JP2002505917A - 吸収性物品中のプロテアーゼインヒビタ - Google Patents

吸収性物品中のプロテアーゼインヒビタ

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JP2002505917A JP2000535386A JP2000535386A JP2002505917A JP 2002505917 A JP2002505917 A JP 2002505917A JP 2000535386 A JP2000535386 A JP 2000535386A JP 2000535386 A JP2000535386 A JP 2000535386A JP 2002505917 A JP2002505917 A JP 2002505917A
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マクアイバー、ジョン・マクミラン
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    • A61L2300/432Inhibitors, antagonists
    • A61L2300/434Inhibitors, antagonists of enzymes

Abstract

(57)【要約】 本発明は着用者に皮膚炎症を起こさせるか寄与してオムツかぶれやオムツ皮膚炎をもたらす糞便プロテアーゼの活性を減少させるプロテアーゼインヒビタを少なくとも一部に組み込んだ吸収性物品を提供する。好ましくは本物品はプロテアーゼインヒビタを解放可能に含み着用者の皮膚の少なくとも一部へと送り出すデリバリシステムをさらに具備する。より好ましくはデリバリシステムはスキンケア組成物を具備し組成物の少なくとも一部は物品の標準的な使用時に手動の関与なしで物品から着用者の皮膚へと自動的に移行して皮膚−糞便界面で糞便プロテアーゼに対する防御を形成する。最も好ましくは同様に処理された物品の着用者の皮膚への繰り返しの適用はプロテアーゼインヒビタが徐々に皮膚上へと連続的に移行・蓄積して蛋白質分解酵素によるオムツ皮膚炎の減少或いは防止のための糞便プロテアーゼに対する前方向防御を提供する供給源を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、オムツ、トレーニングパンツ、成人用失禁ブリーフ、及び女性用衛
生製品などのような吸収性物品に関する。特に、本発明の吸収性物品は、糞便プ
ロテアーゼインヒビタを含んでおり、オムツかぶれの防止及び治療に有用である
【0002】 オムツかぶれは、乳児の身体の通常はオムツによって覆われた部分のかぶれ及
び炎症の一般形態である。この状態は、また、オムツ皮膚炎、ナプキン皮膚炎、
ナプキンかぶれ、及びおしめかぶれとも呼ばれている。乳児において疑いなくよ
り一般的であるが、この状態は、実際、乳児に限られるものではない。吸収性物
品の使用が必要な程度に失禁を患っているどのような個体もこの状態になるかも
知れない。罹り易い個体は、新生児から、老人の個体、危篤の病の個体、非歩行
の個体にまで及んでいる。
【0003】 オムツ、トレーニングパンツ、成人用失禁ブリーフ、衛生製品、及びパンティ
ライナなどのような多くのタイプの使い捨て吸収性物品が入手可能であり、それ
らは尿及びその他の身体滲出物を吸収する高い能力を有している。このタイプの
使い捨て製品は、一般に、ある種の液体浸透性トップシート材料、吸収体コア、
及び液体不浸透性バックシート材料を具備している。これらタイプの吸収体構造
は液体の吸収について非常に有効であるかも知れないが、そのような吸収性物品
の長期的な着用は、水分過剰或いは通常は身体滲出物中に見出される皮膚刺激物
との接触の観点でその下の皮膚を脅かすかも知れないことは十分に認識されてい
る。米国連邦規制基準のPart21,Section333.503は、オム
ツかぶれを、「以下の因子:湿気、閉塞、擦り切れ(chafing)、尿または糞便 またはそれら両方との連続した接触、或いは機械的または化学的刺激,の1つ以
上によって生じたオムツ領域(会陰、臀部、下腹部、及び内腿部)における炎症
性皮膚状態」と定義している。真のオムツかぶれ或いはオムツ皮膚炎が、その最
も単純な段階において、皮膚の尿または糞便またはそれら両方との長時間にわた
る接触に起因する接触刺激性皮膚炎(contact irritant dermatitis)の状態に あることは、医業によって一般に認められている。オムツかぶれに関連する最も
一般的に受け入れられている因子は、アンモニア、糞便酵素、細菌、細菌作用の
生成物、尿のpH、及びカンジダアルビカンスである。
【0004】 Buckingham,米国特許第4,556,560号;Zimmerer
,米国特許第4,657,537号;Berg及びStewart,米国特許第
4,685,909号;Jordan及びRyan,米国特許第4,842,5
93号;Andersenら(Contact Dermatitis 30:
152−158,1994);MacFarlaneら(J.No.4,842
,593;Andersenら(Contact Dermatitis 30
:152−158,1994);MacFarlaneら(J.Appl.Ba
cteriol. 64:37−46,1988);並びにBuckingha
m及びBerg(Pediatric Dermatology 3:107−
112,1985)で議論されるように、腸管及び/または膵臓を起源とする糞
便蛋白分解及び脂質分解酵素は、オムツかぶれの皮膚刺激及び炎症を発生させる
ことにおいて直接的な役割を演じている。様々なクラスのプロテアーゼの酵素力
を阻害するように設計されたインヒビタについての研究は、セリンプロテアーゼ
、システインプロテアーゼ、及びメタロプロテアーゼは糞便の全蛋白分解活性の
原因に最もなり易いことを示している。セリンプロテアーゼトリプシン及びキモ
トリプシンは、特に、正常な若年の子供の大便の中には殆ど常に大量に存在して
おり、正常な大人の大便中にはより少ないが検出可能な量だけ存在している。
【0005】 皮膚に対する糞便の酵素力の刺激作用は、尿が存在する場合及び/または皮膚
が閉塞されている場合に増大され易い。細菌酵素ウレアーゼの尿への作用による
水酸化アンモニウムの生成は、pHの増加,例えば、プロテアーゼ及び糞便中に
存在するリパーゼのような他の酵素の酵素力が高められる7.0以上のレベルへ
の増加,をもたらす。例えば、ウレアーゼ活性について最適なpHの範囲は6.
4〜6.9であり、トリプシンについては7.8乃至8.2であり、リパーゼに
ついては7.5〜9.5である。7.0よりも高いpHでは、尿から遊離アンモ
ニアが毒性の付加的な皮膚刺激物として放たれる。尿自身もまた、オムツ環境に
湿気を与えることによって、オムツかぶれに寄与する。水及び特には尿の形態の
水は、皮膚のバリア特性を減少させ、それにより皮膚の糞便酵素刺激物への感受
性を高めることに特に効力がある。尿及び糞便は一般に吸収性物品中に同時に存
在し且つ数時間もの間の皮膚との接触は稀なことではないので、適当な条件及び
十分な時間はこの相互作用及びそれに起因する皮膚のダメージが発生するのに利
用可能である。アルカリ性の糞便のpHは、糞便の酵素力を高めるのに寄与する
更なる因子である。例えば、母乳で育てられる(breast-fed)赤ん坊の糞便は通
常は酸性であるが、人工ミルクで育てられる(bottle-fed)赤ん坊及びさじで食
べさせられる(spoon-fed)乳児の糞便は一般に僅かにアルカリ性(pH7.2 〜7.5)から大いにアルカリ性(pH8.7以上)までにわたるpHのアルカ
リ性である。このように、人工ミルクで育てられる赤ん坊及びさじで食べさせら
れる乳児は、特に、pHで高められた糞便酵素の活性のせいでオムツかぶれにな
る傾向を有しているかも知れない。
【0006】 前述したオムツかぶれの原因を考慮して、その発生を減少させる或いは防止す
る多くのアプローチが試みられている。最も現実激なアプローチの多くは、複合
的な原因や重要な補助因子に対処することを試みている。オムツの頻繁な交換、
吸湿パウダの使用、超吸収性材料の使用、及びオムツ中の通気性の改良により皮
膚の水和を減少させることは、広く知られたアプローチである。人工バリアの使
用も広く実行されている。これらの典型的なものは、局所用クリーム、軟膏、ロ
ーション、またはペーストをそれらの特異的な性質を無視して使用して、皮膚に
糞便または尿刺激物に対するある程度の物理的なバリア保護を提供することであ
る。しかしながら、そのバリアのアプローチは、皮膚への刺激物のアクセスを減
少させるが、それ自体が閉塞性であり、美的に不快であろう。
【0007】 他のアプローチにおいては、吸収性物品中でまたは局所的に適用されるスキン
ケア製品中の構成成分として緩衝剤や酸性アンモニア中和剤のようなpH制御剤
を使用することにより皮膚のpHを維持する試みがなされている。皮膚のpHを
その本来の酸性状態(すなわち、約3.0乃至約5.5)に効果的に維持するこ
とは、アンモニアの刺激作用を抑え且つ糞便酵素の活性を減少させるものと考え
られている。しかしながら、このアプローチにより皮膚上での酵素活性を減少さ
せることは、便通に続いてアルカリ性の糞便が皮膚上に直接に付着する状況にお
いては潜在的に困難である。
【0008】 ある抗酵素化合物は、人間の皮膚の身体排出物との長期の接触により生じるオ
ムツかぶれを治療または防止するための局所的に適用される組成物中に含められ
ている。例えば、米国特許第4,556,560号は、好ましくはポリエチレン
グリコールのようなバリア状キャリア中の塩化亜鉛のような金属塩である水溶性
リパーゼインヒビタを含有する組成物を記載している。米国特許第5,091,
193号は、ウレアーゼ及びプロテアーゼが補助因子として活性に必要とする金
属の有効性を制限するフィチン酸及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など
のようなキレート剤を含有する、オムツ交換時に皮膚に適用するための組成物を
記載している。その組成物は、飽和または不飽和の直鎖状のまたは分枝した炭素
原子数が2乃至22の脂肪酸の亜鉛塩のような脂肪族アルコールのエステルや付
加的な抗酵素またはプロピオニルシステイン、プロピオニルヒドロキシプロリン
、またはカプロイルシステインのようなアミノ化されアシル化された酸のような
リパーゼインヒビタをさらに含んでいる。プロテアーゼインヒビタを組み込んだ
スキンクリーナ組成物を有するクリーニングワイプを皮膚から身体排出物を取り
除くためにトイレットペーパの代わりに使用して刺激を防止することも記載され
ている。
【0009】 オムツかぶれの発生には複合因子が伴われているように見えるが、皮膚の糞便
酵素及びアンモニアなどのような刺激物に対する生理学的応答は幾つかの共通の
メカニズムを伴いがちである。例えば、皮膚細胞によるサイトカインの生成は、
刺激物の存在に対する及び皮膚の外側バリア層(角質層)の混乱(perturbation
)に対する共通の応答である。サイトカインの生成に関連するものと思われる主
な細胞のタイプは、角質層の直下に見出される細胞のタイプであり且つ最も刺激
に最初に遭遇し易いケラチノサイトである。ケラチノサイトは、刺激に応じて、
前炎症性(proinflammatory)サイトカイン インターロイキン1−α(IL− 1α)を含む多様な異なるサイトカインを分泌する。このサイトカイン及びその
他は、最後には一括してオムツ皮膚炎として記載される紅斑、丘疹、スケーリン
グ(scaling)、及び潰瘍へと導くであろう連鎖的状況を誘起する。
【0010】 ウレアーゼ、リパーゼ、及び/またはプロテアーゼ酵素活性のあるインヒビタ
を含むオムツかぶれの治療または防止のための組成物が記載されたが、糞便プロ
テアーゼがケラチノサイトの最初のサイトカイン応答を誘起して炎症性応答の連
鎖へと導くことにおいて重要な役割を演じていること、並びに、プロテアーゼの
阻害は特に先の開示に比べてより特異なオムツかぶれを防止するまたは治療する
手段を提供することは、従来は認識されていなかった。特に、プロテアーゼイン
ヒビタがオムツなどのような吸収性物品中に直接に組み込まれるオムツ皮膚炎を
減少させるまたは防止するための治療養生法、或いは、効果的な量のプロテアー
ゼインヒビタが処理された物品から着用者の皮膚に手作業の関与なしで自動的に
送り出されることについての従来の記載は全くない。さらに、処理された吸収性
物品の使用,好ましくは繰り返しの使用,が着用者の皮膚の選択された領域に十
分なレベルのプロテアーゼインヒビタを自動的に移動させて糞便プロテアーゼの
浸透(penetration)及び活性に対する前方向防衛(proactive defense)を提供
することは、従来は認識されていなかった。
【0011】 発明の要約 本発明は、吸収性物品であって、その少なくとも一部はそこにプロテアーゼイ
ンヒビタを組み込まれて前記物品の着用者の皮膚の炎症を引き起こすまたは前記
炎症に寄与してオムツかぶれまたはオムツ皮膚炎をもたらす糞便プロテアーゼの
活性を減少させる吸収性物品を提供する。本発明のコンテクストにおいて使用さ
れるように、用語「プロテアーゼインヒビタ」は、以下に記載される7つの効力
検定の1つ以上において、(i)以下に規定されるIC50が以下に記載される精
製プロテアーゼ法(Purified Protease Method)により測定した場合に約30マ
イクロモル(μM)以下,典型的には約0.00001μM乃至約30μM、よ
り典型的には約0.0001μM乃至約20μM、さらに典型的には約0.00
1μM乃至約10μM、及び最も典型的には0.01μM乃至5μM,であるか
、(ii)IC50が以下に記載される特殊糞便プロテアーゼ法(Specific Fecal
Protease Method)により測定した場合に約90μM以下,典型的には約0.0
0001μM乃至約90μM、より典型的には約0.0001μM乃至約30μ
M、さらに典型的には約0.001μM乃至約10μM、及び最も典型的には0
.01μM乃至5μM,であるか、或いは、(iii)IC50が以下に記載され
る一般糞便プロテアーゼ法(General Fecal Protease Method)により測定した 場合に約500μM以下,より典型的には約300μM以下、及びさらに典型的
には約100μM以下,であるプロテアーゼ活性を阻害するどのような物質も意
味する。
【0012】 本発明の物品中に組み込まれるプロテアーゼインヒビタは、好ましくは、糞便
中に存在する主要なタイプのプロテアーゼ,すなわち、セリンプロテアーゼ、メ
タロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、及びアスパルチルプロテアーゼ,
の1つ以上を不活性化する。上記に示されるIC50判定基準を満足するどのよう
なプロテアーゼインヒビタまたはプロテアーゼインヒビタの混合物も本吸収性物
品で使用されてもよいが、大豆トリプシンインヒビタ及びヘキサミジンのような
セリンプロテアーゼインヒビタの使用による糞便中のセリンプロテアーゼ活性の
阻害が特に糞便に対する皮膚細胞による初期のサイトカイン応答を顕著に減少さ
せることが、ここで発見及び実証されている。本発明の吸収性物品での使用に好
ましい代表的なプロテアーゼインヒビタは、大豆トリプシンインヒビタ及びヘキ
サミジンに加えて、アプロチニン、p−アミノベンザミジン、ロイペプチン、ペ
プスチンA、及びキモスタチン等を含む。
【0013】 本物品は、好ましくは、約0.0001重量%乃至約30重量%の、好ましく
は0.0001重量%乃至約10重量%のプロテアーゼインヒビタを具備する。
そのインヒビタは、パウダ、フレーク、及び粒子等のように生で(neat)存在し
ていてもよく、或いは、溶液、懸濁液、分散液、及び乳濁液等としてキャリア媒
体中に存在していてもよい。そのうえ、そのインヒビタは、マイクロカプセル、
吸収性材料、セル、接着剤、スキンケア組成物、固体支持体、及びナノフェーズ
微粒構造等に解放可能に含まれてもよい。好ましくは、本吸収性物品中のインヒ
ビタは、プロテアーゼ活性を、(以下に記載の)吸収性物品試験方法(Absorben
t Article Test Method)で測定した場合に、少なくとも約10%、より好まし くは少なくとも約20%、さらにより好ましくは少なくとも約50%、及び最も
好ましくは少なくとも約80%減少させる。典型的には、本吸収性物品中のイン
ヒビタは、プロテアーゼ活性を、約10%乃至約99%、より典型的には約20
%乃至約99%、さらにより典型的には約50%乃至約99%、及び最も典型的
には約80%乃至約99%減少させる。
【0014】 本吸収性物品は、好ましくは、プロテアーゼインヒビタを本物品の着用者の皮
膚の少なくとも一部へと解放可能に含み且つ送り出すデリバリシステムをさらに
具備する。そのデリバリシステムは、制限されるものではないが、プロテアーゼ
インヒビタを、パウダ、粒子、またはフレークの形態で、或いは、溶液、分散液
、懸濁液、及び乳濁液等の中に含有する構造を含むどのような構造であってもよ
い。そのデリバリシステムは、マイクロカプセル、吸収性材料、ナノフェーズ微
粒構造、セル、接着剤、または固体支持体等のような構造、或いはスキンケア組
成ずつのような組成物を具備してもよい。好ましくは、そのデリバリシステムは
、プロテアーゼインヒビタを、本物品の着用中に皮膚に近接して、より好ましく
はそのインヒビタが糞便プロテアーゼをそれらが皮膚の角質層の表面に浸透する
前に皮膚/糞便界面で捕らえ、それにより炎症性応答の活性化を減少させるまた
は防止するように本物品の着用者の皮膚の少なくとも一部の上に配置する。
【0015】 本発明の好ましい態様において、そのデリバリシステムは、約0.01重量%
乃至約50重量%の、好ましくは約0.05重量%乃至約25重量%の、特には
約0.1重量%乃至約10重量%のプロテアーゼインヒビタを含有するスキンケ
ア組成物を具備する。より好ましくは、本吸収性物品の着用者接触面の少なくと
も一部は、そのインヒビタを含有するスキンケア組成物を、本物品の標準的な使
用の間にプロテアーゼインヒビタを含むスキンケア組成物の一部が本物品から着
用者の皮膚へと手作業の関与なしで自動的に移されて皮膚−糞便界面に糞便プロ
テアーゼに対する防衛を形成するように具備する。最も好ましくは、同様に処理
された物品の着用者の皮膚への繰り返された適用は、有効な供給源,そこからプ
ロテアーゼインヒビタが徐々に皮膚の上へと連続的に移動し且つ堆積して、蛋白
分解酵素によるオムツ皮膚炎の減少または防止のための糞便プロテアーゼに対す
る前方向防衛を提供する,を提供する。
【0016】 本発明のプロテアーゼインヒビタで処理された吸収性物品の利益は糞便プロテ
アーゼの阻害であり、それゆえに、糞便との接触による皮膚刺激の減少は、pH
の変更、酵素活性に必要な補助因子の不活性化、または他の皮膚健康増強化合物
のような非直接的な手段によるものではなく、インヒビタ−酵素相互作用の直接
的な結果である。糞便中に存在する主要なタイプのプロテアーゼを不活性化する
インヒビタの賢明な選択により、オムツかぶれの治療及び/または防止方法は本
物品中に非常に少量のプロテアーゼインヒビタを必要とすることが立証される。
そのうえ、本発明のインヒビタ−酵素相互作用は、汚れたオムツ及び非バッファ
条件(non-buffered conditions)下の他の吸収性物品において標準的に見出さ れる高いpHレベルで成し遂げられる。
【0017】 図面の簡単な説明 図1は、本発明に係るオムツの形態の吸収性物品を概略的に示す図。 図2は、スキンケア組成物移行試験及び/またはプロテアーゼインヒビタ移行
試験において使用される皮膚類似体(analog)の配置を示す側面図。 図3は、スキンケア組成物移行試験及び/またはプロテアーゼインヒビタ移行
試験において使用される皮膚類似体の配置を示す平面図。
【0018】 発明の詳細な説明 I.定義 ここで使用されるように、用語「を具備する」は、様々なコンポーネント、成
分、または工程が本発明を実行することにおいて結合して使用され得ることを意
味している。したがって、用語「を具備する」は、より限定的な用語「から実質
的になる」及び「からなる」を包含する。
【0019】 ここで使用されるように、用語「IC50」は、以下に記載される標準インビト
ロプロテアーゼ活性効力検定により測定した場合に、プロテアーゼによる基質分
割(substrate cleavage)の速度を50%減少させる物質(インヒビタ)の阻害
濃度(例えば、マイクロモル濃度,μM)を意味する。そのIC50は等式IC50 =[I]/[(V/Vi)−1]に従って算出され、そこで、[I]は試験され るインヒビタの濃度であり、vはそのインヒビタの不存在下での基質分割の速度
であり、viはそのインヒビタの存在下での基質分割の速度である。以下にさら に記載されるように、本発明に係るプロテアーゼインヒビタのIC50は、精製プ
ロテアーゼ法、特殊糞便プロテアーゼ法、或いは一般糞便プロテアーゼ法によっ
て測定されてもよい。
【0020】 他の用語は、ここで最初に議論されたように定義される。 ここで使用される全ての百分率、比、及び割合は、特に指示がない限り重量に
よる。
【0021】 II.本発明 本発明は、糞便中に見出される1つ以上のプロテアーゼを阻害し且つ以下に記
載される精製プロテアーゼ効力検定、特殊糞便プロテアーゼ効力検定、または一
般糞便プロテアーゼ効力検定においてトリプシン、キモトリプシン、及び/また
はロイシンアミノペプチダーゼに対する阻害活性についてのIC50判定基準のい
ずれか1つを満足するプロテアーゼインヒビタを含む吸収性物品を提供する。よ
り詳細には、本発明は、精製プロテアーゼ法により測定した場合に、約30μM
以下の、典型的には約0.00001μM乃至約30μMの、より典型的には約
0.0001μM乃至約20μMの、さらに典型的には約0.001μM乃至約
10μMの、及び最も典型的には0.01μM乃至5μMのIC50を有するプロ
テアーゼインヒビタを含む吸収性物品を提供する。また、本発明は、特殊糞便プ
ロテアーゼ法により測定した場合に、約90μM以下の、典型的には約0.00
001μM乃至約90μMの、より典型的には約0.0001μM乃至約30μ
Mの、さらに典型的には約0.001μM乃至約10μMの、及び最も典型的に
は0.01μM乃至5μMのIC50を有するプロテアーゼインヒビタを含む吸収
性物品を提供する。さらに、本発明は、一般糞便プロテアーゼ法により測定した
場合に、約500μM以下の、より典型的には約300μM以下の、及びさらに
典型的には約100μM以下のプロテアーゼインヒビタまたはプロテアーゼイン
ヒビタの混合物を含む吸収性物品を提供する。本発明のコンテクストにおいて使
用されるように、用語「処理された物品」は、プロテアーゼインヒビタを含む吸
収性物品を意味する。本発明の一態様において、そのプロテアーゼインヒビタは
、吸収性物品の糞便,特には流れ易い糞便,と接触するであろう部分で、本物品
のその部分における糞便プロテアーゼ活性の直接的な阻害のために、最初から利
用可能であるか或いはその部分に移動可能である。以下に記載されるように、そ
のインヒビタは、最初から活性な形態であってもよく、或いは、最初は不活性で
あるが例えば尿または糞便からの湿気のような外部からの供給源によって活性化
可能であってもよい。
【0022】 本発明の他の態様において、本吸収性物品は、プロテアーゼインヒビタを含み
且つ本物品の着用の間に皮膚/糞便バリアでの糞便プロテアーゼの阻害のために
有効量のインヒビタを着用者の皮膚の少なくとも一部へと手作業の関与なしで自
動的に送り出すデリバリシステムを具備する。より好ましくは、プロテアーゼイ
ンヒビタデリバリシステムを有する同様の物品の使用または繰り返された使用は
