JP2002505993A - 酸化スズ粒子 - Google Patents

酸化スズ粒子

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Abstract

(57)【要約】 多様な酸化状態にあるスズを含む酸化スズのナノ粒子が製造された。特に、単一相の結晶性SnO2が製造された。望ましい酸化スズのナノ粒子は、平均粒径が約5nmから約100nmで、極めて狭い粒径分布を有する。この酸化スズのナノ粒子はレーザ熱分解装置を用いて有意の量製造できる。レーザ熱分解で製造されたナノ粒子は、その粒子のナノスケールサイズを破壊することなしに、その粒子の性質を変えるために、さらに加工処理できる。このナノスケール酸化スズ粒子は、フラットパネル・ディスプレイに用いられる透明電極の製造に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、ナノメータスケールの平均粒径を有する酸化スズ粒子に関する。本
発明はさらに、レーザ熱分解を用いるナノスケール酸化スズ粒子の製造および、
ナノスケール酸化スズ粒子を混和した透明電極に関する。
【0002】 発明の背景 酸化スズは様々な化学量論組成で存在し得る。特に、酸化スズは、普通SnO
もしくはSnO2として存在する。SnO2は室温で有意な伝導性を有するn-タイ
プ半導体である。その半導性と比較的大きい可視光透過性により、SnO2は、 フラットパネルディスプレイ中の透明電極用の重要な構成成分であり、普通、酸
化インジウムと組合せて、インジウム・スズ・オキシド(ITO)を調製する。
SnO2は、ガスセンサ、触媒、静電荷防護被覆および他のデバイスの製造にも 有用である。普通、小さい酸化スズ粒子の製造には溶液をベースとする合成法が
用いられる。この溶液をベースとする合成方法は、微細な粉末を製造できるが、
得られる粒子の大きさの均一性については限界がある。
【0003】 発明の要約 ナノメータスケールで極めて粒径均一性の高い酸化スズの結晶性粒子が製造さ
れた。特に、その粒径分布はシャープに狭くなり、その平均粒径より実質的に小
さいか、または大きい径を有する粒子が事実上なくなる。この合成のベースは、
放射線が反応物流を熱分解するレーザ熱分解である。レーザ熱分解により製造さ
れたこの粒子の性質を修飾するために追加の加工を用いることができる。直接も
しくは追加加工を用いるいずれかにより化学量論組成形の異なる酸化スズを製造
することができる。この極めて均質な粒子は、透明度の高い電極を製造するため
に特に有用である。その小さい粒径と均一性が、特に高水準の透明性を与える。
この粒子の製造法は、効率が良く、且つ多量の物質の製造を可能にする。
【0004】 第1の態様では、本発明の特徴は、約500nm以下の平均粒径を有し、ナノ
粒子の少くとも約95パーセントが平均粒径の約50パーセントより大きく且つ
平均粒径の約150パーセントより小さい直径を有する結晶性酸化スズを含んで
なる粒子の集合体である。望ましくは、この粒子の集合体は、約100nm以下
、そしてより望ましくは、約5nmから約50nmの平均粒径を有する。この酸
化スズのナノ粒子は、SnO2の化学量論組成を有する場合もある。望ましくは 、このナノ粒子の少くとも約99パーセントが平均粒径の約50パーセントより
大きく且つ平均粒径の約150パーセントより小さい直径を有する。望ましくは
、このナノ粒子の少くとも約95パーセントが平均粒径の約60パーセントより
大きい直径を有し且つその平均粒径の約160パーセントより小さい直径を有す
る。この粒子は、一般に外観がほぼ球形で、単一の結晶相を有する。
【0005】 本発明は、また約500nm以下の平均粒径を有し、ナノ粒子の少くとも約9
5パーセントが平均粒径の約50パーセントより大きく且つ平均粒径の約150
パーセントより小さい直径を有する酸化スズのナノ粒子を有する被膜を含んでい
るデバイスを特徴とする。このデバイスはガスセンサとなり得る。このデバイス
は、この被膜が透明電極として機能しているディスプレイを含んでいる。
【0006】 もう一つの態様では、本発明は、反応チャンバー中で、スズ前駆体、酸化性ガ
スおよび放射線吸収用ガスを含んでいる分子流を熱分解することを含んでなる酸
化スズのナノ粒子を製造する方法を特徴とする。この熱分解は、望ましくはCO 2 レーザのようなレーザビームから吸収された熱により駆動される。この酸化ス ズのナノ粒子は約5nmから約100nmの平均粒径を有するのが望ましい。こ
のスズ前駆体はSnCl4でよく、そしてこの酸化性ガスはO2でよい。
【0007】 もう一つの態様では、本発明は、次の要素を含んでなる装置を特徴とする: (a)周囲の大気から隔離された反応チャンバー; (b)分子流の経路を規定する反応物ガスの導入口であって、スズ前駆体源、
酸素供給試薬源およびレーザ吸収用ガス源に連結されている反応物導入口; (c)分子流の経路に交差するレーザ・ビーム光路;および (d)生成物の出口。
【0008】 このスズ前駆体はSnCl4でよく、そしてこの酸素供給性ガスはO2でよい。
反応物ガス導入口は一つの方向に延びているのが望ましい。この装置は、レーザ
・ビームの経路に沿ってそのレーザ・ビームを生成するように配列されたCO2 レーザをさらに含んでいるのが望ましい。この装置は、スズ前駆体源と流体連結
している担体ガスをさらに含んでいてもよい。
【0009】 もう一つの態様では、本発明は、図9に示されたピーク位置を有する回折スペ
クトルを与える結晶性酸化スズ粒子の集合体を特徴とする。 本発明の他の特徴と利点は、以下の本発明の詳細な説明と請求の範囲から明ら
かになるであろう。
【0010】 発明の詳細な説明 実質的に、ミクロン以下の粒径を有する酸化スズ粒子が製造された。酸化スズ
のナノ粒子は、SnO2などの多様な酸化状態で製造された。製造された酸化ス ズのナノ粒子は、単相結晶性粒子である。粒子の大きさが小さいと、単位重量当
たり表面積が大きくなり、例えば、電子デバイスおよびディスプレイ用の塗膜中
での利用を含む多様な用途の開発に便利である。この大きい表面積は、図1に図
解的に示されている。さらに、この酸化スズ粒子は、極めて高度の均一性を有す
る。特にこの粒子は、非常に狭い粒径分布を有しており、その平均粒径から有意
に離れた粒径を有する粒子は、事実上完全に含まれていない。
【0011】 希望のナノ粒子を調製するために、レーザ熱分解は、単独で用いられるか、ま
たは追加的な加工と組合せて用いられる。特に、レーザ熱分解が、均一な粒径と
