル酸結晶の純度
は約84.6%であり、4−CBAが5.7%、pTAが9.7%含まれていた
。実験が不安定であったために、正確な気相分析値を得ることができなかった。
【0040】 実施例3 実施例1で用いた装置で酸化反応を行った。反応圧を下げて55psiとし、
容器の操作は、120℃で120分の滞留時間にて行った。氷酢酸中のコバルト
触媒の濃度は0.1モル量であり、Co/Zr比は7:1であった。排出酸素濃
度が4%(体積基準)の場合、乾燥排出ガスでの酸素分圧はわずかに2.2ps
iであった。表1に示したように、変換率は32.4%であり、芳香族化合物の
燃焼率は4.6%であった。この酸素欠乏条件下では、芳香族化合物の燃焼率は
非常に高く、反応生成物中にほとんど固体は存在しておらず、生成物でテレフタ
ル酸に変換されたものはごくわずかであったことが示された。
【0041】 実施例4 95:5(重量基準)パラキシレン/メタキシレンの氷酢酸中混合物(濃度1
3%)を用いて、実施例1と同様にして、酸化反応を行った。触媒は0.1モル
量のコバルトであり、Co/Zr比は7:1であった。温度および圧力はやはり
、120℃および240psiとし、滞留時間は108分とした。この反応の生
成物は、テレフタル酸とイソフタル酸の混合物の結晶であり、二酸の純度は93
.3%であった。結晶の残りの組成は、かなりの部分が6.7%のpTAと2.
0%の4−CBAであり、低濃度のmTAおよび3−CBAが含まれていた。表
1に示したように、変換率は95.1%であり、芳香族化合物燃焼率は1.2%
であり、酢酸分解がないと仮定すると、キシレン選択性が98.8%であること
が示された。得られた結晶は、明白色の微粉末であった。
【0042】 実施例5 100%メタキシレンを用いて、実施例4と同様にして酸化反応を行った。ユ
ニットの操作は、120℃および240psiで、滞留時間115分にて行った
。触媒は0.1モル量の酢酸コバルトであり、コバルト/ジルコニウムのモル比
は7:1であった。表1に示したように、高いメチル基変換率が得られ、その触
媒系が、パラキシレンよりメタキシレンの場合で若干活性が高いことが示唆され
た。燃焼率は1.5%であり、メタキシレンに元づく選択性が98.5%である
ことが示された。生成物のイソフタル酸結晶の純度は98.8%であり、テレフ
タル酸の場合と比較して、純度がかなり高いことが示された。得られた結晶は明
白色の微粉末であった。
【0043】 実施例6(比較例) ハライドを助触媒とする酸化を行って、2種類の触媒系の相対的燃焼損失を比
較した。実施例1に記載のステンレス製ユニットと同様にして、ハストアロイ(
Hastalloy)Cリアクタを構成し、最初に酢酸と触媒(Co/Mn/Br)を充 填する半バッチ式で操作した。反応物の初期濃度が高くなるのを回避するため、
パラキシレンは、70g/時の速度でリアクタに連続的に供給した。触媒の調合
は、酢酸マンガン・4水和物0.52g、酢酸コバルト・4水和物0.18gお
よび水17.5gを含有する酢酸280gに溶かした48%HBr溶液0.29
gとした。触媒と溶媒を最初にリアクタに充填し、205℃および420psi
で酸化を行った。パラキシレンの導入が完了した後、温度を185℃まで下げ、
さらに15分間の後酸化によって酸化を完了させて、母液中に残留している部分
酸化化学種をなくし、部分的に結晶の熟成を行った。表1に示した結果から、燃
焼損失3.6%で、パラキシレンがほぼ完全に変換されていることが明らかであ
る。この場合、燃焼損失はパラキシレンと酢酸の両方によるものであると考えら
れることがわかっている。実施例1および3〜5と比較して、損失は、本発明の
場合の損失量の2倍より大きい。
【0044】 実施例7 実施例1、4および5に示した酸化方法によって結晶が得られ、それに対して
、結晶の部分溶解および再沈殿が可能となるだけの時間にわたって、比較的高温
の洗浄流への曝露を行うことで、さらに精製することができる。
【0045】 実施例1からの酸化生成物のサンプルを、酢酸/テレフタル酸比9:1で酢酸
と合わせ、N雰囲気下の連続撹拌リアクタ中、30分間の滞留時間で200℃
まで加熱した。得られたスラリーを冷却して約100℃とし、濾過した。原料は
純度91.7%のテレフタル酸であり、5.8%のpTAおよび2.9%の4−
CBAを含有していた。結晶浸漬段階後、結晶の純度は98.4%テレフタル酸
となり、pTAの量は0.88%、4−CBAの量は0.72%となった。結晶
は明白色の微粉末であり、見た目では原料と比べてかなり変化していた。
【0046】 実施例8 実施例5からの酸化生成物のサンプルを酢酸/イソフタル酸比9:1で酢酸と