、十分なレベルのプロテアーゼインヒビタを糞便との接触の前に着用者の皮膚の
選択された領域へと自動的に移行させて、糞便プロテアーゼ浸透及び活性に対す
る前方向防衛を提供する。
【0023】 糞便プロテアーゼが皮膚の角質層(外側バリア層)中に存在する蛋白質物質を
分解して、その下に横たわるケラチノサイトによるサイトカイン生成及びオムツ
かぶれの症状を引き起こす炎症応答連鎖の活性化をもたらすことは理論立てられ
ている。ここで証明されるように、本発明の吸収性物品で使用されるプロテアー
ゼ阻害物質は、糞便存在下でのケラチノサイトによるサイトカイン生成の誘導を
阻害する驚くべき能力を有しており、それは直接的なインヒビタ−酵素相互作用
によるものである。理論によって束縛または制限されることが意図されるわけで
はないが、上述した活性についてのIC50判定基準を満足し本物品内で或いは皮
膚/糞便界面で糞便と接触するプロテアーゼインヒビタの存在は、糞便プロテア
ーゼによる角質層への初期の損傷の発生を減少させるまたは防止すると考えられ
る。それゆえに、プロテアーゼインヒビタを組み込んだ或いは好ましくは皮膚上
にプロテアーゼインヒビタを有効濃度で直接に移行させるデリバリシステムを有
する吸収性物品は、オムツ皮膚炎の治療及び/または防止に有用である。
【0024】 皮膚の最も重要な機能の1つが、生理学的な流体、電解質、及び他の成分の滲
出に対するバリアとして振舞うことに加え、病原菌、毒素、及び他の炎症性また
は有害物質の進入に対するバリアとして振舞うことはよく知られている。糞便プ
ロテアーゼがオムツ皮膚炎に顕著に寄与するという発見を鑑みると、角質層の消
化性変質によって皮膚刺激を生じさせることに加えてこのバリアを脅かす作用は
、それ自体では刺激性ではない尿及び糞便、アンモニア、及び脂肪酸などの他の
成分が脅かされた皮膚バリアを通って移動して付加的な刺激を生成することを可
能としていると考えられる。例えば、アスパルチルプロテアーゼを生成するカン
ジダアルビカンスは、抗生物質を処方された個体において、人間の糞便の主要成
分として頻繁に見出される。このイーストは、汚れたオムツにおいて見出される
高湿環境において育ち、皮膚バリアが乱された(perturbed)場合には、アスパ ルチルプロテアーゼが皮膚のさらなる分解に寄与し得るだけでなく、深刻なカン
ジダ感染が起こり得る。それゆえに、吸収性物品中への糞便プロテアーゼのイン
ヒビタの包含は、個々で記載されるように、角質層バリアの完全性を維持するの
を助け且つオムツかぶれに寄与し得る二次的な刺激及び/または感染の発生を効
果的に防止する。
【0025】 III.プロテアーゼインヒビタ プロテアーゼは、ペプチド結合を切断または加水分解することにより蛋白質及
びペプチドを断片へと分割する蛋白分解酵素のグループを表すのに用いられる一
般用語である。プロテアーゼは、プロテイナーゼ(エンドペプチダーゼ)とペプ
チターゼ(エキソペプチダーゼ)とに下位分類され得る。ペプチダーゼは、蛋白
質の末端の遊離アミノまたはカルボキシル基に隣接したペプチド結合に作用する
。主要なタイプのペプチダーゼは、カルボキシペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、
及びアミノペプチダーゼである。プロテイナーゼは、蛋白質の特定の内部ペプチ
ド結合(specific interior peptide bonds)に作用し、4つの種類,すなわち 、セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、及びア
スパルチルプロテアーゼ,に下位分類され得る。主要なタイプのプロテイナーゼ
は、トリプシン及びキモトリプシンである。プロテアーゼは植物、カビ、細菌、
ミルク、ミルク製品、及び殆ど全ての動物組織に加え胃腸管内の消化液中に広く
分布しているので、それらはオムツされた領域が人間の排出物で汚されていると
きは殆ど常にその領域に存在している。本発明の吸収性物品中に含まれるそれぞ
れのプロテアーゼインヒビタは、上述したIC50についての7つの判定基準の少
なくとも1つを満足する化学物質であり、人間の糞便中に通常に見出される前述
したプロテアーゼの機能性下位分類(functional subclasses)に加え基質特異 性が今のところまだ明らかにされていないプロテアーゼの中に含まれる1つ以上
のプロテアーゼの加水分解作用を可逆的または非可逆的に阻害する。
【0026】 本発明の上記態様で用いられてもよいプロテアーゼインヒビタは、植物、微生
物、及び/または動物起源の天然に産出するインヒビタ及び上述したIC50につ
いての判定基準を満足する合成された化学製品のインヒビタを含む。IC50判定
基準を満足すると考えられ且つ括弧に入れて示唆したタイプのプロテアーゼを阻
害するものと考えられる代表的なプロテアーゼインヒビタは、制限されるもので
はないが、大豆トリプシンインヒビタ並びにライマビーンプロテアーゼインヒビ
タ、及びコーンプロテアーゼインヒビタなどの他の植物由来のトリプシンインヒ
ビタ;ボーマン・バークインヒビタ(セリン、トリプシン状プロテアーゼインヒ
ビタ);ウシ膵臓塩基性(basic)トリプシンインヒビタ及び他の動物由来の膵 臓トリプシンインヒビタのような膵臓トリプシンインヒビタ;卵白トリプシンイ
ンヒビタ(セリン、トリプシン状プロテアーゼインヒビタ);鶏または七面鳥の
卵白からのようなオボムコイド含有オボインヒビタ(トリプシン及びキモトリプ
シンインヒビタ);キモスタチン(セリン、キモトリプシン状プロテアーゼイン
ヒビタ);アプロチニン(セリンプロテアーゼインヒビタ);ロイペプチン及び
プロピオニル−ロイペプチン、N−α−t−BOC−脱アセチルロイペプチンの
ようなその類似体(セリン及びシステインプロテアーゼインヒビタ);ベスタチ
ン並びにエピベスタチン及びニトロベスタチンのようなその類似体(アミノペプ
チダーゼ メタロプロテアーゼインヒビタ);アマスタチン及びエピアマスタチ
ンのようなその類似体(アミノペプチダーゼインヒビタ);アンチパイン(トリ
プシンインヒビタ);アンチトロンビンIII(セリンプロテアーゼインヒビタ
);4−スルファモイルフェニル−4−グアニジノベンゾエートメタンスフホネ
ート(トリプシンインヒビタ);カモスタット(camostat:トリプシンインヒビ
タ);エラフィン(エラスターゼインヒビタ);ヒルジン(トロンビン状セリン
プロテアーゼインヒビタ);シスタチン(卵白システインプロテアーゼインヒビ
タ);E−64(トランス−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド−(4− グアニジノ)−ブタン)及びその類似体(システインプロテアーゼインヒビタ)
;α2−マクログロブリン(ユニバーサルエンドプロテアーゼインヒビタ);α1 −アンチトリプシン(トリプシンインヒビタ);ペプスタチン及びアセチルペプ
スタチン、ペプスタチンA、Nle−Sta−Ala−Staのようなその類似
体(アスパルチルプロテアーゼインヒビタ);アプスタチン(アミノペプチダー
ゼPインヒビタ);(2R)−2−メルカプトメチル−4−メチルペンタノイル
−b−(2−ナフチル)−Ala−Alaアミド(マトリクスメタロプロテアー
ゼインヒビタ);(2R)−2−メルカプトメチル−4−メチルペンタノイル−
Phe−Alaアミド(マトリクスメタロプロテアーゼインヒビタ);N−アセ
チル−Leu−Leu−メチオニナル(カルパインインヒビタ);N−アセチル
−Leu−Leu−ノルロイシナル(カルパインインヒビタ);p−アミノベン
ゾイル−Gly−Pro−D−Leu−D−Alaヒドロキサム酸(マトリクスメ
タロプロテアーゼインヒビタ);2(R)−[N−(4−メトキシフェニルスル
ホニル)−N−(3−ピリジルメチル)アミノ]−3−メチルブタノヒドロキサ
ム酸(メタロプロテアーゼインヒビタ);4−(2−アミノエチル)−ベンゼン
スルホニルフルオライドヒドロクロライド(広域抗菌スペクトル/一般プロテア
ーゼインヒビタ);及び前述したもののいずれかの混合物を含む。
【0027】 本発明の吸収性物品において使用される好ましいプロテアーゼインヒビタは、
阻害活性を示す化合物であって、それは必ずしも単一のプロテアーゼの分類に制
限されるものではない。そのような化合物は、制限されるものではないが、19
94年12月27日にImakiらに交付された米国特許第5,376,655
号に開示されるようなヘキサミジン及びその塩;ペンタミジン及びその塩;ベン
ザミジン並びにその塩及び誘導体、p−アミノベンザミジン並びにその塩及び誘
導体;グアニジノ安息香酸並びにその塩及び誘導体を含み、その開示はここに参
照により組み込まれる。他の好ましいプロテアーゼインヒビタは、本願とともに
T.L.Underinerの名のもとで1998年3月12日に出願された我
々の係属中の米国特許出願番号09/041,196で開示され且つつくられる
グアニジノ安息香酸のポリマー誘導体を含み、その継続中の出願の開示はここに
参照により組み込まれる。
【0028】 それらプロテアーゼインヒビタは、単一の吸収性物品において、単独で或いは
複数のインヒビタの「カクテル」のようなプロテアーゼインヒビタの混合物とし
て用いられてもよい。そのうえ、単一の吸収性物品において、異なるプロテアー
ゼインヒビタがころなる場所で使用されてもよい。
【0029】 糞便中に存在する酵素の多様性のせいで、糞便プロテアーゼを阻害する上述し
たような物質が、蛋白質及びペプチド以外の基質を分割する酵素をも阻害するこ
とが合理的に予測できる。ゆえに、リパーゼ及び他のエステラーゼ、アミラーゼ
、及び/またはウレアーゼをも阻害するプロテアーゼインヒビタは、そのインヒ
ビタが上述したようなプロテアーゼ阻害活性についてのIC50判定基準を満足す
るのであれば、本発明のそれら態様の範囲内にある。
【0030】 本発明の実施において好ましいプロテアーゼインヒビタは、大豆トリプシンイ
ンヒビタ、ボーマン・バークインヒビタ、アプロチニン、ヘキサミジン(例えば
、ヘキサミジンジイセチオネート)、p−アミノベンザミジン、ロイペプチン、
ペプスタチンA、キモスタチン、及びグアニジノ安息香酸のポリマー誘導体(先
に参照により組み込まれた我々の継続中の米国特許出願番号09/041,19
6で開示され且つつくられる)である。特に好ましいプロテアーゼインヒビタは
、大豆インヒビタ、ヘキサミジン、p−アミノベンザミジン、及び前述のグアニ
ジノ安息香酸のポリマー誘導体である。
【0031】 IV.吸収性物品 ここで使用されるように、用語「吸収性物品」は、身体滲出物を吸収し且つ保
持するデバイスを意味する。用語「使い捨て」は、ここでは、1回の使用の後に
洗濯される或いは修復される或いは吸収性物品として再利用されることが意図さ
れていない吸収性物品を言う。使い捨て吸収性物品の例は、衛生ナプキンのよう
な女性用衛生衣服、パンティライナ、オムツ、失禁ブリーフ、失禁パッド、オム
ツホルダ、及びトレーニングパンツなどを含む。
【0032】 プロテアーゼインヒビタは、ここに記載されるいずれの吸収性物品のいずれの
位置に組み込まれてもよい。プロテアーゼインヒビタのためのデリバリすす手無
は、吸収性物品の構成要素であり、以下に別途説明される。
【0033】 使い捨て吸収性物品は、典型的には、液体浸透性トップシート、液体不浸透性
バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に位置する吸収体コアを
具備している。使い捨て吸収性物品並びにトップシート、バックシート、急主体
コア、及びこれらの個々の層を含むその構成要素は、身体対向面と衣服対向面と
を有している。ここで使用されるように、「身体対向面」は着用者の身体に向け
てまたは隣接して着用されることが意図された物品または構成要素の面を意味し
、一方、「衣服対向面」はその裏側であり且つ使い捨て吸収性物品が着用された
場合に着用者の衣類または下着に向けてまたは隣接して着用されることが意図さ
れている。
【0034】 以下の記載は、使い捨て吸収性物品において有用な吸収体コア、トップシート
、及びバックシートを一般に説明している。この一般的な説明は、図1に示され
且つ以下に記載さえる特定の吸収性物品の構成要素に加え、ここに一般に記載さ
れる他の使い捨て吸収性物品の構成要素にも適用されることが理解されるべきで
ある。
【0035】 一般に、吸収体コアは、液体(例えば、月経、尿、及び/または他の身体滲出
物)を吸収または保持し得る。吸収体コアは、好ましくは、圧縮性であり、整合
的であり、着用者の皮膚に非刺激性である。吸収体コアは、様々なサイズ及び形
状(例えば、長方形、砂時計型、「T」字型、犬の骨型、非対称型等)に製造さ
れてもよい。吸収性複合体に加えて、吸収体コアは、一般にエアフェルトと呼ば
れる粉砕された木材パルプのように吸収性物品で一般に使用される非常に多様な
液体吸収性材料のいずれを含んでもよい。この吸収体コアで使用する他の好適な
吸収性材料の例は、クレープされたセルロース詰綿;コフォームを含む溶融吹込
されたポリマー;化学的に剛化され改良された改質または架橋セルロース繊維;
けん縮ポリエステル繊維のような合成繊維;泥炭コケ;薄葉状包装材料及び薄葉
状積層体を含む薄葉紙;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;複合体を含む超吸収
性ポリマー;吸収性ゲル化材料;或いは等価な材料または材料の組み合わせ、或
いはこれらの混合物を含む。
【0036】 吸収体コアの構造及び構成は多様であってもよい(例えば、吸収体コアは、厚
さの変化するゾーン及び/または中心でより厚くなるようなプロファイル;親水
性の勾配;吸収性複合体の勾配;超吸収体の勾配;或いはより低い平均密度及び
より低い平均基本重量のゾーン,例えば捕捉ゾーン;を有していてもよく、或い
は1つ以上の層または構造体を具備していてもよい)。しかしながら、吸収体コ
アの総吸収容量は、吸収性物品の設計処理量及び目的の用途に適合すべきである
。さらに、吸収体コアのサイズ及び吸収容量は、オムツ、失禁パッド、パンティ
ライナ、レギュラーの衛生ナプキン、及びオーバーナイトの衛生ナプキンのよう
な異なる用途に適応するように、及び乳児から大人までにわたる着用者に適応す
るように変化させられてもよい。また、吸収体コアは、吸収性物品においてしば
しば使用される他の吸収性の構成要素,例えば、ダスティング層、尿の一時的な
保持のための嵩高い(high loft)捕捉層のような吸上または捕捉層、或いは着 用者の快適性を高めるための第2のトップシート,を含み得る。
【0037】 トップシートは、好ましくは、圧縮性で、軟らかい感触であり、着用者の皮膚
に非刺激性である。さらに、トップシートは、液体(例えば月経及び/または尿
)が直ちにその厚さを透過することを可能とする液体浸透性である。好適なトッ
プシートは、孔が設けられた不織布;孔が設けられたプラスチックフィルム(例
えばハイドロフォームされた熱可塑性フィルム)のような高分子材料;多孔質フ
ォーム;網状フォーム;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムのような
広範囲の材料から製造され得る。好適な織られた及び不織の材料は、天然繊維(
例えば、木材または綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、またはポロエチレン繊維のような高分子繊維)、或いは天然及び合成繊維の
組み合わせで構成され得る。トップシートがウェブを具備する場合、そのウェブ
は多数の公知の技術により製造され得る。例えば、ウェブは、スパンボンド、ス
パンレースカード、ウェットレイド、吹込溶融、ハイドロエンタングル、ハイド
ロフォーム、ハイドロアパーチャ、またはそれらの組み合わせなどで製造されて
もよい。織られた材料または不織の材料のいずれで構成されようと、トップシー
トは、好ましくは以下にさらに記載されるようにプロテアーゼインヒビタを含有
するスキンケア組成物を具備する。
【0038】 バックシートは液体(例えば、月経及び/または尿)に対し不浸透性であり、
他のフレキシブルな液体不浸透性材料が使用されてもよいが、好ましくは薄いプ
ラスチックフィルムを具備する。ここで使用されるように、用語「フレキシブル
」は、人間の身体の一般的な形状及び輪郭に準拠した及び直ちに従う材料をいう
。バックシートは、吸収体コア(58)中に吸収され且つ包含された滲出物が、
ベッドシーツ、パンツ、パジャマ、及び下着のように吸収性物品と接触する物品
を濡らすのを防止する。バックシートは、それゆえ、ポリエチレン或いはポリプ
ロピレンの熱可塑性フィルムのような高分子フィルム、或いはフィルムコートさ
れた不織材料のような複合材料を具備してもよい。好適なバックシートは、約0
.012mm(0.5mil)乃至約0.051mm(2.0mils)の厚さ
を有するポリエチレンフィルムである。代表的なポリエチレンフィルムは、オハ
イオ州CincinnatiのClopay CorporationによりP
18−1401の商標で、及びインディアナ州Terre HauteのTre
degar Film Products社によりXP−39385の商標で製
造されている。バックシートは、好ましくは、エンボス及び/または艶消し仕上
げされて、より布状の外観を提供する。さらに、バックシートは、滲出物がバッ
クシートを通り抜けるのを防止しつつ、蒸気が吸収体コアから逃げるのを可能と
してもよい(すなわち、バックシートは通気性である)。バックシートのサイズ
は、吸収体コアのサイズと選ばれる正確なおむつの設計とにより規定される。
【0039】 バックシート及びトップシートは吸収体コアの衣服対向面及び身体対向面にそ
れぞれ隣接して配置される。吸収体コアは、好ましくは、当技術分野で公知のよ
うな取付手段(図1には示されていない)として知られている方法で、トップシ
ート、バックシート、或いはそれら両方に接合される。しかしながら、吸収性物
品の態様は、吸収体コアの一部または全体がトップシート、バックシート、或い
はそれら両方のいずれかに取り付けられない場合を想定している。
【0040】 例えば、バックシート及び/またはトップシートは、均一な接着剤の連続層、
接着剤のパターニングされた層、或いは接着剤の独立した線、渦巻き、または点
の配列によって、吸収体コアにまたは相互に固定されてもよい。申し分のないこ
とが分かっている接着剤は、ミネソタ州St.PaulのH.B.Fuller
CompanyによりHL−1258またはH−2031の商標で製造されて
いる。取付手段は、好ましくは、1986年3月4日にMinetolaらに交
付された米国特許第4,573,986号に開示されているような接着剤のフィ
ラメントの開いたパターンのネットワークを具備し、それはここに参照により組
み込まれる。フィラメントの開いたパターンのネットワークの代表的な取付手段
は、1975年10月7日にSprague,Jr.に交付された米国特許第3
,911,173号;1978年11月22日にZwiekerらに交付された
米国特許4,785,996号;及び1989年6月27日にWerenicz
に交付された米国特許第4,842,666号に示された装置及び方法により例
証されるように渦巻きパターンへと巻かれた接着剤フィラメントの幾つかの線を
具備する。これら特許のそれぞれは、ここに参照により組み込まれる。その代わ
りに、取付手段は、熱接着、圧接着、超音波接着、動的機械的接着、或いは当技
術分野において公知の他の適当な取付手段またはこれら取付手段の組み合わせを
具備してもよい。
【0041】 少なくとも一部がプロテアーゼインヒビタ及び/またはプロテアーゼインヒビ
タを組み込んだデリバリシステムを有し、より好ましくは、プロテアーゼインヒ
ビタを含有するスキンケア組成物で処理された着用者接触面を有する本発明の好
適な使い捨て吸収性物品はオムツである。ここで使用されるように、用語「オム
ツ」は、一般には乳児及び失禁を患っている人によって着用される吸収性物品を
言い、それは、着用者の下方胴体の周囲で着用される。換言すれば、用語「オム
ツ」は、乳児用オムツ、トレーニングパンツ、及び成人用失禁デバイスなどを包
含する。
【0042】 図1は、本発明において有用なオムツ50の平たく収縮していない状態(すな
わち、弾性的に誘発された収縮が引き抜かれている)を示す平面図であり、そこ
では、オムツ50の構成をより明確に示すためにその構造の一部は切り取られ且
つオムツ50の着用者から離れて向いた部分(外側表面)は観察者に向けられて
いる。図1に示されるように、オムツ50は、好ましくは、液体浸透性トップシ
ート520、トップシート520に接合された液体不浸透性バックシート530
、トップシート520とバックシート530との間に配置された吸収体コア54
0,その吸収体コア540は、衣服対向面542、身体対向面544、サイドエ
ッジ546、ウエストエッジ548、及び耳549を有している,を具備する。
オムツ50は、好ましくは、弾性化されたレッグカフス550、それぞれ560
として多重設計される弾性ウエスト機構、及び570として一般には多重設計さ
れる締付システムをさらに具備する。
【0043】 オムツ50は、外側表面52、外側表面52の反対である身体対向面に対応す
る内側表面54、第1のウエスト領域56、第2のウエスト領域58、及びオム
ツ50の外側のエッジにより規定される周縁部51を有するように図1に示され
ており、そこで、縦方向のエッジは55で示され、エンドエッジは57で示され
ている。(当業者は、オムツは通常は一対のウエスト領域とウエスト領域間の股
領域とを有しているとの観点で記載されることを認識するであろうが、本出願に
おいては、術語の簡略化のために、オムツ50はウエスト領域のみを有し、その
ウエスト領域は典型的には股領域部として示されるオムツの一部も含むものとし
て記載される)。オムツ50の身体対向面54は、使用中に着用者の身体に隣接
して配置されるオムツ50の部分を具備する。身体対向面54は、一般には、ト
ップシート520の少なくとも一部及びレッグカフス550のようにトップシー
ト520に接合され得る他の構成要素に加え、ウエスト機構560及びサイドパ
ネルなどのようにトップシートが延在していないが着用者に接触する領域により
形成される。外側表面52は、着用者の身体から離れた配置されたオムツ50の
部分を具備する(すなわち、外側表面52は、一般には、バックシート530の
少なくとも一部及びバックシート530に接合され得る他の構成要素により形成
される)。第1のウエスト領域56及び第2のウエスト領域58はそれぞれ、周
縁部51のエンドエッジ57からオムツ50の横方向の中心線53まで延在して
いる。図1はまた、縦方向の中心線59を示している。
【0044】 図1は、オムツ50の好ましい態様を示し、そこで、トップシート520とバ
ックシート530とは一般には吸収体コア540よりも大きな長さ及び幅の寸法
を有している。弾性化されたレッグカフス550及びバックシート530は、吸
収体コア540の両エッジを越えて延在し、それによりオムツ50の周縁部51
を形成している。
【0045】 本発明のオムツは、吸収体コアが本発明に適合させられた幾つかの公知の構成
を有することができる。代表的な構成は、一般には、1975年1月14日にB
uellに交付された米国特許第3,860,003号;1992年9月29日
にBuellらに交付された米国特許第5,151,092号;1993年6月
22日にBuellらに交付された米国特許第5,221,274号に記載され
ている。これら特許は、ここに参照により組み込まれる。本発明が直ちに適合さ
せられ得る他のオムツの構成は、Roeらに交付された米国特許第5,554,
145号に記載されており、その開示はここに参照により組み込まれる。
【0046】 オムツ50での使用に特に適したトップシート520は、生地分野の当業者に