粒子形状を有する多様な酸化スズのナノ粒子を製造するための有用な技術である
ことが見いだされた。さらに、レーザ熱分解で製造されたナノスケール酸化スズ
粒子は、酸素雰囲気中もしくは不活性雰囲気中で加熱処理にかけて、そのナノ粒
子の大きさもしくは均一性を壊すことなしに、その酸化スズ粒子の性質および/
または化学量論組成を変えることができる。
【0012】 酸化スズのナノ粒子の製造にレーザ熱分解を上手く応用するために基本的に重
要なことは、スズ前駆体、放射線吸収剤および酸素源を含む分子流の調製である
。この分子流が、強いレーザビームで熱分解されるのが望ましい。レーザ放射線
の吸収から生じる強い熱が、酸化性雰囲気中でのスズ前駆体の酸化を誘起する。
この分子流がレーザビームを離れると、この酸化スズ粒子は急速に冷却される。
【0013】 A.粒子の製造 レーザ熱分解はナノスケール酸化スズ粒子を製造するための有用な手段である
ことが見いだされた。さらに、レーザ熱分解で製造されたこの粒子は、特定の酸
化スズのナノ粒子を製造するための経路を広げるために、さらに加工するのに好
都合な材料である。かくして、レーザ熱分解単独もしくは、追加の加工と組合せ
ることにより、多様な酸化スズ粒子を製造することができる。
【0014】 レーザ熱分解で製造される酸化スズ粒子の品質は、反応条件で決まる。希望の
性質を有するナノ粒子を製造するために、レーザ熱分解の反応条件は、比較的正
確に制御することができる。一定のタイプの粒子を製造するのに適した反応条件
は、一般に、その特定装置の設計に依存する。一つの特定装置中で、多様なナノ
粒子を製造するために用いられる特定条件が、下の実施例中で説明される。さら
に、反応条件と得られる粒子との相関性について、幾つかの一般的な関係が観測
される。
【0015】 レーザ出力が増すと、反応領域の反応温度が上昇し、さらにまた急冷速度がよ
り速くなる。急速な急冷速度は、熱的平衡近くでの反応では得られないであろう
高エネルギー相の生成に有利になる傾向がある。同様に、反応チャンバーの圧力
が増しても、よりエネルギーの高い構造が生成し易くなる傾向がある。また反応
物流中で酸素源として役立つ反応物の濃度が増しても、酸素の量が多い金属酸化
物、即ち、より高い酸化状態のスズの生成に好都合になる。
【0016】 反応物ガスの流量(reactant gas flow rate) および反応物ガス流の速度(ve
locity of reactant gas stream )は、粒径に逆比例する。即ちガスの流量また
は速度が増すと、粒径はより小さくなる傾向がある。また、粒子の成長の動力学
も得られる粒子の大きさに有意に影響する。換言すれば、一定の結晶形の酸化ス
ズは、比較的似ている条件下で、他の結晶形とは大きさの異なる粒子を生成する
傾向を有する可能性がある。レーザ出力も粒径に影響し、レーザ出力が増すと、
融点のより低い材料では、より大きい粒子が生成し易く、そして融点のより高い
材料では、より小さい粒子が生成し易い。
【0017】 適した前駆体化合物に含まれるのは、一般的に、合理的な蒸気圧、即ち反応物
流中で希望の量の前駆体蒸気を得るのに十分な蒸気圧を有するスズ化合物である
。この前駆体化合物を溜めて置く容器は、希望に応じて、そのスズ前駆体の蒸気
圧を上げるために、加熱することができる容器である。望ましいスズ前駆体は、
例えば、SnCl4、および(C49)SnCl3(n-ブチル・三塩化スズ)、(
CH2CH)2 SnCl2 (ジビニル・二塩化スズ)および(C493 SnC l(トリ‐n-ブチル・塩化スズ)のような液状の有機金属スズ化合物である。酸
素源として役立つ望ましい反応物は、例えば、O2、CO、CO2、O3および、 それらの混合物である。酸素源として作用する反応物は、反応ゾーンに入る前に
、スズ前駆体と有意な程反応してはならない。何故なら、反応すると、普通大き
い粒子が生成するからである。
【0018】 レーザ熱分解は、多様な光学的レーザ周波数で行われる。推奨されるレーザは
、電磁スペクトルの赤外部分で操作される。CO2レーザは特に推奨されるレー ザ光源である。分子流中に含ませる赤外線吸収剤は、例えば、C24、NH3、 SF6およびO3である。O3は、赤外線吸収剤と酸素源の両方として作用するこ とができる。この赤外線吸収剤のような放射線吸収剤は、放射線ビームからエネ
ルギーを吸収し、そのエネルギーを、熱分解を駆動するために他の反応物に分配
する。
【0019】 望ましくは、その放射線ビームから吸収されたエネルギーは、制御された条件
下で強く発熱する反応によってエネルギーが生じる場合の速度、の何倍も大きい
驚異的な速度で温度を上昇させる。この過程は、一般に、非平衡条件を含んでい
るが、その温度は、その吸収領域でのエネルギーを基にして大体記述できる。こ
のレーザ熱分解過程は、エネルギー源が反応を開始するが、その反応は発熱反応
で放出されるエネルギーによって駆動されるような燃焼反応器中での過程とは定
性的に異なる。
【0020】 反応物チャンバー部材と接触する反応物と生成物分子の量を減らすために、不
活性遮蔽ガスが用いられる。酸化スズのナノ粒子製造で、適した遮蔽ガスは、例
えばAr、HeおよびN2である。
【0021】 適したレーザ熱分解装置は、一般に、周囲の環境から分離された反応チャンバ
ーを含んでいる。反応物供給装置に連結された反応物導入管が、その反応チャン
バーを通る分子流を生成する。レーザ・ビームの経路は、反応ゾーンで分子流と
交差する。この分子流は、反応ゾーンを通過した後出口まで連続しており、そこ
で、この分子流は反応チャンバーを出て、捕集装置に行く。一般に、このレーザ
は反応チャンバーの外部に位置し、そしてそのレーザは適切な窓を通して反応チ
ャンバーに入ってくる。
【0022】 図2を参照して説明すると、熱分解装置の特定の態様100は、反応物供給装
置102、反応チャンバー104、捕集装置106およびレーザ108を含んで
いる。反応物供給装置102は、前駆体化合物の貯蔵源120を含んでいる。液
体前駆体の場合、担体ガス源122からの担体ガスが、前駆体の送達を容易にす
るために、液体前駆体が入っている前駆体源120に導入される。この源122
からの担体ガスは、赤外線吸収剤か不活性ガスのいずれかであるのが望ましく、
そして、その液体前駆体を通して吹き込まれるのが望ましい。反応ゾーン中での
前駆体蒸気の量は担体ガスの流量に大体比例する。固体のスズ前駆体は、それら
が、充分な蒸気圧を有するなら利用できる。このスズ前駆体は、蒸気圧を大きく