合わせ、N雰囲気下の連続撹拌リアクタ中、30分間の滞留時間で200℃ま
で加熱した。得られたスラリーを冷却して約100℃とし、濾過した。原料は純
度98.8%のイソフタル酸であり、0.92%のmTAおよび0.24%の3
−CBAを含有していた。結晶浸漬段階後、結晶の純度は99.98%イソフタ
ル酸となり、mTAは検出されず、3−CBAの量は0.02%となった。結晶
は明白色の微粉末であり、原料と比べてほとんど変化はなかった。
【0047】 実施例9 主要酸化装置を低圧で操作することで、還流冷却を利用できるようにすること
が必要であることは、コンピュータシミュレーションによって最も容易に示され
る。断熱的に操作されるRSTOICブロックを用いるアスペン(Aspen)9. 3シミュレーションを用いて、主要酸化装置のモデル構築を行った。RSTOI
Cブロックからの排出液を断熱的に排出させて、蒸気流と液体流とを得た。凝縮
した塔頂生成物と酢酸脱水カラムとの組み合わせで複雑になるのを避けるため、
20%を超える水を含む還流液は、単にリアクタに戻した。フラッシャーからの
液体部分を生成物として取り出した。フラッシャーから出る蒸気部分は冷却し、
液体凝縮物をリアクタに戻した。この酸化装置モデルを操作して、二酸化炭素へ
の燃焼損失3%でパラキシレンの変換率99.9%を得た。空気を供給して、排
出ガスに乾燥ガス基準で3.5%の酸素が含まれ、供給液には酢酸中でパラキシ
レン15%および水5%が含まれるようにした。一連の圧力で行ったシミュレー
ションの結果を図2に示してある。得られた結果から、130℃より低い温度で
、操作可能な酸素分圧(酸素分圧>1psi、好ましくは>10psi)を維持
するには、酸素豊富供給原料を送って、沸騰によるリアクタの冷却ができるよう
にする必要があることが明らかである。空気によって必要な酸素分圧を得るには
比較的高い圧力が必要となるため、リアクタ内容物の沸騰が妨げられると考えら
れる。
【0048】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を利用する芳香族カルボン酸類の製造方法の工程フローチャートである
【図2】 実施例9に関わる操作の圧力計算値を示すグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年12月15日(1999.12.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 市販のテレフタル酸のほとんどが、米国特許2833816号の改良版によっ
て生産される。該特許は、コバルト塩およびマンガン塩の触媒の組み合わせなら
びに臭素などのハライド系助触媒を提案するものである。その系では、酢酸媒体
中、170℃〜210℃の範囲の温度でパラキシレンを空気と接触させ、いわゆ
る「粗」テレフタル酸を生成する。時間が経つに連れて、これらの系は改良され
て、酸化剤接触時間45〜90分間で、パラキシレン供給原料に基づいた収率が
大体95〜96%で、代表的純度98〜99.5%の粗テレフタル酸が製造され
るようになった。しかしながらこの系では、生成テレフタル酸0.05〜0.1
kg/kg(5〜10ポンド/100ポンド)の範囲でのかなりの酢酸分解が生
じるという問題がある。さらに、酢酸およびハライド助触媒は非常に腐食性が高
く、より高度な製錬、すなわちチタンを使用する必要がある。酢酸の損失および
チタン製錬のために、製造コストが大幅に押し上げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】 米国特許5523474号には、酢酸媒体中でのパラキシレン酸化用の臭素を
助触媒とする触媒系が提案されている。リアクタ設計はいわゆる液体酸素リアク
タ(LOR)であり、純度50〜100体積%の酸素豊富空気を利用するもので
ある。記載されている利点には、酢酸分解が少ないこと、早期リアクタ運転停止
の減少などがある。該特許には、チタン製錬を必要とする臭素を助触媒とする系
について記載されているが、業界で公知であって指針(National Fire Protecti
on Association 53 Guide on Fire Hazards in Oxygen-Enriched Atmospheres 1
994 Edition)に示されているような、酸素豊富空気とチタンの不適合性に関連 する重大な可燃性の懸念については言及されていない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】 上記の各酸化法において、単離後に得られるテレフタル酸固体は通常、「粗」
テレフタル酸と称される。粗テレフタル酸は最高99.5%の純度を有し、主要