は公知の手段によってカードされ且つ熱接着される。本発明で申し分のないトッ
プシートは、約2.2のデニールを有するステープル長ポリプロピレン繊維を具
備する。ここで使用されるように、用語「ステープル長繊維」は、少なくとも約
15.9mm(0.625インチ)の長さを有する繊維を言う。好ましくは、ト
ップシートは、約14乃至約25グラム毎平方メートルの基本重量を有する。好
適なトップシートは、マサチューセッツ州WalpoleのVeratec I
nc.のInternational Paper Company部門により
P−8の商標で製造されている。
【0047】 オムツ50のトップシート520は、好ましくは親水性材料でつくられて、液
体(例えば、尿)がトップシートを高速に透過するのを促進する。トップシート
が疎水性材料でつくられる場合、液体がトップシートをより高速に透過するよう
に、トップシートの上面の少なくとも一部は親水化処理される。これは、身体滲
出物がトップシートを通り抜け且つ吸収体コアにより吸収される代わりにトップ
シートから流れ落ちる可能性を減少させる。トップシートは、それを界面活性剤
で処理することにより親水性にされ得る。トップシートを界面活性剤で処理する
好適な方法は、トップシート材料に界面活性剤をスプレーすること及びその材料
を界面活性剤中に浸漬することを含む。そのような処理及び親水性のより詳細な
議論は、ともに1991年1月29日にReisingらに交付された米国特許
第4,988,344号及び4,988,345号に含まれており、それらのそ
れぞれはここに参照により組み込まれる。
【0048】 その代わりに、トップシートは孔が設けられた成形フィルムの形態であっても
よく、それは女性用衛生吸収性製品において好ましい。孔が設けられた成形フィ
ルムは、身体液に対して浸透性及び非吸収性であり且つ液体が逆流して着用者の
皮膚を再度濡らし得る傾向が減少させられているので有用である。それゆえ、身
体に接触する成形フィルムの表面は乾燥したままであり、それにより、身体の汚
れを減少させ且つ着用者により快適な感覚を生じさせる。好適な成形フィルムは
、1975年12月30日にThompsonに交付された米国特許第3,92
9,135号;1982年4月13日にMullaneらに交付された米国特許
第4,324,246号;1982年8月3日にRadelらに交付された米国
特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらに交付された米
国特許第4,463,045号;及び1991年4月9日にBairdに交付さ
れた米国特許第5,006,394号に記載されている。こらら特許のそれぞれ
は、ここに参照により組み込まれる。特に好ましい微細な孔が設けられた成形フ
ィルムトップシートは、1986年9月2日にCurroらに交付された米国特
許第4,609,518号及び1986年12月16日にCurroらに交付さ
れた米国特許第4,629,643号に開示されており、それらはここに参照に
より組み込まれる。女性用衛生製品での使用に好ましいトップシートは、上記特
許の1つ以上に記載された成形フィルムであり、オハイオ州Cincinnat
iのProcter&Gamble社により「DRI−WEAVE」として市販
されている衛生ナプキンに使用されている。
【0049】 成形フィルムトップシートの身体対向面は、身体面が親水性でない場合に比べ
て身体液がトップシートをより速く透過するのを助け、液体が吸収性構造の中へ
と流れ込んで吸収される代わりにトップシートから流れ落ちる可能性を減少させ
るように親水性であってもよい。好ましい態様において、1997年7月1日に
発行された米国法廷発明登録H1670に記載されているように界面活性剤が成
形フィルムトップシートの高分子材料中に組み込まれ、それはここに参照により
組み込まれる。本発明の代わりの態様(図示せず)において、吸収性物品は、ト
ップシートと着用者の皮膚との間の接触を改良する手段を提供されてもよい。そ
のような態様において、吸収性物品は、1990年1月9日にDesMarai
sらの名で交付された米国特許第4,892,536号、1991年2月5日に
Freelandの名で交付された米国特許第4,990,147号、及び19
92年12月18日にFreelandの名で出願された米国特許出願番号07
/993,198に記載されるような弾性手段を提供されることができ、それら
はトップシートを持ち上げて着用者の肛門周囲の領域との接触を改良する。他の
態様においては、1992年12月15日にDreierらの名で交付された米
国特許第5,171,236号に記載されるように、オムツはトップシートを持
ち上げる離間手段を提供される。さらに他の態様においては、1997年10月
7日にRoeらの名で発行された米国法廷発明登録H1687に記載されるよう
に、吸収性物品は、トップシートを着用者の臀部の溝の中へと持ち上げる臀部ブ
ロッキングデバイスを提供される。
【0050】 ここで記載されるようなオムツの好ましい態様において、バックシート530
は、吸収体コアを超え、オムツの周縁部全体の周りに約1.3cm乃至約6.4
cm(約0.5乃至約2.5インチ)の最小距離で延在する部分的に変更された
砂時計型を有する。
【0051】 吸収体コア540は、オムツ50に適合するどのようなサイズまたは形状であ
ってもよい。オムツ50の1つの好ましい態様は、第1のウエスト領域に耳を有
しているが一般には第2のウエスト領域においては長方形である部分的に変更さ
れた非対称なT字型の吸収体コア540を有する。本発明の方法において有用な
物品の吸収体コアとして用いられる代表的な吸収性材料は、例えば、1986年
9月9日にWeismanらに交付された米国特許第4,610,678号;1
987年6月16日にWeismanらに交付された米国特許第4,673,4
02号;1989年12月19日にAngstadtに交付された米国特許第4
,888,231号;及び1989年3月30日にAlemanyらに交付され
た米国特許第4,834,735号に記載されている。吸収体コアは、1993
年8月10日にAlemanyらに交付された米国特許第5,234,423号
;及び1992年9月15日にYoung、LaVon、及びTaylorに交
付された米国特許第5,147,345号で詳述されるように、吸収性貯蔵コア
を覆って配置された化学的に剛化された繊維の捕捉/配給コアを含む二重コアシ
ステムをさらに具備してもよい。これら特許の全ては、ここに参照により組み込
まれる。
【0052】 好ましい態様において、オムツ50は、液体及び他の身体滲出物の改良された
封じ込めを提供するための弾性化されたレッグカフス550;改良されたフィッ
ト及び封じ込めを提供する弾性ウエスト機構560;及び横方向の張力がオムツ
の周囲に維持されてオムツを着用者上に保つように第1のウエスト領域56と第
2のウエスト領域58とを重ねられた構成に維持するサイドクロージャを形成す
る締付システム570をさらに具備する。オムツ50は、ウエスト領域56及び
58に、弾性化されたウエストバンド(図示せず)及び/または弾性化されたサ
イドパネル(図示せず)をさらに具備し、より快適であり且つ形に沿ったフィッ
ト及びより効果的なオムツ50の適用を提供する弾性的に伸張可能な機構を提供
してもよい。
【0053】 弾性化されたレッグカフス550は、米国特許第3,860,003号;19
90年3月20日にAzizらに交付された米国特許第4,909,803号;
1987年9月22日にLawsonに交付された米国特許第4,695,27
8号;及び1989年1月3日にDragooに交付された米国特許第4,79
5,454号に記載されるものを含む幾つかの異なる構成で組み立てられること
ができ、それらのそれぞれの開示はここに参照により組み込まれる。ここで有用
な組成物で処理された弾性化されたカフスを有する吸収性物品は、1996年1
2月3日及び1997年4月24日にそれぞれ出願された係属中の米国特許出願
番号08/766,386及び08/840,039に開示されており、それら
の双方の開示はここに参照により組み込まれる。
【0054】 弾性化されたウエスト機構は、好ましくは、1985年5月7日にKievi
tらに交付された米国特許第4,515,595号;1991年6月25日にR
obertsonに交付された米国特許第5,026,364号;及び先に参照
した1992年9月29日にBuellらに交付された米国特許第5,151,
092号に記載されたものを含む幾つかの異なる構成で組み立てられる弾性化さ
れたウエストバンド(図示せず)を具備し、これらリファレンスのそれぞれの開
示はここに参照により組み込まれる。
【0055】 弾性化されたサイドパネルは、幾つかの異なる構成で組み立てられてもよい。
オムツの耳(イヤーフラップ)に位置する弾性化されたサイドパネルを有するオ
ムツの例は、1989年8月15日にWoodらに交付された米国特許第4,8
57,067号;1983年3月3日にSciaraffaらに交付された米国
特許第4,381,781号;1990年7月3日にVan Gompelらに
交付された米国特許第4,938,753号;及び1992年9月29日にBu
ellらに交付された米国特許第5,151,092号で開示されており、それ
らのそれぞれの開示はここに参照により組み込まれる。
【0056】 代表的な締付システム570は、1989年7月11日にScrippsに交
付された米国特許第4,846,815号;1990年1月16日にNeste
gardに交付された米国特許第4,894、060号;1990年8月7日に
Battrellに交付された米国特許第4,946,527号;1974年1
1月19日にBuellに交付された米国特許第3,848,594号;198
7年5月5日にHirotsuらに交付された米国特許第4,662,875号
;及び1992年9月29日にBuellらに交付された米国特許第5,151
,092号に開示されており、これらのそれぞれの開示はここに参照により組み
込まれる。
【0057】 オムツ50は、好ましくは、オムツのウエスト領域の一方,好ましくは第2の
ウエスト領域58,を着用者の後部の下に配置し,他方のウエスト領域,好まし
くは第1のウエスト領域56,が着用者の前部を横切って配置されるようにオム
ツの残りの部分を着用者の脚の間に引っ張ることにより着用者に適用される。そ
の後、締付システムが適用されて、サイドクロージャを成す。
【0058】 勿論、本発明においては、以下に記載されるように、どのような吸収性物品の
設計が、プロテアーゼインヒビタ及び/またはその物品の着用時に着用者の皮膚
上にインヒビタを送り出すためのデリバリシステムを組み込むのに使用されても
よいことが認識されるであろう。上記開示は、単に例証のために過ぎない。
【0059】 本発明は、プロテアーゼインヒビタを具備する吸収性物品としてトレーニング
パンツを用いてもよい。用語「トレーニングパンツ」は、ここで使用されるよう
に、乳児または成人の着用者用に設計された固定されたサイド及び脚開口部を有
する使い捨ての衣服を言う。トレーニングパンツ(当技術分野では「プルオン」
製品とも呼ばれる)は、着用者の脚を脚開口部に挿入し、トレーニングパンツを
着用者の下方胴体の周りの位置へとスライドさせることにより、着用者上に所定
の位置へと配置される。好適なトレーニングパンツは、1993年9月21日に
Hasseらに交付された米国特許第5,246,433号、1996年10月
29日にBuellらに交付された米国特許第5,569,234号、1990
年7月10日にVan Gompelらに交付された米国特許第4,940,4
64号、および1992年3月3日にNomuraらに交付された米国特許第5
,092,861号で開示されており、それらのそれぞれの開示はここに参照に
より組み込まれる。
【0060】 本発明で使用される他の使い捨て吸収性物品は、失禁物品である。用語「失禁
物品」は、それが成人または他の失禁を患っている人のいずれによって着用され
るかに関わらず、パッド、下着(ベルトなどのような同じタイプの懸架システム
によって所定の位置に維持されるパッド)、吸収性物品のための挿入物、吸収性
物品のためのキャパシティブースタ、ブリーフ、及びベッドパッドなどを言う。
好適な失禁物品は、1981年3月3日にStricklandらに交付された
米国特許第4,253,461号;Buellに交付された米国特許第4,59
7,760号及び4,597,761号;上述した米国特許第4,704,11
5号;Ahrらに交付された米国特許第4,909,802号;1990年10
月23日にGipsonらに交付された米国特許第4,964,860号;及び
1994年4月19日にNoelらに交付された米国特許第5,304,161
号に開示されている。これらリファレンスのそれぞれの開示は、ここに参照によ
り組み込まれる。
【0061】 本発明で使用する他の使い捨て吸収性物品は、衛生ナプキンのような女性用衛
生物品である。好適な女性用衛生物品は、1985年12月3日にSwanso
nらに交付された米国特許第4,556,146号;1993年4月27日にV
an Tilbergに交付された米国特許第4,589,876号;1997
年8月18日にVan Tilbergに交付された米国特許第4,687,4
78号;1990年8月21日にOsbornIIIに交付された米国特許第4
,950,264号;1991年4月23日にOsbornIIIに交付された
米国特許第5,009,653号;1993年12月7日にVan Tilur
gに交付された米国特許第5,267,992号;1995年2月14日にLa
bashらに交付された米国特許第5,389,094号;1995年5月9日
にRoachらに交付された米国特許第5,413,568号;1995年10
月24日にEmenakerらに交付された米国特許第5,460,623号;
1996年2月6日にVan Tilburgに交付された米国特許第5,48
9,283号;1996年10月29日にEmenakerらに交付された米国
特許第5,569,231号;及び1997年4月15日にBamberに交付
された米国特許第5,620,430号に開示されており、それらのそれぞれの
開示はここに参照により組み込まれる。
【0062】 V.プロテアーゼ阻害方法 酵素活性及び酵素活性の阻害についての標準インビトロ効力検定は、よく知ら
れている。これら試験を行うのに使用される試薬は、一般には市販されている。
一般に、単純なシステムは、酵素によって加水分解された際に着色した生成物を
生成する酵素−特異基質を具備する。酵素の活性は、所定の時間にわたる着色さ
れた生成物の発生度(すなわち、色変化の速度)として分光光度滴定により測定
される。酵素活性の阻害は、インヒビタの存在下での同じ時間にわたる色変化速
度の測定可能な減少量として表される。
【0063】 以下に記載される精製プロテアーゼ効力検定及び糞便プロテアーゼ効力検定に
ついて、試験されるそれぞれのインヒビタについてのIC50は、下記等式: IC50=[I]/[(v/vi)−1] に従って産出され、そこで、[I]は試験されるインヒビタの濃度であり、vは
インヒビタの不存在下での基質分割速度であり、viはインヒビタの存在下での 基質分割速度である。
【0064】 以下の精製プロテアーゼ及び糞便プロテアーゼ法は、それぞれ、推定されるプ
ロテアーゼインヒビタのa)糞便中に存在することが知られている精製されたプ
ロテアーゼ;及びb)糞便自体のプロテアーゼ活性;に対する阻害活性を定量す
るのに使用される。以下の方法のいずれか1つにおいて阻害活性について上述し
たIC50判定基準を満足するどのような物質も、ここで規定されるようなプロテ
アーゼインヒビタであるとみなされる。それら方法において、v及びviは、所 定の波長/時間(例えば、分)での吸光度(光学密度,OD)の変化として測定
される。
【0065】 A.精製プロテアーゼ法 1.精製トリプシン プロテアーゼインヒビタの精製トリプシンに対する効力を試験するために、0
.05mLの推定されるインヒビタと0.125mLの32nMのトリプシン(
例えば、ミズーリ州St.LouisのSigma社のカタログ番号T6424
)とを含むトリプシン緩衝液(50mMのTRIS、20mMのCaCl2、p H8.2)がマイクロキュベットに加えられる。そのキュベットは、25℃で1
0分間保温される。この混合物に対し、0.025mLの基質(4mMのCbz
−アルギニン−p−ニトロアニリド,例えば、ミズーリ州St.LouisのS
igma社のカタログ番号C4893)を含むトリプシン緩衝液がキュベットに
加えられ、混合され、405nmでの吸光度が25℃で10分間にわたり測定さ
れる。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に対して405n mでの吸光度を関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推定されるインヒ
ビタなしで繰り返される。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は、時
間に対して405nmでの吸光度を関連付けたグラフの勾配である。速度vi及 びv並びにインヒビタ濃度[I]は、上記の等式に従ってIC50を計算するのに
使用される。
【0066】 2.精製キモトリプシン プロテアーゼインヒビタの精製キモトリプシンに対する効力を試験するために
、0.05mLの推定されるインヒビタと0.125mLの16nMのトリプシ
ン(例えば、ミズーリ州St.LouisのSigma社のカタログ番号C89
46)とを含むキモトリプシン緩衝液(50mMのTRIS、10mMのCaC
2、pH7.6)がマイクロキュベットに加えられる。そのキュベットは、2 5℃で10分間保温される。この混合物に対し、0.025mLの基質(0.6
mMのN−Succ−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド,
例えば、Sigma社のカタログ番号S7388)を含むキモトリプシン緩衝液
がキュベットに加えられ、混合され、405nmでの吸光度が25℃で10分間
にわたり測定される。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に 対して405nmでの吸光度を関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推
定されるインヒビタなしで繰り返される。インヒビタの不存在下での基質分割速
度(v)は、時間に対して405nmでの吸光度を関連付けたグラフの勾配であ
る。速度vi及びv並びにインヒビタ濃度[I]は、上記の等式に従ってIC50 を計算するのに使用される。
【0067】 3.精製ロイシンアミノペプチダーゼ プロテアーゼインヒビタの精製ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)に対す
る効力を試験するために、0.05mLの推定されるインヒビタと0.125m
Lの0.06U/mLのLAP(例えば、ミズーリ州St.LouisのSig
ma社のカタログ番号L5006)とを含むLAP緩衝液(50mMの燐酸ナト
リウム、pH7.2)がマイクロキュベットに加えられる。そのキュベットは、
25℃で10分間保温される。この混合物に対し、0.025mLの基質(2.
4mMのL−ロイシン−p−ニトロアニリン,例えば、ミズーリ州St.Lou
isのSigma社のカタログ番号L9125)を含むLAP緩衝液がキュベッ
トに加えられ、混合され、405nmでの吸光度が25℃で10分間にわたり測
定される。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に対して40 5nmでの吸光度を関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推定されるイ
ンヒビタなしで繰り返される。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は
、時間に対して405nmでの吸光度を関連付けたグラフの勾配である。速度v i 及びv並びにインヒビタ濃度[I]は、上記の等式に従ってIC50を計算する のに使用される。
【0068】 B.特殊糞便プロテアーゼ法 以下は、糞便プロテアーゼ法での使用に適した糞便試料を得る方法の一般的な
記載である。
【0069】 プールされる試料糞便がプロテアーゼ阻害活性を評価するのに必須の酵素活性
を示すことを確実にするポジティブな制御を確立することを目的として、それぞ
れの糞便プロテアーゼ法について以下の手順がたどられる。プールされる乳児の
糞便(少なくとも5つの異なる試料)がそれらを尿及び汚染フリーに維持する方
法で収集され、水と混合されて、重量比(w/w)混合物(例えば、1:50
w/w)を得る。この混合物は、その後、ホモジナイゼーションまたは音波破砕
によって徹底的に混合されて、均質な懸濁液を得る。プールされた糞便懸濁液は
、以下に記載されるようにプロテアーゼ活性の供給源として使用され、インヒビ
タの不存在下で0.005OD405毎分乃至0.020OD405毎分の範囲内の基
質代謝回転速度を示すであろう。(また、完全な線形性を確実にするために、最
終的な吸光度は決して1.5OD405単位を超えるべきではない)。プールされ た乳児の糞便の活性がこの範囲の外側にある場合、推定されるインヒビタについ
てIC50値を正確に測定することは不可能である。しかしながら、酵素活性の範
囲は、それぞれの酵素に応じて希釈因数を増加させること或いは減少させること
により調節されてもよい。これが不可能である場合は、異なる被験者のグループ
が、試料プールを得るのに使用されるべきである。
【0070】 1.糞便トリプシン活性 プロテアーゼインヒビタの糞便中のトリプシン活性に対する効力を試験するた
めに、インヒビタとトリプシン緩衝液(50mMのTRIS、20mMのCaC
2、pH8.2)がキュベットに加えられ、0.8mLの最終体積を得る。こ の混合物に対し、0.1mLの基質(3mMのCbz−アルギニン−p−ニトロ
アニリド)がキュベットに加えられる。キュベットは、転置により混合され、2
5℃で5分間保温される。0.1mLの体積の糞便懸濁液がキュベットに加えら
れ、混合され、405nmでの吸光度から490nmでの吸光度を引いた値が2
5℃で5分間にわたり測定される。(490nmでの吸光度は、微粒の糞便物質
によるバックグラウンド吸光度,すなわち「干渉」,のための補正ファクタであ
る)。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に対して過剰吸光 度(すなわち、405nmでの吸光度から490nmでの吸光度を引いた値)を
関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推定されるインヒビタなしで繰り
返される。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は、時間に対して過剰
吸光度を関連付けたグラフの勾配である。速度vi及びv並びにインヒビタ濃度 [I]は、上記の等式に従ってIC50を計算するのに使用される。
【0071】 2.糞便キモトリプシン活性 プロテアーゼインヒビタの糞便中のキモトリプシン活性に対する効力を試験す
るために、インヒビタとキモトリプシン緩衝液(50mMのTRIS、10mM
のCaCl2、pH7.6)がキュベットに加えられ、0.92mLの最終体積 を得る。この混合物に対し、0.04mLの基質(1.25mMのN−Succ
−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド)がキュベットに加え
られる。キュベットは、転置により混合され、25℃で5分間保温される。0.