して、希望の流量を得るために加熱される場合もある。
【0023】 あるいはまた、担体ガスは、適宜、赤外線吸収剤源124または不活性ガス源
126から直接供給される。酸素を提供する反応物は、ガス・シリンダーあるい
は他の適した容器である酸素供給源128から供給される。スズ前駆体源120
からのガスは、酸素源128、赤外線吸収剤源124および不活性ガス源126
からのガスと、これらのガスを、配管130の単一部分で一緒にすることにより
混合される。これらのガスは、反応チャンバー104に入る前に、それらのガス
がよく混合されるように、反応チャンバー104から十分な距離一緒に流される
。管130の中で一緒になったガスは、ダクト132を通り抜けて、反応物を反
応チャンバーの方向に向けるための射出ノズルの一部を形成している長方形の流
路134に入る。
【0024】 各源122、124、126および128からの流は、独立に、質量流量制御
装置136で調節されるのが望ましい。質量流量制御装置136は、各個別の源
から調節された流量を提供するのが望ましい。適した質量流量制御装置は、例え
ば、Edwards High Vacuum International,Wilmington,MA からのエドワード質量
流量制御装置、モデル 825シリーズである。
【0025】 不活性ガス源138は、不活性ガスダクト140に連結されており、環状流路
142に流れる。質量流量制御装置144は、不活性ガス・ダクト140への不
活性ガスの流を制御する。不活性ガス源126も、希望により、ダクト140用
の不活性ガス源として機能し得る。
【0026】 反応チャンバー104は、主チャンバー200を含んでいる。反応物供給装置
102は、射出ノズル202の所で、主チャンバー200に連結されている。射
出ノズル202の端には、遮蔽用不活性ガスの通路用の環状開口204とその反
応チャンバー中に分子流を形成するための長方形スリット206が付いている。
環状開口204は、例えば、直径が約1.5インチで、ラジアル方向に沿った幅
が約1/8から約1/16インチである。環状開口204を通る遮蔽ガスの流れ
は、反応チャンバー104全体に反応物ガスおよび生成物粒子が広がるのを防ぐ
ことを助ける。
【0027】 管状セクション(tubular section,区画管)208、210は、射出ノズル2
02の両側に所在している。管状セクション208、210は、それぞれ、Zn
Se窓212、214を含んでいる。窓212、214の直径は約1インチであ
る。窓212、214は、望ましくは平面収束レンズで、その焦点距離は、その
ビームを、ノズル口の中心の丁度下の点に集めるように、そのチャンバーの中心
とそのレンズの表面との間の距離に等しいのが望ましい。窓212、214は、
反射防止コーティングされているのが望ましい。適したZnSeレンズは、Jano
s Technology,Townshend,Vermontから入手できる。管状セクション208、21
0は、窓212、214が、反応物もしくは生成物により汚染されることがより
少なくなるように、窓212、214を主チャンバーから離れるようにずらすこ
とができるようになっている。例えば、窓212、214は、主チャンバー20
0の端から約3cmずらされる。
【0028】 窓212、214は、反応チャンバー104の中に、周囲の空気が流れるのを
防ぐために、管状セクション208、210に、ゴムO‐リングでシールされて
いる。窓212、214の汚染を減らすために、管状セクション208、210
への遮蔽用ガスの流入用に、管状吸気口216、218が備えられている。管状
吸気口216、218は、不活性ガス源138または、別の不活性ガス源に連結
されている。いずれの場合にも、管状吸気口216、218への気流は、質量流
量制御装置で制御されているのが望ましい。
【0029】 レーザ108は、発生するレーザビーム222が、窓212を入って窓214
を出るように配列されている。窓212、214は、主チャンバー200を通る
レーザ光路を、反応ゾーン224で反応物の流れと交差するように規定する。窓
214を出た後、レーザビーム222は、ビーム・ダンプ(beam dump)としても
作用する電力計226を直撃する。適した電力計はCoherent Inc.,Santa Clara,
CA、から入手できる。レーザ108は、アークランプのような、強い常用の光源
で置き換えることもできる。レーザ108は、赤外線レーザ、特に、PRC Corp.,
Landing,NJ、から入手できる最大出力1800ワットのレーザのようなCW C
2レーザが望ましい。
【0030】 射出ノズル202中のスリット206を通り抜けた反応物は、分子流となる。
この分子流は、反応ゾーン224を通り抜け、そこで、スズ前駆体を巻き込んで
反応を起こす。反応ゾーン224中でのガスの加熱は極端に速く、特定条件に依
存して、大体105 ℃/秒の桁である。反応ゾーン224を出るとこの反応は急
速に冷却され、その分子流の中に、ナノ粒子228が生成する。この反応は非平
衡反応なので、粒度分布が非常に均一で構造的均質性の高いナノ粒子の製造が可
能になる。
【0031】 分子流の経路は、捕集ノズル230まで連続している。捕集ノズル230は、
射出ノズル202から約2cm離れている。射出ノズル202と捕集ノズル23
0の空間距離が小さいことは、反応物および生成物による反応チャンバー104
の汚染を減らす助けになる。捕集ノズル230は、環状の開口232を備えてい
る。環状開口232が、捕集装置106に送り込む。
【0032】 チャンバーの圧力は、主チャンバーに取付けられた圧力計で監視される。この
チャンバーの圧力は、普通、約5Torrから約1000Torrの範囲である。酸化ス
ズ製造のために推奨されるチャンバー圧は、約80Torrから約500Torrの範囲
である。
【0033】 反応チャンバー104は、図に示されていない二つの追加の管状セクションを
備えている。追加の管状セクションの一つは、図2の断面図の面に向かって延び
ており、そして第2の追加の管状セクションは、図2の断面図の面から突き出て
いる。上から見た場合、四つの管状セクションは、そのチャンバーの中心の回り
に大体対称的に分布している。これらの追加の管状セクションは、チャンバーの
内部を観察する窓を備えている。この相対配置の装置では、これら二つの追加の
管状セクションは、粒子の製造を促進するためには用いられない。