な不純物としては、4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、4−CBAと称す
る)、パラトルイル酸(以下、pTAと称する)および着色物質である。そのよ
うな生成物は、最も代表的には水素化処理および再結晶による追加精製を行わな
ければ、ポリエステル繊維や瓶用樹脂向けにそのまま使用できるだけの純度のも
のではない。そのような精製法の例は、米国特許3584039号である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 メタキシレンの酸化によるイソフタル酸の製造も、商業的はかなり興味深いも
のである。イソフタル酸は代表的には、テレフタル酸について用いられるものと
同様の方法によって製造される。 米国特許3562318号には、ジルコニウムおよびコバルトを含む触媒系の
存在下、0.1〜0.5モル/Lのメチレン系ケトンまたはアルデヒドを含む開
始剤の存在下に、溶媒としての酢酸中でp−キシレンを酸化することでテレフタ
ル酸を製造するバッチ式の方法が開示されている(D1、第2欄、8〜33行お
よび実施例I、VおよびVI)。開始剤の存在は、D1、第3欄、32〜35行
から導き出すことができる必須の技術的特徴である。D1の実施例で使用される
Co:Zrのモル比は4:1(実施例I)および2:1(実施例VおよびVI)
である。 欧州特許出願0754673号には、含コバルト触媒を用いるp−キシレンの
酸化によるテレフタル酸の製造方法であって、使用する酸溶媒(酢酸)の循環が
関与する方法が開示されている。酢酸/水蒸気流をリアクタから抜き取り、蒸留
カラムに通して、そこで水を分離・除去して、酢酸を残す。 英国特許出願1373230号にも、含コバルト触媒を用いるp−キシレンの
酸化によるテレフタル酸の製造方法であって、酢酸溶媒の循環を行う方法が開示
されている。この特許出願によれば、リアクタから抜き取った酢酸/水蒸気流を
分留領域に通し、そこで酢酸蒸気は凝縮し、水蒸気は蒸気の状態で残り、その後
凝縮した酢酸を循環する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 そこで、これらジカルボン酸芳香族化合物の製造方法であって、高いパラキシ
レン収率および変換率を得ることができ、チタン製装置が必要なく、溶媒酸化が
少ない方法を得ることが望ましいと考えられる。従って本発明の目的は、収率お
よび変換率が高く、結晶純度が高く、溶媒分解損失が少なく、低温酸化反応系で
還流冷却を利用することができる、芳香族二酸類の改良された製造方法を提供す
ることにある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 本発明の好ましい実施態様の目的は、テレフタル酸、イソフタル酸ならびにテ
レフタル酸とイソフタル酸の混合物の改良された製造方法を提供することにある
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 (発明の開示) 上記および他の目的は、純度97%以上で二酸置換芳香族化合物を製造する方
法において、ジアルキル置換芳香族化合物と有機酸溶媒を含む供給原料流を送り
込む段階;コバルト/ジルコニウムのモル比が5:1〜15:1であるジルコニ
ウムおよびコバルトを含む触媒系の存在下、80℃〜130℃の温度で、酸素分
圧1psi以上で50体積%を超える酸素を含む蒸気流と前記供給原料流とを接
触させる段階であって、該接触を撹拌槽リアクタ中で行う段階;前記撹拌槽リア
クタから、有機酸および水を含む蒸気流を取り出す段階;前記蒸気流から少なく
とも一部の有機酸と水を凝縮させる段階;前記蒸気流から分離した有機酸溶媒か
ら、水を分離する段階;前記分離した有機酸の少なくとも一部を撹拌槽リアクタ
に戻す段階;撹拌槽リアクタから、二酸置換芳香族化合物を含むリアクタ生成物
を連続的に回収する段階;二酸置換芳香族化合物の固体結晶をリアクタ生成物か
ら単離する段階;ならびに純度97%以上の二酸置換芳香族化合物の結晶を、新
鮮な溶媒と接触した結晶から回収する段階を有することを特徴とする方法によっ
て達成される。溶媒蒸気の除去および凝縮溶媒の一部の循環による還流冷却とと
もに、本発明の実施において、酸素またはかなり酸素豊富な空気を用いることで
、当該酸化反応における有効な酸素分圧が得られ、リアクタにおいて熱交換表面
を設ける必要がない。還流からの水除去は、酸化反応によって生成した水を追い
出す有効な方途を提供するものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 実施例1 温度約110℃〜130℃、滞留時間1〜2時間であって、供給原料流を5〜