04mLの体積の糞便懸濁液がキュベットに加えられ、混合され、405nmで
の吸光度から490nmでの吸光度を引いた値が25℃で5分間にわたり測定さ
れる。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に対して過剰吸光 度(すなわち、405nmでの吸光度から490nmでの吸光度を引いた値)を
関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推定されるインヒビタなしで繰り
返される。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は、時間に対して過剰
吸光度を関連付けたグラフの勾配である。速度vi及びv並びにインヒビタ濃度 [I]は、上記の等式に従ってIC50を計算するのに使用される。
【0072】 3.糞便LAP活性 プロテアーゼインヒビタの糞便中のLAP活性に対する効力を試験するために
、インヒビタとLAP緩衝液(50mMの燐酸ナトリウム、pH7.2)がキュ
ベットに加えられ、0.95mLの最終体積を得る。この混合物に対し、0.0
3mLの基質(6mMのL−ロイシン−p−ニトロアニリン)がキュベットに加
えられる。キュベットは、転置により混合され、25℃で5分間保温される。0
.02mLの体積の糞便懸濁液がキュベットに加えられ、混合され、405nm
での吸光度から490nmでの吸光度を引いた値が25℃で5分間にわたり測定
される。インヒビタの存在下での基質分割速度(vi)は、時間に対して過剰吸 光度(すなわち、405nmでの吸光度から490nmでの吸光度を引いた値)
を関連付けたグラフの勾配である。同じ手順が、推定されるインヒビタなしで繰
り返される。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は、時間に対して過
剰吸光度を関連付けたグラフの勾配である。速度vi及びv並びにインヒビタ濃 度[I]は、上記の等式に従ってIC50を計算するのに使用される。
【0073】 上述した精製プロテアーゼ及び糞便プロテアーゼ効力検定法を用いて、本発明
の吸収性物品中で用いられる代表的なプロテアーゼインヒビタのプロテアーゼ阻
害活性が試験され、その試験の結果が表1に例証される。
【0074】
【表1】
【0075】 表1に例証されるように、代表的なインヒビタのそれぞれは、使用した精製プ
ロテアーゼ及び/または特殊糞便プロテアーゼ法により試験されたプロテアーゼ
の少なくとも1つの阻害について許容され得るIC50を示している。
【0076】 C.一般糞便プロテアーゼ法 糞便プロテアーゼ法での使用に適した糞便試料を得るための上述した一般的な
方法は、当業者によって、過度の実験なしで、以下に記載される一般糞便プロテ
アーゼ法での使用に適した適切な糞便試料を得るのに容易に適合させられ得る。
【0077】 プロテアーゼインヒビタの糞便中のプロテアーゼ活性に対する効力を試験する
ために、50μLのインヒビタと50μLの糞便懸濁液とが、1.5mLのマイ
クロ遠心チューブに加えられる。マイクロ遠心チューブは、転置により混合され
、25℃で45分間保温される。その後、50μLのプロテアーゼ緩衝液(20
mMのCaCl2を含有する200mMのTRIS緩衝液,pH7.8)がマイ クロ遠心チューブに加えられる。マイクロ遠心チューブは、再度、転置により混
合され、25℃で45分間保温される。その後、50μLのプロテアーゼ基質(
0.4%のカゼイン−レソルフィン,例えば、インディアナ州Indianap
olisのBoehringer Mannheim社のカタログ番号1,73
4,334)がマイクロ遠心チューブに加えられる。マイクロ遠心チューブは、
再度、転置により混合され、基質分割反応が起こるように37℃で60分間保温
される。その後、480μLのトリクロロ酢酸(5% w/v)が加えられて反
応を停止し、未反応のカゼイン−レソルフィンを沈殿させる。マイクロ遠心チュ
ーブは、転置により混合され、37℃で15分間保温される。マイクロ遠心チュ
ーブは、20,800倍の重力の相対遠心力(RCF)で5分間回転させられる
。その後、400μLの上澄み液が、キュベット中の600μLの効力検定用緩
衝液(0.5MのTRIS,pH8.8)に加えられる。キュベットは、転置に
より混合され、574nmでの吸光度が測定される。同じ手順が、推定されるイ
ンヒビタなしで繰り返される。Aはインヒビタの不存在下における574nmで
の吸光度である。Aiはインヒビタの存在下における574nmでの吸光度であ る。反応開始前は、A及びAiは殆どゼロである。それゆえ、インヒビタの存在 下での基質分割速度(vi)は、574nmでの吸光度(Ai)を反応時間で割る
ことにより計算され得る。インヒビタの不存在下での基質分割速度(v)は、5
74nmでの吸光度(A)を反応時間で割ることにより計算され得る。速度vi 及びv並びにインヒビタ濃度[I]は、上記の等式に従ってIC50を計算するの
に使用される。
【0078】
【表2】
【0079】 D.吸収性物品試験法 吸収性物品のいずれかの部分(例えば、トップシート、吸収体コア、バックシ
ート、及び/または付加的な層、レッグカフス、締結具、サイドパネル、送球さ
れたエレメント、またはこれらのいずれかの組み合わせ)におけるプロテアーゼ
インヒビタの存在を低領するために、その物品の小さな試料が所望の部分から得
られ、インヒビタの抽出が実行される。当業者には公知のように、水溶性のイン
ヒビタは水または水系溶媒で抽出されるのに対し、脂質溶解性のインヒビタは脂
質系溶媒で抽出されるであろう。以下の記載は、 単に、物品中のプロテアーゼ(トリプシン)インヒビタの存在を定量する代表的
な方法であり、その方法は他のプロテアーゼのインヒビタの存在についての試験
に用いられてもよいので制限されることが意図される訳ではなく、他の異なる方
法が過度の実験なしで当業者によって案出されてもよい。
【0080】 トリプシンインヒビタについて物品のトップシートを試験する方法において、
オムツのコア領域にランダムな3/4インチのパンチが形成される。トップシー
トはパンチから取り除かれ、1.5mLの遠心バイアル中に配置される。その試
料は、0.75mLの水または上述した50mM TRIS,20mM CaCl 2 ,pH8.2緩衝液のような抽出溶媒中に終夜浸漬される。上澄み液の部分標 本(0.125mL)が取り除かれ、0.025mLの新たに準備した160n
Mの人間の膵臓トリプシンを含有する20mMのCaCl2,pH8.2を含有 するTRIS−HClを収容したキュベットに加えられ、25℃で10分間保温
される。緩衝液のみを含む対照試料が第2のキュベット中に同様に準備される。
Cbz−アルギニン−p−ニトロアニリド基質(0.025mLの4mM溶液)
がそれぞれのキュベットに加えられ、試験及び対照試料は5分間保温される。次
に、それぞれの試料について、405nmでの吸光度の変化が10分間にわたっ
てモニタされる。当業者は、その実施要綱は吸収体コアなどのような物品の他の
構成要素中のプロテアーゼインヒビタについての効力検定に使用され得ることを
認識するであろう。
【0081】 吸収性物品試験法によって測定したときに、試料抽出物が、対照試料(緩衝液
のみ)に比べて、プロテアーゼによる基質の加水分解において少なくとも10%
の減少、好ましくは少なくとも20%の減少、より好ましくは少なくとも50%
の減少、及び最も好ましくは80%の減少を示す場合に、吸収性物品はプロテア
ーゼ阻害活性を示すものと考えられる。典型的には、基質加水分解における減少
は、約10%乃至約99%、より典型的には約20%乃至約99%、さらにより
典型的には約50%乃至約99%、及び最も典型的には約80%乃至約99%で
あろう。
【0082】 また、前述したプロテアーゼインヒビタに加え、例えば、L−1−クロロ−3
−[4−トシルアミド]−7−アミノ−2−ヘプタノン−HCl(TLCK)、
L−1−クロロ−3−[4−トシルアミド]−4−フェニル−2−ブタノン(T
PCK)、及びトラネキサム酸などのように精製プロテアーゼまたは糞便プロテ
アーゼ法のいずれかにより測定されたときに上述したプロテアーゼ阻害活性につ
いてのIC50判定基準を必ずしも満足していない物質のいずれかのようないずれ
かのプロテアーゼ阻害物質を試料が含有している場合に、吸収性物品はプロテア
ーゼ阻害活性を示すものと考えられる。
【0083】 E.IL−1α精製の阻害についてのインビトロ皮膚試験 糞便及び糞便酵素に対する皮膚の炎症性応答を阻害することにおけるプロテア
ーゼインヒビタの効力を定量するインビトロ法において、人間のケラチノサイト
が表皮組織から得られ、ナイロンメッシュ表面を収容するプラスチック培養容器
内の無血清培地中でそれらが集密(confluent)するまでの期間にわたって培養 される。次に、メッシュ表面は、分化及び境界がはっきりとした角質バリア層を
含むインビボで見出されるのと類似した多層組織層(multilayered organized l
ayers)の形成を促進するために、液体空気界面へと持ち上げられる。上述のよ うなケラチノサイトの増殖及び分化を促進するどのような細胞培養システムが使
用されてもよい。本発明での使用に適した市販の細胞培養システムは、Epid
erm(マサチューセッツ州AshlandのMatTek Corporat
ion)である。
【0084】 乳児の糞便が、それらを尿により汚染することなく維持する方法で収集され、
燐酸で緩衝された食塩水(PBS)(pH7.2〜7.4)で希釈される。次に
、その混合物は、ホモジナイゼーションまたは音波破砕によって徹底的に混合さ
れて、均質な懸濁液を得る。糞便酵素活性によるIL−1α生成についての効力
検定のために、ホモジェネートの部分標本がPBSで希釈され、培養容器内の対
照培養物の表面に加えられる。プロテアーゼ活性によるIL−1α生成の阻害に
ついての効力検定のために、所定量の推定されるプロテアーゼインヒビタが、そ
れを試験培養物の表面に加える前に、別途同様に希釈されたホモジェネートの部
分標本に加えられる。それら培養物は、管理された雰囲気中で保温される。選択
時間に、対照培養物及びインヒビタ処理試験培養物並びにその下の培地が採取さ
れる。それら培地は、公知の方法により、IL−1αの存在について効力検定さ
れる。例えば、IL−1αについての好適な効力検定法は、ミネソタ州Minn
eapolisのR&G SystemsからQuantikineとして市販
されているエンザイム‐リンクドイムノソルベント法である。
【0085】 プロテアーゼインヒビタの存在によるIL−1α生成の減少率は、以下のよう
に計算される。
【0086】
【数1】
【0087】 この標準効力検定法を使用して、代表的なセリンプロテアーゼインヒビタ、大
豆トリプシンインヒビタ、及びヘキサミジンジイセチオネート(「ヘキサミジン
」)の培養されたケラチノサイトによる糞便存在下でのIL−1α生成を阻害す
る能力が試験された。それら結果は、濃度が1000μM及び100μMのヘキ
サミジンは糞便で処理された皮膚培養物からのIL−1αの生成を51〜88%
及び5%それぞれ減少させることを示した。濃度が10μMの大豆トリプシンイ
ンヒビタは、IL−1αの生成を56〜75%減少させるのに十分であった。I
L−1α生成についての試験に先立つ糞便の熱処理(90℃)は、IL−1α生
成のほぼ完全な排除へと導き、サイトカイン応答を引き起こすのに伴われる主な
原因物質は変性可能な蛋白質であることを示唆した。それら結果は、セリンプロ
テアーゼトリプシンのインヒビタ(表1を参照のこと)も、皮膚細胞培養物から
のIL−1αの生成を減少させるのに有効であったことを示唆している。
【0088】 VI.吸収性物品中へのインヒビタの組み込み 1.ビヒクル(vehicle) 本発明の吸収性物品で使用されるプロテアーゼインヒビタは、水溶性または油
脂溶解性であってもよく、乾燥粉末または微粒の形態のようにそのままで(neat
)、或いは、その化合物のプロテアーゼ阻害活性を妨げない薬学的に及び皮膚科
学的に許容され得るキャリアビヒクル中に溶液、懸濁液、分散液、及び乳濁液等
の形態で吸収性物品中に組み込まれてもよい。また、インヒビタは、製造または
組み立て中にその物品中に組み込まれる他の構造中に組み込まれてもよい。例え
ば、インヒビタは、ガラス、プラスチック、またはアガロースビーズなどのよう
なナノフェーズ微粒構造または他の支持材上にコートまたは取り付けまたは結合
されてもよく、或いは、圧破裂性または溶解性のマイクロカプセルなどの中に含
まれてもよく、あるいは、吸収性材料中に含まれてもよい。インヒビタを含むた
めに組み込み可能な他のタイプのエレメント及びそれらを組み込む方法の使用は
、当業者には容易に明白となるであろう。
【0089】 インヒビタのためのキャリアビヒクルは、ローション、クリーム、オイル、軟
膏、パウダ、フォーム、またはゲルなどの形態である組成物を含み、その組成物
は、そのような組成物についての技術で通常に使用されるどのような成分を含ん
でもよい。その組成物の成分はその組成物の特徴に依存し、それゆえ、例えば、
ローションは一般にパウダとは異なる成分を具備する。本来は化粧用である組成
物は、非閉塞性のモイスチャライザ、保湿剤、ゲル化剤、中和剤、香料、及び着
色剤などのような多様な任意成分をさらに具備してもよい。その組成物中に存在
していてもよい界面活性剤のような他の成分は、以下の「スキンケア組成物」で
より詳しく説明される。皮膚への移行が意図されたプロテアーゼインヒビタ含有
組成物は約4以上であり且つ約7.5以下のpHを有していることが好ましい。
【0090】 2.組み込み 本発明の吸収性物品で使用されるプロテアーゼインヒビタは、それ自体がその
物品の様々な構造物の正常な機能(例えば、コアの吸収性及びトップシートの液
体浸透性など)を妨げない構成でその物品中に組み込まれる。インヒビタは、制
限されるものではないが、トップシート、バックシート、吸収体コア、コアとシ
ート層との中間の第2の層、レッグカフ、サイドパネル、ウエスト領域、締結具
、吸収性物品中に挿入される吸収性材料のようなその物品の着用時に使用される
挿入可能なエレメント、及び便通を収容するのに用いられるもの(例えば、便通
「ポケット」)のような特化構造などを含む物品のどの部分に組み込まれてもよ
い。インヒビタは物品中にそのまま組み込まれてもよく、さもなければ、インヒ
ビタは、その物品の前述したいずれかの部分に組み込まれ且つその物品の標準的
な着用時にプロテアーゼインヒビタを着用者の皮膚へと直接的にまたは非直接的
に送り出す以下に記載されるデリバリシステム中に収容されてもよい。
【0091】 どのような数の異なるプロテアーゼインヒビタまたはプロテアーゼインヒビタ
の混合物が、それらがデリバリシステム中に組み込まれるか否かに関わらず、吸
収性物品のいたるところに均一に或いは不均一に分布していてもよい。吸収性物
品は、プロテアーゼインヒビタを、インヒビタまたはインヒビタの混合物がその
物品の好ましくは0.0001重量%乃至30重量%の、より好ましくは0.0
001重量%乃至10重量%の、さらにより好ましくは0.001重量%乃至5
重量%の、及び特には0.001重量%乃至1重量%を具備するレベルで含有す
る。
【0092】 プロテアーゼインヒビタは、製造または組み立ての際に、当業者には容易に明
白となる種々の方法で、織られた、不織の、及び孔が設けられた構造のトップシ
ートを含むトップシート、バックシート、及び/または吸収体コア材料、或いは
その物品の他の構成要素のいずれのタイプの表面上に直接的にまたはその表面内
に組み込まれてもよい。例えば、インヒビタは、液体または半固体のキャリアビ
ヒクル中に任意に分散された後に、吸収体コアまたはバックシートのコア側に、
スプレー、ディッピング、印刷、ソーキング、選択された構造部材をインヒビタ
に及び任意にそのキャリアビヒクルに接触させる他の方法によって適用され得る
。使用され得る多くの他の技術は、グラフトまたはラジカル重合、或いは、その
ような表面が身体排出物によって濡らされた場合に容易に逆転してインヒビタを
解放する水素結合によってインヒビタを結合させるための構造部材の水蒸気処理
である。
【0093】 好ましくは、インヒビタは、その物品の着用者接触面の少なくとも一部の中に
組み込まれ、その物品の着用の間における通常の接触、着用者の動作、及び/ま
たは身体の熱を通じての着用者の皮膚への自動的な移行に利用可能である。その
代わりに、その物品は、プロテアーゼインヒビタを含むデリバリシステムをさら
に具備し、その物品の着用の間に、そのデリバリシステムは、インヒビタの少な
くとも一部を着用者の皮膚へと自動的に送り出す。本発明のこれら態様のそれぞ
れにおいて、プロテアーゼインヒビタは、便通後に皮膚/糞便界面で作用する利
用可能性のために、好ましくは便通が起こる前に、皮膚へと送り出される。より
好ましい態様において、デリバリシステムは、以下にさらに記載されるような、
プロテアーゼインヒビタと様々な皮膚軟化剤及び固定化剤(immobilizing agent
s)を含有し、着用者接触面から着用者の皮膚へと直接に送り出され、糞便に対 するバリア機能に加え糞便プロテアーゼ阻害機能を果たすスキンケア組成物であ
る。最も好ましくは、プロテアーゼインヒビタが着用者の皮膚へと直接的または
非直接的に移行または送り出される物品の使用または好ましくは繰り返される使
用は、糞便プロテアーゼとの接触による皮膚の炎症のより効果的な防止または減
少のために、プロテアーゼインヒビタの蓄積を提供する。
【0094】 本発明の他の態様において、プロテアーゼインヒビタは、吸収性物品中にその
まま或いはデリバリシステム中に、糞便が着用者の皮膚へと移行する前に、その
物品中に付着した糞便,特には流れ易い糞便,中のプロテアーゼを不活性化し得
るような方法及び位置で配置される。
【0095】 本発明の他の態様において、プロテアーゼインヒビタは、吸収性物品内に、そ
の物品の吸収性内部中に浸透し且つ何らかの理由で後に着用者接触面と接触する
ようになる糞便流体または糞便で汚染された尿の中の糞便プロテアーゼ活性を減
少または削除し得るように配置される。さらにまた、プロテアーゼインヒビタは
、最初から用立てられていてもよく或いはその物品内のデリバリシステム中に含
まれていてもよい。
【0096】 VII.デリバリシステム プロテアーゼインヒビタまたはそれらを含む組成物は、プロテアーゼインヒビ
タがその物品の着用者の皮膚へと移行するのを直接的または非直接的に促進し、
皮膚−糞便界面における糞便プロテアーゼによる刺激に対して保護する当業者に
は公知のどのようなデリバリシステムにも解放可能に組み込まれてもよい。デリ
バリシステムは、プロテアーゼインヒビタを、そのままパウダまたは微粒として
、或いは、キャリアビヒクルまたはスキンケア組成物中の溶液、懸濁液、分散液
、または乳濁液などの中に含有してもよい。デリバリシステムから解放されると
、プロテアーゼインヒビタは、その物品内のデリバリシステムの位置から着用者
接触面へ、さらには着用者の皮膚へと移動する。デリバリシステムは、制限され
るものではないが、トップシート、バックシート、吸収体コア、コアとシート層
との間の第2の層、レッグカフ、サイドパネル、ウエスト領域、締結具、吸収性
物品中に挿入される吸収性材料のようなその物品の着用時に使用される挿入可能
なエレメント、及び便通を収容するのに用いられるもの(例えば、便通「ポケッ
ト」)のような特化構造などを含む吸収性物品のどの部分の構成要素であっても
よい。好ましくはデリバリシステムは着用者の皮膚に近接して配置され、より好
ましくは、トップシート、サイドパネル、レッグカフス、ウエスト領域、及び締
結具のようなその物品の一部の着用者接触面の構成要素である。最も好ましくは
、デリバリシステムは、トップシートに組み込まれる以下にさらに記載されるス
キンケア組成物である。
【0097】 デリバリシステムは、パウダ、フレーク、または微粒の形態を含む上述したよ
うなどのような形態で、或いは、薬学的に及び皮膚科学的に許容され得るキャリ
アビヒクル中に溶液、懸濁液、分散液、及び乳濁液等の形態で、プロテアーゼイ
ンヒビタを含有及び/または送り出してもよい。インヒビタがデリバリシステム
によって解放される場合、それは、溶液、懸濁液、及び乳濁液等のように活性な
機能的形態にあってもよく、或いは、パウダや微粒のような非機能的形態にあり
且つ尿及び糞便或いは他の公知の手段からの湿気との接触によって活性化可能で
あってもよい。
【0098】 本発明の吸収性物品においてプロテアーゼインヒビタのその物品のいずれかの
部分からの着用者の皮膚への自動的な移行を促進するのに有用なタイプのデリバ
リシステムは、当業者には直ちに明白となるであろう。代表的なデリバリシステ
ムは、例えば、尿または糞便からの湿気との接触による溶解時に或いは身体から
の圧力による破裂またはその物品を着用者に適用する前のユーザによる手動の破
裂時にインヒビタまたはインヒビタ組成物を圧出するように仕向けられた圧破裂
性または溶解性のマイクロカプセルを含む。例えば、パウダを封入し且つ湿気と
の接触の際に圧出する水溶性フィルムが米国特許第4,790,836号に記載
されており、それは、パウダ、微粒、液体、または半固体のようにどのような形
態でもプロテアーゼインヒビタを包含するマイクロカプセルでの使用に適した材
料であろう。プロテアーゼインヒビタを収容するのに適した代表的な圧破裂性マ
イクロカプセルは、米国特許第3,585,998号に記載されている。そのよ
うなマイクロカプセルは、トップシートを含む吸収性物品のどの部分に存在して
いてもよい。米国特許第4,623,339号は、使用前に吸収性物品から除去
可能であり且つ手動で圧活性化して層のスリットにある物質を圧出可能な挿入可
能な層を記載している。前述の特許のそれぞれの開示は、ここに参照により組み
込まれる。
【0099】 インヒビタまたはインヒビタ組成物を収容するための他の好適なデリバリシス
テムは、制限されるものではないが、取り囲まれたまたは部分的に取り囲まれた
ボイドであり、規則的なまたは不規則な形状で、湿気、熱、または圧力との接触
の際にインヒビタを解放するその物品中の「セル」;並びに水溶性接着剤及び湿
気などとの接触の際にインヒビタを解放する他の組成物を含む。
【0100】 使用されるデリバリシステムに関わらず、プロテアーゼインヒビタまたはプロ
テアーゼインヒビタ含有組成物は、解放の際に、その当初の位置から移動可能で
あってもよい。例えば、それは、尿の流れによって、着用者の動作によって、及
び圧力などによって或いは身体の熱にさらされる際の粘性の減少のせいで、吸収
性物品の他の領域へと移動させられてもよい。親水性のまたは親水性のビヒクル
中に組み込まれたプロテアーゼインヒビタは、親水性のポア或いは尿がトップシ
ートからコアへと流れるのを可能とする他の開口部を介してのように、吸収性物
品の親水性構造体全体にわたって移動してもよい。しかしながら、好ましくは、
プロテアーゼインヒビタまたはインヒビタを具備する組成物を収容するデリバリ
システムは、着用者の皮膚に近接して配置される。好ましい態様において、プロ
テアーゼインヒビタは、スキンケア組成物の溶解した、懸濁した、或いは乳化し
た構成成分であり、その組成物は物品中のいずれの場所にも配置され得るが、好
ましくはトップシート、サイドパネル、ウエスト領域、レッグカフ、及び締付デ
バイスなどのような吸収性物品の着用者接触面の中に組み込まれる。
【0101】 プロテアーゼインヒビタを送り出すのに好適なスキンケア組成物は、以下にさ
らに記載される。これら好ましい態様のそれぞれにおいて、スキンケア組成物は
、好ましくは0.01重量%乃至約50重量%の、より好ましくは約0.5重量
%乃至約25重量%の、及び特には約1%重量%乃至約10重量%のプロテアー
ゼインヒビタを具備する。
【0102】 VIII.スキンケア組成物 本発明の好ましい態様における使用に適したスキンケア組成物は、それぞれ1
997年9月10日に出願された米国特許出願番号第08/926,532及び
08/926,533;1997年3月4日に交付された米国特許第5,607
,760号;1997年3月11日に交付された米国特許第5,609,587
号;1997年6月3日に交付された米国特許第5,635,191号;及び1
997年7月1日に交付された米国特許第5,643,588号に記載されてお
り、それらのそれぞれの開示はここに参照により組み込まれる。
【0103】 有効濃度のプロテアーゼインヒビタを着用者の皮膚へと送り出すビヒクルとし