【0034】 捕集装置106は、捕集ノズル230に繋がっているカーブした導管を含んで
いてもよい。この粒子は大きさが小さいので、生成粒子は、カーブの回りをガス
流について流れる。捕集装置106は、この生成物粒子を捕集するために、ガス
流中にフィルター252を含んでいる。テフロン、ガラス繊維および類似の材料
などの多様な材料が、不活性で、その粒子を捕捉するするのに十分微細である限
りにおいて、このフィルター用に用いられる。このフィルター用に推奨される材
料は、例えば、ACE Glass Inc.,Vineland,NJ、からのガラス繊維およびCole-Par
mer Instrument Co.,Vermon Hills,IL. からの円筒状ポリプロピレン・フィルタ
ーである。
【0035】 捕集装置106を所定の圧力に維持するために、ポンプ254が用いられる。
多様な異なるポンプを使用することができる。ポンプ254として使用するのに
適したポンプは、例えば、Busch,Inc.,Virginia Beach,VAからの、約25立方フ
ィート/分(cfm)の排気性能を有するBusch Model B0024 ポンプおよび、Le
ybold Vacuum Products,Export,PA からの約195cfmの排気性能を有するLe
ybold Model SV300 ポンプである。このポンプの排気は、大気中に出る前に、残
存している何等かの反応性の化学物質を除去するために、スクラバー256を通
して流すことが望ましい。全装置100は、排出目的と安全を考慮して、ヒュー
ム・フード(fume hood)の中に置かれている。一般に、レーザ装置は、サイズが
大きいので、そのヒューム・フードの外側に置かれている。
【0036】 この装置は、コンピュータで制御されている。一般に、このコンピュータは、
レーザを制御し、そして反応チャンバー中の圧力を監視している。このコンピュ
ータは、反応物および/または遮蔽用ガスの流れを制御するために用いられる。
排気速度は、ポンプ254とフィルター252の間に挿入されている手動のニー
ドル・バルブもしくは自動のスロットル・バルブのいずれかによって制御される
。フィルター252上に粒子が蓄積することに因り、チャンバーの圧力が増大す
ると、その手動バルブもしくはスロットル・バルブを調節して、排気速度とそれ
に対応するチャンバー圧を維持することができる。
【0037】 反応は、ポンプが、反応チャンバー104内に希望の圧力を最早維持できない
程十分多くの粒子が、フィルター252を通過する抵抗に抗して、フィルター2
52上に捕集されるまで続けられる。反応チャンバー104内の圧力を、最早希
望の値に、維持できない場合、反応を停止し、そしてフィルター252が取外さ
れる。この態様では、チャンバー圧が、最早維持できなくなる前の一回の運転で
、約1‐75グラムの粒子が捕集できる。一回の運転は、製造される粒子のタイ
プと使用されるフィルターのタイプに依存して、普通、約6時間まで継続し得る
。従って、巨視的な量、即ち裸眼で視える量の粒子が、明らかに生成する。
【0038】 この反応条件は比較的正確に制御することができる。質量流量制御装置は、極
めて正確である。このレーザは、一般に約0.5パーセントの出力安定性を有す
る。チャンバーの圧力は、手動制御バルブもしくはスロットル・バルブにより、
約1パーセント以内に制御できる。
【0039】 反応物供給装置102と捕集装置106の相対的配置は、逆にすることができ
る。この代替配置構造では、反応物は、反応チャンバーの底から供給され、そし
て生成物粒子が、チャンバーの最上部から捕集される。この代替構造では、酸化
スズ粒子は、周囲のガスの中に浮遊する傾向があるので、生成物の捕集量が僅か
に多くなる傾向がある。この構造では、捕集フィルターが、反応チャンバーの上
に直接取付けられないように、その捕集装置にカーブした部分が含まれているの
が望ましい。
【0040】 もう一つの他の設計のレーザ熱分解装置が報告されている。本明細書に引用参
照されている“化学反応による粒子の効率的な製造”という名称の、共通権利人
の米国特許出願08/808,850号明細書を参照されたい。この代替設計は
、大量生産される量のナノ粒子の製造を容易にすることを意図するものである。
反応チャンバーに反応物材料を射出するための多様な構造が記載されている。
【0041】 この代替装置は、生産能力を上げて、そして供給原料を有効に利用するために
、チャンバーの器壁の粒子による汚染を最少にするように設計されている反応チ
ャンバーを備えている。これらの目的を達成するために、この反応チャンバーは
、一般に、細長い反応物導入管の形状をしており、分子流の外側の遊びの空間体
積(dead volume:死空間)を減らしている。ガスは、死空間に蓄積する可能性が
あり、反応していない分子による散乱もしくは吸収により無駄になる放射線の量
が増える。この死空間内のガスが減ることに因り、粒子が死空間の中に蓄積し、
チャンバーが汚染する原因になることもある。
【0042】 改善された反応チャンバー300の設計が、図3および4に図式的に示されて
いる。反応物ガスの流路302は、ブロック304の内部に位置している。ブロ
ック304のファセット(facets:面)306は、導入路308の一部を形成して
いる。導入路308のもう一つの部分は、端310の処で、主チャンバー312
の内面につながっている。導入路308は、遮蔽用ガス流入口314の処で終わ
っている。ブロック304は、その反応条件および希望の条件に応じて、細長い
反応物流入口316と遮蔽用ガス流入口314の間の相対的関係を変えるために
、位置を変えたり、取り替えたりすることができる。遮蔽用ガス流入口314か
らの遮蔽用ガスは、反応物流入口316から始まる分子流の回りにブランケット
(煙幕)を形成する。
【0043】 細長い反応物流入口316の寸法は、粒子の製造効率を大きくするように設計
されているのが望ましい。酸化スズのナノ粒子の製造用の反応物流入口の合理的
な寸法は、1800ワットCO2レーザを使用する場合、約5mmから約1mで ある。
【0044】 主チャンバー312は、一般に、細長い反応物流入口316の形状と同じであ
る。主チャンバー312は、微粒子状生成物、任意の未反応ガスおよび不活性ガ
スを除去するための、分子流に沿った出口318を含んでいる。環状セクション
320、322が、主チャンバー312から延びている。環状セクション320
、322は、反応チャンバー300を通るレーザ・ビーム経路328を規定する