20重量%のパラキシレンの酢酸溶液とし、触媒系を酢酸ジルコニウム[ZrO
*(AcO)]およびコバルト濃度0.05〜0.15モル量とし、コバルト
/ジルコニウム比を7:1としながら連続的な供給原料添加および生成物除去を
行って、316ステンレス製リアクタを操作した。リアクタを冷却コイルで冷却
し、液面下に入れた管からリアクタに空気を吹き込んだ。触媒およびパラキシレ
ン供給原料を含む酢酸溶液を、容積式流量測定ポンプを用いて送り、リアクタ底
部にある制御弁からのパルス流で、生成物を連続的に抜き取った。ガス供給速度
は、マスフローコントローラを用いてモニタリングした。圧力は約16.5バー
ル(240psi)に維持した。一部の操作では、供給原料に、5重量%以下の
濃度で水を加えた。リアクタには、空気駆動式ガス分散羽根車を取り付けた。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 冷却コイルを用いて温度を十分に制御しながら、リアクタ内部を点検したとこ
ろ、冷却コイル上でひどい汚れが生じていることが認められた。そのような汚れ
は商業システムを操作不能とし、操作を続けて行うには蒸発冷却を使用する必要
があるものと推測された。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】 具体的な例では、触媒濃度0.137モル量コバルトおよびCo/Zr比7:
1で、120℃および16.5バール(240psi)にて、リアクタを操作し
た。供給流中のパラキシレンは9重量%であった。リアクタ中での液相滞留時間
(残留時間)は120分であった。結果は表1に示してある。この例では、メチ
ル基変換率は88%であり、約1.7%のパラキシレン分子が排出ガス流で失わ
れた。これは、酢酸分解が無視できる程度であると仮定した場合に、パラキシレ
ンに基づく反応選択性98.3%に相当するものである。少量の酢酸が反応系で
分解すると、実際の選択性はそれより高い値となるはずである。この例からの洗
浄結晶は純度96.6%であり、2.2%のパラトルイル酸および1.1%の4
−CBAを含んでいた。得られた結晶は、明白色の微粉末であった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 実施例2(比較例) 実施例1に記載の装置で、13%パラキシレンの酢酸中混合物をオートクレー
ブに充填することで、120℃および20.0バール(290psi)にて、バ
ッチ式酸化を行った。酢酸に対して0.1モル量の濃度で、コバルト/ジルコニ
ウム比7:1(モル比)にて、酢酸コバルトを加えた。窒素/空気の混合流を開
始し、触媒が活性化されたら窒素を停止することで、酸化を行った。酸化反応を
約1.5時間行い、その後、空気の導入を停止した。120℃の間に、容器底部
にある多孔質フリットを用いて容器から母液を抜き取った。次に熱酢酸を用いて
結晶を再度スラリーとし、120℃で約5分間洗浄した。乾燥後、得られたテレ
フタル酸結晶の純度は約84.6%であり、4−CBAが5.7%、pTAが9
.7%含まれていた。実験が不安定であったために、正確な気相分析値を得るこ
とができなかった。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 実施例3 実施例1で用いた装置で酸化反応を行った。反応圧を下げて55psiとし、
容器の操作は、120℃で120分の滞留時間にて行った。氷酢酸中のコバルト
触媒の濃度は0.1モル量であり、Co/Zr比は7:1であった。排出酸素濃
度が4%(体積基準)の場合、乾燥排出ガスでの酸素分圧はわずかに0.15バ
ール(2.2psi)であった。表1に示したように、変換率は32.4%であ
り、芳香族化合物の燃焼率は4.6%であった。この酸素欠乏条件下では、芳香
族化合物の燃焼率は非常に高く、反応生成物中にほとんど固体は存在しておらず
、生成物でテレフタル酸に変換されたものはごくわずかであったことが示された
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】 実施例4 95:5(重量基準)パラキシレン/メタキシレンの氷酢酸中混合物(濃度1
3%)を用いて、実施例1と同様にして、酸化反応を行った。触媒は0.1モル
量のコバルトであり、Co/Zr比は7:1であった。温度および圧力はやはり
、120℃および16.5バール(240psi)とし、滞留時間は108分と
した。この反応の生成物は、テレフタル酸とイソフタル酸の混合物の結晶であり
、二酸の純度は93.3%であった。結晶の残りの組成は、かなりの部分が6.