てのその機能に加え、プロテアーゼインヒビタを含有するスキンケア組成物は、
例えば、糞便の皮膚への接着力を減少させる(例えば、便通掃除の容易さを改良
すること)成分、比較的液体非透過性であるが蒸気透過性に維持しつつ皮膚/糞
便バリア機能を提供する(例えば、皮膚をコートして糞便の接着を防止すること
)成分、または他の治療学的利益を皮膚に提供する(例えば、皮膚の柔軟性を改
良する、皮膚の健康を維持する、或いは改善する)成分などを具備してもよい。
スキンケア組成物は、制限されるものではないが、乳濁液、ローション、クリー
ム、軟膏(ointment)、軟膏剤(salve)、パウダ、懸濁液、被包(encapsulati
on)、及びゲルなどを含む様々な形態であってもよい。
【0104】 有効濃度のプロテアーゼインヒビタを吸収性物品を介して徐々に皮膚へと送り
出すために、インヒビタを含有しその物品の着用者接触面の1つ以上に適用また
は移動するスキンケア組成物の有効量は、使用される特定のスキンケア組成物に
大きく依存する。吸収性物品の着用者接触面の少なくとも一部上のその組成物の
量は、好ましくは約0.05mg/in2(0.0078mg/cm2)乃至約8
0mg/in2(12mg/cm2)の、より好ましくは約1mg/in2(0. 16mg/cm2)乃至約40mg/in2(6mg/cm2)の、さらにより好 ましくは約4mg/in2(0.6mg/cm2)乃至約26mg/in2(4m g/cm2)の範囲内である。しかしながら、これら範囲は単に例証のためであ り、当業者は、組成物の性質が有効量のプロテアーゼインヒビタを送り出すのに
適用されねばならないレベルを規定すること及び望ましいレベルが本開示の見解
における慣例の実験により確認可能であることをお認識するであろう。
【0105】 吸収性物品に適用されるスキンケア組成物の量は本発明の重要な側面であるが
、より重要なのは、1つ以上の処理された物品の使用の間に着用者の皮膚へと移
行する組成物の量である。皮膚へと送り出されるプロテアーゼインヒビタ含有組
成物の量は使用される組成物の性質にある程度は依存するであろうが、比較的少
ない量が最小阻害濃度のプロテアーゼインヒビタを供給しつつ皮膚に送り出され
てもよい。これは、例1に記載されるような好ましい組成物について特に該当す
る。
【0106】 1つ以上の処理された物品を着用した後に着用者の皮膚へと移行するプロテア
ーゼインヒビタの量を定量するために、皮膚に移行したスキンケア組成物の量を
定量するための方法が以下に提供される。約3時間(典型的な日中の着用時間)
にわたって着用された1つの処理された吸収性物品の使用の間に着用者へと移行
するスキンケア組成物,特には例1に記載されるような好ましいスキンケア組成
物,のレベルに関し、少なくとも約0.01mg/in2(0.0016mg/ cm2)の、より好ましくは少なくとも約0.05mg/in2(0.0078m
g/cm2)の、さらにより好ましくは少なくとも約0.1mg/in2(0.0
16mg/cm2)の組成物が3時間の着用期間にわたって皮膚へと移行するこ とが好ましい。典型的には,1つの処理された物品により送り出される組成物の
量は、3時間の着用期間にわたって、約0.01mg/in2(0.0016m g/cm2)乃至約5mg/in2(0.78mg/cm2)、より好ましくは約 0.05mg/in2(0.0078mg/cm2)乃至約3mg/in2(0. 47mg/cm2)、さらにより好ましくは約0.1mg/in2(0.016m
g/cm2)乃至約2mg/in2(0.31mg/cm2)である。
【0107】 処理された物品の例えば24時間の連続的な使用のために(換言すれば、典型
的には日中での3乃至4時間毎の及び夜通しの睡眠前の真新しい物品の交換を含
む標準的な使用パターンに従って交換が行われる)、好ましくは少なくとも約0
.03mg/in2(0.0047mg/cm2)の、より好ましくは少なくとも
約0.1mg/in2(0.016mg/cm2)の、さらにより好ましくは少な
くとも約0.3mg/in2(0.047mg/cm2)の組成物が24時間にわ
たって着用者の皮膚へと移行する。典型的には、処理された物品がそれぞれの交
換の際に適用される場合に24時間の期間後に送り出される組成物の量は、約0
.03mg/in2(0.0047mg/cm2)乃至約18mg/in2(2. 79mg/cm2)、より典型的には約0.1mg/in2(0.016mg/c
2)乃至約10mg/in2(1.55mg/cm2)、さらにより好ましくは 約0.3mg/in2(0.047mg/cm2)乃至約6mg/in2(0.9 3mg/cm2)である。
【0108】 本発明に従って皮膚へと送り出されるプロテアーゼインヒビタ含有スキンケア
組成物において有用な多数の材料のうち、安全であると考えられており且つ有効
なスキンケア剤であるものはここで使用される必然の(logical)材料であるこ とが認識されるであろう。そのような材料は、U.S.Food and Dr
ug Administration’s(FDA) Tentative F
inal Monograph on Skin Protectant Dr
ug Products for Over−The−Counter Hum
an Use(21C.F.R.§347)によって規定されるカテゴリIのア
クティブを含み、それは現在のところ、アラントイン、水酸化アルミニウムゲル
、カラミン、ココアバター、ジメチコーン、タラ肝油(組み合わせて)、グリセ
リン、カオリン、ワセリン、ラノリン、鉱油、サメ肝油、白色ワセリン、タルク
、トピカルスターチ(topical starch)、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛な
どを含んでいる。他の潜在的に有用な材料は、U.S.Food and Dr
ug Administration’s Tentative Final
Monograph on Skin Protectant Drug Pr
oducts for Over−The−Counter Human Us
e(21C.F.R.§347)によって規定されるカテゴリIIIのアクティ
ブを含み、それは現在のところ、生イースト細胞誘導体(live yeast cell deri
vative)、アルジオキサ(aldioxa)、酢酸アルミニウム、微孔性セルロース、 コレカルシフェロール、コロイドオートミール、システインヒドロクロライド、
デクスパンテノール、ペルーバルサム油、蛋白質加水分解生成物、ラセミ体のメ
チオニン、炭酸水素ナトリウム、及びビタミンAなどを含んでいる。
【0109】 FDAにモノグラフされたスキンケア成分の多くは、現在、A and D
Ointment、Vaseline Petroleum jelly、De
sitin Diaper Rash Ointment and Daily
Care ointment、Gold Bond Medicated B
aby Powder、Aquaphor Healing Ointment
、Baby Magic Baby Loation、Johnson’s U
ltra Sensitive Baby Creamのような市販のスキンケ
ア製品で使用されている。有効濃度のプロテアーゼインヒビタは、これら市販の
製品或いはここに記載されておらず且つ吸収性物品に適用されて本発明において
使用される処理された物品を生成する他の市販のスキンケア製品のいずれかの中
に組み込まれてもよい。
【0110】 以下にさらに説明されるように、着用者の皮膚へとプロテアーゼインヒビタを
移行させるのに有用なスキンケア組成物は、好ましくは、必然ではないが、それ
らは室温では物品の着用者接触面上で比較的不動であり且つ局在化し、身体の温
度では着用者へと直ちに移行可能であり、しかも、極限貯蔵条件下では容易には
完全な液体ではないような融解プロファイルを有する。好ましくは、それら組成
物は、標準的な接触、着用者の動作、及び/または身体のねつによって皮膚へと
容易に移行可能である。その組成物は好ましくは物品の着用者接触面上で実質的
に不動であるので、比較的低いレベルの組成物が所望のスキンケアの利益を付与
するのに必要とされる。加えて、特別なバリアまたは包装材料は、本発明の方法
において有用な処理された物品を包装するのに不要であるかもしれない。
【0111】 好ましい態様において、ここで有用なスキンケア組成物は、油中水形乳濁液で
あり、そこで、プロテアーゼインヒビタは水性相または油相のいずれかの中の溶
液または懸濁液中にある。しかしながら、スキンケア組成物自体は、20℃,す
なわち周囲温度,で固体または多くの場合は半固体であってもよい。「半固体」
により、組成物は偽可塑性または可塑性液体に典型的な流動学を有していること
が意味される。剪断力が印加されていない場合、その組成物は半固体の外観を有
し得るが、ずり速度が増加すると流され得る。これは、その組成物は主として固
体成分を含有しているが、それは液体成分も含んでいるという事実のせいである
。好ましくは、本発明のプロテアーゼインヒビタ含有組成物は、約1.0×10 6 センチポイズ乃至約1.0×108センチポイズのゼロずり粘性を有する。より
好ましくは、ゼロずり粘性は、約5.0×106センチポイズ乃至約5.0×1 07センチポイズである。ここで使用されるように、用語「ゼロずり粘性」は、 非常に低いずり速度(例えば、1.0秒-1)で、プレートアンドコーン粘度計(
好適な機器はデラウェア州New CastleのTA Instrument
sからモデル番号CSL100として市販されている)を用いて測定された粘性
を言う。当業者は、高融点成分以外の手段(以下に説明されるような)は、その
ような手段を具備するそのような組成物について測定される同等の粘性を提供す
るのに使用されることができ、そのような組成物についてのずり速度に対する粘
性のグラフを約20℃の温度でのゼロのずり速度に外挿することにより測定され
得ることを認識するであろう。
【0112】 好ましい組成物は、室温で少なくとも半固体であり、その物品の着用前の組成
物の移動を最小化する。加えて、それら組成物は、好ましくは、45℃よりも高
いであろう潜在的に「ストレスの多い」条件(例えば、アリゾナ州の倉庫、フロ
リダ州における車のトランクなど)よりも高い最終融点(100%液体)を有す
る。これら融解特性を有する代表的な組成物は、米国特許第5,643,588
号、米国特許第5,607,760号、米国特許第5,609,587号、及び
米国特許第5,635,191号、に詳細に記載されており、それらのそれぞれ
の開示はここに参照により組み込まれる。特には、好ましい組成物は以下の融解
プロファイルを有するであろう。
【0113】
【表3】
【0114】 周囲温度で固体または半固体であることにより、プロテアーゼインヒビタを含
有する好ましい組成物は、それらが適用される物品の不所望な位置に著しく流れ
る及び移動する傾向を有していない。これは、より少ないスキンケア組成物が、
所望の治療上の、保護的な、及び/またはコンディショニング利益を付与するの
に要求されることを意味する。
【0115】 物品の着用前の好ましい組成物の不動性を高めるために、配合された組成物の
粘性は、物品内で不所望な位置へと流れるのを防止するように可能な限り高くあ
るべきである。不幸にも、ある場合では、より高い粘性は組成物の着用者の皮膚
への移行を妨げるかも知れない。それゆえ、組成物を物品の表面に局在化させて
おくのに十分に粘性が高いが、着用者の皮膚への移行を妨げるほどには高くない
ようなバランスが達成されるべきである。それら組成物について好適な粘性は、
60℃で回転式粘度計(好適な粘度計は、イリノイ州Melrose Park
のLab Line Instruments,Inc.からModel457
3として市販されている)を用いて測定した場合に,典型的には約5乃至約50
0センチポイズ、好ましくは約5乃至約300センチポイズ、より好ましくは約
5乃至約100センチポイズである。その粘度計は、ナンバー2スピンドルを用
いて60rpmで操作される。
【0116】 治療学的及び/または皮膚保護的利益に加えプロテアーゼインヒビタに由来す
る利益を提供するように設計されたスキンケア組成物について、これら組成物に
おいて有用な活性成分は1つ以上の皮膚保護剤または軟化剤である。ここで使用
されるように、用語「軟化剤」は、皮膚を、湿気または刺激に対して保護し、軟
化し、鎮静させ、しなやかにし、コートし、潤滑し、潤いを与え、保護し、及び
/または清潔にする材料である。(ここではその用語が使用されるので、上記の
モノグラフされた幾つかのアクティブは「軟化剤」であることが認識されるであ
ろう。)好ましい態様において、これら軟化剤は、周囲温度,すなわち20℃,
で可塑性または液体粘稠性を有するであろう。
【0117】 本発明において有用な代表的な軟化剤は、制限されるものではないが、石油系
の軟化剤;蔗糖脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール及びその誘導体;保湿
剤;脂肪酸エステル類;アルキロエトキシレート類;脂肪酸エステルエトキシレ
ート;脂肪族アルコール類;ポリシロキサン類;プロピレングリコール及びその
誘導体;グリセリン、アセトグリセリン、及びC12−C28脂肪酸のエトキシ化グ
リセリンを含むグリセリン及びその誘導体;トリエチレングリコール及びその誘
導体;鯨蝋または他のワックス;脂肪酸;脂肪族アルコールエーテル、特にはス
テアリン酸のようにその脂肪鎖中に12乃至28個の炭素原子を有するもの;プ
ロポキシ化脂肪族アルコール;他のポリヒドロキシアルコールの脂肪酸エステル
;ラノリン及びその誘導体;カオリン及びその誘導体;上記のモノグラフされた
スキンケア剤のいずれか;或いはこれら軟化剤の混合物を含む。好適な石油系軟
化剤は、16乃至32個の炭素原子の鎖長を有する炭化水素または炭化水素の混
合物を含む。これら鎖長を有する石油系炭化水素は、鉱油(「白色鉱油」として
も知られている)及びペトロラタム(「ミネラルワックス」、「ペトロラタムゼ
リー」、及び「ミネラルゼリー」としても知られている)を含む。鉱油は、通常
、16乃至20個の炭素原子を有する炭化水素の粘性のより低い混合物を言う。
ペトロラタム及び鉱油は、本発明の組成物に特に好ましい軟化剤である。
【0118】 好適な脂肪酸エステル類の軟化剤は、C12−C28脂肪酸,好ましくはC16−C 22 飽和脂肪酸,と短鎖(C1−C8、好ましくはC1−C3)一価アルコールとから
誘導されるものを含む。そのようなエステルの代表的な例は、メチルパルミテー
ト、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート
、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルパルミテート、及びそれらの混合
物を含む。好適な脂肪酸エステル軟化剤は、ラウリルラクテート及びセチルラク
テートのように、長鎖脂肪族アルコール(C12−C28、C12−C16)と短鎖脂肪
酸,例えば乳酸,とから誘導され得る。
【0119】 好適なアルキルエトキシレート類の軟化剤は、約2乃至約30の平均エトキシ
化度を有するC12−C28脂肪族アルコールエトキシレートを含む。好ましくは、
脂肪族アルコールエトキシレート軟化剤は、約2乃至約23の平均エトキシ化度
を有するラウリル、セチル、及びステアリルエトキシレート、並びにそれらの混
合物からなる群より選ばれる。そのようなアルキルエトキシレートの代表的な例
は、ラウレス−3(平均エトキシ化度が3のラウリルエトキシレート)、ラウレ
ス−23(平均エトキシ化度が23のラウリルエトキシレート)、セテス−10
(平均エトキシ化度が10のセチルアルコールエトキシレート)、及びステアレ
ス−10(平均エトキシ化度が10のステアリルアルコールエトキシレート)を
含む。使用の際には、これらアルキルエトキシレート軟化剤は、典型的には、約
1:1乃至約1:5の、好ましくは約1:2乃至約1:4の石油系軟化剤に対す
るアルキルエトキシレート軟化剤の重量比でペトロラタムのような石油系軟化剤
と組み合わされて用いられる。
【0120】 好適な脂肪族アルコール類の軟化剤は、C12−C22脂肪族アルコール、好まし
くはC16−C18脂肪族アルコールを含む。代表的な例は、セチルアルコール及び
ステアリルアルコール並びにそれらの混合物を含む。使用の際には、これら脂肪
族アルコール軟化剤は、典型的には、約1:1乃至約1:5の、好ましくは約1
:1乃至約1:2の石油系軟化剤に対する脂肪族アルコール軟化剤の重量比でペ
トロラタムのような石油系軟化剤と組み合わされて用いられる。
【0121】 ここで使用される他の好適なタイプの軟化剤は、ポリシロキサン化合物を含む
。一般に、本発明での使用に好適なポリシロキサン材料は、以下の構造の単量体
シロキサン単位:
【化1】
【0122】 を有するものを含み、そこで、R1及びR2は、それぞれの独立したシロキサンモ
ノマー単位について、水素或いはアルキル、アリール、アルケニル、アルカリル
、アラキル、シクロアルキル、ハロゲン化炭化水素、または他のラジカルのいず
れかとすることができる。そのようなラジカルのいずれも、置換された或いは未
置換であってもよい。それらモノマー単位のいずれかのR1及びR2ラジカルは、
隣接するモノマー単位の対応する官能基と異なっていてもよい。加えて、ポリシ
ロキサンは、直鎖、側鎖であってもよく、或いは環状構造を有していてもよい。
ラジカルR1及びR2は、制限されるものではないが、付加的に独立して、シロキ
サン、ポリシロキサン、シラン、及びポリシランのような他のシラセアス(sila
ceous)官能基であってもよい。ラジカルR1及びR2は、例えばアルコール、酢 酸、フェニル、及びアミン官能基を含む様々な有機官能基のいずれかを含んでも
よい。
【0123】 代表的なアルキルラジカルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル
、ヘキシル、オクチル、デシル、及びオクタデシルなどである。代表的なアルケ
ニルラジカルは、ビニル及びアリルなどである。代表的なアリールラジカルは、
フェニル、ジフェニル、及びナフチルなどである。代表的なアルカリルラジカル
は、トイル、キシリル、及びエチルフェニルなどである。代表的なアラルキルラ
ジカルは、ベンジル、アルファ−フェニルエチル、ベータ−フェニルエチル、及
びアルファ−フェニルブチルなどである。代表的なシクロアルキルラジカルは、
シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどである。代表的なハロ
ゲン化炭化水素ラジカルは、クロロメチル、ブロモエチル、テトラフルオロエチ
ル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロトロイル、及びヘキサ
フルオロキシリルなどである。
【0124】 有用なポリシロキサンの粘性は、ポリシロキサンが流動可能であるか或いは吸
収性物品への適用のために流動可能とされ得る限り、一般にポリシロキサンの粘
性が多様であるのと同様に多様であってもよい。これは、制限されるものではな
いが、5センチストークス(37℃でガラス粘度計により測定して)ほどの低い
粘性から約20,000,000センチストークスまでを含む。好ましくは、ポ
リシロキサンは、37℃で、約5乃至約5,000センチストークス、より好ま
しくは約5乃至約2,000センチストークス、最も好ましくは約100乃至約
1000センチストークスの粘性を有する。それ自体が流動に対して抵抗性のあ
る粘性の高いポリシロキサンは、例えば、界面活性剤中でポリシロキサンを乳化
すること或いは例示の目的のみで記載されるヘキサンのような溶媒を使用してポ
リシロキサンを溶液中に供給することのような方法によって吸収性物品上に効果
的に付着させられ得る。ポリシロキサン軟化剤を鳩首製物品へと適用する特定の
方法が、以下により詳細に説明される。
【0125】 本発明での使用に好適なポリシロキサン化合物は、1991年10月22日に
交付された米国特許第5,059,282号(Ampulskiら)に開示され
ており、それはここに参照により組み込まれる。本発明の組成物において軟化剤
としての使用に特に好ましいポリシロキサン化合物は、フェニル官能性ポリメチ
ルシロキサン化合物(例えば、Dow Corning 556 Cosmet
ic−Grade Fluid:ポリフェニルメチルシロキサン)並びにDow
2502及びDow2503ポリシロキサン液のようなセチルまたはステアリル
官能化ジメチコーンを含む。そのようなフェニル官能基またはアルキル基での置
換に加えて、効果的な置換が、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル
、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、及びチオール基でな
されてもよい。これら効果的な置換基のうち、フェニル、アミノ、アルキル、カ
ルボキシル、及びヒドロキシル基を具備する基の系統が他に比べるとより好まし
く、フェニル官能基が最も好ましい。
【0126】 好適な脂肪酸エステル類の軟化剤は、1997年3月11日にRoeに交付さ
れた米国特許第5,609,587号に記載されているようなポリオールポリエ
ステルを含み、その開示はここに参照により組み込まれる。代表的なポリオール
は、制限されるものではないが、ペンタエリトリトールのような多価(polyhydr
ic)化合物;ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、サッカロー
ス、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノ
ース、及びエリトロースのような糖;並びにエリトリトール、キシリトール、マ
リトール、マンニトール、及びソルビトールのような糖アルコールを含む。その
ようなポリオールは、脂肪酸及び/または少なくとも2個の炭素原子及び30個
の炭素原子までを有する他の有機ラジカルでエステル化される。ポリオールの全
てのヒドロキシル基がエステル化される必要はないが、本発明の好ましいポリオ
ールポリエステル軟化剤は、実質的に全て(例えば、少なくとも約85%)のヒ
ドロキシル基がエステル化されている。サッカロースポリコットネート、サッカ
ロースポリソイネート、及びサッカロースポリベヘネートのようなサッカロース
ポリオールポリエステルが特に好ましい。そのようなポリオールポリエステルの
混合物も、本発明の軟化剤として好適である。
【0127】 好適な保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、及びト
リヒドロキシステアリンなどを含む。
【0128】 存在する場合、その組成物中に含められ得る軟化剤の量は、伴われる特定の軟
化剤、所望の皮膚の利益、及び組成物中の他の構成要素などのファクタを含む様
々なファクタに依存するであろう。その組成物は、総重量に対して0乃至100
%の軟化剤を具備する。その組成物は、好ましくは約10乃至約95重量%、よ
り好ましくは約20乃至約80重量%、及び最も好ましくは約40乃至約75重
量%の軟化剤を具備する。
【0129】 本発明において有用なプロテアーゼインヒビタ含有スキンケア組成物の他の任
意の好適な成分は、その組成物(プロテアーゼインヒビタ、好ましい軟化剤、及
び/または他のスキンコンディション/保護剤を含む)を処理された物品の中ま
たは上の所望の位置に移動不可能とし得る作用物質である。その組成物中の好適
な軟化剤の幾分かは20℃で可塑性または液体粘稠度を有しているので、それら
は、僅かな剪断力にさらされたときでさえ流れる流れる或いは移動する傾向を有
している。着用者接触面または吸収性物品の他の位置に特には融解した或いは溶
融した状態で適用された場合、軟化剤は、処理された領域の中または上に主とし
て残留しないであろう。その代わりに、軟化剤は、その物品の不所望な領域へと
移動及び流れる傾向にあるであろう。
【0130】 とりわけ、軟化剤がその物品の内部の中へと移動した場合、それは、本発明の
方法において有用なその組成物中で使用される軟化剤及び他のスキンコンディシ
ョニング剤の多くの疎水性のせいで、その物品のコアの吸収性に不所望な影響を
与え得る。それはまた、所望の治療学的及び/または保護的利益を得るために、
より多くの軟化剤がその物品に適用されねばならないことを意味する。軟化剤の