ための窓424、326を把持している。環状セクション320、322は、遮
蔽用ガスを、環状セクション320、322に導入するための遮蔽用ガスの入口
330、332を含んでいてもよい。
【0045】 この改良された装置は、その分子流からナノ粒子を除去するための捕集装置を
備えている。この捕集装置は、その捕集装置内の別の粒子捕集器と切換えること
により、生産を停止することなしに、または望ましくは連続生産を続けながら、
大量の粒子を捕集できるように設計されている。この捕集装置は、その流路内に
、図2に示した捕集装置のカーブした部分に似たカーブした構成部材を含んでい
る。この反応物射出部分と捕集装置の相対的配置は、粒子が装置の最上部で捕集
されるように、逆になっていてもよい。
【0046】 上で言及したように、酸化スズのナノ粒子の性質は、さらなる加工により修飾
することができる。例えば、酸化スズナノスケール粒子は、この酸化スズ粒子の
酸素含有量および/または結晶構造を変えるために酸化性雰囲気もしくは不活性
雰囲気で、オーブン中で加熱される。特に、結晶性SnOX(1<x<2)は、 酸化性雰囲気中での熱加工により結晶性の単相SnO2に変換できることが見い だされた。マイルドな条件、即ち、そのナノ粒子の融点より十分低い温度を使用
して、その粒子をより大きい粒子に有意に焼結させることなしに、酸化スズのナ
ノ粒子の化学量論組成および/または結晶構造を改変できる。
【0047】 さらに、この粒子の性質を強調するために、未反応もしくは部分反応前駆体の
ような、その粒子上に吸着された化合物を除去するために、加熱工程が利用され
る。例えばレーザ熱分解で製造されたスズ酸化物は、加熱工程中の酸化または蒸
気化のいずれかにより除去され得る一定量の塩化スズを含んでいる。オーブン中
での金属酸化物粒子のこの加工は、本明細書に引用参照されている“熱による酸
化バナジウム粒子の加工”という名称の、共通権利人により同時出願されている
、1997年7月21日出願の米国特許出願08/897,903号明細書でさ
ら考察されている。
【0048】 この熱加工を行なうために、多様な装置が用いられる。この加工を行うための
装置400の一例が、図5に示されている。装置400は、管402を含み、そ
の中に粒子が置かれる。管402は、反応物ガス源404および不活性ガス源4
06に連結されている。希望の雰囲気を作るために、反応物ガス、不活性ガスあ
るいは、それらの組合せが、管402内に入れられる。
【0049】 この希望のガスが、管402を通して流されるのが望ましい。酸化性雰囲気(
酸化性ガス)を生じさせるのに適したガスに含まれるのは、例えば、O2、O3
CO、CO2およびそれらの組合せである。この酸化性ガスは、Ar、Heおよ びN2のような不活性ガス稀釈することができる。この管402中のガスは、希 望によっては不活性ガスだけでもよい。
【0050】 管402はオーブンあるいは炉408の中に置かれる。オーブン408は、そ
の管の適切な部分を比較的一定の温度に維持するが、この温度は、希望に応じて
、その加工工程中に、計画的に変えることができる。オーブン408の中の温度
は普通、熱電対410で測定される。酸化スズ粒子は、バイアル412の内部の
管402の中に置かれる。バイアル412は、ガス流による粒子の減損を防ぐ。
バイアル412は、普通、その開放端をガス流源の方向に向けて置かれる。
【0051】 希望するタイプの生成物材料を製造するために、酸化性ガス(もし存在すれば
)のタイプ、酸化性ガスの濃度、ガスの圧力もしくは流量、温度および加工時間
を含む精密な条件が選定される。温度は一般に、マイルド、即ち、その材料の融
点より有意に低い温度である。マイルドな条件を用いれば、より大きい粒径にな
る粒子間焼結が避けられる。僅かにより大きい平均粒径の物を製造するために、
オーブン408の中で、或る程度高い温度で、或る程度制御して酸化スズ粒子の
焼結を行うこともできる。
【0052】 酸化スズの加工のために、温度は、望ましくは約50℃から約800℃、そし
てより望ましくは約100℃から約400℃の範囲である。この粒子は、望まし
くは、約1時間から約100時間の間加熱される。希望の材料を製造するのに適
した条件を作りだすには幾らかの経験的な調整が必要な場合もある。
【0053】 B.粒子の性質 酸化スズは、多くの可能な酸化状態があるために複雑な状態図を示す。スズは
、Sn+2とSn+4の酸化状態で存在することが知られている。それ故、完全酸化
状態のスズを有する化合物に加えて混合原子価化合物を生成することが可能であ
る。混合原子価スズ化合物はSnOX(1<x<2)で表すことができる。既知 の酸化スズの形に含まれるのは、SnO、Sn34、Sn23、Sn35および
SnO2である。X‐線回折の研究から証明されるように、本発明の加工法は、 数種の異なる酸化状態にある単相の酸化スズを製造するために用いられる。これ
らの単相の物質は、一般に結晶性である。
【0054】 酸化スズの状態図には混合相領域が存在すると考えられる。混合相領域は、レ
ーザ熱分解により得られ得る。この混合相領域では、異なる酸化状態のドメイン
を有する粒子が生成することもあり、あるいは、異なる酸化状態のスズを有する
異なる複数の粒子が、同時に生成することもある。言葉を換えていえば、一定の
粒子あるいは、粒子の一定部分が、異なる化学量論組成を有している。
【0055】 酸化スズは、普通、正方晶系あるいは、三斜晶系配位の結晶を生成する。特に
、SnOおよびSnO2は、正方晶系配位の結晶を生成する。さらにSn34と Sn23は、三斜晶系配位の結晶を生成し得る。適切な条件下で製造されれば、
酸化スズ粒子は非晶質になり得る。酸化スズのナノ粒子の結晶格子は、X‐線回
折測定法を用いて評価することができる。
【0056】 酸化スズのナノ粒子の集合体の平均粒径は、望ましくは約500nm以下、そ
してより望ましくは約5nmから約100nmそして、さらにより望ましくは約
5nmから約50nmである。このナノ粒子は、一般に、大体球形で光沢のある
外観を有する。より詳しく調べると、これら粒子は、一般に、下に横たわる格子
に対応する小さい面(facets)を有する。にもかかわらず、このナノ粒子は、物理
的三次元方向に大体等しく成長して、光沢のある球状外観を生じる。一般に、そ
の粒子の95パーセントそして望ましくは99パーセントは、主軸に沿った寸法
/いずれかの非主軸(minor axis)に沿った寸法の比が約2以下である。非対称性