7%のpTAと2.0%の4−CBAであり、低濃度のmTAおよび3−CBA
が含まれていた。表1に示したように、変換率は95.1%であり、芳香族化合
物燃焼率は1.2%であり、酢酸分解がないと仮定すると、キシレン選択性が9
8.8%であることが示された。得られた結晶は、明白色の微粉末であった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 実施例5 100%メタキシレンを用いて、実施例4と同様にして酸化反応を行った。ユ
ニットの操作は、120℃および16.5バール(240psi)で、滞留時間
115分にて行った。触媒は0.1モル量の酢酸コバルトであり、コバルト/ジ
ルコニウムのモル比は7:1であった。表1に示したように、高いメチル基変換
率が得られ、その触媒系が、パラキシレンよりメタキシレンの場合で若干活性が
高いことが示唆された。燃焼率は1.5%であり、メタキシレンに元づく選択性
が98.5%であることが示された。生成物のイソフタル酸結晶の純度は98.
8%であり、テレフタル酸の場合と比較して、純度がかなり高いことが示された
。得られた結晶は明白色の微粉末であった。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 実施例6(比較例) ハライドを助触媒とする酸化を行って、2種類の触媒系の相対的燃焼損失を比
較した。実施例1に記載のステンレス製ユニットと同様にして、ハストアロイ(
Hastalloy)Cリアクタを構成し、最初に酢酸と触媒(Co/Mn/Br)を充 填する半バッチ式で操作した。反応物の初期濃度が高くなるのを回避するため、
パラキシレンは、70g/時の速度でリアクタに連続的に供給した。触媒の調合
は、酢酸マンガン・4水和物0.52g、酢酸コバルト・4水和物0.18gお
よび水17.5gを含有する酢酸280gに溶かした48%HBr溶液0.29
gとした。触媒と溶媒を最初にリアクタに充填し、205℃および29.0バー
ル(420psi)で酸化を行った。パラキシレンの導入が完了した後、温度を
185℃まで下げ、さらに15分間の後酸化によって酸化を完了させて、母液中
に残留している部分酸化化学種をなくし、部分的に結晶の熟成を行った。表1に
示した結果から、燃焼損失3.6%で、パラキシレンがほぼ完全に変換されてい
ることが明らかである。この場合、燃焼損失はパラキシレンと酢酸の両方による
ものであると考えられることがわかっている。実施例1および3〜5と比較して
、損失は、本発明の場合の損失量の2倍より大きい。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 実施例7 実施例1、4および5に示した酸化方法によって結晶が得られ、それに対して
、結晶の部分溶解および再沈殿が可能となるだけの時間にわたって、比較的高温
の洗浄流への曝露を行うことで、さらに精製することができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】 実施例1からの酸化生成物のサンプルを、酢酸/テレフタル酸比9:1で酢酸
と合わせ、N雰囲気下の連続撹拌リアクタ中、30分間の滞留時間で200℃
まで加熱した。得られたスラリーを冷却して約100℃とし、濾過した。原料は
純度91.7%のテレフタル酸であり、5.8%のpTAおよび2.9%の4−
CBAを含有していた。結晶浸漬段階後、結晶の純度は98.4%テレフタル酸
となり、pTAの量は0.88%、4−CBAの量は0.72%となった。結晶
は明白色の微粉末であり、見た目では原料と比べてかなり変化していた。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 実施例8 実施例5からの酸化生成物のサンプルを酢酸/イソフタル酸比9:1で酢酸と
合わせ、N雰囲気下の連続撹拌リアクタ中、30分間の滞留時間で200℃ま
で加熱した。得られたスラリーを冷却して約100℃とし、濾過した。原料は純
度98.8%のイソフタル酸であり、0.92%のmTAおよび0.24%の3
−CBAを含有していた。結晶浸漬段階後、結晶の純度は99.98%イソフタ
ル酸となり、mTAは検出されず、3−CBAの量は0.02%となった。結晶
は明白色の微粉末であり、原料と比べてほとんど変化はなかった。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】 実施例9 主要酸化装置を低圧で操作することで、還流冷却を利用できるようにすること
が必要であることは、コンピュータシミュレーションによって最も容易に示され
る。断熱的に操作されるRSTOICブロックを用いるアスペン(Aspen)9. 3シミュレーションを用いて、主要酸化装置のモデル構築を行った。RSTOI
Cブロックからの排出液を断熱的に排出させて、蒸気流と液体流とを得た。凝縮
した塔頂生成物と酢酸脱水カラムとの組み合わせで複雑になるのを避けるため、
20%を超える水を含む還流液は、単にリアクタに戻した。フラッシャーからの