レベルの増加は、コストを増加させるだけでなく、物品のコアの吸収性への不所
望な効果及び処理された物品の処理/加工の間の組成物の不所望な移行を悪化さ
せる。
【0131】 不動化剤は、その組成物が適用される物品の表面上に或いは領域中に軟化剤を
最初は局在化させたままとすることにより、この軟化剤の移動または流れる傾向
を打ち消す。これは、部分的には、不動化剤はその組成物の融点及び/または粘
性を軟化剤のそれよりも高めるという事実のせいであると考えられている。不動
化剤は好ましくは軟化剤に混和性である(或いは、適当な丹生化剤を使用して軟
化剤中に可溶化される)ので、それは軟化剤をその物品の着用者接触面の表面上
に或いはそれが適用される領域中に閉じ込める。
【0132】 不動化剤は、その組成物が適用される物品の表面上に或いは領域中に軟化剤を
最初は局在化させたままとすることにより、この軟化剤の移動または流れる傾向
を打ち消す。これは、部分的には、不動化剤はその組成物の融点及び/または粘
性を軟化剤のそれよりも高めるという事実のせいであると考えられている。不動
化剤は好ましくは軟化剤に混和性である(或いは、適当な丹生化剤を使用して軟
化剤中に可溶化される、または、その中に分散される)ので、それは軟化剤をそ
の物品の着用者接触面の表面上に或いはそれが適用される領域中に閉じ込める。
【0133】 不動化剤を着用者接触面またはその物品のそれが適用される領域に「ロック」
することも有利である。これは、物品に適用した際に速やかにセットアップする
(すなわち、固化する)不動化剤を使用することにより達成され得る。加えて、
ブロア、ファン、冷ロール等による処理された物品の外側の冷却は、不動化剤の
結晶化を加速し得る。
【0134】 軟化剤に混和性であること(または、可溶化されていること)に加え、不動化
剤は、好ましくは、周囲温度では固体または半固体である組成物を提供する融解
プロファイルを有するであろう。これに関し、好ましい不動化剤は、少なくとも
約35℃の融点を有するであろう。これは、不動化剤自体は移動するまたは流れ
る傾向を有していないからである。好ましい不動化剤は、少なくとも約40℃の
融点を有するであろう。典型的には、不動化剤は、約50°乃至約150℃の範
囲の融点を有するであろう。
【0135】 使用される場合、ここで有用な不動化剤は、スキンケア組成物のプロテアーゼ
阻害特性がここに記載される皮膚の利益を提供する限り、多数の作用物質のいず
れかから選択され得る。好ましい不動化剤は、C14−C22脂肪族アルコール、C 14 −C22脂肪酸、及び2乃至約30の平均エトキシ化度を有するC14−C22脂肪
族アルコールエトキシレート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる要素
を具備するであろう。好ましい不動化剤は、C16−C18脂肪族アルコールを、最
も好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、
及びそれらの混合物からなる群より選ばれる結晶質高融点材料を含む。(これら
材料の直鎖構造(linear structure)は、処理された吸収性物品上での固化を加
速し得る。)セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物が特に好まし
い。他の好ましい不動化剤はC16−C18脂肪酸を含み、最も好ましくはパルミチ
ン酸、ステアリン酸、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。さらに他の
好ましい不動化剤は、約5乃至約20の平均エトキシ化度を有するC16−C18
肪族アルコールエトキシレートを含む。好ましくは、脂肪族アルコール、脂肪酸
、及び脂肪族アルコールは直鎖状である。重要なことには、C16−C18脂肪族ア
ルコールのようなこれら好ましい不動化剤は、その組成物の結晶化速度を高め、
その組成物を基材の表面上で速やかに結晶化させる。
【0136】 ここで使用されてもよい他のタイプの不動化剤は、ポリヒドロキシ脂肪酸エス
テル、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びそれらの混合物を含む。好ましいエス
テル及びアミドは、ポリヒドロキシ部に3つ以上の遊離ヒドロキシ基を有し、典
型的には非イオン性である。その組成物が適用される物品を使用する人の可能な
皮膚の感受性のせいで、これらエステル及びアミドは、皮膚に対して比較的マイ
ルドであり且つ非刺激性であるべきである。
【0137】 本発明での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステルは、下記式:
【化2】
【0138】 を有し、そこで、RはC5−C31ヒドロカルビル基、好ましくは直鎖C7−C19
ルキルまたはアルケニル、より好ましくは直鎖C9−C17アルキルまたはアルケ ニル、最も好ましくは直鎖C11−C17アルキルまたはアルケニル、またはそれら
の混合物であり;Yはヒドロカルビル鎖を有し前記鎖に少なくとも2つの遊離ヒ
ドロキシル基が直接的に結合したポリヒドロキシヒドロカルビル部であり;nは
少なくとも1である。好適なY基は、グリセロール、ペンタエリトリトールのよ
うなポリオール;ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、サッカ
ロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マ
ンノース、及びエリトロースのような糖;エリトリトール、キシリトール、マリ
トール、マンニトール、及びソルビトールのような糖アルコール;及びソルビタ
ンのような糖アルコールの無水物から誘導され得る。
【0139】 本発明での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステルの1つのクラスは、あ
るソルビタンエステル、好ましくはC16−C22飽和脂肪酸のソルビタンエステル
を具備する。それらが典型的に製造される方法のせいで、これらソルビタンエス
テルは、通常、モノ−,ジ−,トリ−等のエステルの混合物を具備する。好適な
ソルビタンエステルの代表的な例は、ソルビタンパルミテート(例えば、SPA
N40)、ソルビタンステアレート(例えば、SUPAN60)、及びソルビタ
ンベヘネートを含み、それらは、例えば、ソルビタンモノ−,ジ−,及びトリ−
パルミテート、ソルビタンモノ−,ジ−,及びトリ−ステアレート、ソルビタン
モノ−,ジ−,及びトリ−ベヘネートに加え、混合タロー(tallow)脂肪酸ソル
ビタンモノ−,ジ−,及びトリ−エステルのような、これらソルビタンエステル
のモノ−,ジ−,及びトリ−エステルバージョンの1つ以上を具備する。ソルビ
タンパルミテートとソルビタンステアレートとのように異なるソルビタンエステ
ルの混合物も使用され得る。特に好ましいソルビタンエステルは、SPAN60
のように典型的にはモノ−,ジ−,及びトリ−エステル(プラス幾分かのテトラ
エステル)の混合物であるソルビタンステアレート、及びLonza,Incか
らGLYCOMUL−Sの商標名で市販されているソルビタンステアレートであ
る。これらソルビタンエステルは典型的にはモノ−,ジ−,及びトリ−エステル
に幾分かのテトラエステルを加えた混合物を含有しているが、モノ−及びジ−エ
ステルは通常これら混合物中の主な種である。
【0140】 本発明での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステルの他のクラスは、ある
グリセリルモノエステル、好ましくはグリセリルモノステアレート、グリセリル
モノパルミテート、及びグリセリルモノベヘネートのようなC16−C22飽和脂肪
酸のグリセリルモノエステルを具備する。再度、ソルビタンエステルのように、
グリセリルモノエステル混合鬱は典型的には幾分かのジ−及びトリエステルを含
有するであろう。しかしながら、そのような混合物は、圧倒的にグリセリルモノ
エステル種を含有しており、本発明において有用である。
【0141】 本発明での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステルの他のクラスは、ある
サッカロース脂肪酸エステル、好ましくはサッカロースのC12−C22飽和脂肪酸
エステルを具備する。サッカロースモノエステル及びジエステルは、特に好まし
く、サッカロースモノ−及びジ−ステアレート及びサッカロースモノ−及びジ−
ラウレートを含む。
【0142】 本発明での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、以下の式:
【化3】
【0143】 を有し、そこで、R1はH、C1−C4ヒドロキシカルビル、2−ヒドロキシエチ ル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、メトキシプロピル、またはそれ
らの混合物、好ましくはC1−C4アルキル、メトキシエチル、またはメトキシプ
ロピル、より好ましくはC1またはC2アルキルまたはメトキシプロピル、最も好
ましくはC1アルキル(すなわち、メチル)またはメトキシプロピルであり;R2 はC5−C31ヒドロカルビル基、好ましくは直鎖C7−C19アルキルまたはアルケ
ニル、より好ましくは直鎖C11−C17アルキルまたはアルケニル、またはそれら
の混合物であり;Zは直線状ヒドロカルビル鎖を有しその鎖に少なくとも3つの
ヒドロキシル基が直接結合したポリヒドロキシヒドロカルビル部である。これら
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドに加えそれらの調製法を開示する1992年12月
29日に交付された米国特許第5,174,927号(Honsa)を参照のこ
と。
【0144】 Z部は、好ましくは還元アミノ化反応において還元糖から誘導され、最も好ま
しくはグリシチルである。好適な還元糖は、グルコース、フルクトース、マルト
ース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、及びキシロースを含む。高デキ
ストロースコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、及び高マルトース
コーンシロップが、上記の個々の糖に加えて使用され得る。これらコーンシロッ
プは、Z部についての糖成分の混合物をもたらし得る。
【0145】 Z部は、好ましくは、−CH2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2
H)−[(CHOH)n-1]−CH2OH、−CH2OH−CH2−(CHOH)2 −(CHOR3)(CHOH)−CH2OHからなる群より選ばれ、そこで、nは
3乃至5の整数であり、R3はHまたは環状または脂肪族モノサッカロースであ る。nが4であるグリシチル、特には−CH2−(CHOH)4−CH2OHが最 も好ましい。
【0146】 上記式において、R1は、例えば、N−メチル、N−エチル、N−プロピル、 N−イソプロピル、N−ブチル、N−2−ヒドロキシエチル、N−メトキシプロ
ピル、またはN−2−ヒドロキシプロピルであってもよい。R2は、例えば、コ カミド、ステアラミド、オレアミド、ラウラミド、ミリスタミド、カプリカミド
、パルミタミド、タロワミドなどを提供するように選択され得る。Z部は、1−
デオキシグルシチル、2−デオキシフルシチル、1−デオキシマルチチル、1−
デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキシマンニチル、1
−デオキシマルトトリオチチルなどであってもよい。
【0147】 最も好ましいポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、一般式:
【化4】
【0148】 を有し、そこで、R1はメチルまたはメトキシプロピルであり;R2はC11−C17 直鎖アルキルまたはアルケニル基である。これらは、N−ラウリル−N−メチル
グルカミド、n−ラウリル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−ココイル−
N−メチルグルカミド、N−ココイル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−
パルミチル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−タロウイル−N−メチルグ
ルカミド、またはN−タロウイル−N−メトキシプロピルグルカミドを含む。
【0149】 前述のように、幾つかの不動化剤は、軟化剤中への可溶化のために乳化剤を必
要とするかも知れない。これは、特に、少なくとも約7の親水性親油性バランス
(HLB)値を有するN−アルキル−N−メトキシプロピルグルカミドのような
あるグルカミドの場合にそうである。好適な丹生化剤は、典型的には、7未満の
HLB値を有するものを含むであろう。これに関し、ソルビタンステアレートの
ような約4.9以下のHLB値を有する前述のソルビタンエステルは、これらグ
ルカミド不動化剤をペトロラタムに対して可溶化するのに有用であることが分か
っている。他の好適な乳化剤は、ステアレス−2(式CH3(CH217(OCH 2 CH2nOHに従い、nの平均値が2であるステアリルアルコールのポリエチ レングリコールエーテル)、ソルビタントリステアレート、イソソルビドラウレ
ート、及びグリセリルモノステアレートを含む。乳化剤は、実質的に均質な混合
物が得られるように不動化剤を軟化剤中に可溶化するのに十分な量で含められ得
る。例えば、通常は単一相の混合物へとは融解されないN−ココイル−N−メチ
ルグルカミドとペトロラタムとのおよそ1:1の混合物は、ステアレス−2とソ
ルビタントリステアレートとの1:1の混合物を乳化剤として20%添加するこ
とにより単一相へと融解するであろう。
【0150】 不動化剤として単独で或いは上述した不動化剤と組み合わせて使用され得る他
のタイプの成分は、カルナバ、オゾケライト、蜜蝋、カンデリラ、パラフィン、
セレシン、エスパルト、オーリクリ、レゾワックス、イソパラフィン、及び他の
公知の鉱蝋(mined and mineral waxes)のようなワックスを含む。これら材料 の高い融点は、物品上の所望の表面または位置にその組成物を不動化するのを助
け得る。加えて、マイクロクリスタリンワックスは、効果的な不動化剤である。
マイクロクリスタリンワックスは、スキンケア組成物中への低分子量炭化水素の
「封じ込め」の助けになる。好ましくは、そのワックスはパラフィンワックスで
ある。特に好ましい代わりの不動化剤の例は、ニューヨーク州West Bab
ylon11704私書箱1098のStrahl and Pitsch I
nc.から市販されているParrafin S.P.のようなパラフィンワッ
クスである。
【0151】 その組成物中に含められ得る任意の不動化剤の量は、伴われるアクティブ(例
えば、軟化剤)、もしあれば伴われる特定の不動化剤、その組成物中の他の構成
要素、及び不動化剤を他の成分に対して可溶化するのに乳化剤が必要であるか否
かなどのファクタを含む様々なファクタに依存するであろう。存在する場合、そ
の組成物は、典型的には、約5乃至約90%の不動化剤を具備するであろう。好
ましくは、その組成物は、約5乃至約50、最も好ましくは約10乃至約40の
不動化剤を具備するであろう。
【0152】 その物品のトップシートの少なくとも一部が親水性材料でつくられて、液体(
例えば尿)がトップシートを速やかに透過するのを促進することが強く望まれる
。同様に、その組成物は、液体がトップシートを速やかに透過するのを確実にす
るのに十分に濡れやすいことが望まれるかも知れない。その代わりに、疎水性の
スキンケア組成物が、トップシートの流体ハンドリング特性が十分に維持される
ようにそれらが適用される限り、使用されてもよい。(例えば、以下に説明され
るように、トップシートへのその組成物の不均一な適用は、このゴールを達成す
るための1つの手段である。)これは、身体滲出物がトップシートに吸い込まれ
て吸収体コアによって吸収されるというよりはむしろ、その組成物で処理された
トップシートを流れ落ちるという可能性を減少させる。親水性の組成物が望まれ
る場合、その組成物中で使用される特定の構成成分に依存して、親水性の界面活
性剤(或いは親水性界面活性剤の混合物)が濡れ性を改善するのに必要であるか
もしれないし、必要でないかもしれない。例えば、N−ココニル−N−メトキシ
プロピルグルカミドのようなある不動化剤は、少なくとも約7のHLB値を有し
ており、親水性界面活性剤の添加なしでも十分に湿潤性である。約7未満のHL
B値を有するC16−C18脂肪族アルコールのような他の不動化剤は、その組成物
が物品のトップシートに適用される際に濡れ性を改善するために、親水性界面活
性剤の添加を必要とするかも知れない。同様に、ペトロラタムのような疎水性軟
化剤は、親水性の組成物が望まれる場合は、親水性界面活性剤の添加を必要とす
るかも知れない。勿論、濡れ性についての関心は、当該着用者接触面がその物品
のトップシート以外である場合或いはトップシートの流体ハンドリング特性が他
の手段(例えば、不均一な適用)によって十分に維持される場合のファクタでは
ない。
【0153】 好適な親水性界面活性剤は、好ましくは、配合された混合物を得るように、ス
キンケア組成物の他の構成成分に混和性である。その組成物が適用される使い捨
て吸収性製品を使用する人の可能な皮膚感受性のせいで、これら界面活性剤は皮
膚に対して比較的マイルドであり且つ非刺激的であるべきである。典型的には、
これら親水性界面活性剤は、皮膚に対して非刺激性であるだけでなく、処理され
た物品内の他の構造物への他の不所望な影響を回避するように非イオン性である
。例えば、薄葉積層体の引張強さ及び接着結合の十分性などの減少。
【0154】 好適な非イオン性界面活性剤は、その組成物が物品に適用された後に実質的に
非移行性であってもよく、典型的には約4乃至約20、好ましくは約7乃至約2
0の範囲内のHLB値を有するであろう。非移行性とするには、これら非イオン
性界面活性剤は、典型的には、貯蔵運送、売買、及び使い捨て吸収性物品の使用
の間に一般に遭遇する温度、例えば少なくとも約30℃よりも高い融点を有する
であろう。これに関し、これら非イオン性界面活性剤は、好ましくは、前述した
不動化剤と同様の融点を有するであろう。
【0155】 少なくともオムツの液体排出領域でその物品に適用される組成物での使用に適
した非イオン性界面活性剤は、アルキルグリコシド;1977年3月8日に交付
され、ここに参照により組み込まれる米国特許第4,011,389号(Lan
gdonら)に記載されるようなアルキルグリコシドエーテル;Pegospe
rse1000MS(ニュージャージー州Fair LawnのLonza,I
nc.から市販されている)、TWEEN60(約20の平均エトキシ化度を有
するステアリン酸のソルビタンエステル)及びTWEEN61(約4の平均エト
キシ化度を有するステアリン酸のソルビタンエステル)のような約2乃至約20
の、好ましくは約2乃至約10の平均エトキシ化度を有するC12−C18脂肪酸の
エトキシ化ソルビタンモノ−,ジ−及び/またはトリ−エステル、及び脂肪族ア
ルコールの約1乃至約54モルのエチレンオキシドとの縮合生成物を含む。脂肪
族アルコールのアルキル鎖は、典型的には直鎖(直線状)の構造であり、約8乃
至約22個の炭素原子を含んでいる。約11乃至約22個の炭素原子を含むアル
キル基を有するアルコールの、1モルのアルコールに対して約2乃至約30モル
のエチレンオキシドとの縮合生成物が特に好ましい。そのようなエトキシ化アル
コールの例は、ミリスチルアルコールのアルコール1もるに対して7モルのエチ
レンオキシドとの縮合生成物、ココナッツアルコール(10乃至14個の炭素原
子の長さが多様なアルキル鎖を有する脂肪族アルコールの混合物)の約6モルの
エチレンオキシドとの縮合生成物を含む。多数のエトキシ化アルコールが市販さ
れており、Union Carbide Corporationから市販され
ているTERGITOL 15−S−9(C11−C15直線状アルコールの9モル
のエチレンオキシドとの縮合生成物);Procter & Gamble C
o.から市販されているKYRO EOB(C13−C15直線状アルコールの9モ
ルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Shell Chemical Co
.から市販されているNEODOLブランドの界面活性剤、特にはNEODOL
25−12(C12−C15直線状アルコールの12モルのエチレンオキシドとの縮
合生成物)及びNEODOL23−6.5T(C12−C13直線状アルコールの6
.5モルのある不純物を除去するために蒸留(抜頭)されたエチレンオキシドと
の縮合生成物)、及びBASF Corp.から市販されているPLURAFA
Cブランドの界面活性剤、特にはPLURAFAC A−38(C18直鎖アルコ
ールの27モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)を含む。(ある親水性界面
活性剤、特にはNEODOL25−12のようなエトキシ化アルコールは、アル
キルエトキシレート軟化剤として機能し得る。)好ましいエトキシ化アルコール
界面活性剤の他の例は、ICI’sクラスのBrij界面活性剤及びその混合物
を含み、Brij72(すなわち、ステアレス−2)及びBrij76(すなわ
ち、ステアレス−10)が特に好ましい。また、約10乃至約20の平均エトキ
シ化度までエトキシ化されたセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合
物も、親水性界面活性剤として使用されてもよい。
【0156】 その組成物での使用に適した他のタイプの界面活性剤は、American
Cyanamid Companyから市販されているスルホスクシン酸ナトリ
ウムのジオクチルエステルであるAerosol OTを含む。
【0157】 その組成物でに使用に好適なさらに他のタイプの界面活性剤は、Genera
l Electric SF 1188(ポリジメチルシロキサンとポリオキシ アルキレンエーテルとのコポリマー)及びGeneral Electric SF 1228(シリコーンポリエーテルコポリマー)のようなシリコーンコポ
リマーを含む。これらシリコーン界面活性剤は、エトキシ化アルコールのような
上述した他のタイプの親水性界面活性剤と組み合わせて使用され得る。これらシ
リコーン界面活性剤は、その組成物の0.1重量%の低さの濃度で有効であるこ
とが分かっており、より好ましくは約0.25乃至約1.0重量%である。
【0158】 親水性組成物が望まれる場合、その組成物の濡れ性を所望のレベルにまで高め
るのに必要な親水性界面活性剤の量は、もしあるのであれば使用される不動化剤
のHLB値及びレベル、使用される界面活性剤のHLB値、及び同様のファクタ
に部分的に依存するであろう。その組成物は、その組成物の濡れ特性を増加させ
ることが望まれる場合、約0.1乃至約50%の親水性界面活性剤を具備し得る
。好ましくは、その組成物は、濡れ性を増加させることが望まれる場合、約1乃
至約25%の、最も好ましくは約10乃至約20%の親水性界面活性剤を具備す
る。
【0159】 組成物は、このタイプの乳濁液、クリーム、軟膏、ローション、パウダ、及び
懸濁液などに典型的には存在する他の構成成分を具備し得る。これら構成成分は
、水、粘度調整剤、香料、殺菌抗菌アクティブ、塗膜形成剤、脱臭剤、乳白剤、
収斂剤、溶剤、及び防腐剤などを含む。加えて、セルロース誘導体、蛋白質、及
びレシチンのような組成物の保存期限を高めるために安定剤が加えられ得る。こ
れら物質の全ては、そのような調合物への添加剤として当技術分野において公知
であり、ここで使用される組成物中で適当な量で用いられ得る。
【0160】 水性スキンケア組成物が使用される場合、防腐剤が必要とされるであろう。好
適な防腐剤は、プロピルパラベン、メチルパラベン、ベンジルアルコール、ベン
ザルコニウム、第三燐酸カルシウム、BHT、またはクエン酸、酒石酸、マレイ
ン酸、安息香酸、サリチル酸のような酸などを含む。好適な増粘剤は、有効な不
動化剤として上述した薬剤の幾つかを含む。他の好適な増粘剤は、アルキルガラ
クトマンナン、シリカ、タルク、珪酸マグネシウム、ソルビトール、コロイダル