を有する粒子での直径の測定は、その粒子の主軸に沿っての平均長の測定に基づ
く。主軸に沿ってのこの測定値は、この粒子の少くとも約95パーセント、そし
てより望ましくはその粒子の少くとも約99パーセントが、それぞれ約500n
m以下であるのが望ましい。
【0057】 それらの粒径が小さいことにより、この粒子は、隣接する粒子の間で、ファン
デルワールス力および静電力により、ゆるい集合体を形成する傾向がある。にも
かかわらず、このら粒子(即ち、一次粒子)がナノメータ・スケールであること
が、その粒子の透過電子顕微写真で明瞭に観察できる。結晶性の粒子の場合、そ
の粒径は、普通その結晶の大きさに対応する。これら粒子は、その電子顕微写真
で観察されるようなナノメータ・スケールの粒子に対応する表面積を有する。さ
らに、この粒子は、その小さいサイズと材料の重量当たりの大きい表面積に因り
、ユニークな性質を示す。例えば、酸化スズのナノ粒子は、可視光に対する改善
された透過性を有する。この改善された透過性が、透明電極の製造にとって有用
である。
【0058】 この粒子は、サイズ均質度が高いことが望ましい。透過電子顕微写真の検討か
ら求められるように、この粒子は、一般に、その粒子の少くとも約95パーセン
ト、そして望ましくは99パーセントが、平均粒径の約40パーセントより大き
く、且つ平均粒径の約160パーセントより小さい直径を有するような粒度分布
を有している。望ましくは、この粒子は、その粒子の少くとも約95パーセント
、そして望ましくは99パーセントが、平均粒径の約60パーセントより大きく
、且つ平均粒径の約140パーセントより小さい直径を有するような直径分布を
有している。
【0059】 さらに実質的には、全粒子が、平均粒径の約5倍、そして望ましくは3倍より
大きい平均径を有しない。換言すれば、その粒径分布は、有意により大きい径を
有する少数の粒子を示すテール(すそ)を持たない。これは、反応領域が小さく
、それに対応して粒子が急速に冷却される結果である。平均粒径の約5倍、そし
て望ましくは3倍より大きい径を有する粒子は、106個の粒子中約1粒子より 少ないことが望ましい。この狭い粒度分布とその分布にテールがないために、塗
料もしくは、フィルムの製造を含む用途などの多様な用途が開発される得る。
【0060】 さらに、酸化スズのナノ粒子は、一般に、単結晶相を示すという点で非常に高
い均質性を有する。一次粒子は、一般に、単一結晶の材料からなる。この粒子の
単一相、単結晶性は、その均一性および狭い粒度分布と併せて、利用に有利であ
る。また、未反応もしくは、一部反応した前駆体の可能性のある存在を排除すれ
ば、上の方法で製造される酸化スズのナノ粒子は、その結晶生成過程が、その格
子から汚染物を排除する傾向があるので、反応物ガスより高い純度を有する。さ
らにレーザ熱分解で製造された粒子は、一般に、高い結晶度を有することが見い
だされた。幾つかの用途では、高い結晶度が望ましいと考えられる。
【0061】 C.酸化スズのナノ粒子から調製されるデバイス 極めて高い均質度と結晶度が、多くの用途の開発に好都合である。さらに、追
加の加工を伴う、または伴わないレーザ熱分解法が、市販デバイスの製造のため
に効率的で経済的なルートを提供する。特に、本明細書で説明される酸化スズの
ナノ粒子は、ディスプレイおよび太陽電池用の透明な電極およびガスセンサの製
造に特に有用である。
【0062】 電界放出デバイスと液晶(エレクトロルミネセント)ディスプレイをベースと
するフラットパネルディスプレイの製造用および太陽電池の製造用に透明電極が
必要とされる。電極の透明性が改善されると、所要電力消費が減少する。伝導性
を大きくすることが望まれる場合には、酸化インジウムと組合わされる。
【0063】 透明電極を製造するために、バインダーと混合した酸化スズのナノ粒子が、透
明電極として機能する塗料として調製される。この透明電極を調製するために、
ナイフエッジ・コーティング法もしくはスプレイ・コーティング法のような多様
な標準的コーティング法が用いられる。
【0064】 ナノ粒子は、そのナノ粒子の有意に増加した表面積に因り、感度が改善された
ガスセンサを製造するために用いられる。さらに、本明細書に説明されているナ
ノ粒子の非常に高い均一性と結晶度は、そのガスセンサ・デバイスを調製するた
めに用いられるガスに敏感なコーティングの均一性と信頼度を改善し、一方では
、必要な材料の量を減らすに違いない。普通、安全を考慮して、信頼性が卓越し
たガスセンサが用いられる。酸化スズ粒子を含む層もしくはコーティングが、電
極に接触して形成される。このセンサは、所定の温度にそのセンサを維持するた
めにヒータを含んでいる場合もある。特定ガスに対する感度を変更または増大さ
せるために、アンチモニーを含んだ化合物、CeO2、SiO2、TiO2および ZrO2のような追加の化合物が、酸化スズ層に含まれている場合もある。アン チモニーを含んだ化合物と酸化スズとの組合せは、本明細書に引用参照されてい
る、“酸化スズガスセンサ”という名称の米国特許第5,427,740号明細
書[発明者:コールズ(Coles) 達]中に説明されている。
【0065】 実施例 これらの実施例は、様々な格子構造と化学量論組成を有する酸化スズのナノ粒
子の製造を説明している。さらに、この粒子は極めて高いサイズ均一性を有して
いる。実施例1‐3で説明される粒子は、基本的に、上に説明した図2のレーザ
熱分解装置を用いて製造された。図4に説明されている酸化スズのナノ粒子は、
基本的に、図2のレーザ熱分解装置で先ず製造されたナノ粒子を出発材料として
、上記の図5の装置でさらに加工した生成物である。
【0066】 実施例1‐結晶性SnOX(1<x<2)、試料1 この実施例で説明されたSnOXの合成は、レーザ熱分解で行われた。SnC l4 (Strem Chemical,Inc.,Newburyport,MA)前駆体蒸気は、室温で、容器中の液
状SnCl4を通してArガスを泡立てて吹き込むことにより反応チャンバー中 に導入された。レーザ吸収用ガスとしてC24ガスが用いられ、そして不活性ガ
スとしてアルゴンが用いられた。SnCl4、Ar、O2およびC24を含む、こ
の反応物ガス混合物を、反応チャンバーに射出するための反応物ガス用ノズルに
導入した。この反応物ガス用ノズルは、表1の第1欄に特定されている寸法の開
口を備えている。実施例1の粒子に関するレーザ熱分解合成の追加のパラメータ
も表1の第1欄に特定されている。
【0067】