液体部分を生成物として取り出した。フラッシャーから出る蒸気部分は冷却し、
液体凝縮物をリアクタに戻した。この酸化装置モデルを操作して、二酸化炭素へ
の燃焼損失3%でパラキシレンの変換率99.9%を得た。空気を供給して、排
出ガスに乾燥ガス基準で3.5%の酸素が含まれ、供給液には酢酸中でパラキシ
レン15%および水5%が含まれるようにした。一連の圧力で行ったシミュレー
ションの結果を図2に示してある。得られた結果から、130℃より低い温度で
、操作可能な酸素分圧(酸素分圧>0.07バール(1psi)、好ましくは>
0.7バール(10psi))を維持するには、酸素豊富供給原料を送って、沸
騰によるリアクタの冷却ができるようにする必要があることが明らかである。空
気によって必要な酸素分圧を得るには比較的高い圧力が必要となるため、リアク
タ内容物の沸騰が妨げられると考えられる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ポツター,マイケル・ウエイン アメリカ合衆国、テキサス・77478、シユ ガー・ランド、ミユアウツド・レイン・ 305 (72)発明者 シンプソン,エドワード・ジエイムズ アメリカ合衆国、テキサス・77008、ヒユ ーストン、ウエスト・テンス・ストリー ト・501 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 AD15 AD18 BA10 BA20 BA29 BA32 BB17 BB31 BC10 BC11 BC32 BC35 BD21 BD33 BD51 BE30 BJ50 BS30 4H039 CA65 CC30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度97%以上で二酸置換芳香族化合物を製造する方法にお
    いて、 ジアルキル置換芳香族化合物と有機酸溶媒を含む供給原料流を送り込む段階; ジルコニウムおよびコバルトを含む触媒系の存在下、約80℃〜約130℃の
    温度で、酸素分圧1psi以上で50体積%以上の酸素を含む蒸気流と前記供給
    原料流とを接触させる段階であって、該接触を撹拌槽リアクタ中で行う段階; 前記撹拌槽リアクタから、有機酸および水を含む蒸気流を取り出す段階; 前記蒸気流から少なくとも一部の有機酸と水を凝縮させる段階; 前記蒸気流から分離した有機酸から、少なくとも一部の水を分離する段階; 前記凝縮有機酸の少なくとも一部を撹拌槽リアクタに戻す段階; 撹拌槽リアクタから、二酸置換芳香族化合物を含むリアクタ生成物を連続的に
    回収する段階; 二酸置換芳香族化合物の固体結晶をリアクタ生成物から単離する段階;ならび
    に 純度97%以上の二酸置換芳香族化合物を、二酸置換芳香族化合物の固体結晶
    から回収する段階 を有することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 コバルトのジルコニウムに対する量比が約10より大きい請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記撹拌槽リアクタの温度が110℃〜120℃である請求
    項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記二酸芳香族化合物がキシレンである請求項1〜3のいず
    れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記キシレンがパラキシレンである請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記有機酸が酢酸である請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記有機酸中での全ジアルキル置換芳香族化合物の濃度が、
    総供給原料基準で5〜25重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記供給原料流がさらに3〜15重量%の水を含有する請求
    項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ジルコニウムが、有機酸塩類、塩基性塩類、錯化合物類
    およびアルコレート類からなる群から選択される形のものである請求項1〜8の
    いずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記コバルトが、有機酸塩類、塩基性塩類、錯化合物類お
    よびアルコレート類からなる群から選択される形のものである請求項1〜9のい
    ずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記供給原料流がさらに、部分酸化芳香族化合物の循環物
    を含む請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
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