シリコーン二酸化物、珪酸マグネシウムアルミニウム、ステアリン酸亜鉛、羊毛
脂アルコール、ソルビトン、セスキオレアート、セチルヒドロキシエチルセルロ
ース、及び他の改質セルロースを含む。好適な溶剤は、プロピレングリコール、
グリセリン、シクロメチコーン、ポリエチレングリコール、ヘキサレングリコー
ル、ジオール、及びマルチヒドロキシ系溶剤を含む。好適なビタミンは、A、D 3 、E、B5及びEアセテートを含む。
【0161】 IX.物品の組成物での処理 本発明の吸収性物品を準備するに当たり、プロテアーゼインヒビタを含有する
スキンケア組成物は、着用中にその組成物の少なくとも一部は処理された物品か
ら着用者の皮膚へと移行するように適用される。すなわち、スキンケア組成物は
、着用者接触面の1つ以上に直接に適用されるか、或いは、スキンケア組成物が
使用中に使用者/介護者による関与なしで1つ以上の着用者接触面から直ちに移
行するように代わりの位置または手段で適用される。(例えば、着用者対向面の
下に配置された材料、カプセル化された組成物など。)勿論、糞便とも接触を最
も被り易い身体の領域への組成物の送り出しを実行するために、トップシート及
びカフスの着用中に着用者の臀部、生殖器、間擦性及び肛門領域に接触する部分
上に組成物を含むことが好ましいであろう。加えて、その組成物は、着用者の股
関節(hips)、腹部、背中、ウエスト、側(sides)、大腿などの1つ以上へと 送り出すために他の物品領域に適用されても良い。好適な方法は、スプレー、印
刷(例えば、フレキソ印刷)、コート(例えば、接触スロットコート、グラビア
コート)、押し出し、或いは、例えば、スキンケア組成物をカレンダロールのよ
うな回転している表面上にスプレーし、その後、その組成物をその物品の所望の
位置へと転写することのようなこれら塗布技術の組み合わせを含む。また、プロ
テアーゼインヒビタを含有するスキンケア組成物は、例えば押し出しのような様
々な方法のいずれかによって、固体材料として適用され得る。
【0162】 その物品のトップシートに適用される場合、その組成物を物品に適用する方法
は、その組成物が疎水性であるのであれば、少なくともその物品の液体排出領域
に対応する領域において、トップシートがその組成物で飽和させられないべきで
ある。液体排出領域でトップシートが飽和させられた場合、その組成物がトップ
シートの開口をふさぐ可能性が大きく、液体をその下の吸収体コアへと透過する
トップシートの能力を減少させる。また、トップシートの飽和は、治療上の及び
/または保護上の利益を得るのに必要ではない。同様に、処理された他の物品の
コンポーネントの飽和は、所望の皮膚の利益に十分な組成物を移行させるのに必
要であるまたは望まれる訳ではないかもしれない。特に好適な適用方法は、その
物品のトップシートの外側表面を主とした組成物の適用であろう。
【0163】 その物品の着用者接触面へと適用されるべきプロテアーゼインヒビタを含有す
る組成物の最小レベルは、その組成物が本発明にしたがって送り出されたときに
、治療上の、保護上の、及び/または皮膚コンディショニング上の利益を提供す
るのに有効な量である。適用される組成物のレベルは、処理される物品のコンポ
ーネント、その組成物で処理されていない着用者接触面の表面積の相対量、及び
その組成物の成分などを含む様々なファクタに依存するであろう。一般に、相対
的に疎水性であり且つトップシートの実質的に全てに適用されるべき組成物では
、その組成物は、好ましくは、その物品のトップシートに、約0.1mg/in 2 (0.016mg/cm2)乃至約15mg/in2(2.33mg/cm2)の
、より好ましくは約1mg/in2(0.16mg/cm2)乃至約10mg/i
2(1.55mg/cm2)の範囲の量で適用される。スキンケア組成物のより
高いレベルが物品の流体取り扱い特性が影響されない部分の他のコンポーネント
(例えば、カフス、ウエストバンド、サイドパネルなど)に適用されても良いこ
とが認識されている。また、相対的に親水性である組成物については、より高い
付加レベルが液体取り扱い特性に許容不可能な程度にまで影響を与えることなく
トップシート上で使用されても良いことが認識されている。逆に言えば、親水性
組成物のより高いレベルは、トップシート以外のコンポーネント(例えば、カフ
、ウエスト)に適用される場合は、漏出をもたらす物品のエッジへの滲出物の吸
上げを避けるのに不所望であるかも知れない。
【0164】 その組成物は好ましくは処理された領域の表面上に実質的に不動化されている
ので、比較的少量の組成物が、プロテアーゼインヒビタの有効量を送り出すのに
必要である。所望の皮膚の利益を付与するのに低いレベルを使用する能力は、着
用時にその組成物が連続的に自動的に送り出されるという事実のためであると考
えられている。示唆されるように、スキンケア組成物の比較的低いレベルを使用
する能力は、その物品のトップシートが液体排出領域においてその液体透過特性
を維持することを可能とする。
【0165】 プロテアーゼインヒビタを含有するスキンケア組成物は、その物品の着用者接
触面に不均一に適用され得る。「不均一に」により、組成物の量、位置、分布パ
ターンなどが着用者接触面にわたって変化し得ること及びその物品の特定の領域
にわたって変化し得ることが意味される。例えば、トップシートの液体取り扱い
特性を維持するために、特にはその組成物が疎水性である場合に、その組成物を
トップシートに不均一に適用することが望まれるかも知れない。これに関し、そ
の物品(及びその領域)の処理された表面の幾つかの部分はより多い或いはより
少ない量の組成物を有することができ、組成物を全く有していない表面部分を含
み得る。その組成物が相対的に疎水性である場合、そのような好適な態様におい
て、トップシートの表面は、特にはその物品の股領域に対応するトップシートの
エリアに組成物が全く適用されていない領域を有するであろう。ここで使用され
るように、その物品の股領域は、以下に規定されるように、その物品の股点のま
わりに縦横に集中している長方形である。「股点」は、立ち位置で着用者にその
物品を配置し、その後、伸張性のフィラメントを図8の形態で脚の周りに配置す
ることにより決定される。その物品においてフィラメントの交点に対応する点は
、その物品の股点であると考えられる。(股点は、吸収性物品を意図した方法で
着用者上に配置し且つ交差したフィラメントがその物品と接触する場所を規定す
ることにより決定されることが理解される。)失禁デバイス(例えば、オムツ、
成人用失禁物品)に関し、股領域の長さは吸収性物品の総長(すなわち、y次元
における)の40%に対応する。衛生ナプキンに関しては、股領域の長さは吸収
性物品の総長の80%に対応する。股領域の幅は、股点で測定した最も広い吸収
体コアコンポーネントの幅と等しい。(ここで使用されるように、「吸収体コア
」コンポーネントは、身体液を捕捉、移送、分配、及び/または貯蔵するのに伴
われる物質である。そのようなものであるから、用語、吸収体コアは吸収性物品
のトップシートやバックシートを含まない。)例証の目的で、20インチの長さ
を有し、股点でのコアの幅が4インチである失禁物品については、股領域は、長
方形であり、股点に中心を置き、8インチの長さ及び4インチの幅を有する。
【0166】 驚くべきことに、プロテアーゼ含有組成物を具備するトップシートまたは他の
組成物が不均一に処理されながらも(例えば、組成物が全く適用されていない微
視的或いは巨視的領域)、その物品の着用の間に、その組成物は着用者へとトッ
プシートまたは他のコンポーネント内の処理されていない領域に対応する皮膚の
領域にまでも移行する。皮膚へと移行する組成物の量及び不均一さは、例えば、
スキンケア組成物の塗布パターン、着用者の皮膚の処理された物品の表面への接
触、着用時に着用者の皮膚と処理された領域との間に生じる摩擦、着用者から生
じて組成物の移行を増加させる暖気、その組成物の特性、及びその組成物を構成
する材料などを含む幾つかのファクタに依存すると考えられている。
【0167】 その組成物が不均一に適用される場合、例えば、小滴(例えば、スプレーによ
り得られる)、分離したドット(例えば、グラビア印刷により得られる)、物品
の縦または横方向に延びるストライプ(接触スロットコートにより得られる)、
縦または横方向などに延びた渦線、パターン印刷などの適用を含むどのようなパ
ターンが使用されても良い。これら態様において、トップシートが分離した処理
されていない領域を有している場合、その物品の股領域に対応するトップシート
の領域の開口率は広範に変化し得る。(ここで言うように、トップシートの「開
口率」は、(i)股領域に横たわるトップシートの表面積を測定し、(ii)ト
ップシートのこの部分で処理されていない領域の総表面積を測定し、(iii)
(ii)での測定値を(i)での測定値により割ることにより求められる。ここ
で使用されるように、「処理されていない」は、トップシートの約0.01mg
/in2(0.0016mg/cm2)未満の組成物を有する領域を意味する。こ
れに関し、開口率は、約1%乃至約99%、約5%乃至約95%、約10%乃至
約90%、約15%乃至約85%、約20%乃至約80%、約25%乃至約75
%、約30%乃至約70%、或いは約35%乃至約65%であってもよい。所望
の組成物の効果及びトップシートの所望の液体取り扱い特性を達成するのに必要
な開口率は、主としてその組成物の特徴(特には、組成物の成分及びその相対的
な疎水性/親水性特性)によって規定されるであろう。当業者は、所望の開口率
が機械的な実験によって容易に決定されることを察知するであろう。
【0168】 一般に、相対的に疎水性であり且つトップシートの複数の領域がその組成物で
コートされないように適用されるべき組成物では、その組成物は、好ましくは約
0.05mg/in2(0.0078mg/cm2)乃至約35mg/in2(5 .43mg/cm2)、より好ましくは約1mg/in2(0.16mg/cm2 )乃至約25mg/in2(3.88mg/cm2)、さらにより好ましくは約4
mg/in2(0.62mg/cm2)乃至約20mg/in2(3.1mg/c m2)の範囲の量でその物品のトップシートに適用される。相対的に親水性であ る組成物については、より高い付加レベルが、トップシートの液体取り扱い特性
に許容不可能な程度までの悪影響を与えることなく使用されても良いことが認識
されるであろう。勿論、股に比較的高い開口率を有する物品については、より大
きな付加レベルが、トップシートにより液体取り扱い性に悪影響を与えることな
く得られるかも知れない。
【0169】 本発明の1つの好ましい態様において、使用される物品のトップシートは、そ
の物品の縦方向に延びたプロテアーゼ含有組成物のストライプを具備する。これ
ら縦のストライプ(或いは渦線)は、トップシートにプロテアーゼ含有組成物が
殆どまたは全く適用されていない縦のストライプによって分離されている。これ
ら態様において、組成物のそれぞれのストライプは、典型的には約0.1インチ
乃至約0.75インチの、より典型的には約0.1インチ乃至約0.5インチの
幅を有し、組成物を全く含んでいないストライプの幅は、典型的には約0.1イ
ンチ乃至約1インチ、より典型的には約0.15インチ乃至約0.5インチであ
る。これら範囲は、典型的な乳児用オムツの設計に適用可能である。成人用失禁
製品のようなより大きな製品については、これら範囲はより高くなるであろう。
【0170】 スキンケア組成物はまた、物品の他のコンポーネント上に不均一なパターンで
適用され得る。これらの場合、開口面積は、スキンケア組成物の外周によって規
定される長方形により計算される。
【0171】 その組成物は、組み立ての間のいずれの時点でもその物品に適用され得る。例
えば、その組成物は、完成した使い捨て吸収性物品に対して、それが梱包される
前に適用され得る。また、その組成物は、所定のコンポーネント(例えば、トッ
プシート、カフス、サイド、ウエストなど)に対して、加工サイト(converting
site)で或いは材料供給者によって、それが他の原材料と組み合わされて完成 した吸収性製品を形成する前に適用され得る。重ねて、その組成物は、その物品
の他のゾーンに対し、その組成物が使用中に1つ以上の着用者接触面へと移動す
るように適用され得る。
【0172】 その組成物は、典型的には、その融解物から物品に適用される。好ましい態様
において、その組成物は主意温度よりも著しく高い温度で融解するので、それは
、通常、加熱された組成物として物品に適用される。典型的には、その組成物は
、その物品に適用される前に、約35°乃至約150℃、好ましくは40°乃至
約100℃、の範囲の温度に加熱される。プロテアーゼインヒビタは、加熱前ま
たは後にその組成物に加えられても良い。加熱前に加えられる場合、その組成物
が加熱される温度は、プロテアーゼインヒビタを変性させないように選ばれる。
その代わりに、プロテアーゼインヒビタは、予め加熱された組成物に対し、それ
がプロテアーゼインヒビタに影響を与えない温度にまで冷却されているが未だそ
の物品に適用されるのに十分に液体であるときに加えられても良い。一旦、融解
した組成物がその物品に適用されると、それは冷却及び固化される。好ましくは
、その適用プロセスは、その組成物の冷却/セットアップの助けになるように設
計される。
【0173】 組成物の物品への適用においては、接触スロットコート、スプレー、グラビア
コート、押し出しコート法が好ましい。そのような方法の1つは、トップシート
が他の原材料とともに最終製品へと組み立てられた後の、その組成物の物品のト
ップシート上へのスロットコーティングを伴う。
【0174】 X.試験方法 A.スキンケア組成物及びプロテアーゼインヒビタの着用者の皮膚への移行 概要 この方法は、管理された期間にわたり着用者の皮膚上に配置される除去可能な
皮膚類似材料を使用する。皮膚類似体が除去された後、それは、適当な溶剤を使
用して抽出され、そこに付着したスキンケア組成物の量或いはプロテアーゼイン
ヒビタの量が公知の分析方法を使用して測定される。その方法は、ここで規定さ
れるように、プロテアーゼインヒビタを含有するスキンケア組成物を具備する乳
児用オムツでの使用について説明される。当業者は、他のスキンケア組成物、プ
ロテアーゼインヒビタ、吸収性物品、または着用者のタイプについて適当な変更
を認識するであろう。
【0175】 対象 およそ同数の男性及び女性の乳児が、算入及び除外判定基準を用いて選ばれる
べきである。試験の全ての側面を完全なものとする1つの条件及び移行時間当た
り少なくとも15の対象が存在することを確実にするに十分な乳児が選ばれるべ
きである。
【0176】 算入判定基準 a)健康な乳児 b)試験の継続時間にわたってオムツ領域でのローション、クリーム、パウ
ダ、或いは他の皮膚薬剤の不使用を望む介護人 c)使い捨てオムツを常時着用する乳児 d)調査前の夕方に小児を入浴させ、調査の完了後まで入浴させないこと厭
わない介護人 e)調査前の夕方から調査の完了後まで小児に水泳を我慢させることを厭わ
ない介護人
【0177】 除外判定基準 a.最近の4日間に病気だった乳児 b.試験前の4日の間のいずれかの時点で下痢(軟便) c.便通の頻度を増加させるかも知れない投薬(例えば、経口抗生物質、抗
カビ剤、コルチコステロイド) d.試験サイトにおいて或いはその周囲で損傷した皮膚(例えば、日焼け、
能動的皮膚障害など) e.接着剤またはスキンケア成分による既知のアレルギーまたは過敏
【0178】 材料 インビボ移行 皮膚類似体: ミネソタ州St.Paulの3M Health Caresから市販されている皮膚用テープ− TEGADERM Tape No,1622W 試料容器: ペンシルバニア州West ChesterのVWR Scientificからカタログ番号15900− 242として市販されているクロージャを有するガラ スジャー テープリリースパウダ:ニュージャージー州New Brunswickの Johnson&Johonsonから市販されてい るベビーパウダ(タルク及び芳香剤のみを具備する) 手術用手袋: ジョージア州MenloのBest Manufac turing Co.から製品6005PFMとして 市販されている
【0179】 スキンケア組成物の抽出及び分析 抽出溶媒 ミズーリ州St.LouisのSigma−Aldr ichから27056−3として市販されているジク ロロメタン ステアリルアルコール Aldrich 25876−8 1−ヘキサデカノール Aldrich 25874−1 計量フラスコ 10ml ガスクロマトグラフ 水素炎イオン化検出器、Hewlett Packa rd Model 5890が好適 カラム キャピラリカラム:Chrompack CP Si l−5 CB,2メートル×0.25mmで膜厚が0 .12ミクロンの融解シリカキャピラリ(非置換) 機器データ 対象ピークの面積を再現可能に測定可能でなければな らない
【0180】 プロテアーゼインヒビタ(ヘキサミジン)の抽出及び分析 抽出溶媒: ミズーリ州St.LouisのSigma−Aldr ichから27056−3として市販されているジク ロロメタン 計量フラスコ: 10ml カラム: Waters Bondapak CN 10ミクロ ン,3.9×20mmガードカラムを有するHewl ett Packard Zorbax SB−CN ナロウボア5ミクロン,2.1×150mm 機器データ 対象ピークの面積を再現可能に測定可能でなければな らない システム:。
【0181】 方法 インビボ移行 A.被験者の介護人から、被験者が最近の24時間以内に入浴したこと及び入
浴してからローションやパウダなどが被験者の皮膚のオムツされる領域に全く適
用されていないことを確認する。 B.手術用手袋を着用し、被験者をテーブル上に配置して、彼/彼女のオムツ
を取り外す。 C.被験者を彼/彼女の顔を上げてうつぶせにする。
【0182】 D.TEGADERMテープから剥離ライナを除去し、接着面に軽くJ&Jベ
ビーパウダをブラシする(テープの汚染を防ぐために適用の間に手術用手袋等を
着用する)。薄いコートが端部を除いてテープの全体にわたって存在するように
十分なパウダを提供する。(この工程は、テープが小児の皮膚に過剰に積極的に
接着しないようになされる。) E.図2(a)及び(b)は、TEGADERMテープの配置位置を描いてお
り、それはそれら図においてテープ700として示されている。テープ700を
小児の右側臀部に適用する。テープ700は、小児の殿溝中ではなくそれにすぐ
隣接した小児の臀部の最も高い位置に適用されるべきである。第2のテープ70
0が、二度の増分での移行或いはさらなるオムツの効果を測定するのに適用され
ても良い。第2のテープが使用される場合。テープ700は、上述した手順を使
用して左側の臀部に適用される。
【0183】 F.以下のプロトコルにしたがってオムツを交換する:3時間の移行時間−1
つのオムツ;6時間の移行時間−2つのオムツ(3時間で交換);任意に介護人
による24時間の移行時間。24時間の移行時間については、以下の付加的な指
示が従われるべきである: 1.試験の継続時間にわたって、オムツされた領域の清浄化には水及びタオ
ルのみを使用する。ベビーワイプは使用しない。テープの回りの領域を手或いは
清浄化用具で接触するのを避ける。
【0184】 2.試験の継続時間にわたって、スキンケア製品(ローション、軟膏、クリ
ーム、石鹸など)を使用しない。 3.試験の係属期間にわたって、被験者を入浴させない。 4.試験用オムツのみを使用する。それぞれのオムツを交換した時間を記録
する。
【0185】 5.便通及び被験者を水及びタオルで正常化した時間を記録する。 G.全ての試験用オムツについて、それぞれのオムツが適用された時間を記録
する。 H.所定の移行時間が終わるころに被験者を呼び戻す。 I.試験用オムツを取り除く。小児が便通を有している場合は、研究員はテー
プ700を取り除き、それを廃棄すべきである(被験者は、その後、試験を完了
し、その被験者からのデータは分析に含められない)。被験者が排尿している場
合は、テープ700は以下に記載されるように分析に許容され得るであろう。
【0186】 J.試験設備員は、手術用手袋を着用し、テープ700をピンセットでテープ
700の端部をつかんで、テープ700の残りの部分をやさしく剥がすことによ
り除去すべきである。 K.ジャー及び残りをやさしく剥がすことが次のサンプル識別のために適切に
ラベルされていることを確認する。 L.試験の完了時に、以下に説明する分析のために、ジャーの中に全てのサン
プルを収集する。
【0187】 1.スキンケア組成物についての試験サンプルの抽出及び分析 この方法は、好ましいスキンケア組成物,表4のスキンケア組成物,を用いた
使用向けに設計されている。ある当業者は、他のスキンケア組成物のレベルを抽
出及び分析するのにどのような改造が必要となるかを認識するであろう。原則的
には:1)その組成物の主成分の1つが、適当な溶剤を用いて皮膚類似体から抽
出され;2)その後、ガスクロマトグラフまたは他の適当な定量分析技術が、抽
出物中の主成分のレベルを測定するのに使用され;3)単位面積あたりのスキン
ケア組成物の量が、抽出物中の主成分の量及びテープの面積に基づいて計算され
る。
【0188】 内標準/抽出溶剤 100±2mgの1−ヘキサデカノールを小さなビーカの中へと正確に量り取
ることにより、内標準/抽出溶剤を調製する。1−ヘキサデカノールをジクロロ
メタン中に溶解させ、1リットルのメスフラスコへと移す。ビーカをジクロロメ
タンでさらに3回すすぎ、それぞれのすすぎ部をメスフラスコに移す。メスフラ
スコを容量まで満たし、よく混合する。この溶液は、内標準を送り出すのに及び
テープからスキンケア組成物を抽出するのに使用される。非使用時には、この容
器は、溶剤の蒸発を防ぐために、きつく栓をされ続けられるべきである。
【0189】 校正標準 1±1mgのステアリルアルコールを100mlのメスフラスコ中へと正確に
量り取る(±0.1mgで)ことにより、濃度の分かっている校正標準を調製す
る。使用したステアリルアルコールの重量を記録する。内標準/抽出溶剤をフラ
スコに加え、溶解するまで混合する。容量まで満たし、よく混合する。非使用時
には、この容器は、溶剤の蒸発を防ぐために、きつく栓をされ続けられるべきで
ある。この溶液は、機器の校正のために、ステアリルアルコールの1−ヘキサデ
カノール内標準に対する相対応答を測定するのに使用される。
【0190】 ガスクロマトグラフの準備及び校正 全ての機器は、製造業者の推奨にしたがって設置され、操作され、整備される
べきである。 カラムを設置し、カラムオーブンを100℃に及び注入口と検出器とを操作温
度にして全てのガス流をチェックする。GCは、以下の条件で操作される: キャリアガス: 水素(ヘリウムが使用されても良い); 流量1.5ml/分 注入口: 325℃;スプリットベントフロー30ml/分; 隔壁パージ2ml/分;ガラスウールプラグを有する真っ 直ぐな貫通ライナ;Merlin Microseal 注入体積:2μlスプリット FID検出器: 350℃;製造業者の提唱に従ってガス流を設定する。
【0191】 典型的なガス流は、空気については400ml/分、水素 については30ml/分、及び補助(メイクアップ)ガス については30ml/分である カラムオーブン:15℃/分の傾斜をなして100℃乃至325℃; 10分間維持。
【0192】 全ての接続部がきつく固定され、リークフリーであることを確実にする。検出
器を点火し、それを安定化させる。カラムを325℃で30分間コンディショニ
ングする。必要に応じてシリンジをジクロロメタンで清浄化する。シリンジは、
それぞれの注入後に、ジクロロメタンで数回すすがれるべきである。ジクロロメ
タンを注入しつつ数回の空試験を行い、良好な基線が得られること及びクロマト
グラム中に異質なピークが存在しないことを確実にする。異質なピークが存在す
る或いは基線が好適でない場合は、故障箇所をつきとめて修理し、問題を正す。
【0193】 先に調製した校正標準を用いて機器を校正する。適切な操作シーケンスのため
にデータシステム製造業者の指示を調べる。計算は、所望の結果を得るために、
以下の「計算」に記載されたのとる維持した方法で行われるべきである。
【0194】 サンプル分析手順 1)サンプルジャーから蓋を取り外し、計量フラスコを用いて10mlの抽出
溶剤/内標準溶液を加える。栓を元の場所に戻し、内容物に渦流を生じさせて、
テープ700がジャーの即部に接着しないこと及び完全に溶剤中に沈められてい