【表1】 sccm=標準状態での立方センチ/分 slm=標準状態でのリットル/分 Argon‐Win=導入管216、218を通るアルゴン流 Argon‐Sld=環状流路142を通るアルゴン流。
【0068】 合成された酸化スズのナノ粒子は、空気中で直接取扱うことができた。ナノ粒
子の生産速度は、標準的には約5‐10g/hrであった。表1の第1欄に特定
された条件で、結晶性のSnOXが製造された。その結晶格子を評価するために 、試料をシーメンス(Siemens)D500X-線回折計でのCu(Ka)放射線を用いる
X‐線回折により調べた。このX‐線回折図を、図6に示した。結晶性の相を示
唆する10以上のピークが、18度と60度の間に観測された。粒径と形態構造
を求めるために透過電子顕微鏡(TEM)が用いられた。TEMマイクログラフ
は図7に示されている。
【0069】 このTEMマイクログラフの一部を調べて、約20nmの平均粒径を得た。対
応する粒度分布は、図8に示されている。これらナノ粒子の背後に、そのナノ粒
子を保持するために用いられた炭素フィルムの像が見られる。図7のマイクログ
ラフに明瞭に見られる粒子の粒径を手動で測定し、大体の粒度分布を求めた。そ
のマイクログラフ中での歪んだ領域もしくは焦点が外れている領域を避けるため
に、明瞭な粒子境界を有する粒子だけを測定した。このようにして得られた測定
結果は、結晶は配向しているので、マイクログラフの一つの映像だけでは、全て
の粒子の明瞭な像を示すことはできないので、より正確で偏よっていないに違い
ない。これら粒子が、むしろ狭い粒径範囲に分布していることが意味がある。
【0070】 この酸化スズのナノ粒子は、明らかに、幾らかの残存塩化スズ、SnCl2を 含んでいる。これは、マイクログラフ中の暗領域、さらにまた、X‐線回折図中
に一定のラインが現れることから明らかである。にもかかわらず、この塩化スズ
は、酸化スズ格子を乱すことがない特別の物質であり、このことは、その試料の
結晶度と、回折図中での特定ラインが塩化スズにより、そして他のラインが酸化
スズにより明確に同定できることにより明らかである。回折図中での酸化スズに
対応する特定ラインは、正方晶系格子と関連付けることができた。しかし、この
ラインのパターンは、任意の既知の酸化スズもしくは既知の物質の組合せ(混合
相)と関連付けることはできなかった。明らかに、この製造されたナノ粒子は、
既知の酸化スズ材料とは異なる化学量論組成および/または格子構造を有してい
る。この回折図へのSnCl2からの寄与を取除けば、この新しい酸化スズ物質 に因る回折ピークを同定することができる。この新しい酸化スズ物質からのこれ
らピークが図9に示されている。
【0071】 実施例2‐SnOX(1<x<2)、試料2 これら粒子は、実施例1で説明された装置に類似のレーザ熱分解装置を用いて
製造された。この実施例に説明された粒子の製造では、反応物ガスノズルの寸法
は、5/8インチ×1/6インチであった。実施例2に説明された粒子の製造に
用いられた反応条件は、表1の第2欄に示されている。
【0072】 代表的生成物ナノ粒子の一つのX‐線回折図が図10に示されている。正方晶
系結晶構造に対応する明瞭な回折ピークが見られる。図10中の回折図は、図6
中の回折図に非常に似ており、この結晶が、同じ基底格子と化学量論組成を含ん
でいることを示唆する。図10中のピークは、図6中のピークよりシャープで、
図10を得るために使用された粒子の方が、より大きい粒径および/またはより
大きい結晶度を有していることを示唆する。
【0073】 図11に示されているように、この実施例の粒子について倍率の大きいTEM
マイクログラムが得られた。この場合もまた、これら粒子は、かなり狭い粒径範
囲に分布している。この場合、最大粒子と最小粒子の粒径の差は、約15nm未
満である。得られた平均粒径は約45nmであった。
【0074】 実施例3‐結晶性SnOX、試料3 この実施例で説明されるナノ粒子の製造のための実験順序は、実施例1で説明
したのと同じである。この反応条件は、表1の第3欄に示されている。この実施
例3のナノ粒子の製造に用いられたレーザ熱分解条件の、実施例1および2のナ
ノ粒子の製造に用いられた条件との有意な差は、より低いチャンバー圧力を使用
したことである。
【0075】 この物質のX‐線回折図を、図12に示してある。図6および10中の回折図
と比較して、図12中の回折図は、幾つかの余分のピークを示した。これらのピ
ークは、残存塩化スズに由来すると考えられる。この可能性は、図13に示され
ているように,TEM像により支持される。幾らかの残存塩化スズが、粒子の幾
つかをカバーする暗像として見られる。このマイクログラフを調べて求めた平均
粒径は、大体30nmであった。
【0076】 実施例4‐結晶性SnOX、オーブンでの加工 実施例1で説明された結晶性SnOXの試料を、オーブン中、酸化条件下でベ ーキング処理した。このオーブンは、基本的に図5に説明されたような物である
。この試料は、約300℃で約12時間加熱された。直径1.0インチの石英管
を通して、約106sccm(標準状態での立方センチ/分)の流量で酸素ガス
を流した。約100と約300mgの間のナノ粒子を、そのオーブンを通して置
かれた石英管内の開放型の1ccバイアルの中に入れた。得られたナノ粒子は、
単相SnO2(Cassiterite:スズ石)ナノ粒子であった。対応X‐線回折図を図 14に示す。
【0077】 これらナノ粒子のTEMマイクログラフの一つを図15に示す。この場合も、
均一な大きさと形状が得られた。平均粒径は、約20nmであった。その粒径分
布が、図16に描かれている。図16中の分布は、図8中の分布に非常に似てお
り、たとえ焼結が起きているとしても、極く僅かであることを示唆している。
【0078】 上に説明した実施態様は、例示的であることを意図するものであり、限定を意
図するものではない。本発明の追加的実施態様は、本特許請求の範囲内である。
この技術分野の習熟者には理解されるであろうように、熟練した実施者なら、以
下に付記された特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の精神と範囲から
逸脱することなしに、上に説明した方法と装置において多くの変更を行ない得る
であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粒径の減小が表面積に及ぼす影響を例示する概略図である。
【図2】 レーザ線光路の中心を通る面で切った、レーザ熱分解装置の一つの態様の概略