ることを確実なものとする。全てのサンプルについて繰り返す。 2)サンプルを16時間静置する(典型的には一晩中行われる)。
【0195】 3)ジャーの内容物に渦流を生じさせて混合する。ホールピペットを用いて、
サンプル抽出物の部分標本を適切にラベルされたオートサンプラバイアル中へと
移す。バイアルに栓をする。ジャーの蓋を元の場所に戻し、分析が完了するまで
維持する。全てのサンプルについて繰り返す。 4)複数のバイアルをオートサンプラ中にランダムな順で配置し、上述したG
C条件を用いて分析を開始する。最初のバイアルは、ジクロロメタンブランクで
あるべきである。正確な操作を実証するために、運転の間中、幾つかの「検定」
標準が配置されるべきである(ほぼ20番目のサンプル毎に)。 5)運転の完了時に、適切な分析を保証するために、それぞれのクロマトグラ
ムをチェックする。必要であれば、サンプルを再分析する。
【0196】 計算 それぞれのサンプル中のステアリルアルコールの総マイクログラムが、1−ヘ
キサデカノール内標準の相対応答に対するステアリルアルコールの相対応答に基
づいて計算される。ピーク面積の比は、相対応答係数(機器の校正時に測定され
る)及び抽出物中の内標準のマイクログラムを乗じられ、サンプル中のステアリ
ルアルコールの総μgを得る。
【0197】 機器の校正 校正標準クロマトグラム中のステアリルアルコール及び1−ヘキサデカノール
のピークの面積に基づいて、ステアリルアルコール及び内標準についての機器相
対応答係数を求める。
【0198】
【数2】
【0199】 ここで、面積inst=内標準についてのGCピーク面積 面積sa =ステアリルアルコールについてのGCピーク面積 重量inst=内標準/抽出溶剤を調製するのに使用した内標準の マイクログラム 重量sa =校正標準を調製するのに使用したステアリルアルコールの マイクログラム である。
【0200】 サンプルの計算 以下の等式で、サンプルクロマトグラムからのピーク面積を用いてそれぞれの
サンプルにおけるステアリルアルコールの総マイクログラムを計算する。
【0201】
【数3】
【0202】 ここで、面積inst=内標準についてのGCピーク面積 面積sa =ステアリルアルコールについてのGCピーク面積 重量inst=内標準/抽出溶剤を調製するのに使用した内標準の マイクログラム である。
【0203】 移行したスキンケア組成物の量をmg/cm2で報告する。
【0204】
【数4】
【0205】 上述した方法について、組成物中のステアリルアルコールの濃度は41%であ
り、テープパッチの寸法は4.4cm×4.4cmである。
【0206】
【数5】
【0207】 2.プロテアーゼインヒビタについての試験サンプルの抽出及び分析 この方法は、表1のプロテアーゼインヒビタを含有するスキンケア組成物での
使用向けに設計されている。ある当業者は、他のプロテアーゼインヒビタの抽出
及びそのレベルの側手には改造が必要となるかも知れないことを認識するであろ
う。原則的には:1)プロテアーゼインヒビタが、適当な溶剤を用いて皮膚類似
体から抽出され;2)その後、HPLCまたは他の適当な定量分析技術が、抽出
物中のインヒビタのレベルを測定するのに使用され;3)単位面積あたりのプロ
テアーゼインヒビタの量が、抽出物中のインヒビタの量及びテープの面積に基づ
いて計算される。
【0208】 標準の調製 10ug/mLのヘキサミジンの標準溶液を調製するために、0.10グラム
+/−0.02グラムの試薬用ヘキサミジンジイセチオネートを量り取り、これ
をHPLC移動相(10%氷酢酸及び17.5%メタノール)溶液中に溶解させ
る。表3に示すように10ug/mLの標準溶液を分取し、100mLフラスコ
中でHPLC移動相溶液を用いて容量まで希釈することにより、追加のヘキサミ
ジン標準を調製する。
【0209】
【表4】
【0210】 サンプルの準備 1.移行テープサンプルを40mLのガラスバイアル中に配置する。 2.計量フラスコを用いて10mLのジクロロメタンをバイアルに加え、バイ
アルにきつく栓をする。 3.リストアクションシェーカ中にバイアルを固定し、30分間振動させる。
【0211】 4.シェーカからバイアルを取り外し、バイアルの栓を取り外して、バイアル
に10mLのHPLC移動相溶液を加える。バイアルに再び栓をして、バイアル
をリストアクションシェーカ中にしっかりと配置する。 5.サンプルを30分間振動させて、ヘキサミジンを水相中に溶解させる。 6.進行する前に、少なくとも30分間、バイアル/サンプルを静置して、層
を分離させる。 7.サンプルが分離された後、使い捨てシリンジを用いてバイアルから水性部
(上層)を除去し、水性相を0.45ミクロンフィルタに通してHPLCサンプ
ルバイアル中へと濾過する。
【0212】 サンプルの分析 1.表4に記載される条件で、標準及びサンプルをクロマトグラフする。
【0213】
【表5】
【0214】 計算 1.標準濃度(mg/mL): Si(mg/mL)=W(mg)100*(V1/100) (1) W=ストック標準溶液についてのヘキサミジンの重量 V1=標準を調製するのに使用したヘキサミジンストック溶液の体積(表I ) 2.校正曲線 A.それぞれの標準におけるヘキサミジンのmg/mL(Si)とそれぞれ の標準溶液についての応答(ピーク面積またはピーク高さ)Riとを表にする。 B.等式(2)のデータに対する最小二乗フィットを行うことにより校正曲
線を描く。 Ri=mSi+b(2)。
【0215】 3.試験サンプル A.測定した応答R及び校正等式: H1=(R−b)/m (3) を用いてサンプル抽出物中のヘキサミジンの量(H1)を計算する。 B.等式4にしたがって、サンプル中のヘキサミジンの量(H)をmgで計
算する。 H=H1*10 (4) C.ヘキサミジンの量(H)をテープ面積で割り、皮膚類似体の単位面積当
たりのヘキサミジンの濃度を求める。
【0216】 VII.具体例 以下は、(a)オムツのトップシートをスキンケア組成物で処理すること及び
(b)そのようなトップシートを具備する物品を利用した本発明の方法の具体的
な例証である。同様のアプローチが、本方法で使用される処理された物品を提供
するために他のコンポーネントを処理するのに利用されても良い。
【0217】 例1 スキンケア組成物及びプロテアーゼインヒビタを具備するトップシートを 有する吸収性物品の準備及び試験 A.スキンケア組成物の調製 スキンケア組成物(組成物A)は、以下の成分:(i)58部のペトロラタム
(コネチカット州GreenwichのWitco Corp.からWhite
Protopetとして市販されている);41部のステアリルアルコール(
オハイオ州CincinnatiのProcter and Gamble C
o.からCO1897として市販されている);及び1部のアロエ抽出物(ニュ
ージャージー州S.HackensackのMadis Botanicals
,Inc.からVeragel Lipoid in Kaydolとして市販
されている)を含有する99部の融解した(すなわち、液体の)ベース組成物に
、1部のヘキサミジンジイセチオネート(フランス国PulnoyのLabor
atories SerobilogiquesからElestab HP10
0として市販されている)を混合することにより作製される。
【0218】 B.接触スロットコーティングによる処理された物品の準備 組成物Aは、170°Fの温度で稼動する過熱されたタンク中に配置される。
その組成物は、次に、接触アプリケータで(例えば、5つのスロットを有し、1
70°Fで稼動するMeltex EP45ホットメルト接着剤アプリケータヘ
ッドを用いて)、物品のトップシート上に、ストライプがその物品の縦方向に延
びたストライプパターンで塗布される。すなわち、それぞれのストライプの幅(
すなわち、その物品の横方向における)が0.25インチであり長さが11.7
5インチである5つのストライプが、含浸レベル=7.7mg/in2(12g /m2、1.19mg/cm2)で塗布される。ストライプ間の距離は0.31イ
ンチである。
【0219】 C.処理された物品の酵素阻害特性についての試験 この例は、プロテアーゼ阻害活性についてオムツを試験する方法を説明する。
それは、他の吸収性物品の他の部分がサンプリングされ得て、他の抽出溶剤及び
他の基質系などを用いた他の方法が試験に使用され得るので、制限されることが
意図されるものではない。
【0220】 上記セクションBで記載したように組成物Aで処理された吸収性物品のコア領
域中に、及びどのようなインヒビタも含有していない対照物品中に、10個の3
/4インチのパンチがランダムに形成される。それぞれのパンチされた領域は、
次に、以下のようにトリプシン阻害活性について試験される。トップシートがパ
ンチから取り外され、1.5mLの遠心バイアル中に配置される。サンプルは、
0.75mLの水の中に一晩浸漬される。上澄み液の部分標本(0.025mL
)が取り去られ、20mMのCaCl2を含むTRIS−HCl中にヒト膵臓ト リプシンを160nMの濃度で含有するpH8.2の液体0.025mLを収容
したキュベットに加えられ,25℃で10分間保温される。Cbz−アルギニン
−p−ニトロアニリド基質(0.025mLの4mM溶液)がそれぞれのキュベ
ットに加えられ、試験及び対照サンプルは5分間保温される。次に、それぞれの
サンプルについて405nmでの吸光度の変化が10分間にわたってモニタされ
る。表5に示される評価分析の結果は、インヒビタを含有する吸収性物品は、測
定されたトリプシン活性における減少を生じ(インヒビタを含有していないこと
以外は同一である対照物品と比較して)、本発明の物品であることを示唆してい
る。
【0221】
【表6】
【0222】 例2 皮膚の健康を改善する方法 吸収性物品を絶えず使用し軽い紅斑を持続的に有している失禁を患っている活
動的な体重165ポンドの成人が、例1のオムツと類似した成人用失禁製品を少
なくとも約5日の期間にわたって使用する。被験者の物品は、ユーザのルーチン
パターンにしたがって交換される。(典型的には、交換パターンは、日中の4乃
至5時間毎の交換と終夜の睡眠の前の新たな物品の適用とからなる。)この期間
の間、皮膚保護剤や湿気忌避剤やオムツかぶれ処理製品のいずれかのタイプの手
動の適用の形態でのユーザによる関与は全くない。5日の期間の最後で、被験者
は、紅斑が減少したか或いは解決したかを観察される。
【0223】 例3 皮膚の健康を改善する方法 軽いオムツかぶれ及び紅斑を呈する体重32ポンドの乳児が、終夜の睡眠に間
だけ、例1のオムツを用いて少なくとも約5日の期間にわたって、オムツを着用
される。(すなわち、日中、処理されていない物品が使用される。)乳児のオム
ツは、介護人のルーチンパターンにしたがって交換される。この期間の間、皮膚
保護剤や湿気忌避剤やオムツかぶれ処理製品の手動の適用の形態での介護人によ
る関与は全くない。5日の期間の最後で、被験者は、かぶれ及び紅斑が減少した
か或いは解決したかを観察される。
【0224】 例4 皮膚の健康を維持する方法 オムツかぶれ及び紅斑を全く呈していない体重25ポンドの乳児が、中耳炎と
診断され、全身系抗生物質が一定期間処方される。従来の(処理されていない)
オムツでの経験に基づき、介護人は、乳児はゆるい糞便に起因して紅斑及び/ま
たはオムツかぶれになると予期する。その結果、例1で記載したようなオムツが
、抗生物質の投与期間にわたって連続的に使用される。この期間の間、皮膚保護
剤や湿気忌避剤やオムツかぶれ処理製品の手動の適用の形態での介護人による関
与は全くない。抗生物質の投与期間にわたり、被験者は紅斑またはオムツかぶれ
を全く呈さない。
【0225】 この記載を通して言及した全ての特許、特許出願(及びそれに基づいて交付さ
れた特許並びに対応する公開された外国の特許出願)、及び刊行物の開示は、こ
こに参照により組み込まれる。しかしながら、ここに参照により組み込まれた文
献のいずれかが本発明を教示または開示していることは、明確に認められない。
【0226】 本発明の特定の態様が例証及び記載されたが、様々な他の変形及び修飾が本発
明の真意及び範囲から逸脱することなく成され得ることは当業者には明白であろ
う。それゆえ、添付の請求の範囲で、本発明の範囲内にあるそのような変形及び
修飾の全てをカバーすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオムツの形態の吸収性物品を概略的に示す図。
【図2】 (a)はスキンケア組成物移行試験及び/またはプロテアーゼインヒビタ移行
試験において使用される皮膚類似体の配置を示す側面図、(b)はスキンケア組
成物移行試験及び/またはプロテアーゼインヒビタ移行試験において使用される
皮膚類似体の配置を示す平面図。
【符号の説明】
50…オムツ; 51…周縁部; 52…外側表面; 53…中心線; 54…内側表面; 55…エッジ; 56…ウエスト領域; 57…エンドエッジ; 58…ウエスト領域; 59…中心線; 520…トップシート; 530…バックシート; 540…吸収体コア; 542…衣服対向面; 544…身体対向面; 546…サイドエッジ; 548…ウエストエッジ; 549…耳; 550…レッグカフス; 560…ウエスト機構; 570…締付システム; 700…シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 31/44 A61P 17/00 4C088 31/606 A61L 15/03 4C098 35/78 A41B 13/02 N 38/55 A61F 13/18 B 45/00 A61K 37/64 A61P 17/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA (72)発明者 オズボーン、スコット・エドワード アメリカ合衆国、オハイオ州 45044 ミ ドルタウン、ウィルヘルミナ・ドライブ 7071 (72)発明者 ロー、ドナルド・キャロル アメリカ合衆国、オハイオ州 45069 ウ エスト・チェスター、エンバーウッド・コ ート 6324 (72)発明者 アンダーライナー、トッド・ローレンス アメリカ合衆国、オハイオ州 45239 シ ンシナティ、セイラー・ドライブ 6264 (72)発明者 マクアイバー、ジョン・マクミラン アメリカ合衆国、オハイオ州 45240 シ ンシナティ、セダーヒル・ドライブ 832 (72)発明者 ベイツ、ティモシー アメリカ合衆国、オハイオ州 45240 シ ンシナティ、フォアスター・ドライブ 1589 Fターム(参考) 3B029 BD22 4C003 HA02 4C081 AA01 AA12 CE01 4C084 AA02 AA17 DC32 MA63 NA14 ZA891 4C086 AA01 BC17 DA17 MA63 NA14 ZA89 ZA90 4C088 AB12 AB59 BA08 MA63 NA14 ZA89 ZA90 4C098 AA09 CC07 DD21

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収性物品であって、その少なくとも一部が精製プロテアー
    ゼ法によって測定した場合に30μM以下のIC50を有するプロテアーゼインヒ
    ビタを具備する吸収性物品。
  2. 【請求項2】 前記IC50が、0.00001μM乃至30μMであり、好
    ましくは0.0001μM乃至20μMであり、より好ましくは0.001μM
    乃至10μMであることを特徴とする請求項1に記載の物品。
  3. 【請求項3】 吸収性物品であって、その少なくとも一部が特殊糞便プロテ
    アーゼ法によって測定した場合に90μM以下のIC50を有するプロテアーゼイ
    ンヒビタを具備する吸収性物品。
  4. 【請求項4】 前記IC50が、0.00001μM乃至90μMであり、好
    ましくは0.0001μM乃至30μMであり、より好ましくは0.001μM
    乃至10μMであることを特徴とする請求項3に記載の物品。
  5. 【請求項5】 吸収性物品であって、その少なくとも一部はプロテアーゼイ
    ンヒビタを具備し、前記プロテアーゼインヒビタは一般糞便プロテアーゼ法によ
    って測定した場合に500μM以下のIC50を有することを特徴とする吸収性物
    品。
  6. 【請求項6】 前記IC50は500μM以下であり、好ましくは300μM
    以下であり、より好ましくは100μM以下であることを特徴とする請求項5に
    記載の物品。
  7. 【請求項7】 前記プロテアーゼインヒビタは、セリンプロテアーゼインヒ
    ビタ、メタロプロテアーゼインヒビタ、システインプロテアーゼインヒビタ、ア
    スパルチルプロテアーゼインヒビタ、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の物品。
  8. 【請求項8】 前記プロテアーゼインヒビタは、大豆トリプシンインヒビタ
    、ライマビーンプロテアーゼインヒビタ、コーンプロテアーゼインヒビタ、ボー
    マン・バークインヒビタ、ヒト膵臓トリプシンインヒビタ、ウシ膵臓塩基性トリ
    プシンインヒビタ、卵白トリプシンインヒビタ、卵白オボムコイド含有オボイン
    ヒビタ、キモスタチン、アプロチニン、ロイペプチン及びその類似体、ベスタチ
    ン及びその類似体、アマスタチン及びその類似体、アンチパイン、アンチトロン
    ビンIII、ヒルジン、シスタチン、E−64及びその類似体、α2−マクログ ロブリン、α1−アンチトリプシン、ペプスタチン及びその類似体、アプスタチ ン、(2R)−2−メルカプトメチル−4−メチルペンタノイル−b−(2−ナ
    フチル)−Ala−Alaアミド、(2R)−2−メルカプトメチル−4−メチ
    ルペンタノイル−Phe−Alaアミド、N−アセチル−Leu−Leu−メチ
    オニナル、N−アセチル−Leu−Leu−ノルロイシナル、p−アミノベンゾ
    イル−Gly−Pro−D−Leu−D−Alaヒドロキサム酸、2(R)−[N
    −(4−メトキシフェニルスルホニル)−N−(3−ピリジルメチル)アミノ]
    −3−メチルブタノヒドロキサム酸、ヘキサミジン及びその塩、ペンタミジン及
    びその塩、ベンザミジン並びにその塩及び誘導体、p−アミノベンザミジン並び
    にその塩及び誘導体、グアニジノ安息香酸並びにその塩及び誘導体、及びそれら
    の混合物からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいず
    れか1項に記載の物品。
  9. 【請求項9】 前記プロテアーゼインヒビタは4−(2−アミノエチル)−
    ベンゼンスルホニルフルオライドヒドロクロライドである請求項5または請求項
    6に記載の物品。
  10. 【請求項10】 前記物品は、0.0001重量%乃至30重量%の前記プ
    ロテアーゼインヒビタを、好ましくは0.0001重量%乃至10重量%の前記
    プロテアーゼインヒビタを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項9のい
    ずれか1項に記載の物品。
  11. 【請求項11】 その少なくとも一部の抽出物が吸収性物品試験方法におけ
    るプロテアーゼによる基質加水分解において少なくとも10%の減少を生じる請
    求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の物品。
  12. 【請求項12】 前記プロテアーゼインヒビタを含み且つ前記プロテアーゼ
    インヒビタを前記物品の着用者の皮膚の少なくとも一部へと送り出すデリバリシ
    ステムをさらに具備する請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の物品。
  13. 【請求項13】 前記デリバリシステムはスキンケア組成物であることを特
    徴とし、前記スキンケア組成物は0.01重量%乃至50重量%の前記プロテア
    ーゼインヒビタを具備することを特徴とし、前記スキンケア組成物の少なくとも
    一部は前記物品の着用の間に前記物品から着用者の皮膚へと移されることを特徴
    とする請求項12に記載の物品。
  14. 【請求項14】 前記スキンケア組成物は、0.05重量%乃至25重量%
    の前記プロテアーゼインヒビタを、好ましくは0.1重量%乃至10重量%の前
    記プロテアーゼインヒビタを具備することを特徴とする請求項12または請求項
    13に記載の物品。
  15. 【請求項15】 着用者接触面をさらに具備し、前記着用者接触面の少なく
    とも一部は前記プロテアーゼインヒビタを含有する前記スキンケア組成物を具備
    し、好ましくは前k着用者接触面はトップシートであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項14のいずれか1項に記載の物品。
  16. 【請求項16】 吸収性物品であって、その少なくとも一部の抽出物が吸収
    性物品試験方法におけるプロテアーゼによる基質加水分解において少なくとも1
    0%の減少を、好ましくは少なくとも20%の減少を、より好ましくは50乃至
    90%の減少を生じる吸収性物品。
  17. 【請求項17】 大豆トリプシンインヒビタ、ライマビーンプロテアーゼイ
    ンヒビタ、コーンプロテアーゼインヒビタ、ボーマン・バークインヒビタ、ヒト
    膵臓トリプシンインヒビタ、ウシ膵臓塩基性トリプシンインヒビタ、卵白トリプ
    シンインヒビタ、卵白オボムコイド含有オボインヒビタ、キモスタチン、アプロ
    チニン、ロイペプチン及びその類似体、ベスタチン及びその類似体、アマスタチ
    ン及びその類似体、アンチパイン、アンチトロンビンIII、ヒルジン、シスタ
    チン、E−64及びその類似体、α2−マクログロブリン、α1−アンチトリプシ
    ン、ペプスタチン及びその類似体、アプスタチン、(2R)−2−メルカプトメ
    チル−4−メチルペンタノイル−b−(2−ナフチル)−Ala−Alaアミド
    、(2R)−2−メルカプトメチル−4−メチルペンタノイル−Phe−Ala
    アミド、N−アセチル−Leu−Leu−メチオニナル、N−アセチル−Leu
    −Leu−ノルロイシナル、p−アミノベンゾイル−Gly−Pro−D−Le u−D−Alaヒドロキサム酸、2(R)−[N−(4−メトキシフェニルスル ホニル)−N−(3−ピリジルメチル)アミノ]−3−メチルブタノヒドロキサ
    ム酸、4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオライドヒドロクロ
    ライド、ヘキサミジン及びその塩、ペンタミジン及びその塩、ベンザミジン並び
    にその塩及び誘導体、p−アミノベンザミジン並びにその塩及び誘導体、グアニ
    ジノ安息香酸並びにその塩及び誘導体、TLCK、TPCK、トラネキサム酸、
    及びそれらの混合物からなる群より選ばれる物質を含む吸収性物品。
  18. 【請求項18】 前記物質は、大豆トリプシンインヒビタ、アプロチニン、
    ヘキサミジン、p−アミノベンザミジン、ロイペプチン、ペプスタチンA、キモ
    シタチン、グアニジノ安息香酸の誘導体、及びそれらの混合物からなる群より選
    ばれることを特徴とする請求項17に記載の物品。
  19. 【請求項19】 吸収性物品中に存在する糞便プロテアーゼの蛋白質分解酵
    素活性を減少させる方法であって、(i)プロテアーゼインヒビタを少なくとも
    吸収性物品の糞便と接触する部分の中に組み込む工程と、(ii)前記物品を前
    記プロテアーゼインヒビタが糞便プロテアーゼと接触するように着用者に適用す
    る工程とを具備する方法。
  20. 【請求項20】 皮膚の吸収性物品と接触する部分で糞便プロテアーゼのタ
    ンパク質分解酵素活性を減少させる方法であって、(i)前記吸収性物品内のデ
    リバリシステム中にプロテアーゼインヒビタを解放可能に組み込む工程,前記デ
    リバリシステムは前記インヒビタを前記物品の着用者の皮膚の少なくとも一部へ
    と送り出し得ることを特徴とする,と、(ii)前記吸収性物品を前記着用者の
    前記皮膚に適用する工程とを具備する方法。
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