断面図である。上の挿入図は、射出ノズルの底面図であり、下の挿入図は、捕集
ノズルの上面図である。
【図3】 レーザ熱分解装置の一つの代替態様の反応チャンバーの透視概略図であり、チ
ャンバーの材料は、その装置の内部を明らかにするために透明であるように描か
れている。
【図4】 4−4のラインに沿って切った図3の反応チャンバーの断面図である。
【図5】 酸化バナジウム粒子を加熱するオーブンの概略断面図であり、その断面は、石
英管の中心を通っている。
【図6】 実施例1のSnOXナノ粒子のX‐線回折図である。
【図7】 実施例1のナノ粒子のTEMマイクログラフである。
【図8】 図7のマイクログラフを基にした実施例1のナノ粒子での粒径分布をプロット
した図である。
【図9】 除去されるSnCl2からの寄与を含む、図6中の酸化スズについて得られた X‐線回折ピークの位置を示す図である。
【図10】 実施例2のSnOXナノ粒子のX‐線回折図である。
【図11】 実施例2のナノ粒子のTEMマイクログラフである。
【図12】 実施例3のSnOXナノ粒子のX‐線回折図である。
【図13】 実施例3のナノ粒子のTEMマイクログラフである。
【図14】 実施例4のSnOXナノ粒子のX‐線回折図である。
【図15】 実施例4のナノ粒子のTEMマイクログラフである。
【図16】 図15のマイクログラフをベースにした実施例4のナノ粒子での粒径分布をプ
ロットした図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月4日(2001.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カンベ,ノブユキ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025, メンロ・パーク,ホバート・ストリート 840

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性酸化スズを含んでなる粒子の集合体で、その粒子集合
    体は約500nm以下の平均粒径を有し、そのナノ粒子の少くとも約95パーセ
    ントがその平均粒径の約50パーセントより大きく且つその平均粒径の約150
    パーセントより小さい直径を有する、粒子の集合体。
  2. 【請求項2】 約100nm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の粒
    子の集合体。
  3. 【請求項3】 約5nmから約50nmの平均粒径を有する、請求項1に記
    載の粒子の集合体。
  4. 【請求項4】 酸化スズがSnO2の化学量論組成を有する、請求項1に記 載の粒子の集合体。
  5. 【請求項5】 ナノ粒子の少なくとも約99パーセントがその平均粒径の約
    50パーセントより大きく且つその平均粒径の約150パーセントより小さい直
    径を有する、請求項1に記載の粒子の集合体。
  6. 【請求項6】 ナノ粒子の少なくとも約95パーセントがその平均粒径の約
    60パーセントより大きく且つその平均粒径の約160パーセントより小さい直
    径を有する、請求項1に記載の粒子の集合体。
  7. 【請求項7】 粒子の外観がほぼ球形である、請求項1に記載の粒子の集合
    体。
  8. 【請求項8】 酸化スズが単結晶相を有する、請求項1に記載の粒子の集合
    体。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の粒子を含む被膜を含んでなるデバイス。
  10. 【請求項10】 ガス感知器を含んでなる、請求項9に記載のデバイス。
  11. 【請求項11】 該デバイスが表示装置を含んでなり、そして該被膜が透明
    電極として機能する、請求項9に記載のデバイス。
  12. 【請求項12】 酸化スズのナノ粒子を製造する方法であって、反応チャン
    バー中で分子流を熱分解することを含んでなり、その分子流がスズ前駆体、酸化
    性ガスおよび放射線吸収用ガスを含んでなる方法。
  13. 【請求項13】 熱分解がレーザ・ビームから吸収される熱で駆動される、
    請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 レーザ・ビームがCO2レーザにより発生される、請求項 12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 酸化スズのナノ粒子が約5nmから約100nmの平均粒
    径を有する、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 スズ前駆体がSnCl4であり、そして酸化性ガスがO2
    ある、請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 酸化スズのナノ粒子の少なくとも約95パーセントがその
    平均粒径の約50パーセントより大きく且つその平均粒径の約150パーセント
    より小さい直径を有する、請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 次の要素を含んでなる装置: (A)周囲の大気から隔離された反応チャンバー; (B)分子流の経路を規定する反応物ガスの導入口であって、スズ前駆体源、
    酸素供給剤源およびレーザ吸収用ガス源に連結されている導入口; (C)分子流の経路と交差するレーザ・ビーム経路;および (D)生成物の出口。
  19. 【請求項19】 スズ前駆体がSnCl4であり、そして該酸素供給用反応 物がO2である、請求項18に記載の装置。
  20. 【請求項20】 反応物ガスの入口が一次元方向に延びている、請求項18
    に記載の装置。
  21. 【請求項21】 レーザ・ビームの経路に沿ってそのレーザ・ビームを発生
    させるために配列されているCO2レーザをさらに含んでなる、請求項18に記 載の装置。
  22. 【請求項22】 スズ前駆体源と流体連結している担体ガス源をさらに含ん
    でなる、請求項18に記載の装置。
  23. 【請求項23】 図9に示したようなライン位置を有する回折パターンを与
    える結晶性酸化スズ粒子の集合体。
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